JP3926693B2 - ドーリー装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドーリー本体に対して着脱可能に装着されて、前記ドーリー本体とテスト車両とを連結するトランスポートワイヤロープの前端を引っ掛けるためのワイヤフックと、該ワイヤフックを解除可能にロックするためのロック装置とを備えたドーリー装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両衝突試験装置は、エンドレスのワイヤロープで牽引することによって所定の速度で走行するテスト車両を、衝突壁に衝突させたり、或いは、2台のテスト車両どうしを衝突させて、その損壊状況を試験するための装置である。車両衝突試験装置について説明する。図11に示されるように、テスト車両Tが走行する部分には、その走行方向に沿って溝部51が設けられていて、該溝部51の長手方向に沿ってガイドレールG’が設置されている。このガイドレールG’の内側の部分には、その長手方向に沿って牽引ワイヤロープWaが設置されている。この牽引ワイヤロープWaは、ウインチ(図示せず)により駆動走行される。前記テスト車両Tが走行する方向(矢印52の方向)の前方には、テスト車両Tを衝突させるための衝突壁53が設けられている。なお、図11において、54は、撮影機材54a等を設置するためのピットである。
【0003】
この車両衝突試験装置において、テスト車両Tを牽引走行するためのドーリー装置D’は、図11及び図12に示されるように、そのガイドローラ55の部分がガイドレールG’に装着されている。そして、ドーリー装置D’とテスト車両Tとは、トランスポートワイヤロープWbによって連結されている。このトランスポートワイヤロープWbは、ドーリー装置D’を構成するワイヤフック56の部分に引っ掛けられていて、その開口部は閉塞部材57によって閉塞されている。ドーリー装置D’が、ガイドレールG’の所定位置に達すると、トリガレバー(図示せず)がストライカQ(図11参照)に衝突することによって、前記閉塞部材57が回動され、前記ワイヤフック56の開口部が開口される。テスト車両Tがドーリー装置D’を追い抜くことによって、トランスポートワイヤロープWbがドーリー装置D’から外れるという構成である。その後、前記テスト車両Tは、ブレーキ装置Bに衝突して停止する。
【0004】
上記したように、従来のドーリー装置D’では、各ガイドローラ55の上半部、及びトランスポートワイヤロープWbが引っ掛けられるワイヤフック56のどの部分が、ガイドレールGの上面(テスト車両Tの走行面、即ち、床面FL)よりも上方に配置されている。このため、ブレーキ装置Bに衝突して停止したドーリー装置D’を、ガイドレールG’の始端部(テスト車両Tの走行開始位置)に戻そうとする際に、作業者がドーリー装置D’の上半部に引っ掛かって転倒するおそれがある。
【0005】
更に、図13に示されるように、テスト車両Tのオフセット衝突試験が行われる場合、衝突壁53にオフセット衝突したテスト車両Tにモーメントが作用して、該テスト車両Tが旋回する場合がある。このとき、テスト車両Tのタイヤ58が、ドーリー装置D’に引っ掛かって損傷するおそれがある。また、それにより、ドーリー装置D’も損傷するおそれがある。特に、ワイヤフック56の部分は突出長が長いため、テスト車両Tのタイヤ58と干渉することによってテスト車両T及びドーリー装置D’に多大な損害をもたらすおそれがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記した不具合に鑑み、衝突後のテスト車両が、ドーリー装置のワイヤフックと干渉しないようにすることを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、ドーリー本体に対して着脱可能に装着されて、前記ドーリー本体とテスト車両とを連結するトランスポートワイヤロープの前端を引っ掛けるためのワイヤフックと、該ワイヤフックを解除可能にロックするためのロック装置とを備えたドーリー装置であって、前記ワイヤフックは、前記トランスポートワイヤロープが引っ掛けられるフック本体と、その一部に一体に設けられた被ロック部とを備え、前記ロック装置は、前記ドーリー本体に対してトリガレバーと一体となって回動可能に装着され、前記ワイヤフックの被ロック部に対して係合して、これをロックするロック部材を備え、テスト車両の衝突直前における前記トリガレバーの回動により、前記ロック部材が非ロック位置に配置されることにより、前記ワイヤフックがドーリー本体から取外し可能になることを特徴としている。
