JP3822439B2 - 肥満治療用2−オキシ−4h−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン - Google Patents
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Description
本発明は、その好適な作用形態がエステル官能基(インビボに自然に発生する酵素として)の加水分解を触媒することである酵素阻害に使用され、薬剤、特に肥満又は肥満関連疾患の薬学的予防、及び/又は治療へ使用される既知及び新規化合物を提供する。本発明は、更に肥満又は肥満関連疾患の予防及び/又は治療に適した、及び非医療的体重減少を促進/補助に関する、及び上記適用に関する薬剤製造への化合物の使用に関する方法も提供する。新規化合物に関しては、本発明はそれらの製造方法、それらを含む組成物及びかかる組成物を製造する方法も提供する。
【0002】
過去20年間、先進国では肥満人口が増加傾向にある。肥満発生率の増加は、その一部は数多くの商店で簡単に食物が入手できること、及び飽和型脂肪を多く含み繊維含有量が低く、エネルギー密度が高い西洋型の食事に拠るものである。先進諸国の人口のライフスタイルは社会の機械化が進んだ、労務集約型産業が減少しつつある、より定着性のものとなっている。今日、カロリー高密度食からのエネルギー摂取と定着型ライフスタイルに必要とされる低エネルギー支出との間にエネルギーの不平衡が存在している。過剰なエネルギー接種の一部は脂肪組織中に脂肪として蓄えられ、時間と共にこれが蓄積した結果肥満となり、多くの疾患や障害に対する重大な寄与因子になる。
【0003】
今日肥満は医療専門家からは代謝性疾患と考えられている。米国では成人人口の25%が臨床的に肥満である(肥満指数>30)。肥満はライフスタイルの質を低下し、糖尿病、心臓血管病や高血圧の様な関連疾患のリスクを増大させる衰弱状態と言い得る。米国医療費の内の450億ドル又は年間総医療費の8%が肥満の直接的な結果であると推定されている。食事制限や運動といった長期の体重管理を目的とした伝統的な方法単独では、肥満拡大のコントロールに有効ではないことが証明されている。今日、従来に増して肥満治療に適した安全、有効な薬剤の開発に大きな関心が寄せられている。
【0004】
肥満治療に用いられる薬理学的方法は、エネルギー支出を増大させる薬物、又はエネルギー摂取を減少させる薬物の開発のいずれかに焦点が当てられている。エネルギー摂取を減少させる方法の一つは、食物、特に脂肪に対する体の消化及び吸収能力を低下させることである。脂肪の消化に関わる重要酵素は加水分解酵素である。最も重要な脂肪分解酵素はリパーゼ、これのみでは無いが主に膵臓から胃腔内に分泌される膵臓リパーゼである。オルリスタット(Orlistat)は公開ヨーロッパ特許出願第EP129748号の主題であり、次式の化合物およびその膵臓リパーゼの阻害と高脂血症並びに肥満の治療への使用に関する。
【0005】
【化10】
式中、Aは−(CH2)5−又は
【化11】
である。
【0006】
オルリスタットはその主要活性成分として膵臓リパーゼの活性部位内のセリン152の側鎖ヒドロキシル基と反応し、エステルを形成するベータラクトン基を有する。
【0007】
オルリスタットが肥満治療に関する効果的な方法であるとしても、肥満及び肥満関連障害の管理及び治療への使用、及び非医療的な体重減少を促進し、又は補助することに適した代替薬及び方法を提供するニーズは以前存在している。ここには脂肪分解に関係する酵素の阻害剤が提供され、肥満、肥満関連疾患の予防及び治療、及び/又は美容的体重減少の促進に有効であることが示されている。
【0008】
米国特許第4,665,070号(シンテックス(Syntex))には次式2−オキシ−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オンの広範囲種が記載されている。
【0009】
【化12】
式中、aは0〜4の整数であり;各R’は広範囲の置換基より選択され;Aは結合又はC1−8アルキレン基であり;RはH(Aが結合の場合を除く)、フェニル、イミダゾール又は各環が任意に置換されているC3−6シクロアルキルである。R’基は環内の5−及び/又は7−位にあることが好ましいと言われている。基Aの好ましい値は1−4個の炭素原子を持つ低級アルキレンである。最適化合物Aはエチレンである。化合物はセリンプロテアーゼ阻害剤として、そして酵素が関係することが知られている生理学的状態及び疾患状態の治療に、又は経口避妊薬として有用であると言われている。本明細書は炎症、関節炎、癌細胞転移、肺気腫、皮膚粘膜リンパ節症候群、成人呼吸窮迫症候群及び膵炎を含む、酵素経路が関係した各種状態及び疾患を記載する。さらに駆虫、抗凝固、及び/又は抗ウイルス活性を有し得る化合物も提案される。同様の化合物は米国特許第4,745,116号にも記載されている。
【0010】
国際特許出願WO89/07639号(BPケミカル社)には、界面活性剤、水存在下にペルオキシゲン化合物を生ずることができる前駆体化合物、泡抑制剤、洗剤増強剤及び次式の漂白活性化剤を含む水溶液中の洗剤組成物が記載されている。
【0011】
【化13】
式中、Rは特にアルコキシ基であり、R1、R2、R3及びR4(同一でも異なっていてもよい)はH,ハロゲン、アルキル、アルケニル、アリール、ヒドロキシル、アルコキシル、アミノ、アルキルアミノ、−COOR5及びカルボニル官能基より選択される。アルキル基及び部分中の炭素原子数は規定されないが、具体例は低級アルキル及びアルコキシ基であり、例えばRはエトキシであり得る。
【0012】
西ドイツ特許第DD24699A1には、次式の2−アルコキシ−及び2−アリールオキシ−3,1−ベンゾオキサジン−4−オンの合成方法が記載されている。
【0013】
【化14】
式中、R’ nは1又はそれ以上のH原子、及び/又はアルキル、アルコキシ、アラルキル、アリール、チオシアネート、メルカプト、アルキルチオ、ハロゲン、又はニトロ等の置換基であり、R2はアルキル、アラルキル、又はアリール残基である。化合物は除草剤及び殺菌剤として有用であり、且つキモトリプシンの阻害剤としての活性を有するといわれている。R2の具体例はエチル、ベンジル及びフェニルである。
【0014】
今回本発明者等はベンゾキサジノン化合物の特定種はリパーゼ阻害剤としての活性を有することを見いだした。
【0015】
従って、本発明の第1の態様は、式(I)を含む化合物、又は薬学的に受け入れ可能なその塩、エステル、アミド又はプロドラッグの、その好適な作用形態がエステル官能基の加水分解を触媒することである酵素の阻害を必要とする状態の治療に適した薬剤の製造への使用を提供する。
【0016】
【化15】
式(I)中、
Aは6員芳香族又はヘテロ芳香族環であり;また
R1は分岐型、又は非分岐型アルキル(任意に1またはそれ以上の酸素原子により割り込まれている)、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アリールアキル、還元型アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、還元型アリール、還元型ヘテロアリール、還元型ヘテロアリールアルキル、又はこれらの基のいずれかの置換型誘導体であって、ここでの置換基は独立に1またはそれ以上の水素、アルキル、ハロ置換型アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、還元型ヘテロアリール、還元型ヘテロアリールアルキル、アリールアルコキシ、シアノ、ニトロ、−C(O)R4、−CO2R5、−SOR4、−SO2R4、−NR6R7、−OR6、−SR6−、−C(O)CX1X2NR6R7、−C(O)N(OH)R6、−C(O)NR5R4、−NR6C(O)R4、−CR6(NH2)CO2R6、−NHCX1X2CO2R6、−N(OH)C(O)NR6R7、−N(OH)C(O)R4、−NHC(O)NR6R7、−C(O)NHNR6R7、−C(O)N(OR5)R6、又は脂質又はステロイド(天然又は合成)である。但し、R1におけるどのヘテロ原子も少なくとも2炭素原子分(好ましくは飽和型)、環外酸素原子(又はその他ヘテロ原子)から隔てられていなければならない;
R4は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、還元型ヘテロアリール、還元型ヘテロアリールアルキル、−OR6、−NHCX1X2CO2R6、又は−NR6R7であり;
R5は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、還元型ヘテロアリール、又は還元型ヘテロアリールアルキルであり;
R6及びR7は独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、還元型ヘテロアリール、還元型ヘテロアリールアルキル、又は式中のnが1ないし12であり、好ましくは2ないし10であり、mが1−3であり、R5が最も好ましくはC2−C10アルキルである−(CH2)n(OR5)mであり;そして
X1及びX2が独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、還元型ヘテロアリール又は還元型ヘテロアリールアルキルである。
【0017】
式(I)の化合物において、いずれかのアルキル、アルケニル及びアルキニル基並びに部分は直鎖(非分岐型)または分岐鎖であり得る。直鎖アルキル、アルケニル、及びアルキニル基又は部分は、1ないし30個の炭素原子、例えば1ないし25個の炭素原子、好ましくは1ないし20個の炭素原子を含み得る。分岐型鎖アルキル、アルケニル、及びアルキニル基又は部分は1ないし50個の炭素原子、好ましくは1ないし30個の炭素原子を含むだろう。
【0018】
R1、R4、R5、R6、R7、X1及びX2の好適な値は、式(II)及び(IIa)に関しては以下の規定の通りである。具体的にはR4、R5及びR6に関する好適値は以下のR13に関する規定に同じであり、R7に関する好適値は以下のR14に関する規定に同じである。
【0019】
本明細書中、「還元型」とは、「還元型ヘテロアリール」等との関係においては完全又は部分的に飽和していることを意味する。
【0020】
アリール基は、例えば任意に置換された不飽和型単環式、又はフェニル及びナフチル等の炭素原子12個以下の2環式環、及びテトラヒドロナフチル等の部分的に飽和した2環式環を含む。アリール基上に存在し得る置換基の例には、1またはそれ以上のハロゲン、アミノ、ニトロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、フェノキシ及び1又はそれ以上のハロ、アルキルあるいはアルコキシにより置換されたフェノキシが含まれる。
【0021】
