JP3820959B2 - 透明導電性膜およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明導電性膜、そのスパッタによる製造方法およびスパッタに用いるターゲットに関する。
【0002】
【従来の技術】
透明導電性膜は、無機ELパネル、液晶ディスプレイ、太陽電池の電極、窓ガラスの熱線反射膜、帯電防止膜などに用いられている。
無機ELパネルは有機ELパネルに比べ、信頼性、耐熱性が優れているフラットパネルディスプレイであり、その製造は、一般的には基板上に絶縁誘電体層、蛍光体層、絶縁誘電体層、透明導電性膜を順次形成して行われている。
【0003】
前記各層および透明導電性膜を形成した後に、輝度などの性能向上のために、高温での熱処理が行われることがあるが、透明導電性膜として通常はITO(酸化スズをドープした酸化インジウム)が用いられているので、ITOの耐熱温度以上の温度の熱処理ができなかった。ITOからなる透明導電性膜は、800℃を超える温度に曝されると抵抗が増大するので、それ以上の温度における無機ELパネルの熱処理はできなかった。
【0004】
無機ELパネルの製造において、熱処理温度は800℃を超える温度が求められており、空気中における800℃を超える熱処理によっても抵抗率の上昇が少ない、透明導電性膜用の材料が求められていた。
【0005】
ITO以外の透明導電性膜用の材料としては、特開平9−71419号公報にはInSbO4が開示されており、酸化インジウム粉末と酸化アンチモン粉末を原子比Sb/Inが1または1.1となるよう混合し、成形、焼結してInSbO4を含有する焼結体を製造する方法が開示されている。
【0006】
しかし、本発明者らは、透明導電性膜の製造方法の一つであるスパッタにより透明導電性膜を製造するために、InSbO4を含有し原子比Sb/InがInSbO4の化学量論比の1に近い1.0以上1.1以下である焼結体を製造してそれをターゲットとしてスパッタを行ったのであるが、得られた膜の組成はInSbO4の化学量論比から大幅に外れてInが多い組成となり、その結果抵抗率が上昇し、低い低効率を有する膜は得られないという問題があることを見出した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高温の熱処理によっても抵抗率の上昇が少ない透明導電性膜用の材料および該透明導電性膜の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、かかる状況下InSbO4について鋭意研究を重ねた結果、実質的にInとSbとOからなり原子比Sb/Inが0.8〜1.5である膜が、透明で低い抵抗率を示し、しかも高温の熱処理によっても抵抗率の上昇が少ないことを見出した。また本発明者らは、前記透明導電性膜の製造方法についても鋭意検討を重ね、実質的にInとSbとOからなるターゲットであって、InSbO4の化学量論比より外れていてSbを多く含有し、原子比Sb/Inが1.2以上2.0以下のターゲットをスパッタすることにより、InとSbの原子比がInSbO4の化学量論比に近く、低い抵抗率を有するInSbO4含有透明導電性膜が製造できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
すなわち本発明は、InとSbとOを含有し、原子比Sb/Inが0.8以上1.5以下である透明導電性膜を提供する。また本発明は、実質的にInとSbとOからなり原子比Sb/Inが1.2以上2.0以下のターゲットを提供する。また本発明は、前記ターゲットをスパッタするInSbO4含有透明導電性膜の製造方法を提供する。さらに本発明は、上記の製造方法により製造されたInSbO4含有透明導電性膜を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下本発明について詳しく説明する。
