JP4344547B2 - 球払出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機の球払出装置に関し、さらに詳しくは、パチンコ球を誘導する突条が定ピッチで螺旋状に設けられる回転体を備えた球払出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、パチンコ球を支持しながら誘導する突条を螺旋状に定ピッチで設けた回転体によって、球通路に連続する所定個数のパチンコ球を払出す球払出装置は数多くある。前記球払出装置は回転体を回転させることにより、球通路に連続するパチンコ球を突条で支持しながら流下させ、該突条の支持から解放されることで1個ずつ払出すようにしている。そして、前記突条は、球通路を連続して流下するパチンコ球間に入り込み易くするため、突条の上流側が薄くなるように形成したり、突条の外方への突出量が小さくなるように形成したりしている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特許第2731876号公報(図1及び図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の球払出装置は、突条が螺旋状に設けられているため、回転体の停止時に、連続するパチンコ球の球圧が前記突条に掛かると、その球圧が流下方向の他に突条と直交する方向にも分力されて、回転体を回転させる方向に作用させる。このため、停止していた回転体が球圧により回転して、余分なパチンコ球が払出されてしまうという問題があった。また、球圧が回転させる方向に作用しないよう、安易に突条の始端部を水平に形成すると、その水平面でパチンコ球の球心を支持することなく端縁で支持するため、その突条の始端形状によっては、一旦支持したパチンコ球を持ち上げる現象を引起すことがある。このため、回転体及びモータに負荷がかかり安定した払出しができないという問題があった。
【0005】
また、近年では一気に入賞球を発生させて、多量の賞球が獲得できるパチンコ遊技機が人気を博して、パチンコホールの主流となっている。ところが、前記パチンコ遊技機は、一気に賞球が獲得できる反面、入賞球に対応して賞球を払出す球払出装置の払出処理が遅いため、賞球の払出しが入賞球の入賞に追いつかず、ゲームが終了しても球払出装置から賞球の払出しが行われることがある。そうすると、その間遊技者は遊技を行わないため、パチンコ遊技機が稼動しない状態となることから、ホールの売上の減少にも影響していた。このため、ホールにとっては高速の払出しが可能な球払出装置が望まれていた。そこで、高速の払出しを可能にするためには、例えば螺旋状に設けられる突条のリード角を大きくすることが考えられる。ところが、単にリード角を大きくすると、確かに回転体を少し回転させるだけでパチンコ球が多く進むことから、高速の払出しが可能となるものの、前記したようにリード角が大きくなればそれだけ球圧により回転体が回転しやすくなり、余分なパチンコ球を払出してしまうという問題が残る。
【0006】
そこで本発明は、従来技術の有するこのような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、余分なパチンコ球を払出すことなく安定して確実な払出しができる球払出装置を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、パチンコ球が連続して流下する球通路と、前記球通路に臨んで該球通路のパチンコ球を誘導する螺旋状の突条が外周に所定のリード角をもって形成される払出回転体と、前記払出回転体を駆動する電気的駆動源とを備えた球払出装置であって、前記突条の上流始端部に上面が外方向に下傾すると共にリード角をほぼゼロとした球停止面を形成したことを特徴とする。前記球停止面にパチンコ球が支持された際に加わる球圧が、前記払出回転体に回転モーメントを生じさせないようにした。
【0008】
