JP3826896B2 - 画像処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像データに間引き処理を施す画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像処理装置は、一般に、画像を構成している複数の画素の中から適宜の画素を間引くことによって、画像を容易に縮小している。
しかしながら、白黒の交番で中間調を表わしているような擬似中間調の画像において、画素を単純に間引く場合、元の画像では黒画素を隔てて配置されていた白画素同士、又は白画素を隔てて配置されていた黒画素同士の連結が生じて白筋又は黒筋が発生し、画質が劣化することがある。
【0003】
従来の画像処理装置は、間引く画素の画素値と、前記画素の主走査方向の前画素又は後画素(次画素)の画素値との論理和及び論理積の内、一方を選択することによって、白画素又は黒画素の欠落を防止している(例えば、特許文献1参照)。
このような画像処理装置は、白画素又は黒画素の欠落のみならず、白画素又は黒画素の連結による白筋又は黒筋の発生も防止していると考えられる。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−164897号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示されている画像処理装置は、主走査方向(同一ライン内)の白画素又は黒画素の欠落/連結防止を行なうものであり、副走査方向、及び斜め方向の連結防止は考慮されていない。
【0006】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、間引き処理によって、主走査方向又は副走査方向の前後方向若しくは斜め方向に、白画素/黒画素の連結が発生する場合、間引くべき画素の前画素又は後画素の画素値を反転させることにより、上下左右方向及び斜め方向の白筋/黒筋の発生を防止できる画像処理装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係る画像処理装置は、2値画像を構成している複数の画素の内、1又は複数の画素を間引くことによって画像を縮小する画像処理装置において、間引くべき一の画素の4近傍の画素の内、主走査方向又は副走査方向の順方向側若しくは逆方向側に位置する注目画素の画素値が、間引くべき画素を間引いた状態での前記注目画素の8近傍の画素の内、副走査方向(又は主走査方向)に連続して並ぶ3個の画素の夫々の画素値と等しいか否かを判定する判定手段と、前記注目画素の画素値が、前記3個の画素の内の1個以上の画素の画素値に等しい場合、前記注目画素の画素値を他の画素値に変換し、前記注目画素の画素値が、前記3個の画素の内の3個全ての画素の画素値と異なる場合、前記注目画素の画素値を該画素値のままにする画素値決定手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
第1発明にあっては、主走査方向の間引き処理を行なう場合、間引き処理前の画像において、間引くべき画素に対し主走査方向の順方向(又は逆方向)に隣接している画素(即ち間引くべき画素の前画素(又は後画素))を、注目画素とする。次に、間引き処理後の画像において、前記注目画素の後画素(又は前画素)と、該後画素(又は前画素)の上下(副走査方向の逆及び順方向)に夫々隣接する画素との3個の画素の画素値と、注目画素の画素値とを比較する。
【0009】
間引き処理後に白画素/黒画素が連結することによって、白筋/黒筋が発生する。このため、画像処理装置は、注目画素の画素値が、前記3個の画素値の内、1個以上の画素の画素値と等しい場合、即ち白画素/黒画素が連結する場合に、注目画素の画素値を反転(画素値「0」を「1」に、画素値「1」を「0」に)する連結防止処理を行なう。この結果、左右方向及び斜め方向の白筋/黒筋の発生が防止される。
【0010】
副走査方向の間引き処理を行なう場合、画像処理装置は、間引き処理前の画像において、間引くべき画素に対し副走査方向の順方向(又は逆方向)に隣接している画素(即ち間引くべき画素の前画素(又は後画素))を、注目画素とする。次に、間引き処理後の画像において、前記注目画素の後画素(又は前画素)と、該後画素(又は前画素)の左右(主走査方向の逆及び順方向)に夫々隣接する画素との3個の画素の画素値と、注目画素の画素値とを比較する。
【0011】
このとき、画像処理装置は、注目画素の画素値が、前記3個の画素値の内、1個以上の画素の画素値と等しい場合、即ち白画素/黒画素が連結する場合に、注目画素の画素値を反転する連結防止処理を行なう。この結果、上下方向及び斜め方向の白筋/黒筋の発生が防止される。即ち、副走査方向の間引き処理を行なう場合、画像処理装置は、主走査方向の間引き処理を行なう場合の連結防止処理を90度回転させたようにして連結防止処理を行なう。
【0012】
以上のような画像処理装置においては、最大でも間引くべき一の画素の8近傍の画素(間引くべき一の画素を含む3×3のマトリクス)に注目して連結防止処理を行なうため、簡易に白筋/黒筋の発生を防止している。また、間引くべき画素の決定方法自体に制限がない(間引くべき画素をランダムに決定しても良く、単純に所定の個数置きに間引くべき画素を決定しても良い)ため、間引くべき画素の決定が簡易である。
更に、主走査方向の連結防止処理と副走査方向の連結防止処理とを両方行なう場合、画像処理装置は、上下左右方向及び斜め方向の白筋/黒筋の発生を防止する。
【0013】
第2発明に係る画像処理装置は、前記判定手段は、主走査方向及び副走査方向の内、一方向に関して判定し、次いで、他方向に関して判定する手段を備えることを特徴とする。
【0014】
