JP2016500938A - インテリジェント・コントローラにおける自動存在検出と存在関連制御 - Google Patents

インテリジェント・コントローラにおける自動存在検出と存在関連制御 Download PDF

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Abstract

本願は、電子的に格納されたルール、パラメータ、および命令のうち1つまたは複数を含む、センサ出力および電子的に格納された情報を使用して、1つまたは複数の種類のエンティティが当該インテリジェント・コントローラにより監視される領域、ボリューム、環境の中に存在するかどうかを判定するインテリジェント・コントローラに関する。当該インテリジェント・コントローラは、動作モードを選択し、当該1つまたは複数のエンティティの存在および不在に関して制御スケジュールを修正する。当該インテリジェント・コントローラは、フィードバック情報を使用して、電子的に格納されたパラメータおよびルールを継続的に調節し、当該1つまたは複数のエンティティの存在不在に関する不正確な推論の数を最小化し、当該インテリジェント・コントローラにより制御される様々な種類のシステムが選択された動作モードを実行する効率を最大化する。

Description

本願は、機械学習およびインテリジェント・コントローラに関し、特に、インテリジェント・コントローラ、および、インテリジェント・コントローラにより制御される領域、ボリューム、または環境の中の1つまたは複数の種類のエンティティの存在を決定し、当該1つまたは複数のエンティティの存在または不在に関して制御動作を修正する、インテリジェント・コントローラに組み込まれた機械学習方法に関する。
制御システムや制御理論は、航空機、宇宙船、および他の車両および運送システムからコンピュータ・システム、工業生産設備および運用施設、工作機械、加工機械、および家庭用機器に至るまで、多数のシステムや技術の設計と開発に多大な影響を及ぼす、良く発展した研究開発分野である。制御理論は、実用的なシステム制御設計原理の大部分を網羅するが、理論数学や応用数学の重要な部門でもある。多種多様な種類のコントローラが一般に、単純な閉ループ・フィードバック・コントローラから複雑で適合的な状態空間および微分方程式ベースのプロセッサ制御型の制御システムに至るまで、多種多様な適用領域で使用されている。
多くのコントローラは、制御モデルやシステムからのセンサ・フィードバックに基づいて当該システムの様々な動的要素に制御信号を出力するように設計されている。多数のシステムは所定の振舞いまたは動作モードを示すように設計されており、かかるシステムの制御要素はしたがって、所定のシステム振舞いが通常の動作条件下で生ずるのを保証するように、伝統的な設計および最適化技術により設計されている。特定のケースでは、多種多様な動作モードがシステムに存在することがあり、当該システムの制御要素は、それに応じて当該システムに対して現在の動作モードを選択し、選択された動作モードに従うように当該システムを制御する必要がある。
米国特許出願第13/269,501号明細書 米国仮特許出願第61/550,345号明細書 米国特許出願第13/279,151号明細書
多種多様なコントローラと自動化システムの理論家、研究者、および開発者は、制御システムに対する柔軟性とインテリジェンスを有するコントローラを製造して、様々な可能な動作モードから現在の動作モードを選択し、制御されるシステムを駆動して選択された動作モードを生成する制御出力を提供するための、コントローラ設計に対するアプローチを求め続けている。
本願は、電子的に格納されたルール、パラメータ、および命令のうち1つまたは複数を含む、センサ出力および電子的に格納された情報を使用して、1つまたは複数の種類のエンティティがインテリジェント・コントローラにより監視される領域、ボリューム、または環境の中に存在するかどうかを判定するインテリジェント・コントローラに関する。インテリジェント・コントローラは、当該1つまたは複数のエンティティの存在および不在に関して、動作モードを選択し、制御スケジュールを修正する。インテリジェント・コントローラは、フィードバック情報を使用して、電子的に格納されたパラメータおよびルールを継続的に調節し、当該1つまたは複数のエンティティの存在または不在に関する不正確な推論の数を最小化し、インテリジェント・コントローラにより制御される様々な種類のシステムが選択された動作モードを実行する効率を最大化する。
スマート・ホーム環境の図である。 スマート・ホーム装置とリモート装置およびシステムとの統合を示す図である。 図2に示す相互通信エンティティの環境での情報処理を示す図である。 本願が関連する一般的なインテリジェント・コントローラを示す図である。 インテリジェント・コントローラの追加的な内部機能を示す図である。 インテリジェント・コントローラ、サーバ・コンピュータ、および他のプロセッサ・ベースのインテリジェント装置およびシステムに含めうるタイプの計算装置の例を表す汎用コンピュータ・アーキテクチャを示す図である。 本願が関連する一般的なインテリジェント・コントローラのインテリジェント・コントローラの機能および特徴を示す図である。 インテリジェント・コントローラが動作する典型的な制御環境を示す図である。 センサ出力の一般的特性を示す図である。 制御動作中にインテリジェント・コントローラにより処理され生成される情報を示す図である。 制御動作中にインテリジェント・コントローラにより処理され生成される情報を示す図である。 制御動作中にインテリジェント・コントローラにより処理され生成される情報を示す図である。 制御動作中にインテリジェント・コントローラにより処理され生成される情報を示す図である。 分散制御環境を示す図である。 環境内部の1組の複数のコントローラの各コントローラに関連付けられる検知および推測の領域を示す図である。 複数のインテリジェント・コントローラにより制御される環境内部の制御領域を示す図である。 1つまたは複数のインテリジェント・コントローラおよび/または当該1つまたは複数のインテリジェント・コントローラにアクセス可能なリモート・コンピュータ・システム内部の様々な種類の電子的に格納された存在確率情報を示す図である。 1つまたは複数のインテリジェント・コントローラおよび/または当該1つまたは複数のインテリジェント・コントローラにアクセス可能なリモート・コンピュータ・システム内部の様々な種類の電子的に格納された存在確率情報を示す図である。 1つまたは複数のインテリジェント・コントローラおよび/または当該1つまたは複数のインテリジェント・コントローラにアクセス可能なリモート・コンピュータ・システム内部の様々な種類の電子的に格納された存在確率情報を示す図である。 計算されたスカラ存在確率値がそれに沿って時間間隔上のカラムとして示される、タイムラインの一部を示す図である。 人間が環境全体の中または部分領域内部または当該環境の特定の点に居るという存在確率を決定するためにインテリジェント・コントローラにより使用できる、多種多様な受信され電子的に格納された情報の一部を示す図である。 インテリジェント・コントローラの動作の制御フロー図である。 存在/不在モデルの変形を示す図である。 存在/不在モデルの変形を示す図である。 図17Aに示す2状態遷移図に従って動作するインテリジェント・コントローラの状態遷移図である。 図17Aに示す2状態遷移図に従って動作するインテリジェント・コントローラの状態遷移図である。 図17Aおよび18Aで用いたのと同様な記法を用いた3存在状態のインテリジェント・コントローラを示す図である。 図17Aおよび18Aで用いたのと同様な記法を用いた3存在状態のインテリジェント・コントローラを示す図である。 環境内部の複数のインテリジェント・コントローラに関するインテリジェント制御の可変な分布度合いを示す図である。 異なる種類の制御スケジュールを示す図である。 異なる種類の制御スケジュールを示す図である。 異なる種類の制御スケジュールを示す図である。 自動制御スケジュール学習の一部として、インテリジェント・コントローラにより受信し実行し、次いで記録して図22A乃至Cに関して上述したような制御スケジュールに重ね合せることができる、即時制御入力の表現を示す図である。 自動制御スケジュール学習の一部として、インテリジェント・コントローラにより受信し実行し、次いで記録して図22A乃至Cに関して上述したような制御スケジュールに重ね合せることができる、即時制御入力の表現を示す図である。 自動制御スケジュール学習の一部として、インテリジェント・コントローラにより受信し実行し、次いで記録して図22A乃至Cに関して上述したような制御スケジュールに重ね合せることができる、即時制御入力の表現を示す図である。 自動制御スケジュール学習の一部として、インテリジェント・コントローラにより受信し実行し、次いで記録して図22A乃至Cに関して上述したような制御スケジュールに重ね合せることができる、即時制御入力の表現を示す図である。 自動制御スケジュール学習の一部として、インテリジェント・コントローラにより受信し実行し、次いで記録して図22A乃至Cに関して上述したような制御スケジュールに重ね合せることができる、即時制御入力の表現を示す図である。 自動制御スケジュール学習の一部として、インテリジェント・コントローラにより受信し実行し、次いで記録して図22A乃至Cに関して上述したような制御スケジュールに重ね合せることができる、即時制御入力の表現を示す図である。 自動制御スケジュール学習の一部として、インテリジェント・コントローラにより受信し実行し、次いで記録して図22A乃至Cに関して上述したような制御スケジュールに重ね合せることができる、即時制御入力の表現を示す図である。 不在事象と制御スケジュールに及ぼすその影響を示す図である。 不在事象と制御スケジュールに及ぼすその影響を示す図である。 不在事象と制御スケジュールに及ぼすその影響を示す図である。 不在事象と制御スケジュールに及ぼすその影響を示す図である。 制御環境または当該制御環境の領域もしくはサブボリュームにおける1人または複数人の人間の存在および/または不在を決定するためにインテリジェント・コントローラにより使用できる多種多様な情報を示す図である。 センサと図16で提供した制御フロー図のステップ1618で呼ばれた存在ルーチンとに関する制御フロー図である。 センサと図16で提供した制御フロー図のステップ1622で呼ばれた存在ルーチンとに関する制御フロー図である。 当該制御フロー図のステップ1622で呼ばれる存在ルーチンの制御フロー図である。 図27Aで提供した制御フロー図のステップ2702で起動される累積的なセンサ・ベースの存在確率計算を実行するルーチンの制御フロー図である。 図27Aで提供した制御フロー図のステップ2704で呼ばれるルール・ベース修正ルーチンに対する制御フロー図である。 スケジュール調整ルーチンの実装例を示す図である。 スケジュール調整ルーチンの実装例を示す図である。 様々な種類の存在関連スケジュール調整を示す図である。 様々な種類の存在関連スケジュール調整を示す図である。 様々な種類の存在関連スケジュール調整を示す図である。 様々な種類の存在関連スケジュール調整を示す図である。 センサの出力から存在確率を計算する際の様々な検討事項の詳細を示す図である。 センサの出力から存在確率を計算する際の様々な検討事項の詳細を示す図である。 センサの出力から存在確率を計算する際の様々な検討事項の詳細を示す図である。 個々のセンサ出力に基づく確率推定の確信度の決定を示す図である。 存在から不在への事象と不在から存在への事象を分離する時間間隔の長さにより、後者の事象が是正的な事象と認められるかどうかを判定できるという事実を示す図である。 存在から不在への事象と不在から存在への事象を分離する時間間隔の長さにより、後者の事象が是正的な事象と認められるかどうかを判定できるという事実を示す図である。 是正的な不在から存在への事象と他の情報を存在確率判定と存在確率判定に関連するスケジュール調整に組み入れるためにインテリジェント・コントローラにより使用できる、存在関連スケジュール調整および存在確率判定に対する様々な変形を示す図である。 多種多様な期間にわたって決定された存在パターンの例を示す図である。 インテリジェント・サーモスタットの斜視図を示す図である。 ユーザにより制御されているインテリジェント・サーモスタットを示す図である。 ユーザにより制御されているインテリジェント・サーモスタットを示す図である。 インテリジェント・サーモスタットとHVACカップリング・ウォールドックの拡大斜視図を示す図である。 インテリジェント・サーモスタットの拡大前面斜視図である。 インテリジェント・サーモスタットの拡大後面斜視図である。 ヘッド・ユニットの拡大前面斜視図である。 ヘッド・ユニットの拡大後面斜視図である。 ヘッド・ユニットの前面部品の拡大前面斜視図である。 ヘッド・ユニットの前面部品の拡大後面斜視図である。 バックプレート・ユニットの拡大前面斜視図である。 バックプレート・ユニットの拡大後面斜視図である。 部分的に組み立てたヘッド・ユニットの斜視図である。 ヘッド・ユニットの回路基板を示す図である。 バックプレートの回路基板の後面図である。 通常のセットポイント温度スケジュールの時間プロットと例示的な自動留守/自動到着方法の動作に対応する実際の動作セットポイントのプロットを示す図である。 通常のセットポイント温度スケジュールの時間プロットと例示的な自動留守/自動到着方法の動作に対応する実際の動作セットポイントのプロットを示す図である。 通常のセットポイント温度スケジュールの時間プロットと例示的な自動留守/自動到着方法の動作に対応する実際の動作セットポイントのプロットを示す図である。 通常のセットポイント温度スケジュールの時間プロットと例示的な自動留守/自動到着方法の動作に対応する実際の動作セットポイントのプロットを示す図である。 調整済みの筐体を分類できる様々な状態を示す図である。 通常の制御スケジュールの時間プロットと自動留守/自動到着方法の動作に対応する実際の動作セットポイントのプロットを示す図である。 通常の制御スケジュールの時間プロットと自動留守/自動到着方法の動作に対応する実際の動作セットポイントのプロットを示す図である。 通常の制御スケジュールの時間プロットと自動留守/自動到着方法の動作に対応する実際の動作セットポイントのプロットを示す図である。 通常の制御スケジュールの時間プロットと自動留守/自動到着方法の動作に対応する実際の動作セットポイントのプロットを示す図である。 通常の制御スケジュールの時間プロットと自動留守/自動到着方法の動作に対応する実際の動作セットポイントのプロットを示す図である。 通常の制御スケジュールの時間プロットと自動留守/自動到着方法の動作に対応する実際の動作セットポイントのプロットを示す図である。 自動留守および/または自動到着のトリガの反復的な事例に関連付けられる占有パターンおよび/または是正的な手動入力パターンに基づく、制御スケジュール修正の1例を示す図である。 自動留守および/または自動到着のトリガの反復的な事例に関連付けられる占有パターンおよび/または是正的な手動入力パターンに基づく、制御スケジュール修正の1例を示す図である。 自動留守および/または自動到着のトリガの反復的な事例に関連付けられる占有パターンおよび/または是正的な手動入力パターンに基づく、制御スケジュール修正の1例を示す図である。 自動留守および/または自動到着のトリガの反復的な事例に関連付けられる占有パターンおよび/または是正的な手動入力パターンに基づく、制御スケジュール修正の1例を示す図である。 調整済みの筐体を分類できる様々な状態を示す図である。 実際の家庭の構成員数による実験データに基づいて、(1)自動留守状態をトリガし、(2)自動留守状態に入るときに自動到着状態を一時的に禁止するための最適な時間閾値を決定することに関するプロット4910および4920を示す図である。 2つの異なるHVACシステムに接続された3つのサーモスタットを有する、住宅のような特定の筐体を示す図である。 マルチサーモスタット設備設定に対する自動留守機能の実装例を示す図である。
本願は、多種多様なデバイス、マシン、システム、および組織に適用できそれらに組み込みうる多種多様な特定の種類のインテリジェント・コントローラを含む、インテリジェント・コントローラにより制御される1つまたは複数のシステムにより影響される1つまたは複数の領域、ボリューム、環境の中の、1つまたは複数の種類のエンティティの存在および不在を決定する一般的なインテリジェント・コントローラに関する。インテリジェント・コントローラは、1つまたは複数の領域、ボリューム、または環境の中の様々なパラメータの何れかに影響を及ぼすように動作するデバイス、マシン、システム、および組織の動作を制御する。本願が関連する一般的なインテリジェント・コントローラは構成要素を含む。当該構成要素により、インテリジェント・コントローラは、1つまたは複数のセンサからの1つまたは複数の出力を用いて1つまたは複数のエンティティの存在および/または不在を直接検知して、エリア、領域、ボリューム内の、または、エリア、領域、およびボリューム内の点における、当該1つまたは複数のエンティティの存在および/または不在を、センサ・ベースの判定ならびに様々な種類の電子的に格納されたデータ、ルール、およびパラメータから推論し、当該エリア、領域、およびボリューム内の当該1つまたは複数のエンティティの存在または不在の推論に基づいて制御スケジュールを調節することができる。本発明の主題は、同一出願人による特許文献1、特許文献2、および特許文献3の主題に関連し、その各々は引用により本明細書に組み込まれる。
本明細書では、存在および/または不在の検出および対応する制御調整に関する方法と諸実施形態に加えて、インテリジェント・サーモスタットコントローラまたはインテリジェント・サーモスタットの具体的な例、本願が関連する一般的なインテリジェント・コントローラが使用する存在および/または不在の検出および制御調整方法の詳細な例の役割を果たす存在および/または不在の検出および対応する制御スケジュール調整の具体的な例を開示する。インテリジェント・サーモスタットは、スマート・ホーム装置の例である。
詳細な説明には3つのサブセクションがある。即ち、(1)スマート・ホーム環境の概要、(2)インテリジェント・コントローラによる存在および/または不在の検出および制御調整、(3)インテリジェント・サーモスタットの状況における存在および/または不在の検出および制御調整である。第1のサブセクションでは、1つまたは複数のエンティティの存在および/または不在を検出しそれに応じて1つまたは複数のシステムの制御を調節するための方法を適用し組み込むための多数の機会を提供する1つの技術領域を説明する。第2のサブセクションでは、第1の一般的な実装を含めて、1つまたは複数のエンティティの存在および/または不在を決定し、それに応じて、当該1つまたは複数のエンティティの決定された存在および/または不在に基づいて1つまたは複数のシステムの制御を調節する一般的なインテリジェント・コントローラの詳細な説明を行う。第3のサブセクションでは、インテリジェント・サーモスタットに組み込んだ存在および/または不在の検出および対応する制御調整方法の具体的な例を提供する。
スマート・ホーム環境の概要
図1はスマート・ホーム環境を示す。スマート・ホーム環境100は、幾つかのインテリジェントなマルチセンシングのネットワーク接続デバイスを備える。これらのスマート・ホーム装置は相互通信し、スマート・ホーム環境内で統合される。当該スマート・ホーム装置は、クラウド・ベースのスマート・ホーム制御および/またはデータ処理システムと通信して、制御機能を分散させ、大容量でより高信頼な計算設備にアクセスし、特定のスマート・ホームを大規模なマルチホームまたは地域スマート・ホーム装置ベースの集約に統合してもよい。
当該スマート・ホーム装置が、1つまたは複数のインテリジェント・サーモスタット102、1つまたは複数のインテリジェント危険検出ユニット104、1つまたは複数のインテリジェント通路インタフェース・デバイス106、スマート・ウォール風スイッチ108を含むスマート・スイッチ、スマート・ユーティリティ・インタフェースおよびスマート・ウォール・プラグ・インタフェース110のような他のサービス・インタフェース、ならびに、冷蔵庫、テレビ、洗濯機、乾燥機、ライト、オーディオ・システム、インターホン・システム、機械式アクチュエータ、壁掛エアコン、プール加熱ユニット、注水システム、および他の多種のインテリジェント機器およびシステムを含む多種多様なインテリジェントなマルチセンシングのネットワーク接続機器112を備えてもよい。
一般に、スマート・ホーム装置は、1つまたは複数の異なる種類のセンサ、1つまたは複数のコントローラおよび/またはアクチュエータ、および当該スマート・ホーム装置をローカル・スマート・ホーム環境内の他のスマート・ホーム装置、ルータ、ブリッジ、およびハブ、多種多様な種類のローカル・コンピュータ・システムに接続し、インターネットに接続する、1つまたは複数の通信インタフェースを備える。当該通信インタフェースを介して、スマート・ホーム装置はクラウド・コンピューティング・サーバおよび他のリモート・コンピューティング・システムと通信することができる。データ通信は一般に、Wi−Fi、ZigBee、6LoWPANのような無線プロトコル、CAT6 Ethernet(登録商標)、HomePlug、および他のかかる有線プロトコルを含む様々な種類の有線プロトコル、ならびに様々な他種の通信プロトコルおよび技術を含む多種多様な通信媒体およびプロトコルを用いて実行される。スマート・ホーム装置はそれ自体、他のスマート・ホーム装置に対するリピータのような中間通信デバイスとして動作してもよい。スマート・ホーム環境はさらに、通信インタフェースおよびプロセッサ・ベースのコントローラを有さない多種多様な種類のレガシ機器およびデバイス140および142を備えてもよい。
図2はスマート・ホーム装置とリモート装置およびシステムとの統合を示す。スマート・ホーム環境200内のスマート・ホーム装置は、3G/4G無線通信204によるインターネット202を介して、ハブ・ネットワーク206を介して、または、他の通信インタフェースおよびプロトコルにより、通信することができる。多種多様なスマート・ホーム関連データ、およびスマート・ホーム・データ208から導出したデータを、クラウド・ベースのリモート・システムを含むリモート・システム210に格納し、そこから取り出すことができる。当該リモート・システムは、スマート・ホーム環境に関する追加の情報およびルールのデータ処理および導出のための様々な種類の統計、推論、およびインデクシング・エンジン212を備えてもよい。格納されたデータを、1つまたは複数の通信媒体およびプロトコルを介して、部分的にまたは全体として、慈善団体214、政府216、学術機関218、企業220、および公共団体222を含む様々なリモート・システムおよび組織に公開することができる。一般に、リモートデータ処理システム210は、スマート・ホーム装置に関連するかまたは住宅所有者、地主、居住者、または他のスマート・ホーム関連のユーザによりリモートデータ処理および他のサービスに関して契約した組織またはベンダにより管理または運用される。当該データをさらに、スマート・ホームの所有者もしくは管理者および/またはリモートデータ処理システム210を運用する民間団体もしくはベンダに代わって、追加の民間団体データ処理システム213により処理してもよい。したがって、外部エンティティは、スマート・ホーム装置がスマート・ホーム環境において収集した情報を収集し、処理し、公開することができ、当該情報を処理して他のリモート・エンティティに通信し他のリモート・エンティティと共有できる様々な種類の導出結果を生成し、スマート・ホーム環境におけるスマート・ホーム装置の監視と制御ならびにスマート・ホーム環境の監視と制御に関与することができる。勿論、多くの場合、スマート・ホーム環境内部からリモート・エンティティへの情報の公開を、暗号化、アクセス権限、認証、および他の周知技術を用いて厳密に制御し制限して、当該スマート・ホーム管理者および/または当該リモートデータ処理システムにより機密とみなされた情報が意図的にまたは意図せずさらに外部の計算設備、エンティティ、組織、および個人に利用可能とならないことを保証してもよい。
図3は、図2に示す相互通信エンティティの環境内部の情報処理を示す。外部データ処理システム210内部の様々な処理エンジン212が、管理サービス302、様々な種類の広告通信304、ソーシャルネットワーキング交換および他の電子的ソーシャル通信306の提供を含む多種多様な目的に関してデータを処理し、様々な種類の監視ルール生成行動308のためにデータを処理することができる。様々な処理エンジン212は、スマート・ホーム装置310乃至313と直接的または間接的に通信する。スマート・ホーム装置310乃至313の各々が、データ消費者(「DC」)、データソース(「DS」)、サービス消費者(「SC」)、およびサービス・ソース(「SS」)の特徴を有してもよい。さらに、処理エンジンが、インターネット、様々なリモート情報ソース、ならびにリモート・センサ、オーディオ、およびビデオ・フィードおよびソースを介して得られた情報を含む、様々な他種の外部情報316にアクセスしてもよい。
インテリジェント・コントローラによる存在および/または不在の検出および制御調整
