JP2003222568A - 車両衝突試験装置 - Google Patents

車両衝突試験装置

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JP2003222568A JP2002217150A JP2002217150A JP2003222568A JP 2003222568 A JP2003222568 A JP 2003222568A JP 2002217150 A JP2002217150 A JP 2002217150A JP 2002217150 A JP2002217150 A JP 2002217150A JP 2003222568 A JP2003222568 A JP 2003222568A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 牽引装置13に、牽引のために試験車1
1に連結させた牽引ワイヤ24を連結するワイヤ連結部
材34と、このワイヤ連結部材34に係合部34cを設
けるとともにこの係合部34cを牽引装置13に着脱可
能に保持する爪部33とを設け、牽引装置13及び制動
装置16に、爪部33によるワイヤ連結部材34の保持
を解除する解除機構119を付設した。 【効果】 牽引装置がバリアから所定距離手前の位置に
達したときに、爪部によるワイヤ連結部材の保持を解除
機構で解除すれば、ワイヤ連結部材を牽引装置から離脱
させることができ、試験車がバリアに衝突するとき及び
衝突した後に走行路面から突出するものをなくすことが
できて、試験車の走行を阻害することがなくなり、試験
車の衝突試験をより一層精度よく実施することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衝突試験をより精
度よく実施するのに適した車両衝突試験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両の衝突試験を実施するには、実際の
車両をバリア(固定壁)に衝突させる実車試験が一般的
に行われる。このような試験を行う車両衝突試験装置と
しては、例えば、特開平8−145839号公報「車両
衝突試験装置における連結ワイヤーの外れ止め装置」が
知られている。
【0003】同公報の図1及び図2には、衝突バリア1
1(符号は公報に記載されているものを使用した。以下
同様。)の手前の走行路に溝部1を設け、この溝部1に
ガイドレール2を敷設し、このガイドレール2にテスト
車両Vを衝突バリア11へ誘導するための連結ワイヤー
8の連結部14を有するスケーターSを移動可能に取付
けるとともに、スケーターSの前方のガイドレール2上
に、牽引用ワイヤロープWaに連結することができるク
ランパーCを装着するとともにこのクランパーCとスケ
ーターSとを連結ベルト34を介して連結することでス
ケーターSを移動可能に取付け、ガイドレール2の衝突
バリア11側の端部に、クランパーC及びスケーターS
を衝突させるためのストライカー35を走行路面よりも
上方に突出させて配置した車両衝突試験装置が記載され
ている。
【0004】また、同公報の図2、図3、図9及び図1
1には、クランパーCに、牽引用ワイヤロープWaを咬
合させる可動咬合体28及び固定咬合体31を設け、ス
トライカー35にクランパーCを衝突させる本体部36
には、スケーターSに連結した連結ワイヤー8の連結部
14を解除するトリガーレバー19を作動させる第2ロ
ッド部38が突設されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記技術では、スケー
ターS及びストライカー35は、どれも走行路面より上
方に突出しているが、近年の衝突試験では、衝突バリア
11をテスト車両Vの進行方向に対して左右にオフセッ
トさせて衝突させるオフセット衝突試験が有り、基準の
オフセット量に対するテスト車両Vのオフセット誤差を
小さくするために衝突バリア11にテスト車両Vをスケ
ーターSでできるだけ近づけて衝突させるためには、衝
突直後にテスト車両Vが上記したスケーターS又はスト
ライカー35に当たったりするのを防ぐことが望まれ
る。
【0006】また、上記したスケーターSのトリガーレ
バー19がストライカー35の本体部36から突設した
第2ロッド部38に衝突すると、テスト車両Vを引張る
連結ワイヤー8が外れ、これにより、クランパーCとス
ケーターSとを連結する連結ベルト34の張力が減少
し、クランパーCの可動咬合体28がストライカー35
への衝突の衝撃でピン29を中心にして回転し、可動咬
合体28と固定咬合体31とによる牽引用ワイヤロープ
Waの咬合が解除されるが、連結ベルト34の張力が減
少しない場合は、可動咬合体28が回転しにくくなり、
牽引用ワイヤロープWaの咬合が円滑に解除されなくな
って咬合解除に遅れが生じ、ストライカー35への衝撃
が過大になる。更に、スケーターSとクランパーCとが
別体であり、部品数が多くなって、装置自体のコストが
高くつくため、部品数を減らしてコスト削減を図ること
が望まれる。
【0007】そこで、本発明の目的は、車両衝突試験装
置を改良することで、衝突試験をより精度よく実施し、
また、牽引手段を駆動するケーブルからの牽引手段の解
放を確実に行い、更に、試験装置自体のコスト低減を図
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1は、試験車を牽引手段を用いてバリアの近傍
まで牽引し、バリアから所定距離手前の位置で前記試験
車を牽引手段から切り離し、この牽引手段を制動手段で
停止させるようにした車両衝突試験装置において、牽引
手段に、牽引のために試験車に連結させたワイヤを連結
するワイヤ連結手段と、このワイヤ連結手段に係合部を
設けるとともにこの係合部を牽引手段に着脱可能に保持
する保持手段とを設け、牽引手段及び制動手段に、保持
手段によるワイヤ連結手段の保持を解除する解除手段を
付設したことを特徴とする。
【0009】ワイヤ連結手段の係合部を牽引手段に着脱
可能に保持したことで、牽引手段がバリアから所定距離
