JP2004036990A - 空気調和機 - Google Patents

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Shinji Kuroda
黒田 紳司
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Abstract

【課題】人が不在であるときの燃料消費を低減できる空気調和機を提供する。
【解決手段】空調運転を行う空調手段と、タイマ開始時刻に前記空調手段による空調運転を開始しタイマ終了時刻に空調運転を終了するタイマ運転を行うタイマ運転制御手段とを備える空気調和機であって、空気調和機が設置された室内の人の存在を検知する人体検知センサと、前記タイマ運転中に前記人体検知センサにより人の不存在を判定したときに、前記空調運転を禁止する制御手段と、を設ける。また、前記制御手段は、空調運転を禁止してからタイマ終了時刻までの間に、前記人体検知センサにより人の存在を判定したときに、空調運転の禁止を解除する。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイマ運転を行い人体検知センサを備える空気調和機に関する。
【0002】
【従来の技術】
暖房機や冷房機などの空気調和機(空調機)において、タイマ運転として、タイマ開始時刻に自動で空調運転を開始し手動で空調運転を停止するオンタイマ運転を行なうものや、自動でタイマ開始時刻に空調運転を開始すると共にタイマ終了時刻に空調運転を停止するオンオフタイマ運転を行なうものがある。
【0003】
このような空調機がオフィスや家庭などに設置されている場合、毎日同じように動作するように設定されることが多い。そこで、例えば、会社の休日や家を留守にする場合にタイマ運転の設定を解除することを忘れたときには、室内が無人であるにもかかわらず空調運転が行なわれることとなる。
【0004】
特に、オンタイマ運転の場合には、停止制御がないので無人の場合には24時間稼動することになるので、これを防止するために、人の存在を検知する人体検知センサを空調機に設ける場合がある。例えば特許3098087号公報に開示された空調機では、空調運転を開始した後に判定時間内に人体検知センサにより室内が無人であると判定されたときには、空調運転を停止すると共に、オンタイマをリセットして翌日からオンタイマ運転をキャンセルすることができる。
【0005】
しかしながら、特許3098087号公報に開示された空調機では、空調運転開始後判定時間以内に無人か否かが判別されるので、例えば、空調運転開始時に在室していて判定時間を超えてから外出した場合には空調運転を停止するためには手動で停止操作を行なわなければならない。
【0006】
一方、オンオフタイマ運転を行なう空調機では、通常、タイマ開始時刻からタイマ終了時刻まで空調運転が必要なのでこのようにタイマが設定されている。しかし、タイマ終了時刻を過ぎても人が在室して活動している場合には空調機が停止してしまうことは不都合である。そこで、例えば、特許2981318号公報に開示された空調環境制御装置は、人体検知センサを設けてタイマ終了時刻に人が存在していると判定した場合にタイマ運転を延長して行い、人が退出した後、人の不存在を判定した場合に空調運転を停止するようにしている。
【0007】
しかしながら、特許2981318号公報に開示された装置は、タイマ運転の終了予定時刻から人体検知センサが人の存在を検知する。従って、終了予定時刻よりも前に人が退室した場合にも、終了予定時刻までタイマ運転を継続してしまうので、無人の部屋で空調運転を行なうことになり、燃料を無駄に消費してしまうことになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる背景に鑑み、人が不在であるときの燃料消費を低減できる空気調和機を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明の空気調和機は、空調運転を行う空調手段と、タイマ開始時刻に前記空調手段による空調運転を開始しタイマ終了時刻に空調運転を終了するタイマ運転を行うタイマ運転制御手段とを備える空気調和機であって、空気調和機が設置された室内の人の存在を検知する人体検知センサと、前記タイマ運転中に前記人体検知センサにより人の不存在を判定したときに、前記空調運転を禁止する制御手段と、を設けたことを特徴とする。