図4は本願が関連する一般的なインテリジェント・コントローラを示す。インテリジェント・コントローラ402は、多種多様な種類の出力制御信号の何れかを介してデバイス、マシン、システム、または組織404を制御し、制御されるエンティティおよび環境に関する情報を、制御されるエンティティ404、インテリジェント・コントローラ402、または当該環境に埋め込んだセンサからインテリジェント・コントローラが受信したセンサ出力から、受信する。図4において、インテリジェント・コントローラは、有線またはファイバ・ベースの通信媒体406を介して、制御されるエンティティ404に接続されるとして示されている。しかし、インテリジェント・コントローラを、無線通信を含む代替的な種類の通信媒体および通信プロトコルにより、制御されるエンティティと相互接続してもよい。多くの場合、インテリジェント・コントローラと、制御されるエンティティを、インテリジェント・コントローラとインテリジェント・コントローラにより制御されるマシン、デバイス、システム、または組織との両方を備えた単一のシステムとして実装しパッケージ化してもよい。当該制御されるエンティティが複数のデバイス、マシン、システム、または組織を含んでもよく、インテリジェント・コントローラ自体を複数の構成要素ならびに離散的なデバイスおよびシステムの間で分散させてもよい。制御信号を制御されるエンティティに出力しセンサ入力を受信することに加えて、インテリジェント・コントローラはユーザインタフェース410乃至413も提供する。ユーザインタフェース410乃至413を介して、人間のユーザは、即時制御入力をインテリジェント・コントローラに入力し、様々な種類の制御スケジュールを生成および修正することができ、即時制御およびスケジュール・インタフェースを、ユーザ操作型処理装置またはリモート自動制御システムを含むリモート・エンティティに提供することができる。図4において、インテリジェント・コントローラは、制御スケジュール416を表示し幾つかの入力構成要素411乃至413を備えるグラフィカル・ディスプレイ・コンポーネント410を提供する。入力構成要素411乃至413は、即時制御指令をインテリジェント・コントローラに入力するためのユーザインタフェースを提供する。当該即時制御指令は、制御されるエンティティを制御し、1つまたは複数の制御スケジュールの表示、制御スケジュールの生成、および制御スケジュールの修正を制御するスケジューリング・インタフェース・コマンドの入力を制御するためのものである。
纏めると、現在着目する一般的なインテリジェント・コントローラは、センサ入力を受け取り、制御信号を1つまたは複数の制御されるエンティティに出力し、ユーザ・インタフェースを提供する。当該ユーザ・インタフェースは、ユーザが即時制御コマンド入力をインテリジェント・コントローラに入力しインテリジェント・コントローラが出力制御信号へと変換できるようにし、1つまたは複数の期間にわたる制御されるエンティティの望ましい動作振舞いを規定する1つまたは複数の制御スケジュールを作成し修正できるようにする。当該ユーザインタフェースを、入力装置および表示装置としてインテリジェント・コントローラ内に含め、モバイル電話を含むリモート装置を介して提供するか、または、コントローラ常駐型のコンポーネントおよびリモート装置の両方を介して提供してもよい。一般的なインテリジェント・コントローラのこれらの基本的な機能と特徴は、本願が関連する自動制御スケジュール学習を実装できる基礎をもたらす。
図5はインテリジェント・コントローラの追加の内部機能を示す。インテリジェント・コントローラは一般に、1つまたは複数のプロセッサ502、電子メモリ504乃至507、マイクロコントローラ512を含む様々な種類のマイクロコントローラ510乃至512、および送受信器514を用いて実装される。これらは一体となって通信ポートを実現する。当該通信ポートにより、インテリジェント・コントローラは、データとコマンドを、インテリジェント・コントローラにより制御される1つまたは複数のエンティティ、他のインテリジェント・コントローラ、およびクラウド・コンピューティング設備を含む様々なリモート・コンピューティング設備と、クラウド・コンピューティング・サーバを介して交換することができる。しばしば、インテリジェント・コントローラは、多種多様な通信ポートと、異なる種類の通信媒体を介して多種多様なプロトコルにより通信するためのインタフェースとを備える。インテリジェント・コントローラが、例えば、無線通信を用いて環境内の他の無線可能インテリジェント・コントローラと通信し、モバイル通信キャリアならびに任意の様々な有線通信プロトコルおよび媒体と通信するのが一般的である。特定のケースでは、インテリジェント・コントローラは、特に制御されるエンティティと単一のシステムとしてパッケージ化されるとき、1種類の通信プロトコルのみを使用してもよい。インテリジェント・コントローラ内の電子メモリが揮発性および不揮発性メモリの両方を含んでもよい。低レイテンシで高速の揮発性メモリは、1つまたは複数のプロセッサによる制御ルーチンの実行を促進し、低速の不揮発性メモリは、パワーオン/パワーオフのサイクルに耐える必要がある制御ルーチンやデータを格納する。特定の種類のインテリジェント・コントローラがさらに大容量記憶装置を備えてもよい。
図6は、インテリジェント・コントローラ、サーバ・コンピュータ、および他のプロセッサ・ベースのインテリジェント装置およびシステムに含めうるタイプの計算システムの例を表す汎用コンピュータ・アーキテクチャを示す。当該計算システムは、1つまたは複数の中央演算装置(「CPU」)602乃至605、CPU/メモリサブシステムバス610または複数のバスによりCPUに相互接続された1つまたは複数の電子メモリ608、CPU/メモリサブシステムバス610を追加のバス614および616ならびに/または複数の高速シリアル相互接続を含む他種の高速の相互接続媒体と相互接続する第1のブリッジ612を備える。これらのバスおよび/またはシリアル相互接続は、CPUおよびメモリを、グラフィック・プロセッサ618のような特殊プロセッサおよび1つまたは複数の追加のブリッジ620と接続させる。1つまたは複数の追加のブリッジ620は、高速のシリアルリンクまたはコントローラ627のような複数のコントローラ622乃至627と相互接続され、多種多様な種類の大容量記憶装置628、電子ディスプレイ、入力装置、および他のかかる構成要素、サブ構成要素、および計算リソースへのアクセスを提供する。
図7は、本願が関連する一般的なインテリジェント・コントローラのインテリジェント・コントローラの特徴および特性を示す。インテリジェント・コントローラは、様々な種類の電子メモリおよび/または大容量記憶装置を含む、物理データ記憶構成要素に格納されたコンピュータ命令により制御される電子回路およびプロセッサ・ベースの計算構成要素として一般に実装されるコントローラ・ロジック702を備える。最初に、物理データ記憶装置に格納されプロセッサ内で実行されるコンピュータ命令は、多種多様な近代的なデバイス、マシン、およびシステムの制御要素を含み、デバイス、マシン、またはシステムの他の任意のコンポーネントと同様に有形であり、物理的であり、現実的であることに留意されたい。しばしば、コンピュータ命令で実装された制御論理が「ソフトウェアにすぎない」かまたは抽象的なものであり物理マシンの構成要素より有形でないことを示唆する文言に遭遇する。現代の科学や技術に精通する者には、これが当てはまらないことは分かる。プロセッサにより実行されるコンピュータ命令は物理デバイスに格納された物理的な実体であるはずである。そうでなければ、プロセッサは当該命令にアクセスし実行することはできない。「ソフトウェア」という用語を、プログラミング言語のステートメントの印刷物または表示リストのような、プログラムまたはルーチンの記号表現に適用できるが、かかるコンピュータ・プログラムの記号表現はプロセッサによっては実行されない。そうではなく、プロセッサは、物理データ記憶装置において物理的状態で記憶されたコンピュータ命令をフェッチし実行するのである。同様に、コンピュータ可読媒体は、ディスク、メモリ、および大容量記憶装置のような物理データ記憶媒体である。当該物理データ記憶媒体は、後で当該物理データ記憶媒体により取り出せる有形で物理的な形でデータを格納する。
当該コントローラ・ロジックは、多種多様な種類の格納された情報および入力にアクセスしそれを使用して、1つまたは複数の制御されるエンティティの動作振舞いを制御する出力制御信号704を生成する。当該コントローラ・ロジックにより使用される情報は、1つまたは複数の格納された制御スケジュール706、1つまたは複数のセンサ708乃至710から受信された出力、即時制御インタフェース712を通じて受信された即時制御入力、クラウド・ベースのデータ処理システム713を含むリモートデータ処理システムから受信されたデータ、コマンド、および他の情報を含んでもよい。制御出力704を生成することに加えて、当該コントローラ・ロジックは、ユーザが制御スケジュールを作成し修正できるようにするインタフェース714を提供し、データや情報をリモート・エンティティ、他のインテリジェント・コントローラに出力し、情報出力インタフェースを介してユーザに提供してもよい。
図8は、インテリジェント・コントローラが内部で動作する典型的な制御環境を示す。上述のように、インテリジェント・コントローラ802は、ユーザまたは他のエンティティ804から制御入力を受け取り、当該制御入力を、格納された制御スケジュールや他の情報とともに使用して、1つまたは複数の制御されるエンティティ808の動作を制御する出力制御信号805を生成する。制御されるエンティティの動作により、センサ810乃至812が埋め込まれた環境を変更してもよい。当該センサは、センサ出力またはフィードバックをインテリジェント・コントローラ802に返す。当該フィードバックに基づいて、インテリジェント・コントローラは出力制御信号を修正して、制御システム動作に関する指定の目標または目的を達成する。基本的には、インテリジェント・コントローラは、2つの異なるフィードバックループに従って当該出力制御信号を修正する。最初の最も直接的なフィードバックループは、後続の出力制御信号または制御出力修正を決定して制御システム動作の所望の目標を達成するために当該コントローラが使用できる、センサからの出力を含む。多くの場合、第2のフィードバックループはユーザへの環境フィードバックまたは他のフィードバック816を含む。ユーザは次いで、後続のユーザ制御とインテリジェント・コントローラ802へのスケジューリング入力を引き起こす。換言すれば、ユーザを、生のセンサ出力ではなく即時制御指令や制御スケジュールの変化を出力する別のタイプのセンサとみなすか、または、高レベルなフィードバックループのコンポーネントとみなすことができる。
多種多様なセンサやセンサ出力が存在する。一般に、センサ出力は直接的または間接的に数種のパラメータ、マシン状態、組織状態、計算状態、または物理環境パラメータに関連する。図9はセンサ出力の一般特性を示す。図9の第1のプロット902に示すように、センサは、垂直軸906に関してプロットされた、曲線904で表した信号を出力してもよく、時間とともに、当該信号は直接的にまたは間接的にパラメータPに関連する。当該センサは連続的にまたは間隔をおいて信号を出力してもよく、出力の時刻は水平軸908に関してプロットされる。特定のケースでは、センサ出力が2つ以上のパラメータに関連してもよい。例えば、プロット910で、センサ出力値は直接的にまたは間接的に2つの異なるパラメータP1およびP2に関連し、これらは軸912および914に関してそれぞれ長時間にわたってプロットされ、垂直軸916に関してプロットされる。以下の説明では、例示と説明の簡単さのため、図9のプロット902と同様に、単一のパラメータに直接的にまたは間接的に関連する出力をセンサが生成すると仮定する。以下の説明では、当該センサ出力が、パラメータPに関する1組のパラメータ値であると仮定する。当該パラメータが、温度、周辺光レベル、音レベル、および他のかかる特性のような環境条件に関連してもよい。しかし、当該パラメータが、マシン構成要素の位置、データ記憶装置におけるメモリ記憶アドレスのデータ状態、電源から流出した電流、気体または流体の流速、気体または流体の圧力、および制御のための有用な情報を含む多種多様なパラメータであってもよい。
図10A乃至Dは、制御動作中にインテリジェント・コントローラにより処理され生成される情報を示す。当該図面の全ては図9のプロット902と同様なプロットを示し、パラメータの値または別の組の制御関連値が垂直軸に関してプロットされ、時間が水平軸に関してプロットされる。図10Aは、制御されるエンティティ動作の結果に対する理想的な仕様を示す。図10Aの垂直軸1002は指定パラメータ値Psを表す。例えば、インテリジェント・サーモスタットの場合、指定パラメータ値が温度であってもよい。注水システムの場合、対照的に、当該指定パラメータ値が流速であってもよい。図10Aは、インテリジェント・コントローラが時間とともに1つまたは複数のデバイス、マシン、またはシステムの制御を通じて実現しようとする所望のパラメータ値を表す連続曲線1004のプロットである。当該仕様は、当該パラメータ値が最初は低い値1006であり、次に相対的に高い値1008に上昇し、中間値1010に低下し、再び高い値1012に上昇するのが望ましいことを示す。制御仕様を例えば制御スケジュールとしてユーザに視覚的に表示することができる。
セットポイント変化を、複数のフィールドを有するレコードとして記憶してもよい。当該フィールドは、当該セットポイント変化がシステム生成のセットポイントであるかまたはユーザ作成のセットポイントであるか、当該セットポイント変化が即時制御入力セットポイント変化であるかまたはスケジュールされたセットポイント変化であるか、当該セットポイント変化の生成日時、当該セットポイント変化の最終編集日時を示すフィールド、および他のかかるフィールドを含む。さらに、セットポイントを2つ以上のパラメータ値に関連付けてもよい。1例として、範囲セットポイントが、インテリジェント・コントローラがその中で制御環境を維持すべきパラメータ値の範囲を示してもよい。セットポイント変化をしばしば「セットポイント」と称する。
図10Bは、図10Aに示す制御仕様に対応する制御スケジュールの代替的な図または符号化データ図を示す。当該制御スケジュールは、図10Aのエッジ1018に対応するパラメータ値上昇1016、図10Aのエッジ1022に対応するパラメータ値減少1020、および図10Aのエッジ1016に対応するパラメータ値上昇1024の表示を含む。図10Bにプロットした有向矢印を、セットポイント、または幾つかの期間における特定の時点での所望のパラメータ変化の表示と考えることができる。
図10Cは、図10Bに示す制御スケジュールから生じうるインテリジェント・コントローラによる制御出力を示す。本図では、出力制御信号の大きさを垂直軸1026に関してプロットしてある。例えば、制御出力が、インテリジェント・サーモスタットにより暖房ユニットに出力された電圧信号であってもよい。高電圧信号は、暖房ユニットが現在動作しているべきであることを示し、低電圧出力は、暖房システムが動作していないべきでないことを示す。図10Cのエッジ1028は、図10Bのセットポイント1016に対応する。正の制御出力1030の幅は、セットポイント矢印1016の長さにより示される、所望のパラメータ値変化の長さまたは大きさに関連してもよい。当該所望のパラメータ値が得られると、インテリジェント・コントローラは、エッジ1032により表されるように、高電圧信号の出力を中止する。同様な正の出力制御信号1034および1036は図10Bのセットポイント1020および1024により引き出される。
最後に、図10Dは、インテリジェント・コントローラによる1つまたは複数の制御されるエンティティの制御から生じる、センサ出力により示される観測されたパラメータ変化を示す。図10Dにおいて、直接的にまたは間接的にパラメータPに関連するセンサ出力が垂直軸1040に関してプロットされている。この観測されたパラメータ値は平滑な連続曲線1042により表される。図10Aでプロットされた初期仕様曲線に当該連続曲線が関連するように見えるが、観測された曲線は正確には当該仕様曲線とは一致しない。先ず、図10Bでプロットされた制御スケジュール内のセットポイント1016により表されたパラメータ値の変化を当該制御されるエンティティが実現するには一定の時間1044がかかるかもしれない。また、当該パラメータ値が取得され、制御されるエンティティが動作を中止するように指示されると、当該パラメータ値は低下し始め(1046)、所望のパラメータ値を維持するために、制御されるエンティティの動作を再開するためのフィードバック初期化制御出力が生ずる。したがって、図10Aの所望の高レベルな一定のパラメータ値1008は実際には、最終的に、厳密には制御仕様1004に対応しない時間変化曲線1048となりうる。図8を参照して説明した、フィードバックの第1のレベルをインテリジェント・コントローラにより使用して1つまたは複数の制御エンティティを制御する。その結果、観測されたパラメータ値は、時間とともに、図10Dに示すように、図10Aのパラメータの指定された時間的振舞いに可能な限り一致する。図8を参照して上述した第2のレベルのフィードバック制御ループが、ユーザの所望の動作結果を反映するパラメータ値/時間曲線を生成する修正された仕様を生成するために、格納された制御スケジュールを変更するかまたは即時制御指令を入力することによって、長時間にわたるユーザによる図10Aに示した仕様の変更を含んでもよい。
多種類の制御されるエンティティおよび関連するコントローラが存在する。特定のケースでは、制御出力が、当該制御されるエンティティが現在動作しているかどうかの表示、ならびに、当該制御されるエンティティが動作しているときの動作のレベル、スループット、または出力の表示の両方を含んでもよい。他のケースでは、制御出力が単純に二値の起動/停止信号であってもよい。例示と説明の簡単さのため、以下の説明では後者のタイプの制御出力を想定する。
図11は分散制御環境を示す。図4乃至8を参照して上述したインテリジェント・コントローラを、インテリジェント・コントローラにより制御されるシステムを含むかまたはそれにより操作される環境内の単一のコントローラの状況で説明する。しかし、図11に示すように、特定の実装形態では、複数のインテリジェント・コントローラ1102乃至1104は、リモート・コンピューティング・システム1106と協調して、複数のインテリジェント・コントローラが配置される環境で動作するかまたは当該複数のインテリジェント・コントローラによりリモートで制御される1つまたは複数のシステムを一体的に制御してもよい。さらに以下で説明するように、当該複数のインテリジェント・コントローラは、様々な度合いの制御分布および協調で1つまたは複数のシステムを制御してもよい。一般に、図11の両矢印1108のような両矢印で示すように、各インテリジェント・コントローラは当該複数のインテリジェント・コントローラの残りのインテリジェント・コントローラとデータを交換し、インテリジェント・コントローラの全てはリモート・コンピューティング・システムとデータを交換する。特定のケースでは、複数のコントローラの1つまたは一部が、当該複数のインテリジェント・コントローラの残りのインテリジェント・コントローラに代わってローカルルータまたはブリッジとして動作する。その結果、第1のインテリジェント・コントローラからターゲットのインテリジェント・コントローラまたはターゲットのリモート・コンピューティング・システムに送信されたデータとメッセージを、当該ターゲットに対するルータまたはブリッジとして動作する第2のインテリジェント・コントローラに送信し、当該第2のインテリジェント・コントローラにより転送することができる。
図12は、環境内部の1組の複数のコントローラの各コントローラに関連付けられる検知および推測の領域を示す。当該複数のコントローラにより制御される環境は、図12において、外側の点線の長方形1202により表される。当該環境は3つのコントローラ1204乃至1206を含む。特定の実装形態では、インテリジェント・コントローラではなく、当該環境が、対応するリモート・インテリジェント・コントローラと通信するセンサを含む。この説明では、説明を簡単にするために、インテリジェント・コントローラがそれが制御する環境内に存在するとして説明するが、上述のステートメントで示したように、それが制御する環境外に物理的に配置されてもよい。各コントローラは、1つまたは複数のセンサを使用して、当該コントローラが直接知覚領域内の環境の特性またはパラメータを直接的に測定または検出できるようにするセンサ出力を受信する。コントローラc1 1204の直接知覚領域を斜交平行ディスク形領域1208として示す。コントローラc2およびc3に対する直接知覚領域も同様に、それぞれ斜交平行ディスク形領域1210および1212として示されている。図12に示す環境では、各コントローラは、当該環境の特性とパラメータを直接測定するか、または、知覚領域内の環境の特性とパラメータを推論する役割を担ってもよい。図12において、3つのコントローラの知覚領域は点線により示され、対応する直接知覚領域を含む。例えば、コントローラc2の知覚領域は環境境界1202と点線1214乃至1217により画される。図12から分かるように、異なるコントローラに対応する直接知覚領域と知覚領域の両方が重複してもよい。例えば、二重斜交平行領域1220はコントローラc1 1204とc3 1206に関連付けられる直接知覚領域の重なりを表す。同様に、点線セグメント1222乃至1224により画される領域は、コントローラc1およびc3に関連付けられる知覚領域の重なりを表す。
図12は、複数のインテリジェント・コントローラを有する環境の分散制御に複雑な検討事項を関連付けてもよいことを示す。インテリジェント・コントローラが、上で「直接知覚領域」と称したインテリジェント・コントローラによりセンサを通じて直接アクセス可能な領域を超える、上でインテリジェント・コントローラに関連付けられる「知覚領域」と称した環境の部分を検知する役割を果たしてもよい。知覚領域に関する制御決定に必要な様々な種類の判定を提供するために、インテリジェント・コントローラは、様々なルールおよび差別化技術を使用して、センサ出力に基づく判定をより広い知覚領域に拡大してもよい。インテリジェント・コントローラが複数のセンサを含むとき、インテリジェント・コントローラはまた、複数のセンサのセンサ出力における不一致に関して様々な種類の確率判定を実行してもよく、センサ出力から推論した環境特性およびパラメータの独立な判定によりセンサデータを連続的に較正し検証してもよい。複数のコントローラに関連付けられる知覚領域および直接知覚領域が重複するとき、分散制御が、複数のコントローラによる複数の判定を使用することと、矛盾する判定を解決することを含んでもよい。多くの場合、1つのコントローラが利用できる不完全なセンサデータに基づくいて当該コントローラが行った推論を、他のインテリジェント・コントローラが提供した判定に関連する補完データで強化してもよい。
図13は、複数のインテリジェント・コントローラにより制御される環境内部の制御領域を示す。図12と図13に示す環境では、3つのインテリジェント・コントローラ1204乃至1206の各々は制御領域に関連付けられ、これを平行線模様で示す。図13に示す例では、インテリジェント・コントローラ1204乃至1206に関連付けられた3つの制御領域1302乃至1304はそれぞれ長方形である。インテリジェント・コントローラc1 1204とc3 1206に関連付けられた制御領域は第1の二重斜交平行領域1308と重複し、コントローラc2 1205とc3 1206に関連付けられた制御領域は第2の二重斜交平行領域1310で重複する。
制御領域の概念は複数のインテリジェント・コントローラによる環境の分散制御にさらに複雑性をもたらす。インテリジェント・コントローラは、センサデータと、制御スケジュール、履歴センサデータを含む電子的に格納された情報とからの当該環境の様々な特性およびパラメータの判定、および、環境特性とパラメータの履歴判定を使用して、1つまたは複数のシステムをインテリジェントに制御してインテリジェント・コントローラに関連付けられる制御領域内の所望の特性およびパラメータを提供する。しかし、制御領域が重複することがあり、図13の領域1312のような環境の部分が1つまたは複数のシステムの制御を通じた任意のインテリジェント・コントローラによる直接制御を受けないこともあるので、環境にわたるインテリジェント分散制御を提供するために多くの複雑な分散制御判定が行われ多くのトレードオフが考慮される。1例として、インテリジェント・コントローラc1およびc3は最終的に、その個々の制御領域を準最適に制御して、許容できない特性およびパラメータ値がその制御領域の間の重複領域1308で生ずるのを防止してもよい。さらに、制御領域は知覚領域と厳密には共存できないので、複雑な制御の判定を行って、個々の制御領域の外部の環境部分を間接的に制御してもよい。
図12および13では、直接知覚の当該領域、知覚領域、および制御領域を環境内の領域として示してある。特定のインテリジェント制御問題の領域では、直接知覚の領域、知覚領域、および制御領域が大きな環境ボリューム内の部分ボリュームであってもよい。例えば、一階建て住宅を住宅領域全体における領域の観点から適切に説明でき、多層階のアパートは、多層階アパート内の全てのアパートを含む大きなボリューム内の部分ボリュームを考慮することを要してもよい。以下の説明では、説明を明確にし簡単にするために、インテリジェント制御のボリューム図ではなく領域図を使用する。
本願はインテリジェント・コントローラに関する。インテリジェント・コントローラは、その環境内の関連する知覚領域内の1つまたは複数の異なる種類のエンティティの存在を直接的および間接的に検知し、単体で、または、他のインテリジェント・コントローラおよび/またはリモート・コンピュータと分散方式で、制御スケジュール調整を行い、当該1つまたは複数のエンティティが環境内に存在するか存在しないかに応じて、全体として、または、当該環境の特定の部分において、追加の行動およびタスクを実施してもよい。以下の説明では、1例として、インテリジェント・コントローラにより制御される環境内の人間の存在を判定するインテリジェント・コントローラを説明する。しかし、様々な他種のエンティティの何れかの存在または不在をインテリジェント・コントローラにより検出して、当該検出結果を用いて制御スケジュールを調節するかまたは追加の行動を開始してもよい。例えば、製造環境におけるインテリジェント・コントローラが、自動組立段階内またはその付近での部品の存在を検出し、それに応じて自動組立段階を制御して当該部品に対する様々な製造プロセスを実行してもよい。様々な種類の自動車交通関連のインテリジェント・コントローラが、特定の領域における自動車の存在または不在を検出し、それに応じて制御信号光、跳ね橋、街路照明、および他のデバイスおよびシステムを制御してもよい。
環境または環境の一部における人間の存在および/または不在を検出するインテリジェント・コントローラは一般に、夫々の新たなセンサの読み取りの後、センサ読取値において閾値レベルが正規の間隔で変化した後、タイマが切れた後、または割込みを処理した後、または他の多数の時間的な基準で、連続的に更新された存在確率マップまたはスカラ存在確率の表示を、当該確率マップまたはスカラ表示を更新することを含めて、連続的な更新により構築し維持する。当該存在確率マップまたはスカラ表示を次いで、制御スケジュールの調節と、インテリジェント・コントローラが制御する環境全体または環境の領域における人間の存在または不在に応じて様々な制御動作の何れかを開始するために使用する。「存在確率」という用語は1つまたは複数のエンティティが領域もしくはボリュームに存在する確率または1つまたは複数のエンティティが領域もしくはボリュームに存在しない確率の何れかを指し、交互に確率区間[0、1]の極値に等しいくてもよいことに留意されたい。
