JP5206352B2 - 鋼板およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、鋼板およびその製造方法に関し、具体的には、自動車補強部材や自動車シート部材などの素材として好適な高強度鋼板およびその製造方法に関する。
自動車産業においては、安全性向上と燃費節減につながる軽量化とを達成するため、加工性に優れる高強度鋼板がますます注目されるようになってきた。近年では、高強度鋼板の適用部位が拡大し、590MPa以上の引張強度を有する高強度鋼板に対しても、極めて高いレベルの曲げ性が要求される場合が多い。特に、自動車のシートレール部品のように曲げ半径の小さい加工部を備える部材に対しては、従来以上の厳しい曲げ性とさらなる高強度が要求される。
高強度鋼板の曲げ性の改善については、従来、鋼組織の制御というアプローチがとられ、特許文献1には、低温変態生成相の硬さを低下させ、フェライト相との硬度差を小さくすることが良いとされている。一方、特許文献2や特許文献3には、フェライトの結晶粒を超微細化させると、曲げ性と同様に局部変形能が必要な伸びフランジ性と高強度化が両立できると記載されている。
しかしながら、高強度化を目的として、Mnを多量に含有する高強度鋼板の場合、凝固偏析によって局所的な化学組成の変動が生じ、その変動に対応した不均一組織が形成される。したがって、特許文献1により開示された技術では、鋼板全体でフェライト相、低温変態相の硬さそのものを精緻に制御することは極めて困難であるだけでなく、局所的な化学組成の変動に対応した不均一組織によって、図1に示すように、加工部の表面に目視でも観察されるような顕著な凹凸が出現し、その凹凸が不均一変形を助長して割れを誘発し、曲げ性そのものを劣化させる。また、割れに至らない場合であっても、加工部に凹凸が存在すると、部品としての衝突特性が劣化する。
また、凝固偏析によって、変態現象が局所的に変化し、結晶粒径も不均一となるので、特許文献2や特許文献3に開示された技術でも、曲げ性を改善することができない。とりわけ、これらの文献に記載の技術では、鋼中に凝固偏析しやすいMnやNiを多量に含有させているので、上述のように曲げ性や部品としての衝突性に劣ることが容易に予想される。
組織均一化の点から、単相組織という究極的なアプローチがあり、特許文献4には、究極の均一組織であるマルテンサイト単相組織にすることによって、曲げ性を向上させることができると記載されている。しかしながら、特許文献4により開示された技術のように、鋼組織をマルテンサイト単相にしたのでは、鋼板の平坦性が損なわれ、部品精度が必要な自動車部品として適用が困難となる。
また、特許文献5には、フェライト単相組織にすることによって、曲げ性と同様に局部変形能が必要な穴拡げ性と高強度化が両立できると記載されている。しかしながら、特許文献5により開示された技術では、表面粗度と板厚精度を向上させる冷間圧延の工程が必要な高強度冷延鋼板や高強度溶融亜鉛めっき鋼板を製造するプロセスに適用した場合、多量の炭窒化物形成元素を添加することにより、再結晶温度の上昇が起こり、Ac点以上上の高温焼鈍が必要となり、析出物の粗大化が進み、高強度化できないという問題がある。また、結晶粒径も不均一となり、曲げ性を改善することができない。
したがって、曲げ性と高強度化を両立させるためには、高強度化のためにMnを多量に含有しても均一組織が得られるような、一見相反することを両立させなければならない。不均一組織の起源である凝固偏析そのものを拡散によって解消するアプローチがある。特許文献6には、鋼材を1250℃以上の高温に10時間以上の長時間保持する溶質化処理によって、偏析が低減され、鋼材が均質化されると記載されている。しかしながら、特許文献6により開示された技術だけでは、凝固偏析が完全に消滅することはないので、残存した偏析によって、不均一組織が形成され、加工部に凹凸を除去できず、曲げ性が十分でない。
また、特許文献7や特許文献8には、スラブの厚みtの(1/4)tの位置における平均冷却速度を100℃/min以上として、液相線温度から固相線温度まで冷却する連続鋳造条件の適用によって、偏析が低減され、鋼材が均質化されると記載されている。しかしながら、特許文献7や特許文献8により開示された技術は、所望の冷却速度は達成するために、スラブの厚みが30〜70mmの薄スラブ連続鋳造方法の適用を必要とするので、スラブ厚みが200〜300mmの通常の薄鋼板用連続鋳造の設備で製造できない。
特開昭62−13533号公報 特開2004−211126号公報 特開2004−250774号公報 特開2002−161336号公報 特開2002−322539号公報 特開平4−191322号公報 特開2007−70649号公報 特開2007−70659号公報
