JP4107987B2 - 成形用金型およびその段替え方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダイカスト、低圧鋳造、重力鋳造等の各種鋳造や、射出成形、ブロー成形等に用いられる成形用金型、特に、異なる方向に移動される複数のスライドを備えた成形用金型とその段替え方法とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、ダイカスト鋳造においては、高温の溶湯が高速且つ高圧で金型内に充填されるため、金型の損耗が激しく、その交換を頻繁に行う必要がある。また、最近の生産ラインでは、鋳造、射出成形等の分野を問わず多品種少量生産が一般化しており、これに伴って金型を交換するサイクルが短くなっている。
【0003】
そこで、近年では金型を構成する固定型および可動型を、キャビティを形成する入子部と共通化された主型部とにそれぞれ分割して構成し、入子部のみを交換することが考えられている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3等)。
また、特許文献4には、主型部を成形機に残したままで、入子部の一部(中子)のみを交換することが開示されている。当該公報においては、入子部をその前面側からボルトにより主型部に対して締結している。
【0004】
ところで、これら成形用金型のなかには、成形品のアンダカット部を成形するために、固定型に対する可動型の型開閉方向とは異なる方向に型開閉されるスライドを有するものがある。そして従来、このスライドは、その型開閉を行うためのアクチュエータにボルトなどによって結合されていた。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−70653号公報
【特許文献2】
特開平9−122871号公報
【特許文献3】
特開平1−271213号公報
【特許文献4】
特開平6−190531号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1〜3に記載のもののように、入子部のみの交換を行う従来の段替え方法によれば、主型部に入子部を連結した状態で主型部ごとに成形機から取り外した後、これを成形機外に持ち出して入子部の交換を行うようにしており、この場合は、成形機から主型部を着脱する面倒な作業が依然として残り、特にダイカスト成形用金型の場合は、型内を冷却するための複雑な冷却管の着脱も必要となって、トータルとしての段替え時間が思うほど短縮されない、という問題があった。また、シリンダブロックのような大型で複雑な構造のダイカスト成形品を得ようとする場合は、スライドを必要とするため、金型全体が大重量(例えば、196kN(略20トン)程度)で且つ大寸法(例えば、一辺が2m程度)となり、上述したように成形機からの着脱が極めて面倒になるばかりか、タイバーを固定盤と可動盤の間で抜き差しすることも必要となり、段替え時間の短縮効果は極めて少ない、という問題があった。
【0007】
また、特許文献4に開示された従来の技術にあっては、入子部をその前面側からボルトによって主型部に対して締結しているため、前面にキャビティを形成する入子部には適応することができず、その上、スペースの限られた成形機内で締結作業を行わなければならず作業性が悪い、などの問題があった。
【0008】
そして、従来の技術にあっては、いずれのものも、成形用金型がスライドを有する場合に、かかるスライドを、キャビティを形成する入子部と共通化された主型部とに着脱可能に分割して構成したものはなかった。そして、従来の技術では一般に、固定プラテンに対する固定金型の取付けおよび可動プラテンに対する可動金型の取付けと同様に、スライドとその型開閉を行うためのアクチュエータとを容易に外れないようにボルトなどにより締結している。したがって、スライドを入子部と主型部とに分割構成した場合に、いかにして両者を着脱するかが重要な課題となる。さらに、V形エンジンのシリンダブロックのような構造のダイカスト成形品を得ようとする場合は、固定金型または可動金型の外側に配設されて型開閉方向と略直交する方向に移動するスライド(以下、このスライドを便宜上「アウタスライド」と称する)だけでなく、固定金型または可動金型内に配設されてシリンダボアを形成するためにシリンダの軸方向と平行に移動するスライダ(以下、このスライドを便宜上「バンクスライド」と称する)を必要とすることとなる。このように、アウタスライドとバンクスライドを必要とする成形用金型の場合には、特に、両スライドの主型部であるスライドホルダと入子部であるスライドコアとをいかに容易に且つ短時間で着脱して段替えを行うかが重要な課題となる。
【0009】
本発明は上述した問題に鑑みて成されたもので、成形用金型がアウタスライドとバンクスライドなど、成形品の形状に応じてキャビティを形成することができ、しかも、簡単な構成で、各スライドを含めて入子部と主型部とに分割して構成し、共通化された主型部を成形機に残したままで、キャビティを形成する入子部だけを容易に且つ迅速に段替えすることができる成形用金型とその段替え方法とを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の成形用金型に係る発明は、上記課題を解決するため、相対的に近接・遠退移動されることにより開閉される一対の金型と、該金型の型開閉方向と交差する方向に移動されるスライドを備えてなり、前記一対の金型とスライドがそれぞれキャビティを形成する入子部と共通化された主型部とにより構成され、入子部を主型部に着脱可能に保持してなる成形用金型であって、前記スライドを型開閉方向と交差する方向に対してそれぞれ異なる方向に移動するように複数設け、各スライドが、入子部としてのスライドコアと、主型部としてのスライドホルダとを有しており、各スライドに、そのスライドコアとスライドホルダとをそれぞれ着脱可能に保持する着脱機構を設けたことを特徴とするものである。
請求項1の発明では、型開閉方向と交差する方向に対してそれぞれ異なる方向に移動するように複数のスライドが設けられていることにより、成形品の形状に応じたキャビティが形成される。そして、各スライドは、それぞれ着脱機構によってスライドコアがスライドホルダに対して着脱可能に保持され、他の入子部と共に段替えされる。
