JP3817650B2 - 成形用金型 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダイカスト、低圧鋳造、重力鋳造等の各種鋳造を始め、射出成形、ブロー成形等に用いる成形用金型に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近の生産ラインにおいては、多品種少量生産が一般化しており、金型交換のサイクルがかなり短くなっている。また、鋳造、射出成形等により成形される製品は、益々複雑化あるいは大型化する傾向にあり、これに伴って金型の寿命短縮が避けられず、その交換の頻度が増加している。特に、ダイカスト鋳造においては、高温の溶湯が高速かつ高圧で金型内に充填されるため、金型の損耗が激しく、その交換をかなりの頻度で行わなければならない状況にある。
そこで、最近は、固定型、可動型等の金型構成要素を、共通化された汎用部とキャビティを形成する専用部とに分割し、専用部のみの交換で段替えに対処することが行われている(例えば、特開平9−70653号公報、特開平9−122871号公報、特開平1−271213号公報等)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記専用部のみの交換を行う従来の段替え方法によれば、汎用部と専用部とを一体として成形機から取外し、これを成形機外に持出して専用部の交換を行うようにしており、この場合は、成形機から汎用部を取外す面倒な作業が依然として残り、特にダイカスト用金型の場合は、型内冷却のための複雑な冷却系や制御系の着脱も必要となって、トータルとしての段替え時間は思うほど短縮されない、という問題があった。また、例えば、シリンダブロックのような大型で複雑構造のダイカスト品を得ようとする場合は、スライドを必要とするため、金型全体が大重量(一例として、196kN…20トン程度)でかつ大寸法(一例として、2m程度)となり、前記した成形機からの取外しがきわめて面倒になるばかりか、固定部と可動部と接続するタイバーの抜き差しも必要となり、段替え時間の短縮効果はきわめて小さい、という問題があった。
なお、特開平6−190531号公報に記載のものでは、汎用部を成形機に残したまま、専用部の一部(中子)のみを交換することを行っているが、そこでは、専用部をボルトで締結する方式を採用しているため、スペースの限られた成形機内で締結作業を行わなければならず、作業性の悪化や不安全作業が避けられない。また、専用部の前面からのボルト締結となるため、前面がキャビティ形成面となる専用部には適用できず、その適用範囲は限られたものとなる。
【0004】
本発明は、上記した問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、キャビティを形成する専用部の全部または一部を、成形機に汎用部を残したまま迅速に段替えできる成形用金型を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る成形用金型は、共通化された汎用部とキャビティを形成する専用部とからなり、前記専用部は、成形機に取付けられている汎用部に対して着脱機構により自動的に着脱される成形用金型であって、固定型および可動型のそれぞれが、汎用部としての主型に設けた凹部に専用部としての入子を嵌合してなるものにおいて、前記着脱機構は、前記主型の凹部の底部と前記入子の背面部との間に配置され、各主型側から延ばしたT字クランパーを入子の背面部に設けたT字スロットに係入させて、該入子を主型の凹部内に引込むクランプ装置からなることを特徴とする。
このように成形機に取付けられている汎用部に対して専用部を着脱させることで、成形機から汎用部を取外し取付けする面倒な作業が不要になるばかりか、汎用部を成形機内外で搬送する作業が不要になり、しかも、汎用部に対して着脱機構により専用部を自動的に着脱させるので、面倒な締結作業も不要になる。
また、着脱機構が、主型の凹部の底部と前記入子の背面部との間に配置されて、汎用部および専用部の周りに食み出すことがないので、全体としてシンプルとなる。しかも、前記着脱機構は、各主型側から延ばしたT字クランパーを入子の背面部に設けたT字スロットに係入させて、該入子を主型の凹部内に引込むクランプ装置からなっているので、構造簡単で小型に構成できる。
なお、本成形用金型において、型内冷却を必要とする場合は、汎用部に設けた通水路と専用部に設けた冷却水路との相互間に、前記汎用部に対する前記専用部の着脱に応じて着脱する管継手を配設する。
【0006】
本成形用金型は、少なくとも主型の凹部および該凹部に嵌合される入子の部分が矩形をなし、前記主型の凹部内には、その相隣接する2つの壁面に沿ってくさび部材を、入子の嵌入方向へ浮動可能に配置し、該くさび部材に前記入子の側面に形成したテーパ面を楔合させて、該入子の残りの2面を前記凹部内の残りの2つの壁面に密着させる構成としてもよく、これにより主型に対する入子の位置決め精度は向上する。
本成形用金型はまた、少なくとも可動型側の入子に、対応する主型の凹部壁面に転動体を弾発的に当接させる押圧ガイド手段を設ける構成としてもよく、これにより主型の凹部と入子とのクリアランスを大きく設定することが可能になる。
本成形用金型はさらに、主型の凹部内壁面であって、かじりが発生し易い部分に、高硬度材を配置してもよく、主型および入子の耐久性が向上する。
【0007】
本成形用金型において、上記汎用部および専用部として構成される金型構成要素の種類は特に問うものではないが、押出手段を含む場合は、その押出ロッドを汎用部として、その押出板を専用部としてそれぞれ構成し、前記押出板は、可動型側主型と可動型側入子との間に配置するようにする。
また、スライドを含む場合は、そのスライドホルダを汎用部として、そのスライドコアを専用部として構成する。
さらに、上記専用部は、必要に応じて鋳抜きピンを含むものとすることができる。
【0008】
本発明に係る成形用金型は入子の相互間に、該入子同士を型閉じの状態に自動的に一体化する連結機構を設けることにより、入子同士を型閉じの状態に一体化して段替えするようにしてもよい。この場合、該連結機構は、入子の内部に配設され、作動ロッドの変位に応じて入子同士をロック、アンロックするボールロック機構からなり、前記作動ロッドは、主型の凹部の内底面に当接して入子同士をアンロックさせる位置に変位する構成とすることができる。このように連結機構により入子を一体化して段替えする場合は、入子を個別に主型に対して着脱する必要がないので、効率よく段替えを行うことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基いて説明する。
【0010】
図1乃至図4は、本発明の1つの実施の形態である成形用金型の全体的構造を示したものである。本実施の形態は、横型ダイカストマシン(成形機)に装備されるダイカスト鋳造用金型して構成されており、図5に示すダイカストマシン(以下、単にマシンという)1の固定プラテン2に取付けられる固定型11と、マシン1の可動プラテン3に取付けられる可動型12と、可動型12に付設された押出手段13および複数基(4基)のスライド14とから概略構成されている。マシン1の可動プラテン3は、架台4上の一端部に配置された前記固定プラテン2と架台4上の他端部に配置された固定台5との間に橋架した4本のタイバー6に摺動可能に支持されている。そして、この可動プラテン3は、前記固定台5に設けた型締シリンダ7により駆動されるようになっており、この駆動に応じて可動型12は、固定型11に合された型閉じ状態(図2)と固定型11から所定距離だけ離間する型開き状態(図1)とに選択的に位置決めされる。なお、図5中、8は、固定プラテン2の背面側に設けられた、金型内に溶湯を射出するための射出シリンダ、9は、金型を段替えするための、後に詳述する段替え装置である。
【0011】
上記した固定型11、可動型12、押出手段13およびスライド14のそれぞれは、共通化された汎用部Mとキャビティを形成する専用部Nとに分割されている。より詳しくは、固定型11は、汎用部Mとしての主型15と専用部Nとしての入子16とから、可動型12は、汎用部Mとしての主型17と専用部Nとしての入子18とから、押出手段13は、汎用部Mとしての押出ロッド19と専用部Nとしての、押出ピン20を植設してなる押出板21とから、スライド14は、汎用部Mとしてのスライドホルダ22と専用部Nとしてのスライドコア23とからそれぞれ構成されている。また、これら専用部Nは、対応する汎用部Mに対して着脱機構Oにより自動的に着脱されると共に、専用部N同士は、連結機構Pにより自動的に一体化されるようになっている。このように構成した鋳造用金型は、汎用部Mをマシン1に残したまま、専用部Nを1つの集合体NN(図3、4)として段替えできるようになっており、以下、これを実現するための細部構造について説明する。