図14A乃至Cは、1つまたは複数のインテリジェント・コントローラおよび/または当該1つまたは複数のインテリジェント・コントローラにアクセス可能なリモート・コンピュータ・システム内部の様々な種類の電子的に格納された存在確率情報を示す。図14Aは、インテリジェント・コントローラに関連付けられた環境の領域に対する存在確率マップを示す。図14Aに示す例では、領域1402は長方形であり、当該領域内の点はx軸1404とy軸1406を含む長方形デカルト座標系の座標で示される。垂直軸1408は、人間が領域1402内の位置(x、y)に存在する確率P(x、y)を表す。一般に、当該領域を格子式に部分領域1410のような最小粒度の部分領域の2次元行列に分割してもよい。非零の存在確率に関連付けられるこれらの部分領域では、部分領域から立ち上がるカラムの高さは、人間が現在その部分領域内に存在する確率を表す。したがって、図14Aに示す例では、存在確率マップで表される領域1402内の第1の部分領域1412および第2の部分領域1414内に人間が存在する非零の確率が存在する。多くの場合、存在確率マップ全体のカラムボリュームの統合により範囲[0、1]に入る環境全体の累積存在確率が提供されるように当該確率マップが正規化される。しかし、他種の正規化が可能であり、多くの制御判定では正規化は必要でない。
図14Bは別の種類の存在確率マップを示す。図14Bに示す存在確率マップ1420では、インテリジェント・コントローラにより制御される環境全体または環境の部分を表す長方形1422は部分領域1424乃至1428に細分割されている。当該存在確率マップでは、部分領域から立ち上がるカラムの高さ1430は、人間がその部分領域に存在する確率を表す。一般に、この第2のタイプの存在確率マップは図14Aに示す存在確率マップよりも粒度が粗く、最小粒度の部分領域は、当該存在確率マップにより記述される領域または環境1422においてその大きさが規則的に定められるかまたは規則的に配置される。1例として、この種の存在確率マップを居住環境に使用してもよい。各部分領域は住宅内の部屋に対応する。
一般に、上述のように、インテリジェント・コントローラは、長時間にわたって存在確率マップを保持し、間隔をおいて存在確率マップを調節して、現在のセンサ読取値、履歴、電子的に格納された情報、およびリモートソースから得られた情報に基づいて、人間が当該マップの部分領域に存在する存在確率の最良な推定値を反映する。図14Cは、長時間にわたってインテリジェント・コントローラにより維持される存在確率マップを示す。水平時間軸1444に沿ってt1440、t1441、およびt1442とラベルを付した時点を含む様々な時点の各々で、インテリジェント・コントローラは、時点t、t、およびtに対応する存在確率マップ1446乃至1448を含む存在確率マップを用意している。
特定のケースでは、1つまたは複数のインテリジェント・コントローラが、単一の人間が環境全体内に居る存在確率のスカラ判定を行い、長時間にわたって間隔をおいてスカラ存在確率値を計算してもよい。
図14Dは、計算されたスカラ存在確率値がそれに沿って時間間隔上のカラムとして示されるタイムラインの一部1460を示す。
インテリジェント・コントローラは、多種多様な受信されかつ/または電子的に格納されたデータの何れかを使用して、図4A乃至Dを参照して上述した存在確率マップおよびスカラ値を構築してもよい。図15は、人間が環境全体の中または部分領域の内部または当該環境の特定の地点に居るという存在確率を決定するためにインテリジェント・コントローラにより使用できる、多種多様な受信され電子的に格納された情報の一部を示す。図15において、長方形1502はインテリジェント・コントローラを表す。空の円1504のような空の円はセンサを表す。矢印1516のような矢印はデータ入力を表す。リモート情報およびデータソースからのセンサデータおよびデータ入力に加えて、インテリジェント・コントローラはまた、履歴センサデータ、現在のものではない存在確率スカラおよびマップ、人間の存在および/または不在の履歴判定、制御スケジュール、制御入力、および他の多数の異なる種類のデータを含む、多種多様なデータ1520を内部的に格納してもよい。
環境内の人間の存在または不在に関して判定を行うのに有用な様々な種類のセンサには、近接性検出器1504、パッシブ赤外線(「PIR」)移動検出器1505、他種の移動検出器1506、マイクロフォンまたは他種の音検出器1507、電荷結合検出器(「CCD」)または低解像度デジタル・カメラ1508、熱電対またはサーモカップル1509、二酸化炭素センサ1510、水蒸気検出器1511、圧力センサ1512、様々な種類の流量計1513、ホームセキュリティシステム1514内のセキュリティ/侵入検出器、および磁界と電界1515を検知する様々な種類の電界センサが含まれる。近接性検出器には、静電容量、静電容量変位、導電性、磁気、光、熱、音波、および他種のセンサを含む、多種多様な異なる種類のセンサが含まれる。PIR移動検出器センサは、生物が発する赤外線放射に基づいて温度の突発的な変化を検出する。他種の移動検出器には超音波、マイクロ波、および断層移動検出器が含まれる。音検出器は、人間の存在を示す様々な種類の音または音パターンを検出することができる。低解像度カメラおよびCCDデバイスは、移動物体による周辺光の変化を含む、周辺光の変化を検出してもよい。熱電対およびサーモカップルを使用して、人間および他の生体の存在と相関する温度変化を検出することができる。同様に、二酸化炭素および水蒸気検出器が、人間および他の生物が吐き出す気体を検出してもよい。圧力センサが、大気を通じた、ドア、窓の開閉、大きな物体の移動に起因する環境内の圧力変化、および他のかかる圧力変化を検出してもよい。流量計は、水、天然ガス、および人間の積極的な制御のもとで流れる他の気体および液体の流量を検出してもよい。様々な種類のセキュリティ・システムの侵入検出器を使用して占有者の環境への出入りを検出してもよい。電界センサが、環境を通じた人間の存在または人間の移動と相関する電界の時間変化を検出してもよい。
インテリジェント・コントローラは、人間の存在を示す環境内の様々なスマート機器ならびに位置監視モバイル電話および他のかかる機器1516からデータ入力を受け取り、存在および/または不在情報を収集できる様々なインターネット・リソース1517から情報を受信し、リモート・コンピュータ・システム1518、例えば、様々なインテリジェント制御タスクとデータが分散されたリモート・コンピュータ・システム、および複数のインテリジェント・コントローラにより制御される環境内の他のインテリジェント・コントローラを含む様々なリモートコントローラ1519から情報を受信してもよい。
図16はインテリジェント・コントローラの動作に関する制御フロー図を示す。一般に、インテリジェント・コントローラは、高レベルで、事象ハンドラまたは事象ループの状況において連続的に動作する。ステップ1602で、インテリジェント・コントローラは次の制御事象を待機する。次の制御事象が生じたとき、一連の条件文において、インテリジェント・コントローラはその事象のタイプを決定し、対応する制御ルーチンを起動する。ステップ1604で決定されるように、即時制御事象の場合、インテリジェント・コントローラはステップ1606で即時制御ルーチンを呼び出して、ユーザ対話のうちインテリジェント・コントローラの部分を実行して、制御信号を送信し、制御スケジュールを調節し、かつ/またはユーザにより即時制御インタフェースを介して規定された他の行動を実行するようにインテリジェント・コントローラに指示する、1つまたは複数の即時制御入力を受信する。ステップ1608で決定されるように、取るべき制御行動を制御スケジュールが規定する時刻に現在時刻が対応するときのような、制御事象がスケジュールされた制御事象である場合には、スケジュール制御ルーチンをステップ1610で呼び出して、当該スケジュールされた制御事象を実行する。ステップ1612で決定されるように、当該制御事象がスケジュール・インタフェース事象であるとき、インテリジェント・コントローラはステップ1614でスケジュール対話ルーチンを起動して、スケジュール・インタフェースを通じたスケジュール入力またはユーザとのスケジュール変更の対話のうちインテリジェント・コントローラの部分を実行する。ステップ1616で決定されるように、当該制御事象がセンサ事象であるである場合には、ステップ1618ででセンサルーチンをインテリジェント・コントローラにより呼び出して当該センサ事象を処理する。センサ事象は、センサ出力の変化の結果としてセンサにより生成される割込み、インテリジェント・コントローラを起動して次のスケジュールされたセンサ−データ処理間隔のセンサ・データを処理するように設定されたタイマが切れたこと、および他のかかる種類の事象を含んでもよい。ステップ1620で決定されるように、当該事象が存在事象であるとき、インテリジェント・コントローラはステップ1622で存在ルーチンを呼び出す。存在事象とは一般に、タイマが切れたこと、割込み、または次の現在の確率存在スカラ値を決定するかまたは次の現在の確率存在マップを構築する時点であることをインテリジェント・コントローラに知らせる他のかかる事象である。図16の省略記号1624で示すように、様々な種類のエラー事象、通信事象、パワーオンおよびパワーオフ事象、およびインテリジェント・コントローラの内部的に設定された構成要素により生成された様々な事象を含む、多数のさらなる種類の制御事象が発生してもよく、インテリジェント・コントローラにより処理してもよい。
検出された人間の存在および/または不在にどのように多種多様なインテリジェント・コントローラが応答するかを説明する多種多様なモデルが存在する。上述のように、インテリジェント・コントローラの動作の間、インテリジェント・コントローラは多種多様な異なる種類の電子的に格納されたデータおよび入力データを連続的に評価して、インテリジェント・コントローラが制御する環境内の1つまたは複数の領域の各々における格納された人間の存在確率の表示を更新する。1つのモデルでは、インテリジェント・コントローラは主に、2つの異なる状態、即ち、(1)1人または複数人の人間が1つまたは複数の領域内に存在するというインテリジェント・コントローラによる判定から生ずる存在状態および(2)人間が1つまたは複数の領域内に存在しないとインテリジェント・コントローラが判定する不在状態に関して動作する。
図17AおよびBは存在/不在モデルの変形を示す。図17Aは、当該コントローラに関連付けられた知覚領域または制御領域の全体に関して2つの状態を含む単純な存在/不在モデルを示す。知覚領域内の人間の存在確率が第1の閾値1702を超えて上昇したとき、インテリジェント・コントローラは存在状態1704に遷移する。人間が知覚領域にいる存在確率が第2の閾値1706を下回ると、インテリジェント・コントローラは不在状態1708に遷移する。この場合、現在のスカラ確率値または存在確率マップは1つまたは複数の閾値に関して連続的または反復的に評価され、インテリジェント・コントローラが現在2つの状態1704および1708のうちどちらに存在するかを判定する。図17Bに示すように、インテリジェント・コントローラが環境内の複数の領域に対して存在および/または不在の判定を行うとき、各領域は存在状態および不在状態に関連付けられる。図17Bにおいて、カラム・ベクトル1710の各要素は異なる領域に対応し、それぞれの異なる領域は、領域R1714に関連付けられた状態遷移図1712のような存在/不在状態遷移図に関連付けられる。
図18Aおよび18Bは、図17Aに示す2状態遷移図に従って動作するインテリジェント・コントローラの状態遷移図を提供する。図18Aでは、各状態はラベル付き円1802のようなラベル付き円により表され、状態遷移は曲線矢印1804のような曲線矢印により表される。図18Bは、図18Aにおける各状態遷移に対応する小文字を当該状態遷移の説明と組み合わせた表を提供する。図18Aでは、インテリジェント・コントローラの状態は大まかに存在状態と不在状態に分離される。換言すれば、図17Aの状態遷移図は、存在状態と不在状態を生成するために、インテリジェント・コントローラの状態遷移図に重ね合される。しかし、2つの状態1806および1808には存在および不在の相手方がない。なぜならば、図18Aおよび18Bに示す単純な例のインテリジェント・コントローラでは、人間は、スケジュール・インタフェースまたは即時制御インタフェースを介してインテリジェント・コントローラと対話するために存在しているはずであるからである。換言すれば、これらの2つの状態はこの例では存在状態と定義される。多数のインテリジェント・コントローラは、実際、スケジュール対話状態1806および即時制御状態1808に関して存在状態および不在状態を有する。なぜならば、ユーザは、モバイル電話と他のモバイルコンピューティング機器を介してスケジュール・インタフェースまたは即時制御インタフェースにリモートにアクセスできるからである。しかし、図18Aおよび18Bで提供した状態遷移図で説明されるインテリジェント・コントローラは、単純なスケジュールの表示、および、ユーザの存在を必要とする即時制御インタフェースとして機能する。一般に、インテリジェント・コントローラは2つの制御状態1802および1808の何れかを占める。
これらの状態では、インテリジェント・コントローラは、エラー事象に応答して、他のインテリジェント・コントローラおよびリモート・コンピュータ・システムとデータを交換することおよび他のかかる行動を含めて、多種多様な行動を継続的に実行してもよい。
ユーザがスケジュール・インタフェースを介してインテリジェント・コントローラと対話するとき、インテリジェント・コントローラは制御状態1802と1808の何れかからスケジュール対話状態1806に遷移する。スケジュール対話が完了すると、インテリジェント・コントローラは、スケジュールのセットポイントに対応する現在時刻の結果として、直接に、または、スケジュールされた変化状態1810を介しての何れかにより制御状態1802に戻ることができる。しかし、スケジュール対話状態1806に不在制御状態1808から直接達したとき、インテリジェント・コントローラを不在制御状態1808に戻す状態遷移はない。これは、スケジュール・インタフェースを通じたユーザ対話が、本例では、人間が存在しており、したがって、後続の状態が存在関連状態であるという事実の曖昧でない証拠をもたらすからである。同様な検討事項が即時制御状態1812に当てはまる。インテリジェント・コントローラが、人間が存在する現在の確率をインテリジェント・コントローラが決定する存在事象状態1814から、存在関連状態から不在関連状態に遷移してもよい。同様な存在事象状態1816は存在関連事象への遷移を提供する。したがって、図18Aおよび18Bの状態遷移図は、図16で提供した高レベルな制御フロー図の代わりとなるインテリジェント・コントローラの動作を表す。
他のインテリジェント・コントローラの実装では、追加の存在関連状態があってもよい。図19および20は、図17Aおよび18Aで用いたのと同様な記法を用いた3存在状態のインテリジェント・コントローラを示す。或る種の3存在状態のインテリジェント・コントローラにおいて、インテリジェント・コントローラは存在状態102、不在状態104、または長期不在状態1906で動作してもよい。状態1902および1904は、遷移1908乃至1909に沿って、図17Aに示す状態遷移図に応答してもよい。しかし、図19に示す状態遷移図も、閾値時間量より長い、インテリジェント・コントローラにより制御される1つまたは複数の領域内の人間の存在の不在に対応する状態1906を含む。当該状態に、それぞれ遷移1910および1911を介して不在状態1904または存在状態1902の何れかから入ることができる。しかし、インテリジェント・コントローラは、長期不在状態1906に入ると、長期不在状態1906から存在状態1902に遷移することしかできない。図20は、図18Aで提供したのと同様なインテリジェント・コントローラの動作の状態遷移図を提供する。しかし、この場合、図19に示す存在、不在、および長期不在状態1902、1904、および1906に関連付けられた3つの異なる種類の状態が存在する。換言すれば、図19の状態遷移図は、図20に示す状態遷移図を生成するために、インテリジェント・コントローラの動作に関する状態遷移図に重ね合せられている。図18に示す状態遷移図と同様に、スケジュール対話状態2002と即時制御状態2004は、人間の存在を示すように定義され、したがって、3つの存在関連、不在関連、および長期不在関連状態を生成するためには複製されない。
図21は、環境内部の複数のインテリジェント・コントローラに関するインテリジェント制御の可変な分布度合いを示す。分布の度合いを垂直軸2102により示す。一方の極値2104で、各インテリジェント・コントローラ2106乃至2108は完全に分離され、異なるサブコントローラが環境全体内の異なる領域を監視し制御する。他方の極値2110では、3つのインテリジェント・コントローラ2112乃至2114を、分散されたインテリジェント・コントローラ2116の部分構成要素と考えることができ、全てのセンサデータ、電子的に格納されたデータ、および他の情報は環境を監視し制御するために分散方式で処理される。これらの2つの極値の間の多種多様な中間の分布ルールが、分散されたインテリジェント・コントローラの複数のインテリジェント・コントローラにより示される任意の特定の分布レベルを示してもよい。例えば、各インテリジェント・コントローラが環境全体の状況においてインテリジェント・コントローラに関連付けられた制御領域内の最適または準最適な制御を提供するために、インテリジェント・コントローラが様々な部分領域の制御を担当してもよいが、センサデータ、存在および/または不在の判定、および他のデータおよび推論を共有してもよい。
図22A乃至Cは、3つの異なる種類の制御スケジュールを示す。図22Aでは、当該制御スケジュールは連続曲線2202であり、垂直軸2204に関してプロットされたパラメータ値を、水平軸2206に関してプロットされた時間の関数として表す。当該連続曲線は水平部分と垂直部分のみを含む。水平部分は、当該パラメータが一定を保つことが望ましい期間を表し、垂直部分は特定の時点における当該パラメータ値の所望の変化を表す。これは単純なタイプの制御スケジュールであり、以下で自動制御スケジュール学習の様々な例で用いられる。しかし、自動制御スケジュール学習方法はまた、より複雑な種類のスケジュールを学習することができる。例えば、図22Bは、水平セグメントと垂直セグメントだけでなく、任意の角度の直線セグメントを含む制御スケジュールを示す。したがって、図22Aに示す単純な制御スケジュールのように、即時に生ずるように規定するのではなく、所定の速度で生ずるように、当該パラメータ値の変化をかかる制御スケジュールにより規定してもよい。自動制御スケジュール学習方法はまた、図22Cに示したような平滑な連続曲線ベースの制御スケジュールに対応することができる。一般に、図22Cに示したような、平滑な連続曲線ベースの制御スケジュールの特徴付けおよびデータ符号化はより複雑であり、図22Bおよび22Aに示す単純な制御スケジュールよりも多くの量の記憶データを含む。
以下の説明では、パラメータ値が温度であり制御されるシステムが暖房ユニットであるときのように、一般に、システムの操作が存在しないときにパラメータ値が低い値に緩和する傾向にあると仮定する。しかし、パラメータ値が温度であり制御されるシステムがエアコンであるときのように、他のケースでは、システムの操作が存在しないとき高い値へとパラメータ値を緩和させてもよい。緩和方向はしばしば少ないリソースまたはシステムによる費消の方向に対応する。パラメータ値が温度であり制御されるシステムが暖房機能と冷房機能の両方を含むHVACシステムであるときのように、さらに他のケースでは、緩和方向は環境または他の外部条件に依存してもよい。
図22Aに示す制御スケジュールを参照すると、連続曲線で表現した制御スケジュール2202を、連続曲線における垂直セグメントまたはエッジに対応する離散的なセットポイントとしてエンコードしてもよい。以下の説明では、一般に連続曲線制御スケジュールを使用して、既存の制御スケジュール、記録した即時制御入力、および/または記録したセンサデータ、またはこれらのタイプの情報の組合せに基づいてインテリジェント・コントローラにより提供されるかまたはインテリジェント・コントローラにより作成されたスケジュール作成インタフェースを介して、ユーザまたはリモート・エンティティの何れかにより生成された、記憶された制御スケジュールを表現する。
即時制御入力はまた、パラメータの値と時間のプロットでグラフィカルに表される。図23A乃至Gは即時制御入力の表現を示す。当該即時制御入力は、自動制御スケジュール学習の一部として、インテリジェント・コントローラにより受信し実行し、次いで記録して図22A乃至Cに関して上述したような制御スケジュールに重ね合せることができる。即時制御入力は、小さな黒丸または影付きの円で終了する垂直線セグメントによりグラフィカルに表される。図23Aは、2つの即時制御入力2302および2304の表現を示す。即時制御入力は、基本的に、図22Aに示したものような制御スケジュール内のエッジに等しい。当該エッジは、入力制御が即座にインテリジェント・コントローラにより実行されることを期待して、任意のユーザまたはリモート・エンティティによりインテリジェント・コントローラに入力され、インテリジェント・コントローラの動作を規定する現在の制御スケジュールを上書きする。即時制御入力はしたがって、制御入力インタフェースを介してインテリジェント・コントローラに入力されたリアルタイムなセットポイントである。
即時制御入力により現在の制御スケジュールが変更されるので、即時制御入力は、一般に後続の一時制御スケジュールに関連付けられる。これを、図23Aで点線の水平線および垂直線として示す。当該水平線と垂直線は、当該即時制御入力から時間で前方に伸びる一時制御スケジュールのパラメータと時間の曲線を形成する。図23において一時制御スケジュール2306および2308はそれぞれ、即時制御入力2302と2304に関連付けられる。
図23Bは、即時制御入力および関連する一時制御スケジュールの例を示す。即時制御入力2310は基本的に入力セットポイントである。当該入力セットポイントは、現在の制御スケジュールを上書きしインテリジェント・コントローラに1つまたは複数の制御されるエンティティを制御するように指示して、即時制御入力の表現における黒丸2312の垂直座標に等しいパラメータ値を実現する。当該即時制御入力に続いて、一時定数温度制御スケジュール間隔2314は当該即時制御入力の後の時間だけ延び、当該即時制御入力は次いで後続の即時制御入力の終点、または、後続のセットポイント2316により緩和される。間隔2314において即時制御入力が保持される時間の長さは、自動制御スケジュール学習のパラメータである。後続の即時制御入力終点セットポイント2316の方向と大きさは、1つまたは複数の追加の自動制御スケジュール学習パラメータを表す。
自動制御スケジュール学習パラメータは、自動制御スケジュール学習の動作を制御する調節可能パラメータであり、制御スケジュールを含む時間に関してプロットされた1つまたは複数のパラメータ値とは異なることに留意されたい。この説明で言及した制御スケジュールの例で垂直軸に関してプロットしたパラメータ値は、環境条件、マシン状態等を含む観測可能なものに直接的にまたは間接的に関連する。
図23Cは、即時制御入力を重ね合せた既存の制御スケジュールを示す。この既存の制御スケジュールでは、午前7時(図23Cの2322)でエッジ2320により表されるパラメータ値Pが増大が必要である。即時制御入力2324は、大きさが幾分小さい早期のパラメータ値の変化を規定する。図23D乃至Gは、インテリジェント・コントローラ・ロジックの多種多様な実装形態および/または自動制御スケジュール学習パラメータ値の現在の値に応じて、取得できる様々な後続の一時制御スケジュールを示す。図23D乃至Gにおいて、即時制御入力に関連付けられる一時制御スケジュールは点線セグメントとともに示されており、当該即時制御入力により上書きされた既存の制御スケジュールの部分は点線のセグメントで示されている。図23Dに示す1つのアプローチでは、即時制御入力2324が示す所望のパラメータ値は、固定時間2326だけ保持される。固定時間2326の後、エッジ2328により表されるように、一時制御スケジュールが、即時制御入力が実行された時点に当該制御スケジュールにより規定されたパラメータ値に緩和される。当該パラメータ値は、次のスケジュールされたセットポイントまで保持される(2330)。当該セットポイントは、図23Cのエッジ2332に対応し、その時点でインテリジェント・コントローラは当該制御スケジュールに従って制御を再開する。
図23Eに示す代替的なアプローチでは、即時制御入力2324で規定されたパラメータ値は次のスケジュールされたセットポイントに到達するまで保持され(2332)、この場合、当該セットポイントは図23Cに示す制御スケジュールにおけるエッジ2320に対応する。当該次のセットポイントで、インテリジェント・コントローラは既存の制御スケジュールに従って制御を再開する。このアプローチは、手動で入力したセットポイントがスケジュールされたセットポイント変化まで有効であることを期待する多くのユーザにより望まれる。
図23Fに示す別のアプローチでは、即時制御入力2324で規定されたパラメータ値は、固定時間2334だけインテリジェント・コントローラにより保持され、その後、その時点で既存の制御スケジュールにより規定されているであろう当該パラメータ値を再開する(2336)。
図23Gに示すアプローチでは、即時制御入力2324で規定されたパラメータ値は、当該即時制御入力と反対方向のセットポイントに到達するまで保持され(2338)、その時点で既存の制御スケジュールが再開される(2340)。さらに代替的なアプローチでは、当該即時制御入力を最も合理的でないレベルにさらに緩和して、リソースおよび/またはエネルギ消費に関してシステム動作を最適化するよう試みてもよい。これらのアプローチでは、一般に積極的学習の間に使用され、ユーザは、最小または低率のエネルギまたはリソース利用に関連付けられたパラメータ値より大きいかまたは小さいパラメータ値を積極的に選択するよう迫られる。
