JP2006173955A - 画像処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 2値画像データに含まれる中間調領域と文字線領域とを判別する画像処理装置において、中間調領域と文字線領域との判別処理を正確に行うことができる画像処理装置を提供すること。
【解決手段】 本発明の画像処理装置1は、2値画像データにおいて、注目画素及びそれに隣接する複数の隣接画素を設定する設定手段18と、該設定手段18により設定された前記複数の隣接画素のうち、その画素値が前記注目画素の画素値と異なる隣接画素の数が所定値を超えるか否かに基づいて、前記注目画素が中間調領域の候補となる中間調候補画素であるか否かを判断する判断手段18と、該判断手段18により前記中間調候補画素と判断された画素との位置関係に基づいて、前記2値画像データの各画素が中間調領域内の中間調画素であるか又は文字線領域内の文字線画素であるかを判別する判別手段18と、を備える。
【選択図】 図2

Description

本発明は、画像処理装置に関し、詳しくは、2値化された原稿の画像データに対して像域判定を行う機能を備えた画像処理装置に関する。
従来より、コピー機、ファクシミリ装置等が具備する画像処理装置は、スキャナ等で読取られた原稿の多値画像データを2値化する場合、文字や線等の文字線領域については単純2値化し、グラフィックや写真等の中間調領域についてはディザ方式や誤差拡散方式等により2値化している。このようにして2値化された画像データ(以下、「2値画像データ」ともいう。)は、例えば、ファクシミリ送信等に使用される。
このように、ファクシミリ送信された2値画像データの画像を受信側の装置で用紙に記録する場合には、単純2値化された文字線領域とディザ方式や誤差拡散方式等により2値化された中間調領域とで画像処理を切り替えることが好ましい。しかし、ファクシミリ装置等が具備する従来の画像処理装置は、受信した2値画像データに含まれる各画素が中間調領域内の中間調画素であるか又は文字線領域内の文字線画素であるかを判別することができなかったため、受信した2値画像データに最適な画像処理を施すことができなかった。そのため、近年では、ファクシミリ受信した2値画像データの中間調領域と文字線領域とを判別する画像処理装置が考案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1の画像処理装置は、符号化された2値画像データの主走査方向1ライン分の画像データに含まれるターミネイティング符号の総数を計数し、計数したターミネイティング符号の総数が所定値を超えていれば、そのラインの画像データを中間調領域と判別し、総数が所定値以下であれば、文字線領域であると判別する。これは、中間調領域の方が文字線領域よりも黒画素から白画素又は白画素から黒画素に変化する変化量が多いことにより、ターミネイティング符号の数が中間調領域の方が文字線領域よりも多くなることを利用したものである。なお、ターミネイティング符号とは、MH(Modified Huffman)符号のランレングス(白画素又は黒画素の継続する長さ)が0から63までのものである。
特開平9−261459号公報
しかしながら、特許文献1の画像処理装置は、2値画像データに含まれる中間調領域と文字線領域とを判別する処理をライン単位で行うため、1ライン中に中間調領域と文字線領域とが両方含まれているにも関らず、いずれか一方の領域であると判別されてしまうおそれがあり、正確な判別処理を行うことができないという問題点があった。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、2値画像データに含まれる中間調領域と文字線領域とを判別する画像処理装置において、中間調領域と文字線領域との判別処理を正確に行うことができる画像処理装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の画像処理装置は、2値画像データを取得する取得手段と、該取得手段により取得した前記2値画像データにおいて、注目画素及びそれに隣接する複数の隣接画素を設定する設定手段と、該設定手段により設定された前記複数の隣接画素のうち、その画素値が前記注目画素の画素値と異なる隣接画素の数が所定値を超えるか否かに基づいて、前記注目画素が中間調領域の候補となる中間調候補画素であるか否かを判断する判断手段と、該判断手段により前記中間調候補画素と判断された画素との位置関係に基づいて、前記2値画像データの各画素が中間調領域内の中間調画素であるか又は文字線領域内の文字線画素であるかを判別する判別手段と、を備えることを特徴としている。
