JP3800916B2 - 解析モデル生成装置、解析モデル生成プログラムを記憶した記憶媒体及び記憶装置 - Google Patents

解析モデル生成装置、解析モデル生成プログラムを記憶した記憶媒体及び記憶装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、計算機を用いた数値解析により、物理現象を数値的に模擬するCAE(Computer Aided Engineering)システムに係り、特に、解析対象となる形状モデルから数値解析で用いる解析モデルを生成する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
形状モデルから解析モデルを作成するための従来の方法として、例えば次のような方法が知られている。数値解析の対象となる形状モデルに対し、薄板状の形状部分を指示した時に指示された形状要素に接続する面分の中で平行な幾何的特徴を持つ面分を抽出し、この面分に平行で且つ距離が最も短い面分をペアとして特定し、この面分のペアに対して中立面を作成することで解析モデルを作成する。これに関しては特開平6−259505号公報に記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術は、形状モデルである厚みのある板材を、厚みのない面に置き換えて解析モデルを生成している。ところで、形状モデルは、種々の締結要素を含んで製品を為しているが、前述のようにこの解析手法では、解析モデルとなる際、板材が面に置換されてしまう結果、ボルトや接着等の締結関係がなくなってしまう。このため、解析モデルにて解析するとある部材同士を結び付けている締結が解かれるので、例えば、ある荷重に対する部材の挙動が製品の挙動とは異なってしまう。例えば、台板上に直立して設けられた板材が接着によって固定されていたとすると、解析モデルでは接着がなくなってしまい、本来板材に台板と平行な方向に荷重をかけても板材が移動することはないのであるが、解析モデルでは接着が解かれてしまっているため移動してしまう。
【0004】
このため、製品全体を精度良く解析する場合、ボルト締結や溶接等の締結部分を適切に表現した解析モデルを作成する必要がある。一般的には、形状モデルから中立面(厚みのない面)を作成後、システム使用者が締結部分をCAD図を参照しながら探して、該当する解析モデルの締結部分に締結部材を解析モデル化した締結モデルを再定義し、中立面モデルと締結モデルを合成した解析モデルを作成していた。
【0005】
この締結部材を含む形状モデルの解析モデル化は、締結部材を含む解析モデルを作成するためにはシステム使用者が、自力で締結部位を探さなければならず、さらに締結部材を解析モデル化した締結モデルを再定義する必要があり、形状が複雑になるほど、解析モデル作成に手間を要するという欠点がある。
【0006】
本発明の目的は、締結部分を含む形状モデルに対し解析モデルを効率よく作成する解析モデル作成装置、解析モデル生成プログラムを記憶した記憶媒体及び記憶装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、CADモデルから解析用の解析モデルを生成する解析モデル生成装置において、前記CADモデルのデータから締結部を検索し、この締結部を強調表示する機能を備えることにより達成される。
【0008】
また上記目的は、CADモデルから解析用の解析モデルを生成する解析モデル生成装置において、前記CADモデルのデータから締結部を検索し、この締結部を対応した解析モデルを生成する機能を備えることにより達成される。
【0009】
また上記目的は、CADモデルから解析用の解析モデルを生成する解析モデル生成プログラムを記憶した記憶媒体において、前記CADモデルのデータから締結部を検索し、この締結部を強調表示させる信号を出力する機能を備えることにより達成される。
【0010】
また上記目的は、CADモデルから解析用の解析モデルを生成する解析モデル生成プログラムを記憶した記憶媒体において、前記CADモデルのデータから締結部を検索し、この締結部を対応した解析モデルを生成する機能を備えることにより達成される。
【0011】
また上記目的は、CADモデルから解析用の解析モデルを生成する解析モデル生成プログラムを記憶した記憶媒体において、前記CADモデルのデータから締結部を検索し、この締結部を強調表示させる信号を出力する機能を備えることにより達成される。
