JP2005043950A - 自動取引装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】利用者の身長が低い場合は自動検知し、又は利用者が操作パネルから選択操作することによって媒体挿入口の挿入角度を変更することにより、媒体の投入や取り出しを容易にし、利用者が操作しやすい自動取引装置を提供する。
【解決手段】取引媒体を挿入する媒体挿入口2と、前記媒体挿入口2の挿入角度を変更する入力操作を行う操作パネル103と、利用者の身長を検知する利用者検知センサSC3、SC4、SC5と、前記操作パネル103の入力操作又は前記利用者検知センサSC3、SC4、SC5の検知結果により前記媒体挿入口の挿入角度を変更する制御手段によって媒体挿入口の挿入角度を変更する。
【選択図】 図5
【解決手段】取引媒体を挿入する媒体挿入口2と、前記媒体挿入口2の挿入角度を変更する入力操作を行う操作パネル103と、利用者の身長を検知する利用者検知センサSC3、SC4、SC5と、前記操作パネル103の入力操作又は前記利用者検知センサSC3、SC4、SC5の検知結果により前記媒体挿入口の挿入角度を変更する制御手段によって媒体挿入口の挿入角度を変更する。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車椅子利用者又は身長の低い利用者が操作しやすいように例えば通帳、カードなどの媒体挿入口の挿入角度を変更可能にした自動取引装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動取引装置が多様化している。
【0003】
従来の自動取引装置は、利用者が立った状態で操作することを前提に設計されており、利用者が立った状態で手が届く範囲にカードユニット、通帳・冊子類取扱ユニット、操作パネル、紙幣ユニット及び硬貨ユニットなどが配置される。また、操作パネルは、操作性の観点からこの自動取引装置の概略水平なテーブル面に配置され、他のユニットはこのテーブル面の垂直面に配置される。例えば、紙幣ユニット及び硬貨ユニットは垂直面の下部に配置され、カードユニット及び通帳・冊子類ユニットは垂直面の上部に配置される。この結果、カードユニット及び通帳・冊子類ユニットは操作する部分としては最上部に配置されることになる。
【0004】
このような配置の結果、健常者の操作性をよくすると身長の低い利用者及び車椅子を利用する身体障害者には操作しずらいという問題があった。この問題を解決するための方法としてテーブルの床面からの高さを上下に移動可能にすると共にテーブル面に配置した操作表示部の取り付け角度を変化させる方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−40440号公報(第1頁、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら特許文献1記載の自動機では、車椅子を利用する身体障害者によるテーブル面に配置された操作表示部(操作パネル)の操作性は改善されるが、通帳・冊子類取扱ユニット、カードユニットでの媒体挿入又は媒体抜き取りなどの媒体操作性は改善されないという問題があった。
【0007】
そこでこの発明は、利用者の身長が低い場合は自動検知し、又は利用者が操作パネルから選択操作することによって媒体挿入口の挿入角度を変更することにより、車椅子利用者又は身長の低い利用者が操作しやすい自動取引装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、取引媒体を挿入する媒体挿入口と、前記媒体挿入口の挿入角度を変更する操作を行う操作手段と、前記操作手段の操作により前記媒体挿入口の挿入角度を変更する制御手段とを有することを特徴とする。
【0009】
また、請求項2記載の発明は、取引媒体を挿入する媒体挿入口と、利用者の身長を検知する利用者検知手段と、前記利用者検知手段の検知結果により前記媒体挿入口の挿入角度を変更する制御手段とを有することを特徴とする。
【0010】
さらに、請求項3記載の発明は、取引媒体を挿入する媒体挿入口と、前記媒体挿入口の挿入角度を変更する操作を行う操作手段と、利用者の身長を検知する利用者検知手段と、前記操作手段の操作又は前記利用者検知手段の検知結果により前記媒体挿入口の挿入角度を変更する制御手段とを有することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る媒体挿入又は媒体抜き取りなどの媒体操作性を改善した通帳・冊子類取扱ユニット101を搭載した自動取引装置99の外観図である。
【0012】
自動取引装置99は、カードユニット100、通帳・冊子類取扱ユニット101、紙幣を入出金するための紙幣ユニット102、操作パネル103、硬貨を入出金するための硬貨ユニット104、顧客検知センサ106、及びこれらの各ユニットと相互に通信を行い、自動取引装置99を制御する総合制御部(図示しない)から構成される。
【0013】
次に、図2乃至図4を参照して通帳・冊子類取扱ユニット101の構成を説明する。図2は、本発明の実施の形態に係る媒体挿入又は媒体抜き取りなどの媒体操作性を改善した通帳・冊子類取扱ユニット101の概略側断面図である。図3は通帳・冊子類取扱ユニット101で使用される通帳の一例で、図4は当該ユニットで使用される払込書の一例である(詳細は後述する)。
【0014】
通帳・冊子類取扱ユニット101は、通帳15又は払込書18からなる媒体14の出入口である媒体挿入口2と、この媒体挿入口2から挿入された媒体14を図示矢印A方向に搬送する主搬送路40を有している。そして、この主搬送路40に沿って媒体挿入口2から、磁気リード・ライト部3及び通帳収納部4、通帳ページ捲り・幅寄せ部5、PLD検知部6、文字認識用OCRスキャナ部7、印字部8、及び払込書18を収納する上段払込書収納庫9及び下段払込書収納庫10とが配置されている。さらに、これらを制御する主制御部105と、媒体を挟持して搬送するための複数の搬送ローラと、電源部(図示しない)とで構成される。