ヘテロアリール基又は部分は、例えばO、N及びSから選択される1ないし4個のヘテロ原子を含む任意に置換された5−又は6−員複素環式芳香族環であり得る。複素環は任意にフェニル環に融合され得る。ヘテロアリール基の例には、フリル、チエニル、ピロロリル、オキサゾロリル、オキサジニル、チアゾリル、イミダゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、トリアゾリル、トリアジニル、ピリダジル、ピリミジニル、ピラゾリル、インドリル、インダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンジミダゾリル、ベンゾキサジニル、キノキサリニル、キノリニル、キナゾリニル、シノニリル、ベンゾチアゾリル、ピリドピロリルが含まれる。好適な置換基には、1またはそれ以上のハロゲン、オキソ、アミノ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、フェノキシ、及び1またはそれ以上のハロ、アルキル、ハロアルキル、又はアルコキシで置換されたフェノキシが含まれる。
【0022】
還元型ヘテロアリール基又は部分は、例えば上記ヘテロアリール基の完全、又は部分飽和誘導体であり得る。従って、還元型ヘテロアリール基の例はピロリジニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロチエニル及びピペリジニルを含む。
【0023】
式(I)の化合物は、脂肪分解に関係する酵素の有益な阻害剤である。従って、好ましくは本発明の第1の態様は、肥満又は肥満関連障害の管理又は治療に関する、あるいは非医療的な体重減少を促進することに関する薬剤の製造への、上記に規定される式(I)の化合物、又は薬学的に受け入れ可能なその塩、エステル、アミド、又はプロドラッグの使用を提供する。
【0024】
好ましくは、本発明の第1の態様による使用のための化合物は式(II)の化合物、又はその薬学的に受け入れ可能な塩、エステル、アミド又はプロドラッグである。
【0025】
【化16】
式中、
R1、R4、R5、R6、R7、X1及びX2は式(I)に関する上記の規定に同じであり、また
R8、R9、R10、R11はそれぞれ独立に水素、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、又は上記規定の基R1であり、
またはR12Q基(ここでのQはO、CO、CONH、NHCO、S、SO、SO2又はSO2NH2であり、R12は水素又は上記の基R1である)であり、
またはR1R2N基(ここでのR1は上記規定の通りであり、R2は水素又はR1であり、ただしR1及び/又はR2のどのヘテロ原子置換基も少なくとも2炭素原子分(好ましくは飽和型)、芳香族ヘテロ原子置換基から隔てられていなければならない)である。R1、R8、R9、R10及びR11の好適値は式(IIa)の化合物に関する下記規定の通りである。
【0026】
より好ましくは、本発明の第1の態様による使用に適した化合物は式(II)の化合物、又はその薬学的に受け入れ可能な塩、エステル、アミド又はプロドラッグであり、式中、
R1は25個以下の炭素原子(例えば20個以下)を有する分岐型又は非分岐型アルキル基、アリール(例えば、任意に置換されたフェニル又は2−ナフチル)、アルキル部分が25個以下(例えば20個以下)の炭素原子を有するアリールアルキル基、又はアリールアリール基であり、前記アリールアルキル基またはアリールアリール基は、スペーサーにより隔てられ得、前記スペーサ−は1又はそれ以上のエステル、アミド、O、CH2又はケトンであり得、前記アリール基は好ましくはフェニル基であり、任意にアルキル、ハロアルキル、又はハロゲンにより置換されている;
R8は水素又はフッ素であり;
R9は1ないし10個の炭素原子を有する低級分岐型又は非分岐型アルキル(好ましくはメチルである)、3ないし10個の炭素原子を有する環式アルキル(好ましくはシクロプロピルである)、ハロアルキル(好ましくはトリフルオロメチルである)、ハロゲン(最も好ましくは塩素又はフッ素である)であり、
R10は1ないし10個の炭素原子を有する水素低級分岐型又は非分岐型アルキル(好ましくはメチルである)、3ないし10個の炭素原子を有する環式アルキル(好ましくはシクロプロピルである)、ハロアルキル(好ましくはトリフルオロメチルである)、ハロゲン(最も好ましくは塩素又はフッ素である)であり、
R11は1ないし10個の炭素原子を有する水素低級分岐型又は非分岐型アルキル(好ましくはメチルである)、又はハロゲン(好ましくはフッ素である)である。
【0027】
具体的には、R1はそのアルキル鎖内に12,14、15、16、17又は18個の炭素原子を有する非分岐型アルキル基である。上記R1に関する具体的且つ任意の例に加え、R9はメチルであり得る。
【0028】
第2の態様では、本発明は式(IIa)の新規化合物、又はその薬学的に受け入れ可能な塩、エステル、アミド又はプロドラッグを提供する。
【0029】
【化17】
式中、
R1aは
(i)C10−30の分岐型又は非分岐型アルキルであり、任意に1または2以上のC3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、還元型ヘテロアリール、−C(O)R13、−CO2R13、−SOR13、−SO2R13、−NR13R14、−OR13、−SR13、−C(O)NR13R14、−NR14C(O)R13、ハロゲン、シアノ及びニトロにより独立に置換され、、及び/又は1または2以上の酸素原子により任意に割り込まれ、ただし、R1におけるどのヘテロ原子も少なくとも2炭素原子分(好ましくは飽和型)、環外酸素原子(又はその他ヘテロ原子)から隔てられられなければならない;
(ii)C2−25アルケニル、C2−25アルキニル、C3−6シクロアルケニル、アリール−C2−25アルケニル、ヘテロアリール−C2−25アルケニル、還元型ヘテロアリール、還元型ヘテロアリール−C1−25アルキル、又はこれらの基のいずれかの置換型誘導体であって、該置換基は独立に1またはそれ以上のC1−6アルキル、ハロ置換型C1−6アルキル、アリール、アリール−C1−6アルキル、ヘテロアリール、還元型ヘテロアリール、還元型ヘテロアリール−C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、アリールC1−6アルコキシ、−C(O)R13、−CO2R13、−SOR13、−SO2R13、−NR13R14、−OR13、−SR13、−C(O)NR13R14、−NR14C(O)R13、ハロゲン、シアノ及びニトロであり、但し、R1中のどのヘテロ原子も少なくとも2炭素原子分(好ましくは飽和型)、環外酸素原子(又はその他ヘテロ原子)より隔てられていなければならない;
(iii)1又はそれ以上の酸素原子により割り込れたC1−9アルキル基であり、任意に1又はそれ以上のC3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、還元型ヘテロアリール、−C(O)R13、−CO2R13、−SOR13、−SO2R13、−NR13R14、−OR13、−SR13、−C(O)NR13R14、−NR14C(O)R13、ハロゲン、シアノ及びニトロにより独立に置換されており、ただし、R1におけるどのヘテロ原子も少なくとも2炭素原子分(好ましくは飽和型)、環外酸素原子(又はその他ヘテロ原子)より隔てられなければならない;又は
(iv)−C(O)R13、−CO2R13、−SOR13、−SO2R13、−NR13R14、−OR13、−SR13、−C(O)NR13R14、−NR14C(O)R13、ハロゲン、シアノ、ニトロ、2環式アリール、2環式ヘテロアリール、単環式又は2環式還元型ヘテロアリール、及びイミダゾリル以外のヘテロアリールより選択される基により置換されたC1−9アルキル基;
(v)OR17、−COR13、−CO2R13、SOR13、SO2R13、CONR13R14、NR14C(O)R13、ハロ置換型C1−6アルキル、アリール、アリールC1−6アルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリールC1−6アルキルより選択された基により置換されたフェニル基;又は
(vi)2環式アリール、2環式ヘテロアリール、単環式又は2環式還元型ヘテロアリール、又はイミダゾリル以外の単環式ヘテロアリール基であり、OR17、−COR13、−CO2R13、SOR13、SO2R13、CONR13R14、NR14C(O)R13、ハロ置換型C1−6アルキル、アリール、アリールC1−6アルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリールC1−6アルキルから選択された基により任意に置換されており;
式中、R13及びR14は互いに独立に水素、C1−10アルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルケニル、アリール、アリールC1−10アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールC1−10アルキル、還元型アリール又は還元型ヘテロアリール、C1−10アルキルを表し、且つR17は水素、C2−10アルケニル、C2−1 0アルキニル、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルケニル、アリール、アリールC1−10アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールC1−10アルキル、還元型アリール又は還元型ヘテロアリール、C1−10アルキルを表し;
R8a、R9a、R10a及びR11aはそれぞれ独立に水素、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、チオール、C1−10アルキル、C1−10アルコキシ、C1−10シクロアルキル、C1−10シクロアルコキシ、C(O)R15、C(O)NR15R16、S(O)R15又はハロC1−10アルキルであり;
式中R15及びR16は独立に水素又はC1−10アルキルを表す。
【0030】
式(IIa)の化合物において、
R1aが(i)に規定の基である場合、R1aは好ましくはC10−25、例えばC10−20分岐型又は非分岐型アルキル基であり、有利にはC12−18、例えばC14−18分岐型又は非分岐型アルキル基であり、任意に1またはそれ以上の酸素原子により割り込まれる。前記アルキル基に関する任意の置換基は好ましくは、1又はそれ以上のアリール、例えばフェニル;ヘテロアリール、例えばチエニル;アリールオキシ、例えばフェノキシ;ヘテロアリールオキシ、例えばベンゾキサジニルオキシ;−CO2R13、例えばCOOH;NR13R14、例えばNH2;−CONR13R14、例えばCONHCH3;シアノ、ニトロ、ハロゲン、及びOHより選択される。R13及びR14は好ましくはそれぞれ独立に水素又はC1−6アルキルを表す。