【0010】
かかる本発明によれば、人体検知センサは、空気調和機が設置された室内の人の存在を検知するので、タイマ開始時刻からタイマ終了時刻までの間のタイマ運転中に、制御手段は、空気調和機が設置された室内の人の不存在を判定したときに前記空調運転を禁止する。例えば人がタイマ開始時刻から在室しておりタイマ終了時刻よりも前に退室した場合には、タイマ開始時刻に空調運転が開始され、人体検知センサが一定回数連続して人の存在を検知すると、制御手段は人が存在していると判定して空調運転を継続する。そして、人が退出した後、人体検知センサが一定回数連続して人の存在を検知しないと、制御手段は人が不存在であると判定して空調運転を禁止する。そして、タイマ運転中、制御手段により空調運転は禁止されつづける。従って、人が在室している間は空調運転が行なわれ、人が不在になった後、空調運転が停止される。そのため、人が不在の間に本来消費されるべき燃料の消費を低減できることになり、ひいては、コストも低減できることになる。
【0011】
また、前記制御手段は、前記タイマ運転の開始時から所定時間内に、前記人体検知センサにより人の不存在を判定したときには、空調運転を禁止せず、継続することを特徴とする。
【0012】
かかる本発明によれば、タイマ運転によりタイマ開始時刻に空調運転が開始されると、所定時間内は、空調運転が継続される。例えば、室内に人がいない場合に、タイマ運転の開始時刻から動作し始めた人体検知センサで人の存在の有無を検知して、制御手段により人の不存在が判定される。従って、本来空調運転を禁止すべきところであるが、所定時間内であるため、空調運転を継続することができる。たとえ、タイマ開始時刻に人が不在であっても、人が遅れて入室してくる可能性があり、本発明はこのときに有効である。
【0013】
また、本発明の空気調和機では、前記空調手段は暖房機能または冷房機能を有し、室温を検出する温度センサを備え、前記制御手段は、前記タイマ運転の開始時から前記温度センサの検出温度が目標温度になるように空調運転を行ない、前記人体検知センサにより人の不存在を判定したときには、前記目標温度に到達するまで空調運転を禁止せず、継続することを特徴とする。
【0014】
かかる本発明によれば、タイマ開始時刻に室内に人がいない場合に、タイマ運転の開始時刻から動作し始めた人体検知センサで人の存在の有無を検知して、制御手段により人の不存在が判定される。従って、本来、空調運転を禁止すべきところであるが、目標温度に到達するまで空調運転を継続することができる。たとえ、タイマ開始時刻に人が不在であっても、人が遅れて入室してくる可能性があり、このときに予め所望の室温まで運転しておくことができるので、使用者にとって快適な使用を実現することができる。
【0015】
また、本発明の空気調和機では、前記人体検知センサはタイマ開始時刻よりも前に検知動作を開始し、前記制御手段は、タイマ開始時刻になったときに前記人体検知センサにより人の不存在を判定した場合には、空調運転の開始を禁止することを特徴とする。
【0016】
かかる本発明によれば、人体検知センサはタイマ運転に先行して人体の検知を行ない、タイマ開始時刻に人が不在である場合には、制御手段により、タイマ開始時刻における空調運転の開始を禁止することができる。従って、人がはじめから不在であるときには空調を行わないことになるので、燃料の消費が最低限で済み、コストも低減できる。
【0017】
また、前記制御手段は、空調運転を禁止してからタイマ終了時刻までの間に、前記人体検知センサにより人の存在を判定したときに、空調運転の禁止を解除することを特徴とする。
【0018】
