JPH11302074A - 複酸化物焼結体の製造方法 - Google Patents

複酸化物焼結体の製造方法

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JPH11302074A
JPH11302074A JP10111890A JP11189098A JPH11302074A JP H11302074 A JPH11302074 A JP H11302074A JP 10111890 A JP10111890 A JP 10111890A JP 11189098 A JP11189098 A JP 11189098A JP H11302074 A JPH11302074 A JP H11302074A
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sintered body
powder
sintering
oxide powder
oxide
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Keiji Sato
敬二 佐藤
Toshiaki Sugimoto
敏明 杉本
Naoki Okada
直樹 岡田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スパッタリング法で透明導電膜を形成する際
に用いられる高密度スパッタリングターゲット用複酸化
物焼結体の製造方法を提供する。 【解決手段】 酸化インジウム粉末と酸化アンチモン粉
末との混合物または共沈混合酸化物粉末であって、各粉
末のBET比表面積が10m2/g以上、かつ一次粒子
の平均粒子径が0.3μm以下の原料粉末を、さらには
焼結助剤として、Al、W、Mo、Biの各金属酸化物
のうち少なくとも1種類以上を0.01〜20重量%の
範囲で添加した原料粉末を、プレス成型法または泥漿鋳
込み成型法により成型し、得られた成型体を1200〜
1400℃の温度範囲で焼結する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶ディスプレ
ー、ELディスプレー、プラズマディスプレー等の透明
電極用透明導電膜、および太陽電池電極材料、面ヒータ
ー材料、赤外線吸収反射材料、電磁遮蔽材料等の透明導
電膜をスパッタリング法で形成する際に用いられる高密
度スパッタリングターゲット用複酸化物焼結体の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来技術とその解決しようとする課題】近年、透明導
電材料は、液晶ディスプレーや太陽電池等の透明電極と
して広く使用されている。中でも酸化インジウムにスズ
を数mol%ドープしたITO(Indium−Tin
Oxide)は、酸化スズ系酸化物や酸化亜鉛系酸化
物などと比較して高導電性、高エッチング性、高透明性
などの理由から多く用いられている。
【0003】成膜方法としては、スパッタリング法、真
空蒸着、イオンプレーティング法などの物理的成膜法、
およびゾル・ゲル法、熱スプレー法、CVD法などの化
学的成膜法がある。この中で膜の緻密性が良く、低抵抗
膜が容易に得られることなどの理由でスパッタリング法
が現在主流になっている。
【0004】スパッタリング法でITO膜を形成する
際、スパッタリングターゲットとして酸化インジウムに
酸化スズをドープしたITO焼結体が用いられる場合が
多い。ITO焼結体は、通常酸化インジウムに酸化スズ
を添加した粉末、あるいはそれを仮焼した粉末を、金型
成型、冷間等方圧プレス(CIP)、鋳込み等で成型
し、その成型体を大気中1450℃程度で常圧焼結する
方法で製造される。
【0005】しかし、このような方法で製造されたIT
Oターゲットは高価であり、その原因は、ITOの主原
料である酸化インジウムもしくは金属インジウムが非常
に高価であることに起因する。そのため、ターゲットの
高密度化やスパッタプロセスの改良等によって、得られ
る透明導電膜の物性を改善するとともに、高価なITO
ターゲットの利用効率を上げ、コストを抑えようとする
試みがなされている。
