JP3816167B2 - 連続搬送装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンクリートなどの搬送資材を多数のバケットに入れて連続的に搬送するための装置に関し、特に搬送先での搬送資材の積載程度に応じて高さ位置を変更できるものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来の連続搬送装置においては、搬送元から搬送先まで循環する左右平行一対のガイド軌条が枠体に支持されている。このガイド軌条には、これに沿って連結された複数の搬送体が取り付けられ、ガイド軌条に沿って移動するようになっている。搬送体は、その移動途上に設けられた磁石ベルト駆動装置の磁石ベルトに吸着されて引き回される。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の装置においては、ガイド軌条の搬送先側の上下位置が固定されているので、搬送資材が徐々に積み上がると、そのまま搬送作業を継続することができなくなるという問題がある。
そこで、本発明は、搬送資材の積み上げ高さに応じて、ガイド軌条の搬送先側の上下位置を変更できる連続搬送装置を提供することを課題としている。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、上記課題を解決するため、搬送元から搬送先まで往復するように夫々連続して枠体２に支持された左右平行一対のガイド軌条３，３と、このガイド軌条３を対向する車輪２１で挟みつつ移動するようにガイド軌条３に連鎖状に多数支持され、夫々下部に磁性板２２が固着され、搬送物を積載するバケット１９を有する搬送体４と、この搬送体４の磁性板２２に磁気吸着し、搬送体４をガイド軌条３に沿って引き回すように枠体２に固定された磁石ベルト駆動装置５とを具備する連続搬送装置１において、ガイド軌条３の搬送先側に可撓部３ｂを設け、搬送先側端部の上下位置を変更可能に構成し、ガイド軌条３の搬送先側端部付近を支持する枠体２の一部を俯仰自在に構成し、俯仰駆動装置８により、ガイド軌条３の搬送先側端部と共に俯仰角度を変更可能に構成した。
また、枠体２を固定枠６と固定枠６に枢支した可動枠７とで構成し、搬送先側で可動枠７の上下位置を変更可能に設け、固定枠６と可動枠７との間に俯仰駆動装置８を設けて、ガイド軌条３の一端部もろとも可動枠７の上下位置を変更可能に構成した。
【０００５】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図１において、連続搬送装置１は、枠体２と、ガイド軌条３と、搬送体４と、磁石ベルト駆動装置５とを備えている。枠体２内にガイド軌条３が延長し、ガイド軌条３に多数の連続した搬送体４が移動自在に支持され、搬送体４は磁石ベルト駆動装置５によりガイド軌条３に沿って引き回される。搬送体４は、ガイド軌条３の一端側の搬送元において例えば生コンクリートのような資材を受入れ、これをガイド軌条３の他端側の搬送先まで搬送し、ここで荷降ろしして搬送元へ戻る動作を連続的に繰り返す。
【０００６】
枠体２は、上下方向にほぼＳ字状に屈曲して延びるガイド軌条３を内側に支持するもので、例えば地上に固定された固定枠６と固定枠６に対して俯仰自在の可動枠７とを有する。固定枠６は、横臥部６ａとこれに連続して直立した起立部６ｂとを有する。横臥部６ａの端部側が、生コンクリート等の資材の搬送元となっている。可動枠７は、起立部６ｂの上部側方に、取付け部材７ａを介して俯仰自在に連結されており、その端部が、搬送元より高所に位置する搬送先に向いている。図１乃至図３に示すように、可動枠７は、固定枠６との間に設けられた俯仰駆動装置８により俯仰動作する。俯仰駆動装置８は、固定枠６に取り付けられた駆動モータ９と、これに接続されたギヤ装置１０と、これに係合して固定枠６の起立部６ｂに沿って上下動するラック杆１１と、これと可動枠７との間を結合するリンク１２とを備えている。
