JP2003200248A - 成形用金型およびその段替え方法 - Google Patents

成形用金型およびその段替え方法

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JP2003200248A
JP2003200248A JP2001395217A JP2001395217A JP2003200248A JP 2003200248 A JP2003200248 A JP 2003200248A JP 2001395217 A JP2001395217 A JP 2001395217A JP 2001395217 A JP2001395217 A JP 2001395217A JP 2003200248 A JP2003200248 A JP 2003200248A
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Yukio Hamada
幸雄 濱田
Masakatsu Kondo
正勝 近藤
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形用金型が固定金型と可動金型とスライド
コアとを備え、それぞれ、キャビティの一部を形成する
専用部と、共通化された汎用部と、各専用部と各汎用部
とを自動的に着脱可能とする着脱機構と、を有する場合
に、簡単な構成で、短時間で効率よく確実に汎用部を型
閉じできるよう整合させて段替えすることができる成形
用金型およびその段替え方法を提供する。 【解決手段】 本発明の成形用金型は、各汎用部Bを段
替えするときに、スライドコアのスライドホルダ2を固
定側主型21または可動側主型51に対して位置決めするス
トッパ機構Sと、固定側主型21と可動側主型51を、位置
決めされたスライドホルダ2とともに一体化させる一体
化機構と、を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形用金型および
その段替え方法に関し、さらに詳しくは、ダイカスト、
低圧鋳造、重力鋳造等の各種鋳造や、射出成形、ブロー
成形等、可塑化された成形材料をキャビティ内で所定形
状の成形品を成形するために用いられる成形用金型と、
その成形用金型を交換するための段替え方法に関するも
のである。
【0002】例えば、ダイカスト鋳造においては、高温
の溶湯が高速且つ高圧で金型内に充填されるため、金型
の損耗が激しく、その交換を頻繁に行う必要がある。ま
た、最近の生産ラインでは、鋳造、射出成形等の分野を
問わず多品種少量生産が一般化しており、これに伴って
金型を交換するサイクルが短くなっている。
【0003】そこで、近年では金型を構成する固定型お
よび可動型を、キャビティを形成する専用部と共通化さ
れた汎用部とにそれぞれ分割して構成し、専用部のみを
交換することが考えられている(例えば、特開平9‐706
53号公報、特開平9‐122871号公報、特開平1‐271213号
公報)。また、特開平6‐190531号公報には、汎用部を
成形機に残したままで、専用部の一部(中子)のみを交
換することが開示されている。当該公報においては、専
用部をその前面側からボルトにより汎用部に対して締結
している。そして、このように分割して構成された成形
用金型では、汎用部を段替えする必要がある場合もあ
る。
【0004】さらに、従来から使用されている一般的な
成形用金型では、短時間で効率よく安全に段替えを行う
ために、固定金型と可動金型とを一体化させて成形機の
内外の間を搬送することが行われている。このような成
形用金型では固定金型と可動金型との互いの衝合面に着
脱可能な一体化機構が設けられている。固定金型に対す
る可動金型の型開閉方向は一定であるため、両衝合面に
設けられた一体化機構は容易に整合し着脱される。
【0005】ところで、これら成形用金型のなかには、
成形品のアンダカット部を成形するために、固定型に対
する可動型の型開閉方向とは異なる方向に型開閉される
スライドを有するものがある。スライドは、一般に可動
金型の固定金型と対向する面に設けられており、その型
開閉を行うためのアクチュエータの作動部に対してボル
トなどによって結合されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記専
用部のみの交換を行う従来の段替え方法によれば、汎用
部に専用部を連結した状態で汎用部ごとに成形機から取
り外した後、これを成形機外に持ち出して専用部の交換
を行うようにしており、この場合は、成形機から汎用部
を着脱する面倒な作業が依然として残り、特にダイカス
ト成形用金型の場合は、型内を冷却するための複雑な冷
却管などの着脱も必要となって、トータルとしての段替
え時間が思うほど短縮されない、という問題があった。
また、例えば、シリンダブロックのような大型で複雑な
構造のダイカスト成形品を得ようとする場合は、スライ
ドコアを必要とするため、金型全体が大重量(例えば19
6kN(略20トン)程度)で且つ大寸法(例えば一辺が2m
程度)となり、上述したように成形機からの着脱が極め
て面倒になるばかりか、タイバーを固定盤と可動盤の間
で抜き差しすることも必要となり、段替え時間の短縮効
果は極めて少ない、という問題があった。
【0007】また、特開平6‐190531号公報に開示され
た従来の技術にあっては、専用部をその前面側からボル
トによって汎用部に対して締結しているため、前面にキ
ャビティを形成する専用部には適応することができず、
その上、スペースの限られた成形機内で締結作業を行わ
なければならず作業性が悪い、などの問題があった。
【0008】そして、従来の技術にあっては、いずれの
ものも、成形用金型がスライドを有する場合に、かかる
スライドを、キャビティを形成する専用部(スライドコ
ア)と共通化された汎用部(スライドホルダ)とに着脱
可能に分割構成したものはなかった。従来の技術では一
般に、固定プラテンに対する固定金型の取付け、および
可動プラテンに対する可動金型の取付けと同様に、スラ
イドとその型開閉を行うためのアクチュエータとを容易
に外れないようにボルトなどにより締結していた。した
がって、スライドを専用部と汎用部とに分割構成した場
合には、いかにして両者を着脱するかが問題となる。ま
た、スライドを有する成形用金型では、一般に、型閉じ
した際に型締をするために、スライドにショルダ部を設
けると共に、この対向する固定金型に、ショルダ部と係
合して型締力を発生させるように形成された傾斜を有す
る溝が設けられている。一方、固定金型に対する可動金
型の型開閉方向と、スライドの型開閉方向とは異なる。
スライドを専用部と汎用部とに分割構成した場合に、ス
ライドの汎用部に専用部が装着された状態では、その専
用部が可動金型に対して位置決めされることによって汎
用部も確実に位置決めされて、ショルダ部を溝と容易に
整合させて型閉じさせることができる。しかしながら、
専用部が離脱された状態の各汎用部を段替えするときに
は、型開閉方向が異なるスライドのショルダ部を固定金
型の溝に整合させ型閉じできるよう位置決めし移動しな
いように固定することが困難となる。
【0009】本発明は上述した問題に鑑みて成されたも
ので、成形用金型が固定金型と可動金型とスライドとを
備えてなり、該固定金型と可動金型とスライドとが、そ
れぞれ、キャビティの一部を形成する専用部と、共通化
された汎用部と、各専用部と各汎用部とを自動的に着脱
可能とする着脱機構と、を有する場合に、簡単な構成
で、短時間で効率よく確実に汎用部を型閉じできるよう
整合させて段替えすることができる成形用金型およびそ
の段替え方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の成形用金型に
係る発明は、上記課題を解決するためになされたもの
で、固定金型と可動金型とスライドとを備えてなり、該
固定金型と可動金型とスライドとが、それぞれ、キャビ
ティの一部を形成する専用部と、共通化された汎用部
と、各専用部と各汎用部とを自動的に着脱可能とする着
脱機構と、を有する成形用金型であって、各汎用部を段
替えするときに、スライドの汎用部を固定金型または可
動金型の汎用部に対して位置決めするストッパ機構を設
けたことを特徴とするとするものである。請求項2の成
形用金型は、上記課題を解決するためになされたもの
で、請求項1に記載の発明において、各汎用部を段替え
するときに、固定金型と可動金型の汎用部を、位置決め
されたスライドの汎用部とともに位置合わせして塊状に
する位置合わせ機構を設けたことを特徴とするものであ
る。また、請求項3の成形用金型の段替え方法に係る発
