JP3823544B2 - 溶融ガラスの減圧脱泡装置およびその製作方法 - Google Patents

溶融ガラスの減圧脱泡装置およびその製作方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、連続的に供給される溶融ガラスから気泡を除去するための溶融ガラスの減圧脱泡装置およびその製作方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、成形されたガラス製品の品質を向上させるために、図4に示すように、溶融炉で溶融した溶融ガラスを成形装置で成形する前に溶融ガラス内に発生した気泡を除去する減圧脱泡装置が用いられている。
図4に示す減圧脱泡装置110は、溶解槽120内の溶融ガラスGを減圧脱泡処理して、次の処理槽に連続的に供給するプロセスに用いられるものであって、減圧脱泡する際には、真空吸引されて内部が減圧される減圧ハウジング112内に設けられ、減圧ハウジング112と共に減圧される減圧脱泡槽114と、その両端部に、下方に向かって垂直に取り付けられた上昇管116および下降管118が配置されており、上昇管116の下端は、溶解槽120に連通する上流案内ピット122の溶融ガラスG内に浸漬されており、下降管118の下端は、同様に、次の処理槽(図示せず)に連通する下流案内ピット124の溶融ガラスG内に浸漬されている。
【0003】
そして、減圧脱泡槽114は、図示しない真空ポンプによって吸引口112cから真空吸引されて内部が減圧される減圧ハウジング112内におおむね水平に設けられ、減圧ハウジング112と共に、減圧ハウジング112と連通する吸引孔114aおよび114bを介して減圧脱泡槽114の内部が1/3〜1/20気圧に減圧されているので、上流案内ピット122内の脱泡処理前の溶融ガラスGは、上昇管116によって吸引上昇されて減圧脱泡槽114に導入され、減圧脱泡槽114内で減圧脱泡処理が行われた後、下降管118によって下降させて下流案内ピット124に導出される。
【0004】
減圧ハウジング112は、金属製、例えばステンレス製または耐熱鋼製のケーシングであり、外部から真空ポンプ(図示せず)等によって真空吸引されて内部が減圧され、内部に設けられた減圧脱泡槽114内を所定の圧力、例えば1/20〜1/3気圧に減圧して維持する。また、減圧脱泡槽114内には、所定の高さまで充たした溶融ガラスGの上部に上部空間114sが形成される。
この減圧ハウジング112内の減圧脱泡槽114、上昇管116および下降管118の周囲には、これらを断熱被覆する耐火物製レンガなどの断熱材130が配設されている。
【0005】
従来技術の減圧脱泡装置110においては、高温、例えば1200〜1400℃の温度の溶融ガラスGを処理するように構成されているので、本出願人の出願に係る特開平2−221129号公報に開示されているように、減圧脱泡槽114、上昇管116および下降管118などのように溶融ガラスGと直接接触する溶融ガラスの流路は、白金または白金ロジウムのような白金合金などの貴金属製円管で構成されている。
【0006】
ここで、これら減圧脱泡槽114、上昇管116および下降管118などの溶融ガラスの流路を白金または白金合金などの貴金属製円管で構成するのは、これら貴金属は溶融ガラスとの高温反応性が低く、高温の溶融ガラスGと接触する際に高温の溶融ガラスGと反応して溶出する可能性が極めて低いので、溶融ガラスGに不純物を混入させる心配がなく、かつ、高温での強度がある程度確保できるからである。
【0007】
ところで、減圧脱泡槽114を貴金属製円管で構成する場合には、白金などの貴金属は非常に高価なので、管の肉厚を厚くすることは直ちにコストを大幅に上昇させることになり、コストおよび強度の両方の点から円管の直径には限界があり、円管の直径をあまり大きくすることはできず、そのために、減圧脱泡槽114で脱泡処理できる溶融ガラスGの流量にも限界が生じ、大流量の減圧脱泡装置を構築できないという問題があった。
【0008】
また、溶融ガラスGは、粉体の原料を溶解反応させることによって得られるので、溶解する際には、溶解槽120の温度は高い方が好ましく、また、減圧脱泡する際にも、高温では溶融ガラスGの粘度が低くなるので、温度は高い方が好ましい。しかしながら、高温強度の点などから減圧脱泡槽114などに貴金属合金を用いる必要がある一方で、貴金属は高価なものであり、コストの点から円管の肉厚をあまり厚くすることはできず、白金などの貴金属を用いたとしても高温になるにしたがって強度が低下することは避けられないので、減圧脱泡装置110の入口での溶融ガラスGの温度は、前述した所定温度(1200〜1400℃)に制限されていた。
【0009】
従って高温溶融ガラスの流路を白金で構成すると、厚みが薄い白金が損耗していずれは穴があくことを設計段階から考慮しておかねばならず、ガラス製品の生産を一時中止して、白金の修理・更新を短時間で行える設備としておかねばならない。公知の減圧脱泡装置の白金製流路(減圧槽・上昇管・下降管)は一体化されたものであるから、流路を修理更新する場合には、減圧条件を解除して減圧槽・上昇管・下降管の内部のガラスをすべて払い出し、その後に減圧装置全体を常温まで下げ、しかる後白金を修理・更新する必要があった。この際に溶融ガラスと縁を切る位置としては、上昇管・下降管の下端が妥当であり、特に、上昇管・下降管を修復する際には下方の高温ガラス溜りから管を引き離すために減圧脱泡装置全体を少なくとも1メートル程度は吊り上げる構造となしておく必要があった。しかし大型で重量が非常に重く、かつ運転中は高温減圧条件下に置かれる頑丈な構造の減圧脱泡装置110全体を上下動することは、非常に困難で危険を伴う作業であった。
【0010】
このように、高温反応性の低い白金や白金ロジウムは高価であるため、装置の大型化がコストの面から困難であり、例え大型化しても円管の肉厚は十分に厚くできず、そのため熱に対する強度が保てないため、温度を高くできず、溶融ガラスの粘性を小さくして脱泡効果を十分に発揮することが難しく、また、肉厚は十分に厚くできないため、作業性の困難な磨耗による修理や更新を考慮する必要があり、装置の大型化および大流量化は実用上困難である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