第2発明にあっては、主走査方向(又は副走査方向)の連結防止処理を行なってから副走査方向(又は主走査方向)の連結防止処理を行なう。
一の注目画素が、主走査方向及び副走査方向の両方向において間引くべき画素に隣接している場合、主走査方向の連結防止処理によって決定される注目画素の画素値と、副走査方向の連結防止処理によって決定される注目画素の画素値とが異なることがある。このとき、副走査方向(又は主走査方向)の連結防止処理の結果である画素値が注目画素の画素値となる(即ち、後から行なわれた連結防止処理の結果が優先される)ため、主走査方向の連結防止処理と副走査方向の連結防止処理とを両方行なう場合の処理が簡易になる。なお、一般には、主走査方向の連結防止処理を先に行なう場合であっても、副走査方向の連結防止処理を先に行なう場合であっても、間引き処理後の画像の画質に大差はない。
【0015】
第3発明に係る画像処理装置は、前記判定手段は、主走査方向及び副走査方向夫々に関して判定する手段を備え、前記画素値決定手段は、主走査方向及び副走査方向夫々に関して決定した画素値の内、一方を選択して前記注目画素の画素値とする手段を備えることを特徴とする。
【0016】
第3発明にあっては、主走査方向の連結防止処理によって決定される注目画素の画素値と、副走査方向の連結防止処理によって決定される注目画素の画素値とを求め、求めた2個の画素値の内、一方を選択して注目画素の画素値とする。
求めた2個の画素値が異なるとき、例えばランダムに選択された画素値が注目画素の画素値となる(即ち、先に行なわれた連結防止処理及び後から行なわれた連結防止処理の内、一方の結果のみが優先されることがない)ため、上下左右方向及び斜め方向の白筋/黒筋の発生が確実に防止され、間引き処理後の画像の画質が更に向上される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
本実施の形態の画像処理装置は、2値(「0」又は「1」)の画素値で表現された擬似中間調画像に対して、主走査方向のライン、及び/又は副走査方向のライン(以下、カラムという)を、画像の縮小率に応じて1又は複数だけ間引く間引き処理を行ない、縮小擬似中間調画像を得るよう構成されている。
【0018】
本実施の形態においては、本発明の画像処理装置を備え、原稿を読み取って記録シートに画像を形成するコピー機を例示するが、本発明の画像処理装置を、スキャナ、プリンタ、ファクシミリ、又はこれらの複合機等が備える構成であっても良い。
また、コンピュータ(パーソナルコンピュータ又はサーバ等)を画像処理装置として用い、判定手段及び画素値決定手段等を、コンピュータのハードウェア要素を用いてソフトウェア的に実現する構成であっても良い。
【0019】
実施の形態 1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る画像処理装置である画像処理部1を備えるコピー機の構成を示すブロック図である。
図中100は、コピー機の制御中枢であるCPUであり、CPU100は、バスを介して、ROM101、RAM102、コピー機の動作状態又はユーザに対する入力指示等を表示する表示部103、及び表示部103を見ながらユーザがコピー機を操作するための各種ファンクションキーを備える操作部104等のコピー機各部に接続されている。
【0020】
CPU100は、ROM101に予め記憶してある制御プログラム及びデータに従ってコピー機の各部を制御し、このとき発生するデータ又は外部から入力されるデータ(例えば、ユーザが操作部104を用いて入力した画像の縮小率)等をRAM102に一時記憶して、各種処理を実行する。
なお、画像の縮小率が、ユーザによって指定されるのみならず、コピー機によって自動的に決定され、RAM102に記憶されるよう構成しても良い。
【0021】
読取部105は、例えば光源及びCCD等を用いてなる光学読取方式のスキャナ装置で構成されている。CPU100は、コピー機にセットされた原稿を読取部105で読み取って多値画像データを生成し、生成された多値画像データを第1CODEC(符号化・復号器)106で符号化して符号コードとなす。
画像メモリ107は、例えばDRAMを用いてなる符号メモリであり、CPU100に制御されて、符号コード(即ち第1CODEC106で符号化された多値画像データ)を記憶する。
【0022】
CPU100は、画像データを用いて記録シートに画像を記録する場合に、画像メモリ107から符号コードを読み出し、読み出した符号コードを第2CODEC108で復号して、復号された多値画像データを画像処理部1へ入力する。
RAM102に縮小率が記憶されている場合、CPU100は、多値画像データの内、間引くべき画素(以下、間引き画素という)を含むライン及びカラムの位置を算出して、算出結果である間引き位置のデータを画像処理部1へ入力する。例えば、主走査方向に縮小率99%で縮小する場合、100本のカラム毎に1本のカラムを間引くよう、間引くべきカラムの位置を算出して画像処理部1へ入力する。
【0023】
画像処理部1は、CPU100に制御されて、入力された多値画像データを、2値画像データである画像データに変換し、画像を縮小する場合は前記画像データに対し間引き処理を行ない、間引き処理によって縮小された画像データを出力する。CPU100は、画像処理部1から出力された画像データをページメモリ109に記憶(展開)する。
以上のようにして、コピー機は、画像メモリ107からの読み込みとページメモリ109への書き込みとを、第2CODEC108及び画像処理部1を介して同時的に行なう。
【0024】
記録部110は、例えばドラム状の感光体及び転写チャージャ等を用いてなる電子写真方式のプリンタ装置で構成されており、CPU100に制御されて、ページメモリ109から読み出された画像データに基づく画像を、トナーを用いて記録シートに形成し、画像が形成された記録シートを排出する。