本発明は、上述したように従来の技術では製造することが困難であった、引張強度が590MPa以上で曲げ性に優れる鋼板及びその製造方法を提供することを目的とする。本発明において「曲げ性に優れる」とは、180゜曲げ試験の最小曲げ半径が1.0t以下であって、目視レベルで加工後の表面に凹凸が出現しないことを意味する。したがって、特に断りがない限り、本明細書における曲げ性はそのような物性、実部材の観察によって評価される。なお、シートレール等の厳しい曲げ性が要求される部品に適用するには、180゜曲げ試験の最小曲げ半径が0.5t以下であって、目視レベルで加工後の表面に凹凸が出現しないことが好ましい。さらに、シートロアアーム等の厳しい曲げ性だけでなく延性が要求される部品に適用するには、180゜曲げ試験の最小曲げ半径が0.5t以下であって、目視レベルで加工後の表面に凹凸が出現せず、(TS×El)値が12000MPa・%以上であることがさらに好ましい。さらに、センターピラー等の厳しい曲げ性だけでなく厳しい延性が要求される部品に適用するためには、180゜曲げ試験の最小曲げ半径が0.5t以下であって、目視レベルで加工後の表面に凹凸が出現せず、(TS×El)値が16000MPa・%以上であることが最も好ましい。一方、これらの部品をさらに軽量化するためには、引張強度が980MPa以上であることが好ましい。
本発明は、高強度鋼板において、従来の技術では困難であった、凝固偏析に起因する不均一組織の生成を抑制できるように、化学組成および製造条件を見直して最適化することによって所望のMn濃度分布とすることができ、これにより、均一な組織とすることができ、引張強度が590MPa以上の曲げ性に優れる高強度鋼板を得ることができるという知見に基づくものである。
本発明は、C:0.03%以上0.20%以下(本明細書においては特に断りがない限り組成に関する「%」は「質量%」を意味するものとする)、Si:0.005%以上2.0%以下、Mn:1.2%以上3.0%以下、P:0.1%以下、S:0.01%以下、sol.Al:0.003%以上1.0%以下、N:0.01%以下、Bi:0.0001%以上0.05%以下を含有し、残部がFeおよび不純物からなる化学組成を有し、残留オーステナイトを2.0面積%以上20面積%以下含有する鋼組織を有し、鋼板表面から板厚の(1/20)深さ位置において、圧延方向に展伸したMn濃化部の圧延方向に対して直角方向における平均間隔が300μm以下であることを特徴とする鋼板である。
この本発明にかかる鋼板では、化学組成が、Feの一部に代えて、Ti:0.05%以下、Nb:0.05%以下およびV:0.05%以下からなる群から選ばれた1種または2種以上を含有することが好ましい。
この本発明にかかる鋼板では、化学組成が、Feの一部に代えて、Cr:1%以下、Mo:1%以下、Cu:1%以下およびNi:1%以下からなる群から選ばれた1種または2種以上を含有することが好ましい。
これらの本発明にかかる鋼板では、化学組成が、Feの一部に代えて、Ca:0.01%以下、Mg:0.01%以下、REM:0.01%以下およびZr:0.01%以下からなる群から選ばれた1種または2種以上を含有することが好ましい。
これらの本発明にかかる鋼板では、化学組成が、Feの一部に代えて、B:0.01%以下を含有することが好ましい。
別の観点からは、本発明は、下記工程(A)〜(C)の工程を備えることを特徴とする鋼板の製造方法である。
(A)上述した本発明にかかる鋼板の化学組成を有する溶鋼を、表面から10mm深さ位置における凝固速度を100℃/min以上1000℃/min以下として200mm以上300mm以下の厚さのスラブに鋳造する連続鋳造工程;
(B)連続鋳造工程で得られたスラブに、熱間圧延を施して熱延鋼板とし、この熱延鋼板に冷間圧延を施して冷延鋼板とする熱間圧延工程および冷間圧延工程;ならびに
(C)この冷延鋼板に、750℃以上950℃以下の温度域で再結晶焼鈍を施し、その後200℃以上450℃以下の温度域まで冷却し、この温度域に2000秒間以下保持する連続焼鈍工程。
本発明により、590MPa以上の強度を有し、曲げ性に優れる高強度鋼板を得ることができる。本発明にかかる鋼板は、産業上、特に、自動車分野において、広範に使用可能である。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
はじめに、本発明にかかる鋼板の化学組成を上述のように規定した理由を説明する。
(C:0.03%以上0.20%以下)