請求項2記載の画像処理装置は、請求項1記載の画像処理装置において、前記判別手段は、複数の前記中間調候補画素によって挟まれている画素を中間調画素であると判別することを特徴としている。
請求項3記載の画像処理装置は、請求項1又は2記載の画像処理装置において、前記判別手段は、複数の前記中間調画素によって挟まれている画素を中間調画素であると判別することを特徴としている。
請求項4記載の画像処理装置は、請求項1乃至3のいずれか1に記載の画像処理装置において、前記判別手段により中間調画素であると判別された画素について平均多値化処理を行うとともに、文字線画素であると判別された画素について単純多値化処理を行うことにより、前記2値画像データを多値化する多値化手段を更に備えることを特徴としている。
請求項5記載の画像処理装置は、請求項1乃至3のいずれか1に記載の画像処理装置において、前記判別手段により中間調画素であると判別された画素について単純拡大処理を行うとともに、文字線画素であると判別された画素について拡大スムージング処理を行うことにより、前記2値画像データを拡大する拡大処理手段を更に備えることを特徴としている。
請求項1記載の画像処理装置によれば、注目画素と画素値が異なる隣接画素の数が所定値を超えるか否かに基づいて、注目画素が中間調領域の候補となる中間調候補画素であるか否かを判断し、中間調候補画素と判断した画素との位置関係に基づいて、2値画像データを構成する各画素が中間調領域内の中間調画素であるか又は文字線領域の文字線画素であるかを判別するので、ライン単位ではなく、画素単位で中間調領域内の中間調画素であるか又は文字線領域内の文字線画素であるかを判別することができる。これにより、1ライン中に中間調領域と文字線領域とが両方含まれていても、それぞれの領域を正確に判別することができる。また、画素値が注目画素と異なる隣接画素の数、すなわち、主走査方向及び副走査方向の画像変化に基づいて判別処理を行うので、主走査方向の画像変化のみに基づいてライン単位で判別処理を行う従来の装置と比較して、より正確に判別処理を行うことができる。
請求項2記載の画像処理装置によれば、複数の中間調候補画素によって挟まれている画素を中間調画素であると判別するので、画素値が注目画素と異なる隣接画素の数のみに基づいて判別処理を行う場合に比べて、誤判別を生じにくくすることができる。これにより、中間調領域と文字線領域との判別処理をより正確に行うことができる。
請求項3記載の画像処理装置によれば、複数の中間調画素によって挟まれている画素を中間調画素であると判別するので、中間調領域と文字線領域との判別処理をより正確に行うことができる。
請求項4記載の画像処理装置によれば、中間調領域と文字線領域を判別し、中間調領域内の中間調画素については平均多値化処理、文字線領域内の文字線画素については単純多値化処理を行うので、2値画像データに対して、最適な画像処理を行うことができる。これにより、2値化処理により劣化した画像データを多値化してその画像を用紙に記録する場合に、美しい画像を記録することができる。
請求項5記載の画像処理装置によれば、中間調領域と文字線領域を判別して、中間調領域内の中間調画素については単純拡大処理、文字線領域内の文字線画素については拡大スムージング処理を行うので、2値画像データに対して、最適な画像処理を行うことができる。これにより、2値画像データを拡大してその画像を用紙に記録する場合に、より美しい画像を記録することができる。
以下、本発明の実施形態に係る画像処理装置を図面に基づいて説明する。この画像処理装置1は、図1に例示するように、制御部(MPU:Microprocessing Unit)2、ROM(Read Only Memory)3、RAM(Random Access Memory)4、原稿読取部5、コーデック6、符号メモリ7、ページメモリ8、ラインメモリ9、画像処理部10、記録部11、操作部12、表示部13、及び通信部14を備えたものであって、各部2乃至14はバス15によって通信可能に接続されている。
制御部2は、ROM3に格納された制御プログラムに従って、この画像処理装置1を構成する各部を制御する。RAM4は、制御部2の主メモリ、ワークエリア等として機能し、各種の設定情報等を記憶している。原稿読取部5は、原稿の画像データを読取って所定の出力先に出力するものであり、図示しないが、CCD(Charge Coupled Device)等のイメージセンサや光源等の光学系、フラットベッドスキャナ(FBS:Flat Bed Scanner)や原稿自動供給装置(ADF:Automatic Document Feeder)等の原稿供給機構、シェーディング補正、2値化処理等を行う画像処理回路等を有して構成されている。この原稿読取部5は、読取った原稿の多値画像データ、又は2値画像データを所定の出力先に出力する。
