JP2837835B2 - 射出成形機における金型要素自動交換方法 - Google Patents

射出成形機における金型要素自動交換方法

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JP2837835B2 JP11941996A JP11941996A JP2837835B2 JP 2837835 B2 JP2837835 B2 JP 2837835B2 JP 11941996 A JP11941996 A JP 11941996A JP 11941996 A JP11941996 A JP 11941996A JP 2837835 B2 JP2837835 B2 JP 2837835B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、射出成形機におけ
る入子を有するキャビティユニットまたは入子を自動に
て交換し得る金型要素自動交換方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、射出成形機等における金型交換技
術としては実公平2−2576号公報記載の発明が公知
である。しかして、同公報記載の発明は、成形機の金型
取付部の前側の金型交換位置を含む所定位置へ金型交換
方向と直交方向から自走手段により移動可能でかつ位置
決めされる台車を設け、上記台車の上面に、2面の金型
乗載部を有する金型交換台を、金型交換方向と直交方向
に金型乗載部の1面分の所定長さだけ移動可能に設け、
上記台車に、金型交換台を移動させて各金型乗載部を択
一的に金型交換位置に切換える位置切換え駆動手段を設
け、上記各金型乗載部に金型を金型交換方向へ移送する
移送手段を設けたことを特徴とする成形機の金型交換装
置である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の射出成形機
において、金型交換をする場合、外段取りとして成形に
用いる射出成形用金型が金型置き場にあるので、金型置
き場で予め金型温度を仮昇温しておき、該金型を台車に
より成形機の金型取付部まで運び台車より成形機に移し
て位置決め後、成形機に備えた油圧クランプ等により自
動的に成形機に取付け、該金型に温調機を接続するもの
であった。そして、所定の温度に安定した時点で、成形
工程に入るものであった。
【0004】この時、問題点としては、金型置き場と成
形機の距離が離れているので、台車を必要とし、また、
搬送の為の作業スペースが必要となる。さらに距離が離
れているので、金型を成形する成形機に取付けるまでの
交換時間が長くかかり、せっかく昇温した型温が低下し
てしまう不具合があった。本発明は上記問題点を解決す
べく、成形機に入子を装着したキャビティユニットまた
は入子のストッカーを設けて、交換アームで前記キャビ
ティユニットまたは入子を脱着する事により交換の時間
を短縮するとともに作業スペースを小さくし、さらに、
キャビティユニットまたは入子のストッカー部内を温調
し、キャビティユニットまたは入子の交換と同時に成形
に必要な予備的な温調を完了し、キャビティユニットま
たは入子の温度に関する成形条件を微調整のみにて成形
可能とした成形機における金型要素自動交換方法を提供
することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、可動側プラテ
ンを駆動する型締め装置を内装した可動側ユニットと、
固定側プラテンの背側に設置された射出ユニットと、を
床部上側に対向せしめて配設した射出成形機における金
型要素自動交換方法において、前記固定側プラテンおよ
び可動側プラテンにそれぞれ取り付けられ、前順位の金
型要素を装着した固定側母型および可動側母型をそれぞ
れ所定の温度に温調する工程、前記射出成形機に配設さ
れると共に複数の金型要素を搬出入自在に収納した金型
ストッカー内で、少なくとも選ばれる次順位の金型要素
を所定の成形条件に従った温度に温調する工程、前記射
出成形機に配設されたロボットのチャックにて保持し、
前記固定側母型および可動側母型に装着された前順位の
金型要素を取り外して前記金型ストッカーに搬入し収納
する工程、前記金型ストッカーから選ばれた次順位の金
型要素を前記ロボットのチャックにて保持し、前記固定
側母型および可動側母型の装着孔にそれぞれ搬入して装
着する工程、とを有することを特徴とする射出成形機に
おける金型要素自動交換方法である。
【0006】
【作用】本発明は前記の射出成形機における金型要素自
動交換方法により、既に固定側母型および可動側母型に
