JP3826308B2 - 成型用金型の段替え装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、成形機に対する金型の段替えを迅速に行うための、金型の自動段替え装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、シリンダブロックのような大型で複雑構造のダイカスト品を得ようとする場合は、その金型はスライドを必要とするため、金型全体が大重量(一例として、196kN…20トン程度)でかつ大寸法(一例として、2m程度)となり、成形機からの取外しがきわめて面倒になるばかりか、固定部と可動部と接続するタイバーの抜き差しも必要となり、段替え時間の短縮効果はきわめて小さい、という問題があった。
さらに、金型冷却水のホースや、作動制御用のケーブルを金型に対し着脱する作業等の、一部の作業は手作業で行われている等、段替え装置によって行う作業と手作業とが混在していた。しかも、手作業時には、段替え装置の電源を一時的に完全に落す必要がある等、その段替え作業を安全に行うために、その作業手順は慎重を期すものとなっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そのような作業手順は、当然に多くの時間を必要とし、成形機の可動率を低下させる原因となっていた。しかも、修繕が必要とされる部分は、金型全体のうち製品面を構成する部分のみであることが多く、かかる修繕自体は比較的短時間で終了するにもかかわらず、金型全体を成形機から取り外す作業に多くの時間を要することから、修繕作業の効率を低下させる大きな原因となっていた。
なお、特開平6−190531号公報に記載のものでは、汎用部を成形機に残したまま、専用部の一部(中子)のみを交換することを行っているが、そこでは、専用部をボルトで締結する方式を採用しているため、スペースの限られた成形機内で締結作業を行わなければならず、作業性の悪化や不安全作業が避けられない。また、専用部の前面からのボルト締結となるため、前面がキャビティ形成面となる専用部には適用できず、その適用範囲は限られたものとなる。
上記の課題は、ダイカスト用金型の段替え作業に止まらず、他の様々な鋳造法に係る金型や、樹脂成形用金型にも共通の課題であり、より効率的な段替え作業を実現することが、従来から望まれていたものである。
【0004】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、様々な成形用金型において、より効率的な段替え作業を実現し、金型の段替え作業に要する時間を短縮化して、成形機の可動率を向上させ、製品コストの上昇を抑えることにある。
特に本発明は、型開き状態の成形機内で、前記汎用部から所定位置へと引き出した前記専用部を、成形機外と成形機内との間で移動させる作業を、迅速・確実に行い、金型の段替え作業に要する時間の短縮化を図ることを目的とするものである。しかも、従来、金型の段替え時に必要不可欠であった固定部と可動部と接続するタイバーの抜き差しを不用とし、金型の段替え作業に要する時間の短縮化を促進することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための、本発明の請求項1に係る成形用金型の段替え装置は、共通化された固定側主型および可動側主型を備える汎用部とキャビティーを有する固定側入子および可動側入子を備える専用部とからなり、前記専用部は、成形機に取付けられている汎用部に対して、前記固定側主型および可動側主型から延ばしたT字クランパーを前記固定側入子及び可動側入子の背面部に設けたT字スロットに係入させて、前記固定側入子および可動側入子を前記固定側主型および可動側主型の凹部内に引込み、または押出すクランプ装置からなる着脱機構により自動的に着脱される成形用金型の段替え装置であって、 型開き状態の成形機内で、前記汎用部から所定位置へと引き出した前記専用部を、成形機外と成形機内との間で移動させる搬送手段を備え、前記搬送手段は、前記汎用部を載置して移動可能な搬送台車、該搬送台車とダイカストマシンとの間に設けられた中継台、および、該中継台からダイカストマシン内部にまで連続して設けられた、前記汎用部段替え用の駆動ローラ上に跨り、該駆動ローラ上を搬送され得るだけの幅を有するベースプレートを備え、該ベースプレート上に、前記専用部の載置部を有する複数のテーブルと、該複数のテーブルを金型の開閉方向と交差する方向へと移動させるための、前記ベースプレートの奥行のほぼ全体に渡って敷設されたガイドレールと、前記ガイドレールの全体に渡って、前記複数のテーブルを移動させることが可能なストロークを有するシリンダーとからなるシフト手段とを備えるものである。
【0006】
本発明によれば、前記ベースプレート上に、前記搬送手段を構成し、該搬送手段によって、型開き状態の成形機内で、前記汎用部から所定位置へと引き出した前記専用部を、成形機外へと搬送する。また、該搬送手段によって成形機外から成形機内の所定位置へと別の専用部を搬入する。具体的には、前記複数のテーブルの1つに、前記汎用部から所定位置へと引き出した前記専用部を載置し、前記テーブルを前記シフト手段によって金型の開閉方向と交差する方向へと移動させて、他のテーブルに予め載置しておいた他の専用部を前記所定位置へと置換える。すなわち、前記ベースプレート上の前記テーブルの移動(シフト)によって、段替えに供する専用部の置換えを行うことができる。
【0007】
そして、当該段替え作業において、前記搬送手段が扱うべき対象は、成形用金型のうち前記専用部のみであり、金型全体を段替えする場合に比して、小型かつ軽量のものを段替えの対象とすることができる。
特に、型の開閉方向に対し鈍角または鋭角をなす方向へと前記テーブルを移動させる構成にした場合には、ダイカストマシンの側方の空間を空け、かかる空間を有効活用することが可能となる。
【0008】
しかも、前記ベースプレートは、前記汎用部を載置して移動可能な搬送台車、該搬送台車とダイカストマシンとの間に設けられた中継台、および、該中継台からダイカストマシン内部にまで連続して設けられた、前記汎用部段替え用の駆動ローラ上に跨り、該駆動ローラ上を搬送され得るだけの幅を有することから、前記専用部の搬出・搬入作業に、前記汎用部段替え用のローラを共用することができる。