【0015】
媒体挿入口2は、上述したように通帳15又は払込書18が挿入又は排出されるところである。
【0016】
磁気リード・ライト部3は、磁気ヘッド3a、磁気ヘッドドライバ(図示しない)、及び通帳押さえローラ(図示しない)で構成されており、磁気ヘッド3aと通帳押さえローラで搬送される通帳の磁気ストライプ部を押圧し、通帳15の磁気ストライプ16を磁気ヘッド3aに接触させ、磁気ストライプ16の磁気データをリード/ライトする。このようにして読み取られた磁気データは、通帳・冊子類取扱ユニット101の主制御部105へ通知される。
【0017】
通帳ページ捲り・幅寄せ部5は、ページ捲り機構と幅寄せ機構から構成される。通帳ページ捲り機構は、通帳に印字するための印字行が同一ページに不足した場合に自動的にページ捲りを行う。また、幅寄せ機構は、通帳15の位置ずれによる磁気ストライプの誤読、誤書き込みが発生するのを防止するため、搬送される通帳15を片側に幅寄せ整位する。
【0018】
PLD検知部6は、LED照明とモノクロCCD(ラインセンサ)からなり、搬送される通帳端部に印刷されている通帳のページマーク17、印字済行、及び印字濃度を読み取る。また、通帳のページマーク17のページデータと、上記磁気ストライプ16から読み取った磁気データ内のページデータとから現在開いている通帳のページを判別し通帳・冊子類取扱ユニット101の主制御部105へ通知する。
【0019】
文字認識用OCRスキャナ部7は、照明部とカラーCCD(ラインセンサ)からなり、搬送される通帳15又は払込書18のイメージデータを読み取り、その読み取ったデータを通帳・冊子類取扱ユニット101の主制御部105へ通知する。
【0020】
上段払込書収納庫9及び下段払込書収納庫10は、媒体処理の終了した払込書18が収納される所である。
【0021】
通帳・冊子類取扱ユニット101の主制御部105は、制御部であるCPU、データ処理回路、メモリー、及び上記各構成ユニットとのI/F(インターフェース)で構成され、CPUは帳票・冊子類取扱ユニット101の全体的な制御、及び各種の演算処理を実行し、この演算処理結果を自動取引装置99の総合制御部(図示しない)に伝送する。
【0022】
総合制御部は、カードユニット100、帳票・冊子類取扱ユニット101、紙幣ユニット102、操作パネル103及び硬貨ユニット104と相互に通信を行い、自動取引装置99を制御する。また、この総合制御部は、図示していない外部とのI/Fを有し、外部との通信を行う。
【0023】
なお、帳票・冊子類取扱ユニット101で使用される媒体には複数種類の通帳及び払込書が存在する。そこで、本発明の実施の形態で使用する媒体の一例を図3及び図4を参照して説明する。通帳には綴じ目が縦方向の縦通帳と、綴じ目が横方向の横通帳が存在するが、図3は縦通帳15の一例である。上述した縦通帳15の下端には通帳のページを示すページマーク17が印刷され、さらに裏表紙には磁気ストライプ16が貼り付けられている。
【0024】
また、本発明の実施の形態に係る払込書18の一例を図4を参照して説明する。払込書18には払込先の口座番号28a、28b、金額29a、29b、加入者名及び払込人住所氏名31a、31bなどの払い込みに必要な情報が手書き又は印刷によって書き込まれている。
【0025】
次に、通帳・冊子類ユニット101での媒体挿入又は媒体抜き取りなどの媒体操作性を改善した媒体挿入口2の実施の形態を図5乃至図9を参照して説明する。
【0026】
図5は、本発明の実施の形態に係わる媒体挿入口2を備えた自動取引装置99を車椅子利用者60が利用する場合の操作状態を示す。図5に示すように、通帳冊子類ユニット101の媒体挿入口2は床面から1100mmの位置に配置され、顧客検知センサ106は1200mmの位置に配置される。また、このように構成された自動取引装置99の媒体挿入口2の高さは、対象とする身長1500mmの標準体型の車椅子利用者60からは図5に示すように媒体挿入口2が見えずらい。すなわち、床面から目元までの高さが1100mm以下の場合は媒体挿入口2が目元より上になるため見えにくくなる。そこで、媒体挿入口2の挿入角を下側に傾けることによって無理なく操作可能になる。当然、1500mm以上の身長を有する標準体型の車椅子利用者はさらに操作が容易になる。
【0027】
このようなシミュレーションの結果、床面から頭頂までの高さが概略1200mm以下の車椅子利用者は媒体挿入口2の挿入角を下側に傾けることによって操作性が改善される。すなわち、床面から頭頂までの高さが概略1200mm以下のときの床面から目元までの高さは1100mm以下となり、健常者、車椅子利用者に係わらず媒体挿入口2が見えにくく操作性が悪い。従って、この場合は媒体挿入口2の挿入角を下側に傾けることによって操作性が改善される。反対に、身長が概略1200mm以上であれば媒体挿入口2の挿入角度を下側に傾けなくとも操作性は保たれる。なお、ここで言う身長とは、床面から頭頂までの高さを定義しており、車椅子利用者の場合は、車椅子に乗った状態での床面から頭頂までの高さのことであり、以下においても同様である。
【0028】
利用者検知手段である顧客検知センサ106は、図示矢印B1方向の利用者を検知する第1の検知手段である利用者検知センサSC3と、上述した床面から頭頂までの高さが概略1200mm以上の利用者を検知するために図示矢印B2方向の利用者を検知する第2の検知手段である利用者検知センサSC4から構成される。
【0029】
利用者検知センサSC3は、自動取引装置99に接近する利用者を検知する。従って、健常者又は車椅子利用者の何れの利用者も検知される。また、利用者検知センサSC4は、図示矢印B2を遮る利用者を検知する。従って、上述した車椅子利用者60、又は健常者で身長が1200mm以下の利用者は検知されない。
【0030】
