JP3827622B2 - 車両衝突試験装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、衝突試験をより精度よく実施するのに適した車両衝突試験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の衝突試験を実施するには、実際の車両をバリア(固定壁)に衝突させる実車試験が一般的に行われる。
このような試験を行う車両衝突試験装置としては、例えば、特開平8−145839号公報「車両衝突試験装置における連結ワイヤーの外れ止め装置」が知られている。
【0003】
同公報の図1及び図2には、衝突バリア11(符号は公報に記載されているものを使用した。以下同様。)の手前の走行路に溝部1を設け、この溝部1にガイドレール2を敷設し、このガイドレール2にテスト車両Vを衝突バリア11へ誘導するための連結ワイヤー8の連結部14を有するスケーターSを移動可能に取付けるとともに、スケーターSの前方のガイドレール2上に、牽引用ワイヤロープWaに連結することができるクランパーCを装着するとともにこのクランパーCとスケーターSとを連結ベルト34を介して連結することでスケーターSを移動可能に取付け、ガイドレール2の衝突バリア11側の端部に、クランパーC及びスケーターSを衝突させるためのストライカー35を走行路面よりも上方に突出させて配置した車両衝突試験装置が記載されている。
【0004】
また、同公報の図2、図3、図9及び図11には、クランパーCに、牽引用ワイヤロープWaを咬合させる可動咬合体28及び固定咬合体31を設け、ストライカー35にクランパーCを衝突させる本体部36には、スケーターSに連結した連結ワイヤー8の連結部14を解除するトリガーレバー19を作動させる第2ロッド部38が突設されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記技術では、スケーターS及びストライカー35は、どれも走行路面より上方に突出しているが、近年の衝突試験では、衝突バリア11をテスト車両Vの進行方向に対して左右にオフセットさせて衝突させるオフセット衝突試験が有り、基準のオフセット量に対するテスト車両Vのオフセット誤差を小さくするために衝突バリア11にテスト車両VをスケーターSでできるだけ近づけて衝突させるためには、衝突直後にテスト車両Vが上記したスケーターS又はストライカー35に当たったりするのを防ぐことが望まれる。
【0006】
また、上記したスケーターSのトリガーレバー19がストライカー35の本体部36から突設した第2ロッド部38に衝突すると、テスト車両Vを引張る連結ワイヤー8が外れ、これにより、クランパーCとスケーターSとを連結する連結ベルト34の張力が減少し、クランパーCの可動咬合体28がストライカー35への衝突の衝撃でピン29を中心にして回転し、可動咬合体28と固定咬合体31とによる牽引用ワイヤロープWaの咬合が解除されるが、連結ベルト34の張力が減少しない場合は、可動咬合体28が回転しにくくなり、牽引用ワイヤロープWaの咬合が円滑に解除されなくなって咬合解除に遅れが生じ、ストライカー35への衝撃が過大になる。更に、スケーターSとクランパーCとが別体であり、部品数が多くなって、装置自体のコストが高くつくため、部品数を減らしてコスト削減を図ることが望まれる。
【0007】
そこで、本発明の目的は、車両衝突試験装置を改良することで、衝突試験をより精度よく実施し、また、牽引手段を駆動するケーブルからの牽引手段の解放を確実に行い、更に、試験装置自体のコスト低減を図ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、試験車を牽引手段を用いてバリアの近傍まで牽引し、バリアから所定距離手前の位置で試験車を牽引手段から切り離し、この牽引手段をバリアの近傍に配置した制動手段で停止させるようにした車両衝突試験装置において、牽引手段に、牽引のために試験車に連結させた牽引ワイヤを連結するワイヤ連結手段と、このワイヤ連結手段に設けられた係合部を牽引手段に着脱可能に保持する保持手段と、試験車側からバリア側の方向へ送るようにしたケーブルに牽引手段を連結するケーブル連結手段とを設け、制動手段に、保持手段によるワイヤ連結手段の保持の解除とケーブル連結手段による牽引手段のケーブルへの連結の解除との両方を行わせるための解除動作起動手段を一体的に設けたことを特徴とする。
【0009】
制動手段に解除動作起動手段を設けたことで、制動手段で牽引手段を停止させる際に、解除動作起動手段で牽引手段のケーブルへの連結を確実に解除することができる。
また、一つの解除動作起動手段で、保持手段によるワイヤ連結手段の保持の解除とケーブル連結手段による牽引手段のケーブルへの連結の解除との両方を行わせることができ、上記した保持解除と連結解除とを別々の解除動作起動手段で行わせるのに比べて、部品数を減らすことができ、車両衝突試験装置に係るコストを削減することができる。
【0010】
請求項2は、保持手段を、牽引手段の基部に揺動可能に取付けるとともに係合部に係合自在とした爪状部材としたことを特徴とする。
保持手段を揺動させることで、ワイヤ連結手段を容易に着脱することができる。
【0011】
請求項3は、保持手段の揺動を規制する揺動規制部材を保持手段の揺動範囲に抜き差し可能に設けたことを特徴とする。
揺動規制部材を保持手段の揺動範囲に抜き差し可能に設けた簡単な構造で、ワイヤ連結手段の保持を解除することができる。
【0012】
請求項4は、保持手段を、牽引手段の基部及び係合部に抜き差し可能にすることで、係合部に係合自在としたとしたことを特徴とする。
