JP2018008814A - 分岐装置および紙葉類処理機 - Google Patents

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晃大 古山
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Abstract

【課題】斜行状態の紙葉類が分岐箇所に送られた場合でもこの斜行状態の紙葉類が分岐箇所に到達するまでの間に各分岐部の揺動を完了させることができ、よって紙葉類の処理速度を大きくすることが可能となるため紙葉類の処理性能を向上させることができる分岐装置および紙葉類処理機を提供する。【解決手段】搬送路に沿って搬送される紙葉類(例えば、紙幣)の搬送方向を分岐箇所で切り換える分岐装置50は、搬送路の幅方向に沿って並ぶよう分岐箇所に設けられた複数の分岐部51、61と、各分岐部51、61を他の分岐部51、61から独立して駆動する駆動部56、66とを備えている。【選択図】図5

Description

本発明は、搬送路に沿って搬送される紙葉類の搬送方向を切り換える分岐装置およびこのような分岐装置を備えた紙葉類処理機に関する。
紙幣の入金処理や出金処理を行う紙幣処理機において、筐体内で紙幣が搬送部により1枚ずつ搬送されるようになっている。また、このような紙幣処理機において、搬送部により搬送される紙幣の搬送方向を切り換えるために分岐爪等から構成される分岐装置が用いられるようになっている。このような分岐装置として、従来から例えば特許文献1乃至3等に開示されるものが知られている。
特開平11−292350号公報 特開2012−192340号公報 特許第5797915号
特許文献1乃至3に開示されるような従来の分岐装置では、紙幣の搬送速度を大きくすることにより連続して搬送される2枚の紙幣の間の分岐タイミング(時間)が小さくなった場合において、同じ向きに斜行した紙幣が連続して分岐箇所に2枚送られたときに、先行する紙幣が分岐箇所を通過してから後続の紙幣が当該分岐箇所に到達するまでの間に分岐爪を完全に揺動させることができず、分岐箇所で紙幣の詰まり等のトラブルが生じるおそれがあった。このため、従来の分岐装置が設けられている紙幣処理機では紙幣の処理速度(単位時間あたりの処理枚数)の高速化に限界があった。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、斜行状態の紙葉類が分岐箇所に送られた場合でもこの斜行状態の紙葉類が分岐箇所に到達するまでの間に各分岐部の揺動を完了させることができ、よって紙葉類の処理速度を大きくすることが可能となるため紙葉類の処理性能を向上させることができる分岐装置および紙葉類処理機を提供することを目的とする。
本発明の分岐装置は、搬送路に沿って搬送される紙葉類の搬送方向を分岐箇所で切り換える分岐装置であって、搬送路の幅方向に沿って並ぶよう前記分岐箇所に設けられた複数の分岐部と、各前記分岐部を他の前記分岐部から独立して駆動する駆動部と、を備えたことを特徴とする。
このような分岐装置によれば、搬送路の幅方向に沿って並ぶよう複数の分岐部が分岐箇所に設けられており、各々の分岐部は他の分岐部から独立して駆動されるようになっているため、斜行状態の紙葉類が分岐箇所に送られた場合でもこの斜行状態の紙葉類が分岐箇所に到達するまでの間に各分岐部の揺動を完了させることができ、よって紙葉類の処理速度を大きくすることが可能となるため紙葉類の処理性能を向上させることができる。
本発明の分岐装置においては、各前記分岐部は、支軸と、当該支軸を中心として少なくとも2つの位置の間で揺動可能となっている分岐部材とを有しており、各前記分岐部の前記分岐部材が他の前記分岐部の前記分岐部材から独立して揺動するようになっていてもよい。
本発明の分岐装置は、前記分岐箇所に送られる前の紙葉類が斜行状態で搬送されているか否かに係る情報を取得する搬送状態情報取得手段と、各前記駆動部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、各前記分岐部により紙葉類を分岐させる際に前記駆動部により各前記分岐部の揺動を開始するタイミングを、前記搬送状態情報取得手段により取得された情報に基づいて決めるようになっていてもよい。
この場合、前記制御部は、前記分岐箇所に送られる前の紙葉類が斜行状態で搬送されているという情報が前記搬送状態情報取得手段により取得された場合には、各前記分岐部により紙葉類を分岐させる際に各前記分岐部の揺動を開始するタイミングをずらすよう前記駆動部を制御するようになっていてもよい。
この際に、前記制御部は、前記分岐箇所に送られる前の紙葉類が斜行状態で搬送されているという情報が前記搬送状態情報取得手段により取得された場合には、各前記分岐部により紙葉類を分岐させる際に紙葉類の先端が先行している側の前記分岐部を紙葉類の先端が先行していない側の前記分岐部よりも先に揺動させるよう前記駆動部を制御するようになっていてもよい。
また、前記制御部は、搬送路に沿って連続して搬送される2枚の紙葉類について、紙葉類の搬送方向に沿った各前記分岐部に対応する各々の領域における2枚の紙葉類の間の距離を紙葉類の搬送速度で割った値が所定の大きさ以上である場合においてのみ、各前記分岐部により紙葉類を分岐させる際に各前記分岐部の揺動を開始するタイミングをずらすようになっていてもよい。
この場合、各々の前記分岐部の揺動を開始するタイミングは、紙葉類の搬送方向に沿った当該分岐部に対応する領域における先行する紙葉類の後端が前記分岐箇所を通過したときのタイミング、紙葉類の搬送方向に沿った当該分岐部に対応する領域における後続の紙葉類の先端が前記分岐箇所に到達する前のタイミング、および紙葉類の搬送方向に沿った当該分岐部に対応する領域における2枚の枚葉紙の間の距離の中間箇所が前記分岐箇所を通過したときのタイミングのうちいずれかであってもよい。
本発明の紙葉類処理機は、紙葉類を搬送する搬送部と、前記搬送部に設けられ、当該搬送部により搬送される紙葉類の搬送方向を前記分岐箇所で切り換える、上記の分岐装置と、を備えたことを特徴とする。
本発明の紙葉類処理機は、前記搬送部において紙葉類の搬送方向における前記分岐箇所よりも上流側に設けられ、紙葉類の識別を行う識別部を更に備え、前記識別部による紙葉類の識別結果に基づいて、前記分岐箇所に送られる前の紙葉類が斜行状態で搬送されているか否かに係る情報が取得されるようになっていてもよい。
本発明の分岐装置および紙葉類処理機によれば、斜行状態の紙葉類が分岐箇所に送られた場合でもこの斜行状態の紙葉類が分岐箇所に到達するまでの間に各分岐部の揺動を完了させることができ、よって紙葉類の処理速度を大きくすることが可能となるため紙葉類の処理性能を向上させることができる。