【0008】
テスト車両は、トランスポートワイヤロープによって、ドーリー装置と連結されている。そして、前記トランスポートワイヤロープの前端は、ドーリー本体に対して離脱可能にして取付けられたワイヤフックに連結されている。ドーリー装置がテスト車両を牽引走行させている状態では、ワイヤフックはドーリー本体に装着されていて、ロック装置を構成するロック部材により、ロック状態で保持される。ドーリー装置が所定位置(テスト車両の衝突直前の位置)に達すると、ロック装置を構成するトリガレバーが回動され、前記ロック部材が非ロック位置に配置されて、前記ワイヤフックがドーリー本体から取り外される。そして、ドーリー装置は停止される。このとき、ドーリー本体からワイヤフックが取り外されているため、停止したドーリー装置には、大きく突出する部分が存しない。この結果、衝突後のテスト車両がドーリー装置と干渉しても、両者が大きく損傷するおそれが少なくなる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明を前提として、前記ロック装置を構成するロック部材は、前記ドーリー本体に対して回動可能に装着されて、前記ワイヤフックの被ロック部に対して係合して、これをロックする第1ロック部材と、前記ドーリー本体に装着されたトリガレバーと一体に回動して、前記第1ロック部材をロック位置に保持させると共に、前記第1ロック部材を非ロック位置まで回動し得る状態にするための第2ロック部材とから成ることを特徴としている。この発明では、ロック装置は、第1及び第2の各ロック部材とから成る。即ち、第1ロック部材だけでなく、第2ロック部材を設けることにより、トリガレバーの配置位置の自由度が高くなる。また、ワイヤフックが取り外される際に、前記ワイヤフックとロック部材とが引っ掛かるおそれを少なくできる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明を前提として、前記ロック装置を構成する第1ロック部材は、ばね手段によって非ロック位置の側に付勢されていることを特徴としている。この発明では、第1ロック部材は、ばね手段により、確実に非ロック位置に退避される。このため、ワイヤフックが取り外される際における前記ワイヤフックと第1ロック部材とが引っ掛かるおそれを、より少なくできる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の発明を前提として、前記ドーリー装置が装着されるガイドレールは、前記ワイヤフックの上端部を除くドーリー装置の全体を、前記ガイドレールの上面よりも下方に配置させるように構成されていることを特徴としている。このため、ドーリー本体からワイヤフックが取り外されると、ドーリー装置の全体は、ガイドレールの上面よりも下方に配置される。この結果、衝突後のテスト車両がドーリー装置と干渉するおそれは全くなくなると共に、歩行中の作業者が転倒するおそれもなくなって、的確に作業をすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、実施形態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。図1は本発明に係るドーリー装置Dが配設された車両衝突試験装置の全体概略図、図2はドーリー装置Dの正面図、図3は同じく平面図、図4は図2のX−X線断面図である。図1ないし図4に示されるように、本発明に係るドーリー装置Dは、二段式ガイドレールGに装着されている。即ち、本実施形態の二段式ガイドレールGは、ドーリー装置Dが装着される下側ガイドレールGaと、その上面に固着された上側ガイドレールGbとから二段となって構成されている。上下の各ガイドレールGa,Gb の全長は同一である。そして、上側ガイドレールGbの上面が、床面FL(テスト車両Tの走行面)と同一になるように埋設状態で設置されている。