【0012】
上記固定型11および可動型12のそれぞれは、その主型15,17に設けた凹部24,25にその入子16,18を嵌合させ、この状態で前記凹部24,25の底部と各入子16,18の背面部との間に設けた着脱機構Oにより各入子16,18を各主型15,17に対して着脱する構造となっている。
各入子16,18を各主型15,17に着脱する着脱機構Oは、ここではクランプ装置31,32からなっており、クランプ装置31,32は、図6および図7に示されるように、各主型15,17側から延ばしたT字クランパー33,34を入子16,18の背面部に設けたT字スロット35,36に係入させて、該入子16,18を主型15,17の凹部24,25内にクランプする構造となっている。このT字クランパー33,34を駆動する駆動手段37,38は、T字クランパー33,34を軸方向移動させるシリンダ(クランプ用シリンダ)39,40とT字クランパー33,34を回転させる回動機構41,42とからなっており、これらクランプ用シリンダ39,40および回動機構41,42は、対応する主型15,17に内蔵されている。これらT字クランパー33,34、シリンダ39,40および回動機構41,42を含むクランプ装置31,32は、固定型11、可動型12に対して複数基設けられるが、特に可動型12側のクランプ装置32については、後述するように大きな引込力を必要とするため、ここでは、4基設けるようにしている。
【0013】
上記駆動手段37,38を構成するクランプ用シリンダ39,40および回動機構41,42の基本構造は、固定型11側および可動型12側で実質同じになっており、固定型11側の駆動手段37を例にとって示すと、図8および図9に示すようになっている。
図8および図9において、43は、クランプ用シリンダ39内に摺動可能に配設されたピストンで、このピストン43に形成されている軸孔44には、前記T字クランパー33の基端部が摺動可能に嵌挿されている。T字クランパー33は、その基端部を前記軸孔44の一端側に形成したテーパ部44aに嵌合させることにより、ピストン43に対して図8の左方向(押込み方向)への移動が規制されると共に、その基端にボルト止めした輪状のストッパ板45を前記軸孔44の他端側に形成した段部44bに当接させることにより、ピストン43に対して図8の右方向(抜け方向)の移動が規制されている。すなわち、T字クランパー33はピストン43に対して回動可能にかつ相対移動不能に結合されている。
また、上記T字クランパー33の基端部には所定深さの軸穴46が形成されており、この軸穴46内には、前記回動機構41からシリンダ39内へ延ばされた回転軸47の延長端部が挿入されている。この回転軸47の、シリンダ39内への延長端部は前記輪状ストッパ板45とスプライン部48を介して結合されており、これにより、T字クランパー33は、回転軸47に対して相対回転不能にかつ相対移動可能に連結されている。
【0014】
一方、上記駆動手段37を構成する回動機構41は、クランプ用シリンダ39に被蓋された厚肉の端板49内に配設されている。端板49には、前記回転軸47を収容する凹部50が形成されており、この凹部50の底部には、回転軸47の軸方向中間部位に設けたフランジ47aを係止して該回転軸47の、シリンダ39からの抜けを規制する押え板51がボルト止めされている。また、この凹部50内において、前記回転軸47の基端部にはピニオン52がキー53を用いて回転不能に結合されており、このピニオン52には、端板49に設けた半径方向溝54に摺動可能に配設されたラック55が噛合わされている。ラック55は、端板49の外周部に半径方向へ延ばして取付けたシリンダ56により直線移動させられるようになっており、このラック55の直線移動によりピニオン52を介して回転軸47したがってT字クランパー33が左回転または右回転する。ラック55は、端板49の半径方向溝54の底部に突設したストッパ57に先端を当接させる位置が前進端、シリンダ56のロッドの短縮端が後退端となっており、このラック55の進退動に応じてT字クランパー33は90度だけ反転するようになっている。
【0015】
可動型12側の駆動手段38については詳細構造を省略しているが、図7中、58はクランプ用シリンダ40内のピストンを、59は回動機構42からシリンダ40内へ延ばされた回転軸をそれぞれ表している。本実施の形態において、この可動型12側のクランプ用シリンダ40は、上記固定型11側のクランプ用シリンダ39よりもかなり大きなピストンストロークが得られるように長尺に形成されており、これに応じて該シリンダ40内のピストン58に作動連結されるT字クランパー34およびこのT字クランパー34内に設ける軸穴(図示略)も、固定型11側のT字クランパー33および軸穴46(図8)よりも長尺となっている。
【0016】
上記したクランプ装置31,32は、段替え時には、図6、7に示したようにそのT字クランパー33,34を前進端に位置決めし、かつT字クランパー33,34のヘッド部33a,34aが、対応する入子16,18に設けたT字スロット35,36に挿入可能となるようにT字クランパー33,34を回転方向に位置決めしている。この状態のもと、いま、各主型15,17の凹部24,25内に入子16,18を、後述する段替え装置9またはマシン1の型開閉の動きにより押込むと、T字クランパー33,34のヘッド部33a,34aがT字スロット35,36内に入り込む。
【0017】
その後の動作は、固定型11側のクランプ装置31と可動型12側のクランプ装置32とで異なっており、固定型11側のクランプ装置31の場合は、型開閉の動きにより入子16が主型15の凹部24内に押込まれてその背面が凹部24の内底面に当接する段階、すなわち図10に示す段階になると、クランプ用シリンダ39内の流体圧解放に続いて回動機構41が作動し、T字クランパー33が90度回転してそのヘッド部33aが入子16のT字スロット35内で抜け不能位置に回転する。そして、その後はシリンダ39内への圧力流体の供給によりT字クランパー33が短縮側への圧力を受け、これにより入子16が主型15に対してクランプされる。一方、可動型12側のクランプ装置32は、そのT字クランパー34のヘッド部34aがT字スロット36内に入り込むと同時にその回動機構42が作動し、T字クランパー34が90度回転してそのヘッド部34aが入子18のT字スロット36内で抜け不能位置に回転し、続いてクランプ用シリンダ40が作動してT字クランパー34が短縮し、これにより入子18が主型17の凹部25内に引込まれ、図11に示すように主型17に対してクランプされる。この時、入子18が主型17の凹部25内に円滑に引込まれるように、複数(ここでは、4基)のクランプ用シリンダ40が同期して作動する。なお、前記したクランプに際しては、各T字クランパー33,34のヘッド部33a,34aとT字スロット35,36の内面との間に所定の間隙S(図6,7)が存在するので、T字クランパー33,34は摩擦抵抗をそれほど受けることなく円滑に回転する。
各主型15,17から入子16,18を離脱させる場合は、上記と逆の動作となり、先ず、クランプ用シリンダ39,40の作動により各T字クランパー33,34が伸長し、その伸長端で各シリンダ39,40の流体圧が解放され、続いて回動機構41,42が作動して各T字クランパー33,34が90度回転し、これにより入子16,18は対応する主型15,17から離脱可能となる。
【0018】
固定型11側の入子16と可動型12側の入子18とを連結する連結機構Pは、ここでは、ボールロック機構61からなっている。このボールロック機構61は、図6、図10および図12に示されるように、固定型11の専用部Nである入子16(以下、これを固定入子という)の背面側に設けた凹穴62内から該入子16を貫通してその前方へ延ばされた作動ロッド63と、入子16の前面に前記作動ロッド63を囲むように固設された筒状ガイド64と、可動型12側の入子18(以下、これを可動入子という)に設けられ、前記作動ロッド63および筒状ガイド64を一体的に嵌入可能な凹穴65と、前記筒状ガイド64の先端部に周方向に等配して設けられた複数のボール保持孔66に作動ロッド63を介して保持されたボール67と、可動入子18の凹穴65の内面に設けられ、前記ボール67を係合させる係合穴68とを備えている。
【0019】