Cは、強度向上に寄与する元素であり、鋼板の引張強度を590MPa以上にするために、0.03%以上含有させる。しかし、0.20%を超えてCを含有させると溶接性が劣化する。このため、C含有量は0.03%以上0.20%以下とする。なお、C含有量は好ましくは0.06%以上であり、このようにすることにより引張強度を980MPa以上にすることが容易になる。また、より良好な溶接性を確保するにはC含有量を0.18%以下とすることが好ましい。
(Si:0.005%以上2.0%以下)
Siは、延性を劣化させることなく、或いは延性を向上させて、強度向上に寄与する元素であり、本発明では0.005%以上含有する。ただし、2.0%を超えてSiを含有すると、化成処理性が劣化する。このため、Si含有量は、0.005%以上2.0%以下とする。なお、0.2%以上のSiを含有させると、TRIP効果により延性が一層向上する。このため、Si含有量は0.2%以上とすることが好ましく、0.6%以上とすることがさらに好ましい。また、より良好な化成処理性を確保するにはSi含有量を1.8%以下とすることが好ましい。
(Mn:1.2%以上3.0%以下)
Mnは、強度向上に寄与する元素であり、鋼板の引張強度を590MPa以上にするために1.2%以上含有させる。ただし、3.0%を超えてMnを含有させると、転炉における鋼の溶解や精錬が困難になるだけでなく、溶接性が劣化する。このため、Mn含有量は1.2%以上3.0%以下とする。ここで、Mnは不均一組織を助長する元素であるが、後述するように、Biを含有させることによって、このようなMnの悪影響が緩和され、組織が均一となり、曲げ性の劣化が抑制されて、強度向上が達成されるのである。なお、引張強度を980MPa以上にするには、Mnを1.8%以上含有させることが好ましく、2.0%以上含有させることがさらに好ましい。また、より良好な操業性や溶接性を確保するにはMn含有量を2.6%以下とすることが好ましい。
(P:0.1%以下)
Pは、一般には不可避的に含有される不純物であるが、固溶強化元素でもあり、鋼板の強化に有効であるので、積極的に含有させてもかまわない。しかしながら、P含有量が0.1%超となると溶接性の劣化が著しくなる。このため、P含有量は0.1%以下とする。より確実に鋼板を強化するには、P含有量を0.005%以上とすることが好ましい。
(S:0.01%以下)
Sは、鋼に不可避的に含有される不純物であり、曲げ性及び溶接性の観点からは低いほど好ましい。このため、S含有量は0.01%以下とする。好ましくは0.003%以下である。
(sol.Al:0.003%以上1.0%以下)
Alは、鋼を脱酸させるために添加される元素であり、Ti等の炭窒化物形成元素の歩留まりを向上させるのに有効に作用する元素でもあるので、sol.Al含有量は0.003%以上とする。ただし、sol.Al含有量が1.0%を超えると、溶接性が劣化するとともに、酸化物系介在物が増加するために表面性状が劣化する。このため、sol.Al含有量は0.003%以上1.0%以下とする。なお、sol.Al含有量の下限は、好ましくは0.005%以上であり、さらに好ましくは0.02%以上である。また、sol.Al含有量の上限は、0.2%以下とすることが好ましい。
(N:0.01%以下)
Nは、鋼に不可避的に含有される不純物であり、曲げ性の観点からは低いほど好ましい。そのため、N含有量は0.01%以下とする。好ましくは0.006%以下である。
(Bi:0.0001%以上0.05%以下)
Biは、本発明において重要な元素であり、その含有によって、凝固組織が微細化し、Mnを多量に含有させても、組織が均一となり、曲げ性の劣化が抑制される。したがって、所望の曲げ性を確保するために、Biを0.0001%以上含有させる。ただし、0.05%を超えてBiを含有すると、熱間加工性が劣化し、熱間圧延が困難になる。このため、Bi含有量は0.0001%以上0.05%以下とする。なお、曲げ性をさらに向上させるために、Biを0.0010%以上含有させることが好ましい。
(Ti:0.05%以下、Nb:0.05%以下およびV:0.05%以下からなる群から選ばれた1種または2種以上)
Ti、NbおよびVは、いずれも、強度向上に寄与する元素であり、必要に応じて含有させることができる任意元素である。引張強度980MPa以上を確保するには、Ti、NbおよびVの1種または2種以上を含有させることが有効である。上記効果をより確実に得るには、Ti、NbおよびVの何れかの元素を0.003%以上含有することが好ましい。ただし、それぞれ0.05%を超えて含有させると、Ti、NbやVを含む介在物が増加するために表面性状が劣化する。このため、Ti、NbおよびVの含有量はそれぞれ0.05%以下とすることが好ましい。