自動制御スケジュール学習の1実装例では、インテリジェント・コントローラは、一般に制御スケジュールまたはサブスケジュールの期間と一致する監視期間にわたって即時制御入力およびスケジュール変化を監視し、即時制御入力および入力スケジュール変化により上書きされることを除いて1つまたは複数のエンティティを既存の制御スケジュールに従って制御する。監視期間の終わりに、記録されたデータが既存の制御スケジュールに重ね合され、新たな暫定スケジュールが、既存の制御スケジュールの機能とスケジュール変化および即時制御入力を組み合わせることにより生成される。様々な種類の解決策に続いて、新たな暫定スケジュールが、既存の制御スケジュールがシステム動作を制御しようとする将来の期間だけ、既存の制御スケジュールに昇格する。
図24A乃至Dは、不在事象と、制御スケジュールに及ぼすその影響を示す。図24は、図22Aおよび23A乃至Gで使用した記法と同じ記法を用いた単純な制御スケジュールを示す。当該スケジュールは、相対的に低いパラメータ値の初期期間2402、第1のセットポイント2404を含み、それに続いて、当該スケジュールが相対的に高いパラメータ値の間隔2406を含み、その後、後続の期間2410だけ当該パラメータ値を相対的に低いパラメータ値に低下させる第2のセットポイント2408が続く。
図24Bにおいて、インテリジェント・コントローラは、図24Aに示す制御スケジュールに従って動作し、時刻t2412で、人間が当該制御環境に存在すると判定する。当該判定は、垂直点線2414により表される不在事象2416と、存在を示す半影部分2418と不在を示す陰影なし部分2420を有する円から構成される。当該不在事象の結果として、インテリジェント・コントローラは、当該所望のパラメータ値を相対的に低い値2422に低下させることで制御スケジュールを調節する。例えば、家の暖房の状況では、当該パラメータ値は温度に対応してもよく、時刻tで占有者が居ないという事実は、エネルギを節約するために温度設定を下げることを正当化するものである。
図24Cにおいて、時刻t2424で、ユーザは即時制御入力2426を入力してインテリジェント・コントローラの即時制御インタフェースを介して温度をリセットする。したがって、ユーザはこの時点で存在する。不在事象2416と即時制御入力2426の間の経過時間2428はこの場合は閾値を下回るので、この即時制御入力は是正的な存在事象を表し、これは、不在存在からの遷移を示す陰影部分2434に先行する陰影なし部分2432を有する円2430と、最近の先行する不在事象がインテリジェント・コントローラにより不正確に確立されたという高い確率があることを示す重畳バー246により示される。1例として、住宅の占有者が時刻tの前に短い昼寝を取っていたかもしれず、その結果、インテリジェント・コントローラのセンサは何れも占有者の存在を検出せず、存在関連事象2416が生成される。起床すると、占有者は温度の低下に気づき、即時制御インタフェースを介して温度設定を調節する。
図24Dは、図24Aに示す制御スケジュールに関する別の状況を示す。図24Dにおいて、初期不在事象2416の後、当該スケジュールがそれに応じてインテリジェント・コントローラ2440により調節され、当該スケジュールが調節される時間の間に不在事象が生ずる。後に、時刻t2442で、インテリジェント・コントローラは、人間がこの時点で制御環境に存在すると判定し、存在事象2444が生ずる。しかし、当該例では、占有者が当該制御スケジュールを上書きしようとする指示がないので、インテリジェント・コントローラは当該制御スケジュールに従って動作し続ける。代替的な実装形態では、インテリジェント・コントローラは、不在事象ではなく存在事象に対して、または、存在事象と不在事象の両方に対して、当該制御スケジュールを調節してもよい。多くの場合、存在事象と不在事象に関する様々なスケジュール調整を、インテリジェント・コントローラのスケジューリング・インタフェースまたは他の入力インタフェースを介して規定することができる。あるいは、時間とともに、当該スケジュール調整を、インテリジェント・コントローラにより、存在と不在のパターンおよび即時制御入力とスケジュール調整のパターンを用いて学習してもよい。
図25は、制御環境または当該制御環境の領域もしくはサブボリュームにおける1人または複数人の人間の存在および/または不在を決定するためにインテリジェント・コントローラにより使用できる多種多様な情報を示す。上述のように、インテリジェント・コントローラは、連続的なまたは間欠的な存在/不在確率計算サブシステムならびに図17Aを参照して説明した状態遷移を実現する状態変化スイッチ2502を含む。当該状態変化スイッチは、上述のように、インテリジェント・コントローラ内の状態変数を2つ以上の存在関連状態の間で変更する。存在関連状態の間の遷移は、現在の存在確率マップまたはスカラ値および様々な閾値に基づいて開始する。当該存在確率スカラまたはマップは、インテリジェント・コントローラにより多種多様な潜在的な種類の情報に基づいて編集される。当該様々な種類の情報は、直接センサ出力2504と、1つまたは複数の先行する時間間隔にわたるセンサ2506からの記録された出力を含んでもよい。当該情報がさらに、テーブル、式、または、センサ出力値を当該センサ出力に関する存在/不在確率に関連付ける他のデータ2508を含んでもよい。さらに、インテリジェント・コントローラが1つまたは複数のセンサに対して確信度または信頼度情報2510を維持してもよい。当該センサ確信度の値は時間とともに変化し、また、他のセンサ、環境条件、パラメータ、および特性ならびに他種のローカルまたはリモートに格納された情報の出力に関して変化する。情報はまた、どのインテリジェント・コントローラが現在動作しているかに従って、履歴制御スケジュールおよびセットポイント情報2512ならびに現在の制御スケジュール2514を含んでもよい。情報がまた、インテリジェント・コントローラが通信するインテリジェント・コントローラまたは他のインテリジェント・コントローラおよびリモート・コンピュータ・システムによって以前に行われた存在/不在判定のような、履歴存在/不在情報2516を含んでもよい。さらに、インテリジェント・コントローラが様々な存在パターン判定分析の結果2518を保持してもよい。最後に、存在確率マップおよびスカラ値を編集するために使用される情報がリモート・エンティティから得られた情報を含んでもよい。当該情報には、リモート・インテリジェント・コントローラ内のリモート・センサ2520からのデータ、リモート計算設備からのデータ2522、携帯電話やモバイル電話を含む様々なユーザ装置からのデータ2524、および当該制御環境内部の様々なスマート機器からのデータ2526が含まれる。インテリジェント・コントローラにより使用される様々な情報は、様々な実装形態および状況において多数のさらなる種類の情報を含みうる存在確率マップおよびスカラ値を構成する。1例として、インテリジェント・コントローラは存在表示インタフェースを提供してもよい。当該インタフェースにより、ユーザは制御環境に関してその存在および不在を明示的に示すことができる。
図26A乃至28Bは、センサと図16で提供した制御フロー図のそれぞれステップ1618と1622で呼ばれた存在ルーチンとに関する制御フロー図を提供する。図26Aは、センサのルーチンの制御フロー図を提供する。ステップ2602で、当該センサのルーチンは、インテリジェント・コントローラの事象ループで検出されたセンサ事象の表示を受信する。ステップ2604で決定されるように、当該事象がセンサ割込みである場合には、後述のルーチンのセンサ割込みがステップ2606で起動される。そうでない場合には、1実装形態では、トリガ事象は、タイマが切れたこと、または、インテリジェント・コントローラが、インテリジェント・コントローラがそれにより制御環境を監視する様々なセンサを問い合わせることが必要であるという他の表示である。この問合せはステップ2608乃至2612のforループで発生する。ステップ2608乃至2614のforループをセンサごとに繰り返す。ステップ2609では、現在のセンサ出力はインテリジェント・コントローラにより読み出され、メモリに記録される。ステップ2610では、インテリジェント・コントローラは、ステップ2609で取得したセンサ読取値が存在ステータスの変化を示す可能性があるかどうかを判定する。そうである場合、ステップ2611で、インテリジェント・コントローラは、インテリジェント・コントローラが次の存在判定サイクルを開始するように存在事象を生成する。ステップ2608乃至2612のforループが完了した後、インテリジェント・コントローラは、タイマを再設定し、後続の割込みを用意し、または他の何らかの手段により後続のセンサ事象を準備する。
図26Bは、図26Aのステップ2606で呼ばれるセンサ入力ルーチンを示す。ステップ2614で、割込みがインテリジェント・コントローラにより受信される。ステップ2616で、インテリジェント・コントローラが当該割込みに関連付けられた特定のセンサを決定し、ステップ2618で、現在のセンサ出力を読み取って当該センサ出力をメモリに格納する。ステップ2620で決定されるように、存在関連状態が変化したことを当該記録されたセンサ出力が示す可能性があるとき、インテリジェント・コントローラは、ステップ2622で存在事象を生成して次の存在判定サイクルを開始する。
図27Aは、図16で提供した制御フロー図のステップ1622で呼ばれる存在ルーチンの制御フロー図を提供する。ステップ2702で、インテリジェント・コントローラは、制御環境または制御環境内の領域に対して累積的なセンサ・ベースの存在確率を計算する。インテリジェント・コントローラは、引き続き考えられるセンサ出力ごとの確率を計算し、移動平均または連続的に調節された累積確率を維持することによって、当該計算を実行してもよい。例えば、領域rの存在確率を、移動平均ルーチンf(P(r)、p、i)を繰り返し呼び出すことによって、変数iでインデックス化した幾つかの個々のセンサの出力から計算された個々の確率pの移動平均として計算してもよい。即ち、
Figure 2016500938
あるいは、P(r)が0のような何等かの初期値を有するとして、累積存在確率P(r)を、
Figure 2016500938
によりセンサ出力ごとに調節することができる。kは所定の定数である。
ステップ2702で累積的なセンサ・ベースの存在確率が計算されると、インテリジェント・コントローラは、ステップ2704で、様々なルールを当該センサ・ベースの存在確率に適用してルール・ベースの検討に従って当該存在確率を調節してもよい。1つのアプローチでは、累積存在確率P(r)は以下のように各適用可能なルールにより調節される。
Figure 2016500938
多種多様なルールと種々のルールを使用することができる。4つの仮説的なルールの例を以下に与える。
Figure 2016500938
は様々な数値閾値である。ルールにより、ヒューリスティクスを導入する好都合な機構が提供される。例えば、是正的な事象の発生をメモリに格納してもよく、ルールを適用して、現在時刻を中心とした時間ウィンドウに関連付けられた是正的な事象の数と種類に基づいて累積的なセンサ・ベースの存在確率を調節してもよい。他のケースでは、当該累積的なセンサ・ベースの存在確率を、現在時刻に関係なく、前回の時間内に発生した是正的な事象の数と種類に基づいて調節してもよい。かかるルールは、留守状態への自動遷移の罰則と対応するスケジュール調整との1形態を実行し、不在を検出した時点をスケジュール調整が不在に基づいて行われる時点に効果的に増大させる。特定のケースでは、ルールを使用して、スケジュール調整が非占有に基づいて実行できる前の最小時間移動を強制してもよい。例えば、特定の実装では、累積的なセンサ・ベースの存在確率に関らず、留守状態への遷移に関する存在閾値の累積的なセンサ・ベースの確率に達した後、少なくとも10分まで、特定の実装形態では、あるいは代替的な実装形態では20分または30分まで、かかるスケジュール調整を行うことができない。特定の実装形態では、かかるルールを使用して、是正的な事象の発生頻度が閾値周波数値を超えたときに、留守状態への遷移を一緒に無効にすることができる。他所で説明するように、是正的な事象を、タイプや他の検討事項に応じて重み付けしてもよく、これらの重みは上述のようなルールに組み込まれる。特定の実装形態では、重みを使用して、留守状態への遷移に対する存在閾値の累積的なセンサ・ベースの確率に最初に達したときと当該遷移が実際に生じうるときの間の遅延を大幅に増大させることができる。
次に、ステップ2706乃至2715のforループにおいて、インテリジェント・コントローラは、インテリジェント・コントローラにより人間の存在を監視された領域ごとに現在の存在ステータスを決定する。ステップ2707で決定されるように、現在着目する領域に対して計算された存在確率が第1の閾値より大きいとき、ステップ2708で決定されるように、当該領域の現在のステータスが不在であるとき、ステップ2709で、当該ステータスを存在に変更し、ステップ2710で、当該制御スケジュールをそれに応じて調節する。ステップ2711で決定されるように、当該存在確率が第2の閾値より小さいとき、ステップ2712で決定されるように、当該領域の現在のステータスが存在であるとき、ステップ2713で当該領域のステータスを不在に変更し、ステップ2714で当該制御スケジュールをそれに応じて調節する。ステップ2706乃至2715のforループが完了すると、インテリジェント・コントローラは、1つまたは複数の領域の分散制御に現在参加しているかどうかを判定する。そうであるとき、インテリジェント・コントローラは、ステップ2717で、現在の存在ステータスを1つまたは複数のリモート・インテリジェント・コントローラおよび/またはリモート・コンピュータ・システムに報告する。次に、ステップ2718で、インテリジェント・コントローラが任意の追加の存在関連データ処理を実行する。存在関連データ処理は、存在ステータス履歴を含む様々な種類の電子的に格納された情報をローカルおよびリモートに更新すること、存在関連パターンマッチングを実行すること、センサ確信度値を再評価および調節すること、存在判定に使用されるルールを再評価すること、および他のかかるデータ処理タスクを含んでもよい。最後に、ステップ2719で、インテリジェント・コントローラは、タイマの再設定または将来の時点で発生する存在事象関連の割込みの準備のような、後続の存在事象を準備する。
図27Bは、図27Aで提供した制御フロー図のステップ2702で起動される累積的なセンサ・ベースの存在確率計算を実行するルーチンの制御フロー図を提供する。当該ルーチンは上述のようにステップ2720で各監視領域を考慮し、監視領域ごとに各センサ出力を考慮して当該領域の累積存在確率を計算する。同様に、図27Cは、図27Aで提供した制御フロー図のステップ2704で呼ばれるルール・ベース修正のルーチンに対する制御フロー図を提供する。
図28Aおよび28Bは、図27Aで提供した制御フロー図のステップ2710および2714で呼ばれるスケジュール調整ルーチンの実装例を示す。図28Aは、存在事象に対する制御スケジュールの調整に関する実装を示す。ステップ2802で決定されるように、現在時刻が不在事象に対して以前に行ったスケジュール調整に対応するとき、ステップ2804で、是正的な存在事象を当該制御スケジュールに関して記録し、以前に行ったスケジュール調整を反転する。そうでない場合には、ステップ2806で、インテリジェント・コントローラは、不在から存在への事象を制御スケジュールに入力し、最近の不在事象に基づいて後続のスケジュール調整を反転する。ステップ2804で、当該制御スケジュールに関連付けられたものような是正的な存在事象を、センサ確信度を調節し、存在確率を計算するために使用されるルールを調節するための様々なルールで考慮してもよいことに留意されたい。是正的な存在事象は、存在確率計算の間に生成された誤りの可能性がある不在事象の表示であり、したがって、センサ確信度および確率調整ルールを調節して後続の誤った不在事象の可能性を低下させる貴重な機会の役割を果たす。さらに、是正的な存在事象を、異なる種類の是正的な存在事象に従って区別し、重み付けしてもよい。例えば、自動留守スケジュール調整の閾値時間内に発生した是正的な事象を、当該閾値時間より後に生じた是正的な事象の2倍の大きさに重み付けしてもよい。迅速に生じた是正的な事象、特に、手動で入力したセットポイント変化に関連付けられた是正的な事象は、留守状態への誤った遷移だけでなく、当該遷移がユーザまたは居住者により迷惑と認識されたという強い指示をもたらす。特定の実装形態では、迷惑関連の是正的な事象を他の是正的な事象の2倍に重みづける。同様に、ユーザの存在のセンサ検出に関連付けられる是正的な事象を、即時制御入力に関連付けられる是正的な事象とは異なって重み付けしてもよい。1例として、センサ検出関連の是正的な事象の重みが、即時制御入力に関連付けられた是正的な事象に対する重みより大幅に小さくともよい。是正的な事象に関連付けられた重み付けを時間とともに低下させてもよい。1実装形態では、1例として、是正的な事象に関連付けられた重みを1日に1%低下させてもよい。低下率が是正的な事象のタイプとともに変化してもよい。一般に、特定の実装形態では、迷惑関連の是正的な事象に関連付けられた重みがあまり早く低下しなくともよく、全く低下しなくともよい。特定の実装形態では、インテリジェント・コントローラは、ユーザが現在制御環境に存在するかどうかをユーザが示し得るユーザインタフェースを提供し、かかる占有状態のアクティブな指示を是正的な事象と区別的な重み付けに関連付けることができる。
図28Bは、不在ステータスへのステータス変更のために制御スケジュールを調節するルーチンの例示的な限定を示す。ステップ3810で決定されるように、人間の不在の判定に従って調節でき、また、調節すべきである制御スケジュールにおける間隔に現在時刻が対応するとき、存在から不在への事象は当該制御スケジュールに関連付けられ、ステップ2812で、対応する制御スケジュール調整が適用される。そうでない場合には、ステップ2814で、当該制御スケジュールに適用すべき任意の後続の制御スケジュール調整が適用される。
上述のように、他の状況では、スケジュール調整の反転を不在事象の発生によりトリガしてもよく、スケジュール調整を存在事象の発生の結果として行ってもよい。他の状況では、スケジュール調整の反転を存在および不在事象の両方の発生によりトリガしてもよく、存在事象と不在事象の両方の発生の結果として行ってもよい。
図29A乃至Dは様々な種類の存在関連スケジュール調整を示す。図29Aは制御スケジュールの例を示す。図29Bは、特定の実装形態では、第1の時点t2904で生じた存在から不在への事象2902に応じて開始しうるスケジュール調整を示す。この場合、当該スケジュールは一般に、例えば間隔2906乃至2908で低パラメータ値に調節されるが、当該パラメータ値を上昇させるスケジュールされたセットポイント2910乃至2912は当該制御スケジュールで保存される。これらのセットポイントのパラメータ値変化は期間2914だけ継続することができ、その後、不在スケジュール調整2907のような不在スケジュール調整が生じる。当該期間は時間とともに短縮する可能性がある。なぜならば、存在の欠如の継続が存在確率の推定値をさらに低下させ、後続のセットポイント変化に続いて不在閾値へとより迅速に到達するからである。さらに、明示的なルールを使用して、線形減少スケジュールのような期間短縮スケジュールに従って当該期間を短縮させてもよい。スケジュール繰り返す場合には、セットポイント2916は存在から不在への事象2902によって保存される。図29Cに示すように、特定の実装形態では、不在が残りの制御スケジュールのサイクルと何等かの後続の期間に検出されたとき、当該制御スケジュールをより厳密に調節して(2920)、さもなければパラメータ値を増大させることとなるスケジュールされたセットポイントを除去してもよい。特定の実装形態では、図19を参照して上述したように、図29Bに示す制御スケジュール調整を不在状態においてインテリジェント・コントローラにより実行でき、図29Cに示すより厳密な調整を長期不在状態において実行してもよい。異なる状況や実装形態では、存在事象と不在事象の両方に対して多数の代替的な種類のスケジュール調整を行ってもよい。図29Dは、是正的な不在から存在への事象でのスケジュール調整の反転を示す。不在事象2902の後、当該スケジュールを下方2922に調整するが、是正的な不在から存在への事象29の発生により、図29Bに示したものように、不在事象2902の後に行われたスケジュール調整の全てを反転する。
図30A乃至Cは、センサの出力から存在確率を計算する際の様々な検討事項の詳細を示す。図30Aは、24時間のような制御スケジュール間隔にわたるセンサ出力と時間のプロットを示す。1例として、センサが周辺光レベルを完全にまたは部分的に反映してもよい。その結果、センサ出力は、白昼時間3002には高く、夕方の時間3004にはより低い室内照明関連レベルに低下し、深夜3006および早朝3008の間はさらに低いレベルに低下する。図30Bは、図30Cのセンサ出力から計算される存在確率に沿った特定の24時間の実際のセンサ出力を示す。一般に、実際のセンサ出力曲線3010は図30Aに示す汎用的な曲線を反映する。しかし、期待されるセンサ出力値からは顕著なずれがある。例えば、第1の時間間隔3012の間、当該センサ出力は非常に短い間隔で劇的に減少し増大する。これは、人間が通ることに起因する周辺光レベルの変化と相関する可能性があり、したがって、同一期間にわたって存在確率が高速に増加する(3014)。当該存在確率は、特定の間隔3016の間高いままであり、次いで比較的高速に低下するかもしれない。センサ出力がゆっくりと低下し後に上昇する(3018)のは、増大した存在確率では反映されない可能性がある。例えば、自動学習または存在関連ルールの適用により、周辺光レベルのゆっくりな低下と後のゆっくりな増大が一般に人間の存在と相関しないが、通過する雲、気象系、または他の環境現象と相関する可能性が高いと判定されるかもしれない。第2の時間間隔3020の間、周辺光レベルのさらなる高速な変化が存在確率の対応する高速な上昇3024とともに観測される(3022)。しかし、第3の時間間隔3026に生する周辺光レベルの鋭い単一の変化は、当該存在確率の増大には関連付けられないかもしれない。この低下の発生は、光レベルの通常の日常サイクルに起因して、期待される低下3010に近すぎるかもしれず、または、過去に、器具上の理由または人間の存在に関連付けられない理由で単一の鋭い急上昇が発生したことが分かるかもしれない。4番目の時間間隔3028で発生した高速および低速な周辺光の変化は、存在確率3030の増大により反映されうる。なぜならば、夜間の全てのかかるかかる変動は人間の存在と強く相関することが分かっているからである。第5の期間3032における周辺光レベルの短い単一の変動も存在確率3034の大幅な変動で反映することができる。なぜならば、深夜の時間における周辺光レベルの任意の増大が人間の存在と強く関連付けられるからである。
図30A乃至Cのポイントは、特定のセンサの出力から計算された人間の存在確率が、多種多様な検討事項を含む相対的に複雑な計算の結果でありうるということである。ある時点で人間の存在と強く相関するセンサ出力レベルは、別の時点では、人間の存在と弱く相関するにすぎないかもしれない。センサ出力の変化のスケジュールされた事象に対する時間的な近接性、様々な期待されるサイクル、他のセンサの出力の変化、および他の多数の検討事項が任意の特定のセンサの出力レベルに対する多種多様な存在確率を示唆しうる。これらの検討事項はまたセンサの種類にも強く依存しうる。
図31は、個々のセンサ出力に基づく確率推定の確信度の決定を示す。図31において、様々な即時制御入力と存在事象が重ね合されている制御スケジュールのプロット3102が、時間に関して、特定のセンサの入力に基づいて、制御領域rについて計算された存在確率の2つのプロット3104および3106と整列している。注釈付きスケジュールでは、2つの存在から不在への事象3110および3112の結果、それぞれスケジュール調整3114および3116が生じ、これらは、不在から存在への事象3118および3120により上書きされている。さらに、不在から存在への事象3122および3124に関連付けられていない2つの即時制御入力が、当該制御スケジュールが示されている期間で生じている。即時入力事象3122および3124ならびに不在から存在への事象3118および320に関連付けられた即時入力事象は全て、インテリジェント・コントローラに物理的に関連付けられた即時制御入力インタフェースを介してユーザによる即時制御入力の入力に対応すると仮定する。結果として、人間が制御環境rに存在した確率は、インテリジェント・コントローラがrの中に存在すると仮定すると、「p==1」の注釈3126乃至3129で示されるように、インテリジェント・コントローラ入力および不在から存在への事象3118、3120、3122、および3124に対応する時点の各々で1である。逆に、存在から不在への事象3110および3112に関連付けられる時点で、インテリジェント・コントローラは、注釈3130および3132で示すように、インテリジェント・コントローラに利用可能な全ての情報に基づいて、これらの事象が発生した時点で人間の存在確率は低いと判定している。したがって、制御スケジュールがプロット3102で示される間隔には6つの時点があり、注釈3126乃至3130に関連付けられ、インテリジェント・コントローラはそれらに対して高い確信度の存在確率を有するかまたは割り当てることができる。個々のセンサから計算された確率に対して確信度指標を決定するために、これらの相対的に一定の人間の存在確率を、これらの同一の時点でセンサ出力から計算した確率と比較することができる。点線の垂直線3134のような点線の垂直線を図31で使用して、プロット3102、3104、および3106の間の時間的整合を示す。