ここで、操作パネル103は、健常者のみならず図5に示すように車椅子利用者60にも操作可能である。
【0031】
次に、図6(A)及び図6(B)を参照して本発明の実施の形態に係る媒体挿入口2の構成を説明する。
【0032】
図6(A)は、媒体挿入口2の概略側断面図である。媒体挿入口2は、媒体14を挿入又は排出するための出入口で、媒体14の搬送を制御する搬送制御部、媒体挿入口2の挿入角度を回動する角度制御部、及び媒体挿入角度を検知する挿入角検知部から構成され、接客面20の開口部に露出して配置される。また、これらの各制御部は通帳・冊子類取扱ユニット101の主制御部105によって制御される。
【0033】
搬送制御部は、媒体14を挟持して正逆回転可能な第1駆動ローラ50a及びこの第1駆動ローラの対向位置に配置されたピンチローラ50b、媒体を検知する媒体検知センサSC1、シャッタ27、媒体検知センサSC2、第2駆動ローラ51a及びこの第2駆動ローラ51aの対向位置に配置されたピンチローラ51bから構成される。そして、媒体挿入口2側から奥に向かって順に配置され、媒体14の挿入又は排出を制御する。
【0034】
角度制御部は、媒体挿入口2を所定角度上下に回動するための媒体挿入口駆動モータ24、この媒体挿入口駆動モータ24の動力を伝達するための歯車23及び歯車22、この歯車22の動力を伝達し媒体挿入口2を回動するために内側に歯車を有するラック21から構成される。そして、媒体挿入口2を所定角度回動する。
【0035】
挿入角検知部は、媒体挿入口駆動モータ24による媒体挿入口2の回転角度を検知するために媒体挿入口2と一体になって回動する遮光板25、及びこの遮光板25を検知する回動角検知センサ26から構成される。そして、この回動角検知センサ26によって遮光板25が検知されると媒体挿入口2を上下に回動する媒体挿入口駆動モータ24が停止し媒体挿入口2の媒体挿入角が設定される。
【0036】
以上のように構成された媒体挿入口2は、媒体14の挿入方向と図示矢印Aで示すほぼ水平な搬送方向とが平行な状態を示しており、上述したように床面から1100mmに配置される(図5参照)。この高さは、健常者又は車椅子利用者の床面から目元までの高さが概略1100mm以上の利用者が通帳・冊子類ユニット101を操作する場合に好適であり、媒体挿入角度もほぼ水平な0°である。
【0037】
一方、図6(B)は、媒体14の挿入方向が図示矢印Aで示すほぼ水平な搬送方向に対して下側に20°傾斜した媒体挿入口2の概略断面図である。なお、その構成は図6(A)と同様である。この場合、健常者又は車椅子利用者の床面から目元までの高さが1100mm 未満の利用者が通帳・冊子類取扱ユニット101を操作する場合に好適である。
【0038】
次に、このように構成された媒体挿入口2の動作を図7〜図9のフローチャートを参照して制御手段を説明する。なお、以下の制御は通帳・冊子類取扱ユニット101の主制御部105によって制御される。
【0039】
図7は、媒体挿入口2の媒体挿入口を制御する処理フローチャートである。利用者が自動取引装置99に接近すると顧客検知センサ106の利用者検知センサSC3が利用者を検知する(S1のYes)。
【0040】
利用者が検知されると、利用者検知センサSC4によって利用者が図5の図示矢印B2の方向を遮っているかどうかによって利用者の身長が検知される。身長が1200mm未満の場合(S2のYes)、挿入口変更フラグに“1”を設定し(S3)、媒体挿入口2を下側に回動するための挿入口制御1サブルーチン処理を実行する(S4)。
【0041】
一方、身長が1200mm以上の場合(S2のNo)、操作パネル103のタッチ式表示部に「媒体挿入口の角度を下側に変更しますか」の案内表示が行われる。この案内表示に基づいて利用者が「はい」を選択すると(S5のYes)、挿入口変更フラグに“1”を設定し(S3)、媒体挿入口2を下側に回動するための挿入口制御1サブルーチン処理を実行する(S4)。これは、身長は1200mm程度と比較的低い場合に、利用者が媒体挿入口2の挿入角度の変更を希望するときは挿入角度を変更できるようにするものである。
【0042】
また、「媒体挿入口の角度を下側に変更しますか」の案内表示に基づいて利用者が「いいえ」を選択すると(S5のNo)、利用者が利用目的に応じて通帳取引処理又は払込書取引処理などを行う(S6)。
【0043】
次に、通帳取引処理又は払込書取引処理が終了し返却媒体がある場合(S7のYes)、挿入口変更フラグに“1”が設定されているかどうか検査する(S8)。この挿入口変更フラグに“1”が設定されている場合は媒体挿入口2を下側に回動して通帳又は払込書を取り込んで処理を行ったので、通帳など返却媒体がある場合、媒体挿入口2を再度下側に回動して媒体を返却するため挿入口制御2サブルーチン処理を実行し利用客に媒体を返却する(S9)。
【0044】
次に、上記媒体挿入に係る挿入口制御1サブルーチン処理を図8を参照して説明する。まず最初に、媒体挿入口2を下側に回動する(S11)。この回動に伴う媒体挿入角は、媒体挿入口2の回動に伴ってこれと一体に回動する遮光板25を回動角検知センサ26が検知したときに回動を停止することによって設定される。本実施の形態ではこの角度を20°に設定した場合が好適でありこの状態を図6(B)に示す。
【0045】
次に、媒体検知センサSC1が暗になるまで媒体14の挿入検知を行う(S12)。媒体検知センサSC1が暗になれば、媒体検知センサSC1の挿入方向上流にある第1駆動ローラ50a及び第1ピンチローラ50bに媒体14が挟持された状態にある。また、媒体検知センサSC1の挿入方向下流に配置されたシャッタ27によってさらに奥まで挿入されるのを防止する。
【0046】
次に、媒体14を挟持した状態で、媒体挿入角20°を0°に戻す(挿入角を水平にする)(S13)。この状態で媒体挿入口2は水平になる。
【0047】
媒体挿入口2を水平に戻した後に、シャッタ27を開き(S14)、媒体14を取り込む(S15)。この結果、媒体14は図示矢印Aで示す方向に取り込まれ媒体の処理が行われる。
