JP4221562B2 - 成形用金型 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダイカスト、低圧鋳造、重力鋳造等の各種鋳造や、射出成形、ブロー成形等に用いられる成形用金型、特にスライドを備えた成形用金型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、ダイカスト鋳造においては、高温の溶湯が高速且つ高圧で金型内に充填されるため、金型の損耗が激しく、その交換を頻繁に行う必要がある。また、最近の生産ラインでは、鋳造、射出成形等の分野を問わず多品種少量生産が一般化しており、これに伴って金型を交換するサイクルが短くなっている。
【0003】
そこで、近年では金型を構成する固定型および可動型を、キャビティを形成する専用部と共通化された汎用部とにそれぞれ分割して構成し、専用部のみを交換することが考えられている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3等)。
また、特許文献4には、汎用部を成形機に残したままで、専用部の一部(中子)のみを交換することが開示されている。当該公報においては、専用部をその前面側からボルトにより汎用部に対して締結している。
【0004】
ところで、これら成形用金型のなかには、成形品のアンダカット部を成形するために、固定型に対する可動型の型開閉方向とは異なる方向に型開閉されるスライドを有するものがある。そして従来、このスライドは、その型開閉を行うためのアクチュエータにボルトなどによって結合されていた。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−70653号公報
【特許文献2】
特開平9−122871号公報
【特許文献3】
特開平1−271213号公報
【特許文献4】
特開平6−190531号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1〜3に記載のもののように、専用部のみの交換を行う従来の段替え方法によれば、汎用部に専用部を連結した状態で汎用部ごとに成形機から取り外した後、これを成形機外に持ち出して専用部の交換を行うようにしており、この場合は、成形機から汎用部を着脱する面倒な作業が依然として残り、特にダイカスト成形用金型の場合は、型内を冷却するための複雑な冷却管の着脱も必要となって、トータルとしての段替え時間が思うほど短縮されない、という問題があった。また、シリンダブロックのような大型で複雑な構造のダイカスト成形品を得ようとする場合は、スライドを必要とするため、金型全体が大重量(例えば、196kN(略20トン)程度)で且つ大寸法(例えば、一辺が2m程度)となり、上述したように成形機からの着脱が極めて面倒になるばかりか、タイバーを固定盤と可動盤の間で抜き差しすることも必要となり、段替え時間の短縮効果は極めて少ない、という問題があった。
【0007】
また、特許文献4に開示された従来の技術にあっては、専用部をその前面側からボルトによって汎用部に対して締結しているため、前面にキャビティを形成する専用部には適応することができず、その上、スペースの限られた成形機内で締結作業を行わなければならず作業性が悪い、などの問題があった。
【0008】
そして、従来の技術にあっては、いずれのものも、成形用金型がスライドを有する場合に、かかるスライドを、キャビティを形成する専用部と共通化された汎用部とに着脱可能に分割して構成したものはなかった。そして、従来の技術では一般に、固定プラテンに対する固定金型の取付けおよび可動プラテンに対する可動金型の取付けと同様に、スライドとその型開閉を行うためのアクチュエータとを容易に外れないようにボルトなどにより締結している。したがって、スライドを専用部と汎用部とに分割構成した場合に、いかにして両者を着脱するかが重要な課題となる。
【0009】
本発明は上述した問題に鑑みて成されたもので、成形用金型がスライドを有する場合において、簡単な構成で、スライドを含めて専用部と汎用部とに分割して構成し、共通化された汎用部を成形機に残したままで、キャビティを形成する専用部だけを迅速に段替えすることができる成形用金型を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の成形用金型に係る発明は、上記課題を解決するため、キャビティを形成する専用部と共通化された汎用部とにより構成され、専用部を汎用部に着脱可能に保持してなる成形用金型であって、スライドを含むものにおいて、前記スライドを、専用部としてのスライドコアと汎用部としてのスライドホルダとから構成し、前記スライドコアと前記スライドホルダとの相互間に、両者を自動的に着脱可能とする着脱機構を配設し、前記着脱機構は、スライドコアとスライドホルダとをフローティング可能に結合する浮動式クランプ手段からなり、該浮動式クランプ手段が、スライドコアに設けられたT字スロットと、スライドホルダに設けられ、前記T字スロットに係合可能な先端部を有するT字形クランプ部材と、該T字形クランプ部材を直線移動および軸周りに回動させてその先端部を前記T字スロットに係脱させるアクチュエータとを備え、前記アクチュエータは、駆動ロッドを伸縮動させてT字形部材を直線移動させるシリンダと、該駆動ロッドを介して前記T字形部材を軸周りに回転させる回動機構とを備え、前記シリンダは、前記T字形クランプ部材を介してスライドコアの型開閉も行うものであることを特徴とするものである。この請求項1に係る発明では、専用部としてのスライドコアを、汎用部としてのスライドホルダに対して着脱機構により自動的に着脱可能とするので、段替えを行うときには、スライドホルダを成形機に残したままで、スライドコアのみを段替えをすることができる。また、着脱機構が浮動式クランプ手段からなっているので、スライドコアを型閉じ位置に挿入する際、スライドコアがフローティングして円滑に挿入される。さらに、アクチュエータを駆動してT字形クランプ部材を直線移動および軸周りに回動させるだけの簡単な機構でスライドコアをスライドホルダに着脱することができる。また、アクチュエータを構成するシリンダをスライドの型開閉にも共用するので、構造の簡略化を達成できる。
【0011】
請求項2の成形金型に係る発明は、請求項1に係る発明において、スライドコアとスライドホルダとを、型開き時に剛結し型閉じ時に剛結解除するサブクランプ手段をさらに備えていることを特徴とするものである。この請求項2に係る発明では、上記請求項1に係る発明の効果に加え、鋳造後の型開き時にサブクランプ手段によりスライドコアとスライドホルダとを剛結することで、スライドコアは傾くことなく円滑に抜ける。
請求項3に係る発明は、上記課題を解決するため、上記請求項1に係る発明と同様にスライドを含むものにおいて、キャビティを形成する専用部と共通化された汎用部とにより構成され、専用部を汎用部に着脱可能に保持してなる成形用金型であって、スライドを含むものにおいて、前記スライドを、専用部としてのスライドコアと汎用部としてのスライドホルダとから構成し、前記スライドコアと前記スライドホルダとの相互間に、両者を自動的に着脱可能とする着脱機構を配設し、前記着脱機構は、スライドコアとスライドホルダとをフローティング可能に結合する浮動式クランプ手段からなり、該浮動式クランプ手段が、スライドコアに設けられたT字スロットと、スライドホルダに設けられ、前記T字スロットに係合可能な先端部を有するT字形クランプ部材と、該T字形クランプ部材を直線移動および軸周りに回動させてその先端部を前記T字スロットに係脱させるアクチュエータとを備え、前記スライドコアと前記スライドホルダとを、型開き時に剛結し型閉じ時に剛結解除するサブクランプ手段をさらに備えていることを特徴とする。この請求項3に係る発明では、上記請求項1に係る発明と同様、段替えを行うときには、スライドホルダを成形機に残したままで、スライドコアのみを段替えをすることができ、また、スライドコアを型閉じ位置に挿入する際、スライドコアがフローティングして円滑に挿入され、さらに、アクチュエータを駆動してT字形クランプ部材を直線移動および軸周りに回動させるだけの簡単な機構でスライドコアをスライドホルダに着脱することができることに加え、鋳造後の型開き時にサブクランプ手段によりスライドコアとスライドホルダとを剛結することで、スライドコアは傾くことなく円滑に抜ける。
請求項4の成形用金型に係る発明は、上記課題を解決するため、上記請求項1に係る発明と同様にスライドを含むものにおいて、前記スライドを、専用部としてのスライドコアと汎用部としてのスライドホルダとから構成し、前記スライドコアと前記スライドホルダとの相互間に、両者を自動的に着脱可能とする着脱機構を配設し、前記着脱機構は、スライドコアとスライドホルダとをフローティング可能に結合する浮動式クランプ手段からなり、該浮動式クランプ手段が、スライドコアに設けられたT字スロットと、スライドホルダに設けられ、前記T字スロットに係合可能な先端部を有するT字形クランプ部材と、該T字形クランプ部材を直線移動および軸周りに回動させてその先端部を前記T字スロットに係脱させるアクチュエータとを備え、前記アクチュエータは、駆動ロッドを伸縮動させてT字形部材を直線移動させるシリンダと、該駆動ロッドを介して前記T字形部材を軸周りに回転させる回動機構とを備え、前記シリンダは、前記T字形クランプ部材を介してスライドコアの型開閉も行うようになっており、さらに、前記スライドコアと前記スライドホルダとを、型開き時に剛結し型閉じ時に剛結解除するサブクランプ手段を備え、かつ前記スライドコアと前記スライドホルダとの相互間に弾性部材を介装すると共に、凹凸嵌合部を配設したことを特徴とする。この請求項4に係る発明では、上記請求項1および請求項3に係る発明の効果に加え、スライドコアがスライドホルダに安定した姿勢で弾発的に保持されるので、他の金型要素に対するスライドコアの円滑な挿入が可能になる。
【0014】
【発明の実施の形態】
最初に、本発明の成形用金型の実施の一形態を図1〜図17に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態においては、ダイカスト成形用金型の場合により説明するが、本発明はこの実施の形態に限定されることなく、低圧鋳造、重力鋳造等の各種鋳造や、射出成形、ブロー成形等を行う各種成形用金型に適用することができる。同一符号は、同一部分または相当する部分を示すものとする。
