JP3810374B2 - 光学情報再生装置のスピンドル・モータの速度を制御するための方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学情報再生装置の速度制御に関し、特に、アクセス操作中、光学情報再生装置内のバッファ・メモリの記憶量に基づき光学情報再生装置の速度制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
CD−ROM、DVD−ROM、CD−RWまたはDVD−RAMのような光学情報再生装置は、マルチメディア・コンピュータ・システムの基本要素であった。
【0003】
米国特許第4,485,337号、第4,783,774号、第5,289,097号、第5,246,479号及び第5,345,347号には、光学情報再生装置に関する制御システムの従来技術が開示されている。
【0004】
今日、商業用の光学情報再生装置の公称操作速度は、基本単位Xの倍数によって表される。1Xは、CD−ROMの基準に対して1秒につき176キロバイトに等しいことが良く知られている。光学情報再生装置の公称操作速度に影響を与える根本要素は、光学情報再生装置の内側のスピンドル・モータの回転速度である。一般に、光学情報再生装置の読取操作の開始時において、光学情報再生装置は、許容された所定の最大速度に設定される。例えば、焦点はずれ、光ディスクの偏心または振動のような種々の条件により読取速度が低くなるので、光学情報再生装置は、修正を行うため、自動的にその操作速度を下げるであろう。さらに、特定のデータ・フォーマットを有する幾つかの光ディスクに対して、光学情報再生装置は、ディスクのデータ・フォーマットに特的的に対応する読取速度を設定して好適な読取速度を達成する。
【0005】
良く知られたデータ・フォーマットの型は、レッドブックにより開示されたCD−オーディオ、イエローブックにより開示されたCD−ROMモード1、CD−ROMモード2、グリーンブックにより開示されたCD−ROMモード2/XAフォーム1、CD−ROMモード2/XAフォーム2、オレンジブックにより開示された記録可能なコンパクト・ディスク規準、等を含む。光学情報再生装置に記録可能なディスク・データ・フォーマットの型は、光学情報再生装置のファームウエア内に格納される。光学情報再生装置により読取られるMIP3フォーマットまたはPCゲーム・フォーマットのような拡張されたデータ・フォーマットを有する光ディスクが、良く知られたデータ・フォーマットの型のものではないので、光学情報再生装置は、一般のデータ・フォーマットの型として拡張されたデータ・フォーマットを処理し、許容される最大の速度で光ディスクを読取る。この条件下で、通常、ソフトウエアまたはハードウエアの解読方法が、光学情報再生装置の速度を決定して設定するために、光学情報再生装置内に必要とされる。しかしながら、この方法は、高価であり、実行するのに困難である。
【0006】
光学情報再生装置は、現在、その高速操作を得るように設計が行われている。しかしながら、光学情報再生装置を高速にすれば、通常、ウインカッティングや振動及びモータ・ハミングに起因するノイズが伴う。ノイズは、許容された最大速度で走行する規格外データ・フォーマットのディスクに関して特に重要である。光ディスクと関連する偏心欠陥と結合したノイズは、ディスクのデータ、すなわちオーディオ及びビデオの再生を非常に危険に晒す。
【0007】
さらに、光学情報再生装置を介してアプリケーションにより必要とされるデータの読取速度は、光学情報再生装置により取得されたデータの読取速度より遅いので、より高速で操作される光学情報再生装置は、不必要な電力を消費し、スピンドル・モータの使用寿命を短くするであろう。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前述の及び他の光学情報再生装置のための従来の制御システムは、光学情報再生装置の情報再生効率に影響を与えることなくノイズを除去するために、スピンドル・モータの回転速度を適切な速度に自動的に調整するための新たな方法を必要とする。また、比較的低い消費電力かつ高い電力変換効率で光学情報再生装置を駆動するための制御システムも望ましい。本発明は、上述の必要性を満足させることに向けられている。
【0009】
本発明の目的は、情報再生効率に影響を与えることなくノイズを除去して消費電力を下げるよう、スピンドル・モータの回転速度を適切な速度に自動的に調整する方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、光学情報再生装置は、光ディスクから読取られたデータを一時的に格納するためのバッファ・メモリを有している。本発明の方法は、操作中、バッファ・メモリの記憶量を監視することにより、スピンドル・モータを減速または加速することである。