請求項2の成形用金型に係る発明は、上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明において、スライドコアとスライドホルダとの着脱に応じて、スライドコアと該スライドコア以外の他の入子部とを自動的に結合・離脱させる結合機構を設けたことを特徴とするものである。
請求項2の発明では、請求項1に記載の発明において、結合機構がスライドコアとこのスライドコア以外の他の入子部とをスライドコアとスライドホルダとの着脱に応じて自動的に確実に結合・離脱させる。
請求項3の成形用金型に係る発明は、上記課題を解決するため、請求項2に記載の発明において、結合機構を、着脱機構の動作と連動してそのスライドコアと該スライドコア以外の他の入子部とを自動的に結合させるように構成したことを特徴とするものである。
請求項3の発明では、請求項2に記載の発明において、結合機構のスライドコアとこのスライドコア以外の他の入子部とを自動的に結合させるための作動は、着脱機構によるスライドコアのスライドホルダからの離脱動作と連動して適切に行われ、しかも、構成が簡単となる。
請求項4の成形用金型に係る発明は、上記課題を解決するため、請求項2に記載の発明において、結合機構を、他のスライドの移動動作と連動してスライドコアと該スライドコア以外の他の入子部とを自動的に結合させるように構成したことを特徴とするものである。
請求項4の発明では、請求項2に記載の発明において、結合機構のスライドコアとこのスライドコア以外の他の入子部とを自動的に結合させるための作動は、他のスライドの移動動作と連動して適切に行われ、しかも構成が簡単となる。
【0011】
また、請求項5の成形用金型の段替え方法に係る発明は、上記目的を達成するため、相対的に近接・遠退移動されることにより開閉される一対の金型と、該金型の型開閉方向と交差し且つそれぞれが異なる方向に移動される複数のスライドを備えてなり、前記一対の金型とスライドがそれぞれキャビティを形成する入子部と共通化された主型部とにより構成され、入子部を主型部に着脱可能に保持してなり、各スライドが、入子部としてのスライドコアと主型部としてのスライドホルダとから構成されてなる成形用金型の段替え方法であって、各スライドのスライドコアをスライドホルダから離脱させて、該スライドコア以外の入子部と自動的に結合して入子部を一体とし、該一体となった入子部を主型部に対して段替えすることを特徴とするものである。
請求項5の発明では、入子部としての各スライドコアをそれぞれ主型部としてのスライドホルダからそれぞれ離脱させたときに、そのスライドコアとこのスライドコア以外の他の入子部とを自動的に結合して一体として、段替え時に各スライドホルダを成形機に残したままで、各スライドコアのみを他の入子部と一体で段替えする。
【0012】
【発明の実施の形態】
最初に、本発明の成形用金型の実施の形態を図1〜図11に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態においては、V形エンジンのシリンダブロックを成形するためのダイカスト成形用金型の場合により説明するが、本発明はこの実施の形態に限定されることなく、他のダイカスト成形品を成形するためのダイカスト成形用金型、あるいは、低圧鋳造、重力鋳造等の各種鋳造や、射出成形、ブロー成形等を行う各種成形用金型に適用することができる。同一符号は、同一部分または相当する部分を示すものとする。
【0013】
本発明の成形用金型は、概略、成形機のプラテン5、8間に取付けられて相対的に近接・遠退移動されることにより開閉される固定金型9および可動金型10と、型開閉方向に対して交差し且つそれぞれが異なる方向に移動される複数のスライド15、16とを備えてなるもので、固定金型9、可動金型10、および各スライド15、16がキャビティCを形成する入子部Aと共通化された主型部Bとにより構成されており、各入子部Aが対応する主型部Bにそれぞれ着脱可能に保持されている。この実施の形態におけるスライドは、固定金型9または可動金型10(図では可動金型10)の外方に配設されて型開閉方向と略直交する方向に移動されるアウタスライド15と、固定金型9または可動金型10(図では可動金型10)の内部に配設されてV形エンジンのシリンダと平行な方向(すなわち、型開閉方向とアウタスライド15の移動方向のと間の所定角度の方向)に移動されるバンクスライド16と、により構成されている。各スライド15、16には、その入子部Aとしてのスライドコア15A,16Aと主型部Bとしてのスライドホルダ15B,16Bとをそれぞれ着脱する着脱機構62、82が設けられている。
さらに、本発明の成形用金型は、固定金型9または可動金型10(図では可動金型10)の内部に配設されたバンクスライド16のバンクスライドコア16Aをそのスライドホルダ16Bから離脱させたときに、バンクスライドコア16Aと、バンクスライド16が配設されている固定金型9または可動金型10の入子部A(図では可動金型10の可動側入子50)、あるいは、アウタスライド15のアウタスライドコア15A)とを自動的に結合・解放する結合機構17が設けられている。
【0014】
図1に示すように、成形機は、固定プラテン5と支持盤6との間に複数のタイバー7が設けられ、可動プラテン8がタイバー7に摺動可能に挿通されている。固定プラテン5と可動プラテン8との互いの対向面には、固定金型9と可動金型10がそれぞれ取付けられ、支持盤6には固定金型9に対して可動金型10を開閉すると共に型締めを行う型開閉手段12が設けられている。固定プラテン5の成形材料導入部14には、溶湯を射出するための射出手段が連設されている。そして、成形機は、その内部と外部の間で固定金型9と可動金型10の入子部Aまたは主型部Bを搬送・交換する段替え装置13を備えている。
【0015】
図2〜4や図10に示すように、固定金型9は、キャビティCの成形面を形成する入子部Aとしての固定側入子20と、固定プラテン5に取付けられる共通化された主型部Bとしての固定側主型21と、固定側入子20を固定側主型21に着脱可能に保持する着脱機構(以下、固定側クランパという)22と、を備えてなる。
固定側主型21の可動金型10と対向する面の略中央には固定側入子20が嵌合される凹部23が形成されており、その周囲には型閉じした際にアウタスライドホルダ15Bのショルダ部71(後述する)と係合して型締力を発生させる傾斜を有する溝24が形成されている。
【0016】