このため、図4に示す従来の減圧脱泡装置110において、減圧脱泡槽114、上昇管116および下降管118を炉材で構成することによって、装置の大型化、脱泡処理量の大流量化を図ることが考えられる。しかしながら、炉材の大型化には限界が有り、減圧脱泡槽114、上昇管116や下降管118をそれぞれ1個の炉材で製作するのは到底不可能である。このため、減圧脱泡装置110の減圧脱泡槽114、上昇管116および下降管118を炉材で構成するには、多数の炉材を組み合わせる必要があり、溶融ガラスと直接接触する流路にも炉材間を接合する目地部が不可避的に存在することになる。
【0012】
ところで、減圧脱泡装置110の減圧脱泡槽114、上昇管116および下降管118を炉材で構成する場合、溶融ガラスと直接接触する炉材から炉材構成成分が溶融ガラス中へ溶出することは避けられない為、溶融ガラスと直接接触する炉材には電鋳耐火物などの稠密な炉材の使用が考えられるが、使用炉材をより稠密な炉材にしても、目地部の隙間から溶融ガラスがしみ出し、稠密な炉材の後側のバックアップ炉材や断熱材を溶かし出して浸食し、溶融ガラスに溶け込んだ炉材成分が製品品質を劣化させたり、稠密な炉材の浸食は少なくても後側のバックアップ炉材や断熱材の浸食によって減圧脱泡装置110自体の寿命を短くしてしまうという問題がある。
【0013】
このため、溶融ガラスと直接接触する流路を構成する炉材間の目地部を目地材で埋めることが考えられるが、一般的に目地材は、炉材、特に稠密な炉材に比べてその稠密度が劣る為、溶融ガラスと直接接触する目地材は炉材に比べて浸食されやすく、炉材自体の浸食は少なくても、炉材間の目地部の浸食は選択的に進むという問題がある。その結果、目地部が埋められていない場合よりも、寿命は多少長くなるが、目地材を浸食してしまうと、前述同様、稠密な炉材の後側のバックアップ炉材や断熱材を溶出して浸食し、製品品質の劣化や減圧脱泡装置110自体の寿命を縮めてしまうという問題がある。
【0014】
本発明の目的は、上記問題点を解決することにあり、装置の製造コストを下げ、装置設計の自由度を向上させ、大流量の減圧脱泡装置の構築を可能にするために、減圧脱泡槽、上昇管および下降管を、白金などの貴金属合金よりも安価な耐火物製レンガを組み上げて構成しても、溶融ガラスと直接接触する炉材間の目地部からの溶融ガラスのしみ出しを防止し、もしくは抑制し、また仮に溶融ガラスの目地部のへのしみ出しが生じてもバックアップ耐火物や断熱耐火物の浸食を防止し、長寿命化を図ることのできる実用に耐える溶融ガラスの減圧脱泡装置およびその製作方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明第1の態様は、真空吸引されて内部が減圧される減圧ハウジングと、
この減圧ハウジング内に設けられ、溶融ガラスの減圧脱泡を行う減圧脱泡槽と、
この減圧脱泡槽に連通して設けられ、減圧脱泡前の溶融ガラスを吸引上昇させて前記減圧脱泡槽に導入する上昇管と、
前記減圧脱泡槽に連通して設けられ、減圧脱泡後の溶融ガラスを前記減圧脱泡槽から下降させて導出する下降管とを具備し、
前記減圧脱泡槽、前記上昇管の少なくとも一部、および前記下降管の少なくとも一部の溶融ガラスに直接接触する流路が、組み上げられた緻密質耐火物製レンガで構成され、隣接する前記レンガと接触する前記レンガの接触面の平滑度が0.5mm以下であることを特徴とする減圧脱泡装置を提供するものである。
【0016】
その際、内表面レンガ層の隣接するレンガの接触面の平滑度が0.25mm以下であることが好ましい。
また、前記緻密質耐火物は、アルミナ系電鋳耐火物、ジルコニア系電鋳耐火物、およびアルミナ−ジルコニア−シリカ系電鋳耐火物の少なくとも1種の電鋳耐火物、ならびに緻密質アルミナ系耐火物、緻密質ジルコニア−シリカ系耐火物および緻密質アルミナ−ジルコニア−シリカ系耐火物の少なくとも1種の緻密質焼成耐火物の少なくとも一方であることが好ましい。
【0017】
本発明の第2の態様は、真空吸引されて内部が減圧される減圧ハウジングと、この減圧ハウジング内に設けられ、溶融ガラスの減圧脱泡を行う減圧脱泡槽と、この減圧脱泡槽に連通して設けられ、減圧脱泡前の溶融ガラスを吸引上昇させて前記減圧脱泡槽に導入する上昇管と、前記減圧脱泡槽に連通して設けられ、減圧脱泡後の溶融ガラスを前記減圧脱泡槽から下降させて導出する下降管とを具備し、前記減圧脱泡槽、前記上昇管の少なくとも一部、および前記下降管の少なくとも一部は、溶融ガラスと直接接触する流路を構成する、緻密質耐火物製レンガを組み上げた内表面レンガ層と、この内表面レンガ層の背後に少なくとも1層設けられた、耐火物製レンガを組み上げたバックアップレンガ層と、少なくとも前記内表面レンガ層と前記バックアップレンガ層との間の隙間にラミング材が充填されたラミング材層とを有し、かつ前記内表面レンガ層の隣接するレンガの接触面の平滑度が0.5mm以下であることを特徴とする減圧脱泡装置を提供するものである。
【0018】
その際、バックアップレンガ層は、少なくとも2層以上設けられ、隣接するバックアップレンガ層間の隙間にも前記ラミング材が充填されたラミング材層が設けられたことが好ましく、
また、少なくとも前記内表面レンガ層と前記バックアップレンガ層との間の隙間は、20〜50mmであることが好ましく、
内表面レンガ層および少なくとも1層の前記バックアップレンガ層は、各々のレンガ層の隣接するレンガ間の目地が、他のレンガ層の隣接するレンガ間の目地より長く重なり合わないように、組み上げられることが好ましく、
また、バックアップレンガ層を構成する耐火物製レンガは、緻密質耐火物製レンガであることが好ましい。
さらに、ラミング材は、アルミナ系ラミング材、ジルコニア−シリカ系ラミング材、およびアルミナ−ジルコニア−シリカ系ラミング材の少なくとも1種またはこれらの2種以上の混合物であることが好ましく、
また、ラミング材は、その混練水分量が3〜15重量%であることが好ましい。
さらに、内表面レンガ層の隣接するレンガの接触面の平滑度が0.5mm以下、より好ましくは、平滑度が0.25mm以下であることが好ましい。
【0019】
また、緻密質耐火物製レンガは、アルミナ系電鋳耐火物、ジルコニア系電鋳耐火物、およびアルミナ−ジルコニア−シリカ系電鋳耐火物の少なくとも1種の電鋳耐火物からなるレンガ、ならびに緻密質アルミナ系耐火物、緻密質ジルコニア−シリカ系耐火物および緻密質アルミナ−ジルコニア−シリカ系耐火物の少なくとも1種の緻密質焼成耐火物からなるレンガの少なくとも一方であることが好ましい。