本発明の実施の形態による貨幣処理機の外観を示す斜視図である。 図1に示す貨幣処理機における紙幣処理機の内部構成を概略的に示す概略構成図である。 図2に示す紙幣処理機の内部における分岐装置の近傍の構成を拡大して示す側面図であって、分岐装置の各分岐部の分岐爪が第1位置に位置しているときの状態を示す図である。 図2に示す紙幣処理機の内部における分岐装置の近傍の構成を拡大して示す側面図であって、分岐装置の各分岐部の分岐爪が第2位置に位置しているときの状態を示す図である。 図2等に示す紙幣処理機の機体内に設けられた分岐装置の構成を示す斜視図である。 (a)〜(d)は、それぞれ、図5に示す分岐装置の各分岐部の分岐爪が第1位置または第2位置に位置しているときの状態を示す斜視図である。 図1に示す貨幣処理機における制御系の構成を示す機能ブロック図である。 図2等に示す紙幣処理機において紙幣の入金処理が行われる際に図5等に示す分岐装置により紙幣を分岐させるときの動作を示すフローチャートである。 (a)〜(k)は、図2等に示す紙幣処理機において紙幣の入金処理が行われる際に図5等に示す分岐装置に連続して送られる2枚の紙幣の様々な搬送状態を示す説明図である。 図5等に示す分岐装置に斜行状態の2枚の紙幣が連続して送られたときの状態を示す上面図である。 従来の分岐装置に斜行状態の2枚の紙幣が連続して送られたときの状態を示す斜視図である。 図5等に示す分岐装置に斜行状態の2枚の紙幣が連続して送られたときの状態を示す斜視図である。 図5等に示す分岐装置に斜行状態の2枚の紙幣が連続して送られたときの紙幣間の距離等を示す上面図である。 図5等に示す分岐装置に紙幣の半券および斜行状態の紙幣が連続して送られたときの紙幣間の距離等を示す上面図である。 (a)〜(d)は、図5等に示す分岐装置により紙幣をその幅方向における中央箇所で折り曲げるときの動作を順に示す斜視図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図14は、本実施の形態による紙幣処理機やこの紙幣処理機を備えた貨幣処理機、および当該紙幣処理機に設けられた分岐装置を示す図である。このうち、図1は、本発明の実施の形態による貨幣処理機の外観を示す斜視図であり、図2は、図1に示す貨幣処理機における紙幣処理機の内部構成を概略的に示す概略構成図である。また、図3および図4は、それぞれ、図2に示す紙幣処理機の内部における分岐装置の近傍の構成を拡大して示す側面図である。また、図5は、図2等に示す紙幣処理機の機体内に設けられた分岐装置の構成を示す斜視図であり、図6(a)〜図6(d)は、それぞれ、図5に示す分岐装置の各分岐部の分岐爪が第1位置または第2位置に位置しているときの状態を示す斜視図である。また、図7は、図1に示す貨幣処理機における制御系の構成を示す機能ブロック図であり、図8Aは、図2等に示す紙幣処理機において紙幣の入金処理が行われる際に図5等に示す分岐装置により紙幣を分岐させるときの動作を示すフローチャートであり、図8B(a)〜(k)は、図2等に示す紙幣処理機において紙幣の入金処理が行われる際に図5等に示す分岐装置に連続して送られる2枚の紙幣の様々な搬送状態を示す図である。また、図9は、図5等に示す分岐装置に斜行状態の2枚の紙幣が連続して送られたときの状態を示す上面図である。また、図10および図11は、それぞれ、従来の分岐装置および図5に示す分岐装置に斜行状態の2枚の紙幣が連続して送られたときの状態を示す斜視図である。また、図12および図13は、それぞれ、図5等に示す分岐装置に斜行状態の2枚の紙幣が連続して送られたときや紙幣の半券および斜行状態の紙幣が連続して送られたときの紙幣間の距離を分かり易く説明するために通過センサが相対的に移動した状態を模式的に示すための上面図である。また、図14(a)〜図14(d)は、図5等に示す分岐装置により紙幣をその幅方向における中央箇所で折り曲げるときの動作を順に示す斜視図である。
まず、本実施の形態による紙幣処理機20を備えた貨幣処理機1の構成について図1を用いて説明する。図1は、本実施の形態による紙幣処理機20を備えた貨幣処理機1の外観を示す斜視図である。図1に示すように、本実施の形態による貨幣処理機1は略直方体形状の筐体1aを有している。また、貨幣処理機1の筐体1aを手前側から見て当該貨幣処理機1の左側部分には硬貨の入金処理や計数処理を行う硬貨処理機10が設けられており、一方、貨幣処理機1の筐体1aを手前側から見て当該貨幣処理機1の右側部分には紙幣の入金処理や計数処理を行う紙幣処理機20が設けられている。また、図1に示すように、貨幣処理機1の筐体1aの上部には上部カバー2が設けられており、この上部カバー2を上方に開くことにより操作者は硬貨処理機10や紙幣処理機20の内部にアクセスすることができるようになっている。より詳細には、上部カバー2は水平方向に延びる軸2pを中心として図1に示す状態から上方に回転することができるようになっている。
次に、本実施の形態による紙幣処理機20の構成について図2乃至図6を用いて説明する。図2は、紙幣処理機20の内部を側方から見たときの構成を示す側面図である。図2に示すように、紙幣処理機20は、筐体1aの外部から紙幣が束状態で投入される紙幣投入部22と、紙幣投入部22に投入された紙幣を1枚ずつ筐体1aの内部に繰り出すための紙幣繰出機構24と、紙幣繰出機構24により筐体1aの内部に繰り出された紙幣を搬送するための第1搬送部26と、第1搬送部26により搬送される紙幣の金種、真偽、正損、新旧、表裏、搬送状態等の識別を行うラインセンサ等の識別部28とを備えている。また、図1に示すように、筐体1aの上面には紙幣の投入口の開閉を行うシャッタ22aが設けられており、当該シャッタ22aが開かれたときに操作者は筐体1aの外部から紙幣投入部22に紙幣の束を投入することができるようになっている。このようなシャッタ22aは操作者が手動で開閉を行うことができるようになっている。また、紙幣投入部22には、筐体1aの外部から当該紙幣投入部22に投入された紙幣を検知するための投入紙幣検知センサ(図示せず)が設けられている。
また、第1搬送部26における識別部28よりも下流側の箇所には、識別部28により識別された紙幣を搬送する第2搬送部30が設けられている。また、第2搬送部30には、当該第2搬送部30により搬送される紙幣を後述するリジェクト部32および一時保留部34のうちいずれか一方に分岐させる分岐装置50が設けられている。第2搬送部30において、識別部28により正常な紙幣であると識別された紙幣は分岐装置50により一時保留部34に送られるよう振り分けられ、一方、識別部28により正常な紙幣ではないと識別された紙幣や識別部28により識別することができなかった紙幣は分岐装置50によりリジェクト部32に送られるよう振り分けられるようになっている。このような第2搬送部30および分岐装置50の構成の詳細について図3乃至図6を用いて説明する。なお、図3は、図2に示す紙幣処理機20の内部における分岐装置50の近傍の構成を拡大して示す側面図であって、後述する分岐装置50の各分岐部51、61の分岐爪52、62が第1位置に位置しているときの状態を示す図であり、図4は、図2に示す紙幣処理機20の内部における分岐装置50の近傍の構成を拡大して示す側面図であって、分岐装置50の各分岐部51、61の分岐爪52、62が第2位置に位置しているときの状態を示す図である。また、図5は、図2等に示す紙幣処理機20の機体内に設けられた分岐装置50の構成を示す斜視図である。また、図6(a)〜図6(d)は、それぞれ、図5に示す分岐装置50の各分岐部51、61の分岐爪52、62が第1位置または第2位置に位置しているときの状態を示す斜視図である。
図3および図4に示すように、第2搬送部30において、紙幣の搬送方向における分岐装置50の上流側には第1搬送路30aが設けられており、識別部28により識別された紙幣は第1搬送路30aを通るようになっている。また、第2搬送部30において、紙幣の搬送方向における分岐装置50の下流側には、第1搬送路30aから分岐した2つの搬送路である第2搬送路30bおよび第3搬送路30cが設けられている。ここで、第2搬送路30bの下流側端部は一時保留部34に接続されており、また、第3搬送路30cの下流側端部はリジェクト部32に接続されている。また、第1搬送路30aから分岐装置50に送られた紙幣は当該分岐装置50により第2搬送路30bまたは第3搬送路30cに振り分けられるようになっている。なお、第1搬送路30aから第2搬送路30bまたは第3搬送路30cへの分岐箇所を図3および図4において参照符合30dで示す。ここで、分岐装置50により第2搬送路30bに振り分けられた紙幣は一時保留部34に送られ、この一時保留部34に一時的に保留されるようになる。一方、分岐装置50により第3搬送路30cに振り分けられた紙幣はリジェクト部32に送られ、このリジェクト部32に集積されるようになる。