かかる本発明によれば、例えば人が空気調和機の設置された室内にタイマ運転の開始時から在室し、タイマ運転中に外出して、再び入室したときには、以下のように動作する。すなわち、空気調和機は初めは通常通り空調運転を開始し、人が室外に外出したとき、制御手段により不存在が判定されて空調運転が禁止され、その後、人が再び入室したとき、制御手段は人体検知センサにより人が存在していると判定するので、空調運転の禁止が解除される。以下、再び退室して入室したときも同様である。つまり、本発明の空気調和機は、タイマ運転の終了時刻まで空調運転を行なうことを前提として、人が在室しているときに空調運転を行う。従って、燃料の消費を抑え、コストを低減することができる。
【0019】
また、本発明の空気調和機は、人の不存在を判定したときに空調運転を禁止する不在時禁止モードと、人の存在にかかわらず空調運転を行なう通常モードとを切り換えるモード切換スイッチを備えることを特徴とする。
【0020】
かかる本発明によれば、使用者の使用方法に適した快適な空調運転を実現することができる。例えば、夏場や冬場など外気と所望の室温との差が激しいときには、所望の温度になるまでに急激に燃料が消費される。このような時期に室内外の出入りが激しく頻繁に空調が入切される場合には燃料の消費がかさむことになる。このような場合には人体検知センサの検知結果にかかわらず空調運転を行なう通常モードに設定する方が使い勝手がよい。また、まとまった時間の外出が予定されているときには、予めモード切換スイッチにより不在時禁止モードとしておけば低燃料、低コストの空調を実現できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態の一例を図1〜図7を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施形態の一例である暖房機の構成図である。図1を参照して、暖房機1は、本発明の空調手段に相当する燃焼部2と、操作部3と、表示部4と、人体検知センサ5と、室温センサ6と、コントローラ7を備える。
【0022】
燃焼部2には、バーナ8と、ガス供給路を開閉する主電磁弁10と、ガス供給路からバーナ8に供給される燃料ガスの供給量を調節する比例制御弁11とが設けられている。燃焼部2には、さらに、バーナ8の燃焼に必要な燃焼用空気を吸引し該燃焼用空気をバーナ8に供給する燃焼ファン12と、バーナ8を点火するための火花放電を生じさせるイグナイタ13と、燃焼炎を検知する為のフレームロッド14とが備えられている。
【0023】
操作部3は、バーナ8の燃焼運転の開始を指示するための運転開始スイッチ15と、目標室温の設定を行う温度設定スイッチ16と、現在時刻、タイマ開始時刻、タイマ終了時刻を設定するタイマ設定手段17と、人の不存在を判定したときに暖房運転を禁止する不在時禁止モードと、人の存在にかかわらず暖房運転を行なう通常モードとを切り換えるモード切換スイッチ18とを備える。表示部4は、現在室温、設定室温、タイマ開始時刻、タイマ終了時刻、現在時刻等を表示する。
【0024】
人体検知センサ5は、例えば、PZT系(ジルコン酸チタン酸鉛)やLiTaO系(タンタル酸リチウム)等から構成された焦電型赤外線センサであり、センサ視野内の人体と背景温度との温度差による赤外線エネルギー量の変化を検知する。室温センサ6は、本発明の温度センサに相当し、例えばサーミスタにより構成され、暖房機1が設置された室内の室温を検出する。
【0025】
コントローラ7は、マイクロコンピュータやメモリ、I/Oユニット等の電子回路により構成され、タイマ運転制御部21と、タイマ計時部22と、人体判定制御部23と、不在時禁止モード制御部24とを備える。
【0026】
タイマ運転制御部21は、本発明のタイマ運転制御手段に相当し、運転開始時刻に、主電磁弁10等の開弁、イグナイタ13の点火、燃焼ファン12の駆動等の動作を開始する制御を行い、運転終了時刻に主電磁弁10等の閉弁によるバーナ8の消火や燃焼ファン12の停止等を制御する。タイマ計時部22は、現在時刻、タイマ開始時刻、タイマ終了時刻および所定時間等を計時する。
【0027】
人体判定制御部23は、人体検知センサ5の出力値に基づいて、例えば1分毎に人体検知動作を行う。このとき、例えば10回連続して人の存在を検知しないときに室内の人は不存在であると判定し、不在を確定する。また、例えば3回連続して人の存在を検知した場合には人が室内に存在していると判定し、在室を確定する。そして、確定結果を示す信号を不在時禁止モード制御部24に供給する。
