JP3799940B2 - 空気調和機及びその制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
【0002】
本願発明は、空気調和機及びその制御方法に関するものである。
【従来の技術】
【0003】
従来より、空気調和機においては、圧縮機の運転停止後、次回の起動時に該圧縮機に所謂「寝込み」が発生しその運転の立ち上がりが遅れるのを防止すべく、該圧縮機にクランクケースヒータを付設し、圧縮機の運転停止後から次回の起動時までの待機期間中、該クランクケースヒータによって圧縮機のクランクケースを予熱することで該圧縮機内部の冷凍機油の温度を所定温度以上に維持するようにしている。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、このように圧縮機の運転停止での待機期間中、クランクケースヒータを継続的に作動させる従来方法によれば、該クランクケースヒータの消費電力が増加し空気調和機全体としての待機電力消費量(即ち、圧縮機の待機期間中における電力消費量)の大半(8割程度)を占めることになり、空気調和機の省電力化という観点からして好ましくないものであった。
【0005】
そこで本願発明では、待機電力消費量を低減させることで装置全体としての省電力化を促進し得るようにした空気調和機及びその制御方法を提案することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明ではかかる課題を解決するための具体的手段として次のような構成を採用している。
【0007】
本願の第1の発明では、圧縮機6内の冷凍機油を予熱する予熱手段7を備えた空気調和機において、運転制御モードとして、上記圧縮機6の運転時に上記余熱手段7の作動を停止させ、上記圧縮機6の運転停止時に上記余熱手段7を作動させる通常制御モードと、上記圧縮機6の運転停止時に上記余熱手段7の作動を停止させる省待機電力制御モードを備え、これら両制御モードを選択して設定可能とするとともに、上記省待機電力制御モードが設定された状態において、空気調和機の停止操作が行われた場合には上記余熱手段7の作動を直ちに停止させる一方、上記省待機電力制御モードが設定された状態において上記空気調和機が運転操作され且つ上記圧縮機6が作動状態にあるときには上記余熱手段7の作動を直ちに停止させて、上記圧縮機6が停止状態にあるときには上記余熱手段7を作動させた後、冷凍機油温度が所定温度以上となった時点で上記余熱手段7の作動を停止させて、上記圧縮機6の再起動に備えるように構成されたことを特徴としている。
【0008】
本願の第2の発明では、上記第1の発明にかかる空気調和機において、上記冷凍機油の油温が上記余熱手段7の作動時間に基づいて判断されることを特徴としている。
【0009】
本願の第3の発明では、上記第1の発明にかかる空気調和機において、上記冷凍機油の油温が上記圧縮機6の吐出管温度に基づいて判断されることを特徴としている。
【0010】
本願の第4の発明では、上記第1、第2又は第3の発明にかかる空気調和機において、上記省待機電力制御モードがリモートコントローラ3により設定可能とされていることを特徴としている。
【0011】
本願の第5の発明では、圧縮機6内の冷凍機油を予熱する予熱手段7を備えた空気調和機の制御方法において、上記圧縮機6の運転時に上記余熱手段7の作動を停止させ、上記圧縮機6の運転停止時に上記余熱手段7を作動させる通常制御モードと、上記圧縮機6の運転停止に対応して上記余熱手段7の作動を停止させる省待機電力制御モードを選択して設定できるようにし、上記省待機電力制御モードが設定された状態において、空気調和機の停止操作が行われた場合には上記余熱手段7)の作動を直ちに停止させ、上記省待機電力制御モードが設定された状態において、上記空気調和機が運転操作され且つ上記圧縮機6が作動状態にあるときには上記余熱手段7の作動を直ちに停止させる一方、上記圧縮機6が停止状態にあるときには上記余熱手段7を作動させた後、冷凍機油温度が所定温度以上となった時点で上記余熱手段7の作動を停止させることを特徴としている。