【0012】
また上記目的は、CADモデルから解析用の解析モデルを生成する解析モデル生成プログラムを記憶した記憶媒体において、前記CADモデルのデータから締結部を検索し、この締結部を対応した解析モデルを生成する機能を備えることにより達成される。
【0013】
また上記目的は、溶接、リベット、ボルト、ネジ、接着などの締結部材を含むCADモデルに対し、数値解析用の解析モデルを作成する装置において、このCADモデルとして解析対象の形状データ及び形状属性を入力する手段と、このCADモデルから薄板構造の部品を探索し中立面モデルを作成する手段と、このCADモデルから締結対象部品、締結位置及び締結部材を抽出する手段と、前記抽出した締結対象部品、締結位置及び締結部材を部品締結データとして登録する手段と、前記部品締結データに登録されている締結部材に対応する締結モデル作成オブジェクトを締結モデル作成オブジェクトデータベースから検索する手段と、前記締結モデル作成オブジェクトに登録されている締結モデル作成処理を実行し締結モデルを作成する手段と、この締結モデルとこの中立面モデルを合成し解析モデルを作成する手段を備えることにより達成される。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の1実施の形態に係る締結部分の解析モデル生成装置を説明する。本実施の形態による締結部分の解析モデル生成装置の構成と処理手順を説明する。
【0015】
図1は、本発明による解析モデル生成装置の一実施の形態を示す構成図である。本装置は解析対象の形状モデル及び形状モデルの名前や種類などの形状属性及びアセンブリ締結情報を入出力装置101に入力し3次元CADデータ103として登録する手段を有する3次元CADデータ入力部102、3次元CADデータ103から薄板構造の部品を探索し中立面モデルデータ105を作成する手段を有する中立面モデル作成部104、3次元CADデータ103から締結対象部品および締結位置および締結部材を識別し部品締結データ107として登録する手段と、前記識別した締結位置を入出力装置101に強調表示する手段を有する締結情報識別部106、部品締結データ107に対応する締結モデル作成オブジェクトを締結モデル作成オブジェクトデータベース112から検索する手段と、対象締結モデル作成オブジェクトに登録されている締結モデル作成手順により締結モデルデータ109を作成する手段を有する締結モデル照合部108と、締結モデルデータ109と中立面モデルデータ105を合成し解析モデルデータ113を作成する手段を有する締結モデル合成部110、締結部材、締結モデル種類、締結モデル属性、締結モデル作成手順を締結モデル作成オブジェクトとして締結モデル作成オブジェクトデータベース112に登録する手段を有する締結パターン登録部111から構成されている。
【0016】
また、図3(a)は部品締結データ107のデータ構造の一例であり、締結情報識別部106で識別された締結対象部品が301、締結位置が302、締結部材が303に登録される。また、ここで記しているオブジェクトデータベースとは、処理手順(メソッド)とそれに付随するデータとを組み合わたオブジェクトとして登録するデータベースのことを指す。図3(b)は締結モデル作成オブジェクトデータベース108のデータおよびメソッドの構成である。締結部材310には締結モデル作成の対象となる締結部材が登録される。締結モデル種類311には、タイイング結合、面結合、梁要素結合などの締結モデルの種類が登録される。締結モデル属性312には締結モデルの属性(例えば締結モデル種類が梁要素の場合は、梁要素の寸法、材料データなど)が登録される。締結モデル作成手順313には締結モデルを作成するための処理手順が登録される。
【0017】
従来の解析モデル作成方法に、3次元CADデータ103から締結対象部品、締結位置および締結部材を識別し部品締結データ107として登録する締結情報識別部106、部品締結データ107に対応する締結モデル作成オブジェクトを締結モデル作成オブジェクトデータベース112から検索する手段と、対象締結モデル作成オブジェクトに登録されている締結モデル作成手順により締結モデルデータ109を作成する手段を有する締結モデル照合部108と、締結モデルデータ109と中立面モデルデータ105を合成し解析モデルデータ113を作成する手段を有する締結モデル合成部110を付与することで締結部を含めた解析モデルを効率よく作成することができる。以下、本発明による解析モデル作成手順の一例を図2に示すフローチャートに従い説明する。