保持手段を係合部に抜き差しすることで係合部に係合自在としたため、保持手段を簡単な構造にすることができ、保持手段に係るコストを抑えることができる。
【0013】
請求項5は、解除動作起動手段に、牽引手段の移動により、最初にワイヤ連結手段の保持解除を行い、続いて牽引手段とケーブルとの連結解除を行う機能を備えことを特徴とする。
ケーブルと牽引手段とが連結した状態でワイヤ連結手段の保持解除を行うので、ワイヤ連結手段の保持解除の直前までケーブルに連結した牽引手段により試験車を牽引することができる。
【0014】
請求項6は、解除動作起動手段を、制動手段を構成するケースの側面から牽引手段側へ延ばしたバーとしたことを特徴とする。
【0015】
解除動作起動手段を、ケースの側面から牽引手段側へ延ばしたバーとすることで、バーを、制動手段に近づいた牽引手段の側方に配置することができる。
【0016】
例えば、ワイヤ連結手段での保持解除及びケーブル連結手段での連結解除のためのそれぞれのアーム部材を牽引手段の側方に突出させておけば、解除動作起動手段でアーム部材を作動させることができ、バー状の解除動作起動手段とアーム部材という簡単な構成で上記の保持解除及び連結解除を行うことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る車両衝突試験装置の側面図であり、車両衝突試験装置10は、試験車11を衝突させるためのバリア12と、このバリア12側へ試験車11を牽引する牽引手段としての牽引装置13と、試験車11の後部に連結した牽引補助装置14と、上記した牽引装置13及び牽引補助装置14をバリア12側へ移動させるために図示せぬ巻取り装置にて巻き取るようにしたケーブル15と、バリア12側へ牽引装置13を移動させたときに牽引装置13を停止させる制動手段としての制動装置16とからなる。
【0018】
ここで、21は試験車11を走行させるための走行路面、22は牽引装置13及び牽引補助装置14をバリア12側へ導くためのガイドレール、23はバリア12に隣接する後壁、24は試験車11と牽引装置13とを連結する牽引ワイヤ、25は試験車11と牽引補助装置14とを連結する牽引補助ワイヤである。
上記した牽引ワイヤ24及び牽引補助ワイヤ25としては、例えばケブラ製ロープや樹脂製の鎖が好適である。
【0019】
図2は本発明に係る車両衝突試験装置の平面図であり、バリア12を、試験車11の最大幅W1(ドアミラーは除く)に対して所定割合のオーバラップ量W2だけ運転席側(この場合は試験車11の右側)からオーバラップさせて衝突させるオフセット衝突の条件を設定した状態を示す。なお、牽引ワイヤ24は試験車11の前部の2ヶ所から牽引装置13に連結し、牽引補助ワイヤ25は試験車11の後部の1ヶ所から牽引補助装置14に連結する。
【0020】
図3は本発明に係る牽引装置の斜視図であり、牽引装置13は、ベース部材31と、このベース部材31の上部に設けた鉤部32に対向する保持手段としての爪部33と、これらの鉤部32及び爪部33とで離脱可能に係止したワイヤ連結手段としてのワイヤ連結部材34と、爪部33をベース部材31にスイング可能に支持するためのサイドプレート36,36と、爪部33のスイングを規制するためにベース部材31と爪部33との間に介在させた揺動規制部材としてのスイング規制ブロック37と、このスイング規制ブロック37のスイング規制を解除するワイヤ連結解除手段としての規制解除機構38と、牽引装置13をケーブル15(図1参照)に連結する又は連結を解除するためのケーブル脱着機構(不図示)と、ガイドレール22(図1参照)に沿って転がる複数のローラ(不図示)とからなる。なお、41・・・(・・・は複数個を示す。以下同様。)はベース部材31にサイドプレート36を取付けるためのボルト、42は爪部33のスイング規制を解除したときに爪部33を落とし込む凹部である。
【0021】
ワイヤ連結部材34は、基部43と、この基部43に開閉可能に取付けた半円部44とからなり、半円部44をボルト45で基部43に固定可能にし、これらの基部43及び半円部44で牽引ワイヤ24(図2参照)を掛けるワイヤ掛け穴34aを形成した部材である。なお、34bは基部43に半円部44をスイング可能に取付けるためのスイング軸である。
【0022】
図4は本発明に係る牽引装置を説明する側面図であり、牽引装置13は、ベース部材31に支持部47・・・を取付け、これらの支持部47・・・に支軸48・・・をそれぞれ取付け、これらの支軸48・・・にローラ51・・・を回転可能に取付け、一方、爪部33を支軸52でサイドプレート36にスイング可能に取付けた部材である。なお、34cはベース部材31の鉤部32と爪部33とで係合するためにワイヤ連結部材34の下部に設けた係合部であり、上部に2つの斜面34d,34dを設けた部分である。
【0023】
スイング規制ブロック37は、上面37aを斜面としてほぼくさび状に形成した部材であり、この上面37aを爪部33の下面33aに水平に押し当てることにより、爪部33の先端部33bをワイヤ連結部材34に押し当て、ワイヤ連結部材34を確実に係止するとともに押え付ける。なお、53はベース部材31から下方に突出させた下方突出部であり、前述のケーブル脱着機構54を収納した部分である。11aは牽引ワイヤ24を掛けるために試験車11(図1参照)の前部に設けた前フックである。
【0024】
図5は本発明に係る爪部のスイング規制ブロック及び規制解除機構を示す斜視図であり、スイング規制ブロック37に、支軸56を取付け、この支軸56に解除アーム57を取付けた状態を示す。支軸56及び解除アーム57は前述の規制解除機構38を構成する部材である。