【0013】
最初に、下側ガイドレールGaについて説明する。図4に示されるように、この下側ガイドレールGaは、溝形鋼から成る一対の下側ガイドレール単体1が、それらの全長に亘って一定の間隔をおいて相対向して配設されたものである。各下側ガイドレール単体1における上側のフランジ部は各レール部2となっていて、相対向する各レール部2どうしの間には、前記下側ガイドレールGaの全長に亘って一定間隔の下側開口部Vaが設けられている。前記下側開口部Vaの内幅Haは、ドーリー装置D及びブレーキ装置Bを装着させるために十分な間隔であって、約100mmである。そして、この下側ガイドレールGaの内側には、テスト車両Tを牽引するための無端状の牽引ワイヤロープWaが配置されている。なお、図4において、一方の牽引ワイヤロープWaは駆動側であり、二点鎖線で図示された他方の牽引ワイヤロープWaはリターン側である。
【0014】
次に、上側ガイドレールGbについて説明する。図4に示されるように、本実施形態の上側ガイドレールGbは、下側ガイドレールGaと同様に、一対の上側ガイドレール単体3から構成されていて、一対の下側ガイドレール単体1における各レール部2の上面に、一定間隔をおいて相対向して設置されている。一対の上側ガイドレール単体3は、設置される向きが反対であることを除いてほぼ同一構成であるため、一方側(図4の図面視における右側)の上側ガイドレール単体3についてのみ説明する。
【0015】
即ち、前記上側ガイドレール単体3は、床面FL(テスト車両Tの走行面)と同一面となる上板部4と、該上板部4を一対の下側ガイドレール単体1の各レール部2の上面から離間させるために、前記上板部4の底面部にほぼ直角に固着された2枚の起立板部5,6とから成る。起立板部5は、上板部4の幅方向(ガイドレールGの長さ方向と直交する方向)の一端部に固着されていて、起立板部6は、上板部4の幅方向のほぼ中間部に固着されている。このため、上側ガイドレール単体3は、横断面視において、略「F」字状を呈している。そして、前記上板部4の幅は、下側ガイドレール単体1のレール部2の幅よりも長い。このため、一対の上側ガイドレール単体3の各上板部4が相対向することによって形成される上側開口溝部Vbの内幅Hbは、下側開口溝部Vaの内幅Haよりも狭く、後述するワイヤフックEが通過可能な長さに設定されている。本実施形態の場合、上側開口溝部Vbの内幅Hbは、下側開口溝部Vaの内幅Haの約半分(約50mm)である。
【0016】
また、前記上板部4の幅方向における各起立板部5,6の間には、皿ボルト7を挿通させるための皿孔4aが設けられている。そして、各下側ガイドレール単体1のレール部2において前記皿孔4aと対応する部分には、該皿ボルト7を挿通させるための挿通孔2aが設けられている。下側ガイドレール単体1のレール部2に、前記皿孔4aと前記挿通孔2aとが合致された状態で設置された上側ガイドレール単体3に、皿ボルト7が挿通される。そして、レール部2の底面部から突出された皿ボルト7の雄ねじ部に、座金8を介して六角ナット9が螺合され、締め込まれる。このようにして、上下のガイドレール単体1,3が二段の状態で取付けられる。
【0017】
本実施形態の二段式ガイドレールGを構成する上側ガイドレールGbの上面(即ち、上板部4の上面)は、床面FL(テスト車両Tの走行面)と同一である。これは、二段式ガイドレールGが床面FLよりも突出していたり、前記二段式ガイドレールGが配設されている部分が窪んだりしていないことを意味している。そして、床面FLには、上側ガイドレールGbの開口溝部Vbに相当する内幅Hbの開口溝が形成されるのみである。
【0018】
次に、図2ないし図4を参照しながら、ドーリー装置Dについて説明する。図4に示されるように、断面逆U字状のドーリーフレーム11の上面には、回転自在に支承された4個のガイドローラ12が同一高さに取付けられている。ドーリー装置Dは、これらのガイドローラ12が、下側ガイドレールGaを構成する一対の下側ガイドレール単体1の各レール部2に嵌まり込むことによって支持される。そして、下側ガイドレールGaにガイドされ、その長手方向に沿って走行される。