先ずプロット3104を考える。注釈3130に対応する時点で、人間の存在確率は低く、センサ出力3136から計算された存在確率は、点線の垂直線3134とプロット3104でプロットされた確率曲線3138の交点で、0.5未満ではあるが大きくみえる。しかし、他の注釈付きの時点3126乃至3129および3132の全てに関して、当該センサ出力から計算された確率は、これらの時点でコントローラが決定した相対的に一定の確率に正確に対応する。したがって、当該センサ出力から計算された確率は注釈3126乃至3130および3132に対応する6つの時点で当該相対的に一定の確率とは厳密に一致しないけれども、プロット3104を生成したセンサのケースで当該センサ出力から計算された確率において相対的に高い確信度を関連付けるのは合理的であろう。対照的に、図31の低いプロット3106から分かるように、プロット3106を生成したセンサから計算された確率と注釈付き制御スケジュールから推論した相対的に一定の確率の間には殆ど対応関係がない。この場合、第2のセンサの出力から計算された確率において相対的に低い確信度を割り当てるのが合理的であろう。この説明は、個々のセンサに対して確信度乗数、または重みを計算して、当該センサ出力に基づいて累積ユーザ・ベースの確率を計算するときに当該センサ出力から計算された確率を重み付けするための1つ方法を示し、以下で数学的に説明する。
Figure 2016500938
iは図31の注釈で表すように1組の特定の確率をインデックス付けし、P(t)はセンサに対して計算した時刻tでの存在確率である。
図32Aおよび32Bは、存在から不在への事象と不在から存在への事象を分離する時間間隔の長さにより、後者の事象が是正的な事象と認められるかどうかを判定できるという事実を示す。図32Aにおいて、存在から不在への事象3202の後に人間3204の存在を示す即時制御インタフェースを介した即時入力制御が比較的迅速に続き、したがって不在から存在への事象を構成する。これらの2つの事象の間の時間間隔3206は比較的短いので、当該不在から存在への事象は是正的な不在から存在への事象3208とみなされる。対照的に、図32Bに示すように、2つのかかる事象がかなり長い時間間隔3210だけ離れているとき、当該不在から存在への事象3212は是正的な不在から存在への事象とみなされない。上述のように、是正的な不在から存在への事象は、インテリジェント・コントローラによる誤った不在の判定を強く指示するものである。かかる事象の発生の分析により、センサ確信度の変化、様々なルールで使用される閾値の変化、新たなルールの削除または追加、存在確率を決定するためにインテリジェント・コントローラにより使用される計算における他の変化につながりうる。
図33は、是正的な不在から存在への事象と他の情報を存在確率判定と存在確率判定に関連するスケジュール調整とに組み入れるためにインテリジェント・コントローラにより使用できる、存在関連スケジュール調整および存在確率判定に対する様々な変形を示す。図33は、上述の制御スケジュール3302の部分のプロットを示し、時刻3304に関してインテリジェント・コントローラにより計算された存在確率のプロットで調節されている。一般に、計算された存在確率が閾値3306を下回ると、インテリジェント・コントローラは、存在状態から不在状態または別の不在関連状態への遷移が保証されると推論する。是正的な不在から存在への事象が頻繁に生ずる場合には当該閾値を下げてもよい。あるいは、当該閾値を、不在から存在への是正的な事象が高い頻度で発生するまで上昇させて、最適なインテリジェントな制御をもたらす最大の合理的な閾値を決定してもよい。例えば、家庭の暖房の状況では、存在から不在への事象を伴うスケジュール調整は一般に大幅なエネルギ節約をもたらし、したがって、インテリジェント・コントローラが当該閾値を出来るだけ高く連続的に調節してもよい。
存在事象に関連付けられるスケジューリング調整に対する別の可能な調整では、計算された存在確率が閾値を下回る時刻3312とスケジュール調整が不在判定の結果として行われる時刻3314の間の遅延時間またはバッファ時間3310を使用する。遅延時間3310の間、計算された存在確率が再度当該閾値を超えて上昇する場合は、潜在的な是正的な不在から存在への事象を回避することができる。人間の存在に関してインテリジェント制御を最適化するために使用できる存在事象に関連するスケジュール調整への多数のさらに可能な調整がある。
以上の説明では、スケジュール調整は一般に、存在状態から不在状態への遷移の結果として行われるが、他の実装形態では、スケジュール調整を不在から存在への事象に関して開始してもよい。例えば、重要な空気調節の状況では、人間の存在が検出されたとき常に調節システムを起動することができる。上述のように、存在関連事象と並行として、または、存在関連事象と時間的に近接して行いうる多種多様な異なる種類のスケジュール調整がある。分散されたインテリジェント制御の実装形態では、存在確率計算、センサ確信度、および他の導出結果および存在確率判定に関連付けられるデータは、さらに多くの複雑な検討事項を含んでもよいが、多数のセンサや記憶情報、より好適なセンサの空間的分布および時間的分布、ならびにセンサ・データの集合に起因して、十分に正確でありうる。
存在確率計算の一部として、インテリジェント・コントローラは、様々な種類の存在関連サイクルやパターンを検出するために、様々な時間間隔にわたって計算される存在確率を計算し格納してもよい。図34は多種多様な期間にわたって決定された存在パターンの例を示す。第1のプロット3402は、1週間の時間間隔にわたって計算した一般的な存在確率パターンを示す。当該パターンを、1例として、居住環境内の人間の存在確率に関して観測してもよい。週3404および3405のうち2つの日は、人間の存在確率は相対的に低く、週3406の残りの5日は、当該存在確率は相対的に高い。この場合、住宅の占有者は一般に週末には居ないかもしれない。水平時間軸3408は時間で増大することに留意されたい。第2のプロット3410は丸一日の間隔にわたって観測された存在確率パターンを示す。この場合、占有者は、一般に、朝の9時から夕方の6時までの仕事時間3412中を除いて存在している。プロット3414は、1か月にわたる存在確率パターンを示す。この場合、住宅の占有者は各月の最初の日3416と15日目3418に頻繁に居らず、それ以外は一般に存在している。最後に、プロット3420は、1年間にわたる存在確率パターンを示す。この場合、住宅の占有者は一般に、12月の終わり3422と1月の第1週3424に居らず、夏の期間3426中は比較的頻繁に居ない。これらのタイプの存在確率パターンを存在確率計算において累積的または連続的に考慮してもよい。例えば、状態遷移をトリガするのに用いる計算された存在確率の閾値を、高存在確率に関連付けられる期間中に低下させ、低存在確率に関連付けられる期間に上昇させてもよい。あるいは、検出された存在確率パターンを反映するためにセンサ出力に基づいて計算された累積存在確率を調節するためのルールを開発してもよい。
インテリジェント・サーモスタットの状況における存在および/または不在の検出および制御調整
存在および/または不在の判定に基づく制御スケジュール調整の方法の実装が、次に説明するインテリジェント・サーモスタットに含まれる。インテリジェント・サーモスタットに、選択的に階層化した機能を提供する。当該機能は、不慣れなユーザに単純なユーザインタフェースをもたらすが、多種多様なエネルギ節約機能とエネルギ追跡機能にアクセスし操作する能力を高度なユーザに提供するものである。単純なユーザインタフェースしか与えられていない不慣れなユーザの場合でも、インテリジェント・サーモスタットは、バックグラウンドで実行される高度なエネルギ節約機能を提供する。インテリジェント・サーモスタットは、マルチセンサ技術を使用して、インテリジェント・サーモスタットが配置された暖房および冷房環境を学習しエネルギ節約設定を最適化する。
インテリジェント・サーモスタットはまた、ユーザが数個の単純な質問に回答するセットアップ・ダイアログから開始して長時間にわたってユーザについて学習し、マルチセンサ技術を用いてユーザ占有パターンを検出し、ユーザがスケジュール変更と即時制御入力を用いて温度を制御する方法を追跡し続ける。継続的に、インテリジェント・サーモスタットは、学習され検知された情報を処理し、自動的に環境制御設定を調節してエネルギ利用を最適化し、同時に、学習した占有パターンと1つまたは複数のユーザの快適な嗜好に従って、当該環境内の温度を所望のレベルに維持する。
有利なことに、インテリジェント・サーモスタットの選択的に階層化された機能により、自宅および仕事環境内の多種多様な技術環境において有効な動作を行うことができる。無線ホーム・ネットワークまたはインターネット接続性を有さない単純な環境では、インテリジェント・サーモスタットは、マルチセンサ技術とユーザ入力に基づいて学習し環境に適合するスタンドアロンのモデルで効果的に動作する。しかし、ホーム・ネットワークまたはインターネット接続性を有する環境に対して、インテリジェント・サーモスタットはネットワーク接続モードで効果的に動作して追加の機能を提供する。
インテリジェント・サーモスタットが例えばIEEE802.11(Wi−Fi)接続によりホーム・ネットワークを介してインターネットに接続されるとき、インテリジェント・サーモスタットは、(1)リアルタイムなまたは集約された家庭エネルギ性能データを電力会社、インテリジェント・サーモスタットのデータサービスプロバイダ、他の家庭のインテリジェント・サーモスタット、または他のデータ宛先に提供し、(2)リアルタイムなまたは集約された家庭エネルギ性能データを電力会社、インテリジェント・サーモスタットのデータサービスプロバイダ、他の家庭のインテリジェント・サーモスタット、または他のデータソースから受信し、(3)新たなエネルギ制御命令および/または他のアップグレードを1つまたは複数のインテリジェント・サーモスタットのデータサービスプロバイダまたは他のソースから受信し、(4)エネルギ節約制御アルゴリズム処理に含めるための現在の天気情報や天気予報情報を受信し、(5)ユーザ制御コマンドをユーザのコンピュータ、ネットワーク接続テレビ、スマート・フォン、および/または他の固定もしくはポータブルのデータ通信機器から受信し、(6)デジタル機器を介して対話型のユーザインタフェースをユーザに提供し、(7)制御コマンドと情報を、複数のソースから収集した情報を利用してエネルギ節約制御コマンドおよび/または加入者のプロフィールを生成することを目的としたサブスクリプション・ベースのサービスのような外部のエネルギ管理アドバイザから受信し、(8)リベートまたは他のコスト・インセンティブと引き換えにインテリジェント・サーモスタットを制御する限られた権限が自主的に与えられた電力会社のような外部エネルギ管理機関から制御コマンドと情報を受信し、(9)インテリジェント・サーモスタットが検知したHVAC関連の事象に基づいてデジタル機器のユーザにアラーム、警告、または他の情報を提供し、(10)インテリジェント・サーモスタットが検知した非HVAC関連の事象に基づいてデジタル機器のユーザにアラーム、警告、または他の情報を提供し、(11)ネットワーク接続性により可能となる様々な他の有用な機能を提供してもよい。
図35Aはインテリジェント・サーモスタットの斜視図を示す。インテリジェント・サーモスタット3500は滑らかで美しい外観を有する。インテリジェント・サーモスタット3500は、直径が約8cmで、サテンニッケルまたはクロムの処理のような視覚的に好ましい外装仕上げを有する環状の本体3508を備える。回転可能な外環3506、センサ環3504、および環状ディスプレイ・モニタ3502を有するキャップ状の構造が、小さな周辺ギャップ3510だけ本体3508から分離している。外環3506は本体3508と同一の外装仕上げを有してもよく、センサ環304と環状ディスプレイ・モニタ3502は、外部方向に穏やかに弧を描き、滑らかだが全体的に頑丈で耐久性があるように見える外観を有する共通の環状ガラス(またはプラスチック)外装を有してもよい。センサ環3504は、赤外線センサ、可視光センサ、および音センサを含む任意の多種多様なセンサを含む。当該センサ自体がユーザに見えないように、センサ環3504を覆うガラスまたはプラスチックにスモークをかけるかまたは鏡を付けてもよい。えらまたは格子状の通気孔を必要とせずに内部センサにより周辺の空気を検知できる通気機能を、周辺ギャップ3510を介して提供してもよい。
図35Bおよび35Cは、ユーザにより制御されているインテリジェント・サーモスタットを示す。インテリジェント・サーモスタット3500は、2種類のユーザ入力、即ち、(1)外環3506の回転(図35B)、および、(2)可聴および/または触覚の「クリック」が発生するまでの外環3506の内側への押下(図35C)により制御される。内側に押すと外環3506が前方に移動してもよく、別の実装では、外環3506とセンサ環3504および環状ディスプレイ・モニタ3502のガラス・カバーとの両方を含むキャップ状の構造の全体が、押されたときに一緒に内側に動く。1実装形態では、センサ環3504、環状ディスプレイ・モニタ3502、および共通ガラス・カバーは外環3506とともには回転しない。
外環3506の回転、または輪の回転、および外環3506の内側への押下、または内側へのクリックにより、インテリジェント・サーモスタット3500は、基本的なセットアップや動作のための全ての必要な情報をユーザから受信することができる。外環3506は、さらに、全体的に美しい感覚を促進しつつ、疑似的なまたは不要な回転入力を減らすために、平滑だが粘性ある感覚をユーザに与えるように機械的に取り付けられている。インテリジェント・サーモスタット3500は、3つの基本的なユーザ入力、即ち、(1)輪の左回転、(2)輪の右回転、および(3)内側へのクリックを認識する。他の実装形態では、ダブルクリックまたはトリプルクリックの内側への押し、および、速度感応式または加速度感応式の回転入力のような、より複雑な基本的なユーザ入力を認識することができる。
図36は、インテリジェント・サーモスタットとHVACカップリング・ウォールドックの拡大斜視図を示す。HVACカップリング・ウォールドック3606は、インテリジェント・サーモスタット3500が取り外されたときの、非常に単純な基本スタンドアロンのサーモスタットとしての機能を有する。当該基本サーモスタットは、標準温度読出し/設定ダイヤル3608と単純なCOOL−OFF−HEATスイッチ3609を備える。これは、インテリジェント・サーモスタット3500を補修または修理のために長時間取り外す必要があるときのような様々な状況で有用であることが分かる。1実装形態では、基本サーモスタット構成要素3608および3609は完全に機械的であり、制御中継器を始動するのに電力は必要ない。他の実装形態では、電気的な上下ボタンおよび/またはLCD読出しのような単純な電子制御が提供される。
他の実装形態では、インテリジェント・サーモスタットが一時的に取り外されている間に脳幹機能を提供するリモート制御を可能とする基本ネットワーク・アクセスのような、インテリジェント・サーモスタット3500の高度な機能のサブセットを提供することができる。
図37Aおよび37Bはインテリジェント・サーモスタットの拡大前面図および拡大後面斜視図である。図37Aおよび37Bは、その2つの主要な構成要素、即ち、(1)ヘッド・ユニット3604と(2)バックプレート3706と関連してインテリジェント・サーモスタット3702を示している。示した図では、z方向は壁から外側であり、y方向は歩いているーザの頭からつま先への方向であり、x方向はユーザの左から右への方向である。
図38Aおよび38Bは、それぞれヘッド・ユニットの拡大前面図および後面図を示す。ヘッド・ユニット3604は、ヘッド・ユニットフレーム3710、外環3711、ヘッド・ユニット前面部品3712、フロント・レンズ3713、およびフロント・グリル3714を備える。ヘッド・ユニット前面部品3712の電気構成要素は、リボン・ケーブルおよび/または他のコンセントタイプの電気コネクタを介してバックプレート3706上の電気構成要素に接続することができる。
図39Aおよび39Bはそれぞれヘッド・ユニットの前面部品の拡大前面図および後面図を示す。ヘッド・ユニット前面部品3712は、ヘッド・ユニット回路基板3716、ヘッド・ユニット・フロント・プレート3718、およびLCDモジュール3722を備える。ヘッド・ユニット回路基板3716の前面の構成要素は図39AのRFシールドの背後に隠ぺいされている。再充電可能リチウム・イオンバッテリ3725がヘッド・ユニット回路基板3716の背面に配置され、1実装形態では、3.7ボルトの基準電圧と560mAhの基準容量を有する。バッテリの寿命を延ばすために、バッテリ3725は通常、サーモスタットバッテリ充電回路により450mAhを超えては充電されない。さらに、バッテリ3725は4.2ボルトに充電できるとされているが、インテリジェント・サーモスタットのバッテリ充電回路は通常、3.95ボルトを超えてインテリジェント・サーモスタットを充電することはない。図39Bにはまた、外環3711の回転を検知するように構成され配置された光学指ナビゲーションモジュール3724が示されている。モジュール3724は、外環3711の対向面上のテクスチャラブル表面の移動を検知する光学的なコンピュータのマウスの動作に類する方法を使用する。特に、モジュール3724は、相対的に低電力のバックプレートのマイクロプロセッサではなく相対的に電力集約的なヘッド・ユニット・マイクロプロセッサにより制御される非常に少数のセンサの1つである。これは、過度な電力流出なしに実現可能である。なぜならば、当該ヘッド・ユニット・マイクロプロセッサは、ユーザが手動でダイヤルを調整したときに既に起動されており、過度な起動電力流出が回避されるからである。有利なことに、当該ヘッド・ユニット・マイクロプロセッサにより超高速応答を提供することができる。図39Aにはまた、下方に配置したPIR移動センサと連動するフレネルレンズ3720が示されている。
図40Aおよび40Bは、それぞれバックプレート・ユニットの拡大前面図および後面図を示す。バックプレート・ユニット3706は、バックプレートリア・プレート3730、バックプレート回路基板3732、およびバックプレート・カバー3739を備える。図40AはHVAC有線コネクタ3734を示す。HVAC有線コネクタ3734は、集積配線挿入検知回路と、バックプレート回路基板3732の背面に取り付けた電力取得回路により使用される2つの相対的に大型のキャパシタ3736を備える。
図41は部分的に組み立てたヘッド・ユニットの斜視図を示す。特定の実装形態では、格子部材3714をフレネルレンズ3720と関連するPIR移動センサ3744との上に配置することで、これらのPIR検知要素を隠蔽および保護し、格子部材3714内の水平スロットにより、PIR移動検知ハードウェアは、隠蔽されているけれども、部屋または領域内の占有者の水平移動を検出することができる。温度センサ3740は、1対の熱センサを使用して周辺温度をより正確に測定する。温度センサ3740に関連付けられる第1のまたは上方の熱センサ3741は、サーモスタットの外部または外装にある領域付近の温度データを収集し、第2のまたは下方の熱センサ3742は、筐体の内面により密接に関連付けられた温度データを収集する。1実装形態では、温度センサ3741と3742のそれぞれはテキサス・インスツルメンツ社のTMP112デジタル温度センサチップを備え、PIR移動センサ3744はパーキエルマー社のDigiPyro PYD1998の二重要素パイロディテクタを備える。
周辺温度をより正確に決定するために、下方熱センサ3742から取得した温度を、上方熱センサ3741により測定した温度とともに、有効な周辺温度を決定するときに検討する。当該構成を使用して、マイクロプロセッサ(複数可)および/または他の電子構成要素によりサーモスタット内で発生した内部熱の影響を補償し、影響を及ぼしうる温度測定誤差を未然に防止するかまたは最小化する。幾つかの実装形態では、上方熱センサ3741が下方熱センサ3742より良く周辺温度を反映するので、周辺温度測定の精度を、温度センサ3740の上方熱センサ3741を格子部材3714に熱的に結合することでさらに高めてもよい。
図42はヘッド・ユニットの回路基板を示す。ヘッド・ユニット回路基板3716は、DDR SDRAMメモリ4206および大容量NAND記憶装置4208とともに、(テキサス・インスツルメンツ社のAM3703チップのような)ヘッド・ユニット・マイクロプロセッサ4202および関連する発信器4204を備える。ムラタ・ワイヤレス・ソリューションズのLBWA19XSLZモジュールのようなWi−Fiモジュール4210は、802.11b/g/nWLAN標準をサポートするテキサス・インスツルメンツ社のWL1270チップセットを基礎とし、Wi−Fi機能向けのRFシールド4234の別区画内に提供されている。Wi−Fiモジュール4210は、発信器4214を含む支持回路4212に関連付けられる。例えばテキサス・インスツルメンツ社製のC2530F256モジュールでありうるZigBeeモジュール4216も、ZigBee機能のために、別々にシールドされたRF区画に提供される。ZigBeeモジュール4216は、発信器4219および低雑音増幅器4220を含むサポート回路4218に関連付けられる。ディスプレイ・バックライト電圧変換回路4222、圧電駆動回路4224、および電力管理回路4226がさらに提供される。近接性センサおよび周辺光センサ(PROX/ALS)は、より具体的にはI2Cインタフェースを具備したシリコンラブズ社製のSI1142近接性/周辺光センサであるが、フレックス回路コネクタ4230によりヘッド・ユニット回路基板の背面に取り付けられるフレックス回路上に提供される。バッテリ充電監視切断回路4232とスプリング/RFアンテナ4236がさらに提供されている。温度センサ4238とPIR移動センサ4240がさらに提供されている。
図43はバックプレート回路基板の後面図を示す。バックプレート回路基板3732は、内蔵メモリ4303を含むテキサス・インスツルメンツ社のMSP430Fシステム・オン・チップ・マイクロコントローラのような、バックプレート・プロセッサ/マイクロコントローラ4302を備える。バックプレート回路基板3732はさらに電源回路4304を備え、電源回路4304は、電力取得回路と、HVACの各FfVAC機能ごとのスイッチ回路4306とを備える。かかる機能ごとに、スイッチ回路4306は、隔離変換器4308と逆並列NFETパッケージ4310を備える。FETをスイッチング回路内で使用することで、アクティブに電力を取得することができる。即ち、100マイクロ秒のような非常に短い間隔でHVAC中継回路から蓄電器に電力を短時間迂回させることで、HVACのONサイクル中に電力を取得することができる。この時間は、HVAC中継器をOFF状態にしないのに十分なほど短いが、蓄電器を充電するには十分である。FETを使用することで、この高速なスイッチング時間(100マイクロ秒)が可能となる。これは、(何十ミリ秒も継続する)中継器では実現するのは困難である。また、かかる中継器は高速なスイッチングとともに容易に劣化し、可聴な雑音を生じさせる。対照的に、FETは基本的に可聴な雑音なしで動作する。センシリオン社のSHT21モジュールのような統合型の温度/湿度センサモジュール4312がさらに提供される。バックプレート・マイクロコントローラ4302は、様々なセンサを問い合わせて、設置時の機械的な有線の挿入を検知し、電流とセットポイント温度条件に関してヘッド・ユニットに警告し、それに応じてスイッチを作動し、設置時に挿入された有線上の適切な信号を探索するといった他の機能を実施する。
新たなより持続可能なエネルギ供給の開発に対して多大な労力と配慮が続けられているが、増大したエネルギ効率によるエネルギの保存は世界のエネルギの未来にとって依然として極めて重要である。米国エネルギ省の2010年10月のレポートによれば、暖房と冷房が典型的な米国家庭のエネルギ利用の56%を占め、大抵の家庭の最大のエネルギ消費となっている。家庭の暖房および冷房(例えば、改善された断熱、高効率のかまど)に関連付けられる物理的設備の改善とともに、家庭の暖房機器と冷房機器のより良い制御と規制により大幅なエネルギ効率の増大を実現することができる。賢明に選択された時間間隔で、かつ、慎重に選択した動作レベルで暖房、換気、および空気調節(HVAC)機器を動作させることで、大量のエネルギを節約でき、同時に、生活空間をその占有者に対して適度に快適に保つことができる。
プログラム可能サーモスタットはエネルギスター(米国)やTCO(欧州)標準の観点から近年より普及しており、独立に操作できるHVACシステムに関する様々な設定の数において非常に進歩している。プログラム可能サーモスタットには、標準的なデフォルトのプログラムが組み込まれているものもある。さらに、ユーザは、製造者の規定値を調節して自己のエネルギ利用を最適化することができる。睡眠、起床、および非占有の期間の観点から占有者の通常の振舞いを正確に反映するスケジュールが使用されるのが理想的である。しかし、多くのサーモスタットをプログラムする際の困難さのため、多くのスケジュールは占有者の通常の振舞いを正確には反映しない。例えば、スケジュールが、幾つかの通常の非占有期間を説明できないことがある。さらに、適切なスケジュールがサーモスタットにプログラムされているときでも、通常の振舞いからの逸脱の存在は避けられない。ユーザは、家を出て帰宅時にスケジュールを再開するときにサーモスタットを手動で戻すことができるが、多くのユーザはこれらの作業を決してまたは殆ど行わない。したがって、非占有の時間中にサーモスタットがセットポイント温度を自動的に戻すことができる場合、エネルギやコストを節約する機会が存在する。
インテリジェント・サーモスタットは一般に、即時制御入力および1つまたは複数の制御スケジュールにより規定されるように、居住施設のような調整済みの筐体を制御して、各日の様々な部分において人間の占有者が望む様々な温度を提供する。占有者が環境に存在しないとインテリジェント・サーモスタットが判定したときに、インテリジェント・サーモスタットは、自動留守機能に従って存在および/または不在の検出および不在関連のスケジュール調整を取り込んで温度を下げてもよい。特定の実装形態では、人間の存在確率、または当該存在確率が閾値を下回ったらすぐに自動留守温度調整を実行し、他の実装形態では、占有が検出されなかった時間の後にのみ自動留守温度調整を実行する。非占有の所定の時間は一般に30分、60分、90分、またはそれ以上であってもよい。特定の実装形態では、当該所定の非占有時間は約120分である。当該所定の非占有時間を、自動留守制御スケジュール調整が行われる時点を決定するために使用されるルールを含む、様々な種類のユーザ入力、記録したセンサデータ、リモートソースから得たデータ、占有および非占有の記憶されたパターン、および他種の電子的に格納されたデータに基づいて修正することができる。