【0025】
図6は本発明に係るケーブル脱着機構を示す斜視図であり、ケーブル脱着機構54は、ケーブル15(図4参照)を押え付けるためのケーブル押え部材61と、このケーブル押え部材61に取付けた支軸62と、この支軸62に取付けたL字状の解除アーム63とからなる。
【0026】
上記の支軸62及び解除アーム63は、ケーブル15と牽引装置13(図4参照)との連結を解除するケーブル連結解除手段としてのケーブル連結解除機構64を構成する部材である。
【0027】
図7(a),(b)は本発明に係るケーブル脱着機構の作用を説明する作用図である。
(a)は図4の7−7線断面図であり、ケーブル押え部材61は、矩形の角を丸くした部材であり、支軸62の中心から鋸歯状にした第1辺61aまでの距離をd1、支軸62の中心から第2辺61bまでの距離をd2とした部材であり、d1>d2である。65は、ケーブル15を通すために下方突出部53(図4参照)に開けたケーブル挿通穴であり、図では、ケーブル押え部材61の第1辺61aでケーブル15をケーブル挿通穴65の内面に押え付け、ケーブル15と牽引装置13(図4参照)とを一体的に結合した状態を示す。ケーブル15を矢印▲1▼の向きに引けば、鋸歯状の第1辺61aはよりケーブル15に食い付き、連結が強固になる。
【0028】
この状態から矢印▲2▼の向きにケーブル押え部材61を90°回転させると、(b)に示す状態となる。即ち、ケーブル押え部材61の第2辺61bがケーブル15に面する。上記したように、d1>d2であるから、ケーブル押え部材61の第2辺61bとケーブル15との間には隙間が生じ、ケーブル15はケーブル挿通穴65の内面から離れる。従って、ケーブル15と牽引装置13(図4参照)との結合は解除した状態になる。
【0029】
図8は図4の8−8線断面図であり、牽引装置13、けん引補助装置14(図1参照)及び制動装置16(図1参照)を収納する凹部67の底板68に断面コ字状のガイドレール22,22をナット71・・・及びボルト72・・・で取付け、これらのガイドレール22,22にローラ51,51を介してベース部材31を吊り下げた状態を示す。
【0030】
図中74,74は、凹部67の上部開口部を塞ぐために走行路面21にボルト75・・・で取外し可能に取付けたカバーであり、凹部67の両端部側からそれぞれワイヤ連結部材34側に張り出すように且つ紙面の表裏方向に複数に分割して配置した部材である。
【0031】
ワイヤ連結部材34の幅WHは、ガイドレール22,22の幅WRよりも小さくしたものであり、カバー74,74間に形成したスリット76の幅WSは、ワイヤ連結部材34の幅WHよりわずかに大きくするとともに試験車11(図2参照)のタイヤ幅よりも小さくしたものである。
【0032】
図9は本発明に係る牽引補助装置を示す斜視図であり、牽引補助装置14は、ベース部材81と、このベース部材81にサイドプレート82,82でスイング可能に支持したワイヤ係合部材83と、このワイヤ係合部材83のスイングを規制するためにワイヤ係合部材83とベース部材81との間に介在させたスイング規制ブロック84と、このスイング規制ブロック84の規制を解除する規制解除機構85と、ケーブル脱着機構(不図示)とからなる。
【0033】
図10は本発明に係る牽引補助装置の側面図であり、牽引補助装置14は、ベース部材81に支持部87・・・を取付け、これらの支持部87・・・に支軸88・・・を取付け、これらの支軸88・・・にローラ51・・・を取付け、一方、ワイヤ係合部材83を支軸91を介してサイドプレート82,82(奥側のサイドプレート82は不図示)で支持した部材である。なお、93・・・はベース部材81にサイドプレート82,82を取付けるボルト、94はベース部材81から下方に突出させた下方突出部である。下方突出部94は、内側にケーブル脱着機構103を備える。
【0034】
スイング規制ブロック84の規制解除機構85は、スイング規制ブロック84に取付けた支軸97と、この支軸97に取付けた解除アーム98と、この解除アーム98をスイングさせるためにベース部81の側面に移動可能に取付けたスライド部材99とからなる。なお、81a,81a(奥側の符号81aは不図示)はスライド部材99をガイドするためにベース部材81の両側面に設けた凸条部、99aは牽引補助装置14が牽引装置13の後部に衝突したときに衝撃を緩和するためにスライド部材99の先端に設けたクッション材である。
【0035】
ベース部材81は、上部に上部突出部81bを備える。
ワイヤ係合部材83は、側面視で上面83aの長さが下面83bの長さよりも長い台形状の部材であり、斜面83cと上記したベース部材81の上部突出部81bの上面81cとで鋭角としたフック状のワイヤ係止フック101を形成する。このワイヤ係止フック101には牽引補助ワイヤ25を掛ける。なお、11bは牽引補助ワイヤ25を掛けるために試験車11の後部に設けた後フックである。
【0036】
図11は本発明に係る牽引補助装置のケーブル脱着機構を示す斜視図であり、ケーブル脱着機構103は、ケーブル15(図4参照)を押え付けるためのケーブル押え部材104と、このケーブル押え部材104に取付けた支軸105と、この支軸105に取付けた解除アーム106とからなる。
【0037】
上記の支軸105及び解除アーム106は、ケーブル15と牽引装置13(図4参照)との連結を解除するケーブル連結解除機構107を構成する部材である。
【0038】
