JP3804987B2 - 赤外線吸収剤及び農業用フィルム - Google Patents

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    • A01GHORTICULTURE; CULTIVATION OF VEGETABLES, FLOWERS, RICE, FRUIT, VINES, HOPS OR SEAWEED; FORESTRY; WATERING
    • A01G9/00Cultivation in receptacles, forcing-frames or greenhouses; Edging for beds, lawn or the like
    • A01G9/14Greenhouses
    • A01G9/1438Covering materials therefor; Materials for protective coverings used for soil and plants, e.g. films, canopies, tunnels or cloches
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Description

技術分野
本発明は、式
[Al2Li(1-x)・M2+ (x+y)(OH)(6+2y)n(An-(1+x)・mH2
(式中、M2+は2価の金属、An-はn価のアニオン、m、x、yは、0≦m<5、0.01≦x≦0.5、0≦y≦0.5、の範囲である)で示される複合水酸化物塩からなる赤外線吸収剤及びこれを樹脂に配合して成形してなる農業用のフィルムに関する。
従来の技術
ハウスやトンネル等の温室栽培に用いられる農業用フィルムは昼間の太陽光線を高い透過率で効率よく通過させる一方、夜間は地面や植物から放射される赤外線を吸収や反射等によりハウスやトンネルの外に放出させない等の特性が要求される。地面や植物から放出される赤外線の放射率が大きい範囲は、5〜25μmの波長範囲であることが知られている。農業用フィルムとしては5〜25μm、特に放射率が最大である10μm付近の波長の赤外線を吸収できることが必要である。
従来、上記農業用フィルムには、赤外線吸収剤として、炭酸マグネシウム、マグネシウムケイ酸塩、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、燐酸塩、ケイ酸塩、ハイドロタルサイト類等が用いられていた。
しかしながら、従来の上記無機粉体にはそれぞれ一長一短があり、前述の諸物性を充分に満たすものは存在しない。例えば、二酸化ケイ素、マグネシウムケイ酸塩等は赤外線吸収能は優れているが、屈折率、分散性等に問題があり、結果としてフィルムの透光性が損なわれるため、農業用フィルムとしては不適切なものであった。また、ハイドロタルサイト類は、分散性、屈折率等においては比較的優れているものの赤外線吸収能については充分満足できるものではなかった。
また、特開平7−300313号公報には、リチウムアルミニウム複合水酸化物塩を用いて農業用フィルムの保温剤とする技術が開示されている。この水酸化物塩は、屈折率が1.55でポリオレフィン樹脂の1.50付近という値からかけ離れているため、透明性が良くないという欠点を有していた。
発明の開示
本発明は、赤外線吸収能が高く、且つ樹脂に配合した場合に分散性が良く、しかも屈折率が樹脂の屈折率に近く、フィルムとした場合に保温性、透明性等に優れた赤外線吸収剤及び農業用フィルムを提供することを目的とする。
本発明者らは上記問題点を解決するために鋭意検討した結果、下記式(I)
[Al2Li(1-x)・M2+ (x+y)(OH)(6+2y)n(An-(1+x)・mH2O (I)
(式中、M2+は2価の金属、An-はn価のアニオン、m、x、yは、0≦m<5、0.01≦x≦0.5、0≦y≦0.5、の範囲である)で示される10μm付近の赤外線を吸収する能力が大きい、ギブサイト構造の水酸化アルミニウム八面体層を基本骨格とする塩基性複合水酸化物塩が上記問題点を解決しうることを見いだし本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、上記式(I)で示される複合水酸化物塩〔以下化合物(I)という〕を有効成分として含有することを特徴とする赤外線吸収剤である。 本発明の化合物(I)は、ギブサイト構造の水酸化アルミニウム八面体層の空位(ベーカント)にリチウムイオン及び2価の金属イオンとを入れて基本骨格とし、その中間層にアニオンが導入されたものを基本構造とする(y=0の場合)。
更には、この基本構造に2価の金属の水酸化物を複合化させた複合水酸化物塩である(0<y<1の場合)。この2価の金属としては、特に限定されるものではないが、導入が容易であり、白色であり、且つフィルムに配合した際に透明性を満たすことから、Mg、Zn、Ca等がより好ましい。