【０００７】
ガイド軌条３は、固定枠６の横臥部６ａ内をほぼ水平に延びて上方へ屈曲し、起立部６ｂ内をほぼ垂直に上方へ延び、上部で再び屈曲して可動枠７内へ延びている。ガイド軌条３の上部の固定枠６と可動枠７との連結部付近は、可動枠７の俯仰動作に伴って上下に自在に屈曲する可撓部３ｂとなっている。ガイド軌条３は、可撓部３ｂを除き、金属製の棒状部３ａから成り、左右に平行に一対設けられ、枠体２内を搬送元から搬送先まで往復するように夫々無端状に延長している。ガイド軌条３は、延長途上において所定間隔で複数の支持部材１３により枠体２に支持されている。支持部材１３は、ガイド軌条３，３間に渡された結合板１３ａと、この結合板１３ａと枠体２とを結合する支持杆１３ｂとから成る。ガイド軌条３の可撓部３ｂは、図４，図５に示すように、棒状部３ａの端部間を複数のリンクプレート１４，１５で鎖状に連結して成る。左右のリンクプレート１４，１４間にはスペーサ１６が渡されている。固定枠６側の棒状部３ａの端部は、断面略半円状に切り欠かれ、その直立面部に延長方向のスライド溝３ｃが形成されている。一方、可撓部３ｂの固定枠６側端部のリンクプレート１４には、スライド溝３ｃに係合するスライド突条１４ａを有する。固定枠６側の棒状部３ａの端部は、支持部材１３で固定枠６に固定され、可動枠７側の他方の端部は、支持部材１３で可動枠７に固定されている。これら二つの支持部材１３，１３間はばね板１７で連結されている。ばね板１７は、スペーサ１６に穿設されたガイドスリット１６ａ内を貫通して延長している。
【０００８】
図６乃至図８に示すように、搬送体４は、車体部１８の側部に、水平枢軸２０でバケット１９の上部を回動自在に枢支して成る。車体部１８は、左右のガイド軌条３の外側に夫々配置される平行一対の側壁１８ａ，１８ａと、左右のガイド軌条３の下方を横断するように側壁１８ａ，１８ａの下端間を連結する底壁１８ｂとを具備する。側壁１８ａには、ガイド軌条３を挟んで転動する前後２対の車輪２１が取り付けられている。ガイド軌条３を支持する支持杆１３ｂは、左右の車輪２１，２１間を自由に通過する。車輪２１は、ガイド軌条３の外周に沿う環状湾曲面２１ａを有する。底壁１８ｂの下面には、磁性板２２が固着されている。バケット１９の車体１８側の側面には、可動枠７に取り付けられた後記転倒ガイドピン２４に係合する係合突条１９ａが垂直に延びるように突設されている。各搬送体４の磁性板２２，２２間は、磁性体から成る連結板２３が相互回動自在に連結している。そして、複数の搬送体４が、磁性板２２及び連結板２３で連結されてガイド軌条３上に支持されている。
【０００９】
転倒ガイドピン２４は、図９に示すように、バケット１９の通路に張り出すように、可動枠７に取り付けられている。即ち、転倒ガイドピン２４は、バケット１９がガイド軌条３の搬送先側終端付近に来たときに係合突条１９ａに係合するように可動枠７に固定されている。転倒ガイドピン２４は、バケット１９の係合突条１９ａに係合してこれを転倒させ、バケット１９内の資材を搬送先に荷降ろしする。２５は支持プレートであり、ガイド軌条３の搬送先側終端付近に位置して可動枠７に取り付けられている。支持プレート２５は、ほぼ円弧状のガイド面２５ａを有する。バケット１９が転倒するときに、それの枢支部がガイド面２５ａに当接し、バケット１９の荷重の一部を支持プレート２５で支持するようになっている。
【００１０】
磁石ベルト駆動装置５は、搬送体４の連続体をガイド軌条３に沿って引き回すために、ガイド軌条３，３の延長途上に所定間隔で複数設けられている。磁石ベルト駆動装置５は、図１，図１０，図１１に示すように、枠体２に固定されている。モータ２６につながる駆動プーリ２７とこれに対向する従動プーリ２８との間に磁石ベルト２９が掛け回されて構成される。磁石ベルト２９は、永久磁石を保持した多数のベルト要素２９ａを鎖状に連結して構成される。磁石ベルト２９は、搬送体４の磁性板２２及び連結板２３に磁気吸着して搬送体４を引き回す。