コーデック6は、コピーやファクシミリ送受信などのために画像データを符号化及び復号するものである。ここでは、原稿読取部5から出力された画像データをJPEG(Joint Photographic Experts Group)、MH(Modified Huffman)、MR(Modified Read)、MMR(Modified Modified Read)、JBIG(Joint Bi-level Image Group)方式等により符号化し、符号化された画像データ等を復号する。
符号メモリ7は、コーデック6によって符号化された画像データやファクシミリ受信した画像データを蓄積するものである。ページメモリ8は、原稿の多値画像データを蓄積する多値メモリ16、原稿の2値画像データを蓄積する2値メモリ17によって構成されている。ラインメモリ9は、原稿の2値画像データを所定ライン(主走査ライン)分蓄積するものである。
画像処理部10は、2値画像データの各画素が中間調領域内の中間調画素であるか又は文字線領域内の文字線画素であるかを判別する像域判定回路18と、像域判定回路18の判別結果に基づいて、2値画像データに含まれる各画素に多値化処理を行う多値化処理部19と、像域判定回路18の判別結果に基づいて、2値画像データに含まれる各画素に拡大処理を行う拡大処理部20とを備える。ここで、中間調領域とは、グラフィックや写真などの領域であり、文字線領域とは、文字や線などの領域である。
記録部11は、ページメモリ8から読み出された画像データの画像を用紙に記録するものである。この記録部11は、画素単位で光量調整可能なLED(Light Emitting Diode)ヘッドを有しており、原稿の多値画像データ及び2値画像データの双方の画像データの画像を用紙に記録することができる。なお、本実施形態に係る記録部11は、多値画像データの画像を用紙に記録するために、書込み光源としてLEDを用いたものであるが、レーザ光源を書込み光源として用いてもよい。
操作部12は、図示しないが、原稿読取部5に原稿の読取開始を指示するためのスタートキー、ファクシミリ番号やコピー部数等を入力するためのテンキー、各種設定を行うためのカーソルキーなど、表示部13と連動した各種操作キーを備えている。表示部13は、図示しないが、各種の設定状態や画像処理装置1の動作状態などを文字や図形などで表示する液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)、点灯又は消灯で表示するLEDランプなどを備えている。なお、液晶表示装置は、いわゆるタッチパネル式のものであり、操作部12に代えてこの液晶表示装置の画面をユーザが指等で触れることにより各種の操作を行うこともできる。
通信部14は、モデム21及びNCU(Network Control Unit)22を備えている。モデム21は、例えばITU−T(国際電気通信連合電気通信標準化部門)の勧告V.30規格又はこれと同様のものに従った送受信データの変調及び復調を行うものである。NCU22は、電話回線を制御して電話をかけたり、切ったりする回線網制御装置であり、PSTN(Public Switched Telephone Network)23に接続されている。制御部2は、この通信部14を制御して画像データのファクシミリ送受信を行うことができる。
上記構成を備えた画像処理装置1は、原稿読取部5で原稿から読取った画像データの画像を用紙に記録するコピー機能、外部装置(不図示)との間で原稿の画像データをファクシミリ送受信するファクシミリ通信機能を備えるとともに、2値画像データの各画素が中間調領域内の中間調画素であるか又は文字線領域内の文字線画素であるかを判別し、この判別結果に基づいて2値画像データに多値化処理を行って、その画像を用紙に記録する機能を備えている。まず、2値画像データの各画素が中間調領域内の中間調画素であるか又は文字線領域の文字線画素であるかを判別する処理について以下に説明する。
図2は、ラインメモリ9、像域判定回路18、及び多値化処理部19の構成例を示した図である。像域判定回路18は、例えば、符号メモリ7に蓄積された符号化された2値画像データに対する記録処理の開始命令などがあった場合に、上記の判別処理を行う。このとき、符号メモリ7に蓄積された符号化された2値画像データは、コーデック6に転送され、コーデック6は、この符号化された2値画像データを復号し、ページメモリ8の2値メモリ17に展開する。そして、2値メモリ17から読み出された2値画像データは、ラインメモリ9へと転送され、該ラインメモリ9に蓄積される。ここでは、ラインメモリ9は、5ライン分の2値画像データを蓄積する。なお、像域判定回路18は、ラインメモリ9に蓄積された3ライン分の2値画像データを用いて上記の判別処理を行うが、後述する多値化処理部19による多値化処理は、5ライン分の2値画像データを用いて行われる処理であるため、ラインメモリ9には5ライン分の2値画像データが蓄積される。