【0006】一方、最近、ITOとは異なる新規透明導
電材料(In3SbO7系複酸化物)が、ITO以上の高
い導電性と透明性を有することがわかってきた(特開平
9-194212号、特開平9-194259号)。この
材料は主構成成分にインジウム、アンチモンを用いるも
のであり、高価なインジウムの含有率が75%(金属元
素mol比)とITOのインジウム含有率(90%以
上)よりも低く、原料コストが安くなる。
【0007】しかし、一般的な固相反応法によるIn3
SbO7系複酸化物の焼結では、高温でアンチモン成分
の昇華、分解が起こるために、焼結温度が限定されてし
まうこと、また酸化インジウムが難焼結性であることか
ら高密度品を得ることが困難であり、焼結後の密度はせ
いぜい相対密度で60%程度であるなど問題があった。
【0008】ターゲット密度が低いと、ターゲット自体
の熱伝導率が下がり、ターゲットと接合したバッキング
プレートで冷却しても十分な冷却効果が得られない場合
がある。ターゲットの冷却が不十分であると、ターゲッ
トの表面が高温になり、スパッタリング雰囲気が、通常
減圧雰囲気であることから、ターゲットの分解反応が促
進され、ターゲットに低酸化度の酸化物が発生する。こ
の低酸化度の酸化物が発生すると、ターゲット表面が黒
化するとともに、導電薄膜の成膜速度が大幅に低下し、
さらに、異常放電を引き起こし、スパッタリング電圧の
上昇の原因にもなる。また、このような低酸化度の酸化
物の形成は、導電薄膜の抵抗率を増加させるので好まし
くない。
【0009】
【課題を解決するための具体的手段】本発明者らは、上
記課題に鑑み、鋭意検討の結果、In3SbO7系複酸化
物焼結体の製造方法について、均一組成で高密度な焼結
体ターゲットが得られるプロセスを見い出し本発明に到
達した。
【0010】すなわち本発明は、酸化インジウム粉末と
酸化アンチモン粉末との混合物または共沈混合酸化物粉
末であって、各粉末のBET比表面積が10m2/g以
上、かつ一次粒子の平均粒子径が0.3μm以下の原料
粉末を、さらには焼結助剤として、Al、W、Mo、B
iの各金属酸化物のうち少なくとも1種類以上を0.0
1〜20重量%の範囲で添加した原料粉末を、プレス成
型法または泥漿鋳込み成型法により成型し、得られた成
型体を1200〜1400℃の温度範囲で焼結すること
を特徴とするIn3SbO7系複酸化物焼結体の製造方法
を提供するものである。
【0011】本発明においては、In3SbO7系複酸化
物焼結体とは、欠陥蛍石型結晶構造を有するIn3Sb
7で表される複酸化物を母体とするものであり、これ
を非化学量論組成、すなわち、一般式:In3Sb1-X
7-δ[−0.2≦X≦0.2(X≠0)、および−0.
5≦δ≦0.5(δ≠0)]にした焼結体である。ま
た、Sn、Si、Ge、Ti、Zr、Pb、Cr、M
o、W、Te、V、Nb、Ta、Bi、As、Ce等の
IV、V、VI族の高原子価金属元素及びF、Br、I等の
ハロゲン元素から選ばれる少なくとも1種類以上をドー
プした焼結体であり、または還元アニールにより酸素空
孔を生成させた焼結体など、広い範囲の組成を有したも
のである。
【0012】本発明において、In3SbO7系複酸化物
焼結体の原料は、インジウム源として溶液から中和沈殿
法等により調製した微細な酸化インジウム(In23
粉末、アンチモン源には、インジウムの場合と同様に中
和沈殿法等により調製した微細な三酸化アンチモン(S
23)粉末または五酸化アンチモン(Sb25)粉末
を用いる。両金属元素の溶液は、両金属の塩酸、硝酸、
硫酸等への溶解によって得られる溶液、もしくは硝酸
塩、硫酸塩、塩化物等の溶媒への溶解によって得られる
無機塩溶液である。その他、酢酸塩、蓚酸塩、および金
属アルコキシド等の有機塩からも、微細な酸化物粉末を
得ることは可能である。また、中和沈殿の際には、イン
ジウム成分、アンチモン成分それぞれ別々に行う場合
と、いわゆる共沈を行う場合があり、どちらの方法でも
上記の酸化物粉末を得ることは可能である。一方、中和
沈殿法の他に液相酸化法等による酸化物粉末の調製もま
た可能である。
【0013】本発明においては、上記、いずれの原料酸