【0019】
前記ドーリーフレーム11の下部には、牽引ワイヤロープWaを解除可能に咬合するためのクランプ装置Cが配設されている。このクランプ装置Cは、図4に示されるように、締付ボルト13を回転させることにより、ドーリーフレーム11の傾斜内側面11aに沿って昇降する第1咬合体14と、該第1咬合体14に相対向して配設され、牽引ワイヤロープWaを咬合保持する第2咬合体15とから構成されている。前記第2咬合体15は、支点ピン16により、垂直面内で回動可能に支承されている。また、第2咬合体15の側方には、高さ方向に沿って回動軸17が設けられている。この回動軸17は、ドーリーフレーム11に対して水平面内で回動可能に支承されていて、その下部には、前記第2咬合体15の背面部と相対向するカム部18と、該カム部18と反対方向(即ち、一方側の下側ガイドレール単体1の内側面に向かう側)に張り出すトリガレバー19が延設されている。
【0020】
図4に示されるように、一対の咬合体14,15の間に牽引ワイヤロープWaが配置された状態で、第2咬合体15の背面部が、前記回動軸17のカム部18の平坦面18aに押圧されることにより、牽引ワイヤロープWaが咬合状態で保持される。ドーリー装置Dが走行してガイドレールGの所定位置に達すると、前記トリガレバー19が一方側の下側ガイドレール単体1の内側面に取付けられたストライカQに衝突し、回動軸17を回動させる。すると、カム部18の平坦面18aと第2咬合体15の背面部との押圧が解除され、一対の咬合体14,15が開かれて、牽引ワイヤロープWaは自重により落下する。
【0021】
図2に示されるように、本実施形態のドーリー装置Dには、第1及び第2の各ロック装置L1,L2 が配設されている。即ち、ドーリーフレーム11に対してワイヤフックEを解除可能にロックするための前側フック押え28(後述)を回動させるために、ドーリーフレーム11の上面に設けられた第1ロック装置L1 と、前記前側フック押え28のロック状態を保持するために、ドーリーフレーム11の下面に設けられた第2ロック装置L2 である。第1及び第2の各ロック装置L1,L2 は協働して作用することによって、ドーリーフレーム11からワイヤフックEを離脱させる。
【0022】
最初に第1ロック装置L1 について説明する。図2及び図5に示されるように、ドーリー装置Dを構成するドーリーフレーム11の上部には、トランスポートワイヤロープWbの前端部21(トランスポートワイヤロープWbの折返し部分で、長さ方向のほぼ中央部)を連結するためのワイヤフックEが、上側ガイドレールGbの開口溝部Vbから、上方に突出した形態で取付けられている。このワイヤフックEは略直方体状であり、前記トランスポートワイヤロープWbを挿通させるための挿通孔22aが設けられたフック本体22と、該フック本体22を支持するフック支持部23とから成る。前記フック本体22とフック支持部23とは、固定ねじ24によって一体に取付けられている。そして、フック本体22の挿通孔22aにトランスポートワイヤロープWbが挿通されている。このため、本実施形態のドーリー装置Dでは、ワイヤフックEとトランスポートワイヤロープWbとは、常に一体である。また、前記トランスポートワイヤロープWbの前端部21で、フック本体22に取付けられている部分の近傍には、引張りばね25の一端部が取付けられている。この引張りばね25の他端部は、テスト車両Tの底面部に取付けられている。このため、前記トランスポートワイヤロープWbの前端部は、引張りばね25の弾性復元力により、常に、テスト車両Tの側に引っ張られている。
【0023】
そして、図5の(イ),(ロ)に示されるように、ワイヤフックEを構成するフック支持部23の下部は、前後方向に略三角形状に張り出していて、前後の各傾斜裾部23a,23b が形成されている。そして、ドーリーフレーム11に取付けられたフック台26の上面に設置されている。該フック台26の後部には、後側フック押え27が取付けられている。この後側フック押え27の前下部は、フック支持部23の後側傾斜裾部23bと対応する形状に切除されていて、前記後側傾斜裾部23bを入り込ませて係合されるようになっている。また、前記フック台26には、正面視において略扇形の前側フック押え28が、二段式ガイドレールGの幅方向に沿って取付けられた支点ピン29により、前記二段式ガイドレールGの長手方向に沿った垂直面内で回動可能に支承されている。前記後側フック押え27と同様に、前側フック押え28においても、フック支持部23の前側傾斜裾部23aと相対向する部分が、前記前側傾斜裾部23aと対応する形状に切除されていて、フック支持部23と係合されるようになっている。