像域判定回路18は、ラインメモリ9に蓄積された2値画像データの各画素が中間調領域内の中間調画素であるか又は文字線領域内の文字線画素であるかを判別するために、まず、ラインメモリ9に蓄積された2値画像データにおいて、注目画素及びそれに隣接する複数の隣接画素を設定する。具体的には、図3(a)の左図に示すように、注目画素を設定し、この注目画素の主走査方向及び副走査方向に隣接する画素を隣接画素に設定する。なお、本実施形態においては、注目画素の主走査方向及び副走査方向に隣接する画素を隣接画素として設定するが、図3(a)の右図に示すように、注目画素に隣接する全ての画素を隣接画素として設定してもよい。
次に、像域判定回路18は、設定した複数の隣接画素のうち、その画素値が注目画素の画素値と異なる隣接画素の数が所定値を超えるか否かに基づいて、注目画素が中間調領域の候補となる中間調候補画素であるか否かを判断する。具体的には、まず、画素値が注目画素と異なる隣接画素の数を計数する。ここで、2値画像データの各画素の画素値は2値であるので、各画素の画素値は、「0」(白画素)又は「1」(黒画素)である。注目画素の画素値が「0」である場合は、画素値が注目画素と異なる隣接画素として、画素値が「1」である隣接画素の数を計数し、注目画素の画素値が「0」である場合は、画素値が「1」である隣接画素の数を計数する。例えば、図3(b)に示すように注目画素と隣接画素を設定した場合、画素値が注目画素と異なる隣接画素の数として「4」を計数することができる。また、同図(c)に示すように注目画素と隣接画素を設定した場合、画素値が注目画素と異なる隣接画素の数として「3」を計数することができる。ここでは、計数した数が所定値「2」を超える場合、すなわち、計数した数が「3」又は「4」である場合に、設定した注目画素が中間調領域の候補となる中間調候補画素であると判断し、所定値「2」以下である場合、すなわち、「0」〜「2」である場合に、設定した注目画素が中間調候補画素ではないと判断する。
例えば、図4(a)に示すパターン画像に含まれる各画素が中間調領域の候補となる中間調候補画素であるか否かを判断する場合、同図(b)に示すハッチングされた画素を中間調候補画素であると判断することができる。なお、本実施形態においては、注目画素が中間調候補画素であるか否かを判断する際に用いる所定値を「2」としたが、所定値は「2」に限定されるものではなく、例えば、所定値を「3」として注目画素が中間調候補画素であるか否かを判断するようにしてもよい。
像域判定回路18は、2値画像データの各画素が中間調領域の候補となる中間調候補画素であるか否かを判断した後、中間調候補画素と判断した画素との位置関係に基づいて2値画像データの各画素が中間調領域内の中間調画素であるか又は文字線領域内の文字線画素であるかを判別する。すなわち、複数の中間調候補画素によって挟まれている画素を中間調画素であると判別する。具体的には、図5(a)に示すような場合、注目画素は中間調候補画素であると判断した2の画素によって挟まれているので、この注目画素を中間調画素であると判別する。また、図5(a)に示す場合以外にも、同図(b)乃至(l)に示すような場合に、注目画素を中間調画素であると判別する。なお、図5は、中間調候補画素であると判断した2の画素によって挟まれている画素を中間調画素であると判別する場合について示しているが、当然、中間調候補画素であると判断した3以上の画素によって挟まれている画素も中間調画素として判別される。
例えば、図4(b)に示すハッチングされた画素を中間調候補画素であると判断している場合、同図(c)に示すハッチングされた画素を中間調画素であると判別する。
