JP3809074B2 - めっき密着性およびプレス成形性に優れた高強度溶融亜鉛系めっき鋼板およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車、建築、電気等の部材として有用な高強度鋼板、および、その製法に関し、特に、プレス成形時の張出し成形性、および、めっき密着性に優れた高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板、高強度溶融亜鉛めっき鋼板、および、その製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車等のクロスメンバーやサイドメンバー等の部材は、近年の燃費節減の動向に対応すべく軽量化が検討されており、材料面では、薄肉化しても強度が確保されるという観点から、高強度化が進められている。
ところが、一般に、材料のプレス成形性は、強度が上昇するに従って劣化するので、上記部材の軽量化を達成するためには、プレス成形性と高強度性の両特性を満足する鋼板を開発する必要があり、その開発が求められている。
【0003】
成形性の指標値には、引張試験における伸びをはじめとして、n値やr値があるが、一体成形によるプレス工程の簡略化が課題となっている昨今では、均一伸びに相当するn値の大きいことが、なかでも重要になってきている。
このため、鋼中に存在する残留オーステナイトの変態誘起塑性を活用した熱延鋼板や、冷延鋼板が開発されている。これは、高価な合金元素を含まずに、0.07〜0.4%程度のCと、0.3〜2.0%程度のSi、および、0.2〜2.5%程度のMnのみを基本的な合金元素とし、二相域で焼鈍後、300〜450℃内外の温度でベイナイト変態を行うことが特徴の熱処理により、残留オーステナイトを金属組織中に残す鋼板であり、例えば、特開平1−230715号公報や特開平2−217425号公報等で開示されている。
【0004】
この種の鋼板は、連続焼鈍で製造された冷延鋼板ばかりでなく、例えば、特開平1−79345号公報において、ランアウトテーブルでの冷却と巻取温度を制御することにより熱延鋼板でも得られることが開示されている。
自動車の高級化を反映して、耐食性および外観性を向上させることを目的として、自動車部材のめっき化が進んでおり、現在では、車内に装着される特定の部材を除き、多くの部材に、亜鉛めっき鋼板が用いられている。従って、これらの鋼板には、耐食性の観点から、溶融Znめっきを施すか、あるいは、溶融Znめっき後の合金化処理により、合金化溶融Znめっきを施して使用することが有効であるが、これらの高張力鋼板のうち、Si含有量が高い鋼板においては、鋼板表面が酸化膜を有し易いということから、溶融Znめっきの際に微小不めっき部が生じたり、合金化後の加工部のめっき密着性が劣化するなどの問題があり、優れた加工部めっき密着性を有し、かつ、耐食性の優れた高Si系の高張力高延性合金化溶融Znめっき鋼板は、実用化されていないのが現状である。
【0005】
しかしながら、例えば、特開平1−230715号公報や特開平2−217425号公報等で開示されている鋼板は、0.3〜2.0%のSiを含有し、その特異なベイナイト変態を活用して残留オーステナイトを確保しているので、二相共存温度域で焼鈍した後の冷却や、300〜450℃内外の温度域での保持を、かなり厳格に制御しないと、意図する金属組織が得られず、強度や伸びが、目標の範囲をはずれることになる。
【0006】
この熱履歴は、工業的には、連続焼鈍設備や熱間圧延後のランアウトテーブルと巻取工程において実現されはするが、450〜600℃では、オーステナイトの変態が速やかに完了するので、450〜600℃における滞留時間を特に短くするような制御が要求され、また、350〜450℃でも、保持する時間によって金属組織が著しく変化するので、熱処理条件が、所期の条件からはずれると、陳腐な強度と伸びしか得られないことになる。
【0007】