【0020】
本発明の第3の態様は、真空吸引されて内部が減圧される減圧ハウジングと、
この減圧ハウジング内に設けられ、溶融ガラスの減圧脱泡を行う減圧脱泡槽と、
この減圧脱泡槽に連通して設けられ、減圧脱泡前の溶融ガラスを吸引上昇させて前記減圧脱泡槽に導入する上昇管と、
前記減圧脱泡槽に連通して設けられ、減圧脱泡後の溶融ガラスを前記減圧脱泡槽から下降させて導出する下降管とを具備する減圧脱泡装置を製作するに際し、
前記減圧脱泡槽、前記上昇管の少なくとも一部、および前記下降管の少なくとも一部から構成される一連の管路が、緻密質耐火物製レンガの、隣接する前記レンガと接触する接触面を研磨して、前記接触面の平滑度を0.5mm以下にした後、組み上げて、前記減圧脱泡槽、前記上昇管の少なくとも一部、および前記下降管の少なくとも一部の、溶融ガラスに直接接触する流路を形成した後、この流路を所定の温度に加熱し、前記緻密質耐火物製レンガからガラス質を溶出させ、隣接する前記レンガの接触面内の隙間を埋めることを特徴とする減圧脱泡装置の製作方法を提供するものである。
【0021】
本発明の第4の態様は、真空吸引されて内部が減圧される減圧ハウジングと、この減圧ハウジング内に設けられ、溶融ガラスの減圧脱泡を行う減圧脱泡槽と、この減圧脱泡槽に連通して設けられ、減圧脱泡前の溶融ガラスを吸引上昇させて前記減圧脱泡槽に導入する上昇管と、前記減圧脱泡槽に連通して設けられ、減圧脱泡後の溶融ガラスを前記減圧脱泡槽から下降させて導出する下降管とを具備する減圧脱泡装置を製作するに際し、前記減圧脱泡槽、前記上昇管の少なくとも一部、および前記下降管の少なくとも一部から構成される一連の管路の内、溶融ガラスと直接接触する流路を形成する部分には、緻密質耐火物製レンガを組み上げた内表面レンガ層を設け、この内表面レンガ層の背後には所定間隔離間させて耐火物製レンガを組み上げてバックアップレンガ層を少なくとも1層設け、少なくとも前記内表面レンガ層と前記バックアップレンガ層との間の隙間に少量の水分を混練したラミング材をバイブレータで振動させて充填し、前記内表面レンガ層は、前記緻密質耐火物製レンガの隣接する前記レンガと接触する接触面の平滑度を0.5mm以下に研磨した後、組み上げて、前記減圧脱泡槽、前記上昇管の少なくとも一部、および前記下降管の少なくとも一部の、溶融ガラスに直接接触する流路を形成した後、この流路部分に所定の温度に加熱し、前記緻密質耐火物製レンガからガラス質を溶出させ、隣接する前記レンガの接触面内の隙間を埋めることによって設けられることを特徴とする減圧脱泡装置の製作方法を提供するものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の溶融ガラスの減圧脱泡装置およびその製作方法について、添付の図面に示される好適実施例に基づいて詳細に説明する。
【0024】
図1に、本発明の溶融ガラスの減圧脱泡装置10の一実施例の断面模式図を示している。減圧脱泡装置10は、略門型のステンレス製減圧ハウジング12と、減圧ハウジング12内に水平に収納配置され、矩形断面をもつ減圧脱泡槽14と、減圧ハウジング12内に垂直に収納配置され、減圧脱泡槽14の左右両端部にそれぞれ、各上端部が取り付けられる上昇管16および下降管18とから構成される。
減圧脱泡装置10は、溶解槽20内の溶融ガラスGを減圧脱泡処理して、図示しない次の処理槽、例えば、フロートバスなどの板材の成形処理槽や瓶などの成形作業槽などに連続的に供給するプロセスに用いられるものである。
【0025】
減圧ハウジング12は、減圧脱泡槽14を減圧する際の気密性を確保するためのケーシング(圧力容器)として機能するものであり、本実施例では、ほぼ門型に形成されて、減圧脱泡槽14、上昇管16および下降管18の全体を包み込むように構成され、さらに減圧ハウジング12内部で、減圧脱泡槽14、上昇管16および下降管18の外側の領域に、溶融ガラスGの高熱を遮断し、なおかつ減圧脱泡槽14内の真空吸引の支障とならない通気性のある耐火物製レンガからなる断熱材30も含んでいる。なお、この減圧ハウジング12は、減圧脱泡槽14に必要とされる気密性および強度を有するものであれば、その材質、構造は特に限定されるものではないが、金属製、特にステンレス製または耐熱鋼製とすることが好ましい。
また、減圧ハウジング12には、右上部に真空吸引して内部を減圧する吸引口12cが設けられており、図示しない真空ポンプによって真空吸引されて減圧ハウジング12の内部が減圧され、そのほぼ中央部に配置された減圧脱泡槽14内を所定の圧力、例えば、1/20〜1/3気圧に減圧して維持するように構成されている。
【0026】
減圧ハウジング12のほぼ中央部には、減圧脱泡槽14がおおむね水平に配置されている。この減圧脱泡槽14の流路の断面形状は、特に制限的ではなく、例えば、円形でもよいが、大流量の溶融ガラスGの減圧脱泡処理を行うには長方形が好ましい。また、減圧脱泡槽14を構成する電鋳耐火物製レンガや緻密質焼成耐火物製レンガ等の緻密質耐火物製レンガを成形する面からも長方形の方が好ましい。
この減圧脱泡槽14の左端部には上昇管16の上端部が、減圧脱泡槽14の右端部には下降管18の上端部がそれぞれ下方に向かって垂直に連通されている。そして、上昇管16および下降管18は門型に形成された減圧ハウジング12の脚部12aおよび12bをそれぞれ貫通するように配設されており、上昇管16および下降管18の下端は、開渠として構成された上流案内ピット22および下流案内ピット24の溶融ガラスGの液面よりも下方の位置でそれぞれ溶融ガラスG内に浸漬されている。
【0027】
減圧脱泡槽14の上部には、減圧ハウジング12を図示しない真空ポンプ等によって吸引口12cから真空吸引することによって、減圧脱泡槽14内を所定の圧力(1/20〜1/3気圧)に減圧して維持するために、減圧ハウジング12と連通する吸引孔14a,14bが設けられている。また、減圧脱泡槽14内には、溶融ガラスG中の気泡が浮上し、堰止められて破泡を促進するようにバリヤ36aとバリヤ36bが設けられている。
減圧ハウジング12と、減圧脱泡槽14、上昇管16および下降管18の各々との間は、耐火物製レンガなどの断熱材30で充填されて断熱被覆される。従って減圧脱泡装置10は、溶融ガラスGの流路を中心として外側から金属製の減圧ハウジング12、耐火物製レンガからなる断熱材30および緻密質耐火物製レンガを組み上げて溶融ガラスGと直接接触する流路を構築する減圧脱泡槽14(上昇管16、下降管18)から構成される断面構造となっている。