一方、可動金型10は、図2〜図4に示すように、キャビティCの成形面を形成する入子部Aとしての可動側入子50と、可動プラテン8に取付けられる共通化された主型部Bとしての可動側主型51と、複数の可動側入子50を可動側主型51に着脱可能に保持するクランパ(以下、可動側クランパという)52と、成形品を取り出すことができるよう突出す押出し機構53と、を備えている。可動側主型51の固定金型9と対向する面の略中央には可動側入子50が嵌合される凹部61が形成されている。
可動側クランパ52は、この実施の形態の場合、固定側クランパ22と基本的な構成は同様であるため、ここでは詳しい説明を省略するが、図2〜図4に参照されるように、縦スロット25aと横スロット25bとからなるT字スロット26と、T字スロット26と係合可能なヘッド部27aを有するT字形クランプ部材27と、このT字形クランプ部材27を伸長・退縮および軸周りに回転駆動するアクチュエータ28とを備えてなるもので、アクチュエータ28は、図10に参照されるように、T字形クランプ部材27を進退駆動するシリンダ29と、シリンダ29の駆動ロッドを軸周りに回転駆動するロータリアクチュエータ30とを組み合わせてなる。この可動金型10側のクランパ52のシリンダ29は、上記固定金型9側のクランパ22のシリンダ29よりもかなり大きなピストンストロークが得られるように長尺に形成されており、これに応じて該シリンダ29内のピストンに作動連結されるT字形クランプ部材27およびこのT字形クランプ部材27を軸方向に駆動するためのシリンダ29も、固定金型9側のT字形クランプ部材27およびシリンダ29よりも長尺となっている。可動側クランパ52は、固定側クランパ22と同様に、必要に応じて、可動金型10に複数基設けることができる。後述するように可動側主型51の凹部61に対して入子部Aの集合体を移動させるために大きな力を必要とするため、この実施の形態においては、4基の可動側クランパ52が同調して駆動されるように設けられている。
押出し機構53は、図4に参照されるように、可動側主型51に設けられる共通化された主型側押出し機構機構と、可動側入子50ごとに設けられる入子側押出し機構とにより構成されてなり、この主型側押出し機構と入子側押出し機構とは互いに着脱可能となっている。
可動金型10の可動側入子50の固定金型9側の面には、この実施の形態の場合、図8に示すように、4つのアウタスライドコア15Aをそれぞれ摺動可能に保持する凹部54が、中央部から各辺に向かって略十文字状に4箇所に形成されている。
【0017】
アウタスライド15は、入子部となるアウタスライドコア15Aと、主型部となるアウタスライドホルダ15Bと、アウタスライドコア15Aを型開閉方向と略直交する方向に移動させるためのアクチュエータ69(後述する)と、アウタスライドコア15Aとアウタスライドホルダ15Bとを着脱する着脱機構62と、を備えてなる。この実施の形態においては、4つのアウタスライド15が可動金型10の可動側主型51の周囲に放射状に配設されている。そして、アウタスライドコア15Aは、図8に示すように、可動側入子50の放射状に形成された凹部54に摺動可能に挿入されている。なお、アウタスライドホルダ15Bは、その背面を可動側主型51の前面に摺接させた状態で、固定金型9に対する可動金型10の型開閉方向と略直交する方向へ摺動案内されるようになっている。アクチュエータ69を伸長駆動すると、各アウタスライドコア15Aの先端部のテーパ面72が互いに密着する状態に衝合される。
【0018】
アウタスライド15の着脱機構62は、この実施の形態の場合、縦スロット65aと横スロット65bとからなるT字スロット66と、T字スロット66に係合可能なヘッド部67aを有するT字形クランプ部材67(図6および図7を参照)と、このT字形クランプ部材67を軸方向に伸長・退縮および軸周りに回転駆動するアクチュエータ70とを備えており、T字スロット66は、アウタスライドコア15Aの基端部に形成されている。
アクチュエータ70は、アウタスライドコア15Aの型開閉方向に伸長・退縮駆動するシリンダ69と、シリンダ69の駆動ロッドを軸周りに回転駆動するロータリアクチュエータ30とを組み合わせてなる。アクチュエータ70は、可動側主型51の周囲に固設されている。着脱機構62のT字形クランプ部材67を軸方向に駆動するためのアクチュエータ70のシリンダ69は、アウタスライドコア15Aを型開閉方向と略直交する方向に移動させるアクチュエータとしても機能する。そのため、符号69は、場合によってシリンダとアクチュエータに付される。
図2〜図4に示すように、各アウタスライドホルダ15Bには、上述したように、固定金型9に対する可動金型10の型開閉方向と略直交する方向に移動されて型閉じおよび型締を行って成形するときに、固定金型9の固定側主型21に形成された溝24に係合されて型締力を発生させるショルダ部71が形成されている。また、各アウタスライドホルダ15Bは、その型開閉方向に貫通する孔100が形成されており、この孔100にT字形クランプ部材67の軸部が挿通されて、アクチュエータ70のシリンダ69の駆動ロッドと連結されている。T字形クランプ部材67の軸部の所定の位置にはアウタスライドホルダ15Bのアクチュエータ70側への移動を規制する留め部材が設けられており、アウタスライドホルダ15Bには、アクチュエータ70による型開閉方向の移動をガイドすると共に、アウタスライドコア15Aが離脱されたときにアウタスライドホルダ15Bを位置決めするするためのストッパが設けられている。
この実施の形態におけるアウタスライド15の着脱機構62の構成は、固定金型9および可動金型10における固定側クランパ22および可動側クランパ52の構成と似ている。しかしながら、アウタスライド15の着脱機構62は、主型部Bとしてのアウタスライドホルダ15BにT字形クランプ部材67の軸部が挿通されているに過ぎず、固定側および可動側クランパ22、52のようにアウタスライドホルダ15Bに対してアウタスライドコア15Aを引きつけるようにT字形クランプ部材67を作用させることはない。この実施の形態におけるT字形クランプ部材67のヘッド部67aの先端と上述した留め部材との間の長さは、アウタスライドコア15Aに形成されたT字スロット66内で先端がフローティングしている状態、すなわち、アウタスライドホルダ15Bの長ささよりも長くアウタスライドコア15Aの型開閉方向に隙間が形成される状態となるように設定されている。したがって、T字形クランプ部材67は、T字スロット66に常には係合されておらず隙間が生じており、アウタスライドコア15AのT字スロット66に挿通されているときであっても、軸周りに回動することが可能となっている。また、アウタスライドコア15Aは、アウタスライドホルダ15Bに対して浮動可能ではあるものの、遊動することなく安定した姿勢で保持される。なお、アウタスライドコア15Aは、固定金型9に対して可動金型10を近接させて型閉じし、型締を行うのに応じて、アウタスライドホルダ15Bのショルダ部71が固定側主型21の溝24に係合される。これにより、アウタスライドコア15Aとアウタスライドホルダ15Bとは、相互に密着して鋳造圧力に耐えるように位置固定される。