更に、450〜600℃に滞留する時間が長いことや、めっき性を悪くするSiを合金元素として多く含むことから、溶融めっき設備を通板させて、めっき鋼板を製造することはできず、結局、Siを0.3〜2.0%程度含有する鋼板は、表面耐食性が劣るため、広範な工業的利用が妨げられているという問題点がある。
【0008】
上記問題を解決するために、例えば、特開平5−247586号公報や特開平6−145788号公報等には、Si濃度を規制することでめっき性を改善した鋼板が開示されている。上記公報記載の方法では、Siの替わりAlを添加することで、残留オーステナイトを生成している。しかしながら、Alも、Siと同じようにFeよりも酸化し易いので、鋼板表面に酸化膜を形成し易く、十分なめっき密着性を確保することができないという問題点がある。
【0009】
また、例えば、特開平04−333552号公報や特開平04−346644号公報等においては、高Si系高強度鋼板の合金化溶融めっき方法として、プレNiめっき後急速低温加熱して、溶融Znめっき後合金化処理する方法が開示されている。しかしながら、この方法では、Niプレめっきが必要になるので、新たな設備が必要になるという問題点がある。
【0010】
そこで、本発明は、かかる問題点を解決し、表面耐食性を向上するため、溶融めっき設備でも製造可能なプレス成形性の良好な高強度鋼板の組成と金属組織の特徴を見いだしたものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の様な問題点を解決し、プレス成形性およびめっき密着性の良好な高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板、および、該鋼板を効率よく製造する方法を提供しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成できる高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板、および、その製造方法を提供すべく、めっき性と鋼成分との関係について鋭意検討を行い、本発明を完成させたものであり、その要旨とするところは、以下のとおりである。
【0013】
(1)質量%で、
C:0.05〜0.2%、
Si:0.2〜2.0%、
Mn:0.2〜2.5%、および、
Al:0.01〜1.5%、
を含有し、かつ、SiとAlの関係が、
0.4(%)≦Si+0.8Al(%)≦2.0%
を満足し、かつ、Sb、Bi、Seの1種以上を、合計で0.005〜1.0%含み、残部Feおよび不可避的不純物からなり、鋼組織中、残留オーステナイトの体積率が2〜20%を満足する鋼板の上に、
Zn:80〜91%、Fe:8〜15%、および、Al:1%以下を含有するZn合金めっき層、
を有することを特徴とするめっき密着性およびプレス成形性に優れた高強度合金化溶融亜鉛系めっき鋼板。
【0019】
(2)質量%で、
C :0.05〜0.2%、
Si:0.2〜2.0%、
Mn:0.2〜2.5%、および、
Al:0.01〜1.5%、
を含有し、かつ、SiとAlの関係が、
0.4(%)≦Si+0.8Al(%)≦2.0%
を満足し、かつ、Sb、Bi、Seの1種以上を、合計で0.005〜1.0%含み、残部Feおよび不可避的不純物からなり、鋼組織中、残留オーステナイトの体積率が2〜20%を満足する鋼板の上に、
Zn:80%以上、および、Al:1%以下を含有するZnめっき層、
を有することを特徴とするめっき密着性およびプレス成形性に優れた高強度溶融亜鉛系めっき鋼板。
【0025】
(3)前記(1)に記載の鋼成分を満足する冷延鋼板を、650〜900℃の二相共存温度域で10秒〜6分焼鈍した後、2〜200℃/sの冷却速度で350〜500℃まで冷却し、溶融亜鉛めっきを施し、その後に、450〜600℃の温度域で5秒〜2分保持してから5℃/s以上の冷却速度で250℃以下に冷却することにより、鋼板組織中の残留オーステナイトの体積率を2〜20%にし、かつ、鋼板表面に、Zn:80〜91%、Fe:8〜15%、および、Al:1%以下を含有するZn合金めっき層を形成することを特徴とするめっき密着性およびプレス成形性に優れた高強度合金化溶融亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