さらに、減圧脱泡槽14、上昇管16および下降管18からなる一連の管路は、本発明の特徴とする構造を有するものであり、その詳細は後述するが、本発明の好ましい態様としては、所定の形状に成形し、その表面を精度良く研磨した緻密質耐火物製レンガを組み上げた内表面レンガ層で、溶融ガラスGと直接接触する流路を構成するとともに、この背後に少なくとも1層の耐火物製レンガ層をバックアップレンガ層として設け、さらに各レンガ層間の隙間をラミング材で充填して、ラミング材層を形成した多層断面構造となっている。
【0028】
本発明の特徴とする減圧脱泡槽14、上昇管16、および下降管18の一連の管路の壁断面の多層断面構造を図2(A)に示し、管路の内壁面を模式的に図2(B)に示す。
図2(A)に示すように、管路壁断面は、緻密質耐火物製レンガが組み上げられ、溶融ガラスGと直接接触する管路の内壁面を構成する内表面レンガ層32aと、この内表面レンガ層32aの背後に所定間隔、例えば20〜50mm離間させて、耐火物製レンガで組み上げられ、内表面レンガ層32aをバックアップする第1のバックアップレンガ層32bと、この第1のバックアップレンガ層32bの背後に同様に設けられる第2のバックアップレンガ層32cと、各レンガ層32aと32bとの間および32bと32cの間にそれぞれラミング材が充填されたラミング材層34aおよび34bから構成される3層断面構造を有する。なお、第2のバックアップレンガ層32cと減圧ハウジング12との間は、耐火物製レンガからなる断熱材30によって埋められる。
【0029】
本発明において減圧脱泡槽14、上昇管16および下降管18の一連の管路の少なくとも溶融ガラスGと直接接触する流路を構成するのに、用いられる緻密質耐火物製レンガ(以下、単に緻密質レンガという。)は、緻密質耐火物を少なくとも溶融ガラスGと直接接触する流路を構成する内表面レンガ層32aとして組み上げることができるように、管路の形状に合わせて、所定の形状に成形されたレンガであり、緻密度が高く、溶融ガラスGに溶出しても品質を劣化、例えば、着色や異質化など生じさせることがなく、好ましくは、溶融ガラスGとの反応性が小さく、溶融ガラスに浸食されにくい、緻密質耐火物性レンガであればどのようなものでもよい。このような緻密質レンガを成形するのに用いる緻密質耐火物としては、例えば、電鋳耐火物および緻密質焼成耐火物を挙げることができる。
【0030】
ここで電鋳耐火物としては稠密な電鋳耐火物であればどのようなものでもよく、好ましくは、高嵩密度で、内部には閉気孔があっても、鋳込み面の気孔率は極めて小さく、好ましくはほぼ0で、減圧脱泡槽の真空を保つことのできる、稠密な電鋳耐火物であればよい。このような電鋳耐火物としては、例えば、ジルコニア系電鋳耐火物、アルミナ系電鋳耐火物、アルミナ−ジルコニア−シリカ(AZS;Al2 3 −ZrO2 −SiO2 )系電鋳耐火物などを挙げることができる。
一方、緻密質焼成耐火物としては、例えば、緻密質なデンスジルコンなどの緻密質ジルコニア−シリカ系焼成耐火物、デンスアルミナなどの緻密質アルミナ系焼成耐火物や、緻密質アルミナ−ジルコニア−シリカ系焼成耐火物を挙げることができる。
【0031】
まず、発明の第1の態様の減圧脱泡装置10について説明する。
本態様においては、溶融ガラスGと直接接触する流路となる内表面レンガ層32aを構築する緻密質レンガの隣接するレンガとの接触面の平滑度を0.5mm以下、好ましくは0.25mm以下とし、隣接するレンガの隙間を1mm以下、好ましくは0.5mm以下とするものである。
本発明において、平滑度Dは以下のように定義される。
十分に長い直線定規を被測定面にあてがい、もしくは上に載せ、厚みが既知の予め用意された薄い金属板を被測定面と定規の直線部との隙間に差し込み、その隙間を測定する。金属板がその隙間に入り込んだ場合は、その隙間は金属板の厚み以上であると判断し、予め用意された厚みの異なる金属板に替えてその厚みを厚くして測定を続け、金属板がその隙間に入らなくなる最小の金属板の厚みを見いだす。さらに、この測定は一つの被測定面につき、最低4点、望ましくは8〜12点で行なうが、いずれの測定点でもその金属板が被測定面と定規の直線部との隙間に入らない最小の金属板の厚みを見いだし、その厚みを平滑度Dとするのである。
但し、被測定面の両端部から10mm以内の端部の隙間については考慮しない。その理由は、レンガの表面をダイヤモンド研磨機等で研磨仕上げをすると、研磨面の中央部は同一平面を形成する一方、面の両端部は中央部よりも局部的に研磨が進むため曲面となり易いが、隣接するレンガの接触面との隙間が広い範囲に渡って狭く、その接触する面の平滑度が0.5mm以下であれば、両端部等のように部分的に、例えば1mmを越す隙間が存在しても、本発明の解決すべき課題である溶融ガラスの目地からの流出を防止し、さらには隣接するレンガ間の目地を通じて気体状もしくは液体状の汚染物の溶融ガラスへの混入を防止することができるからである。
【0032】
なお、本態様においては、使用する緻密質レンガの接触面の平滑度が0.5mm以下であれば、電鋳耐火物製レンガ(以下、単に電鋳レンガという。)や緻密質焼成耐火物製レンガ(以下、単に緻密質焼成レンガという。)を用いて円形断面や矩形断面の溶融ガラスGの流路を持つ所定長の減圧脱泡槽、上昇管および下降管からなる一連の管路を構築する方法は、特に制限的ではなく、例えば小さい直方体の緻密質レンガを互い違いに積み上げ、所定長の角筒状管を形成してもよいし、一面が所定の曲率半径を持つ緻密質レンガを積み上げて、所定内径、所定長の円筒状管を形成してもよいし、長さの短かい所定内径の円筒状または角筒状の緻密質レンガを一列に積み重ねて、所定長の円管または角管を形成してもよい。
【0033】