【0028】
より詳細には、人体判定制御部23は、図2のフローチャートに従って人の在室又は不在を確定する。人体判定制御部23は、まず、αの値とβの値をリセット(αとβに0を設定)し(ステップS1)、次に、1分タイマをセットする(ステップS2)。1分間経過したら、人体検知センサ5が存在を検知したか否かを判別する(ステップS3)。
【0029】
ステップS3において、人体判定制御部23は、人体検知センサ5が人の存在を検知していないと判定した場合には、αの値をインクリメント(αの値に1を加える)すると共に、βの値をリセットする(ステップS4)。続いて、人体判定制御部23は、αの値が10か否かを判別する(ステップS5)。ステップS5において、αの値が10でないと判定した場合にはステップS2に戻る。一方、αの値が10であると判定した場合には、不在を確定し不在時禁止モード制御部24に不在確定を示す信号を送り(ステップS6)、ステップS1に戻る(不存在判定)。
【0030】
また、ステップS3において、人体判定制御部23は、人体検知センサ5が存在を検知したと判定した場合には、βの値をインクリメント(βの値に1を加える)すると共に、αの値をリセットする(ステップS7)。続いて、人体判定制御部23は、βの値が3か否かを判別する(ステップS8)。ステップS8において、βの値が3でないと判定した場合にはステップS2に戻る。一方、βの値が3であると判定した場合には、在室を確定し不在時禁止モード制御部24に在室確定を示す信号を送り(ステップS9)、ステップS1に戻る(存在判定)。
【0031】
尚、在室又は不在の確定方法は図2に示す方法に限定されるものではない。例えば一旦在室又は不在を確定した後、その確定は、次に在室又は不在が確定するまでの間継続するものとしてもよい。
【0032】
次に、コントローラ7の不在時禁止モード制御部24は、本発明の制御手段に相当し、図3のフローチャートに従って以下のように暖房運転を制御する処理を行なう。
【0033】
まず、不在時禁止モード制御部24は、タイマ運転制御部21からタイマ開始時刻になったことを示す信号を受け取り、本発明の所定時間Tを例えば30分にセットして計時する(ステップS11)。そして、燃焼部2が暖房運転を開始したことを示す信号をタイマ運転制御部21から受け取る(ステップS12)と、人体判定制御部23から受ける信号が不在確定を示す信号か否かを判別する(ステップS13)。
【0034】
ステップS13において、不在確定を示す信号と判定した場合には、タイマ開始時刻から所定時間T(30分)分経過したか否かを判別する(ステップS14)。ステップS14において、所定時間T(30分)経過していないと判定した場合にはステップS13に戻り、所定時間T(30分)経過したと判定した場合には、暖房運転を停止するようにタイマ運転制御部21に指示を与える(ステップS15)。ステップS15に続いて、不在時禁止モード制御部24はタイマ終了時刻であるか否かを判別する(ステップS16)。ステップS16において、タイマ終了時刻ではないと判定した場合にはステップS13に戻り、タイマ終了時刻であると判定した場合には処理を終了する。
【0035】
また、不在時禁止モード制御部24は、ステップS13において、不在確定を示す信号ではないと判定した場合には、在室確定を示す信号か否かを判別する(ステップS17)。ステップS17において、在室確定を示す信号と判定した場合には、暖房運転を行なうようにタイマ運転制御部21に指示を与える(ステップS18)。ステップS18に続いて、タイマ終了時刻であるか否かを判別し(ステップS19)、タイマ終了時刻ではないと判定した場合にはステップS13に戻り、タイマ終了時刻であると判定した場合には処理を終了する。また、不在時禁止モード制御部24は、ステップS17において、在室確定を示す信号ではないと判定した場合には、ステップS19に進む。
【0036】