図12(a),(b)は本発明に係る牽引補助装置のケーブル脱着機構の作用を説明する作用図である。
(a)は図10の12−12線断面図であり、ケーブル押え部材104は、矩形の角を丸くした部材であり、支軸105の中心から第1辺104aまでの距離をd3、支軸105の中心から第2辺104bまでの距離をd4とした部材であり、d3>d4である。108は、ケーブル15を通すために下方突出部94(図10参照)に開けたケーブル挿通穴であり、図では、ケーブル押え部材104の第1辺104aでケーブル15をケーブル挿通穴108の内面に押え付け、ケーブル15と牽引補助装置14(図10参照)とを一体的に結合した状態を示す。
【0039】
この状態から矢印の向きにケーブル押え部材104を90°回転させると、(b)に示す状態となる。即ち、ケーブル押え部材104の第2辺104bがケーブル15に面する。上記したように、d3>d4であるから、ケーブル押え部材104の第2辺104bとケーブル15との間には隙間が生じ、ケーブル15はケーブル挿通穴108の内面から離れる。従って、ケーブル15と牽引補助装置14(図10参照)との結合は解除した状態になる。
【0040】
図13は本発明に係る制動装置の断面図であり、制動装置16は、牽引装置13(図1参照)を衝突させて停止させるとともに、衝突時の衝撃を緩和するものであり、牽引装置13に衝突させるストッパとしてのマス114と、このマス114を押し出す方向に弾性力を発生させるスプリング115と、これらのマス114及びスプリング115を収納するケース116と、このケース116の側面に、牽引装置13の解除アーム57,63(図5、図6参照)を倒すために設けたアーム傾倒用バー117とからなる。なお、118,118はケーブル15の振れを抑えるためにケース116内に設けたブッシュである。
図4に示した規制解除機構38及び図13に示したアーム傾倒用バー117は、請求項1に記載した解除手段としての解除機構119を構成するものである。
【0041】
以上に述べた車両衝突試験装置10の作用を次に説明する。
図14(a)〜(d)は本発明に係る車両衝突試験装置の作用を説明する第1作用図であり、(a)から(d)で車両衝突試験の過程を説明する。
(a)は、走行路面21上に試験車11を配置し、この試験車11の前方下方の凹部67内に牽引装置13を配置して、試験車11の前部下部に設けた前フック11aと牽引装置13のワイヤ連結部材34とに牽引ワイヤ24を渡し、一方、試験車11の後方下方の凹部67内に牽引補助装置14を配置して、試験車11の後部下部に設けた後フック11bと牽引補助装置14のワイヤ係止フック101とに牽引補助ワイヤ25を渡した状態を示す。このとき、牽引装置13及び牽引補助装置14は、停止しているケーブル15に連結した状態にある。
【0042】
(b)において、ケーブル15を図示せぬ巻取装置で巻取り始める。これにより、牽引装置13は試験車11を牽引するとともに、牽引補助装置14は試験車11に後方への引張力を与えて牽引装置13による試験車11の牽引方向を安定させる。
【0043】
(c)は、制動装置16のアーム傾倒用バー117が牽引装置13の解除アーム57(図5参照)に当たり、解除アーム57を倒すために、爪部33が前方にスイングし、ワイヤ連結部材34の拘束がなくなった状態を示す。
【0044】
(d)は、試験車11が更に進行し、牽引補助装置14から牽引補助ワイヤ25が外れ、試験車11がバリア12に衝突した状態を示す。このとき、牽引装置13は制動装置16によって停止し、また、牽引補助装置14も牽引装置13の後部に衝突して停止する。
【0045】
図15(a)〜(c)は本発明に係る車両衝突試験装置の作用を説明する第2作用図であり、図14(c)に示した作用を詳細に説明する。なお、(a),(c)は平面図、(b)は側面図である。
(a)において、牽引装置13が矢印▲3▼の向きに進行して、制動装置16(図14(c)参照)のアーム傾倒用バー117が牽引装置13の解除アーム57に当たると、解除アーム57は約90°回転し、これに伴ってスイング規制ブロック37が矢印▲4▼の向きに移動する。
【0046】
(b)において、 スイング規制ブロック37が移動して爪部33の下方からなくなると、爪部33は支軸52を中心にして矢印の向きに倒れ、爪部33の先端部33bによるワイヤ連結部材34の拘束が解かれ、ワイヤ連結部材34は牽引ワイヤ24とともにベース部材31から離れて、例えばベース部材31より前方に移動し、更に、走行路面21よりも下方へ移動する。
【0047】
(c)において、更に、牽引装置13が矢印▲5▼の向きに進行して、アーム傾倒用バー117が牽引装置13の解除アーム63に当たると、解除アーム63は矢印▲6▼の向きに約90°回転する。これにより、解除アーム63に支軸62を介して取付けたケーブル押え部材61は回転して、ケーブル15の押し付けを解除するために、牽引装置13はケーブル15から切り離される。
【0048】
図16(a)〜(c)は本発明に係る車両衝突試験装置の別の実施の形態の構成及び作用を説明する説明図であり、図2に示した実施の形態と同一構成につていは同一符号を付け、詳細説明は省略する。
(a)は、車両衝突試験装置120の平面図を示す。車両衝突試験装置120は、試験車11をバリア121に正面衝突させるための装置であり、図2に示した車両衝突試験装置10(オフセット衝突のための装置である。)の場合よりも、試験車11をバリア121から遠くの位置で解放して実施するものである。即ち、正面衝突では、バリア121の幅Bが大きいために、オフセット衝突ほど衝突位置の精度を高める必要がないので、試験車11をバリア121に近い位置で解放しなくてもよいからである。