請求項2記載の発明は、パチンコ球が連続して流下する球通路と、前記球通路に臨んで該球通路のパチンコ球を誘導する螺旋状の突条が外周に所定のリード角をもって形成される払出回転体と、前記払出回転体を駆動する電気的駆動源とを備えた球払出装置であって、前記突条の上流始端部に上面が外方に下傾すると共にリード角をほぼゼロとした球停止面を形成し、前記球停止面の下流側にリード角を急角度とした加速面を連設したことを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、パチンコ球が連続して流下する球通路と、前記球通路に臨んで該球通路のパチンコ球を誘導する払出回転体と、前記払出回転体を駆動する電気的駆動源と、前記払出回転体の支持から解放されるパチンコ球を検知する検知手段とを備えた球払出装置であって、前記払出回転体は外周に螺旋状の突条が所定のリード角をもって形成され、前記突条の上流始端部に上面が外方に下傾すると共にリード角をほぼゼロとした球停止面を形成し、前記検知手段によって所定個数のパチンコ球が検出されると、前記球停止面にパチンコ球が支持された状態で払出回転体が停止するようにしたことを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の球払出装置であって、前記突条の上流始端部の下面を上流側に向って肉厚が薄くなるように切削したことを特徴とする。
【0011】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、前記払出回転体は、外周に複数の突条を設けたことを特徴とする。
【0012】
請求項6記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、前記突条のリード角を45°〜60°に設定したことを特徴とする。
【0013】
前記球支持部の上面の外方に向う傾斜角を30°〜45°に設定するのが好ましい。
【0014】
上記構成の球払出装置は、パチンコ球を支持する突条が螺旋状に形成される払出回転体を、前記突条の上流始端部に上面がほぼ外方に向ってのみ下傾する球停止面を備えるようにしたので、該球停止面でパチンコ球を支持することで球止めが確実になる。さらに、該球停止面でパチンコ球が支持されている間に最先のパチンコ球は突条のリード角により流下して、パチンコ球間に適度な隙間を開けることができ、払出されたパチンコ球を正確に検知することができる。また、前記球停止面に連設して下流側の突条のリード角より急角度とした加速面を形成することで、払出回転体の回転時の助走となりモータの負荷を小さくすることができる。
【0015】
なお、本発明の球払出装置は、貸球または賞球用の球払出装置に限られることなく、パチンコ遊技機間に設けられる球貸し機、球タンクへの補給機にも適用することができる。さらに、本発明の球払出装置が高速の払出しに対応できることから、パチンコ球を賭数として回収して変動図柄を揃える「パチロット」の賭数回収装置及び賞球払出装置にも適用することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。図1はパチンコ遊技機の裏面図である。図において、1はパチンコ遊技機の機枠であり、2は前記機枠1の前面に開閉可能に取付けられる前面枠2である。前記前面枠2の裏面には、遊技盤3のほぼ全体を覆うように、合成樹脂製の機構板5が開閉自在に装着されており、前記遊技盤3の裏面と相対する位置に開口窓6が開設されている。そして、前記開口窓6の下方であり、かつ平坦面として形成された板状部に球払出制御基板8及び大型の基板ボックス9が設けられ、該基板ボックス9には遊技機全体の遊技動作を制御する遊技制御基板が収納されている。
【0017】
また、機構板5の裏面上部にはパチンコ球を貯留する球タンク10が設けられており、該球タンク10の下方には球払出装置14に該球タンク10のパチンコ球を整列して導く供給樋11が設けられている。該供給樋11は前記開口窓6の上方に位置する傾斜樋12と該開口窓6の側方に位置する屈曲樋13とで構成され、球タンク10の球出口から導出されたパチンコ球が1列に整列された状態で流下する供給通路11aを有している。
【0018】
また、前記球払出装置14の下方に位置して、該球払出装置14から払出されたパチンコ球を前面枠2の前面の上部球受皿(図示せず)に導く球排出樋15と、該上部球受皿にパチンコ球が充満したとき、その余剰球を下部球受皿に導く余剰球通路16が後面を開口した樋状として形成されており、その後面開口はカバー板17によって覆われている。
【0019】
前記屈曲樋13は、図2に示すように上流側から中流にかけて緩やかな湾曲状に形成し、下流側を屈曲させて流勢を弱めるようにしており、コ字状に一側を開放した供給通路11aを一体に形成した裏枠体30に、該開放側を表枠体31で閉塞することで構成される。そして、上流から中流にかけての通路幅を、約20mmから12mmへと徐々に逓減するようにしている。また、屈曲樋13の取着用の係合手段としての係合片32が裏枠体30に複数設けられ、機構板5に設けられる係合部33に係止して取付けられる。さらに、屈曲樋13の下流端に、球払出装置14を固定する係止部材35が回動自在に設けられ、供給通路11aの下流端に前記係止部材35に設けられる球止片36が突入する窓孔37が開設されている。なお、前記球止片36が窓孔37に突入する際には、図2鎖線に示すように係止部材35は球払出装置14の係合を解除した状態にある。