本発明においては、実質的にInとSbとOからなる単相の複合酸化物であり、原子比Sb/Inが0.8以上1.5以下の場合をすべてInSbO4と称する。
【0011】
本発明の無機ELパネル用透明導電性膜は、InとSbとOを含有し、原子比Sb/Inが0.8以上1.5以下である。本発明の透明導電性膜の組成は、InSbO4のみからなるの場合に限らず、InSbO4、Sb2O3、Sb2O4、Sb2O5、In2O3等を含有し、原子比Sb/Inが0.8以上1.5以下である場合も含まれる。原子比Sb/Inが0.8未満または1.5を超える場合は、抵抗率が高くなる。
【0012】
本発明の透明導電性膜は、さらにSnおよび/またはHfを含有することができる。Snおよび/またはHfを含有するとさらに低い抵抗率が得られる場合がある。Snおよび/またはHfの合計の含有量は、原子比でSn、Hf、InおよびSbを合計した量を1としたときの0.2以下が好ましい。0.2を超えると抵抗率が高くなるおそれがある。
【0013】
本発明の透明導電性膜において、Sn、Hf、In、SbおよびO以外の元素でTi、Zr、Si、GeおよびPb以外の元素は不純物であり、不純物は少ない方が好ましい。低い抵抗率を得るには、透明導電性膜中の不純物量は合計で1重量%以下が好ましい。Ti、Zr、Si、GeおよびPbは、膜の表面平滑性の向上、緻密さの向上、さらなる抵抗率の低下、透明導電性膜の製造におけるスパッタ速度向上等を目的として、各々元素に換算して通常1000重量ppm以下の範囲で含有されることがある。
【0014】
以下に本発明の製造方法について説明する。
本発明の製造方法においては、InとSbとOを含有し、原子比Sb/Inが1.2以上2.0以下のターゲット(以下InSbO4ターゲットと称する。)を用いる。また、本発明の製造方法においては、実質的にInとSbとOと、さらにSnおよび/またはHfからなり、原子比Sb/Inが1.2以上2.0以下のターゲット(以下InSbO4:Sn/Hfターゲットと称する。)を用いることもできる。いずれのターゲットにおいても、原子比Sb/Inは1.3以上1.8以下が好ましく、1.4以上1.7以下がさらに好ましい。
【0015】
本発明の製造方法において用いるこれらのターゲットは、Sb/Inが1.2以上2.0以下であれば良く、その組成は、InSbO4からなっても良く、酸化インジウムと酸化アンチモンの混合物からなっていても良く、またInSbO4、Sb2O3、Sb2O4、Sb2O5、In2O3等を含有していても良い。これらの組成の中でも、ターゲットには、InSbO4が含有されていることが好ましい。本発明の製造方法においては、これらのターゲットをスパッタする。
【0016】
本発明の製造方法において、InSbO4:Sn/Hfターゲットを用いると、InSbO4ターゲットを用いる場合より、スパッタにより製造された膜の抵抗率がさらに低くなることがある。InSbO4:Sn/HfターゲットにおいてSnとHfはドーパント(InSbO4の結晶構造を変化させずに固溶している物質。)であり、Snおよび/またはHfの合計の含有量は、原子比でSn、Hf、InおよびSbを合計した量を1としたときの0.2以下が好ましい。0.2を超えると低い抵抗率を有する膜が得られないおそれがある。
【0017】
InSbO4ターゲットに加えて、Sn、SnO2、HfおよびHfO2からなる群から選ばれる1種以上からなるターゲットを同時にスパッタすることによってもHfおよび/またはSnを透明導電性膜にドープすることができる。Sn、SnO2、HfおよびHfO2からなる群から選ばれる1種以上からなるターゲットのスパッタ面の合計の面積は、InSbO4ターゲットのスパッタ面の面積の合計を1としたときの0.2以下であることが好ましい。0.2を超えると低い抵抗率を有する膜が得られないおそれがある。なお、Sn、SnO2、HfおよびHfO2からなる群から選ばれる1種以上からなるターゲットは、同時に各々複数個を同時にスパッタすることができる。
