JP3830626B2 - 帳票類取込み装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば銀行等の金融機関に設置され、公共料金等の払込取引を自動的に行う自動取引装置に適用して好適な帳票類取込み装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、公共料金等の払込取引を自動的に行う自動取引装置は、サイズの異なる帳票類を取扱う関係上、帳票類の挿入口や挿入口へのガイド手段をその帳票類のサイズに合った所定の幅に設定しておくことができず、そのため前記挿入口は処理対象となる最も大きい帳票類の挿入が可能な大きさに設定され、その挿入口の手前側には図8(A)、(B)に示すように挿入される帳票類aの下面をガイドする下面ガイド部bと一側端面をガイドする側端面ガイド部cとが設けられ、操作案内やシールなどの情報伝達手段により帳票類aを前記下面ガイド部b上に載せた状態で側端面ガイド部cへ片寄せつつ挿入口dへ挿入するよう促している。
上記挿入口dの内部には、帳票類aが挿入されたことを検知する一対のセンサe,eが帳票類aの挿入方向イに対し直角方向に互いに間隔をおいて配設されており、双方のセンサe,eが同時に帳票類aの挿入を検知したとき帳票類aを挟持して搬送する搬送ローラ、ベルト等からなる搬送手段fが駆動され、帳票類aを挟持搬送して取込み、所定の処理を行うようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに上記従来の装置では、操作案内やシールなどによる表示によって帳票類の正しい挿入の仕方を促してはいるものの、側端面ガイド部cに片寄らせない状態で挿入した場合であっても一対のセンサe,eが同時に帳票類aの挿入を検知すれば搬送手段fが駆動されて帳票類aを取込んでしまい、そのため帳票類aが斜め姿勢で取込まれたりしてデータの読取り位置がずれて処理し得なかったり、あるいは帳票類aへの印字位置や押印位置がずれてしまうなどの処理不良が発生するという問題点があった。
【0004】
また帳票類aは通常長手方向に挿入されるようになっているため、帳票類aの挿入を検知する一対のセンサe,eは帳票類aの短手方向2個所を検知することになり、それ故センサ間の間隔を大きくとることができない関係上、帳票類aの傾きを厳密に検知することができず、傾いたまま取込んでしまうことが避けられなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、帳票類の側端面が正規の挿入方向に対し平行に挿入されない限り取込むことがなく、帳票類の処理不良を確実に防止することを課題としてなされたもので、サイズの異なる複数種類の帳票類を挿入可能とされた帳票類挿入口と、この帳票類挿入口の前方に突出して設けられ挿入される帳票類の下面をガイドする下面ガイド部、および帳票類の一側端面をガイドする側端面ガイド部を有する挿入ガイド手段と、駆動開始により前記帳票類挿入口へ挿入された帳票類を挟持して搬送する搬送手段と、前記搬送手段の直前位置に設けられ帳票類の挿入を検知する挿入検知手段と、前記挿入ガイド手段の帳票類挿入方向の異なる位置に設けられ、帳票類が前記側端面ガイド部に寄せられていることを検知する少くとも2個の片寄せ検知手段と、駆動される前記搬送手段により帳票類が最初に挟持される部位より若干下流側位置に設けられ帳票類を検知する搬送検知手段と、前記片寄せ検知手段の少くとも2個が帳票類の側端面ガイド部へ寄せられていることを検知しかつ前記挿入検知手段が帳票類の挿入を検知したとき前記搬送手段の駆動を開始させ、その後、前記搬送検知手段が帳票類を検知するまでの間に前記片寄せ検知手段の何れかが帳票類の片寄せを検知しなくなったときは前記搬送手段を逆転して帳票類を返却させる取込制御手段とを具備することを特徴とする。
【0007】
また前記片寄せ検知手段を3個以上設け、挿入される帳票類の種類により2個の片寄せ検知手段を選択的に使用するようにしてもよい。これによれば長さの異なる帳票類をその帳票類のサイズに最も適した位置の片寄せ検知手段により片寄せを検知することができ、より正確に片寄せ状態を検知することが可能となる。
【0008】
さらに前記片寄せ検知手段を、前記挿入ガイド手段の下面ガイド部と側端面ガイド部との交差部近傍位置にそれぞれ設けられたセンサ孔と、これらセンサ孔を通して光軸が前記下面ガイド部と側端面ガイド部との間を斜めに通過するよう配設された投・受光センサとで構成することがスペースをとることなく簡単に構成することができるとともに帳票類の側端部が多少浮上がった状態におかれていても確実に検知することができて好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す実施の形態を参照して説明する。