また、第2搬送部30の第1搬送路30aには、当該第1搬送路30aを通過する紙幣を検知する光センサ等の通過センサ27が設けられている。具体的には、図12および図13に示すように、第1搬送路30aにおける紙幣の幅方向(すなわち、図12および図13の左右方向)に沿って並ぶよう3つの通過センサ27が設けられている。各通過センサ27は、後述する分岐装置50の各分岐部51、61の分岐爪52、62が揺動を開始するタイミングを決めるためのタイミングセンサとして機能するようになっている。また、これらの通過センサ27により、第2搬送部30の分岐箇所30dに連続して送られる2枚の紙幣の間の距離を検知することができるようになっていてもよい。
図5に示すように、分岐装置50は、第2搬送部30における紙幣の搬送路の幅方向に沿って並ぶよう分岐箇所30dに設けられた2つの分岐部51、61を有している。ここで、2つの分岐部51、61のうち第1分岐部51は、支軸54と、この支軸54を中心として後述する第1位置および第2位置の間で揺動可能となっている分岐部材としての複数の分岐爪52とを有している。また、第1分岐部51の支軸54を正逆両方向に回転させる第1駆動部56が設けられている。また、2つの分岐部51、61のうち第2分岐部61は、支軸64と、この支軸64を中心として後述する第1位置および第2位置の間で揺動可能となっている分岐部材としての複数の分岐爪62とを有している。また、支軸64を正逆両方向に回転させる第2駆動部66が設けられている。ここで、第1分岐部51の各分岐爪52は、紙幣の幅方向における全長の左半分の長さ分の領域に亘って配置されており、また、第2分岐部61の各分岐爪62は、紙幣の幅方向における全長の右半分の長さ分の領域に亘って配置されている。また、本実施の形態では、第1分岐部51の支軸54および第2分岐部61の支軸64は同一の直線上に位置するようになっている。すなわち、第1分岐部51の支軸54および第2分岐部61の支軸64は一直線上に延びるようになっている。また、第1駆動部56および第2駆動部66はそれぞれロータリーソレノイド、ラッチングソレノイド、ステッピングモータ等から構成されている。また、本実施の形態では、第1駆動部56および第2駆動部66はそれぞれ互いに独立して第1分岐部51の支軸54および第2分岐部61の支軸64を駆動するようになっている。このため、分岐爪52および分岐爪62はそれぞれ他の分岐爪から独立して揺動するようになっている。
図3および図6(a)は、分岐爪52および分岐爪62がそれぞれ第1位置に位置しているときの状態を示す図であり、また、図4および図6(d)は、分岐爪52および分岐爪62がそれぞれ第2位置に位置しているときの状態を示す図である。分岐爪52および分岐爪62がそれぞれ第1位置に位置している場合には、図3に示すように、第2搬送部30において第1搬送路30aから分岐箇所30dに送られた紙幣は分岐装置50により第2搬送路30bに振り分けられ、この第2搬送路30bにより一時保留部34に送られるようになる。一方、分岐爪52および分岐爪62がそれぞれ第2位置に位置している場合には、図4に示すように、第2搬送部30において第1搬送路30aから分岐箇所30dに送られた紙幣は分岐装置50により第3搬送路30cに振り分けられ、この第3搬送路30cによりリジェクト部32に送られるようになる。なお、図6(b)は、分岐爪52が第1位置に位置しているとともに分岐爪62が第2位置に位置しているときの状態を示す斜視図であり、図6(c)は、分岐爪52が第2位置に位置しているとともに分岐爪62が第1位置に位置しているときの状態を示す斜視図である。
本実施の形態では、第1分岐部51の分岐爪52および第2分岐部61の分岐爪62は概ね連動して図3に示すような第1位置および第2位置の間で揺動するようになっている。しかしながら、分岐装置50に送られる紙幣が斜行状態であることが識別部28により識別された場合には、第1分岐部51の分岐爪52の揺動を開始するタイミングと、第2分岐部61の分岐爪62の揺動を開始するタイミングとがずらされる場合がある。このような動作の詳細については後述する。
図1および図2に示すように、リジェクト部32は貨幣処理機1の筐体1aの前面側から操作者がアクセスすることができるようになっており、このリジェクト部32にリジェクト紙幣が送られると、操作者はリジェクト部32からリジェクト紙幣を取り出すことができるようになっている。
また、図2に示すように、紙幣処理機20の内部における下部領域において一時保留部34の真下の位置には紙幣収納カセット40が収容されている。そして、一時保留部34に紙幣が一時的に保留された後、入金確定の指令が貨幣処理機1の本体制御部80(後述)に与えられると、一時保留部34から紙幣収納カセット40に紙幣が一括して送られ、この紙幣収納カセット40に収納されるようになっている。なお、紙幣収納カセット40は筐体1aの外部に取り出すことができるようになっている。具体的には、上述したように、貨幣処理機1の筐体1aの前面における下部領域には扉1bが設けられており、この扉1bを開くことにより紙幣収納カセット40を筐体1aの外部に取り出すことができるようになる。警送会社の警備員等により筐体1aの外部に取り出された紙幣収納カセット40は、警送会社の管理本部や現金処理センターに運搬され、紙幣収納カセット40から取り出された紙幣が管理本部等で管理されるようになる。
また、図1に示すように、貨幣処理機1の筐体1aの前面における一時保留部34の手前側の位置には扉1cが設けられているとともに、当該扉1cを閉状態にロックするための扉ロック部35(図7参照)が設けられている。そして、当該扉ロック部35による扉1cのロック状態が解除されると、操作者は扉1cを手前右側に開いて一時保留部34の内部にアクセスすることができるようになる。このようにして、一時保留部34に紙幣が一時的に保留された後、返却の指令が貨幣処理機1の本体制御部80(後述)に与えられると、扉ロック部35による扉1cのロック状態が解除され、操作者は扉1cを開くことにより一時保留部34の内部から紙幣を取り出すことができるようになり、よって筐体1aの外部に紙幣が返却されるようになる。そして、操作者が手動で扉1cを閉じると、扉ロック部35により扉1cが再び閉状態にロックされるようになる。なお、一時保留部34に一時的に保留された紙幣を紙幣収納カセット40に収納させる際には、扉ロック部35による扉1cの閉状態のロックが維持されたままとなる。
次に、本実施の形態による貨幣処理機1の制御系の構成について図7を用いて説明する。図7に示すように、本実施の形態による貨幣処理機1には、当該貨幣処理機1の各構成部材の制御を行う本体制御部80が設けられている。また、硬貨処理機10には当該硬貨処理機10の各構成部材に接続された硬貨制御部(図示せず)が設けられており、当該硬貨制御部により硬貨処理機の各構成部材が制御されるようになっている。また、紙幣処理機20には当該紙幣処理機20の各構成部材(具体的には、紙幣繰出機構24、第1搬送部26、第2搬送部30、識別部28、通過センサ27、分岐装置50の第1駆動部56および第2駆動部66、一時保留部34、扉ロック部35等)に接続された紙幣制御部82が設けられており、当該紙幣制御部82により紙幣処理機20の各構成部材が制御されるようになっている。また、識別部28による紙幣の識別情報や通過センサ27による紙幣の検知情報等は紙幣制御部82に送られるようになっている。また、図7に示すように、硬貨処理機10に設けられた硬貨制御部や紙幣処理機20に設けられた紙幣制御部82はそれぞれ本体制御部80に接続されている。