(Cr:1%以下、Mo:1%以下、Cu:1%以下およびNi:1%以下からなる群から選ばれた1種または2種以上)
Cr、Mo、CuおよびNiは、いずれも、強度向上に寄与する元素であり、必要に応じて含有させることができる任意元素である。引張強度980MPa以上を確保するには、Cr、Mo、CuおよびNiの1種または2種以上含有させることが有効である。上記効果をより確実に得るには、Cr、Mo、CuおよびNiのいずれかを0.01%以上含有させることが好ましい。ただし、それぞれ1%を超えて含有させても上記効果が飽和してしまい、経済的に無駄であるだけでなく、熱延板が硬質となって冷間圧延が困難となる。このため、Cr、Mo、CuおよびNiの1種または2種以上を上記の量で含有することが好ましい。
(Ca:0.01%以下、Mg:0.01%以下、REM:0.01%以下およびZr:0.01%以下からなる群から選ばれた1種または2種以上)
Ca、Mg、REMおよびZrは、介在物制御、特に介在物の微細分散化に寄与し、曲げ性をさらに向上させる元素であり、必要に応じて含有させることができる任意元素である。しかし、過剰に含有させると表面性状を劣化させるため、それぞれの元素の含有量を0.01%以下とすることが好ましい。上記効果をより確実に得るには、いずれかの元素を0.0003%以上含有させることが好ましい。
(B:0.01%以下)
Bは、強度向上に寄与する元素であり、必要に応じて含有させることができる任意元素である。ただし、0.01%を超えてBを含有すると、熱延板が硬質となって冷間圧延が困難となる。このため、B含有量は0.01%以下とすることが好ましい。上記効果をより確実に得るには、0.0003%以上含有させることが好ましい。
上記した成分以外の残部はFeおよび不純物である。
次に、本発明にかかる鋼板のMn分布の限定理由について説明する。
(Mn濃化部の圧延方向に対して直角方向における平均間隔:300μm以下)
鋼板のMn分布は、鋼板表面から板厚の(1/20)深さ位置において、圧延方向に展伸したMn濃化部の圧延方向に対して直角方向における平均間隔を300μm以下とする。Mn濃化部の圧延方向に対して直角方向における平均間隔を300μm以下とすることにより、凝固偏析が解消され、均一組織が得られ、曲げ加工部に凹凸が発生しにくくなり、曲げ性の向上に寄与する。また、Mn濃化部の圧延方向に対して直角方向における平均間隔を300μm以下とすることは、換言すると、熱間圧延に供するスラブにおいて不均一組織のもととなる、スラブ表面からスラブ厚の(1/20)深さ位置におけるデンドライト一次アーム間隔を300μm以下とすることである。通常の連続鋳造方法で、この一次アーム間隔を300μm以下とするには、Biを含有させ、スラブ表面から10mm深さ位置における凝固速度を100℃/min以上とすることが有効である。
なお、鋼板表面から板厚の(1/20)深さ位置において、定常部のMn濃度(Mnst)とMn濃化部のMn濃度(Mnco)から算出されるMn偏析比(Mnco/Mnst)を1.20以下とすることが好ましい。Mn偏析比を1.20以下とすることにより、より均一組織となり、曲げ加工部における凹凸がさらに発生しにくくなり、一層曲げ性が向上する。Mn偏析比を1.20以下とするには、後述するように、均質化処理を所定の時間施すことが有効である。
(残留オーステナイトの面積率:2.0%以上20%以下)
鋼板の鋼組織は、面積率で評価した分率で、残留オーステナイトが2.0%以上20%以下である。残留オーステナイトは、TRIP効果により、不均一変形を抑制し、曲げ性や延性を低下させることなく強度向上に寄与する。しかし、残留オーステナイトの面積率が過剰の鋼組織になると、TRIPにより生成するマルテンサイトの量が多くなり、その組織界面にてマイクロクラックが発生しやすくなり、曲げ性が劣化する。このため、残留オーステナイトの面積率を2.0%以上20%以下とする。
さらに、(TS×El)値が12000MPa・%以上の優れた延性を得るために、鋼板の鋼組織は、面積率で評価した分率で、フェライトの面積率が30%以上であることが好ましい。フェライトを面積率で30%以上含むことにより、(TS×El)値が12000MPa・%以上の優れた延性も達成できる、このため、フェライトの面積率を30%以上とすることが好ましい。
さらに、(TS×El)値が16000MPa・%以上の非常に優れた延性を得るために、鋼板の鋼組織は、面積率で評価した分率で、残留オーステナイトの面積率が5.0%以上であり、フェライトの面積率が30%以上であることがさらに好ましい。残留オーステナイトを面積率で5%以上、フェライトを面積率で30%以上含むことにより、(TS×El)値が16000MPa・%以上の優れた延性も達成できる。