【0020】
40は、球詰りの発生しやすい屈曲樋13の上流部上面に臨んで設けられる整流装置である。該整流装置40は円盤状の整流板41をモータ42で低速回転させて、供給通路11aを段状に積み重なって流下する上段のパチンコ球に整流板41の板面部が接触して、球詰りとなる状態を強制的に解除させ、球詰りを発生させないようにしている。該整流装置40は前記球払出装置14の作動時に作動させるのが好ましく、前記モータ42を正逆回転させるようにして積み重なったパチンコ球を拡散するようにしてもよい。また、前記モータ42のモータ軸が固着されている整流板41の軸部を供給通路11aの側面に臨ませ、該軸部の側面にも前記供給通路11aを流下するパチンコ球が接触し得るようにして、パチンコ球が整流板41に接触する頻度を高めるようにしてもよい。このとき、板面部と軸部とで形成される角部は、パチンコ球の径より大きい湾曲状に形成し、よりパチンコ球の接触頻度を高めるようにするのが好ましい。また、前記整流板41を供給通路11aの下面に設けるようにしてもよく、このとき、整流板41の上流及び下流部には下流側が低くなる段差を設けるようにするのが好ましい。なお、整流装置40は供給通路11aの側面に設けるようにしてもよく、さらに整流装置40を複数設けるようにして、前記供給通路11aの複数面で可動させることでパチンコ球の動きが複雑となり、より球詰り発生を阻止することができる。また、前記整流板41は必ずしもモータ42で駆動することなく、整流板41の板面部を供給通路11aに臨ませて回転自在に設け、パチンコ球の流下により回転するようにしてもよい。このとき、パチンコ球が板面部に接触して流下することにより整流板41を回転させやすいように、該整流板41のパチンコ球との接触面にシボ又は細かな凹凸等を設けたり、接触面を粗面に形成したりするようにしてもよい。このように、整流板41の板面部でパチンコ球が接触するようにすることで、従来円弧面に接触させて整流するのに比べ接触距離が長くなり、より球詰りを防止することができる。
【0021】
次に、図4及び図5を参照して球払出装置14の構成について説明する。球払出装置14は、箱枠状のケース体18に前記屈曲樋13の供給通路11aと連通する球通路19と、前記球通路19に臨んで該球通路19を流下するパチンコ球を制御する払出回転体20と、前記払出回転体20を駆動する電気的駆動源としてのモータ21とを備え構成している。なお、前記モータ21は制御のしやすいステッピングモータが好ましい。前記ケース体18は、前記球通路19が形成される通路枠体18aとカバー体18bとで構成され、前記通路枠体18aに前記モータ21の取着部22が設けられ、該取着部22を介して前記払出回転体20がモータ軸21aに取付けられている。また、ケース体18には、球払出装置14を機構板5に固定するために、通路枠体18aには側方(図上右側方)に突出して設けられる係止片38aと下方に鉤片38bが設けられており、図2及び図4に示すように該鉤片38bを透孔39に係止して、前記係止片38aに前記係止部材35を係合させることにより、該球払出装置14を機構板5に固定することができる。
【0022】
前記球通路19は、図4及び図5に示すように、上流始端部を前記屈曲樋13の供給通路11aと同幅である約12mmの通路幅として、緩やかに屈曲させて払出回転体20にパチンコ球を導く流入通路部19aと、払出回転体20によってパチンコ球が移送される移送通路部19bと、パチンコ球が前記払出回転体20の支持から外れて払出される排出通路部19cとで構成されている。前記流入通路部19aは払出回転体20の軸方向に沿って設けられ、払出回転体20の上流側からパチンコ球が供給される。24は前記排出通路部19cに払出されたパチンコ球を検出する検知手段としてのセンサであり、該センサ24は発光部と受光部とからなる光学式センサで、しかも排出通路部19cの中心線からずれた位置でその光軸が交差するように配置される。そして、前記払出回転体20による拘束から解放されたパチンコ球が光軸を遮ることで、該パチンコ球を検知し得るように配置される。言い換えれば、払出回転体20により制止されている最先のパチンコ球は、光軸を遮断することなく未だ検知されない状態にある。
【0023】
