JP3805038B2 - パチンコ機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、貯留タンクから供給されるパチンコ球通路を、2列から1列に変更整流してパチンコ球払出装置へ送り出すパチンコ球整流装置を備えたパチンコ機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、パチンコ機のパチンコ球払出装置はパチンコ球を1個単位で計数するようにし、入賞球ごとに払い出されるパチンコ球の定量数を1個単位に設定、変更調整できるようにしたものが有り、このようなパチンコ球払出装置へは、球タンクからそれぞれ2列に整流した誘導樋の各列のパチンコ球を1個ずつ交互に順番に制御し1列にて送り出すようにしている。
【0003】
上記機構として、例えば特公平5−5515号公報に開示されるものが有る。該機構は、外周に数個の円弧面とパチンコ球が嵌入し得る凹窪を等間隔に形成した円盤状の回転体が各2列の球通路ごとに1個ずつ設置され、これら回転体は互いの円弧面の1個分に対する半ピッチを回転方向へ変位させて並列に配設され、上方からの球圧を受けて各回転体を回転駆動させることにより各列のパチンコ球を1個ずつ所定のタイミング差を以って交互に取り込んで送り出すようにしている。また、他に例えば特開昭61−76181号公報に開示されるように2個の回転体をガンキ車と電磁石で作動するアンカー部材とからなる動力装置により回転駆動させるものも有る。
【0004】
上記のような機構にあっては、前者の場合、2列の球通路にそれぞれ個々に設置する2個の回転体が必要であり、これら2個の回転体は回転体の円弧面と凹窪が各列の球通路に食い違い状に臨ませるため所定のピッチ差を有して設置しなければならず、しかも円盤状の回転体はそれぞれの球通路を通過するパチンコ球の中心となる位置に設置しなければならないために、部品点数が多く、組み立ても精度が要求される困難なものであった。
【0005】
また、後者の場合、ガンキ車とアンカー部材とにより回転体を駆動させるようにしているので、部品点数が更に多くなるばかりか構造も複雑となり、しかも電磁石やアンカー部材の設置スペースの確保と困難な組み立て作業を余儀なくされている。その結果、生産効率が悪く経済性も良くないものであった。これに対し、2列の球通路に直交させ、両球通路を合わせた横幅を有する回転体を組み付けることも考えられるが、回転体の横幅が広いと合成樹脂の場合特にヒケが生じ易く成形が困難になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は上記課題を解決すべくなされたもので、回転体の成形が容易となり、また少ない部品点数で構造を簡素化し、組み立て作業も容易となり、しかも狭い設置スペースでも楽々納めて設置することができるパチンコ球整流装置を備えたパチンコ機を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため、本発明に係るパチンコ機は、並列して設けられ、上流側に位置する2列の球通路と、これら2列の球通路を一列に変更案内する球寄せ案内路と、外周にそれぞれ先端面を有する複数の球送り腕及びパチンコ球を嵌入し得る球受け部がそれぞれ交互に形成され、前記2列の球通路から合流してきたパチンコ球を前記球受け部により受け入れ可能に且つ前記球通路から流入したパチンコ球の球圧により前記先端面が押し下げられて回転可能となるように前記一方の球通路内側から前記球送り腕及び球受け部が前記球寄せ案内路内に臨ませて配置された整流用の回転体と、前記球寄せ案内路から誘導されたパチンコ球を送出する下流側の一列の送出路と、を備え、前記球送り腕には、前記球送り腕の先端の前記回転体の回転方向側に爪状の球切尖部が形成され、前記回転体の球受け部でパチンコ球を受け入れ該パチンコ球を該回転体の回転により下方へ運ぶと共に前記球送り腕の球切尖部を前記球受け部に受けられるパチンコ球とその上に乗るパチンコ球との間に介入させることにより両パチンコ球を切り離し、一方の球通路からのパチンコ球間に他方の球通路からであって下方へ運ばれた前記球受部のパチンコ球を割り込ませて一列に規制整流可能とし、前記球寄せ案内路からパチンコ球を1個ずつ送り出すパチンコ球整流装置を備えた。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るパチンコ機の実施の形態を図面と共に説明する。図1はパチンコ機の概略裏面図である。図において、1はパチンコ機の前面枠、2は前面枠1の裏面に取付枠を介して着脱自在に装着される遊技盤、3は遊技盤2の裏面に回動可能に装着される合成樹脂製の機構板である。