【0025】
図2は、画像処理部1の構成を示すブロック図である。
画像処理部1は、制御部10、画像データを記憶する画像記憶部11、及び入力された2個の画素値を比較する比較部12、並びに多値画像データを2値化して2値画像データを生成する図示しない2値化処理部等を備え、第2CODEC108から入力された多値画像データを前記2値化処理部で2値化してなる画像データを全部、画像記憶部11に記憶する。また、画像処理部1は、CPU100から入力された間引き位置のデータを、図示しない記憶部に記憶する。
【0026】
また、制御部10は、前記記憶部に記憶された間引き位置のデータに基づいて間引き画素を求め、画像記憶部11に記憶された画像データを走査し、求められた間引き画素の走査方向の後画素を注目画素とし、該注目画素の画素値と、注目画素の8近傍の画素の内、所定の3個の画素の画素値夫々とを比較部12へ入力させる。
【0027】
比較部12は、入力された2個の画素値を比較して、等しい場合は画素値が等しいことを示す信号を、異なる場合は画素値が異なることを示す信号を、夫々制御部10へ入力する。制御部10は、比較部12から入力された信号が、画素値が等しいことを示す信号である場合、画像記憶部11に記憶されている注目画素の画素値を反転し、比較部12から入力された信号が、全部、画素値が異なることを示す信号である場合、注目画素の画素値をそのままにしておくことによって、注目画素の画素値を決定する。
以上のようにして、制御部10及び比較部12は判定手段として機能し、制御部10は画素値決定手段として機能する。
【0028】
制御部10は、画像記憶部11に記憶してある全ての画素に対して画素値を決定した後、間引き処理を行ない、間引き処理後の画像データをページメモリ109へ入力する。
なお、画像記憶部11には、全部の画像データではなく、最低限、一の注目画素に対する画像処理に必要なだけの画像データを記憶し、該画像データが記憶された場合に、前記画像処理を行ない、該画像処理が終了した場合に、次の注目画素に対する画像処理に必要なだけの画像データを記憶するよう構成してあっても良い。この場合、画像記憶部11の記憶容量を低減することができる。
【0029】
また、2値化処理部を画像処理部1の外部に備える構成であっても良い。この場合、CPU100は、間引き処理を行なうとき、第2CODEC108から出力された多値画像データを、2値化処理部に2値化させてから、2値化された画像データを画像処理部1へ入力する。また、間引き処理を行なわないとき、CPU100は、2値化処理部で2値化された画像データを、画像処理部1を介さず直接的に、ページメモリ109へ入力する。
【0030】
図3及び図4は、画像処理部1の主走査方向及び副走査方向の画像処理手順を説明する模式図である。
画像処理部1は、まず、主走査方向の連結防止処理を行ない、次いで、副走査方向の連結防止処理を行なう。この場合、主走査方向の連結防止処理の結果と副走査方向の連結防止処理の結果とが異なるときは、副走査方向の連結防止処理の結果が優先される。
図3において、白抜矢符で示されているカラムは、間引くべきカラムである。注目画素(X,Y)は、間引き画素(X−1,Y)の4近傍の画素の内、主走査方向の順方向側に位置する画素(即ち主走査方向の後画素)である。
【0031】
画像処理部1は、注目画素と比較すべき所定の3個の画素として、間引き画素(X−1,Y+n)(n=−1,0,1)を除く注目画素(X,Y)の8近傍の画素(X+o,Y+n)(o=−2,0,1。ただしo=n=0は除く)の内、主走査方向の逆方向側(前画素側)に位置する画素(X−2,Y+n)を用いる(図3(a))。
画像処理部1は、注目画素(X,Y)の画素値が、3個の画素(X−2,Y+n)の夫々の画素値と等しいか否かを判定する(図3(b))。
【0032】
本実施の形態においては、画像処理部1は、注目画素(X,Y)の画素値が、1個以上の画素(X−2,Y+n)の画素値に等しい場合、即ち間引きによる連結が発生する場合、注目画素(X,Y)の画素値を反転する(即ち、注目画素(X,Y)の画素値「0」又は「1」を他の画素値「1」又は「0」に変換する)。また、画像処理部1は、注目画素(X,Y)の画素値が、3個全ての画素(X−2,Y+n)の画素値と異なる場合、即ち間引きによる連結が発生しない場合、注目画素(X,Y)の画素値を該画素値のままにする。
【0033】
図3の場合、注目画素(X,Y)の画素値は、3個の画素(X−2,Y+n)の画素値全部と等しい。即ち、注目画素(X,Y)と、3個の画素(X−2,Y+n)夫々との間で、連結が発生している。このため、画像処理部1は、注目画素(X,Y)の画素値「1」を画素値「0」に変換する(図3(c))。
一方、図4において、白抜矢符で示されているラインは、間引くべきラインである。注目画素(x,y)は、間引き画素(x,y−1)の4近傍の画素の内、副走査方向の順方向側に位置する画素(即ち副走査方向の後画素)である。
【0034】
画像処理部1は、注目画素と比較すべき所定の3個の画素として、間引き画素(x+m,y−1)(m=−1,0,1)を除く注目画素(x,y)の8近傍の画素(x+m,y+o)(o=−2,0,1。ただしm=o=0は除く)の内、副走査方向の逆方向側(前画素側)に位置する画素(x+m,y−2)を用いる(図4(a))。
画像処理部1は、注目画素(x,y)の画素値が、3個の画素(x+m,y−2)の夫々の画素値と等しいか否かを判定する(図4(b))。
図4の場合、注目画素(x,y)の画素値は、3個の画素(x+m,y−2)の画素値全部と異なる。即ち、注目画素(x,y)と、3個の画素(x+m,y−2)夫々との間で、連結が発生しない。このため、画像処理部1は、注目画素(x,y)の画素値「0」をこのままにする(図4(c))。