インテリジェント・サーモスタットは、暖房、換気、および空気調節(「HVAC」)システムを制御してもよい。当該システムは、暖房と冷房の両方、暖房のみ、または冷房のみを住宅または商用のビルのような環境の占有者に提供する。インテリジェント・サーモスタットはまた、加湿、除湿、照明、電流をさらにまたは別々に機器およびシステムに提供し、液体または気体の制御された流量を機器およびサブシステムに提供するシステムを制御する。
図44A乃至44Dは、通常の制御スケジュールの時間プロットとインテリジェント・サーモスタットの自動留守/自動到着機能の動作に対応する実際の動作セットポイントのプロットを示す。説明を分かりやすくするため、ユーザに対する火曜日のような特定の曜日の比較的単純なインテリジェント・サーモスタットスケジュール4402を図44Aに示す。スケジュール4402は、所望の温度が76度である午前7時と午後9時の間の覚醒/在宅間隔と、所望の温度が66度である午後9時と午前7時の間の睡眠間隔から構成される。スケジュール4402は住宅に対する通常の制御スケジュールを表す。
自動留守機能によれば、住宅または他の環境の占有状態は、パッシブ赤外線近接性センサおよび周辺光センサのような、インテリジェント・サーモスタットのマルチセンシング技術を用いて連続的かつ自動的に検知される。当該環境の占有ステータスを決定するのに使用される1つまたは複数のセンサを以下では「占有センサ」と称する。特定の実装形態では、当該占有センサは極めて高頻度、例えば、1乃至2Hzで測定を行う。当該測定値は、5分のような固定時間長を有するバケットまたは間隔に収集される。インテリジェント・コントローラは、占有が検出されたかどうかをバケットごとに判定する。例えば、バケット内の3つ以上の占有センサの読取値が移動の検出を示すとき、当該バケットは占有検出状態にあるかまたは占有検出状態を表すとみなされる。したがって、各バケットを2つの状態、即ち、占有検出状態または非占有検出状態のうち1つに分類する。特定の実装形態では、占有センサ読取値の閾値パーセントが占有を示すとき、バケットを占有検出状態として分類する。例えば、相対的に貧弱な配置でも、約10パーセントのPIRセンサ読取値が、環境が占有されているときの移動を示すことが分かる。当該例では、5パーセントの閾値を使用してバケットを占有検出状態に分類してもよい。
特定の実装形態では、現在検知されたバケットの状態に少なくとも部分的に基づいて、インテリジェント・サーモスタットは、(1)自宅、(2)留守通常、(3)留守休暇、および(4)睡眠の4つの状態のうち1つを有するとして環境を分類する。特定の実装形態では、環境が「留守状態確信ウィンドウ」(「ASCW」)と称する所定の最小間隔だけ非占有検出状態にあるとき、自動留守機能が自宅から留守通常への状態変化をトリガする。状態が留守通常に変化した結果、実際の動作セットポイント温度は、通常のインテリジェント・サーモスタットスケジュールが示すセットポイント温度に関らず、所定のエネルギ節約留守状態温度(「AST」)に変更される。
自動留守機能の目的は、スケジュール4402の快適な設定を実際に経験するかまたは楽しむ占有者が存在しないときに不要な暖房または冷房を回避し、それによりエネルギを節約することである。ASTを、1例として、冬の期間は62度の所定の値または暖房を必要とする外部温度に設定し、夏期間は84度または冷房を必要とする外部温度に設定してもよい。特定の実装形態では、暖房および冷房に対するAST温度は、別個の自動留守機能インタフェースのスケジュール・インタフェースを介してユーザが設定可能である。
ASCWは検知された非占有の時間間隔に対応する。その後、占有者が実際に筐体内に存在しないという合理的に信頼できる動作仮定を合理的な統計的精度で行いうる。最も典型的な環境では、90乃至180分の範囲における所定の期間は、静かに読書すること、角の郵便受けへ向かうこと、短い昼寝のような占有者が存在しているが占有が占有センサによって検出できない一般的な状況にASCWが適応するための適切な期間、および、他のかかる期間であることが分かる。
幾つかの実装形態によれば、学習事象の後にASCWが自動的に調節される。例えば、1実装形態によれば、留守通常モードへの遷移の後のような、手動の過酷な事象に続いて、ASCWを10乃至30分のような所定の量だけ延ばし、ユーザは手動で当該セットポイント温度が快適なままであるように設定し、当該占有センサがそうでないと示しても当該筐体が占有されていると示す。同様に、特定の実装形態では、任意の手動の過酷な事象がないときに何回か留守通常状態へ繰り返し遷移した際に、ASCWを短縮することができる。ASCWのかかる修正を使用して、占有者の特定の傾向、および/または、インテリジェント・サーモスタット/センサの物理的配置のような他の因子に起因する占有検知の有効性に、当該アルゴリズムをより良く適合させることができる。特定の実装形態では、インテリジェント・サーモスタットは、上のサブセクションで説明したように、格納された頻繁に更新される占有パターン判定、センサ確信度、履歴占有判定、および他の多数のかかるタイプのデータを含む、多種多様な格納された受信データに基づいて存在確率スカラまたはマップを維持し、したがって、高信頼に環境の非占有を検出でき、自動留守制御スケジュール調整を起動することができる。これらの実装形態では、ASCWを使用しなくともよい。なぜならば、存在確率が閾値を下回るとき、非占有の確率が自動留守スケジュール調整を正当化するほど十分であることを保証するために、是正的な不在から存在への事象、または過酷な事象が存在確率スカラまたはマップの計算にフィードバックされるからである。あるいは、ASCWを短縮してもよく、または、ASCWを調節するのではなく、インテリジェント・コントローラが自動留守スケジュール調整をトリガする確率閾値を調節してもよい。
図44A乃至44Dの例を、120分のASCWと62度のASTを有する暖房シナリオの状況で提供する。図44Bは、検知された行動または、換言すれば、午前11時(4405)の時点で存在する占有が検知されたバケットに対応する小さな黒丸マーカを示す、検知された行動タイムライン(「A」)4403とともに、スケジュールされたセットポイントのプロット4402および実際の動作セットポイントのプロット4404を示す。午前11時の時点で、午前10時まで大量のユーザ行動が検知されており、その後、行動がない1時間の間隔4406が続き、どのバケットも占有検出状態には分類されない。図44Bにおける非行動の間隔は約1時間にすぎず、ASCWより小さいので、自動留守機能はまだ留守通常状態への状態変化をトリガしない。
図44Cは、午後4時の時点のスケジュールされた実際のセットポイントのプロットを示す。図44Cに示すように、留守通常モードが120分の非行動の後に午後12時に自動的にトリガされ、実際の動作セットポイント4404が通常のスケジュールされたセットポイント4402から62度のAST温度に調節される。午後4時の時点で、留守通常モードのトリガに続いて行動がまだ検知されておらず、したがって留守通常モードが有効なままである。
図44Dを参照すると、午前12時の時点のスケジュールされた実際のセットポイントのプロットを、図44A乃至44Cに示した例に続いて示す。図44Dに示すように、占有行動が大よそ午後5時に短い時間間隔4408で検知され始め、自宅状態への自動復帰または自動到着遷移をトリガし、この時点で実際の動作セットポイント4404が通常の制御スケジュール4402に調節される。
図44A乃至44Dの例は、自動留守機能の実装に対するASCWベースのアプローチを示す。しかし、前述のサブセクションで説明したように、代替的な実装形態では、自動留守スケジュール調整が、存在確率、または占有確率が閾値を下回ったときにトリガされる。存在確率を、複数の組の記録されたセンサ出力、決定され電子的に格納された長時間にわたって決定された占有パターン、特定のセンサ内の相対的な確信度、制御環境外部のユーザ位置を報告するユーザモバイルデバイス、および他のかかるデータを含む多種多様なデータおよび検討事項に従って、連続的に更新するかまたは間欠的に更新する。かかる実装形態では、インテリジェント・コントローラが高い確信度および信頼度で占有者が存在しないと判定したとき、勿論、閾値設定に応じて、自動留守スケジュール調整を一般により積極的にトリガして、占有関連の制御スケジュール設定を維持するエネルギの浪費を回避する。特定の実装形態では、短いASCWを保持してもよく、他の実装形態では、ASCWを完全に削除し、上述のサブセクションで説明した存在確率スカラまたはマップのような計算された占有確率により自動留守スケジュール調整を専らトリガしてもよい。
特定の実装形態では、ASCW・ベースのアプローチを、正確な存在確率スカラまたはマップを生成するのに十分なデータが蓄積されるまで最初に使用してもよく、インテリジェント・サーモスタットのリセットの後、または、制御環境、インテリジェント・サーモスタットにより制御されるシステム、もしくはインテリジェント・サーモスタット設定およびパラメータの大きな突発的な変化の後に、使用してもよい。センサの確信度のレベルと生成された存在確率スカラまたはマップの精度が許容可能レベルに上昇すると、インテリジェント・サーモスタットはACSWを大幅に短縮するか、または、ASCWを削除して存在確率のみに依存してもよい。これらの実装形態では、あるいは、初期期間を自動留守機能制限期間とみなしてもよく、自動留守機能はトリガされないか、または、センサ確信度が閾値を超えて上昇するまでの非常に長い初期ASCWの後にのみトリガされる。例えば、誤ってまたは不十分に配置されたセンサのため、インテリジェント・サーモスタットが、自動留守スケジュール調整を敢えて行うのに十分な信頼度で占有および非占有の状態を決定するのは可能でないかもしれない。
図45は制御環境を分類できる様々な状態を示す。インテリジェント・サーモスタットは当該制御環境を4つの前述の状態、即ち、自宅4510、留守通常4512、留守休暇4514、および睡眠4520のうち1つに分類する。通常動作の間は、日時と通常のスケジュールに従って、当該制御環境を自宅状態4510または睡眠状態4520の何れかに分類する。睡眠状態4520を、午後12時から午前6時までのような所定の時間により決定することができ、ユーザの嗜好に従ってユーザにより設定してもよく、午後9時と午前7時の間の睡眠状態を反映する図44Aのスケジュール4402のような現在のスケジュールに従って設定してもよく、追加のタイプのデータに基づくこれらの検討事項および追加の検討事項の組合せにより設定してもよい。
当該通常のスケジュールは占有者の通常のまたは期待される振舞いを説明するためのものである。説明したように、自宅状態4510の制御環境は、予期しない不在が検出されたときに留守通常状態4512に自動的に遷移して、リソースとコストを節約することができる。説明したように、ASCWを使用する実装形態ではASCW期間だけ非占有が検出されたとき、または、存在確率が閾値を下回るとき、自宅状態4510から留守通常状態4512への変化が発生しうる。特定の実装形態では、留守通常状態4512モードを、検知された事象、移動時間、および/または非占有者が筐体に存在するときに節約エネルギと一貫する他のトリガに基づいて変更することができる。幾つかの実装形態について、(1)手動の即時制御入力がユーザから受信され、状態を自宅状態4510に遷移させること、(2)検知された占有行動に基づいて自動到着動作モードがトリガされ、状態を自宅状態4510に遷移させること、(3)現在時刻が通常の占有者の睡眠時間に入り、現在の状態が留守休暇状態でないこと、または、(4)現在時刻がスケジュールされたセットポイントの時刻に対応し、現在の状態が留守休暇状態でないことのうち1つが発生するまで、留守通常状態4512はセットポイント温度をエネルギ節約AST温度に保つ。
特定の実装形態では、非占有条件が「休暇状態確信度ウィンドウ」(「VSCW」)と称する拡張された所定の最小間隔だけ検知されたとき、留守通常状態4512の制御環境は留守休暇状態4514に遷移する。留守休暇の状態4514では、セットポイント温度は留守休暇セットポイント温度(「AVST」)に設定される。これは、積極的なエネルギ保存温度レベルを表す。例えば、1実装形態では、AVSTは、デフォルトで、暖房が必要な期間は華氏45度であり、冷房が必要な期間は華氏95度である。VSCWは通常はASCWよりかなり長く設定される。例えば、多くの場合、24時間のVSCWが適当である。特定の実装形態ではVSCWは可変であり、例えば、金曜日の午後から日曜日の夜までの週末の期間において48時間から60時間にわたる。週末期間の長いVSCWにより、短期の週末旅行のような短い非占有期間の間に誤ってセットポイント温度を厳しいAVSTに変更することを減らす。特定の実装形態では、セットポイント前提条件付け機能を留守休暇の状態の間に使用することはできない。
特定の実装形態では睡眠状態4520の間に自動留守機能は停止する。これらの実装形態では、当該状態は睡眠から留守通常に直接は遷移しない。自動留守機能を停止することで、占有が検知されないときに誤ってセットポイント温度をスケジュールされた夜間のセットポイント温度からASTに変更することを回避する。他の実装形態によれば、かなり低い期待される行動レベル、異なる行動パターン、および占有者が寝ている時間中の位置に起因して非占有を検出したとき、占有検知を睡眠状態4520中に、非行動にあまり感受的でないように変更する。1例では、ASCWを睡眠状態中に4時間または6時間に拡張する。他の実装形態によれば、センサ読取値の各バケットにおける読取値の閾値パーセントを低下させて、占有者が実際に寝ているときの、誤って非占有を分類する確率を下げる。履歴占有パターンを含む様々な種類のデータに基づいて存在確率スカラおよび/またはマップを生成する実装形態では、自動留守機能をトリガするための存在確率閾値ベースの方法では、上述のサブセクションで説明したように、累積存在確率の生成後に適用される様々な存在確率調節ルールにおいて睡眠スケジュールを自動的に考慮し、占有者が寝ている間に自動留守機能がトリガされる可能性を防止するかまたは大幅に低下させる。
図46A乃至46Fは、通常の制御スケジュールの時間プロットと自動留守/自動到着方法の動作に対応する実際の動作セットポイントのプロットを示す。図46Aは、水曜日のような特定の平日、および、午前11時と午後5時の間に通常は自宅に居ないユーザに対する、インテリジェント・サーモスタットスケジュール4602を示す。スケジュール4602は、午前7時から午前11時の覚醒/在宅間隔、および、セットポイント温度が華氏72度である午後5時から午後10時の覚醒/在宅間隔から構成される。睡眠温度と日中温度はともに華氏62度に設定される。当該例では、ASCWは90分でありASTは60度である。
図46Bで、スケジュールされたセットポイントのプロット4602が実際の動作セットポイントのプロット4604に沿って示されている。検知された行動タイムライン(「As)4605は、午後2時の時点で存在する検知された行動に対応する小さな黒丸のマーカを含む。午後2時の時点で、午前8時までに大量のユーザ行動が検知され、非行動の間隔4606が続く。90分のASCWにおいて占有の検出に失敗すると、自動留守機能が午前9時30にトリガされ、制御環境の状態が留守通常状態に遷移し、自動留守制御スケジュールが華氏60度のASTに調節される。
図46Cは、それぞれスケジュールされたセットポイントのプロット602および実際のセットポイントのプロット604と、午後9時の時点で検知された行動を示す。行動が午後5時で検知されていないけれども、状態が自宅に変更され、セットポイントが72度のスケジュールされたセットポイントに一致するように変更されていることに留意されたい。占有検知のないこの自宅状態への状態遷移は、スケジュール602により反映されるように、占有者が通常は午後5時までに自宅に到着するから現在この時刻に占有者が戻るであろうという期待に基づいて行われる。図46Cに示す例では、行動が大よそ午後6時15分から再び検知されることに留意されたい。
図46Dは、別の例に従う、それぞれスケジュールされたセットポイントのプロット4602および実際のセットポイントのプロット4604と、午後9時の時点で検知された行動を示す。図46Dに示す例では、午後9時の現在時刻を過ぎても占有が夜に検出されていない。したがって、午後6時30分のASCWを過ぎた後に、制御環境の状態は留守通常に変更され、セットポイントは60度のASTに変更される。
図46Eは、図46Dに示す例に従う、それぞれスケジュールされたセットポイントのプロット4602および実際のセットポイントのプロット4604と、午後12時の時点で検知された行動を示す。当該例では、午後12時の現在時刻を過ぎても占有が夜に検出されていない。午後10時に、スケジュールされたセットポイントにより、インテリジェント・サーモスタットが維持するセットポイント温度を62度の睡眠セットポイント温度に変更する。午後10時は睡眠状態の開始であるので、本例では、自動留守機能は停止する。
図46Fは、図46Dおよび46Eに示した例に従う、それぞれスケジュールされたセットポイントのプロット4602および実際のセットポイントのプロット4604と、次の日即ち木曜日の午後11時で検知された行動を示す。当該例では、水曜日の午前8時から木曜日の午後11時の間の期間4606全体において占有が検出されていない。当該例では、自動留守機能は午後10時と午前7時の間の睡眠状態において停止しており、セットポイントは木曜日の朝午前7時のスケジュールに従って増加する。しかし、占有が検出されていない、自動留守機能は、午前8時30分のASCW間隔に続いて留守通常状態への状態変更をトリガし、セットポイントがASTに変更される。次に、午前9時30分に、留守通常状態と非占有への初期遷移がその間に検出されてから24時間のVSCWが経過しているので、制御環境の状態が留守休暇に変化する。午前9時30分に、セットポイント温度はAVSTに低下し、これは現在の例では華氏45度である。特定の実装形態では、VSCWは留守通常への状態遷移の時刻からではなく最後の占有検出時刻から測定され、その結果、木曜日の午前8時に留守休暇状態に遷移することに留意されたい。
特定の実装形態では、望ましいエネルギ節約の積極性に従ってASCWを変更する機能をユーザに提供する。例えば、非常に積極的なエネルギ節約のオプションを選択するユーザに45分のASCWを提供することができる。その結果として、システムの自動留守判定が45分の停止の後にのみ行われる。ASCW期間をサブウインドウ化し、検知された行動をフィルタするための様々な方法を使用して、自動留守機能のトリガと留守通常状態への遷移の信頼度を高めることができる。検知された行動が人間の存在または他の現象に関連付けられるかどうかを理解するための様々な学習方法を使用して、自動留守機能によるトリガの信頼度を高めることができる。特定の実装形態では、人間の占有の結果でない検知された事象に対応する検知された行動のバックグラウンドレベルを、留守通常期間中の是正的な手動のセットポイント入力の欠如に基づいて、対話的に学習および/または確認することができる。例えば、自動留守機能のトリガに続く時間に是正的な手動のセットポイント変化がなく、かかる是正的な入力の欠如が幾つかの異なる場面で繰り返されるとき、これらの間隔に関連付けられる検知された行動の種類および/または度合いが、人間の存在に関連付けられないバックグラウンドレベルとして確認されると結論付けることができる。なぜならば、そうでない場合には、かかる場合のうち1つまたは複数に対して何らかの種類の是正的な行動が期待されているだろうからである。
実際の人間の存在に関連付けられない偽の事象または他の事象が自動復帰モードを不必要にトリガしないように、自動留守占有評価と同様に、自動到着機能による自宅状態へのトリガが、サブウインドウ化した時間ウィンドウおよび/または検知された行動のフィルタに基づいてもよい。上述のように、特定の実装形態では、検知プロセスは、5分のサブウインドウバケットまたは他の適切な期間のサブウインドウを、これらのサブウインドウにおける検知された行動の存在または欠如に関して別々に評価するステップを含む。行動の閾値量が2つの隣接するサブウインドウで検知されたことが分かると、自動到着機能は1日の時間帯に応じて自宅状態または睡眠状態への状態遷移をトリガする。例えば図44Dの時刻4408を参照されたい。トリガの際、自動復帰モードは、セットポイント温度を通常の制御スケジュール4402の温度に戻すことによって動作する。
インテリジェント・サーモスタットの特定の実装形態では、自動留守のトリガおよび/または自動到着のトリガの繰返しに関連付けられる占有パターンおよび/または是正的な手動入力パターンに基づく制御スケジュール修正を提供する。自動留守/自動到着機能に関連付けられた占有および/または是正的な手動の入力振舞いを複数の周期で連続的に監視しフィルタして、ユーザの占有パターンを検出する。次に、当該パターンを利用して、実際の占有パターンにより良くマッチするように制御スケジュールを切り詰めるかまたは調整することができる。この複数のレベルの周期性に、日次、週次、月次、年次、およびユーザ振舞いに論理的に関連付けられた他の周期性で、占有パターンを含めてもよい。したがって、例えば、自動留守/自動到着に関連付けられた特定の占有および/または是正的な手動の入力振舞いが一連の連続する金曜日に観測されたとき、金曜日に対する制御スケジュールを、示された占有パターンにより良くマッチするように調節する。別の例として、自動留守/自動到着に関連付けられた特定の占有および/または是正的な手動の入力振舞いが一連の土曜日と日曜日に観測されたとき、土曜日と日曜日に対する制御スケジュールを、週末の占有パターンにより良くマッチするように調節してもよい。
図47A乃至47Dは、自動留守および/または自動到着のトリガの反復的な事例に関連付けられた占有パターンおよび/または是正的な手動入力パターンに基づく制御スケジュール修正の1例を示す。プロット4710は図47A乃至47Cに関する通常の制御スケジュールであり、プロット4712、4714および4716はそれぞれ図47A、47B、および47Cの実際の動作セットポイントを示す。最後に、プロット4720は図47Dの調整または修正された制御スケジュールを示す。この例として、時間とともに、平日は毎日自宅にいるとその通常のセットポイント温度が示すユーザに対して、図47A乃至47Cに示すように、自動留守機能が是正的な手動のユーザ入力なしに複数の週にわたる水曜日の正午付近で留守通常状態への遷移をトリガすること、および、自動到着モードがこれらの日に午後5時付近でトリガされることが分かる。このパターンが、例えば、水曜日に地域の図書館でボランティアをすることに決めた退職者に対応してもよい。当該パターンが高信頼に確立されると、例えば、3つの連続する水曜日の後に、図47Dに示すように、次の水曜日とその後の全ての水曜日に対して、午前10時と午後5時の間の間隔に対してスケジュールされた留守期間が存在するように、通常の制御スケジュールが自動的に調整または切りつめられる。
特定の実装形態では、パターンは、図47A乃至47Cの3つの水曜日全てではなく、例えば当該3つの水曜日のうち2つに基づいて、2つの連続的な事象により高信頼に確立される。さらに、特定の実装形態では、調整または修正されたスケジュール4720は自動的に適合化されないが、その代わり、最初にユーザ承認のためユーザに提供される。例えば、スケジュール更新が自動的に使用されるのではなく、ユーザがスケジュール更新に関して質問されるのを好むと示す場合に、ユーザの受理を促してもよい。他の幾つかの実装形態によれば、推定されたコストおよび/またはエネルギ節約が所定の閾値またはパーセントを上回る場合にのみ、新たなスケジュール4720を自動的に使用するかまたはユーザに提供する。
図47A乃至47Cに示す日のうち1つで「是正的な入力」または「過酷な入力」と称する是正的な即時制御入力が生じた場合には、図47Dに示すように、制御スケジュールは自動的に調節されていないかもしれない。かかる是正的または過酷な入力は、(1)自動留守モードがトリガされており、(2)(バックグラウンド事象に関してフィルタした後に)自動到着機能が状態変化をトリガするのに十分な検知された占有行動が存在せず、(3)ユーザが不快になりインテリジェント・サーモスタットに歩いて行って温度を上げる環境において生じうる。水曜日の午前10時に図書館に行くのではなく、ユーザが上階に行って本を読み、単一の1階のインテリジェント・サーモスタットがユーザの存在を検知せず午後12時に自動留守をトリガせず、その後、ユーザは大よそ午後12時45分に不快になって階下に行き温度を手動で上げるかもしれない。潜在的な占有パターンが無効であるかまたはさらなる適格性を有する必要がありうるとユーザの過酷な入力が示すので、制御スケジュールは図47Dに示すように自動的にはプロット4720に調節されず、1実装形態では、潜在的なパターンを少なくとも部分的に負の方向に重み付け、その結果、妥当なまたは合理的に予測的なパターンを確立するためにさらに高度な補正が後に必要となるかもしれない。より一般的なケースでは、過酷な是正的な入力につながる時間間隔で検知された停止に基づいてなされた不正確な結論が明らかに存在するので、ユーザの過酷な入力を使用して、占有検知に適用されるフィルタの種類および/または度合を調節してもよい
上述の実装形態の自動留守/自動到着機能は、現在検知されている占有情報によりトリガされる。他の実装形態では、自動留守/自動到着機能の自動自己トリガは、拡張された期間にわたってインテリジェント・サーモスタットにより生成された占有確率時間プロファイルに基づく。1実装形態として、当該占有確率時間プロファイルは、1人または複数人の人間が筐体を夫々の特定時点で占有している確率を表すスカラ値の時間プロットとして表される。あるいは、占有統計値および/または確率を反映する確率分布関数およびランダム変数表現を含む様々な他の任意の式を使用することができる。