【0024】
図2及び図5に示されるように、前記ドーリーフレーム11において、フック台26の前部には、前側フック押え28がフック支持部23の前側傾斜裾部23aを係合した状態で保持するための支持板31が設けられている。この支持板31の基端部は、ドーリーフレーム11に対して水平面内で回動可能に支承されていると共に、ドーリーフレーム11の下方に配設された回動軸32と一体にボルト連結されている。前記回動軸32の下端部には、一方側の下側ガイドレール単体1の内側面に向かって張出し状態でトリガレバー33が延設されていると共に、他方側の下側ガイドレール単体1の内側面に向かう部分には、カム部34が設けられている。また、前記前側フック押え28において、その支点ピン29の外周部分には、ねじりコイルばね35が装着されている。このねじりコイルばね35は、前側フック押え28を、常に下方に回動させる方向(即ち、フック支持部23の前側傾斜裾部23aとの係合を解除する方向)に付勢されている。そして、前記支持板31は、図5の(イ)に示されるように、ドーリーフレーム11と前側フック押え28との間に入り込み、ねじりコイルばね35の弾性復元力により下方に回動しようとする前側フック押え28の当接面28aに当接することによって、該前側フック押え28を支持している。この結果、ワイヤフックEは、ドーリーフレーム11に対して垂直に起立した状態で保持される。
【0025】
そして、図6及び図7の(イ)に示されるように、ドーリーフレーム11の底面部から、前記回動軸32のカム部34を当接させてロックさせるためのロックブロック36が垂下されている。前記支持板31が前側フック押え28の下方に入り込んで、該前側フック押え28を支持しているとき、回動軸32のカム部34がロックブロック36に当接されている。図7の(ロ)に示されるように、ドーリー装置Dが走行して所定位置に達すると、前記トリガレバー33が一方側の下側ガイドレール単体1の内側面に取付けられたストライカQに衝突し、回動軸32を回動させる。すると、カム部34とロックブロック36との押圧が解除される。そして、支持板31が、前側フック押え28の当接面28aから外れることによって、前記前側フック押え28が下方に回動し、フック支持部23における前側傾斜裾部23aとの係合が解除され、該ワイヤフックEの全体がドーリー装置Dから離脱される。なお、図5において、37は、回動する前側フック押え28を通過させるために、ドーリーフレーム11に設けられた逃し孔である。
【0026】
本発明に係るドーリー装置Dの作用について説明する。図1に示されるように、テスト車両Tが二段式ガイドレールGの始端部(走行開始位置)に配置され、トランスポートワイヤロープWbによってドーリー装置Dと連結される。そして、ドーリー装置Dに設けられた各クランプ装置Cにより、ドーリー装置Dと牽引ワイヤロープWaが連結される。ウインチ装置(図示せず)を作動させ、牽引ワイヤロープWaに駆動力を作用させると、その駆動力がトランスポートワイヤロープWbを介してテスト車両Tに伝達され、テスト車両Tが牽引走行される。図9に示されるように、ドーリー装置Dは、ワイヤフックEを構成するフック本体22を除く殆どの部分が、上側ガイドレールGbの上面(床面FLと同一面)よりも下方に配置された状態で走行する。
【0027】