また、図7に示すように、本体制御部80には、第2搬送部30の分岐箇所30dに送られる前の紙幣が斜行状態で搬送されているか否かに係る情報を取得する搬送状態情報取得手段83が接続されている。搬送状態情報取得手段83は、識別部28による紙幣の識別結果に基づいて、第2搬送部30の分岐箇所30dに送られる前の紙幣が斜行状態で搬送されているか否かに係る情報を取得するようになっている。このような搬送状態情報取得手段83の機能の詳細については後述する。
また、図1に示すように、貨幣処理機1の筐体1aの上面には、プリンタ等の印字部84、タッチパネル等の2つの操作表示部86、88、および操作者が携帯するIDカード等の記録媒体に記憶された情報(具体的には、IDカードのID情報等)を読み取るための磁気カードリーダ等の読取部90がそれぞれ設けられており、これらの印字部84、操作表示部86、88、読取部90はそれぞれ本体制御部80に接続されている。
また、図7に示すように、本体制御部80には記憶部94が接続されている。このような記憶部94は貨幣処理機1の筐体1aの内部に設けられており、当該記憶部94には、貨幣処理機1における貨幣の入金処理や計数処理の結果に係る情報や、硬貨収納カセットや紙幣収納カセット40に収納されている硬貨や紙幣の金種毎の枚数や合計金額に係る情報(在高情報)や、各処理を行う権限に関する情報等が記憶されるようになっている。
また、本体制御部80には通信インターフェース部98が接続されており、本体制御部80は、この通信インターフェース部98により、貨幣処理機1の外部に設けられた上位端末等の外部装置と信号の送受信を行うことができるようになっている。
次に、このような構成からなる本実施の形態の貨幣処理機1の動作について説明する。なお、以下に示す貨幣処理機1の動作は、本体制御部80が当該貨幣処理機1の各構成部材を制御することにより、あるいは本体制御部80が硬貨制御部(図示せず)や紙幣制御部82を経由して硬貨処理機10や紙幣処理機20の各構成部材を制御することにより行われるようになっている。
本実施の形態の紙幣処理機20において紙幣の入金処理が行われるときの動作について以下に説明する。紙幣処理機20が待機状態にあるときに、操作者が自己のIDカード等の記録媒体を読取部90に通すことにより、当該操作者の権限が認証されると、操作表示部86、88には、操作者に対して紙幣処理機20の紙幣投入部22に硬貨や紙幣を投入することを促す旨のガイダンス画面が表示されるようになる。そして、操作者が貨幣処理機1の筐体1aの上面に設けられたシャッタ22aを手動で開くことにより筐体1aの外部から紙幣を紙幣投入部22に投入した後、操作表示部88に表示されているスタートボタンを押下すると、紙幣投入部22に投入された紙幣は筐体1aの内部に繰り出されるようになる。具体的には、紙幣投入部22に紙幣が投入された後、操作表示部88に表示されているスタートボタンが押下されると、紙幣投入部22に投入された紙幣は紙幣繰出機構24によって1枚ずつ筐体1aの内部に繰り出され、第1搬送部26により搬送される。この際に、識別部28により紙幣の金種、真偽、正損、新旧、表裏、搬送状態等の識別が行われる。識別部28により正常な紙幣であると識別された紙幣は分岐装置50により一時保留部34に送られ、この一時保留部34に一時的に保留される。また、識別部28により正常な紙幣ではないと識別された紙幣や識別部28により識別することができなかった紙幣はリジェクト紙幣として分岐装置50によりリジェクト部32に送られる。上述したように、貨幣処理機1の筐体1aの前面側から操作者がリジェクト部32にアクセスすることができるようになっているため、リジェクト部32にリジェクト紙幣が送られると、操作者はリジェクト部32からリジェクト紙幣を取り出して紙幣投入部22に再投入等することができるようになる。
紙幣投入部22に投入された紙幣が全て紙幣繰出機構24により筐体1aの内部に繰り出されて一時保留部34またはリジェクト部32に送られると、操作表示部86、88には、紙幣の計数結果に係る情報や、操作者に対して入金確定の承認を求めるガイダンス画面が表示される。そして、操作者が操作表示部86、88に表示されている確定ボタンを押下することにより入金確定の指令を本体制御部80に入力すると、一時保留部34に一時的に保留された紙幣が当該一時保留部34から紙幣収納カセット40に送り込まれ、この紙幣収納カセット40に収納されるようになる。一方、操作者に対して入金確定の承認を求めるガイダンス画面が操作表示部86、88に表示されているときに、操作者が操作表示部86、88に表示されている返却ボタンを押下することにより返却の指令を本体制御部80に入力すると、扉ロック部35による扉1cのロック状態が解除され、操作者は扉1cを開くことにより一時保留部34から紙幣を取り出すことができるようになる。このようにして、一時保留部34に収納されている紙幣が筐体1aの外部に返却される。
次に、第2搬送部30により搬送される紙幣が分岐装置50により一時保留部34またはリジェクト部32に分岐させられる動作の詳細について図9を用いて説明する。図9は、図5等に示す分岐装置50に斜行状態の2枚の紙幣が連続して送られたときの状態を示す上面図である。本実施の形態では、同じ向きに斜行した紙幣が分岐箇所30dに連続して2枚送られたときに、第1分岐部51の分岐爪52の揺動を開始するタイミングと、第2分岐部61の分岐爪62の揺動を開始するタイミングとをずらすことにより、斜行状態の紙葉類が分岐箇所30dに送られたときにこの斜行状態の紙葉類が分岐箇所30dに到達するまでの間に2つの分岐爪52、62の揺動を完了させることができるようになっている。より詳細には、本体制御部80は、各分岐部51、61により紙幣を分岐させる際に駆動部56、66により各分岐部51、61の分岐爪52、62の揺動を開始するタイミングを、搬送状態情報取得手段83により取得された情報に基づいて決めるようになっている。この際に、第2搬送部30の分岐箇所30dに送られる前の紙幣が斜行状態で搬送されているという情報が搬送状態情報取得手段83により取得された場合には、本体制御部80は、各分岐部51、61により紙幣を分岐させる際に各分岐部51、61の分岐爪52、62の揺動を開始するタイミングをずらすようになる。このような技術的事項の詳細について以下に述べる。