【0009】
また、本発明の請求項に係る成形用金型の段替え装置は、請求項記載の段替え装置において、前記ベースプレートは、成形機のタイバー上に接地するジャッキを備えるものである。
本発明によれば、成形装置の主要構成部品であって、極めて高い剛性を有するタイバー上に、前記ジャッキを接地させて、前記ベースプレートを下方から支え、前記ベースプレートの変形に起因した、前記汎用部に対する前記専用部の位置決め精度の低下を防ぐことができる。
【0010】
また、本発明の請求項に係る成形用金型の段替え装置は、請求項1または2記載の段替え装置において、前記搬送手段は、型開き状態の成形機内で、前記専用部を前記汎用部から離間した所定位置まで引き出し、かつ、該所定位置にある前記専用部を前記汎用部内の所定位置へと押し込む送り手段を備えるものである。
本発明によれば、前記送り手段によって、型開き状態の成形機内で、前記専用部を前記汎用部から離間した所定位置まで引き出し、前記搬送手段によって、成形機外へと搬送することができる。また、前記搬送手段によって、成形機外から成形機内の所定位置へと搬入した前記専用部を、前記送り手段によって、前記汎用部へと押し込むことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。ここで、従来技術と同一部分および相当する部分については同一符号で示し、詳しい説明は省略する。
【0012】
図1には、本発明の実施の形態に係る段替え装置200を備えるダイカストマシン1の全体図を示している。ここで、まず最初に、ダイカストマシン1の構造について簡単に説明する。ダイカストマシン1は、固定型11を取付けるための固定プラテン2と、可動型12を取付けるための可動プラテン3とを有している。可動プラテン3は、架台4上の一端部に配置された固定プラテン2と架台4上の他端部に配置された固定台5との間に架橋した、極めて高い剛性を有する4本のタイバー6に摺動案内されて、固定プラテン2に対し離間・接近する。
【0013】
そして、可動プラテン3を固定プテン2に接近させることにより、可動型12を固定型11に密着させて型閉じ状態とすることができ、反対に、可動プラテン3を固定プラテンから離間させることにより、可動型12を固定型11から離間させて型開き状態とすることができる。可動プラテン3の駆動は、前記固定台5に設けた型締シリンダ7により行われる。なお、図1中、符号8は、固定プラテン2の背面側に設けられた、金型内に溶湯を射出するための射出シリンダーである。
【0014】
固定型11および可動型12は、いずれも、共通化された汎用部Mとキャビティーを有する専用部Nとに分割されている。より詳しくは、固定型11は、汎用部Mとしての固定側主型15と専用部Nとしての固定側入子16とを有し、可動型12は、汎用部Mとしての可動側主型17と専用部Nとしての可動側入子18とを有している。そして、固定側入子16および可動側入子18は、いずれも、固定側主型15、可動側主型17をダイカストマシン1に取付けた状態で、後述の着脱機構により、自動的に着脱することができる。
【0015】
さて、本発明の実施の形態に係る段替え装置200は、送り手段201と、搬送手段251とを備えている。送り手段201は、型開き状態の成形機内で、一体化した固定側入子16および可動側入子18(以下、「専用部集合体16、18」ともいう。)を、固定側主型15および可動側主型17から離間した所定位置まで引き出し、かつ、該所定位置にある専用部集合体16、18を、可動側主型17内の所定位置へと押し込む機能を有している。一方、搬送手段251は、固定側主型15および可動側主型17から、所定位置へと引き出した専用部集合体16、18を、ダイカストマシン1の内外間で移動させる機能を有している。以下、送り手段201および搬送手段251の構造について説明する。
【0016】
図2には、段替え装置200の要部平面図を示している。また、図3には、図2に示す段替え装置200の、送り手段201を拡大して示している。さらに、図4には図2の矢視I図を、図5には図2の矢視II図を、図6には図2の矢視III図を、夫々示している。
【0017】
段替え装置200は、図2において左側にダイカストマシン1が位置し、図2の上方にダイカストマシン1の固定プラテン2が、図2の下方にダイカストマシン1の可動プラテン3が位置して、金型の開閉方向と直交する向きに配置されるものである。そして、送り手段201は、搬送手段251の上に、積層するようにして設けられている。
【0018】
より具体的には、送り手段201は、金型の開閉方向と直交する方向にシフト可能なテーブル202(以下、「シフトテーブル202」という。)を基台とし、専用部集合体16、18に係合して移動する金型移送手段203と、専用部集合体16、18を所定の移動経路上に案内するガイド手段204とを備えている。そして、送り手段201は、専用部集合体16、18を載置するための載置部としても機能するものである。さらに、送り手段201は、金型移送手段203およびガイド手段204を、型開き状態にある固定側主型15、可動側主型17に対する所定位置に固定するための、位置決め手段205を備えている。
【0019】
金型移送手段203は、図6に示すように、可動側入子18に対し自動着脱可能なボールロック機構206を備えている。このボールロック機構206は、水平に延びるアームを含む移動体207に支持されている。また、移動体207は、型の開閉方向へと移動することができるようにボールネジ機構208によって駆動され、かつ、図5に示すように、ガイドレール209によって案内される構造を有している。したがって、ボールロック機構206を可動側入子18に係合させ、移動体207を移動させることにより、専用部集合体16、18を、型の開閉方向へと押し出し、または、引き込むことが可能となる。
【0020】
ガイド手段204は、専用部集合体16、18を型の開閉方向へと押し出し、または、引き込む際の、移動経路側方に位置するガイドローラ210と、移動経路下方に位置するガイドローラ211とを有している。したがって、専用部集合体16、18は、金型移送手段203によって移動する際に、ガイドローラ210、211により、所定の移動係路上に正確に案内されることとなる。
【0021】