【0018】
システム使用者は入出力装置101のキーボード101bやポインティングデバイス101cを用い、入力したデータに基づいて解析対象形状及び形状モデルの名前や種類などの形状属性及び各構成部品のアセンブリ締結情報を作成・変更して、3次元CADモデルデータに登録する(STEP201)(3次元CADデータ入力部102)。
【0019】
3次元CADデータ103には、解析対象となる形状モデルを構成する全ての部品が格納されているので、これらの部品の中から薄板構造物を抽出し解析用の中立面モデルデータ105を作成する(STEP202)(中立面モデル作成部104)。全ての部品を検索して全薄板形状部品が検索された後に次のステップへ移行する。
【0020】
次に締結部の検索であるが、次の考え方で検索を行う。すなわち、確実に締結部であるとコンピュータが認識できるものについて最初に検索してしまう。これは、後段における検索量を低減するためである。例えば、ボルト、ネジ及びリベットは部品として3次元CADモデルデータに登録されており、締結以外に使用形態が考えられない。そこで、これらを最初に検索して、締結対象部品(締結させる部材同士)、締結部品(ボルト、ネジなど)、締結位置(締結対象部品のどの位置を締結部とするか)を登録する。
【0021】
次の段階では、例えば、溶接や接着のように明らかに締結部品であるとは分かりかねるが、3次元CADモデルデータに接続方法が記述されているものを検索する。例えば、「部材Aと部材Bとは電気溶接にて接合のこと」と記されている場合、部材Aと部材Bとは溶接によって接合(締結)されていると機械的に判断することができる。この情報も上記同様に登録する。
【0022】
最後に、3次元CADモデルデータにはデータとして入力されていないが、実際に製造する段階では何らかの方法で締結するであろう部分を機械的に検索し、締結部であるかどうか、また締結部である場合何れの締結手法にて締結するのかシステム使用者に判断してもらう。
【0023】
以上の手順を、再び図2に戻って説明する。
3次元CADデータに登録されている形状属性(部品の名前や種類)から締結部品を抽出し、締結対象部品、締結位置、締結部材を識別し、部品締結データ107に登録する(STEP203)(締結情報識別部106)。すなわち、ほぼ無条件で締結部であることが判断される場合である。この段階で、ボルト、リベット、ネジ等の締結用の部品で締結される個所が全て抽出される。
【0024】
3次元CADデータに登録されているアセンブリ締結データの締結対象部品、締結位置、締結部材を部品締結データ107に登録する。例えば、図10(b)は3次元CADモデルに登録されているアセンブリ締結データとして、「部品1006及び部品1007を面1008にて接着締結する」と入力されいる。これを、締結データとみなして、締結対象部品として部品1006と部品1007、締結位置として面1008、締結部材として接着となっているので、部品1006、1007を締結対象部品301、面1008を締結位置302、接着締結を締結部材303として部品締結データ107に格納(登録)する(STEP204)。
【0025】
最後に3次元CADデータには、データとして登録されていない締結部の検索について説明する。3次元CADデータの幾何情報から締結対象部品、締結位置、締結部材を識別し、部品締結データ107に登録する(STEP205)。この処理のフローチャートを図12に記す。
【0026】
まず、3次元CADデータに登録されている部品同士の幾何情報を検索して、部品同士が接しているかどうかを判定する。これは、部品同士が接している場合、両者は何らかの方法で締結されている場合が多いから、システム使用者の判断材料としてもれなく提供するためである。
【0027】
対象部品A、Bが接しており且つ対象部品A、Bに同心円形の穴が存在する場合は、登録されていない締結部品に締結されているものであると判断し、締結対象部品として部品A、Bを、締結位置として穴を、締結部材として穴直径と同値の径のボルト、ネジ若しくはリベットと識別し、部品締結データ107に新たに登録する。図には示していないが、締結用の穴であるかどうか、締結用であるとされたとき締結部材は何であるかをシステム使用者に、画面上で質問してデータを登録することもできる。