【0019】
一方、バンクスライド16は、V形エンジンのシリンダボア部を形成するための入子部となるバンクスライドコア16Aと、主型部となるバンクスライドホルダ16Bと、バンクスライドコア16Aを固定金型9に対する可動金型10の型開閉方向に対して傾斜する方向に移動させるためのアクチュエータ89(後述する)と、バンクスライドコア16Aとバンクスライドホルダ16Bとを着脱する着脱機構82と、成形時に鋳造荷重が付与されるバンクスライド16を支持してバックアップするためのバックアップ機構83と、を備えている。さらに、この実施の形態においては、バンクスライド16が可動金型10の可動側入子50に形成された孔部84に配設されており、結合機構17が、着脱機構82によってバンクスライドコア16Aをバンクスライドホルダ16Bから離脱させたときにそのバンクスライドコア16Aを他の入子部である可動金型10の可動側入子50と自動的に結合するとともに、バンクスライドコア16Aをバンクスライドホルダ16Bに結合させたときにアクチュエータ89の駆動によってV形エンジンのバンクに沿って移動させることができるようにそのバンクスライドコア16Aを可動側入子50から自動的に解放するよう構成されている。
【0020】
可動側入子50の孔部84は、V形エンジンのシリンダのバンクに応じて固体金型9に対する可動金型10の型開閉方向と交差し且つアウタスライド15の移動方向と異なる方向に貫通して形成されている。
バンクスライドコア16Aは、その固定金型9側の先端の外径が成形するV形エンジンのシリンダボア部の径に応じて設定されている。また、孔部84の内面とバンクスライドコア16Aの外面は、アクチュエータ89の駆動によって前進移動されたときにその軸方向に関して所定の位置にバンクスライドコア16Aが位置決めされるように、段部が互いに対応して形成されている。そして、固定金型9、可動金型10、アウタスライド15、およびバンクスライド16の形状は、それぞれ前進させて型閉じ・型締した際に、V形エンジンのシリンダブロックを形成するための所定形状のキャビティCを形成するよう設定されている。
【0021】
バンクスライド16の着脱機構82は、この実施の形態の場合、縦スロット85aと横スロット85bとからなるT字スロット86と、T字スロット86に係合可能なヘッド部87aを有するT字形クランプ部材87と、このT字形クランプ部材87を軸方向に伸長・退縮および軸周りに回転駆動するアクチュエータ90とを備えてなる。アクチュエータ90は、伸長・退縮駆動することによりバンクスライドコア15Aを孔部84の軸方向に移動させるシリンダ89と、シリンダ89の駆動ロッドを軸周りに回転駆動するロータリアクチュエータ30とを組み合わせてなる。T字スロット86は、バンクスライドコア15Aの基端部に形成されており、T字形クランプ部材87は、シリンダ89の駆動ロッドに接続されている。着脱機構82のT字形クランプ部材87を軸方向に駆動するためのアクチュエータ90のシリンダ89は、バンクスライドコア16Aを孔部84の軸方向に移動させるアクチュエータとしても機能する。そのため、符号89は、場合によってシリンダとアクチュエータに付される。
図5に示すように、各バンクスライドホルダ16Bは、その移動方向に貫通する孔91が形成されており、この孔91にT字形クランプ部材87の軸部が挿通されて、アクチュエータ90のシリンダ89の駆動ロッドと連結されている。
バックアップ機構83は、バンクスライドホルダ16Bの後方面に形成されたカム面92と、カム面92と対応して係合可能な傾斜面が形成されたクサビ部材93と、クサビ部材93をバンクスライドホルダ16Bに対して係合・退避させるように移動させるアクチュエータ94と、を備えてなる。クサビ部材93は、可動主型51に摺動可能に設けられている。
【0022】
通常の成形時には、アクチュエータ94が伸長駆動されてクサビ部材93が前進し、また、アクチュエータ90のロータリアクチュエータ30によってT字形クランプ部材87のヘッド部87aがT字スロット86に対して係合可能となるよう回転されると共に、シリンダ89が退縮駆動されている。そのため、T字形クランプ部材87に係合されたバンクスライドコア16Aは、バンクスライドホルダ16Bおよびクサビ部材93を介して可動側主型51によってバックアップされた状態となる。そして、成形が完了して型開きし成形品を取り出すときには、アクチュエータ94が退縮駆動されてクサビ部材93を退避するよう後退移動させた状態で、シリンダ89を退縮駆動することにより成形品からバンクスライドコア16Aを引き抜く。
一方、段替え時にバンクスライドコア16Aをバンクスライドホルダ16Bから離脱させる場合には、最初にわずかにシリンダ89を伸長駆動してT字形クランプ部材87のヘッド部87aによるT字スロット86の引き付けを開放し、T字形クランプ部材87のヘッド部87aをT字スロット86から抜き出すことが可能な位相にロータリーアクチュエータ30の駆動によって軸回りに回転させ、シリンダ89を退縮駆動してバンクスライドコア16AのT字スロット86からT字形クランプ部材87を引き抜く。そして、バンクスライドコア16Aをバンクスライドホルダ16Bに取付ける場合には、シリンダ89を伸長駆動して取付けるバンクスライドコア16AのT字スロット86にT字形クランプ部材87のヘッド部87aを挿入させ、T字形クランプ部材87のヘッド部87aをT字スロット86に対して係合させることが可能な位相にロータリーアクチュエータ30の駆動によって軸回りに回転させ、その後、アクチュエータ94の伸長駆動によってクサビ部材93を前進させバンクスライドホルダ16Bをクサビ部材93によってバックアップ可能とした状態として、シリンダ89を退縮駆動してT字形クランプ部材87をバンクスライドコア16AのT字スロット86に係合させて引き付ける。これにより、T字形クランプ部材87に係合されたバンクスライドコア16Aは、バンクスライドホルダ16Bを介してクサビ部材93によってバックアップされた状態で固定される。