装備される金型要素による前順位の成形の完了後、次順
位の成形に必要な金型要素をロボットのチャックを作動
して前記前順位の金型要素の取り外し操作に関連して装
着し、以下同様の操作の繰り返しによって射出成形機に
おける成形を連続して自動的に遂行し得るとともに、交
換される金型要素は、前記金型ストッカー内において、
予め射出成形機の成形条件に従った予備的な温調を遂行
し前記固定側母型および可動側母型に装着後は、微調整
による温調のみにて即座に次順位の成形に対応し得るよ
うにしたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面と
ともに説明する。 (実施の形態1)図1〜図7は本発明の実施の形態1を
説明するための図を示し、図1は射出成形機の要部を示
す斜視図、図2(a)および(b)は固定側および可動
側キャビティユニット(金型要素)の断面図、図3は交
換アームのアーム部の操作状態を示す一部を省略した側
面図、図4および図5は可動側キャビティユニットの取
り外し状態を示す側断面図、図6は同装着状態を示す側
断面図、図7はキャビティユニットの収納部の側断面図
である。
【0008】まず、図1に示す如く、本発明の実施の形
態1を実施するための射出成形機1は、配設場所の床部
2上側の左側に固定側プラテン3を配設すると共に右側
に可動側プラテン4を対向せしめて配設し、かつ前記固
定側プラテン3の背側に射出ユニット5を設置すること
により構成されている。また、前記射出成形機1の可動
側プラテン4を駆動する型締め装置を内装した可動側ユ
ニット6の側壁部7に、前記可動側プラテン4側に位置
せしめて金型自動交換用の交換アーム8を設けるととも
にこの交換アーム8に隣接せしめて金型ストッカー9を
設けてある。
【0009】しかして、前記交換アーム8は多関節ロボ
ットから構成されるとともに先端のアーム部10は3本
爪チャック11を開閉動および回転自在に支持すること
により構成されている(図3参照)。前記金型ストッカ
ー9は、前記側壁部7に円筒状のハウジング12を取付
けるとともにこのハウジング12内にキャビティユニッ
ト収納部13を側壁部7に取付けたステッピングモータ
14を介して回転自在に保持し、かつ前記キャビティユ
ニット収納部13には等配して複数の収納穴15を配設
するとともに前記ハウジング12内には温調管16を埋
設することにより構成されている(図7参照)。また、
前記各収納穴15内には各種のキャビティを形成する固
定側および可動側キャビティユニット17,18を出し
入れ自在に収納し得るように構成した場合を示してい
る。
【0010】尚、図7中、19はステッピングモータ1
4の駆動軸、20は駆動軸19に連結したキャビティユ
ニット収納部13の支軸を示すものである。さらに、前
記固定側および可動側プラテン3,4には射出成形用金
型において成形品の形状に係わりなく共通して使用され
る固定側および可動側の母型21および22を取付ける
とともに、それぞれの母型21および22には成形品形
状に対応するキャビティを形成するとともに前記母型2
1,22が型締めされて1つの射出成形用金型が構成さ
れるように固定側および可動側キャビティユニット17
および18(金型要素)を着脱自在に装着する装着穴2
3(可動側の母型22の装着穴は不図示)が設けられ、
それぞれのパーティング面23a(可動側は不図示)側
から当該装着穴23に所要のキャビティユニット17お
よび18を脱着しつつそれぞれ交換し得るように構成さ
れている。
【0011】また、前記母型21および22には連結管
25,26を介して温調機24が接続されており、所要
の成形条件に従う成形温度に母型21,22およびこれ
の装着穴23内に装着されるキャビティユニット17,
18を温調し得るように構成するとともに前記温調機2
4は連結管27を介して前記金型ストッカー9のハウジ
ング12の温調管16に連結され、前記母型21,22
と等温等の所望の温度に温調し得るように構成されてい
る。
【0012】さらに、前記交換アーム8および金型スト
ッカー9は可動側ユニット6の背側に配設された制御ユ
ニット28に電気的に接続されるとともに当該制御ユニ
ット28は射出成形機1の制御部(不図示)に電気的に
接続され、交換アーム8のアーム部10のチャック11
を作動するとともに、金型ストッカー9のステッピング
モータ14を介してキャビティユニット収納部13を回
転し得るように構成されている。
【0013】さらに、前記金型ストッカー9のキャビテ
ィユニット収納部13の各収納穴15に収納される固定
側および可動側キャビティユニット17,18の一例を