手前の位置に達したときに、保持手段によるワイヤ連結
手段の保持を解除手段で解除すれば、ワイヤ連結手段を
牽引手段から離脱させることができ、試験車がバリアに
衝突するとき及び衝突した後に走行路面から突出するも
のをなくすことができて、試験車の走行を阻害すること
がなくなり、試験車の衝突試験をより一層精度よく実施
することができる。
【0010】請求項2は、保持手段を、牽引手段の基部
に爪状部材を揺動可能に取付けるとともにこの爪状部材
で係合部に係合自在としたものとしたことを特徴とす
る。爪状部材を揺動させることで、ワイヤ連結手段を容
易に着脱することができる。
【0011】請求項3は、解除手段を、爪状部材の揺動
を規制する揺動規制部材を爪状部材の揺動範囲に抜き差
し可能に設けたものとしたことを特徴とする。揺動規制
部材を爪状部材の揺動範囲に抜き差し可能に設けた簡単
な構造で、ワイヤ連結手段の保持を解除することができ
る。
【0012】請求項4は、保持手段を、牽引手段の基部
及び係合部に抜き差し可能にすることで、係合部に係合
自在としたとしたことを特徴とする。保持手段を係合部
に抜き差しすることで係合部に係合自在としたため、保
持手段を簡単な構造にすることができ、保持手段に係る
コストを抑えることができる。
【0013】請求項5は、牽引手段に、試験車側からバ
リア側の方向へ送るようにしたケーブルに連結するため
のケーブル連結手段と、このケーブル連結手段によるケ
ーブルの連結を解除するためのケーブル連結解除手段と
を備えることを特徴とする。ケーブルに連結して移動さ
せた牽引手段をバリア近傍にてケーブルから解放して牽
引手段の移動を停止させることができ、次の試験の準備
を行うことができる。
【0014】請求項6は、試験車を牽引手段を用いてバ
リアの近傍まで牽引し、バリアから所定距離手前の位置
で試験車を牽引手段から切り離し、この牽引手段を制動
手段で停止させるようにした車両衝突試験装置におい
て、牽引手段に、牽引のために試験車に連結させたワイ
ヤを連結するワイヤ連結手段と、このワイヤ連結手段を
牽引手段に着脱可能に保持する保持手段と、試験車側か
らバリア側の方向へ送るようにしたケーブルに牽引手段
を連結するケーブル連結手段とを設け、制動手段に、保
持手段によるワイヤ連結手段の保持の解除とケーブル連
結手段による牽引手段のケーブルへの連結の解除との両
方を行わせるための解除動作起動手段を一体的に設けた
ことを特徴とする。
【0015】制動手段に解除動作起動手段を設けたこと
で、制動手段で牽引手段を停止させる際に、解除動作起
動手段で牽引手段のケーブルへの連結を確実に解除する
ことができる。
【0016】また、一つの解除動作起動手段で、保持手
段によるワイヤ連結手段の保持の解除とケーブル連結手
段による牽引手段のケーブルへの連結の解除との両方を
行わせることができ、上記した保持解除と連結解除とを
別々の解除動作起動手段で行わせるのに比べて、部品数
を減らすことができ、車両衝突試験装置に係るコストを
削減することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図に基
づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見る
ものとする。図1は本発明に係る車両衝突試験装置の側
面図であり、車両衝突試験装置10は、試験車11を衝
突させるためのバリア12と、このバリア12側へ試験
車11を牽引する牽引手段としての牽引装置13と、試
験車11の後部に連結した牽引補助装置14と、上記し
た牽引装置13及び牽引補助装置14をバリア12側へ
移動させるために図示せぬ巻取り装置にて巻き取るよう
にしたケーブル15と、バリア12側へ牽引装置13を
移動させたときに牽引装置13を停止させる制動手段と
しての制動装置16とからなる。
【0018】ここで、21は試験車11を走行させるた
めの走行路面、22は牽引装置13及び牽引補助装置1
4をバリア12側へ導くためのガイドレール、23はバ
リア12に隣接する後壁、24は試験車11と牽引装置
13とを連結する牽引ワイヤ、25は試験車11と牽引
補助装置14とを連結する牽引補助ワイヤである。上記
した牽引ワイヤ24及び牽引補助ワイヤ25としては、
例えばケブラ製ロープや樹脂製の鎖が好適である。
【0019】図2は本発明に係る車両衝突試験装置の平
面図であり、バリア12を、試験車11の最大幅W1
(ドアミラーは除く)に対して所定割合のオーバラップ
量W2だけ運転席側(この場合は試験車11の右側)か
らオーバラップさせて衝突させるオフセット衝突の条件
を設定した状態を示す。なお、牽引ワイヤ24は試験車
11の前部の2ヶ所から牽引装置13に連結し、牽引補
助ワイヤ25は試験車11の後部の1ヶ所から牽引補助
装置14に連結する。
【0020】図3は本発明に係る牽引装置の斜視図であ
り、牽引装置13は、ベース部材31と、このベース部
材31の上部に設けた鉤部32に対向する保持手段とし
ての爪部33と、これらの鉤部32及び爪部33とで離
脱可能に係止したワイヤ連結手段としてのワイヤ連結部
材34と、爪部33をベース部材31にスイング可能に
支持するためのサイドプレート36,36と、爪部33
のスイングを規制するためにベース部材31と爪部33
との間に介在させた揺動規制部材としてのスイング規制
ブロック37と、このスイング規制ブロック37のスイ
ング規制を解除するワイヤ連結解除手段としての規制解
除機構38と、牽引装置13をケーブル15(図1参
照)に連結する又は連結を解除するためのケーブル脱着
機構(不図示)と、ガイドレール22(図1参照)に沿
って転がる複数のローラ(不図示)とからなる。なお、
41・・・(・・・は複数個を示す。以下同様。)はベース部
材31にサイドプレート36を取付けるためのボルト、
42は爪部33のスイング規制を解除したときに爪部3
3を落とし込む凹部である。
【0021】ワイヤ連結部材34は、基部43と、この
基部43に開閉可能に取付けた半円部44とからなり、
半円部44をボルト45で基部43に固定可能にし、こ