車両衝突試験装置120は、車両衝突試験装置10に対して、構成としてはバリア121のみが異なり、また、制動装置16の位置が異なる。
【0049】
(b)において、上記したように、車両衝突試験装置120は、試験車11をオフセット衝突試験の場合よりもバリア121から離れた位置で解放させるために、制動装置16を、バリア121直下ではなく、バリア121の直下(詳しくはバリア121の衝突面121a)から手前側に所定距離Lだけ離して配置した装置である。
【0050】
次に、車両衝突試験装置120の作用を説明する。
まず、(a)において、試験車11が走行を開始し、(b)において、白抜き矢印の向きに試験車11が進行して、制動装置16のアーム傾倒用バー117が牽引装置13の解除アーム57(図15(a)参照)に当たって、前述したのと同様に、爪部33が前方にスイングし、爪部33の上部によるワイヤ連結部材34の拘束が解かれる。
【0051】
(c)において、牽引補助装置14が牽引装置13に衝突して、牽引補助装置14のワイヤ係合部材83から牽引補助ワイヤ25が外れ、試験車11はバリア121に衝突する。
【0052】
図17(a)〜(c)は本発明に係る車両衝突試験装置の別の実施の形態の作用を説明する作用図であり、図16(c)の作用を詳細に説明する。(a),(c)は平面図、(b)は側面図である。
(a)において、牽引補助装置14が矢印▲7▼の向きに牽引装置13(図16(c)参照)に衝突する際、牽引補助装置14のスライド部材99が解除アーム98(想像線で示す。)に当たり、解除アーム98を矢印▲8▼の向きに約90°回転させる。(実線で示す解除アーム98が回転後のものである。)
【0053】
(b)において、解除アーム98が回転すると、スイング規制ブロック84がワイヤ係合部材83の下方からなくなり、ワイヤ係合部材83は前方、即ち矢印の向きに回転するため、牽引補助ワイヤ25はワイヤ係合部材83から外れる。従って、牽引補助装置14は、試験車11との連結を解除するので、試験車11の更なる走行に何ら影響を与えることがない。
【0054】
(c)において、更に、牽引補助装置14が矢印▲9▼の向きに進行して、牽引補助装置14のスライド部材99がケーブル脱着機構103の解除アーム106に当たり、解除アーム106を矢印aの向きに倒す。これによって、ケーブル脱着機構103のケーブル押え部材104がケーブル15の押し付けを解除し、牽引補助装置14がケーブル15から切り離される。
【0055】
以上に説明したように、牽引装置13及び牽引補助装置14は、正面衝突試験及びオフセット衝突試験の両方で使用することができ、また、制動装置16を移動可能に構成すれば、車両衝突試験装置10で上記の両試験が対応可能になり、正面衝突試験とオフセット衝突試験とで異なる試験設備を使用する場合に比べて試験設備に要するコストを低減することができる。
【0056】
図18(a),(b)は本発明に係る牽引装置の別の実施の形態を示す斜視図である。
(a)において、牽引手段としての牽引装置131は、基部としてのベース部材132と、このベース部材132の上部に設けた切欠き部133に嵌めたワイヤ連結手段としてのワイヤ連結部材134と、これらのベース部材132及びワイヤ連結部材134とにそれぞれ設けた貫通穴132a,132a及び係合部としての貫通穴134aに貫通させた保持手段としてのロッド135と、このロッド135の端部に設けたブロック部137と、ベース部材132からワイヤ連結部材134を切り離すためにブロック部137に連結したワイヤ連結解除手段としての離脱機構138とからなる。
ワイヤ連結部材134は試験車を牽引する牽引ワイヤを繋ぐためのワイヤ挿通穴134bを備える。
【0057】
離脱機構138は、ブロック部137にスイング可能に連結した上部アーム141と、この上部アーム141の端部に支軸142を介して取付けた離脱アーム143とからなる。なお、144はブロック部137と上部アーム141とをスイング可能に連結するための結合ピンである。
【0058】
離脱アーム143に、図15(a)にも示した制動装置のアーム傾倒用バー117が当たれば、図18(b)において、離脱アーム143は後方へ倒れ、これに伴って、上部アーム141がスイングしてブロック部137を介してロッド135を前方へ引く。従って、ロッド135がワイヤ連結部材134の貫通穴134aから抜け、ワイヤ連結部材134はベース部材132から離脱できるようになる。
上記した離脱機構138と、制動装置に一体的に設けたアーム傾倒用バー117とは、解除手段としての解除機構146を構成するものである。
【0059】
以上の図1、図4及び図13で説明したように、本発明は第1に、試験車11を牽引装置13を用いてバリア12の近傍まで牽引し、バリア12から所定距離手前の位置で試験車11を牽引装置13から切り離し、この牽引装置13を制動装置16で停止させるようにした車両衝突試験装置10において、牽引装置13に、牽引のために試験車11に連結させた牽引ワイヤ24を連結するワイヤ連結部材34と、このワイヤ連結部材34に係合部34cを設けるとともにこの係合部34cを牽引装置13に着脱可能に保持する爪部33とを設け、牽引装置13及び制動装置16に、爪部33によるワイヤ連結部材34の保持を解除する解除機構119を付設したことを特徴とする。
【0060】