【0028】
また、対象部品A、Bが接しているだけの場合は、締結対象部品として部品A、Bを、締結位置として部品A,Bが接している部分を、締結部材として溶接若しくは接着と識別し、部品締結データ107に登録する。この場合、締結部材を明確には識別せずシステム使用者が締結部材を候補から選択できる。
【0029】
例えば図10(b)の形状モデルでは、部品1011と部品1012は接しているので、締結対象部品は部品1011と部品1012、締結位置は接している部分として面10111、締結部材は溶接若しくは接着となるためシステム使用者は、溶接と接着から入出力装置を用いて選択する。
【0030】
以上、STEP203〜STEP205が締結情報識別部である。
STEP206にて、締結部分を入出力装置101にハイライト(強調)表示する。ここで記しているハイライト表示とは、表示画面上101a上に締結部分を拡大して表示したり、色を変えて表示することを指す。締結部を強調表示することにより、システム使用者は、容易に確認作業を行うことができ、簡単に誤りを修正することが可能となる。
【0031】
STEP207にて、部品締結データ107に対応する締結モデル作成オブジェクトを締結モデル作成オブジェクトデータベース112から検索し、対象締結モデル作成オブジェクトに登録されている締結モデル作成メソッドを実行することで締結モデルデータを作成し、中立面モデルデータ105と合成する。(締結モデル照合部108)
また、締結情報識別部106で識別した部品締結データ107に対応する締結モデル作成オブジェクトが締結モデル作成オブジェクトデータベース112に複数登録されている場合は、適用する締結モデル作成オブジェクトを1つ選択することができる。さらに、締結情報識別部106で識別した部品締結データ107に対応する締結モデル作成オブジェクトが締結モデル作成オブジェクトデータベース112に登録されていない場合若しくはシステム使用者が望む締結モデル作成オブジェクトが締結モデル作成オブジェクトデータベース112に登録されていない場合は、システム使用者は図4の画面を用いて締結モデル作成オブジェクトを入力することもできる。401には締結部材、402には締結モデル種類、403には締結モデル属性、404には締結モデル作成手順を入力する。図4の画面を用いて入力した締結モデル作成オブジェクトは締結モデル作成オブジェクトデータベース112に登録される。401に入力した締結部材が締結部材310、402に入力した締結モデル種類が締結モデル種類311に、403に入力した締結モデル属性が締結モデル属性312に、404に入力した締結モデル作成手順が締結モデル作成手順314として締結モデル作成オブジェクトデータベース108に登録される(締結パターン登録部111)。上記6ステップの処理で締結部材を含む解析モデルを効率よく作成できる。
【0032】
次に、締結情報識別部106におけるSTEP203の詳細な処理手順の1例を図11に示すフローチャートに従い説明する。
【0033】
対象締結部品がボルトの場合、対象ボルトが貫通する穴を有する部品を検索し対象部品が2つ以上あれば、対象部品を締結対象部品301、前記貫通穴を締結位置302、対象ボルトを締結部材303として部品締結データ107に登録する。例えば、図6のアセンブリ形状では、ボルト603が貫通する穴604、605を有する部品601、602が存在するので、部品601、602を締結対象部品301、穴604、605を締結位置302、ボルト603を締結部材303として部品締結データ107に登録する(STEP1101)。
【0034】
対象締結部品がネジの場合、対象ネジが貫通する穴を有する部品を検索し対象部品が2つ以上あれば、対象部品を締結対象部品301、前記貫通穴を締結位置302、対象ネジを締結部材303として部品締結データ107に登録する。例えば、図7のアセンブリ形状では、ネジ703が貫通する穴704、705を有する部品701、702が存在するので、部品701、702を締結対象部品301、穴704、705を締結位置302、ネジ703を締結部材303として部品締結データ107に登録する(STEP1102)。
【0035】
