JPH0379621B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は石油フアンヒータ等の温風暖房機の制
御装置に関するものであり、燃焼開始時の対流用
送風機制御に係るものである。

従来の技術 一般に温風暖房機は室温によつて燃焼量をコン
トロールしその燃料熱を対流用送風機で室内に送
出して暖房を行なう。そして、燃焼量が高くなる
と対流用送風機の回転数を上げて風量を多くし、
逆に燃焼量が低くなると対流用送風機の回転数を
下げ風量を少なくするようにコントロールして、
室温が低い時は強温風で早く室内を暖房し、室温
が上がり弱燃焼になると弱温風にして快適な暖房
が得られるようにしている。第５図はその回路例
を示し、１０１は電源、１０２は電源スイツチ、
１０３は燃焼制御部、１０４はバーナモータ、１
０５は対流用送風機、１０６は室温検知素子１０
７を介して電源１０１に接続したリレーで、バー
ナモータ１０４ならびに対流用送風機１０５を強
弱二段階に切り換えるリレー１０８，１０９を備
えており、室温検知素子１０７のON−OFFによ
つてバーナモータ１０４と対流用送風機１０５を
同時に切り換えるようになつている。

発明が解決しようとする問題点 しかしながら上記従来の構成では暖房開始前の
室内の温度が特に低い場合は強燃焼による強温風
でも体感的に冷風が吹出しているような感じを受
け、不快感を感じるという問題があつた。すなわ
ち室内の温度が特に低い場合は、壁・床・天井等
からの冷輻射（壁・床・天井等に熱を奪われる現
象）が強く、室内温度が或る温度以下の場合には
暖かく感じる温風であつても上記冷輻射と室内空
気が温風と混合して温度低下する作用との為に冷
風のような感じを受け、不快感を感じるものであ
る。これは燃焼を強で行ないながら、温風を供給
する対流用送風機の回転数を下げれば、必然的に
温風温度が高くなり、冷風感を感じなくなる。こ
の時対流用送風機の回転数を下げる程高温風が得
られるが、一方低回転になる程、回転が不安定に
なり、特に低温では対流用送風機のシヤフト軸等
のグリス粘度が上がり起動しない恐れがでてく
る。

本発明はこのような問題点を解決するもので、
室温が低くても確実に対流用送風機の起動がかか
るようにすることを目的としたものである。

問題点を解決するための手段 本発明は上記問題点を解決するためバーナの燃
焼量と対流用送風機の風量を個別に切り換える制
御手段に、燃料開始時の室温が所定温度より低い
場合に燃料は強のままで対流用送風機の風量を弱
に保持する対流用送風機風量保持手段と、この対
流用送風機風量保持手段に優先して対流用送風機
動作開始時の一定期間だけ強回転にする駆動手段
を設けてある。

作 用 本発明は上記手段によつて、室温が低く対流用
送風機の風量を弱で回転させることで高温度温風
を必要とする時でも動作開始時の一定期間は強で
回転を開始するので確実に対流用送風機は回転を
開始し、一度回転を始めると回転を維持する電力
は僅かですむので弱回転を維持し、高温度温風を
供給することが可能になる。

実施例 以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説
明する。

まずフアンヒータの概略構成を第４図を用いて
説明すると、１は外郭、２は上記外郭内に設けら
れた気化式のバーナ、３は上記バーナ２に燃焼用
空気を供給し強弱設定の出来るバーナモータ、４
は液体燃料を上記バーナ２に供給するポンプ、５
は上記ポンプ４に燃料を供給する燃料タンク、６
は上記バーナ２に連設された燃焼筒、７は上記燃
焼筒６の熱を室内に送出するように設けられた対
流用送風機、８は室温を検知すべく設けられた室
温検知素子で、９は燃焼を開始するときの点火動
作を行なう点火器である。なお後述する燃焼の
ON−OFFを操作する運転スイツチ１０や室温の
設定を行なうボリユーム１１等は操作部（図示せ
ず）に設けられている。