【0035】
図5及び図6は、画像処理部1の画像処理の手順を示すフローチャートである。
制御部10は、第2CODEC108から画像処理部1へ入力された多値画像データを用いてなる2値の画像データを、画像記憶部11に記憶させる(S11)。
【0036】
次に、制御部10は、画像記憶部11に記憶された画像データを、主走査方向へ走査して(S12)、走査した画素が、間引くべきカラムに位置する間引き画素であるか否かを判定し(S13)、間引き画素である場合(S13でYES)、該間引き画素の主走査方向の後画素(X,Y)を注目画素とする(S14)。ただし、S14にて、間引き画素の主走査方向の後画素も、間引くべきカラムに位置する間引き画素である場合、制御部10は、前記後画素を間引き画素とし、該間引き画素の主走査方向の後画素を注目画素とする(不図示)。
【0037】
次いで、制御部10は、変数N=−1とし(S15)、画素(X−2,Y+N)の画素値と注目画素(X,Y)の画素値とを比較部12へ入力し(S16)、比較部12から、画素値が等しいことを示す信号が入力されたか否か判定し(S17)、画素値が等しいことを示す信号が入力された場合は(S17でYES)、画像記憶部11に記憶されている注目画素(X,Y)の画素値を反転する(S18)。
比較部12から制御部10へ、画素値が異なることを示す信号が入力された場合(S17でNO)、制御部10は、変数N=1であるか否かを判定し(S19)、N≠1である場合は(S19でNO)、Nを1だけ増加させ(S21)、処理をS16へ戻して、画素(X−2,Y+N)の画素値と注目画素(X,Y)の画素値とを比較部12へ入力する。
【0038】
S18の処理の完了後、又は、変数N=1である場合(S19でYES)、制御部10は、処理をS12へ戻して、注目画素(X,Y)の主走査方向の後画素を走査し、走査した画素が、間引くべきカラムに位置する間引き画素であるか否かを判定する。
【0039】
走査した画素が、間引くべきカラムに位置する間引き画素ではない場合(S13でNO)、制御部10は、前記走査した画素で画像データが終了するか否かを判定する(S22)。ただし、S13にて、前記走査した画素が、間引くべきラインに位置する間引き画素である場合、該間引き画素の主走査方向の後画素も間引き画素であるため、制御部10は、前記走査した画素が位置するラインを読み飛ばし、次のラインがある場合は次のラインを走査し、次のラインがない場合は、S22にて、前記走査した画素で画像データが終了する(S22でYESである)と判定する(不図示)。
【0040】
前記走査した画素で画像データが終了しない場合(S22でNO)、制御部10は、処理をS12へ戻して、前記走査した画素の主走査方向の後画素を走査し、走査した画素が、間引くべきカラムに位置する間引き画素であるか否かを判定する。
【0041】
前記走査した画素で画像データが終了する場合(S22でYES)、制御部10は、画像記憶部11に記憶された画像データを、副走査方向へ走査して(S32)、走査した画素が、間引くべきラインに位置する間引き画素であるか否かを判定し(S33)、間引き画素である場合(S33でYES)、該間引き画素の副走査方向の後画素(x,y)を注目画素とする(S34)。ただし、S34にて、間引き画素の副走査方向の後画素も、間引くべきラインに位置する間引き画素である場合、制御部10は、前記後画素を間引き画素とし、該間引き画素の副走査方向の後画素を注目画素とする(不図示)。
【0042】
次いで、制御部10は、変数M=−1とし(S35)、画素(x+M,y−2)の画素値と注目画素(x,y)の画素値とを比較部12へ入力し(S36)、比較部12から、画素値が等しいことを示す信号が入力されたか否か判定し(S37)、画素値が等しいことを示す信号が入力された場合は(S37でYES)、画像記憶部11に記憶されている注目画素(x,y)の画素値を反転する(S38)。
比較部12から制御部10へ、画素値が異なることを示す信号が入力された場合(S37でNO)、制御部10は、変数M=1であるか否かを判定し(S39)、M≠1である場合は(S39でNO)、Mを1だけ増加させ(S41)、処理をS36へ戻して、画素(x+M,y−2)の画素値と注目画素(x,y)の画素値とを比較部12へ入力する。
【0043】
S38の処理の完了後、又は、変数M=1である場合(S39でYES)、制御部10は、処理をS32へ戻して、注目画素(x,y)の副走査方向の後画素を走査し、走査した画素が、間引くべきラインに位置する間引き画素であるか否かを判定する。
【0044】
走査した画素が、間引くべきラインに位置する間引き画素ではない場合(S33でNO)、制御部10は、前記走査した画素で画像データが終了するか否かを判定する(S42)。ただし、S33にて、前記走査した画素が、間引くべきカラムに位置する間引き画素である場合、該間引き画素の副走査方向の後画素も間引き画素であるため、制御部10は、前記走査した画素が位置するカラムを読み飛ばし、次のカラムがある場合は次のカラムを走査し、次のカラムがない場合は、S42にて、前記走査した画素で画像データが終了する(S42でYESである)と判定する(不図示)。
【0045】
前記走査した画素で画像データが終了しない場合(S42でNO)、制御部10は、処理をS32へ戻して、前記走査した画素の副走査方向の後画素を走査し、走査した画素が、間引くべきラインに位置する間引き画素であるか否かを判定する。
前記走査した画素で画像データが終了する場合(S42でYES)、制御部10は、画像記憶部11に記憶されている画像データの内、間引くべきライン及びカラムに位置する画素以外の画素を、主走査方向に順に読み出して、ページメモリ109へ入力することによって間引き処理を行ない(S43)、その完了後、画像処理を終了する。