【0011】
本発明の第1の好適な実施の形態によれば、スピンドル・モータの回転速度を制御するための方法は、バッファ・メモリの記憶量が、読取り操作の期間中、第1の所定の量よりも連続的に大きいか否かを決定する。記憶量が第1の所定の量よりも連続的に大きいならば、スピンドル・モータは所定の変動速度で減速される。当該方法は、また、バッファ・メモリの記憶量が、読取り操作の期間中、第2の所定の量よりも連続的に小さいか否かを決定する。記憶量が第2の所定の量よりも連続的に小さいならば、スピンドル・モータは、所定の変動速度で加速される。
【0012】
本発明の第2の好適な実施の形態によれば、スピンドル・モータの速度を制御するための方法は、バッファ・メモリの記憶量が、読取り操作の期間中、第1の所定の量よりも連続的に大きいか否かを決定し、かつ待ち時間が所定の時間よりも長いか否かを決定する。もしそうならば、スピンドル・モータは所定の変動速度で減速される。待ち時間とは、データ転送を要求するアプリケーション・プログラムによって行使される命令を待つ際に消費される時間を表す。当該方法はまた、バッファ・メモリの記憶量が読取り操作の期間中、第2の所定の量よりも連続的に小さいか否かを決定する。もしそうならば、スピンドル・モータは所定の変動速度で加速される。
【0013】
具体的には、本発明によれば、スピンドル・モータが光学情報再生装置内に配置された光ディスクを駆動し、光学情報再生装置はバッファ・メモリを有し、アプリケーションによって必要とされるデータが、光ディスクから読取られて、バッファ・メモリを介してアプリケーションに転送される、光学情報再生装置のスピンドル・モータの速度を制御するための方法であって、(1)所定のアルゴリズムに基づいて許容可能速度を決定する段階と、(2)許容可能速度に等しい現在の速度Wcで動作させるようスピンドル・モータの速度を設定する段階と、(3)光ディスク上のデータを読取り、該データをバッファ・メモリに格納する段階と、(4)バッファ・メモリからのデータをアプリケーションに転送する段階と、(5)バッファ・メモリの記憶量B(t)を計算し、該記憶量B(t)が所定の規準を満足するか否かを決定する段階と、(6)段階(5)において記憶量B(t)が所定の規準を満足するならば、Wcに、所定の変動値であるWdを加えたものに等しいWaの速度の値を計算し、その後、Waの速度の値で動作させるようスピンドル・モータの速度を設定する段階と、を含む方法が提供される。
【0014】
この場合、所定の規準は、所定の量と、インデックスFIと、所定の数とを含み、記憶量B(t)が所定の量よりも大きいとき、インデックスFIは1だけ加算され、インデックスFIが所定の数より大きいとき、所定の変動の値Wdは負である。
【0015】
さらに、段階(2)と段階(3)との間に、0に等しい待ち時間Ptを設定し、その後、待ち時間Ptの計数を開始する段階と、アプリケーションにデータを転送することを要求する命令を受け取る段階と、待ち時間Ptの計数を停止する段階と、を含むのが好ましい。
【0016】
所定の規準は所定の時間をも含み、記憶量B(t)が所定の記憶量よりも大きいとき、そして待ち時間Ptが所定の時間よりも長いとき、インデックスFIは、FIに1を加えたものに設定される。
【0017】
所定の規準は、所定の量と、インデックスSIと、所定の数とを含み、データ記憶B(t)が所定の量よりも少ないとき、インデックスSIはSIに1を加えたものに等しく設定され、インデックスSIが所定の数よりも大きいとき、所定の変動値Wdは正であるようにしても良い。
【0018】
また、所定の規準は、第1の所定の量と、第2の所定の量と、第1のインデックスFIと、第2のインデックスSIと、第1の所定の数と、第2の所定の数とを含み、データ記憶B(t)が第1の所定の量よりも大きいとき、第1のインデックスFIは1だけ加算され、かつ第2のインデックスSIは0に等しく設定され、データ記憶量B(t)が第2の量よりも少ないとき、第2のインデックスは1だけ加算され、かつ第1のインデックスFIは0に等しく設定され、第1のインデックスFIが第1の所定の数Nよりも大きいとき、所定の変動値Wdは第1の値であり、第2のインデックスSIが第2の所定の数よりも大きいとき、所定の変動値Wdは第2の値であり、第1の値は第2の値の負であるようにしても良い。
【0019】
この場合、段階(2)と段階(3)との間に、さらに、0に等しい待ち時間を設定し、その後、待ち時間Ptの計数を開始する段階と、アプリケーションにデータを転送することを要求する命令を受け取る段階と、待ち時間Ptの計数を停止する段階と、を含むようにすると好ましい。
【0020】