図2により詳細に説明すると、固定側キャビティユニッ
ト17は、図2(a)に示す如く、円形のスリーブ30
内に成形面31aを有する入子31をボルト32により
固定するとともにスリーブ30のパーティング面30a
にスリーブ30と同心の環状溝33を穿設することによ
り構成されている。
【0014】可動側キャビティユニット18は、図2
(b)に示す如く、円形のスリーブ34に対して成形面
35aを有する入子35を同軸上を前後動自在に装着す
るとともにスリーブ34にボルト36にて固定した受板
37を介して取付けた突出ロッド38にボルト39にて
前記入子35を連結し、かつ前記突出ロッド38には突
出板40を連結するとともに前記スリーブ34のパーテ
ィング面34aには同心の環状溝41を穿設することに
より構成されている。
【0015】尚、固定側および可動側キャビティユニッ
ト17,18には、図2(a),(b)に示されるボル
ト32,36の螺着位置とズレた位置に母型21,22
との装着用の六角ボルト42がボルト穴43に装着され
ている。(図4参照、但し固定側キャビティユニット1
7については不図示)。さて、射出成形機1は以上の構
成から成り、以下には可動側キャビティユニット18に
ついての交換アーム8による交換方法を図4〜図6にて
説明する。
【0016】尚、固定側キャビティユニット17につい
ては、可動側キャビティユニット18に準じて行うもの
であるから具体的な説明は省略する。さて、射出成形機
1における前順位の成形が完了した時点にて、母型22
に装着されている可動側キャビティユニット18の取り
外しを行う。すなわち、図4に示す如く、まず、射出成
形機1における成形工程において、母型22の可動側キ
ャビティユニット18の交換が必要とされる時点にて制
御部より交換アーム8の制御ユニット28に制御信号が
入力されて交換アーム8のアーム29が作動するととも
にアーム部10のチャック11の各爪が母型22に装着
されている可動側キャビティユニット18の環状溝41
内に挿入し、母型22に可動側キャビティユニット18
を固定している六角ボルト42のボルト頭をチャッキン
グしつつ挟持した後、アーム部10を回転することによ
り六角ボルト42の母型22に対する締め付け状態を解
除する(複数の六角ボルト42が装着されている場合に
は同様の操作を繰り返し行い可動側キャビティユニット
18の母型22に対する装着状態を解除する)。
【0017】しかる後、図5に示す如く、アーム部10
の各爪11を可動側キャビティユニット18の環状溝4
1中に挿入後外周方向に各爪11を拡開することにより
可動側キャビティユニット18をアーム部10にて保持
し、かかる状態においてアーム29を作動してアーム部
10を図5矢印方向に後退しつつ可動側キャビティユニ
ット18を母型22の装着部44内より取り外し、当該
可動側キャビティユニット18を金型ストッカー9のキ
ャビティユニット収納部13における所定の収納穴15
b内に収納する。
【0018】尚、かかる取り外し後の可動側キャビティ
ユニット18の所定の収納穴15bに収納するに当たっ
ては、該当する収納穴15bが交換アーム8のアーム部
10のキャビティユニット収納部13に対する搬出入位
置との対応位置に位置するように交換アーム8のアーム
部10の動作に関連して制御ユニット28からの制御に
よってキャビティユニット収納部13がステッピングモ
ータ14の作動にて回転される。
【0019】従って、この取り外し後の可動側キャビテ
ィユニット18の収納穴15b内への収納が完了し、ア
ーム部10の各爪11が閉じられて環状溝41内より後
退し、かつ前記搬出入位置に待機するのを待って再度キ
ャビティユニット収納部13が回転し、次順位の可動側
キャビティユニット18が搬出入位置に待機するアーム
部10に対向して位置されて停止されるのを待って、図
6に示す如く再度アーム部10が同図矢印方向に前進動
し、収納穴15b内に収納されている可動側キャビティ
ユニット18の環状溝41内に各爪11を挿入するとと
もにこれを拡開して可動側キャビティユニット18を保
持後、アーム29の作動によるアーム部10の後退動作
でキャビティユニット収納部13の収納穴15b内より
取り出す。しかる後、交換アーム8のアーム29を作動
しつつ母型22のパーティング面側から装着部44内
(図4参照)に挿入するとともに一旦各爪11を環状溝
41内より外に、再度図4図示と同様に六角ボルト42
のボルト頭を各爪11にて挟持した後、アーム部10を
回転しつつ六角ボルト42を母型22の装着部に螺着し
て締め付けを完了することにより可動側キャビティユニ