【0015】
本実施の形態としての成形用金型は、概略、キャビティを形成する専用部Aと共通化された汎用部Bとにより構成され、専用部Aはスライドコア1を、汎用部Bはスライドホルダ2をそれぞれ含み、スライドコア1とスライドホルダ2とは着脱機構(以下、スライド用着脱機構という)3Aにより自動的に着脱されるようになっており、また、スライドコア1を含む専用部Aを型閉じ状態に一体化する一体化機構4(図12、図13)を備えている。
【0016】
図1に示すように、成形機は、固定プラテン5と支持盤6との間に複数のタイバー7が設けられ、可動プラテン8がタイバー7に摺動可能に挿通されている。固定プラテン5と可動プラテン8との互いの対向面には、固定金型9と可動金型10がそれぞれ取付けられ、固定金型9と可動金型10との間には、前記スライドコア1とスライドホルダ2とを備えてなるスライド11が配設される。支持盤6には固定金型9に対して可動金型10を開閉すると共に型締めを行う型開閉手段12が設けられている。可動金型10は、成形品を取り出すことができるよう突き出す押出し機構53を備えている。固定プラテン5の成形材料導入部14には、溶湯を射出するための射出手段(図示は省略する)が連設されている。そして、成形機は、その内部と外部の間で固定金型9と可動金型10の専用部Aまたは汎用部Bを搬送・交換する段替え装置13を備えている。
【0017】
すなわち、上記した固定金型9、可動金型10、押出機構53およびスライド11のそれぞれは、キャビティを形成する専用部Aと共通化された汎用部Bとに分割されている。より詳しくは、固定金型9は、専用部Aとしての固定側入子20と汎用部Bとしての固定側主型21とから、可動型10は、専用部Aとしての可動側入子50と汎用部Bとしての可動側主型51とから、押出し機構53は、汎用部Bとしての可動側主型51に設けられる主型側機構55と、可動側入子50ごとに設けられる入子側機構56とから、それぞれ構成されている。また、これら専用部Aは、対応する汎用部Bに対して着脱機構3A、22、52により自動的に着脱されると共に、専用部A同士は、前記一体化機構4により自動的に一体化されるように構成されている。このように構成した鋳造用金型は、汎用部Bをマシンに残したまま、図5に参照されるように、専用部Aを1つの集合体として段替えできるように構成されている。
【0018】
図1〜図4に示すように、固定金型9は、キャビティの成形面を形成する専用部Aとしての固定側入子20と、固定プラテン5に取付けられる共通化された汎用部Bとしての固定側主型21と、固定側入子20を固定側主型21に着脱可能に保持する着脱機構(以下、固定側クランパという)22と、を備えてなる。固定側主型21の可動金型10と対向する面の略中央には固定側入子20が嵌合される凹部23が形成されており、その周囲には型閉じした際にスライドホルダ2のショルダ部(後述する)71と係合して型締力を発生させる傾斜を有する溝24が形成されている。
この実施の形態における固定側クランパ(クランプ手段)22は、図6に示すように縦スロット25aと横スロット25bとからなるT字スロット26と、T字スロット26に係合可能なヘッド部27aを有するT字形クランプ部材27と、このT字形クランプ部材27を直線移動および軸周りに回転駆動するアクチュエータ28とを備えている。T字スロット26は固定側入子20の背面(可動金型10と反対側の面)に設けられ、係合部材27は固定側主型21の凹部23の底面から突出するように設けられており、T字形クランプ部材27をT字スロット26に係入させて短縮駆動することにより、固定側主型の凹部23にクランプする構造となっている。T字形クランプ部材27は、その基端部がアクチュエータ28に連結されている。アクチュエータ28は固定側主型21に内蔵されている。
【0019】
アクチュエータ28は、図8および図9に示すように、T字形クランプ部材27を進退駆動するシリンダ29と、シリンダ29の駆動ロッドを軸周りに回転駆動するロータリアクチュエータ(回動機構)30とを組み合わせてなる。
シリンダ29のピストン47に形成されている軸孔49には、前記T字形クランプ部材27の基端部が摺動可能に嵌挿されている。T字クランパー27は、その基端部を前記軸孔49の一端側に形成したテーパ部47aに嵌合させることにより、ピストン47に対して図8の左方向(押込み方向)への移動が規制されると共に、その基端にボルト止めした輪状のストッパ板48を前記軸孔49の他端側に形成した段部49bに当接させることにより、ピストン47に対して図8の右方向(抜け方向)の移動が規制されている。すなわち、T字形クランプ部材27はピストン47に対して回動可能にかつ相対移動不能に結合されている。
また、上記T字形クランプ部材27の基端部には所定深さの軸穴34が形成されており、この軸穴34内には、前記ロータリアクチュエータ30からシリンダ29内へ延ばされた回転軸64の延長端部が挿入されている。この回転軸64の、シリンダ29内への延長端部は前記輪状ストッパ板48の内歯35とスプライン外歯36を介して結合されており、これにより、T字形クランプ部材27は、回転軸64に対して相対回転不能にかつ相対移動可能に連結されている。
【0020】
一方、上記ロータリアクチュエータ30は、クランプ用シリンダ29に被蓋された厚肉の端板65内に配設されている。端板65には、前記回転軸64を収容する凹部66が形成されており、この凹部66の底部には、回転軸64の軸方向中間部位に設けたフランジ64aを係止して該回転軸64の、シリンダ29からの抜けを規制する押え板48がボルト止めされている。また、この凹部66内において、前記回転軸64の基端部にはピニオン31がキー67を用いて回転不能に結合されており、このピニオン31には、端板65に設けた半径方向溝69に摺動可能に配設されたラック32が噛合わされている。ラック32は、端板64の外周部に半径方向へ延ばして取付けたシリンダ33により直線移動させられるようになっており、このラック32の直線移動によりピニオン31を介して回転軸64を、したがってT字形クランプ部材27が左回転または右回転する。ラック32は、端板65の半径方向溝69の底部に突設したストッパ78に先端を当接させる位置が前進端、シリンダ33のロッドの短縮端が後退端となっており、このラック32の進退動に応じてT字形クランプ部材27は90度だけ反転するようになっている。
なお、アクチュエータ28は、この実施の形態に限定されることなく、図示は省略するが、例えばロータリアクチュエータ30を、ピニオン31の駆動軸を回転駆動する減速装置を有するモータや、ピニオン31に替えてウオームギヤなどにより構成することもできる。また、図6ではアクチュエータ28を単一で設けた場合を示したが、複数のアクチュエータ28を設けることもできる。
【0021】
さらに、大型の鋳造金型の場合は、型内冷却を行うのが一般である。図10および図11は、型内冷却を必要とする場合の本発明の実施の形態を示したもので、ここでは、専用部B内に形成した冷却チャンバ(冷却路)37に冷却水をプールして冷却を行う、いわゆるプール冷却タイプとしてその冷却系を構成している。両図において、37aは、専用部Aとしての固定側入子20に形成された前記冷却チャンバ37を密封する蓋板で、この蓋板37aには、管継手45の一方の分割要素である一対のオス型部材42が取付けられている。各オス型部材42には長さの異なるノズル38,39の一端部が連結されており、各ノズル38,39の他端部は、冷却チャンバ37内に所定の深さとなるように差込まれている。一方、汎用部Bとしての固定側主型21の凹部23の底部には、管継手45の他方の分割要素である一対のメス型部材43が前記オス型部材42と対向するように埋設されている。各メス型部材43には、固定側主型21内を通した冷却管(通水路)40,41の一端部が連結されており、各冷却管40,41の他端部は固定主型21の後方へ導出されている。管継手45を構成するオス型部材42は、前記固定側クランパ22(図2〜4)による、固定主型21に対する固定入子20のクランプに応じてメス型部材43に嵌入し、両者は一体化される。しかして、メス型部材43の口部側内面には環状のシール部材46(図10)が嵌装されており、該シール部材46は、前記メス型部材43に対するオス型部材42の嵌入に応じてオス型部材42の外周面に密着し、これにより両部材42と43との間は液密にシールされる。また、このシール部材46は、メス型部材43に対するオス型部材42の嵌入に応じて弾性変形することで、両部材42と43との位置ずれを吸収する。
【0022】
上記した冷却系は、長いノズル38を有する側が給水系、短いノズル39を有する側が排水系として用いられるようになっており、冷却水はこの給水系から冷却チャンバ37内に供給されて、冷却チャンバ37内に一旦溜まった後、前記排水系を通して排出される。専用部Aの段替えに際しては、前記固定側クランパ22(図4)の作動により固定側主型21から固定側入子20を切離した後、固定側入子20を外側へ引出すと、メス型部材43からオス型部材42が自動的に離脱し、したがって、固定側主型21側の冷却管40,41を着脱する面倒な作業は不要になる。
なお、上記管継手45を構成するオス型部材42およびメス型部材43は、その配置を逆、すなわちオス型部材42を汎用部B(固定側主型21)に、メス型部材43を専用部A(固定側入子20)にそれぞれ配置してもよい。また、この管継手45の種類も任意であり、汎用部Bに対する専用部Aの着脱に応じて自動的に着脱される構造であれば、どのような種類のものであってもよい。また、オス型部材42とメス型部材43との間をシールするシール部材46は両部材42と43との端面合せ部に配置してもよく、この場合は、両部材42と43とのより大きな位置ずれを吸収することができる。さらに、上記実施の形態においては、固定金型9に対する適用例として冷却系を説明したが、本冷却系は、当然のこととして可動型10およびスライド17にも適用できる。さらに、この冷却系は、前記プール冷却タイプとしての構成に代え、マニホールドから各冷却水路に冷却水を分配するマニホールドタイプとして構成してもよいものである。
【0023】