このように、像域判定回路18は、注目画素と画素値が異なる隣接画素の数が所定値を超えるか否かに基づいて、注目画素が中間調領域の候補となる中間調候補画素であるか否かを判断し、中間調候補の画素と判断した画素との位置関係に基づいて、2値画像データを構成する各画素が中間調領域内の中間調画素であるか又は文字線領域の文字線画素であるかを判別するので、ライン単位ではなく、画素単位で中間調領域内の中間調画素であるか又は文字線領域内の文字線画素であるかを判別することができる。また、画素値が注目画素と異なる隣接画素の数、すなわち、主走査方向及び副走査方向の画像変化に基づいて判別処理を行うので、主走査方向の画像変化のみに基づいてライン単位で判別処理を行う従来の装置と比較して、より正確に判別処理を行うことができる。また、複数の中間調候補画素によって挟まれている画素を中間調画素であると判別するので(図4(b)及び(c)参照)、画素値が注目画素と異なる隣接画素の数のみに基づいて判別処理を行う場合に比べて、誤判別を生じにくくすることができる。
続いて、像域判定回路18は、2値画像データの各画素が中間調領域内の中間調画素であるか又は文字線領域内の文字線画素であるかを判別した後、更に、複数の中間調画素によって挟まれている画素を中間調画素であると判別する。具体的には、中間調候補画素に基づいて中間調画素を判別した処理(図5参照)と同様に、中間調画素であると判別した複数の画素によって挟まれている画素についても中間調画素であると判別する。
例えば、図4(c)に示すハッチングされた画素を中間調画素であると判別している場合、これらの画素に加えて、同図(d)に示すハッチングされた画素を、更に、中間調画素として判別することができる。したがって、図4(a)に示したパターン画像においては、図4(c)に示す中間調画素に図4(d)に示す中間調画素を加えた、図4(e)に示すハッチングされた画素が中間調画素であると判別される。なお、中間調画素であると判別されなかった画素は、文字線領域内の文字線画素であると判別される。このようにして像域判定回路18が2値画像データの各画素が中間調領域内の中間調画素であるか又は文字線領域内の文字線画素であるかを判別した判別結果は、多値化処理部19に出力される。
このように、像域判定回路18は、複数の中間調候補画素によって挟まれている画素を中間調画素であると判別し(図4(b)及び(c)参照)、更に、複数の中間調画素によって挟まれている画素を中間調画素であると判別するので(図4(c)及び(d)参照)、中間調候補画素であると判断した画素をそのまま中間調画素とする場合に比べて、中間調領域と文字線領域との判別処理をより正確に行うことができる。
なお、本実施形態においては、複数の中間調画素によって挟まれている画素を中間調画素であると判別する処理を1度だけ行うが、この処理を繰り返し行うようにしてもよい。また、画素値が注目画素と異なる隣接画素の数が所定値を超える場合に注目画素を中間調候補画素であると判断するようにしたが、中間調候補画素であると判断した画素をそのまま中間調画素としてもよい。
次に、2値画像データに含まれる各画素に対して多値化処理部19で行われる多値化処理について説明する。なお、本実施形態においては、2値画像データを4ビット(「0」〜「15」)の多値画像データに多値化する場合について説明する。この多値化処理部19で行われる多値化処理は、例えば、コーデック6により復号されて2値メモリ17に展開された2値画像データを多値化して用紙に記録する場合に、像域判定回路18の判別処理と並行して行われる。多値化処理部19は、図2に示すように、単純多値化回路24、平均多値化回路25、及び選択回路26を備える。
単純多値化回路24は、ラインメモリ9から読み出された2値画像データに含まれる画素(2値画素)に単純多値化処理を行うものである。具体的には、2値画素の画素値が「0」である場合には、その画素値を「0」(最小値)に変換し、2値画素の画素値が「1」である場合には、その画素値を「15」(最大値)に変換することにより、多値化処理を行う。このようにして単純多値化回路24が単純多値化処理を行った画素は、選択回路26に出力される。
平均多値化回路25は、単純多値化回路24の処理動作と並行して、ラインメモリ9から読み出された2値画像データに含まれる画素に平均多値化処理を行うものである。具体的には、注目画素及びその近接画素の画素値を平均して多値化処理を行う。例えば、図6(a)に示すような注目画素に平均多値化処理を行う場合、注目画素を中心とする5×5画素の画素値を平均した値を、多値化した場合の注目画素の画素値とする。この場合、(N/26)×16の計算式で表される演算処理を行って注目画素の画素値を算出する。ここで、Nは各画素の画素値の総和であるが、2値画素の画素値は「0」又は「1」の2値であるので、Nは画素値が「1」である黒画素の数と同じになる。図6(a)に示す場合は、N=13であるので、平均多値化回路25は、(13/26)×16の演算を行って、画素値「8」を算出する。