ット18を母型22に装着することができる。
【0020】このようにして、可動側キャビティユニッ
ト18の交換を人為手段を必要とせずに自動作業にて遂
行でき、同様にして固定側キャビティユニット17の交
換を行うことができ、交換後、射出成形機1における射
出成形作業を行うことができる。また、前記各キャビテ
ィユニット17,18の交換作業中においては、温調機
24により母型21,22および金型ストッカー9にお
けるハウジング12が所定の成形条件に従った温度に温
調されている。
【0021】例えば、射出成形機1における成形材料が
PMMAであれば母型21,22およびハウジング12
を100℃等に温調する等。尚、温調機24による温調
は連結管25,26および27を介して温調用液体
(油)を循環させつつ行われる。但し、温調手段につい
てはかかる実施の形態の手段に限定されることなく、そ
の他の温調手段を介して実施し得る。
【0022】以上の射出成形機1によれば、母型21,
22を固定側および可動側プラテン3,4を固定したま
まで、キャビティユニット17,18のみを交換する
為、交換アーム8、金型ストッカー9が小径にて構成で
き、省スペースを可能ならしめ得ることができる。ま
た、固定側および可動側プラテン3,4と金型ストッカ
ー9間に交換アーム8を配置することによって固定側お
よび可動側キャビティユニット17,18の交換に要求
される交換アーム8の作動距離を少なくすることがで
き、動作時間の短縮、動作の迅速化、さらには適確化等
の効果が得られるとともに常時温調機24を介して母型
21,22および金型ストッカー9のハウジング12を
等温に温調している為、交換後、金型昇温操作は成形条
件に要求される微調整にて済み、段取り時間の短縮を可
能ならしめ得る。
【0023】尚、前記実施の形態1の構成中、交換アー
ム8のアーム部10の3本チャック11については、こ
れ以外にエアー吸着チャックや電磁石チャックによって
も同様の実施が可能であるとともに金型ストッカー9の
構成については、図8および図9に示す如く、可動側ユ
ニット6の側壁部7に対して支持軸45を介して温調管
46を埋設した円柱状の支持体47を固定するとともに
この支持体47の外周に環状体から成るキャビティユニ
ット収納部48を回転自在に取付け、かつ前記キャビテ
ィユニット収納部48には、その外周面に沿って外周方
向間に図7図示と同様の固定側および可動側キャビティ
ユニット17,18の収納部15a,15bを順次配設
するとともにキャビティユニット収納部48の歯車49
を側壁部7に取り付けたステッピングモータ50の駆動
歯車51に噛合することにより金型ストッカー90を構
成し、当該金型ストッカー90を前記金型ストッカー9
に換えて使用することも可能である。
【0024】また、図9に示す如く、キャビティユニッ
ト収納部48の各収納穴15については固定側および可
動側キャビティユニット17,18の保持用のクリック
機構52が設けられるとともに同収納穴15内に収納さ
れる固定側および可動側キャビティユニット17,18
のスリーブ30,34の外周の対応位置にはクリック機
構52の係合ボール53の係合凹部(不図示)が設けら
れた構成とする。
【0025】その他の構成については前記実施の形態1
の構成と同一の構成から成り、交換アーム8の搬出入位
置に対して対向される収納穴15に固定側および可動側
キャビティユニット17,18の搬出入が遂行され、か
つ搬出入位置への各収納穴15の対向はステッピングモ
ータ50の作動による歯車49,51を介する前記キャ
ビティユニット収納部48の回転によって行われる。
【0026】また、収納穴15に対する固定側あるいは
可動側キャビティユニット17,18の搬出入はクリッ
ク機構52におけるバネ54の弾力に抗する出入操作を
介して遂行されるとともにクリック機構52のバネ54
の弾力により、キャビティユニット収納部48の回転時
における収納穴15内に収納される固定側あるいは可動
側キャビティユニット17,18の落下を防止し得る。
【0027】尚、クリック機構52のバネ54はバネ押
え55にて抜脱が阻止されている。さらに、温調機24
と金型ストッカー9のハウジング12の接続は母型2
1,22の温調後の循環油の排出側を接続する構成によ
っても実施可能である。 (実施の形態2)図10〜図16は本発明の実施の形態
2を説明するための図を示し、図10(a)および
(b)は固定側および可動側母型の斜視図、図11は固
定側および可動側キャビティユニット(金型要素)の斜
視図、図12は金型ストッカーの斜視図、図13は母型
に対する固定側および可動側キャビティユニットの脱着