上述したように緻密質レンガの接触面を平滑度0.5mm以下に平滑化するには、精密研磨を行ない、できる限り平滑な面に仕上げることのできる一般的なダイヤモンド研磨機を利用することによって達成できる。しかしながら、緻密質レンガの接触面を上述した平滑度に仕上げる方法や研磨する方法は制限的ではないが、精密研磨を行うのが好ましい。ところで、レンガの平面を研磨した場合、図3(A)に研磨したレンガの面の断面形状を示すように、一般的に、面の端部が研磨されやすく、この端部の面中央部からの落ちしろが最も大きい。このような場合、端部から5mm内側に入った場所での最大の落ちしろをその面における平滑度Dとしている。そして、このようなレンガの面同士を図3(B)のように組み合わせると、隣接するレンガの接触面間の目地部がかなり大きく開くため、溶融ガラスGが目地部に浸入し、接触部分を浸食して、接触部分から溶融ガラスGがしみ出して、背後のバックアップレンガ層32b、32cや断熱材30を浸食する。その結果、バックアップレンガや断熱材が溶融ガラスG内に溶出して、溶融ガラスGを着色し、異質化し、品質を劣化させ、減圧脱泡槽14、上昇管16や下降管18の寿命、従って減圧脱泡装置10自体の寿命を短くしてしまうことは前述した通りである。窪みを持ち容易に浸食され、目地部分の窪みは増大され、溶融ガラスの対流は容易に起こり、溶融ガラスGの流れが悪くなり、延いては、脱泡処理能力が低下することになる。
そこで、本発明では、減圧脱泡槽14、上昇管16および下降管18の一連の管路をレンガで組む際に、平滑度Dが0.5mm以下の研磨されたレンガ面同士を面接触させるようにしているのである。
【0034】
また、平滑度Dが0.5mm以下のレンガの接触面同士を接触させ、接触部の目地の隙間を少なくとも1mm以下にする理由は、レンガの接触面に目地材を用いずにお互いに接触させることで、高温時、緻密質レンガ内から滲み出した粘度の高いガラス質で1mm以下の目地の隙間を埋め、お互いのレンガを結合させるためである。つまり、例えばおよそ1400℃の溶融ガラスGが流れ、レンガがおよそ1350℃以上に熱せられると、熱せられたレンガの内面から溶融ガラスGよりも高粘度のガラス質が滲み出し、目地部の隙間を埋めて接着するように覆う。この高粘度のガラス質は、粘度が極めて高いため、隣接するレンガ間の隙間にしみ出したまま留まり、流出することはないので、目地部の隙間を十分に埋めることができる。そのため、ガラスGが目地部の隙間に浸入しようとしても、レンガから滲み出した高粘度のガラス質が浸入してくる溶融ガラスGをせき止め、目地の奥へ浸入することを防ぎ、バックアップレンガや断熱材が浸食されるのを防ぐのである。
目地部の隙間を1mm以上にすると、レンガ内から滲み出す高粘度ガラス質によって、接触面にできた隙間を完全に埋めることができず、あるいは高粘度ガラス質が流出し、溶融ガラスGの浸入を許してしまうことになるからである。従って、レンガの接触面の凹凸はできるだけ小さい方が好ましく、すなわち、接触面の平滑度Dはできるだけ小さい方が望ましい。
【0035】
ところで、本発明の第1の態様においては、減圧脱泡槽14、上昇管16および下降管18の一連の管路の少なくとも溶融ガラスGと直接接触する流路を構成する内表面レンガ層(図2(A)に示す例では、参照番号32aで表される。)が、隣接する緻密質レンガとの接触面の平滑度が0.5mm以下であり、溶融ガラスGによる加熱と同時の加熱によって、隣接する緻密質レンガ間の隙間が、緻密質レンガからしみだしてきた高粘性ガラス質で埋められるものであれば、内表面レンガ層(32a)の背後にバックアップレンガ層(32b、32c)は設けられていても、設けられていなくてもよいし、設けられる場合も1層であっても、2層以上何層であってもよい。また、これらのバックアップレンガ層を構成するレンガは、特に制限的ではなく、一般の耐火物製レンガであってもよいが、強度および寿命の点からは、内表面レンガ層(32a)と同じ緻密質レンガであるのが好ましい。
【0036】
さらに、本態様においては、内表面レンガ層(32a)の背後にバックアップレンガ層(32b、32c)を設ける場合、内表面レンガ層(32a)およびバックアップレンガ層(32b、32c)は隙間なく設けてもよいし、各レンガ層(32a、32b、32c)間に隙間を設け、これらの隙間にラミング材などの充填材を充填し、充填材層(ラミング材層34a、34b)を設けてもよい。各レンガ層(32a、32b、32c)間に充填される充填材も特に制限的ではなく、従来公知のラミング材やスタンプ材などの充填材や公知の耐火物から成る充填材などを用いることができる。
【0037】
本発明の第1の態様の減圧脱泡装置10を製作する際には、少なくとも溶融ガラスGと直接接触する流路を構成する内表面レンガ層32aを、接触面の平滑度が0.5mm以下の緻密質レンガを組み上げて構築し、必要に応じてその外側にバックアップレンガ層(32b、32c)を形成し、さらに必要に応じてレンガ層間にラミング材などの充填材を充填してラミング材層(34a、34b)などの充填材層を形成する。こうして、減圧脱泡槽14、上昇管16、および下降管18を製作する。
【0038】
続いて、こうして製作された減圧脱泡槽14、上昇管16、および下降管18の外側に断熱材30を組み上げ、その外周囲を減圧ハウジング12で覆い、減圧脱泡装置10を製作する。こうして製作された減圧脱泡装置10の減圧脱泡槽14、上昇管16、および下降管18を所定の温度、例えば溶融ガラスGの温度以上に熱上げして、あるいは、稼働中に減圧脱泡槽14、上昇管16、および下降管18が溶融ガラスGによって加熱されて、内表面レンガ層32aを構成する緻密質レンガから浸出(exudation)する高粘度ガラス質によって隣接するレンガ間を充填し、隣接レンガ間の隙間を埋める。このようにして、減圧脱泡装置10は製作される。
本発明の第1の態様の溶融ガラスの減圧脱泡装置およびその製作方法は、基本的に以上のように構成される。
【0039】
次に、本発明の第2の態様の溶融ガラスの減圧脱泡装置およびその制作方法について説明する。
本態様において、図2(A)に示す実施例では、減圧脱泡槽14、上昇管16の少なくとも一部、および下降管18の少なくとも一部から構成される一連の管路の最も内側に溶融ガラスGと直接接触する流路を形成する内表面レンガ層32a、この背後に(外側周囲に)第1バックアップ層32bおよびさらにその背後に(外側周囲に)第2バックアップ層32cをお互いに所定の間隔、好ましくは20〜50mmだけ離間させて設け、レンガ層を3層構造とし、各レンガ層間のすきまにラミング材を充填し、ラミング材層34a,34bを形成するものである。
【0040】
本態様においては、耐火物製レンガ層を内表面レンガ層(32a)と少なくとも1層のバックアップレンガ層(32b、32c)からなる多層構造とした上に、その各レンガ層間をラミング材で埋めてラミング材層34a、34b設けることにより、溶融ガラスGのレンガ層(32a、32b、32c)からしみ出し、断熱材30を浸食し、断熱材30が溶融ガラスG内に溶出して製品の品質を劣化させる、例えば着色や異質化を招くことを防止し、減圧脱泡装置の寿命が短くなることを防止している。