【0026】
(4)前記(2)に記載の鋼成分を満足する冷延鋼板を、650〜900℃の二相共存温度域で10秒〜6分焼鈍した後、2〜200℃/sの冷却速度で350〜500℃まで冷却し、溶融亜鉛めっきを施し、その後に、5℃/s以上の冷却速度で250℃以下に冷却することにより、鋼板組織中の残留オーステナイトの体積率を2〜20%にし、かつ、鋼板表面に、Zn:80%以上、および、Al:1%以下を含有するZnめっき層を形成することを特徴とするめっき密着性およびプレス成形性に優れた高強度溶融亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
【0027】
(5)前記焼鈍の後、2〜200℃/sの冷却速度で350〜500℃まで冷却し、その後、溶融亜鉛めっきを施す前に、350〜500℃の温度域に10分以下保持することを特徴とする前記(3)または(4)に記載のめっき密着性およびプレス成形性に優れた高強度溶融亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明における成分組成の限定は、プレス成形性およびめっき密着性の良好な高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板、および、高強度溶融亜鉛めっき鋼板を得るためのものであり、その限定理由は、以下に詳細に説明するとおりである。
Cは、オーステナイト安定化元素であり、二相共存温度域およびベイナイト変態温度域でフェライト中から移動し、オーステナイト中に濃化する。その結果、化学的に安定化されたオーステナイトが、室温まで冷却後も、2〜20%残留し、変態誘起塑性により成形性を良好にする。
【0029】
Cが0.05%未満であると、2%以上の残留オーステナイトを確保するのが困難であり、目的を達せられない。また、Cが0.2%を超えることは、溶接性を悪化させるので避けなければならない。
Siは、セメンタイトに固溶せず、その析出を抑制することにより、350〜600℃におけるオーステナイトからの変態を遅らせる。この間に、オーステナイト中へのCの濃化が促進されるので、オーステナイトの化学的安定性が高まり、変態誘起塑性を起こし、成形性を良好とするのに貢献する残留オーステナイトの確保を可能にする。
【0030】
Siが0.2%未満であると、Siの効果が見いだせない。一方、Si濃度を高くすると、めっき性が悪化するので、2.0%以下にする必要がある。
Mnは、オーステナイト形成元素であり、また、二相共存温度域での焼鈍後、350〜600℃に冷却する途上で、オーステナイトがパーライトへ分解するのを防ぐので、室温まで冷却した後の金属組織に、残留オーステナイトが含まれるように作用する。
【0031】
Mnが0.2%未満であると、パーライトへの分解を抑えるのに、工業的な制御ができない程に冷却速度を大きくする必要があり、適当ではない。一方、Mnが2.5%を超えると、バンド組織が顕著になり、特性を劣化させるし、また、スポット溶接部がナゲット内で破断し易くなり好ましくない。更に、Mn濃度を高くすると、めっき性も劣化する。
【0032】
Alは、脱酸材として用いられると同時に、Siと同じように、セメンタイトに固溶せず、350〜600℃での保持に際して、セメンタイトの析出を抑制し、変態の進行を遅らせる。しかし、Siよりもフェライト形成能が強いので、変態開始が早くなり、ごく短時間の保持でも、二相共存温度域での焼鈍時よりオーステナイト中にCが濃化し、化学的安定性が高まるので、室温まで冷却後の金属組織中に、成形性を悪化させるマルテンサイトは僅かしか存在しないことになる。このため、Siと共存すると、350〜600℃での保持条件による強度や伸びの変化が小さくなり、高強度で良好なプレス成形性を得易くなる。そのため、Alは0.01%以上の添加が必要であり、0.1%以上の添加が望ましい。
【0033】