【0010】
図1は本発明を自動取引装置に適用した場合の一実施形態の外観を示すもので、装置本体1の上方内部に帳票類処理部2が内装され、装置本体1の前面中段部1aには紙幣入金口3、釣銭紙幣の出金口4、シャッタ5により開閉される硬貨入出金口6、タッチパネル方式による操作表示部7等が設けられており、前記帳票類処理部2の前面側の装置本体1には帳票類を挿入するための挿入口8、その上方位置に返却口9がそれぞれ開口されている。
【0011】
上記挿入口8の外部には本発明に直接関係する挿入ガイド手段10が水平方向に突設されており、この挿入ガイド手段10は、帳票類の下面をガイドする下面ガイド部11と、帳票類の一側端面(図では右側端面)をそわせてガイドする突堤状の側端面ガイド部12とを有している。
【0012】
図2は上記帳票類処理部2の内部構造を示す略示断面図で、前記挿入ガイド手段10の下面ガイド部11の内端位置に取込搬送手段13としての駆動ローラ14およびこれと協働する従動ローラ15が配設され、この取込搬送手段13の前部位置の上部には前記返却口9に帳票類を搬送するための一対のベルトからなる返却搬送路16が配設されており、この返却搬送路16と前記取込搬送手段13との間には利用者に返却する用紙の返却時にソレノイド17により返却搬送路16側に切換える切換爪18が設けられている。
【0013】
上記取込搬送手段13に続いて上下対をなすローラ群により搬送路20が形成され、この搬送路20の始端位置、すなわち前記取込搬送手段13の直後の位置にはソレノイド21により切換えられる切換爪22が設けられ、処理済の帳票類の返却しない部分を収納部23へ収納するため、返却時に収納部23へ至る収納搬送路24への切換えを行うようになっている。
【0014】
前記搬送路20には、光学的に全面のイメージを読取り、払込票(帳票類)の場合その種類によって予め定められている位置から必要な情報を認識するためのOCRユニットからなる読取手段25、所定の位置で払込票を切断するためのロータリーカッタ26、日付等の変動文字類を印字するためのプリンタ27、固定文字類をソレノイド28により押印するスタンプ29の順に該搬送路20の上流側から配設され、上記プリンタ27およびスタンプ29は紙面に対し前後方向(払込票の挿入方向に対し直角方向)にスライドガイド30,30にそって移動可能な枠体31に支持され、払込票の種類によって予め決まっている押印位置や印字位置へ移動して押印および印字を行なうことができるようになっている。
【0015】
前記搬送路20の末端は下方へ屈曲され、さらにガイド32により前記収納部23の下部のスペース33に向けられていて、払込票が長い場合にこのスペース33に一時的に退避させることができるようになされている。
【0016】
前記各部の駆動は、前記取込搬送手段13の駆動ローラ14を含む前記ロータリーカッタ26より上流側はモータM1 で、上記ロータリーカッタ26より後流側の搬送系はモータM2 で、収納搬送路24はモータM3 で、ロータリーカッタ26はモータM4 で、さらに前記プリンタ27およびスタンプ29の枠体31の移動をモータM5 でそれぞれ駆動されるように構成されており、モータM1 、M2 は正逆転駆動される。
【0017】
なお、図2において符号34は、収納部23に挿入される払込票の一部(回収すべき通知書部分)を整然と収納させるための押え片である。
【0018】
本発明においては、前記挿入ガイド手段10の側端面ガイド部12にそって帳票類挿入方向の異なる位置に片寄せ検知手段を構成する3個のセンサS1 ,S2 ,S3 が配設され、前記取込搬送手段13の直前位置に挿入検知手段を構成するセンサS4 が配設され、さらに前記搬送路20の始端付近には搬送検知手段としてのセンサS5 が配設されており、いずれもフォトセンサが用いられている。
【0019】
前記挿入ガイド手段10に設けられるセンサS1 〜S3 は、図3にその一つの部分の拡大断面を示すように、挿入ガイド手段10の下面ガイド部11と側端面ガイド部12との交差部近傍位置でその下面ガイド部11と側端面ガイド部12との間を同一軸線をもって斜めに貫通するようセンサ孔35,36が設けられ、下面ガイド部11の下面に投光センサ37が、側端面ガイド部12内の空間部内に受光センサ38がそれぞれ配設され、これら投・受光センサ間の光路Lが前記センサ孔35,36を通り、この光路Lが下面ガイド部11上に置かれる払込票40の側端部を横切るように形成されている。なお上記光路Lは水平線に対する角度θを約60°に設定することが払込票40の片寄せを検知するうえで好ましい。
