JP3889604B2 - 車両衝突試験装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、牽引装置を停止させる制動装置と、試験車を牽引装置から切り離す連結解除機構とを所望の位置に容易に且つ迅速に設置することが可能な車両衝突試験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の衝突安全性を評価するために、車両をバリア(barrier:固定壁)に衝突させる車両衝突試験が広く行われる。
このような車両衝突試験としては、▲1▼図9に示すもの、▲2▼特開平8−145839号公報「車両衝突試験装置における連結ワイヤーの外れ止め装置」に記載されたものが知られている。
まず、上記▲1▼について説明する。
【0003】
図9(a),(b)は従来の車両衝突試験装置を説明する説明図である。(a)は試験前の状態、(b)は車両衝突時の状態を示す。
(a)において、車両衝突試験装置100は、試験車101を衝突させるためのバリア102と、このバリア102側に試験車101を牽引する牽引装置103と、この牽引装置103を停止させる制動装置104と、牽引装置103から試験車牽引用のワイヤ105を外れやすくする連結解除部材106と、牽引装置103をバリア102側へ誘導するケーブル107とからなる。なお、108は試験車101が走行する走行路である。
【0004】
(b)において、試験車101が衝突する直前では、連結解除部材106が牽引装置103に当たることで牽引装置103のワイヤ連結部材103aが車両後方側へ倒れ、ワイヤ連結部材103aからワイヤ105((a)参照)が外れ、その後に試験車101がバリア102に衝突する。このとき、牽引装置103は制動装置104に衝突して停止する。
【0005】
次に、上記▲2▼について説明する。
上記▲2▼に示された車両衝突試験装置は、同公報の図1に示されるように、牽引用ワイヤロープWa(符号については、同公報に記載されているものを使用した。)の駆動力を、スケーター26のクランパーC、連結ベルト34、スケーターS及び連結ワイヤー8を経てテスト車両Vに伝達することで、スケーター26及びスケーターSをガイドレール2に沿って移動させ、テスト車両Vを走行させて、衝突バリア11の手前に設けたストライカー35でスケーター26及びスケーターSを停止させるとともに牽引用ワイヤロープWaからスケーター26を解放し、更に、同公報の図3に示されるように、スケーターSに衝突部19aを設け、この衝突部19aをストライカー35に設けた第2ロッド部38に当てることで、スケーターSから連結ワイヤー8を解放し、テスト車両Vをバリア11に衝突させるようにしたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記▲1▼の制動装置104および連結解除部材106は、それぞれ走行路108にボルト111,112で固定されているため、例えば、衝突試験の条件によって、牽引装置103からワイヤ105を外す位置を変更したい場合や、牽引装置103を停止させる位置を変更したい場合には、走行路108から制動装置104又は連結解除部材106を取外して別な位置に再度取付けなければならず、作業が煩雑になって作業に手間取る。
【0007】
そこで、上記▲2▼に示すように、制動装置としてのストライカー35に連結解除部材としての第2ロッド部38を一体的に取付け、ストライカー35をガイドレール2の終端部に固定した構造とすることで、ガイドレール2にストライカー35及び第2ロッド部38を固定するための固定具(ボルト等)を減らすことができるが、ストライカー35の移動は容易にできない。
【0008】
本発明の目的は、車両衝突試験装置を改良することで、牽引装置を停止させる制動装置と、試験車を牽引装置から切り離す連結解除機構とを所望の位置に容易に且つ迅速に設置できるようにすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、試験車を牽引手段を用いてバリアの近傍まで牽引し、バリアから所定距離手前の位置で試験車を牽引手段から連結解除手段で切り離し、この牽引手段を制動手段で停止させるようにした車両衝突試験装置において、牽引手段とは別体に、制動手段及び連結解除手段を設け、制動手段に連結解除手段を一体的に取付けるとともに、これらの制動手段及び連結解除手段を、牽引手段をバリアに導くガイドレールに移動可能に取付け、制動手段で牽引手段を停止させるときに衝突の衝撃を緩和するようにしたことを特徴とする。