n-はn価のアニオンを示し、例えば、炭酸、リン酸、ケイ酸、酢酸、プロピオン酸、アジピン酸、安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、pーオキシ安息香酸、サリチル酸、ピクリン酸、硫酸、硝酸、塩酸、ヨウ素、フッ素、臭素等のアニオンを挙げることができる。好ましくはリン酸、炭酸、ケイ酸が好適に使用できる。
本発明の赤外線吸収剤、すなわち上記化合物(I)を有効成分として含有することを特徴とする赤外線吸収剤は、農業用フィルム等のフィルムに配合して使用する場合には、微粒子で且つ高分散性であり、しかも比較的結晶が発達しているものが好ましい。従って、平均2次粒子径としては、好ましくは3μm以下のものであり、より好ましくは1μm以下のものである。又、BET比表面積は好ましくは50m2/g以下、より好ましくは20m2/g以下のものである。
以下に本発明の化合物(I)の製法をM2+がMgの場合を一具体例として詳述する。
本発明の化合物(I)のM2-がMgでy=0の場合である炭酸イオン型塩基性アルミニウムマグネシウム複合水酸化物塩、[Al2Li(1-x)・Mg(x)(OH)6n(CO3(1+x)・mH2Oは以下の方法により製造することができる。
水酸化アルミニウムを水媒体中で、炭酸リチウムと、炭酸マグネシウム又は塩基性炭酸マグネシウム等のマグネシウム炭酸塩とを加熱処理反応させることによって製造できる。
炭酸リチウムと炭酸マグネシウム又は塩基性炭酸マグネシウムの使用量は水酸化アルミニウムのAl23含量に対し、〔Li/Al23(モル比)〕+〔MgO/Al23(モル比)〕=1となるように使用するとよいが、リチウム成分はやや過剰量に投入してもよい。
水酸化マグネシウムを複合化した複合水酸化物塩(0<y≦0.5の場合)は、水酸化アルミニウムを水媒体中で、炭酸リチウムと、炭酸マグネシウム又は塩基性炭酸マグネシウム等のマグネシウム炭酸塩と、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム等の水溶性マグネシウム、水酸化マグシウムの中から選択された一種以上とを加熱処理反応させることによって製造できる。
この場合も炭酸リチウムと炭酸マグネシウム又は塩基性炭酸マグネシウムの使用量は水酸化アルミニウムのAl23含量に対し、〔Li/Al23(モル比)〕+〔MgO/Al23(モル比)〕=1となるように使用するとよいが、リチウム成分はやや過剰量に投入してもよい。
加熱処理の温度範囲は、好ましくは常温2ら200℃迄の間の適宜な温度であり、より好ましくは90℃以上〜160℃、特に好ましくは110〜160℃である。処理温度が常温よりも低い場合は結晶化の程度が低くなり好ましくない。
上記炭酸イオン型の塩基性リチウムマグネシウムアルミニウム複合水酸化物塩は、酸類、例えば硝酸、塩酸等のハロゲン酸、硫酸等の無機酸、又は有機酸例えば酢酸等のモノカルボン酸(一塩基性有機酸)で処理することにより、層間の炭酸イオンを他のアニオンに置換することができる。
上記処理により得られる他のアニオン型塩基性リチウムマグネシウムアルミニウム複合水酸化物塩は、出発原料を適宜組み合わせることにより、上記の炭酸イオン型の塩基性リチウムマグネシウムアルミニウム複合水酸化物塩の工程を経由することなく、層間のイオンがハロゲンイオン、硝酸イオン、硫酸イオン、モノカルボン酸イオン等である塩基性リチウムマグネシウムアルミニウム複合水酸化物塩とすることもできる。
本発明の化合物(I)は、オートクレーブ等を用いた水熱処理を行うことにより、BET比表面積及び二次粒子径を適宜な範囲に調整することができる。水熱処理の温度範囲は、好ましくは100〜200℃、より好ましくは110〜160℃である。M2+がMg以外の2価金属の場合の製法も、Mg型と同様であり、特に留意する点はない。
本発明の赤外線吸収剤は、コーティング剤で表面処理することによりさらに分散性に優れたものにすることができる。コーティング剤としては、例えば、高級脂肪酸類、高級脂肪酸塩類、高級脂肪酸族アルコールとリン酸のエステル類、ワックス類、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤又はカップリング剤から選ばれる1種以上が挙げられ、好ましくは、高級脂肪酸類、高級脂肪酸塩類、高級脂肪酸系アルコールのリン酸エステル類、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤又はカップリング剤等である。
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリル酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、カプリン酸、ミリスチン酸、リノール酸等であり、高級脂肪酸塩類としては、例えば、上記高級脂肪酸のナトリウム塩、又はカリウム塩等を挙げることができる。