【0031】
R1aが(ii)により規定される基である場合、R1aは好ましくはC10−25、例えばC10−20分岐型又は非分岐型アルケニル又はアルキニル基であり、有利にはC14−18分岐型又は非分岐型アルケニル又はアルキニル基である。好適な任意の置換基は、グループ(i)の好適置換基として規定されたものである。
【0032】
R1aが(iii)により規定される基である場合、C1−9基は好ましくは1または2個の酸素原子を含む。好ましくは任意の置換基は基(i)及び(ii)に関する上記の規定に同じである。
【0033】
R1aが(iv)により規定される基である場合、好適な置換基は基(i)−(iii)に関する上記規定に同じである。
【0034】
R1aが(v)に規定の基である場合、好適な置換基は基はOR17、CO2R13、C(O)NR13R14、NR14C(O)R13及びアリールC1−10アルキルから選択される。フェニル基R1a及び置換基内の追加フェニル基又は部分は、1又はそれ以上のハロゲン、アルキル、又はハロアルキルにより置換され得る。
【0035】
R1aが(vi)により規定される基である場合、これはナフチル、ピリジル、ピロリル及びピペリジニルより好ましく選択される。
【0036】
R1aは好ましくは上記規定の基(i)及び(v)から選択される。
【0037】
R1aは好ましくはC10−20分岐型又は非分岐型アルキルであり、任意に1又は2個の酸素原子により割り込まれ、及び/又は1又はそれ以上のアリール、例えばフェニル;アリールオキシ、例えばそのフェニル部分がアルキル、ハロアルキル、ハロゲン、又はフェノキシにより任意に置換されるフェノキシ;ヘテロアリール、例えばチエニル;ヘテロアリールオキシ、例えばベンゾキサジニルオキシ(任意に1個のオキソ置換基を持ち得る);シアノ、ニトロ、−CO2R13、−NR13R14、−CONR13R14、OH及びハロゲンにより任意に置換される。
【0038】
R1aは有利には1又はそれ以上の、特に好ましくは1のOR17、−CO2R13、−C(O)NR13R14、NR14C(O)R13及びアリールC1 −10アルキルにより置換されたフェニルである。
【0039】
R13及びR14は好ましくは独立に水素又はC1−6アルキルを表す。
【0040】
R17は好ましくはフェニルを表し、任意にアルキル、ハロアルキル、ハロゲン、又はフェノキシにより置換され、フェニル部分はまた任意にアルキル、ハロアルキル又はハロゲンにより置換される。
【0041】
最も好ましいR1aは14,15,16,17又は18個の炭素原子を有する非分岐型アルキル鎖である。
【0042】
R8aは好ましくは水素又は、例えばフッ素等のハロゲンであり、最も好ましくは水素である。
【0043】
R9aは、好ましくは水素又は1ないし10個の炭素原子、好ましくは1ないし6個の炭素原子を有する低級分岐型又は非分岐型アルキル、好ましくはメチル、3ないし6個の炭素原子を有する環式アルキル、好ましくはシクロプロピル、ハロC1−6アルキル、好ましくはトリフルオロメチル、又はハロゲン、好ましくは塩素又はフッ素である。
【0044】
R10aは、好ましくは水素、又は1ないし10個の炭素原子、好ましくは1ないし6個の炭素原子を有する低級分岐型又は非分岐型アルキル、好ましくはメチル、3ないし6個の炭素原子を有する環式アルキル、好ましくはシクロプロピル、ハロC1−6アルキル、好ましくはトリフルオロメチル、又はハロゲン、好ましくは塩素又はフッ素である。
【0045】
R11aは、好ましくは水素、例えばフッ素等のハロゲン;1ないし10個の炭素原子、好ましくは1ないし6個の炭素原子を有する、例えばメチル等の分岐型又は非分岐型アルキルである。
【0046】
好ましくは、式(IIa)の化合物において、R8a、R9a、R10a及びR11a少なくとも1個は水素原子以外の置換基を表す。即ち、例えばR8aは水素原子を表し、R9a、R10a、及びR11aは上記の通りである。別の好適な形態では、R8a及びR11aはそれぞれ水素原子を表し、R9aは上記に同じ置換基であり、R10aは水素原子又は置換基を表す。別の形態では、R8a、R9a、R10aは水素を表し、R11aは上記の置換基、例えばメチルを表す。最も好ましいR8a、R10a及びR11aはそれぞれ水素原子であり、R9aは上記の置換基を表し、有利にはC1−6アルキル基、特にメチルである。
【0047】
式(II)の範囲内にある新規化合物の別のグループは、式中のR1が式(II)の規定に同じであり、且つR8、R9、R10及びR11の少なくとも1つがC8−20アルキル基、好ましくはC8−10アルキル基であるものである。本形態の最も好ましいものは、R9又はR10がC8−10アルキル基であり、ベンゼン環上の残りの置換基が全て水素を表す。
【0048】
上記形態の薬学的に受け入れ可能な塩の例は、メタンスルホネート、ベンゼンスルホネート、p−トルエンスルホネート、塩化水素塩及び硫酸塩等をそれぞれ生ずる、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、及びp−トルエンスルホン酸等の有機酸、塩化水素酸や硫酸等の無機酸等に由来する塩、又は有機又は無機塩基等の塩基に由来する塩を含む。本発明の化合物の形成に適した好適な無機塩基の例には、アンモニア、リチウム、ナトリウム、カルシウム、カリウム、アルミニウム、鉄、マグネシウム、亜鉛等の水酸化物、炭酸化塩び重炭酸塩が含まれる。塩は好適な有機塩基からも形成される得る。薬学的に受け入れ可能な本発明の化合物との塩基付加塩の形成に適した好適な塩基には、無毒且つ塩形成するのに十分強い有機塩基が含まれる。かかる有機塩基は当該分野において既に公知であり、アルギニン及びリジン等のアミノ酸、モノ−、ジ−、又はトリエタノールアミン等のモノ−、ジ−又はトリヒドロキシアルキルアミン、コリン、メチルアミン、ジメチルアミン及びトリメチルアミン等のモノ−、ジ−及びトリアルキルアミン;N−メチルグルコサミン;N−メチルピペラジン;モルホリン;エチレンジアミン;N−ベンジルフェネチルアミン;トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン;等を含む。
【0049】
塩は、当該分野において公知の方法を用いた通常の方法で合成され得る。前記塩基性化合物の酸付加塩は、本発明の第1又は第2の態様による遊離型塩基性化合物を水性溶液又は水性アルコール溶液、又は必要な酸を含む好適な溶媒中に溶解させることにより合成され得る。式(I)の化合物が酸性官能基を含む場合、前記化合物の塩基性塩は、前記化合物を好適塩基と反応させることで合成され得る。酸又は塩基性塩は直接分離されるか、例えば蒸発等の方法により溶液を濃縮することで得ることができる。本発明の化合物は、溶媒和物又は水和物としても存在し得る。
【0050】
本発明は更に上記化合物のプロドラッグも含む。プロドラッグは通常活性型成分又は薬物の不活性型又は保護型誘導体として記述され、これらは体内にて活性型成分又は薬物に変換される。
【0051】
本発明の第1及び/又は第2の態様による代表的化合物には以下のものが含まれる。
【0052】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
化合物1−3、6、7及び9以外の表1−9の化合物は新規であり、且つこれら形態は本発明の好適な実施形態であると信じられる。
【0053】
表1−9記載の式(II)の好適化合物には、化合物番号4、5、8、10、11、12、13、14、21、26、27、28、30、32、33、34、35及び78が含まれる。
【0054】
これら特定化合物は、新規であり且つこのような形態は本発明の別の態様であると信じられる。
【0055】
表1−9記載の式(IIa)の好適化合物には、化合物番号15、16、17、18、19、20、22、23、24、25、29、31、36、37、38、39、79、80,81、82、84及び85が含まれる。
【0056】
特に好適な式(IIa)の化合物は、
15:2−デシルオキシ−6−メチル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
16:6−メチル−2−テトラデシルオキシ−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
18:2−ヘキサデシルオキシ−6−メチル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オンである。
【0057】
上記本発明の好適な化合物は、その互変体及び(それに限定されないが)その薬学的に受け入れ可能な塩、エステル、アミド又はプロドラッグ、又は任意に1またはそれ以上の脂質基(天然又は合成)の結合した誘導体も含む。
【0058】
本発明の第3の態様は、本発明の第1又は第2の態様による1又はそれ以上の新規化合物又は誘導体の製造方法を提供する。即ち、本発明は以下の工程を含む、式(II)の新規化合物、特に式(IIa)の新規化合物の合成方法を提供する。
【0059】
工程(A):式(IV)の化合物を式(V)の化合物と反応させる工程。
【0060】
【化18】
【化19】
又は、
工程(B):式(VI)の化合物を環状化する工程。
【0061】
【化20】
式中、R1及びR8−R11は前記の規定に同じであり、R18は水素又はC1−6アルキルである。
【0062】
又は
工程(C):式(VII)の化合物を式(VIII)の化合物と反応させる工程。
【0063】
【化21】
【化22】
工程(D):式(I)、(II)又は(IIa)の化合物を、例えば以下により、式(IIa)の別の化合物に変換すること。
【0064】
(i)式中のR1、R8、R9、R10及びR11のいずれかがアルケニル又はアルキニル基あるいは部分を含む式(IIa)の化合物を対応するアルキル又はアルキニル基あるいは部分に還元すること;又は
(ii) 式中1又はそれ以上のR8、R9、R10及びR11がハロゲン原子を表す式(IIa)の化合物をアルキル化すること。
【0065】
工程(A)は式(IV)の化合物をクロロギ酸エステル(V)と反応させることで実施され得る。該工程は好ましくは塩基性条件、例えばピリジンを使用して実施される。反応は過熱を避けるために冷却され得る。得られたカルバミン酸エステル中間体は、続いて過剰のクロロギ酸エステルとの反応、又は閉環を促進するその他環化剤の付加により環化される。好適な環化剤には、例えばクロロギ酸メチル、カルボニルジイミダゾール、無水酢酸、ホスゲン、塩化オキサリル、塩化チオニル又はジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)等のペプチド共役剤が含まれる。環化剤は好ましくはホスゲン、チオホスゲン、又は塩化チオニルである。当業者であれば、クロロギ酸エステルを使用し環化を実施する場合には、それは過剰な式(V)の化合物を使用することで提供されることを理解し得る。しかし好ましくは、得られたアルコール除去のコスト及び簡便さから低分子クロロギ酸エステルが使用される。