状態を示す斜視図、図14は固定側および可動側キャビ
ティユニット56,57の金型ストッカーへの収納状態
を示す部分的な斜視図、図15および図16は図12と
は別の金型ストッカーを示す斜視図である。
【0028】本実施の形態2は前記実施の形態1におけ
る固定側および可動側キャビティユニット56,57、
これを脱着する母型58,59さらに前記の固定側およ
び可動側キャビティユニット56,57の金型ストッカ
ー60の構成を異にし、その他の構成は実施の形態1と
同様であるので、説明を省略する。まず、固定側および
可動側母型58,59は図10(a),(b)に示され
る構成から成るもので、それぞれ図1図示の固定側およ
び可動側プラテンに固定して使用される。
【0029】しかして、固定側母型58は固定側プラテ
ン3との取付板61に母型本体62を固定するとともに
母型本体62には固定側キャビティユニット56の係合
縁64の係合溝65を設け、かつパーティング面66に
は可動側母型59のパーティング面67に突設した係合
ピン68の係合孔69を設けることにより構成されてい
る。
【0030】また、可動側母型59は可動側プラテン4
との取付板70に母型本体71を固定するとともに母型
本体71に可動側キャビティユニット57の装着部73
および可動側キャビティユニット57の係合縁74の係
合溝75と可動側キャビティユニット57の突出板76
の係合溝77を設けることにより構成されている。他
方、前記固定側および可動側キャビティユニット56,
57はそれぞれパーティング面78,79にキャビティ
(不図示)が設けられている。
【0031】さらに、金型ストッカー60は側壁部7に
取付ける枠体78に架設した加熱手段を備える複数のヒ
ーターローラー79間にベルトコンベア80を張設する
とともにベルトコンベア80には前記固定側および可動
側キャビティユニット56,57の載置台81を列設す
ることにより構成されている。また各載置台81には固
定側および可動側キャビティユニット56,57の係合
縁64,74の係合溝82を設けるとともに電磁石の機
能を備え、ベルトコンベア80の可動中における下側と
左右両側に位置する載置台81に通電され同台81上側
に載置される固定側および可動側キャビティユニット5
6,57の落下が防止されて保持し得るように構成され
ている。
【0032】各載置台81に載置される固定側および可
動側キャビティユニット56,57はヒーターローラー
79の加熱手段を介して加熱されるベルトコンベア80
を介して温調されるとともにベルトコンベア80は制御
装置(不図示)によりコントロールされるサーボモータ
83を介して駆動されるとともに交換アーム8は図1図
示の構成中アーム部10は3本爪チャック11に換えて
電磁力チャック84を設けることにより構成されてい
る。
【0033】さて、以上の構成から成る射出成形機1の
固定側および可動側プラテン3,4に固定側および可動
側母型58,59をそれぞれ取付板61,70を介して
固定してセットするとともに両母型58,59に対して
固定側および可動側キャビティユニット56,57がそ
れぞれの装着部63,73(両装着部63,73によっ
て装着穴が形成されている)内にそれぞれの係合縁6
4,74が係合溝65,75,77に係合された状態に
て装着されている。
【0034】かかるセット状態下の射出成形機1におけ
る所要の成形完了後、次順位の成形に必要な固定側およ
び可動側キャビティユニット56,57との交換が要求
される時点においては図13に示す如く両母型58,5
9の型締め状態下において、交換アーム8を作動してア
ーム部10の電磁力チャック84を両母型58,59に
装着される固定側および可動側キャビティユニット5
6,57の側面に当接してこれを電磁力により吸着保持
し、両母型58,59の装着部63,73より引き抜き
つつ取り外した後、金型ストッカー60のベルトコンベ
ア80における所定の載置台81上側に搬送されるとと
もに両キャビティユニット56,57の係合縁64,7
4を係合溝82に係合せしめつつ載置されて収納される
(図14)。しかる後、次順位の成形に要求される固定
側および可動側キャビティユニット56,57の載置さ
れる載置台81がサーボモータ83で作動制御されて、
交換アーム8のアーム部10による搬出入位置に対向さ
れた時点にて電磁力チャック84が両キャビティユニッ
ト56,57を吸着保持後、前記とは逆の動作を介して
両母型58,59内に装着し、キャビティユニット5
6,57の交換を完了することができる。
【0035】そして、射出成形機1における成形材料が
PCである場合には金型ストッカー60はヒーターロー