【0046】
以上のような画像処理部1は、白画素/黒画素である注目画素が、間引き処理によって新たに白画素/黒画素と連結することによって、白筋/黒筋が発生することを防止するために、注目画素の画素値が、該注目画素に間引き処理後に隣り合う3個の画素の画素値の内、1個以上の画素の画素値と等しい場合に、注目画素の画素値を反転する。
このような画像処理部1は、注目画素と、該注目画素に間引き処理後に隣り合う3個の画素との4個の画素に注目して画像処理を行なうため、簡易に白筋/黒筋の発生を防止している。また、間引き画素の決定方法自体に制限がないため、間引き画素の決定が簡易である。
【0047】
更に、副走査方向の画像処理結果を優先するようにして、主走査方向及び副走査方向の画像処理を行なうため、画像処理部1は、上下左右方向及び斜め方向の白筋/黒筋の発生を簡易な構成で確実に防止している。
また、その4近傍に間引き画素がない画素を注目画素とした場合、間引き処理による連結が発生しないため、注目画素の画素値は必ず該画素値のままになる。
本実施の形態では、間引き画素の後画素のみを注目画素とすることによって、画像処理の処理時間の短縮を図っている。
なお、画像処理部1は、主走査方向の画像処理結果を優先するように構成してあっても良い。
【0048】
実施の形態 2.
図7は、本発明の実施の形態2に係る画像処理装置である画像処理部2の構成を示すブロック図である。
本実施の形態において、コピー機は、実施の形態1の画像処理部1の代わりに、図7に示す画像処理部2を備えている。
画像処理部2は、制御部20、画像データを記憶する画像記憶部21、入力された2個の画素値を比較する比較部22、画素の位置と画素値の反転情報/非反転情報(後述)とを記憶する画素値記憶部23、乱数を生成する乱数生成部24、多値画像データを2値化して2値画像データを生成する図示しない2値化処理部、及びCPU100から入力された間引き位置のデータを記憶する図示しない記憶部等を備える。
【0049】
画像記憶部21、比較部22、2値化処理部及び記憶部は、実施の形態1の画像処理部1の画像記憶部11、比較部12、2値化処理部及び記憶部に対応する。
制御部20は、主走査方向の画像処理中に、比較部22から入力された信号が、画素値が等しいことを示す信号である場合、画像記憶部21に記憶されている注目画素の位置と、該注目画素の画素値を反転させるという反転情報との組を、画素値記憶部23に記憶させる。また、主走査方向の画像処理中に、比較部22から入力された信号が、全部、画素値が異なることを示す信号である場合、制御部20は、画像記憶部21に記憶されている注目画素の位置と、該注目画素の画素値を反転させないという非反転情報との組を、画素値記憶部23に記憶させる。
【0050】
また、制御部20は、副走査方向の画像処理中に、注目画素と同じ画素の反転情報又は非反転情報が画素値記憶部23に記憶されていない場合、比較部22から入力された信号が、画素値が等しいことを示す信号であるとき、画像記憶部21に記憶されている注目画素の画素値を反転させる。
また、比較部22から入力された信号が、全部、画素値が異なることを示す信号であるとき、制御部20は、注目画素の画素値をそのままにしておく。
また、制御部20は、画素値記憶部23に記憶されている画素が、副走査方向の画像処理中に注目画素にならなかった場合、前記画素と組になって画素値記憶部23に記憶されている反転情報又は非反転情報に基づいて、画像データにおける前記画素の画素値を変更する。
【0051】
更に、制御部20は、副走査方向の画像処理中に、注目画素と同じ画素の反転情報又は非反転情報が画素値記憶部23に記憶されている場合、副走査方向の画像処理において注目画素を反転するか否かを判定する。注目画素を反転する場合であって画素値記憶部23に反転情報が記憶されているとき、又は、注目画素を反転しない場合であって画素値記憶部23に非反転情報が記憶されているとき、制御部20は、注目画素を反転する又はそのままにする。注目画素を反転する場合であって画素値記憶部23に非反転情報が記憶されているとき、又は、注目画素を反転しない場合であって画素値記憶部23に反転情報が記憶されているとき、制御部20は、乱数生成部24にて生成された乱数を用いて、1/2の確率で、画素値「0」及び「1」の内、一方の画素値を選択し、選択した画素値で注目画素の画素値を置換する。
【0052】
制御部20は、画像記憶部21に記憶してある全ての画素に対して画素値を決定した後、画像記憶部21から画像データを読み出して、ページメモリ109へ入力する。
以上のようにして、制御部20及び比較部22は判定手段として機能し、制御部20及び乱数生成部24は画素値決定手段として機能する。
その他、実施の形態1に対応する部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
【0053】
本実施の形態においては、画像処理部2は、まず、図3(a),(b)のようにして、注目画素(X,Y)の画素値が、3個の画素(X−2,Y+n)の夫々の画素値と等しいか否かを判定し、次いで、図4(a),(b)のようにして、注目画素(x,y)の画素値が、3個の画素(x+m,y−2)の夫々の画素値と等しいか否かを判定する。
【0054】
注目画素(X,Y)と注目画素(x,y)とが等しい場合、即ち、一の画素に対し、主走査方向及び副走査方向の両方に関して連結防止処理を行なう場合、画像処理部2は、各走査方向の連結防止処理の結果が同じとき、該結果に従って注目画素の画素値を決定する。各走査方向の連結防止処理の結果が異なるとき、画像処理部2は、「0」及び「1」の何れかをランダムに選択して注目画素の画素値とすることによって、主走査方向及び副走査方向夫々に関して決定した画素値の内、一方を選択して注目画素の画素値とする。