また、Alは、Siと共に、「Si+0.8Al」が0.4%以上になるように添加しなければならない。一方、Alが1.5%を超えると、Siと同様に、めっき密着性を劣化させるので、避けなければならない。また、めっき密着性を確保するためには、Siと共に、「Si+0.8Al」が2.0%以下になるように添加しなければならない。
【0034】
Sb、Bi、および、Seは、本発明において最も重要な元素である。これら元素の1種以上を添加することにより、溶融亜鉛めっき濡れ性、および、めっき密着性を向上させることができ、めっき性と成形性に優れた鋼板を製造することが可能になる。
SiやAlを含む鋼板では、連続溶融亜鉛めっきラインでめっき鋼板を製造する場合、鋼板表面にSiやAlの酸化物が生成し、めっき密着性が低下するが、上記元素の1種以上を添加することにより、めっき性を向上させることができる。
【0035】
Sb、Bi、Seは、表面偏析し易いため、鋼板表層に濃化し、高Siおよび/または高Al鋼であっても、めっき密着性の低下を防止することができる。この効果は、Sb、Bi、Seの1種以上を添加することで生じ、Sb、Bi、Seの合計が、0.005%以上であると、十分なめっき密着性を得ることができる。この効果を十分に得るためには、これら元素の2種以上を、0.008%以上添加することが望ましい。
【0036】
また、Sb、Bi、Seの1種以上の合計を、1.0%を超えて高くすると、これら元素の表面偏析量が多すぎることになり、その結果、良好なめっき外観性を確保することができない。めっき外観を良好に維持するためには、Sb、Bi、Seの1種以上の合計は0.5%以下が望ましい。
なお、As、Te、Po、Geも、Sb、Bi、Seと同様に、めっき性を向上させることが可能な元素であるが、毒性元素であることや、コストが非常に高いため、本発明においては、添加の対象外とした。
【0042】
なお、本発明の鋼板は、P、S、N、O、その他の一般鋼に対して不可避的に混入する元素を含むものである。
【0045】
更に、付随的成分として、その他の元素を微量含有することも、本発明の趣旨を損なうものではない。
最終製品としての本発明鋼板の延性は、最終製品としての鋼板中に含まれる残留オーステナイトの体積率に左右される。金属組織中に残る残留オーステナイトは、変形を受けていない時は安定に存在するが、変形が加えられると、マルテンサイトに変態し、変態誘起塑性を呈するので、高強度の下で、良好な成形性を得ることができる。
【0046】
残留オーステナイトの体積率が2%未満であると、明確な成形性向上効果が認められない。一方、残留オーステナイトの体積率が20%を超すと、極度に厳しい成形を施した場合、成形され状態で多量のマルテンサイトが存在する可能性があり、このマルテンサイトの存在は、二次加工性や衝撃性において問題を引き起こすことがあるので、本発明では、残留オーステナイトの体積率を20%以下とした。
【0047】
本発明鋼板は、鋼板の上に、Znめっき層またはZn合金めっき層を有している。このZnめっき層およびZn合金めっき層について、以下に詳細に説明する。
Znめっき層は、Zn:80%以上、Al:1%以下と、残部Znおよび不可避的不純物を含むものである。Znめっき層中のZnを80%以上としたのは、Znが80%未満であると、硬質なめっき層となり、成形時に、めっきが割れてしまうからである。また、Znめっき層中のAlを1%以下としたのは、Alが1%を超えると、めっき中に偏析したAlが局部電池を構成し、耐食性を劣化させるからである。
【0048】
更に、本発明においては、特に、スポット溶接性を向上させるために、鋼板に、Zn合金めっきを施す。Zn合金めっき層は、Zn:80〜91%、Fe:8〜15%、Al:1%以下と、残部Znおよび不可避的不純物を含むものである。めっき層中のZnを80%以上としたのは、Znが80%未満であると、めっき層が硬質なものとなり、成形時に、めっきが割れてしまうからである。また、めっき層中のZnを91%以下としたのは、Znを91%を超えて高くすると、スポット溶接性が劣化してしまい、本発明の目的を達することができないからである。