前記払出回転体20は、図3に示すように前記モータ21の回転軸21aに取付ける軸部25の下方に、前記球通路19に臨むパチンコ球径の1.5倍程度の軸柱26が形成され、該軸柱26の外周に前記球通路19のパチンコ球を支持し、該パチンコ球の流下を制御する複数の突条27を螺旋状に定ピッチで設けている。実施の形態において、前記突条27は上面及び下面が外方に向って約35°に傾斜した断面三角形状(台形状を含む)をしており、パチンコ球径とほぼ同じ送りピッチで約45°のリード角で4条巻回されている。つまり、払出回転体20の回転により、球通路19のパチンコ球が、前記突条27に支持されながら前記回転軸21a方向に流下して、払出回転体20が90°回動する毎に1個ずつ払出され、該払出回転体20の1回転で4個のパチンコ球が排出通路19cに払出されるようにしている。また、前記突条27は、連続して流下するパチンコ球間にスムーズに入り込みやすいよう、軸柱26から外方に約3mm突出しており、該突条27でパチンコ球の下部側面を支持するようにしている。
【0024】
前記突条27の上流始端部は、図3に示すように上面が外方向(半径方向)に下傾すると共に、周方向にはほとんど傾斜しない球停止面28を形成している。つまり、該球停止面28で支持されたパチンコ球の高さ位置は、払出回転体20の回転によってほとんど変化せず、該球停止面にパチンコ球が支持された際に加わる球圧が、前記払出回転体に回転モーメントを生じさせないようにしている。また、前記突条27の始端部下面は、上流側に向って肉厚が薄くなるようにテーパー状に切削して、パチンコ球間に突条27の始端部が入り込みやすいようにしている。そして、前記球停止面28に連設して、下流側のリード角より急角度に設定(図上約50°)し、パチンコ球を一気に加速落下させる加速面29を形成しており、前記加速面29とその下流の突条27の上面とは滑らかな暈しにより連設されている。なお、前記加速面29の傾斜角は50°〜65°に設定するのが好ましい。いる。また、前記突条27の始端から終端までの高さ距離は、ほぼパチンコ球1個分であり、各突条27は軸柱26の周面に1/4周するように巻設されて、互いに隣接する突条27の始端と終端とは、ほぼ同一軸線上に位置している。このため、前記球停止面28がパチンコ球間に臨み、後続のパチンコ球が該球停止面28に支持されると、最先のパチンコ球は後続のパチンコ球はと分離され該パチンコ球は突条27の終端に支持され、排出通路19cに払出される待機状態となる。また、突条27の外方(半径方向)に向う上面角度を35°として説明したが、その傾斜角度に限定されるものではなく外方に向けて30°〜45°の傾斜が好ましい。なお、前記突条27の上流から下流にかけて、上面全体を外方向に下傾するようにしたが、少なくとも球停止面28が外方向に下傾するようにして、その下流側の突条27上面は周方向にのみ下傾するようにしてもよい。また、前記球停止面28は、周方向に全く下傾しないのは勿論のこと、球圧がかかっても払出回転体20を回転させる作用が働くことがない1°〜3°程度の僅かな傾斜を有するようにしてもよい。
【0025】
上記構成の球払出装置14は、球タンク10のパチンコ球が供給樋11を介して供給された常態では、図6(イ)に示すように前記球停止面28に最先のパチンコ球が支持され、後続のパチンコ球と接触状態にいる。このとき、突条27の外周部分と流入通路部19aとの間隙は狭く、パチンコ球は排出通路部19cに移動できない。この状態で、貸球操作が行われるか又は入賞すると、球払出制御基板8から球払出装置14に球払出指令信号が発せられる。そして、その信号によりモータ21が駆動し、それに伴い払出回転体20が同図矢印方向に回動すると、最先のパチンコ球は突条27に支持されながら流下する。このとき、加速面29で最先のパチンコ球が加速されると、払出回転体20の回転に惰性がつき、モータ21の負担を軽減することができる。そして、最先のパチンコ球の流下に伴い後続のパチンコ球も流下し、該パチンコ球間に次の突条27の球停止面28が割り込むように入り込み、図6(イ)に示すように後続のパチンコ球が該球停止面28に支持される。このとき、最先のパチンコ球は突条27の終端で支持された状態にある。この状態から、払出回転体20がさらに回動すると、球停止面28で支持されていた後続のパチンコ球は、図6(ロ)に示すように該球停止面28の支持を外れて加速面29に沿って下動し、最先のパチンコ球は突条27の支持から外れて排出通路19cに放出され、球検知センサ24で検知される。そして、連続して所定個数が払出される際には、始端部の球停止面28が周方向にほとんど傾斜していないため、後続のパチンコ球が前記球停止面28で支持されている間に、最先のパチンコ球は突条27に支持されながら該突条27の傾斜(リード角)により下降して、後続のパチンコ球と滑らかに分離され、図6(イ)に示すように球間に適度な隙間が生じ、球検知センサ24により1個ずつ確実に検知することができる。