【0041】
本態様においては、各レンガ層(32a、32b、32c)を構成する耐火物製レンガは、溶融ガラスGを着色したり、異質化したりしなければ特に制限的ではないが、少なくとも内表面レンガ層32aは前述した緻密質レンガで構成するのが好ましく、全レンガ層を緻密質レンガで構成するのが最も好ましい。また、本態様においても、本発明の第1の態様の如く、少なくとも内表面レンガ層32aの緻密質レンガの隣接する接触面は平滑度を0.5mm以下とし、隣接するレンガ間の目地部の隙間を1mm以下とするのが好ましく、より好ましくは平滑度を0.3mm以下、隣接するレンガ間の目地部の隙間を0.6mm以下とするのがよい。
【0042】
また、本態様において、バックアップレンガ層(32b、32c)は、少なくとも1層設ければ良く、何層であってもよいが、溶融ガラスGのしみ出しを防止し、装置の長寿命化のためには多い方が望ましいが、多層化すればするほど装置全体が重量化し、大型化するので、必要に応じて適した数の層構成とすればよい。
さらに、レンガ層間の隙間は、上述したように20〜50mmとするのが好ましく、より好ましくは、25〜35mmである。
各レンガ層間の隙間を20〜50mmとする理由は、後述するように、この隙間に冷間でラミング材を充填するが、その際、隙間が狭いと十分緊密にラミング材を充填することができず、ラミング材充填中に空洞や気泡を残存させたまま固化してしまうおそれがあり、そのような空洞や気泡の存在は、外部からの汚染物質を遮断するラミング材の機能を低下させるおそれがあるためである。一方、ラミング材自体は緻密質レンガに比べ機械的、化学的強度が劣っているため、この厚みを必要最低に押さえ、第1バックアップレンガ層32bを構成する機械的、化学的強度が優れている緻密質レンガを早期に溶融ガラスGと接触させるように配置するためである。
【0043】
各耐火物レンガ層間に設けられるラミング材層34aおよび34bは、各耐火部レンガ層間、すなわちレンガ層32a、32bとの間およびレンガ層32b、32cとの間に設けられるもので、非常に緻密なラミング材の充填がなされ、耐蝕性に優れるもので、各レンガ層(32a、32b、32c)の目地部分からの溶融ガラスGの流入を防止し、その背後へのしみ出しを防止するためのものである。
【0044】
なお、ここで用いられるラミング材とは、耐火性骨材と硬化材等を混合した粉体の耐火物材に少量の水を添加して混練し充填されるもので、加熱によってセラミックボンドができ、強度を出すものを言う。このようなラミング材としては、例えばアルミナ系(Al2 3 )ラミング材、ジルコニア−シリカ系(ZrO2 −SiO2 )ラミング材、およびアルミナ−ジルコニア−シリカ系(AZS;Al2 3 −ZrO2 −SiO2 )ラミング材が挙げられ、好適な具体例としてはアルミナ系ではCMP−AH,ジルコニア−シリカ系ではZR−2000、およびアルミナ−ジルコニア−シリカ系ではZM−2500(いずれも旭硝子(株)製)が例示される。また、このようなラミング材としては、この他特公昭57−2666号公報に開示された、(モノまたはジ)アルミン酸カルシウムまたはシリコアルミン酸カルシウムを主成分として含む製鉄アルミナ質スラグ、(モノまたはジ)アルミン酸カルシウム型アルミナ質セメント、シリコアルミナ質セメントおよび高温焼成マグネシアなどのアルカリ土類無機物質と、シリカ、酸化クロムおよびアルミナなどの超微粉末と、不活性充填剤とからなり、従来よりカルシウム含有量および混練水量が少なく、高強度で耐熱性および耐浸食性に優れたセメントも例示される。このようなラミング材のうち、従来のアルミナセメントの替わりに、微量の活性超微粉末をベースとした結合材が用いられるラムクリートと呼ばれるキャスタブル炉材が好ましい。さらに、特に有効なラミング材としては、ローセメントタイプラミング材と呼ばれるものを挙げることができ、超微粉末をベースとし、3〜6%の少量の水量添加とバイブレータ施工によって非常に緻密な充填がなされ、耐蝕性および耐熱性に優れた物性を得ることができる。好適な具体例としては、ホワイトラム(旭硝子(株)製)が例示される。
このように、通常のキャスタブル炉材に用いる混練水量約10〜15%に対して3〜10%、好ましくは3〜6%と低い混練水量のラミング材を使用するのは、高熱で含有水分が蒸発した場合、ひび割れして溶融ガラスが滲み出しやすくなるのを防ぐためである。
なお、一連の管路に使用されているレンガの主成分を主成分としたラミング材を使用することが望ましい。例えば、アルミナ系電鋳耐火物レンガを使用している場合は、ラミング材としてアルミナ系のCMP−AHを使用するのが好ましい。
【0045】
各層のレンガを上述の方法で組みあげた後、粉体のラミング材に3〜6%の少量の水量添加を行ない、各レンガ層間の隙間に充填し、更にその隙間に棒状バイブレータを入れ、振動による粉体の流状効果を利用して、隙間内にラミング材を稠密かつ均一に充填させる。ラミング材は3〜4時間で硬化し、耐蝕性の強い緻密なラミング材層34aおよび34bができる。
このようにして得られた内表面レンガ層32a,ラミング材層34a、第1バックアップレンガ層32b、ラミング材層34b、および第2バックアップレンガ層32cなどからなる多層断面構造で、減圧脱泡槽14、上昇管16および下降管18の一連の管路の内部は構成されるが、少なくとも溶融ガラスGが直接接触する部分が多層断面構造になっていれば良く、減圧脱泡層14の溶融ガラスGと直接接触しない天井部分は多層断面構造にしなくてもよい。例えば、図1に示す本実施例において、溶融ガラスGと直接接触しない減圧脱泡槽14の天井部分を、溶融ガラスGと直接接触する減圧脱泡槽14の底部分、上昇管16および下降管18に用いる所定の緻密質レンガを単層で構成してもよい。
【0046】
減圧脱泡槽14、上昇管16および下降管18の形状は少なくとも筒状管であれば特に限定されず、その断面形状は円形、楕円形または正方形や長方形などの矩形やその他の多角形とすることができる。
また、減圧ハウジング12内部で、減圧脱泡槽14、上昇管16および下降管18の一連の管路の外側に、溶融ガラスGの高温を断熱する断熱材30を設けているが、減圧脱泡槽14の真空吸引の支障とならない通気性を有する断熱材によって構成される。