【0048】
次に、媒体の処理終了後、上記媒体排出に係わる挿入口制御2サブルーチン処理を図9を参照して説明する。最初に、媒体検知センサSC2が暗になるまで媒体14を返却方向に搬送する(S20のNo)。媒体検知センサSC2が暗になり、媒体検知センサSC2によって媒体14が検知されると(S20のYes)、シャッタ27を開く(S21)。
【0049】
次に、媒体検知センサSC2が明になるまで媒体14をさらに返却方向に搬送する。媒体検知センサSC2が明になると、媒体14の後端が媒体検知センサSC2を通過したのでシャッタ27を通過するまでの所定量をさらに排出した後に搬送を停止する(S23)。このとき、媒体4の後端はシャッタ27と媒体検知センサSC1の間で停止し、第1駆動ローラ50aと第1ピンチローラ50bに挟持された状態となる。この状態で、シャッタ27が閉じられる(S24)。
【0050】
次に、媒体挿入口2を下側に回動(S25)し、利用客によって媒体14が抜き取られ媒体検知センサSC1が明になるまで監視する(S26)。
【0051】
その後、媒体1が利用客によって抜き取られ媒体検知センサSC1が明になると(S26の明)、媒体挿入口2を回動し媒体挿入角を0°にする(元に戻す)(S27)。
【0052】
(変形例)
次に、本発明の実施の形態の変形例として、媒体挿入口を上側に回動する場合の例を説明する。所定の身長を超す利用者を検知するための利用者検知センサSC5、及び操作パネル103のタッチ表示部に「媒体挿入口の角度を上側に変更しますか」の案内表示を追加する。利用者検知センサSC5は、図示矢印B3方向の利用者を検知するセンサである。例えば1800mm以上の身長を有する利用者が検知される。図7乃至図9で説明した媒体挿入口2を下側に回動する制御手段は同様の方法を用いて、媒体挿入口2を上側に回動することができる。図7に示す媒体挿入口制御処理フローチャートに、上記上側に回動する処理を追加した場合のフローチャートを図10に示す。なお、図10の挿入口制御3サブルーチンは、挿入口制御3の動作(S32)は、図8に示す挿入口制御1のステップS11で、「挿入口を下側に」の部分を「挿入口を上側に」と読み替えたサブルーチンと同様であるためその説明を省略する。
【0053】
この場合は、利用者の身長が1800mm以上の場合、又は利用者が操作パネル103から媒体挿入口2を上側にする指示を行った場合は媒体挿入口2が上側回動する。
【0054】
上述した実施の形態は、自動取引装置の通帳・冊子類取扱ユニットの媒体挿入口に適用した例を説明したが、これに限るものではなく当該装置のカードユニットの媒体挿入口にも同様に適用することによって媒体操作性が改善される。
【0055】
以上説明したように、上記実施の形態によれば身長の自動検知によるか、又は利用者が操作パネルから操作するかによって媒体挿入口を斜め下方に傾けて媒体を斜め下から投入したり取り出したりすることができるため、車椅子利用者又は身長の低い利用者が操作しやすい自動取引装置を提供できる。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、利用者が操作パネルから操作するか、又は身長の自動検知によって媒体挿入口の挿入角度を変更することにより、利用者が操作しやすい自動取引装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係わる通帳・冊子類取扱ユニットを搭載した自動取引装置の外観図。
【図2】本発明の実施の形態に係わる通帳・冊子類取扱ユニットの構成図。
【図3】本発明の実施の形態に係わる縦通帳を示す図。
【図4】本発明の実施の形態に係わる払込書を示す図。
【図5】本発明の実施の形態に係わる媒体挿入口を備えた自動取引装置を車椅子利用者が利用する場合の操作状態を示す図。
【図6】本発明の実施の形態に係わる媒体挿入口の概略側断面図。
【図7】本発明の実施の形態に係わる媒体挿入口制御処理フローチャート。
【図8】媒体挿入口制御処理フローチャートの媒体挿入に係わる挿入口制御1サブルーチン。
【図9】媒体挿入口制御処理フローチャートの媒体排出に係わる挿入口制御2サブルーチン。
【図10】本発明の実施形態に係わる媒体挿入口制御処理フローチャートの変形例。
【符号の説明】
SC1、SC2 媒体検知センサ
SC3、SC4、SC5 利用者検知センサ
2 媒体挿入口
3 磁気リード・ライト部
4 通帳収納部
5 通帳ページ捲り・幅寄せ部
6 PLD検知部
7 文字認識用OCRスキャナ部
8 印字部
9 上段払込書収納庫
10 下段払込書収納庫
14 媒体
20 接客パネル
21 ラック
24 媒体挿入口駆動モータ
25 遮光板
26 回動角検知センサ
27 シャッタ
50a 第1駆動ローラ
50b 第1ピンチローラ
51a 第2駆動ローラ
51b 第2ピンチローラ
60 車椅子利用者
99 自動取引装置
100 カードユニット
101 帳票・冊子類取扱ユニット
103 操作パネル
105 主制御部
106 顧客検知センサ
【発明の属する技術分野】
本発明は、車椅子利用者又は身長の低い利用者が操作しやすいように例えば通帳、カードなどの媒体挿入口の挿入角度を変更可能にした自動取引装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動取引装置が多様化している。
【0003】
従来の自動取引装置は、利用者が立った状態で操作することを前提に設計されており、利用者が立った状態で手が届く範囲にカードユニット、通帳・冊子類取扱ユニット、操作パネル、紙幣ユニット及び硬貨ユニットなどが配置される。また、操作パネルは、操作性の観点からこの自動取引装置の概略水平なテーブル面に配置され、他のユニットはこのテーブル面の垂直面に配置される。例えば、紙幣ユニット及び硬貨ユニットは垂直面の下部に配置され、カードユニット及び通帳・冊子類ユニットは垂直面の上部に配置される。この結果、カードユニット及び通帳・冊子類ユニットは操作する部分としては最上部に配置されることになる。