固定側入子20を固定側主型21に保持させる場合には、図4に示すように、固定側クランパ22のT字形クランプ部材27を前進端に位置決めし、かつT字形クランプ部材27のヘッド部27aが対応するT字スロット26に挿入可能となるように回転方向に位置決めしておく。この状態のもと、いま、固定側主型21の凹部23内に固定側入子20を、後述する段替え装置13または型開閉手段12による型開閉の動きにより押込むと、T字形クランプ部材27のヘッド部27aがT字スロット26内に入り込む。そして、型開閉の動きにより固定側入子20が固定側主型21の凹部23内に押込まれてその背面が凹部23の内底面に当接する段階、すなわち図6に示す段階になると、アクチュエータ28のクランプ用シリンダ29内の流体圧解放に続いてロータリアクチュエータ30が作動し、T字形クランプ部材27が90度回転してそのヘッド部27aがT字スロット26に係合して固定側入子20のT字スロット26内で抜け不能位置に回転する。そして、その後はシリンダ29内への圧力流体の供給によりT字形クランプ部材27が短縮側への圧力を受け、これにより固定側入子20が固定側主型21に対してクランプされる。なお、前記したクランプに際しては、T字形クランプ部材27のヘッド部27aとT字スロット26の横スロット25bとの間に所定の間隙が存在しており、T字形クランプ部材27は摩擦抵抗をそれほど受けることなく円滑に回転する。
また、固定側入子20を固定側主型21の凹部23から離脱させる場合には、固定側クランパ22のアクチュエータ28の駆動により、T字形クランプ部材27を伸長駆動して固定側入子20への引きつけ力を解除し、その位置でシリンダ29の流体圧を解放してから、T字形クランプ部材27を固定側入子20のT字スロット26に整合させるように軸周りに90度回転させ、さらにT字形クランプ部材27を伸長駆動して固定側入子20を固定側主型21の凹部23から押出し、T字形クランプ部材27をT字スロット26から抜くように固定側入子20を可動金型10側に移動させる(図4)。
【0024】
一方、可動金型10は、図2〜図5に示すように、キャビティの成形面を形成する専用部Aとしての可動側入子50と、可動プラテン8に取付けられる共通化された汎用部Bとしての可動側主型51と、複数の可動側入子50を可動側主型51に着脱可能に保持するクランパ(以下、可動側クランパという)52と、成形品を取り出すことができるよう突出す押出し機構53と、を備えている。
【0025】
図12に示すように、可動金型10の可動側入子50は、略矩形に成形されてなるもので、この実施の形態の場合、その固定金型9側の面には4つのスライドコア1をそれぞれ摺動可能に保持する凹部54が、中央部から各辺に向かって略十文字状に4箇所に形成されている。可動側クランパ(クランプ手段)52は、図5に示すように縦スロット25aと横スロット25bとからなるT字スロット26と、T字スロット26と係合可能なヘッド部27aを有するT字形クランプ部材27と、このT字形クランプ部材27を伸長・退縮および軸周りに回転駆動するアクチュエータ28とを備えてなるもので、固定側クランパ22と実質的に同様の構成であるため、ここでは詳しい説明を省略するが、この実施の形態の場合、図2〜図5に参照されるように、この可動金型10側のクランパ52のシリンダ29は、上記固定金型9側のクランパ22のシリンダ29よりもかなり大きなピストンストロークが得られるように長尺に形成されており、これに応じて該シリンダ29内のピストン47に作動連結されるT字形クランプ部材27およびこのT字クランパー27内に設ける軸穴も、固定金型9側のT字形クランプ部材27および軸穴34よりも長尺となっている。なお、可動型10側のクランプ用シリンダ29は、前記したように長尺であるため、その一部が可動側主型51に埋込まれている。固定側クランパ22および可動側クランパ52は、必要に応じて、固定金型9および可動金型10にそれぞれ複数基設けることができる。後述するように可動側主型51の凹部61に対して専用部集合体を移動させるために大きな力を必要とするため、この実施の形態においては、4基の可動側クランパ52が同調して駆動されるように設けられている。
【0026】
押出し機構53は、共通化された主型側機構55と、可動側入子50ごとに設けられる入子側機構56と、により構成されている。図4および図5に示すように、主型側機構55は、可動側主型51に摺動可能に挿通された駆動押し出しピン57と、この駆動押出しピン57が連結されて、成形機に設けられたアクチュエータ(図示は省略する)により進退移動される主型側押出し板58とを備えてなる。
また、入子側機構56は、可動側入子50のキャビティ面から突出可能に挿通された押出しピン59、この押出しピン59が連結され主型側機構55の駆動押出しピン57によって進退駆動される入子側押出し板60と、を備えてなる。可動側主型51の略中央には、可動側入子50が嵌合保持される凹部61が形成されており、さらにその底部略中央には、可動側主型51の凹部54に可動側入子50が保持されたときに入子側機構56を収容する空間62が形成されている。また、可動側主型51の背面(固定金型9に対向する面と反対側の面)の略中央には、主型側機構55が収容される空間63が形成されている。主型側機構55の駆動押し出しピン57と入子側機構56の入子側押出し板60とは、図示は省略するが、着脱機構によって着脱可能に連結される。
【0027】
図2〜図4に示すように、スライド11を構成するスライドホルダ2は、スライドコア1を型開閉駆動するためのアクチュエータ70に支持されている。この実施の形態では、スライドコア1、スライドホルダ2、スライドコア着脱機構3A、およびアクチュエータ70が、複数組(例えば、4組)で可動金型10の周囲に放射状に配設されている。図12に示すように,スライドコア1は,可動側入子50に放射状に形成された凹部54に摺動可能に挿入されている。なお、スライドホルダ2は、その背面を可動側主型51の前面に摺接させた状態で、該前面に突設したスライドキー(図示略)により型開閉方向へ摺動案内されるようになっている。
【0028】
図15および図16に示すように、スライドコア1には、これを貫通する嵌挿孔73が形成されており、この嵌挿孔73には鋳抜きピンなどのコアピン74が、キャビティ内に突出するように嵌挿されている。そして、コアピン74の基端部には、スライドコア1の嵌挿孔73との間に留め手段としてOリング(弾性リング)75が介装されている。このOリング75を介装した構成により、専用部Aを汎用部Bから取り出したときに、コアピン74がOリング75との摩擦接触によりスライドコア1から不用意に抜け落ちることが防止される。なお、スライドコア1を型開閉駆動するためのアクチュエータ70の構成については後に詳しく説明する。
【0029】
各スライドコア1の背面(キャビティ面とは反対側の端面)には、バックプレート76が取付けられている。図12に示すように、バックプレート76は、スライドコア1から少なくとも幅方向に突出する大きさに成形されている。このバックプレート76のスライドコア1から突出した部分は、各スライドコア1を型閉じ(このスライドコア1の型閉じは、固定金型9に対する可動金型10の型閉じ方向と交差する方向に行われる。)するときに、可動側入子50の外側面に当接されて、その嵌挿位置を規制するストッパ77を構成している。可動側入子50に対するスライドコア1の挿入端において、各スライドコア1の先端部のテーパ面1aはほぼ密着する状態に合わされ、これにより可動側入子50の凸状の成形部50aの周りには環状のキャビティ100が形成されるようになる。
【0030】
図15に示すように、各スライド用着脱機構3Aは、この実施の形態の場合、縦スロット85aと横スロット85bとからなるT字スロット86と、T字スロット86に係合可能なヘッド部87aを有するT字形クランプ部材87と、このT字形クランプ部材87を伸長・退縮および軸周りに回転駆動するアクチュエータ(後述する)とを備えており、T字スロット86は、スライドコア1の背面に設けた凹部88と前記バックプレート76との間に形成されている。T字形クランプ部材87を駆動するためのアクチュエータは、可動側主型51に設けられたスライドコア1を型開閉駆動するアクチュエータ70(図14を参照)と共用されている。
【0031】
アクチュエータ70は、図14に示すように、スライドコア1の型開閉方向に伸長・退縮駆動するシリンダ89と、シリンダ89の駆動ロッド91を軸周りに回転駆動するロータリアクチュエータ30とを組み合わせてなる。シリンダ89は、可動側主型51に固設されている。ロータリアクチュエータ30は、上述した固定側クランパ22および可動側クランパ52に使用されているロータリアクチュエータ30と同様に、図8および図9に参照されるように、シリンダ89の駆動ロッド91に相対的に摺動可能に噛合されたピニオン31と、このピニオン31と噛合されたラック32と、ラック32を駆動するシリンダ33と、を備えた構成などとすることができる。図14に示すように、シリンダ89のピストン90から延ばした駆動ロッド91は、退縮駆動したときにピニオン31の回転駆動軸92を収容し得るように空間94が形成されており、この空間94の開口部にはキー95が設けられている。また、ピニオン31の駆動軸92には、シリンダ89の駆動ロッド91のキー95が噛合されるスプライン96が成形されている。なお、ロータリアクチュエータは、回転駆動軸92を回転駆動する減速装置を有するモータや、ピニオン31に替えてウオームギヤなどにより構成することもできる。シリンダ89は、従来のスライドコアを有する成形用金型において使用されていたものの駆動ロッドを上述したように構成された駆動ロッド91に交換してロータリアクチュエータ30を付加することにより、そのまま使用することができる。
【0032】
図2や図3などに示すように、各スライドホルダ2には、上述したように、固定金型9に対する可動金型10の型開閉方向と交差する方向に型閉じおよび型締を行って成形するときに、固定金型9の固定側主型21に形成された溝24に係合されて型締力を発生させるショルダ部71が形成されている。また、図15に示すように、各スライドホルダ2は、その型開閉方向に貫通する孔100が形成されており、この孔100にT字形クランプ部材87の軸部が挿通されて、アクチュエータ70のシリンダ89の駆動ロッド91と連結されている。T字形クランプ部材87の軸部の所定の位置には周方向に溝が形成されており、この溝にはスライドホルダ2のアクチュエータ70側への移動を規制する留め部材101が嵌合されている。また、スライドホルダ2には、アクチュエータ70による型開閉方向の移動をガイドすると共に、スライドコア1が離脱されたときにスライドホルダを位置決めするするためのストッパ(図示は省略する)が設けられている。