【0066】
工程(A)での使用に適した式(V)の化合物は、当業者に公知の一般的方法、例えばトルエン等の溶媒中での対応するアルコールR1OHとホスゲンとの反応により合成され得る。
【0067】
工程(B)は、環化剤、例えばアルキルクロロギ酸エステル存在下に、式中のR18が水素である化合物(VI)の反応、例えば工程(A)に関する記載と同様の反応により実施され得る。あるいは、化合物(VI)は、濃硫酸の様な脱水剤により処理することで環化され得る。
【0068】
式中のR18がアルキル基である化合物(VI)は、式(IV)に対応するエステルを、例えばホスゲン及びピリジン等の塩基と反応させ対応するイソシアネートにし、続いてアルコールR1OHで処理することで合成され得る。必要に応じ、エステルは(即ち式中のR18はアルキル)例えばテトラヒドロフラン水溶液、又はジオキサン水溶液中に、例えば水酸化リチウムを用い対応する酸(R18=H)に加水分解され得る。
【0069】
工程(A)は式(V)の中間体を介しても進行すること、即ち工程(B)の変形でもあることが理解されるだろう。
【0070】
工程(C)は、式(VII)の化合物を塩基、例えばHunigの塩基(ジイソプロピルエチレンアミド)存在下にアルコールR1OHと反応させることで実施され得る。式(VII)の化合物は式(IX)の対応する無水物から、高温、例えば100℃において例えばオキシ塩化リン(POCl3)と反応させることで合成され得る。
【0071】
【化23】
式(IX)の無水物それ自体は、例えばホスゲン又は合成等価体を使用し、式(IV)の化合物を環化して得られ得る。
【0072】
工程(D)では、アルケニル又はアルキニル基の還元は、例えば1大気圧の水素ガス下に、チャコール上の10%パラジウムの例えばエタノールの様なアルコール液を使用し、水素化を触媒することで実施される。
【0073】
工程(D)(ii)によるアルキル化は、スチル(Stille)またはその他パラジウムに触媒されたクロス−カップリング工程、例えばHMPA中にテトラメチル錫等のテトラアルキル錫及びPhCH2PD(PPh3)2Clを例えば50−100℃等の高温下に使用することで実施され得る。例えばトリフレート等のその他のハロゲン化物又はシュードハロゲン化物を出発材料として使用し得る。
【0074】
本発明の第4の態様は、薬剤への使用に関する本発明の第1及び第2の態様による化合物(即ち式(I)、(II)及び(IIa)の化合物)である。本発明の第1及び第2の態様の好適な特徴は、第4の態様にも提供される。本発明の第4の態様を以下に詳細に記載されている。
【0075】
本発明の第5の態様は、その好適な作用形態がエステル官能基の加水分解を触媒することである、酵素の阻害に使用する本発明の第1及び/又は第2の態様による化合物に関する。これはインビボ及びインビトロ両方の使用、及び産業的使用の様なその他使用も含む。かかる酵素は、化学結合の分裂を生じる水付加によりエステル官能基を含む基質の分解を触媒する酵素である。この様な酵素は体内の主要工程に含まれている。本発明による酵素は、リパーゼ(脂肪酸エステルを加水分解する)、エステラーゼ(エステルを加水分解する)及びフォスファターゼ(リン酸エステルを加水分解する)を含む。
【0076】
酵素は好ましくはリパーゼである。リパーゼは、哺乳動物体内にある膵臓リパーゼ、胃リパーゼ、リポ蛋白質リパーゼ、舌リパーゼ、脂肪組織リパーゼ、ホルモン感受性リパーゼ、フォスフォリパーゼA1、A2、B、C、D等、肝リパーゼ及びその他トリアシル、ジアシル及びモノアシルグリセロールリパーゼを含む。多くの同様のリパーゼは植物、真菌、及び微生物においても知られている。
【0077】
更にエステラーゼ酵素及びフォスファターゼ酵素も包含される。エステラーゼ酵素はブタ肝臓エステラーゼ、クレステリルエステラーゼ、レチニルエステラーゼ、1−アルキル−2−アセチルグリセロフォスフォコリンエステラーゼ、カルボキシルエステル加水分解酵素、及びコレステロールエステラーゼが含まれる。フォスファターゼ酵素には、セリン/スレオニンフォスファターゼPP1、PP2及びPP3、フォスフォプロテインフォスファターゼ、ミオシン軽鎖フォスファターゼ、蛋白質リン酸化蛋白質2C、及び蛋白質チロシンフォスファターゼが含まれる。
【0078】
薬剤への使用に適した本発明による化合物は、原則的には肥満、高脂肪血症、高脂血症及び高血糖症(II型糖尿病)の様な関連疾患、高血圧、心臓血管疾患、脳卒中、胃腸管病、及び胃腸管障害の様な医療状態の予防及び/又は治療に関する。本発明の第1及び第2の態様による化合物はこれら、及びその好適な作用形態がエステル官能基の加水分解を触媒することである(インビボで酵素が天然に行う様に)酵素を阻害するその能力を原因とするその他状態に有用である。本発明は更に、美容的体重減少及び一般的な体部外観を改善することを含む非医療的体重減少にも関する。本明細書を通じ、いずれの障害の予防及び/又は治療もいずれかの障害又は医療的障害をいずれかの程度緩和する効果を意味しており、それ自体の予防及び治療も含む。用語「治療」は、障害、疾患、症候群、状態、疼痛またはその2あるいはそれ以上の組合せの軽減を意味する。
【0079】
明らかに、本発明の重要な適用は、ヒトにおける体重減少(上記のあらゆる種類の)に関する。しかし、本発明は脂肪及び脂肪誘導体の代謝が、その好適な作用形態がエステル官能基の加水分解(インビボで酵素が天然に行う様に)を触媒することである酵素を含んでいるいずれの動物における医療的及び非医療的体重減少に適用される。即ち、本発明は獣医分野の応用も含み、特に飼い猫やイヌの様なペット動物、及びヒト摂取を目的に肉を提供する動物における医療及び非医療的体重減少に関し有用である。後者の場合、本発明の適用は、脂肪分の少ない肉製品の供給を目的とした脂肪含有量の低下である。
【0080】
本化合物は体脂肪中に蓄えられるトキシン(例えばダイオキシンやPCBs)のレベルを下げる上で有用でもあり得ると信じられている。理論に結びつける意図なしに、体を通過した未消化脂肪の量の増加は、体に蓄えられた脂肪からのトキシンの血中脂肪への拡散、従って腸内への拡散を促すると信じられている。
【0081】
本発明の第5の態様は重要な適用を有する。それは試験及び診断方法、及び工程又は製品中の不要酵素、好ましくはリパーゼのコントロール及び阻害を含む。好ましくはリパーゼを含む、工程又は製品には以下が含まれる:農産物(例えば脂肪種子)を加工、バイオテクノロジー工程(例えば微生物の溶解を含む)からの酵素の回収と分離、油原料(特に油及び可塑品)の製造及び抽出、トリグリセリド又はその他脂肪の工業製造、界面活性剤、石鹸又は洗剤を含む健康関連製品(例えばバスオイル、クリーム)の製造、リポソームの製造と加工(例えば健康関連製品、診断薬、遺伝子治療)、産業廃棄物処理(例えば製紙廃水の処理)及び脂肪を含む食品の分解を防止すること(例えばチョコレート加工)。即ち、本発明はこれら製品及び工程、例えば本発明の第1の態様による化合物を含む食品、特にケーキ、ビスケット、ペストリー製品等の様な高い脂肪を含む食品やチョコレート製品に関する。本発明の第5の態様における好適な特徴は、その好適な作用形態がエステル官能基の加水分解(インビボで酵素が自然に行うように)を触媒することである酵素も含めて、本発明のこれまでの態様に関する論議に同じである。
【0082】
本発明の第6の態様は、本発明の第1又は第2の態様による新規化合物を、薬学的に受け入れ可能なキャリアー又は賦形剤と組合せて含む化合物を提供する。好適なキャリアー及び/又は賦形剤は当該分野で良く知られており、薬剤等級の澱粉、マンニトール、ラクトース、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、タルク、セルロース、乳化剤又は水(好ましくは無菌)が含まれる。組成物は組成物の混合調剤であるか、又は同時、別々、又は連続の使用(投与も含む)に適した組合せ調剤であろう。
【0083】
前記適用での使用に適した本発明による化合物は、何れかの通常の方法、例えば経口(吸入を含む)、非腸管的、粘膜(例えば頬、舌下、鼻内)、直腸又は経皮投与方法と、それに適した組成物により投与される。
【0084】
経口投与に関しては、化合物は液体又は固体、例えば溶液、シロップ、懸濁液、乳液、錠剤、カプセル及びロゼンジとして配合することができる。
【0085】
液体製剤は一般には好適な水性、又は非水性液体キャリアー、例えば水、エタノール、グリセリン、ポリエチレングリコール又は油の化合物又は生理学的に受け入れ可能な塩の懸濁液、又は溶液より成る。製剤はまた懸濁化剤、保存剤、芳香剤、又は着色剤も含み得る。
【0086】
錠剤形状の製剤は、固体製剤の調製に日常使われる好適薬剤キャリアーを用い調製できる。この様なキャリアーの例には、ステアリン酸マグネシウム、澱粉、ラクトース、ショ糖及び微結晶セルロースが含まれる。
【0087】
カプセルの形状の組成物は、通常のカプセル化の手順を使用し調製できる。例えば、活性成分を含む粉末、顆粒又はペレットは通常のキャリアーと使い調製でき、次に硬質ゼラチンカプセル内に充填される;又は分散剤又は懸濁剤は好適薬剤キャリアー、例えば水性ゴム、セルロース、ケイ酸塩又は油を使い調製でき、次に分散剤又は懸濁剤は軟質ゼラチンカプセルに充填される。
【0088】
経口投与に適した組成物は、それが消化管を通過することから、例えば錠剤又はカプセル上に外コーティングを配合することで分解から活性成分を保護する様工夫される得る。
【0089】
典型的な組成物は、化合物又は生理学的に受け入れ可能な塩の、無菌の水性又は非水性キャリアー、又は非腸管的に受け入れ可能な油、例えばポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、レシチン、ラッカセイ油又はゴマ油の溶液、又は懸濁液より成る。或いは、溶液は凍結乾燥され、次に投与直前に好適溶媒により再生できる。
【0090】
鼻内又は経口投与に適した組成物は、エアゾール、ドロップス、ゲル及び粉末として有利に製剤化され得る。エアゾール製剤は典型的には活性成分の生理学的に受け入れ可能な水性又は非水性溶媒の溶液又は微細懸濁液を含み、噴霧器での使用に適したカートリッジ又は補充容器の形状を取ることができる密封容器内に単回又は複数回投与量存在することが多い。あるいは密封容器は、容器内の内容物を1回分排出するための計量バルブを備えた単回鼻用吸入器、又はエアゾールディスペンサーの様な一体型投薬装置でもよい。投薬形状がエアゾールディスペンサーを具備する場合には、それは薬学的に受け入れ可能な発射剤を含むだろう。エアゾール投与形状はポンプ式噴霧器の形状もとり得る。
【0091】