上記作動ロッド63は、その先端側に小径の本体部63aからアール部63bを介して続く大径部63cを有しており、ボール67は、この作動ロッド63と筒状ガイド64との相対移動に応じて、該作動ロッド63の小径の本体部63aに乗る状態すなわち筒状ガイド64の外周面から没した状態と、作動ロッド63の大径部63cに乗る状態すなわち筒状ガイド64の外周面から部分的に突出した状態とに選択的に位置決めされる。なお、筒状ガイド64に設けたボール保持孔66は、ボール67の脱落を防止するようにテーパ孔となっている。作動ロッド63はまた、前記固定入子16の凹穴65内に配置した圧縮ばね69により可動入子18からの抜け方向へ付勢されている。作動ロッド63の先端部にはフランジ63dが設けられており、作動ロッド63は、常時はその先端のフランジ63dを筒状ガイド64の端面に当接させる後退端に位置決めされている。そして、この作動ロッド63の後退端において、その大径部63cが筒状ガイド64のボール保持孔66下に位置決めされるようになっており、これにより、ボール67は、常時は筒状ガイド64の外周面から部分的に突出した状態を維持する。
【0020】
上記筒状ガイド64は、固定入子16と可動入子18とを合せた型閉じ状態においてそのボール保持孔66が可動入子18側の係合穴68に整合するようになっている。したがって、予め作動ロッド63を押込んだ状態で固定入子16と可動入子18とを型閉じした後、作動ロッド63の押込みを解放すると、圧縮ばね69の付勢力で作動ロッド63が後退端に移動し、これによりボール67がボール保持孔を66から部分的に突出して可動入子18の係合穴68に係合し、この結果、固定入子16と可動入子18とは本ボールロック機構61を介して自動的に連結一体化(ロック)されるようになる。
一方、作動ロッド63は、常時はその後端に設けた押圧板70を固定入子16の背面からわずかの高さH(図12)だけ突出させるようになっている。これにより、いま、図10に示したように固定入子16を対応する主型15にクランプして、該入子16の背面を主型15の凹部24の内底面に当接させると、作動ロッド63の後端の押圧板70も前記凹部24の内底面に当接し、これに応じて作動ロッド63が圧縮ばね69の付勢力に抗して可動入子18側へ押込まれる。すると、ボール67が作動ロッド63の小径の本体部63aに乗り移って可動入子18の係合穴68から離脱し、この結果、固定入子16と可動入子18との連結一体化が自動的に解除(アンロックロック)される。なお、前記したように作動ロッド63の後端部を固定入子16の背面から突出させることに代えて、同じ高さHの突起を主型15に設けて、作動ロッド63の後端を固定入子16の背面と面一に設定しても、前記同様にアンロックロック動作することはいうまでもない。
【0021】
上記押出手段13は、図13によく示されるように、その専用部Nとしての押出板21が、可動型12の汎用部Mである主型17(以下、これを可動主型という)と可動入子18との間に配置されている。可動主型17の凹部25の底部にはその背面側まで貫通する収納孔71が形成されており、押出板21は、可動主型17に可動入子18を装着した状態においてこの収納孔71内に納められるようになっている。また、可動入子18の背面側には、図14に示されるように、ねじ込み式に複数のガイドロッド72が固定されており、押出板21はこのガイドロッド72に沿って摺動するようになっている。このガイドロッド72の先端には、ストッパ部73が一体に設けられており、押出板21は、このストッパ部73によって可動入子18に対して抜け止めされている。すなわち、ガイドロッド72およびそのストッパ部73は、前記専用部同士を着脱可能に連結一体化する連結機構Pを構成している。
【0022】
一方、押出手段13の汎用部Nである押出ロッド19は、可動主型17の背面部の凹部74内に配置した可動板75から可動主型17を貫通して前記収納孔71内まで延ばされており、該押出ロッド19と押出板21とは、前記収納孔71内で前記連結機構Pの1つである、後述のボールロック機構81により着脱可能に連結されている。可動板75は、可動プラテン3に取付けた押出用シリンダのピストンロッド76の伸縮により凹部74内を移動するようになっており、これに応じて押出板21が型開閉方向へ進退動する。
【0023】
ところで、可動入子18は、上記可動主型17に形成した収納孔71の存在により、該可動主型17の凹部25の底面に全面接触せずに、部分接触する状態(接触面積が少ない状態)となる。この場合、大きな鋳造圧力を受けると、可動入子18が変形して、バリ発生、製品寸法精度の悪化、入子割れ等の不具合を招く虞がある。そこで、本実施の形態においては、図13に示すように可動主型 17 にバックアップ用ブロック77を固定すると共に、押出板21に前記ブロック77の挿通を許容する貫通孔78を設け、このブロック77の先端を可動主型17に装着された可動入子18の背面に当接させるようにしている。このようなブロック77を設けることで、可動入子18の変形は抑制され、前記したバリ発生等の不具合は未然に防止される。なお、可動主型17の中間部には受圧板79が配置されており、前記バックアップ用ブロック77は、この受圧板79により位置固定されている。
【0024】
ここで、押出ロッド19と押出板21とを着脱可能に連結するボールロック機構81(着脱機構O)は、図15に示すような構造となっている。同図において、82は、押出ロッド19の先端にシリンダ83を介して取付けられたオス型部材、84は、押出板21の背面に取付けられ、前記オス型部材82を受入れ可能な凹穴84aを有するメス型部材、85は、オス型部材82の筒状部82a内に摺動可能に配設され、前記シリンダ83の作動に応じて摺動する摺動体、86は、前記オス型部材82の筒状部82aに周方向に等配して複数設けられたボール保持孔87に前記摺動体85を介して保持されたボールである。シリンダ83は、有底筒状をなし、その底部に設けたボス部83aを前記押出ロッド19の先端部に設けた凹部19aにねじ込むことにより該押出ロッド19に一体化されている。またオス型部材82は、このシリンダ83の開口端部を封止する端板として共用されており、その基端側に設けたボス部82bをシリンダ83の開口端部にねじ込むことにより該シリンダ83に一体化されている。一方、メス型部材84は、その背面側に設けたボス部84bを、押出板21の背面に押え板88aを用いて取付けたナット部材88にねじ込むことにより該押出板21に一体化されている。なお、ナット部材88と押え板88aとの間には所定の間隙eが形成されており、メス型部材84は、この間隙eの存在により軸径方向へわずかフローティングできるようになっている。
【0025】
上記シリンダ83にはピストン89が摺動可能に内装されており、このピストン89から延ばされた第1ロッド90がオス型部材82を摺動可能に挿通して、その筒状部82a内の摺動体85にボルト91を用いて連結されている。また、ピストン89からは、シリンダ83の底部側へ第2ロッド92が延ばされており、この第2ロッド92は、シリンダ83の底部に形成した軸穴83bに摺動可能に挿入されている。ピストン89により区画されたシリンダ83内の、第1ロッド90側の室R1は流体室(エア室または油室)として、その第2ロッド92側の室R2はばね室としてそれぞれ構成されている。そして、流体室R1には、押出ロッド19およびシリンダ83の軸心に共通に形成した流路93と第1ロッド90に形成したポート94を通じて作動流体が給排されるようになっており、一方、ばね室R2にはピストン89を常時はオス型部材82側へ付勢する圧縮ばね95が配設されている。なお、ばね室R2内は、シリンダ83の壁に設けたポート96を介して外部に連通している。
【0026】
上記ピストン89は、前記流路93を通じて流体室R1内に作動流体が供給されることにより圧縮ばね95の付勢力に抗してシリンダ83の底部側へ後退し、この後退に応じて前記摺動体85がオス型部材82の筒状部82a内で後退する。これに対し、流体室R1内の作動流体が排出されると、ピストン89が圧縮ばね95により前進し、この前進に応じて該摺動体85も前進する。
図15の中心線より上半分は摺動体85が後退した状態を、同図の下半分は摺動体85が前進した状態をそれぞれ表している。この摺動体85の前端側の外周縁部にはテーパ面97が形成されており、前記ボール保持孔87内のボール86は、この摺動体85の後退に応じて前記テーパ面97に乗り、ボール保持孔87内に没した状態を維持する。また、このボール86は、摺動体85の前進に応じてその外周の一般面に乗り、該ボール保持孔87から部分的に外部に突出した状態を維持する。しかして、前記メス型部材84の凹穴84aの開口端部は半径内方向へ絞られた絞り部98となっており、ボール86が摺動体85の一般面に乗った状態では、該絞り部98にボール86が干渉し、これによりオス型部材82の、メス型部材84からの離脱が規制される。