【0033】
スライドコア1に取付けられたバックプレート76とスライドホルダ2との間には、弾性的に互いを離間させるように作用するコイルばねからなる弾性部材102が介装されている。弾性部材102は、コイルばねに替えて、板ばねなど他のばね部材や、スポンジ状の多孔質材なども使用することができる。さらに、バックプレート76には凸部76aが形成され、スライドホルダ2には凸部76aが嵌合される凹部2aが対応して形成されている。このように構成することにより、スライドコア1は、スライドホルダ2に対して位置決めされて安定した姿勢で弾性的に支持されるため、可動側入子40の凹部54(図12)に対するスライドコア1の円滑な挿入が可能になる。なお、本発明はこの実施の形態に限定されることなく、スライドコア1の背面に凹部88を形成するのに替えて、バックプレート76を屈曲成形することによりT字形クランプ部材87を収容するためのT字スロット86と共に凸部76aを形成することもできる。
【0034】
さらに、図17に示すように、スライド11は、固定金型9および可動金型10と同様に、スライドコア1が、その内部に水などの冷却用媒体が供給循環される冷却チャンバまたは管路(図示を省略する)と、この冷却チャンバなどに冷却用媒体を供給および排出するための管78と、を必要に応じて備えており、また、スライドホルダ2が、冷却用媒体を供給および排出するための管79を必要に応じて備えている。そして、スライドコア1がスライドホルダ2に結合されているときに、両管78、79を伸縮可能に接続し、スライドコア1とスライドホルダ2の離脱に伴って両管の接続を解除するための管継手80、81が対で対応するように設けられている。なお、図17では、一組の管78、79および管継手80、81しか示していない。しかしながら、実際には、冷却用媒体を供給および排出するために、同じように構成された二組以上の管78、79および管継手80、が設けられることに注意されたい。
【0035】
この実施の形態におけるスライド用着脱機構3Aの構成は、固定金型9および可動金型10における固定側クランパ22および可動側クランパ52の構成と似ている。しかしながら、スライド用着脱機構3Aは、汎用部Bとしてのスライドホルダ2にT字形クランプ部材87の軸部が挿通されているに過ぎず、固定側および可動側クランパ22、52のようにスライドホルダ2に対してスライドコア1を引きつけるようにT字形クランプ部材87を作用させることはない。図15に示すように、この実施の形態におけるT字形クランプ部材87のヘッド部87aの先端と留め部材101との間の長さは、スライドコア1に形成されたT字スロット86内で先端がフローティングしている状態、すなわち、スライドホルダ2の高さよりも大きくスライドコア1の型開閉方向に隙間が形成される状態となるように設定されている。そして、上述したように、スライドコア1のバックプレート76と留め部材101によって移動が規制されているスライドホルダ2との間には弾性部材102が介装されている。したがって、T字形クランプ部材87は、バックプレート76のT字スロット86に常には係合されておらず隙間Sが生じており(図15)、スライドコア1のバックプレート76のスロット85に挿通されているときであっても、軸周りに回動することが可能となっている。また、スライドコア1は、スライドホルダ2に対して浮動可能ではあるものの、遊動することなく安定した姿勢で保持される。なお、スライドコア1は、固定金型9に対して可動金型10を近接させて型閉じし、型締を行うのに応じて、スライドホルダ2のショルダ部71が固定側主型21の溝24に係合される。これにより、スライドコア1は、そのバックプレート76とスライドホルダ2とは、相互に密着して鋳造圧力に耐えるように位置固定される。
【0036】
このように構成されたスライド用着脱機構3Aでは、通常のダイカスト成形を行うにあたり、型閉じをする場合には、アクチュエータ70を伸長駆動することにより、スライドコア1のバックプレート76の突出したストッパ77が可動側入子50の外側面に当接されて、その嵌挿位置を規制されるまで、可動側入子50の凹部54内でスライドコア1が前進される。また、ダイカスト成形が完了して型開きをする場合には、アクチュエータ70を退縮駆動することにより、スライドコア1とバックプレート76との間に形成されたT字スロット86にT字形クランプ部材87が係合されるため、スライドホルダ2と共にスライドコア1が可動側入子50の凹部54内で後退移動される。そして、スライドコア1の型開閉時には、スライドコア1とスライドホルダ2との間の隙間に弾性部材102が介装され、しかも、バックプレート76に形成された凸部76aがスライドホルダ2に形成された凹部2aに嵌合されていることによって、スライドホルダ2に対してスライドコア1を安定した姿勢に保つことができる構成を実現化させることができる。
【0037】
一方、スライドコア1を含む専用部Aの段替えを行うにあたり、スライドコア1をスライドホルダ2から離脱させる場合には、アクチュエータ70の駆動によってT字形クランプ部材87をバックプレート76に形成された縦スロット 85 に合わせるように軸周りに90度回転させてから、T字形クランプ部材87を軸方向に退縮駆動してその先端をT字スロット 86から抜く。また、スライドコア1をスライドホルダ2に結合させる場合には、T字形クランプ部材87を縦スロット 85 に合わせた状態でアクチュエータ70を伸長駆動して、そのヘッド部87aをT字スロット86の横スロット85b内に位置させ、その後、アクチュエータ70の駆動によってT字形クランプ部材87のヘッド部87aをバックプレート76の背面に係合し得るように軸周りに90度回転させる。この場合、T字形クランプ部材87のヘッド部87aとバックプレート76との間に隙間Sが生じているため、T字形クランプ部材87は、摩擦抵抗を受けることなくロータリアクチュエータ30の駆動によって円滑に回転する。
【0038】
このように、本実施の形態におけるスライド用着脱機構3Aでは、スライドコア1に設けられたT字スロット86と、T字スロット86に係合可能なT字形クランプ部材87と、このT字形クランプ部材87を伸長・退縮および軸周りに回転駆動するアクチュエータ70と、を備えてなることにより、簡単な構成で迅速にスライドコア1をスライドホルダ2に対して自動的に着脱して段替えをすることができる構成を実現化させることができる。そしてアクチュエータ70が、段替え時におけるスライドコア1とスライドホルダ2の着脱のみならず、各スライドコア1の型開閉も行うことができる構成を実現化させることができる。
【0039】
一方、本発明の成形用金型では、スライド11をスライドコア1とその汎用部Bであるスライドホルダ2とに分割して構成した場合に、スライド用着脱機構3Aによって、スライドホルダ2を成形機に残したままでそこからスライドコア1を自動的に迅速に離脱させて成形機外へと搬出することができ、また、成形機外でスライドコア1を交換した後に再び成形機内でスライドホルダ2に自動的に迅速に装着することができる。
【0040】
次に、汎用部Bから専用部Aを離脱させて着脱する際に、スライドコア1を含む専用部Aを一体化する一体化機構4について、主に図6と図7および図12と図13に基づいて説明する。一体化機構4は、固定側入子20と可動側入子50の間に設けられたボールロック機構110と、固定側入子20とスライドコア1の間に設けられた落下防止ピン111およびこの落下防止ピン111が係合される係合穴112とにより構成されている。図12に示すように、ボールロック機構110は固定側入子20と可動側入子50とが相対向する角隅部の対角線上の2箇所またはそれ以上に配設され、落下防止ピン111は各スライドコア1の幅方向に1箇所以上設けられ、係合穴112は固定側入子20の対応する位置にそれぞれ設けられる。
【0041】
図7に示すように、ボールロック機構110は、固定側入子20に挿通されたロックピン114と、ロックピン114に形成された拡径部113と、拡径部113によって径方向外側に押し付けられる複数のボール115と、可動側入子50に形成された係合穴116とを備えており、係合穴116の内周面にはボール115が係合される環状凹部117が形成されてなる。固定側入子20の対角線上の角隅部であって、可動金型10と反対側には、図7に示すように、ロックピン114のヘッドを収容することができる径の有底穴118が形成されている。ロックピン114のヘッドと有底穴118の底との間にはコイルばね119が介装されており、ロックピン114はそのヘッドが反可動金型側に突出するように付勢されている。また、固定側入子20の可動金型10側にはガイドブッシュ120が設けられており、ガイドブッシュ120の先端にロックピン114の拡径部113が摺動可能に収容されている。そして、ガイドブッシュ120の先端にはボール115を飛び出させないように保持し、且つボール115を環状凹部117に係合させることができるように突出させることができる大きさの穴121が、ボール115の数に応じて形成されている。なお、ボールロック機構110と落下防止ピン111および係合穴112とは,上述した実施の形態に限定されることなく、例えば、ロックピン114を落下防止ピン111を固定側入子20に設けると共に、係合穴112を各スライドコア1に対応してそれぞれ設けることもできる。
【0042】
通常のダイカスト成形を行う場合には、固定側主型21の凹部23に固定側入子20が嵌合されている。かかる状態では、ロックピン114は、そのヘッドが凹部23の底面に衝合されて、コイルばね119の付勢力に抗して可動金型10側に移動されており、拡径部113がボール115を外側に押し付けるような作用は発生しない。そのため、ダイカスト成形を行うために固定金型9に対して可動金型10を衝合させて型閉じした状態では、固定側入子20と可動側入子50は、ボールロック機構110によって連結されることはない。
【0043】