減圧脱泡装置10の運転立ち上げのためには、減圧によって溶融ガラスGを減圧脱泡槽14に導入するのに、上流案内ピット22のみならず下流案内ピット24にも溶融ガラスGがなければならないので、上流案内ピット22から下流案内ピット24に溶融ガラスGを流すためのバイパス(図示せず)を設けておくのが好ましい。
【0047】
このような構成の本発明品である減圧脱泡装置10は、大型化可能のため大量生産することができる。
また、隣接するレンガ同士の接触面を所定の範囲で精度良く研磨して接触させ、更にラミング材を使用した多層構造としているので、減圧脱泡装置10自体の寿命は大幅に延び、溶融ガラスの流路を補修するために生産を中断する対策を設計段階から織り込んでおく必要は乏しくなり、減圧脱泡装置全体を補修のために上下する困難性の高い作業の必要性をなくすことができる。すなわち減圧装置とその前後のガラス流路を固定的に構成することが可能となる。
【0048】
さらに、本発明においては、減圧脱泡装置10の大型化と長寿命化によって、溶融ガラスGの入口(導入)温度、すなわち溶解槽20の出口温度は、従来より上昇させることができ、脱泡処理する溶融ガラスGの種類(処理温度での粘度)や処理量や、減圧脱泡装置10の各部を構成する材料、例えば電鋳耐火物や緻密質焼成耐火物等の種類やサイズなどに応じて適宜選択する自由度を広げることができる。しかしながら、溶解槽20における加熱溶解コストや減圧脱泡装置10の脱泡効率やその装置内外での加熱や冷却のコストなどを考慮すると、溶解槽20での溶融ガラスGの出口温度は、1300〜1550℃とするのが好ましく、より好ましくは1400〜1550℃とするのがよい。その理由は、ガラス原料を適正に均一に反応させ、最も効率よくガラス化させるには溶解槽の温度が高い方が好ましいからである。
【0049】
ここで、本発明の減圧脱泡装置10の処理対象となる溶融ガラスGは、特に制限的ではなく、例えば、ソーダ石灰ガラスやホウケイ酸ガラスなどを挙げることができるが、本発明の減圧脱泡装置10は多量の溶融ガラスを処理することができることから、多量の処理が必要とされるソーダ石灰ガラスを処理対象とするのがよい。
【0050】
本発明に係る溶融ガラスの減圧脱泡装置は、基本的に以上のように構成されるが、以下にその作用について説明する。
【0051】
まず、減圧脱泡装置10の運転を開始するに先立って、溶解槽20内の溶融ガラスGを減圧脱泡装置10内、すなわち図示しないバイパスを開放して上流案内ピット22から下流案内ピット24内に導入し、上昇管16および下降管18の両下端部を溶融ガラスG中に浸漬する。浸漬完了後、図示しない真空ポンプを作動して、減圧ハウジング12内を吸引口12cから真空引きして、従って減圧脱泡槽14内を吸引口14aおよび14bから真空引きして、減圧脱泡槽14内を1/20〜1/3気圧に減圧する。
その結果、溶融ガラスGが上昇管16および下降管18内を上昇し、減圧脱泡槽14内に導入され、溶解槽20と減圧脱泡槽14との溶融ガラスGのレベル差Hが所定値となるように、減圧脱泡槽14内に所定の深さまで満たされ、真空引きされた上部空間14sが形成される。この後に、バイパスが閉止される。
【0052】
この後、溶融ガラスGは、溶解槽20から上流案内ピット22を経由し、上昇管16内を上昇して、減圧脱泡槽14内に導入される。そして溶融ガラスGは、減圧脱泡槽14内を流下する間に、所定の減圧条件下で脱泡処理される。すなわち、所定の減圧条件下の減圧脱泡槽14内において、溶融ガラスG中の気泡は、溶融ガラスG中を浮上し、バリヤ30aおよび30bに堰止められて破泡し、また、上部空間14sまで浮上して、破泡する。こうして、溶融ガラスG中から気泡が除去される。
このようにして、脱泡処理された溶融ガラスGは、減圧脱泡槽14内から下降管18に導出され、下降管18内を下降して下流案内ピット24内に導入され、下流案内ピット24から、図示しない次の処理槽(例えば成形処理槽)に導出される。
【0053】
また、本発明において、脱泡処理量を増大し、溶融ガラスGの潜熱を利用することができるため、従来必要であった脱泡処理中の溶融ガラスGの加熱を不要とし、そのための加熱装置を不要な物とすることができる。
【0054】
ところで、本発明の溶融ガラスの減圧脱泡装置は、図2に示すサイフォン方式減圧脱泡装置のみならず、特開平5−262530号公報、特開平7−291633号公報に示す水平式減圧脱泡装置にも適用してもよいのはもちろんである。
本発明に係る溶融ガラスの減圧脱泡装置について、実施例を挙げて説明したが、本発明は上述した実施例に限定されるわけではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改良や設計の変更などが可能なことはもちろんである。
【0055】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、減圧脱泡槽、上昇管および下降管の管路を白金などの貴金属合金よりも安価な電鋳耐火物や緻密質焼成耐火物などの緻密質耐火物製のレンガを組んで構成し、貴金属合金の場合と同様に溶融ガラスを連続的に減圧脱泡処理することができる減圧脱泡処理装置において、これらの管路の溶融ガラスと直接接触する流路を構成する内表面レンガ層の隣接するレンガ同士の接触面を所定の範囲で精度良く研磨して接触させるか、または減圧脱泡槽、上昇管および下降管の管路を複数のレンガ層とこれらのレンガ層間をラミング材で充填したラミング材層からなる多層断面構造とするかの少なくともいずれか一方であるので、溶融ガラスが滲み出し、内表面レンガ層の背後のバックアップレンガ層や断熱材(レンガ)を浸食したり、溶出することがないので、溶融ガラスを着色したり異質化したりすることがなく、減圧脱泡装置の寿命を大幅に延ばすことができる。このため、溶融ガラスの流路を補修するために生産を中断する対策を設計段階から織り込んでおく必要も乏しくなり、白金などの貴金属合金を用いる場合に比べて製造コストが下がり、また、コストの点から使用量を制限したり、それに伴う強度低下の点から大きさを制限したりする必要性はなくなり、装置設計の自由度が飛躍的に向上し、また、目地部の浸食によって生じる溶融ガラスの対流もなくなる為、脱泡処理が効率よく行われ、さらに浸食に伴う溶融ガラス内の不純物質の混入も防ぐことができ、大流量の減圧脱泡処理が実用的になるとともに、より高温での減圧脱泡処理も可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の溶融ガラスの減圧脱泡装置の一実施例の概略断面図である。