【0009】
この機構板3の裏面上部には景品球タンク4が固着され、その下方に該景品球タンク4からのパチンコ球を整列して導き出す2列の通路部を有した誘導樋5が配設される。また、該誘導樋5の下流側に本発明に係るパチンコ球整流装置6が接続され、更にその下流側にパチンコ球を1個単位で計数して所定個数のパチンコ球をその下端に接続される球排出樋8を介してパチンコ機の前面に設けた打球供給皿(図示せず。)に払い出すパチンコ球払出装置7が設けられている。
【0010】
しかして、前記パチンコ球整流装置6は、図2,図3に示されるように、上流側にパチンコ球が並ぶ2列の球通路9a,9bとこれら2列の球通路9a,9bを合致させて1列に変更案内する球寄せ案内路10と、この球寄せ案内路10で1列に規制して誘導されるパチンコ球を1個ずつ送出する下流側の1列の送出路11とを有して形成される。
【0011】
更に詳しくは、パチンコ球整流装置6は図2に示されるように、カーブ壁12と前壁13と後壁14とにより通路構成枠として組立てられている。前記カーブ壁12は上面部12aから湾曲部12bを介して垂直に延長する側面部12cを有して形成され、このカーブ壁12は上面部12aから湾曲部12bに至る内面中央に隔壁15を設けて該隔壁15の両側に前記上面部12aから湾曲部12bに至りパチンコ球が並ぶ2列の球通路9a,9bが設けられる。そして、これら2列の球通路9a,9bの下流側に垂直な背面壁16が一体に延設され、前記隔壁15の下端で2列の球通路9a,9bが合流する球寄せ案内路10が設けられ、前記球寄せ案内路10の下流側にパチンコ球が1個ずつ一列に送り出される送出路11が形成されている。
【0012】
前記球寄せ案内路10は、隔壁15の終端位置から下方へそのまま垂直に延設される前壁13と後壁14の前記隔壁15の終端位置から下方内側へ湾曲する小さい曲率半径の小湾曲部14aとこれに連続して大きい曲率半径の大湾曲部14bとによって形成される。また、該大湾曲部14bの下端から短い垂直な垂直面部14cが形成され、これにより送出路11が前側の球通路9bのほぼ真下に片寄らせて形成される。前記前壁13には、球寄せ案内路10に対応して空胴状の張出部17が形成される。そして、該張出部17内に前壁13に開設される開口18から球寄せ案内路10内に臨む整流用の回転体19が配置される。
【0013】
該回転体19は、幅2〜3mm程度の合成樹脂板からなり張出部17の両側壁17a,17a間に架設された支軸20により前壁13と直交する垂直面内で回転自在に軸支され、また、十文字状の球送り腕21間にパチンコ球が嵌入し得る凹弧状の球受け部22がそれぞれ交互に形成されるように設けられる。各球送り腕21の先端面21aは回転方向側の先端部と支軸20との長さより回転方向とは逆側の後端部と支軸20との長さの方が短い弧面に形成される。更に、回転体19の支軸20は前壁13のやや外側に設けられ、前記大湾曲部14bが支軸20を中心とする円弧状に形成される。そこで、前記各球送り腕21の先端部と大湾曲部14bの内側面間の距離がパチンコ球の球径より若干短くなるように各球送り腕21の長さが選ばれる。これによりパチンコ球が各球送り腕21の先端面21aを押し下げつつ送り出されることとなる。
【0014】
本発明のパチンコ球整流装置は上記構成よりなり、次に図3(a)〜(d)に基づき作用を説明する。パチンコ球整流装置6は上流側の2列の球通路9a,9bが誘導樋5の2列に整流した通路部にそれぞれ接続され、下流側の1列の送出路11がパチンコ球払出装置7に接続されることから、球通路9aにパチンコ球A1,A2,A3…が流入し、球通路9bにパチンコ球B1,B2,B3…が流入する。
【0015】