【0049】
また、めっき層中のFeを8%以上としたのは、Feが8%未満であると、化成処理性(リン酸塩処理)、塗膜密着性を確保できなくなるからである。また、めっき層中のFeを15%以下としたのは、Feが15%を超えると、過合金となり、加工部のめっき密着性が劣化するからである。
また、めっき層中のAlを1%以下としたのは、Alが1%を超えると、めっき中に偏析したAlが局部電池を構成し、鋼板の耐食性が劣化するからである。
【0050】
本発明鋼板におけるZnめっき層およびZn合金めっき層については、以上のとおりであるが、その他不可避不純物として、Mn、Pb、Sb、Ca、Mg等の元素を含んでもよい。また、付随的成分として、その他の元素を微量含有してもよい。
また、Znめっき層およびZn合金めっき層の厚みについては、特に、制約は設けないが、耐食性を確保する観点から0.1μm以上、加工性を確保する観点から15μm以下であることが望ましい。
【0051】
次に、本発明鋼板(溶融亜鉛系めっき鋼板および合金化溶融亜鉛系めっき鋼板)の製造方法について説明する。
本発明の溶融亜鉛系めっき鋼板は、上記成分組成を満足する冷延鋼板を、650〜900℃の二相共存温度域で10秒〜6分焼鈍した後、2〜200℃/sの冷却速度で350〜500℃まで冷却し、場合によっては、更に、その温度域で10分以下保持し、その後、溶融亜鉛めっきを施し、次いで、5℃/s以上の冷却速度で250℃以下に冷却することにより得られる。
【0052】
また、本発明の合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、上記成分組成を満足する冷延鋼板を、650〜900℃の二相共存温度域で10秒〜6分焼鈍した後、2〜200℃/sの冷却速度で350〜500℃まで冷却し、場合によっては、更に、その温度域で10分以下保持し、その後、溶融亜鉛めっきを施し、次いで、450〜600℃の温度域で5秒〜2分保持してから、5℃/s以上の冷却速度で250℃以下に冷却することにより得られる。
【0053】
冷間圧延後の冷延鋼板の連続焼鈍においては、鋼組織を、まず、〔フェライト+オーステナイト〕の2相組織とするために、鋼板を、Ac1変態点以上Ac3変態点以下の温度域で加熱する。この時に、加熱温度が650℃未満であると、セメンタイトが再固溶するのに時間がかかり過ぎ、オーステナイトの存在量も僅かになるので、加熱温度の下限は650℃とした。
【0054】
また、加熱温度が高すぎると、オーステナイトの体積率が大きくなり過ぎて、オーステナイト中のC濃度が低下するので、加熱温度の上限は900℃とした。
保持時間は、短すぎると、未溶解炭化物が存在する可能性が高くなり、オーステナイトの存在量が少なくなる。また、均熱時間を長くすると、結晶粒が粗大化し、その結果、最終的に残存するオーステナイト量が少なくなって、強度延性バランスが悪くなる。よって、本発明では、保持時間を10秒〜6分とした。
【0055】
加熱後は、2〜200℃/sの冷却速度で400〜500℃まで冷却する。これは、二相域に加熱して生成させたオーステナイトを、パーライトに変態させることなくベイナイト変態域に持ち越し、引き続く処理により、室温では、残留オーステナイトとベイナイトとし、所定の特性を得るためである。
この時、冷却速度が2℃/s以下であると、冷却中に、オーステナイトの大部分がパーライト変態をしてしまい、所要量の残留オーステナイトを確保することができない。また、冷却速度が200℃/sを超えると、冷却終点温度のずれが、幅方向、および/または、長手方向で大きくなり、均一な特性の鋼板を製造することができなくなる。
【0056】
二相域からの冷却終点温度は、溶融亜鉛めっき性の観点から求まる。溶融亜鉛めっき時の温度が低いと、めっき濡れ性が低下し、めっき密着性が劣化する。また、溶融亜鉛めっき時の温度が高くなると、めっき浴中で、FeとZnの合金化反応が進行し、めっき中のFe濃度が高くなる。よって、本発明では、二相域からの冷却終点温度、かつ、溶融亜鉛めっきを行う温度は、350℃〜500℃とした。