【0020】
図4は本発明が対象とする帳票類の一例として公共料金等の払込票40の場合を示すもので、横長矩形状を有する用紙が左から「払込通知票」41、「領収控」42、「領収証」43に区別けされ、これらの間にはミシン目等による切取線44,45が施されている。
【0021】
上記「払込通知票」41には、請求金額欄46、払込みに必要な情報がコード化されてOCR文字で印字されているOCRデータ部47、住所氏名欄48、領収日付印押印欄49等が表示され、「領収控」42には、所定事項記載欄50、領収日付印押印欄51等が表示され、さらに「領収証」43には、請求金額欄52、住所氏名欄53、領収日付押印欄54等が表示されており、切取線44により切離して「払込通知票」41、「領収控」42は取込まれ、「領収証」43は利用者に返却されるものである。
【0022】
上記払込票40の処理についての基本的作用につき説明すると、挿入ガイド手段10に払込票40が挿入され、その払込票40の挿入を挿入検知手段のセンサS4 が検知するとモータM1 が起動して取込搬送手段13が駆動し、読取手段25により払込票全面イメージ情報を読取り、払込票40の種類によって予め決まっている位置から払込み取引に必要な情報を認識する。そして、正常に払込み処理が行なわれると、プリンタ27およびスタンプ29の位置が払込票40の該当欄49,51,54に整合する位置にモータM5 により定められて順次所定の押印がなされ(図4(B))、押印後搬送路20が逆転されて切取線44の位置でロータリーカッタ26が駆動して切断され(図4(C))、切断された領収証43は返却搬送路16を通じて返却口9へ投出され、領収証以外の部分は収納搬送路24を通じて収納部23へ回収される。
【0023】
上記作用において、挿入ガイド手段10に払込票40を挿入したとき図5(A)のように払込票40の一側端が片寄せ検知手段のセンサS1 ,S2 ,S3 のすべてを遮光している状態におかれていて、その先端が挿入検知手段のセンサS4 を遮光したときは取込搬送手段13のモータM1 が起動し、払込票40を取込み、ついで図5(B)のように搬送路20のセンサS5 が払込票40の進入を検知すると前述の所要の処理が開始される。
【0024】
図5(C)または(D)のように払込票40の一側端が片寄せ検知手段のセンサS1 〜S3 のうちの1〜2個が遮光されていないときは仮に先端が挿入検知手段のセンサS4 を遮光したとしても取込搬送手段13のモータM1 は駆動されず、払込票40を取込まない。また搬送検知手段のセンサS5 が払込票40を検知するまでの間に前記片寄せ検知手段のセンサS1 〜S3 のいずれかが払込票40の片寄せを検知しなくなったときは前記取込搬送手段13が逆転して払込票40を戻し、再挿入を促す。
【0025】
なお払込票40が図5(A)のように片寄せ検知手段のすべてのセンサS1 〜S3 を遮光し得る長さを有するときは、中間位置のセンサS2 は使用せず、センサS1 とS3 の2つの遮光を条件として使用する態様としてもよい。または片寄せ検知手段の最奥部のセンサS3 を挿入検知手段としてのセンサとして兼用するようにし、センサS1 とS3 とによる払込票40の検知により取込搬送手段13を駆動させるようにしてもよい。
【0026】
また、図5(E)、(F)は払込票40の挿入方向の長さが比較的短い場合の例であり、このような払込票40の場合は片寄せ検知手段の最も手前側のセンサS1 を使用せずに、奥側の2つのセンサS2 とS3 により払込票40の片寄せを検知するようになっている。
【0027】
図6は制御ブロック図を示すもので、自動取引装置の紙幣入出金部60、硬貨入出金部61に所定の金額の貨幣が入金され、操作部7により所定の操作がなされると、主制御部62から取込制御手段63に取込み指令が出され、前述のセンサS1 〜S5 、ソレノイド17,21、モータM1 〜M5 、読取手段25、プリンタ27、スタンプ用ソレノイド28がそれぞれ制御される。
【0028】
図7はフローチャートを示すもので、スタート後、帳票類の種類選択(St1 )し、選択後使用するセンサを設定(St2 )する。こうして帳票類としての払込票40を挿入ガイド手段10に挿入すると、使用するセンサがすべて遮光されているか否かが判断され(St3 )、すべて遮光されていれば取込搬送手段13が駆動(St4 )されて取込まれ、すべてのセンサが遮光されていなければ取込まれず、挿入操作をやり直す。
【0029】