明は、上記課題を解決するためになされたもので、成形
用金型が、固定金型と可動金型とスライドとを備えてな
り、該固定金型と可動金型とスライドとが、それぞれ、
キャビティの一部を形成する専用部と、共通化された汎
用部と、各専用部と各汎用部とを自動的に着脱可能とす
る着脱機構と、を有しており、少なくともスライドの専
用部を離脱させた状態で各汎用部を段替えする方法であ
って、スライドの汎用部を固定金型または可動金型の汎
用部に対して位置決めし、固定金型と可動金型の汎用部
を、位置決めされたスライドの汎用部とともに位置合わ
せして塊状にすることを特徴とするものである。
【0011】請求項1の発明では、各汎用部を段替えす
るにあたり、各汎用部から各専用部の全部または一部が
離脱された状態、あるいは、各汎用部に各専用部の全部
または一部が保持された状態とされ、また、成形機は固
定プラテンから可動プラテンを離間させた型開きの状態
とされている。そして、各汎用部を段替えする際には、
各汎用部が整合される。このとき、可動金型の汎用部は
固定金型の汎用部に対する型開閉方向が一定であるた
め、可動金型の汎用部と固定金型の汎用部とは容易に整
合する。そして、スライドの汎用部は、ストッパ機構に
よって固定金型または可動金型の一方の汎用部に対して
位置決めされるために、可動金型または固定金型の他方
の汎用部に対しても容易に整合される。請求項2の発明
では、請求項1に記載の発明において、各汎用部を段替
えするときには、ストッパ機構によってスライドの汎用
部が位置決めされた状態で整合されている固定金型また
は可動金型の一方の汎用部と他方の汎用部とを位置合わ
せ機構により位置合わせして塊状にして成形機の内外の
間で搬送されて段替えが行われる。また、請求項3の発
明では、各汎用部を段替えするにあたり、各汎用部から
各専用部の全部または一部が離脱された状態、あるい
は、各汎用部に各専用部の全部または一部が保持された
状態とされ、また、成形機は固定プラテンから可動プラ
テンを離間させた型開きの状態とされている。着脱機構
により各専用部を各汎用部からそれぞれ離脱させた状態
としておく。そして、各汎用部を段替えする際には、各
汎用部を整合させる。このとき、可動金型の汎用部は固
定金型の汎用部に対する型開閉方向が一定であるため、
可動金型の汎用部と固定金型の汎用部とを容易に整合さ
せることができる。そして、ストッパ機構によって固定
金型または可動金型の一方の汎用部に対して位置決めさ
れるために、スライドの汎用部を可動金型または固定金
型の他方の汎用部に対しても容易に整合させて位置合わ
せして塊状にすることができる。その後、位置合わせし
て塊状にされた各汎用部を、成形機の内外の間で搬送し
て段替えを行う。
【0012】
【発明の実施の形態】最初に、本発明の成形用金型の実
施の一形態を図1〜図19に基づいて詳細に説明する。な
お、この実施の形態においては、ダイカスト成形用金型
の場合により説明するが、本発明はこの実施の形態に限
定されることなく、低圧鋳造、重力鋳造等の各種鋳造
や、射出成形、ブロー成形等、可塑化された成形材料を
キャビティ内で所定形状の成形品を成形するために用い
られる成形用金型に適用することができる。同一符号
は、同一部分または相当する部分を示すものとする。
【0013】本発明の成形用金型は、概略、固定金型9
と可動金型10とスライド11とを備えてなり、該固定金型
9と可動金型10とスライド11とが、それぞれ、キャビテ
ィの一部を形成する専用部A(固定側入子20、可動側入
子50、スライドコア1)と、共通化された汎用部B(固
定側主型21、可動側主型51、スライドホルダ2)と、各
専用部Aと汎用部Bとを自動的にそれぞれ着脱可能とす
る着脱機構(固定側クランパ22、可動側クランパ52、ス
ライドコア着脱機構3)と、を有している。そして、本
発明の成形用金型は、各汎用部Bを段替えするときに、
スライド11のスライドホルダ2を固定側主型21または
可動側主型51に対して位置決めするストッパ機構Sと、
固定側主型21と可動側主型51を、位置決めされたスライ
ドホルダ2とともに位置合わせして塊状にする位置合わ
せ機構Tと、を設けたものである。
【0014】図1に示すように、成形機は、固定プラテ
ン5と支持盤6との間に複数のタイバー7が設けられ、
可動プラテン8がタイバー7に摺動可能に挿通されてい
る。固定プラテン5と可動プラテン8との互いの対向面
には、固定金型9と可動金型10がそれぞれ取付けられ、
固定金型9と可動金型10との間には、スライドコア1と
スライドホルダ2とを備えてなるスライド11が配設され
る。また、可動金型10は、成形品を取り出すことができ
るよう突出す押出し機構53を備えている。支持盤6には
固定金型9に対して可動金型10を開閉すると共に型締を
行う型開閉手段12が設けられている。固定プラテン5の
成形材料導入部14には、成形材料としての溶湯を射出す
るための射出手段(図示は省略する)が連設されてい
る。そして、成形機は、その内部と外部の間で固定金型
9と可動金型10の専用部Aまたは汎用部Bを搬送・交換
する段替え装置13を備えている。すなわち、上記した固
定金型9、可動金型10、押出機構53およびスライド11の
それぞれは、キャビティを形成する専用部Aと共通化さ
れた汎用部Bとに分割されている。より詳しくは、固定
金型9は、専用部Aとしての固定側入子20と汎用部Bと
しての固定側主型21とから、可動型10は、専用部Aとし
ての可動側入子50と汎用部Bとしての可動側主型51とか
ら、押出し機構53は、汎用部Bとしての可動側主型51に
設けられる主型側機構55と、可動側入子50ごとに設けら
れる入子側機構56とから、スライド11は、専用部Aとし
てのスライドコア1と汎用部Bとしてのスライドホルダ
2とから、それぞれ構成されている。また、これら専用
部Aは、対応する汎用部Bに対して着脱機構3、22、52
により自動的に着脱されると共に、専用部A同士は、一
体化機構4により自動的に一体化されるように構成され
ている。このように構成した鋳造用金型は、汎用部Bを
マシンに残したまま、図4に参照されるように、専用部
Aを1つの集合体として段替えできるように構成されて
いる。
【0015】図1〜図4に示すように、固定金型9は、
キャビティの成形面を形成する専用部Aとしての固定側
入子20と、固定プラテン5に取付けられる共通化された
汎用部Bとしての固定側主型21と、固定側入子20を固定
側主型21に着脱可能に保持する着脱機構(以下、固定側
クランパという)22と、を備えてなる。固定側主型21の
可動金型10と対向する面の略中央には固定側入子20が嵌
合される凹部23が形成されており、その周囲には型閉じ
した際にスライドホルダ2のショルダ部(後述する)71
と係合して型締力を発生させる傾斜を有する溝24が形成
されている。この実施の形態における固定側クランパ22
は、図5に示すようにスロット25を有する被係合部26
と、被係合部26のスロット25に挿通可能な形状に且つ軸
周りに回転されることにより被係合部26に係合すること
ができるように形成された係合部材27と、この係合部材
27を伸長・退縮および軸周りに回転駆動するアクチュエ
ータ28と、を備えてなる。係合部材27は、先端部が略T
字形に形成されてなるもので、その基端部がアクチュエ
ータ28に連結されている(以下、係合部材27をT字形ク
ランプ部材27という)。アクチュエータ28は固定側主型
21に内蔵されている。
【0016】アクチュエータ28は、図8および図9に示
すように、T字形クランプ部材27を進退駆動するシリン
ダ29と、シリンダ29の駆動ロッドを軸周りに回転駆動す
るロータリアクチュエータ30とを組み合わせてなる。シ
リンダ29のピストン47に形成されている軸孔49には、前
記T字クランパー27の基端部が摺動可能に嵌挿されてい
る。T字クランパー27は、その基端部を前記軸孔49の一
端側に形成したテーパ部47aに嵌合させることにより、
ピストン47に対して図8の左方向(押込み方向)への移
動が規制されると共に、その基端にボルト止めした輪状
のストッパ板48を前記軸孔49の他端側に形成した段部49
bに当接させることにより、ピストン47に対して図8の
右方向(抜け方向)の移動が規制されている。すなわ
ち、T字クランパー27はピストン47に対して回動可能に
かつ相対移動不能に結合されている。また、上記T字ク
ランパー27の基端部には所定深さの軸穴34が形成されて
おり、この軸穴34内には、前記回動機構30からシリンダ
29内へ延ばされた回転軸64の延長端部が挿入されてい
る。この回転軸64の、シリンダ29内への延長端部は前記
輪状ストッパ板48の内歯35とスプライン外歯36を介して