れらの基部43及び半円部44で牽引ワイヤ24(図2
参照)を掛けるワイヤ掛け穴34aを形成した部材であ
る。なお、34bは基部43に半円部44をスイング可
能に取付けるためのスイング軸である。
【0022】図4は本発明に係る牽引装置を説明する側
面図であり、牽引装置13は、ベース部材31に支持部
47・・・を取付け、これらの支持部47・・・に支軸48・・
・をそれぞれ取付け、これらの支軸48・・・にローラ51
・・・を回転可能に取付け、一方、爪部33を支軸52で
サイドプレート36にスイング可能に取付けた部材であ
る。なお、34cはベース部材31の鉤部32と爪部3
3とで係合するためにワイヤ連結部材34の下部に設け
た係合部であり、上部に2つの斜面34d,34dを設
けた部分である。
【0023】スイング規制ブロック37は、上面37a
を斜面としてほぼくさび状に形成した部材であり、この
上面37aを爪部33の下面33aに水平に押し当てる
ことにより、爪部33の先端部33bをワイヤ連結部材
34に押し当て、ワイヤ連結部材34を確実に係止する
とともに押え付ける。なお、53はベース部材31から
下方に突出させた下方突出部であり、前述のケーブル脱
着機構54を収納した部分である。11aは牽引ワイヤ
24を掛けるために試験車11(図1参照)の前部に設
けた前フックである。
【0024】図5は本発明に係る爪部のスイング規制ブ
ロック及び規制解除機構を示す斜視図であり、スイング
規制ブロック37に、支軸56を取付け、この支軸56
に解除アーム57を取付けた状態を示す。支軸56及び
解除アーム57は前述の規制解除機構38を構成する部
材である。
【0025】図6は本発明に係るケーブル脱着機構を示
す斜視図であり、ケーブル脱着機構54は、ケーブル1
5(図4参照)を押え付けるためのケーブル押え部材6
1と、このケーブル押え部材61に取付けた支軸62
と、この支軸62に取付けたL字状の解除アーム63と
からなる。
【0026】上記の支軸62及び解除アーム63は、ケ
ーブル15と牽引装置13(図4参照)との連結を解除
するケーブル連結解除手段としてのケーブル連結解除機
構64を構成する部材である。
【0027】図7(a),(b)は本発明に係るケーブ
ル脱着機構の作用を説明する作用図である。(a)は図
4の7−7線断面図であり、ケーブル押え部材61は、
矩形の角を丸くした部材であり、支軸62の中心から鋸
歯状にした第1辺61aまでの距離をd1、支軸62の
中心から第2辺61bまでの距離をd2とした部材であ
り、d1>d2である。65は、ケーブル15を通すた
めに下方突出部53(図4参照)に開けたケーブル挿通
穴であり、図では、ケーブル押え部材61の第1辺61
aでケーブル15をケーブル挿通穴65の内面に押え付
け、ケーブル15と牽引装置13(図4参照)とを一体
的に結合した状態を示す。ケーブル15を矢印の向き
に引けば、鋸歯状の第1辺61aはよりケーブル15に
食い付き、連結が強固になる。
【0028】この状態から矢印の向きにケーブル押え
部材61を90°回転させると、(b)に示す状態とな
る。即ち、ケーブル押え部材61の第2辺61bがケー
ブル15に面する。上記したように、d1>d2である
から、ケーブル押え部材61の第2辺61bとケーブル
15との間には隙間が生じ、ケーブル15はケーブル挿
通穴65の内面から離れる。従って、ケーブル15と牽
引装置13(図4参照)との結合は解除した状態にな
る。
【0029】図8は図4の8−8線断面図であり、牽引
装置13、けん引補助装置14(図1参照)及び制動装
置16(図1参照)を収納する凹部67の底板68に断
面コ字状のガイドレール22,22をナット71・・・及
びボルト72・・・で取付け、これらのガイドレール2
2,22にローラ51,51を介してベース部材31を
吊り下げた状態を示す。
【0030】図中74,74は、凹部67の上部開口部
を塞ぐために走行路面21にボルト75・・・で取外し可
能に取付けたカバーであり、凹部67の両端部側からそ
れぞれワイヤ連結部材34側に張り出すように且つ紙面
の表裏方向に複数に分割して配置した部材である。
【0031】ワイヤ連結部材34の幅WHは、ガイドレ
ール22,22の幅WRよりも小さくしたものであり、
カバー74,74間に形成したスリット76の幅WS
は、ワイヤ連結部材34の幅WHよりわずかに大きくす
るとともに試験車11(図2参照)のタイヤ幅よりも小
さくしたものである。
【0032】図9は本発明に係る牽引補助装置を示す斜
視図であり、牽引補助装置14は、ベース部材81と、
このベース部材81にサイドプレート82,82でスイ
ング可能に支持したワイヤ係合部材83と、このワイヤ
係合部材83のスイングを規制するためにワイヤ係合部
材83とベース部材81との間に介在させたスイング規
制ブロック84と、このスイング規制ブロック84の規
制を解除する規制解除機構85と、ケーブル脱着機構
(不図示)とからなる。
【0033】図10は本発明に係る牽引補助装置の側面
図であり、牽引補助装置14は、ベース部材81に支持
部87・・・を取付け、これらの支持部87・・・に支軸88
・・・を取付け、これらの支軸88・・・にローラ51・・・を
取付け、一方、ワイヤ係合部材83を支軸91を介して
サイドプレート82,82(奥側のサイドプレート82
は不図示)で支持した部材である。なお、93・・・はベ
ース部材81にサイドプレート82,82を取付けるボ
ルト、94はベース部材81から下方に突出させた下方
突出部である。下方突出部94は、内側にケーブル脱着
機構103を備える。
【0034】スイング規制ブロック84の規制解除機構
85は、スイング規制ブロック84に取付けた支軸97
と、この支軸97に取付けた解除アーム98と、この解
除アーム98をスイングさせるためにベース部81の側
面に移動可能に取付けたスライド部材99とからなる。
なお、81a,81a(奥側の符号81aは不図示)は
スライド部材99をガイドするためにベース部材81の
両側面に設けた凸条部、99aは牽引補助装置14が牽
引装置13の後部に衝突したときに衝撃を緩和するため
