JP3825517B2 - 薄膜製造装置用噴霧ノズル弁 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は有機系光学薄膜等の製造装置に於いて利用されるものであり、ノズルの開度や流体圧力の調整により噴霧流量及び又は噴霧形態を制御して基板上に均一な厚みの薄膜を、詰まり等のトラブルを生ずることなく高能率で形成できるようにした薄膜製造装置用噴霧ノズル弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
オプトエレクトロニクス技術関係の光機能光学薄膜や電子技術関係の光機能薄膜等の形成には、従前から様々な技術が開発されている。
中でも、無機物質又は有機物質を溶媒若しくは分散媒内へ溶解又は分散させ、これ等を噴霧ノズルから高真空容器内へ噴霧して基板上に堆積させたあと、この堆積層を加熱処理するようにした薄膜形成方法は、高機能複合型光学薄膜の製造方法として優れた方法であり、実用化へ向けての開発が進められている(特開平7−252670号、特開平7−252671号等)。
【0003】
図10及び図11は、上記特開平7−252670号等の実施に於いて利用されているニードル弁型の噴霧ノズル弁の一例を示すものであり、図10及び図11に於いて31はバルブボディ、32は真空容器、33はノズル部、34は金属ダイヤフラム弁体、35はシャフト、36はダイヤフラム押え、37はノズル孔、38は流体通路、39は流体、40はスプリング、41はスプリング受座、42はマイクロメータである。
【0004】
前記ねじ込みタイプのバルブボディ31は真空度が1×10-4Pa程度の真空容器32内へノズル部33を対向せしめた状態で気密に固着されており、マイクロメータ42を調整することにより金属ダイヤフラム弁体34の上・下方向位置が設定され、噴霧ノズル弁は所定の弁開度に保持される。
即ち、ノズル孔37の口径φ1 と長さLは、図11に示す如くφ1 =20μm、L=0.1mmに、また使用時に於けるダイヤフラム弁体34とノズル孔端面との間隙L0 は、約0.1〜0.2mmに夫々設定されている。
【0005】
貯留タンク(図示省略)から約30〜100kg/cm2 程度の一定圧でもって供給されてくる流体39(例えば、有機系光学材料を溶解させた溶液若しくは有機系光学材料を分散させた分散液)は、流体通路38、間隙L0 、ノズル孔37を通して真空容器32内へ噴霧され、約数分間の噴霧によってシリコンやセラミックス等の基板(図示省略)の上に約0.5〜10μm程度の厚さの流体堆積物が形成される。
【0006】
前記図10に示す噴霧ノズル弁は、金属ダイヤフラム弁体34の開度調整によって流体の流量制御が容易にでき、優れた実用的効用を奏するものである。
しかし乍ら、前記図10の噴霧ノズル弁には、流体39内へ混入したごみ等のパーティクルに起因する詰まりを避けることができないと云う難点が存在する。
【0007】
即ち、図10の噴霧ノズル弁では、基板上への流体の堆積速度の点から流体の噴出流量を約100μl/min程度に調整する必要があり、この点からノズル孔37の孔径φ1 を20μm程度に選定している。そのため、流体39内へ噴霧ノズル弁の内部に於いて発生した粉塵や、流体供給装置等の内部で発生した粉塵が入り込むと、これ等の粉塵が核となってノズル孔37に詰まりが発生することになり、現実の作動テストに於いても、流体39を構成する原素材や混入した粉塵が原因となって発生する詰まりは、防止することができない状態にある。
【0008】
何故なら、ノズル孔37は、口径φ1 が前述の通り約20μm程度の小孔であり、且つ長さLが約0.1mm程度もある円柱状の穴であるため、一旦粉塵パーティクルがノズル孔37の内部へ噛み込むと、後続する流体流によってパーティクルが自然に外れることは殆ど無く、噛み込んだパーティクルを核としてこの近傍に後続流体39が堆積し、直ちにノズル孔37が詰まることになる。
尚、ノズル孔37の長さLを0.1mmより相当短くすれば、流体39内に粉塵パーティクルが混入していても、この粉塵パーティクルが噛み込む度合いはより少なくなる。しかし、前記長さL(厚み)を小さくすると、流体圧力が高いこととも相俟ってノズル孔37の口径が不安定となるため、約0.1mm以下とすることはできない状態にある。
【0009】