図8に示されるように、ドーリー装置Dが二段式ガイドレールGの所定位置に達すると、クランプ装置Cのトリガレバー19がストライカQに衝突する。すると、図4に示されるように、クランプ装置Cを構成する一対の咬合体14,15が解放され、ドーリー装置Dと牽引ワイヤロープWaとの連結が解除される。続いて、第2ロック装置L2 のトリガレバー33がストライカQに衝突する。すると、図7の(イ),(ロ)に示されるように、前記トリガレバー33及びカム部34とが延設された回動軸32が回動される。このため、カム部34とロックブロック36との押圧状態が解放される。ここで、前記回動軸32は、支持板31と一体に連結されている。このため、該支持板31も同方向に回動され、前側フック押え28との係合が解除される。前記前側フック押え28の回動支点となる支点ピン29には、ねじりコイルばね35が装着されていて、該ねじりコイルばね35の付勢力は、前記前側フック押え28とワイヤフックEの前側傾斜裾部23aとの係合を解除する方向に作用しているため、該前側フック押え28は確実に回動し、逃し孔37からドーリーフレーム11の下方に退避される。図5の(ロ)に示されるように、前側フック押え28との係合が解除されたワイヤフックEは、テスト車両Tがドーリー装置Dを追い抜く際に、ドーリーフレーム11から離脱される。しかも、図9に示されるように、ドーリーフレーム11から離脱されたワイヤフックE及びトランスポートワイヤロープWbは、引張りばね25の作用により、テスト車両Tの底面部にほぼ密着された状態で保持される。このため、テスト車両Tがドーリー装置Dを追い抜く際に、前記トランスポートワイヤロープWbがドーリー装置Dに接触したり、引っ掛かったりすることはない。
【0028】
牽引ワイヤロープWaとの連結が解除されたドーリー装置Dは、慣性力によって惰性走行し、ブレーキ装置Bに衝突して停止する。また、ドーリー装置Dとの連結が解除されたテスト車両Tは、慣性力によってそのまま惰性走行し、衝突壁53に衝突する。このブレーキ装置Bは、図9に示されるように、下側ガイドレールGaの各レール部2を、一対のブレーキパッド38,39が上下から押圧する構成である。ブレーキ装置Bに衝突したドーリー装置Dは、前記一対のブレーキパッド38,39がレール部2を押圧する押圧力に抗して、該ブレーキ装置Bと一体となって走行しながら、徐々に運動エネルギーを低下させる。なお、図8において、41は、衝突時におけるドーリー装置Dの衝撃力を低下させるための緩衝材である。
【0029】
図10に示されるように、ブレーキ装置Bと、ワイヤフックEが離脱したドーリー装置Dは、それらの全体が二段式ガイドレールGにおける上側ガイドレールGbよりも下方に配置されている。このため、二段式ガイドレールGの上面(床面FL)には、一切の突出物が存しない。この結果、衝突壁53に衝突したテスト車両Tが、ブレーキ装置B又はドーリー装置Dと干渉することはなく、それらを損傷するおそれは全くない。
【0030】
また、衝突壁53に衝突したテスト車両Tを移動させたり、ブレーキ装置Bに衝突して停止したドーリー装置Dを、走行開始位置に戻したりするために、作業者が二段式ガイドレールGが配設されている部分に近寄ることがある。このような場合であっても、歩行中の作業者が、ドーリー装置D等に引っ掛かって転倒するおそれもない。
【0031】
本実施形態のドーリー装置Dでは、第1及び第2の各ロック装置L1,L2 が設けられていて、第2ロック装置L2 を構成するトリガレバー33がストライカQに衝突することによって、第2ロック装置L2 が作動し、続いて、第1ロック装置L1 が作動することによって、ドーリーフレーム11からワイヤフックEが離脱される構成である。こうすることによって、前記トリガレバー33を衝突させるためのストライカQを、クランプ装置Cを構成するトリガレバー19が衝突するストライカQと兼用することができるという利点がある。しかし、ロック装置を1つにして、トリガレバーが、直接ワイヤフックを係合保持する形態であっても構わない。こうすることによって、一層確実に、ドーリーフレーム11からワイヤフックEを離脱させることができる。
【0032】
本実施形態において、テスト車両TとトランスポートワイヤロープWbの前端部21とは、引張りばね25によって相互に引っ張られている。しかし、両者を引っ張るものは、引張りばね25以外のもの、例えば、ゴム材であっても構わない。この場合、安価であるという利点がある。
【0033】
【発明の効果】
本発明に係るドーリー装置は、トリガレバーを回動させ、ロック装置を構成するロック部材を非ロック位置に配置させることによって、ワイヤフックがドーリー本体から取り外し可能となる。即ち、ブレーキ装置に衝突して停止したドーリー本体からワイヤフックが取り外されていて、該ドーリー装置には、大きく突出する部分が存しない。この結果、テスト車両がドーリー装置と干渉しても、両者が大きく損傷することが防止される。