【００１１】
この連続搬送装置１においては、磁石ベルト駆動装置５が搬送体４を引き回してガイド軌条３に沿って移動させ、搬送体４を搬送元から搬送先まで往復循環させる。搬送体４は、バケット１９に搬送資材を積載し、車輪２１でガイド軌条３に沿って移動し、資材を搬送先に移送する。多数の搬送体４は一体に結合されているので、磁石ベルト駆動装置５により部分的に吸着して引き動かせば、全体が引き回される。磁性板２２及び連結板２３が磁石ベルト２９に磁気吸着するので、駆動力が確実に搬送体４に伝達される。搬送先では、図９に示すように、バケット１９の係合突条１９ａが転倒ガイドピン２４に当接し、車体１８に対して相対的にバケット１９が転倒して、搬送資材を下方へ落下させる。例えば搬送資材であるコンクリートが可動枠７の下方に所定量積み上がったら、可動枠７を上方へ回動させ、コンクリートとバケット１９との所要の間隔をとる。俯仰駆動装置８の駆動モータ９の駆動により、ラック杆１１を上昇させれば、リンク１２に押されて可動枠７が上昇回転し、またラック杆１１を下降させれば、リンク１２に引かれて可動枠７が下降回転する。ガイド軌条３の可撓部３ｂは、リンクプレート１４，１５の連鎖体で構成されているし、スライド溝３ｃ及びスライド突条１４ａにより棒状部３ａに対して先端部のリンクプレート１４が出入り自在に移動するので、可動枠７の回動に追随して柔軟に湾曲する。
【００１２】
【発明の効果】
以上のように、本発明においては、連続搬送装置の搬送先側の端部の位置を適宜上下に変更することができるので、搬送資材が積み上げに従い、順次端部を上昇させることで支障なく、搬送作業を継続することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る連続搬送装置の正面図である。
【図２】俯仰駆動装置の正面図である。
【図３】俯仰駆動装置の斜視図である。
【図４】ガイド軌条の可撓部の平面図である。
【図５】ガイド軌条の可撓部の分解斜視図である。
【図６】搬送体の正面図である。
【図７】搬送体の平面図である。
【図８】搬送体の側面図である。
【図９】搬送先のバケットの正面図である。
【図１０】磁石ベルト駆動装置の正面図である。
【図１１】磁石ベルト駆動装置の縦断面図である。
【符号の説明】
１ 連続搬送装置
２ 枠体
３ ガイド軌条
３ｂ 可撓部
４ 搬送体
５ 磁石ベルト駆動装置
６ 固定枠
７ 可動枠
８ 俯仰駆動装置
９ 駆動モータ
１１ ラック杆
１２ リンク
１３ 支持部材
１４，１５ リンクプレート
１８ 車体部
１９ バケット
１９ａ 係合突条
２１ 車輪
２２ 磁性板
２３ 連結板
２４ 転倒ガイドピン
２７ 駆動プーリ
２８ 従動プーリ
２９ 磁石ベルト

Claims (2)

1. 搬送元から搬送先まで往復するように夫々連続して枠体に支持された左右平行一対のガイド軌条と、
   このガイド軌条を対向する車輪で挟みつつ移動するようにガイド軌条に連鎖状に多数支持され、夫々下部に磁性板が固着され、側部に搬送物を積載するバケットを有する搬送体と、
   この搬送体の磁性板に磁気吸着し、搬送体をガイド軌条に沿って引き回すように枠体に固定された磁石ベルト駆動装置とを具備する連続搬送装置において、
   前記ガイド軌条は、搬送先側に可撓部を備え、搬送先側端部の上下位置を変更可能に構成され、
   前記ガイド軌条の搬送先側端部付近を支持する前記枠体の一部が俯仰自在に構成され、俯仰駆動装置により、ガイド軌条の搬送先側端部と共に俯仰角度を変更可能に構成されていることを特徴とする連続搬送装置。
2. 前記枠体は、固定枠と可動枠とを備え、可動枠は搬送先側において上下位置を変更可能に固定枠に枢支され、固定枠と可動枠との間に、前記ガイド軌条の一端部もろとも可動枠の上下位置を変更可能な前記俯仰駆動装置が設けられていることを特徴とする請求項１に記載の連続搬送装置。

Images