【0057】
この後、場合によっては、350〜500℃の温度域で10分以下保持してもよい。このZnめっき前の温度保持により、ベイナイト変態を進行させ、Cの濃縮した残留オーステナイトを安定化させることができ、その結果、より安定して強度、伸びの両立した鋼板を製造することができる。
2相域からの冷却終点温度が500℃を超えると、その後の温度保持で、オーステナイトの炭化物への分解が起こり、オーステナイトを残留せしめることができなくなる。また、冷却終点温度が350℃未満になると、オーステナイトの大半がマルテンサイトに変態するので、高強度にはなるものの、プレス成形性が悪化してしまい、また、Znめっき時に鋼板温度を上げ、より多くの熱エネルギーを与える必要がでてくるので、めっき作業が非効率になる。
【0058】
保持時間が10分を超えると、Znめっき後の加熱で、炭化物の析出と未変態オーステナイトの消失により、強度とプレス成形性の両方が劣化するので、保持時間を10分以下とした。
溶融亜鉛めっき鋼板を製造する場合は、めっき後、5℃/s以上の冷却速度で250℃以下に冷却する。ここで、Znめっき時に、ベイナイト変態を進行させ、炭化物をほとんど含まないベイナイト、その部分から掃き出されたCが濃化しMn点が室温以下に低下した残留オーステナイト、および、二相域加熱中に清浄化が進んだフェライトが混在した組織を現出させ、高強度と成形性を両立させている。そのため、保持後の冷却速度を5℃/s未満としたり、もしくは、冷却終点温度を250℃超とすると、冷却中に、Cの濃化したオーステナイトも炭化物を析出してベイナイトに分解するので、変態誘起塑性により加工性を改善する残留オーステナイトの量が減少してしまい、本発明の目的を達し得ない。
【0059】
残留オーステナイトを、より適正な量残存させるために、溶融亜鉛めっき後、350℃〜400℃の温度域に5分以内保持するのが望ましい。
また、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する際には、溶融亜鉛めっき後、450℃〜600℃の温度域で5秒〜2分保持し、その後、5℃/s以上の冷却速度で250℃以下に冷却する。ここでは、FeとZnの合金化反応と、組織的な観点から、諸条件の範囲が定まる。
【0060】
本発明鋼はSiやAlを含有するので、オーステナイトからベイナイトへの変態が二段階に分離することを活用し、炭化物をほとんど含まないベイナイト、その部分から掃き出されたCが濃化しMs点が室温以下に低下した残留オーステナイト、および、二相域加熱中に清浄化が進んだフェライトが混在した組織を現出させ、高強度と成形性を両立させている。
【0061】
加熱温度が600℃を超えると、パーライトが生成して、残留オーステナイトが含まれなくなり、また、合金化反応が進みすぎて、めっき層中のFeが12%を超えてしまう。一方、加熱温度が450℃以下になると、めっきの合金化反応速度が遅くなり、めっき層中のFe濃度が低くなる。
また、保持時間が5秒以下であると、ベイナイトが十分に生成せず、未変態のオーステナイト中へのC濃化も不十分となり、冷却中に、マルテンサイトが生成し成形性が劣化すると同時に、めっきの合金化反応が不十分になる。また、保持時間が1分以上になると、めっきの過合金化が生じ、成型時に、めっき剥離などが生じやすくなる。
【0062】
更に、保持後の冷却速度を5℃以下としたり、冷却終点温度を250℃以上とすると、ベイナイト変態がさらに進み、前段の反応でCの濃化したオーステナイトも炭化物を析出してベイナイトに分解するので、変態誘起塑性により加工性を改善する残留オーステナイトの量が減少してしまい、本発明の目的を達し得ない。
【0063】
溶融亜鉛めっき温度は、めっき浴の融点以上500℃以下が望ましい。溶融亜鉛めっき温度が500℃超になると、めっき浴からの蒸気が多量になり、操業性が悪化する。
また、めっき後の保持温度までの加熱速度については、特に規定する必要はないが、めっき組織や金属組織の観点から、3℃/s以上が望ましい。