対象締結部品がリベットの場合、対象リベットが貫通する穴を有する部品を検索し対象部品が2つ以上あれば、対象部品を締結対象部品301、前記貫通穴を締結位置302、対象リベットを締結部材303として部品締結データ107に登録する。例えば、図8のアセンブリ形状では、リベット803が貫通する穴804、805を有する部品801、802が存在するので、部品801、802を締結対象部品301、穴804、805を締結位置302、リベット803を締結部材303として部品締結データ107に登録する(STEP1103)。
【0036】
対象締結部品が溶接の場合、対象溶接部品が接している2つの部品が存在し、且つ対象2部品が接していれば、対象2部品を締結対象部品301、溶接部品と対象2部品が接している部分を締結位置302、対象溶接部品303を締結部材として部品締結データ107に登録する。例えば、図9(a)のアセンブリ形状では、溶接部品903が部品901、902と接しており且つ部品901と902が接しているので、部品901、902を締結対象部品301、部品901,902が接している部分904を締結位置302、溶接部品903を締結部材303として部品締結データ107に登録する(STEP1104)。
【0037】
対象締結部品が接着の場合、対象接着部品が接している2つの部品が存在すれば、対象2部品を締結対象部品301、接着部品と対象2部品が接している面を締結位置302、対象接着部品を締結部材303として部品締結データ107に登録する。例えば、図10(a)のアセンブリ形状では、接着部品1003が部品1001、1002と接しているので、部品1001、1002を締結対象部品301、接着部品1003、部品1001,1002が接している面1004、1005を締結位置302、接着部品1003を締結部材303として部品締結データ107に登録する(STEP1105)。
【0038】
次に、締結モデル作成オブジェクトデータベース112について説明する。図6(a)のCADモデルの締結部材603(ボルト)に対応する締結モデル作成オブジェクトとして、下記のようなデータおよびメソッドが登録されていた場合を例に説明する。
【0039】
締結部材 :M8のボルト
締結モデル種類 :梁要素
締結モデル属性 :直径2mmの円柱形、材料は鋼材の梁要素
締結モデル作成手順:締結位置の穴を4等分した点を結ぶ梁要素を作成
この場合、穴604、605に対応する中立面606、607上の穴608,609を4等分した点を結ぶ梁要素610〜613を作成し、梁要素610〜613に直径2mmの円柱形、材料は鋼材という属性を付与する。図6(c)の中立面モデルでは中立面606と中立面607は、モデル上接合されていない。両者を接合するため、締結部材の強度も考慮して、4本の梁要素(線分)610乃至613で両穴608、609を接続する。解析時には、これらの穴は梁要素にて接続されているので、締結と同様の挙動を示す。
【0040】
なお、上記したソフトウエアは、CDROM、フロッピディスク、DVDROM等の記憶媒体に記憶させることで、解析装置を所有するユーザーに提供することができる。また、サーバーやハードディスク装置に記憶させておき、解析装置を持つユーザーに対してインターネットなどのネットワーク回線を通じて配信することもできる。なお、プログラム中には、表示機能がないので、この場合表示装置に対する信号(例えば、上記した強調表示など)を出力する機能があることとなる。
【0041】
次に、実際の形状モデルを用いて、上記解析モデル生成プログラムによる締結部分の解析モデル生成例を説明する。
図5(a)に示す解析対象の形状モデルに対し、締結部材を含めた解析モデルを作成する例について説明する。図5(b)は図5(a)の分解図である。図5(a)の形状モデルは5つの部品(501,502,503,504,505)と4本のネジ(506)で構成されており、アセンブリ締結情報データとして次のようなデータが登録されているとする。
【0042】
部品501−部品502:部分509で溶接締結
部品502−部品503:面512(面510に対向した面)で接着締結
図5(a)の形状モデルに対し中立面モデル作成部104で中立面モデルを作成した1例が図5(c)である。部品501に対応する中立面517、部品502に対応する中立面518、部品503に対応する中立面519、部品504に対応する中立面520、部品505に対応する中立面521が作成される。
【0043】