そして、これらの球通路9a,9bのパチンコ球A1,B1が球寄せ案内路10に達すると、まず球通路9aのパチンコ球A1が球送り腕211の先端面21aと大湾曲部14bの内面との間に入り、連続するパチンコ球A1,A2の球圧により球送り腕211を押し下げつつ下降すると共にその上方のパチンコ球A2も球寄せ案内路10の小湾曲部14aの内側に流入する。これと同時に球通路9bのパチンコ球B1が球受け部221内に嵌入し、図3(b)に示されるように回転体19の回転と共に下方へ運ばれ、図3(c)に示されるようにパチンコ球A2を横方向へ押しつつパチンコ球A1とパチンコ球A2との間に割り込みパチンコ球A1に続いて下降する。これに続いて図3(d)に示されるようにパチンコ球A2が下降し次の球送り腕212の先端面21aと大湾曲部14bの内面との間に入る。
【0016】
以後は同様に、連続するパチンコ球A2,A3,…の球圧により球送り腕211を押し下げつつパチンコ球A2が下降すると共にその上方のパチンコ球A3も球寄せ案内路10の小湾曲部14aの内側に流入する。これと同時に球通路9bのパチンコ球B2が球受け部222内に嵌入し、回転体19の回転と共に下方へ運ばれ、パチンコ球A3を横方向へ押しつつパチンコ球A2とパチンコ球A3との間に割り込みパチンコ球A2に続いて流下する。これに続いてパチンコ球A3が流下し次の球送り腕213の先端面21aと大湾曲部14bとの内面との間に入る。
【0017】
以後同様にして、球通路9a,9bの各パチンコ球A4,A5…とパチンコ球B3,B4…が球寄せ案内路10内に入り、回転体19をその球圧により回転させると共に球通路9bの各パチンコ球B3,B4…が球通路9aの各パチンコ球A4,A5…間に割り込みつつ交互に位置して一列に整流され、パチンコ球の落下順序を正確に規制されて1個ずつ順に送出路11へ誘導送出される。そして、この送出路11からパチンコ球払出装置7へパチンコ球が1個ずつ送り出されることになる。
【0018】
前記回転体19の各球送り腕21先端の回転方向側に爪状の球切尖部23が設けられるので、球通路9b内の各パチンコ球B1,B2,…すなわち、パチンコ球B1とその上に乗るパチンコ球B2等間に球切尖部23が介入して両パチンコ球B1,B2等をスムーズに切り離すようにしたので、例えば球通路9b内のパチンコ球B2,B3…を上方へ押し戻す力が働くことがなく、円滑な流下作用を促し、動作をスムーズになし得る。
【0019】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明に係るパチンコ機は、並列して設けられ、上流側に位置する2列の球通路と、これら2列の球通路を一列に変更案内する球寄せ案内路と、外周にそれぞれ先端面を有する複数の球送り腕及びパチンコ球を嵌入し得る球受け部がそれぞれ交互に形成され、前記2列の球通路から合流してきたパチンコ球を前記球受け部により受け入れ可能に且つ前記球通路から流入したパチンコ球の球圧により前記先端面が押し下げられて回転可能となるように前記一方の球通路内側から前記球送り腕及び球受け部が前記球寄せ案内路内に臨ませて配置された整流用の回転体と、前記球寄せ案内路から誘導されたパチンコ球を送出する下流側の一列の送出路と、を備え、前記球送り腕には、前記球送り腕の先端の前記回転体の回転方向側に爪状の球切尖部が形成され、前記回転体の球受け部でパチンコ球を受け入れ該パチンコ球を該回転体の回転により下方へ運ぶと共に前記球送り腕の球切尖部を前記球受け部に受けられるパチンコ球とその上に乗るパチンコ球との間に介入させることにより両パチンコ球を切り離し、一方の球通路からのパチンコ球間に他方の球通路からであって下方へ運ばれた前記球受部のパチンコ球を割り込ませて一列に規制整流可能とし、前記球寄せ案内路からパチンコ球を1個ずつ送り出すパチンコ球整流装置を備えた。以上、前記回転体により一方の球通路のパチンコ球間に他方の球通路のパチンコ球を割り込ませて一列に規制整流し、球寄せ案内路からパチンコ球を1個ずつ順番に制御して送り出すようにしたので、球通路内のパチンコ球を上方へ押し戻す力が働くことがなく、円滑な流下作用を促し、動作をスムーズになし得る。また、部品点数が少なくなり、2列の球通路に対する各列の球通路ごとにピッチを設立する必要もないので全体の構造が簡略化され、組み立て作業も容易となる。また、回転体は薄い平板状に形成でき、その成形が容易となり、引いてはパチンコ球整流装置がスリム化でき場所をとらずに狭い設置スペースにも楽に取付けできるという効果を有する。
【0020】