高級脂肪酸系アルコールのリン酸エステル類としては、例えば、高級脂肪酸アルコールのリン酸エステル、例えば、ラウリルエーテルリン酸、ステアリルエーテルリン酸、オレイルエーテルリン酸等のアルキルエーテルリン酸、ジアルキルエーテルリン酸、アルキルフェニルエーテルリン酸塩、ジアルキルフェニルエーテルリン酸類等、又はオレイルエーテルリン酸ナトリウム、ステアリルエーテルリン酸カリウム等のアルキルエーテルリン酸塩類を挙げることができる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ラウリル酸ジエタノールアミド等のアルキロールアマイド類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等のポリオキシアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ジステアリン酸ポリエチレングリコール等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、モノカプリン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、ジステアリン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル類、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、グリコールエーテル類等を挙げることができる。
カチオン系界面活性剤としては、例えば、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモニウム塩類、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ラウリルジメチルベンジルアンモニウム塩等のアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩類を挙げることができる。
両性活性剤としては、ヤシ油アルキルベタイン等のアルキルベタイン類、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルアミドベタイン類、Z−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリームベタイン等のイミダゾリン類、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン等のグリシン類を挙げることができる。
カップリング剤としては、例えばシラン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、チタン系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤等を挙げることができる。
上記コーティング剤は1種又は2種以上を同時に使用することもできる。
コーティング剤の添加量は0.1〜10重量%であり、好ましくは0.5〜6重量%の範囲である。0.1重量%以下では分散性が悪く、10重量%以上では効果は充分であるが、経済的には有利ではない。
表面処理は、常法に従って湿式法でも乾式法でも容易にすることができる。
本発明の第二は、上記赤外線吸収剤を用いた農業用フィルム及びその製法である。本発明の農業用フィルムは、以下に述べる方法で製造することができる。
先ず、樹脂及び本発明の赤外線吸収剤を、常法に従って、例えばリボンブレンダー、バンバリーミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー等の混合機に投入し、混合後、押出機、バンバリーミキサー、加圧ニーダー等を用いて溶融混練する。
赤外線吸収剤の使用量は、樹脂100重量部に対し、好ましくは1〜50重量部、より好ましくは1〜20重量部である。1重量部未満では、充分に赤外線を吸収することはできず、50重量部を越える範囲では農業用フィルムとしての透光性及び機械的強度が低下するためである。
樹脂としては、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のポリハロゲン化ビニル類、ハロゲン化ポリエチレン、ハロゲン化ポリプロピレン、又は塩化ビニル−酢酸ビニル、塩化ビニル−エチレン、塩化ビニル−プロピレン、塩化ビニル−スチレン、塩化ビニル−イソブチレン、塩化ビニル−塩化ビニリデン、塩化ビニル−スチレン−アクリロニトリル、塩化ビニル−ブタジエン、塩化ビニル−塩素化プロピレン、塩化ビニル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル、塩化ビニル−マレイン酸エステル、塩化ビニル−メタアクリル酸エステル、塩化ビニル−アクリロニトリル等の組み合わせからなる共重合体物、又はオレフィン系のエチレン、プロピレン、ブテン−1、酢酸ビニル等のオレフィン類の重合体あるいは共重合体、例えば、LLPE、LDPE等のポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プテン−1共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体等のエチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メチルメタアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル−メチルメタクリレート共重合体、アイオノマー樹脂等を挙げることができる。これらのうち、ポリエチレン、エチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、酢酸ビニル含有量が25重量%以下のエチレン−酢酸ビニル共重合体が透明性、耐候性、価格の面から考えてより好ましい。