次にこのフアンヒータをコントロールする回路
を第１図を用いて説明すると、１２はマイクロコ
ンピユータで、上記室温検知素子８の信号と設定
温度とを比較してバーナモータ３および対流用送
風機７の強弱切り換えを行なうとともにポンプ４
のON−OFFを制御するなど燃焼コントロール全
般の制御を行なう。１３は商用電源、１４は上記
ポンプ４より供給された燃料を気化させるための
バーナ２に埋設されたヒータ、１５は上記ヒータ
１４により加熱されたバーナ２の温度を検出する
バーナ温度検知素子、１６ａは上記温度検知素子
１５の信号により上記ヒータ１４をON−OFFす
るリレー１６の接点、１７ａは上記バーナモータ
３をON−OFFするリレー１７の接点、１８ａ，
１８ｂは上記バーナモータ３の強弱を切り換える
リレー１８の接点、１８ｃは上記接点１８ａ，１
８ｂとともに作動して、ポンプ流量を強弱に切り
換えるリレー１８の接点、１９ａは上記対流用送
風機７をON−OFFするリレー１９の接点、２０
ａ，２０ｂは対流用送風機７の強弱を切ら換える
リレー２０の接点、２１ａは上記ポンプをON−
OFFするリレー２１の接点で、これらの接点を
持つリレー１６，１７，１８，１９，２０，２１
は上記マイクロコンピユータ１２の出力端子Ｒ
０，Ｒ１，Ｒ２，Ｒ３，Ｒ４，Ｒ５にそれぞれ接
続され、上記マイクロコンピユータ１２の出力が
“Ｌ”の時各リレーのコイルが励磁される。さら
に点火器９は上記マイクロコンピユータ１２の出
力端子Ｒ６に接続され“Ｌ”出力の時点火器９が
動作する。

一方、上記マイクロコンピユータはAN１，
AN２，AN３，Ｉ１の入力端子を有している。
上記各入力端子AN１，AN２，AN３はアナロ
グ電圧を直接読み込むためのもので、適当な抵抗
２３，２４，２７及び２２で分割され、それぞれ
温度検知素子１５、室温検知素子８、ボリユーム
１１に接続されている。また上記入力端子Ｉ１は
同じく適当な抵抗２６でプルダウンされた運転ス
イツチ１０に接続されている。２５は同じくマイ
クロコンピユータ１２に内蔵された不揮発性メモ
リ（以下ROMと称す）で、入力端子AN１，AN
２，AN３，Ｉ１からの信号を受けてあらかじめ
定められた手順すなわちプログラム内容によつて
上記各出力端子Ｒ０〜Ｒ６に所定の信号を出力す
るようになつている。上記ROM２５はバーナモ
ータ３ならびに対流用送風機７の強弱を個別に切
り換える制御部となるものである。２６は同じく
上記マイクロコンピユータ１２に内蔵され書き変
えが自由に出来る揮発性メモリ（以下RAMと称
す）で、上記マイクロコンピユータ１２が仕事を
行なう途中で一時的に発生するデータを貯えるの
に使用される。

上記構成において、運転スイツチ１０が投入さ
れたことをマイクロコンピユータ１２が検知する
と、リレー１６をONしヒータ１４を通電する。
燃焼器２の温度が所定温度まで達つしたことをバ
ーナ温度検知素子１５で検出すると、まずリレー
１９とリレー１７をONし対流用送風機７とバー
ナモータ３を動作させる。この時まず無条件にリ
レー１８および２０をOFFし、バーナモータ３
とともに対流用送風機７を強で例えば１秒間動作
させる。すなわち対流用送風機７を確実に起動さ
せる。次に室温が室温設定ボリユーム１１で設定
した温度より低い場合は上記リレー１８及び２０
はOFFを維持するが、室温が特に低い場合、例
えば14℃以下であると、リレー１８はOFFでバ
ーナモータ３は強のままであるがリレー２０が
ONして対流用送風機７だけが弱で動作する（以
下上記状態を高温風モードと称す）。そしてしば
らくするとポンプ４を駆動すべくリレー２１が
ONし、同時に点火器９を駆動し点火を行なう。
このときポンプ４は強で動作し、燃焼は強燃焼と
なる。したがつて通常の強燃焼時の温風温度より
もさらに高い温度の温風が吹き出されることにな
る。そして燃焼が開始され端子AN１から入力さ
れる室温検知素子８の信号が14℃以上を示すと上
記高温風モードは解除され、リレー２０のOFF
で対流用送風機７の風量も強設定にもどる。すな
わち通常の強燃焼時の温風温度にもどる。なおこ
の高温風モードは後述する如く室温検知素子８の
信号が14℃以下であつても燃焼開始後、例えば10
分間で解除されるようにもなつている。