【0064】
なお、以上説明した工程における各温度、冷却温度は、規定の範囲内であれば一定である必要はなく、その範囲内で変動したとしても、最終製品の特性はなんら劣化しないし向上する場合もある。
また、本発明で用いる鋼素材は、原則として、通常の製鉄工程である精錬、鋳造、熱延、冷延の各工程を経て製造されるものであるが、その一部あるいは全部を省略して製造したものでも問題はない。また、上記各工程に係る条件についても、特に問題とはしない。
【0065】
また、めっき密着性を更に向上させるために、焼鈍前に、鋼板に、Ni、Cu、Co、Feの単独あるいは複合のめっきを施してもよい。更に、めっき密着性を向上させるために、鋼板焼鈍時の雰囲気を調節し、初め、鋼板表面を酸化させ、その後還元することにより、めっき前の鋼板表面の清浄化を行ってもよい。
更に、めっき密着性を改善するために、焼鈍前に、鋼板を酸洗あるいは研削して、鋼板表面の酸化物を取り除いても問題はない。これらの処理をすることで、めっき密着性だけでなく、合金化速度も向上する。
【0066】
【実施例】
(実施例−1)
表1および表2(表1のつづき)に成分を示す鋼を1250℃に再加熱後、900℃で仕上げ圧延、650℃で捲取を行うことで、4mmの熱間圧延鋼板を作製した。熱間圧延鋼板の表面スケールを塩酸で除去した後に、1.4mmまで冷間圧延を行った。この冷間圧延鋼板を、表3および表4(表3のつづき)に示す条件で、焼鈍、めっきを行い、その後、0.5%で調質圧延した。製造した鋼板に対して、下記に示す「引張り試験」「残留オーステナイト測定試験」「溶接試験」「めっき外観」「めっき密着性」「めっき層中濃度測定」の試験を行った。また、めっき付着量が片面50g/m2になるように、両面ともめっきした。
【0067】
「引張り試験」は、C方向にJIS5号引張試験片を採取し、ゲージ厚さ50mm、引張速度10mm/minで常温引張り試験を行った。
「残留オーステナイト測定試験」は、表層より板厚の1/4内層を化学研磨後、Mo管球を用いたX線回折で、α−Feとγ−Feの強度から求める5ピーク法と呼ばれる方法で行った。
【0068】
「溶接試験」は、溶接電流:10kA、加圧力:220kg、溶接時間:12サイクル、電極径:6mm、電極形状:ドーム型,先端6φ−40Rの溶接条件でスポット溶接を行い,ナゲット径が4√t(t:板厚)を切った時点までの連続打点数を評価した。評価基準は、◎:連続打点2000点超、○:連続打点1000点超、△:連続打点500〜1000点、×:連続打点500点未満とした。ここでは、◎および○を合格とし、△および×は不合格とした。
【0069】
「めっき外観」は、めっき鋼板の外観から不めっき発生状況を目視判定し、下記の基準に従い評価した。
○:5個/dm2以下、△:6〜15個/dm2、×:16個/dm2以上。
ここでは、○を合格とし、△および×は不合格とした。
「めっき密着性」は、めっき鋼板の60度V曲げ試験を実施後、テープテストを行い、以下の基準に従い評価した。
【0070】
テープテスト黒化度(%)
評価:◎ … 0〜10
評価:○ … 10〜20未満
評価:△ … 20〜30未満
評価:× … 30以上
(◎および○が合格、△および×は不合格)
「めっき層中濃度測定」は、アミン系インヒビターを入れた5%塩酸でめっき層を溶かした後、ICP発光分析法で行った。
【0071】
性能評価試験結果を表5および表6(表5のつづき)に示す。発明例である試料1、7、8、10、および、12は、いずれも、引張強度が550MPa以上でありながら、全伸びも30%以上であり、高強度と良好なプレス成形性を両立しているとともに、めっき密着性も満足している。
これに対し、比較例である試料14ではC濃度が低いため、同試料17ではSi濃度が高いため、同試料19ではSiとAlの関係が満たされていないため、同試料22ではAl濃度が高いため、同試料25ではSe、Bi、Sbの濃度が低いため、更に、同試料26ではSe、Bi、Sbの濃度が高いために、強度―延性バランスか、または、めっき密着性が悪く、本発明の目的を達し得ない。