【0027】
上記ボールロック機構81は、図13に示すように可動主型17に可動入子18を装着した状態では、シリンダ83内の流体室R1への作動流体供給が停止されており、これによりシリンダ83内のピストン89が圧縮ばね95により前進端に移動し、ボール86が摺動体85の一般面に乗って、オス型部材82とメス型部材84とは連結状態を維持する。すなわち、専用部Nとしての押出板21は、汎用部Mとしての押出ロッド19に連結(ロック)された状態を維持する。これに対し、段替え時には、シリンダ83内の流体室R1に作動流体が供給され、これによりシリンダ83内のピストン89が圧縮ばね95の付勢力に抗して後退端に移動し、ボール86が摺動体85が一般面からテーパ面97に乗り移って、オス型部材82とメス型部材84とは離脱可能となる。すなわち、専用部Nとしての押出板21は、汎用部Mとしての押出ロッド19から連結解除(アンロックロック)される。この時、押出板21は、前記したようにガイドロッド72の先端のストッパ部73により可動入子18に対して抜け止めされており、これにより専用部としての押出板21は、前記図3に示したように可動入子18に付随して可動主型17から離脱する。
【0028】
本実施の形態において、上記スライド14は、可動型12の周りに4基配設されている。このスライド14の専用部Nとしてのスライドコア23は、図16および図17に示されるように、可動入子18に放射状に形成された幅広の収納溝101内に挿入されている。各スライドコア23の背面には、図18にも示すようにバックプレート102が固定されており、スライドコア23は、そのバックプレート102を可動入子18の収納溝101の入口側側縁に設けた段部103に着座させる位置が、可動入子18に対する挿入端となっている。そして、この可動入子18に対するスライドコア23の挿入端において、各スライドコア23の先端部のテーパ面23aはほぼ密着する状態に合わされ、これにより可動入子18の凸状の成形部18aの周りには環状のキャビティ100が形成されるようになる。
【0029】
上記スライド14の汎用部であるスライドホルダ22は、可動主型17の前面に型開閉方向に対して交差する方向へ移動可能に配設されている。このスライドホルダ22とスライドコア23とを着脱する着脱機構Oは、図18に示すように、各スライドホルダ22内を挿通させたT字クランパー105をスライドコア23の背面部(バックプレート102を含む)に設けたT字スロット106に係入させるクランプ装置104からなっている。クランプ装置104は、ここでは、そのT字クランパー105の駆動手動として既存のスライド駆動用シリンダ107(図1〜4参照)を共用している。このシリンダ107は、可動主型17にブラケット108を介して固設されており、前記T字クランパー105は、このシリンダ107のピストンロッド109にジョイント110を介して同軸に連結されている。クランプ装置104はまた、そのT字クランパー105の回転用として、前記固定主型15および可動主型17に内蔵した回動機構41、42(図6〜9)と基本構造を一にするラックピニオン機構(図示略)を前記スライド駆動用シリンダ107に付設している。ここで、T字クランパー105は、そのヘッド部105aと前記ジョイント110とをストッパとしてスライドホルダ22からの抜けが規制されている。このT字クランパー105のヘッド部105aとジョイント110との間隔すなわちT字クランプ105の長さは、スライドホルダ22の高さよりも大きく設定されており、したがって、スライドホルダ22は前記シリンダ107のピストンロッド109に浮動可能に支持された状態となっている。
【0030】
上記したクランプ装置104を構成するT字クランパー105は、スライド駆動用シリンダ107のピストンロッド109の伸長に応じて、スライドホルダ22と一体に可動入子18側へ前進し、そのヘッド部105aがT字スロット106に挿入される。クランプ装置104は、そのT字クランパー105のヘッド部105aをT字スロット106に挿入させた後、図示を略すラックピニオン機構によりT字クランパー105を90度回転させる。この時、各T字クランパー105のヘッド部105aとT字スロット106の開口側裏面との間には、所定の間隙S(図18)が存在するので、T字クランパー105は摩擦抵抗を受けることなく円滑に回転する。クランプ装置104は、その後、シリンダ107のピストンロッド109を短縮させ、これによりスライドホルダ22とスライドコア23との連結は完了する。
【0031】
本実施の形態において、スライドホルダ22とスライドコア23との間には圧縮ばね111が介装されており、両者は、この圧縮ばね111によりフローティング可能に連結される。このようにスライドホルダ22とスライドコア23をフローティング可能に連結することにより、T字クランパー105とT字スロット106との間に遊び(ガタ)があっても、スライドコア23はスライドホルダ22に対して一定姿勢で保持される。また、スライドコア23のバックプレート102にはブロック112が突設されると共に、スライドホルダ22には前記ブロック112を受入れる凹部113が形成されている。このブロック112と凹部113とは、スライドホルダ22に対してスライドコア23を位置決めするためのもので、この位置決めと前記圧縮ばね111による姿勢制御とにより、可動入子18に対するスライドコア23の円滑な挿入が可能になる。なお、スライドホルダ22は、図2に示したように、固定型11と可動型12との型閉じに応じてそのテーパ肩部22aを固定主型15の前面の環状溝15aに嵌合させ、これによりスライドホルダ22とスライドコア23とは、相互に密着して鋳造圧力に耐えるように位置固定される。
【0032】
一方、上記各スライドコア23と固定入子16との合せ部には、図17に示すように、専用部N同士を着脱可能に連結する連結機構Pとしての凹凸嵌合手段115が設けられている。この凹凸嵌合手段115は、スライドコア23の側面にボルト116を用いて固定された凸部材117と固定入子16の端面に形成された嵌合穴118とからなっている。凸部材117と嵌合穴118とはテーパ嵌合するように相互にテーパ形状に形成されており、両者は固定型11と可動型12との型閉じに応じて自動的にかつ円滑に嵌合するようになっている。この凹凸嵌合手段115は、ここでは図16に示すように、各スライドコア23に対してその幅方向の2箇所に設けられているが、より多くの箇所に設けてもよいことはもちろんである。また、この凹凸嵌合手段115を構成する凸部材117と嵌合穴118とは相互に逆の配置、すなわちスライドホルダ22に嵌合穴を、固定入子16に凸部材を設ける構成としてもよいことはもちろんである。なお、図16には、固定入子16と可動入子18とを連結するボールロック機構61(P)が嵌入する凹穴65(図15)も示されている。
固定入子16と可動入子18とは、前記したように連結機構Pとしてのボールロック機構61により型閉じの状態に連結一体化されるようになっており、したがって、スライドコア23は、この連結一体化された固定入子16と可動入子18との間に、凹凸嵌合手段115により抜け不能に保持される。この場合、押出手段13の専用部Nである押出板21も、前記したように連結機構Pとしての、ガイドロッド72先端のストッパ部73(図14)によって可動入子18に対して抜け止めされているので、専用部Nとして構成した固定入子16、可動入子18、スライドコア22および押出板21の全ては、図3および図4にも示されるように相互に型閉じの状態に連結一体化される。なお、以下では、この専用部N同士が一体化したものを、専用部集合体NNと呼ぶこととする。
【0033】
ところで、鋳造金型としては、鋳抜きピンを必要とするものがある。この場合、該鋳抜きピンは専用部Nとなり、専用部Nの段替えに際しては、この鋳抜きピンの交換も行わなければならない。そこで、本実施の形態においては、図19に示すように、専用部Nに、鋳抜きピン121の基端大径部122を収容する大径穴部123を設けると共に、この大径穴部123に環状溝124を設け、前記環状溝124にOリングのような弾性部材125を装着して、この弾性部材125の摩擦抵抗により専用部Nに対する鋳抜きピン121の抜けを規制するようにしている。このように弾性部材125の摩擦抵抗により鋳抜きピン121の抜けを規制することで、鋳抜きピン121もまた、上記専用部集合体NNと一体化して汎用部Mから取外すことができる。この場合、この鋳抜きピン121の基端大径部122には、メンテナンス用の治具を連結するためのねじ穴126を設けておくのが望ましく、これにより容易にその交換を行うことができる。なお、この鋳抜きピン121は、型閉じした際その基端大径部122の端面が汎用部Mに当接するように、該基端大径部122の長さを設定している。