次に、締結情報識別部106で締結対象部品、締結位置、締結部材を識別する。部品501と部品502は部分509で溶接締結されているというアセンブリ締結データから、締結対象部品は部品501と部品502、締結位置は部分509、締結部材は溶接と識別される。部品502と部品503は面512で接着締結されているというアセンブリ締結データから、締結対象部品は502と部品503、締結位置は面512、締結部材は接着と識別される。部品501と部品504は、ネジ506が部品501の穴507、部品504の穴513を貫通しているので、締結対象部品は部品501と部品504、締結位置は穴507、穴513、締結部材はネジと識別される。部品504と部品502、部品505と部品501、部品505と部品502も上記方法と同様の方法で締結対象部品、締結位置、締結部材を識別される。
【0044】
前記識別した締結対象部品、締結位置、締結部材を部品締結データとして登録する。部品締結データは表1のようになる。
【0045】
【表1】
Figure 0003800916
【0046】
次に、上記処理で得られた部品締結データを元に、締結モデルを作成する。締結モデル作成オブジェクトデータベース108に表2に示すようなデータが登録されている場合を例に取る。
【0047】
【表2】
Figure 0003800916
【0048】
部品501と部品502の締結部材は溶接なので、締結部材に溶接と登録されている締結モデル作成オブジェクトを締結モデル作成オブジェクトデータベースから検索する。この場合、21の締結モデル作成オブジェクトが選ばれ、締結モデル種類は面結合、締結モデル属性は板厚2mmで材料は鋼材、締結モデル作成手順は「締結位置を結ぶ面を作成する」となるので、締結モデル522を作成し、締結モデル属性として板厚2mm、材料は鋼材という属性を付与する。
【0049】
部品502と部品503の締結部材は接着なので、締結部材に接着と登録されている締結モデル作成オブジェクトを締結モデル作成オブジェクトデータベースから検索する。この場合、22の締結モデル作成オブジェクトが選ばれ、締結モデル種類はタイイング結合、締結モデル作成手順は「締結位置を16分割した点同士をタイイング結合する」となるので、締結モデル523を作成する。
【0050】
部品504と部品501の締結部材はφ5のネジなので、締結部材にφ5のネジと登録されている締結モデル作成オブジェクトを締結モデル作成オブジェクトデータベースから検索する。この場合、23と24の締結モデル作成オブジェクトが対象となるのでシステム使用者はいずれか1つを選択する。ここでは23の締結モデル作成オブジェクトを選択したとする。
【0051】
従って、締結モデル種類は梁要素結合、締結モデル属性は直径5mmの円柱形、材料は鋼材、締結モデル作成手順は「締結位置の穴の中心点を結ぶ梁要素を作成」となり、締結モデル524を作成し、締結モデル属性として直径5mmの円柱形、材料は鋼材という属性を付与する。
【0052】
部品501と部品505、部品502と部品504、部品502と部品505も上記方法と同様に締結部材はφ5のネジなのでそれぞれ23,24から適用する締結モデル作成オブジェクトを選択する。ここでは部品501と部品505には23、部品502と部品504、部品502と部品505には24の締結モデル作成オブジェクトを選択したとする。
【0053】
従って、締結モデル525,526,527を作成する。最後に上記処理で作成した締結モデルと、図5(c)の中立面モデルを合成し図5(d)の解析モデルを作成する。
【0054】
以上、本実施例によれば、解析対象となる形状モデルから、3次元CADデータの情報量によっては、自動的に締結部の検索及び締結部を解析モデル化することができるので、システム使用者の負担を軽減することができる。
【0055】
また、検索された締結部若しくは締結部候補を強調表示されるので、システム使用者の探す手間を少なくすることができ、手動で解析モデル化する際に利便性がよくなる。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、締結部分を含む形状モデルに対し解析モデルを効率よく作成する解析モデル作成装置、解析モデル生成プログラムを記憶した記憶媒体及び記憶装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による解析モデル生成装置の一実施例を示す全体構成図である。