このようにして、球検知センサ24により所定数のパチンコ球が検知計数されると、球払出制御基板8から球払出装置14に球払出停止指令信号が発せられてモータ21が停止し、同時に払出回転体20も停止する。このとき、最先のパチンコ球は突条27で支持された状態となるものの、後続のパチンコ球は図6(イ)に示すように最先のパチンコ球と間隔を隔てて確実に周方向に傾斜しない球停止面28に支持される。このため、該球停止面28で受けられる球圧は軸方向に作用して回転方向に作用しないことから、該球停止面28は確実なストップゾーンとなり、球圧により払出回転体20が過回動して余分にパチンコ球を払出すことはなく、確実な制御が可能となる。
【0026】
しかも、いわゆる「大当り」になって短時間に大量の賞球が払出される際にも、払出回転体20に間断なく供給され確実な払出しが行われる。この実施の形態において、該払出回転体20によって1分間に払出される最大払出個数は約1,800〜2,000個である。
【0027】
このように、払出回転体20の突条27の上流始端部に、ほぼ外方向にのみ下傾させて周方向にはほとんど傾斜しない球停止面28を形成し、払出回転体20の停止時に該球停止面28にパチンコ球を支持させることにより、後続のパチンコ球は持ち上げられることがなく、払出回転体20及びモータ21に負荷をかけることがない。しかも、該球停止面28にパチンコ球を支持させると、球圧が周方向に掛からないことから、球圧により払出回転体20が過回動することがないため確実な球止めができる。また、最先のパチンコ球が突条27の傾斜によって流下するのに対し、後続のパチンコ球が球停止面28でほぼ同一高さに支持されることにより、最先のパチンコ球と後続のパチンコ球間に適度な隙間を生じさせ、払出されたパチンコ球をセンサ24で正確に検知して、確実に球計数を行うことができる。また、球停止面28に連設して下流側の突条27のリード角より急角度とした加速面29を形成することにより、払出回転体20が回転し始めてすぐにパチンコ球が加速面29で支持されるため、モータ21に掛かる負荷が小さくなる。このため、払出し始動時の助走として払出回転体20の回転に弾みをつけることができ、モータ21のトルクを小さくすることができる。
【0028】
また、検知スイッチ24の設置位置によっては、その検知信号により払出回転体20を停止するようにしても、図6(ロ)に示すように最先のパチンコ球が球停止面28で支持されずに停止することもあり得る。しかし、万一突条27で支持されたパチンコ球に球通路19のパチンコ球の球圧がかかり、払出回転体20が余分に回転することがあったとしても、後続のパチンコ球が図6(イ)に示すように球停止面28で支持されることにより、球圧が回転方向に作用しなくなり払出回転体20の回転が停止し、最先のパチンコ球は突条27の下流位置で支持された状態となり、それ以上回転して余分にパチンコ球が払出されることがない。逆に予め払出されたパチンコ球の検知時に、後続のパチンコ球を突条27で支持した状態でモータ21を停止させるようにしてよく、特にモータ21が惰性により回転して払出回転体20を回動させたり、前記したように球圧により払出回転体20が回動したりすることがあっても、後続のパチンコ球が前記球停止面28で支持されることにより、払出回転体20がそれ以上回転することがないため、過回動して余分なパチンコ球を払出すことはない。このことから、実施の形態において、球停止面28に連設して加速面29を設けるようにしたが、必ずしも加速面29を設ける必要はなく、球停止面28を設けることで過剰払いをなくすことができる。また、前記払出回転体20は、図7示すように軸柱26の側面を溝状に凹窪して突条27を形成して、パチンコ球の咥え込み度合を多くするようにしてもよい。なお、実施の形態において、軸部25の下方に突条27を設けた軸柱26を形成するようにしたが、当然軸柱26に直接モータ21の回転軸21aを固定するようにしてもよい。
【0029】
なお、前記払出回転体20の突条27を4条として、高速の払出しに対応できるように説明したが、この条数に限定されるものではなく、好ましくは2〜6以下の複数条がよい。これは、当然突条27の条数を増やせば1回転での払出個数が増えるものの、条数を増やすと各突条27間の必要ピッチとの関係で払出回転体20の直径が必然的に大きくなり、モータ21への負担が大きくなるからである。また、前記突条27のリード角も限定されるものではなく、球圧により回転を促す45°〜60°に設定するのが好ましい。これは、従来リード角を急にすると、払出し速度を速くすることができるものの、球圧が払出回転体20を回転させるように働くため、リード角を所定角度よりきつくすることができなかったが、球支持部27の上流始端部に周方向にほとんど下傾しない球停止面28を形成して、停止時に該球停止面28でパチンコ球を支持するようにすることにより、球圧が払出回転体20を回転させる方向に働かないため、確実に払出回転体20を所定位置で停止させることができる。