以下この高温風モード時の対流用送風機の動作
について説明していくと、マイクロコンピユータ
１２のROM２５内は以下のような構成となつて
いる。すなわち第２図において、２８は或る定め
られた信号（14℃以上か以下かを判断させるため
の信号）を出し続ける所定値出力部、２９はこの
所定値出力部２８からの信号と入力端子AN２か
らの信号とを比較してAN２からの信号が14℃以
下なら「真」の信号を出力を出す比較部、３０は
燃焼開始時から「真」の信号を出力しながらタイ
ムをカウントするタイマー部、３０′は対流用送
風機動作開始時から「偽」の信号を出力しながら
１秒をカウントするタイマー部、３１はこのタイ
マー部３０からの信号と比較部２９からの信号が
入力されるAND回路、３１′は上記AND回路３
１からの信号と上記タイマー部３１′からの信号
が入力されるAND回路で、これら各部２８，２
９，３０，３０′，３１，３１′によつて対流用送
風機風量保持部（高温風モード部となるもの）３
２が形成されている。３３は入力端子AN２と
AN３からの入力を比較して燃焼量および対流用
送風量の強弱切替信号を出す比較部、３４は入力
端子AN１，Ｉ１からの信号と比較部３３からの
信号を受けて燃焼量を強弱設定する燃焼制御部
で、Ｒ０〜Ｒ６より所定の信号を出力するととも
に前記タイマー部３０へは燃焼開始信号を前記タ
イマー部３０′へは対流用送風機の動作開始信号
を出力する。３５は対流用送風機７の送風量を強
弱切替える送風強弱切替部（以下送風Ｈ／Ｌ切替
部と称す）、３６は燃焼量の強弱を切替える燃焼
強弱切替部（以下燃焼Ｈ／Ｌ切替部と称す）で、
これら各部３５，３６はいずれも前記比較部３３
からの信号を受けて対流用送風機７ならびにバー
ナモータ３、ポンプ４に強弱駆動信号を送るよう
になつている。そして上記送風Ｈ／Ｌ切替部３５
は前記対流用送風機風量保持部３２のAND回路
３１′からの「真」信号が入力されると、優先し
て弱送風に保持されるようになつている。

次に動作を説明する。まず比較部３３で入力端
子AN２より入力されてくる室温信号と入力端子
AN３からの設定温度信号とを比較して強あるい
は弱、例えば室温が低い場合は強の信号を出し、
燃焼Ｈ／Ｌ切替部３６がバーナモータ３とポンプ
４を強にすると同時に、送風Ｈ／Ｌ切替部３５に
対流用送風機７を強回転させるような強信号を出
させようとする。ところが室温が特に低い場合
（この実施例では前述した通り14℃以下）には対
流用送風機７の起動時を除き前記送風Ｈ／Ｌ切替
部３５は弱に保持され、対流用送風機７を弱回転
させる。すなわちもう一つの比較部２９がAN２
からの室温信号を所定値出力部２８からの信号よ
り高いか低いかを比較し、低い場合（14℃以下）
はAND回路３１に「真」の信号を出している。
一方、燃焼制御部３４からの燃焼開始信号を受け
タイムをカウントし始めたタイマー部３０からも
所定時間（例えば10分間）をカウントするまでの
間「真」の信号を出し続ける。すなわちそれら両
者２９，３０の出力を論理積するAND回路３１
は「真」の信号を出力している。この時、前述し
た如く対流用送風機７の起動時は、燃焼制御部３
４からはタイマー部３０′に対流用送風機７動作
開始信号を出しており、タイマー部３０′は１秒
間「偽」の信号をAND回路３１′に出力する。し
たがつて、AND回路３１からは「真」の信号、
すなわち弱保持信号が出ていても、タイマー部３
０′から対流用送風機７動作開始時点より１秒間
は「偽」の信号が出ているので、AND回路３
１′の出力として１秒間「偽」信号を出し対流用
送風機７を強回転、すなわち確実に起動させる。
そしてその後、AND回路３１′からは「真」の信
号、すなわち弱保持信号を送風Ｈ／Ｌ切替部３５
に出し、前記比較部３３からの信号に優先して送
風Ｈ／Ｌ切替部３５を弱に保持する。すなわち高
温風モードになる。そして室内温度が14℃以上
か、あるいは所定時間、例えば10分経過すると、
前記比較部２９がタイマー部３０からの信号が
「偽」となり、それら両者の論理積を出力する
AND回路３１からは弱保持出力が出なくなり、
送風Ｈ／Ｌ切替部３５の弱保持が解除される。し
たがつて上記送風Ｈ／Ｌ切替部３５は比較部３３
からの強信号に基づいて対流用送風機７を強回転
させるようになる。そして以後は比較部３３から
の信号に基づいてバーナモータ３ならびにポンプ
４と対流用送風機７とは一致して強・弱と切替え
るようになる。なお当初から室温が14℃以上ある
場合には比較部２９からの信号が「偽」となつて
タイマー部３０からの「真」信号との理論積を出
力するAND回路３１は弱保持信号を出さないか
ら、送風Ｈ／Ｌ切替部３５は比較部３３からの信
号に基づいてバーナモータ３、ポンプ４とともに
強回転するようになる。