【0012】
本願の第6の発明では、上記第5の発明にかかる空気調和機の制御方法において、上記余熱手段7を所定時間作動させた後に、上記圧縮機6の作動を開始することを特徴としている。
【0013】
本願の第7の発明では、上記第5の発明にかかる空気調和機の制御方法において、上記圧縮機6の吐出管温度が所定温度に上昇した後に、該圧縮機6の作動を開始することを特徴としている。
【0014】
本願の第8の発明では、上記第5、第6又は第7の発明にかかる空気調和機の制御方法において、上記省待機電力制御モードの設定をリモートコントローラ3の操作によって行うことを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
本願発明ではかかる構成とすることにより次のような効果が得られる。
【0016】
(イ) 本願の第1の発明にかかる空気調和機によれば、圧縮機6内の冷凍機油を予熱する予熱手段7を備えたものにおいて、設定可能な運転制御モードとして、上記圧縮機6の運転停止時に上記余熱手段7の作動を停止させる省待機電力制御モードと上記圧縮機6の運転時に上記余熱手段7の作動を停止させ、上記圧縮機6の運転停止時に上記余熱手段7を作動させる通常制御モードとを備え、これら両制御モードを選択して設定可能としているので、運転制御モードとして省待機電力制御モードが設定された状態においては、圧縮機6の運転停止に伴って上記予熱手段7の作動が停止されるため、例えば従来のように、該圧縮機6の運転停止とともに上記予熱手段7が作動し且つ該圧縮機6の運転開始までの待機期間中この余熱手段7の作動が継続される場合に比して、該余熱手段7の消費電力が低減される分だけ空気調和機全体としての待機電力消費量が減少しその省電力化が促進される。
【0017】
また、上記省待機電力制御モードが設定された状態において上記空気調和機が運転操作され且つ上記圧縮機6が作動状態にあるときには上記余熱手段7の作動を直ちに停止させて、上記圧縮機6が停止状態にあるときには上記余熱手段7を作動させた後、冷凍機油温度が所定温度以上となった時点で上記余熱手段7の作動を停止させて、上記圧縮機6の再起動に備えるように構成されているので、上記省待機電力制御モードが設定された状態において、上記圧縮機6の運転停止時から該圧縮機6に対する運転要求があるまでの間は上記余熱手段7の作動が停止されることで、例えば従来のように、該圧縮機6の運転停止とともに上記予熱手段7が作動し且つ該圧縮機6の運転開始までの待機期間中この余熱手段7の作動が継続される場合に比して、該余熱手段7の消費電力が低減される分だけ空気調和機全体としての待機電力消費量が減少しその省電力化が促進される。
【0018】
一方、上記圧縮機6に対する運転要求があった場合には上記余熱手段7を作動させた後に該圧縮機6の運転が開始されるので、該圧縮機6の運転開始時点においては該圧縮機6内の冷凍機油の油温が高められており、該圧縮機6の運転の立ち上がりが促進され早期に良好な空調特性が確保されることになる。即ち、この発明にかかる空気調和機によれば、待機電力消費量の低減による省電力化と空調特性の向上との両立が可能となるものである。
【0019】
さらに、上記省待機電力制御モードでの運転においては、上記圧縮機6の運転開始に先立って上記余熱手段7が作動し該圧縮機6内の冷凍機油の油温が高められるので、該圧縮機6の運転停止中に上記余熱手段7が作動停止される構成でありながら、該圧縮機6の運転開始時における立ち上がりが促進され早期に良好な空調特性が確保され、この結果、待機電力消費量の低減による省電力化と空調特性の向上とが両立されることになる。
【0020】
(ロ) 本願の第2の発明にかかる空気調和機によれば、上記冷凍機油の油温を上記余熱手段7の作動時間に基づいて判断するようにしているので、例えば油温を直接検知する構成の場合に比して、油温検知のための手段及び油温に基づく圧縮機6の作動制御系が簡略化され、上記(イ)に記載の効果をより安価な構成によって実現することができるものである。