結合されており、これにより、T字クランパー27は、回
転軸64に対して相対回転不能にかつ相対移動可能に連結
されている。
【0017】一方、上記ロータリアクチュエータ30は、
クランプ用シリンダ29に被蓋された厚肉の端板65内に配
設されている。端板65には、前記回転軸64を収容する凹
部66が形成されており、この凹部66の底部には、回転軸
64の軸方向中間部位に設けたフランジ64aを係止して該
回転軸64の、シリンダ29からの抜けを規制する押え板48
がボルト止めされている。また、この凹部66内におい
て、前記回転軸64の基端部にはピニオン31がキー67を用
いて回転不能に結合されており、このピニオン31には、
端板65に設けた半径方向溝69に摺動可能に配設されたラ
ック32が噛合わされている。ラック32は、端板64の外周
部に半径方向へ延ばして取付けたシリンダ33により直線
移動させられるようになっており、このラック32の直線
移動によりピニオン31を介して回転軸64を、したがって
T字クランパー27が左回転または右回転する。ラック32
は、端板65の半径方向溝69の底部に突設したストッパ78
に先端を当接させる位置が前進端、シリンダ33のロッド
の短縮端が後退端となっており、このラック32の進退動
に応じてT字クランパー27は90度だけ反転するように
なっている。なお、アクチュエータ28は、この実施の形
態に限定されることなく、図示は省略するが、例えばロ
ータリアクチュエータ30を、ピニオン31の駆動軸を回転
駆動する減速装置を有するモータや、ピニオン31に替え
てウオームギヤなどにより構成することもできる。ま
た、図6ではアクチュエータ28を単一で設けた場合を示
したが、複数のアクチュエータ28を設けることもでき
る。
【0018】さらに、大型の鋳造金型の場合は、型内冷
却を行うのが一般である。図10および図11は、型内冷却
を必要とする場合の本発明の実施の形態を示したもの
で、ここでは、専用部B内に形成した冷却チャンバ(冷
却路)37に冷却水をプールして冷却を行う、いわゆるプ
ール冷却タイプとしてその冷却系を構成している。両図
において、37aは、専用部Aとしての固定側入子20に形
成された前記冷却チャンバ37を密封する蓋板で、この蓋
板37aには、管継手45の一方の分割要素である一対のオ
ス型部材42が取付けられている。各オス型部材42には長
さの異なるノズル38,39の一端部が連結されており、各
ノズル38,39の他端部は、冷却チャンバ37内に所定の深
さとなるように差込まれている。一方、汎用部Bとして
の固定側主型21の凹部23の底部には、管継手45の他方の
分割要素である一対のメス型部材43が前記オス型部材42
と対向するように埋設されている。各メス型部材43に
は、固定側主型21内を通した冷却管(通水路)40,41の
一端部が連結されており、各冷却管40,41の他端部は固
定主型21の後方へ導出されている。管継手45を構成する
オス型部材42は、前記固定側クランパ22(図2〜5)に
よる、固定主型21に対する固定入子20のクランプに応じ
てメス型部材43に嵌入し、両者は一体化される。しかし
て、メス型部材43の口部側内面には環状のシール部材46
(図10)が嵌装されており、該シール部材46は、前記メ
ス型部材43に対するオス型部材42の嵌入に応じてオス型
部材42の外周面に密着し、これにより両部材42と43との
間は液密にシールされる。また、このシール部材46は、
メス型部材43に対するオス型部材42の嵌入に応じて弾性
変形することで、両部材42と43との位置ずれを吸収す
る。
【0019】上記した冷却系は、長いノズル38を有する
側が給水系、短いノズル39を有する側が排水系として用
いられるようになっており、冷却水はこの給水系から冷
却チャンバ37内に供給されて、冷却チャンバ37内に一旦
溜まった後、前記排水系を通して排出される。専用部A
の段替えに際しては、前記固定側クランパ22の作動によ
り固定側主型21から固定側入子20を切離した後、固定側
入子20を外側へ引出すと、メス型部材43からオス型部材
42が自動的に離脱し、したがって、固定側主型21側の冷
却管40,41を着脱する面倒な作業は不要になる。なお、
上記管継手45を構成するオス型部材42およびメス型部材
43は、その配置を逆、すなわちオス型部材42を汎用部B
(固定側主型21)に、メス型部材43を専用部A(固定側
入子20)にそれぞれ配置してもよい。また、この管継手
45の種類も任意であり、汎用部Bに対する専用部Aの着
脱に応じて自動的に着脱される構造であれば、どのよう
な種類のものであってもよい。また、オス型部材42とメ
ス型部材43との間をシールするシール部材46は両部材42
と43との端面合せ部に配置してもよく、この場合は、両
部材42と43とのより大きな位置ずれを吸収することがで
きる。さらに、上記実施の形態においては、固定金型9
に対する適用例として冷却系を説明したが、本冷却系
は、当然のこととして可動型10およびスライド11にも適
用できる。さらに、この冷却系は、前記プール冷却タイ
プとしての構成に代え、マニホールドから各冷却水路に
冷却水を分配するマニホールドタイプとして構成しても
よいものである。
【0020】固定側入子20を固定側主型21に保持させる
場合には、図5に示すように、固定側クランパ22のT字
形クランプ部材27を前進端に位置決めし、かつT字クラ
ンプ部材27のヘッド部27aが対応するスロット25に挿入
可能となるように回転方向に位置決めしておく。この状
態のもと、いま、固定側主型21の凹部23内に固定側入子
20を、後述する段替え装置13または型開閉手段12による
型開閉の動きにより押込むと、T字クランプ部材27のヘ
ッド部27aがスロット25内に入り込む。そして、型開閉
の動きにより固定側入子20が固定側主型21の凹部23内に
押込まれてその背面が凹部23の内底面に当接する段階、
すなわち図6に示す段階になると、アクチュエータ28の
クランプ用シリンダ29内の流体圧解放に続いてロータリ
アクチュエータ30が作動し、T字クランプ部材27が90
度回転してそのヘッド部27aが被係合部26に係合して固
定側入子20のスロット25内で抜け不能位置に回転する。
そして、その後はシリンダ29内への圧力流体の供給によ
りT字クランプ部材27が短縮側への圧力を受け、これに
より固定側入子20が固定側主型21に対してクランプされ
る。なお、前記したクランプに際しては、T字クランプ
部材27のヘッド部27aとスロット25の内面の被係合部26
との間に所定の間隙が存在しており、T字クランプ部材
27は摩擦抵抗をそれほど受けることなく円滑に回転す
る。また、固定側入子20を固定側主型21の凹部23から離
脱させる場合には、固定側クランパ22のアクチュエータ
28の駆動により、T字クランプ部材27を伸長駆動して固
定側入子20への引きつけ力を解除し、その伸長端でシリ
ンダ29の流体圧を解放してから、T字形クランプ部材27
を固定側入子20のスロット25に整合させるように軸周り
に90度回転させ、さらにT字クランプ部材27を伸長駆動
して固定側入子20を固定側主型21の凹部23から押出し、
T字形クランプ部材27をスロット25から抜くように固定
側入子20を可動金型10側に移動させる(図5を参照)。
【0021】一方、可動金型10は、図2〜図5に示すよ
うに、キャビティの成形面を形成する専用部Aとしての
可動側入子50と、可動プラテン8に取付けられる共通化
された汎用部Bとしての可動側主型51と、複数の可動側
入子50を可動側主型51に着脱可能に保持する可動側クラ
ンパ52と、成形品を取り出すことができるよう突出す押
出し機構53と、を備えている。図12に示すように、可動
金型10の可動側入子50は、略矩形に成形されてなるもの
で、この実施の形態の場合、その固定金型9側の面には
4つのスライドコア1をそれぞれ摺動可能に保持する凹
部54が、中央部から各辺に向かって略十文字状に4箇所
に形成されている。可動側クランパ52は、スロット25を
有する被係合部26と、被係合部26のスロット25に挿通可
能な形状に且つ軸周りに回転されることにより被係合部
26に係合することができるように形成された係合部材と
してのT字形クランプ部材27と、このT字形クランプ部
材27を伸長・退縮および軸周りに回転駆動するアクチュ
エータ28と、を備えてなるもので、固定側クランパ22と
実質的に同様の構成であるため、ここでは詳しい説明を
省略するが、この実施の形態の場合、図2〜図5に参照
されるように、この可動金型10側のクランパ52のシリン
ダ29は、上記固定金型9側のクランパ22シリンダ29より