1実装形態として、インテリジェント・サーモスタットは、(1)通常の制御スケジュールが、スケジュールされた在宅時間の間隔を示すこと、(2)占有確率が所定の閾値を下回ること、(3)占有センサが、人間の占有者が実際に筐体に存在するのを曖昧なく示す大量の行動を検知していないこと、および、(4)占有センサが、前述の方式で自動留守モードに遷移するのに十分長い間隔だけ十分に低いレベルの行動をまだ検知していないこと、の基準を満たす日中の1つまたは複数の時刻で、自己トリガし、留守通常状態へ遷移するように構成される。これらの条件が満たされ、自動留守モードが自己トリガされると、自動留守モードからの遷移を、従来式の自動留守モードにより実施されるのと同様に進めることができる。学習したことに基づく制御スケジュールの自動調整が、従来式でトリガした自動留守モードと自己トリガされた自動留守モードの方法から組み合わせた観測結果に基づくことができる。
自動留守モードの上述の自己トリガは、少なくとも部分的に占有確率に基づき、現在の瞬間的な占有情報のみが考慮される従来の自動留守トリガ方法のみに基づく調整と比較したとき、より完全でより統計的に正確な制御スケジュールの調整をもたらすことが分かっている。1つの理由は、占有確率を生成する際に使用される多数の行動検知データサンプルに関連する。1つの視点からは、自動留守プロセスを、ユーザに詳細な質問をする必要なしに、ユーザ応答の正確さに頼ることなしに、占有検知ハードウェアの瞬間的な精度に専ら頼ることなしに、自動的にユーザの環境をテストしてユーザの占有パターンに関するさらなる詳細を学習する方法と考えることができる。
図48は制御環境を分類できる様々な状態を示す。図48の実装形態は、自動留守/自動到着方法の1つまたは複数の機能を表す。当該方法を、図45を参照して説明した実装形態に代えて、または、幾つかのケースでは、図45を参照して説明した実装形態と組み合わせて使用することができる。特に、図48に示す実施形態では、独立な睡眠状態はない。独立な睡眠状態を含めるのではなく、制御環境が仕事ではない日時は午後8時と午前8時の間ではないと規定する条件を、留守通常状態4820に入ることに対して提供する。午後8時と午前8時の時間中の休みに対して状態は留守通常状態4820から自宅状態4810に遷移する。
図48では、3つの状態、即ち、インテリジェント・サーモスタットが一般に制御スケジュールに従う自宅状態4810と、セットポイント温度がその間にASTのようなエネルギ節約レベルに設定される留守通常状態4820と、セットポイント温度がその間にAVSTのようなエネルギ節約レベルに設定される留守休暇状態4830が示されている。特定の実装形態では、ASTおよびAVSTは同じ温度に設定される。制御環境の状態が自宅状態4810に遷移する特定の方式に応じて、自宅状態4810を到着状態、自動到着状態、または手動到着状態と考えることができる。
特定の実装形態では、自宅状態4810から留守通常状態4820への遷移は、(1)第1の組の条件4812の全てが満たされるか、または、(2)第2の組の条件4814の全てが満たされるときに生じうる。条件4812は自動留守機能が有効であることを含み、ASCWより長い最後に検知した行動からの時間は、特定の実装形態では、最初は120分に設定される。特定の実装形態では、行動センサデータは時間バケットに収集され、当該方法は、検知された占有者の行動がないと判定するために、幾つかの連続的な空のバケットを求める。特定の実装形態によればこのバケットは5分の期間であり、ASCWは最初に24個のバケットに等しいように実装される。しかし、幾つかの実装形態によれば、他の大きさのバケットと他の数のバケットを使用でき、または、他の占有(または非占有)検出機構を実装することができる。
条件4812はまた、留守セットポイント温度が現在有効なセットポイント温度と少なくとも同程度に効率的であることを含む。なぜならば、そうでない場合には、留守通常状態に移ってもエネルギが保存されないからである。前述のように、自宅状態から留守通常状態に入るための条件はさらに、住宅への設置に対してその日時が午前8時と午後8時の間(または他の適切な睡眠外の時間間隔)であることを含む。かかる限定を企業への設置に使用しなくともよい。なぜならば、占有者は一般に仕事環境では睡眠をとらず、これらの時間にエネルギ節約の留守通常状態に遷移することで大量のエネルギを節約できるからである。条件4812はさらに、直近の操作からの時間がASCWより短いという条件を含む。この場合、操作は、インテリジェントへの手動の即時制御入力か、または、インテリジェント・サーモスタットを留守通常状態に遷移させるリモートウェブおよび/またはPCインタフェースを介した対話を指す。例えば、占有者が自身の居住施設を午前9時に出て職場に行くシナリオを考える。職場では、ユーザはリモートで、直接にまたはクラウド・ベースのサーバを介して、インテリジェント・サーモスタットにログインし、午前10時に1つまたは複数のインテリジェント・サーモスタット設定を変更する。その他の条件4812が午前11時から満たされているとすると、午前10時の操作に起因して、午前11時ではなく正午(午前10時に2時間のASCWを加えたもの)まで留守通常状態4820には入らない。
条件4812はまた、最後にスケジュールされたセットポイント変化からの時間がASCWより長いことを含む。例えば、占有者が居住施設を午後5時に出たとき、スケジュールされたセットポイント変化が午後6時にあり、ASCWは2つの期間を有し、留守通常状態には午後7時ではなく少なくとも午後8時まで入らない。条件4812はまた、インテリジェント・サーモスタットが手動の上書きに従って動作しているとき、または、ユーザがリモートネットワークインタフェースで等価な動作を行ったとき、手動の上書きセットポイントが有効である限り留守通常状態に入らないという条件を含む。特に、特定の実装形態では、次のスケジュールされたセットポイントに遭遇するまで手動の上書きは有効なままである。1例として、ユーザが通常の仕事時間中に在宅であり手動でセットポイント温度を通常のスケジュールされたセットポイント温度から上昇させたとき、その日の間に有効になるスケジュールされたセットポイントがないと仮定すると、スケジュールされたセットポイントが温度を上昇させるとき、その仕事日の終わりまで手動の上書きは有効なままである。この非手動上書き条件のため、自動留守モードは、ユーザが自宅で病気であり寝る前にダイヤルを回して手動で上げた日の間は有効にならない。条件4812はまた、インテリジェント・サーモスタットがOFFモードであるべきでないという条件を含む。条件4812の別のものは、インテリジェント・サーモスタットが、その占有センサが十分に信頼できる占有データを生み出しているという十分な確信度をまだ得てないときは、留守通常状態4820に入らないというものである。これは、例えば、インテリジェント・サーモスタットが、本棚の後ろまたは行き止まりの廊下の終点のような、占有者行動を高信頼に検出できない家の場所に設置されているときのケースでありうる。設置後の或る時間だけセンサデータを自動的に処理し、当該データを、日時や手動のウォークアップ式のユーザダイヤル対話のような他の情報と比較することによって、インテリジェント・サーモスタットは、低いセンサ確信度により自動留守機能を不適格とみなしてもよい。
以下でさらに詳細に説明するように、条件4814は、同一の構造で設置された複数のインテリジェント・サーモスタットが存在する状況に関する。以下でさらに詳細に説明するように、閾値数より多い設置されたインテリジェント・サーモスタットが、留守通常状態に協調的に遷移する前に合意する必要がある。ONに設定された自動留守フラグ(「AAF」)を有する別のリモート・インテリジェント・サーモスタットが制御環境にあるとき、インテリジェント・サーモスタットはそのAAFをONに設定して、インテリジェント・サーモスタットが、どの行動もASCWにおいて検知しておらず、OFFにされておらず、自動留守が有効であり、時刻は仕事以外に関する午後8時と午前8時の間にないということを与えてもよい。特定の実装形態では、インテリジェント・サーモスタットは、インテリジェント・サーモスタットが低いセンサ確信度を有するときでも、留守通常状態へ遷移するという別のインテリジェント・サーモスタットの判定に干渉しない。
図48を再度参照すると、インテリジェント・サーモスタットが留守通常状態4820に遷移すると、インテリジェント・サーモスタットは、(1)その場合にインテリジェント・サーモスタット遷移が自宅状態4810に戻る、第1の組の条件4816が満たされるか、または、(2)その場合にインテリジェント・サーモスタットが留守休暇状態4830に遷移する、第2の組の条件4822が満たされるまで、当該状態に留まる。留守通常から自宅への遷移に関して、条件4816は自動到着判定を含む。特に有用であることが分かっている1つの条件では、インテリジェント・サーモスタットが留守通常状態に遷移するとき、自動到着判定があるときでも、当該状態が特定の期間だけラッチされ自宅状態に戻らないように、留守通常状態に対するラッチ機構を実装する。当該期間を「自動到着禁止ウィンドウ」(「AAIW」)と称する。留守通常状態4820に入ってからの時間がAAIW以内であるとき、図49に関してさらに詳細に説明するように、行動が検知されかつ/またはスケジュールされたセットポイントに遭遇したときでも、インテリジェント・サーモスタットは留守通常状態4820に留まる。AAIWは特定の実装形態では30分に設定される。AAIWが経過すると、N個の連続するバケット内のセンサ行動により自宅状態4810に戻る。Nの値を、特定の実装形態では、検出された行動に対して自動到着機能が多少感受的となるように調節することができる。特定の実装形態では、Nの値は最初に2に設定され、その結果、2つの連続的なバケットの間に検知された行動があるとき、自動到着が生ずる。AAIWが経過すると、遭遇したスケジュールされたセットポイントにより自動到着が生ずる。インテリジェント・サーモスタットとのウォークアップ式の手動の対話および/またはリモートアクセスの手動の対話により、インテリジェント・サーモスタットを留守通常状態4820から自宅状態4810に遷移し戻すこともできる。最後に、自動留守機能が無効であるかまたはインテリジェント・サーモスタットがオフになったときに、インテリジェント・サーモスタットは自宅状態4810に戻る。図44A乃至50Bで説明した自動留守機能および自動到着機能はしばしば独立な手動の留守機能と到着機能に関連して提供される。幾つかの実装形態では、インテリジェント・サーモスタットのダイヤルに歩み寄って留守をメニューで選択するか、または、リモートアクセス設備を用いて留守ボタンまたはメニュー選択肢を選択することによって、留守モードを直接かつ即座に起動する機能をユーザに提供する。手動留守モードと称するかかるケースでは、インテリジェント・サーモスタットは、そうでない場合にはスケジュールが規定するものに関らず、および、ユーザが手動でインテリジェント・サーモスタットを手動留守モードから手動到着を介して遷移させるまでの任意の検知された占有者行動に関らず、エネルギ節約ASTで連続的に動作する。幾つかの実装形態について、ダイヤルに歩み寄って任意の種類の入力を提供するかまたはリモートネットワークアクセス設備にログインする際の任意の種類の対話を実行することで、手動到着を実現する。
図48を再度参照すると、条件4822の全てが満たされたとき、インテリジェント・サーモスタットは留守通常状態4820から留守休暇状態4830に遷移することができる。留守休暇状態4830に移るために、最後に検知した行動からの時間はVSCWより長い必要がある。特定の実装形態によればこれは48時間である。また、最後の操作からの時間もVSCWより長い必要がある。
特定の実装形態では、条件4832の全てが満たされたとき、自宅状態4810から留守休暇状態4830への直接の遷移が生ずる。多くの場合、自宅状態4810からではなく留守通常状態4820から留守休暇状態4830に入ることに留意されたい。しかし、他のケースでは、インテリジェント・サーモスタット状態は自宅状態から留守休暇状態に直接遷移することができる。したがって、例えば、1日に起床、仕事、夕方、睡眠を表す4つのスケジュールされたセットポイントが存在する典型的な状況では、例えば、ユーザが休暇出ているが、インテリジェント・サーモスタットは、VSCWに達するまで、最初の1日または2日だけ留守通常と自宅の間で遷移し、スケジュールされたセットポイントごとに留守通常から自宅に遷移し、次いで各ASCWが切れた後に留守通常に戻る。VSCWに到達に到達した際にインテリジェント・サーモスタットが自宅モードであるとき、状態は自宅から留守休暇に直接遷移し、VSCWに達した際にインテリジェント・サーモスタットが留守通常モードであるとき、状態は留守通常から留守休暇に直接遷移する。非常に頻繁にスケジュールされるセットポイント変化があるとき、留守通常状態には決して入らなくてもよく、インテリジェント・サーモスタットは、VSCWに達したときに自宅から留守休暇に直接遷移する。条件4832は、自宅状態4810から留守休暇状態4830に移すために自動留守機能を有効にする必要があり行動センサが十分な確信度を有するべきであると規定する。さらに、条件4822の場合と同様に、最後の検知行動からの時間と最後の操作からの時間はVSCWより長くなければならない。
特定の実装形態では、条件4834の何れかが満たされたときに、留守休暇状態4830から自宅状態4820への遷移が生じうる。条件4834は、インテリジェント・サーモスタットの任意の手動操作、N回の連続的な行動の検知、または、自動留守が無効となっているかまたはインテリジェント・サーモスタットの電源が切られているときを含む。
特定の実装形態では、異なる種類の是正的な不在から存在への事象が認識される。第1のタイプの是正的な不在から存在への事象は、留守状態への遷移に続く第1の閾値時間において占有を検出することを必要とする。この場合、留守状態への遷移をトリガするための閾値存在確率を第1の固定量または現在の閾値に関する量だけ増大させてもよく、留守状態への後続の誤った遷移の可能性を低下させる。当該増加が、固定またはユーザ設定の時間後に終了してもよく、または、徐々に終了してもよい。第2のタイプの是正的な不在から存在への事象は、留守状態への遷移に続く第2の閾値時間においてローカルインテリジェント・サーモスタット即時制御インタフェースを通じた即時制御入力を必要とする。この場合、留守状態への遷移をトリガするための閾値存在確率を、一般に当該第1のタイプの是正的な不在から存在への事象に使用される第1の量より大きい第2の量だけ増大させてもよい。
次に、さらなる詳細をASCWとAAIWに関して提供する。図49は、実際の家庭の構成員からの実験データに基づいて、(1)自動留守状態をトリガし、(2)自動留守状態に入るときに自動到着状態を一時的に禁止するための最適な時間閾値を決定することに関するプロット4910および4920を示す。図49の例では、単一の家庭に対して実験を行うが、当該方法は、個々の結果の適切な統計的組合せにより複数の家庭に対して容易に一般化される。当該実験は以下のように進むことができる。即ち、NDAYSの期間(例えば30日の期間であってもよいが、他の期間も容易に適用可能である)、占有センサ行動をその家庭について追跡し、5分のような所定の期間の時間バケットの観点から特徴付ける。当該占有パターンは、任意の特定のk番目の時間バケットに対して、その間隔において行動が検知されなかったときは0に等しく、その間隔において行動が検知されたときは1に等しい二値関数E(k)により特徴付けられる。図49は、NDAYSの期間の各日に対して288個の時間バケットを特徴付ける関数E(k)のプロット4910を示す。各占有事象を表すマーク4912が存在する。1実装形態によれば、発生する後続の占有事象に関連して任意の特定の占有事象が有しうる予測値が特徴付けられ、当該特徴付けを処理して最適な自動留守閾値を決定する。かかる特徴付けを、占有事象ごとに後続の占有事象の到達時刻のプロットを形成し、次いでこれらのプロットを全ての占有事象にわたって合計してヒストグラムを形成することによって生成してもよい。これらのステップは関数E(k)の自動補正の計算と等価であり、これをプロット4920で示す。家庭の構成員で取得した実用的な実験データに対して、自動補正機能、または適切な平滑なバージョンの自動補正機能が第1の時刻T1付近の谷に落ちる中央極大部分と後続の時刻T2で当該谷から上昇し始める第1の側面極大部分とを有することが分かる。1実装形態では、値T1は、自動留守状態をトリガするための時間閾値として使用され、差分(T2−T1)は、自動留守状態に入るときに自動到着状態を一時的に禁止するための時間間隔として使用される。一連の実験において、T1が大よそ120分であり、T2が大よそ150分であることが分かっている。1実装形態では、顧客に提供された全てのインテリジェント・サーモスタットで使用される1組の閾値T1およびT2があり、これらの数値は大量の統計的サンプルに基づいて製品開発中に予め計算されている。他の実装形態では、占有事象追跡、自動補正、および自動補正プロットの極大部からのT1およびT2の判定を含む、図49に示すプロセスを個々の設置ごとにインテリジェント・サーモスタットにより自動的に実施し、それにより、特定の家庭ごとに最適な1組のカスタマイズされた閾値T1およびT2を提供する。さらに他の実装形態では、占有事象追跡は各インテリジェント・サーモスタットにより実施され、説明した自動補正および/または任意の様々な他の統計的アルゴリズムを実施してT1およびT2の最適値を決定するために、プロットE(k)をクラウドサーバに送信する。次いで、クラウドサーバはT1およびT2の値を個々のインテリジェント・サーモスタットにダウンロードする。
特定の実装形態では、自動留守自動到着の振舞いを改善するために調整または適合化を行うことができる。ユーザが手動で留守モードに入るとき、住宅が占有されていないと仮定し、占有センサが行動を検出したとき、当該行動検出が間違いであると仮定してもよい。したがって、特定の実装形態では、留守手動状態の間、自動到着が行動センサにより検出されているかどうかを判定するためにチェックを行う。かかる行動が検出されると、自動到着があまり感受的でないように占有検出を調節する。1実装形態によれば、センサ行動が留守手動状態の直前30分において最後のN個の連続的なバケットで検出されたとき、数Nを1だけ増加させる。
別の例によれば、ユーザが温度設定を最小のエネルギ・セットポイント未満の温度に手動で入力したとき、当該構造が非占有となるのをユーザが期待していると想定することができる。これを、手動の留守状態に入ったと解釈することができ、それに応じて、センサ行動が直前の30分以内の最後のN個の連続するバケットで検出されたとき、数値Nを1だけ増大させて自動到着があまり感受的でないようにする。
特定の実装形態ではASCWを過酷な振舞いに基づいて調節する。例えば、ユーザが留守通常状態4820に入る最初の30分においてデバイスを留守通常状態4820から自宅状態4810に手動で戻すと、ASCWが増加する。多くの場合、かかる発生の際にASCSを30分だけ増加させることで自動留守機能の動作が向上することが分かる。留守通常状態が殆ど起動されない時間長にASCWが達したとき、インテリジェント・サーモスタットはASCWを徐々に戻すように自動的に動作してもよい。特定の実装形態では、ASCWが最大ASCWまで増加し、それを超えると追加の過酷な事象が発生しても増加は起こらない。
特定の実装形態では、上述の自動留守機能は、他の所望の結果を実現するようにインテリジェント・サーモスタットハードウェアの他の動作態様と統合される。1実装形態では、それがなければ占有検出ハードウェアにより使用および/またはトリガされるAAIWの存在と環境を有利に利用して電力消費を保存する。したがって、1実装形態では、措置を講じることができないときに何かを検知する必要はないので、インテリジェント・サーモスタット内の占有検知ハードウェアはAAIWの間は無効とされる。他の実装形態では、同様な理由で、占有検知ハードウェアを手動留守モードおよび/または留守休暇モードの間に無効にすることができる。
幾つかの実装形態では、インテリジェント・サーモスタットは、高度な、マルチセンシングの、マイクロプロセッサ制御型のインテリジェントなサーモスタットまたは学習型のインテリジェント・サーモスタットである。当該インテリジェント・サーモスタットは、本発明で説明した自動留守/自動到着機能を含む、処理機能、直観的で視覚的に心地良いユーザインタフェース、ネットワーク接続性、およびエネルギ節約機能のリッチな組合せを提供し、同時に、かかる高度な機能は少量の電力を1つまたは複数のHVAC通話中継器から抽出する電力取得機能が安全に提供できるよりも多くの電力を引き出すが、HVACシステムからの所謂Cワイヤまたは家庭ウォール・プラグからの線電力は必要としない。インテリジェント・サーモスタットはこれらの目的を少なくとも、電力取得が安全に提供できるものよりハードウェア電力利用量が少ない時間間隔において再充電し、電力取得が安全に提供できるものよりもハードェア電力利用量が多い時間間隔では必要な余分な電力を提供するように放電する、再充電可能バッテリまたは均等な能力をもつオンボードの電力貯蔵媒体を使用することにより実現する。
再充電可能バッテリの削減された電力利用量と拡張されたサービス寿命を促進するバッテリを意識した方式で動作するために、インテリジェント・サーモスタットには、(1)視覚的に好ましいユーザインタフェース画面を駆動し様々な自動学習計算を実施することを含むより複雑な機能を迅速に実施できる相対的にパワフルで相対的に電力集約的な第1のプロセッサ、および、(2)占有センサの駆動と制御を含むあまり計算集約的でないタスクを実施するための、相対的にあまりパワフルでなく電力集約的でない第2のプロセッサの両方が提供されている。貴重な電力を保存するために、第1のプロセッサは拡張された期間だけ睡眠状態で保持され、第1のプロセッサの機能が必要であるときにのみ起動され、一方で、第2のプロセッサは、相対的に低電力なタスクを実施するために多少連続的に起動される。特定の事象の発生時に第2のプロセッサが第1のプロセッサを起動できるように、第1のプロセッサと第2のプロセッサは相互に構成される。これを、ウェイクオン設備と称することができる。これらのウェイクオン設備を必要に応じてオンおよびオフにして様々な機能および/または電力節約目的を実現することができる。例えば、ウェイクオンPROX設備を提供して、ユーザの手がインテリジェント・サーモスタットのダイヤルに近づいたことをアクティブ近接性センサにより検出したときに、第2のプロセッサが第1のプロセッサを起動して、第1のプロセッサが、接近しているユーザに視覚的表示を提供しユーザの手がサーモスタットダイヤルに触れたときにより高速に応答する準備が出来ているようにすることができる。別の例として、ウェイクオンPIR設備を提供して、パッシブ赤外線移動センサを介してインテリジェント・サーモスタットの一般的な近傍のどこかで移動を検出したときに、第2のプロセッサが第1のプロセッサを起動できるようにすることができる。特に、自動到着を起動するために検知されたPIR行動のN個の連続するバケットが必要であり、単一の十分な移動事象のみがウェイクオンPIR起動をトリガすることができるので、ウェイクオンPIRは自動到着と同義ではない。
PROXセンサはインテリジェント・サーモスタットの非常に近くの有意義なユーザ移動を検出するように構成されるのが好ましいので、ウェイクオンPROX設備は最も頻繁に連続的に有効になる。1実装形態では、ウェイクオンPIR設備が自宅状態で起動されず、その結果、第1のプロセッサの不要な起動を回避することによってインテリジェント・サーモスタットの電力が保存され、ウェイクオンPIR設備が留守通常状態の間に起動され、その結果、第1のプロセッサが検出された移動の意味を評価することができる。しかし、1実装形態では、インテリジェント・サーモスタットはAAIWの間は自動到着モードに遷移しないので、ウェイクオンPIR設備をAAIWの間は停止させて電力をさらに節約する。
1実装形態では、以下のウェイクオンと第1のプロセッサ起動ルールが適用可能である。上述のように、ウェイクオンPIR設備は自宅状態の間は無効である。留守通常状態の間は、当該状態に入ってからの時間がAAIWより短いとき、ウェイクオンPIR設備は無効にされるが、30分間隔の終了時に第1のプロセッサを起動するようにタイマを設定する。留守通常状態の間は、当該状態に入ってからの時間がAAIWより長いとき、ウェイクオンPIR設備を有効にし、インテリジェント・サーモスタットのスケジュールにおける次のセットポイントの有効時刻で第1のプロセッサを起動するようにタイマを設定する。留守通常状態の間は、ウェイクオンPIR事象があったとき、ウェイクオンPIR設備を自動到着判定に使用される時間バケット間隔の残りの期間だけ無効にし、次のバケット間隔の先頭で第1のプロセッサを起動するようにタイマを設定する。これにより、当該バケット間隔の残りの電力が節約される。なぜならば、ウェイクオンPIR事象が既に当該バケットを埋めており、そのバケットの間の任意のさらに検知されたウェイクオンPIR事象が余分であるからである。ウェイクオンPIR設備は次のバケット間隔の最初に再起動される。電力が保存され、同時に、検知された行動のN個の連続するバケットを検出することができる。
類似の電力保存機構を留守休暇状態に使用することができる。留守休暇の状態では、当該状態に入ってからの時間が何らかの閾値時間より短いとき、ウェイクオンPIR設備は無効にされるが、当該間隔が終了したときに第1のプロセッサを起動するようにタイマを設定する。留守休暇の状態では、当該状態に入ってからの時間が当該閾値時間を超えるとき、ウェイクオンPIR設備を有効にし、24時間後に第1のプロセッサを起動するようにタイマを設定する。留守休暇状態の間に、ウェイクオンPIR事象があったとき、ウェイクオンPIR設備は、自動到着判定に使用される時間バケット間隔の残りの期間だけ無効にされ、次のバケット間隔の先頭で第1のプロセッサを起動するようにタイマが設定され、それにより現在のバケット間隔の残りに対する電力を節約する。