まず、従来の分岐装置に斜行状態の2枚の紙幣が連続して送られた場合について図10を用いて説明する。図10に示すように、従来の分岐装置100は、支軸104と、この支軸104を中心として揺動可能となっている複数の分岐爪102とを有しており、支軸104には、当該支軸104を正逆両方向に回転させる駆動部(図示せず)が取り付けられている。ここで、従来の分岐装置100では、紙幣の幅方向における全長に亘って複数の分岐爪102が配置されるようになっている。このため、当該分岐装置100に連続して送られる2枚の紙幣の搬送先が異なる場合には、先行する紙幣が分岐装置100を通過した後に分岐爪102を揺動させる必要があるが、図10に示すように分岐装置100に連続して送られる2枚の紙幣がそれぞれ同じ向きに斜行している場合には、揺動している途中の分岐爪102が先行する紙幣の後端部分(すなわち、図10において参照符合Rで示す箇所)に接触してしまい、先行する紙幣が搬送路で詰まってしまったり当該紙幣が損傷してしまったりするというおそれがあった。これに対し、本実施の形態では、図10に示すような同期して揺動する分岐爪102を紙幣の幅方向における全長に亘って設ける代わりに、紙幣の幅方向における左半分の領域に配置される分岐爪52および紙幣の幅方向における右半分の領域に配置される分岐爪62を互いに独立して揺動させることにより、このような従来の分岐装置100の問題を解消することができるようになる。具体的には、図11に示すように、第2搬送部30の分岐箇所30dに送られる前の紙幣が斜行状態で搬送されている場合には、各分岐部51、61により紙幣を分岐させる際に紙幣の先端が先行している側の分岐部の分岐爪(図11に示す例では第1分岐部51の分岐爪52)を、紙幣の先端が先行していない側の分岐部(図11に示す例では第2分岐部61の分岐爪62)よりも先に揺動させるようにする(なお、図11では、紙幣と各分岐部51、61との位置関係を見やすくするために、分岐装置50の上下を反転させて表示している)。
図8Aに示すフローチャートを用いてより詳細に説明すると、まず、本体制御部80は、識別部28による紙幣の識別結果に基づいて、紙幣の搬送方向に沿った各分岐部51、61に対応する各々の領域における2枚の紙幣の間の距離を紙幣の搬送速度で割った値が所定の大きさ(より詳細には、第1の所定の大きさ)以上であるか否かを判断する(STEP1)。具体的には、例えば、図12に示すように第2搬送部30の分岐箇所30dに連続で送られた2枚の紙幣が同じ向きに斜行している場合には、紙幣の搬送方向に沿った第1分岐部51に対応する領域(すなわち、図12において参照符合Aで示す領域)における2枚の紙幣の間の距離、および紙幣の搬送方向に沿った第2分岐部61に対応する領域(すなわち、図12において参照符合Bで示す領域)における2枚の紙幣の間の距離が、それぞれ識別部28による紙幣の識別情報に基づいて算出される。なお、図12において、先行する紙幣を参照符合Pで示し、後続の紙幣を参照符合Pで示している。また、紙幣の搬送方向を白抜きの矢印で示している。また、図12では、紙幣間の距離を分かり易く説明するために通過センサ27が相対的に移動した状態で模式的に各紙幣を示している。ここで、図12に示すような例において、紙幣の搬送方向に沿った第1分岐部51に対応する領域における2枚の紙幣の間の距離は参照符合aで示す大きさとなり、紙幣の搬送方向に沿った第2分岐部61に対応する領域における2枚の紙幣の間の距離は参照符合bで示す大きさとなる。また、図13に示すように第2搬送部30の分岐箇所30dに連続で送られた2枚の紙幣のうち一方の紙幣が斜行しているとともに他方の紙幣が半券となっている場合には、紙幣の搬送方向に沿った第1分岐部51に対応する領域(すなわち、図13において参照符合Aで示す領域)および紙幣の搬送方向に沿った第2分岐部61に対応する領域(すなわち、図13において参照符合Bで示す領域)のうち半券としての紙幣が存在する領域における2枚の紙幣の間の距離が、識別部28による紙幣の識別情報に基づいて算出される。なお、図13において、先行する半券としての紙幣を参照符合Pで示し、後続の斜行状態の紙幣を参照符合Pで示している。また、紙幣の搬送方向を白抜きの矢印で示している。また、図13でも、紙幣間の距離を分かり易く説明するために通過センサ27が相対的に移動した状態で模式的に各紙幣を示している。ここで、図13に示すような例において、紙幣の搬送方向に沿った第1分岐部51に対応する領域および紙幣の搬送方向に沿った第2分岐部61に対応する領域のうち半券としての紙幣が存在する領域における2枚の紙幣の間の距離は参照符合cで示す大きさとなる。
紙幣の搬送方向に沿った各分岐部51、61に対応する各々の領域における2枚の紙幣の間の距離(すなわち、上記の距離a、b、c)を紙幣の搬送速度で割った値が所定の大きさよりも小さい場合には(STEP1の「NO」)、すなわち、連続して搬送される2枚の紙幣が図8B(a)〜(d)に示すような搬送状態である場合には、両方の紙幣をリジェクト部32に分岐すべく各分岐部51、61の分岐爪52、62を第2位置に揺動させる(STEP2)。このことにより、第2搬送部30の分岐箇所30dに連続して搬送される2枚の紙幣の間の距離が小さ過ぎる場合には、これらの2枚の紙幣はリジェクト部32に送られることになる。また、この場合には、リジェクト部32に紙幣が送られた旨の情報が操作表示部86、88に表示されるようになる。その後、操作者はリジェクト部32から紙幣を取りだして紙幣投入部22に再投入するようになる。
一方、紙幣の搬送方向に沿った各分岐部51、61に対応する各々の領域における2枚の紙幣の間の距離を紙幣の搬送速度で割った値が所定の大きさ以上である場合には(STEP1の「YES」)、すなわち、連続して搬送される2枚の紙幣が図8B(e)〜(k)に示すような搬送状態である場合には、本体制御部80は、分岐装置50の各分岐部51、61の分岐爪52、62を、先行する紙幣の搬送先方向に揺動させる(STEP3)。また、本体制御部80は、識別部28による紙幣の識別結果に基づいて、第2搬送部30の分岐箇所30dに連続して搬送される2枚の紙幣の搬送先が同じである否かを判断する(STEP4)。例えば、第2搬送部30の分岐箇所30dに連続して搬送される2枚の紙幣の搬送先がそれぞれ一時保留部34であったり、あるいは第2搬送部30の分岐箇所30dに連続して搬送される2枚の紙幣の搬送先がそれぞれリジェクト部32であったりした場合には(STEP4の「YES」)、本体制御部80は、分岐装置50の各分岐部51、61の分岐爪52、62を揺動させない(STEP5)。より詳細には、第2搬送部30の分岐箇所30dに連続して搬送される2枚の紙幣の搬送先がそれぞれ一時保留部34である場合には、分岐装置50の各分岐部51、61の分岐爪52、62は図3に示すような第1位置に維持されるようになる。一方、第2搬送部30の分岐箇所30dに連続して搬送される2枚の紙幣の搬送先がそれぞれリジェクト部32である場合には、分岐装置50の各分岐部51、61の分岐爪52、62は図4に示すような第2位置に維持されるようになる。
また、識別部28による紙幣の識別結果に基づいて、第2搬送部30の分岐箇所30dに連続して搬送される2枚の紙幣の搬送先が異なると本体制御部80により判断された場合には(STEP4の「NO」)、連続して搬送される2枚の紙幣が所定の状態で搬送されているか否かが識別部28による紙幣の識別結果に基づいて本体制御部80により判断されるようになる(STEP6)。ここで、所定の状態とは、図8B(g)(h)(i)に示すように連続して搬送される2枚の紙幣がそれぞれ同じ向きに斜行している状態や、図8B(j)(k)に示すように連続して搬送される2枚の紙幣のうち一方の紙幣が斜行しているとともに他方の紙幣が半券となっているような状態のことをいう。
連続して搬送される2枚の紙幣が所定の状態で搬送されていないと本体制御部80により判断された場合には(STEP6の「NO」)、すなわち、連続して搬送される2枚の紙幣が図8B(e)(f)に示すような搬送状態であった場合には、本体制御部80は分岐装置50の各分岐部51、61の分岐爪52、62を同じタイミングで揺動させる(STEP9)。より詳細には、第2搬送部30の分岐箇所30dに連続で送られた2枚の紙幣が同じ向きに斜行している場合や、第2搬送部30の分岐箇所30dに連続で送られた2枚の紙幣のうち一方の紙幣が斜行しているとともに他方の紙幣が半券となっている場合以外のときには、本体制御部80は分岐装置50の各分岐部51、61の分岐爪52、62を同じタイミングで揺動させる。ここで、各分岐部51、61の分岐爪52、62の揺動を開始するタイミングは、先行する紙幣の後端が分岐箇所30dを通過したときのタイミング、後続の紙幣の先端が分岐箇所30dに到達する前のタイミング、および2枚の紙幣の間の距離の中間箇所が分岐箇所30dを通過したときのタイミングのうちいずれかとなる。