もかなり大きなピストンストロークが得られるように長
尺に形成されており、これに応じて該シリンダ29内のピ
ストン47に作動連結されるT字クランプ部材27およびこ
のT字クランパー27内に設ける軸穴34も、固定金型9側
のT字クランプ部材27および軸穴34よりも長尺となって
いる。なお、可動型10側のクランプ用シリンダ29は、前
記したように長尺であるため、その一部が可動側主型51
に埋込まれている。固定側クランパ22および可動側クラ
ンパ52は、必要に応じて、固定金型9および可動金型10
にそれぞれ複数基設けることができる。後述するように
可動側主型51の凹部61に対して専用部集合体を移動させ
るために大きな力を必要とするため、この実施の形態に
おいては、4基の可動側クランパ52が同調して駆動され
るように設けられている。
【0022】押出し機構53は、共通化された主型側機構
55と、可動側入子50ごとに設けられる入子側機構56と、
により構成されている。図2〜図5に示すように、主型
側機構55は、可動側主型51に摺動可能に挿通された駆動
押し出しピン57と、この駆動押出しピン57が連結され
て、成形機に設けられたアクチュエータ(図示は省略す
る)により進退移動される主型側押出し板58と、を備え
てなる。また、入子側機構56は、可動側入子50のキャビ
ティ面から突出可能に挿通された押出しピン、この押出
しピン59が連結され主形機構55の駆動押出しピン57によ
って進退駆動される入子側押出し板60と、を備えてな
る。可動側主型51の略中央には、可動側入子50が嵌合保
持される凹部61が形成されており、さらにその底部略中
央には、可動側主型51の凹部54に可動側入子50が保持さ
れたときに入子側機構56を収容する空間62が形成されて
いる。また、可動側主型51の背面(固定金型9に対向す
る面と反対側の面)の略中央には、主型側機構55が収容
される空間63が形成されている。主型側機構55の駆動押
し出しピン57と入子側機構56の入子側押出し板60とは、
図示は省略するが、着脱機構によって着脱可能に連結さ
れる。
【0023】図2〜図5に示すように、スライド11は、
キャビティの成形面を形成する専用部Aとしてのスライ
ドコア1と、スライドコア1を型開閉駆動するためのア
クチュエータ70に設けられた汎用部Bとしてのスライド
ホルダ2と、スライドコア1とスライドホルダ2を自動
的に着脱可能とするスライドコア着脱機構3とを備えて
なる。この実施の形態では、スライドコア1、スライド
ホルダ2、スライドコア着脱機構3、およびアクチュエ
ータ70が、複数組(例えば、4組)で可動側主型周囲に
放射状に配設されている。
【0024】図15および図16に示すように、スライドコ
ア1には、これをを貫通する嵌挿孔73が形成されてお
り、この嵌挿孔73には鋳抜きピンなどのコアピン74が、
キャビティ内に突出するように嵌挿されている。そし
て、コアピン74の基端部には、スライドコア1の嵌挿孔
73との間に留め手段としてOリング75が介装されてい
る。このOリング75を介装した構成により、専用部Aを
汎用部Bから取り出したときに、コアピン74がスライド
コア1から不用意に抜け落ちることが防止される。な
お、スライドコア1を型開閉駆動するためのアクチュエ
ータ70の構成については後に詳しく説明する。
【0025】各スライドコア1の背面(キャビティ面と
は反対側の端面)には、バックプレート76が取付けられ
ている。図12に示すように、バックプレート76は、スラ
イドコア1から少なくとも幅方向に突出する大きさに成
形されている。このバックプレート76のスライドコア1
から突出した部分は、各スライドコア1を型閉じ(この
スライドコア1の型閉じは、固定金型9に対する可動金
型10の型開閉方向と交差する方向に行われる。)すると
きに、可動側入子50の外側面に当接されて、その嵌挿位
置を規制するストッパを構成している。可動側入子50に
対するスライドコア1の挿入端において、各スライドコ
ア1の先端部のテーパ面1aはほぼ密着する状態に合わ
され、これにより可動側入子50の凸状の成形部50aの周
りには環状のキャビティ100が形成されるようになる。
【0026】図15に示すように、各スライドコア着脱機
構3は、この実施の形態の場合、スロット85を有する被
係合部86と、被係合部86のスロット85に挿通可能な形状
に且つ軸周りに回転されることにより被係合部86に係合
することができるように形成された係合部材としてのT
字形クランプ部材87と、このT字形クランプ部材87を伸
長・退縮および軸周りに回転駆動するアクチュエータ
(後述する)と、を備えてなる。スライドコア1の背面
には、T字形クランプ部材87を収容するための空間88が
形成されている。また、バックプレート76の空間と対応
する位置には、T字形クランプ部材87を挿通するための
スロット85およびT字形クランプ部材87が係合される被
係合部86が形成されている。T字形クランプ部材87を駆
動するためのアクチュエータは、可動側主型51に設けら
れたスライドコア1を型開閉駆動するアクチュエータ70
(図14を参照)を共有している。
【0027】アクチュエータ70は、図14に示すように、
スライドコア1の型開閉方向に伸長・退縮駆動するシリ
ンダ89と、シリンダ89の駆動ロッド91を軸周りに回転駆
動するロータリアクチュエータ30とを組み合わせてな
る。シリンダ89は、可動側主型51に固設されている。ロ
ータリアクチュエータ30は、上述した固定側クランパ22
および可動側クランパ52に使用されているロータリアク
チュエータ30と同様に、図8および図9に参照されるよ
うに、シリンダ89の回転駆動ロッド91に相対的に摺動可
能に噛合されたピニオン31と、このピニオン31と噛合さ
れたラック32と、ラック32を駆動するシリンダ33と、を
備えた構成などとすることができる。図14に示すよう
に、シリンダ89の駆動ロッド91は、退縮駆動したときに
ピニオン31の回転駆動軸92を収容し得るように空間94が
形成されており、この空間94の開口部にはキー95が設け
られている。また、ピニオン31の駆動軸92には、シリン
ダ89の駆動ロッド91のキー95が噛合されるスプライン96
が成形されている。なお、ロータリアクチュエータ30
は、回転駆動軸92を回転駆動する減速装置を有するモー
タや、ピニオン31に替えてウオームギヤなどにより構成
することもできる。シリンダ89は、従来のスライドコア
を有する成形用金型において使用されていたものの駆動
ロッドを上述したように構成された駆動ロッド92に交換
してロータリアクチュエータ30を付加することにより、
そのまま使用することができる。
【0028】図2や図3などに示すように、各スライド
ホルダ2には、上述したように、固定金型9に対する可
動金型10の型開閉方向と交差する方向に型閉じおよび型
締を行って成形するときに、固定金型9の固定側主型21
に形成された溝24に係合されて型締力を発生させるショ
ルダ部71が形成されている。図18〜図21に示すように、
スライドホルダ2の型開閉方向に沿った両側面には、可
動側主型51に設けられたスライドキー131と摺動可能に
係合される段部130が形成され、さらに、ストッパ機構
Sとして、ショルダ部71の両側面にはストッパ部材132
が可動側主型51の当接部133に当接可能に設けられてい
る(後述する)。また、図15に示すように、各スライド
ホルダ2は、その型開閉方向に貫通する孔100が形成さ
れており、この孔100にT字形クランプ部材87の軸部が
挿通されて、アクチュエータ70のシリンダ89の駆動ロッ
ド91と連結されている。T字形クランプ部材87の軸部の
所定の位置には周方向に溝が形成されており、この溝に
はスライドホルダ2のアクチュエータ70側への移動を規
制する留め部材101が嵌合されている。図15に示すよう
に、スライドコア1に取付けられたバックプレート76と
スライドホルダ2との間には、弾性的に互いを離間させ
るように作用するコイルばねからなる弾性部材102が介
装されている。弾性部材102は、コイルばねに替えて、
板ばねなど他のばね部材や、スポンジ状の多孔質材など
も使用することができる。さらに、バックプレート76に
は凸部76aが形成され、スライドホルダ2には凸部76aが
嵌合される凹部2aが対応して形成されている。このよう
に構成することにより、スライドコア1は、スライドホ
ルダ2に対して位置決めされて安定した姿勢で弾性的に
支持されるため、可動側入子40の凹部54に対するスライ
ドコア1の円滑な挿入が可能になる。なお、本発明はこ
の実施の形態に限定されることなく、スライドコア1の