ラー79を介するベルトコンベア80の温調により14
0℃に温調され、母型58,59の装着部63,73内
に装着された両キャビティユニット56,57の微調整
を行うことにより、成形を即座に開始し得る。尚、以上
の各操作は制御装置を介して自動的に遂行される。
【0036】本実施の形態2によれば、キャビティユニ
ットを閉じた状態で交換できる為、固定側と可動側を同
時に交換でき、交換の時間を短縮できる。また、固定側
と可動側の位置ズレの心配がなく、かつ金型ストッカー
を単独で温調できる為、現在成形中の成形品と次に成形
する成形品間における金型温度が異なる場合でも次に用
いる固定側および可動側キャビティユニットを対とし
て、金型ストッカー内で所望の温度に温調でき、交換後
すぐに成形開始できる。
【0037】尚、前記実施の形態2における金型ストッ
カー60の構成にあっては図15に示す如く、枠体85
のキャビティユニット56,57を載置する載置台81
を列設した棚板86を操作用モータ87にて前後動自在
に構成したストッカー88あるいは図16に示す如く、
脚台89上側に回転自在に保持される回転テーブル91
上に、前記金型ストッカー60の載置台81を列設する
ことにより構成した金型ストッカー92を使用すること
により実施することが可能である。
【0038】前記実施の形態2においては金型要素とし
て両キャビティユニット56,57を固定側および可動
側プラテン3,4に固定した両母型58,59に脱着し
つつ交換する場合について説明した。 (実施の形態3)図17は本発明の実施の形態3を説明
するための図を示す要部の斜視図である。本実施の形態
3の場合には、実施の形態1において、可動側に金型ス
トッカー9を配設したのに換えて、これを固定側に配設
して構成した場合を示し、以下には実施の形態1との相
違する構成部分についての説明をする。
【0039】しかして、金型ストッカー93は射出ユニ
ット5のシリンダ94近傍の床部2上側に配設されると
ともにキャビティユニット収納部95には複数の収納穴
15が配設され、かつ温調管(不図示)が埋設されるこ
とにより構成されている。また、キャビティユニット収
納部95の温調管は温調用の油、水、水蒸気あるいは空
気等の流体を循環し得るポンプ装置96に供給管97を
介して連結され、かつポンプ装置96は供給管98を介
して前記シリンダ94のホッパ下99に、かつ供給管1
00を介してホッパ下99とキャビティユニット収納部
95の温調管と連結されている。
【0040】前記ホッパ下99は射出成形用の合成樹脂
を加熱軟化させるためのヒーター(不図示)が組み込ま
れているとともに温度制御用の冷却水が導かれており、
ヒータの加熱と冷却水による冷却によって80℃程度に
保持されている。また、ポンプ装置96によりホッパ下
99と金型ストッカー93に新たに油等の熱媒体を循環
させることにより、熱媒体が加熱され、これによって金
型ストッカー93を60℃以上に温調することが可能で
ある。
【0041】さらに、固定側および可動側キャビティユ
ニットの交換方法については実施の形態1の方法と大差
なく遂行し得る。本実施の形態3によれば、成形機1の
熱を金型ストッカーの温調の為に有効に利用することに
より、省エネルギー化が実現される。また、ポンプ装置
に換えて、温調機を用いてもよく、それにより金型スト
ッカー93を80℃以上に温調できれば更に好適であ
る。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、入子を装着したキャビ
ティユニットまたは入子等の金型要素を収納する金型ス
トッカーを射出成形機自体に設けるとともに、この射出
成形機に配されたロボットのアームとチャックを介して
自動的に、射出成形機の各プラテンに取り付けられた固
定側母型および可動側母型との間で前記金型要素の交換
を行うので、多種少量の射出成形の段取り時間の短縮、
適確化を計れ、かつ従来のように射出成形金型それ自体
を交換するために準備するような設備並びに作業スペー
スを必要とせずに前記金型要素を交換するようにしてい
るから、交換用のロボット自体も小型にできるので全体
として省スペース化を計ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1を説明するための射出成形機の要
部を示す斜視図。
【図2】(a)および(b)は実施の形態1の固定側お
よび可動側キャビティユニット(金型要素)の断面図。
【図3】実施の形態1の交換アームのアーム部の操作状
態を示す一部を省略した側面図。
【図4】可動側キャビティユニットの取り外し状態を示