【0004】
このような配置の結果、健常者の操作性をよくすると身長の低い利用者及び車椅子を利用する身体障害者には操作しずらいという問題があった。この問題を解決するための方法としてテーブルの床面からの高さを上下に移動可能にすると共にテーブル面に配置した操作表示部の取り付け角度を変化させる方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−40440号公報(第1頁、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら特許文献1記載の自動機では、車椅子を利用する身体障害者によるテーブル面に配置された操作表示部(操作パネル)の操作性は改善されるが、通帳・冊子類取扱ユニット、カードユニットでの媒体挿入又は媒体抜き取りなどの媒体操作性は改善されないという問題があった。
【0007】
そこでこの発明は、利用者の身長が低い場合は自動検知し、又は利用者が操作パネルから選択操作することによって媒体挿入口の挿入角度を変更することにより、車椅子利用者又は身長の低い利用者が操作しやすい自動取引装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、取引媒体を挿入する媒体挿入口と、前記媒体挿入口の挿入角度を変更する操作を行う操作手段と、前記操作手段の操作により前記媒体挿入口の挿入角度を変更する制御手段とを有することを特徴とする。
【0009】
また、請求項2記載の発明は、取引媒体を挿入する媒体挿入口と、利用者の身長を検知する利用者検知手段と、前記利用者検知手段の検知結果により前記媒体挿入口の挿入角度を変更する制御手段とを有することを特徴とする。
【0010】
さらに、請求項3記載の発明は、取引媒体を挿入する媒体挿入口と、前記媒体挿入口の挿入角度を変更する操作を行う操作手段と、利用者の身長を検知する利用者検知手段と、前記操作手段の操作又は前記利用者検知手段の検知結果により前記媒体挿入口の挿入角度を変更する制御手段とを有することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る媒体挿入又は媒体抜き取りなどの媒体操作性を改善した通帳・冊子類取扱ユニット101を搭載した自動取引装置99の外観図である。
【0012】
自動取引装置99は、カードユニット100、通帳・冊子類取扱ユニット101、紙幣を入出金するための紙幣ユニット102、操作パネル103、硬貨を入出金するための硬貨ユニット104、顧客検知センサ106、及びこれらの各ユニットと相互に通信を行い、自動取引装置99を制御する総合制御部(図示しない)から構成される。
【0013】
次に、図2乃至図4を参照して通帳・冊子類取扱ユニット101の構成を説明する。図2は、本発明の実施の形態に係る媒体挿入又は媒体抜き取りなどの媒体操作性を改善した通帳・冊子類取扱ユニット101の概略側断面図である。図3は通帳・冊子類取扱ユニット101で使用される通帳の一例で、図4は当該ユニットで使用される払込書の一例である(詳細は後述する)。
【0014】
通帳・冊子類取扱ユニット101は、通帳15又は払込書18からなる媒体14の出入口である媒体挿入口2と、この媒体挿入口2から挿入された媒体14を図示矢印A方向に搬送する主搬送路40を有している。そして、この主搬送路40に沿って媒体挿入口2から、磁気リード・ライト部3及び通帳収納部4、通帳ページ捲り・幅寄せ部5、PLD検知部6、文字認識用OCRスキャナ部7、印字部8、及び払込書18を収納する上段払込書収納庫9及び下段払込書収納庫10とが配置されている。さらに、これらを制御する主制御部105と、媒体を挟持して搬送するための複数の搬送ローラと、電源部(図示しない)とで構成される。
【0015】
媒体挿入口2は、上述したように通帳15又は払込書18が挿入又は排出されるところである。
【0016】
磁気リード・ライト部3は、磁気ヘッド3a、磁気ヘッドドライバ(図示しない)、及び通帳押さえローラ(図示しない)で構成されており、磁気ヘッド3aと通帳押さえローラで搬送される通帳の磁気ストライプ部を押圧し、通帳15の磁気ストライプ16を磁気ヘッド3aに接触させ、磁気ストライプ16の磁気データをリード/ライトする。このようにして読み取られた磁気データは、通帳・冊子類取扱ユニット101の主制御部105へ通知される。
【0017】
通帳ページ捲り・幅寄せ部5は、ページ捲り機構と幅寄せ機構から構成される。通帳ページ捲り機構は、通帳に印字するための印字行が同一ページに不足した場合に自動的にページ捲りを行う。また、幅寄せ機構は、通帳15の位置ずれによる磁気ストライプの誤読、誤書き込みが発生するのを防止するため、搬送される通帳15を片側に幅寄せ整位する。
【0018】
PLD検知部6は、LED照明とモノクロCCD(ラインセンサ)からなり、搬送される通帳端部に印刷されている通帳のページマーク17、印字済行、及び印字濃度を読み取る。また、通帳のページマーク17のページデータと、上記磁気ストライプ16から読み取った磁気データ内のページデータとから現在開いている通帳のページを判別し通帳・冊子類取扱ユニット101の主制御部105へ通知する。
【0019】
文字認識用OCRスキャナ部7は、照明部とカラーCCD(ラインセンサ)からなり、搬送される通帳15又は払込書18のイメージデータを読み取り、その読み取ったデータを通帳・冊子類取扱ユニット101の主制御部105へ通知する。
【0020】
上段払込書収納庫9及び下段払込書収納庫10は、媒体処理の終了した払込書18が収納される所である。
【0021】
通帳・冊子類取扱ユニット101の主制御部105は、制御部であるCPU、データ処理回路、メモリー、及び上記各構成ユニットとのI/F(インターフェース)で構成され、CPUは帳票・冊子類取扱ユニット101の全体的な制御、及び各種の演算処理を実行し、この演算処理結果を自動取引装置99の総合制御部(図示しない)に伝送する。