一方、専用部Aの段替えを行う場合には、固定側入子20と可動側入子50を衝合させるように固定金型9と可動金型10とを型閉じさせる。これにより、スライドコア1に設けられた落下防止ピン111が固定側入子20の係合穴112に嵌合されて、スライドコア1が固定側入子20に保持されるため、後に専用部Aを成形機外に取り出したときにスライドコア1が落下することが防止される。また、これと同時に、可動側入子50の係合穴116にはガイドブッシュ120が嵌合される。その後、上述したように、アクチュエータ28のシリンダ29を伸長駆動してT字形クランプ部材27の引きつけ力を解除し、スロットを通過できるようにロータリアクチュエータ30を駆動してT字形クランプ部材27を軸周りに回動し、次いで、シリンダ29をさらに伸長駆動してT字形クランプ部材27により固定側入子20を固定側主型21の凹部23から押出す、すなわち、凹部23の底面から固定側入子20を離間させた状態とする。これにより、コイルばね119の付勢によってロックピン114が可動金型10と反対側に移動され、拡径部113がボール115を外側に押し付けて係合穴116の環状凹部117に係合させるように作用する。そのため、スライドコア1を保持している固定側入子20と可動側入子50とが一体に連結されることとなる。
【0044】
このように、本発明の成形用金型では、上述したように構成されたスライド用着脱機構3Aに加えて、一体化機構4を設けたことにより、スライドホルダ2から自動的に離脱されたスライドコア1を、他の専用部Aである固定側入子20と可動側入子50と共に一体化させて成形機外へと迅速に搬出することができ、また、成形機外で一体化された専用部Aを交換した後に再び成形機内に搬入してその専用部Aに含まれるスライドコア1をスライドホルダ2に自動的に迅速に装着することができる。
【0045】
以下、上記のように構成した成形用金型の段替え方法を詳細に説明する。
本発明は、概略、キャビティを形成する専用部Aと共通化された汎用部Bとにより構成され、専用部Aがスライドコア1を含み、専用部Aを汎用部Bに着脱可能に保持してなる成形用金型の段替え方法であって、スライドコア1を含む専用部A(固定側入子20、可動側入子50)を、スライドホルダ2を含む汎用部B(固定側主型21、可動側主型51)に対して自動的に着脱して段替えを行うものである。本発明は、さらに、スライドコア1を含む専用部Aを一体化させた状態で汎用部B(固定側主型21、可動側主型51、スライドホルダ2)に対して成形機内で着脱するものである。
【0046】
通常のダイカスト成形を行う状態では、図2に示すように、固定側入子20が固定側クランパ22によって固定側主型21の凹部23に保持されており、可動側入子50が可動側クランパ52によって可動側主型51の凹部54に保持されており、スライドコア1がスライド用着脱機構3Aによってスライドホルダ2に保持されている。この状態から専用部Aを構成する固定側入子20、可動側入子50、およびスライドコア1の段替えを行うときには、最初に、型開閉手段12の駆動により固定プラテン5に対して可動プラテン8を近接させると共にアクチュエータ70を伸長駆動して、図3に示すように、固定金型9と可動金型10およびスライド11を型閉じする。これにより、固定側入子20に設けられた係合穴112にスライドコア1に設けられた落下防止ピン111が係合されると共に、ボールロック機構110の可動側入子50の係合穴116にガイドブッシュ120が嵌合される。
【0047】
そして、この型閉じ状態のもと、先ず固定金型9側の固定側クランパ32のクランプ用シリンダ29の流体圧を解放し、続いてロータリアクチュエータ30の作動によりそのT字形クランプ部材27を90度反転させる。また、これと同時にスライド11側については、アクチュエータ70のシリンダ89の流体圧を解放し、さらにそのロータリアクチュエータ30を作動させてT字形クランプ部材87を90度反転させる。次に、クランプ用シリンダ29に流体圧を加えてT字形クランプ部材27を伸長させ、これにタイミングを合せて固定型9に対して可動型10を可動プラテン3と一体に型開き動作させる。この時、T字形クランプ部材27を型開き速度よりも大きな速度で伸長させるようし、この速度差により、固定側入子20が可動側入子50に密着する状態を維持しながら固定側入子20が固定側主型21の凹部23の底面からわずか浮上する。この結果、一体化機構4としてのボールロック機構110のコイルばね119の付勢によってロックピン114が後退し、そのボール115が可動側入子50側の環状凹部117に係合して固定側入子20と可動側入子50とは連結状態(ロック状態)となる。また、この時、固定型9の冷却系は、その管継手45を構成するメス型部材43からオス型部材42が自動的に離脱することで、固定側主型21側と固定側入子20側とに自動的に分離される(図10)。また、固定側入子20にコアピン74が存在する場合(図16)、Oリング75の抵抗によりコアピン74はそのまま固定側入子20内に留まる。
可動側主型10は、その後も型開き動作を継続するが、前記固定金型9のT字形クランプ部材27がT字スロット26の開口と整合していることから、T字形クランプ部材27はT字スロット26から円滑に抜け、これにより固定側入子20と、可動側入子50と、スライドコア1、スライドホルダ2およびアクチュエータ70を含むスライド14とが一体となって元の型開き位置まで後退する。
【0048】
次に、スライド用着脱機構3Aのスライド用シリンダ89が作動し、そのT字形クランプ部材87がスライドコア1のT字スロット86(図15)から離脱可能状態となり、これに続くシリンダ89の駆動ロッド91の短縮によりスライドホルダ2がスライドコア1から離脱して、待機位置まで後退する。この時、ボールロック機構110によって固定側入子20と可動側入子50とが一体一体に連結されており、しかも、スライドコア1は、前記係合穴112に対する落下防止ピン111の係合によって固定主型16に対して抜止めされているので(図13)、専用部Aである固定側入子20、可動側入子50、押出し機構53の入子側機構56、スライドコア1は一体となって、すなわち専用部集合体の形態で可動側主型51に残される。次いで、型開閉手段12を駆動して固定プラテン5から可動プラテン8を離間させることにより、一体化された状態で可動側主型51に残された専用部Aを所定の位置まで移動させる。その後、図5に参照されるように、固定側主型21と可動側主型51との間に段替え装置13が移動される。
【0049】
その後、前記可動金型 10側のクランパ52内のシリンダ29の流体圧が解放され、続いてロータリアクチュエータ30の作動によりT字形クランプ部材27が90度反転し、その後、シリンダ29の作動によりT字形クランプ部材27が伸長する。すると、上記専用部集合体が可動側主型17の凹部61から所定距離だけ押出される。そして、図5に示すように、専用部集合体を可動主型17から完全に離脱させて段替え装置13に受け渡し、これにて旧品としての専用部Aの、汎用部Bからの取外しは終了する。なお、この時、可動金型10およびスライド11側の冷却系は、前記固定金型9側と同様に汎用部Bと専用部Aとの間で分離され、また、コアピン74は、専用部Aに留まる。その後、専用部集合体は、段替え装置13によって成形機外に同時に自動的に搬出される。そして、段替え装置13では、交換するための固定側入子20とスライドコア1と可動側入子50とを一体化させた状態で用意しており、これらの専用部集合体を入れ替えて成形機内の汎用部Bである固定側主型21とスライドホルダ2および可動側主型51との間に同時に自動的に搬送し位置決めする。
【0050】
固定側主型21とスライドホルダ2および可動側主型51との間に位置決めされた専用部集合体は、段替え装置13によって、可動側主型51の凹部61内にその途中まで押込まれる。この凹部61内では、可動側クランパ52のT字形クランプ部材27が伸長状態でかつ90度反転状態(アンクランプ状態)で待機しており、T字形クランプ部材27のヘッド部27aが可動側入子50のT字スロット26内に入り込む。可動側クランパ52は、その後、ロータリアクチュエータ30の作動によりそのT字形クランプ部材27を90度反転させ、続いてクランプ用シリンダ29の作動によりT字形クランプ部材27を短縮させる(クランプ動作)。すると、専用部集合体が可動側主型51の凹部61の底部側へ引込まれ、可動側入子50を含めた専用部集合体が可動側主型51に固定される。
【0051】
この時、専用部集合体の大部分は、比較的深く設定された、可動側主型51の凹部61内に収納されているので、固定側主型21と可動側主型51との間の間隔が広くなるため、段替え装置13は、旧品としての専用部集合体と新品としての専用部集合体とを干渉させることなく、円滑にマシン外へ搬出される。換言すれば、段替えに際して、標準以上に型開きする必要がなく、したがってマシンに対する設計変更は不要となる。
ここで、専用部集合体が可動側主型51の凹部61の底部側へ引込まれると、押出し機構53の入子側機構56と主型側機構55が連結される。また、これと前後して、スライド用シリンダ89の作動によりスライドホルダ2と一体にT字形クランプ部材87が前進し、T字形クランプ部材87のヘッド部87aがスライドコア1のスロット85に入り込む。また、これと前後して、固定側主型21と可動側主型51との間から段替え装置13が退避移動される。
【0052】
その後、可動プラテン8の移動すなわち型閉じ動作により、可動側主型51に固定されていた専用部集合体が固定側主型21へ向けて移動する。この時、図4に示したように、スライドホルダ2のショルダ部71が固定側主型21の凹部23の口縁部にわずか嵌合した段階で、一旦型閉じ動作を停止し、これと同時に可動金型10側のクランパ52のクランプ力を緩めると共に、スライド用シリンダ89の流体圧を解放する。すると、スライド用シリンダ89の流体圧解放により下側に位置するスライドホルダ2がわずかに下降するが、その先端部であるショルダ部71が前記固定側主型21の凹部23の口縁部に支承されているために、大きく下降することはない。次に、型閉じ動作を再開すると、専用部集合体が固定側主型21の凹部24内に次第に押込まれるが、前記したクランプ力の緩和により可動側主型51に緩めに固定されていることから、スライドホルダ2および専用部集合体は、固定側主型21の内面に倣いながら円滑に押込まれる。この時、固定金型9側のクランパ22は、そのT字形クランプ部材27を前進端に位置決めしてそのクランプ用シリンダ29の流体圧を解放し、かつT字形クランプ部材27のヘッド部27aを固定側入子20に設けたT字スロット26に挿入可能となるように位置決めしており、前記押込みに応じてT字形クランプ部材27のヘッド部27aがT字スロット26内に入り込む。そして、型閉じ完了により、固定型9側のクランパ22および可動金型10側のクランパ52のロータリアクチュエータ30がそれぞれ作動して各T字形クランプ部材27が90度反転し、これにより固定側入子20および可動側入子50が固定側主型21および可動側主型51に対してそれぞれ強固にクランプされる。また、これと同時にスライド11側のロータリアクチュエータ30が作動してT字形クランプ部材87が90度反転し、スライドコア1がスライドホルダ2に対して抜け止めされる。