この場合、所定の規準は、また、所定の時間を含み、記憶量B(t)が第1の所定の量よりも大きいとき、かつ待ち時間Ptが所定の時間より長いとき、第1のインデックスFIは1だけ加算され、第2のインデックスSIは0に等しく設定されるようにしても良い。
【0021】
本発明の長所並びに精神は、添付図面と共に為される以下の説明によって一層理解容易となるであろう。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、実施形態により本発明を一層充分に説明する。
本発明は、アクセス操作中、代表的な光学情報再生装置の内側のスピンドル・モータの速度を適切な速度に自動的に調整するための方法を提供することである。
【0023】
図1を参照すると、代表的な光学情報再生装置の機械的及び電気的要素は、内部にアクチュエータ11を有するヘッド/ディスク・アセンブリ(HDA)を含んでいる。アクチュエータ11は、ラディアル・コイル、焦点コイル及びアクチュエータ・モータを含んでいるのが好ましく、アクチュエータ・モータは、光ピックアップ12を、ディスク13の表面に対する半径方向に異なった位置に位置付ける。HDAは、また、ディスク表面からのデータ及びサーボ情報を増幅するための読取前置増幅器回路18を含む。
【0024】
前置増幅器回路18は、また、選択された特定のトラックから読取られたデータを供給するための読取バッファ(図示せず)を含む。ディジタル信号プロセッサ(DSP)19は、HDA内の回路18からアナログ・データを受け取る。当該技術分野において良く知られているように、DSP19は、パルス検出器(図示せず)にアナログ信号を供給する読取チャンネル・アナログ・フィルタを含む。パルス検出器の出力は、未加工ディジタル・データとして、データ分離器(図示せず)に供給される。
【0025】
ディスク・ドライブ制御回路は、さらに、サーボ・バーストに関係したディスク13からのサーボ情報、同期パルス、及びディスク表面に対する光ピックアップ12の半径方向位置を示すトラックID番号を含む。ディスク・ドライブ回路要素15、19は、当該技術分野において良く知られているように、アドレス、制御及びデータ情報を運ぶバス102を介してマイクロコントローラ10とインターフェースする。
【0026】
サーボ・コントローラ部15は、バス102を介してマイクロコントローラ102につながり、サーボ読取タイミング及び制御信号に関する情報の流れを制御する。サーボ・コントローラ部15は、サーボ・コントローラ、アナログ・ディジタル(A/D)コンバータ回路及びディジタル・アナログ(D/A)回路を含んでいるのが好ましい。サーボ・コントローラ部15からのアナログ出力151は、入力として、アクチュエータ・ドライブ回路90に供給される。回路90は、アクチュエータ・ドライブ信号を電力増幅器に供給する電力増幅器制御回路を含み、電力増幅器は、次に、制御電流をHDA内のアクチュエータ11に供給する。
【0027】
示された光学情報再生装置は、また、HDA内のスピンドル・モータ16を制御してオーディオ−ビデオ・ディスク13を回転させるスピンドル・モータ制御ドライブ回路14を含む。ディスク・ドライブは、また、ホスト・インターフェース17を含んでおり、該ホスト・インターフェース17は、バス171を介して該ホスト・インターフェース17とホスト・コンピュータ(PC)との間で、並びにバス102を介して該ホスト・インターフェースと示された関連要素との間で制御及び情報通路を提供する。ホスト・インターフェース17とホスト・コンピュータとの間のデータ転送速度の差並びにホスト・インターフェース17とドライブとの間のデータ転送速度の差を合わせるために、バッファ・メモリ93が設けられている。
【0028】
換言すれば、ディスク13から読取られたビデオ−オーディオ情報は、一時的にバッファ・メモリ93に格納される。DSP19は、また、ディジタル・モータ速度制御回路91にフィードバック信号191を提供し、該ディジタル・モータ速度制御回路91は、該フィードバック信号191を、マイクロコントローラ10からの信号線101と比較する。比較の結果は、データ転送速度に関し現時点においてモータの回転が速すぎるかまたは遅すぎるかを示す。比較の結果は、スピンドル・モータ16に電力を供給するドライバ回路14を制御するために用いられる。要素92は、ディジタル・アナログ・コンバータ(DAC)であり、要素94は、増幅器である。
【0029】
上述したように、ディスク13及びバッファ・メモリ93に格納されたデータ、並びにディスク13及びバッファ・メモリ93間で転送され、かつバッファ・メモリ93及びホスト・コンピュータ間で転送されるデータは、すべて基本単位として「ブロック」をとる。さらに、バッファ・メモリ93の最大記憶量Bmaxは、ブロックの倍数をとる。以後、B(t)は、バッファ・メモリ93の記憶量を意味するものとし、R(t)は、ホスト・コンピュータ内で実行されるアプリケーションによって必要とされるデータの蓄積量を意味するものとし、そしてI(t)は、光ディスク13から読取られるデータ量を意味するものとする。B(t)、R(t)及びI(t)は、それぞれ時間の関数であることに留意されたい。