【0010】
制動手段及び連結解除手段をガイドレールに移動可能に取付けたことで、制動手段及び連結解除手段を所望の位置に容易に且つ迅速に設置することができ、種々の衝突試験条件に対応させることができる。
【0011】
請求項2は、牽引手段に、試験車側からバリア側の方向へ送るようにしたケーブルに牽引手段を連結するケーブル連結手段と、このケーブル連結手段による牽引手段のケーブルへの連結の解除を行わせるためのケーブル連結解除手段とを設け、このケーブル連結解除手段の作動を制動手段に設けた連結解除手段で行わせることで、ケーブル連結解除手段によってケーブルから牽引手段の連結を解除し、牽引手段を停止させた後に、制動手段及び牽引手段を一体の状態で移動可能にしたことを特徴とする。
【0012】
ケーブルから牽引手段の連結を解除して牽引手段を停止させれば、制動手段及び牽引手段を一体に移動させることができ、これら制動手段及び牽引手段の所望する位置への移動作業の簡素化を図ることができる。
【0013】
請求項3は、連結解除手段を、制動手段から牽引手段側に突出させて片持ばり状に形成するとともに、このような連結解除手段に対して重量バランスを取るウエイトを制動手段のバリア側に取付けたことを特徴とする。
連結解除手段で試験車を牽引手段から切り離したり、ケーブル連結解除手段の作動を行わせたりする際に、片持ばり状の連結解除手段が外力で振れたり、がたついたりするのをウエイトで防止することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る車両衝突試験装置の側面図であり、車両衝突試験装置10は、試験車11が走行する走行路面12と、試験車11を衝突させるために走行路12の端に設けたバリア13と、このバリア13側へ試験車11をガイドレール14に沿って牽引するために試験車11の前方下方に配置した牽引手段としての牽引装置15と、この牽引装置15を停止させるためにバリア13の近傍の走行路面12の下方に設けた制動手段としての制動装置16と、上記の牽引装置15に切り離し可能に連結するとともに図示せぬドラムで巻き取ることでバリア13側に送るようにしたケーブル17とからなる。なお、21はバリア13の後壁であり、22は試験車11と牽引装置15とを連結する牽引ワイヤであり、23は上記のガイドレール14、牽引装置15、制動装置16、ケーブル17を収納するために走行路面12下に設けた凹部である。
【0015】
図2は本発明に係る車両衝突試験装置の要部を説明する斜視図であり、牽引装置15及び制動装置16を示す。
牽引装置15は、装置本体31にワイヤ連結部材32を取付け、このワイヤ連結部材32に牽引ワイヤ22を連結した装置であり、側面にガイドレール14,14に沿って転がるローラ33・・・(・・・は複数個を示す。以下同様。)を備える。なお、34,34は装置本体31の上部に平行に設けた起立板であり、ワイヤ連結部材32に掛けた牽引ワイヤ22が外れないようにする部材である。
【0016】
制動装置16は、ガイドレール14,14の上部にボルト35,35で挟み込んで移動可能に取付けたものであり、容易に設置場所を変更することができるものである。
36は牽引装置15と牽引ワイヤ22との連結を解除するための解除アーム37を倒すアーム傾倒用バーである。なお、38は制動装置16で牽引装置15を停止させるときに衝突の衝撃を緩和するクッション部材である。
【0017】
図3は本発明に係る牽引装置を説明する側面図であり、牽引装置15は、装置本体31と、この装置本体31にスイング可能に取付けたワイヤ連結部材32と、装置本体31の側面に取付けたローラ33・・・と、装置本体31の上面に取付けた起立板34,34(奥側の起立板34は不図示)と、牽引装置15をケーブル17に連結するために装置本体31の下部に設けたケーブル連結部41とからなる。
【0018】
ワイヤ連結部材32は、牽引ワイヤ22(図2参照)を掛けるために2本のバー43,43を取付けたアーム部材である。
また、ワイヤ連結部材32をスイングさせるためのスイング駆動部44は、ワイヤ連結部材32に取付けるとともに装置本体31に回転可能に取付けた支軸45と、この支軸45の下部に取付けた解除アーム37と、ワイヤ連結部材32を一方の起立板34に押し付けておくためのねじりコイルばね46とからなる。
【0019】
前述のアーム傾倒用バー36(図2参照)は、上記のスイング駆動部44の解除アーム37を倒すことにより、ワイヤ連結部材32をスイングさせることでワイヤ連結部材32と牽引ワイヤ22との連結を解除し、牽引装置15から試験車11を切り離す連結解除手段である。