取込み開始後、再度使用センサのすべてが遮光されているか否かが判断され(St5 )、遮光されていれば続いて搬送検知手段のセンサ(S5 )が遮光されたか否かが判断され(St6 )、遮光されていれば正常な帳票類処理(St7 )が行われ、上記ステップ(St5 )で遮光されていないと判断されたときは搬送手段が逆転(St8 )して返却し(St9 )、再度の挿入を促す。
【0030】
所定の処理が終了すると搬送手段が停止し(St10)、1回の取引が終了する(St11)。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1記載の発明によれば、帳票類を所定の位置に正しく挿入された場合にのみこれを取込むので、帳票類に記載のデータの読取り位置がずれて処理ができなかったり、あるいは帳票類への印字や押印の位置がずれるなどの処理不良の発生を確実に防止することができる。また、取込み開始時には正常であっても、搬送手段に挟持される際に斜めになった場合などにおいても搬送異常として検知して返却することができ、帳票類の処理不良を未然に防止することができる。
【0032】
また請求項2に記載の発明によれば、特に挿入方向の長さが異なる帳票類をその帳票類のサイズに最も適した位置の片寄せ検知手段により片寄せを検知することができるので、より正確に片寄せ状態を検知することができる。
【0034】
また請求項3に記載の発明によれば、片寄せ検知手段を効率よく簡単に構成することができるうえ、帳票類の側端部が多少浮き上がった状態におかれていてもこれを確実に検知することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を自動取引装置に適用した場合の一実施形態を示す外観斜視図。
【図2】図1における帳票類処理部の略示断面図。
【図3】図1における挿入ガイド手段に配設される片寄せ検知手段の設置の仕方の一例を示す拡大断面図。
【図4】帳票類の一例としての払込票を示すもので、(A)は処理前の状態、(B)は処理途中でプリンタ、スタンプが押された状態時、(C)は処理後領収証が切離された状態の平面図。
【図5】(A)〜(F)は作用説明図。
【図6】ブロック図。
【図7】フローチャート。
【図8】(A)(B)は従来の技術を示す説明図。
【符号の説明】
1 装置本体
2 帳票類処理部
3 紙幣入金口
4 釣銭紙幣出金口
6 硬貨入出金口
7 操作表示部
8 帳票類挿入口
9 返却口
10 挿入ガイド手段
11 下面ガイド部
12 側端面ガイド部
13 取込搬送手段
16 返却搬送路
18,22 切換爪
20 搬送路
23 収納部
24 収納搬送路
25 読取手段
26 ロータリーカッタ
27 プリンタ
29 スタンプ
31 枠体
40 帳票類としての払込票

Claims (3)

  1. サイズの異なる複数種類の帳票類を挿入可能とされた帳票類挿入口と、
    この帳票類挿入口の前方に突出して設けられ挿入される帳票類の下面をガイドする下面ガイド部、および帳票類の一側端面をガイドする側端面ガイド部を有する挿入ガイド手段と、
    駆動開始により前記帳票類挿入口へ挿入された帳票類を挟持して搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段の直前位置に設けられ帳票類の挿入を検知する挿入検知手段と、
    前記挿入ガイド手段の帳票類挿入方向の異なる位置に設けられ、帳票類が前記側端面ガイド部に寄せられていることを検知する少くとも2個の片寄せ検知手段と、
    駆動される前記搬送手段により帳票類が最初に挟持される部位より若干下流側位置に設けられ帳票類を検知する搬送検知手段と、
    前記片寄せ検知手段の少くとも2個が帳票類の側端面ガイド部へ寄せられていることを検知しかつ前記挿入検知手段が帳票類の挿入を検知したとき前記搬送手段の駆動を開始させ、その後、前記搬送検知手段が帳票類を検知するまでの間に前記片寄せ検知手段の何れかが帳票類の片寄せを検知しなくなったときは前記搬送手段を逆転して帳票類を返却させる取込制御手段と、
    を具備することを特徴とする帳票類取込み装置。
  2. 前記片寄せ検知手段が3個以上設けられ、挿入される帳票類の種類により2個の片寄せ検知手段を選択的に使用するようにされている請求項1記載の帳票類取込み装置。
  3. 前記片寄せ検知手段は、前記挿入ガイド手段の下面ガイド部と側端面ガイド部との交差部近傍位置にそれぞれ設けられたセンサ孔と、これらセンサ孔を通して光軸が前記下面ガイド部と側端面ガイド部との間を斜めに通過するよう配設された投・受光センサとで構成されている請求項1または2記載の帳票類取込み装置。
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