また、ガイド手段204は、専用部集合体16、18を可動側主型17へと押し込む際の、可動側入子18と可動側主型17との間隙保持手段を備えている。かかる間隔保持手段は、可動側入子18に設けられ、可動側主型17の専用部取付け用の凹部25に弾発付勢される、転動ベアリング212(図7参照)および転動ベアリング213(図8参照)によって構成されている。そして、図7、図8に示すように、可動側入子18を可動側主型17へと押し込む際には、可動側入子18の、可動側主型17の凹部25へと進入した部分がガイドローラ210、211による案内を受けられなくなる代わりに、転動ベアリング212、213が可動側入子18と可動側主型17の凹部25との間隔を適切な距離Y、Zに保持して、専用部集合体16、18を凹部25へと円滑に押し込むことが可能となる。
【0022】
また、位置決め手段205は、図9、図10に示すように、固定側主型15、可動側主型17に形成した穴51、52に係合する、ピン214、215を有している。この、ピン214、215は、シフトテーブル202に固定された油圧またはエア駆動のシリンダ216、217によって、伸縮自在に制御されるものである。そして、ピン214、215を穴51、52に係合させることにより、固定側主型15および可動側主型17に対する、シフトテーブル202の位置合わせを正確に行い、シフトテーブル202上に設けられた金型移送手段203およびガイド手段204(図6参照)を、固定側主型15および可動側主型17に対し正確に位置決めして、専用部集合体16、18の段替えを、円滑に行うことを可能とするものである。
なお、本発明の実施の形態では、金型移送手段203、ガイド手段204共に、専用部集合体16、18を凹部25から引き出し、押し込む方向が、型の開閉方向となるように構成されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、型の開閉方向に対し所定の角度をもって移動するように構成しても良い。かかる角度は、型の開閉方向に対し5°以内の範囲で設定することが好ましい。
【0023】
一方、搬送手段251は、図2に示すように、ベースプレート253を備えている。このベースプレート253は、図1に示す汎用部段替え用ローラー301、302、303、304の上を移動可能な形状を有している。そして、送り手段201の複数(図示の例では2つ)のシフトテーブル202は、連結プレート252によって一体に連結され、ベースプレート253上を、金型の開閉方向と直交する方向へと、一体に移動するものである。汎用部段替え用ローラー301、302、303および304は、夫々駆動ローラであり、それらの上に載置されたベースプレート253を、型の開閉方向と直交する方向へと移送することが可能である。
【0024】
ところで、汎用部段替え用ローラー301、302は、汎用部を複数載置して移動することが可能な搬送台車300上に設けられており、汎用部段替え用ローラー303、304は、搬送台車300とダイカストマシン1との間に設けられた中継台400上に設けられている。また、汎用部段替え用ローラー303、304は、図9、図10に模式的に示すように、その一部がダイカストマシン内部にまで連続し、機内ローラーを構成している。そして、汎用部段替え用ローラー301と302、303と304は、汎用部の段替えを可能とするため、所定の間隔に配置されている。そして、搬送台車300および中継台400は、いずれも、従来から金型の段替え設備として、ダイカストマシン1に付随して設けられているものである。
また、発明の実施の形態では、汎用部段替え用ローラー301、302、303および304は、型の開閉方向と直交する方向に設けられている。すなわち、これらのローラは、ベースプレート253を型の開閉方向と直交する方向へと送るように構成されている。しかしながら、本発明は、かかる方向に限定されるものではなく、型の開閉方向に対し鈍角または鋭角にベースプレート253を送るように構成することも可能である。そして、このように構成することで、ダイカストマシン1の側方の空間を空け、かかる空間を有効活用することが可能となる。
【0025】
搬送手段251の、ベースプレート253の奥行寸法(図2の左右方向の寸法)は、一体に連結された複数のシフトテーブル202よりも長尺に構成されており、複数のシフトテーブル202のいずれもが、ベースプレート253の端部近傍からその中央部へと移動することが可能である。また、ベースプレート253の幅寸法(図2の上下方向の寸法)は、汎用部段替え用ローラー301および302、303および304の上に跨り、搬送され得るだけの幅を有している。また、ベースプレート253の、ダイカストマシン1の内部へと進入する部分には、固定プラテン2に取付けられた固定側主型15との干渉を避けるための切り欠き部254と、可動プラテン3に取り付けられた可動側主型17との干渉を避けるための切り欠き部255とが形成されている。
なおかつ、ベースプレート253は、金型の段替え時に、従来必要不可欠であったタイバー6の抜き差しを不用とするため、積極的に薄型の構造を採用している。なお、図4〜図6には、ベースプレート253とタイバー6との隙間は明確に示されていないが、実際は、ベースプレート253とタイバー6との間には、接触防止のための僅かな隙間が設けられており、かかる隙間を図9、図10に誇張して示している。また、ベースプレート253の積極的な薄型化により、ベースプレート253には若干のたわみを生ずるが、かかるたわみの発生による不具合は、後述のジャッキ258によって解消することができる。
【0026】
また、ベースプレート253には、一体に連結された複数のシフトテーブル202を、金型の開閉方向と直交する方向へと移動させるシフト手段を設けている。このシフト手段は、ベースプレート253の奥行のほぼ全体に渡って敷設されたガイドレール256と、ガイドレール256の全体に渡ってシフトテーブル202を移動させることが可能なストロークを有する、シリンダー257とを備えている。
【0027】
したがって、一方のシフトテーブル202上に、新たにマシンへと取付ける専用部集合体16、18(以下、「新入子」ともいう。)を載置して、ベースプレート253をダイカストマシン1の内部に進入させ、他方のシフトテーブル202上に、マシンから取り外した専用部集合体16、18(以下、「旧入子」ともいう。)を載置し、ベースプレート253上でシフトテーブル202を移動させることにより、新・旧入子を短時間で交換することができる。