頬又は舌下投与に好適な組成物は活性成分が糖及びアカシアの様なキャリアーと、トラガント、又はゼラチン及びグリセリンと共に製剤化された錠剤、ロゼンジ及び香剤を含む。
【0092】
直腸又は膣投与に適した組成物は、一般には座薬(コカバターの様な一般的な座薬基材を含む)、ペッサリー、膣剤、泡剤又は浣腸剤の形状である。
【0093】
経皮投与に適した組成物は、軟膏、ゲル、貼付剤及び粉末注射を含む注射剤を含む。
【0094】
通常組成物は錠剤、カプセル又はアンプルの様な単位投与形状にある。
【0095】
本発明の6番目の態様の組成物は、肥満、肥満関連障害、その他医療的減量及び非医療関連の減量の予防及び/又は治療に有用である。本発明の本態様の好ましい特徴は、本発明の第1ないし第5の態様に関する上記に同じである。
【0096】
本発明の第7の態様は、本発明の第6の態様による組成物の製造方法を提供する。該製造は、当該分野において公知の標準的技術により実施でき、本発明の第1又は第2の態様による化合物と薬学的に受け入れ可能なキャリアー又は賦形剤とを組み合わせることを含む。組成物は錠剤、液体、カプセル又は粉末を含む何れかの形状又は機能性食品の様な食品の形でもよい。後者の場合、食品自体が薬学的に受け入れ可能なキャリアーとして機能するだろう。
【0097】
本発明の第8の態様は肥満又は肥満関連障害の予防及び/又は治療に適した、本発明の第1又は第2の態様による化合物の投与を含む方法、好ましくは薬学的に受け入れ可能なキャリアー又は賦形剤(本発明の第6の態様の様な)と組合せた方法を提供する。肥満関連障害には、高脂血症、高脂質血症、高血糖症、高血圧、心臓血管病、脳卒中、胃腸病及び胃腸障害が含まれる。化合物又は組成物は、好ましくは患者に対し、その必要な形、及び状態、障害又は疾患の症状の予防及び/又は治療に必要な量投与される。本発明の全ての態様に関し、特に医療的態様に関し、化合物又は組成物の投与は、担当医師により最終決定さ、使用する化合物、動物のタイプ、年齢、体重、症状の程度、投与方法、副作用及び/又はその他禁忌といった要素を考慮に入れた投与処方を有する。特異的に規定される投与量域は、通常に計画された、患者の進行及び回復が完全に監視されている臨床試験により決定できる。この様な試験は、ヒトでの開始用量として動物における最大耐性用量に比べ低量を使用し、投与量を増加していく計画が使用され得る。本発明の生理学的に受け入れ可能な化合物は通常は、例えば式(I)の化合物、又は遊離型の基剤として計算された生理学的に受け入れ可能な塩の1mgないし2000mg、好ましくは30mgないし1000mg、例えば10ないし250mgの経口投与量、0.1mgないし100mg、好ましくは0.1mgないし50mg、例えば1ないし25mgの静脈内、皮下又は筋肉内投与量が日用量処方(成人に関し)として、1日1回ないし4回に投与される得る。好適には、化合物は連続治療期間、例えば1週間またはそれ以上の期間投与され得る。
【0098】
本発明の第9の態様は、本発明の第1又は第2の態様による化合物を、好ましくは薬学的に受け入れ可能なキャリアー又は賦形剤(本発明の第6の態様による)と組合せ投与することを含む、所定体重を維持する、又は美容上の減量を目的とした美容法を提供する。化合物又は組成物は被験者に対し、必要に応じて又はその所望する期間について、所定体重を維持するのに十分な量、又は美容上の減量にとって十分な量投与される。
【0099】
本発明の第8及び第9の態様は、ヒト又はその他動物、特にペット(イヌやネコの様な)、又はウシ、ブタ及びヒツジ(いずれの年齢について)の様なヒトの消費を目的とした肉を提供するその他動物に応用可能な方法に関する。
【0100】
以下、本発明を次の非限定的な例を参照しながら説明する。
【0101】
生物学的試験方法と結果
試験化合物
以下の試験に用いたベンゾオキサジノン化合物は前記表1−9において割り振られたリファレンス番号を用い指定される。
【0102】
キニンジイミン色素比色アッセイを使用したリパーゼ活性の測定
膵臓リパーゼに対する選択化合物の阻害活性は、シグマ社(Sigma Ltd)より販売されている以下のアッセイ(Lipase−PSTM、カタログ番号805−A)にて測定された。
【0103】
膵臓及びモノグリセリドリパーゼの作用より放出されたグリセロールは酸化されてH2O2を放出する。次にペルオキシダーゼ反応段階がピンク色を呈し、波長550nmの光を吸収するキニン色素を生じる。
【0104】
阻害剤
個々の試験化合物は10mMのDMSO(ジメチルスルホキシド)に溶解される。DMSOは化合物が水不溶性である場合の問題を避けるために使用された。個々の化合物について、阻害剤濃度域を使用した対数−用量反応曲線より阻害活性を測定することによりIC50(リパーゼ活性を最大の半分まで阻害する濃度)を計算した。
【0105】
結果
化合物の範囲は、リパーゼ阻害活性を測定する迅速法を提供するキニンジイミン色素比色法にてアッセイされた。試験した化合物には比色反応に干渉するもの、即ち偽陽性の結果を生じたものはなかった。
【0106】
試験したベンゾキサジノン化合物に関し阻害活性域が観察され、これら化合物がヒト膵臓リパーゼの阻害剤でることが示された。以下の化合物が≦100nMのIC50を有した:
化合物9、11−16、18−22、23、24−39、77、78、79−82、84及び85。
【0107】
NaOH滴定法を用いたリパーゼ活性の測定
膵臓リパーゼに対する選択化合物の阻害活性がPasquierら;1996、Vol7、Nutritional Biochemistry、293−302に記載のアッセイにて測定された。
【0108】
阻害濃度域を用いて対数用量/反応曲線が作製された。
【0109】
結果
選択されたベンゾオキサジノン化合物はNaOH滴定アッセイにて試験された。このアッセイでは、脂質ミセルを含むシステムにおけるブタ膵臓リパーゼの活性が記録された。これら条件は、従って胃腸管内の条件に類似している。
【0110】
試験したベンゾキサジノン化合物に関し、本アッセイにおける阻害活性域が観察され、これら化合物がブタ膵臓リパーゼの阻害剤でることが示された。以下の化合物が≦1μMのIC50を有した:
化合物1、2、4、6−9、11−16、18、22−25、27−36、37−39、78、82、84及び85。
【0111】
結果は、選択されたベンゾキサジノン化合物の多くが脂肪消化の阻害剤であり、これら化合物が特に肥満の治療に好適であろうことを示す。
【0112】
トリプシン活性の測定
ブタトリプシン(ベーリンガー(Boehringer)を1mg/mlの濃度に、2mMのCaCl2を含む100mMのMOPS(2−[N−モルフォリノ]プロパンスルホン酸)pH7.3に溶解された。使用前、酵素は500倍に希釈され、最終濃度2μg/mlを得た。
【0113】
選択された化合物は通常はDMSO(ジメチルスルホオキシド)に溶解された5mMの保存液として−20℃に保存された。アッセイに際しては、一部を解凍し、希釈系列(×100、×200、×1、000、×2,000、×10,000、×20,000及び×100,000)が2mMのCaCl2を含む100mMのMOPS、pH7.3を用いて作られた。基質Bs−Phe−Val−Arg−pNA(ベンゾイル−フェニルアラニル−バリル−アルギニン−p−ニトロアニリン)はDMSO中に溶解され10mMの溶液を得た。使用直前に基質は2mMのCaCl2を含む100mMのMOPSにて0,3mMに希釈された(30μl/ml)。
【0114】
アッセイは96ウエルELISAプレート中、3重測定で準備された。10μlの2μg/mlのトリプシン、26μlの希釈阻害剤、及び190μlの基質が連続して加えられた。次にプレートをBioRaod Benchmarkマイクロプレートリーダー中、37℃にてインキュベーションした。阻害剤なしの酵素に対するp−ニトロアニリンの放出率を、405nmにおいて10分間測定した。
【0115】
キモトリプシン活性の測定
ウシのキモトリプシン(シグマ、II型、カタログ番号C419)は1mg/mlの濃度に、100mMのTris、pH7.8に溶解された。使用直前、酵素は20倍に希釈された。
【0116】
選択された化合物は通常はDMSO(ジメチルスルホオキシド)に溶解された5mMの保存液として−20℃に保存された。アッセイに際しては、一部を解凍し、希釈系列(×20、×100、×200、×1、000、×2,000、×10,000、×20,000及び×100,000)が100mMのTris、pH7.8を用いて作られた。基質H−Ala−Ala−Phe−p−ニトロアニリン(H−アラニル−アラニル−フェニルアラニル−p−ニトロアニリド)(Bachemカタログ番号L−1095)はDMSO中に溶解され10mMの保存溶液とし、使用時まで4℃に保存された。使用直前に基質は0.3mMの最終濃度に希釈された(30μl/ml)。
【0117】
アッセイは96ウエルELISAプレート中、3重測定で準備された。10μlの50μg/mlのキモトリプシン、50μlの希釈阻害剤、及び190μlの基質が連続して加えられた。次にプレートをBioRaod Benchmarkマイクロプレートリーダー中、37℃にてインキュベーションした。阻害剤なしの酵素に対するp−ニトロアニリンの放出率を、405nmにおいて10分間測定した。
【0118】
結果
ヒト膵臓リパーゼ、トリプシン及びキモトリプシンに対する化合物18の選択性を上記アッセイにて測定した。化合物18のリパーゼに対する阻害活性はキニンジイミン色素比色アッセイにて調べた。
【0119】
500nMの濃度では、化合物18は膵臓リパーゼ活性の98.7%を阻害したが、トリプシンについては4%、そしてキモトリプシン活性については12.5%しか阻害しなかった。即ち化合物18は高選択性リパーゼ阻害剤である。
【0120】
マウスモデルアッセイ
化合物18はIslerら、British Journal ofNutrition、1995、73:851−862により記載されたマウスモデルにてアッセイされ、強力なリパーゼ阻害剤であることが見いだされた。
【0121】
中間体の合成
4−置換型アントラニル酸の合成
例:4−オクチルアントラニル酸(4−オクチル−2−アミノ安息香酸)
L.A.Paquetteら、J.Am.Chem.Soc.99、3734(1981)の方法に基づく方法
【化24】
1−ブロモ−4−オクチルベンゼン(9.9g、36mmol)の硫酸(20ml)溶液を氷槽内にて冷却した。これに硝酸(1.44ml、36mmol)を加えた。氷槽を取り除き、混合体を室温にて20分間攪拌した。更に硝酸を加え(0.07ml、1.75mmol)、さらに20分間攪拌した。混合液を炭酸カリウム水溶液内に加え、酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を飽和炭酸カリウム水溶液、水、ブラインにて洗浄し、次に乾燥(MgSO4)し濃縮した。粗産物をフラッシュクロマトグラフィー(1&EtOAc/ヘキサン)にて精製し、不要の(主要)レジオイソマーを除き、黄色の油として所望の材料を得た(1.7g,5.4mmol)。