【0022】
総合制御部は、カードユニット100、帳票・冊子類取扱ユニット101、紙幣ユニット102、操作パネル103及び硬貨ユニット104と相互に通信を行い、自動取引装置99を制御する。また、この総合制御部は、図示していない外部とのI/Fを有し、外部との通信を行う。
【0023】
なお、帳票・冊子類取扱ユニット101で使用される媒体には複数種類の通帳及び払込書が存在する。そこで、本発明の実施の形態で使用する媒体の一例を図3及び図4を参照して説明する。通帳には綴じ目が縦方向の縦通帳と、綴じ目が横方向の横通帳が存在するが、図3は縦通帳15の一例である。上述した縦通帳15の下端には通帳のページを示すページマーク17が印刷され、さらに裏表紙には磁気ストライプ16が貼り付けられている。
【0024】
また、本発明の実施の形態に係る払込書18の一例を図4を参照して説明する。払込書18には払込先の口座番号28a、28b、金額29a、29b、加入者名及び払込人住所氏名31a、31bなどの払い込みに必要な情報が手書き又は印刷によって書き込まれている。
【0025】
次に、通帳・冊子類ユニット101での媒体挿入又は媒体抜き取りなどの媒体操作性を改善した媒体挿入口2の実施の形態を図5乃至図9を参照して説明する。
【0026】
図5は、本発明の実施の形態に係わる媒体挿入口2を備えた自動取引装置99を車椅子利用者60が利用する場合の操作状態を示す。図5に示すように、通帳冊子類ユニット101の媒体挿入口2は床面から1100mmの位置に配置され、顧客検知センサ106は1200mmの位置に配置される。また、このように構成された自動取引装置99の媒体挿入口2の高さは、対象とする身長1500mmの標準体型の車椅子利用者60からは図5に示すように媒体挿入口2が見えずらい。すなわち、床面から目元までの高さが1100mm以下の場合は媒体挿入口2が目元より上になるため見えにくくなる。そこで、媒体挿入口2の挿入角を下側に傾けることによって無理なく操作可能になる。当然、1500mm以上の身長を有する標準体型の車椅子利用者はさらに操作が容易になる。
【0027】
このようなシミュレーションの結果、床面から頭頂までの高さが概略1200mm以下の車椅子利用者は媒体挿入口2の挿入角を下側に傾けることによって操作性が改善される。すなわち、床面から頭頂までの高さが概略1200mm以下のときの床面から目元までの高さは1100mm以下となり、健常者、車椅子利用者に係わらず媒体挿入口2が見えにくく操作性が悪い。従って、この場合は媒体挿入口2の挿入角を下側に傾けることによって操作性が改善される。反対に、身長が概略1200mm以上であれば媒体挿入口2の挿入角度を下側に傾けなくとも操作性は保たれる。なお、ここで言う身長とは、床面から頭頂までの高さを定義しており、車椅子利用者の場合は、車椅子に乗った状態での床面から頭頂までの高さのことであり、以下においても同様である。
【0028】
利用者検知手段である顧客検知センサ106は、図示矢印B1方向の利用者を検知する第1の検知手段である利用者検知センサSC3と、上述した床面から頭頂までの高さが概略1200mm以上の利用者を検知するために図示矢印B2方向の利用者を検知する第2の検知手段である利用者検知センサSC4から構成される。
【0029】
利用者検知センサSC3は、自動取引装置99に接近する利用者を検知する。従って、健常者又は車椅子利用者の何れの利用者も検知される。また、利用者検知センサSC4は、図示矢印B2を遮る利用者を検知する。従って、上述した車椅子利用者60、又は健常者で身長が1200mm以下の利用者は検知されない。
【0030】
ここで、操作パネル103は、健常者のみならず図5に示すように車椅子利用者60にも操作可能である。
【0031】
次に、図6(A)及び図6(B)を参照して本発明の実施の形態に係る媒体挿入口2の構成を説明する。
【0032】
図6(A)は、媒体挿入口2の概略側断面図である。媒体挿入口2は、媒体14を挿入又は排出するための出入口で、媒体14の搬送を制御する搬送制御部、媒体挿入口2の挿入角度を回動する角度制御部、及び媒体挿入角度を検知する挿入角検知部から構成され、接客面20の開口部に露出して配置される。また、これらの各制御部は通帳・冊子類取扱ユニット101の主制御部105によって制御される。
【0033】
搬送制御部は、媒体14を挟持して正逆回転可能な第1駆動ローラ50a及びこの第1駆動ローラの対向位置に配置されたピンチローラ50b、媒体を検知する媒体検知センサSC1、シャッタ27、媒体検知センサSC2、第2駆動ローラ51a及びこの第2駆動ローラ51aの対向位置に配置されたピンチローラ51bから構成される。そして、媒体挿入口2側から奥に向かって順に配置され、媒体14の挿入又は排出を制御する。
【0034】
角度制御部は、媒体挿入口2を所定角度上下に回動するための媒体挿入口駆動モータ24、この媒体挿入口駆動モータ24の動力を伝達するための歯車23及び歯車22、この歯車22の動力を伝達し媒体挿入口2を回動するために内側に歯車を有するラック21から構成される。そして、媒体挿入口2を所定角度回動する。
【0035】
挿入角検知部は、媒体挿入口駆動モータ24による媒体挿入口2の回転角度を検知するために媒体挿入口2と一体になって回動する遮光板25、及びこの遮光板25を検知する回動角検知センサ26から構成される。そして、この回動角検知センサ26によって遮光板25が検知されると媒体挿入口2を上下に回動する媒体挿入口駆動モータ24が停止し媒体挿入口2の媒体挿入角が設定される。
【0036】
以上のように構成された媒体挿入口2は、媒体14の挿入方向と図示矢印Aで示すほぼ水平な搬送方向とが平行な状態を示しており、上述したように床面から1100mmに配置される(図5参照)。この高さは、健常者又は車椅子利用者の床面から目元までの高さが概略1100mm以上の利用者が通帳・冊子類ユニット101を操作する場合に好適であり、媒体挿入角度もほぼ水平な0°である。