【0023】
図6に示した実施の形態における結合機構17は、ボールロック機構130によって構成されている。ボールロック機構130は、バンクスライドコア16Aの移動方向と平行に形成された有底孔131と、この有底孔131に嵌挿されたピン132と、有底孔131に連設された孔133に保持されたボール134と、ピン132に形成されて軸方向に移動することによりボール134をバンクスライドコア16Aから突出し・退避可能に作動させることができるように径が変化するテーパ部135と、可動側入子50に形成されてバンクスライドコア16Aから突出されたボール134が嵌合される凹部136と、バンクスライドコア16Aをバンクスライドホルダ16Bから離脱させたときに、バンクスライドコア16Aからバンクスライドホルダ16Bに向かってピン132を突出させてテーパ部135によってボール134を突出させて凹部136に係合させるとともに(図6の中心線から下方を参照)、バンクスライドコア16Aをバンクスライドホルダ16Bに装着したときに、ボール134が凹部136から離脱してテーパ部に退避させることを許容するように(図6の中心線から上方を参照)、有底孔131に収容されたピン132を付勢する弾性部材137と、を備えてなる。有底孔131とピン132には、衝合することにより弾性部材137による付勢に抗してバンクスライドホルダ16Bに向かって突出するピン132を規制する段部131a、132aが、互いに対応するように形成されている。また、ピン132は段部132aを形成するために小径部132bと大径部132cにより構成されており、大径部132cを部分的に切削加工を施すなどして小径とすることにより、テーパ部135が形成されている。バンクスライドコア16Aをバンクスライドホルダ16Bから離脱させたときには、弾性体137によって付勢されて大径部132cが有低穴131の段部131aに衝合されることにより、ピン132がバンクスライドコア16Aから所定量突き出て、テーパ部135によってボール134がバンクスライドコア16Aの孔133から突出されて凹部136に係合し、バンクスライドコア16Aが可動側入子50と一体に結合されることとなる。また、バンクスライドコア16Aをバンクスライドホルダ16Bに装着したときには、バンクスライドホルダ16Bによってピン132が有底孔131内に収容されて、ボール134が凹部136から離脱してテーパ部135の小径の部分に退避し、バンクスライドコア16Aがバンクスライドホルダ16Bと共に可動側入子50に対して移動することができる。すなわち、この実施の形態における結合機構17は、段替え時におけるバンクスライド16の着脱機構82の動作と連動してバンクスライドコア16Aがこのスライドコア16A以外の他の入子部である可動側入子50と自動的に結合されるよう構成されている。
【0024】
図7は、結合機構17の別の実施の形態を示したものである。この実施の形態における結合機構17は、アウタスライドコア15Aの先端とバンクスライドコア16Aとの間に設けられた係合機構140により構成されている。この実施の形態では、アウタスライドコア15Aの先端に係合凸部141が形成され、可動側入子50に摺動可能に支持されたバンクスライドコア16Aの側部に係合凹部142が形成されている。バンクスライドコア16Aが前進した状態でアウタスライドコア15Aが前進されると、係合凸部141が係合凹部142に係合されて、入子部である可動側入子50に保持されているアウタスライドコア15Aと、バンクスライドコア16Aとが一体に結合されることとなる。すなわち、この実施の形態における結合機構17は、段替え時におけるアウタスライドコア15Aの移動動作と連動してバンクスライドコア16Aが他の入子部である可動側入子50に保持されたアウタスライドコア15Aと自動的に結合されるよう構成されている。
【0025】
さらに、この実施の形態における成形金型は、段替えで各主型部Bから各入子部Aを離脱させたときに、図9および図11に示すように、固定側入子20とバンクスライドコア16Aが結合された可動側入子50とを衝合させた状態でアウタスライドコア15Aを含めて一体に結合させる一体化機構4を備えている。一体化機構4は、固定側入子20と可動側入子50の間に設けられたボールロック機構110と、固定側入子20とアウタスライドコア15Aの間に設けられた落下防止凸部111およびこの落下防止凸部111が係合される係合穴112とにより構成されている。図8に示すように、ボールロック機構110は固定側入子20と可動側入子50とが相対向する角隅部の対角線上の2箇所またはそれ以上に配設され、落下防止凸部111は各アウタスライドコア15Aの幅方向に1箇所以上設けられ、係合穴112は固定側入子20の対応する位置にそれぞれ設けられる。
【0026】
図10および図11に示すように、ボールロック機構110は、固定側入子20に挿通されたロックピン114と、ロックピン114に形成された拡径部113と、拡径部113によって径方向外側に押し付けられる複数のボール115と、可動側入子50に形成された係合穴116とを備えており、係合穴116の内周面にはボール115が係合される環状凹部117が形成されてなる。固定側入子20の対角線上の角隅部であって、可動金型10と反対側には、図11に示すように、ロックピン114のヘッドを収容することができる径の有底穴118が形成されている。ロックピン114のヘッドと有底穴118の底との間にはコイルばね119が介装されており、ロックピン114はそのヘッドが反可動金型側(固定金型9側)に突出するように付勢されている。また、固定側入子20の可動金型10側にはガイドブッシュ120が設けられており、ガイドブッシュ120の先端にロックピン114の拡径部113が摺動可能に収容されている。そして、ガイドブッシュ120の先端にはボール115を保持し、且つボール115を環状凹部117に係合させることができるように突出させることができる大きさの穴121が、ボール115の数に応じて形成されている。
【0027】