【0053】
そして、上記固定側主型21に対する固定側入子20の装着完了により、固定側入子20と可動側入子50とを連結していたボールロック機構110が自動的にアンロック動作し、その後は、可動プラテン8の移動により固定金型9に対して可動金型10を型開きさせ、これにて汎用部Bに対する専用部Aの段替えは終了する。
【0054】
このように、本発明の成形用金型の段替え方法では、スライド11をスライドコア1とその汎用部Bであるスライドホルダ2とに分割して構成した場合に、スライドホルダ2を成形機に残したままでそこからスライドコア1を自動的に迅速に離脱させて成形機外へと搬出することができ、また、成形機外でスライドコア1を交換した後に再び成形機内でスライドホルダ2に自動的に迅速に装着することができる。そして、本発明の成形用金型の段替え方法では、さらに、スライドコア1を含む専用部A(固定側入子20、可動側入子50)を一体化させた状態で汎用部B(固定側主型21、可動側主型51、スライドホルダ2)に対して成形機内で着脱するため、スライドホルダ2から自動的に離脱されたスライドコア1を、他の専用部Aである固定側入子20と可動側入子50と共に一体化させて成形機外へと同時に搬出することができ、また、成形機外で一体化された専用部Aを交換した後に再び成形機内に同時に搬入してその専用部Aに含まれるスライドコア1をスライドホルダ2に自動的に迅速に装着することができる。
【0055】
次に、本発明のスライド用着脱機構3Bの別の実施の形態を図18〜図21に基づいて説明する。なお、この実施の形態においては、上述した実施に形態と同様または相当する部分については同じ符号を付してその説明を省略する。
この実施の形態におけるスライド用着脱機構3Bは、概略、スライドコア1に設けられた傾斜部130を有する被係合部材131と、スライドコア1の型開閉方向と交差する方向に移動することにより被係合部材131の傾斜部130に対して係合・解除される係合部材としてのボール132と、ボール132をスライドコア1の型開閉方向と交差する方向に移動させるアクチュエータ133と、を備えてなる。さらに、この実施の形態におけるスライド用着脱機構3Bは、段替え時に他の専用部A(固定側入子20、可動側入子50)と一体化させる一体化機構4´と連動するよう構成されている。
【0056】
この実施の形態における可動側入子50には、スライドコア1が摺動可能に嵌合保持される凹部54から連続する段部134が形成されている。段部134の側面には、受け部材135が嵌合固着され、また、受け部材135の内面には係合凹部136が形成されている。スライドコア1の背面には、受け部材135内に内嵌される被係合部材としてのストッパ部材131が取付けられ、一方、ストッパ部材131のスライドホルダ2側の中央部には開口部137が形成されている。開口部137には、スライドコア1側からスライドホルダ2側に向かって漸次縮径する傾斜部130が連続して形成されている。ストッパ部材131は、この実施の形態の場合、受け部材135の内部に嵌挿される部分と、開口部137およびこれに連続する傾斜部130が形成された部分と、を組み合わせることにより構成されているが、これらを一体に成形することもできる。
【0057】
ストッパ部材131の開口部137の周囲には、その厚さ方向(スライドコア1側からスライドホルダ2側に向かう方向)に延びる穴138が穿設されている。この穴138内には、ピン139とばね140が配置される。ピン139は、スライドホルダ2側が小径で、スライドコア1側が大径に成形されている。穴138のスライドコア1側は、ばね140によってピン139をスライドホルダ2側に付勢させるよう支持部材141が栓をするように設けられている。また、穴138の中間部からスライドホルダ2側は、ばね140によって付勢されたピン139が抜け落ちないように、大径に成形されたスライドコア1側よりも小径に成形されている。そして、穴138は、スライドホルダ2側が開放されている。さらにストッパ部材131の外周面には、有底穴142が形成されている。この有底穴142内には、受け部材135の係合凹部136に係合可能な係合部材としてのボール143と、ボール143を外側に向かって付勢するばね144とが配設されており、有底穴142の開口は、ばね143の付勢によってボール143が飛び出ないように保持し、且つボール143を受け部材135の係合凹部136に係合させるべく突出させることができるように形成された保持部材145が設けられている。そして有底穴142の底部には穴138と連通する保持穴146が形成されている。保持穴146には、ボール143の表面と穴138に挿通されたピン139の大径部表面との間にわたる長さのストッパピン147が挿通されている。
【0058】
スライドホルダ2には、ストッパ部材131の開口部137に内嵌される結合部材148が設けられている。結合部材148の先端には、ストッパ部材131の傾斜部130に係合可能な複数のボール132が外側と内側に移動可能に保持されている。そして、結合部材148の内部には、アクチュエータ133によって進退駆動されて、各ボール132を外側および内側に移動させるためのテーパ部材149が配設されている。この実施の形態の場合では、テーパ部材149がスライドコア1側に向かって漸次縮径するように成形されている。したがって、アクチュエータ133の駆動によってテーパ部材149を伸長駆動するとボール132が外側に向かって押圧され、退縮駆動するとボール132が内側に退避するよう移動する。さらに、結合部材147の周囲には押圧ピン150がストッパ部材131に形成された穴138に応じて設けられている。この実施の形態では、スライドホルダ2の基端部は、アクチュエータ133とは別に、スライドコア1と共に型開閉を行うためのアクチュエータ(図示は省略する)に連結されている。
【0059】
このように構成されたスライド用着脱機構3Bでは、通常のダイカスト成形を行う場合には、図20に示すように、ストッパ部材131が可動側入子50の段部134に衝合されて凹部54に対するスライドコア1の嵌挿位置を規制するストッパとして機能する。そして、スライドホルダ2のボール132を保持している結合部材148がストッパ部材131の開口部137に嵌挿され、アクチュエータ133が伸長した状態に維持されて、テーパ部材149によってボール132が外側に向かって押し付けられている。そのため、スライドコア1のストッパ部材131がスライドホルダ2に常時引きつけられるように作用することとなり、スライドコア1がスライドホルダ2に対して遊動することなく結合される、すなわち、剛結される構成を実現化することができる。なお、このときには、スライドホルダ2に設けられた押圧ピン150がストッパ部材131に形成された穴138に挿入されて、ばね140の付勢力に抗してピン139を後退移動させている。したがって、ストッパピン147の端部がピン139の小径部と整合して内側に移動することが、すなわち、ボール143がばね144の付勢力に抗して係合凹部136から離脱することが可能となっている。しかしながら、図示しないアクチュエータによって伸長駆動されるスライドホルダ2が、スライドコア1を可動側入子50の凹部54に保持または押圧しているため、スライドコア1が可動側入子50から離脱することはない。
【0060】
一方、通常のダイカスト成形を行う場合において、型開きを行うに際しては、図21に示すように、スライドホルダ2を図示しないアクチュエータによって退縮駆動することにより、上述したように押圧ピン150がピン139を後退移動させていることによりボール143がばね144の付勢力に抗して内側に移動し、受け部材135の係合凹部136から離脱することができるため、スライドホルダ2に剛結されているスライドコア1が可動側入子50の凹部54から離間する。この場合、スライドホルダ2は、前記したように図示を略すスライドキーにより摺動案内されるので、一定姿勢で移動し、したがって、このスライドホルダ2に剛結されているスライドコア1も、前後、左右への傾きを生じることなく可動側入子50の凹部54(図12)から円滑に抜け、この結果、スライドコア1と可動側入子50との間にカジリが生じることもない。
【0061】
また、スライドコア1を含む専用部A(固定側入子20、可動側入子50)の段替えを行うにあたり、スライドコア1をスライドホルダ2から離脱させる場合には、図18に示すように、ストッパ部材131を可動側入子50の段部134に衝合させてボール143を受け部材135の係合凹部136に係合させた状態で、アクチュエータ133によりテーパ部材149を退縮駆動させる。これにより、スライドホルダ2の結合部材148が保持しているボール132が内側に移動することが可能となるため、図示しないアクチュエータによってスライドホルダ2を退縮駆動すると、スライドホルダ2の結合部材148がストッパ部材131の開口部137から抜き出されて、スライドコア1とスライドホルダ2とが離脱される。このとき、スライドホルダ2に設けられた押圧ピン150もストッパ部材131の穴138から抜き出されるのと連動して、ピン139がばね140の付勢力により前進復帰してその大径部がストッパピン147の端部と整合し、ボール143の内側の移動ができないようにバックアップする。そのため、スライドコア1は、可動側入子50と一体となって成形機外に取り出される。
【0062】
上述した説明からも分かるように、可動側入子50に対するスライドコア1の円滑な挿入を図るには、上記着脱機構3Aによりスライドホルダ2にスライドコア1をフローティング可能に結合するのが望ましく、一方、可動側入子50からのスライドコア1の円滑な離脱(後退)を図るには、上記着脱機構3Bによりスライドホルダ2にスライドコア1を剛結するのが望ましい、とえる。
【0063】
図22および図23は、上記2つの条件を満足するスライド用着脱機構3Cを示したものである。なお、本スライド用着脱機構3Cの基本構造は、前記スライド用着脱機構3Aと同じであるので、ここでは、同一構成要素には同一符号を付すこととする。本スライド用着脱機構3Cは、スライドホルダ2のアクチュエータ70側への移動を規制する前記留め部材101(図15)をT字形クランプ部材87から省略し、T字形クランプ部材87の後端をカップリング160を介して、前記シリンダ89内のピストン90から延ばしたロッド161に連結し、ロッド161の後端部に設けた軸穴162に前記ロータリアクチュエータ30から延ばした回転駆動軸92を相対移動可能にかつ相対回転不能に挿入させている。