【0034】
さらに、大型の鋳造金型の場合は、型内冷却を行うのが一般である。図20および図21は、型内冷却を必要とする場合の本発明の実施の形態を示したもので、ここでは、専用部N内に形成した冷却チャンバ(冷却路)131に冷却水をプールして冷却を行う、いわゆるプール冷却タイプとしてその冷却系を構成している。両図において、132は、専用部Nとしての固定入子16に形成された前記冷却チャンバ131を密封する蓋板で、この蓋板132には、管継手133の一方の分割要素である一対のオス型部材134が取付けられている。各オス型部材134には長さの異なるノズル135、136の一端部が連結されており、各ノズル135、136の他端部は、冷却チャンバ131内に所定の深さとなるように差込まれている。一方、汎用部Mとしての固定主型15の凹部24の底部には、管継手133の他方の分割要素である一対のメス型部材137が前記オス型部材134と対向するように埋設されている。各メス型部材137には、固定主型15内を通した冷却管(通水路)138の一端部が連結されており、各冷却管138の他端部は固定主型15の後方へ導出されている。管継手133を構成するオス型部材134は、前記着脱機構31(図1〜4)による、固定主型15に対する固定入子16のクランプに応じてメス型部材137に嵌入し、両者は一体化される。しかして、メス型部材137の口部側内面には環状のシール部材139(図20)が嵌装されており、該シール部材139は、前記メス型部材137に対するオス型部材134の嵌入に応じてオス型部材134の外周面に密着し、これにより両部材134と137との間は液密にシールされる。また、このシール部材139は、メス型部材137に対するオス型部材134の嵌入に応じて弾性変形することで、両部材134と137との位置ずれを吸収する。
【0035】
上記した冷却系は、長いノズル135を有する側が給水系、短いノズル136を有する側が排水系として用いられるようになっており、冷却水はこの給水系から冷却チャンバ131内に供給されて、冷却チャンバ131内に一旦溜まった後、前記排水系を通して排出される。専用部Nの段替えに際しては、前記着脱機構31(図6)の作動により固定主型15から固定入子16を切離した後、固定入子16を外側へ引出すと、メス型部材137からオス型部材134が自動的に離脱し、したがって、固定主型15側の冷却管138を着脱する面倒な作業は不要になる。
なお、上記管継手133を構成するオス型部材134およびメス型部材137は、その配置を逆、すなわちオス型部材134を汎用部M(固定主型15)に、メス型部材137を専用部N(固定入子16)側にそれぞれ配置してもよい。また、この管継手133の種類も任意であり、汎用部Mに対する専用部Nの着脱に応じて自動的に着脱される構造であれば、どのような種類のものであってもよい。また、オス型部材134とメス型部材137との間をシールするシール部材139は両部材134と137との端面合せ部に配置してもよく、この場合は、両部材134と137とのより大きな位置ずれを吸収することができる。さらに、上記実施の形態においては、固定型11に対する適用例として冷却系を説明したが、本冷却系は、当然のこととして可動型12およびスライド14にも適用できる。さらに、この冷却系は、前記プール冷却タイプとしての構成に代え、マニホールドから各冷却水路に冷却水を分配するマニホールドタイプとして構成してもよいものである。
【0036】
上記段替え装置9は、前記図5に概略示されるように横送り手段141とこの横送り手段141を搭載した搬送手段142とから概略構成されている。横送り手段141は、型開き状態のマシン1内で、前記専用部集合体NNを固定主型15および可動主型17から離間した所定位置まで引出し、かつ該所定位置にある専用部集合体NNを可動主型17内の所定位置へと押し込む機能を有している。一方、搬送手段142は、前記専用部集合体NNを載せた横送り手段141を、マシン1の内外間で型開閉方向と直交する方向へ移送(縦送り)する機能を有している。搬送手段142は、後に詳述する搬送ローラ143とこの搬送ローラ143上に載るベースプレート144とを備えており、前記横送り手段141は、このベースプレート144上に複数台(ここでは、2台)搭載されている。
【0037】
上記横送り手段141は、図22〜図24によく示されるように、前記専用部集合体NNを支承する一対の支承ローラ列145と、専用部集合体NNの側面をガイドする一対のガイドローラ列146と専用部集合体NNに係脱してこれを前記ガイドローラ列146に沿って横移動させる金型移送手段147と、型開き状態にある固定型11および可動型12に対して該横送り手段141を位置決めするための位置決め手段148とを備えており、これらはテーブル149上に一括して配設されている。なお、支承ローラ列145およびガイドローラ列146はフリーローラから構成されている。
【0038】
各横送り手段141のテーブル149は、ここでは前記ベースプレート144上に、型開閉方向と直交する方向に延ばして敷設した左右一対のガイドレール150に相互に連結した状態で直列に載置されている。ベースプレート144上にはまた、前記テーブル149をガイドレール150に沿って移動させるシリンダ151が配設されている。このシリンダ151は、2台の横送り手段141を型開き状態の固定型11と可動型12との間に選択的に位置決めするシフト手段を構成しており、したがって、前記シリンダ151はシフト用シリンダとして、前記テーブル149はシフト用テーブルとしてそれぞれ提供されている。
【0039】
上記金型移送手段147は、図25および図26にも示されるように、可動入子18に対し自動着脱可能な一対のボールロック機構152を備えており、この一対のボールロック機構152は、水平に延ばされた可動アーム153の両端部に配置されている。可動アーム153は、前記シフトテーブル149上に敷設した一対のガイドレール154に摺動可能に載置され、ボールネジ機構155によって型開閉方向へ駆動されるようになっている。
ボールロック機構152は、図26によく示されるように、可動アーム153に設けられたシリンダ(エアまたは油圧シリンダ)156と、このシリンダ156内のピストン157から可動型12側へ延ばされた作動ロッド158と、可動アーム153の前面に前記作動ロッド158を囲むように固設された筒状ガイド159と、可動入子18に設けられ、前記作動ロッド158および筒状ガイド159を一体的に嵌入可能な凹穴160と、前記筒状ガイド159の先端部に周方向に等配して設けられた複数のボール保持孔161に作動ロッド158を介して保持されたボール162と、可動入子18の凹穴160の内面に設けられ、前記ボール162を係合させる係合穴163とを備えている。作動ロッド158は、その先端側に大径部158aと小径部158bを有しており、ボール162は、この作動ロッド158の移動すなわちシリンダ156の作動に応じて、可動入子18側の係合穴163に係合する位置と該係合穴163から離脱する位置とに出没する。
すなわち、金型移送手段147は、必要に応じて、そのボールネジ機構155とボールロック機構152とを作動させることで、専用部Nとしての可動入子18または可動入子18を含む専用部集合体NNに着脱し、これらを可動主型17の凹部25内から引出しまたは凹部25内に押込むことができる。なお、ボールロック機構152を構成するシリンダ156は、わずか軸径方向へフローティングできるように可動アーム153に装着されている。
【0040】
また、固定型11および可動型12に対して横送り手段141を位置決めするための位置決め手段148は、図27および図28に示されるように、固定主型15、可動主型17に形成した位置決め穴164に嵌入可能なピン165を有している。このピン165は、前記テーブル(シフト用テーブル)149上にブラケット166を介して固定されたシリンダ(油圧シリンダ)167から延ばしたピストンロッド168に連結されている。前記ピン165はまた、前記ブラケット166に固定した筒状ガイド169により摺動案内されるようになっており、シリンダ167のピストンロッド168の伸縮に応じて筒状ガイド169から出没する。この位置決め手段148を構成するシリンダ167は、シフトテーブル149上の両側部に各一対配置されており、前記ピン165が嵌入する位置決め穴164も、固定主型15、可動主型17に各一対設けられている。位置決め手段148は、シリンダ167の作動によりそのピン165を位置決め穴164に嵌入させることにより、固定主型15および可動主型17に対するシフトテーブル149すなわち横送り手段141を正確に位置決めする。