また、各画素の画素値に例えば図6(b)に示すような重み係数を乗じた値を平均して、多値化処理を行うようにしてもよい。この場合、上記の計算式は、{(1×X+2×Y+3×Z)/(1×16+2×8+3×1)}×16、すなわち、{(1×X+2×Y+3×Z)/35}×16となる。ここで、Xは重み係数「1」がつけられた黒画素の数であり、Yは重み係数「2」がつけられた黒画素の数であり、Zは重み係数「3」がつけられた黒画素の数である。したがって、図6(a)に示す場合は、X=8、Y=4、Z=1であるので、平均多値化回路25は、{(1×8+2×4+3×1)/35}×16の演算を行って、画素値「9」を算出する。このようにして平均多値化回路25が平均多値化処理を行った画素は、選択回路26に出力される。
選択回路26は、前記像域判定回路18からの判別結果に基づいて、単純多値化回路24が出力した画素又は平均多値化回路25が出力した画素のいずれか一方を選択して記録部11に出力する。すなわち、像域判定回路18が文字線画素であると判別した画素に平均多値化処理を行うと、文字や線のつぶれが生じ、画質が劣化するので、像域判定回路18が文字線画素であると判別した画素については、単純多値化回路24が単純多値化処理を行った画素を記録部11に出力し、像域判定回路18が中間調画素であると判別した画素については、平均多値化回路25が平均多値化処理を行った画素を記録部11に出力する。
このように、多値化処理部19は、像域判定回路18により中間調画素であると判別された画素について平均多値化処理を行うとともに、文字線画素であると判別された画素について単純多値化処理を行うことにより、2値画像データを多値化する。これにより、2値画像データに対して、最適な画像処理を行うことができるとともに、2値化により劣化した画像データを多値化してその画像を記録部11で用紙に記録する場合に、より美しい画像を記録することができる。
ここまでは、2値画像データの各画素が中間調領域内の中間調画素であるか又は文字線領域内の文字線画素であるかを判別し、この判別結果に基づいて2値画像データに多値化処理を行って記録処理を行う場合について説明した。以下、2値画像データの各画素が中間調領域内の中間調画素であるか又は文字線領域内の文字線画素であるかを判別し、この判別結果に基づいて2値画像データに拡大処理を行って、その画像を用紙に記録する場合について説明する。なお、2値画像データの各画素が中間調領域内の中間調画素であるか又は文字線領域内の文字線画素であるかを判別する処理は、上記した像域判定回路18によって行われる処理であるので、説明を省略する。
図7は、ラインメモリ9、像域判定回路18、及び拡大処理部20の構成例を示した図である。図示するように、拡大処理部20は、単純拡大回路27、拡大スムージング回路28、及び選択回路29を備える。拡大処理部20による2値画像データの拡大処理は、例えば、コーデック6により復号されて2値メモリ17に展開された2値画像データに拡大処理を行って記録する場合に、像域判定回路18の判別処理と並行して行われる。なお、像域判定回路18による判別処理、及び拡大処理部20による拡大処理は、3ライン分の2値画像データを用いて行われる処理であるため、ここでは、ラインメモリ9に3ライン分の2値画像データが蓄積される。
単純拡大回路27は、ラインメモリ9から読み出された2値画像データに含まれる画素に単純拡大処理を行うものである。例えば、図8に示すパターン画像aの中央の画素を2倍拡大する場合、画素を主走査方向及び副走査方向に単純に2倍したパターン画像bを生成する。このようにして単純拡大回路27が単純拡大処理を行った画素は、選択回路29に出力される。
拡大スムージング回路28は、前記単純拡大回路27の処理動作と並行して、ラインメモリ9から読み出された2値画像データに含まれる画素に拡大スムージング処理を行うものである。例えば、図8に示すパターン画像aの中央の画素を2倍拡大スムージング処理した場合、パターン画像cを生成する。このようにして拡大スムージング回路28が拡大スムージング処理を行った画素は、選択回路29に出力される。
選択回路29は、像域判定回路18からの判別結果に基づいて、単純拡大回路27が出力した画素又は拡大スムージング回路28が出力した画素のいずれか一方を選択して記録部11に出力する。すなわち、像域判定回路18が中間調画素であると判別した画素に拡大スムージング処理を行うと、画素が補われて画質の劣化が生じるので、像域判定回路18が中間調画素であると判別した画素については、単純拡大回路27が単純拡大処理を行った画素を記録部11に出力し、像域判定回路18が文字線画素であると判別した画素については、拡大スムージング回路28が拡大スムージング処理を行った画素を記録部11に出力する。例えば、図8に示したパターン画像aの中央の画素が中間調画素であると像域判定回路18が判別した場合には、パターン画像bを記録部11に出力し、パターン画像aの中央の画素が文字線画素であると像域判定回路18が判別した場合には、パターン画像cを記録部11に出力する。