化物粉末調製方法をとっても、得られる酸化インジウム
粉末及び酸化アンチモン粉末のBET比表面積が10m
2/g以上、かつ一次粒子の平均粒子径が0.3μm以
下であることが重要である。最適には、BET比表面積
が15〜40m2/g、一次粒子の平均粒子径が0.0
1〜0.3μmの範囲が好ましい。この範囲からずれる
と、得られた焼結体の密度が低下するため好ましくな
い。また原料酸化物粉末は、上記の調製法のみに限定さ
れず、例えば市販の試薬等で、BET比表面積が10m
2/g以上、一次粒子の平均粒子径が0.3μm以下の
粉末を用いれば、高密度焼結体の製造が可能となる。
【0014】中和沈殿法により、原料粉末を得る場合、
純度99%以上の原料塩溶液を氷冷しながらアンモニア
水を滴下し中和する。原料塩溶液の濃度は、特に限定さ
れないが、5〜50%の範囲が望ましい。50%を超え
ると塩の析出が起こり、溶液が不安定になる。また5%
未満であると沈殿の粒径が大きく、焼結の際に不利にな
り、また十分な量の沈殿が得られず好ましくない。さら
に、溶液の温度が50℃以下になるように調整した方が
良い。温度が高いと、核の成長が進行し、微細な粉末が
得られにくくなるためである。また、最終到達pHに関
しては、pH=9〜11にすることが好ましい。最適に
はpH=10付近である。共沈の場合、pH値が9以下
であると沈殿中のIn/Sbの元素比がずれてしまい好
ましくない。
【0015】一方、加水分解法は有機金属塩の非水溶液
で使用し、金属アルコキシド溶液に水または有機溶媒と
水の混合物を滴下し加水分解して沈殿を得る。この際、
微細な粉末を得るためには、水の滴下速度、温度管理等
は上記中和沈殿の場合と同様に行う必要がある。得られ
た沈殿は、洗浄、濾過により溶媒と分離し、150℃程
度の乾燥および300℃から600℃程度の仮焼を行
い、完全に酸化物にする必要がある。インジウムとアン
チモン両成分の共沈にて得られた粉末は、仮焼終了によ
り、混合酸化物粉末になり、また別々に沈殿させた場合
は、乾燥し、完全に酸化物にした後、所定量を秤量し、
ボールミル混合等を行うことにより混合酸化物粉末にな
る。 これらの方法で得られた酸化物及び混合酸化物
は、仮焼せずこのまま使用しても良い。仮焼する場合
は、300〜1300℃で行うのが好ましい。
【0016】これらの原料酸化物粉末の混合、粉砕は、
ボールミルに限定されず、振動ミル、ジェットミル、攪
拌型ミル、遊星型ミル、ダイノールミル等でも可能であ
る。次に、得られた酸化物混合粉末にPVA、PVB等
の成型バインダを0.5〜5wt%添加し、スプレード
ライヤー等で1〜50μm程度の球状に造粒する。この
際、バインダ添加、造粒は必ずしも行わなくても焼結体
の製造は可能であるが、成型時の成型性、ハンドリン
グ、焼結密度を考慮すると行った方が望ましい。
【0017】成型体は、プレス成型法または泥漿鋳込み
成型法で実施する。プレス成形法は、一般に一軸成型の
後CIP成型を行う。一軸成型は金属金型により前記の
粉末を100〜1000kg/cm2程度の圧で所定の
形状に加圧成型する。その後1000〜8000kg/
cm2程度でCIP成型を行う。CIP成型を行わなく
ても、常圧焼結、加圧焼結(ホットプレス焼結、HIP
焼結等)、もしくは常圧焼結後の加圧焼結によってもス
パッタリングターゲットの製造は可能であるが、CIP
成型を行った方が焼結後の焼結体が高密度化しやすいた
め、CIP成型は行った方が望ましい。また、上記プレ
ス成型を行わず、各種バインダ、分散剤とともにスラリ
ーとし、泥漿鋳込み成型を行っても焼結体の製造は可能
である。
【0018】得られた成型体は、乾燥、脱脂行う必要が
あり、その温度範囲は200〜600℃程度であるが、
焼結時に同時に行ってもよい。成型体の焼結は、常圧焼
結で行うが、ホットプレス焼結、HIP焼結によって
も、もちろん高密度焼結体は得られる。しかし、ホット
プレス焼結、HIP焼結は、大型で高価な焼結装置が必
要であり、焼結体の大きさも制限される。また焼結にか
かるコストも高くなるため、同程度の高密度焼結体が得
られるならば、常圧焼結法により焼結を行うのが好まし
い。
【0019】常圧焼結法の場合、上記成型後の成型体を