なお、上述した鋼板の表面には、耐食性の向上等を目的としてめっき層を備えさせて表面処理鋼板としてもよい。めっき層は電気めっき層であってもよく溶融めっき層であってもよい。電気めっき層としては、電気亜鉛めっき、電気Zn−Ni合金めっき等が例示される。また、溶融めっき層としては、溶融亜鉛めっき、合金化溶融亜鉛めっき、溶融アルミニウムめっき、溶融Zn−Al合金めっき、溶融Zn−Al−Mg合金めっき、溶融Zn−Al−Mg−Si合金めっき等が例示される。
次に、本発明にかかる鋼板の製造方法の限定理由について説明する。
上記した化学組成の溶鋼を転炉や電気炉等の公知の溶製方法で溶製し、スラブ表面から10mm深さ位置における凝固速度を100℃/min以上1000℃/min以下として200mm以上300mm以下の厚さのスラブに連続鋳造する。
(凝固速度:100℃/min以上1000℃/min以下)
連続鋳造工程におけるスラブ表面から10mm深さ位置における凝固速度は100℃/min以上1000℃/min以下とする。上記凝固速度が100℃/min未満では、スラブ表面からスラブ厚の(1/20)深さ位置におけるデンドライト一次アーム間隔を300μm以下とすることが困難となり、曲げ性を改善することができない場合がある。一方、凝固速度が1000℃/min超では、スラブの表面割れを誘発する場合がある。
(スラブ厚:200mm以上300mm以下)
スラブ厚は200mm以上300mm以下とする。スラブ厚が200mm未満では、後述する熱間圧延および冷間圧延における総圧下率を99.0%以上とすることが困難となる。一方、スラブ厚が300mm超では、鋼板表面から板厚の(1/20)深さ位置において、圧延方向に展伸したMn濃化部の圧延方向に対して直角方向における平均間隔を300μm以下とすることが困難となる。
[熱間圧延工程および冷間圧延工程]
上記連続鋳造工程により得られたスラブに、熱間圧延を施して熱延鋼板とし、この熱延鋼板に冷間圧延を施して冷延鋼板とする。
好ましくは、上記連続鋳造工程により得られたスラブに、1200℃以上1350℃以下の温度域に20分間以上保持する均質化処理を施し、次いで、仕上温度:800℃以上950℃以下、巻取温度:400℃以上750℃以下の熱間圧延を施して熱延鋼板とし、この熱延鋼板に冷間圧延を施して冷延鋼板とし、これら熱間圧延および冷間圧延における総圧下率を99.0%以上とすることである。
(均質化処理温度:1200℃以上1350℃以下、均質化処理時間:20分間以上)
熱間圧延に供するスラブには、1200℃以上1350℃以下の温度域に20分間以上保持する均質化処理を施すことが好ましい。熱間圧延に供するスラブを1200℃以上の温度域に20分間以上保持することにより、Mnの偏析に起因する不均一組織がさらに解消され、さらに曲げ性を向上させることができる。なお、均質化処理温度は1350℃以下とすることが、スケールロスの抑制、加熱炉損傷の防止および生産性の向上といった観点から好ましい。
均質化処理時間は1.0時間以上3時間以下とすることがさらに好ましい。均質化時間を1.0時間以上とすることにより、Mn偏析比を1.20以下とすることができ、鋼板の曲げ性をより一層向上させることができる。一方、均質化処理時間を3時間以下とすることにより、スケールロスが抑制され、生産性を向上させることができ、製造コスト低減に繋がる。
(仕上温度:800℃以上950℃以下)
仕上温度は800℃以上950℃以下とすることが好ましい。仕上温度を800℃以上とすることにより、熱間圧延時の変形抵抗が小さくなり、操業をより容易に行うことができる。また、仕上温度を950℃以下とすることにより、スケールによる疵をより確実に抑制することができ、良好な表面性状を確保することができる。
(巻取温度:400℃以上750℃以下)
巻取温度は400℃以上750℃以下とすることが好ましい。巻取温度を400℃以上とすることにより、硬質なベイナイトやマルテンサイトの生成が抑制され、その後の冷間圧延が容易になる。また、巻取温度を750℃以下とすることにより、鋼板表面の酸化が抑制され、良好な表面性状を確保することができる。
なお、熱間圧延工程においては、粗圧延後仕上圧延前の粗バーに対して、誘導加熱等により粗バー全長の温度均一化を図ると、特性変動を抑制することができるので好ましい。
(熱間圧延および冷間圧延における総圧下率:99.0%以上)