にスライド部材99の先端に設けたクッション材であ
る。
【0035】ベース部材81は、上部に上部突出部81
bを備える。ワイヤ係合部材83は、側面視で上面83
aの長さが下面83bの長さよりも長い台形状の部材で
あり、斜面83cと上記したベース部材81の上部突出
部81bの上面81cとで鋭角としたフック状のワイヤ
係止フック101を形成する。このワイヤ係止フック1
01には牽引補助ワイヤ25を掛ける。なお、11bは
牽引補助ワイヤ25を掛けるために試験車11の後部に
設けた後フックである。
【0036】図11は本発明に係る牽引補助装置のケー
ブル脱着機構を示す斜視図であり、ケーブル脱着機構1
03は、ケーブル15(図4参照)を押え付けるための
ケーブル押え部材104と、このケーブル押え部材10
4に取付けた支軸105と、この支軸105に取付けた
解除アーム106とからなる。
【0037】上記の支軸105及び解除アーム106
は、ケーブル15と牽引装置13(図4参照)との連結
を解除するケーブル連結解除機構107を構成する部材
である。
【0038】図12(a),(b)は本発明に係る牽引
補助装置のケーブル脱着機構の作用を説明する作用図で
ある。(a)は図10の12−12線断面図であり、ケ
ーブル押え部材104は、矩形の角を丸くした部材であ
り、支軸105の中心から第1辺104aまでの距離を
d3、支軸105の中心から第2辺104bまでの距離
をd4とした部材であり、d3>d4である。108
は、ケーブル15を通すために下方突出部94(図10
参照)に開けたケーブル挿通穴であり、図では、ケーブ
ル押え部材104の第1辺104aでケーブル15をケ
ーブル挿通穴108の内面に押え付け、ケーブル15と
牽引補助装置14(図10参照)とを一体的に結合した
状態を示す。
【0039】この状態から矢印の向きにケーブル押え部
材104を90°回転させると、(b)に示す状態とな
る。即ち、ケーブル押え部材104の第2辺104bが
ケーブル15に面する。上記したように、d3>d4で
あるから、ケーブル押え部材104の第2辺104bと
ケーブル15との間には隙間が生じ、ケーブル15はケ
ーブル挿通穴108の内面から離れる。従って、ケーブ
ル15と牽引補助装置14(図10参照)との結合は解
除した状態になる。
【0040】図13は本発明に係る制動装置の断面図で
あり、制動装置16は、牽引装置13(図1参照)を衝
突させて停止させるとともに、衝突時の衝撃を緩和する
ものであり、牽引装置13に衝突させるストッパとして
のマス114と、このマス114を押し出す方向に弾性
力を発生させるスプリング115と、これらのマス11
4及びスプリング115を収納するケース116と、こ
のケース116の側面に、牽引装置13の解除アーム5
7,63(図5、図6参照)を倒すために設けたアーム
傾倒用バー117とからなる。なお、118,118は
ケーブル15の振れを抑えるためにケース116内に設
けたブッシュである。図4に示した規制解除機構38及
び図13に示したアーム傾倒用バー117は、請求項1
に記載した解除手段としての解除機構119を構成する
ものである。
【0041】以上に述べた車両衝突試験装置10の作用
を次に説明する。図14(a)〜(d)は本発明に係る
車両衝突試験装置の作用を説明する第1作用図であり、
(a)から(d)で車両衝突試験の過程を説明する。
(a)は、走行路面21上に試験車11を配置し、この
試験車11の前方下方の凹部67内に牽引装置13を配
置して、試験車11の前部下部に設けた前フック11a
と牽引装置13のワイヤ連結部材34とに牽引ワイヤ2
4を渡し、一方、試験車11の後方下方の凹部67内に
牽引補助装置14を配置して、試験車11の後部下部に
設けた後フック11bと牽引補助装置14のワイヤ係止
フック101とに牽引補助ワイヤ25を渡した状態を示
す。このとき、牽引装置13及び牽引補助装置14は、
停止しているケーブル15に連結した状態にある。
【0042】(b)において、ケーブル15を図示せぬ
巻取装置で巻取り始める。これにより、牽引装置13は
試験車11を牽引するとともに、牽引補助装置14は試
験車11に後方への引張力を与えて牽引装置13による
試験車11の牽引方向を安定させる。
【0043】(c)は、制動装置16のアーム傾倒用バ
ー117が牽引装置13の解除アーム57(図5参照)
に当たり、解除アーム57を倒すために、爪部33が前
方にスイングし、ワイヤ連結部材34の拘束がなくなっ
た状態を示す。
【0044】(d)は、試験車11が更に進行し、牽引
補助装置14から牽引補助ワイヤ25が外れ、試験車1
1がバリア12に衝突した状態を示す。このとき、牽引
装置13は制動装置16によって停止し、また、牽引補
助装置14も牽引装置13の後部に衝突して停止する。
【0045】図15(a)〜(c)は本発明に係る車両
衝突試験装置の作用を説明する第2作用図であり、図1
4(c)に示した作用を詳細に説明する。なお、
(a),(c)は平面図、(b)は側面図である。
(a)において、牽引装置13が矢印の向きに進行し
て、制動装置16(図14(c)参照)のアーム傾倒用
バー117が牽引装置13の解除アーム57に当たる
と、解除アーム57は約90°回転し、これに伴ってス
イング規制ブロック37が矢印の向きに移動する。
【0046】(b)において、 スイング規制ブロック
37が移動して爪部33の下方からなくなると、爪部3
3は支軸52を中心にして矢印の向きに倒れ、爪部33
の先端部33bによるワイヤ連結部材34の拘束が解か
れ、ワイヤ連結部材34は牽引ワイヤ24とともにベー
ス部材31から離れて、例えばベース部材31より前方
に移動し、更に、走行路面21よりも下方へ移動する。
【0047】(c)において、更に、牽引装置13が矢
印の向きに進行して、アーム傾倒用バー117が牽引
装置13の解除アーム63に当たると、解除アーム63
は矢印の向きに約90°回転する。これにより、解除
アーム63に支軸62を介して取付けたケーブル押え部
材61は回転して、ケーブル15の押し付けを解除する
ために、牽引装置13はケーブル15から切り離され
