JP3816208B2 - センサーケーブルの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、美術館、生鮮食品の運搬および温室栽培などの温度測定に使用される温度センサーなどが先端に設けられたセンサーケーブルおよび、その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、デジタル温度計とサーミスタなどの温度センサーをセンサーケーブルで接続することによって、温度計の発熱などの影響がない状態で温度を測定したり、温度計本体を設置できないような条件の室内の温度測定ができるようになっているものがある。
【0003】
このような測定システム用に用いられるセンサーケーブルは、先端にセンサー自身が取りつけられ、そのセンサーの防水や耐腐食を目的として適当な樹脂による被覆が施された構造が採用されている。
【0004】
例えば、実開平5−079902には、センサーとそれに接続するリード線をリード線貫通孔が設けられたセラミック製の保護チューブでカバーすることが開示されている。また、実開平6−016836には、センサーおよびリード線の先端部にガラスあるいは、エポキシ樹脂、フッ素樹脂などの絶縁材を付着させて、外側を被覆することが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
これらの方法によりセンサー部分の防水性あるいは耐腐食性を向上できる。しかしながら、セラミック製の保護チューブと電線との接続部分、あるいは付着された樹脂と電線との接合部分を介して水分あるいは腐食性のガスなどが侵入する可能性がある。接続部分あるいは接合部分は、溶着などにより密封する方法をとることが可能であるが、異材同士の接合となるなどの条件により接合部分の強度は高くなく電線を曲げるなどの負荷がかかると、接合部分にき裂や剥離などが発生し易い。さらに、保護チューブや保護用の樹脂をセンサーおよび電線に被せた後に、それらの接合部分を電線の周囲に沿ってさらに溶着などを行うのは手間がかかり、比較的面倒な作業である。また、溶着部分が、完全に密封されたか否かを確認する作業が必要となるので工数がかかる。
【0006】
このように、従来の方法では、センサーケーブルを製造する工程が煩雑なため生産性(量産性)が低く、防水性および腐食性などに問題が生じる可能性が高い。
【0007】
そこで、本発明においては、簡単にケーブルおよびセンサー部分の被覆ができ、さらに信頼性の高いセンサーケーブルの製造方法を提供することを目的としている。また、信頼性の高いセンサーケーブルを簡単に製造可能にすること、および低コストで提供できるようにすることを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明においては、センサーをカバーするために、専用のチューブを取り付けたり、樹脂を塗布するのではなく、センサーを被覆するケーブルの被覆自体をセンサー全体を覆うように延ばし、このケーブルの被覆によってセンサーの保護を行うようにしている。
【0009】
すなわち、本発明は、被覆材によって複数の束ねられた多心ケーブルの接続配線の先端にセンサーを接続する接続工程と、被覆材をセンサー全体を覆う位置まで延ばすカバー工程と、被覆材の先端を溶着する溶着工程とを有するセンサーケーブルの製造方法であって、溶着工程では、センサーケーブルをガラス型材に入れて加熱することを特徴とする製造方法を含む。
【0010】
さらに、本発明のセンサーケーブルの製造方法により、ケーブルを被覆して延ばして、その先端を溶着するという非常に容易な工程で防水性および耐薬品性が高く信頼性の高いセンサーケーブルを製造できる。従って、本発明のセンサーケーブルの製造方法により保護のための専用チューブや樹脂を被り付ける作業が不要となり、接続箇所も先端一箇所と工数が少なく面倒な作業も省くことができるので、耐久性の高いセンサーケーブルを低コストで量産できる。
【0011】
また、本発明のセンサーケーブルの製造方法における溶着工程では、センサーケーブルをガラス型材に入れて加熱することによって、手間なく所定の形状となるように溶着できる。また、外部から溶着状態が視覚的に確認できるので、密封完了時を的確にとらえることができ作業性および信頼性の高い製造方法を提供できる。
【0012】
さらに、被覆材として、耐水性および耐薬品性が高く、強度的にも優れているデュポン社のテフロンなどのフッ素系樹脂が用いられたケーブルを用いることにより、さらに耐久性の高いセンサーケーブルを提供できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明の実施の形態を示し、本発明につきさらに説明する。図1に、本発明に係るセンサーケーブル20の概略構成を示してある。
【0014】
本例のセンサーケーブル20は、2心から成るペアケーブル6の先端にセンサーユニット10が接続されたものであり、本例のペアケーブル6には、2本の接続配線5が被覆材4によって束ねられたものが採用されている。また、センサーユニット10は、温度測定用のサーミスタユニットが用いられている。このセンサーユニット10の両面には接続用の電極2が設けられており、この電極2に接続配線5が接続され、先端にセンサーの付いたセンサーケーブル20が構成されている。本例のセンサーケーブル20は、ペアケーブル6の被覆材4がセンサーユニット10まで延ばされており、この被覆材4によってペアケーブル6とセンサーユニット10が一体として被覆され、さらに先端9が溶着され密封されている。ペアケーブル6は被覆材4として、塩化ビニルなどの樹脂を用いたものであってももちろん良く、防水性のあるセンサーケーブルを実現できる。これに対し本例のペアケーブル6の被覆材4としては、耐薬品性、耐湿性および耐熱性に優れた特性を持つことが知られているフッ素系樹脂が採用されており、どのような条件下でも安心して使用できる防水性および耐腐食性がさらに高いセンサーケーブルとなっている。