また、ノズル孔37の口径φ1 が約20μmと極めて小孔であるため、その加工が著しく困難であるだけでなく、一旦ノズル孔37に詰まりを生ずると、その補修に著しく手数がかかるうえ、補修後のノズル口径φ1 が変化して噴霧パターンが大きく変わる等、実用上様々な支障を生ずることになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は従前の薄膜製造装置用噴霧ノズル弁に於ける上述の如き問題、即ち▲1▼流体内へ混入した粉塵等に起因する詰まりを有効に防止することができないこと、▲2▼製造コストの引き下げが困難なうえ、一度詰まりを生ずるとその補修に著しく手数がかかること、及び▲3▼詰まりの補修後のノズル口径φ1 が変化することにより、流体の噴霧パターンが大きく変わること、等の問題を解決せんとするものであり、混入した粉塵等による詰まりが生ぜず、安価に製造でき、しかも高精度な流量制御と噴霧パターン制御を行えるようにした薄膜製造装置用噴霧ノズル弁を提供せんとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、高真空容器の平面状の壁に固定され、薄膜形成用流体Aを高真空容器内へ噴霧することにより基板上に流体の堆積層を形成する薄膜製造装置用噴霧ノズル弁に於いて、平面状の底面を備え、当該平面状の底面を高真空容器の前記平面状の壁の内表面の近傍に位置せしめて高温真空容器の壁面に固定したバルブボディ1と、当該バブルボディ1に穿設され、上方が開放されると共に薄い肉厚tの底面を有する凹状の弁室14と、前記弁室14の薄い肉厚tの底面に設けられ、傾斜角α 2 の逆円錐状の内周面16aを有すると共に、高温真空容器内と連通する内径φ 1 の最小口径部を有する逆錐台状の流体噴出口16と、バルブボディ1に穿説されて弁室14の最下部へ開口する流体導入路15と、前記流体噴出口16と同心円状に配設されて弁室14内へ上・下動自在に挿入され、先端部6aの端面が平面状で且つその外周面を、前記流体噴出口16の内周面16aに接・離可能な前記流体噴出口16と同一の傾斜角の逆円錐面とすると共に、前記先端部の端面の外径を、流体噴出口16の最小部の内径φ 1 と同一としたディスク6と、ディスク6を上方へ附勢する弾性体7と、ディスク6の上方に配置され、前記弾性体7の弾力に抗してディスク6を下方へ押圧するスライドステム10及び回動ステム11から成るステム9と、ステム9を形成する回動ステム11に固定され、その回動によりスライドステム10を下降させるハンドル12とより構成したことを発明の基本構成とするものである。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、弁室14の底面の肉厚tの厚さを2mmにすると共に、流体噴出口16の最小部の内径φ1を5mmにするようにしたものである。
【0013】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、バルブボディ1を高圧真空容器の平面状の壁へ気密状にねじ込み固定するようにした請求項1に記載の薄膜製造装置用噴霧ノズル弁。
【0014】
請求項4の発明は、請求項1の発明において、高圧真空容器の平面状の壁へ固定したバルブボディ1の底面と、高圧真空容器の平面状の壁面の内表面とを面一状とするようにしたものである。
【0015】
請求項5の発明は、請求項1の発明において、流体噴出口の内周面16aとディスク先端部6aの外周面との間隙G1及び又は流体導入路15内へ圧入する流体Aの圧力を制御することにより、流体Aの噴霧量及び又は噴霧パターンを調整するようにしたものである。
また、請求項6の発明は、請求項1の発明において、弁室14の上方開口を内周縁部をディスク6の外周面へ溶着した鍔状のダイヤフラム2により密封する構成としたものである。
【0016】
前記バルブボディ1は、ステンレス鋼等の金属材により略四角柱状に形成されており、中央部には上方が開放された凹状の弁室14が穿設されている。
また、弁室14の平らな底面14aには、弁座を構成する傾斜角α2 を約60°とした逆円錐台状の流体噴出口16が穿設されており、後述するように、当該流体噴出口16と、弁体を構成する同じ傾斜角α1 を備えた逆円錐状の外周面を有するディスク先端部6aとによって噴霧ノズル弁の弁部が形成されている。