【0020】
ケーブル連結部41は、牽引装置15が試験車11を牽引するときには牽引装置15をケーブル17に連結させ、牽引装置15が制動装置16(図2参照)に衝突する際には、制動装置16に取付けたアーム傾倒用バー36(図2参照)をケーブル連結解除機構(詳細は後述する。)に当てることで、牽引装置15をケーブル17から切り離す部分である。
【0021】
図4は図3の4−4線断面図であり、凹部23内に底板51を設け、この底板51にボルト52,52及びナット53,53でガイドレール14,14を取付け、これらのガイドレール14,14にローラ33・・・を介して牽引装置15を吊り下げた状態を示す。なお、55,55は走行路面12から凹部23上へせり出すように走行路面12にボルト56・・・で取付けたカバー部材である。
【0022】
図5は図2の5−5線断面図であり、制動装置16は、ガイドレール14,14の上部を挟み込む上部部材61及び下部部材62と、これらの上部部材61及び下部部材62を締結するボルト35,35(一方のボルト35は不図示)と、下部部材62の側部に取付けた前述のアーム傾倒用バー36とからなる。
【0023】
ここで、65,65はガイドレール14,14と上部部材61との間に介在させたスペーサ、66,66はガイドレール14,14と下部部材62との間に介在させたスペーサ、67は皿ばね、68は下部部材62にアーム傾倒用バー36を取付けるためのボルトである。69はアーム傾倒用バーであり、例えば、図4において、解除アーム37を牽引装置15の反対の側(図の左側)から突出させる場合に、この解除アーム37を倒すために取付けるものである。要はアーム傾倒用バー36,69は牽引装置15の解除アーム37の位置に合わせて設置する。71はアーム傾倒用バー69を下部部材62に止めるボルトである。
【0024】
制動装置16はこのような構造であるから、ボルト35,35を弛めてガイドレール14,14に沿って制動装置16を移動させ、再度、ボルト35,35を締めることで制動装置16を所望の位置に設置することができる。
【0025】
図2に戻って、制動装置16は、下部部材62の下部にバリア13(図1参照)側に延ばした支持板72を取付け、この支持板72にボルト73でウエイト74を取付けたものである。
【0026】
アーム傾倒用バー36(又はアーム傾倒用バー69)は、牽引装置15側に片持ちばり状に延ばした部材であるから、このアーム傾倒用バー36と重量バランスを取るために、制動装置16に対してアーム傾倒用バー36を延ばした牽引装置15側とは反対のバリア側にウエイト74を設ける。
【0027】
これにより、例えば、アーム傾倒用バー36に解除アーム37、解除アーム78(後で詳述する。)が当たったときにアーム傾倒用バー36の先端が下方に振れたり、がたついたりするのをウエイト74で防止することができる。
【0028】
図6(a)〜(c)は本発明に係るケーブル連結機構及びケーブル解除機構を説明する説明図であり、(a)は斜視図、(b)は図3の6−6線断面図、(c)は作用を説明する断面図である。
(a)において、ケーブル17(図4参照)に牽引装置15(図4参照)を連結する又はこの連結を解除するためのケーブル脱着機構75は、ケーブル17を押え付けるためのケーブル連結手段としてのケーブル押え部材76と、このケーブル押え部材76に取付けた支軸77と、この支軸77に取付けた解除アーム78とからなる。
【0029】
上記の支軸77及び解除アーム78は、ケーブル17と牽引装置15との連結を解除するケーブル連結解除手段としてのケーブル連結解除機構81を構成する部材である。
【0030】
(b)において、ケーブル押え部材76は、矩形の角を丸くした部材であり、支軸77の中心から鋸歯状にした第1辺76aまでの距離をd1、支軸77の中心から第2辺76bまでの距離をd2とした部材であり、d1>d2である。83は、ケーブル17を通すためにケーブル連結部41(図4参照)に開けたケーブル挿通穴であり、図では、ケーブル押え部材76の第1辺76aでケーブル17をケーブル挿通穴83の内面に押え付け、ケーブル17と牽引装置15(図4参照)とを一体的に結合した状態を示す。ケーブル17を矢印▲1▼の向きに引けば、鋸歯状の第1辺76aはよりケーブル17に食い付き、連結が強固になる。
【0031】