る。
【0048】図16(a)〜(c)は本発明に係る車両
衝突試験装置の別の実施の形態の構成及び作用を説明す
る説明図であり、図2に示した実施の形態と同一構成に
つていは同一符号を付け、詳細説明は省略する。(a)
は、車両衝突試験装置120の平面図を示す。車両衝突
試験装置120は、試験車11をバリア121に正面衝
突させるための装置であり、図2に示した車両衝突試験
装置10(オフセット衝突のための装置である。)の場
合よりも、試験車11をバリア121から遠くの位置で
解放して実施するものである。即ち、正面衝突では、バ
リア121の幅Bが大きいために、オフセット衝突ほど
衝突位置の精度を高める必要がないので、試験車11を
バリア121に近い位置で解放しなくてもよいからであ
る。車両衝突試験装置120は、車両衝突試験装置10
に対して、構成としてはバリア121のみが異なり、ま
た、制動装置16の位置が異なる。
【0049】(b)において、上記したように、車両衝
突試験装置120は、試験車11をオフセット衝突試験
の場合よりもバリア121から離れた位置で解放させる
ために、制動装置16を、バリア121直下ではなく、
バリア121の直下(詳しくはバリア121の衝突面1
21a)から手前側に所定距離Lだけ離して配置した装
置である。
【0050】次に、車両衝突試験装置120の作用を説
明する。まず、(a)において、試験車11が走行を開
始し、(b)において、白抜き矢印の向きに試験車11
が進行して、制動装置16のアーム傾倒用バー117が
牽引装置13の解除アーム57(図15(a)参照)に
当たって、前述したのと同様に、爪部33が前方にスイ
ングし、爪部33の上部によるワイヤ連結部材34の拘
束が解かれる。
【0051】(c)において、牽引補助装置14が牽引
装置13に衝突して、牽引補助装置14のワイヤ係合部
材83から牽引補助ワイヤ25が外れ、試験車11はバ
リア121に衝突する。
【0052】図17(a)〜(c)は本発明に係る車両
衝突試験装置の別の実施の形態の作用を説明する作用図
であり、図16(c)の作用を詳細に説明する。
(a),(c)は平面図、(b)は側面図である。
(a)において、牽引補助装置14が矢印の向きに牽
引装置13(図16(c)参照)に衝突する際、牽引補
助装置14のスライド部材99が解除アーム98(想像
線で示す。)に当たり、解除アーム98を矢印の向き
に約90°回転させる。(実線で示す解除アーム98が
回転後のものである。)
【0053】(b)において、解除アーム98が回転す
ると、スイング規制ブロック84がワイヤ係合部材83
の下方からなくなり、ワイヤ係合部材83は前方、即ち
矢印の向きに回転するため、牽引補助ワイヤ25はワイ
ヤ係合部材83から外れる。従って、牽引補助装置14
は、試験車11との連結を解除するので、試験車11の
更なる走行に何ら影響を与えることがない。
【0054】(c)において、更に、牽引補助装置14
が矢印の向きに進行して、牽引補助装置14のスライ
ド部材99がケーブル脱着機構103の解除アーム10
6に当たり、解除アーム106を矢印aの向きに倒す。
これによって、ケーブル脱着機構103のケーブル押え
部材104がケーブル15の押し付けを解除し、牽引補
助装置14がケーブル15から切り離される。
【0055】以上に説明したように、牽引装置13及び
牽引補助装置14は、正面衝突試験及びオフセット衝突
試験の両方で使用することができ、また、制動装置16
を移動可能に構成すれば、車両衝突試験装置10で上記
の両試験が対応可能になり、正面衝突試験とオフセット
衝突試験とで異なる試験設備を使用する場合に比べて試
験設備に要するコストを低減することができる。
【0056】図18(a),(b)は本発明に係る牽引
装置の別の実施の形態を示す斜視図である。(a)にお
いて、牽引手段としての牽引装置131は、基部として
のベース部材132と、このベース部材132の上部に
設けた切欠き部133に嵌めたワイヤ連結手段としての
ワイヤ連結部材134と、これらのベース部材132及
びワイヤ連結部材134とにそれぞれ設けた貫通穴13
2a,132a及び係合部としての貫通穴134aに貫
通させた保持手段としてのロッド135と、このロッド
135の端部に設けたブロック部137と、ベース部材
132からワイヤ連結部材134を切り離すためにブロ
ック部137に連結したワイヤ連結解除手段としての離
脱機構138とからなる。ワイヤ連結部材134は試験
車を牽引する牽引ワイヤを繋ぐためのワイヤ挿通穴13
4bを備える。
【0057】離脱機構138は、ブロック部137にス
イング可能に連結した上部アーム141と、この上部ア
ーム41の端部に支軸142を介して取付けた離脱アー
ム143とからなる。なお、144はブロック部137
と上部アーム141とをスイング可能に連結するための
結合ピンである。
【0058】離脱アーム143に、図15(a)にも示
した制動装置のアーム傾倒用バー117が当たれば、図
18(b)において、離脱アーム143は後方へ倒れ、
これに伴って、上部アーム141がスイングしてブロッ
ク部137を介してロッド135を前方へ引く。従っ
て、ロッド135がワイヤ連結部材134の貫通穴13
4aから抜け、ワイヤ連結部材134はベース部材13
2から離脱できるようになる。上記した離脱機構138
と、制動装置に一体的に設けたアーム傾倒用バー117
とは、解除手段としての解除機構146を構成するもの
である。
【0059】以上の図1、図4及び図13で説明したよ
うに、本発明は第1に、試験車11を牽引装置13を用
いてバリア12の近傍まで牽引し、バリア12から所定
距離手前の位置で試験車11を牽引装置13から切り離
し、この牽引装置13を制動装置16で停止させるよう
にした車両衝突試験装置10において、牽引装置13
に、牽引のために試験車11に連結させた牽引ワイヤ2
4を連結するワイヤ連結部材34と、このワイヤ連結部
材34に係合部34cを設けるとともにこの係合部34
cを牽引装置13に着脱可能に保持する爪部33とを設
け、牽引装置13及び制動装置16に、爪部33による