【0030】
また、球通路19を1条として説明したが、当然前記払出回転体20の周囲を囲むように球通路19を複数設けても排出速度を高めることができるが、球通路19を複数にすると当然該球通路19にパチンコ球を供給する供給通路を複数設けなければならず、それに伴い球払出装置14にパチンコ球を導く供給樋11が嵩張り、さらにパチンコ球を整流するのが難しくなるという問題がある。このことからも、1条の球通路19で複数の突条27を設けた払出回転体20で払出すようにするのが好ましい。
【0031】
また、実施の形態において、球払出装置14の球通路19の垂直通路部に払出回転体20を設けるようにしたが、傾斜状の通路部に略平行するように払出回転体20を設けるようにして、パチンコ球が突条27に支持されながら流下するようにしてもよい。
【0032】
また、実施の形態において、球タンク10に貯留されたパチンコ球を供給樋12を介して球払出装置14に導くようにしたが、球タンク10にパチンコ球を貯留することなく、パチンコ遊技機にパチンコ球を補給する補給樋から供給樋12を介して直接球払出装置14に供給するようにしてもよい。
【0033】
なお、本発明の球払出装置14は、実施の形態に示したパチンコ遊技機に設けられる賞球及び貸球の払出しに限られることなく、パチンコ遊技機間に設けられる球貸し機,球タンク10への補給機としても適用することができる。さらに、本発明の球払出装置14が高速の払出しに対応できることから、パチンコ球を賭数として回収して変動図柄を揃えて遊技する「パチロット」の供給皿に設けられる回収装置にも適用することができる。
【0034】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明に係る球払出装置は、パチンコ球を支持する突条が螺旋状に形成される払出回転体を、前記突条の上流始端部に上面がほぼ外周に向ってのみ下傾する球停止面を形成するようにしたので、球停止面での球止めが確実になると共に球間に適度な隙間を開けることができ、払出されたパチンコ球を正確に検知することができる。また、前記球停止面に連設して下流側の突条のリード角より急角度とした加速面を形成することで、払出回転体の回転時の助走となりモータの負荷を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ遊技機の裏面図である。
【図2】本発明に係る球払出装置部分の正面図である。
【図3】払出回転体の斜視図である。
【図4】球払出装置の側面断面図である。
【図5】球払出装置の正面断面図である。
【図6】(イ),(ロ)は払出しの作用説明図である。
【図7】他の実施の形態の払出回転体の斜視図である。
【符号の説明】
14 球払出装置
19 球通路
19a 流入通路部(球通路)
19b 移送通路部(球通路)
19c 排出通路部(球通路)
20 払出回転体
21 モータ(電気的駆動源)
24 センサ(検知手段)
27 突条
28 球停止面
29 加速面
Claims (3)
- パチンコ球が連続して流下する球通路と、前記球通路に臨んで該球通路のパチンコ球を誘導する複数の螺旋状の突条が外周に形成される払出回転体と、前記払出回転体を駆動する電気的駆動源とを備えた球払出装置であって、
前記突条のリード角を45°〜60°に設定すると共に、
前記突条の上流始端部に前記払出回転体の停止時において前記球通路内の最先のパチンコ球が支持される球停止面を形成し、
前記球停止面は、その上面が外方向に下傾すると共に、そのリード角が0°〜3°の範囲内になっていることを特徴とする球払出装置。 - 前記球停止面の下流側にリード角を50°〜65°とした加速面を連設したことを特徴とする球払出装置。
- 請求項1又は2記載の球払出装置は、前記払出回転体の支持から解放されるパチンコ球を検知する検知手段を備え、該検知手段によって所定個数のパチンコ球が検出されると、前記球停止面にパチンコ球が支持された状態で払出回転体が停止するようにしたことを特徴とする球払出装置。
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