【図2】 (A)は、本発明の溶融ガラスの減圧脱泡装置の一実施例の一連の管路の壁断面の断面図であり、(B)は管路の内壁面の目地を示した模式図である。
【図3】 (A)は、平滑度Dを定義する概念図であり、(B)は、隣接するレンガと接触する管路の目地部を示した断面図である。
【図4】 従来の溶融ガラスの減圧脱泡装置の概略断面図である。
【符号の説明】
10、110 減圧脱泡装置
12、112 減圧ハウジング
12c、112c 吸引口
14、114 減圧脱泡槽
14a,14b、114a、114b 吸引口
14s、114s 上部空間
16、116 上昇管
18、118 下降管
20、120 溶解槽
22、122 上流案内ピット
24、124 下流案内ピット
30、130 断熱槽
32a 内表面レンガ層
32b 第1バックアップレンガ層
32c 第2バックアップレンガ層
34a,34b ラミング材層
36a,36b バリア
G 溶融ガラス
D 平滑度

Claims (7)

  1. 真空吸引されて内部が減圧される減圧ハウジングと、
    この減圧ハウジング内に設けられ、溶融ガラスの減圧脱泡を行う減圧脱泡槽と、
    この減圧脱泡槽に連通して設けられ、減圧脱泡前の溶融ガラスを吸引上昇させて前記減圧脱泡槽に導入する上昇管と、
    前記減圧脱泡槽に連通して設けられ、減圧脱泡後の溶融ガラスを前記減圧脱泡槽から下降させて導出する下降管とを具備し、
    前記減圧脱泡槽、前記上昇管の少なくとも一部、および前記下降管の少なくとも一部の溶融ガラスに直接接触する流路が、組み上げられた緻密質耐火物製レンガで構成され、隣接する前記レンガと接触する前記レンガの接触面の平滑度が0.5mm以下であることを特徴とする減圧脱泡装置。
  2. 真空吸引されて内部が減圧される減圧ハウジングと、
    この減圧ハウジング内に設けられ、溶融ガラスの減圧脱泡を行う減圧脱泡槽と、
    この減圧脱泡槽に連通して設けられ、減圧脱泡前の溶融ガラスを吸引上昇させて前記減圧脱泡槽に導入する上昇管と、
    前記減圧脱泡槽に連通して設けられ、減圧脱泡後の溶融ガラスを前記減圧脱泡槽から下降させて導出する下降管とを具備し、
    前記減圧脱泡槽、前記上昇管の少なくとも一部、および前記下降管の少なくとも一部は、溶融ガラスと直接接触する流路を構成する、緻密質耐火物製レンガを組み上げた内表面レンガ層と、この内表面レンガ層の背後に少なくとも1層設けられた、耐火物製レンガを組み上げたバックアップレンガ層と、少なくとも前記内表面レンガ層と前記バックアップレンガ層との間の隙間にラミング材が充填されたラミング材層とを有し、かつ前記内表面レンガ層の隣接するレンガの接触面の平滑度が0.5mm以下であることを特徴とする減圧脱泡装置。
  3. 少なくとも前記内表面レンガ層と前記バックアップレンガ層との間の隙間は、20〜50mmである請求項2に記載の減圧脱泡装置。
  4. 前記内表面レンガ層および少なくとも1層の前記バックアップレンガ層は、各々のレンガ層の隣接するレンガ間の目地が、他のレンガ層の隣接するレンガ間の目地より長く重なり合わないように、組み上げられる請求項2または3に記載の減圧脱泡装置。
  5. 前記ラミング材は、アルミナ系ラミング材、ジルコニア−シリカ系ラミング材、およびアルミナ−ジルコニア−シリカ系ラミング材の少なくとも1種またはこれらの2種以上の混合物である請求項2〜4のいずれかに記載の減圧脱泡装置。
  6. 真空吸引されて内部が減圧される減圧ハウジングと、
    この減圧ハウジング内に設けられ、溶融ガラスの減圧脱泡を行う減圧脱泡槽と、
    この減圧脱泡槽に連通して設けられ、減圧脱泡前の溶融ガラスを吸引上昇させて前記減圧脱泡槽に導入する上昇管と、
    前記減圧脱泡槽に連通して設けられ、減圧脱泡後の溶融ガラスを前記減圧脱泡槽から下降させて導出する下降管とを具備する減圧脱泡装置を製作するに際し、
    前記減圧脱泡槽、前記上昇管の少なくとも一部、および前記下降管の少なくとも一部から構成される一連の管路が、緻密質耐火物製レンガの、隣接する前記レンガと接触する接触面を研磨して、前記接触面の平滑度を0.5mm以下にした後、組み上げて、前記減圧脱泡槽、前記上昇管の少なくとも一部、および前記下降管の少なくとも一部の、溶融ガラスに直接接触する流路を形成した後、この流路を所定の温度に加熱し、前記緻密質耐火物製レンガからガラス質を溶出させ、隣接する前記レンガの接触面内の隙間を埋めることを特徴とする減圧脱泡装置の製作方法。
  7. 真空吸引されて内部が減圧される減圧ハウジングと、
    この減圧ハウジング内に設けられ、溶融ガラスの減圧脱泡を行う減圧脱泡槽と、
    この減圧脱泡槽に連通して設けられ、減圧脱泡前の溶融ガラスを吸引上昇させて前記減圧脱泡槽に導入する上昇管と、
    前記減圧脱泡槽に連通して設けられ、減圧脱泡後の溶融ガラスを前記減圧脱泡槽から下降させて導出する下降管とを具備する減圧脱泡装置を製作するに際し、
    前記減圧脱泡槽、前記上昇管の少なくとも一部、および前記下降管の少なくとも一部から構成される一連の管路の内、溶融ガラスと直接接触する流路を形成する部分には、緻密質耐火物製レンガを組み上げた内表面レンガ層を設け、この内表面レンガ層の背後には所定間隔離間させて耐火物製レンガを組み上げてバックアップレンガ層を少なくとも1層設け、少なくとも前記内表面レンガ層と前記バックアップレンガ層との間の隙間に少量の水分を混練したラミング材をバイブレータで振動させて充填し、
    前記内表面レンガ層は、前記緻密質耐火物製レンガの隣接する前記レンガと接触する接触面の平滑度を0.5mm以下に研磨した後、組み上げて、前記減圧脱泡槽、前記上昇管の少なくとも一部、および前記下降管の少なくとも一部の、溶融ガラスに直接接触する流路を形成した後、この流路部分に所定の温度に加熱し、前記緻密質耐火物製レンガからガラス質を溶出させ、隣接する前記レンガの接触面内の隙間を埋めることによって設けられることを特徴とする減圧脱泡装置の製作方法。
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