【0021】
(ハ) 本願の第3の発明にかかる空気調和機によれば、上記冷凍機油の油温を上記圧縮機6の吐出管温度に基づいて判断するようにしているので、例えば油温を直接検知する構成の場合に比して、油温検知のための手段及び油温に基づく圧縮機6の作動制御系が簡略化され、上記(イ)に記載の効果をより安価な構成によって実現することができるものである。
【0022】
(ニ) 本願の第4の発明にかかる空気調和機によれば、上記(イ),(ロ)又は(ハ)に記載の効果に加えて次のような特有の効果がられる。即ち、この発明にかかる空気調和機では、上記省待機電力制御モードをリモートコントローラ3により設定可能としているので、該設定を空気調和機の使用者が自己の好みに応じて任意に行って、待機電力消費量を抑えた省エネ運転と、圧縮機6の運転の立ち上がりを重視した快適運転とを選択することができ、例えば該設定が空気調和機の工場出荷時に固定的に設定されているような場合に比して、使用者の好みを空調特性に的確に反映させることができるものである。
【0023】
(ホ) 本願の第5の発明にかかる空気調和機の制御方法によれば、圧縮機6内の冷凍機油を予熱する予熱手段7を備えたものにおいて、設定可能な運転制御モードとして、上記圧縮機6の運転停止時に上記余熱手段7の作動を停止させる省待機電力制御モードと上記圧縮機6の運転時に上記余熱手段7の作動を停止させ、上記圧縮機6の運転停止時に上記余熱手段7を作動させる通常制御モードとを備え、これら両制御モードを選択して設定可能としているので、運転制御モードとして省待機電力制御モードが設定された状態においては、圧縮機6の運転停止に伴って上記予熱手段7の作動が停止されるため、例えば従来のように、該圧縮機6の運転停止とともに上記予熱手段7が作動し且つ該圧縮機6の運転開始までの待機期間中この余熱手段7の作動が継続される場合に比して、該余熱手段7の消費電力が低減される分だけ空気調和機全体としての待機電力消費量が減少しその省電力化が促進される。
【0024】
また、上記省待機電力制御モードが設定された状態において上記空気調和機が運転操作され且つ上記圧縮機6が作動状態にあるときには上記余熱手段7の作動を直ちに停止させて、上記圧縮機6が停止状態にあるときには上記余熱手段7を作動させた後、冷凍機油温度が所定温度以上となった時点で上記余熱手段7の作動を停止させて、上記圧縮機6の再起動に備えるように構成されているので、上記省待機電力制御モードが設定された状態において、上記圧縮機6の運転停止時から該圧縮機6に対する運転要求があるまでの間は上記余熱手段7の作動が停止されることで、例えば従来のように、該圧縮機6の運転停止とともに上記予熱手段7が作動し且つ該圧縮機6の運転開始までの待機期間中この余熱手段7の作動が継続される場合に比して、該余熱手段7の消費電力が低減される分だけ空気調和機全体としての待機電力消費量が減少しその省電力化が促進される。
【0025】
一方、上記圧縮機6に対する運転要求があった場合には上記余熱手段7を作動させた後に該圧縮機6の運転が開始されるので、該圧縮機6の運転開始時点においては該圧縮機6内の冷凍機油の油温が高められており、該圧縮機6の運転の立ち上がりが促進され早期に良好な空調特性が確保されることになる。即ち、この発明にかかる空気調和機によれば、待機電力消費量の低減による省電力化と空調特性の向上との両立が可能となるものである。
【0026】
さらに、上記省待機電力制御モードでの運転においては、上記圧縮機6の運転開始に先立って上記余熱手段7が作動し該圧縮機6内の冷凍機油の油温が高められるので、該圧縮機6の運転停止中に上記余熱手段7が作動停止される構成でありながら、該圧縮機6の運転開始時における立ち上がりが促進され早期に良好な空調特性が確保され、この結果、待機電力消費量の低減による省電力化と空調特性の向上とが両立されることになる。
【0027】