特定の実装形態において、複数のインテリジェント・サーモスタットが設置されたときの動作に関してさらなる詳細を以下で提供する。図50Aは、住宅のような特定の制御環境を示す。当該住宅は、2つの異なるHVACシステムに接続された3つのインテリジェント・サーモスタットを有する。制御環境5000は、階下に配置された階下のHVACシステム5042を制御するインテリジェント・サーモスタット5010および5020と、上階に配置された上階のHVACシステム5040を制御するインテリジェント・サーモスタット5030とを備える。インテリジェント・サーモスタットがクラウド・ベースの管理サーバ5060で同一のユーザアカウントに論理的に関連付けられると、当該3つのインテリジェント・サーモスタットは当該制御環境の最適なHVAC制御を提供する際に互いと協調する。当該3つのインテリジェント・サーモスタットの間のかかる協調は、直接的なピアツーピア協調であることができ、または、中央クラウド・ベースの管理サーバが当該2つのインテリジェント・サーモスタットの代わりにマスタ、レフェリ、仲介者、調停者、および/またはメッセンジャのうち1つまたは複数として当該2つのインテリジェント・サーモスタットを監督する、監督型の協調であることができる。1例では、拡張自動留守機能が提供され、当該インテリジェント・サーモスタットの両方が必要な時間だけ行動がないことを検知したときにのみ、留守動作モードが起動される。1実装形態として、各インテリジェント・サーモスタットは、必要な期間だけ非行動を検出したとき、留守状態の投票を管理サーバ5060に送信するが、当該管理サーバから許可を受け取るまで、留守状態には遷移しない。その間、各インテリジェント・サーモスタットは、占有行動を当該制御環境で検出したとき、インテリジェント・サーモスタットの留守状態の投票の撤回を送信する。中央管理サーバ5060は、夫々から現在の留守状態の投票があるときにのみ、留守状態の許可を3つのインテリジェント・サーモスタットの全てに送信する。この集合的な留守状態に入ると、インテリジェント・サーモスタットの何れかが占有行動を検知したとき、インテリジェント・サーモスタットは、撤回をクラウド・ベースの管理サーバ5060に送信し、サーバ5060は留守状態許可の撤回、または到着コマンドを当該3つのインテリジェント・サーモスタットの全てに送信する。上述のサブセクションで説明したように、一般的な組のインテリジェント・サーモスタットの間の多種多様な協調を実装することができる。
図50Bは、マルチインテリジェント・サーモスタットの設置設定に対する自動留守機能の実装例を示す。インテリジェント・サーモスタット5010、5020および5030を含むインテリジェント・サーモスタットのグループが協調して拡張自動留守機能を提供できる1つの方法は、(1)個々のインテリジェント・サーモスタットが自動留守レディであるかどうかを反映するローカル自動留守レディ(「AAR」)フラグ、および、(2)当該グループ内の他のインテリジェント・サーモスタットの各々が自分自身を自動留守レディとみなすかどうかを反映する1つまたは複数のピアAARフラグを含む、グループ状態情報オブジェクトを保持する各インテリジェント・サーモスタットによるものである。インテリジェント・サーモスタットごとのローカルAARフラグは、当該グループ内の他のインテリジェント・サーモスタットの各々のグループ状態情報オブジェクトにおけるピアAARフラグのように見える。各インテリジェント・サーモスタットは、自身のローカルAARフラグを変更できるが、他のAARフラグは読み出せるだけである。各インテリジェント・サーモスタット内のグループ状態情報オブジェクトが新鮮な情報で維持されること、特に、ピアAARフラグが最新に保たれることを保証するのが、中央クラウド・ベースの管理サーバおよびインテリジェント・サーモスタットの集合的機能である。これを、例えば、インテリジェント・サーモスタットのローカルAARフラグの変更を管理サーバに即座に通信するように各インテリジェント・サーモスタットをプログラムすることで実現することができ、この時点で、管理サーバは当該変更を即座にグループの夫々の他のインテリジェント・サーモスタットに通信して対応するピアAARフラグを更新することができる。インテリジェント・サーモスタットの間の直接的なピアツーピア通信の他の方法を使用することができる。
1実装形態では、当該グループに対するAARフラグの全てがYESまたはREADYに設定されるとき、各インテリジェント・サーモスタットが実際の留守状態のみに入るように、インテリジェント・サーモスタットは一致モードで動作する。したがって、任意の特定の時点で、当該グループ内の全てのインテリジェント・サーモスタットが留守状態にあるか、または、インテリジェント・サーモスタットの何れも留守状態にないかの何れかである。次に、各インテリジェント・サーモスタットは、2つの組の基準の何れかまたは両方が満たされるとき、インテリジェント・サーモスタットのAARフラグをYESに設定するように構成され、プログラムされる。第1の組の基準は以下が成り立つときに満たされる。即ち、(1)インテリジェント・サーモスタットの占有センサに従って、検知された非行動の期間が必要な非行動間隔だけ存在すること、(2)インテリジェント・サーモスタットが、自動留守機能を起動するのに占有検知機能が十分に信頼でき正確であると判定したこと、および、(3)(a)自動留守機能が以前にユーザにより無効とされていないこと、(b)当該時刻が、制御環境が仕事でない午前8時と午後8時の間にあること、(c)インテリジェント・サーモスタットがOFFモードでないこと、(d)留守状態温度が現在のセットポイント温度よりエネルギ効率的であること、および、(e)ユーザがクラウド・ベースの管理サーバを介してインテリジェント・サーモスタットとリモートに対話していないことといった、自動留守モードに入るための他の基本的な合理性基準が満たされること、である。第2の組の基準は以下が成り立つときに満たされる。即ち、(1)そのインテリジェント・サーモスタットのセンサに従って検知された非行動の検知期間が必要な非行動間隔だけ存在すること、(2)グループ内の少なくとも1つの他のインテリジェント・サーモスタットのAARフラグがYESの値を有すること、および、(3)上述の合理性基準が全て満たされること、である。それらの1つまたは複数が自動留守機能を起動していないときでも、自動留守機能を起動したメンバが少なくとも1つある限り、当該グループ内の全てのインテリジェント・サーモスタットはその占有センサデータの利点をグループ自動留守判定に与えることができる。当該方法は、エネルギ節約自動留守機能の信頼度と拡張可能性の両方を高めることが分かっている。信頼度は、制御環境内の複数のセンサ位置のために高められ、拡張可能性は、或るインテリジェント・サーモスタットの誤配置が当該グループの全体としての一致の有効性または適用可能性に影響を及ぼさないという点で高まる。
上述の方法は、複数の主要なインテリジェント・サーモスタットおよび/または複数の補助的なインテリジェント・サーモスタットが存在するケースに容易に拡張される。制御環境において主要なインテリジェント・サーモスタットと異なるHVACシステムとの間に1対1の対応関係がある必要はない。例えば、異なるゾーンへのおよび異なるゾーンの間でHVACシステムからの空気の流れを停止および/または変更できる制御可能ダンパを介して、単一のHVACシステムにより当該制御環境内の複数のゾーンにサービスを提供できる多くの設置が存在する。かかるケースでは、ゾーンごとに主要なインテリジェント・サーモスタットがあってもよく、主要なインテリジェント・サーモスタットの各々はHVACシステムならびに適切なダンパに配線され、その各ゾーンの地域を規制する。
図50Bに示すケース5050では、3つのインテリジェント・サーモスタット5010および5020のうち2つはYESに設定されたAARフラグを有し、ASCW内に行動を検知せず他の基準が満たされることを示す。しかし、第3のインテリジェント・サーモスタット5030は、例えば行動を最近検知したという理由で、NOと設定されたAARフラグを有する。インテリジェント・サーモスタットの全てがYESに設定されたAARフラグを有するわけではないので、決定は全員一致でなく、したがってインテリジェント・サーモスタットの何れかは留守状態に入らない。ケース5050の例は、居住施設5000の唯一の占有者が拡張された時間上階に居り、したがってインテリジェント・サーモスタット5030のみが占有を検出しているというものかもしれない。
ケース5052では、インテリジェント・サーモスタット5010、5020および5030の全ては十分に確信しており、ASCWにおいて行動を検知しておらず、自身のAARフラグをYESに設定している。したがって、留守状態に入るという決定は全員一致であり、留守状態が3つのインテリジェント・サーモスタットの全てで実現される。
ケース5052では、インテリジェント・サーモスタット5020の1つはその行動センサデータにおける確信度が不十分である。これは、例えば、インテリジェント・サーモスタットが新たに設置されたという事実の結果かもしれず、または、占有検知に関する不十分な配置に起因するものかもしれない。他の2つのインテリジェント・サーモスタット5010および5030は十分な確信度を有し、ASCWにおいて行動を検出しておらず、そのAARフラグをYESに設定している。この場合、インテリジェント・サーモスタット5020は、他のYESフラグを見て、そのフラグをYESに変更する。当該決定は全員一致であり、留守状態が実装される。この場合、確信度が低いインテリジェント・サーモスタット5020は、2つの確信的なインテリジェント・サーモスタット5010および5030の決定に反対することはできない。
本発明を特定の例の観点から説明したが、これは本発明をこれらの例に限定しようとするものではない。本発明の趣旨に入る修正は当業者には明らかである。例えば、上述のように、存在および/または不在の判定に基づいてインテリジェント・コントローラによりインテリジェント制御を調節するための方法を多種多様な異なる種類のインテリジェント・コントローラで使用して、制御環境または制御環境の部分領域における様々な種類のエンティティの存在および/または不在に関してインテリジェント制御を最適化してもよい。インテリジェント・コントローラ・ロジックが論理回路の実装形態、ファームウェアおよびコンピュータ命令ベースのルーチンおよびプログラムの実装形態を含んでもよく、それらの全てが、プログラミング言語、モジュラ編成、ハードウェア・プラットフォーム、データ構造、制御構造を含む多種多様な実装と設計パラメータの選択された値、ならびに、他の多数のかかる設計および実装パラメータに応じて変化してもよい。上述のように、インテリジェント・コントローラは、存在および/または不在の判定を使用して、2つ以上の存在関連状態を反映するように1つまたは複数の状態変数を設定してもよい。幾つかの存在関連状態を、存在判定が適用される様々な実装形態と状況において変更してもよい。上述のように、以上の説明では一般に人間の存在および不在の判定に着目したが、インテリジェント・コントローラがセンサデータおよび電子的に格納された情報を使用して、多種多様なエンティティの何れかの存在および不在を判定してもよい。これらが生物、無生物、様々なクラスの環境条件、および様々な他種のエンティティであってもよい。スケジュール調整が適用される実装や状況に応じて、存在関連事象に関して行ったスケジュール調整を変化させてもよい。制御出力を規定するパラメータ値を調節してもよく、セットポイントをそれに応じて調節してもよく、セットポイントを時間的に移動させてもよく、新たなセットポイントを導入してもよく、スケジュールされたセットポイントを削除してもよく、他の多数のかかる種類の調整を行ってもよい。上述のように、多種多様な異なる種類のデータと検討事項を存在確率判定において使用してもよい。インテリジェント・コントローラが自動学習や適合化を実施して、存在および/または不在の判定を最適化し、もってインテリジェント制御を最適化してもよい。ルールを追加または削除してもよく、閾値を変更してもよく、スケジュール調整の遅延時間を短縮するかまたは延長してもよく、他の多数の調整および適合化を行って存在確率計算を最適化してもよい。本願が関連するインテリジェント・コントローラが、HVACユニット、エアコン、かまど、照明、音楽機器、湯沸かし器、温水機器、スマート機器、製造処理機器、車両、および多種多様な異なる種類のデバイス、マシン、システム、および様々な種類の組織を制御してもよい。
開示した例の以上の説明は、当業者が本発明を実施または利用できるようにするために与えられたことは理解される。これらの例に対する様々な修正は当業者に容易に想到され、本明細書で定義した汎用的な原理を、本発明の趣旨または範囲から逸脱せずに他の例に適用してもよい。したがって、本発明は本明細書で示した例に限定されるものではなく、本明細書で開示した原理と新規な機能と一貫する最も広い範囲と一致するものである。
140 種々のレガシ機器
202 インターネット
206 ハブ
208 導出データ
210 ネスト/パートナ(複数可)
212 エンジン:
統計値
推論値
インデックス付け
213 ネスト
214 慈善団体
216 政府
218 学術機関
220 企業
222 公共団体
316 (例えばインターネットからの)外部情報
608 メモリ
612 ブリッジ
618 特殊目的プロセッサ
620 ブリッジ
622 コントローラ
623 コントローラ
624 コントローラ
625 コントローラ
626 コントローラ
627 コントローラ
628 大容量記憶装置
804 制御入力
805 制御
810 センサ
811 センサ
812 センサ
816 環境フィードバック

Claims (20)

  1. インテリジェント・コントローラであって、
    プロセッサと、
    メモリに格納された現在の制御スケジュールと、
    1つまたは複数のセンサと、
    制御スケジュールと存在状態の表示を格納するメモリと、
    前記プロセッサにより実行されたときに、
    前記1つまたは複数のセンサからの出力をメモリに記録し、
    間隔をおいて、
    メモリ内の前記記録されたセンサ出力を用いて、制御環境の領域内部の1つまたは複数の種類のエンティティの存在確率を決定し、
    前記存在状態の表示を更新し、
    前記存在状態の表示が変化したときに、それに応じて前記制御スケジュールを調節する
    ように前記インテリジェント・コントローラを制御する、前記メモリ内に格納された命令と、
    を備える、インテリジェント・コントローラ。
  2. 前記プロセッサは、
    1つまたは複数のローカル・プロセッサと、
    1つまたは複数のリモート・プロセッサと
    のうち1つまたは複数を含み、
    前記メモリは、
    1つまたは複数のローカル電子メモリと、
    1つまたは複数のローカル大容量記憶装置と、
    1つまたは複数のリモート電子メモリと、
    1つまたは複数のリモート大容量記憶装置と、
    のうち1つまたは複数を含む、請求項1に記載のインテリジェント・コントローラ。
  3. 前記メモリに格納された前記現在の制御スケジュールは1つまたは複数のセットポイントを含み、各セットポイントは時刻および1つまたは複数のパラメータ値に関連付けられた、請求項1に記載のインテリジェント・コントローラ。
  4. 前記1つまたは複数のセンサは出力を生成し、前記出力から、領域内部の1つまたは複数の種類のエンティティの存在確率が前記インテリジェント・コントローラにより推定され、前記1つまたは複数のセンサは、
    容量、容量変位、導電性、磁気、光、熱、音波、および他種の近接性検出器を含む近接性検出器と、
    パッシブ赤外線、超音波、マイクロ波、および断層移動検出器を含む移動検出器と、
    マイクロフォンおよび他種の音検出器と、
    電荷結合検出器と、
    低解像度デジタル・カメラと、
    熱電対およびサーモカップルと、
    二酸化炭素センサと、
    水蒸気検出器と、
    圧力センサと、
    流量計と、
    セキュリティ/侵入検出器と、
    エンティティの存在と相関する電界の時間変化を検出する電界センサと、
    を含む、エンティティの存在に応答する様々な種類のセンサから選択される、
    請求項1に記載のインテリジェント・コントローラ。
  5. 前記インテリジェント・コントローラは、
    直接センサ出力と、
    1つまたは複数の先行する時間間隔にわたるセンサからの記録された出力と、
    センサ出力値を前記センサ出力に関する存在/不在確率に関連付ける、テーブル、式、およびその他のデータと、
    前記1つまたは複数のセンサに関する確信度または信頼度情報と、
    前記現在の制御スケジュールと、
    履歴制御スケジュールおよびセットポイント情報と、
    前記インテリジェント・コントローラまたは他のインテリジェント・コントローラおよび前記インテリジェント・コントローラが通信するリモート・コンピュータ・システムによって以前に行われた存在/不在判定を含む、履歴存在/不在情報と、
    様々な存在パターン判定分析の結果と、
    リモート・インテリジェント・コントローラ内部のリモート・センサからのデータ、リモート計算設備からのデータ、携帯電話やモバイル電話を含む様々なユーザ装置からのデータ、および前記制御環境内部の様々なスマート機器からのデータを含む、リモート・エンティティから得られた情報と、
    のうち1つまたは複数を含む、前記記録されたセンサ出力および追加の電子的にアクセス可能な情報を用いて、領域内部の1つまたは複数の種類のエンティティの存在確率を決定する、請求項1に記載のインテリジェント・コントローラ。
  6. 領域内部の1つまたは複数の種類のエンティティの存在確率を決定するステップはさらに、
    前記制御環境内部の1つまたは複数の領域とボリュームに対して、
    1つまたは複数の存在確率マップと、
    1つまたは複数の存在確率スカラ値と、
    のうち1つまたは複数を決定するステップを含む、請求項1に記載のインテリジェント・コントローラ。
  7. 前記インテリジェント・コントローラは、
    前記1つまたは複数の領域およびボリュームごとに、
    累積存在確率スカラまたは累積存在確率マップ値を、前記1つまたは複数のセンサの各々の出力から決定された存在確率スカラまたは存在確率マップ値から決定し、
    前記追加の電子的にアクセス可能な情報に基づいて1つまたは複数の追加の検討事項について前記累積存在確率スカラまたは累積存在確率マップ値を調節するためのルールを前記累積存在確率スカラまたは累積存在確率マップ値に適用する
    ことによって、前記制御環境内部の1つまたは複数の領域とボリューム内部の1つまたは複数の種類のエンティティの前記存在確率を決定する、請求項6に記載のインテリジェント・コントローラ。
  8. 前記インテリジェント・コントローラは、
    領域に対する存在確率が第1の閾値を超えて上昇したとき、前記存在状態の表示を前記領域に対して設定して前記領域におけるエンティティの存在を示し、
    領域に対する存在確率が第2の閾値を下回るとき、前記存在状態の表示を前記領域に対して設定して前記領域におけるエンティティの不在を示す
    ことによって前記存在状態の表示を更新する、請求項1に記載のインテリジェント・コントローラ。
  9. 前記存在状態の表示が変化したことに応じて前記インテリジェント・コントローラは、
    セットポイント・パラメータ値を変更するステップと、
    セットポイントを時間で移動するステップと、
    セットポイントを削除するステップと、
    セットポイントを追加するステップと、
    のうち1つまたは複数により前記制御スケジュールを調節する、請求項1に記載のインテリジェント・コントローラ。
  10. 前記インテリジェント・コントローラは、
    HVACユニットと、
    かまどと、
    エアコンと、
    熱ポンプと、
    注水システムと、
    ポンプと、
    扇風機と、
    1つまたは複数の光源と、
    マシンと、
    デバイスと、
    組織と、
    システムと、
    のうち1つまたは複数を制御する請求項1に記載のインテリジェント・コントローラ。
  11. 前記制御スケジュールのセットポイントは、
    温度と、
    液体または気体の流速と、
    エネルギ散逸の速度と、
    圧力と、
    電流密度と、
    電圧と、
    マシン設定と、
    マシン構成要素の位置と、
    計算状態と、
    機械状態と、
    プロセスのスループットと、
    のうち1つまたは複数を規定する請求項1に記載のインテリジェント・コントローラ。
  12. インテリジェント・サーモスタットであって、
    プロセッサと、
    メモリに格納された現在の制御スケジュールと、
    1つまたは複数のセンサと、
    スケジュール・インタフェースと、
    即時制御インタフェースと、
    制御スケジュールと存在状態の表示を格納するメモリと、
    前記1つまたは複数のセンサからの出力をメモリに記録し、
    間隔をおいて、
    メモリ内の前記記録されたセンサ出力を用いて、制御環境の領域内部の1人または複数の人の存在確率を決定し、
    前記存在状態の表示を更新し、
    前記存在状態の表示が変化したときに、それに応じて前記制御スケジュールを調節する
    ように前記インテリジェント・サーモスタットを制御する、前記メモリ内に格納された命令と、
    を備える、インテリジェント・サーモスタット。
  13. 存在状態の前記表示は、
    自宅状態と、
    留守通常状態と、
    留守休暇状態と、
    のうち1つを示す、請求項12に記載のインテリジェント・サーモスタット。
  14. 存在状態の前記表示は、
    自宅状態と、
    留守通常状態と、
    留守休暇状態と、
    睡眠状態と、
    のうち1つを示す、請求項12に記載のインテリジェント・サーモスタット。
  15. 前記インテリジェント・サーモスタットは、
    直接センサ出力と、
    1つまたは複数の先行する時間間隔にわたるセンサからの記録された出力と、
    センサ出力値を前記センサ出力に関する存在/不在確率に関連付ける、テーブル、式、および他のデータと、
    前記1つまたは複数のセンサに関する確信度または信頼度情報と、
    前記現在の制御スケジュールと、
    履歴制御スケジュールおよびセットポイント情報と、
    前記インテリジェント・サーモスタットまたは他のインテリジェント・サーモスタットおよび前記インテリジェント・サーモスタットが通信するリモート・コンピュータ・システムによって以前に行われた存在/不在判定を含む、履歴存在/不在情報と、
    様々な存在パターン判定分析の結果と、
    リモート・インテリジェント・サーモスタット内部のリモート・センサからのデータ、リモート計算設備からのデータ、携帯電話やモバイル電話を含む様々なユーザ装置からのデータ、および前記制御環境内部の様々なスマート機器からのデータを含む、リモート・エンティティから得られた情報と、
    のうち1つまたは複数を含む、前記記録されたセンサ出力および追加の電子的にアクセス可能な情報を用いて、領域内部の1人または複数の人の存在確率を決定する、請求項14に記載のインテリジェント・サーモスタット。
  16. 前記インテリジェント・サーモスタットは、前記制御環境内部の1つまたは複数の領域とボリュームにおける1人または複数の人の前記存在確率を、
    前記1つまたは複数の領域およびボリュームごとに、
    累積存在確率値を決定し、
    前記追加の電子的にアクセス可能な情報に基づいて1つまたは複数の追加の検討事項について前記累積存在確率値を調節するためのルールを前記累積存在確率値に適用する
    ことによって決定する、請求項14に記載のインテリジェント・サーモスタット。
  17. 前記インテリジェント・サーモスタットは、
    領域に対する存在確率が第1の閾値を超えて上昇したとき、前記存在状態の表示を前記領域に対して設定して前記領域におけるエンティティの存在を示し、
    領域に対する存在確率が第2の閾値を下回るとき、前記存在状態の表示を前記領域に対して設定して前記領域におけるエンティティの不在を示す
    ことによって前記存在状態の表示を更新する、請求項16に記載のインテリジェント・サーモスタット。
  18. 前記存在状態の表示が変化したことに応じて、前記インテリジェント・サーモスタットは、
    セットポイント・パラメータ値を変更するステップと、
    セットポイントを時間で移動するステップと、
    セットポイントを削除するステップと、
    セットポイントを追加するステップと、
    のうち1つまたは複数により前記制御スケジュールを調節する、請求項12に記載のインテリジェント・サーモスタット。
  19. プロセッサ、メモリに格納された現在の制御スケジュール、1つまたは複数のセンサ、スケジュール・インタフェース、即時制御インタフェース、および制御スケジュールと存在状態の表示を格納するメモリを備えたインテリジェント・サーモスタットに組み込まれた方法であって、
    前記1つまたは複数のセンサからの出力をメモリに記録するステップと、
    間隔をおいて、
    メモリに格納された前記記録されたセンサ出力を用いて、制御環境の領域内部の1人または複数の人の存在確率を決定するステップと、
    前記存在状態の表示を更新するステップと、
    前記存在状態の表示の変化に応じて、前記制御スケジュールを調節するステップと、
    を含む、方法。
  20. メモリ内の前記記録されたセンサ出力を用いて制御環境の領域内部の1人または複数の人の存在確率を決定するステップはさらに、
    直接センサ出力と、
    1つまたは複数の先行する時間間隔にわたるセンサからの記録された出力と、
    センサ出力値を前記センサ出力に関する存在/不在確率に関連付ける、テーブル、式、および他のデータと、
    前記1つまたは複数のセンサに関する確信度または信頼度情報と、
    前記現在の制御スケジュールと、
    履歴制御スケジュールおよびセットポイント情報と、
    前記インテリジェント・サーモスタットまたは他のインテリジェント・サーモスタットおよび前記インテリジェント・サーモスタットが通信するリモート・コンピュータ・システムによって以前に行われた存在/不在判定を含む、履歴存在/不在情報と、
    様々な存在パターン判定分析の結果と、
    リモート・インテリジェント・サーモスタット内部のリモート・センサからのデータ、リモート計算設備からのデータ、携帯電話やモバイル電話を含む様々なユーザ装置からのデータ、および前記制御環境内部の様々なスマート機器からのデータを含む、リモート・エンティティから得られた情報と、
    のうち1つまたは複数を含む追加の電子的にアクセス可能な情報を使用する、請求項19に記載の方法。
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