【0018】
本発明の製造方法において用いるすべてのターゲット、すなわちSn、SnO2、HfおよびHfO2からなる群から選ばれる1種以上からなるターゲット、InSbO4ターゲットおよびInSbO4:Sn/Hfターゲットにおいて、Sn、Hf、In、SbおよびO以外の元素でTi、Zr、Si、GeおよびPb以外の元素は不純物であり、不純物は少ない方が好ましい。低い抵抗率を有する膜を得るには、該ターゲット中の不純物量は合計で1重量%以下が好ましい。Ti、Zr、Si、GeおよびPbの酸化物は、膜の表面平滑性の向上、緻密さの向上または抵抗率の低下あるいはスパッタ速度向上等を目的として、各々元素に換算して通常1000重量ppm以下の範囲で含有させることがある。
【0019】
本発明の製造方法で用いるInSbO4ターゲットは、酸化インジウム粉末と酸化アンチモン粉末を混合して成形し、焼結することにより製造することができる。原料となる酸化インジウム粉末と酸化アンチモン粉末は、不純物含有量が各々1重量%以下である粉末が好ましい。
【0020】
本発明の製造方法で用いるInSbO4:Sn/Hfターゲットは、酸化インジウム粉末、酸化アンチモン粉末、酸化錫粉末および/または酸化ハフニウム粉末を混合して成形し、焼結することにより製造することができる。原料となる酸化インジウム粉末、酸化アンチモン粉末、酸化錫粉末および/または酸化ハフニウム粉末は、不純物含有量が各々1重量%以下である粉末が好ましい。
【0021】
原料となる上記の粉末の混合方法は、工業的に通常用いられるボールミル、振動ミル、アトライター、V型混合機等を用いることができる。ボールミル、振動ミル、アトライター等を用いて湿式による混合も行うことができる。湿式混合の場合は、混合工程後に加熱乾燥、真空乾燥、凍結乾燥等の方法により乾燥させることができる。
【0022】
得られた混合粉末を成形して成形体とすることができるが、成形することなくホットプレスや熱間静水圧プレスにより焼結して焼結体とすることもできる。得られた混合粉末を成形または焼結するのではなく、該混合粉末を最高到達温度が600℃以上1200℃以下の温度範囲で焼成(仮焼と称する。)して粉砕してInSbO4が含まれる仮焼粉末としてから成形または焼結を行うこともでき、仮焼粉末とする工程を行うことが好ましい。
【0023】
成形する場合は、工業的に通常用いられる一軸プレス、静水圧プレスにより成形を行うことができる。成形圧は通常10〜300MPaの範囲が用いられる。成形体の形状は、ターゲットに好適な円板または四角板状とすることができ、成形体の密度は通常は理論密度の35〜65%である。
【0024】
焼結は空気等の酸素含有雰囲気中において常圧で、最高到達温度が900℃以上1700℃以下の温度範囲となるように行うことができる。焼結は電気炉、ガス炉等通常工業的に用いられる炉を用いることができる。焼結によりターゲットに用いることができる焼結体を得ることができるが、切断や研削により寸法を調整することができる。なお、寸法の調整は、焼結体より加工が容易な成形体の切断、研削等により行うこともできる。
【0025】
Sn、SnO2、HfおよびHfO2からなる群から選ばれる1種以上からなるターゲットのうち、SnO2および/またはHfO2からなるターゲットについても同様に製造することができ、Snおよび/またはHfからなるターゲットは金属製であるので、ターゲットに好適な円板、四角板等の板状とすることにより製造することができる。金属と酸化物を両方含有するターゲット、すなわち、金属であるSnおよび/またはHfと酸化物であるSnO2および/またはHfO2からなるターゲットは、SnO2および/またはHfO2からなる多孔質焼結体を作製し、金属であるSnおよび/またはHfを溶融させ前記多孔質焼結体に含浸させて製造することができる。
【0026】