ワイヤ連結部材34の保持を解除する解除機構119を
付設したことを特徴とする。
【0060】ワイヤ連結部材34の係合部34cを牽引
装置13に着脱可能に保持したことで、牽引装置13が
バリア12から所定距離手前の位置に達したときに、爪
部33によるワイヤ連結部材34の保持を解除機構11
9で解除すれば、ワイヤ連結部材34を牽引装置13か
ら離脱させることができ、試験車11がバリア12に衝
突するとき及び衝突した後に走行路面21から突出する
ものをなくすことができて、試験車11の走行を阻害す
ることがなくなり、試験車11の衝突試験をより一層精
度よく実施することができる。
【0061】本発明は第2に、図4で説明したように、
爪部33を、牽引装置13のベース部材31にスイング
可能に取付けるとともにこの爪部33で係合部34cに
係合自在としたものとしたことを特徴とする。爪部33
をスイングさせることで、ワイヤ連結部材34を容易に
着脱することができる。従って、ワイヤ連結部材34の
解放及び取付けが楽になり、作業性を向上させることが
できる。
【0062】本発明は第3に、解除機構119を、爪部
33のスイングを規制するスイング規制ブロック37を
爪部33のスイング範囲に抜き差し可能に設けたものと
したことを特徴とする。スイング規制ブロック37を爪
部33のスイング範囲に抜き差し可能に設けた簡単な構
造で、ワイヤ連結部材34の保持を解除することができ
る。
【0063】本発明は第4に、図18で説明したよう
に、ロッド135を、牽引装置131のベース部材13
2及びワイヤ連結部材134の貫通穴134aに抜き差
し可能にすることで、貫通穴134aに係合自在とした
ことを特徴とする。ロッド135を貫通穴134aに抜
き差しすることで貫通穴134aに係合自在としたた
め、ロッド135を簡単な構造にすることができ、ロッ
ド135に係るコストを抑えることができる。
【0064】本発明は第5に、図1及び図6で説明した
ように、牽引装置13に、試験車11側からバリア12
側の方向へ送るようにしたケーブル15に連結するため
のケーブル押え部材61と、このケーブル押え部材61
によるケーブル15の連結を解除するためのケーブル連
結解除機構64とを備えることを特徴とする。ケーブル
15に連結して移動させた牽引装置13をバリア12近
傍にてケーブル15から解放して牽引装置13の移動を
停止させることができ、次の試験の準備を行うことがで
きる。
【0065】本発明の第5は、図1、図4及び図13で
説明したように、試験車11を牽引装置13を用いてバ
リア12の近傍まで牽引し、バリア12から所定距離手
前の位置で試験車11を牽引装置13から切り離し、こ
の牽引装置13を制動装置16で停止させるようにした
車両衝突試験装置10において、牽引装置13に、牽引
のために試験車11に連結させた牽引ワイヤ24を連結
するワイヤ連結部材34と、このワイヤ連結部材34を
牽引装置13に着脱可能に保持する爪部33と、試験車
11側からバリア12側の方向へ送るようにしたケーブ
ル15に牽引装置13を連結するケーブル押え部材61
とを設け、制動装置16に、爪部33によるワイヤ連結
部材34の保持の解除とケーブル押え部材61による牽
引装置13のケーブル15への連結の解除との両方を行
わせるアーム傾倒用バー117を一体的に設けたことを
特徴とする。
【0066】制動装置16にアーム傾倒用バー117を
設けたことで、制動装置16で牽引装置13を停止させ
る際に、アーム傾倒用バー117で牽引装置13のケー
ブル15への連結を確実に解除することができる。従っ
て、牽引装置13が停止する際に受けるダメージを抑え
ることができる。また、一つのアーム傾倒用バー117
で、爪部33によるワイヤ連結部材34の保持の解除と
ケーブル押え部材61による牽引装置13のケーブル1
5への連結の解除との両方を行わせることができ、上記
した保持解除と連結解除とを別々のアーム傾倒用バーで
行わせるのに比べて、部品数を減らすことができ、車両
衝突試験装置10に係るコストを削減することができ
る。
【0067】図19は本発明に係る牽引装置の更なる別
の実施の形態を示す斜視図であり図4に示した実施の形
態と同一構成については同一符号を付け、詳細説明は省
略する。牽引手段としての牽引装置150は、走行路面
21よりも下方に位置し、牽引ワイヤ24をワイヤ連結
手段としての連結金具151を介して掛ける保持部材と
してのワイヤ係合部材152と、スライドすることによ
りワイヤ係合部材152に係合又は係合解除可能なスラ
イド部材153とを備える。
【0068】ワイヤ係合部材152は、後部下面が後方
及び下方に向けて開放するように切欠いた係合部152
aと、前方に向けて開放するように切欠いたフック部1
52bとを備える。このフック部152bに牽引ワイヤ
24に連結した連結金具151の一端を係合し、牽引装
置150と試験車11(図1参照)とを連結する。ワイ
ヤ係合部材152は、ガイドレール22にローラ51を
介して吊り下げたベース部材154に設けた支持部材1
56,156(手前側の支持部材156のみ図示)に支
軸157を介してスイング可能に取付けた部材である。
【0069】スライド部材153は、後端部から前方へ
向けて延びる延長部158を一体に備える。この延長部
158の前端部158aは、ワイヤ係合部材152の係
合部152aに嵌り込み係合する部分である。この係合
によりワイヤ係合部材152のスイングを規制する。延
長部158の前端部158aは、ワイヤ係合部材152
のスイングを規制する揺動規制部材を構成し、また、ワ
イヤ係合部材152のスイングの規制を解除するワイヤ
連結解除手段としての規制解除機構を構成する。上記ス
ライド部材153の延長部158は、ベース部材154
に設けたガイド部材161でスライド可能に支持した部
分である。ベース部材154は、両側面に凸条部154
a,154a(手前側の凸条部154aのみ図示)を設
けた部材であり、これらの凸条部154a,154aに
嵌合する溝をスライド部材153の内側面に設けること
で、スライド部材153はベース部材154に対してス