なお、型の開閉方向に対し鈍角または鋭角にベースプレート253を送るように構成した場合には、シフトテーブル202のシフト方向も、型の開閉方向に対し鈍角または鋭角となるので、ダイカストマシン1の側方の空間を空け、かかる空間を有効活用することが可能となる。
【0028】
また、ベースプレート253は、必要時に成形機の剛性部に当接して、ベースプレート253を下方から支える支持手段として、ジャッキ258を備えている。ジャッキ258は、図6、図9、図10に示すように、ベースプレート253が、ダイカストマシン1の内部に進入した状態で、ダイカストマシン1のタイバー6上に接地することにより、ベースプレート253を下方から支え、そのたわみを矯正するものである。そして、ベースプレート253のたわみを矯正することにより、ベースプレート253上のシフトテーブル202のたわみも矯正され、金型移送手段203およびガイド手段204(図6参照)を、型開き状態にある固定側主型15、可動側主型17に対する所定位置に固定することが可能となる。
【0029】
ここで、送り手段201と搬送手段251とを備える段替え装置200を用い、専用部集合体16、18の段替えを行う手順を説明し、これと合せて、各部の詳細な構造・機能の説明を付け加える。
【0030】
まず、段替え装置200により可動側入子16および固定側入子18の段替えを行う準備段階として、図1に示すように、搬送手段251のベースプレート253を、搬送台車300および中継台400の、汎用部段替え用ローラー301、302、303および304上に位置させる。そして、送り装置201の2つのシフトテーブル202(図2)のうち、一方は、マシンから取り外す専用部集合体16、18(旧入子)を載置するために空荷状態とし、他方のシフトテーブル上には、新たにマシンへと取付ける専用部集合体16、18(新入子)を、予め載置しておく。
【0031】
また、図15に示すように、予め可動側主型17に固定された可動側入子18に対し固定側入子16を一体化し(後述する手順による)、固定側主型15と可動側主型17を型開き状態とする。このとき、可動側入子18は、可動側主型17に設けた凹部25の凹部底に密着するように、着脱機構によって固定されている。
【0032】
かかる着脱機構は、可動側主型17側から伸ばしたT字クランパー34を、固定側入子18の背面部に設けたT字スロット36に合せてその内部に挿入し、T字クランパー34を回転させることにより、T字スロット36から引き抜き不能とするものである。かかる引き抜き不能状態で、T字クランパー34を縮めることにより、専用部集合体16、18を可動側主型17の凹部25内に引き込み、可動側入子18を凹部25の凹部底に密着させることが可能である。
【0033】
さて、図15に示す状態において、汎用部段替え用ローラー301、302、303および304(図1)を駆動し、搬送手段251のベースプレート253を、ダイカストマシン1の内部へと進入させる。このとき、図9に示すように、ベースプレート253は、自重によって若干のたわみを生ずる。
【0034】
ベースプレート253にたわみを生じた状態では、ベースプレート253上のシフトテーブル202にもたわみを誘発し、シフトテーブル上に設けられた金型移送手段203およびガイド手段204を、型開き状態にある固定側主型15、可動側主型17に対する所定位置に固定することが不可能となる。そこで、図10に示すように、ジャッキ258をタイバー6上に接地させ、ベースプレート253を下方から支えることで、そのたわみを矯正することができる。
【0035】
ベースプレート253のたわみを矯正した後、空荷のシフトテーブル202に設けられた、位置決め手段205のピン214、215を、固定側主型15、可動側主型17に形成した穴51、52に係合させ、固定側主型15および可動側主型17に対する空荷のシフトテーブル202の位置合わせを、正確に行う。かかる位置合わせによって、シフトテーブル202上に設けられた金型移送手段203およびガイド手段204(図6参照)を、固定側主型15および可動側主型17に対し正確に位置決めして、専用部集合体16、18の受入れを円滑に行うことを可能とする。
【0036】
次に、準備段階として説明した図15の状態から、図14に示すようにT字クランパー34を伸長させ、T字クランパー34を伸長させた分だけ、可動側主型17の凹部25から、専用部集合体16、18を押し出す。そして、可動側主型17内の所定位置へと専用部集合体16、18を移動させる。また、T字クランパー34のクランプ用シリンダの流体圧を開放して後、T字クランパー34を、T字スロット36から引き抜き可能な角度へと回転させる。
【0037】
ここで、金型移送手段203の移動体207を、ボールネジ機構208によって駆動して可動側入子18に接近させ、ボールロック機構206を可動側入子18に連結する。なお、ボールネジ機構208は、図4に示すように、ボールネジ軸の端部に固定された従動プーリー224と、電動モータの回転軸に固定された駆動プーリー225との間に掛け回したベルト226により、動力供給を受けるものである。
【0038】
また、ボールロック機構206は、図12に示すように、油圧またはエア駆動のシリンダ218の、ピストンロッド219に大径部220を形成し、ガイドスリーブ221に形成した開口222に大径部220が位置するとき、ボール223を開口222からガイドスリーブ221の外側へと突出する構造を有している。そして、ガイドスリーブ221の外側へと突出したボール223を、可動側入子18に設けたガイドスリーブ受入穴53の凹部54に嵌入させることにより、ボールロック機構206を可動側入子18に連結することができる。一方、ピストンロッド219を後退させて、その大径部220を開口222から外れる位置へと移動させることで、ボール223はガイドスリーブ221の内部へと格納され、ボールロック機構206と可動側入子18との連結は解除される。
なお、ボールロック機構206を構成するシリンダ218は、わずかに軸方向へとフローティングできるように、移動体207に装着されており、ボールロック機構206と可動側入子18に設けたガイドスリーブ受入穴53との結合の確実性を確保している。