この状態から解除アーム78(図(a)参照)を倒して矢印▲2▼の向きにケーブル押え部材76を90°回転させると、(c)に示す状態となる。即ち、ケーブル押え部材76の第2辺76bがケーブル17に面する。上記したように、d1>d2であるから、ケーブル押え部材76の第2辺76bとケーブル17との間には隙間が生じ、ケーブル17はケーブル挿通穴83の内面から離れる。従って、ケーブル17と牽引装置15(図4参照)との結合は解除した状態になる。
【0032】
以上に述べた車両衝突試験装置10の作用を次に説明する。
図7は本発明に係る車両衝突試験装置の作用を説明する第1作用図である。
試験車11を想像線の位置から牽引装置15で牽引し、バリア13に衝突させる。牽引装置15は試験車11の衝突直前で試験車11を切り離す。
このときの作用を次に詳細に説明する。
【0033】
図8は本発明に係る車両衝突試験装置の作用を説明する第2作用図であり、牽引装置15から試験車11(図7参照)を切り離すときの作用を説明する。
制動装置16に牽引装置15が衝突する直前で、制動装置16のアーム傾倒用バー36に牽引装置15の解除アーム37が当たると、ワイヤ連結部材32は支軸45を中心にして矢印の向きに回転し、起立板34,34のそれぞれのバー挿入穴34a,34aに挿入していたバー43,43を各バー挿入穴34a,34aから抜く。
【0034】
これにより、牽引ワイヤ22がバー43,43から外れる。この結果、試験車11が牽引装置15から切り離される。
更に、試験車11が進行すると、アーム傾倒用バー36に解除アーム78が当たり、解除アーム78が後方へ倒れるため、ケーブル17(図7参照)からの牽引装置15の連結が解除され、この後に、牽引装置15は、制動装置16のクッション部材38により衝突の衝撃が緩和されながら停止する。
【0035】
以上の図5〜図7で説明したように、本発明第1に、試験車11を牽引装置15を用いてバリア13の近傍まで牽引し、バリア13から所定距離手前の位置で試験車11を牽引装置15からアーム傾倒用バー36で切り離し、この牽引手段15を制動装置16で停止させるようにした車両衝突試験装置10において、制動装置16にアーム傾倒用バー36を一体的に取付けるとともに、これらの制動装置16及びアーム傾倒用バー36を、牽引装置15をバリア13に導くガイドレール14,14に移動可能に取付けたことを特徴とする。
【0036】
制動装置16及びアーム傾倒用バー36をガイドレール14,14に移動可能に取付けたことで、制動装置16及びアーム傾倒用バー36を所望の位置に容易に且つ迅速に設置することができ、制動装置16及びアーム傾倒用バー36の設置位置が異なる種々の衝突試験条件に対応することができる。また、それぞれの試験条件によって制動手段や連結解除手段の設置位置が異なるとともにこれらの制動手段及び連結解除手段の移動ができない試験設備を使用する場合に比較して、試験に要するコストを低減することができる。
【0037】
本発明は第2に、図1及び図6において、牽引装置15に、試験車11側からバリア13側の方向へ送るようにしたケーブル17に牽引装置15を連結するケーブル押え部材76と、ケーブル押え部材76による牽引装置15のケーブル17への連結の解除を行わせるためのケーブル連結解除機構81を設け、このケーブル連結解除機構81の作動を制動装置16に設けたアーム傾倒用バー36で行わせることで、ケーブル連結解除機構81によってケーブル17から牽引装置15の連結を解除し、牽引装置15を停止させた後に、制動装置16及び牽引装置15を一体の状態で移動可能にしたことを特徴とする。
【0038】
ケーブル17から牽引装置15の連結を解除して牽引装置15を停止させれば、制動装置16及び牽引装置15を一体に移動させることができ、これら制動装置16及び牽引装置15の所望する位置への移動作業の簡素化を図ることができる。
【0039】
本発明は第3に、図1及び図2において、アーム傾倒用バー36を、制動装置16から牽引装置15側に突出させた片持ばり状に形成するとともに、このようなアーム傾倒用バー36に対して重量バランスを取るウエイト74を制動装置16のバリア13側に取付けたことを特徴とする。
【0040】
アーム傾倒用バー36で試験車11を牽引装置15から切り離したり、ケーブル連結解除機構81の作動を行わせたりする際に、片持ばり状のアーム傾倒用バー36が外力で振れたり、がたついたりするのをウエイト74で防止することができる。
【0041】
尚、本実施の形態では、図5において、制動装置16の下部部材62にボルト68でアーム傾倒用バー36を取付けたが、下部部材62の一部を延ばし、下部部材62に一体にアーム傾倒用バーとなる部分を設けてもよい。