通常のダイカスト成形を行う場合には、固定側主型21の凹部23に固定側入子20が嵌合されている。かかる状態では、ロックピン114は、そのヘッドが凹部23の底面に衝合されて、コイルばね119の付勢力に抗して可動金型10側に移動されており、拡径部113がボール115を外側に押し付けるような作用は発生しない。そのため、ダイカスト成形を行うために固定金型9に対して可動金型10を衝合させて型閉じした状態では、固定側入子20と可動側入子50は、ボールロック機構110によって連結されることはない。
【0028】
一方、入子部Aの段替えを行う場合には、固定側入子20と可動側入子50を衝合させるように固定金型9と可動金型10とを型閉じさせる。これにより、アウタスライドコア15Aに設けられた落下防止凸部111が固定側入子50の係合穴112に嵌合されて、アウタスライドコア15Aが固定側入子20に保持されるため、後に入子部Aを成形機外に取り出したときにアウタスライドコア15Aが落下することが防止される。また、これと同時に、可動側入子50の係合穴116にはガイドブッシュ120が嵌合される。その後、上述したように、アクチュエータ28のシリンダ29をわずかに伸長駆動してT字形クランプ部材27の引きつけ力を解除し、T字スロット26を通過できるようにロータリアクチュエータ30を駆動してT字形クランプ部材27を軸周りに回動し、次いで、シリンダ29をさらに伸長駆動してT字形クランプ部材27により固定側入子20を固定側主型21の凹部23から押出す、すなわち、凹部23の底面から固定側入子20を離間させた状態とする。これにより、コイルばね119の付勢によってロックピン114が可動金型10と反対側に移動され、拡径部113がボール115を外側に押し付けて係合穴116の環状凹部117に係合させるように作用する。そのため、スライドコア1を保持している固定側入子20と可動側入子50とが一体に連結されることとなる。
【0029】
このように、本発明の成形用金型では、上述したように構成されたアウタスライド15の着脱機構62およびバンクスライド16の着脱機構82・結合機構17に加えて、一体化機構4を設けたことにより、アウタスライドホルダ15Bから自動的に離脱されたアウタスライドコア15Aを、このスライドコア15A以外の他の入子部Aである固定側入子20とバンクスライドコア16Aを保持した可動側入子50と共に一体化させて成形機外へと迅速に搬出することができ、また、成形機外で一体化された入子部Aを交換した後に再び成形機内に搬入してその入子部Aに含まれるアウタスライドコア15Aをアウタスライドホルダ15Bに自動的に迅速に装着することができる。
【0030】
なお、成形用金型は、必要に応じてキャビティを冷却または加熱するための温度調節機構が設けられている場合がある。かかる場合には、温度調節機構も入子部と主型部とにより構成され、それぞれ着脱可能に構成される。
【0031】
次に、本発明の成形用金型の段替え方法の実施の一形態を、上述したように構成された成形用金型を用いる場合によって説明する。
本発明の成形用金型の段替え方法は、概略、キャビティCを形成する入子部Aと共通化された主型部Bとにより構成され、入子部Aを主型部Bに着脱可能に保持してなり、固定金型9に対する可動金型10の型開閉方向と交差し且つそれぞれが異なる方向に移動されるアウタスライド15およびバンクスライド16を含んでおり、各スライド15、16が、入子部Aとしてのアウタスライドコア15Aおよびバンクスライドコア16Aと、主型部Bとしてのアウタスライドホルダ15Bおよびバンクスライドホルダ16Bとからそれぞれ構成されてなる成形用金型の段替え方法であって、各スライド15、16のスライドコア15A、16Aを対応するスライドホルダ15B、16Bにそれぞれ自動的に着脱するとともに、バンクスライドホルダ16Bから取外したバンクスライドコア16Aを他の入子部Aである可動側入子50またはアウタスライドコア15Aと自動的に結合して、一体となった入子部Aを主型部Bに対して段替えするものである。
【0032】
通常のダイカスト成形を行う状態では、図2および図3に示すように、固定側入子20が固定側クランパ22によって固定側主型21の凹部23に保持されており、可動側入子50が可動側クランパ52によって可動側主型51の凹部54に保持されており、アウタスライドコア15Aが着脱機構62によってアウタスライドホルダ15Bに保持されており、バンクスライドコア16Aが着脱機構82によってバンクスライドホルダ16Bに保持されている。
この状態から入子部Aを構成する固定側入子20、可動側入子50、アウタスライドコア15A、およびバンクスライドコア16Aの段替えを行うときには、最初に、型開閉手段12の駆動により固定プラテン5に対して可動プラテン8を近接させると共にアクチュエータ70のシリンダ69を伸長駆動して、図3に示すように、固定金型9と可動金型10およびアウタスライド15を型閉じする。これにより、固定側入子20に設けられた係合穴112にアウタスライドコア15Aに設けられた落下防止凸部111が係合されると共に、ボールロック機構110の可動側入子50の係合穴116にガイドブッシュ120が嵌合される。また、このときには、バンクスライドコア16Aは、型閉じされた状態(前進した状態)でバンクスライドホルダ16Bから離脱されて、可動側入子50またはアウタスライドコア15Aと結合されて一体となっている。
【0033】
そして、この型閉じ状態のもと、先ず固定金型9側の固定側クランパ22のクランプ用シリンダ29の流体圧を解放し、続いてロータリアクチュエータ30の作動によりそのT字形クランプ部材27を90度反転させる。また、これと同時にアウタスライド15側については、アクチュエータ70のシリンダ69の流体圧を解放し、さらにそのロータリアクチュエータ30を作動させてT字形クランプ部材67を90度反転させる。次に、クランプ用シリンダ29に流体圧を加えてT字形クランプ部材27を伸長させ、これにタイミングを合せて固定型9に対して可動型10を可動プラテン8と一体に型開き動作させる。この時、T字形クランプ部材27を型開き速度よりも大きな速度で伸長させるようし、この速度差により、固定側入子20が可動側入子50に密着した状態を維持しながら固定側主型21の凹部23の底面からわずか浮上する。この結果、一体化機構4のボールロック機構110のコイルばね119の付勢によってロックピン114が後退し、そのボール115が可動側入子50側の環状凹部117に係合して固定側入子20と可動側入子50とは連結状態(ロック状態)となる。