背面に空間88を形成するのに替えて、バックプレート76
を屈曲成形することによりT字形クランプ部材87を収容
するための空間88と共に凸部76aを形成し、この凸部76a
にスロット85および被係合部86を形成することもでき
る。いずれの場合でも、スライドコア1の背面にバック
プレート76を取付けることにより、T字形クランプ部材
を収容する空間88と、スロット85および被係合部86を容
易に形成することができる。スライドコア23は、固定金
型11に対して可動金型12を近接させて型閉じし型締を行
うときに、スライドホルダ22のショルダ部22aが固定側
主型15の溝24aに係合される。これにより、スライドコ
ア23は、そのバックプレート102とスライドホルダ24と
の間の隙間がなくなり、相互に密着して鋳造圧力に耐え
るように位置固定される。
【0029】さらに、図17に示すように、スライド11
は、固定金型9および可動金型10と同様に、スライドコ
ア1が、その内部に水などの冷却用媒体が供給循環され
る冷却チャンバまたは管路(図示を省略する)と、この
冷却チャンバなどに冷却用媒体を供給および排出するた
めの管78と、を必要に応じて備えており、また、スライ
ドホルダ2が、冷却用媒体を供給および排出するための
管79を必要に応じて備えている。そして、スライドコア
1がスライドホルダ2に結合されているときに、両管7
8、79を伸縮可能に接続し、スライドコア1とスライド
ホルダ2の離脱に伴って両管の接続を解除するための管
継手80、81が対で対応するように設けられている。な
お、図17では、一組の管78、79および管継手80、81しか
示していない。しかしながら、実際には、冷却用媒体を
供給および排出するために、同じように構成された二組
以上の管78、79および管継手80、が設けられることに注
意されたい。
【0030】この実施の形態におけるスライドコア着脱
機構3の構成は、固定金型9および可動金型10における
固定側クランパ22および可動側クランパ52の構成と似て
いる。しかしながら、スライドコア着脱機構3は、汎用
部Bとしてのスライドホルダ2にT字形クランプ部材87
の軸部が挿通されているに過ぎず、固定側および可動側
クランパ22、52のようにスライドホルダ2に対してスラ
イドコア1を引きつけるようにT字形クランプ部材87を
作用させることはない。図15に示すように、この実施の
形態におけるT字形クランプ部材87の先端と留め部材10
1との間の長さは、スライドコア1に形成された空間88
内で先端がフローティングしている状態、すなわち、ス
ライドホルダ2の高さよりも大きくスライドコア1の型
開閉方向に隙間が形成される状態となるように設定され
ている。そして、上述したように、スライドコア1のバ
ックプレート76と留め部材101によって移動が規制され
ているスライドホルダ2との間には弾性部材102が介装
されている。したがって、T字形クランプ部材87は、バ
ックプレート76の被係合部86に常に係合されておらず、
スライドコア1のバックプレート76のスロット85に挿通
されているときであっても、軸周りに回動することが可
能となっている。また、スライドコア1は、スライドホ
ルダ2に対して浮動可能ではあるものの、遊動すること
なく安定した姿勢で保持される。なお、スライドコア1
は、固定金型9に対して可動金型10を近接させて型閉じ
し型締を行うときに、スライドホルダ2のショルダ部71
が固定側主型21の溝24に係合される。これにより、スラ
イドコア1は、そのバックプレート76とスライドホルダ
2との間の隙間がなくなり、スライドホルダ2に押圧さ
れて型締される。
【0031】このように構成されたスライドコア着脱機
構3では、通常のダイカスト成形を行うにあたり、型閉
じをする場合には、アクチュエータ70を伸長駆動するこ
とにより、スライドコア1のバックプレート76の突出し
たストッパ77(図12参照)が可動側入子50の外側面に当
接されて、その嵌挿位置を規制されるまで、可動側入子
50の凹部54内でスライドコア1が前進される。また、ダ
イカスト成形が完了して型開きをする場合には、アクチ
ュエータ70を退縮駆動することにより、スライドコア1
のバックプレート76に形成された被係合部86にT字形ク
ランプ部材87が係合されるため、スライドホルダ2と共
にスライドコア1が可動側入子50の凹部54内で後退移動
される。このスライドコア1が進退移動するときには、
これに結合されたスライドホルダ2は、その段部130が
スライドキー131に係合された状態で摺動するため、固
定金型10に対してスライドホルダ2が安定して移動す
る。そして、スライドコア1の型開閉時には、スライド
コア1とスライドホルダ2との間の隙間に弾性部材102
が介装され、しかも、バックプレート76に形成された凸
部76aがスライドホルダ2に形成された凹部2aに嵌合さ
れていることによって、スライドホルダ2に対してスラ
イドコア1を安定した姿勢に保つことができる構成を実
現化させることができる。
【0032】一方、スライドコア1を含む専用部Aの段
替えを行うにあたり、スライドコア1をスライドホルダ
2から離脱させる場合には、アクチュエータ70の駆動に
よってT字形クランプ部材87をバックプレート76に形成
されたスロット85に合わせるように軸周りに90度回転さ
せてから、T字形クランプ部材87を軸方向に退縮駆動し
てその先端をスロット85から抜く。また、スライドコア
1をスライドホルダ2に結合させる場合には、T字形ク
ランプ部材87をバックプレート76に形成されたスロット
85に合わせた状態でアクチュエータ70を伸長駆動して、
その先端をバックプレート76のスロット85に挿入して空
間88に位置させ、その後、アクチュエータ70の駆動によ
ってT字形クランプ部材87をバックプレート76の被係合
部に係合し得るように軸周りに90度回転させる。T字形
クランプ部材87とバックプレート76の被係合部86との間
に隙間Mが生じているため、T字形クランプ部材87は、
摩擦抵抗を受けることなくロータリアクチュエータ40の
駆動によって円滑に回転する。このように、本実施の形
態におけるスライドコア着脱機構3では、スライドコア
1に設けられたスロット85を有する被係合部86と、被係
合部86のスロット85に挿通可能な形状に且つ軸周りに回
転されることにより被係合部86に係合することができる
ように形成されたT字形クランプ部材87と、このT字形
クランプ部材87を伸長・退縮および軸周りに回転駆動す
るアクチュエータ70と、を備えてなることにより、簡単
な構成で迅速にスライドコア1をスライドホルダ2に対
して自動的に着脱して段替えをすることができる構成を
実現化させることができる。そしてアクチュエータ70
が、段替え時におけるスライドコア1とスライドホルダ
2の着脱のみならず、各スライドコア1の型開閉も行う
ことができる構成を実現化させることができる。
【0033】このように、本発明の成形用金型では、ス
ライド11をスライドコア1とその汎用部Bであるスライ
ドホルダ2とに分割して構成した場合に、スライドコア
着脱機構3によって、スライドホルダ2を成形機に残し
たままでそこからスライドコア1を自動的に迅速に離脱
させて成形機外へと搬出することができ、また、成形機
外でスライドコア1を交換した後に再び成形機内でスラ
イドホルダ2に自動的に迅速に装着することができる。
そして、スライドホルダ2は、可動側主型51のスライド
キー131に係合されているため、スライドコア1が離脱さ
れた状態であっても、可動側主型51から飛び出ることな
く保持されて、安定して進退移動することができる。
【0034】さらに、この実施の形態の成形用金型は、
汎用部Bから専用部Aを離脱させて着脱する際に、スラ
イドコア1を含む専用部Aを一体化する一体化機構4を
備えている。以下に一体化機構4について、主に図6と
図7および図12と図13に基づいて説明する。一体化機構
4は、図12に示すように、固定側入子20と可動側入子50
の間に設けられたボールロック機構110と、固定側入子2
0とスライドコア1の間に設けられた落下防止ピン111お
よびこの落下防止ピン111が係合される係合穴112とによ
り構成されている。図12に示すように、ボールロック機
構110は固定側入子20と可動側入子50とが相対向する角
隅部の対角線上に配設され、落下防止ピン111は各スラ
イドコア1の幅方向に2箇所設けられ、係合穴112は固
定側入子20の対応する位置にそれぞれ設けられる。図7
に示すように、ボールロック機構110は、固定側入子20
に挿通されたロックピン114と、ロックピン114に形成さ
れた拡径部113と、拡径部113によって径方向外側に押し