上記混合溶融、混練により得られた樹脂組成物は、常法に従って、例えばインフレーション加工、カレンダー加工、Tダイ加工等の方法によりフィルム化することにより、フィルム、例えば農業用フィルム等にすることができる。
さらに、その片面又は両面に他の樹脂層を設けて多層フィルムとすることもできる。係る多層フィルムは、常法に従って、例えば、ドライラミネーション及びヒートラミネーション等のラミネーション法、又はTダイ共押し出し及びインフレーション共押し出し等の共押し出し法により製造することができる。
本発明の農業用フィルムの製造に際し、所望により慣用の各種樹脂用添加剤、例えば、可塑剤、滑剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、顔料、紫外線吸収剤、防曇剤、防霧剤、熱安定剤、アンチブロッキング剤、染料又は保温剤等を添加することができる。
可塑剤としては、グリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ソルビトール等の低分子量の多価アルコール系可塑剤、ジオクチルフタレート(DOP)、ジメチルフタレート等のフタル酸エステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、パラフィン系可塑剤、ワックス系可塑剤等を挙げることができる。これらの中で多価アルコールは、フィルムの防曇作用も有している。
滑剤としては、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸等の脂肪酸類及びこれらの金属塩、脂肪酸由来の脂肪酸アミド、ポリエチレンワックス等のワックス類、流動パラフィン、グリセリン脂肪酸エステル等のエステル類、高級アルコール等を挙げることができる。
光安定剤としては、ヒンダードアミン系化合物、クレゾール類、メラミン類、安息香酸等を挙げることができる。
ヒンダーズアミン系光安定剤としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ドデシルコハク酸イミド、1−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、N,N'−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、テトラ(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、テトラ(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシレート、3,9−ビス{1,1−ジメチル−2−〔トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ〕エチル}−2,4,8,10−テトロオキサスピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス{1,1−ジメチル−2−〔トリス(1,2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ〕エチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,5,8,12−テトラキス{4,6−ビス〔N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミノ〕−1,3,5−トリアジン−2−イル}−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジメチル縮合物、2−tert−オクチルアミノ−4,6−ジクロロ−s−トリアジン/N,N'−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン縮合物、N,N'−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン/ジブロモエタン縮合物等を挙げることができる。光安定剤の配合量は、樹脂100重量部に対して0.02〜5重量部が好適であり、少なければ効果が見いだせず、多ければフィルムの透明性を損なう。