【0039】
そして、図14に示すようにボールロック機構206を可動側入子18に連結した後、ボールネジ機構208によって、移動体207を可動側主型17から離間する方向へと移動させることで、図13に示すように、専用部集合体16、18を可動側主型17の凹部25から引き出すことができる。このとき、T字クランパー34をさらに伸長させて可動側入子18を押し出すことにより、専用部集合体16、18の移動を補助することができる。また、可動側入子18は、移動経路側方に位置するガイドローラ210と、移動経路下方に位置するガイドローラ211とにより、所定の移動係路上に正確に案内され、空荷のシフトテーブル202上へと正確に移送される。図6は、この時点における段替え装置200の状態を示している。
【0040】
次に、図10の状態にある位置決め手段205のピン214、215と、固定側主型15、可動側主型17に形成した穴51、52との係合を解除し、続いて、タイバー6上に接地させていたジャッキ258を格納し(図9)、シリンダー257(図4〜図6)によってシフトテーブル202を駆動して、ベースプレート253のガイドレール256に沿ってシフトテーブル202を移動させる。そして、固定側主型15および可動側主型17に対し専用部集合体16、18を着脱する際の、移動係路上から、旧入子を外し、代りに新入子を配置する。このとき、シフトテーブル202は、ベースプレート253上の限られた距離を移動するのみであることから(図2参照)、新・旧入子の交換を、極めて短時間で完了することができる。
【0041】
そして、再び、ベースプレート253に設けたジャッキ258を、タイバー6上に接地させ、ベースプレート253を下方から支えると共に、位置決め手段205のピン214、215を、固定側主型15、可動側主型17に形成した穴51、52に係合させ(図10)、固定側主型15および可動側主型17に対する、新入子を載置したシフトテーブル202の位置合わせを正確に行う。この時点においても、段替え装置200の各部は、図6および図13に示す状態となっている。なお、新入子は、機外でシフトテーブル202上に載置される際に、ボールロック機構206を可動側入子18に連結されることで、シフトテーブル202上での位置を固定し、移動時の位置ズレが防止される。
【0042】
続いて、図13に示す状態から、ボールネジ機構208を駆動して、移動体207を可動側主型17に接近する方向へと移動させることにより、図14に示すように、専用部集合体16、18を、可動側主型17の凹部25内の所定位置へと押し込むことができる。当該所定位置では、可動側主型17側からT字クランパー34が伸びて待機しており、T字クランパー34は、固定側入子18の背面部に設けたT字スロット36に係合する。
【0043】
しかも、専用部集合体16、18を可動側主型17へと押し込む際に、可動側入子18の、可動側主型17の凹部25へと進入した部分は、図7、図8に示すように、ガイドローラ210、211による案内を受けられなくなる代わりに、転動ベアリング212、213が可動側入子18と可動側主型17の凹部25との間隔を適切な距離Y、Zに保持するので、可動側入子18を凹部25へと円滑に押し込むことが可能となる。
【0044】
ところで、転動ベアリング212、213は、図11に拡大して示すように、可動側入子18に埋めこまれたケース227に、スプリング228と共にボール229を圧入し、かつ、ボール229の飛び出しをストッパー230で係止したものである。したがって、ボール229が可動側主型17の凹部25の壁面に当接すると、ボール229は回転しながら、スプリング228を圧縮し、スプリング228の反発力を利用して、可動側入子18と可動側主型17の凹部25との間隔を適切な距離Y、Z(図7、図8)に保持するものである。
【0045】
そして、図14に示す状態において、ボールロック機構206を可動側入子18から切り離し、ボールネジ機構208によって、移動体207を可動側入子18から離間させる。これと共に、可動側主型17側から伸ばしたT字クランパー34を回転させ、T字スロット36から引き抜き不能とした後、T字クランパー34を、可動側入子18を可動側主型17の凹部25内に引き込むことで、図15に示す状態となる。
【0046】
そして、新入子を可動側主型17に移送したことにより空荷状態となったシフトテーブル202は、位置決め手段205のピン214、215と、固定側主型15、可動側主型17に形成した穴51、52との係合を解除し、続いて、タイバー6上に接地させていたジャッキ258を格納して(図9)、旧入子を載置したシフトテーブル202と一体に、ベースプレート253上の初期位置へと復帰する。さらに、汎用部段替え用ローラー301、302、303および304(図1)を駆動し、搬送手段251のベースプレート253を、ダイカストマシン1の内部から、搬送台車300および中継台400上に復帰させる。
【0047】
以上により、送り手段201と搬送手段251とを備える段替え装置200を用い、専用部集合体16、18の段替えを行う手順を完了する。
【0048】
次に、固定型11および可動型12の、固定側入子16および可動側入子18を、固定側主型15、可動側主型17をダイカストマシン1に取付けた状態で、自動的に着脱するための着脱機構について、説明する。
【0049】
図16〜図18は、本発明の1つの実施の形態である成形用金型の全体的構造を示したものである。本実施の形態は、横型ダイカストマシン(成形機)に装備されるダイカスト用鋳造金型として構成されており、前述のごとく、図1に示すダイカストマシン(以下、単にマシンという)1の固定プラテン2に取付けられる固定型11と、マシン1の可動プラテン3に取付けられる可動型12と、可動型12に付設された押出手段13および複数基(4基)のスライド14とから概略構成されている。
【0050】