付けられる複数のボール115と、可動側入子50に形成さ
れた係合穴116とを備えており、係合穴116の内周面には
ボール115が係合される環状凹部117が形成されてなる。
固定側入子20の対角線上の角隅部であって、可動金型10
と反対側には、図7に示すように、ロックピン114のヘ
ッドを収容することができる径の有底穴118が形成され
ている。ロックピン114のヘッドと有底穴118の底との間
にはコイルばね119が介装されており、ロックピン114は
そのヘッドが反可動金型側に突出するように付勢されて
いる。また、固定側入子20の可動金型10側にはガイドブ
ッシュ120が設けられており、ガイドブッシュ120の先端
にロックピン114の拡径部113が摺動可能に収容されてい
る。そして、ガイドブッシュ120の先端にはボール115を
飛び出させないように保持し、且つボール115を環状凹
部117に係合させることができるように突出させること
ができる大きさの穴121が、ボール115の数に応じて形成
されている。
【0035】通常のダイカスト成形を行う場合には、固
定側主型21の凹部23に固定側入子20が嵌合されている。
かかる状態では、ロックピン114は、そのヘッドが凹部2
3の底面に衝合されて、コイルばね119の付勢力に抗して
可動金型10側に移動されており、拡径部113がボール115
を外側に押し付けるような作用は発生しない。そのた
め、ダイカスト成形を行うために固定金型9に対して可
動金型10を衝合させて型閉じした状態では、固定側入子
20と可動側入子50は、ボールロック機構110によって連
結されることはない。一方、専用部Aの段替えを行う場
合には、固定側入子20と可動側入子50を衝合させるよう
に固定金型9と可動金型10とを型閉じさせる。これによ
り、図12に示すように、スライドコア1に設けられた落
下防止ピン111が固定側入子50の係合穴112に嵌合され
て、スライドコア1が固定側入子20に保持されるため、
後に専用部Aを成形機外に取り出したときにスライドコ
ア1が落下することが防止される。また、これと同時
に、図6に示すように、可動側入子50の係合穴116には
ガイドブッシュ120が嵌合される。その後、上述したよ
うに、アクチュエータ28のシリンダ29を伸長駆動してT
字形クランプ部材27の引きつけ力を解除し、スロットを
通過できるようにロータリアクチュエータ30を駆動して
T字形クランプ部材27を軸周りに回動し、次いで、シリ
ンダ29をさらに伸長駆動してT字形クランプ部材27によ
り固定側入子20を固定側主型21の凹部23から押出す、す
なわち、凹部23の底面から固定側入子20を離間させた状
態とする。これにより、コイルばね119の付勢によって
ロックピン114が可動金型10と反対側に移動され、拡径
部113がボール115を外側に押し付けて係合穴116の環状
凹部117に係合させるように作用する。そのため、スラ
イドコア1を保持している固定側入子20と可動側入子50
とが一体に連結されることとなる。
【0036】次に、本発明の成形用金型に適用されるス
トッパ機構Sの実施の一形態を、図18〜図21に基づいて
説明する。なお、この実施の形態においては、上述した
ようにスライド11が可動金型10側に設けられている場合
により説明するが、本発明はこの実施の形態に限定され
ることなく、スライド11を固定金型9側に設ける場合に
も適用することができる。ストッパ機構Sは、可動側主
型51に設けられた当接部133と、スライドホルダ2に設
けられたストッパ部材132とにより構成されている。図1
8に示すように、可動側主型51には、スライド11が設け
られるのと対応して、それぞれ一対の支持部134が形成
されている。各支持部134の間にスライド11のスライド
ホルダ2およびアクチュエータ70が配設される。各支持
部134の対向する側にはスライドキー131がスライドホル
ダ2の進退方向と平行に設けられており、このスライド
キー131にスライドホルダ2の段部130が摺動可能に係合
される。そして、可動側主型51の固定金型9と対向する
面には、型閉じした際に固定金型9の溝24と係合して位
置決めするためのロケート部135がスライドホルダ2の
ショルダ部71と同様に突出するように形成されており、
このロケート部135のスライドホルダ2と隣接する部分
に、ショルダ部71の両側面に設けられたストッパ部材13
2が当接される当接部133が形成されている。なお、スト
ッパ部材132と当接部133との相対的な位置は、スライド
ホルダ2の型締を阻害しないように設定されている。そ
のため、このように構成されたストッパ機構Sでは、通
常のダイカスト成形を行うにあたり、固定金型9に対し
て可動金型10を型閉じし所定の圧力で型締した際に、ス
トッパ部材132が当接部133に当接することはない。さら
に、この実施の形態では、汎用部Bとしての固定側主型
21、可動側主型51、およびスライドホルダ2を段替えす
るときに、衝合され型合わせされることによりこれらの
汎用部Bを位置合わせして塊状にするための位置合わせ
機構Tを備えている。図22および図23に示すように、位
置合わせ機構Tは、固定側主型15と可動側主型17との互
いの対向面に位置合わせガイドピン穴136とガイドピン
穴136と位置決めピン137とを対応してそれぞれ設けるこ
とによって構成することができる。位置合わせ機構T
は、この実施の形態に限定されることなく、固定側主型
21にガイドピン穴136を形成し、可動側主型51にガイド
ピン137を設けることもでき、また、たとえば、図7に
示したようなボールロック機構110を採用することもで
きる。
【0037】通常のダイカスト成形を行う状態では、図
2に示すように、固定側入子20が固定側クランパ22によ
って固定側主型21の凹部23に保持されており、可動側入
子50が可動側クランパ52によって可動側主型51の凹部54
に保持されており、スライドコア1がスライドコア着脱
機構3によってスライドホルダ2に保持されている。
【0038】この状態から専用部Aを構成する固定側入
子20、可動側入子50、およびスライドコア1の段替えを
行うときには、最初に、図3に示すように、型開閉手段
12の駆動により固定プラテン5に対して可動プラテン8
を近接させると共にアクチュエータ70を伸長駆動して、
図3に示すように、固定金型9と可動金型10およびスラ
イド11を型閉じする。これにより、固定側入子20に設け
られた係合穴112にスライドコア1に設けられた落下防
止ピン111が係合されると共に、ボールロック機構110の
可動側入子50の係合穴116にガイドブッシュ120が嵌合さ
れる。そして、この型閉じ状態のもと、先ず固定金型9
側の固定側クランパ32のクランプ用シリンダ29の流体圧
を解放し、続いてロータリアクチュエータ30の作動によ
りそのT字クランプ部材27を90度反転させる。また、
これと同時にスライド11側については、アクチュエータ
70のシリンダ89の流体圧を解放し、さらにそのロータリ
アクチュエータ30を作動させてT字クランプ部材87を90
度反転させる。次に、クランプ用シリンダ29に流体圧を
加えてT字クランプ部材27を伸長させ、これにタイミン
グを合せて固定型9に対して可動型10を可動プラテン3
と一体に型開き動作させる。この時、T字クランプ部材
27を型開き速度よりも大きな速度で伸長させるようし、
この速度差により、固定側入子20が可動側入子50に密着
する状態を維持しながら固定側入子20が固定側主型21の
凹部23の底面からわずか浮上する。この結果、一体化機
構4としてのボールロック機構110のコイルばね119の付
勢によってロックピン114が後退し、そのボール115が可
動側入子50側の環状凹部117に係合して固定側入子20と
可動側入子50とは連結状態(ロック状態)となる。ま
た、この時、固定型9の冷却系は、その管継手45を構成
するメス型部材43からオス型部材42が自動的に離脱する
ことで、固定側主型21側と固定側入子20側とに自動的に
分離される(図10)。また、固定側入子20にコアピン74
が存在する場合(図16)、Oリング75の抵抗によりコア
ピン74はそのまま固定側入子20内に留まる。可動主型10
は、その後も型開き動作を継続するが、前記固定金型9
のT字クランプ部材27がスロット25の開口と整合してい
ることから、T字クランプ部材27はスロット25から円滑
に抜け、これにより固定側入子20と、可動側入子50と、
スライドコア1、スライドホルダ2およびアクチュエー
タ70を含むスライド14とが一体となって元の型開き位置
まで後退する。
【0039】次に、スライドコア着脱機構3のアクチュ
エータ70のスライド用シリンダ89が作動し、そのT字ク