【0030】
第1の時間点t1において、バッファ・メモリ93の記憶量はB(t1)である。さらに、第2の時間点t2において、バッファ・メモリ93の記憶量はB(t2)である。B(t2)は、以下の式によって計算される。
【0031】
B(t2)=B(t1)+[I(t2)-I(t1)]-[R(t2)-R(t1)]ここに、B(t1)及びB(t2)は、Bmax以下である。
本発明における方法は、スピンドル・モータ16をスピードダウンさせるかまたはスピードアップさせるのを決定するために、アクセス操作中のバッファ・メモリ93の記憶量B(t)に基づいている。すなわち、バッファ・メモリ93の記憶量B(t)が所定の量Bfirstよりも引き続き大きいとき、スピンドル・モータは減速される。記憶量B(t)が所定の量Bsecondよりも引き続き小さいとき、スピンドル・モータは加速される。本発明の以下の詳細な説明においては、本発明の全体の理解を与えるための幾つかの好適な実施の形態が述べられている。
【0032】
図2のフローチャートに示されるように、本発明の第1の好適な実施の形態による方法は、ステップS20で始まる。ステップS21において、許容可能速度が所定のアルゴリズムに基づいて決定される。例えば、所定のアルゴリズムは、光ディスクのフォーマット型と焦点外れの状態を検出する。ステップS21において、当該方法はまた、許容可能速度に等しい現在の速度Weで動作させるようスピンドル・モータ16の回転速度を設定する。ステップS22において、当該方法は、第1のインデックスFI及び第2のインデックスSIの双方を0として設定する。
【0033】
ステップS23において、当該方法は、ホスト・コンピュータ内で実行されているアプリケーションがデータ転送を要求しているか否かを決定する。もし、ステップS23においてYesならば、ステップS24が実行される。ステップS24において、当該方法は、光ディスク上のデータを読取り、該データをバッファ・メモリ内に格納する。ステップS24において、当該方法はまた、バッファ・メモリ93からデータをアプリケーションに転送する。また、ステップS24において、当該方法は、バッファ・メモリ93の記憶量B(t)を計算する。ステップS25において、当該方法は、記憶量B(t)が所定の量Bfirstよりも大きいか否かを決定する。
【0034】
ステップS25において、Yesならば、ステップS26が実行される。ステップS26において、当該方法は、第1のインデックスFIをFIに1を加えたものに等しく設定し、第2のインデックスSIを0に等しく設定する。ステップS26の後、ステップS27が実行される。ステップS27において、当該方法は、第1のインデックスFIが所定の数Nよりも大きいか否かを決定する。ここに、Nは、自然数である。ステップS27においてYesならば、ステップS28が実行される。ステップS28において、We引くWdとしてWaの第1の速度が計算され、ここに、Wdは、所定の変動値である。その後、当該方法は、Waの第1の速度で動作させるよう、スピンドル・モータ16の速度を設定し、そして第1のインデックスFIを0として設定する。
【0035】
ステップS28の後、または、ステップS27においてNoならば、ステップS33が実行される。ステップS33において、当該方法は、アプリケーションによって必要とされるデータがすべて転送されるか否かを決定する。ステップS33においてYesならば、当該方法は、ステップS23に戻る。ステップS33においてNoならば、当該方法はステップS24に戻る。
【0036】
もしステップS25においてNoならば、ステップS29が実行される。ステップS29において、当該方法は、記憶量B(t)が第2の所定の量Bsecondよりも小さいか否かを決定する。もしステップS29においてYesならば、ステップS30が実行される。ステップS30においては、1が第2のインデックスSIに加えられ、第1のインデックスFIは0として設定される。ステップS30の後、ステップS31が実行される。ステップS31において、当該方法は、第2のインデックスSIが第2の所定の数Mよりも大きいか否かを決定する。ここに、Mは自然数である。
【0037】
もしステップS31においてYesならば、ステップS32が実行される。ステップS32において、Wbの第2の速度が、WcにWdを加えたものとして計算される。その後、当該方法は、Wbの第2の速度の値で動作するようスピンドル・モータ16の速度を設定し、第2のインデックスSIを0として設定する。ステップS32の後、またはステップS29においてNoならば、もしくはステップS31においてNoならば、ステップS33が実行される。