尚、本実施態様に於いては、流体噴出口16の最小部の内径φ1 を5mmφ、弁室14の底面の厚さtを2mmに設定している。
【0017】
前記シール用ダイヤフラム2は、ステンレス鋼、インコネル(商標名)、形状記憶合金等の金属製薄板により鍔状に形成されており、その内周縁側は挿通せしめたディスク6の外面へ気密に溶接されている。
また、当該シール用ダイヤフラム2の外周縁は、ボンネットナット5の締め込みにより、押えアダプタ3を介してボンネット4の下面とボデイ1との間で気密に挾圧保持されている。
尚、図1の第1実施態様ではダイヤフラム2を用いて弁室4の上方開口を密封するようにしているが、ダイヤフラム2の使用を省いて、後述するOリング17,18のみによってシール性を確保するようにしてもよい。
【0018】
前記ボンネット4は、筒状に形成されており、ボディ1内へ挿入される下部の内径は太径に形成され、ディスク6の収容部4aとなっている。又ボンネット4の中央部の内径はやや細径に形成され、後述するスライドステム10のガイド部4bとなっている。更に、ボンネット4の上部の内径はやや太径に形成され、その内周面には後述する回動ステム11が螺合する雌ねじ部4cが形成されており、本実施例では、雌ねじ部4cのねじピッチは、0.55mmに設定されている。
【0019】
当該ボンネット4は、その下部がボディ1の弁室14内に挿入され、ボンネットナット5を締込むことにより、ボディ1側へ押圧固定されている。尚、ボンネット4の上部外周面には筒状のインジケータ19が嵌合され、ボンネット4の上部に螺着した袋ナット20により抜け止めされている。
【0020】
前記ディスク6はステンレス鋼(SUS316)によりほぼ円柱状に形成されており、ボディ1の弁室14内へ上方より上・下動自在に挿入されている。
当該ディスク6の先端部6aは、前述の通りその外周面が傾斜角α1 が約60°の逆円錐面に形成されており、弁座を構成する流体出口16内方へ下降して逆円錐台型の流体出口の内周面16aへ接当することにより、噴霧ノズル弁は閉鎖状態となる。
また、当該ディスク6は弾性体7によって開弁方向へ附勢されており、且つ前記ダイヤフラム2によるシール以外にOリング17、18によっても2段に弁室14との間がシールされている。
【0021】
前記流体供給管8はバルブボディ1の上面側に立設されており、流体導入路15を通して弁室14の最低部へ流体Aを供給する。
尚、流体導入路15の下方端部はディスク先端部6aと弁室14の底面14aとの空隙G内へ開放されており、流体Aは当該空隙G内へ直接圧入される。
【0022】
前記ステム9は、ボンネット4及び弁室14内に昇降自在に挿入され、ディスク6を下方へ押圧してその先端部6aを流体噴出口16の周面へ当座させるものであり、スライドステム10と回動ステム11とから構成されている。
【0023】
即ち、前記スライドステム10は、中空状を呈し、ボンネット4のガイド部4bに廻り止めした状態で昇降且つ摺動自在に挿入されて居り、その下端面がディスク6の上端面に当接している。
尚、本実施態様では、スライドステム10は、その外周面に形成した縦向のガイド溝10b内へ、ボンネット4に螺着した廻り止めねじ21の先端部を係合させることにより、ボンネット4に対して廻り止めされた状態で昇降動するようになっている。
又、当該スライドステム10の内周面にはボンネット4の雌ねじ部4cのねじピッチよりも小さいねじピッチの雌ねじ部10a(ピッチ=0.5mm)が形成されている。
【0024】
一方、回動ステム11は、内側の軸状の第1部材11′と外側の筒状の第2部材11″とを一体的に連結固定したものであり、スライドステム10の上方にこれと同軸芯状に配設され、上部をボンネット4から上方へ突出せしめた状態でボンネット4へ昇降自在に取付けられている。
具体的には、第1部材11′は、中間部にテーパ部11bを有する軸状を呈し、下部外周面にスライドステム10の雌ねじ部10aへ螺合する第1雄ねじ部11a(ピッチ0.5mm)が形成されている。又、第2部材11″は筒状を呈し、下部外周面にボンネット4の雌ねじ部4cへ螺合する第2雄ねじ部11c(ピッチ0.55mm)が形成されている。