ランプ部材87がスライドコア1のT字スロット85(図1
5)から離脱可能状態となり、これに続くシリンダ89の
駆動ロッド91の短縮によりスライドホルダ2がスライド
コア1から離脱して、待機位置まで後退する。この時、
ボールロック機構110によって固定側入子20と可動側入
子50とが一体一体に連結されており、しかも、スライド
コア1は、前記係合穴112に対する落下防止ピン111の係
合によって固定主型16に対して抜止めされているので
(図13)、専用部Aである固定側入子20、可動側入子5
0、押出し機構53の入子側機構56、スライドコア1は一
体となって、すなわち専用部集合体の形態で可動側主型
51に残される。次いで、型開閉手段12を駆動して固定プ
ラテン5から可動プラテン8を離間させることにより、
一体化された状態で可動側主型51に残された専用部Aを
所定の位置まで移動させる。その後、図4に参照される
ように、固定側主型21と可動側主型51との間に段替え装
置13が移動される。
【0040】その後、前記可動型12側のクランプ装置32
内のシリンダ40の流体圧が解放され、続いて回動機構42
の作動によりT字クランパー34が90度反転し、その
後、シリンダ40の作動によりT字クランパー34が伸長す
る。すると、上記専用部集合体が可動側主型17の凹部61
から所定距離だけ押出される。そして、図4に示すよう
に、専用部集合体を可動主型17から完全に離脱させて段
替え装置13に受け渡し、これにて旧品としての専用部A
の、汎用部Bからの取外しは終了する。なお、この時、
可動金型10およびスライド11側の冷却系は、前記固定金
型9側と同様に汎用部Bと専用部Aとの間で分離され、
また、コアきピン74は、専用部Aに留まる。その後、専
用部集合体は、段替え装置13によって成形機外に同時に
自動的に搬出される。そして、段替え装置13では、交換
するための固定側入子20とスライドコア1と可動側入子
50とを一体化させた状態で用意しており、これらの専用
部集合体を入れ替えて成形機内の汎用部Bである固定側
主型21とスライドホルダ2および可動側主型51との間に
同時に自動的に搬送し位置決めする。
【0041】固定側主型21とスライドホルダ2および可
動側主型51との間に位置決めされた専用部集合体は、段
替え装置13によって、可動側主型51の凹部61内にその
途中まで押込まれる。この凹部61内では、可動側クラン
パ52のT字クランプ部材27が伸長状態でかつ90度反転
状態(アンクランプ状態)で待機しており、T字クラン
プ部材27のヘッド部27aが可動側入子50のスロット25内
に入り込む。可動側クランパ52は、その後、ロータリア
クチュエータ30の作動によりそのT字クランプ部材27を
90度反転させ、続いてクランプ用シリンダ29の作動に
よりT字クランプ部材27を短縮させる(クランプ動
作)。すると、専用部集合体が可動側主型51の凹部61の
底部側へ引込まれ、可動側入子50を含めた専用部集合体
が可動側主型51に固定される。この時、専用部集合体の
大部分は、比較的深く設定された、可動側主型51の凹部
61内に収納されているので、固定側主型21と可動側主型
51との間の間隔が広くなるため、段替え装置13は、旧品
としての専用部集合体と新品としての専用部集合体とを
干渉させることなく、円滑にマシン外へ搬出される。換
言すれば、段替えに際して、標準以上に型開きする必要
がなく、したがってマシンに対する設計変更は不要とな
る。ここで、専用部集合体が可動側主型51の凹部61の底
部側へ引込まれると、押出手段13の入子側機構56と主方
側機構55が連結される。また、これと前後して、スライ
ド用シリンダ89の作動によりスライドホルダ2と一体に
T字クランプ部材87が前進し、T字クランプ部材87のヘ
ッド部87aがスライドコア1のスロット85に入り込む。
また、これと前後して、固定側主型21と可動側主型51と
の間から段替え装置13が退避移動される。
【0042】その後、可動プラテン8の移動すなわち型
閉じ動作により、可動側主型51に固定されていた専用部
集合体が固定側主型21へ向けて移動する。この時、図5
に示したように、スライドホルダ2のショルダ部71が固
定側主型21の凹部23の口縁部にわずか嵌合した段階で、
一旦型閉じ動作を停止し、これと同時に可動金型10側の
クランパ52のクランプ力を緩めると共に、スライド用シ
リンダ89の流体圧を解放する。すると、スライド用シリ
ンダ89の流体圧解放により下側に位置するスライドホル
ダ2がわずかに下降するが、その先端部であるショルダ
部71が前記固定側主型21の凹部23の口縁部に支承されて
いるために、大きく下降することはない。次に、型閉じ
動作を再開すると、専用部集合体が固定側主型21の凹部
24内に次第に押込まれるが、前記したクランプ力の緩和
により可動側主型51に緩めに固定されていることから、
スライドホルダ2および専用部集合体は、固定側主型21
の内面に倣いながら円滑に押込まれる。この時、固定金
型9側のクランパ22は、そのT字クランプ部材27を前進
端に位置決めしてそのクランプ用シリンダ29の流体圧を
解放し、かつT字クランプ部材27のヘッド部27aを固定
側入子20に設けたスロット25に挿入可能となるように位
置決めしており、前記押込みに応じてT字クランプ部材
27のヘッド部27aがスロット25内に入り込む。そして、
型閉じ完了により、固定型9側のクランプパ22および可
動金型10側のクランパ52のロータリアクチュエータ30が
それぞれ作動して各T字クランプ部材27が90度反転し、
これにより固定側入子20および可動側入子50が固定側主
型21および可動側主型51に対してそれぞれ強固にクラン
プされる。また、これと同時にスライド11側のロータリ
アクチュエータ30が作動してT字クランプ部材87が90度
反転し、スライドコア1がスライドホルダ2に対して抜け
止めされる。
【0043】そして、上記固定側主型21に対する固定側
入子20の装着完了により、固定側入子20と可動側入子50
とを連結していたボールロック機構110が自動的にアン
ロック動作し、その後は、可動プラテン8の移動により
固定金型9に対して可動金型10を型開きさせ、これにて
汎用部Bに対する専用部Aの段替えは終了する。
【0044】このように、専用部の段替えでは、スライ
ドホルダ2を成形機に残したままでそこからスライドコ
ア1を自動的に迅速に離脱させて成形機外へと搬出する
ことができ、また、成形機外でスライドコア1を交換し
た後に再び成形機内でスライドホルダ2に自動的に迅速
に装着することができる。そして、本発明の成形用金型
の段替え方法では、さらに、スライドコア1を含む専用
部A(固定側入子20、可動側入子50)を一体化させた状
態で汎用部B(固定側主型21、可動側主型51、スライド
ホルダ2)に対して成形機内で着脱するため、スライド
ホルダ2から自動的に離脱されたスライドコア1を、他
の専用部Aである固定側入子20と可動側入子50と共に一
体化させて成形機外へと同時に搬出することができ、ま
た、成形機外で一体化された専用部Aを交換した後に再
び成形機内に同時に搬入してその専用部Aに含まれるス
ライドコア1をスライドホルダ2に自動的に迅速に装着
することができる。
【0045】次に、本発明の成形用金型の段替え方法
を、上述したように構成された成形用金型を用いる場合
によって、図22および図23に基づいて詳細に説明する。
本発明の成形用金型の段替え方法は、概略、成形用金型
が、固定金型9と可動金型10とスライド11とを備えてな
り、この固定金型9と可動金型10とスライド11とが、そ
れぞれ、キャビティの一部を形成する専用部Aとしての
固定側入子20、可動側入子50、およびスライドコア1
と、共通化された汎用部Bとしての固定側主型21、可動
側主型51、およびスライドホルダ2と、各専用部Aと汎
用部Bとを自動的に着脱可能とする着脱機構としての固
定側クランパ22、可動側クランパ52、およびスライドコ
ア着脱機構3と、を有しており、各専用部Aを離脱させ
た状態で汎用部Bを段替えする方法であって、スライド
コアホルダ2を固定側主型21または可動側主型51に対し
て位置決めし、固定側主型21と可動側主型51を、位置決
めされたスライドホルダ2とともに位置決めし塊状にし
て成形機の内外で搬送して交換するものである。
【0046】汎用部Bを段替えするにあたり、この実施
の形態の場合では上述したように汎用部Bを成形機に残
して専用部Aを一体化させて全て離脱させた状態として
おく。そして、最初に、アクチュエータ70を駆動して待
機位置まで後退していたT字クランプ部材87を伸長駆動