注目画素(X,Y)と注目画素(x,y)とが異なる場合、即ち、一の画素に対し、主走査方向及び副走査方向の一方のみに連結防止処理を行なう場合は、実施の形態1と同様にして注目画素の画素値を決定する。
【0055】
なお、画素値「0」と画素値「1」との内、ランダムで一方を選択するのみならず、画素値「0」と画素値「1」とを交互に選択する、又は主走査方向の画像処理の結果と副走査方向の画像処理の結果とを交互に選択する等でも良い。この場合、乱数生成部24が不要となり、画像処理部2の構成が簡易になる。
【0056】
図8〜図10は、本発明の実施の形態2に係る画像処理部2の画像処理の手順を示すフローチャートである。
制御部20は、第2CODEC108から画像処理部2へ入力された多値画像データを用いてなる2値の画像データを、画像記憶部21に記憶させる(S51)。
【0057】
次に、制御部20は、画像記憶部21に記憶された画像データを、主走査方向へ走査して(S52)、走査した画素が、間引くべきカラムに位置する間引き画素であるか否かを判定し(S53)、間引き画素である場合(S53でYES)、該間引き画素の主走査方向の後画素(X,Y)を注目画素とする(S54)。ただし、S54にて、間引き画素の主走査方向の後画素も、間引くべきカラムに位置する間引き画素である場合、制御部20は、前記後画素を間引き画素とし、該間引き画素の主走査方向の後画素を注目画素とする(不図示)。
【0058】
次いで、制御部20は、変数N=−1とし(S55)、画素(X−2,Y+N)の画素値と注目画素(X,Y)の画素値とを比較部22へ入力し(S56)、比較部22から、画素値が等しいことを示す信号が入力されたか否か判定し(S57)、画素値が等しいことを示す信号が入力された場合は(S57でYES)、注目画素の位置(X,Y)と、注目画素(X,Y)の画素値を反転させるという反転情報とを組にして画素値記憶部23に記憶させる(S58)。
比較部22から制御部20へ、画素値が異なることを示す信号が入力された場合(S57でNO)、制御部20は、変数N=1であるか否かを判定し(S59)、N≠1である場合は(S59でNO)、Nを1だけ増加させ(S60)、処理をS56へ戻して、画素(X−2,Y+N)の画素値と注目画素(X,Y)の画素値とを比較部22へ入力する。
【0059】
変数N=1である場合(S59でYES)、制御部20は、注目画素の位置(X,Y)と、注目画素(X,Y)の画素値を反転させないという非反転情報とを組にして画素値記憶部23に記憶させる(S61)。
S58又はS61の処理の完了後、制御部20は、処理をS52へ戻して、注目画素(X,Y)の主走査方向の後画素を走査し、走査した画素が、間引くべきカラムに位置する間引き画素であるか否かを判定する。
【0060】
走査した画素が、間引くべきカラムに位置する間引き画素ではない場合(S53でNO)、制御部20は、前記走査した画素で画像データが終了するか否かを判定する(S62)。ただし、S53にて、前記走査した画素が、間引くべきラインに位置する間引き画素である場合、該間引き画素の主走査方向の後画素も間引き画素であるため、制御部20は、前記走査した画素が位置するラインを読み飛ばし、次のラインがある場合は次のラインを走査し、次のラインがない場合は、S62にて、前記走査した画素で画像データが終了する(S62でYESである)と判定する(不図示)。
【0061】
前記走査した画素で画像データが終了しない場合(S62でNO)、制御部20は、処理をS52へ戻して、前記走査した画素の主走査方向の後画素を走査し、走査した画素が、間引くべきカラムに位置する間引き画素であるか否かを判定する。
【0062】
前記走査した画素で画像データが終了する場合(S62でYES)、制御部20は、画像記憶部21に記憶された画像データを、副走査方向へ走査して(S72)、走査した画素が、間引くべきラインに位置する間引き画素であるか否かを判定し(S73)、間引き画素である場合(S73でYES)、該間引き画素の副走査方向の後画素(x,y)を注目画素とする(S74)。ただし、S74にて、間引き画素の副走査方向の後画素も、間引くべきラインに位置する間引き画素である場合、制御部20は、前記後画素を間引き画素とし、該間引き画素の副走査方向の後画素(x,y)を注目画素とする(不図示)。
【0063】
制御部20は、画素値記憶部23に、画素(x,y)に等しい画素(X,Y)が記憶されているか否かを判定し(S75)、記憶されていない場合(S75でNO)、変数M=−1とし(S76)、画素(x+M,y−2)の画素値と注目画素(x,y)の画素値とを比較部22へ入力する(S77)。
次いで、制御部20は、比較部22から、画素値が等しいことを示す信号が入力されたか否か判定し(S78)、画素値が異なることを示す信号が入力された場合は(S78でNO)、変数M=1であるか否かを判定し(S79)、M≠1である場合は(S79でNO)、Mを1だけ増加させ(S80)、処理をS77へ戻して、画素(x+M,y−2)の画素値と注目画素(x,y)の画素値とを比較部22へ入力する。
【0064】
比較部22から制御部20へ、画素値が等しいことを示す信号が入力された場合(S78でYES)、制御部20は、画像記憶部21に記憶されている注目画素(X,Y)の画素値を反転する(S81)。
S81の処理の終了後、又は、変数M=1である場合(S79でYES)、制御部20は、処理をS72へ戻して、注目画素(x,y)の副走査方向の後画素を走査し、走査した画素が、間引くべきラインに位置する間引き画素であるか否かを判定する。
【0065】