当該第1部材11′と第2部材11″とは、第1部材11′の上部を第2部材11″に挿通して第2部材11″の上方へ突出せしめ、この部分を固定用ナット22で締め込むことによって、一体的に連結固定されており、回動ステム11を回転して下降させたときにはスライドステム10も下降する。
【0025】
前記ハンドル12は、回動ステム11の上部にハンドル固定用ねじ23により固定されて居り、下端部がインジケータ19の外周面に沿って回転且つ昇降動する。これにより噴霧ノズル弁の開度や流量調整度が直読される。
【0026】
前記ストッパー13は回動ステム11の第2部材11″の上部外周面に嵌合され、ストッパー固定ねじ24により第2部材11″へ固定されて居り、噴霧ノズル弁の全閉時に袋ナット20の上面に当接してステム9の下降を規制するものである。
【0027】
次に、本発明に係る噴霧ノズル弁の作用について説明する。
ハンドル12を開弁方向へ廻すと、ハンドル1回転(回動ステム11の1回転)につきねじ部11cとねじ部11aのピッチ差だけスライドステム10が上昇し、ディスク先端部6aが流体噴出口16の内周面16a(弁座)から離れることにより、噴霧ノズル弁が開弁される。
【0028】
図4は、図1の噴霧ノズル弁の弁部の拡大図であり、流体導入路15を通して間隙G内へ約30〜100kg/cm2 の圧力で圧入された流体A(例えば有機色素、高分子樹脂等を含有する有機溶媒)は、弁体6aと弁座16aのリング状の間隙G0 を通して流体噴出口16へ到達し、微小液滴となって真空容器(図示省略)内へ噴霧されて行く。
而して、流体噴霧用ノズルを従前と同様に口径20μm、長さ0.1mm相当のものとした場合には、前記弁座部の間隙G0 は、φ1 =5mmφとした場合約4.5μm(G0 ≒G1 )となり、間隙寸法としては従前のノズル口径φ=20μmよりも小さくなる。
【0029】
しかし、流体Aの噴出口が直径5mm以上のリング状となっているため、万一間隙G0 の中途に於いて1個又は複数個のごみ等が噛み込んだとしても、これによってリング状の流体噴出口の全体が閉鎖されてしまうことは無く、残りの開口断面部分を通して流体Aの噴出が行なわれる。
また、噛み込んだ粉塵パーティクル等も、噴出口の断面がリング状であるため間隙G0 内を円周方向へ比較的容易に移動することができる。その結果、流体Aの圧力が30〜100kg/cm2 の高圧であることと相俟って、一旦粉塵パーティクルが噛み込んでも比較的容易に外れることになり、従来例の噴霧ノズル弁の場合とは異なって殆ど詰まりを生ずることなしに、円滑に連続的な流体噴霧を行うことが可能となる。
【0030】
また、流体噴出口(弁座)16やディスク先端部(弁体)6aの外形寸法φが約5mmほどあるため、その加工精度を上げることが比較的容易となり、従前の口径φ1 =20μmのノズル口を穿設する場合に比較して噴霧ノズル弁の製作コストの大幅な削減が可能となる。
【0031】
図5は本発明の第2実施態様に係る噴霧ノズル弁の弁部の拡大断面図であり、ディスク先端部(弁体)6aの最先端に段部6a′を設けたものである。
図5のようにディスク6の最先端部に段部6a′を設けると、間隙G0 の部分の流体通路の長さt′が図1の場合の長さtよりも小さくなる。その結果間隙G0 の流体通路内に於ける流体の圧力低下が減少し、真空容器内への流体Aの噴霧パターンがより安定したものとなり、製品の品質向上が可能となる。
【0032】
図6は本発明の第3実施態様に係る噴霧ノズル弁の弁部の拡大断面図であり、ディスク先端部(弁体)6aの外周面の傾斜角α1 を流体噴出口(弁座)16の内周面16aの傾斜角α2 より大きくし、弁座16aと弁体6aとを線接当させる構成としたものである。
当該第3実施態様に於いては、最狭の間隙G1 の下流側は開放されているため、粉塵パーティクル等の詰まりがより発生し難くくなるうえ、間隙G0 内に於ける流体の圧力損失も少なくなり、より安定した噴霧パターンが得られることになる。
【0033】
図7は、本発明の第4実施態様に係る噴霧ノズル弁の弁部の拡大断面図であり、前記図6の場合とは逆に、ディスク先端部(弁体)6aの外周面の傾斜角α1 を流体噴出口(弁座)16の内周面16aの傾斜角α2 より小さくし、弁座16aと弁体6aとを線接当させる構成としたものである。
当該第4実施態様に於いては、最狭の間隙G1 より下流側の間隙G2 が順次大きくなっていくため、混入した粉塵パーティクル等の詰まりがより発生し難くなるうえ、万一パーティクルが噛み込んでも、後続する流体流によってより容易に外れることになる。