【0015】
このように、本例のセンサーケーブル20は、テフロン(商標)などのフッ素系樹脂の被覆材4によりセンサーユニット10からペアケーブル6まで繋ぎ目なくカバーされた防水性および耐薬品性などに非常に優れたセンサーケーブル20である。
【0016】
図2に、本発明に係るセンサーケーブルの製造方法を示してある。本例の製造方法は、図2の(a)に示してあるように、市販されているフッ素系樹脂を被覆材としたペアケーブル6と、サーミスタユニットをセンサーユニット10として用意する。次に、図2の(b)に示してあるように、ペアケーブル6の一方の端の接続配線5にセンサーユニット10を接続する。
【0017】
続いて、図2の(c)に示してあるように、ペアケーブル6の被覆材4をセンサーユニット10の側へ移動しながら延ばし、センサーユニット10がすべて被覆材4でカバーされるようにする。そして、被覆材4の先端部9を所定の形状にするためのガラス型30を用意して、センサーユニット10をカバーできる位置まで延ばした被覆材4の先端部9をガラス型30へ入れる。
【0018】
次に図2の(d)に示してあるように、ガラス型材30の周囲から熱31を加え被覆材の先端部9を溶着して密封する。この熱を加えて溶着する工程において、先端が丸くなるように、ガラス型材30内でペアケーブル6を回転させながら加熱溶着することが望ましい。また、ガラス型材30を介して先端部9を観察し、被覆材4が十分に溶着してセンサーユニット10が完全に密封されことを確認する。
【0019】
以上の工程より、図1に示したようなセンサーユニット10とペアケーブル6がフッ素系樹脂による被覆材4によって一体として被覆された本例のセンサーケーブル20が生産される。
【0020】
このように本例のセンサーケーブル20は、ペアケーブル6の被覆自体を延ばし、センサーユニット10まで移動させ、センサー全体をカバーし、その先端部9を所定の形状をしたガラス型材30を用いて、先端一箇所を加熱溶着して密封するという非常に簡単な製造方法で製造できる。さらに、このような製造方法で製造された本例のセンサーケーブル20は、繋ぎ目のなく一体被覆されたセンサーケーブルであり、耐久性および耐薬品性などが高くなり、ケーブルが折れ曲げられたりしても接合部や接続部にき裂などが入って密封が壊れてしまう心配がなく、どのような環境下でも安心して使用できる。また、センサーケーブル全体がシームレスで一体となった見栄えの良いセンサーケーブルを提供できる。
【0021】
また、本例のセンサーケーブル20は、被覆材4に、防水性および耐腐食性の高いフッ素系樹脂を使用しており、この被覆材4で、センサーケーブル全体を繋ぎ目なく覆っているのでいっそう高い防水性および耐腐食性を備えたセンサーケーブルとなっている。
【0022】
このように、ペアケーブル6の被覆自体を使いセンサーユニット10を含めたセンサーケーブル20全体を被覆する方法により、従来の製造方法に比べて耐久性の高いセンサーケーブルを容易に製造することができ、保護用の特別な樹脂や専用のチューブなどの新たな部材が不要であり、またこれらを塗布あるいは取り付ける装置なども不要なので生産性の高い製造方法となり、高耐久性のセンサーケーブルを低コストで供給することが可能となる。
【0023】
また、本例の溶着用の型材30は、ガラスを採用しているので被覆材質との化学変化が生じず、さらに、溶着経過(工程)が明確に把握できるため、所定の形状に溶着および密封する過程を確実に判断できる。従って、生産性が高く信頼性のある品質の安定した製品の提供が可能となる。
【0024】
なお、上記ではセンサーユニットとしてサーミスタを用いた例を説明しているが、サーミスタに限らず磁気センサーなどの他の物理量を測定できるセンサーを用いても良いことはもちろんである。また、多心ケーブルも本例のペアケーブルに限らず、必要に応じて3心以上のケーブルを用いて良いことももちろんである。
【0025】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明においては、被覆材にフッ素系樹脂(テフロン)用いられている多心ケーブルの被覆自体によって、センサーユニットまで繋ぎ目などがない一体被覆成形が簡単になされたセンサーケーブルとその製造方法を提供している。そして、これらにより防水性および耐腐食性が要求される環境下での使用が可能な信頼性の高いセンサーケーブルを低価格で提供できる。
【0026】
特に、本発明のセンサーケーブルの製造方法を採用することにより、新たな被覆材(樹脂など)を用いなくて良いので、大掛かりな装置なども不要であり、簡易な製造工程により高品質なセンサーケーブルを量産でき低価格で提供できる。これと共に、浸水および薬品などによる腐食などの影響を受けない優れた構造のセンサーケーブルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るセンサーケーブルの構成を示す図である。
【図2】本発明の実施例に係る図1のセンサーケーブルの製造工程を示す図である。
【符号の説明】
2・・電極
3・・リード線
4・・被覆材
5・・接続配線
6・・ペアケーブル
9・・先端部
10・・センサーユニット
20・・センサーケーブル
30・・ガラス型材
31・・熱
Claims (2)
- 被覆材によって複数の束ねられた多心ケーブルの接続配線の先端にセンサーを接続する接続工程と、
前記被覆材を前記センサー全体を覆う位置まで延ばすカバー工程と、
前記被覆材の先端を溶着する溶着工程とを有するセンサーケーブルの製造方法であって、
前記溶着工程では、前記センサーケーブルをガラス型材に入れて加熱することを特徴とするセンサーケーブルの製造方法。 - 請求項1において、前記被覆材はフッ素系樹脂であることを特徴とするセンサーケーブルの製造方法。
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