ワイヤ連結部材34の係合部34cを牽引装置13に着脱可能に保持したことで、牽引装置13がバリア12から所定距離手前の位置に達したときに、爪部33によるワイヤ連結部材34の保持を解除機構119で解除すれば、ワイヤ連結部材34を牽引装置13から離脱させることができ、試験車11がバリア12に衝突するとき及び衝突した後に走行路面21から突出するものをなくすことができて、試験車11の走行を阻害することがなくなり、試験車11の衝突試験をより一層精度よく実施することができる。
【0061】
本発明は第2に、図4で説明したように、爪部33を、牽引装置13のベース部材31にスイング可能に取付けるとともにこの爪部33で係合部34cに係合自在としたものとしたことを特徴とする。
爪部33をスイングさせることで、ワイヤ連結部材34を容易に着脱することができる。従って、ワイヤ連結部材34の解放及び取付けが楽になり、作業性を向上させることができる。
【0062】
本発明は第3に、解除機構119を、爪部33のスイングを規制するスイング規制ブロック37を爪部33のスイング範囲に抜き差し可能に設けたものとしたことを特徴とする。
スイング規制ブロック37を爪部33のスイング範囲に抜き差し可能に設けた簡単な構造で、ワイヤ連結部材34の保持を解除することができる。
【0063】
本発明は第4に、図18で説明したように、ロッド135を、牽引装置131のベース部材132及びワイヤ連結部材134の貫通穴134aに抜き差し可能にすることで、貫通穴134aに係合自在としたことを特徴とする。
ロッド135を貫通穴134aに抜き差しすることで貫通穴134aに係合自在としたため、ロッド135を簡単な構造にすることができ、ロッド135に係るコストを抑えることができる。
【0064】
本発明は第5に、図1及び図6で説明したように、牽引装置13に、試験車11側からバリア12側の方向へ送るようにしたケーブル15に連結するためのケーブル押え部材61と、このケーブル押え部材61によるケーブル15の連結を解除するためのケーブル連結解除機構64とを備えることを特徴とする。
ケーブル15に連結して移動させた牽引装置13をバリア12近傍にてケーブル15から解放して牽引装置13の移動を停止させることができ、次の試験の準備を行うことができる。
【0065】
本発明の第5は、図1、図4及び図13で説明したように、試験車11を牽引装置13を用いてバリア12の近傍まで牽引し、バリア12から所定距離手前の位置で試験車11を牽引装置13から切り離し、この牽引装置13を制動装置16で停止させるようにした車両衝突試験装置10において、牽引装置13に、牽引のために試験車11に連結させた牽引ワイヤ24を連結するワイヤ連結部材34と、このワイヤ連結部材34を牽引装置13に着脱可能に保持する爪部33と、試験車11側からバリア12側の方向へ送るようにしたケーブル15に牽引装置13を連結するケーブル押え部材61とを設け、制動装置16に、爪部33によるワイヤ連結部材34の保持の解除とケーブル押え部材61による牽引装置13のケーブル15への連結の解除との両方を行わせるアーム傾倒用バー117を一体的に設けたことを特徴とする。
【0066】
制動装置16にアーム傾倒用バー117を設けたことで、制動装置16で牽引装置13を停止させる際に、アーム傾倒用バー117で牽引装置13のケーブル15への連結を確実に解除することができる。従って、牽引装置13が停止する際に受けるダメージを抑えることができる。
また、一つのアーム傾倒用バー117で、爪部33によるワイヤ連結部材34の保持の解除とケーブル押え部材61による牽引装置13のケーブル15への連結の解除との両方を行わせることができ、上記した保持解除と連結解除とを別々のアーム傾倒用バーで行わせるのに比べて、部品数を減らすことができ、車両衝突試験装置10に係るコストを削減することができる。
【0067】
図19は本発明に係る牽引装置の更なる別の実施の形態を示す斜視図であり図4に示した実施の形態と同一構成については同一符号を付け、詳細説明は省略する。
牽引手段としての牽引装置150は、走行路面21よりも下方に位置し、牽引ワイヤ24をワイヤ連結手段としての連結金具151を介して掛ける保持部材としてのワイヤ係合部材152と、スライドすることによりワイヤ係合部材152に係合又は係合解除可能なスライド部材153とを備える。
【0068】
ワイヤ係合部材152は、後部下面が後方及び下方に向けて開放するように切欠いた係合部152aと、前方に向けて開放するように切欠いたフック部152bとを備える。このフック部152bに牽引ワイヤ24に連結した連結金具151の一端を係合し、牽引装置150と試験車11(図1参照)とを連結する。ワイヤ係合部材152は、ガイドレール22にローラ51を介して吊り下げたベース部材154に設けた支持部材156,156(手前側の支持部材156のみ図示)に支軸157を介してスイング可能に取付けた部材である。
【0069】
スライド部材153は、後端部から前方へ向けて延びる延長部158を一体に備える。この延長部158の前端部158aは、ワイヤ係合部材152の係合部152aに嵌り込み係合する部分である。この係合によりワイヤ係合部材152のスイングを規制する。延長部158の前端部158aは、ワイヤ係合部材152のスイングを規制する揺動規制部材を構成し、また、ワイヤ係合部材152のスイングの規制を解除するワイヤ連結解除手段としての規制解除機構を構成する。上記スライド部材153の延長部158は、ベース部材154に設けたガイド部材161でスライド可能に支持した部分である。ベース部材154は、両側面に凸条部154a,154a(手前側の凸条部154aのみ図示)を設けた部材であり、これらの凸条部154a,154aに嵌合する溝をスライド部材153の内側面に設けることで、スライド部材153はベース部材154に対してスライド可能となる。牽引装置150は、試験車11(図1参照)を牽引ワイヤ24を介して牽引する装置であるため、ワイヤ係合部材152には大きな引張力が働き、試験車11の牽引状態によっては、横振れを起こすことが考えられる。このため、ワイヤ係合部材152の横振れを防止するためにワイヤ係合部材152の両側を振れ防止用当て板162,162(手前側の振れ防止用当て板162のみ図示)で挟み付ける。