このように、拡大処理部20は、像域判定回路18により中間調画素であると判別された画素について単純拡大処理を行うとともに、文字線画素であると判別された画素について拡大スムージング処理を行うことにより、2値画像データを拡大する。これにより、2値画像データに対して、最適な画像処理を行うことができるとともに、2値化により劣化した画像データを拡大してその画像を記録部11で用紙に記録する場合に、より美しい画像を記録することができる。
なお、本実施形態で示した画像処理装置1の構成は、本発明に係る画像処理装置の一態様にすぎず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で適宜設計変更できることは勿論であり、2値化された原稿の画像データに対して像域判定を行う機能を備えた装置であれば、例えば、コピー機や複合機としても実現可能である。
本発明は、例えば、2値画像データに含まれる中間調領域と文字線領域とを判別する画像処理装置に適用することができる。
本発明の実施形態に係る画像処理装置の構成例を示したブロック図である。 ラインメモリ、像域判定回路、及び多値化処理部の構成例を示した図である。 注目画素が中間調候補画素であるか否かを判断する処理を説明するための図である。 中間調領域内の中間調画素であるか又は文字線領域内の文字線画素であるかを判別する処理を説明するための図である。 中間調候補画素に基づいて中間調画素であるか否かを判別する処理を説明するための図である。 平均多値化処理を説明するための図である。 ラインメモリ、像域判定回路、及び拡大処理部の構成例を示した図である。 単純拡大処理及び拡大スムージング処理を説明するための図である。
符号の説明
1 画像処理装置
2 制御部
3 ROM
4 RAM
5 原稿読取部
10 画像処理部
11 記録部
14 通信部
18 像域判定回路
19 多値化処理部
20 拡大処理部
24 単純多値化回路
25 平均多値化回路
26、29 選択回路
27 単純拡大回路
28 拡大スムージング回路

Claims (5)

  1. 2値画像データを取得する取得手段と、該取得手段により取得した前記2値画像データにおいて、注目画素及びそれに隣接する複数の隣接画素を設定する設定手段と、該設定手段により設定された前記複数の隣接画素のうち、その画素値が前記注目画素の画素値と異なる隣接画素の数が所定値を超えるか否かに基づいて、前記注目画素が中間調領域の候補となる中間調候補画素であるか否かを判断する判断手段と、該判断手段により前記中間調候補画素と判断された画素との位置関係に基づいて、前記2値画像データの各画素が中間調領域内の中間調画素であるか又は文字線領域内の文字線画素であるかを判別する判別手段と、を備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記判別手段は、複数の前記中間調候補画素によって挟まれている画素を中間調画素であると判別することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  3. 前記判別手段は、複数の前記中間調画素によって挟まれている画素を中間調画素であると判別することを特徴とする請求項1又は2記載の画像処理装置。
  4. 前記判別手段により中間調画素であると判別された画素について平均多値化処理を行うとともに、文字線画素であると判別された画素について単純多値化処理を行うことにより、前記2値画像データを多値化する多値化手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載の画像処理装置。
  5. 前記判別手段により中間調画素であると判別された画素について単純拡大処理を行うとともに、文字線画素であると判別された画素について拡大スムージング処理を行うことにより、前記2値画像データを拡大する拡大処理手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載の画像処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015139180A1 (zh) * 2014-03-17 2015-09-24 富士通株式会社 图像编码方法、装置以及图像处理设备

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