【0122】
【化25】
基質(1.7g、5.4mmol)、シアン化銅(I)(0.533g、5.9mmol)及びピリジン(20ml)を150℃にて2日間環流した。真空濃縮、フラッシュクロマトグラフィー(10%ないし20%のEtOAc/ヘキサン)による精製により茶色の油として所望材料を得た(739mg、2.8mmol)。
【0123】
【化26】
基質(694mg、2.7mmol)を、水(2ml)、AcOH(1ml)及び硫酸(1ml)の混合液中にて150℃で2日間加熱した。混合液を酢酸エチルで抽出し、有機層を水にて洗浄し(×2)、乾燥(Na2SO4)、濃縮して所望材料を得た(744mg、2.7mmol)。
【0124】
【化27】
出発材料(744mg、2.7mmol)はエタノール(10ml)に溶解され、これにチャコール(40mg)上10%のパラジウムのエタノール(4ml)のスラリーが加えられた。フラスコを窒素続いて水素(1気圧)でフラッシュした後、一晩攪拌し続けた。更に触媒(5mg及び25mg)を加え、更に24時間した後反応が終了した。反応混合液をセライトに濾過し、メタノール及び酢酸エチルで良く濯いだ。濃縮により追加精製無しの使用に適した十分純度の高いアントラニル酸を得た(597mg、2.4mmol);δH(400MHz、CDCl3)0.79−0.81(3H、m、Me)、1.12−1.36(10H、m、5×CH2)、1.52(2H、br.s、ArCH2CH2)、2.45(2H、br.s、ArCH2)、6.42(2H、br.s、2×ArH)、7.74(1H、br.s、ArH);m/z(ES+)250(MH+)。
【0125】
5−置換型アントラニリル酸の合成
例:5−オクチルアントラニリル酸
B.R.Bakerら、J.Org.Chem17、141(1952)の方法に基づく方法
【化28】
抱水クロラール(3.97g、24mmol)を水(50mL)に溶解した。この液に無水硫酸ナトリウム(5.5g、39mmol)、4−オクチルアニリン(5ml、22mmol)、水(25ml)、能塩酸(2.3ml)及び塩酸ヒドロキシルアミン水溶液(22ml中に4.5g、65mmol)を連続して加えた。不均一な混合液を95℃に2時間加熱し、次に110℃にて更に1時間加熱した。反応混合液を室温まで冷却し、茶色の沈殿を濾過、水で洗浄した。これをジクロロメタンに溶解し、乾燥(MgSO4)、濃縮して粗材料を得、これをシリカを用いたフラッシュクロマトグラフィー(20%EtOAc/ヘキサン)にて精製し、所望物質を得た(2g、7.2mmol)。
【0126】
【化29】
オキシム(1.8g、6.5mmol)を濃硫酸(13ml)及び水(1ml)の60℃の混合液に15分間かけて加えた。次にこの混合液を80℃、2時間加熱し、それから一晩室温に放置した。次にこれを酢酸エチルで抽出(×3)、まとめた有機層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液と水で、洗浄液が中性になるまで洗浄した。有機層を乾燥させ(MgSO4)、濃縮して赤色の固体としてイサチンを得(1.5g、5.8mmol)、追加精製せずに用いた。
【0127】
【化30】
イサチン(1.5g、5.8mmol)と1.5Mの水酸化ナトリウム(13ml)の混合液を50℃に温めた。熱を除き、35%の過酸化水素水溶液(1.5ml)を、温度が50−55℃に維持される速度で加えた。次に反応液を冷却し、室温にて30分間攪拌した。濃塩酸によりpH2まで酸性化し、産物を沈殿させた。液体をデカントして除き、固体を水で洗浄した。固体を水とジクロロメタンに分配し、有機層をブラインで洗浄、乾燥させ(MgSO4)、濃縮して所望のアントラニリル酸(1.4g、5.6mmol)を得た。追加精製せずに使用した:δH(400MHz、CDCl3)0.81(3H、t、J6.6、Me)、1.20−1.33(10H、m、5×CH2)、1.49(2H、br.s、ArCH2CH2)、2.41−2.44(2H、m、ArCH2)、6.55(1H、d、J8.3、ArH)、7.09(1H、d、J8.3、ArH)、7.65(1H、s.ArH);m/z(ES+)250(MH+)。
【0128】
アリールクロロギ酸エステルの調製
例:4−フェノキシフェニルクロロギ酸エステル
【化31】
4−フェノキシフェノール(1.68g、9mmol)、1.4−ジメチルイミダゾリジン−2−オン(0.051ml、0.45mmol)及びホスゲン液(20%トルエン液4.5ml、9mmol)を40℃にて30分間加熱した。次に温度を80℃に上げ、更に30分間隔で5回ホスゲンを加えた(それぞれ2.25ml、4.5mmol)。最後の添加から30分後、溶液を室温まで冷却し、一晩放置した。一部をMeOH/ピリジンに加え、安定したカルバミン酸メチルを形成させ、これを用いた薄層クロマトグラフィー(10%EtOAc/ヘキサン)は出発材料がほぼ完全に消失していることを示した。クロロギ酸エステル液は、下記実施例9に記載の方法を用い直接化合物29調製に用いられた。
【0129】
本発明による新規化合物の合成
実施例1
6−メチル−2−オクチルオキシ−4H,3.1−ベンゾオキサジン−4−オン(参照番号11)
【化32】
2−アミノ−5−メチル安息香酸(302mg、2mmol)のピリジン(10ml)溶液を0℃に冷却し、オクチルクロロギ酸エステルにて滴下処理した(1.15ml、6mmol)。得られた混合液を室温まで温め、4時間攪拌した。ピリジンを真空下に除き、残査を酢酸エチル(50ml)に溶解した。この液を1MのHCl(10ml)及びブライン(5ml)にて洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、真空下に溶媒を除いて灰色の固体として所望産物を得た(144mg、25%:δH(400MHz、DMSO−d6)0.68(3H、t、J7、CH2CH3)、1.26−1.40(10H、m、5×CH2)、1.73(2H、tt、J、J’7、OCH2CH2)、2.35(3H、s、CH2)、4.35(2H、t、J7、OCH2)、7.34(1H、d、J8、Ph)、7.65(1H、d.J8、Ph)、7.83(1H、s、Ph);m/z(ES+)290(MH+)。
【0130】
実施例2
6−メチル−2−フェノキシ−4H,3.1−ベンゾオキサジン−4−オン(参照番号8)
【化33】
2−アミノ−5−メチル安息香酸(1.0g、6.6mmol)のピリジン(10ml)溶液を0℃に冷却し、フェニルクロロギ酸エステル(3.3ml、26mmol)にて滴下処理した。得られた混合液を室温まで温め、16時間攪拌し、その後ピリジンを真空下に除いた。残査を水(20ml)にて洗浄し真空下に乾燥させた。トルエンから再結晶させ淡い茶色の固体として所望産物を得た(692mg、41%):δH(400MHz、DMSO−d6)2.40(3H、s、CH3)、7.33−7.45(3H、m、Ph)、7.48−7.55(3H、m、Ph)、7.63(1H、d、J8、Ph)、7.89(1H、s、Ph−H5);m/z(ES+)254(MH+)。
【0131】
実施例3
2−フェノキシ−6−メチル−4H,3.1−ベンゾオキサジン−4−オン(参照番号9)
【化34】
2−アミノ−5−メチル安息香酸(1.0g、6.6mmol)のピリジン(10ml)溶液を0℃に冷却し、プロピルクロロギ酸エステル(3.0ml、26mmol)にて滴下処理した。得られた混合液を室温まで温め、4時間攪拌し、その後ピリジンを真空下に除いた。残査を水(25ml)にて洗浄し、真空下に乾燥させ、灰色の固体として所望産物を得た(0.96g、66%):δH(400MHz、DMSO−d6)1.03(3H、t、J7、CH2CH3)、1.82(2H、tq、J、J’7、CH2CH3)、2.46(3H、s、CH3)、4.42(2H、t、J7、CH2CH3)、7.40(1H、d、J8、Ph)、7.71(1H、d、J8、Ph)、7.89(1H、s、Ph);m/z(ES+)219(MH+)。
【0132】
実施例4
2−ヘキサデシルオキシ−6−メチル−4H,3.1−ベンゾオキサジン−4−オン(参照番号18)
調製1
工程1:
【化35】
1−ヘキサデカノール(0.78g、3.2mmol、1当量)を窒素下に最低量のTHFに溶解した。これに20%のホスゲントルエン溶液を加えた(2.34ml、5mmol、1.5当量)。45分後、2回目の同様ホスゲン液添加を行った。45分後、装置を窒素でパージし(出口部分は5M水酸化ナトリウムでこすり洗いした)て過剰のホスゲンを除いた。
【0133】
工程2:
【化36】
2−アミノ−5−メチル安息香酸(100mg、0.64mmol、0.2当量)をピリジン(10ml)に溶解した。クロロギ酸エステル液を注射器を使い滴下し、室温にて2時間攪拌した。混合液を酢酸エチル(100ml)にて希釈し、10%クエン酸水溶液(100ml、×2)、飽和重炭酸ナトリウム液(100ml、×2)、水(100ml)及び飽和ブラインにて洗浄した。有機層を乾燥させ(MgSO4)、真空下に濃縮した。
【0134】
残査をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにて精製し、ジイソプロピルエチルアミン/酢酸エチル/ヘキサンにて溶出して白色の固体を得た(40mg、15%):δH(400MHz、CDCl3)0.87(3H、t、J6.8、CH2CH3)、1.24−1.45(26H、m、13×CH2)、1.75−1.83(2H、m、OCH2CH2)、2.41(3H、s、ArCH3)、4.41(2H、t、J6.7、OCH2)、7.30(1H、d、J8.3、ArH)、7.51(1H、dd.J8.5、2.0、ArH)、7.90(1H,d,J1.1、ArH);m/z(ES+)402(MH+);Mpt.72−73℃。
【0135】
薄層クロマトグラフィー(溶媒1%時イソプロピルアミン/5%酢酸エチル/94%ヘキサン)はUV及びホスホモリブデン酸のエタノール液にして視覚化した(Rf(化合物18)=0.6)。
【0136】
調製2
工程1:
【化37】
1−ヘキサデカノール(5.01g、20.6mmol、1当量)を窒素下にTHF(10ml)に溶解し、そして20%ホスゲントルエン溶液を加えた(29ml、62.5mmol、3当量)。混合液を室温にて2時間攪拌し、次に装置を窒素でパージし(出口部分は5M水酸化ナトリウムでこすり洗いした)、過剰のホスゲンを除いた。
【0137】
工程2:
【化38】