可動側主型10は、その後も型開き動作を継続するが、前記固定金型9のT字形クランプ部材27がT字スロット26の開口と整合していることから、固定側クランパ22のT字形クランプ部材27はT字スロット26から円滑に抜け、これにより固定側入子20と、可動側入子50と、アウタスライドコア15A、アウタスライドホルダ15Bおよびアクチュエータ70を含むアウタスライド15とが一体となって元の型開き位置まで後退する。
【0034】
次に、アウタスライド15の着脱機構62のアウタスライド用シリンダ69が作動し、そのT字形クランプ部材67がアウタスライドコア15AのT字スロット66から離脱可能状態となり、これに続くシリンダ69の駆動ロッドの短縮によりアウタスライドホルダ15Bがアウタスライドコア15Aから離脱して、待機位置まで後退する。この時、ボールロック機構110によって固定側入子20と可動側入子50とが一体一体に連結されており、しかも、アウタスライドコア15Aは、前記係合穴112に対する落下防止凸部111の係合によって固定主型21に対して抜止めされているので(図9)、入子部Aである固定側入子20、可動側入子50、押出し機構53の入子側機構56、アウタスライドコア15Aは一体となって、すなわち入子部Aの集合体の形態で可動側主型51に残される。また、このときまでには、バンクスライドコア16Aは、上述したように、そのT字スロット86からT字形クランプ部材87が引き抜かれ、結合機構17によって可動側入子50または可動側入子50に保持されているアウタスライドコア15Aと結合されている。
次いで、型開閉手段12を駆動して固定プラテン5から可動プラテン8を離間させることにより、一体化された状態で可動側主型51に残された入子部Aを所定の位置まで移動させる。その後、固定側主型21と可動側主型51との間に段替え装置13が移動される。
【0035】
図4に示すように、その後、前記可動型12側のクランパ52内のシリンダ29の流体圧が解放され、続いてロータリアクチュエータ30の作動によりT字形クランプ部材27が90度反転し、その後、可動側クランパ52のシリンダ29の作動によりT字形クランプ部材27が伸長する。すると、上記入子部集合体が可動側主型51の凹部61から所定距離だけ押出される。そして、入子部集合体を可動側主型51から完全に離脱させて段替え装置13に受け渡し、これにて旧品としての入子部Aの、主型部Bからの取外しは終了する。
その後、入子部Aの集合体は、段替え装置13によって成形機外に同時に搬出される。そして、段替え装置13では、交換するための固定側入子20とアウタスライドコア15Aと可動側入子50およびバンクスライドコア16Aとを一体化させた状態で用意しており、これらの入子部Aの集合体を入れ替えて成形機内の主型部Bである固定側主型21とアウタスライドホルダ15Bおよび可動側主型51との間に同時に搬送し位置決めする。
【0036】
固定側主型21とアウタスライドホルダ15Bおよび可動側主型51との間に位置決めされた入子部Aの集合体は、段替え装置13によって、可動側主型51の凹部61内にその途中まで押込まれる。この凹部61内では、可動側クランパ52のT字形クランプ部材27が伸長状態でかつ90度反転状態(アンクランプ状態)で待機しており、T字形クランプ部材27のヘッド部27aが可動側入子50のT字スロット26内に入り込む。可動側クランパ52は、その後、ロータリアクチュエータ30の作動によりそのT字形クランプ部材27を90度反転させ、続いてクランプ用シリンダ29の作動によりT字形クランプ部材27を短縮させる(クランプ動作)。すると、入子部Aの集合体の可動側入子50が可動側主型51の凹部61の底部側へ引込まれ、可動側入子50を含めた入子部Aの集合体が可動側主型51に固定される。
【0037】
この時、入子部Aの集合体の大部分は、比較的深く設定された、可動側主型51の凹部61内に収納されているので、固定側主型21と可動側主型51との間の間隔が広くなるため、段替え装置13は、旧品としての入子部Aの集合体と新品としての入子部Aの集合体とを干渉させることなく、円滑にマシン外へ搬出される。換言すれば、段替えに際して、標準以上に型開きする必要がなく、したがってマシンに対する設計変更は不要となる。
ここで、入子部Aの集合体が可動側主型51の凹部61の底部側へ引込まれると、押出し機構53の入子側機構と主型側機構が連結される。また、これと前後して、アウタスライド用シリンダ69の作動によりアウタスライドホルダ15Bと一体にT字形クランプ部材67が前進し、T字形クランプ部材67のヘッド部67aがアウタスライドコア15Aのスロット66に入り込む。また、これと前後して、固定側主型21と可動側主型51との間から段替え装置13が退避移動される。
さらに、バンクスライド16のシリンダ89が伸長駆動されてT字形クランプ部材87がバンクスライドコア16AのT字形スロット86に嵌挿され、ロータリアクチュエータ30によってT字形クランプ部材87のヘッド部87aがバンクスライドコア16Aのスロット86に係合する。そして、シリンダ89を伸長駆動して取付けるバンクスライドコア16AのT字スロット86にT字形クランプ部材87のヘッド部87aを挿入させ、T字形クランプ部材87のヘッド部87aをT字スロット86に対して係合させることが可能な位相にロータリーアクチュエータ30の駆動によって回転させ、その後、アクチュエータ94の伸長駆動によってクサビ部材93が前進しバンクスライドホルダ16Bがクサビ部材93によってバックアップされた状態とし、シリンダ89を退縮駆動してT字形クランプ部材87をバンクスライドコア16AのT字スロット86に係合させて引き付ける。これにより、T字形クランプ部材87に係合されたバンクスライドコア16Aは、バンクスライドホルダ16Bを介してクサビ部材93によってバックアップされた状態で固定される。
【0038】