【0041】
上記搬送手段142を構成する前記搬送ローラ143は、ここでは、既存の段替え用搬送ローラを共用しており、前記図5に示したようにマシン1の外側に配置された機外ローラ部171とマシン1内に配置された機内ローラ部172とからなっている。この場合、機外ローラ部171は、型開閉方向へ移動することが可能なシフト用台車173上に設けられた2基の可動部と、台車173とマシン1との間に設けられた中継台174上に設けられた固定部とに分割されている。機外ローラ部171および機内ローラ部172は、左右2列に配した駆動ローラからなっており、特に機内ローラ部172については、その左右間隔が調整可能となっている。搬送手段142を構成する前記ベースプレート144は、搬送ローラ143の駆動により機外ローラ部171から手前側のタイバー6を乗り越えて機内ローラ部172にその先端部を乗せ、さらに奥側のタイバー6の上方にその先端部を位置させる(図24参照)。
なお、ベースプレート144は、マシン1内に残される汎用部M、すなわち固定主型15、可動主型17、スライドホルダ22、スライド用シリンダ107等の干渉を避けるため、その先端部が異形に形成されている(図22)。
【0042】
ここで、ベースプレート144は、その上に横送り手段148および汎用部集合体NNを搭載するため、図28に示すようにたわみを生じる虞があり、これを放置すると、ベースプレート144上のスライドテーブル149にもたわみが生じ、横送り手段141を固定主型15、可動主型17に対して正確に位置決めすることが困難になる。そこで、本実施の形態においては、この図28を始め、前記した図23、図27にも示すように、ベースプレート144に複数のジャッキ175を設けている。各ジャッキ175は、ベースプレート144がマシン1内に搬入完了した時点でそのピストンロッド176を伸長させて、ロッド先端の加圧板177をタイバー6上に押当てる。すると、その反力でベースプレート144が、そのたわみを矯正するように持上がり(ジャッキアップ)、これにより前記した固定主型15、可動主型17に対する横送り手段141の位置決め誤差も解消される。なお、図27および図28には、説明の便宜を図るため、ベースプレート144、機外ローラ部171並びに機内ローラ部172とタイバー6との間隔を大きくとって示している。
【0043】
以下、上記のように構成した鋳造用金型に対して上記段替え装置9を用いて行う専用部Nの段替え方法について説明する。
専用部Nである可動入子16、固定入子18、押出板21、スライドコア23の段替えを行う前提として、ベースプレート144に搭載した2台の横送り手段141のうち、マシン1内への搬入方向前側の一方は、マシン1から取外した専用部集合体NNを載置するために空状態とし、搬入方向後側の他方の横送り手段141上には、新たにマシンへと取付ける専用部集合体NNを予め載置しておく。
【0044】
段替えに際しては、先ず、可動プラテン3の移動により固定型11と可動型12とを型閉じし、この型閉じ状態のもと、先ず固定型11側の着脱機構Oであるクランプ装置31のクランプ用シリンダ39の流体圧を解放し、続いて回動機構41の作動によりそのT字クランパー33を90度反転させる。また、これと同時に、スライド14側については、スライド用シリンダ107の流体圧を解放し、さらにその回動機構を作動させてT字クランパーを90度反転させる。次に、クランプ用シリンダ39に流体圧を加えてT字クランパー33を伸長させ、これにタイミングを合せて固定型11に対して可動型12を可動プラテン3と一体に型開き動作させる。この時、T字クランパー33を型開き速度よりも大きな速度で伸長させるようし、この速度差により、図6に示したように固定入子16が、可動入子18に密着する状態を維持しながら固定主型15の凹部24の底面からわずか浮上する。この結果、連結機構Pとしてのボールロック機構61の作動ロッド63がばね69の付勢力により後退し、そのボール67が可動入子18側の係合凹部68に係合して固定入子16と可動入子18とは連結状態(ロック状態)となる。また、この時、固定型11の冷却系は、その管継手133を構成するメス型部材137からオス型部材134が自動的に離脱することで、固定主型15側と固定入子16側とに自動的に分離される(図20)。また、固定入子16に鋳抜きピン121が存在する場合(図19)、弾性部材125の抵抗により鋳抜きピン121はそのまま固定入子16内に留まる。
可動主型17は、その後も型開き動作を継続するが、前記T字クランパー33がT字スロット35の開口と整合していることから、T字クランパー33はT字スロット35から円滑に抜け、これにより固定入子16と、可動入子18と、スライドコア23、スライドホルダ22およびシリンダ107を含むスライド14とが一体となって元の型開き位置まで後退する(図1)。
【0045】
次に、押出手段13のボールロック機構81(図15)内のシリンダ83に作動流体が供給され、該ボールロック機構81のボール86が押出板21側のメス型部材84に対する非干渉位置に移動し、押出板21と押出ロッド19とはアンロック状態となる。また、これと前後して、スライド用シリンダ107に内蔵されているクランプ装置が作動し、そのT字クランパー105がスライドコア23のT字スロット106(図18)から離脱可能状態となり、これに続くシリンダ107のピストンロッド109の短縮によりスライドホルダ22がスライドコア23から離脱して、待機位置まで後退する。この時、スライドコア23は、前記凹凸嵌合手段115により固定主型16に対して抜止めされているので(図17)、専用部Nである固定入子16、可動入子18、押出板21、スライドコア23は一体となって、すなわち専用部集合体NNの形態で可動主型17に残される。
【0046】
その後、搬送ローラ142の駆動によりベースプレート144がマシン1内に移動し、その搬入完了信号により、ベースプレート144に装備したジャッキ175が作動し、図27に示したように、ベースプレート144がジャッキアップされてそのたわみが矯正される。この時、ベースプレート144上の先端側の空状態の横送り手段141が、型開き状態の固定型11と可動型12との間に位置するようになっており、前記ジャッキアップ完了と同時に、該横送り手段141に設けられた位置決め手段148内のシリンダ167が作動し、同じく図27に示したように、ピン165が固定主型15および可動主型17の位置決め穴164に嵌入して、空状態の横送り手段141が両主型15、17に対して正確に位置決めされる。
【0047】
そして、上記位置決め完了信号により、前記可動型12側のクランプ装置32内のシリンダ40の流体圧が解放され、続いて回動機構42の作動によりT字クランパー34が90度反転し、その後、シリンダ40の作動によりT字クランパー34が伸長する。すると、図29に示すように上記専用部集合体NNが可動主型17の凹部25から所定距離だけ押出され、その一部(可動入子18の一部)が上記横送り手段141内の支承ローラ列145の上に乗上げる。一方、この専用部集合体NNの押出しと前後して、金型移送手段147内のボールネジ機構155が作動し、同じく図29に示したようにその可動アーム153が可動主型17側へ前進して、該可動アーム153の両端部に設けられているボールロック機構152(図26)が可動入子18に設けられている凹穴160に嵌入する。そして、ボールロック機構152内のシリンダ156の作動によりボール162が可動入子18側の係合穴163に係合し、金型移送手段147の可動アーム153に可動入子18を介して専用部集合体NNの全体が連結される。その後、ボールネジ機構155の再作動により可動アーム153が後退し、前記図25に示したように専用部集合体NNが可動主型17から完全に離脱して空状態の横送り手段141上の所定位置に載置され、これにて旧品としての専用部集合体NNの、汎用部Mからの取外しは終了し、当該横送り手段141上の位置決め手段148が後退する。なお、この時、可動型12およびスライド14側の冷却系は、前記固定型11側におけると同様に汎用部Mと専用部Nとの間で分離され、また、鋳抜きピン121は、専用部Nに留まる。
【0048】
次に、ベースプレート144上のシフト用シリンダ151の作動により、新たな専用部集合体NNを載せたシフトテーブル149、すなわち充状態の横送り手段141が型開き状態の固定主型15と可動主型17との間に移動し、この移動停止と同時に、該横送り手段141に設けられた位置決め手段148内のシリンダ167が作動し、上記同様に充状態の横送り手段141が両主型15、17に対して正確に位置決めされる。