(ヘ) 本願の第6の発明にかかる空気調和機の制御方法によれば、上記余熱手段7の作動時間に基づいて上記圧縮機6内の冷凍機油の油温の上昇を間接的に検知し、これに基づいて上記圧縮機6の運転を開始させるようにしているので、例えば油温を直接検知して上記圧縮機6の運転を開始させる制御の場合に比して、油温検知のための手段及び油温に基づく圧縮機6の作動制御系が簡略化され、上記(ホ)に記載の効果をより安価な制御で実現することができる。
【0028】
(ト)本願の第7の発明にかかる空気調和機の制御方法によれば、上記冷凍機油の油温上昇を上記圧縮機6の吐出管温度に基づいて間接的に検知し、これに基づいて上記圧縮機6の運転を開始させるようにしているので、例えば油温を直接検知して上記圧縮機6の運転を開始させる制御の場合に比して、油温検知のための手段及び油温に基づく圧縮機6の作動制御系が簡略化され、上記(ホ)に記載の効果をより安価な制御で実現することができる。
【0029】
(チ) 本願の第8の発明にかかる空気調和機の制御方法によれば、上記(ホ),(ヘ)又は(ト)に記載の効果に加えて次のような特有の効果がられる。即ち、この発明にかかる空気調和機では、上記省待機電力制御モードの設定をリモートコントローラ3の操作によって行うようにしているので、該設定を空気調和機の使用者が自己の好みに応じて任意に行って、待機電力消費量を抑えた省エネ運転と、圧縮機6の運転の立ち上がりを重視した快適運転とを選択することができ、例えば該設定が空気調和機の工場出荷時に固定的に設定されているような場合に比して、使用者の好みを空調特性に的確に反映させることができるものである。
【発明の実施の形態】
【0030】
以下、本願発明を添付図面に示す実施形態に基づいて具体的に説明する。
【0031】
図1には、本願発明の実施形態にかかる空気調和機Zを示している。この空気調和機Zは、「分割型空気調和機」であって、室内に設置される室内機1と、室外に設置される室外機2とを連絡配管(図示省略)によって接続して構成される。
【0032】
上記室内機1は、従来周知の構造をもつものであって、その内部には熱交換器とファン(共に図示省略)とを備えるとともに該熱交換器等の側方には制御部4が収納配置されている。また、上記室内機1の前面側には、リモートコントローラ3からの操作信号を受信する受信部10が設けられ、該受信部10において受信された操作信号は上記制御部4に入力される。
【0033】
上記室外機2は、従来周知の構造をもつものであって、その内部には熱交換器とファン(共に図示省略)とが配置されるとともに、これら熱交換器等の側方には圧縮機6と制御部5とがそれぞれ配置されている。また、上記圧縮機6にはクランクケースヒータ7(特許請求の範囲の「予熱手段」に該当する)が付設されるとともに、温度センサ8とタイマー9とが備えられている。そして、上記温度センサ8から出力される温度信号及び上記タイマー9から出力される時間信号は、共に上記圧縮機6及びクランクケースヒータ7の制御要素の一つとして上記制御部5に入力される。また、上記室内機1側の上記制御部4と上記室外機2側の上記制御部5とは双方向通信可能に接続されている。
【0034】
尚、この実施形態においては、上記温度センサ8を、上記圧縮機6の吐出管温度を検知することで間接的に該圧縮機6内の冷凍機油の油温を検知するように構成しているが、かかる構成に限定されるものではなく、この外に、例えば圧縮機6のケーシングの温度を検知することでその内部の冷凍機油の油温を検知する構成としたり、該圧縮機6内の冷凍機油の油温を直接検知する構成等、適宜採用し得るものである。
【0035】
ところで、上記クランクケースヒータ7は、上記圧縮機6の運転停止後の運転再開時における運転の立ち上がりの遅れを防止すべく、該圧縮機6の作動とは反対方向にON−OFF作動されるものであって、該圧縮機6の運転停止後の待機期間中においては継続的にON作動し、該圧縮機6の再起動とともにOFF作動されるのを基本制御形態とするものであるが、このように圧縮機6の待機期間中、上記クランクケースヒータ7が継続的にON作動していると待機期間中における電力消費量が大きくなり空気調和機Z全体としての省電力化を阻害することは既述の通りである。