してスライドホルダ2のストッパ部材132を当接部133に
当接させる。スライドホルダ2の背面は留め部材101に当
接されている。そのため、スライドホルダ2は、型開閉
方向の移動が規制されて保持される。さらに、スライド
ホルダ2は、その段部130が可動側主型51のスライドキ
ー131に係合されているため、可動側主型51から固定金
型9側に向かって離れるように移動することなく保持さ
れる。そして、図22に示すように、型開閉手段12の駆動
によって、スライドホルダ2が位置決めされた可動側主
型51を固定側主型21に近接移動させて衝合させると、ガ
イドピン137がガイドピン穴136に嵌挿されて、スライド
ホルダ2が位置決めされた可動側主型51と固定側主型21
とが位置合わせ機構Tによって位置合わせされた状態で
塊状にされる。その後、図23に示すように、固定側主型
21を固定プラテン5から離脱させ、型開閉手段12の駆動
によって可動プラテン8を後退移動させて固定側主型21
と塊状にされた状態の可動側主型51を固定プラテン5か
ら引き離す。続いて、可動側主型51を可動プラテン8か
ら離脱し、型開閉手段12の駆動によって可動プラテン8
をさらに後退移動させて、固定側主型21と可動側主型51
とをスライドホルダ2およびアクチュエータ70と共に塊
状にされた状態で同時に成形機の内部から外部へ搬送し
交換する。交換される新たな汎用部Bは、塊状にされた
状態で成形機の外部に用意されており、この状態で段替
え装置13により成形機の外部から内部へと同時に搬入さ
れ、固定プラテン5と可動プラテン8との間の所定の位
置に位置決めされる。そして、型開閉手段12の駆動によ
って可動プラテン8を新たな汎用部Bに近接・衝合させ
て、可動プラテン8に可動側主型51を取付け保持させ
る。次いで、さらに型開閉手段12の駆動によって可動プ
ラテン8を固定プラテン5に近接させて、新たな汎用部
Bの固定側主型21を固定プラテン5に衝合させて取付け
保持させる。次いで、型開閉手段12の駆動によって可動
プラテン8を固定プラテン5から離間させるように開く
と、ガイドピン137がガイドピン穴136から抜け出て、ス
ライドホルダ2が位置決めされた可動側主型51と固定側
主型21とに分かれて汎用部Bの段替えが完了することと
なる。
【0047】このように、本発明の成形用金型の段替え
方法では、固定金型9、可動金型10、およびスライド11
をそれぞれ専用部Aと汎用部Bとに分割して構成し、専
用部Aを離脱させた状態で汎用部Bを段替えする場合
に、スライド11の汎用部Bであるスライドホルダ2を可
動側主型51に確実に保持して固定側主型21と一体化させ
て段替えを迅速に自動で段替えすることができる。な
お、本発明は上述した実施の形態に限定されることな
く、専用部Aの一部をその汎用部Bに残した状態で汎用
部Bの段替えを行うこともできる。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、成形用金型が固定金型
と可動金型とスライドコアとを備えてなり、該固定金型
と可動金型とスライドコアとが、それぞれ、キャビティ
の一部を形成する専用部と、共通化された汎用部と、各
専用部と各汎用部とを自動的に着脱可能とする着脱機構
と、を有する場合に、簡単な構成で、短時間で効率よく
確実に汎用部を型閉じできるよう整合させて段替えする
ことができる成形用金型およびその段替え方法を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の成形用金型が用いられる成形機の概略
を示す斜視図である。
【図2】本発明の成形用金型の実施の一形態を正面から
見た要部断面である。
【図3】図2の状態から型閉じした状態を示す断面図で
ある。
【図4】図3の状態から専用部を一体化させて各汎用部
から取り出した状態を示す断面図である。
【図5】スライドホルダのショルダが固定主型の凹部の
口縁部にわずかに嵌合した状態を説明するために示した
断面図である。
【図6】固定側入子と固定側主型を着脱可能に保持する
固定側クランパと、固定側入子と可動側入子を一体化さ
せる一体化手段のボールロック機構との実施の一形態を
示す部分断面図である。
【図7】図6のボールロック機構を拡大して示す部分断
面図である。
【図8】図6の固定側クランパを拡大して示す部分断面
図である。
【図9】図8の側面図である。
【図10】冷却チャンバが設けられた固定側入子と、固
定側主型とが離脱された状態を示す説明図である。
【図11】図10の状態から固定側入子を固定側主型に保
持させて、冷却チャンバの管と固定側主型の管とを着脱
可能な管継手により接続した状態を示す説明図である。
【図12】専用部を構成するスライドコアと可動側入子
および固定側入子(鎖線)と、これらの一体化機構の配
置などを示す説明図である。
【図13】一体化機構の固定側入子とスライドコアの間
に設けられた落下防止ピンと係合穴を示す一部断面図で
ある。
【図14】スライドコア着脱機構のアクチュエータを拡
大して示す一部断面図である。
【図15】スライドコアとスライドホルダを結合した状
態を示す断面図である。
【図16】スライドコアにコアピンを保持するための留
め手段の実施の一形態を示す部分断面図である。
【図17】スライドコアとスライドホルダの着脱可能な
管継手を示す部分断面図である。
【図18】可動側主型とスライドホルダの正面から見た
状態を示す説明図である。
【図19】可動側主型に支持されたスライドホルダを拡
大して示す部分拡大図である。
【図20】図19の横断面図である。
【図21】図19の縦断面図である。
【図22】専用部を離脱させた状態で、固定側主型とス
ライドホルダが位置決めされた可動側主型を衝合させて
一体化させた状態を示す説明図である。
【図23】図21の状態から固定側主型を固定プラテンか
ら離脱させて可動プラテンを後退移動させた状態を示す
説明図である
【符号の説明】
A 専用部 B 汎用部 1 スライドコア 2 スライドホルダ(スライドコアの汎用部) 3 スライドコア着脱機構 9 固定金型 10 可動金型 11 スライドコア 20 固定側入子(固定金型の専用部) 21 固定側主型(固定金型の汎用部) 22 固定側クランパ(固定金型の着脱機構) 50 可動側入子(可動金型の専用部) 51 可動側主型(可動金型の汎用部) 52 可動側クランパ(可動金型の着脱機構) S ストッパ機構 132 ストッパ部材 133 当接部 T 汎用部の位置合わせ機構 136 ガイドピン穴 137 ガイドピン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B22C 9/10 B22C 9/10 R S B29C 33/30 B29C 33/30 45/26 45/26 45/33 45/33 Fターム(参考) 4E093 NA01 NA02 NB01 NB02 NB07 4F202 AM15 CA11 CB01 CK42 CK52 CR06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定金型と可動金型とスライドとを備え
    てなり、該固定金型と可動金型とスライドとが、それぞ
    れ、キャビティの一部を形成する専用部と、共通化され
    た汎用部と、各専用部と各汎用部とを自動的に着脱可能
    とする着脱機構と、を有する成形用金型であって、 各汎用部を段替えするときに、スライドの汎用部を固定
    金型または可動金型の汎用部に対して位置決めするスト
    ッパ機構を設けたことを特徴とする成形用金型。
  2. 【請求項2】 各汎用部を段替えするときに、固定金型
    と可動金型の汎用部を、位置決めされたスライドの汎用
    部とともに位置合わせして塊状にする位置合わせ機構を
    設けたことを特徴とする請求項1に記載の成形用金型。
  3. 【請求項3】成形用金型が、固定金型と可動金型とスラ
    イドとを備えてなり、該固定金型と可動金型とスライド
    とが、それぞれ、キャビティの一部を形成する専用部
    と、共通化された汎用部と、各専用部と各汎用部とを自
    動的に着脱可能とする着脱機構と、を有しており、少な
    くともスライドの専用部を離脱させた状態で各汎用部を
    段替えする方法であって、 スライドの汎用部を固定金型または可動金型の汎用部に
    対して位置決めし、 固定金型と可動金型の汎用部を、位置決めされたスライ
    ドの汎用部とともに位置合わせして塊状にすることを特
    徴とする成形用金型の段替え方法。
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