アルミナ板上に共粉(成型前の原料混合粉末、もしくは
仮焼粉末)を敷いた上に置き、大気中1200〜140
0℃の温度範囲で行う。焼結温度は高い方が焼結密度も
上がり、また酸化インジウムと酸化アンチモンの固相反
応がより進行し、焼結後のターゲットの導電性が向上し
て、DCスパッタが行いやすいという利点があるが、焼
結温度が1400℃を超えると酸化アンチモンの昇華が
起こり、ターゲットの組成が変化する。また1200℃
より低いと焼結体の密度が十分上がらないため好ましく
ない。
【0020】焼結時間は、ターゲットの大きさ、容積に
より変化するが、5〜24時間の範囲で行うのが好まし
い。昇降温速度については特に限定しないが、通常50
〜300℃/時間の範囲で行う。特に脱脂を同時に行う
場合は低温時の昇温速度は遅い方が望ましい。また昇降
温速度が極端に早いと焼結時にひび割れを生じやすくな
るので注意が必要である。
【0021】焼結助剤については、もちろんこれを使用
しなくても十分高密度な焼結体を製造することは可能で
あるが、Al、W、Mo、Biの各金属酸化物のうち少
なくとも1種類以上を0.01〜20重量%の範囲で焼
結助剤として添加し、焼結を行うことにより焼結体の密
度は向上する。その添加量がこの範囲からずれると、焼
結助剤の効果が得らず、逆に得られた焼結体の密度が低
下し好ましくない。
【0022】また、これらの焼結助剤の添加は、上記製
造工程の途中あるいは原料粉末を調製する際に添加して
も良く特に限定されない。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに説明
するが、かかる実施例により限定されるものではない。
【0024】実施例1 中和沈殿法により調製した純度:99.9%、BET比
表面積:18m2/g、一次粒子の平均粒径:0.1μ
mの酸化インジウム粉末、および純度:99.9%、B
ET比表面積:15m2/g、一次粒子の平均粒径:
0.2μmの酸化アンチモン粉末をモル比で3:1にな
るように秤量し、エタノール溶媒中で湿式ボールミル混
合した。さらに、得られた泥漿を60℃、24時間乾燥
後、アルミナるつぼ中で700℃、5時間仮焼した。仮
焼後の粉末を再びエタノール溶媒中で湿式ボールミル粉
砕し、乾燥後、成型バインダとしてPVAを2重量%添
加した。その後、スプレードライヤにより10〜30μ
m程度の球状に造粒した。成型は、100kg/cm2
の圧で一軸成型した後、3000Kg/cm2の圧でC
IP成型を行った。成型後のグリーンディスクを大気
中、600℃、5時間脱脂した後、大気中、1350
℃、12時間焼結を行い、In3SbO7系複酸化物焼結
体を得た。
【0025】以上のようにして得られた焼結体の外観
は、ひび割れ、反り、色の不均質化は無かった。また、
組成分析の結果、ほぼ仕込みの元素比(In/Sb)で
あることが確認された。一方、焼結体の相対密度は87
%であった。
【0026】実施例2 中和沈殿法により調製した純度:99.9%、BET比
表面積:29m2/g、一次粒子の平均粒径:0.07
μmの酸化インジウム粉末、および純度:99.9%、
BET比表面積:15m2/g、一次粒子の平均粒径:
0.2μmの酸化アンチモン粉末を原料に用いた以外
は、実施例1と同様の方法で行いIn3SbO7系複酸化
物焼結体を得た。
【0027】得られた焼結体の外観は、ひび割れ、反
り、色の不均質化は無かった。また、組成分析の結果、
ほぼ仕込みの元素比(In/Sb)であることが確認さ
れた。一方、焼結体の相対密度は93%であった。
【0028】実施例3 中和沈殿法により調製した純度:99.9%、BET比
表面積:18m2/g、一次粒子の平均粒径:0.1μ
mの酸化インジウム粉末、および純度:99.9%、B
ET比表面積:15m2/g、一次粒子の平均粒径:
0.2μmの酸化アンチモン粉末をモル比で3:1にな
るように秤量し、アクリルエマルジョン系バインダー、
およびポリカルボン酸系分散剤とともに、水溶媒中でボ
ールミル混合し、70%の泥漿を得た。次に得られた泥
漿を十分脱泡した後、所定の寸法の石膏型に流し込み、
鋳込み圧力0.5kg/cm2で泥漿鋳込み成型を行い