【0036】
そこで、この実施形態の空気調和機Zにおいては、本願発明を適用して、上記圧縮機6の停止後における運転開始時の立ち上がりの遅れを防止しつつ、該圧縮機6の待機期間中における電力消費量を可及的に低減させることを可能とすべく、上記リモートコントローラ3に運転制御モードの一つとして、使用者が任意に設定、設定解除可能な「省待機電力制御モード」を設定している。尚、この「省待機電力制御モード」は、その設定の有無に対応する信号(後述するように、「設定信号」と「非設定信号」)が上記室内機1の制御部4に入力され、該各信号は、後述するように、上記制御部5における省待機電力制御の一環としての上記圧縮機6及びクランクケースヒータ7の制御に利用される。
【0037】
以下、上記制御部4及び制御部5による省待機電力制御について、図2及び図3に示すフローチャートを参照して具体的に説明する。尚、フローチャートにおいては、紙面の都合上、「省待機電力制御モード」を単に「待機モード」と、「クランクケースヒータ」を「C/H」と、それぞれ略記している。
【0038】
図2には、上記リモートコントローラ3の設定操作に基づく省待機電力制御の判断処理を示している。即ち、上記リモートコントローラ3における「省待機電力制御モード」の設定と設定解除は室内居住者が好みに応じて任意に選択できるものである。このため、上記リモートコントローラ3での「省待機電力制御モード」の設定の有無をステップQ1において判定するようにしている。ここで、上記室内機1の制御部4において「省待機電力制御モード」が設定されたと判断された場合には、該室内機1から室外機2の制御部5へ「設定信号」が送信される。これに対して、上記室内機1の制御部4において「省待機電力制御モード」は設定されていないと判断された場合には、該室内機1から室外機2の制御部5へ「非設定信号」が送信される。これら「設定信号」又は「非設定信号」の受信に基づいて、上記室外機2の制御部5において上記圧縮機6及びクランクケースヒータ7の制御が実行される。
【0039】
図3は、上記室内機1側の制御部4からの信号を受けて行われる上記室外機2側の制御部5における制御の内容を示している。以下、これを詳述する。
【0040】
先ず、ステップS1においては、上記室内機1側から「省待機電力制御モード」が設定されていることを示す「設定信号」が受信されたかどうか(換言すれば、室内居住者が省電力運転を意図して上記リモートコントローラ3の操作により「省待機電力制御モード」の設定操作を行ったか、それとも圧縮機6の運転立ち上がりを促進させることによる快適性重視の運転を意図して「省待機電力制御モード」の設定操作を行わなかったか)が判断される。
【0041】
ここで、「設定信号」は受信されていないと判断される場合(換言すれば、「非設定信号」が受信されており、室内居住者は省待機電力制御を要求せず、通常の運転制御の実行を要求していると考えられる場合)には、次にステップS10において上記圧縮機6が現在「OFF作動」であるのか「ON作動」であるのかが判断される。従って、この場合には、従来と同様に、上記圧縮機6の作動に対応して上記クランクケースヒータ7の作動が制御される。即ち、上記圧縮機6は現在「OFF作動」であると判断された場合には、上記クランクケースヒータ7は「ON作動」とされ、上記圧縮機6の再起動に備えて該圧縮機6を予熱しその内部の冷凍機油の温度の維持を図る(ステップS11)。これに対して、上記圧縮機6は現在「ON作動」であると判断された場合には、該圧縮機6の予熱は必要はなく、従って、上記クランクケースヒータ7は「OFF作動」とされる(ステップS12)。
【0042】
一方、ステップS1において、上記室内機1側からの「設定信号」を受信していると判断された場合(換言すれば、室内居住者が省待機電力制御の実行を要求している場合)には、次に空気調和機Zの停止操作が行われたかどうかが判断される(ステップS2)。ここで、停止操作が行われたと判断された場合には、上記クランクケースヒータ7を「OFF作動」とする(ステップS9)。