上記した固定型11、可動型12、押出手段13およびスライド14のそれぞれは、前述のごとく、共通化された汎用部Mとキャビティを形成する専用部Nとに分割されている。より詳しくは、固定型11は、汎用部Mとしての固定側主型15と専用部Nとしての固定側入子16とから、可動型12は、汎用部Mとしての可動側主型17と専用部Nとしての可動側入子18とから、押出手段13は、汎用部Mとしての押出ロッド19と専用部Nとしての、押出ピン20を植設してなる押出板21とから、スライド14は、汎用部Mとしてのスライドホルダ22と専用部Nとしてのスライドコア23とからそれぞれ構成されている。また、これら専用部Nは、対応する汎用部Mに対して脱着機構Oにより自動的に脱着されると共に、専用部N同士は、連結機構Pにより自動的に一体化されるようになっている。
【0051】
上記固定型11および可動型12のそれぞれは、その固定側主型15,可動側主型17に設けた凹部24,25にその固定側入子16,可動側入子18を嵌合させ、この状態で前記凹部24,25の底部と固定側入子16,可動側入子18の背面部との間に設けた脱着機構Oにより固定側入子16,可動側入子18を各固定側主型15,可動側主型17に対して脱着する構造となっている。
【0052】
固定側入子16,可動側入子18を固定側主型15,可動側主型17に脱着する脱着機構Oは、ここではクランプ装置31、32からなっており、クランプ装置31、32は、固定側主型15,可動側主型17側から延ばしたT字クランパー33,34を固定側入子16,可動側入子18の背面部に設けたT字スロット35、36に係入させて、該固定側入子16,可動側入子18を固定側主型15,可動側主型17の凹部24,25内に引込む構造となっている。このT字クランパー33,34を駆動する駆動手段37、38は、T字クランパー33,34を軸方向移動させるシリンダ(引込シリンダ)とT字クランパー33,34を回転させる回動機構とからなっており、これら引込シリンダおよび回動機構は、対応する固定側主型15,可動側主型17に内蔵されている。
【0053】
固定側入子16と可動側入子18とを連結する連結機構Pは、前述のボールロック機構206(図12参照)と類似の構造を用いることが可能であり、詳しい説明を省略する。
上記押出手段13は、その専用部Nとしての押出板21が、可動型12の汎用部Mである可動側主型17と可動側入子18との間に配置されている。可動側主型17の凹部25の底部にはその背面側まで貫通するガイド孔71が形成されており、押出板21は、可動側主型17に可動側入子18を装着した状態においてこのガイド孔71内に納められるようになっている。
【0054】
スライド14の専用部Nとしてのスライドコア23は、図19および図20に示されるように、可動側入子18に放射状に形成された幅広の収納溝101内に挿入されている。各スライドコア23の背面には、バックプレート102が固定されており、スライドコア23は、そのバックプレート102を可動側入子18の収納溝101の入口側側縁に設けた段部103に着座させる位置が、可動側入子18に対する挿入端となっている。そして、この可動側入子18に対するスライドコア23の挿入端において、各スライドコア23の先端部のテーパ面23aはほぼ密着する状態に合わされ、これにより可動側入子18の凸状の成形部18aの周りには環状のキャビティ100が形成されるようになる。
【0055】
上記スライド14の汎用部であるスライドホルダ22は、図16〜図18に示されるように、可動プラテン3の前面に型開閉方向に対して交差する方向へ移動可能に配設されている。このスライドホルダ22とスライドコア23とを脱着する脱着機構Oは、図16に示すように、各スライドホルダ22内を挿通させたT字クランパー105をスライドコア23の背面部(バックプレート102を含む)に設けたT字スロット106に係入させるクランプ装置104からなっている。クランプ装置104は、ここでは、そのT字クランパー105の駆動手動として既存のスライド駆動用シリンダ107(図16〜図18参照)を共用している。このシリンダ107は、可動側主型17にブラケット108を介して固設されており、前記T字クランパー105は、このシリンダ107のピストンロッドに同軸に連結されている。クランプ装置104はまた、そのT字クランパー105の回転用として、前記可動側主型17に内蔵した、T字クランパー34を駆動する駆動手段38の回動機構と、基本的に同一の構造を有する回動機構を有している。
【0056】
上記したクランプ装置104を構成するT字クランパー105は、スライド駆動用シリンダ107のピストンロッドの伸長に応じて、スライドホルダ22と一体に可動側入子18側へ前進し、T字スロット106に挿入される。そして、クランプ装置104は、そのT字クランパー105のヘッド部をT字スロット106に挿入させた後、T字クランパー105を90度回転させ、さらに、シリンダ107のピストンロッド109を短縮させることにより、スライドホルダ22とスライドコア23との連結は完了する。
【0057】
一方、上記各スライドコア23と固定側入子16との合せ部には、図20に示すように、専用部N同士を脱着可能に連結する連結機構Pとしての凹凸嵌合手段115が設けられている。この凹凸嵌合手段115は、スライドコア23の側面にボルト116を用いて固定された凸部材117と固定側入子16の端面に形成された嵌合穴118とからなっている。凸部材117と嵌合穴118とはテーパ嵌合するように相互にテーパ形状に形成されており、両者は固定型11と可動型12との型閉じに応じて自動的にかつ円滑に嵌合するようになっている。
【0058】
固定側入子16と可動主型入子18とは、前記したように連結機構Pとしてのボールロック機構61により型閉じの状態に連結一体化されるようになっており、したがって、スライドコア23は、この連結一体化された固定側入子16と可動側入子18との間に、凹凸嵌合手段115により抜け不能に保持される。この場合、押出手段13の専用部Nである押出板21も、可動側入子18に対して抜け止めされているので、専用部Nとして構成した固定側入子16、可動側入子18、スライドコア22および押出板21の全ては、図18によく示されるように相互に型閉じの状態(塊状態)に連結一体化される。すなわち、専用部Nは、塊状態として汎用部Mから取外すことができるようになる。
【0059】