各球送り腕先端の回転方向側に爪状の球切尖部を設けた回転体にあっては、球受け部に嵌入されるパチンコ球とその上に乗るパチンコ球間に介入して両パチンコ球をスムーズに切り離すことができるので、パチンコ球全体の送り出し動作が円滑に行なえるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のパチンコ球整流装置が適用されるパチンコ機の裏面図。
【図2】 パチンコ球整流装置の斜視図。
【図3】 パチンコ球整流装置における上流側の2列の球通路から下流側の1列の送出路へ誘導案内される作用を示す側面断面図。
【符号の説明】
6 パチンコ球整流装置
9a,9b 球通路
10 球寄せ案内路
11 送出路
19 回転体
20 支軸
21 球送り腕
22 球受け部
23 球切尖部
Claims (1)
- 並列して設けられ、上流側に位置する2列の球通路と、
これら2列の球通路を一列に変更案内する球寄せ案内路と、
外周にそれぞれ先端面を有する複数の球送り腕及びパチンコ球を嵌入し得る球受け部がそれぞれ交互に形成され、前記2列の球通路から合流してきたパチンコ球を前記球受け部により受け入れ可能に且つ前記球通路から流入したパチンコ球の球圧により前記先端面が押し下げられて回転可能となるように前記一方の球通路内側から前記球送り腕及び球受け部が前記球寄せ案内路内に臨ませて配置された整流用の回転体と、
前記球寄せ案内路から誘導されたパチンコ球を送出する下流側の一列の送出路と、を備え、
前記球送り腕には、前記球送り腕の先端の前記回転体の回転方向側に爪状の球切尖部が形成され、
前記回転体の球受け部でパチンコ球を受け入れ該パチンコ球を該回転体の回転により下方へ運ぶと共に前記球送り腕の球切尖部を前記球受け部に受けられるパチンコ球とその上に乗るパチンコ球との間に介入させることにより両パチンコ球を切り離し、一方の球通路からのパチンコ球間に他方の球通路からであって下方へ運ばれた前記球受部のパチンコ球を割り込ませて一列に規制整流可能とし、前記球寄せ案内路からパチンコ球を1個ずつ送り出すパチンコ球整流装置を備えたことを特徴とするパチンコ機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29746796A JP3805038B2 (ja) | 1996-10-18 | 1996-10-18 | パチンコ機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29746796A JP3805038B2 (ja) | 1996-10-18 | 1996-10-18 | パチンコ機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH10118277A JPH10118277A (ja) | 1998-05-12 |
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Family
ID=17846881
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP29746796A Expired - Lifetime JP3805038B2 (ja) | 1996-10-18 | 1996-10-18 | パチンコ機 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3805038B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
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JP4570808B2 (ja) * | 2001-04-16 | 2010-10-27 | 株式会社平和 | 遊技機の球払出装置 |
JP4841486B2 (ja) * | 2007-03-29 | 2011-12-21 | 株式会社ソフイア | 遊技機 |
-
1996
- 1996-10-18 JP JP29746796A patent/JP3805038B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10118277A (ja) | 1998-05-12 |
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