ライド可能となる。牽引装置150は、試験車11(図
1参照)を牽引ワイヤ24を介して牽引する装置である
ため、ワイヤ係合部材152には大きな引張力が働き、
試験車11の牽引状態によっては、横振れを起こすこと
が考えられる。このため、ワイヤ係合部材152の横振
れを防止するためにワイヤ係合部材152の両側を振れ
防止用当て板162,162(手前側の振れ防止用当て
板162のみ図示)で挟み付ける。
【0070】図20は、本発明に係る牽引装置の更なる
別の実施の形態を示す平面図であり、スライド部材15
3を構成する下部スライド部153aを枠状に形成し、
この下部スライド部153aの後端から前方へ延長部1
58をガイド部材161を貫通させて延ばしたことを示
す。
【0071】連結金具151は、一対のプレート16
5,165にクロスバー166,166及びクロスパイ
プ167を渡し、このクロスパイプ167に牽引ワイヤ
24を通した部材である。
【0072】クロスパイプ166,166は、図19に
示したように、一方をワイヤ係合部材152のフック部
152bに掛け、他方をワイヤ係合部材152の上面1
52cに当てて連結金具151が大きく傾くのを防止す
る。フック部152bに掛けるクロスバー166は、請
求項1に記載した係合部である。
【0073】次に牽引装置150の動作について説明す
る。図21は本発明に係る牽引装置の更なる別の実施の
形態の動作を示す作用図である。牽引装置150が、こ
の前方位置にある制動装置16に衝突する、即ち、スラ
イド部材153が制動装置16に衝突すると、スライド
部材153は、ベース部材154に対してガイド部材1
61に支持されながら後方へ向けてスライドする。この
後方へのスライドにより、延長部158も同時にガイド
部材161に沿って後方へ向けてスライドする。この延
長部158の後退により、その前端部158aとワイヤ
係合部材152の係合部152aとの係合が外れる。ワ
イヤ係合部材152は、牽引ワイヤ24により引張られ
ているため、支軸157を中心として矢印Xで示すよう
に時計回り方向、即ち後方へ向けてスイングする。そし
て、ワイヤ係合部材152のフック部152bと連結金
具151との係合が解かれ、牽引装置150は試験車1
1(図1参照)と切り離される。
【0074】即ち、牽引装置150が制動装置16に衝
突すると、スライド部材153を介して規制解除機構が
働き、ワイヤ係合部材152と連結金具151との連結
が解かれる。また、スライド部材153のスライドに伴
って、スライド部材153の側面に設けた矩形穴153
bの内端面が解除アーム63に当たって、解除アーム6
3が約90°回転し、支軸62を介してケーブル押え部
材61が回転し、ケーブル15の押し付けを解除するた
めに、牽引装置150はケーブル15から切り離され
る。
【0075】このように、図19〜図21に示した実施
の形態の牽引装置150によれば、この牽引装置150
の上端面であるワイヤ係合部材152の上面152cを
走行路面21よりも下方の位置となるよう配置でき、衝
突試験時において、試験車11(図1参照)の障害とな
らない。更に、ワイヤ係合部材152のスイングの規制
を解除するための規制解除機構はスライド部材153と
一体に形成されるため、別体の規制解除機構を必要とす
ることがなく、構造が簡単となる。
【0076】尚、本発明の車両衝突試験装置は、正面衝
突試験及びオフセット衝突試験の他に、バリアとして試
験車の走行方向に対して衝突面を傾けた斜めバリアを用
いた試験や衝突対象として固定ポールを用いた試験にも
適用できる。
【0077】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項1の車両衝突試験装置は、牽引手段に、牽
引のために試験車に連結させたワイヤを連結するワイヤ
連結手段と、このワイヤ連結手段に係合部を設けるとと
もにこの係合部を牽引手段に着脱可能に保持する保持手
段とを設け、牽引手段及び制動手段に、保持手段による
ワイヤ連結手段の保持を解除する解除手段を付設したの
で、牽引手段がバリアから所定距離手前の位置に達した
ときに、保持手段によるワイヤ連結手段の保持を解除手
段で解除すれば、ワイヤ連結手段を牽引手段から離脱さ
せることができ、試験車がバリアに衝突するとき及び衝
突した後に走行路面から突出するものをなくすことがで
きて、試験車の走行を阻害することがなくなり、試験車
の衝突試験をより一層精度よく実施することができる。
【0078】請求項2の車両衝突試験装置は、保持手段
を、牽引手段の基部に爪状部材を揺動可能に取付けると
ともにこの爪状部材で係合部に係合自在としたので、爪
状部材を揺動させることで、ワイヤ連結手段を容易に着
脱することができる。
【0079】請求項3の車両衝突試験装置は、解除手段
を、爪状部材の揺動を規制する揺動規制部材を爪状部材
の揺動範囲に抜き差し可能に設けたものとしたので、揺
動規制部材を爪状部材の揺動範囲に抜き差し可能に設け
た簡単な構造で、ワイヤ連結手段の保持を解除すること
ができる。
【0080】請求項4の車両衝突試験装置は、保持手段
を、牽引手段の基部及び係合部に抜き差し可能にするこ
とで、係合部に係合自在としたので、保持手段を簡単な
構造にすることができ、保持手段に係るコストを抑える
ことができる。
【0081】請求項5の車両衝突試験装置は、牽引手段
に、試験車側からバリア側の方向へ送るようにしたケー
ブルに連結するためのケーブル連結手段と、このケーブ
ル連結手段によるケーブルの連結を解除するためのケー
ブル連結解除手段とを備えるので、ケーブルに連結して
移動させた牽引手段をバリア近傍にてケーブルから解放
して牽引手段を移動を停止させることができ、次の試験
の準備を行うことができる。
【0082】請求項6の車両衝突試験装置は、牽引手段
に、牽引のために試験車に連結させたワイヤを連結する
ワイヤ連結手段と、このワイヤ連結手段を牽引手段に着
脱可能に保持する保持手段と、試験車側からバリア側の
方向へ送るようにしたケーブルに牽引手段を連結するケ
ーブル連結手段とを設け、制動手段に、保持手段による