【0034】
また、ドーリー装置が装着されるガイドレールが、ワイヤフックの上端部を除くドーリー装置の全体を、前記ガイドレールの上面よりも下方に配置するように構成されている場合、テスト車両がドーリー装置と干渉することがなく、両者が損傷するおそれは全くない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るドーリー装置Dが配設された車両衝突試験装置の全体概略図である。
【図2】ドーリー装置Dの正面図である。
【図3】同じく平面図である。
【図4】図2のX−X線断面図である。
【図5】(イ)は、ワイヤフックEの部分の正面断面図であり、(ロ)は、ワイヤフックEが離脱した状態の正面断面図である。
【図6】図3のY−Y線断面図である。
【図7】(イ)は、第2ロック装置L2 のロック状態を示す平面模式図であり、(ロ)は、解除状態を示す平面模式図である。
【図8】ブレーキ装置Bに衝突する直前のドーリー装置Dの左後方からの斜視図である。
【図9】ドーリーフレーム11からワイヤフックEが離脱された状態の作用説明図である。
【図10】作業者が、床面FLを歩行している状態の模式図である。
【図11】従来のドーリー装置D’が配設された車両衝突試験装置の全体概略図である。
【図12】従来のドーリー装置D’の正面図である。
【図13】オフセット衝突したテスト車両Tが、旋回する状態を示す平面図である。
【符号の説明】
D:ドーリー装置
E:ワイヤフック
G:二段式ガイドレール(ガイドレール)
1,L2 :ロック装置
T:テスト車両
Wb:トランスポートワイヤロープ
11:ドーリーフレーム(ドーリー本体)
21:前端部(前端)
22:フック本体
23:フック支持部(フック本体の一部)
23a:前側傾斜裾部(被ロック部)
25:引張りばね(引張り手段)
28:前側フック押え(第1ロック部材)
33:トリガレバー
34:カム部(第2ロック部材)
35:ねじりコイルばね(ばね手段)
36:ロックブロック(第2ロック部材)

Claims (4)

  1. ドーリー本体に対して着脱可能に装着されて、前記ドーリー本体とテスト車両とを連結するトランスポートワイヤロープの前端を引っ掛けるためのワイヤフックと、該ワイヤフックを解除可能にロックするためのロック装置とを備えたドーリー装置であって、
    前記ワイヤフックは、前記トランスポートワイヤロープが引っ掛けられるフック本体と、その一部に一体に設けられた被ロック部とを備え、
    前記ロック装置は、前記ドーリー本体に対してトリガレバーと一体となって回動可能に装着され、前記ワイヤフックの被ロック部に対して係合して、これをロックするロック部材を備え、
    テスト車両の衝突直前における前記トリガレバーの回動により、前記ロック部材が非ロック位置に配置されることにより、前記ワイヤフックがドーリー本体から取外し可能になることを特徴とするドーリー装置。
  2. 前記ロック装置を構成するロック部材は、前記ドーリー本体に対して回動可能に装着されて、前記ワイヤフックの被ロック部に対して係合して、これをロックする第1ロック部材と、前記ドーリー本体に装着されたトリガレバーと一体に回動して、前記第1ロック部材をロック位置に保持させると共に、前記第1ロック部材を非ロック位置まで回動し得る状態にするための第2ロック部材とから成ることを特徴とする請求項1に記載のドーリー装置。
  3. 前記ロック装置を構成する第1ロック部材は、ばね手段によって非ロック位置の側に付勢されていることを特徴とする請求項2に記載のドーリー装置。
  4. 前記ドーリー装置が装着されるガイドレールは、前記ワイヤフックの上端部を除くドーリー装置の全体を、前記ガイドレールの上面よりも下方に配置させるように構成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のドーリー装置。
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