【0038】
上述のように、バッファ・メモリ93の記憶量B(t)が、Nの連続する時刻のデータ転送において第1の所定の量Bfirstよりも大きいときだけ、スピンドル・モータ16に対する減速状態が決定されるのは明らかである。また、バッファ・メモリ93の記憶量B(t)が、Mの連続する時刻のデータ転送において第2の所定の量Bsecondよりも小さいときだけ、スピンドル・モータ16に対する加速状態が決定されるのも明らかである。この方法によれば、短時間中もしくは単一時刻のデータ転送においてさえ、バッファ・メモリ93の記憶量B(t)の決定によってのみ、スピンドル・モータ16の性急な減速もしくは加速に起因するデータ転送の中断もしくは電力の浪費が避けられる。従って、本発明の方法は、光学情報再生装置の情報再生効率に影響を与えることなく、適切な速度で、スピンドル・モータの速度を自動的に調整することができる。
【0039】
一実施の形態において、記憶量B(t)の計算及び決定を含む上述のステップは、マイクロコントローラ10によって行われ得る。ステップS29において、スピンドル・モータ16は、減速されるよう、または加速されるように決定される。マイクロコントローラ10は、信号線101を介してモータ速度制御回路91に信号を送る。モータ速度制御回路91は、次に、スピンドル・モータ制御駆動回路14に、スピンドル・モータ16を所望の速度に減速または加速させるよう命令する。
【0040】
図3のフローチャートには、本発明の第2の好適な実施の形態による方法が示されている。第2の好適な実施の形態において、当該方法は、記憶量B(t)が第1の所定の量よりも大きいか否かを決定することによってのみではなく、待ち時間Ptが所定の時間Plimitよりも長いか否かを決定することによっても、スピンドル・モータの速度の減速状態を決定する。待ち時間Ptは、データ転送を要求するアプリケーションによって行使される命令を待つ際に消費される時間を表す。
【0041】
アプリケーションが光学情報再生装置の性能を試験するために用いられるテスト・プログラムである場合、データ転送に対する要求(リクエスト)はテスト・プログラムにより繰返し行使されることに留意されたい。従って、スピンドル・モータの性急な減速は、テスト・プログラムにより評価される光学情報再生装置の性能を減ずるであろう。本発明の第2の好適な実施の形態による方法は、テスト・プログラムに正確な応答を与えることができ、かつスピンドル・モータが過熱するのを避けるよう適切な時間においてスピンドル・モータを減速することができることが明らかである。
【0042】
図3に示すように、本発明の第2の好適な実施の形態による方法は、ステップS40で始まる。ステップS41において、所定のアルゴリズムに基づいて許容可能速度が決定される。例えば、所定のアルゴリズムは、光ディスクのフォーマット型並びに焦点外れの状態を検出する。ステップS41において、当該方法は、また、許容可能速度に等しい現在の速度Wcで動作させるようスピンドル・モータの速度を設定する。ステップS42において、当該方法は、第1のインデックスFI及び第2のインデックスSIを0として設定する。ステップS43において、当該方法は、待ち時間Ptを0として設定し、その後、当該方法は、待ち時間Ptの計数を開始する。
【0043】
ステップS44において、当該方法は、ホスト・コンピュータ内で実行されるアプリケーションがデータ転送を要求したか否かを決定する。ステップS44においてYesならば、ステップ45が実行される。ステップS45において、当該方法は、待ち時間Ptの計数を停止する。ステップS45の後、ステップS46が実行される。ステップS46において、当該方法は、光ディスク上のデータを読取り、該データをバッファ・メモリ93に格納する。ステップS46において、当該方法は、また、バッファ・メモリからアプリケーションにデータを転送する。また、ステップS46において、当該方法は、バッファ・メモリの記憶量B(t)を計算する。ステップS47において、当該方法は、記憶量B(t)が所定の量Bfirstよりも大きいか否かを決定する。
【0044】
ステップS47においてYesならば、ステップS48が実行される。ステップS48において、当該方法は、待ち時間Ptが所定の時間Plimitよりも長いか否かを決定する。ステップS48においてYesならば、ステップS49が実行される。ステップS49において、第1のインデックスFIに1が追加され、第2のインデックスSIは0として設定される。ステップS49の後、ステップS50が実行される。ステップS50において、当該方法は、第1のインデックスFIが所定の数Nよりも大きいか否かを決定する。ここに、Nは自然数である。