ワイヤ連結手段の保持の解除とケーブル連結手段による
牽引手段のケーブルへの連結の解除との両方を行わせる
ための解除動作起動手段を一体的に設けたので、制動手
段で牽引手段を停止させる際に、解除動作起動手段で牽
引手段のケーブルへの連結を確実に解除することができ
る。
【0083】また、一つの解除動作起動手段で、保持手
段によるワイヤ連結手段の保持の解除とケーブル連結手
段による牽引手段のケーブルへの連結の解除との両方を
行わせることができ、上記した保持解除と連結解除とを
別々の解除動作起動手段で行わせるのに比べて、部品数
を減らすことができ、車両衝突試験装置に係るコストを
削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両衝突試験装置の側面図
【図2】本発明に係る車両衝突試験装置の平面図
【図3】本発明に係る牽引装置の斜視図
【図4】本発明に係る牽引装置の側面図
【図5】本発明に係る爪部のスイング規制ブロック及び
規制解除機構を示す斜視図
【図6】本発明に係るケーブル脱着機構を示す斜視図
【図7】本発明に係るケーブル脱着機構の作用を説明す
る作用図
【図8】図4の8−8線断面図
【図9】本発明に係る牽引補助装置を示す斜視図
【図10】本発明に係る牽引補助装置の側面図
【図11】本発明に係る牽引補助装置のケーブル脱着機
構を示す斜視図
【図12】本発明に係る牽引補助装置のケーブル脱着機
構の作用を説明する作用図
【図13】本発明に係る制動装置の断面図
【図14】本発明に係る車両衝突試験装置の作用を説明
する第1作用図
【図15】本発明に係る車両衝突試験装置の作用を説明
する第2作用図
【図16】本発明に係る車両衝突試験装置の別の実施の
形態の構成及び作用を説明する説明図
【図17】本発明に係る車両衝突試験装置の別の実施の
形態の作用を説明する作用図
【図18】本発明に係る牽引装置の別の実施の形態を示
す斜視図
【図19】本発明に係る牽引装置の更なる別の実施の形
態を示す斜視図
【図20】本発明に係る牽引装置の更なる別の実施の形
態を示す平面図
【図21】本発明に係る牽引装置の更なる別の実施の形
態の動作を示す作用図
【符号の説明】
10…車両衝突試験装置、11…試験車、12…バリ
ア、13,131,150…牽引手段(牽引装置)、1
5…ケーブル、16…制動手段(制動装置)、24…牽
引ワイヤ、31,132…基部(ベース部材)、33,
135,152…保持手段(爪部、ロッド、ワイヤ係合
部材)、34,134,151…ワイヤ連結手段(ワイ
ヤ連結部材、ワイヤ連結部材、連結金具)、34c,1
34a,166…係合部、37,158a…揺動規制部
材(スイング規制ブロック、前端部)、38,138,
158a…ワイヤ連結解除手段(規制解除機構、離脱機
構、前端部)、61,104…ケーブル連結手段(ケー
ブル押え部材)、64,107…ケーブル連結解除手段
(ケーブル連結解除機構)、117…解除動作起動手段
(アーム傾倒用バー)、119,146…解除手段(解
除機構)。
フロントページの続き (72)発明者 小田原 靖夫 埼玉県狭山市新狭山1丁目10番地の1 本 田技研工業株式会社埼玉製作所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試験車を牽引手段を用いてバリアの近傍
    まで牽引し、バリアから所定距離手前の位置で前記試験
    車を牽引手段から切り離し、この牽引手段を制動手段で
    停止させるようにした車両衝突試験装置において、 前記牽引手段に、牽引のために前記試験車に連結させた
    ワイヤを連結するワイヤ連結手段と、このワイヤ連結手
    段に係合部を設けるとともにこの係合部を牽引手段に着
    脱可能に保持する保持手段とを設け、前記牽引手段及び
    制動手段に、前記保持手段による前記ワイヤ連結手段の
    保持を解除する解除手段を付設したことを特徴とする車
    両衝突試験装置。
  2. 【請求項2】 前記保持手段は、前記牽引手段の基部に
    爪状部材を揺動可能に取付けるとともにこの爪状部材で
    前記係合部に係合自在としたものであることを特徴とす
    る請求項1記載の車両衝突試験装置。
  3. 【請求項3】 前記解除手段は、前記爪状部材の揺動を
    規制する揺動規制部材を爪状部材の揺動範囲に抜き差し
    可能に設けたものであることを特徴とする請求項2記載
    の車両衝突試験装置。
  4. 【請求項4】 前記保持手段は、前記牽引手段の基部及
    び前記係合部に抜き差し可能にすることで、前記係合部
    に係合自在としたものであることを特徴とする請求項1
    記載の車両衝突試験装置。
  5. 【請求項5】 前記牽引手段は、前記試験車側から前記
    バリア側の方向へ送るようにしたケーブルに連結するた
    めのケーブル連結手段と、このケーブル連結手段による
    ケーブルの連結を解除するためのケーブル連結解除手段
    とを備えることを特徴とする請求項1記載の車両衝突試
    験装置。
  6. 【請求項6】 試験車を牽引手段を用いてバリアの近傍
    まで牽引し、バリアから所定距離手前の位置で前記試験
    車を牽引手段から切り離し、この牽引手段を制動手段で
    停止させるようにした車両衝突試験装置において、 前記牽引手段に、牽引のために前記試験車に連結させた
    ワイヤを連結するワイヤ連結手段と、このワイヤ連結手
    段を牽引手段に着脱可能に保持する保持手段と、前記試
    験車側から前記バリア側の方向へ送るようにしたケーブ
    ルに牽引手段を連結するケーブル連結手段とを設け、前
    記制動手段に、前記保持手段による前記ワイヤ連結手段
    の保持の解除と前記ケーブル連結手段による牽引手段の
    ケーブルへの連結の解除との両方を行わせるための解除
    動作起動手段を一体的に設けたことを特徴とする車両衝
    突試験装置。
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