す側断面図。
【図5】可動側キャビティユニットの取り外し状態を示
す側断面図。
【図6】可動側キャビティユニットの装着状態を示す側
断面図。
【図7】キャビティユニットの収納部の側断面図。
【図8】実施の形態1とは別の構成から成る金型ストッ
カーを示す斜視図。
【図9】図8の金型ストッカーの断面図。
【図10】(a)および(b)は実施の形態2を説明す
るための固定側および可動側母型の斜視図。
【図11】実施の形態2の固定側および可動側キャビテ
ィユニットの斜視図。
【図12】実施の形態2の金型ストッカーの斜視図。
【図13】実施の形態2の母型に対する固定側および可
動側キャビティユニットの脱着状態を示す斜視図。
【図14】固定側および可動側キャビティユニット5
6,57の金型ストッカーへの収納状態を示す部分的な
斜視図。
【図15】図12とは別の金型ストッカーを示す斜視
図。
【図16】図12とは別の金型ストッカーを示す斜視
図。
【図17】実施の形態3を説明するための要部の斜視図
である。
【符号の説明】
1 射出成形機 2 床部 3 固定側プラテン 4 可動側プラテン 5 射出ユニット 6 可動側ユニット 7 側壁部 8 交換アーム 9,60,88,90,92,93 金型ストッカー 10 アーム部 11 3本爪チャック 12 ハウジング 13 キャビティユニット収納部 14 ステッピングモータ 15 収納穴 16 温調管 17 固定側キャビティユニット(金型要素) 18 可動側キャビティユニット(金型要素) 19 駆動軸 20 支軸 21,22 母型 23 装着穴 24 温調機 25,26,27 連結管 28 制御ユニット 29 アーム 30,34 スリーブ 31,35 入子 32,36,39 ボルト 33,41 環状溝 37 受板 38 突出ロッド 40 突出板 42 六角ボルト 43 ボルト穴 44 装着部 45 支持軸 46 温調管 47 支持体 48 キャビティユニット収納部 49 歯車 50 ステッピングモータ 51 駆動歯車 52 クリック機構 53 係合ボール 54 バネ 55 バネ押え 56 固定側キャビティユニット 57 可動側キャビティユニット 58,59 母型 61,70 取付板 62,71 母型本体 63,73 装着部 64,74 係合縁 65,75,77 係合溝 66,67 パーティング面 68 係合ピン 69 係合穴 78 枠体 79 ヒーターローラー 80 ベルトコンベア 81 載置台 82 係合溝 83 サーボモータ 84 電磁力チャック 85 枠体 86 棚板 87 操作用モータ 89 脚台 91 回転テーブル
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−191113(JP,A) 特開 昭61−149333(JP,A) 特開 昭62−92819(JP,A) 特開 昭56−70925(JP,A) 特公 平7−41638(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29C 45/26 - 45/44 B29C 45/17 B22D 17/22 B29C 33/30 B21D 37/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可動側プラテンを駆動する型締め装置を内
    装した可動側ユニットと、固定側プラテンの背側に設置
    された射出ユニットと、を床部上側に対向せしめて配設
    した射出成形機における金型要素自動交換方法におい
    て、 前記固定側プラテンおよび可動側プラテンにそれぞれ取
    り付けられ、前順位の金型要素を装着した固定側母型お
    よび可動側母型をそれぞれ所定の温度に温調する工程、 前記射出成形機に配設されると共に複数の金型要素を搬
    出入自在に収納した金型ストッカー内で、少なくとも選
    ばれる次順位の金型要素を所定の成形条件に従った温度
    に温調する工程、 前記射出成形機に配設されたロボットのチャックにて保
    持し、前記固定側母型および可動側母型に装着された前
    順位の金型要素を取り外して前記金型ストッカーに搬入
    し収納する工程、 前記金型ストッカーから選ばれた次順位の金型要素を前
    記ロボットのチャックにて保持し、前記固定側母型およ
    び可動側母型の装着孔にそれぞれ搬入して装着する工
    程、とを有することを特徴とする射出成形機における金
    型要素自動交換方法。
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