【0045】
ステップS50においてYesならば、ステップS51が実行される。ステップS51において、当該方法は、WcからWdを引いたものに等しいWaの速度の値を計算する。Wdは所定の変動値である。その後、当該方法は、Waの速度の値で動作するようスピンドル・モータ16の速度を設定し、そして第1のインデックスFIを0として設定する。ステップS51の後、またはステップS48においてNoの場合、もしくはステップS50においてNoならば、ステップS56が実行される。ステップS56において、当該方法は、アプリケーションによって要求されたデータがすべて転送されたか否かを決定する。ステップS56においてYesならば、当該方法は、ステップS43に戻る。ステップS56においてNoならば、当該方法はステップS46に戻る。
【0046】
ステップS47においてNoならば、ステップS52が実行される。ステップS52において、当該方法は、記憶量B(t)が第2の所定の量Bsecondよりも少ないか否かを決定する。ステップS52においてYesならば、ステップS53が実行される。ステップS53において、第2のインデックスSIに1が加算され、第1のインデックスFIは0として設定される。ステップS53の後、ステップS54が実行される。ステップS54において、当該方法は、第2のインデックスSIが第2の所定の数Mよりも大きいか否かを決定する。ここに、Mは自然数である。
【0047】
ステップS54においてYesならば、ステップS55が実行される。ステップS55において、当該方法は、WcにWdを加えたものに等しいWbの速度の値を計算する。その後、当該方法は、Wbの速度の値で動作させるようスピンドル・モータ16の速度を設定し、第2のインデックスSIを0として設定する。ステップS55の後、またはステップS52においてNoならば、もしくはステップS54においてNoならば、ステップS56が実行される。
【0048】
ここに記載した特定の装置及び方法は、本発明の原理を単に説明するためのものである。記載した本発明の範囲から逸脱することなく、形態及び詳細において多くの変更が為され得る。幾つかの特定の実施の形態について本発明を示してきたけれども、それに制限されるものとして見なすべきではない。むしろ、記載した発明は、特許請求の範囲によってのみ制限されるものである。
【0049】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、情報再生効率に影響を与えることなくノイズを除去して消費電力を下げるよう、スピンドル・モータの回転速度を適切な速度に自動的に調整することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用することができるディスク・システムの機械及び電気要素を示すブロック図である。
【図2】 本発明の第1の好適な実施の形態による方法を示すフローチャートである。
【図3】 本発明の第2の好適な実施の形態による方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10…マイクロコントローラ、13…光ディスク、16…スピンドル・モータ、17…ホスト・インターフェース、93…バッファ・メモリ。
Claims (1)
- スピンドル・モータが光学情報再生装置内に配置された光ディスクを駆動し、光学情報再生装置はバッファ・メモリを有し、アプリケーションによって必要とされるデータが、光ディスクから読取られて、バッファ・メモリを介してアプリケーションに転送される、光学情報再生装置のスピンドル・モータの速度を制御するための方法であって、所定のアルゴリズムに基づいて許容可能速度を決定する段階と、許容可能速度に等しい現在の速度で動作させるようスピンドル・モータの速度を設定する段階と、アプリケーションがデータ転送を要求するまで待ち時間の計数を開始する段階と、光ディスク上のデータを読取り、該データをバッファ・メモリに格納する段階と、バッファ・メモリからのデータをアプリケーションに転送する段階と、バッファ・メモリの記憶量を計算する段階と、記憶量が第1の所定の量より大きく、かつ待ち時間が所定の値より大きいとき、現在の速度を減少する段階と、記憶量が第2の所定の量より小さい場合に現在の速度を増加させる段階と、を含む方法。
Applications Claiming Priority (2)
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TW88112256 | 1999-07-20 | ||
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