【0070】
図20は、本発明に係る牽引装置の更なる別の実施の形態を示す平面図であり、スライド部材153を構成する下部スライド部153aを枠状に形成し、この下部スライド部153aの後端から前方へ延長部158をガイド部材161を貫通させて延ばしたことを示す。
【0071】
連結金具151は、一対のプレート165,165にクロスバー166,166及びクロスパイプ167を渡し、このクロスパイプ167に牽引ワイヤ24を通した部材である。
【0072】
クロスパイプ166,166は、図19に示したように、一方をワイヤ係合部材152のフック部152bに掛け、他方をワイヤ係合部材152の上面152cに当てて連結金具151が大きく傾くのを防止する。フック部152bに掛けるクロスバー166は、請求項1に記載した係合部である。
【0073】
次に牽引装置150の動作について説明する。
図21は本発明に係る牽引装置の更なる別の実施の形態の動作を示す作用図である。
牽引装置150が、この前方位置にある制動装置16に衝突する、即ち、スライド部材153が制動装置16に衝突すると、スライド部材153は、ベース部材154に対してガイド部材161に支持されながら後方へ向けてスライドする。この後方へのスライドにより、延長部158も同時にガイド部材161に沿って後方へ向けてスライドする。この延長部158の後退により、その前端部158aとワイヤ係合部材152の係合部152aとの係合が外れる。ワイヤ係合部材152は、牽引ワイヤ24により引張られているため、支軸157を中心として矢印Xで示すように時計回り方向、即ち後方へ向けてスイングする。そして、ワイヤ係合部材152のフック部152bと連結金具151との係合が解かれ、牽引装置150は試験車11(図1参照)と切り離される。
【0074】
即ち、牽引装置150が制動装置16に衝突すると、スライド部材153を介して規制解除機構が働き、ワイヤ係合部材152と連結金具151との連結が解かれる。また、スライド部材153のスライドに伴って、スライド部材153の側面に設けた矩形穴153bの内端面が解除アーム63に当たって、解除アーム63が約90°回転し、支軸62を介してケーブル押え部材61が回転し、ケーブル15の押し付けを解除するために、牽引装置150はケーブル15から切り離される。
【0075】
このように、図19〜図21に示した実施の形態の牽引装置150によれば、この牽引装置150の上端面であるワイヤ係合部材152の上面152cを走行路面21よりも下方の位置となるよう配置でき、衝突試験時において、試験車11(図1参照)の障害とならない。更に、ワイヤ係合部材152のスイングの規制を解除するための規制解除機構はスライド部材153と一体に形成されるため、別体の規制解除機構を必要とすることがなく、構造が簡単となる。
【0076】
尚、本発明の車両衝突試験装置は、正面衝突試験及びオフセット衝突試験の他に、バリアとして試験車の走行方向に対して衝突面を傾けた斜めバリアを用いた試験や衝突対象として固定ポールを用いた試験にも適用できる。
【0077】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1の車両衝突試験装置は、牽引手段に、牽引のために試験車に連結させた牽引ワイヤを連結するワイヤ連結手段と、このワイヤ連結手段に設けられた係合部を牽引手段に着脱可能に保持する保持手段と、試験車側からバリア側の方向へ送るようにしたケーブルに牽引手段を連結するケーブル連結手段とを設け、制動手段に、保持手段によるワイヤ連結手段の保持の解除とケーブル連結手段による牽引手段のケーブルへの連結の解除との両方を行わせるための解除動作起動手段を一体的に設けたので、制動手段で牽引手段を停止させる際に、解除動作起動手段で牽引手段のケーブルへの連結を確実に解除することができる。
また、一つの解除動作起動手段で、保持手段によるワイヤ連結手段の保持の解除とケーブル連結手段による牽引手段のケーブルへの連結の解除との両方を行わせることができ、上記した保持解除と連結解除とを別々の解除動作起動手段で行わせるのに比べて、部品数を減らすことができ、車両衝突試験装置に係るコストを削減することができる。
【0078】
請求項2の車両衝突試験装置は、保持手段を、牽引手段の基部に揺動可能に取付けるとともに係合部に係合自在とした爪状部材としたので、保持手段を揺動させることで、ワイヤ連結手段を容易に着脱することができる。
【0079】
請求項3の車両衝突試験装置は、保持手段の揺動を規制する揺動規制部材を保持手段の揺動範囲に抜き差し可能に設けたので、揺動規制部材を保持手段の揺動範囲に抜き差し可能に設けた簡単な構造で、ワイヤ連結手段の保持を解除することができる。
【0080】
請求項4の車両衝突試験装置は、保持手段を、牽引手段の基部及び係合部に抜き差し可能にすることで、係合部に係合自在としたので、保持手段を簡単な構造にすることができ、保持手段に係るコストを抑えることができる。
【0081】