酸化防止剤としては、フェノール系、リン系、硫黄系等の酸化防止剤を挙げることができる。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ステアリル(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、ジステアリル(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、チオジエチレングリコールビス〔(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド〕、4,4'−チオビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール、ビス〔3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−tert−ブチルフェニル)酪酸〕グリコールエステル、4,4'−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、2,2'−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2'−エチリデンビス(4−sec−ブチル−6−tert−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、ビス〔2−tert−ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルベンジル)フェニル〕テレフタレート、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−tert−ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリス〔(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル〕イソシアヌレート、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、2−tert−ブチル−4−メチル−6−(2−アクリロイルオキシ−3−tert−ブチル−5−メチルベンジル)フェノール、3,9−ビス{1,1−ジメチル−2−〔(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、トルエチレングリコールビス〔(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕等を挙げることができる。
リン系酸化防止剤としては、例えば、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス〔2−tert−ブチル−4−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニルチオ)5−メチルフェニル〕ホスファイト、トリデシルホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト、ジ(デシル)モノフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノ(ジノニルフェニル)ビス(ノニルフェニル)ホスファイト、ジ(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テトラ(C1216混合アルキル)−4,4'−n−ブチリデンビス(2−tert−ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、2,2'−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)(オクチル)ホスファイト等を挙げることができる。
硫黄系酸化防止剤としては、例えば、チオジプロピオン酸のジラウリル、ジミリスチル、ジステアリル等のジアルキルジチオプロピオネート類及びペンタエリスリトールテトラ(β−ドデシルメルカプトプロピオネート)等のポリオールのβ−アルキルメルカプトプロピオン酸エステル類を挙げることができる。上記酸化防止剤の配合量は0.01〜3%程度が好適である。
帯電防止剤としては、ポリオキシエチレン・アルキルアミン、ポリグリコールエーテル、ノニオン系活性剤、カチオン系活性剤等を挙げることができる。
顔料としては高い透過性を有するものが好ましい。
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サルチル酸エステル系、置換オキザリニド類及びシアノアクリレート類等を挙げることができる。
ベンゾフェノン系としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、5,5'−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒドロキシベンゾフェノン類等を挙げることができる。
ベンゾトリアゾール系としては、例えば、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−tert−ブチル−5'−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2'−メチレンビス(4−tert−オクチル−6−ベンゾトリアゾール)フェノール等の2−(2'−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類を挙げることができる。