画素値記憶部23に、画素(x,y)に等しい画素(X,Y)が記憶されている場合(S75でYES)、変数M=−1とし(S91)、画素(x+M,y−2)の画素値と注目画素(x,y)の画素値とを比較部22へ入力する(S92)。
次いで、制御部20は、比較部22から、画素値が等しいことを示す信号が入力されたか否か判定し(S93)、画素値が異なることを示す信号が入力された場合は(S93でNO)、変数M=1であるか否かを判定し(S94)、M≠1である場合は(S94でNO)、Mを1だけ増加させ(S95)、処理をS92へ戻して、画素(x+M,y−2)の画素値と注目画素(x,y)の画素値とを比較部22へ入力する。
【0066】
変数M=1である場合(S94でYES)、制御部20は、画素値記憶部23に、画素(X,Y)と組になって非反転情報が記憶されているか否かを判定し(S96)、記憶されている場合は(S96でYES)、画像記憶部21に記憶されている注目画素の画素値をそのままにし、また、画素値記憶部23に記憶されている非反転情報を消去する。次いで、制御部20は、処理をS72へ戻して、注目画素(x,y)の副走査方向の後画素を走査し、走査した画素が、間引くべきラインに位置する間引き画素であるか否かを判定する。
【0067】
比較部22から制御部20へ、画素値が等しいことを示す信号が入力された場合(S93でYES)、制御部20は、画素値記憶部23に、画素(X,Y)と組になって反転情報が記憶されているか否かを判定し(S97)、記憶されている場合は(S97でYES)、画像記憶部21に記憶されている注目画素の画素値を反転し(S98)、また、画素値記憶部23に記憶されている反転情報を消去する。次いで、制御部20は、処理をS72へ戻して、注目画素(x,y)の副走査方向の後画素を走査し、走査した画素が、間引くべきラインに位置する間引き画素であるか否かを判定する。
【0068】
S94でYESの場合(注目画素(x,y)の画素値をそのままにすべき場合)であって、画素値記憶部23に、画素(X,Y)と組になって反転情報が記憶されているとき(S96でNO)、又は、S93でYESの場合(注目画素(x,y)の画素値を反転すべき場合)であって、画素値記憶部23に、画素(X,Y)と組になって非反転情報が記憶されているとき(S97でNO)、主走査方向の連結防止処理の結果と副走査方向の連結防止処理の結果とが異なる。
この場合、制御部20は、乱数生成部24が生成した乱数を取得し、取得した乱数が偶数である場合は画素値「0」を選択し、奇数である場合は画素値「1」を選択し(S101)、画像記憶部21に記憶されている注目画素の画素値を、選択した画素値にする(S102)。このようにして、制御部20は、主走査方向及び副走査方向夫々に関して決定した画素値の内、一方を簡易に選択する。
【0069】
S102の処理の完了後、制御部20は、処理をS72へ戻して、注目画素(x,y)の副走査方向の後画素を走査し、走査した画素が、間引くべきラインに位置する間引き画素であるか否かを判定する。
走査した画素が、間引くべきラインに位置する間引き画素ではない場合(S73でNO)、制御部20は、前記走査した画素で画像データが終了するか否かを判定する(S82)。ただし、S73にて、前記走査した画素が、間引くべきカラムに位置する間引き画素である場合、該間引き画素の副走査方向の後画素も間引き画素であるため、制御部20は、前記走査した画素が位置するカラムを読み飛ばし、次のカラムがある場合は次のカラムを走査し、次のカラムがない場合は、S82にて、前記走査した画素で画像データが終了する(S82でYESである)と判定する(不図示)。
【0070】
前記走査した画素で画像データが終了しない場合(S82でNO)、制御部20は、処理をS73へ戻して、前記走査した画素の副走査方向の後画素を走査し、走査した画素が、間引くべきラインに位置する間引き画素であるか否かを判定する。
【0071】
前記走査した画素で画像データが終了する場合(S82でYES)、制御部20は、画素値記憶部23に記憶されている画素(X,Y)と反転情報又は非反転情報との組を用い、画像記憶部21に記憶されている画像データにおいて、反転情報と組になっている画素(X,Y)の画素値を反転し(S83)、非反転情報と組になっている画素(X,Y)の画素値をそのままにする。
最後に、制御部20は、画像記憶部21に記憶されている画像データの内、間引くべきライン及びカラムに位置する画素以外の画素を、主走査方向に順に読み出して、ページメモリ109へ入力することによって間引き処理を行ない(S84)、その完了後、画像処理を終了する。
【0072】
以上のような画像処理部2は、白画素/黒画素である注目画素が、間引き処理によって新たに白画素/黒画素と連結することを防止する連結防止処理を行なうことによって、白筋/黒筋の発生を防止している。
このため、注目画素が、主走査方向及び副走査方向の内、一方向のみに間引き画素と隣り合う場合、間引き処理の後に連結を生じるときは、注目画素の画素値が反転され、連結を生じないときは、注目画素の画素値がそのままにされる。
また、注目画素が、主走査方向及び副走査方向の内、両方向に間引き画素と隣り合う場合、両方向の間引き処理の後に関して連結を生じるときは、注目画素の画素値が反転され、連結を生じないときは、注目画素の画素値がそのままにされる。
【0073】
更に、注目画素が、主走査方向及び副走査方向の内、両方向に間引き画素と隣り合う場合、一方向の間引き処理の後に関して連結を生じ、他方向の間引き処理に関して連結を生じないときは、画素値「0」及び画素値「1」の内、一方をランダムに選択して注目画素の画素値とする。