また、シリンダ89内には、ロッド161に摺動可能に嵌合させて、ピストン90より小径をなすサブピストン163とサブロッド164とを配設し、サブロッド164は、シリンダ89からスライドホルダ2側へ摺動可能に突出させている。このサブロッド164は、ピストン90とサブピストン163とが相互に接して一体的に移動する状態において、スライドコア1とスライドホルダ2との間にわずかのクリアランス165を形成するようにその長さが設定されている。しかして、サブピストン163の、ピストン90に接触する側の背面にはスリット166が形成されており、スライドコア1の後退時には、図23に示すようにこのスリット166を介してサブピストン163の背面側にも作動流体が回るようになっている。
【0064】
このように構成したスライド用着脱機構3Cにおいては、スライドコア1を可動側入子50の凹部54(図12)に挿入する型閉じに際しては、図22に示すように、ピストン90とサブピストン163とが一体的に移動し、この時、スライドコア1とスライドホルダ2との間にわずかのクリアランス165が形成される。したがって、スライドコア1はスライドホルダ2に対してフローティング可能に結合された状態となり、これにより、スライドコア1は、前記した可動側入子50の凹部54に円滑に挿入される。
【0065】
一方、鋳造後の型開きに際しては、図23に示すように、スリット166を介してサブピストン163の背面側にも作動流体が回るため、受圧面積差によりサブピストン163がピストン90と相対移動し、これにより、スライドコア1が弾性部材102を撓ませてスライドホルダ2に押圧される。すなわち、スライドコア1はスライドホルダ2に剛結された状態となり、これによりスライドコア1は、前後、左右へ傾きを生じることなく可動側入子50の凹部54(図12)から円滑に抜け、この結果、スライドコア1と可動側入子50との間にカジリが生じることもなくなる。したがって、前記サブピストン163、サブロッド164およびスリット166は、スライドコア1とスライドホルダ2とを剛結および剛結解除するサブクランプ手段167を構成している。このサブクランプ手段167によれば、アクチュエータ70を構成するシリンダ89の流体圧回路をそのまま利用するので、特別の流体圧回路を設ける必要がなくなるばかりか、流体圧制御が不要になる。なお、スライドホルダ2に対するスライドコア1の押圧力は、サブピストン163の直径を変えることにより任意に変更することができる。
【0066】
図24は、上記2つの条件を満足する別のスライド用着脱機構3Dを示したものである。本スライド用着脱機構3Dの特徴とするところは、スライドコア1とスライドホルダ2との相互間に、前記アクチュエータ70から独立する複数のサブクランプ手段170を配設した点にある。
上記サブクランプ手段170は、前記固定側クランパ22(図6)と実質的に同じもので、スライドコア1に設けられたT字スロット171と、T字スロット171に係合可能なヘッド部172aを有するT字形クランプ部材172と、スライドホルダ2に設けられ、前記T字形クランプ部材172を駆動するアクチュエータ173とを備えており、アクチュエータ173は、T字形クランプ部材172を伸長・退縮させるシリンダ174とT字形クランプ部材172を回転駆動するロータリアクチュエータ175とからなっている。
【0067】
このようなサブクランプ手段170を備えたスライド用着脱機構3Dにおいては、スライドコア1を可動側入子50の凹部54(図12)に挿入する型閉じに際しては、シリンダ174の作動によりT字形クランプ部材172を伸長させて、スライドコア1とスライドホルダ2との間にわずかのクリアランスを形成し、スライドコア1をフローティングさせながら可動側入子50の凹部54に円滑に挿入する。一方、鋳造後の型開きに際しては、シリンダ174の作動によりT字形クランプ部材172を短縮させ、スライドコア1をスライドホルダ2側に引寄せて、両者を剛結する。これにより、スライドコア1は、前後、左右へ傾きを生じることなく可動側入子50の凹部54から円滑に抜け、この結果、スライドコア1と可動側入子50との間にカジリが生じることもなくなる。このサブクランプ手段170によれば、独立に作動するシリンダ174により、スライドコア1を大きな力でスライドホルダ2に引寄せることができるので、両者の剛結は十分となり、より確実にかじりを防止できる。
【0068】
図25は、上記2つの条件を満足する、さらに別のスライド用着脱機構3Eを示したものである。本スライド用着脱機構3Eの特徴とするところは、上記スライド用着脱機構3Dにおけるシリンダクランパー方式のサブクランプ手段170に代えて、ボールジョイント方式のサブクランプ手段180を用いた点にある。
上記ボールジョイント方式のサブクランプ手段180は、シリンダ181を駆動源として複数のボール182を半径方向へ進退出させるボール駆動部183と、前記ボール182が係合する係合凹部184を内面に有するメス型部材185とからなっており、ボール駆動部183はスライドホルダ2に、メス型部材185はスライドコア1にそれぞれ設けられている。ボール駆動部183は、スライドコア1に対するスライドホルダ2の密着に応じてメス型部材185内に先端部が挿入され、この状態で、シリンダ181を作動させると、ボール182がメス型部材185の係合凹部184に係合し、これにより、スライドコア1とスライドホルダ2とは剛結される。
【0069】
このようなサブクランプ手段180を備えたスライド用着脱機構3Eにおいては、型閉じに際しては、ボール駆動部183のボール182を後退させて、スライドコア1とスライドホルダ2との間にわずかのクリアランスを形成し、スライドコア1をフローティングさせながら可動側入子50の凹部54に円滑に挿入する。一方、鋳造後の型開きに際しては、アクチュエータ70内のシリンダ89の作動によりスライドホルダ2をスライドコア1に一旦密着させ、この状態でボール駆動部183内のシリンダ181を作動させてボール182を外方へ進出させる。すると、ボール182がメス型部材185の係合凹部184に係合し、これによりスライドコア1とスライドホルダ2とが剛結され、この結果、スライドコア1は、前後、左右へ傾きを生じることなく可動側入子50の凹部54(図12)から円滑に抜け、この結果、スライドコア1と可動側入子50との間にカジリが生じることもなくなる。このスライド用着脱機構3Eによれば、スライドコア1を簡単にスライドホルダ2に密着させることができる。
【0070】
なお、型開き時におけるスライドコア1の傾きを防止する手段としては、上記したサブクランプ手段167、173、180等に頼ることなく、可動側入子50の凹部54(図12)の内面にスライドコア1を摺動案内するスライドキーを設けるようにしてもよい。
【0071】
ところで、シリンダブロックのような大型で複雑な構造のダイカスト成形品をダイカスト鋳造する場合は、キャビティ内の温度分布が不均一になるため、高温部にはエアの巻き込み等により鋳巣が生じ易くなる。そこで、このような大型で複雑な構造のダイカスト成形品を得る場合は、前記した鋳巣の発生を防止するため、金型に加圧ピンとその駆動用シリンダとを組込み、キャビティ内に溶湯が充填された後、適当なタイミングでこの加圧ピンを溶湯内に押込むことを行っている。しかしながら、本発明のようにスライド11を専用部Aであるスライドコア1と汎用部Bであるスライドホルダ2とに分割した金型構造では、加圧ピンとその駆動用シリンダとをどのように配置しかつ連結するかが重要な課題となる。
【0072】
図26および図27は、上記した加圧ピン200とその駆動用シリンダ(加圧シリンダ)201とを必要とする場合の実施の形態を示したものである。なお、成形用金型の全体構造は、前記図1〜5に示したものと同じであるので、ここでは、要部のみを示し、また同一部分には同一符号を付すこととする。本実施の形態において、スライドコア1は、コア本体1Aとスペーサブロック1Bとに二分割されており、そのコア本体1Aに加圧ピン200が、そのスペーサブロック1Bに加圧シリンダ201がそれぞれ内装されている。一方、スライドコア1とスライドホルダ2とは、スライド用着脱機構としてのクランプ手段202により剛結されるようになっている。なお、コア本体1Aに加圧ピン200とはボルト203により結合一体化されている。
【0073】
より詳しくは、コア本体1Aにはピン摺動孔204とこれより大径のガイド孔205とが同軸に形成されており、加圧ピン200は、その後端部をガイド孔205内に位置させた状態で、その先端部をピン摺動孔204に摺動可能に嵌入させている。一方、スペーサブロック1Bには凹穴206が形成されており、この凹穴206内に加圧シリンダ201が収納されている。加圧ピン200の後端は、加圧シリンダ201内のピストン207から延ばしたロッド208にカップリング209により連結されている。加圧ピン200は、その先端アール部をピン摺動孔204から突出させた位置(二点鎖線で示す)が後退端となっており、加圧シリンダ201内への作動流体の供給に応じて、図26に示す実線位置まで前進する。
【0074】
一方、上記クランプ手段202は、前記固定側クランパ22(図6)と実質的に同じもので、スライドコア1に設けられたT字スロット210と、T字スロット210に係合可能なヘッド部211aを有するT字形クランプ部材211と、スライドホルダ2に設けられ、前記T字形クランプ部材211を駆動するアクチュエータ212とを備えており、アクチュエータ212は、T字形クランプ部材211を伸長・退縮させるシリンダ213とT字形クランプ部材211を回転駆動するロータリアクチュエータ214とからなっている。
【0075】
本実施の形態において、加圧ピン200と加圧シリンダ201とは、専用部Aとして構成されており、段替え時には、スライドコア1と一体に段替えされる。そこで、本実施の形態においては、加圧シリンダ201のケーシング201aとスライドホルダ2との合せ部に、スライドコア1(スペーサブロック1B)とスライドホルダ2との着脱に応じて着脱される管継手215を配設している。この管継手215は、図17に示した冷却媒体用管継手78、79と実質的に同じもので、ここでは、加圧シリンダ201への給排用に二系統の継手部を備えた構造となっている。