2−アミノ−5−メチル安息香酸(2.71g、17.9mmol、0.87当量)をピリジン(24ml)に溶解し、上記にて調製されたクロロギ酸エステル液に加えた、混合液を室温にて1.75時間攪拌した。メチルクロロギ酸エステル(13.6ml、176mmol、8.5当量)をゆっくり加え、次に混合液を一晩室温にて攪拌し続けた。混合液を酢酸エチル(20ml)にて希釈し、水(15ml)、10%クエン酸水溶液(20ml)で洗浄した。まとめた水相を酢酸エチル(20ml)で抽出した。有機相をまとめ、水(20ml)及びブライン(20ml)にて洗浄した後濃縮して固体を得た。これをペンタン(5ml)にてスラリー化した後濾過し、次にアセトニトリル(5ml)にてスラリー化し、濾過して、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにて精製(1.5%ジイソプロピルエチルアミンのジクロロメタン液)し、白色の固体を得た(2.51g、31%):δH(400MHz、CDCl3)0.87(3H、t、J6.8、CH2CH3)、1.24−1.45(26H、m、13×CH2)、1.75−1.83(2H、m、OCH2CH2)、2.41(3H、s、ArCH3)、4.41(2H、t、J6.7、OCH2)、7.30(1H、d、J8.3、ArH)、7.51(1H、dd.J8.5、2.0、ArH)、7.90(1H,d,J1.1、ArH);m/z(ES+)402(MH+);Mpt.72−73℃。
【0138】
実施例5
表1−9に掲載のその他化合物は上記実施例1ないし4と同様の方法にて調整され、特に以下の化合物は提示の出発材料を使用し調製された。
【0139】
【表10】
【表11】
前記の記載は、本発明の実施に使用できる、特定の化合物、組成物、方法および使用を詳述する。しかし、当業者は、本明細書に包含される本明細書の別の実施形態を目的とする、別の信頼性のある方法の使用法を理解している。
Claims (30)
- 肥満又は肥満関連障害を治療するための薬剤の製造における、式(I)を含む化合物、又はその薬学的に受け入れ可能な塩の使用。
Aは6員芳香族又はヘテロ芳香族環であり;
R1は分岐型、又は非分岐型アルキル(任意に1またはそれ以上の酸素原子により割り込まれている)、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アリールアルキル、還元型アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、還元型アリール、還元型ヘテロアリール、還元型ヘテロアリールアルキル、またはこれらの置換誘導体であり、ここでの置換基は独立に1またはそれ以上のハロゲン、アルキル、ハロ置換型アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、還元型ヘテロアリール、還元型ヘテロアリールアルキル、アリールアルコキシ、シアノ、ニトロ、−C(O)R4、−CO2R5、−SOR4、−SO2R4、−NR6R7、−OR6、−SR6−、−C(O)CX1X2NR6R7、−C(O)N(OH)R6、−C(O)NR5R4、−NR6C(O)R4、−CR6(NH2)CO2R6、−NHCX1X2CO2R6、−N(OH)C(O)NR6R7、−N(OH)C(O)R4、−NHC(O)NR6R7、−C(O)NHNR6R7、−C(O)N(OR5)R6であり、ただし、R1のどのヘテロ原子置換基も少なくとも2炭素原子により環外酸素原子から隔てられていなければならず;
R4は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、還元型ヘテロアリール、還元型ヘテロアリールアルキル、−OR6、−NHCX1X2CO2R6、又は−NR6R7であり;
R5は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、還元型ヘテロアリール、又は還元型ヘテロアリールアルキルであり;
R6及びR7は独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、還元型ヘテロアリール、還元型ヘテロアリールアルキル、又は−(CH2)n(OR5)m(式中、nは1ないし12であり、mは1ないし3であり、R 5 はC2−C10アルキルである)であり;
X1及びX2が独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、還元型ヘテロアリール又は還元型ヘテロアリールアルキルである。 - 化合物(I)が式(II)で示される化合物、又はその薬学的に受け入れ可能な塩である、請求項1に記載の使用。
R1、R4、R5、R6、R7、X1及びX2は式(I)に関する上記の規定に同じであり;
R8、R9、R10、R11はそれぞれ独立に水素、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、又は上記規定のR1基、
またはR12Q基(ここでのQは、O、CO、CONH、NHCO、S、SO、SO2又はSO2NH2であり、R12は、水素又は上記に規定したR1基である)、
またはR1R2N基(ここでのR1は、上記規定の通りであり、R2は、水素又はR1であり、ただしR1及び/又はR2のどのヘテロ原子置換基も、少なくとも2炭素原子により環外酸素原子から隔てられていなければならない)である。 - 式(II)で示される化合物において、R1は25個以下の炭素原子を有する分岐型又は非分岐型アルキル基、アリール基、アルキル部分が25個以下の炭素原子を有するアリールアルキル基、またはアリールアリール基であり;前記アリールアルキル基またはアリールアリール基はスペーサーにより隔てられ得、前記スペーサーは1又はそれ以上のエステル、アミド、O、CH2又はケトンであり得;
R8は、水素又はフッ素であり;
R9は、1ないし10個の炭素原子を有する低級分岐型又は非分岐型アルキル;3ないし10個の炭素原子を有する環式アルキル;ハロアルキル;又はハロゲンであり;
R10は、1ないし10個の炭素原子を有する水素低級分岐型又は非分岐型アルキル;3ないし10個の炭素原子を有する環式アルキル;ハロアルキル;ハロゲンであり;
R11は、1ないし10個の炭素原子を有する水素低級分岐型又は非分岐型アルキル、又はハロゲンである、請求項2に記載の使用。 - 前記肥満関連障害は、高脂肪症、高脂質症、高血糖症(II型糖尿病)、高血圧症、心臓血管病、脳卒中、胃腸疾患、及び胃腸状態から選択される、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の使用。
- 前記薬剤はヒト投与用である、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の使用。
- 前記薬剤は動物投与用である、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の使用。
- 式(IIa)の化合物、又はその薬学的に受け入れ可能な塩。
R1aは、
(i)C10−30の分岐型又は非分岐型アルキルであり、任意に1または2以上のC3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、還元型ヘテロアリール、−C(O)R13、−CO2R13、−SOR13、−SO2R13、−NR13R14、−OR13、−SR13、−C(O)NR13R14、−NR14C(O)R13、ハロゲン、シアノ及びニトロにより独立に置換され、及び/又は1または2以上の酸素原子により任意に割り込まれ、ただし、R1におけるどのヘテロ原子も少なくとも2炭素原子により環外酸素原子(又はその他のヘテロ原子)から隔てられなければならない;
(ii)C2−25アルケニル、C2−25アルキニル、C3−6シクロアルケニル、アリール−C2−25アルケニル、ヘテロアリール−C2−25アルケニル、還元型ヘテロアリール、還元型ヘテロアリール−C1−25アルキル、またはこれらの置換誘導体であり、ここでの置換基は独立に1又は2以上のC1−6アルキル、ハロ置換型C1−6アルキル、アリール、アリール−C1−6アルキル、ヘテロアリール、還元型ヘテロアリール、還元型ヘテロアリール−C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、アリールC1−6アルコキシ、−C(O)R13、−CO2R13、−SOR13、−SO2R13、−NR13R14、−OR13、−SR13、−C(O)NR13R14、−NR14C(O)R13、ハロゲン、シアノ及びニトロであり、ただし、R1におけるどのヘテロ原子も少なくとも2炭素原子により環外酸素原子(又はその他ヘテロ原子)より隔てられなければならない;
(iii)1又はそれ以上の酸素原子により割り込まれたC2−9アルキル基であり、任意に1又はそれ以上のC3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、還元型ヘテロアリール、−C(O)R13、−CO2R13、−SOR13、−SO2R13、−NR13R14、−OR13、−SR13、−C(O)NR13R14、−NR14C(O)R13、ハロゲン、シアノ及びニトロにより独立に置換されており、ただし、R1におけるどのヘテロ原子も少なくとも2炭素原子により環外酸素原子(又はその他ヘテロ原子)より隔てられなければならない;又は
(iv)−C(O)R13、−CO2R13、−SOR13、−SO2R13、−NR13R14、−OR13、−SR13、−C(O)NR13R14、−NR14C(O)R13、テトラヒドロナフチル、ピリジル、ピロリル、ピペリジニル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、2環式アリール、2環式ヘテロアリール、単環式又は2環式還元型ヘテロアリール、又はイミダゾリル以外の単環式ヘテロアリールから選択される基により置換されたC1−9アルキル基;
(v)OR17、−COR13、−CO2R13、SOR13、SO2R13、CONR13R14、NR14C(O)R13、ハロ置換型C1−6アルキル、アリール、アリールC1−6アルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリールC1−6アルキルより選択された基により置換されたフェニル基;
(vi)2環式アリール、2環式ヘテロアリール、単環式又は2環式還元型ヘテロアリール、又はイミダゾリル以外の単環式ヘテロアリール基であり、OR17、−COR13、−CO2R13、SOR13、SO2R13、CONR13R14、NR14C(O)R13、ハロ置換型C1−6アルキル、アリール、アリールC1−6アルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリールC1−6アルキルから選択された基により任意に置換されており;