【0043】
尚、このステップS9における上記クランクケースヒータ7の「OFF作動」には、「OFF作動」を維持する場合と「ON作動」から強制的に「OFF作動」に変更する場合の双方が含まれている。即ち、停止操作が行われた時点において既に「設定信号」を受けての省待機電力制御が行われていた状態では、後述のように、圧縮機6が「ON作動」であっても「OFF作動」であっても上記クランクケースヒータ7は「OFF作動」とされている(ステップS7参照)ので、今回の停止操作に伴ってクランクケースヒータ7の「OFF作動」を維持することになる。これに対して、上記「非設定信号」を受けて通常の制御が行われている状態下で「設定信号」が受信された場合(即ち、空気調和機Zの運転状態下で「省待機電力制御モード」が設定された場合)においては、圧縮機6が「ON作動」であった場合にはクランクケースヒータ7は「OFF作動」とされ、圧縮機6が「OFF作動」であった場合にはクランクケースヒータ7は「ON作動」とされているので、前者の場合には「OFF作動」を維持することとなり、後者の場合には「ON作動」から「OFF作動」に強制的に切り替えることになる。従って、「設定信号」が受信された後において停止操作がなされた場合には、上記クランクケースヒータ7は常に「OFF作動」とされる。この結果、上記圧縮機6の待機期間中における上記クランクケースヒータ7の作動に伴う電力消費が回避され、これによって省待機電力化が実現される。
【0044】
一方、ステップS2において空気調和機Zの停止操作がなされなかったと判断された場合、換言すれば、空気調和機Zは運転状態にあると判断された場合には、続いてステップS3において上記圧縮機6の作動状態が判断される。そして、ここで、圧縮機6は「ON作動」である、と判断された場合であるが、この場合は、上記「設定信号」の受信に基づく省待機電力制御が開始される以前から既に通常の運転制御が行われており、且つこの通常の運転制御において圧縮機6が「ON作動」である場合であるから、クランクケースヒータ7を「OFF作動」とし(「OFF作動」を維持し)、これ以後における圧縮機6の「ON作動」を許可する。
【0045】
これに対して、ステップS3において、圧縮機6は「OFF作動」であると判断された場合であるが、このケースとしては、「設定信号」の受信後に初めて空気調和機Zの運転操作がなされた場合と、「設定信号」の受信以前から既に空気調和機Zが運転されており且つ圧縮機6が「OFF作動」である場合の二つのケースが考えられる。
【0046】
ここで、前者の場合は、上記圧縮機6は待機後に再起動される場合であって、該圧縮機6の運転の立ち上がりの遅れを防止する必要がある場合である。従って、この場合には、先ず、クランクケースヒータ7を「ON作動」として圧縮機6を予熱してその内部の冷凍機油の温度上昇を図る(ステップS4)。そして、このクランクケースヒータ7の「ON作動」は、圧縮機6の吐出管温度がX度以上となるまで(ステップS5)、又はクランクケースヒータ7の「ON作動」からY時間が経過するまで(ステップS6)、継続される。これらいずれかの条件が満たされた時には、既に冷凍機油の油温は運転の立ち上がりの遅れが発生しない温度まで上昇していると考えられ、従って、これらいずれかの条件が満たされた場合にはクランクケースヒータ7を「OFF作動」とし(ステップS7)、圧縮機6の「ON作動」、即ち、再起動を許容する(ステップS8)。これによって、圧縮機6の待機期間中にクランクケースヒータ7を「OFF作動」として省待機電力化を図ったにもかかわらず、圧縮機6の運転再開時における「寝込み」が確実に防止されることになる。省待機電力化と圧縮機6の「寝込み防止」とが両立されるものである。
【0047】
これに対して、後者の場合は、上記クランクケースヒータ7は既に「ON作動」にあり、従って圧縮機6の吐出管温度も既にX度以上となっている(ステップS5)ことから、直ちにクランクケースヒータ7を「OFF作動」とし(ステップS7)、圧縮機6の「ON作動」、即ち、再起動を許容する(ステップS8)。