このような画像処理部2は、注目画素と、該注目画素に間引き処理後に隣り合う3個の画素との4個の画素に注目して画像処理を行ない、主走査方向の連結防止処理の結果と副走査方向の連結防止処理の結果とが異なる場合は、一方の結果をランダムに選択するため、簡易に白筋/黒筋の発生を確実に防止している。また、間引き画素の決定方法自体に制限がないため、間引き画素の決定が簡易である。
【0074】
【発明の効果】
本発明の画像処理装置は、注目画素が、主走査方向(及び/又は副走査方向)の間引き処理によって、注目画素の8近傍の画素の内の主走査方向(及び/又は副走査方向)の前側又は後側に位置する3個の画素の内、1個以上の画素と連結する場合、注目画素の画素値を反転させる連結防止処理を行なう。
以上のような画像処理装置は、間引き処理による注目画素と該注目画素の前後画素及び斜め方向に位置する画素との連結を防止することができる。このため、間引き処理後の画像における左右方向(及び/又は上下方向)と斜め方向の白筋/黒筋の発生を防止することができる。
【0075】
また、間引き処理自体は、単純に画素を間引いていく処理である。このため、間引くべき画素を、例えばランダムに決定する繁雑な処理が不要である。また、画像処理装置は、間引くべき一の画素の8近傍以下の画素に注目して連結防止処理を行なうため、8近傍を超える画素に注目して画素の連結を防止する繁雑な処理が不要である。
即ち、本発明の画像処理装置によれば、簡易な装置構成で、間引き処理後の画像の画質を向上することができる。
【0076】
更に、主走査方向(又は副走査方向)の連結防止処理を行なってから副走査方向(又は主走査方向)の連結防止処理を行なうことによって、一方の決定結果のみを優先するため、主走査方向及び副走査方向の両方の連結防止処理を行なう場合、更に簡易な構成で、間引き処理後の画像の画質を向上することができる。
【0077】
また、主走査方向の連結防止処理によって決定される注目画素の画素値と、副走査方向の連結防止処理によって決定される注目画素の画素値との内、一方を選択して間引き処理後の注目画素の画素値とすることによって、主走査方向及び副走査方向の内の一方の画素値決定結果のみが優先されることがないため、主走査方向及び副走査方向の両方の連結防止処理を行なう場合、簡易な構成で、間引き処理後の画像の画質を更に向上することができる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る画像処理装置である画像処理部を備えるコピー機の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る画像処理部の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る画像処理部の主走査方向の画像処理手順を説明する模式図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る画像処理部の副走査方向の画像処理手順を説明する模式図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る画像処理部の画像処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態1に係る画像処理部の画像処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態2に係る画像処理装置である画像処理部の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係る画像処理部の画像処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態2に係る画像処理部の画像処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態2に係る画像処理部の画像処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
100 CPU
101 ROM
107 画像メモリ
108 第2CODEC
109 ページメモリ
1,2 画像処理部
10,20 制御部
11,21 画像記憶部
12,22 比較部
23 画素値記憶部
24 乱数生成部

Claims (3)

  1. 2値画像を構成している複数の画素の内、1又は複数の画素を間引くことによって画像を縮小する画像処理装置において、
    間引くべき一の画素の4近傍の画素の内、主走査方向又は副走査方向の順方向側若しくは逆方向側に位置する注目画素の画素値が、間引くべき画素を間引いた状態での前記注目画素の8近傍の画素の内、副走査方向(又は主走査方向)に連続して並ぶ3個の画素の夫々の画素値と等しいか否かを判定する判定手段と、
    前記注目画素の画素値が、前記3個の画素の内の1個以上の画素の画素値に等しい場合、前記注目画素の画素値を他の画素値に変換し、前記注目画素の画素値が、前記3個の画素の内の3個全ての画素の画素値と異なる場合、前記注目画素の画素値を該画素値のままにする画素値決定手段とを備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記判定手段は、主走査方向及び副走査方向の内、一方向に関して判定し、次いで、他方向に関して判定する手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記判定手段は、主走査方向及び副走査方向夫々に関して判定する手段を備え、
    前記画素値決定手段は、主走査方向及び副走査方向夫々に関して決定した画素値の内、一方を選択して前記注目画素の画素値とする手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
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