【図2】本発明による解析モデル作成手順のフローチャートである。
【図3】部品締結データ107と締結モデル作成オブジェクトデータベース108の構成の1例である。
【図4】締結モデル作成オブジェクトを入力画面の一例である。
【図5】本発明による解析モデル作成例である。
【図6】ボルト締結部の締結情報識別方法の一例である。
【図7】ネジ締結部の締結情報識別方法の一例である。
【図8】リベット締結部の締結情報識別方法の一例である。
【図9】溶接締結部の締結情報識別方法の一例である。
【図10】接着締結部の締結情報識別方法の一例である。
【図11】図2STEP203の詳細フローチャートである。
【図12】図2STEP205の詳細フローチャートである。
【符号の説明】
101…入出力装置、102…3次元CADデータ入力部、103…3次元CADデータ、104…中立面モデルデータ作成部、105…中立面モデルデータ、106…締結情報識別部、107…部品締結データ、108…締結モデル作成オブジェクトデータベース、109…締結モデル作成部、110…締結パターン登録部、111…解析モデルデータ。

Claims (10)

  1. CADモデルから解析用の解析モデルを生成する解析モデル生成装置において、前記CADモデルのデータから締結部を検索し、この締結部を強調表示する機能を備えた解析モデル生成装置。
  2. CADモデルから解析用の解析モデルを生成する解析モデル生成装置において、前記CADモデルのデータから締結部を検索し、この締結部を対応した解析モデルを生成する機能を備えた解析モデル生成装置。
  3. CADモデルから解析用の解析モデルを生成する解析モデル生成プログラムを記憶した記憶媒体において、前記CADモデルのデータから締結部を検索し、この締結部を強調表示させる信号を出力する機能を備えた解析モデル生成プログラムを記憶した記憶媒体。
  4. CADモデルから解析用の解析モデルを生成する解析モデル生成プログラムを記憶した記憶媒体において、前記CADモデルのデータから締結部を検索し、この締結部を対応した解析モデルを生成する機能を備えた解析モデル生成プログラムを記憶した記憶媒体。
  5. CADモデルから解析用の解析モデルを生成する解析モデル生成プログラムを記憶した記憶媒体において、前記CADモデルのデータから締結部を検索し、この締結部を強調表示させる信号を出力する機能を備えた解析モデル生成プログラムを記憶した記憶装置。
  6. CADモデルから解析用の解析モデルを生成する解析モデル生成プログラムを記憶した記憶媒体において、前記CADモデルのデータから締結部を検索し、この締結部を対応した解析モデルを生成する機能を備えた解析モデル生成プログラムを記憶した記憶媒体。
  7. 溶接、リベット、ボルト、ネジ、接着などの締結部材を含むCADモデルに対し、数値解析用の解析モデルを作成する装置において、このCADモデルとして解析対象の形状データ及び形状属性を入力する手段と、このCADモデルから薄板構造の部品を探索し中立面モデルを作成する手段と、このCADモデルから締結対象部品、締結位置及び締結部材を抽出する手段と、前記抽出した締結対象部品、締結位置及び締結部材を部品締結データとして登録する手段と、前記部品締結データに登録されている締結部材に対応する締結モデル作成オブジェクトを締結モデル作成オブジェクトデータベースから検索する手段と、前記締結モデル作成オブジェクトに登録されている締結モデル作成処理を実行し締結モデルを作成する手段と、この締結モデルとこの中立面モデルを合成し解析モデルを作成する手段を備えた解析モデル生成装置。
  8. 請求項7において、前記締結モデル作成オブジェクトとして締結部材及び締結モデル種類及び締結モデル属性及び締結モデル作成手順を締結モデル作成オブジェクトデータベースに登録する手段を備えた解析モデル生成装置。
  9. 請求項7において、前記締結対象部品、締結位置及び締結部材をアセンブリ締結データとして3次元CADモデルに登録する手段と、前記締結対象部品、前記締結位置及び前記締結部材を部品締結データデータとして登録する手段を備えた解析モデル生成装置。
  10. 請求項7において、前記CADモデルから識別した締結位置を入出力装置に強調表示する手段を備えた解析モデル生成装置。
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