可動側主型17に固定された可動側入子18に対し固定側入子16を一体化する際には、固定型11に対する可動型12の開閉動作を利用する。具体的には、図16に示す型開き状態から、図17に示す型締め状態とすることにより、固定側入子16と可動側入子18とが密着するので、この時点でボールロック機構61(図16)により型閉じの状態に連結一体化する。そして、クランプ装置31による固定側主型15と固定側入子16との連結を解き、型開きを行うことにより、図15に示すように、可動側主型17に固定された可動側入子18に対し固定側入子16を一体化した状態で、固定側主型15と可動側主型17を型開き状態とすることができる。よって、段替え装置200により専用部集合体16、18の段替えを行う準備を完了して、前述の手順により新・旧入子の段替えを行うことが可能となる。
【0060】
上記構成をなす本発明の実施の形態により得られる作用効果は、以下の通りである。
まず、本発明の実施の形態では、型開き状態のダイカストマシン1内で、汎用部Mから所定位置へと引き出した専用部N(旧入子)を、搬送手段251によって、ダイカストマシン1の外へと搬送することができる。また、搬送手段251によって、ダイカストマシン1の外からダイカストマシン内の所定位置へと別の専用部N(新入子)を搬入することができる。当該段替え作業において、搬送手段251が扱うべき対象は、成形用金型のうち専用部Nのみであり、金型全体を段替えする場合に比して、小型かつ軽量のものを段替えの対象とすることから、段替え装置200の構造の簡略化が容易となり、かつ、高速での動作が可能となる。よって、段替え装置の簡略化と、段替え作業の高速化を促進することができる。
【0061】
また、搬送手段251は、専用部Nの載置部を有する複数のシフトテーブル202を、金型の開閉方向と直交する方向へと移動させるシフト手段を備えるので、複数のシフトテーブル202の1つに、汎用部Mから所定位置へと引き出した専用部Nを載置し、シフトテーブル202を前記シフト手段によって金型の開閉方向と直交する方向へと移動させて、他のシフトテーブル202に予め載置しておいた他の専用部N(新入子)を前記所定位置へと置換えることができる。すなわち、シフトテーブル202の移動(シフト)によって、段替えに供する専用部N(新・旧入子)の置換えを行うことができる。
【0062】
しかも、搬送手段251は、汎用部段替え用のローラ301、302、303および304上に跨り、該駆動ローラ上を搬送され得るだけの幅を有するベースプレート253を備え、ベースプレート253上にシフトテーブル202と、シフト手段である、ベースプレート253の奥行のほぼ全体に渡って敷設されたガイドレール256と、ガイドレール256の全体に渡ってシフトテーブル202を移動させることが可能なストロークを有する、シリンダー257とを設けたものである。
すなわち、本発明の実施の形態は、ベースプレート253上に、搬送手段251を構成したものである。そして、ベースプレート253上のシフトテーブル202の限られた距離の移動(シフト)のみによって、段替えに供する専用部N(新・旧入子)の置換えを行うことができるので、新・旧入子を短時間で交換することができる。
しかも、ベースプレート253は、汎用部段替え用のローラ301、302、303および304上に跨り、該駆動ローラ上を搬送され得るだけの幅を有することから、専用部Nの搬出・搬入作業にも、汎用部段替え用のローラ301、302、303および304上を共用することができ、既存設備の有効活用を図ることができる。
【0063】
なお、汎用部段替え用ローラー301、302、303および304を、型の開閉方向に対し鈍角または鋭角にベースプレート253を送るように構成した場合には、ダイカストマシン1の側方の空間を空け、かかる空間を有効活用することが可能となる。かかる場合には、シフトテーブル202のシフト方向も、型の開閉方向に対し鈍角または鋭角となるので、ダイカストマシン1の側方の空間を空け、かかる空間を有効活用することが可能となる。
また、ベースプレート253は、必要時にダイカストマシン1の剛性部に当接して、ベースプレート253を下方から支える支持手段を備えることから、該支持手段によって、ベースプレート253を下方から支え、ベースプレート253の変形に起因した、汎用部Mに対する専用部Nの位置決め精度の低下を防ぐことができる。
【0064】
そして、前記支持手段として、ダイカストマシン1のタイバー6上に接地するジャッキ258を備えており、ダイカストマシン1の主要構成部品であって、極めて高い剛性を有するタイバー6上に、ジャッキ258を接地させて、ベースプレート253を下方から支え、ベースプレート253の変形に起因した、汎用部Mに対する専用部Nの位置決め精度の低下を防ぐことができる。よって、専用部Nの段替えを、円滑に行うことができる。
【0065】
しかも、搬送手段251は、型開き状態のダイカストマシン1内で、専用部Nを汎用部Mから離間した所定位置まで引き出し、かつ、該所定位置にある専用部Nを汎用部M内の所定位置へと押し込む送り手段201を備えるものである。
よって、送り手段201によって、型開き状態のダイカストマシン1内で、専用部N(旧入子)を汎用部Mから離間した所定位置まで引き出し、搬送手段251によって、成形機外へと搬送することができる。また、搬送手段251によって、ダイカストマシン1の外からダイカストマシン内の所定位置へと搬入した専用部N(新入子)を、送り手段201によって、汎用部Mへと押し込むことができる。
【0066】
なお、本発明の実施の形態では、従来から金型の段替え設備として、ダイカストマシン1に付随して設けられている、搬送台車300および中継台400を有効活用するため、汎用部段替え用ローラー301、302、303、304の上に跨り、該駆動ローラ上を搬送され得るだけの幅を有する、ベースプレート253上に段替え装置200の搬送手段251を構成し、更にその上に送り手段201を積み重ねて配置する構成を採用した。しかしながら、搬送台車300および中継台400を用いることなく、送り手段201のシフトテーブル202自体を、専用の送り機構によって型の開閉方向と交差する方向へと駆動する構成としても良い。
【0067】
また、本発明の実施の形態では、固定側入子16と可動側入子18とを一体化した後に、段替え装置200によって新・旧入子を段替えする場合を例示して説明したが、例えば、可動側入子18のみ、段替え装置200を用いて段替えすることも可能である。
さらに、本発明の実施の形態に係る段替え装置200は、ダイカストマシン以外の成形機において、成形用金型の段替えに用いることも可能である。