一方、連続して搬送される2枚の紙幣が所定の状態で搬送されていると本体制御部80により判断された場合において(STEP6の「YES」)、連続して搬送される2枚の紙幣の間の距離を紙幣の搬送速度で割った値が所定の大きさ(より詳細には、第1の所定の大きさよりも大きな第2の所定の大きさ)以下であるときには(STEP7の「YES」)、すなわち、連続して搬送される2枚の紙幣の状態が図8B(h)(i)(j)(k)となっているときには、本体制御部80は分岐装置50の各分岐部51、61の分岐爪52、62を異なるタイミングで揺動させる(STEP8)。具体的に説明すると、斜行状態の紙幣を分岐装置50により分岐させるにあたり、本体制御部80は、各分岐部51、61により紙幣を分岐させる際に、2つの分岐部51、61の分岐爪52、62のうち紙幣の先端が先行している側の分岐部の分岐爪を、紙幣の先端が先行していない側の分岐部の分岐爪よりも先に揺動させるよう各駆動部56、66を制御する。このような技術的事項について図12および図13を用いて説明する。
図8B(h)(i)や図12に示すように、第2搬送部30の分岐箇所30dに連続で送られた2枚の紙幣が同じ向きに斜行している場合において、連続して搬送される2枚の紙幣の間の距離を紙幣の搬送速度で割った値が所定の大きさ以下であるときには、本体制御部80は分岐装置50の各分岐部51、61の分岐爪52、62を異なるタイミングで揺動させる。具体的には、図12に示すような例では、参照符合Pで示すような後続の紙幣の先端縁が通過センサ27により検知された後に所定の時間が経過すると、本体制御部80はまず第2分岐部61の分岐爪62の揺動を開始するよう第2駆動部66を制御する。そして、第2分岐部61の分岐爪62の揺動を開始してからしばらくすると、本体制御部80は第1分岐部51の分岐爪52の揺動を開始するよう第1駆動部56を制御する。このことにより、第1分岐部51の分岐爪52の揺動を開始するタイミングが遅れるようになるため、先行する紙幣の後端縁が第1分岐部51の分岐爪52に衝突してしまうことを防止することができるようになる。すなわち、参照符合Pで示すような後続の紙幣の先端縁が通過センサ27により検知された後に所定の時間が経過したときに、もし仮に第1分岐部51の分岐爪52および第2分岐部61の分岐爪62を同じタイミングで揺動させ始めた場合には、参照符合Pで示すような斜行状態にある先行する紙幣の後端縁が図12に示す領域Aにおいて遅れているため第1分岐部51の分岐爪52に衝突してしまうおそれがあるが、本実施の形態では第1分岐部51の分岐爪52の揺動を開始するタイミングを遅らせることによりこのようなトラブルを防止することができるようになる。
また、この場合、各々の分岐部51、61の分岐爪52、62の揺動を開始するタイミングは、それぞれ、紙幣の搬送方向に沿った当該分岐部51、61に対応する領域(すなわち、図12において参照符合A、Bでそれぞれ示す領域)における先行する紙幣の後端が分岐箇所30dを通過したときのタイミング、紙幣の搬送方向に沿った当該分岐部51、61に対応する領域における後続の紙幣の先端が分岐箇所30dに到達する前のタイミング、および紙幣の搬送方向に沿った当該分岐部51、61に対応する領域における2枚の紙幣の間の距離の中間箇所が分岐箇所30dを通過したときのタイミングのうちいずれかとなる。
また、図10に示すような従来の分岐装置100が用いられるときに、図12に示すように第2搬送部30の分岐箇所30dに連続で送られた2枚の紙幣が同じ向きに斜行している場合には、先行する紙幣の後端と後続の紙幣の先端との間の距離は参照符合dで示す大きさとなる。このため、このような距離dを後続の紙幣が移動する間に従来の分岐装置100の分岐爪102の揺動を完了することができるよう、紙幣の搬送速度の上限の大きさが決められるようになる。これに対し、本実施の形態による分岐装置50が用いられるときに、図12に示すように第2搬送部30の分岐箇所30dに連続で送られた2枚の紙幣が同じ向きに斜行している場合には、各々の分岐部51、61は他の分岐部51、61から独立して駆動されるようになっているため、距離aを後続の紙幣が移動する間に第1分岐部51の分岐爪52の揺動を完了することができるとともに距離bを後続の紙幣が移動する間に第2分岐部61の分岐爪62の揺動を完了することができるよう、紙幣の搬送速度の上限の大きさが決められるようになる。ここで、距離aや距離bは距離dよりも大きいため、本実施の形態による分岐装置50を用いた場合には従来の分岐装置100が用いた場合よりも紙幣の処理速度を大きくすることができるようになる。
また、図8B(j)および図13に示すように、第2搬送部30の分岐箇所30dに連続で送られた2枚の紙幣のうち一方の紙幣が斜行しているとともに他方の紙幣が半券となっている場合において、連続して搬送される2枚の紙幣の間の距離を紙幣の搬送速度で割った値が所定の大きさ以下であるときには、本体制御部80は分岐装置50の各分岐部51、61の分岐爪52、62を異なるタイミングで揺動させる。具体的には、図13に示すような例では、参照符合Pで示すような後続の紙幣の先端縁が通過センサ27により検知された後に所定の時間が経過すると、本体制御部80はまず第2分岐部61の分岐爪62の揺動を開始するよう第2駆動部66を制御する。そして、第2分岐部61の分岐爪62の揺動を開始してからしばらくすると、本体制御部80は第1分岐部51の分岐爪52の揺動を開始するよう第1駆動部56を制御する。このことにより、第1分岐部51の分岐爪52の揺動を開始するタイミングが遅れるようになるため、先行する紙幣の後端縁が第1分岐部51の分岐爪52に衝突してしまうことを防止することができるようになる。すなわち、参照符合Pで示すような後続の紙幣の先端縁が通過センサ27により検知された後に所定の時間が経過したときに、もし仮に第1分岐部51の分岐爪52および第2分岐部61の分岐爪62を同じタイミングで揺動させ始めた場合には、参照符合Pで示すような先行する半券としての紙幣の後端縁が図13に示す領域Aにおいて第1分岐部51の分岐爪52に衝突してしまうおそれがあるが、本実施の形態では第1分岐部51の分岐爪52の揺動を開始するタイミングを遅らせることによりこのようなトラブルを防止することができるようになる。
また、図10に示すような従来の分岐装置100が用いられるときに、図13に示すように第2搬送部30の分岐箇所30dに連続で送られた2枚の紙幣のうち一方の紙幣が斜行しているとともに他方の紙幣が半券となっている場合には、先行する半券としての紙幣の後端と後続の紙幣の先端との間の距離は参照符合eで示す大きさとなる。このため、このような距離eを後続の紙幣が移動する間に従来の分岐装置100の分岐爪102の揺動を完了することができるよう、紙幣の搬送速度の上限の大きさが決められるようになる。これに対し、本実施の形態による分岐装置50が用いられるときに、図13に示すように第2搬送部30の分岐箇所30dに連続で送られた2枚の紙幣のうち一方の紙幣が斜行しているとともに他方の紙幣が半券となっている場合には、各々の分岐部51、61は他の分岐部51、61から独立して駆動されるようになっているため、距離cを後続の紙幣が移動する間に第1分岐部51の分岐爪52の揺動を完了することができるよう、紙幣の搬送速度の上限の大きさが決められるようになる。ここで、距離cは距離eよりも大きいため、本実施の形態による分岐装置50を用いた場合には従来の分岐装置100が用いた場合よりも紙幣の処理速度を大きくすることができるようになる。