本発明の製造方法により、今まで製造が困難であった低い抵抗率を有し透明性の高いInSbO4含有透明導電性膜を得ることができる。InSbO4含有透明導電性膜の組成は、InSbO4を含有していれば、Sb2O4、Sb2O5、Sb2O3、In2O3等の組成を含んでいてもよい。原子比Sb/Inは0.8以上1.5以下の範囲が好ましく、Inを1としたときのSbの原子比が0.8未満である場合か、または1.5を超える場合は、低い抵抗率が得られないおそれがある。
【0027】
本発明の製造方法のスパッタにより得られたInSbO4含有透明導電性膜を、成膜後に最高到達温度が500℃以上1100℃以下の温度範囲となるようにして焼成することにより、さらに低い抵抗率が得られることがある。最高到達温度が500℃未満では、焼成による抵抗率の低下の効果が無いおそれがあり、1100℃を超える場合は、抵抗率が上昇するおそれがある。焼成後の導電膜の組成も原子比Sb/Inが0.8〜1.5の範囲であり、Sbの原子比が0.8未満である場合かまたは1.5を超える場合は、低い抵抗率が得られないおそれがある。
【0028】
本発明の透明導電性膜および本発明の製造方法により得られる透明導電性膜は、低い抵抗率を有するので、無機ELパネル、液晶ディスプレイ、太陽電池の電極、窓ガラスの熱線反射膜、帯電防止膜などに用いることができるが、高温における熱処理による抵抗率の上昇が少ないので、特に無機ELパネル用として好適である。
一方、前記各用途には従来ITOが用いられてきたが、本発明の透明導電性膜および本発明の製造方法により得られる透明導電性膜は、原子比Sb/Inが0.8以上1.5以下の範囲であるので高価なインジウムの含有量がITO(通常は原子比Sn/Inが0.1程度)と比較して少なく安価である。
さらに、ITOは可視光のうち波長の短い光から紫外線に至る光を吸収するため、透明性に問題があったが、本発明の透明導電性膜および本発明の製造方法により得られる透明導電性膜は、可視光のうち波長の短い光から紫外線に至る光の吸収が少なく、可視光の透過率が高いという特徴も有する。
【0029】
【実施例】
以下本発明の実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0030】
実施例1
酸化インジウム粉末(In2O3、株式会社高純度化学研究所製、純度99.99%)と酸化アンチモン粉末(Sb2O3、純正化学株式会社製、高純度セラミックスグレード)とをSb/Inが1.5となるように秤量し、直径5mmのジルコニア製のボールとエタノールを用いて湿式ボールミルにより混合した。得られたスラリーを加熱乾燥させてエタノールを除去し、アルミナ製ルツボに入れて空気雰囲気中において700℃で5時間保持して仮焼した。得られた粉末はX線回折によりSb2O4(JCPDSカードNo.110694)、In2O3(JCPDSカードNo.60416)およびInSbO4(JCPDSカードNo.150522)の混合物であった。得られた仮焼粉末を、直径2mmのジルコニア製のボールとエタノールを用いて湿式ボールミルにより粉砕した。得られたスラリーを加熱乾燥させてエタノールを除去した後、再度エタノール中に分散させ、バインダーとしてポリビニルブチラール(積水化学工業株式会社製、商品名エスレックスB)を加えて攪拌し乾燥させた。得られた粉末を金型を用いて一軸プレスにより100MPaの圧力で円板状に成形し、さらにCIP(冷間静水圧プレス)により150MPaの圧力をかけて成形した。得られた円板状成形体を空気雰囲気中において常圧で1000℃で5時間保持して焼結した。得られた焼結体をX線回折により分析した結果、Sb2O4、In2O3およびInSbO4の混合物であった。
【0031】
得られた焼結体をターゲットとしてスパッタ装置(ANELVA製L−332H型)に設置し、膜を付ける基板としてシリコン基板をスパッタ装置に設置した。酸素60体積%−アルゴン40体積%の混合ガスをスパッタ装置に導入して、圧力1Pa、電力50W、基板温度400℃の条件でスパッタを行った。次いで、基板に付着した状態で膜を900℃で焼成した。得られた透明導電性膜の組成を分析した結果、In:Sb=1.00:1.13であり、膜の抵抗率は7×10-3Ωcmであった。膜は目視において透明であった。