前記R13及びR14は互いに独立に水素、C1−10アルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルケニル、アリール、アリールC1−10アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールC1−10アルキル、還元型ヘテロアリール又は還元型ヘテロアリール、C1−10アルキルを表し、且つR17は水素又はC2−10アルケニル、C2−10アルキニル、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルケニル、アリール、アリールC1−10アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールC1−10アルキル、還元型ヘテロアリール又は還元型ヘテロアリール、C1−10アルキルを表し;
R8a、R9a、R10a及びR11aはそれぞれ独立に水素、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、チオール、C1−10アルキル、C1−10アルコキシ、C1−10シクロアルキル、C1−10シクロアルコキシ、C(O)R15、C(O)NR15R16、S(O)R15又はハロC1−10アルキルであり;
前記R15及びR16は、それぞれ独立に水素又はC1−10アルキルを表す。
但し、R8a、R9a、R10a及びR11aが水素であるとき、R1はCH2CH2Cl又はC3アルケニルではない。 - R1aはC10−20分岐型又は非分岐型アルキル基であり、任意に1または2個の酸素原子により割り込まれており、および/または任意に1又は2以上のアリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、シアノ、ニトロ、−CO2R13、NR13R14、−CONR13R14、OH、及びハロゲンにより置換されており、前記R13及びR14はそれぞれ独立に水素又はC1−6アルキルを表す、請求項7に記載の化合物。
- R1aは14,15,16,17又は18個の炭素原子を有する非分岐型アルキル鎖である、請求項7又は8に記載の化合物。
- R8aは水素又はハロゲンである請求項7ないし9のいずれか1項に記載の化合物。
- R9aは水素、1ないし10個の炭素原子を有する低級分岐型又は非分岐型アルキル、3ないし6個の炭素原子を有する環式アルキル、ハロC1−6アルキル、又はハロゲンである、請求項7ないし10のいずれか1項に記載の化合物。
- R10aは水素、1ないし10個の炭素原子を有する低級分岐型又は非分岐型アルキル、3ないし6個の炭素原子を有する環式アルキル、ハロC1−6アルキル、又はハロゲンである、請求項7ないし11のいずれか1項に記載の化合物。
- R11aは水素、ハロゲン又は1ないし10個の炭素原子を有する分岐型又は非分岐型アルキルである、請求項7ないし12のいずれか1項に記載の化合物。
- 以下より選択される化合物、又はその薬学的に受け入れ可能な塩。
2−(4−メチルフェノキシ)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−(4−クロロフェノキシ)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
6−メチル−2−フェノキシ−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−(2−エチルヘキシルオキシ)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
6−メチル−2−オクチルオキシ−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−ヘキシルオキシ−6−メチル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−(2−エチルヘキシルオキシ)−6−メチル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−エチル−2−ヘキシルオキシ−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
7−エチル−2−ヘキシルオキシ−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
7−エチル−2−オクチルオキシ−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−オクチルオキシ−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
6−メトキシ−2−オクチルオキシ−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
6−ヨード−2−オクチルオキシ−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−オクチルオキシ−7−プロピル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
6−メチル−2−(8−フェニルオクチルオキシ)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
6−メチル−2−(4−フェニルブチルオキシ)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
5−メチル−2−オクチルオキシ−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン。 - 以下より選択される化合物、又はその薬学的に受け入れ可能な塩。
2−デシルオキシ−6−メチル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
6−メチル−2−テトラデシルオキシ−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
6−メチル−2−ペンタデシルオキシ−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−ヘプタデシルオキシ−6−メチル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
6−メチル−2−オクタデシルオキシ−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−(3,7−ジメチルオクチルオキシ)−6−メチル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−[2−(2−ヘキシルオキシエトキシ)エトキシ]−6−メチル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−(オクタデカ−9−エニルオキシ)−6−メチル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−(10−フェニルデシルオキシ)−6−メチル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
6−メチル−2−(4−フェノキシフェノキシ)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−ドデシルオキシ−6−メチル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
6−メチル−2−(12−フェニルドデシルオキシ)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
6−メチル−2−(オクタデカ−11−エニルオキシ)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
6−メチル−2−(オクタデカ−11−イニルオキシ)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
6−メチル−2−[10−(チエン−2−イル)−デシルオキシ]−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
7−オクチル−2−オクチルオキシ−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
6−オクチル−2−オクチルオキシ−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−(5−クロロペンチルオキシ)−6−メチル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2,2’−(1,16−ヘキサデシルイデンジオキシ)−ビス−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
6−メチル−2−(6−フェノキシへキシルオキシ)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
6−メチル−2−[6−(4−フェノキシフェノキシ)へキシルオキシ)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン。 - 2−ヘキサデシルオキシ−6−メチル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オンの化合物又はその薬学的に受け入れ可能な塩。
- 薬剤に使用するための請求項7乃至17のいずれか1項に記載の化合物。
- 請求項7乃至17の何れか1項に記載の式(II)の新規化合物又は薬学的に受け入れ可能なその塩を、薬学的に受け入れ可能なキャリアー又は賦形剤と組合せて含む薬学的組成物。
- 肥満又は肥満関連障害の予防及び/又は治療に使用される請求項21に記載の化合物、または請求項22に記載の組成物。
- 肥満関連障害が高脂質症、高脂肪症、高血糖症(II型糖尿病)、高血圧症、心臓血管病、脳卒中、胃腸疾患、及び胃腸状態から選択される、請求項23に記載の化合物。
- 請求項7乃至17の何れか1項に記載の化合物、又は薬学的に受け入れ可能なその塩を含む食物製品。
- リパーゼを阻害するための組成物であって、請求項7乃至17の何れか1項に規定の化合物、又は薬学的に受け入れ可能なその塩を含有する組成物。
- ヒトの消費に供する肉を提供する動物の脂肪含有量を減少させるための、請求項1乃至17の何れかに規定の化合物、又はその薬学的に受け入れ可能な塩の使用。
- 製品における望まれないリパーゼ、エステラーゼ、又はホスファターゼ酵素のインヴィトロでの制御又は阻害における式(I)の化合物の請求項1に記載の使用。
- 界面活性剤、石鹸、又は洗剤を含むヘルスケアグッズの製造における請求項1に記載の使用。
- 脂肪を含む食品の分解の防止における請求項1に記載の使用。
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