次に上記高温風モードを行なわせるROM２５
の処理手順を説明する。

第３図のフローチヤートにおいて、ループを描
くメインルーチンの適当な位置に配置された３４
ａはヒータ１４、バーナモータ３、対流用送風機
７、ポンプ、点火器９のON−OFF等燃焼制御を
行なうルーチンである。上記ルーチン３４ａに続
くルーチン３４ｃは対流用送風機７の動作開始時
点を判断するルーチンである。３０a′はルーチン
３４ｃで対流用送風機７動作開始と判断されると
タイマー部３０′の起動をかけ１秒を計測するル
ーチン、ルーチン３４ｂは着火の判断を行ない、
３０ａはルーチン３４ｂで着火と判断された場合
にタイマー部３０の起動をかけ10分間を計測する
ルーチンである。

２９ａは室温が14℃以上か否かを判断するルー
チン、３０ｂは上記ルーチン３０ａで起動をかけ
られた10分タイマーがタイムアツプしたか否かを
チエツクするルーチン、３０′ｂは上記ルーチン
３０′ａで起動をかけられた１秒タイマーがタイ
ムアツプしたか否かをチエツクするルーチンで、
ルーチン２９ａで14℃以上もしくはルーチン３０
ｂでタイムアツプしたと判断された場合もしくは
ルーチン３０′ｂでタイムアツプしていないと判
断された場合にルーチン３３ａへと流れる。ルー
チン３３ａ室温とボリユーム１１で設定された設
定温度とを比較するルーチンで、設定値が室温よ
り高い場合は対流用送風機７を強に切り換えるル
ーチン３５ｂを実行する。また、ルーチン２９ａ
で14℃以下でしかもルーチン３０ｂでタイムアツ
プしていない場合やルーチン３３ａで室温が設定
値より高い場合は、対流用送風機７を弱に切り換
えるルーチン３５ａを実行する。

ルーチン３３ｂは同じく室温と設定温度とを比
較するルーチンで、設定値が室温より高い場合は
バーナモータ３とポンプ４を強に切り換え強燃焼
を行なうルーチン３６ｂを、逆の場合は弱燃焼を
行なうルーチン３６ａを実行する。

このような処理手順において、今室温が14℃以
下で設定温度が20℃に設定してあるとすると、対
流用送風機７動作開始時点では１秒タイマー及び
10分タイマーもタイムアツプしていないので、ル
ーチンは２９ａ→３０ｂ→３０′ｂ→３３ａ→３
５ｂ→３６ｂと流れ、対流用送風機７は強で動作
する。そして上記１秒タイマーがタイムアツプす
るとルーチンは２９ａ→３０ｂ→３０′ｂ→３５
ａ→３３ｂ→３６ｂと流れ、強燃焼でありながら
対流用送風機７は弱で動作する。しかしながら、
室温が次第に上昇し14℃以上になつたり、もしく
は14℃以下のままで10分以上経過するとルーチン
３３ａが実行され室温が設定温度に達つするまで
対流用送風機７はルーチン３５ｂで燃焼と同じ強
さに切り換えられる。

発明の効果 以上のように本発明の制御装置は室温が所定温
度以下（特に低い）の場合に高温度温風を得るた
め対流用送風機は弱回転を行なう必要があると、
まず強回転で動作を開始したのちすぐ（１秒程
度）弱回転を行なうので、対流用送風機を確実に
起動をかけることができる。しかも対流用送風機
は起動後は直ちに弱回転になる、すなわち強風量
を感じるまえに弱風量になるので高温度温風によ
る冷風感のない暖房開始が可能となる利点があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例における制御装置の
回路図、第２図は同主要部のブロツク図、第３図
は同マイクロコンピユータの処理手順を示すフロ
ーチヤート、第４図は本発明の制御装置を用いた
暖房機の概略構成を示す断面図、第５図は従来の
制御装置を示す回路図である。 ２……バーナ、３……バーナモータ、７……対
流用送風機、８……室温検出素子、１２……制御
手段（マイクロコンピユータ）、２９……比較部、
３０……タイマー部、３０′……駆動部（タイマ
ー部）、３１……AND部、３２……高温風モード
部、３５……送風Ｈ／Ｌ切替部、３６……燃焼
Ｈ／Ｌ切替部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 燃焼量切り換え可能なバーナと、上記バーナ
   で加熱された空気を室内に送出する対流用送風機
   と、暖房された室内の温度を検知する室温検知素
   子と、上記室温検出素子の信号により上記バーナ
   の燃焼量と上記対流用送風機の風量を個別に切り
   換える制御手段とを備え、上記制御手段には燃焼
   開始時の室温が所定温度より低い場合には高温度
   温風を供給すべく対流用送風機の風量を強制的に
   一定以下に保持する対流用送風機風量保持手段を
   設け、この対流用送風機風量保持手段には対流用
   送風機動作開始時点から一定期間対流用送風機風
   量保持手段に優先して対流用送風機を強回転に固
   定する駆動部を設けた温風暖房機の制御装置。