成型体を得た。成型後のグリーンディスクを大気中、6
00℃、5時間脱脂した後、大気中、1350℃、12
時間焼結を行い、In3SbO7系複酸化物焼結体を得
た。
【0029】以上のようにして得られた焼結体の外観
は、ひび割れ、反り、色の不均質化は無かった。また、
組成分析の結果、ほぼ仕込みの元素比(In/Sb)で
あることが確認された。一方、焼結体の相対密度は85
%あった。
【0030】実施例4 実施例1と同様の原料粉末を用い、これに焼結助剤とし
てBi23を5重量%添加した以外は、すべて実施例1
と同様の方法で行いIn3SbO7系複酸化物焼結体を得
た。
【0031】得られた焼結体の外観は、ひび割れ、反
り、色の不均質化は無かった。また、組成分析の結果、
ほぼ仕込みの元素比(In/Sb)であることが確認さ
れた。一方、焼結体の相対密度は92%であった。
【0032】比較例1 純度:99.9%、BET比表面積:5m2/g、一次
粒子の平均粒径:1.2μmの酸化インジウム粉末、お
よびBET比表面積:2m2/g、一次粒子の平均粒
径:3.5μmの酸化アンチモン粉末を原料に用い、実
施例1と同様の方法で行いIn3SbO7系複酸化物焼結
体を得た。
【0033】得られた焼結体の外観は、ひび割れ、反
り、色の不均質化は無く、また、組成分析の結果、ほぼ
仕込みの元素比(In/Sb)であることが確認された
が、焼結体の相対密度は61%であった。
【0034】比較例2 焼結温度が1000℃であったこと以外は、すべて実施
例1と同様の方法で行いIn3SbO7系複酸化物焼結体
を得た。
【0035】得られた焼結体の外観は、ひび割れや反り
は無かったが、色が不均質化していた。また、組成分析
の結果、ほぼ仕込みの元素比(In/Sb)であること
が確認されが、焼結体の相対密度は52%であった。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、BET比表面積:10
2/g以上、一次粒子の平均粒径:0.3μmの酸化
インジウム粉末と酸化アンチモン粉末とを原料に用い、
1200〜1400℃の温度範囲で焼結することによ
り、相対密度85%以上の高密度In3SbO7系複合酸
化物焼結体を得ることができる。この焼結体は透明導電
膜成膜用のスパッタリングターゲットなどの用途に有効
であり、工業的価値が大きい。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化インジウム粉末と酸化アンチモン粉
    末との混合物または共沈混合酸化物粉末であって、各粉
    末のBET比表面積が10m2/g以上、かつ一次粒子
    の平均粒子径が0.3μm以下の原料粉末をプレス成型
    法または泥漿鋳込み成型法により成型し、得られた成型
    体を1200〜1400℃の温度範囲で焼結することを
    特徴とするIn3SbO7系複酸化物焼結体の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の酸化インジウム粉末と
    酸化アンチモン粉末との原料粉末に、焼結助剤として、
    Al、W、Mo、Biの各金属酸化物のうち少なくとも
    1種類以上を0.01〜20重量%の範囲で添加したこ
    とを特徴とする請求項1記載のIn3SbO7系複酸化物
    焼結体の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001034869A1 (fr) * 1999-11-09 2001-05-17 Nikko Materials Company, Limited Cible de pulverisation et procede de preparation
JP2002289053A (ja) * 2001-03-27 2002-10-04 Sumitomo Chem Co Ltd 透明導電性膜の製造方法
CN110651370A (zh) * 2017-06-05 2020-01-03 凸版印刷株式会社 半导体装置、显示装置及溅射靶

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