【0037】
一方、図6(B)は、媒体14の挿入方向が図示矢印Aで示すほぼ水平な搬送方向に対して下側に20°傾斜した媒体挿入口2の概略断面図である。なお、その構成は図6(A)と同様である。この場合、健常者又は車椅子利用者の床面から目元までの高さが1100mm 未満の利用者が通帳・冊子類取扱ユニット101を操作する場合に好適である。
【0038】
次に、このように構成された媒体挿入口2の動作を図7〜図9のフローチャートを参照して制御手段を説明する。なお、以下の制御は通帳・冊子類取扱ユニット101の主制御部105によって制御される。
【0039】
図7は、媒体挿入口2の媒体挿入口を制御する処理フローチャートである。利用者が自動取引装置99に接近すると顧客検知センサ106の利用者検知センサSC3が利用者を検知する(S1のYes)。
【0040】
利用者が検知されると、利用者検知センサSC4によって利用者が図5の図示矢印B2の方向を遮っているかどうかによって利用者の身長が検知される。身長が1200mm未満の場合(S2のYes)、挿入口変更フラグに“1”を設定し(S3)、媒体挿入口2を下側に回動するための挿入口制御1サブルーチン処理を実行する(S4)。
【0041】
一方、身長が1200mm以上の場合(S2のNo)、操作パネル103のタッチ式表示部に「媒体挿入口の角度を下側に変更しますか」の案内表示が行われる。この案内表示に基づいて利用者が「はい」を選択すると(S5のYes)、挿入口変更フラグに“1”を設定し(S3)、媒体挿入口2を下側に回動するための挿入口制御1サブルーチン処理を実行する(S4)。これは、身長は1200mm程度と比較的低い場合に、利用者が媒体挿入口2の挿入角度の変更を希望するときは挿入角度を変更できるようにするものである。
【0042】
また、「媒体挿入口の角度を下側に変更しますか」の案内表示に基づいて利用者が「いいえ」を選択すると(S5のNo)、利用者が利用目的に応じて通帳取引処理又は払込書取引処理などを行う(S6)。
【0043】
次に、通帳取引処理又は払込書取引処理が終了し返却媒体がある場合(S7のYes)、挿入口変更フラグに“1”が設定されているかどうか検査する(S8)。この挿入口変更フラグに“1”が設定されている場合は媒体挿入口2を下側に回動して通帳又は払込書を取り込んで処理を行ったので、通帳など返却媒体がある場合、媒体挿入口2を再度下側に回動して媒体を返却するため挿入口制御2サブルーチン処理を実行し利用客に媒体を返却する(S9)。
【0044】
次に、上記媒体挿入に係る挿入口制御1サブルーチン処理を図8を参照して説明する。まず最初に、媒体挿入口2を下側に回動する(S11)。この回動に伴う媒体挿入角は、媒体挿入口2の回動に伴ってこれと一体に回動する遮光板25を回動角検知センサ26が検知したときに回動を停止することによって設定される。本実施の形態ではこの角度を20°に設定した場合が好適でありこの状態を図6(B)に示す。
【0045】
次に、媒体検知センサSC1が暗になるまで媒体14の挿入検知を行う(S12)。媒体検知センサSC1が暗になれば、媒体検知センサSC1の挿入方向上流にある第1駆動ローラ50a及び第1ピンチローラ50bに媒体14が挟持された状態にある。また、媒体検知センサSC1の挿入方向下流に配置されたシャッタ27によってさらに奥まで挿入されるのを防止する。
【0046】
次に、媒体14を挟持した状態で、媒体挿入角20°を0°に戻す(挿入角を水平にする)(S13)。この状態で媒体挿入口2は水平になる。
【0047】
媒体挿入口2を水平に戻した後に、シャッタ27を開き(S14)、媒体14を取り込む(S15)。この結果、媒体14は図示矢印Aで示す方向に取り込まれ媒体の処理が行われる。
【0048】
次に、媒体の処理終了後、上記媒体排出に係わる挿入口制御2サブルーチン処理を図9を参照して説明する。最初に、媒体検知センサSC2が暗になるまで媒体14を返却方向に搬送する(S20のNo)。媒体検知センサSC2が暗になり、媒体検知センサSC2によって媒体14が検知されると(S20のYes)、シャッタ27を開く(S21)。
【0049】
次に、媒体検知センサSC2が明になるまで媒体14をさらに返却方向に搬送する。媒体検知センサSC2が明になると、媒体14の後端が媒体検知センサSC2を通過したのでシャッタ27を通過するまでの所定量をさらに排出した後に搬送を停止する(S23)。このとき、媒体4の後端はシャッタ27と媒体検知センサSC1の間で停止し、第1駆動ローラ50aと第1ピンチローラ50bに挟持された状態となる。この状態で、シャッタ27が閉じられる(S24)。
【0050】
次に、媒体挿入口2を下側に回動(S25)し、利用客によって媒体14が抜き取られ媒体検知センサSC1が明になるまで監視する(S26)。
【0051】
その後、媒体1が利用客によって抜き取られ媒体検知センサSC1が明になると(S26の明)、媒体挿入口2を回動し媒体挿入角を0°にする(元に戻す)(S27)。
【0052】
(変形例)
次に、本発明の実施の形態の変形例として、媒体挿入口を上側に回動する場合の例を説明する。所定の身長を超す利用者を検知するための利用者検知センサSC5、及び操作パネル103のタッチ表示部に「媒体挿入口の角度を上側に変更しますか」の案内表示を追加する。利用者検知センサSC5は、図示矢印B3方向の利用者を検知するセンサである。例えば1800mm以上の身長を有する利用者が検知される。図7乃至図9で説明した媒体挿入口2を下側に回動する制御手段は同様の方法を用いて、媒体挿入口2を上側に回動することができる。図7に示す媒体挿入口制御処理フローチャートに、上記上側に回動する処理を追加した場合のフローチャートを図10に示す。なお、図10の挿入口制御3サブルーチンは、挿入口制御3の動作(S32)は、図8に示す挿入口制御1のステップS11で、「挿入口を下側に」の部分を「挿入口を上側に」と読み替えたサブルーチンと同様であるためその説明を省略する。