サルチル酸エステル系としては、例えば、フェニルサリチレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3',5'−ジ−tert−ブチル−4'−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート類を挙げることができる。
置換オキザリニド類としては、例えば、2−エチル−2’−エトキシオキザリニド、2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリド等の置換オキザリニド類を挙げることができる。
シアノアクリレート類としては、例えば、エチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート等のシアノアクリレート類を挙げることができる。
防曇剤としては、非イオン系、アニオン系、カチオン系の界面活性剤が好適に使用できる。
具体的には、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノパルミレート、ソルビタンモノベヘネート等のソルビタン系脂肪酸エステル、グリセリンモノラウレート、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノパルミート、ジグリセリンジラウレート、ジグリセリンジステアレート、ジグリセリンモノパルミート、トリグリセリンモノステアレート等のグリセリン系脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールモノステアレート等のポリエチレングリコール系活性剤等の多価アルコール系界面活性剤、及びそれらのアルキレンオキサイド付加物、ポリオキシアルキレンエーテル、ソルビタン類やグリセリン類等の有機酸とのエステル類等を挙げることができる。
防霧剤としては、従来の農業用オレフィン系樹脂フィルムに慣用されているものであるフッ素系防霧剤又はシリコーン系防霧剤等を配合することができる。例えばパーフルオロアルキル基又はパーフルオロアルケニル基を含有する低分子又は高分子であって、少なくとも0.01重量%の水中溶解度を有し、25℃において水の表面張力を35dyn/cm以下、好ましくは30dyn/cm以下に低下させる能力を有するものが好ましい。また、パーフルオロアルキル基は、その炭素鎖中に酸素原子が介在してもよい。
フッ素系防霧剤としては、例えば、市販品のユニダインDS−401、ユニダインDS−403、ユニダインDS−451(以上、ダイキン工業社製)、メガファックF−177(以上、大日本インキ化学工業社製)、フロラードFC−170、フロラードFC−176、フロラードFC−430(以上、住友スリーエム社製)、サーフロンS−141、サーフロンS−145、サーフロンS−381、サーフロンS−382、サーフロンS−393(以上、旭硝子社製)等を挙げることができる。
シリコーン系防霧剤としては、例えば、ポリエーテル変性シリコンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル等が挙げられ、一般に少なくとも0.1重量%の水中溶解度を有し、25℃において水の表面張力を35dyn/cm以下に低下させる能力を有するものが好ましい。市販のシリコーン系界面活性剤としては、例えば、KF−354(信越化学社製)、SH−3746(東レ・ダウコーニング)、TSF−4445(東芝シリコーン社製)等を挙げることができる。防霧剤の配合量は、樹脂100重量部に対して0.1%〜5%程度が好適に使用できる範囲である。
熱安定剤としては、特に塩化ビニル系樹脂に配合される錫系、鉛系、及びカルシウム亜鉛系、バリウム亜鉛系の複合金属脂肪酸系安定剤等を挙げることができる。
また、他の保温剤、炭酸マグネシウム、マグネシウムケイ酸塩、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、燐酸塩、ケイ酸塩、ハイドロタルサイト類等もフィルムの透明性が損なわれない範囲であれば、使用できる。
上記各種添加剤は1種又は2種以上を適宜選択して配合することができる。その配合量はフィルムの性質を劣化させない範囲が良好であり、この範囲であれば特に制限はない。
本発明の農業用フィルムは、1)樹脂100重量部に、本発明の複合水酸化物塩1〜50重量部を配合することを特徴とする農業用フィルム、2)樹脂100重量部に、本発明の複合水酸化物塩1〜50重量部とヒンダードアミン系光安定剤0.02〜5重量部とを配合するすることを特徴とする農業用フィルム、及び3)樹脂100重量部に、本発明の複合水酸化物塩1〜50重量部と防曇剤0.02〜5重量部とを配合することを特徴とする農業用フィルム、4)樹脂100重量部に、本発明の複合水酸化物塩1〜50重量部と防霧剤0.02〜5重量部とを配合ことを特徴とする農業用フィルムである。
【図面の簡単な説明】
図1は実施例3で得られた赤外線吸収剤を5重量部配合した農業用フィルムの赤外線吸収スペクトルを示す。
図2は実施例3で得られた赤外線吸収剤を10重量部配合した農業用フィルムの赤外線吸収スペクトルを示す。