【0049】
そして、上記位置決め完了信号により、金型移送手段147内のボールネジ機構155が作動し、その可動アーム153が可動主型17側へ前進して、専用部集合体NNを、図25に示す位置から図29に示す位置へと移動させ、該専用部集合体NNを可動主型17の凹部25内にその途中まで押込む。この時、専用部集合体NNは、横送り手段141内の支承ローラ列145とガイドローラ列146とに正確に案内され、可動主型17の凹部25内に円滑に押込まれる。一方、この凹部25内には、可動型12側のクランプ装置32のT字クランパー34が伸長状態でかつ90度反転状態(アンクランプ状態)で待機しており、各T字クランパー34のヘッド部34aが可動入子18のT字スロット36内に入り込む。クランプ装置32は、その後、回動機構42の作動によりそのT字クランパー34を90度反転させ、続いてクランプ用シリンダ40の作動によりT字クランパー34短縮させる(クランプ動作)。すると、図11に示したように、専用部集合体NNが可動主型17の凹部25の底部側へ引込まれ、可動入子16を含めた専用部集合体NNが可動主型17に固定される。
ここで、専用部集合体NNが可動主型17の凹部25の底部側へ引込まれると、押出手段13の押出板21側のメス型部材84と押出ロッド19側のオス型部材82が自動的に嵌合状態となり、可動主型17に対する専用部集合体NNの固定完了信号により、ボールロック機構81(図15)内のシリンダ83から直ちに作動流体が排出される。すると、ピストン89が圧縮ばね95により前進してボールロック機構81のボール86が押出板21側のメス型部材84に干渉し、押出板21と押出ロッド19とはアンロック状態となる。また、このボールロック機構81のアンロック動作と前後して、スライド用シリンダ107の作動によりスライドホルダ22と一体にT字クランパー105が前進し、T字クランパー105のヘッド部105aがスライドコア23のT字スロット106に入り込む。
【0050】
次に、図28に示したように横送り手段141に設けられた位置決め手段148内のシリンダ167が作動して、ピン165が固定主型15および可動主型17の位置決め穴164から離脱し、続いてベースプレート144に装備したジャッキ175が作動して、そのピストンロッド176が短縮し、これによりベースプレート144と金型(固定型11、可動型12等)およびマシン1側との連結が外れ、ベースプレート144は、搬送ローラ142の駆動に応じてマシン1内からマシン1外へ移動し、ベースプレート144上の旧品としての専用部集合体NNもマシン1外へ搬出される。
この時、専用部集合体NNの大部分は、比較的深く設定された、可動主型17の凹部25内に収納されているので、ベースプレート144の搬送路は十分広く開放され、このベースプレート144上に載置されている旧品としての専用部集合体NNは新品としての専用部集合体NNに干渉することなく、円滑にマシン1外へ搬出される。換言すれば、段替えに際して、標準以上に型開きする必要がなく、したがってマシン1に対する設計変更は不要となる。
【0051】
その後、可動プラテン3の移動すなわち型閉じ動作により、可動主型17に固定されていた専用部集合体NNが固定主型15へ向けて移動する。この時、図4に示したように、スライドホルダ22のテーパ肩部22aが固定主型15の凹部24の口縁部にわずか嵌合した段階で、一旦型閉じ動作を停止し、これと同時に可動型12側のクランプ装置32のクランプ力を緩めると共に、スライド用シリンダ107の流体圧を解放する。すると、スライド用シリンダ107の流体圧解放により下側のスライドホルダ22がわずか落下するが、その先端部が前記固定主型15の凹部24に続く口縁部に支承されるので、大きく落下することはない。次に、型閉じ動作を再開すると、専用部集合体NN中の固定入子16が固定主型15の凹部24内に次第に押込まれるが、前記したクランプ力の緩和により可動主型17に緩めに固定されていることから、スライドホルダ22および専用部集合体NNは、固定主型15の内面に倣いながら円滑に押込まれる。この時、固定型11側のクランプ装置31は、図4、6に示したようにそのT字クランパー33を前進端に位置決めしてそのクランプ用シリンダ39内の流体圧を解放し、かつT字クランパー33のヘッド部33aを固定入子16に設けたT字スロット35に挿入可能となるように位置決めしており、前記押込みに応じてT字クランパー33のヘッド部33aがT字スロット35内に入り込む。そして、型閉じ完了により、固定型11側のクランプ装置31の回動機構41が作動してT字クランパー33が90度反転し、これにより固定入子16が固定主型15に対して強固にクランプされる。また、これと同時にスライド14側の回動機構が作動してそのT字クランパー105が90度反転し、スライドコア23がスライドホルダ22に対して抜止めされるると共に、可動型12側のクランプ装置32が作動して可動入子18が可動主型17に強固にクランプされる。
【0052】
そして、上記固定主型15に対する固定入子16の装着完了により、固定入子16と可動入子18とを連結していたボールロック機構61が自動的にアンロック動作し、その後は、可動プラテン3の移動により固定型11に対して可動型12を型開きさせ、これにて汎用部Mに対する専用部Nの段替えは終了する。
【0053】
このように、本実施の形態においては、金型側の着脱機構Oによる汎用部Mと専用部Nとの着脱、同じく金型側の連結機構Pによる専用部N同士の連結および連結解除、マシン1側の型開閉の動き、段替え装置9側の横送り手段141による専用部集合体NNの汎用部M(可動主型17)に対する押込みおよび引出し、同じく段替え装置9側のシフト用シリンダ151による2台のシフト用テーブル149(横送り手段141)のシフト、同じく段替え装置9側の搬送ローラ142によるマシン内外でのベースプレート144の搬送等により、汎用部Mをマシン1に残したまま、しかもタイバー6を挿脱することなく、旧品としての専用部Nを一括して汎用部Mから取出しかつ新品の専用部Nを一括して汎用部Mに取付けできる。すなわち、極めて効率よく専用部Nの段替えを行うことができ、多品種少量生産、金型の早期損耗等に迅速に対処できる。
なお、本発明は、上記したように専用部N同士を型閉じの状態で一体化して、すなわち専用部集合体NNの形態で一括して段替えすることなく、各専用部Nとしての固定入子15、可動入子17、スライドコア23を個々に段替えしてもよいことはもちろんである。
【0054】
ところで、上記実施の形態においては、上記したように固定主型15に対して固定入子16を注湯口200基準で位置決め固定した後、型閉じ状態を維持しながら可動主型17に対して可動入子18を位置決め固定するので、可動主型17の凹部25と可動入子18との嵌合精度をそれほどきびしくする必要はなく、したがって可動主型17の凹部25と可動入子18とのクリアランスを比較的大きく設定することが可能になる。図30および図31は、この状態を示したもので、可動主型17の凹部25と可動入子18のクリアランスδは、ここでは、1mm程度に設定されている。因みに、従来のように金型全体を取外してマシン外で段替えを行う場合は、前記クリアランスδを5/100mm程度に設定する必要があり、専用部Nの段替えには熟練を要していた。
【0055】
ただし、上記したように可動主型17の凹部25と可動入子18のクリアランスδを大きく設定した場合は、前記横送り手段141により可動入子18を前記凹部25に押込む際、両者の間にガタが生じ、その何れかに傷が付く虞がある。そこで、本発明の他の実施の形態においては、同じく図30、31に示すように可動入子18の左右側面および下面に設けた凹穴181内に転動ベアリング(押圧ガイド手段)182を設けるようにしている。この転動ベアリング182は、転動体183とこの転動体183を凹穴181からの突出方向へ付勢するばね184とからなっており、可動入子18(専用部集合体NN)が可動主型17の凹部25内に押込まれる際、その転動体183が凹部25の壁面上(図30)または底面上(図31)を転動し、これにより該可動入子18は円滑に可動主型17の凹部25内へ押込まれる。なお、この転動ベアリング182は、横送り手段141のガイドローラ列146に対する位置決めガイドともなるので、ガイドローラ列146の間隔を可動入子18の幅寸法よりもわすか大きく設定することができ、この分、横送り手段141上への専用部集合体NNの投入は容易となる。
なお、可動主型17と可動入子18とは、相互にテーパ部で嵌合する構造としてもよいもので、この場合は、前記した転動ベアリング182は不要になる。