【0034】
本発明の噴霧ノズル弁に於いては、流体噴出口16からの流体の噴霧量の制御は、流体圧力と間隙G1 (又はG0 )の調整とによって行われ、流体圧力を一定とした場合には間隙G1 (又はG0 )に比例した形で噴霧量が増大する。
また、流体噴出口16から真空容器内への流体の噴霧パターンは流体圧力と間隙G1 (又はG0 )の調整によって変えることができ、例えば、間隙G1 (又はG0 )を一定にして流体圧力を上昇せしめた場合には、円錐状の噴霧パターンの拡がり角度が順次大きくなる傾向にある。
【0035】
尚、前記図1に於いては、詰まりを防止するためにディスク先端部(弁体)6aを上・下方向及び又は左右方向へ高周波微動させる構成とはしていないが、図8及び図9の如き構成とすることにより弁体6aを上・下方向及び又は左右方向へ高周波微動させるようにしてもよい。
即ち、図8は本発明の第5実施態様に係る噴霧ノズル弁の弁部の一部を示す縦断面図であり、ディスク6の上方部にピエゾ素子挿入孔6bが穿設されており、ここにピエゾ素子25が挿着されている。また、ピエゾ素子の上端面にはステム9の下端面が接当しており、ピエゾ素子25の上方への移動が阻止されている。
而して、ピエゾ素子25へ高周波電力が入力されると、これによってピエゾ素子25は振動的に伸長・短縮を繰り返し、その結果ディスク6は上・下方向へ高周波微動することになる。
また、ピエゾ素子25への入力電圧のバイアスを調整することにより、ピエゾ素子の伸長量が調整され、これによってディスク6の上・下方向の静止位置が微調整されることになる。
【0036】
図9は本発明の第6実施態様に係る噴霧ノズル弁の一部を示す縦断面図であり、ディスク6の先端部6aをディスク6から分離すると共に、先端部6aをディスク6の下端へ水平方向(左右方向)へ摺動自在に気密に取付け、更に、該ディスク先端部6aの側面にピエゾ素子25を連結杆26を介してディスク先端6aが上下方向へ移動自在に連結する構成としたものである。
ピエゾ素子25へ高周波電力が入力されると、ピエゾ素子25は振動的に伸長・短縮を繰り返し、これによりディスク先端部(弁体)6aは左・右方向へ高周波微動される。
また、ピエゾ素子25への入力電圧のバイアスを調整することにより、弁体6aの水平方向の静止位置が微調整されることになる。
尚、前記弁体6aの高周波微動方式としては、ピエゾ素子の圧電力を利用する方式の他に、超音波振動を利用する方式等を利用してもよいことは勿論である。
【0037】
【発明の効果】
本発明は上述の通り、流体噴出口(弁座)を逆円錐状の内周面を有する開口とすると共に、流体噴出口の内周面へ接・離可能に逆円錐形又は逆円錐台形のディスク先端部(弁体)を挿入すると共に、流体噴出口(弁座)の近傍へ導入した高圧流体を断面がリング状の流体通路間隙G0 (又はG1 )を通して真空容器内へ噴出する構成としている。
その結果、万一粉塵パーティクル等が間隙G0 (又はG1 )内に噛み込んでも、流体通路の全面が閉鎖されるようなことにはならず、後続して流体の噴霧を行うことができると共に、粉塵パーティクルの円周方向への移動が可能なため、噛み込んだパーティクルが後続流体によって自然に外れることになり、結果として円滑な流体の連続噴霧が可能となる。
また、弁体を上・下方向及び又は左右方向へ高周波微動させることにより、流体通路の詰まりほぼ完全に防止されることになり、円滑な連続噴霧を行うことが可能となる。
【0038】
また、流体噴出口やディスク先端部の外形寸法を比較的大きく選定できるため、加工精度を上げ易いうえ部材の加工や組立自体も容易となる。その結果、噴霧ノズル弁の製造コストの大幅な引き下げが可能となる。
【0039】
更に、噴霧ノズル弁の開度G0 (又はG1 )及び圧力の調整により、高濃度な所謂有機ナノパーティクル光薄膜製造用流体を約100μl/min程度の微小流量と望ましい噴霧パターンでもって真空容器内へ噴霧することができるうえ、弁体6aの引き上げによって流体噴出口の清掃も簡単に行うことができ、本発明は優れた実用的効用を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る噴霧ノズル弁の縦断面図である。