【0042】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1の車両衝突試験装置は、牽引手段とは別体に、制動手段及び連結解除手段を設け、制動手段に連結解除手段を一体的に取付けるとともに、これらの制動手段及び連結解除手段をガイドレールに移動可能に取付け、制動手段で牽引手段を停止させるときに衝突の衝撃を緩和するようにしたので、制動手段及び連結解除手段を所望の位置に容易に且つ迅速に設置することができ、種々の衝突試験条件に対応させることができる。
【0043】
請求項2の車両衝突試験装置は、牽引手段に、試験車側からバリア側の方向へ送るようにしたケーブルに牽引手段を連結するケーブル連結手段と、このケーブル連結手段による牽引手段のケーブルへの連結の解除を行わせるためのケーブル連結解除手段とを設け、このケーブル連結解除手段の作動を制動手段に設けた連結解除手段で行わせることで、ケーブル連結解除手段によってケーブルから牽引手段の連結を解除し、牽引手段を停止させた後に、制動手段及び牽引手段を一体の状態で移動可能にしたので、ケーブルから牽引手段の連結を解除して牽引手段を停止させれば、制動手段及び牽引手段を一体に移動させることができ、これら制動手段及び牽引手段の所望する位置への移動作業の簡素化を図ることができる。
【0044】
請求項3の車両衝突試験装置は、連結解除手段を制動手段から牽引手段側に突出させて片持ばり状に形成するとともに、このような連結解除手段に対して重量バランスを取るウエイトを制動手段のバリア側に取付けたので、連結解除手段で試験車を牽引手段から切り離したり、ケーブル連結解除手段の作動を行わせたりする際に、片持ばり状の連結解除手段が外力で振れたり、がたついたりするのをウエイトで防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両衝突試験装置の側面図
【図2】本発明に係る車両衝突試験装置の要部を説明する斜視図
【図3】本発明に係る牽引装置を説明する側面図
【図4】図3の4−4線断面図
【図5】図2の5−5線断面図
【図6】本発明に係るケーブル連結機構及びケーブル解除機構を説明する説明図
【図7】本発明に係る車両衝突試験装置の作用を説明する第1作用図
【図8】本発明に係る車両衝突試験装置の作用を説明する第2作用図
【図9】従来の車両衝突試験装置を説明する説明図
【符号の説明】
10…車両衝突試験装置、11…試験車、13…バリア、14…ガイドレール、15…牽引手段(牽引装置)、16…制動手段(制動装置)、36…連結解除手段(アーム傾倒用バー)、74…ウエイト、76…ケーブル連結手段(ケーブル押え部材)、81…ケーブル連結解除手段(ケーブル連結解除機構)。

Claims (3)

  1. 試験車を牽引手段を用いてバリアの近傍まで牽引し、バリアから所定距離手前の位置で前記試験車を牽引手段から連結解除手段で切り離し、この牽引手段を制動手段で停止させるようにした車両衝突試験装置において、
    前記牽引手段とは別体に、前記制動手段及び前記連結解除手段を設け、
    前記制動手段に前記連結解除手段を一体的に取付けるとともに、これらの制動手段及び連結解除手段を、前記牽引手段を前記バリアに導くガイドレールに移動可能に取付け
    前記制動手段で前記牽引手段を停止させるときに衝突の衝撃を緩和するようにしたことを特徴とする車両衝突試験装置。
  2. 前記牽引手段に、前記試験車側から前記バリア側の方向へ送るようにしたケーブルに前記牽引手段を連結するケーブル連結手段と、このケーブル連結手段による牽引手段のケーブルへの連結の解除を行わせるためのケーブル連結解除手段とを設け、このケーブル連結解除手段の作動を前記制動手段に設けた前記連結解除手段で行わせることで、ケーブル連結解除手段によってケーブルから牽引手段の連結を解除し、前記牽引手段を停止させた後に、制動手段及び牽引手段を一体の状態で移動可能にしたことを特徴とする請求項1記載の車両衝突試験装置。
  3. 前記連結解除手段を、前記制動手段から前記牽引手段側に突出させた片持ばり状に形成するとともに、このような連結解除手段に対して重量バランスを取るウエイトを制動手段の前記バリア側に取付けたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両衝突試験装置。
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