図3は実施例4で得られた赤外線吸収剤を5重量部配合した農業用フィルムの赤外線スペクトルを示す。
発明を実施するための最良の形態
本発明をより明確にするために以下の実施例を示す。
BET比表面積は、常法に従って窒素ガスの吸着量より求めることができる。
2次粒子の大きさは、常法に従って、例えば粉末試料をエタノール或いはn−ヘキサン等の有機溶媒に加え、超音波で分散後、顕微鏡の試料台の上にこの懸濁液を滴下して顕微鏡下観察することにより測定することができる。顕微鏡としては電子顕微鏡、光学顕微鏡等を用いることができる。
実施例1
Al23として65重量%含有した水酸化アルミニウム粉体214.0gと、MgOとして42.0重量%含有した濃度の炭酸マグネシウム13.9gと、炭酸リチウム45.2gに水を加えて全量3リットル(L)のスラリーとした。
このスラリーを5Lのオートクレーブにて150℃4時間加熱処理した。
このスラリーを80℃に保ちながら、ステアリン酸ナトリウム11.5gを加え表面処理した。次いで、このスラリーをヌッチェで減圧濾過してケーキとした後、Al23の含有量の約50倍重量に相当する水で洗浄した。洗浄後、約110℃で一晩乾燥して白色の粉末300gを得た。
得られた白色の粉末を化学分析したところ、[Al2(Li0.90Mg0.10)(OH)62(CO31.10・3.0H2Oの組成であった。粉末のBET比表面積は、18.0m2/g、平均粒子径は、0.85μm、屈折率は1.53であった。
実施例2
Al23として65重量%含有した水酸化アルミニウム粉体214.0gと、MgOとして42.0重量%含有した濃度の炭酸マグネシウム13.9gと、水酸化マグネシウム15.7gと、炭酸リチウム45.2gに水を加えて全量3Lのスラリーとした。このスラリーを5Lのオートクレーブにて150℃4時間加熱処理した。このスラリーを80℃に保ちながら、ステアリン酸ナトリウム11.5gを加え表面処理した。次いで、このスラリーをヌッチェで減圧濾過してケーキとした後、Al23の含有量の約50倍重量に相当する水で洗浄した。洗浄後、約110℃で一晩乾燥して白色の粉末320gを得た。
得られた白色の粉末を化学分析したところ、[Al2(Li0.90Mg0.30)(OH)6.42(CO31.10・3.0H2Oの組成であった。
粉末のBET比表面積は、22.4m2/g、平均粒子径は、1.05μm、屈折率は1.53であった。
実施例3
実施例2で得たアルミニウムリチウムマグネシウム複合水酸化物塩を210℃1時間焼成し、水分を除去したものを赤外線吸収剤として用いて、農業用フィルムを作成して、その効果を確認した。LDPE樹脂100重量部に、この赤外線吸収剤をそれぞれ5重量部、7.5重量部、10重量部を添加して2軸押出機を用い約200℃でペレット加工した。このペレットをTダイで押し出し加工して厚さ100ミクロンの農業用フィルムを得た。この農業用フィルムの透明性と保温効果を測定した。保温性は、得られたフィルムの赤外線吸収を2000〜400cm-1の範囲で20cm-1毎に測定し、その積の平均値を保温率として評価した。保温効果は、保温率が大きい程高い。透明性は、分光光度計{日本分光(株)製}を用いて、700〜400nmの全光線透過率を測定した。5重量部配合したフィルムの赤外線吸収スペクトル図を図1に示し、10重量部配合したフィルムの赤外線吸収スペクトル図を図2に示す。また、保温指数及び全光線透過率(%)を表1に示す。
実施例4
塩化ビニル樹脂(重合度1300)100重量部、ステアリン酸亜鉛0.2重量部、ジベンゾイルメタン0.2重量部、実施例1で得た複合水酸化物塩10重量部、DOP50重量部を用いて、170℃でロール練りを行い、プレスして100ミクロンの農業用フィルムを得た。この農業用フィルムの保温指数及び全光線透光量を表1に示す。
実施例5
エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量:14重量%、密度:0.92g/cm3、)に、赤外線吸収剤として実施例2で得た化合物10.0重量%、光安定剤としてヒンダードアミン系化合物(商品名チヌビン622−LD チバガイギー製)0.5重量%、酸化防止剤(商品名イルガノックス1010 チバガイギー製)0.2重量%、防曇剤としてモノグリセリンモノステアレート1.0重量%、ジグリセリンジステアレート1.0重量%、防霧剤としてユニダインDS−401(ダイキン工業製)0.1%、滑剤としてステアリン酸アミド0.2重量%を加え、全体で100重量%と し、バンバリーミキサーを用いて130℃、5分間混練後、造粒機によ り造粒し、組成物ペレットを得た。これを樹脂組成物Aとする。次に、赤外線吸収剤を加えない以外は同様にして、組成物ペレットBを得た。樹脂組成物Aを中間層に、樹脂組成物Bを両外層としてインフレーションフィルム成形機によってフィルム厚み0.1mmのフィルム(中間層0.06mm、両外層0.02mm)を作製し、1995年4〜11月までの8ヶ月間展張して、屋外暴露条件下、耐候性、防曇剤、防露性について次の方法に従って評価した。