上記構成の暖房機1を使用するために、使用者は予め、操作部3のタイマ設定手段17および温度設定スイッチ16を操作して、タイマ開始時刻、タイマ終了時刻(開始時刻から例えば30分以上間隔をあけるものとする)および設定温度を所望の値にセットしておく。なお、予めモード切換スイッチ18を操作して、不在時禁止モードとしておく。
【0037】
暖房機1は、不在時禁止モードにおいて、タイマ開始時刻からタイマ終了時刻までの間のタイマ運転中のどのタイミングに、暖房機1が設置された室内に人が在室するか否かによって以下のように動作が2つに大別される。
【0038】
第1に、タイマ開始時刻から初めの所定時間T(30分)においては、タイマ開始時刻に暖房運転が開始されると共に、人体検知センサ5により人体の検知動作が開始する。この期間では、人が室内に不存在であると判定されてもタイマ開始時刻から所定時間T(30分)は暖房運転が継続される。ただし、所定時間T(30分)後に不存在が判定されている場合には、暖房機1は暖房運転を禁止する。
【0039】
第2に、所定時間T(30分)後からタイマ終了時刻までにおいては、暖房機1の暖房運転中に人が退室した場合に、退室して10分後にコントローラ7の人体判定制御部22が不在を確定し、暖房運転が禁止される。また、暖房機1の暖房運転の禁止中に人が入室した場合には、入室して3分後に人体判定制御部22が在室を確定し、暖房運転の禁止が解除される。これらの動作は、何回でも繰り返し行なわれる。なお、人体検知センサ5による人体の検知動作はタイマ終了時刻に終了する。
【0040】
以下に図4、図5を参照して暖房機1の動作の具体例を示す。まず、図4は、時刻1:00〜5:00までのタイマ運転における(1)タイマ指示、(2)人体検知センサ5による人体検知動作、(3)人体判定制御部22による人体判定の確定結果、(4)燃焼部2による暖房運転のそれぞれのタイムチャートの一例である。このとき、前提として、時刻1:00に室内に人が在室し、2:00に退室し、3:00に入室し、5:00まで在室するものとする。
【0041】
この場合には、図4に示すように、1:00に暖房運転が開始され、1:03に在室が確定し、暖房運転を継続する。人が2:00に退室するので2:10に不在が確定し、このときタイマ開始後所定時間T(30分)以上経過しているので暖房運転が禁止される。そして、3:00に人が入室するので3:03に再び在室が確定し、暖房運転の禁止が解除され、5:00に運転が終了する。
【0042】
次に、図5は、図4と同様なタイムチャートの一例である。このときの前提としては、タイマ運転開始時(1:00)に室内に人が不在であり、1:20に人が入室し、2:00に退室し、3:00に再び入室し、さらに4:00に退室し、タイマ終了時刻(5:00)まで不在であるものとする。
【0043】
この場合には、図5に示すように、1:00に暖房運転が開始され、1:10に不在が確定するが、このときタイマ開始から所定時間T(30分)が経過していないので暖房運転を継続する。1:20に人が入室するので運転中の1:23に在室が確定し、運転を継続する。そして、2:00に人が退室するので、2:10に不在が確定し、このときタイマ開始から所定時間T(30分)以上経過しているので暖房運転が禁止される。そして、3:00に人が入室するので、3:03に在室が確定し暖房運転の禁止が解除される。さらに、4:00に人が退室するので、4:10に不在が確定し5:00まで暖房運転が禁止され続ける。
【0044】
上記実施形態によれば、暖房機1は、タイマ運転中に人体検知センサ5により、暖房機1が設置された室内の人の存在を検知するので、室内の人の不存在を判定した(不在を確定した)ときに、暖房運転を禁止できる。そのため、燃料の無駄な消費を低減でき、コストを低減できる。また、タイマ開始時刻に人が不在であった場合には、暖房機1は、所定時間暖房運転を継続するので、例えば使用者がタイマ開始時刻に遅刻して入室した場合にも室内が所定の温度まで温められていることになる。
【0045】
上記実施形態では、タイマ運転の開始時刻に人が不在であった場合に、すぐにタイマ運転を禁止せずに所定時間T(30分)猶予した。すなわち、不在時禁止モード制御部24が、図3のステップS11でタイマ開始時刻になったことを確認してから所定時間T(30分)をセットするようにしたが、このセット時間は一例であり、30分以外でもよい。