上記熱間圧延工程により得られた熱延鋼板は、通常は酸洗等の常法により脱スケール処理が施され、その後に冷間圧延が施されて冷延鋼板とされる。このときの熱間圧延および冷間圧延における総圧下率を99.0%以上とすることが好ましい。ここで、総圧下率は次式で算出される。
総圧下率(%)={1−(冷延鋼板の板厚)/(熱間圧延に供するスラブの板厚)}×100
曲げ加工後に発生する表面凹凸は、圧延方向に展伸したMn濃度の板幅方向の変動だけでなく、Mn濃化部の板厚方向の厚みにも影響される。したがって、Mn濃化帯の厚みを減ずることによって、加工後の表面凹凸をより確実に抑制することができ、その結果曲げ性が改善される。このような効果を得るには、上記総圧下率を99.0%以上とすることが有効である。
なお、連続焼鈍後の鋼板の組織を均一にするには、冷間圧延の圧下率は30%以上とすることが好ましい。また、酸洗の前もしくは後に、圧下率5%以下の軽度の圧延を施して形状を修正することが平坦確保の観点から好ましい。また、このような軽度の圧延を酸洗の前に施すと、酸洗性が向上し、表面濃化元素の除去が促進され、表面性状を向上させることができる。
[連続焼鈍工程]
上記熱間圧延工程および冷間圧延工程により得られた冷延鋼板に、750℃以上950℃以下の温度域で再結晶焼鈍を施し、その後200℃以上450℃以下の温度域まで冷却し、この温度域に2000秒間以下保持する連続焼鈍処理を施す。
(再結晶焼鈍温度:750℃以上950℃以下)
焼鈍温度は、750℃以上950℃以下とする。焼鈍温度を750℃以上とすることにより、未再結晶の残存が抑制され、均一な組織を確実に得ることができ、さらに曲げ性を向上させることができる。また、焼鈍温度を950℃以下とすることにより、焼鈍炉の損傷を抑制して、生産性を向上させることができる。
なお、未再結晶を完全に除去し、良好な曲げ性を安定して確保するには、焼鈍時間を10秒間以上とすることが好ましい。また、生産性の観点からは、焼鈍時間を300秒間以内とすることが好ましい。
再結晶焼鈍後、冷却停止温度まで冷却されるが、この場合の平均冷却速度はその最高到達温度から700℃までを1℃/s以上50℃/s以下とし、引き続いて、700℃から冷却停止温度までを3℃/s以上200℃/s以下とすることが好ましい。700℃までを1℃/s以上50℃/s以下の冷却速度で冷却することによりフェライトの面積率の調整を容易に行うことができる。一方、700℃から冷却停止温度までを3℃/s以下の冷却速度で冷却することにより、強度低下に繋がるパーライト変態を抑制することができる。また、冷却停止温度までを200℃/s以下の冷却速度で冷却することにより、冷却停止温度の制御を高い精度で行うことができ、コイル全長で、安定して、所望の特性を得ることができる。
(冷却停止温度:200℃以上450℃以下)
冷却停止温度は200℃以上450℃以下の温度域とする。冷却停止温度を200℃以上とすることにより、変態発熱を抑制でき、これにより冷却停止温度の制御を高い精度で行うことができ、コイル全長で、安定して、所望の特性を得ることができる。また、冷却停止温度を450℃以下とすることにより、オーステナイトの分解を抑制し、強度に殆ど寄与しない粗大なセメンタイトの生成を抑制することができるので、所望の引張強度を得ることができる。
なお、0.6%を超えてSiを含有させ、冷却停止温度を320℃以上430℃以下とすると、残留オーステナイトの面積率を好ましい範囲にすることができ、延性がさらに向上する。このため、冷却停止温度を320℃以上430℃以下の温度域とすることが好ましい。
(200℃以上450℃以下の保持時間:2000秒間以下)
200℃以上450℃以下の保持時間を、2000秒間以下とすることが好ましい。上記保持時間を2000秒間以下とすることにより、オーステナイトの分解を抑制し、強度に殆ど寄与しない粗大なセメンタイトの生成を抑制することができるので、所望の引張強度を得ることができる。なお、冷却停止温度の制御を容易にするために、上記保持時間は10秒間以上とすることが好ましい。
連続焼鈍後には、伸び率0.05%以上1%以下の調質圧延を施すことが好ましい。調質圧延によって降伏点伸びを抑制するとともにプレス時の焼付け、かじりを防止することができる。
このように、本発明により、残留オーステナイトの面積率が2.0%以上20%以下であり、引張強度が590MPa以上である曲げ性に優れた高強度の冷延鋼板が得られる。
表1に示す化学組成を有する鋼を転炉で溶製し、スラブ表面から10mm深さ位置における凝固速度が表2に示す条件となるようにして連続鋳造し、厚みが245mmのスラブを作製した。
さらに、表2に示す条件にて熱間圧延を施し、その後酸洗を施し、さらに表2に示す条件にて冷間圧延を施し、板厚が1.2mmの冷延鋼板とした。