【0072】
また、成分組成が本発明で規定する範囲内の鋼板であっても、処理条件の一つが本発明で規定する範囲から外れていると、比較例である試料27〜51(表6、参照)に示すように、強度―延性バランスか、または、めっき密着性が悪く、本発明の目的を達し得ない。
【0073】
【表1】
【0074】
【表2】
【0075】
【表3】
【0076】
【表4】
【0077】
【表5】
【0078】
【表6】
【0105】
【発明の効果】
本発明によれば、プレス成形性およびめっき密着性の良好な高強度溶融亜鉛系めっき鋼板および高強度合金化溶融亜鉛系めっき鋼板を、効率よく製造し、自動車、建築、電気等の部材、その他の用途に供することができる。
Claims (5)
- 質量%で、
C :0.05〜0.2%、
Si:0.2〜2.0%、
Mn:0.2〜2.5%、および、
Al:0.01〜1.5%、
を含有し、かつ、SiとAlの関係が、
0.4(%)≦Si+0.8Al(%)≦2.0%
を満足し、かつ、Sb、Bi、Seの1種以上を、合計で0.005〜1.0%含み、残部Feおよび不可避的不純物からなり、鋼組織中、残留オーステナイトの体積率が2〜20%を満足する鋼板の上に、
Zn:80〜91%、Fe:8〜15%、および、Al:1%以下を含有するZn合金めっき層、
を有することを特徴とするめっき密着性およびプレス成形性に優れた高強度合金化溶融亜鉛系めっき鋼板。 - 質量%で、
C :0.05〜0.2%、
Si:0.2〜2.0%、
Mn:0.2〜2.5%、および、
Al:0.01〜1.5%、
を含有し、かつ、SiとAlの関係が、
0.4(%)≦Si+0.8Al(%)≦2.0%
を満足し、かつ、Sb、Bi、Seの1種以上を、合計で0.005〜1.0%含み、残部Feおよび不可避的不純物からなり、鋼組織中、残留オーステナイトの体積率が2〜20%を満足する鋼板の上に、
Zn:80%以上、および、Al:1%以下を含有するZnめっき層、
を有することを特徴とするめっき密着性およびプレス成形性に優れた高強度溶融亜鉛系めっき鋼板。 - 請求項1に記載の鋼成分を満足する冷延鋼板を、650〜900℃の二相共存温度域で10秒〜6分焼鈍した後、2〜200℃/sの冷却速度で350〜500℃まで冷却し、溶融亜鉛めっきを施し、その後に、450〜600℃の温度域で5秒〜2分保持してから5℃/s以上の冷却速度で250℃以下に冷却することにより、鋼板組織中の残留オーステナイトの体積率を2〜20%にし、かつ、鋼板表面に、Zn:80〜91%、Fe:8〜15%、および、Al:1%以下を含有するZn合金めっき層を形成することを特徴とするめっき密着性およびプレス成形性に優れた高強度合金化溶融亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
- 請求項2に記載の鋼成分を満足する冷延鋼板を、650〜900℃の二相共存温度域で10秒〜6分焼鈍した後、2〜200℃/sの冷却速度で350〜500℃まで冷却し、溶融亜鉛めっきを施し、その後に、5℃/s以上の冷却速度で250℃以下に冷却することにより、鋼板組織中の残留オーステナイトの体積率を2〜20%にし、かつ、鋼板表面に、Zn:80%以上、および、Al:1%以下を含有するZnめっき層を形成することを特徴とするめっき密着性およびプレス成形性に優れた高強度溶融亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
- 前記焼鈍の後、2〜200℃/sの冷却速度で350〜500℃まで冷却し、その後、溶融亜鉛めっきを施す前に、350〜500℃の温度域に10分以下保持することを特徴とする請求項3または4に記載のめっき密着性およびプレス成形性に優れた高強度溶融亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
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