【0046】
また、上記ステップS11の処理で所定時間T(30分)のセットにより運転禁止を猶予する方法に代えて、室内に人が不在であっても室温が設定温度(本発明の目標温度に相当する)になるまで暖房運転を禁止せずに継続するように構成してもよい。この場合には、不在時禁止モード制御部24において、上記実施形態の図3のステップS14の所定時間T(30分)経過を判別する処理に代えて、温度センサ6の検出温度が設定温度であるか否かを判別する処理を行なうものとする。そして、温度センサ6の検出温度が設定温度に達していないと判定した場合にはステップS13に戻り、温度センサ6の検出温度が設定温度であると判定した場合には、ステップS15に進む処理を行なう。
【0047】
(第2の実施形態)上記第1の実施形態の暖房機1は、タイマ運転の開始時に室内の人が不在の場合に、暖房運転を所定時間行なうものとしたが、タイマ運転の開始時に室内の人が不在の場合にタイマ運転を禁止し暖房運転を開始しないように構成してもよい。
【0048】
この場合の暖房機30は、上記第1の実施形態と同様な構成であるが、人体判定制御部23がタイマ開始時刻に人の在室又は不在を確定できるように、人体検知センサ5は、タイマ開始時刻よりも前に検知動作を開始する。また、不在時禁止モード制御部24は、図6のフローチャートに従って以下のように運転制御処理を行なう。
【0049】
例えば、まず、人体判定制御部23が不在確定に要する時間(例えば10分)だけタイマ開始時刻から遡った時刻に人体検知センサ5の動作を開始させる(ステップS21)。不在時禁止モード制御部24は、タイマ運転制御部21からタイマ開始時刻になったことを示す信号を受け取ると(ステップS22)、人体判定制御部23から受ける信号が不在確定を示す信号か否かを判別する(ステップS23)。ステップS23において、不在確定を示す信号であると判定した場合には、暖房運転を禁止するようにタイマ運転制御部21に指示を与える(ステップS24)。以下ステップS25〜S28までの処理は、図3のステップS16〜S19までの処理と同一なので説明を省略する。
【0050】
以下、図7を参照して具体例を説明する。図7は、図5と同様なタイムチャートの一例である。このときの前提は、図5のタイムチャートの前提と同一である。すなわち、タイマ運転開始時(1:00)に室内に人が不在であり、1:20に人が入室し、2:00に退室し、3:00に再び入室し、さらに4:00に退室し、タイマ終了時刻(5:00)まで不在であるものとする。また、人体検知センサ5による人体の検知動作は、タイマ開始時刻の10分前(0:50)に開始されタイマ終了時刻に終了する。
【0051】
この場合には、図7に示すように、0:50に人体検知センサ5による人体検知動作が開始され1:00に不在が確定し、タイマ運転の開始が禁止される。そして、1:20に人が入室するので、1:23に在室が確定し暖房運転の禁止が解除され、ここで初めて暖房運転が行なわれる。そして、2:00に人が退室するので、2:10に不在が確定し暖房運転が禁止される。そして、3:00に人が入室するので、3:03に在室が確定し暖房運転の禁止が解除される。さらに、4:00に人が退室するので、4:10に不在が確定し5:00まで暖房運転が禁止され続ける。
【0052】
上記実施形態によれば、タイマ運転開始前に、人体検知センサ5により、暖房機30が設置された室内の人の存在を検知し始めるので、タイマ運転開始時に室内の人が不在である場合には、暖房運転の開始が禁止される。そのため、燃料の無駄な消費を低減でき、コストを低減できる。
【0053】
上記第1、第2の実施形態では、コントローラ7の人体判定制御部23は、1分毎に人体検知動作を行い、10回連続して存在を検知しないときに不在を確定し、3回連続して存在を検知したときに在室を確定するように構成したが、人体検知動作の実行間隔や、存在又は不存在の検知回数はこれに限定されるものではない。例えば、1回の検知で人の存在又は不存在を確定するようにしても良い。また、暖房機の設定温度、風量、運転日および運転時間などの運転条件によって検知回数を変更するように構成しても良い。