【図2】図1の側面図である。
【図3】図1の底面図である。
【図4】図1のディスク先端部(弁体)の拡大断面図である。
【図5】第2実施態様に係る噴霧ノズル弁のディスク先端部(弁体)の拡大断面図である。
【図6】第3実施態様に係る噴霧ノズル弁のディスク先端部(弁体)の拡大断面図である。
【図7】第4実施態様に係る噴霧ノズル弁のディスク先端部(弁体)の拡大断面図である。
【図8】第5実施態様に係る噴霧ノズル弁の一部を示す縦断面図である。
【図9】第6実施態様に係る噴霧ノズル弁の一部を示す縦断面図である。
【図10】従前の噴霧ノズル弁の縦断面図である。
【図11】図10の弁体部分の拡大図である。
【符号の説明】
Aは薄膜形成用流体、α1 はディスク先端外周面の傾斜角、α2 は流体噴出口内周面の傾斜角、G0 、G1 は間隙、φ1 は流体噴出口の最小内径、tは弁室底面の厚さ、1はバルブボディ、2はシール用ダイヤフラム、3は押えアダプター、4はボンネット、5はボンネットナット、6はディスク、6aはディスク先端部(弁体)、7は弾性体、8は流体供給管、9はステム、10はスライドステム、11は回動ステム、12はハンドル、13はストッパー、14は弁室、15は流体導入路、16は流体噴出口(弁座)、16aは内周面、17はOリング、18はOリング、19はインジケータ、20は袋ナット、21は廻り止めねじ、22は固定用ナット、23はハンドル固定ねじ、24はストッパー固定ねじ、25はピエゾ素子、26は連結部材。

Claims (6)

  1. 高真空容器の平面状の壁に固定され、薄膜形成用流体Aを高真空容器内へ噴霧することにより基板上に流体の堆積層を形成する薄膜製造装置用噴霧ノズル弁に於いて、平面状の底面を備え、当該平面状の底面を高真空容器の前記平面状の壁の内表面の近傍に位置せしめて高温真空容器の壁面に固定したバルブボディ(1)と、当該バブルボディ(1)に穿設され、上方が開放されると共に薄い肉厚(t)の底面を有する凹状の弁室(14)と、前記弁室(14)の薄い肉厚(t)の底面に設けられ、傾斜角(α 2 )の逆円錐状の内周面(16a)を有すると共に、高温真空容器内と連通する内径φ 1 の最小口径部を有する逆錐台状の流体噴出口(16)と、バルブボディ(1)に穿説されて弁室(14)の最下部へ開口する流体導入路(15)と、前記流体噴出口(16)と同心円状に配設されて弁室(14)内へ上・下動自在に挿入され、先端部(6a)の端面が平面状で且つその外周面を、前記流体噴出口(16)の内周面(16a)に接・離可能な前記流体噴出口(16)と同一の傾斜角の逆円錐面とすると共に、前記先端部の端面の外径を、流体噴出口(16)の最小部の内径φ 1 と同一としたディスク(6)と、ディスク(6)を上方へ附勢する弾性体(7)と、ディスク(6)の上方に配置され、前記弾性体(7)の弾力に抗してディスク(6)を下方へ押圧するスライドステム(10)及び回動ステム(11)から成るステム(9)と、ステム(9)を形成する回動ステム(11)に固定され、その回動によりスライドステム(10)を下降させるハンドル(12)とより構成したことを特徴とする薄膜製製造装置用噴霧ノズル弁。
  2. 弁室(14)の底面の肉厚(t)の厚さを2mmにすると共に、流体噴出口(16)の最小部の内径φ1を5mmにするようにした請求項1に記載の薄膜製造装置用噴霧ノズル弁。
  3. バルブボディ(1)を高圧真空容器の平面状の壁へ気密状にねじ込み固定するようにした請求項1に記載の薄膜製造装置用噴霧ノズル弁。
  4. 高圧真空容器の平面状の壁へ固定したバルブボディ(1)の底面と、高圧真空容器の平面状の壁面の内表面とを面一状とするようにした請求項1に記載の薄膜製造装置用噴霧ノズル弁。
  5. 流体噴出口の内周面(16a)とディスク先端部(6a)の外周面との間隙G1及び又は流体導入路(15)内へ圧入する流体(A)の圧力を制御することにより、流体Aの噴霧量及び又は噴霧パターンを調整するようにした請求項1に記載の薄膜製造装置用噴霧ノズル弁。
  6. 弁室(14)の上方開口を内周縁部をディスク(6)の外周面へ溶着した鍔状のダイヤフラム(2)により密封する構成とした請求項1に記載の薄膜製造装置用噴霧ノズル弁。
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