得られた冷延鋼板に対し、表3に示すように連続焼鈍設備におけるヒートパターンに相当する熱処理を施した。すなわち、最高加熱温度から700℃まで、700℃から冷却停止温度までについて、それぞれの温度域を表3に示す冷却条件で冷却し、冷却停止後、該冷却停止温度で表3に示す冷却停止時間保持し、その後10℃/sで冷却し、焼鈍板を作製した。
各種製造条件で得られた焼鈍板に対して、EPMA分析によりMn分布、X線回折法によりオーステナイトの面積率、光学顕微鏡及び走査型電子顕微鏡によりフェライトの面積率を調査した。また、引張試験や、曲げ稜線が圧延方向となるような曲げ試験を実施し、機械特性を評価した。また、曲げ変形後の外観は、曲げ半径が1.0t(=1.2mm)となるような成形後に、目視にて凹凸の有無を確認した。曲げ半径が1.0tの外観が良好な場合、曲げ半径が0.5t(=0.6mm)となるような成形後に、目視にて凹凸の有無を確認した。
(実験方法)
(平均凝固速度)
得られたスラブの断面をピクリン酸にてエッチングし、鋳片表皮より内部に10mmの位置にて、5箇所のデンドライト2次アーム間隔λ(μm)を測定し、下記式に基づいて、その値からスラブの液相線温度〜固相線温度内の冷却速度A(℃/min)を算出した。
λ=710×A−0.39
(EPMA分析)
各種焼鈍板の圧延面を研削およびバフ研磨し、表面から板厚の(1/20)深さ位置の分析面を現出させた分析用サンプルを作製し、EPMAでMn分布を調査した。ビーム径10μmにて、圧延方向に500μm、圧延方向に対して直角方向に総計8mmの領域を測定し、500μm幅で平均された圧延方向に対して直角方向のMn濃度分布を解析した。得られたMn濃度分布より、極大値をMn濃化部とし、極小値を定常部とし、Mn濃化部の平均間隔とMn偏析比を算出した。
(残留オーステナイトの面積率の測定)
各種焼鈍板に板厚の(1/4)分減厚するための化学研磨を施し、化学研磨後の表面に対しX線回折を施し、得られたプロファイルを解析し、残留オーステナイトの面積率を測定した。
(フェライトの面積率の測定)
各種焼鈍板の圧延方向および圧延方向と直角方向から試験片を採取し、圧延方向断面、圧延方向に対して直角方向断面の組織を光学顕微鏡あるいは電子顕微鏡で撮影し、画像解析によりフェライトの面積率を測定した。
(引張試験)
圧延方向に直角方向からJIS5号引張試験片を採取し、引張強度(TS)と全伸び(El)を測定した。
(曲げ試験)
各種焼鈍板から、曲げ稜線が圧延方向となるように、圧延方向に対して直角方向を長手方向とする曲げ試験片(幅40mm×長さ100mm×板厚1.2mm)を採取した。2.4mmの鋼板を挟んだ180゜曲げ試験を実施し、割れの有無を目視にて確認した。割れが無い試験片に対して、前回より1.2mmだけ薄い1.2mmの鋼板を挟んだ180゜曲げ試験を実施し、同様に割れの有無を確認した。割れが無い場合、さらに、鋼板を挟まない密着曲げを行い、同様に割れの有無を確認した。
試験後に割れが認められない鋼板の板厚を曲げ試験片の板厚の2倍(2.4mm)で割ることにより、板厚(t)で規格した最小曲げ半径(表4にRminと表示)を算出した。
(曲げ変形後の表面性状)
各種焼鈍板から、曲げ稜線が圧延方向となるように、圧延方向に対して直角方向を長手方向とする曲げ試験片(幅40mm×長さ60mm×板厚1.2mm)を採取した。最小曲げ半径が1.0t以下の場合、先端に1.2mmの半径を持つ90゜のポンチで押し込み、曲げ試験を実施し、表面の凹凸の有無を目視にて確認した。凹凸が有るものを不良、無いものを良好とした。その外観が良好であり、最小曲げ半径が0.5t以下の場合、先端に0.6mmの半径を持つ90゜のポンチで押し込み、曲げ試験を実施し、表面の凹凸の有無を目視にて確認した。凹凸が無いものを良好とした。
(試験結果の説明)
これらの結果を表4に示す。
表4における供試材No.1〜4、6、8、10〜12、14〜16、18および20は、本発明の条件を全て満足する本発明例の鋼板であり、供試材No.5、7、9、13、17および19は、本発明の条件の少なくとも一つを満足しない比較例の鋼板である。
供試材No.1〜4、6、8、10〜12、14〜16、18および20の本発明例の鋼板は、鋼板表面から板厚の(1/20)深さ位置において、圧延方向に展伸したMn濃化部の圧延方向に対して直角方向における平均間隔が300μm以下であり、残留オーステナイトの面積率が2.0%以上20%以下であり、引張強度が590MPa以上の曲げ性に優れた高強度鋼板であった。
これに対し、供試材No.5は、Biを含有しないため、上記平均間隔が300μm超となり、曲げ性が悪かった。