さらに、このような加圧ピン200を設けた場合、ピン摺動孔204と加圧ピン200との隙間に溶湯が差込んで、加圧ピン200が作動不良を起こす場合があり、また、加圧シリンダ201が失陥する場合もある。この対策として、本実施の形態においては、ガイド孔205の周りに縦溝216を形成して、この縦溝216内に加圧シリンダ201のロッド208から軸径方向へ延ばした支持バー217を位置させ、この支持バー217に加圧シリンダ201のケーシング201a内を延ばした検知棒218の基端を支持させ、一方、スライドホルダ2には、前記検知棒218の先端を検出する近接スイッチ(センサ)219を設けている。
【0076】
このように構成した射出成形用金型においては、通常のダイカスト成形を行う際は、図26および図27に示すように、スライドコア1がクランプ手段202によりスライドホルダ2に剛結され、加圧シリンダ201には、スライドホルダ2側から管継手215を介して加圧シリンダ201への作動流体の給排が可能になる。そして、前記した型締め状態でキャビティ内に溶湯が充填され、凝固がわずかに進行した段階になると、加圧シリンダ201へ作動流体が供給されてそのロッド208が伸長動作し、これに応じて加圧ピン200が後退端から前進し、溶湯を局部的に加圧する。その後、凝固が適当に進んだ段階で、加圧シリンダ201へ作動流体が逆向きに供給されてそのロッド208が短縮動作し、これに応じて加圧ピン200が成形品から抜ける。この時、ロッド208の短縮動作に応じて検知棒218が戻り方向へ移動し、加圧ピン200が正常に戻った場合には、この検知棒218の先端が近接スイッチ219により検出される(ここでは、オフとなる)。一方、溶湯の差込み、加圧シリンダ201の失陥等で加圧ピン200の戻りが不十分となった場合は、近接スイッチ219がオン状態となり、作動不良が発生したことが分かる。
【0077】
一方、段替えに際しては、クランプ手段202のアクチュエータ212の作動により、そのT字形クランプ部材211がスライドコア1(スペーサブロック1B)のT字スロット210から離脱可能状態となり、これに続くシリンダ70(図2〜5)の作動によりスライドホルダ2がスライドコア1から離脱して、待機位置まで後退し、これと同時に管継手215も分離する。なお、専用部Aである固定側入子20、可動側入子50、押出し機構53の入子側機構56等の汎用部Bからの離脱は、前記したとおりであり、スライドコア1を含む専用部Aは一体となって、すなわち専用部集合体の形態で段替えされる。しかして、この時、加圧ピン200と加圧シリンダ201もスライドコア1と一体となって段替えされる。
【0078】
【発明の効果】
本発明によれば、スライドを専用部としてのスライドコアと汎用部としてのスライドホルダとに分割し、着脱機構により両者を簡単に着脱できるようにしたので、スライドコアを成形機に残したままで、スライドコアを迅速に段替えすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の成形用金型が用いられる成形機の概略を示す斜視図である。
【図2】本発明の成形用金型の実施の一形態を示す断面図である。
【図3】図2の状態から型閉じした状態を示す断面図である。
【図4】スライドホルダのショルダが固定主型の凹部の口縁部にわずかに嵌合した状態を説明するために示した断面図である。
【図5】図3の状態から専用部を一体化させて各汎用部から取り出した状態を示す断面図である。
【図6】固定側入子と固定側主型を着脱可能に保持する固定側クランパと、固定側入子と可動側入子を一体化させる一体化手段のボールロック機構との実施の一形態を示す部分断面図である。
【図7】図6のボールロック機構を拡大して示す部分断面図である。
【図8】図6の固定側クランパを拡大して示す部分断面図である。
【図9】図8の側面図である。
【図10】冷却チャンバが設けられた固定側入子と、固定側主型とが離脱された状態を示す説明図である。
【図11】図10の状態から固定側入子を固定側主型に保持させて、冷却チャンバの管と固定側主型の管とを着脱可能な管継手により接続した状態を示す説明図である。
【図12】専用部を構成するスライドコアと可動側入子および固定側入子(鎖線)と、これらの一体化機構の配置などを示す説明図である。
【図13】一体化機構の固定側入子とスライドコアの間に設けられた落下防止ピンと係合穴を示す一部断面図である。
【図14】スライドコア着脱機構のアクチュエータを拡大して示す一部断面図である。
【図15】スライドコアとスライドホルダを結合した状態を示す断面図である。
【図16】スライドコアにコアピンを保持するための留め手段の実施の一形態を示す部分断面図である。
【図17】スライドコアとスライドホルダの着脱可能な管継手を示す部分断面図である。
【図18】スライド用着脱機構の別の実施の形態を示す断面図であって、スライドコアがスライドホルダから離脱されると共に、可動側入子と一体化された段替え時の状態を示す説明図である。
【図19】可動側入子と一体化されたスライドコアを示す図18の側面図である。
【図20】図18の状態からスライドコアとスライドホルダを結合した通常の成形における型閉じ時の状態を示す説明図である。
【図21】図20の状態からスライドコアとスライドホルダを結合した通常の成形における型開き時の状態を示す説明図である。
【図22】スライド用着脱機構の、さらに別の実施の形態を示す断面図である。
【図23】図22に示したスライド用着脱機構の作動状態を示す断面図である。
【図24】スライド用着脱機構の、さらに別の実施の形態を示す断面図である。
【図25】スライド用着脱機構の、さらに別の実施の形態を示す断面図である。
【図26】圧力ピンを必要とする場合の実施の形態を示す断面図である。
【図27】圧力ピンを駆動する圧力シリンダの設置構造およびその周りの付帯構造を示す断面図である。
【符号の説明】
A 専用部
B 汎用部
1 スライドコア
2 スライドホルダ
3A〜3E スライド用着脱機構
4、4´ 一体化機構
70 アクチュエータ
75 Oリング(弾性リング)
77 ストッパ
86 T字スロット
87 T字形クランプ部材
89 シリンダ
90 ロータリアクチュエータ
131 被係合部材
132 ボール(係合部材)
133 アクチュエータ
167、173、180 サブクランプ手段
200 圧力ピン
201 加圧シリンダ
215 管継手
219 近接スイッチ(センサ)

Claims (4)

  1. キャビティを形成する専用部と共通化された汎用部とにより構成され、専用部を汎用部に着脱可能に保持してなる成形用金型であって、スライドを含むものにおいて、前記スライドを、専用部としてのスライドコアと汎用部としてのスライドホルダとから構成し、前記スライドコアと前記スライドホルダとの相互間に、両者を自動的に着脱可能とする着脱機構を配設し、前記着脱機構は、スライドコアとスライドホルダとをフローティング可能に結合する浮動式クランプ手段からなり、該浮動式クランプ手段が、スライドコアに設けられたT字スロットと、スライドホルダに設けられ、前記T字スロットに係合可能な先端部を有するT字形クランプ部材と、該T字形クランプ部材を直線移動および軸周りに回動させてその先端部を前記T字スロットに係脱させるアクチュエータとを備え、前記アクチュエータは、駆動ロッドを伸縮動させてT字形部材を直線移動させるシリンダと、該駆動ロッドを介して前記T字形部材を軸周りに回転させる回動機構とを備え、前記シリンダは、前記T字形クランプ部材を介してスライドコアの型開閉も行うものとなっていることを特徴とする成形用金型。
  2. スライドコアとスライドホルダとを、型開き時に剛結し型閉じ時に剛結解除するサブクランプ手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の成形用金型。
  3. キャビティを形成する専用部と共通化された汎用部とにより構成され、専用部を汎用部に着脱可能に保持してなる成形用金型であって、スライドを含むものにおいて、前記スライドを、専用部としてのスライドコアと汎用部としてのスライドホルダとから構成し、前記スライドコアと前記スライドホルダとの相互間に、両者を自動的に着脱可能とする着脱機構を配設し、前記着脱機構は、スライドコアとスライドホルダとをフローティング可能に結合する浮動式クランプ手段からなり、該浮動式クランプ手段が、スライドコアに設けられたT字スロットと、スライドホルダに設けられ、前記T字スロットに係合可能な先端部を有するT字形クランプ部材と、該T字形クランプ部材を直線移動および軸周りに回動させてその先端部を前記T字スロットに係脱させるアクチュエータとを備え、前記スライドコアと前記スライドホルダとを、型開き時に剛結し型閉じ時に剛結解除するサブクランプ手段をさらに備えていることを特徴とする成形用金型。
  4. キャビティを形成する専用部と共通化された汎用部とにより構成され、専用部を汎用部に着脱可能に保持してなる成形用金型であって、スライドを含むものにおいて、前記スライドを、専用部としてのスライドコアと汎用部としてのスライドホルダとから構成し、前記スライドコアと前記スライドホルダとの相互間に、両者を自動的に着脱可能とする着脱機構を配設し、前記着脱機構は、スライドコアとスライドホルダとをフローティング可能に結合する浮動式クランプ手段からなり、該浮動式クランプ手段が、スライドコアに設けられたT字スロットと、スライドホルダに設けられ、前記T字スロットに係合可能な先端部を有するT字形クランプ部材と、該T字形クランプ部材を直線移動および軸周りに回動させてその先端部を前記T字スロットに係脱させるアクチュエータとを備え、前記アクチュエータは、駆動ロッドを伸縮動させてT字形部材を直線移動させるシリンダと、該駆動ロッドを介して前記T字形部材を軸周りに回転させる回動機構とを備え、前記シリンダは、前記T字形クランプ部材を介してスライドコアの型開閉も行うものとなっており、さらに、前記スライドコアと前記スライドホルダとを、型開き時に剛結し型閉じ時に剛結解除するサブクランプ手段を備え、かつ前記スライドコアと前記スライドホルダとの相互間に弾性部材を介装すると共に、凹凸嵌合部を配設したことを特徴とする成形用金型。
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