なお、図13では第2搬送部30の分岐箇所30dに連続で送られた2枚の紙幣のうち先行する紙幣が半券であり後続の紙幣が斜行しているような例について述べたが、図8B(k)に示すように第2搬送部30の分岐箇所30dに連続で送られた2枚の紙幣のうち先行する紙幣が斜行しており後続の紙幣が半券である場合にも、紙幣の搬送方向に沿った第1分岐部51に対応する領域および紙幣の搬送方向に沿った第2分岐部61に対応する領域のうち半券としての紙幣が存在する領域における2枚の紙幣の間の距離を紙幣の搬送速度で割った値が所定の大きさ以下であるときには、本体制御部80は分岐装置50の各分岐部51、61の分岐爪52、62を異なるタイミングで揺動させるようになる。このことにより、斜行状態にある先行する紙幣に第1分岐部51や第2分岐部61の分岐爪52、62が衝突してしまうことを防止することができるようになる。
なお、連続して搬送される2枚の紙幣が所定の状態で搬送されていると本体制御部80により判断された場合において(STEP6の「YES」)、連続して搬送される2枚の紙幣の間の距離を紙幣の搬送速度で割った値が所定の大きさ以上であるときには(STEP7の「NO」)、すなわち連続して搬送される2枚の紙幣が図8B(g)に示すような状態となっている場合には、本体制御部80は分岐装置50の各分岐部51、61の分岐爪52、62を同じタイミングで揺動させる(STEP9)。連続して搬送される2枚の紙幣が所定の状態で搬送されている場合でも、これらの2枚の紙幣の間の距離が十分に大きい場合には、各分岐部51、61の分岐爪52、62を同じタイミングで揺動させても紙幣がこれらの分岐爪52、62に衝突することがないからである。
以上のような構成からなる本実施の形態の分岐装置50によれば、搬送路の幅方向に沿って並ぶよう分岐箇所30dに設けられた複数の分岐部51、61と、各分岐部51、61を他の分岐部から独立して駆動する駆動部56、66とが設けられている。この場合には、各々の分岐部51、61は他の分岐部から独立して駆動されるようになっているため、斜行状態の紙幣が分岐箇所30dに送られた場合でもこの斜行状態の紙幣が分岐箇所30dに到達するまでの間に各分岐部51、61の揺動を完了させることができ、よって紙幣の処理速度を大きくすることが可能となるため紙幣の処理性能を向上させることができる。
より詳細に説明すると、従来の分岐装置(例えば、図10に示すような分岐装置100)では、紙幣の幅方向における全長に亘って複数の分岐爪が配置されており、これらの分岐爪が1本の支軸を中心として同じタイミングで揺動するようになっていた。しかしながら、このような従来の分岐装置では、紙幣の搬送速度を大きくすることにより連続して搬送される2枚の紙幣の間の距離が小さくなった場合に、同じ向きに斜行した紙幣が連続して分岐箇所に2枚送られたときに、先行する紙幣が分岐箇所を通過してから後続の紙幣が当該分岐箇所に到達するまでの間に分岐爪を完全に移動させることができず、分岐箇所で紙幣の詰まり等のトラブルが生じるおそれがあった。このため、従来の分岐装置が設けられている紙幣処理機では紙幣の搬送速度の高速化に限界があった。これに対し、本実施の形態の分岐装置50では、搬送路の幅方向に沿って並ぶよう複数の分岐部51、61が分岐箇所30dに設けられているため、紙幣の処理速度を大きくするために搬送される紙幣の間隔を小さくした場合でも、各分岐部51、61の揺動を開始するタイミングをずらすことにより、先行する紙幣が分岐箇所30dを通過してから後続の紙幣が当該分岐箇所30dに到達するまでの間に各分岐爪52、62を完全に移動させることができるようになり、このため上述した従来の分岐装置の問題を解消することができるようになる。
また、本実施の形態の分岐装置50においては、上述したように、各分岐部51、61は、支軸54、64と、当該支軸54、64を中心として少なくとも2つの位置(具体的には、図3に示すような第1位置および図4に示すような第2位置)の間で揺動可能となっている分岐部材としての分岐爪52、62とを有しており、各分岐部51、61の分岐爪52、62が他の分岐部51、61の分岐爪52、62から独立して揺動するようになっている。なお、各分岐部51、61の分岐爪52、62は、図3に示すような第1位置および図4に示すような第2位置からなる2つの位置の間で揺動可能となっているものに限定されることはなく、3つ以上の位置の間で揺動可能となっていてもよい。
また、本実施の形態の分岐装置50を備えた貨幣処理機1においては、上述したように、分岐箇所30dに送られる前の紙幣が斜行状態で搬送されているか否かに係る情報を取得する搬送状態情報取得手段83と、各駆動部56、66を制御する本体制御部80とが設けられている。そして、本体制御部80は、各分岐部51、61により紙幣を分岐させる際に駆動部56、66により各分岐部51、61の揺動を開始するタイミングを、搬送状態情報取得手段83により取得された情報に基づいて決めるようになっている。具体的には、本体制御部80は、分岐箇所30dに送られる前の紙幣が斜行状態で搬送されているという情報が搬送状態情報取得手段83により取得された場合には、各分岐部51、61により紙幣を分岐させる際に各分岐部51、61の揺動を開始するタイミングをずらすよう駆動部56、66を制御するようになっている。より詳細には、本体制御部80は、分岐箇所30dに送られる前の紙幣が斜行状態で搬送されているという情報が搬送状態情報取得手段83により取得された場合には、各分岐部51、61により紙幣を分岐させる際に紙幣の先端が先行している側の分岐部51、61を紙幣の先端が先行していない側の分岐部51、61よりも先に揺動させるよう駆動部56、66を制御するようになっている。この場合には、各分岐部51、61を揺動させる際に斜行状態で搬送される紙幣に衝突してしまうことを防止することができるようになる。
また、本実施の形態の分岐装置50を備えた貨幣処理機1においては、上述したように、本体制御部80は、搬送路に沿って連続して搬送される2枚の紙幣について、紙幣の搬送方向に沿った各分岐部51、61に対応する各々の領域における2枚の紙幣の間の距離を紙幣の搬送速度で割った値が所定の大きさ以上である場合においてのみ、各分岐部51、61により紙幣を分岐させる際に各分岐部51、61の揺動を開始するタイミングをずらすようになっている。この場合には、各分岐部51、61を揺動させる際に斜行状態で搬送される紙幣に衝突してしまうことをより一層確実に防止することができるようになる。また、この場合、各々の分岐部51、61の揺動を開始するタイミングは、それぞれ、紙幣の搬送方向に沿った当該分岐部51、61に対応する領域における先行する紙幣の後端が分岐箇所30dを通過したときのタイミング、紙幣の搬送方向に沿った当該分岐部51、61に対応する領域における後続の紙幣の先端が分岐箇所30dに到達する前のタイミング、および紙幣の搬送方向に沿った当該分岐部51、61に対応する領域における2枚の紙幣の間の距離の中間箇所が分岐箇所30dを通過したときのタイミングのうちいずれかとなる。
なお、本発明による分岐装置やこのような分岐装置を備えた貨幣処理機は、上述したような態様に限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