供試材No.7は、連続鋳造における凝固速度が本発明で規定する範囲の下限を下回るため、上記平均間隔が300μm超となり、曲げ性が悪かった。
供試材No.9はMn含有量が本発明で規定する範囲の下限を下回り、また供試材No.13はC含有量が本発明で規定する範囲の下限を下回るため、いずれも、所望の引張強度が得られなかった。
さらに、供試材No.17は連続焼鈍時の冷却停止温度が本発明で規定する範囲の上限を上回り、また供試材No.19は連続焼鈍時の冷却停止温度での保持時間が本発明で規定する範囲の上限を上回るため、いずれも、残留オーステナイトの面積率が2.0%未満となり、所望の引張強度が得られなかった。
本発明例の鋼板うち、Biの含有量が上述した好ましい範囲である0.0010%以上0.05%以下にあり、均質化処理時間が上述した好ましい範囲である1.0時間以上3時間以下にあり、Mn偏析比が1.20以下である鋼板1〜4、6、8、10、11、14、16、18および20は、引張強度が590MPa以上であって、曲げ性に非常に優れた好ましい鋼板である。
これらの曲げ性に非常に優れた好ましい鋼板のうち、フェライトの面積率が好ましい範囲である30%以上にある鋼板2、3、4、6、8、10、11、14、16、18、20は引張強度が590MPa以上であって、(TS×El)値が12000MPa・%以上であり、延性に優れ、曲げ性に非常に優れたさらに好ましい鋼板である。
さらに、これらの、延性に優れ、曲げ性に非常に優れた好ましい鋼板のうち、残留オーステナイトの面積率が好ましい範囲である5.0%以上20%以下にある鋼板4、6、14は引張強度が590MPa以上であって、(TS×El)値が16000MPa・%以上であり、延性に非常に優れ、曲げ性に非常に優れた好ましい鋼板である。
一方、C量とMn量が好ましい範囲にある鋼板1、6、11、18および20は、引張強度が980MPa以上の曲げ性に非常に優れた好ましい鋼板である。
曲げ変形後の表面性状を示す説明図である。

Claims (6)

  1. 質量%で、C:0.03〜0.20%、Si:0.005〜2.0%、Mn:1.2〜3.0%、P:0.1%以下、S:0.01%以下、sol.Al:0.003〜1.0%、N:0.01%以下、Bi:0.0001〜0.05%を含有し、残部がFeおよび不純物からなる化学組成を有し、残留オーステナイトを2.0〜20面積%含有する鋼組織を有し、鋼板表面から板厚の(1/20)深さ位置において、圧延方向に展伸したMn濃化部の圧延方向に対して直角方向における平均間隔が300μm以下であることを特徴とする鋼板。
  2. 前記化学組成が、前記Feの一部に代えて、質量%で、Ti:0.05%以下、Nb:0.05%以下およびV:0.05%以下からなる群から選ばれた1種または2種以上を含有する、請求項1に記載の鋼板。
  3. 前記化学組成が、前記Feの一部に代えて、質量%で、Cr:1%以下、Mo:1%以下、Cu:1%以下およびNi:1%以下からなる群から選ばれた1種または2種以上を含有する、請求項1または請求項2に記載の鋼板。
  4. 前記化学組成が、前記Feの一部に代えて、質量%で、Ca:0.01%以下、Mg:0.01%以下、REM:0.01%以下およびZr:0.01%以下からなる群から選ばれた1種または2種以上を含有する、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の鋼板。
  5. 前記化学組成が、前記Feの一部に代えて、質量%で、B:0.01%以下を含有する、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の鋼板。
  6. 下記工程(A)〜(C)の工程を備えることを特徴とする鋼板の製造方法:
    (A)請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の化学組成を有する溶鋼を、表面から10mm深さ位置における凝固速度を100〜1000℃/minとして200〜300mm厚のスラブに鋳造する連続鋳造工程;
    (B)前記連続鋳造工程で得られたスラブに、熱間圧延を施して熱延鋼板とし、前記熱延鋼板に冷間圧延を施して冷延鋼板とする熱間圧延工程および冷間圧延工程;ならびに
    (C)前記冷延鋼板に、750〜950℃の温度域で再結晶焼鈍を施し、その後200〜450℃の温度域まで冷却し、該温度域に2000秒間以下保持する連続焼鈍工程。
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