その後、可動プラテン8の移動すなわち型閉じ動作により、可動側主型51に固定されていた入子部集合体が固定側主型21へ向けて移動する。この時、図3に示したように、アウタスライドホルダ15Bのショルダ部71が固定側主型21の凹部23の口縁部にわずか嵌合した段階で、一旦型閉じ動作を停止し、これと同時に可動金型10側のクランパ52のクランプ力を緩めると共に、アウタスライド用シリンダ69の流体圧を解放する。すると、アウタスライド用シリンダ69の流体圧解放により下側に位置するアウタスライドホルダ15Bがわずかに下降するが、その先端部であるショルダ部71が前記固定側主型21の凹部23の口縁部に支承されているために、大きく下降することはない。次に、型閉じ動作を再開すると、入子部Aの集合体が固定側主型21の凹部24内に次第に押込まれるが、前記したクランプ力の緩和により可動側主型51に緩めに固定されていることから、アウタスライドホルダ15B、バンクスライドホルダ16Bおよび入子部Aの集合体は、固定側主型21の内面に倣いながら円滑に押込まれる。この時、固定金型9側のクランパ22は、そのT字形クランプ部材27を前進端に位置決めしてそのクランプ用シリンダ29の流体圧を解放し、かつT字形クランプ部材27のヘッド部27aを固定側入子20に設けたT字スロット26に挿入可能となるように位置決めしており、前記押込みに応じてT字形クランプ部材27のヘッド部27aがT字スロット26内に入り込む。そして、型閉じ完了により、固定型9側のクランパ22および可動金型10側のクランパ52のロータリアクチュエータ30がそれぞれ作動して各T字形クランプ部材27が90度反転し、これにより固定側入子20および可動側入子50が固定側主型21および可動側主型51に対してそれぞれ強固にクランプされる。また、これと同時にアウタスライド15側のロータリアクチュエータ30が作動してT字形クランプ部材67が90度反転し、アウタスライドコア15Aがアウタスライドホルダ15Bに対して抜け止めされる。
【0039】
そして、上記固定側主型21に対する固定側入子20の装着完了により、固定側入子20と可動側入子50とを連結していたボールロック機構110が自動的にアンロック動作し、その後は、可動プラテン8の移動により固定金型9に対して可動金型10を型開きさせ、これにて主型部Bに対する入子部Aの段替えは終了する。
【0040】
このように、本発明の成形用金型の段替え方法では、型開閉方向と交差し且つそれぞれが異なる方向に移動されるアウタスライド15およびバンクスライド16を含む成形用金型であっても、各スライド15、16のスライドコア15A、16Aを対応するスライドホルダ15B、16Bにそれぞれ着脱して、バンクスライドホルダ16Bを成形機に残したままでそこからバンクスライドコア16Aを他の入子部(固定側入子20、可動側入子50、アウタスライドコア15A)と一体にして同時に成形機の内外に搬出・搬入して迅速に段替えを行うことができる。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、各スライドを入子部としてのスライドコアと主型部としてのスライドホルダとに分割し、着脱機構により両者を簡単に着脱できるようにしたので、各スライドホルダを成形機に残したままで、各スライドコアを迅速に段替えすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の成形用金型が用いられる成形機の概略を示す斜視図である。
【図2】 本発明の成形用金型の実施の一形態を示す断面図である。
【図3】 図2の状態から型閉じした状態を示す断面図である。
【図4】 入子部を一体にして主型部から取り出した状態を示す断面図である。
【図5】 バンクスライドのバックアップ機構を示す断面図である。
【図6】 バンクスライドの結合機構の実施の一形態を示す断面図である。
【図7】 バンクスライドの結合機構の別の実施の形態を示す断面図である。
【図8】 可動側入子に保持されたアウタスライドコアを示す正面図である。
【図9】 入子部の集合体を示す断面図である。
【図10】 固定側クランパと一体化機構のボールロック機構を示す断面図である。
【図11】 固定側入子と可動側入子が一体化された状態を示すボールロック機構の断面図である。
【符号の説明】
A 入子部
B 主型部
9 固定金型
10 可動金型
15 アウタスライド
15A アウタスライドコア
15B アウタスライドホルダ
16 バンクスライド
16A バンクスライドコア
16B バンクスライドホルダ
17 結合機構
62 アウタスライドの着脱機構
82 バンクスライドの着脱機構
83 バックアップ機構
Claims (5)
- 相対的に近接・遠退移動されることにより開閉される一対の金型と、該金型の型開閉方向と交差する方向に移動されるスライドを備えてなり、前記一対の金型とスライドがそれぞれキャビティを形成する入子部と共通化された主型部とにより構成され、入子部を主型部に着脱可能に保持してなる成形用金型であって、
前記スライドを型開閉方向と交差する方向に対してそれぞれ異なる方向に移動するように複数設け、
各スライドが、入子部としてのスライドコアと、主型部としてのスライドホルダとを有しており、
各スライドに、そのスライドコアとスライドホルダとをそれぞれ着脱可能に保持する着脱機構を設けたことを特徴とする成形用金型。 - スライドコアとスライドホルダとの着脱に応じて、スライドコアと該スライドコア以外の他の入子部とを自動的に結合・離脱させる結合機構を設けたことを特徴とする請求項1に記載の成形用金型。
- 結合機構を、着脱機構の動作と連動してそのスライドコアと該スライドコア以外の他の入子部とを自動的に結合させるように構成したことを特徴とする請求項2に記載の成形用金型。
- 結合機構を、他のスライドの移動動作と連動してスライドコアと該スライドコア以外の他の入子部とを自動的に結合させるように構成したことを特徴とする請求項2に記載の成形用金型。
- 相対的に近接・遠退移動されることにより開閉される一対の金型と、該金型の型開閉方向と交差し且つそれぞれが異なる方向に移動される複数のスライドを備えてなり、前記一対の金型とスライドがそれぞれキャビティを形成する入子部と共通化された主型部とにより構成され、入子部を主型部に着脱可能に保持してなり、各スライドが、入子部としてのスライドコアと主型部としてのスライドホルダとから構成されてなる成形用金型の段替え方法であって、
各スライドのスライドコアをスライドホルダから離脱させて、該スライドコア以外の入子部と自動的に結合して入子部を一体とし、
該一体となった入子部を主型部に対して段替えすることを特徴とする成形用金型の段替え方法。
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