【0068】
【発明の効果】
本発明はこのように構成したので、様々な成形用金型において、より効率的な段替え作業を実現し、金型の段替え作業に要する時間を短縮化して、成形機の可動率を向上させ、製品コストの上昇を抑えることが可能となる。
特に、本発明によれば、型開き状態の成形機内で、前記汎用部から所定位置へと引き出した前記専用部を、成形機外と成形機内との間で移動させる作業を、迅速・確実に行い、金型の段替え作業に要する時間の短縮化を図ることが可能となる。しかも、従来、金型の段替え時に必要不可欠であった固定部と可動部と接続するタイバーの抜き差しを不用とし、金型の段替え作業に要する時間の短縮化を促進することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る段替え装置を備える、ダイカストマシンの全体図である。
【図2】 図1に示す段替え装置の要部平面図である。
【図3】 図2に示す段替え装置の、送り手段を示す拡大図である。
【図4】 図2に示す段替え装置の矢視I図である。
【図5】 図2に示す段替え装置の矢視II図である。
【図6】 図2に示す段替え装置の矢視III図である。
【図7】 本発明の実施の形態に係る段替え装置のガイド手段を構成する、可動側入子に設けられた転動ベアリングの機能説明図である。
【図8】 可動側入子に設けられた転動ベアリングの機能説明図であり、図7とは別の方向から見たものである。
【図9】 本発明の実施の形態に係る段替え装置の送り手段に設けられた位置決め手段と、搬送手段に設けられた支持手段とを示すものであり、位置決め手段および支持手段の不作動状態を示す断面図である。
【図10】 本発明の実施の形態に係る段替え装置の送り手段に設けられた位置決め手段と、搬送手段に設けられた支持手段とを示すものであり、位置決め手段および支持手段の作動状態を示す断面図である。
【図11】 図7、図8に示す転動ベアリングの拡大断面図である。
【図12】 本発明の実施の形態に係る段替え装置の、金型移送手段のボールロック機構を示す拡大断面図である。
【図13】 本発明の実施の形態に係る段替え装置の、専用部集合体の段替えを行う手順を示す説明図である。
【図14】 本発明の実施の形態に係る段替え装置の、専用部集合体の段替えを行う手順を示す説明図であり、図13に前後する状態を示すものである。
【図15】 本発明の実施の形態に係る段替え装置の、専用部集合体の段替えを行う手順を示す説明図であり、図14に前後する状態を示すものである。
【図16】 本発明の1つの実施の形態である成形用金型の全体的構造を示したものであり、その型開き状態を示す断面図である。
【図17】 図16に示す成形用金型の型締め状態を示す断面図である。
【図18】 図16、図17に示す成形用金型の専用部を、相互に型閉じの状態(塊状態)に連結一体化して、汎用部から取外した状態を示す断面図である。
【図19】 図16から図18に示す成形用金型の可動側専用部を示す正面図である。
【図20】 図16から図18に示す成形用金型の断面図であって、スライドコアを一体に固定するための構造部分を示すものである。
【符号の説明】
1 ダイカストマシン
6 タイバー
11 固定型
12 可動型
15 固定側主型
16 固定側入子
17 可動側主型
18 可動側入子
25 凹部(可動側主型)
31 クランプ装置
51、52 穴
53 ガイドスリーブ受入穴
54 凹部
61 ボールロック機構
100 キャビティ
104 クランプ装置
105 T字クランパー
106 T字スロット
107 シリンダ
200 段替え装置
201 送り手段
202 シフトテーブル
203 金型移送手段
204 ガイド手段
205 位置決め手段
206 ボールロック機構
207 移動体
208 ボールネジ機構
209 ガイドレール
210 側方のガイドローラ
211 下方のガイドローラ
212、213 転動ベアリング
214、215 ピン
216、217 シリンダ
218 シリンダ
219 ピストンロッド
251 搬送手段
252 連結プレート
253 ベースプレート
254、255 切り欠き部
256 ガイドレール
257 シリンダー
258 ジャッキ
301、302、303、304 汎用部段替え用ローラー

Claims (3)

  1. 共通化された固定側主型および可動側主型を備える汎用部とキャビティーを有する固定側入子および可動側入子を備える専用部とからなり、前記専用部は、成形機に取付けられている汎用部に対して、前記固定側主型および可動側主型から延ばしたT字クランパーを前記固定側入子及び可動側入子の背面部に設けたT字スロットに係入させて、前記固定側入子および可動側入子を前記固定側主型および可動側主型の凹部内に引込み、または押出すクランプ装置からなる着脱機構により自動的に着脱される成形用金型の段替え装置であって、
    型開き状態の成形機内で、前記汎用部から所定位置へと引き出した前記専用部を、成形機外と成形機内との間で移動させる搬送手段を備え
    前記搬送手段は、前記汎用部を載置して移動可能な搬送台車、該搬送台車とダイカストマシンとの間に設けられた中継台、および、該中継台からダイカストマシン内部にまで連続して設けられた、前記汎用部段替え用の駆動ローラ上に跨り、該駆動ローラ上を搬送され得るだけの幅を有するベースプレートを備え、該ベースプレート上に、
    前記専用部の載置部を有する複数のテーブルと、
    該複数のテーブルを金型の開閉方向と交差する方向へと移動させるための、前記ベースプレートの奥行のほぼ全体に渡って敷設されたガイドレールと、前記ガイドレールの全体に渡って、前記複数のテーブルを移動させることが可能なストロークを有するシリンダーとからなるシフト手段とを備えることを特徴とする段替え装置。
  2. 前記ベースプレートは、成形機のタイバー上に接地するジャッキを備えることを特徴とする請求項記載の段替え装置。
  3. 前記搬送手段は、型開き状態の成形機内で、前記専用部を前記汎用部から離間した所定位置まで引き出し、かつ、該所定位置にある前記専用部を前記汎用部内の所定位置へと押し込む送り手段を備えることを特徴とする請求項1または2記載の段替え装置。
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