膜が付着した基板を700℃,900℃、1000℃および1100℃で熱処理した。得られた膜の抵抗率はそれぞれの温度での熱処理後、2×10-2Ωcm、7×10-3Ωcm、9×10-3Ωcm、1×10-2Ωcmであった。膜は目視において透明であった。
【0032】
実施例2
実施例1で得られた焼結体と、SnO2の円板とをターゲットとして実施例1と同じスパッタ装置に設置し、膜を付ける基板としてシリコン基板をスパッタ装置に設置した。実施例1と同じ条件でスパッタを行い製膜した。得られた膜の組成を分析した結果、Snのドープ量は7.0原子%であり、膜の抵抗率は9×10-3Ωcmであった。膜は目視において透明であった。
【0033】
実施例3
実施例1で得られた焼結体と、HfO2の円板とをターゲットとして実施例1と同じスパッタ装置に設置し、膜を付ける基板としてシリコン基板をスパッタ装置に設置した。実施例1と同じ条件でスパッタを行い、得られた膜を900℃で焼成した。焼成後に得られた膜の組成を分析した結果、Hfのドープ量は3.0原子%であり、膜の抵抗率は1×10-2Ωcmであった。膜は目視において透明であった。
【0034】
比較例1
酸化インジウム粉末と酸化アンチモン粉末をIn:Sb=1:1となるように秤量した以外は実施例1と同様にして焼結体を作製した。得られた焼結体のみをターゲットとして実施例1と同じスパッタ装置に設置し、膜を付ける基板としてシリコン基板をスパッタ装置に設置した。実施例1と同じ条件でスパッタおよび焼成を行った。得られた膜の組成を分析した結果、In:Sb=1:0.67であり、膜の抵抗率は1×10-1Ωcmであった。膜は目視において透明であった。
【0035】
【発明の効果】
本発明の透明導電性膜および本発明の製造方法により得られる透明導電性膜は、低い抵抗率を有し、高価なインジウムの含有量がITOと比較して少なく安価であるので、無機ELパネル、液晶ディスプレイ、太陽電池の電極、窓ガラスの熱線反射膜、帯電防止膜などに好適に用いることができるが、高温における熱処理による抵抗率の上昇が少ないので、特に無機ELパネル用として好適であり、工業的に極めて有用である。また、本発明の製造方法は、それにより上記透明導電性膜の製造が可能となるので、工業的に極めて有用である。
Claims (9)
- 実質的にInとSbとOからなり、原子比Sb/Inが0.8〜1.5であることを特徴とする透明導電性膜。
- InとSbとOを含有し、原子比Sb/Inが0.8〜1.5であり、さらにSnおよび/またはHfを含有することを特徴とする透明導電性膜。
- 実質的にInとSbとOからなり原子比Sb/Inが1.2以上2.0以下であることを特徴とするスパッタ用ターゲット。
- 実質的にInとSbとOと、さらにSnおよび/またはHfからなり原子比Sb/Inが1.2以上2.0以下であることを特徴とするスパッタ用ターゲット。
- 請求項3記載のターゲットをスパッタすることを特徴とするInSbO4含有透明導電性膜の製造方法。
- Sn、SnO2、HfおよびHfO2からなる群から選ばれる1種以上からなるターゲットを同時にスパッタする請求項5記載の製造方法。
- 請求項4記載のターゲットをスパッタすることを特徴とするInSbO4含有透明導電性膜の製造方法。
- スパッタにより形成された後に最高到達温度が500℃以上1100℃以下の温度範囲となるようにして焼成することを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の製造方法。
- 請求項5〜8のいずれかに記載の製造方法により製造されたInSbO4含有透明導電性膜。
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