【0048】
以上のように、図2及び図3に記載の制御が実行されることで、圧縮機6の待機期間中にクランクケースヒータ7を「OFF作動」として省待機電力化を図ったにもかかわらず、圧縮機6の運転再開時における立ち上がりの遅れが確実に防止され、省待機電力化と圧縮機6の運転立ち上がりの促進による空調特性の向上との両立が実現されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明の実施形態にかかる空気調和機の全体斜視図である。
【図2】 本願発明の空気調和機の制御方法における制御フローチャートである。
【図3】 本願発明の空気調和機の制御方法における制御フローチャートである。
【符号の説明】
1は室内機、2は室外機、3はリモートコントローラ、4及び5は制御部、6は圧縮機、7はクランクケースヒータ、8は温度センサ、9はタイマー、10は受信部、Zは空気調和機である。
Claims (8)
- 圧縮機(6)内の冷凍機油を予熱する予熱手段(7)を備えた空気調和機であって、
運転制御モードとして、上記圧縮機(6)の運転時に上記余熱手段(7)の作動を停止させ、上記圧縮機(6)の運転停止時に上記余熱手段(7)を作動させる通常制御モードと、上記圧縮機(6)の運転停止時に上記余熱手段(7)の作動を停止させる省待機電力制御モードを備え、これら両制御モードを選択して設定可能とするとともに、
上記省待機電力制御モードが設定された状態において、空気調和機の停止操作が行われた場合には上記余熱手段(7)の作動を直ちに停止させる一方、
上記省待機電力制御モードが設定された状態において上記空気調和機が運転操作され且つ上記圧縮機(6)が作動状態にあるときには上記余熱手段(7)の作動を直ちに停止させて、
上記圧縮機(6)が停止状態にあるときには上記余熱手段(7)を作動させた後、冷凍機油温度が所定温度以上となった時点で上記余熱手段(7)の作動を停止させて、
上記圧縮機(6)の再起動に備えるように構成されたことを特徴とする空気調和機。 - 請求項1において、
上記冷凍機油の油温が上記余熱手段(7)の作動時間に基づいて判断されることを特徴とする空気調和機。 - 請求項1において、
上記冷凍機油の油温が上記圧縮機(6)の吐出管温度に基づいて判断されることを特徴とする空気調和機。 - 請求項1,2又は3において、
上記省待機電力制御モードがリモートコントローラ(3)により設定可能とされていることを特徴とする空気調和機。 - 圧縮機(6)内の冷凍機油を予熱する予熱手段(7)を備えた空気調和機の制御方法であって、
上記圧縮機(6)の運転時に上記余熱手段(7)の作動を停止させ、上記圧縮機(6)の運転停止時に上記余熱手段(7)を作動させる通常制御モードと、上記圧縮機(6)の運転停止に対応して上記余熱手段(7)の作動を停止させる省待機電力制御モードを選択して設定できるようにし、
上記省待機電力制御モードが設定された状態において、空気調和機の停止操作が行われた場合には上記余熱手段(7)の作動を直ちに停止させ、
上記省待機電力制御モードが設定された状態において、上記空気調和機が運転操作され且つ上記圧縮機(6)が作動状態にあるときには上記余熱手段(7)の作動を直ちに停止させる一方、上記圧縮機(6)が停止状態にあるときには上記余熱手段(7)を作動させた後、冷凍機油温度が所定温度以上となった時点で上記余熱手段(7)の作動を停止させることを特徴とする空気調和機の制御方法。 - 請求項5において、
上記余熱手段(7)を所定時間作動させた後に、上記圧縮機(6)の作動を開始することを特徴とする空気調和機の制御方法。 - 請求項5において、
上記圧縮機(6)の吐出管温度が所定温度に上昇した後に、該圧縮機(6)の作動を開始することを特徴とする空気調和機の制御方法。 - 請求項5,6又は7おいて、
上記省待機電力制御モードの設定をリモートコントローラ(3)の操作によって行うことを特徴とする空気調和機の制御方法。
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