【0056】
さらに、最初に、固定主型15に対して固定入子16を湯口基準で位置決め固定する手順を採用することにより、固定主型15の凹部24に対して固定入子16を高精度に嵌合する必要がある。本発明のさらに他の実施の形態においては、これを円滑に実現するため、図32および図33に示すように、凹部24の、注湯口200から離れた相隣接する2面に沿ってくさび部材201、202を配置し、凹部24の底には、各くさび部材201、202を、常時は開口側へ付勢する付勢手段203を設けている。このようにくさび部材201、202を設けたことにより、上記したようにマシン1の型開閉の動きを利用して固定主型15の凹部24内に固定入子16(専用部集合体NN)を押込んだ際、固定入子16がくさび部材201、202を押込みながら注湯口200を備えた側の他の2面(基準面)に密接し、固定入子16は固定主型15に対して高精度に位置決め固定される。なお、この際、固定入子16の一側面にはテーパ状の逃げ面204を設けるようにしてもよく、この場合は、より位置決め精度が向上する。また、金型によっては、ガス抜き用の減圧バルブ205を設置する場合があるが、前記したように固定主型15に対する固定入子16の密着が保証されることから、前記減圧バルブ205に続く減圧ランナ206も途中で切れることがなく、溶湯侵入によるバリ発生に起因する固定入子16の張付きも未然に防止される。
なお、固定主型15の凹部24の内壁の、固定入子16の合せ面には、予め別体ピース接合、肉盛等により高硬度材を配置するのが望ましく、これにより前記合せ面に生じ易いカジリも未然に防止される。
【0057】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明に係る成形用金型によれば、キャビティを形成する専用部の全部または一部を、成形機に汎用部を残したまま迅速に段替えすることができるので、多品種少量生産、金型の早期損耗等に迅速に対処できる。
また、入子同士を一体化する連結機構を設けた場合は、段替えに要する時間は、より一層短縮し、その及ぼす効果は大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る成形用金型の全体的構造を型開きの状態として示す断面図である。
【図2】本発明に係る成形用金型の全体的構造を型閉じの状態として示す断面図である。
【図3】本成形用金型の全体的構造を、段替え途中の状態として示す断面図である。
【図4】本成形用金型の全体的構造を、段替え途中の状態として示す断面図である。
【図5】本成形用金型を含むダイカストマシンの全体的構造を示す斜視図である。
【図6】本成形用金型が装備する、汎用部と専用部との着脱機構および専用部同士の連結機構の1つを示す断面図である。
【図7】本成形用金型が装備する、可動型側の着脱機構を示す断面図である。
【図8】着脱機構としてのクランプ装置の構造を示す断面図である。
【図9】着脱機構としてのクランプ装置の構造を示す正面図である。
【図10】本成形用金型が装備する、汎用部と専用部との着脱機構および専用部同士の連結機構の作動状態を示す断面図である。
【図11】本成形用金型が装備する、可動型側の着脱機構の作動状態を示す断面図である。
【図12】専用部同士を連結一体化するボールロック機構の構造を示す断面図である。
【図13】押出手段の構造と、その汎用部および専用部を着脱する着脱機構の構造を示す断面図である。
【図14】押出板を可動入子に連結する連結機構の構造を示す断面図である。
【図15】押出ロッドと押出板とを連結するボールロック機構の構造を示す断面図である。
【図16】可動入子に対するスライドコアの結合状態を示す正面図である。
【図17】固定入子とスライドコアとを連結する連結機構の構造を示す断面図である。
【図18】スライドホルダとスライドコアとを着脱する着脱機構の構造を示す断面図である。
【図19】専用部に対する鋳抜きピンの保持構造を示す断面図である。
【図20】汎用部と専用部との間に設けられる冷却系の構造を示す断面図である。
【図21】図20に示した冷却系の結合状態を示す断面図である。
【図22】本発明の実施の形態で用いた段替え装置の要部構造を示す平面図である。
【図23】図22に示した段替え装置の正面図である。
【図24】図22に示した段替え装置の側面図である。
【図25】段替え装置内の横送り手段の作動状態を示す断面図である。
【図26】段替え装置内の横送り手段が装備するボールロック機構の構造を示す断面図である。
【図27】段替え装置内の横送り手段が装備する位置決め手段およびベースプレートが装備するジャッキを示す模式図である。
【図28】図26に示した位置決め手段およびジャッキの作動前の状態を示す模式図である。
【図29】段替え装置による段替えの途中の状態を示す断面図である。
【図30】可動入子に適用した、本発明の他の実施の形態を平面的に示す模式図である。
【図31】図30に示した部分と同じ部分を正面的に示す模式図である。
【図32】固定主型と固定入子との間に適用した、本発明の他の実施の形態を示す正面図である。
【図33】図32と同じ部分を示す断面図である。
【符号の説明】
M 汎用部
N 専用部
NN 専用部集合体
O 汎用部に専用部を着脱する着脱機構
P 専用部同士を一体化する連結機構
1 ダイカストマシン
2 固定プラテン、 3 可動プラテン
6 タイバー、 7 型締めシリンダ
9 段替え装置
11 固定型、 12 可動型
13 押出手段、 14 スライド
15 固定主型(M)、 16 固定入子(N)
17 可動主型(M)、 18 可動入子(N)
19 押出ロッド(M)、 20 押出ピン、 21 押出板(N)
22 スライドホルダ(M)、 23 スライドコア(N)
24 固定主型の凹部、 25 可動主型の凹部
31 固定型側のクランプ装置(O)、 32 可動型側のクランプ装置(O)
33、34、105 T字クランパー、 35、36、106 T字スロット
39,40 クランプ用シリンダ、 41,42 回動機構
61 固定入子と可動入子との間のボールロック機構(P)
72 鋳抜きピン、 73 抜止め用ストッパ部(P)
81 押出手段側のボールロック機構(O)
104 スライド側のクランプ装置(O)
131 冷却チャンバ(冷却路)、 133 管継手、 138 冷却管(通水路)
141 段替え装置内の横送り手段
142 段替え装置内の搬送ローラ
143 段替え装置内のベースプレート
182 転動ベアリング(押圧ガイド手段)
201 くさび部材

Claims (5)

  1. 共通化された汎用部とキャビティを形成する専用部とからなり、前記専用部は、成形機に取付けられている汎用部に対して着脱機構により自動的に着脱される成形用金型であって、固定型および可動型のそれぞれが、汎用部としての主型に設けた凹部に専用部としての入子を嵌合してなるものにおいて、前記着脱機構は、前記主型の凹部の底部と前記入子の背面部との間に配置され、各主型側から延ばしたT字クランパーを入子の背面部に設けたT字スロットに係入させて、該入子を主型の凹部内に引込むクランプ装置からなることを特徴とする成形用金型。
  2. 少なくとも主型の凹部および該凹部に嵌合される入子の部分が矩形をなし、前記主型の凹部内には、その相隣接する2つの壁面に沿ってくさび部材を、入子の嵌入方向へ浮動可能に配置し、該くさび部材に前記入子の側面に形成したテーパ面を楔合させて、該入子の残りの2面を前記凹部内の残りの2つの壁面に密着させたことを特徴とする請求項1に記載の成形用金型。
  3. 少なくとも可動型側の入子に、対応する主型の凹部壁面に転動体を弾発的に当接させる押圧ガイド手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の成形用金型。
  4. 主型の凹部内壁面であって、かじりが発生し易い部分に、高硬度材を配置したことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の成形用金型。
  5. 入子の相互間に、該入子同士を型閉じの状態に自動的に一体化する連結機構を設け、該連結機構は、前記入子の内部に配設され、作動ロッドの変位に応じて入子同士をロック、アンロックするボールロック機構からなり、前記作動ロッドは、主型の凹部の内底面に当接して入子同士をアンロックさせる位置に変位することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の成形用金型。
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