【0053】
この場合は、利用者の身長が1800mm以上の場合、又は利用者が操作パネル103から媒体挿入口2を上側にする指示を行った場合は媒体挿入口2が上側回動する。
【0054】
上述した実施の形態は、自動取引装置の通帳・冊子類取扱ユニットの媒体挿入口に適用した例を説明したが、これに限るものではなく当該装置のカードユニットの媒体挿入口にも同様に適用することによって媒体操作性が改善される。
【0055】
以上説明したように、上記実施の形態によれば身長の自動検知によるか、又は利用者が操作パネルから操作するかによって媒体挿入口を斜め下方に傾けて媒体を斜め下から投入したり取り出したりすることができるため、車椅子利用者又は身長の低い利用者が操作しやすい自動取引装置を提供できる。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、利用者が操作パネルから操作するか、又は身長の自動検知によって媒体挿入口の挿入角度を変更することにより、利用者が操作しやすい自動取引装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係わる通帳・冊子類取扱ユニットを搭載した自動取引装置の外観図。
【図2】本発明の実施の形態に係わる通帳・冊子類取扱ユニットの構成図。
【図3】本発明の実施の形態に係わる縦通帳を示す図。
【図4】本発明の実施の形態に係わる払込書を示す図。
【図5】本発明の実施の形態に係わる媒体挿入口を備えた自動取引装置を車椅子利用者が利用する場合の操作状態を示す図。
【図6】本発明の実施の形態に係わる媒体挿入口の概略側断面図。
【図7】本発明の実施の形態に係わる媒体挿入口制御処理フローチャート。
【図8】媒体挿入口制御処理フローチャートの媒体挿入に係わる挿入口制御1サブルーチン。
【図9】媒体挿入口制御処理フローチャートの媒体排出に係わる挿入口制御2サブルーチン。
【図10】本発明の実施形態に係わる媒体挿入口制御処理フローチャートの変形例。
【符号の説明】
SC1、SC2 媒体検知センサ
SC3、SC4、SC5 利用者検知センサ
2 媒体挿入口
3 磁気リード・ライト部
4 通帳収納部
5 通帳ページ捲り・幅寄せ部
6 PLD検知部
7 文字認識用OCRスキャナ部
8 印字部
9 上段払込書収納庫
10 下段払込書収納庫
14 媒体
20 接客パネル
21 ラック
24 媒体挿入口駆動モータ
25 遮光板
26 回動角検知センサ
27 シャッタ
50a 第1駆動ローラ
50b 第1ピンチローラ
51a 第2駆動ローラ
51b 第2ピンチローラ
60 車椅子利用者
99 自動取引装置
100 カードユニット
101 帳票・冊子類取扱ユニット
103 操作パネル
105 主制御部
106 顧客検知センサ
Claims (7)
- 取引媒体を挿入する媒体挿入口と、
前記媒体挿入口の挿入角度を変更する操作を行う操作手段と、
前記操作手段の操作により前記媒体挿入口の挿入角度を変更する制御手段と、
を有することを特徴とする自動取引装置。 - 取引媒体を挿入する媒体挿入口と、
利用者の身長を検知する利用者検知手段と、
前記利用者検知手段の検知結果により前記媒体挿入口の挿入角度を変更する制御手段と
を有することを特徴とする自動取引装置。 - 取引媒体を挿入する媒体挿入口と、
前記媒体挿入口の挿入角度を変更する操作を行う操作手段と、
利用者の身長を検知する利用者検知手段と、
前記操作手段の操作又は前記利用者検知手段の検知結果により前記媒体挿入口の挿入角度を変更する制御手段と
を有することを特徴とする自動取引装置。 - 前記利用者検知手段は、
当該自動取引装置を利用する利用者が操作可能な位置まで近接していることを検知する第1の検知手段と、
この第1の検知手段が前記利用者を検知したときの前記利用者の身長を検知する第2の検知手段とを有し、
前記制御手段は、前記第1の検知手段及び前記第2の検知手段の検知結果によって利用者の身長が所定値に満たないとき、前記媒体挿入口の挿入角度を変更することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の自動取引装置。 - 前記媒体挿入口は、
前記媒体挿入口の挿入角度を変更するための媒体挿入口駆動モータと、
前記媒体挿入口駆動モータによって回動される前記媒体挿入口の挿入角度を検知する回動角検知センサとを有し、
前記制御手段は、前記操作手段によって前記媒体挿入口の挿入角度の変更が選択指示されたとき、前記回動角検知センサによって所定の角度が検知されるまで前記媒体挿入口の挿入角度を前記媒体挿入口駆動モータによって回動することを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の自動取引装置。 - 前記媒体挿入口は、
前記媒体挿入口の挿入角度を変更するための媒体挿入口駆動モータと、
前記媒体挿入口駆動モータによって回動される前記媒体挿入口の挿入角度を検知する回動角検知センサとを有し、
前記制御手段は、前記利用者検知手段の検知結果により前記媒体挿入口の挿入角度の変更が指示されたとき、前記回動角検知センサによって所定の角度が検知されるまで前記媒体挿入口の挿入角度を前記媒体挿入口駆動モータによって回動することを特徴とする請求項2又は請求項4に記載の自動取引装置。 - 前記媒体挿入口の挿入角度は、
前記媒体挿入口の挿入角度を変更する操作を行う操作手段、又は利用者検知手段の検知結果により前記媒体挿入口の挿入角度を水平面に対して下方又は上方に所定の角度変更可能であることを特徴とする請求項1乃至請求項6に記載の自動取引装置。
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2003
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