請求項5の車両衝突試験装置は、解除動作起動手段に、牽引手段の移動により、最初にワイヤ連結手段の保持解除を行い、続いて牽引手段とケーブルとの連結解除を行う機能を備えので、ケーブルと牽引手段とが連結した状態でワイヤ連結手段の保持解除を行うため、ワイヤ連結手段の保持解除の直前までケーブルに連結した牽引手段により試験車を牽引することができる。
【0082】
請求項6の車両衝突試験装置は、解除動作起動手段を、制動手段を構成するケースの側面から牽引手段側へ延ばしたバーとしたので、バーを、制動手段に近づいた牽引手段の側方に配置することができる。
【0083】
例えば、ワイヤ連結手段での保持解除及びケーブル連結手段での連結解除のためのそれぞれのアーム部材を牽引手段の側方に突出させておけば、解除動作起動手段でアーム部材を作動させることができ、バー状の解除動作起動手段とアーム部材という簡単な構成で上記の保持解除及び連結解除を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両衝突試験装置の側面図
【図2】本発明に係る車両衝突試験装置の平面図
【図3】本発明に係る牽引装置の斜視図
【図4】本発明に係る牽引装置の側面図
【図5】本発明に係る爪部のスイング規制ブロック及び規制解除機構を示す斜視図
【図6】本発明に係るケーブル脱着機構を示す斜視図
【図7】本発明に係るケーブル脱着機構の作用を説明する作用図
【図8】図4の8−8線断面図
【図9】本発明に係る牽引補助装置を示す斜視図
【図10】本発明に係る牽引補助装置の側面図
【図11】本発明に係る牽引補助装置のケーブル脱着機構を示す斜視図
【図12】本発明に係る牽引補助装置のケーブル脱着機構の作用を説明する作用図
【図13】本発明に係る制動装置の断面図
【図14】本発明に係る車両衝突試験装置の作用を説明する第1作用図
【図15】本発明に係る車両衝突試験装置の作用を説明する第2作用図
【図16】本発明に係る車両衝突試験装置の別の実施の形態の構成及び作用を説明する説明図
【図17】本発明に係る車両衝突試験装置の別の実施の形態の作用を説明する作用図
【図18】本発明に係る牽引装置の別の実施の形態を示す斜視図
【図19】本発明に係る牽引装置の更なる別の実施の形態を示す斜視図
【図20】本発明に係る牽引装置の更なる別の実施の形態を示す平面図
【図21】本発明に係る牽引装置の更なる別の実施の形態の動作を示す作用図
【符号の説明】
10…車両衝突試験装置、11…試験車、12…バリア、13,131,150…牽引手段(牽引装置)、15…ケーブル、16…制動手段(制動装置)、24…牽引ワイヤ、31,132…基部(ベース部材)、33,135,152…保持手段(爪部、ロッド、ワイヤ係合部材)、34,134,151…ワイヤ連結手段(ワイヤ連結部材、ワイヤ連結部材、連結金具)、34c,134a,166…係合部、37,158a…揺動規制部材(スイング規制ブロック、前端部)、38,138,158a…ワイヤ連結解除手段(規制解除機構、離脱機構、前端部)、61,104…ケーブル連結手段(ケーブル押え部材)、64,107…ケーブル連結解除手段(ケーブル連結解除機構)、116…ケース、117…解除動作起動手段(アーム傾倒用バー)、119,146…解除手段(解除機構)。

Claims (6)

  1. 試験車(11)を牽引手段(13)を用いてバリア(12)の近傍まで牽引し、バリア(12)から所定距離手前の位置で前記試験車(11)を牽引手段(13)から切り離し、この牽引手段(13)を前記バリア(12)の近傍に配置した制動手段(16)で停止させるようにした車両衝突試験装置(10)において、
    前記牽引手段(13)に、牽引のために前記試験車(11)に連結させた牽引ワイヤ(24)を連結するワイヤ連結手段(34)と、このワイヤ連結手段(34)に設けられた係合部(34c)を牽引手段(13)に着脱可能に保持する保持手段(33)と、前記試験車(11)側から前記バリア(12)側の方向へ送るようにしたケーブル(15)に牽引手段(13)を連結するケーブル連結手段(61)とを設け、前記制動手段(16)に、前記保持手段(33)による前記ワイヤ連結手段(34)の保持の解除と前記ケーブル連結手段(61)による牽引手段(13)のケーブル(15)への連結の解除との両方を行わせるための解除動作起動手段(117)を一体的に設けたことを特徴とする車両衝突試験装置(10)
  2. 前記保持手段(33)は、前記牽引手段(13)の基部(31)に揺動可能に取付けられるとともに前記係合部(34c)に係合自在とした爪状部材であることを特徴とする請求項1記載の車両衝突試験装置(10)
  3. 前記保持手段(33)の揺動を規制する揺動規制部材(37)保持手段(33)の揺動範囲に抜き差し可能に設けたことを特徴とする請求項2記載の車両衝突試験装置(10)
  4. 前記保持手段(135)は、前記牽引手段(131)の基部(132)及び前記係合部(134a)に抜き差し可能にすることで、前記係合部(134a)に係合自在としたものであることを特徴とする請求項1記載の車両衝突試験装置(10)
  5. 前記解除動作起動手段(117)は、前記牽引手段(13)の移動により、最初に前記ワイヤ連結手段(34)の保持解除を行い、続いて前記牽引手段(13)と前記ケーブル(15)との連結解除を行う機能を備えたことを特徴とする請求項1記載の車両衝突試験装置(10)
  6. 前記解除動作起動手段(117)は、前記制動手段(16)を構成するケース(116)の側面から前記牽引手段(13)側へ延ばしたバーであることを特徴とする請求項5記載の車両衝突試験装置(10)
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