耐候性は、目視によりフイルムの変色(黄変、褐変)及び異変を確認した。また、JIS K 6781に準拠して、引張伸び試験を行い、伸び(%)の残存率を求め、残存率が90%以上であれば、劣化がないとした。
防曇性は、フィルム全体を見て有滴化したところを目視により確認した。
防露性は、フイルム全体を見て、フイルム上に露が発生している箇所がないか確認した。
その結果、本発明の実施例の方法で得られた農業用フイルムは全て、耐候性(変色、フイルムの劣化が全く認められない。)、防曇性(有滴下したところがない。)、防露性(露発生が全く認められない。)について何ら問題がなかった。
実施例6
MgOとして42.0重量%含有した濃度の炭酸マグネシウム13.9gと水酸化マグネシウム15.7gとAl23として65重量%含有した水酸化アルミニウム粉体214.0gと、炭酸リチウム53.2gを水に加えて全量3Lのスラリーとした。このスラリーを5Lのオートクレーブにて150℃で4時間加熱処理した。加熱処理後、25℃まで冷却したスラリーに5重量%硫酸(モル比H2SO4/Al23=0.75)を加えて酸処理した。次いで、ケイ酸ナトリウム(1号水ガラス、SiO2として36.5%)123.6gを含む水溶液4Lを添加して60分間攪拌した。このスラリーを50℃に保ちながら、ステアリルエーテルリン酸11.5gを加え表面処理した。次いで、このスラリーをヌッチェで減圧濾過してケーキとした後、Al23の含有量の約50倍に相当する水で洗浄した。洗浄後、約110℃で一夜乾燥して白色の粉末380gを得た。
得られた白色の粉末を化学分析したところ、[Al2(Li0.90・Mg0.30)(OH)6.42(SiO21.10・3H2Oの組成であった。粉末のBET比表面積は、12.5m2/g、平均粒子径は、0.7μm、屈折率は1.50であった。
この白色粉末を200℃で3時間乾燥し、水分を0.3モルとしたもの(3時間焼成品)を後記の農業用フィルムの作成試験に供した。
実施例7
実施例3と同様にして実施例6で得た複合水酸化物塩を210℃で1時間焼成したものを5重量部、7.5重量部、10重量部配合してフィルムを得た。保温指数及び全光線透過率(%)を表1に示す。
比較例1
Al23として65重量%含有した水酸化アルミニウム粉体214.0gと、炭酸リチウム55gに水を加えて全量3Lのスラリーとした。このスラリーを5Lのオートクレーブにて150℃4時間加熱処理した。このスラリーを80℃に保ちながら、ステアリン酸ナトリウム11.5gを加え表面処理した。次いで、このスラリーをヌッチェで減圧濾過してケーキとした後、Al23の含有量の約50倍重量に相当する水で洗浄した。洗浄後、約110℃で一晩乾燥して白色の粉末300gを得た。
得られた白色の粉末を化学分析したところ、[Al2Li(OH)62(CO3)・3.0H2Oの組成であった。粉末のBET比表面積は、8.5m2/g、平均粒子径は、1.0μm、屈折率は1.55であった。
比較例2
実施例3と同様にして比較例1で得た赤外線吸収剤を農業用フィルムとして、透光性と保温性を測定した。その結果は表1に示すとおりであった。
Figure 0003804987
産業上の利用可能性
本発明の複合水酸化物塩からなる赤外線吸収剤は、赤外線吸収能が高く、樹脂との分散性に優れ、しかも屈折率が樹脂の屈折率に近いことから、樹脂に配合し易く、樹脂加工が容易であり、フィルムに成形した場合に保温性、透明性等に優れたもので、農業用フィルムとして好適である。

Claims (6)

  1. 式(I)
    Al2Li(1-x)・M2+ (x+y)(OH)(6+2y)n(An-(1+x)・mH2O (I)
    (式中、M2+は2価の金属、An-はn価のアニオン、m、x、yは、0≦m<5、0.01≦x≦0.5、0≦y≦0.5、の範囲である。)で示される複合水酸化物塩を有効成分として含有することを特徴とする赤外線吸収剤。
  2. 請求項1記載の複合水酸化物塩が高級脂肪酸類、高級脂肪酸塩類、高級脂肪酸族アルコールとリン酸のエステル類、ワックス類、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤及びカップリング剤から選ばれた1種又は2種以上によりコーティングされている赤外線吸収剤。
  3. 樹脂100重量部に対して、請求項1又は2記載の複合水酸化物塩1〜50重量部を配合して成形したことを特徴とする農業用フィルム。
  4. 樹脂100重量部に対して、請求項1又は2記載の複合水酸化物塩1〜50重量部とヒンダードアミン系光安定剤0.02〜5重量部とを配合して成形したことを特徴とする農業用フィルム。
  5. 樹脂100重量部に対して、請求項1又は2記載の複合水酸化物塩1〜50重量部と防曇剤0.02〜5重量部とを配合して成形したことを特徴とする農業用フィルム。
  6. 樹脂100重量部に対して、請求項1又は2記載の複合水酸化物塩1〜50重量部と防霧剤0.02〜5重量部とを配合配合して成形したことを特徴とする農業用フィルム。
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