【0054】
また、上記第1、第2の実施形態においては、本発明の空気調和機としてガス暖房機1,30を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、他の燃料や電気による暖房機であってもよい。また、暖房機に限らず冷房機であってもよく、その他、湿度調節機能、気流調節機能、浄化機能等を備えるように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である暖房機の構成図。
【図2】人体判定制御部の判定処理を示すフローチャート。
【図3】不在時禁止モード制御部の運転制御処理を示すフローチャート。
【図4】タイマ開始時に人が在室している場合のタイムチャート。
【図5】タイマ開始時に人が不在である場合のタイムチャート。
【図6】第2の実施形態の不在時禁止モード制御部の運転制御処理を示すフローチャート。
【図7】第2の実施形態のタイマ開始時に人が不在である場合のタイムチャート。
【符号の説明】
1,30・・・暖房機、2・・・燃焼部、3・・・操作部、4・・・表示部、5・・・人体検知センサ、6・・・室温センサ、7・・・コントローラ、8・・・バーナ、10・・・主電磁弁、11・・・比例制御弁、12・・・燃焼ファン、13・・・イグナイタ、14・・・フレームロッド、15・・・運転開始スイッチ、16・・・温度設定スイッチ、17・・・タイマ設定手段、18・・・モード切換スイッチ、21・・・タイマ運転制御部、22・・・タイマ計時部、23・・・人体判定制御部、24・・・不在時禁止モード制御部。

Claims (6)

  1. 空調運転を行う空調手段と、タイマ開始時刻に前記空調手段による空調運転を開始しタイマ終了時刻に空調運転を終了するタイマ運転を行うタイマ運転制御手段とを備える空気調和機であって、
    空気調和機が設置された室内の人の存在を検知する人体検知センサと、
    前記タイマ運転中に前記人体検知センサにより人の不存在を判定したときに、前記空調運転を禁止する制御手段と、
    を設けたことを特徴とする空気調和機。
  2. 前記制御手段は、前記タイマ運転の開始時から所定時間内に、前記人体検知センサにより人の不存在を判定したときには、空調運転を禁止せず、継続することを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
  3. 前記空調手段は暖房機能または冷房機能を有し、室温を検出する温度センサを備え、
    前記制御手段は、前記タイマ運転の開始時から前記温度センサの検出温度が目標温度になるように空調運転を行ない、前記人体検知センサにより人の不存在を判定したときには、前記目標温度に到達するまで空調運転を禁止せず、継続することを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
  4. 前記人体検知センサはタイマ開始時刻よりも前に検知動作を開始し、
    前記制御手段は、タイマ開始時刻になったときに前記人体検知センサにより人の不存在を判定した場合には、空調運転の開始を禁止することを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
  5. 前記制御手段は、空調運転を禁止してからタイマ終了時刻までの間に、前記人体検知センサにより人の存在を判定したときに、空調運転の禁止を解除することを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の空気調和機。
  6. 人の不存在を判定したときに空調運転を禁止する不在時禁止モードと、人の存在にかかわらず空調運転を行なう通常モードとを切り換えるモード切換スイッチを備えることを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の空気調和機。
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