例えば、上記の説明では本実施の形態に係る分岐装置50が貨幣処理機1の紙幣処理機20に設けられているような態様について述べたが、このような態様に限定されることはない。本実施の形態に係る分岐装置50が単体で用いられるようになっていてもよい。この場合には、上述した本体制御部80や紙幣制御部82と同等の機能を有する制御部や、上述した搬送状態情報取得手段83と同等の機能を有する搬送状態情報取得手段が単体としての分岐装置50に設けられるようになる。
また、上記の説明では、搬送路の幅方向に沿って並ぶよう2つの分岐部51、61が分岐箇所30dに設けられるような態様について述べたが、変形例に係る分岐装置において搬送路の幅方向に沿って並ぶよう3つ以上の分岐部が分岐箇所に設けられるようになっていてもよい。
また、本実施の形態の分岐装置50により、紙幣の姿勢を変えることができるようになっていてもよい。具体的には、本実施の形態の分岐装置50により、紙幣をその幅方向における中央箇所で略90°折り曲げることができるようになっていてもよい。このような動作について図14(a)〜(d)を用いて説明する(なお、図14(a)〜(d)では、紙幣と各分岐部51、61との位置関係を見やすくするために、分岐装置50の上下を反転させて表示している)。
分岐装置50により紙幣の姿勢を変える際に、対象となる紙幣が分岐装置50に送られる前に図14(b)に示すように一方の分岐部の分岐爪のみ(具体的には、第1分岐部51の分岐爪52のみ)を揺動させ、第1分岐部51の分岐爪52および第2分岐部61の分岐爪62が異なる箇所に位置するようにする。このことにより、図14(c)に示すように紙幣の左半分は第2分岐部61の分岐爪62の上方に送られる一方、紙幣の右半分は第1分岐部51の分岐爪52の下方に送られるになり、紙幣の右半分が折り込まれるようになる。このため、図14(d)に示すように分岐装置50を通過した紙幣はその幅方向における中央箇所で略90°折り曲げられるようになる。このようにして、本実施の形態の分岐装置50により紙幣の姿勢を変えることができるようになり、姿勢が変えられた紙幣を例えば下流側の搬送路の形状により反転等させることができるようになる。なお、対象となる紙幣が分岐装置50に送られる前に第2分岐部61の分岐爪62のみを揺動させた場合には、紙幣は図14(d)に示すような姿勢とは異なる姿勢(すなわち、紙幣の左半分が略90°折り曲げられるような姿勢)となる。
また、本発明に係る分岐装置は、搬送路に沿って搬送される紙幣の搬送方向を分岐箇所で切り換えるものに限定されることはない。本発明に係る分岐装置として、紙幣以外の紙葉類(例えば、小切手や商品券等)の搬送方向を分岐箇所で切り換えるものが用いられてもよい。また、本発明に係る紙葉類処理機は、紙幣の処理を行う紙幣処理機に限定されることはない。本発明に係る紙葉類処理機として、紙幣以外の紙葉類の処理を行うとともに、この紙葉類の搬送方向を分岐箇所で切り換える分岐装置が設けられたものが用いられてもよい。
1 貨幣処理機
1a 筐体
1b、1c 扉
2 上部カバー
2p 軸
10 硬貨処理機
20 紙幣処理機
22 紙幣投入部
22a シャッタ
24 紙幣繰出機構
26 第1搬送部
27 通過センサ
28 識別部
30 第2搬送部
30a 第1搬送路
30b 第2搬送路
30c 第3搬送路
30d 分岐箇所
32 リジェクト部
34 一時保留部
35 扉ロック部
40 紙幣収納カセット
50 分岐装置
51 第1分岐部
52 分岐爪
54 支軸
56 第1駆動部
61 第2分岐部
62 分岐爪
64 支軸
66 第2駆動部
80 本体制御部
82 紙幣制御部
83 搬送状態情報取得手段
84 印字部
86、88 操作表示部
90 読取部
94 記憶部
98 通信インターフェース部
100 従来の分岐装置
102 分岐爪
104 支軸

Claims (9)

  1. 搬送路に沿って搬送される紙葉類の搬送方向を分岐箇所で切り換える分岐装置であって、
    搬送路の幅方向に沿って並ぶよう前記分岐箇所に設けられた複数の分岐部と、
    各前記分岐部を他の前記分岐部から独立して駆動する駆動部と、
    を備えた、分岐装置。
  2. 各前記分岐部は、支軸と、当該支軸を中心として少なくとも2つの位置の間で揺動可能となっている分岐部材とを有しており、各前記分岐部の前記分岐部材が他の前記分岐部の前記分岐部材から独立して揺動するようになっている、請求項1記載の分岐装置。
  3. 前記分岐箇所に送られる前の紙葉類が斜行状態で搬送されているか否かに係る情報を取得する搬送状態情報取得手段と、
    各前記駆動部を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、各前記分岐部により紙葉類を分岐させる際に前記駆動部により各前記分岐部の揺動を開始するタイミングを、前記搬送状態情報取得手段により取得された情報に基づいて決めるようになっている、請求項1または2記載の分岐装置。
  4. 前記制御部は、前記分岐箇所に送られる前の紙葉類が斜行状態で搬送されているという情報が前記搬送状態情報取得手段により取得された場合には、各前記分岐部により紙葉類を分岐させる際に各前記分岐部の揺動を開始するタイミングをずらすよう前記駆動部を制御する、請求項3記載の分岐装置。
  5. 前記制御部は、前記分岐箇所に送られる前の紙葉類が斜行状態で搬送されているという情報が前記搬送状態情報取得手段により取得された場合には、各前記分岐部により紙葉類を分岐させる際に紙葉類の先端が先行している側の前記分岐部を紙葉類の先端が先行していない側の前記分岐部よりも先に揺動させるよう前記駆動部を制御する、請求項4記載の分岐装置。
  6. 前記制御部は、搬送路に沿って連続して搬送される2枚の紙葉類について、紙葉類の搬送方向に沿った各前記分岐部に対応する各々の領域における2枚の紙葉類の間の距離を紙葉類の搬送速度で割った値が所定の大きさ以上である場合においてのみ、各前記分岐部により紙葉類を分岐させる際に各前記分岐部の揺動を開始するタイミングをずらすようになっている、請求項4または5記載の分岐装置。
  7. 各々の前記分岐部の揺動を開始するタイミングは、紙葉類の搬送方向に沿った当該分岐部に対応する領域における先行する紙葉類の後端が前記分岐箇所を通過したときのタイミング、紙葉類の搬送方向に沿った当該分岐部に対応する領域における後続の紙葉類の先端が前記分岐箇所に到達する前のタイミング、および紙葉類の搬送方向に沿った当該分岐部に対応する領域における2枚の枚葉紙の間の距離の中間箇所が前記分岐箇所を通過したときのタイミングのうちいずれかである、請求項6記載の分岐装置。
  8. 紙葉類を搬送する搬送部と、
    前記搬送部に設けられ、当該搬送部により搬送される紙葉類の搬送方向を前記分岐箇所で切り換える、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の分岐装置と、
    を備えた、紙葉類処理機。
  9. 前記搬送部において紙葉類の搬送方向における前記分岐箇所よりも上流側に設けられ、紙葉類の識別を行う識別部を更に備え、
    前記識別部による紙葉類の識別結果に基づいて、前記分岐箇所に送られる前の紙葉類が斜行状態で搬送されているか否かに係る情報が取得されるようになっている、請求項8記載の紙葉類処理機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020217789A1 (ja) * 2019-04-26 2020-10-29 グローリー株式会社 紙葉類処理装置及び紙葉類処理方法

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