JP3798833B2 - 繊維−反応性アントラキノン染料、その製造方法及びその用途 - Google Patents

繊維−反応性アントラキノン染料、その製造方法及びその用途 Download PDF

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Description

【0001】
本発明は、新規な繊維−反応性アントラキノン染料、その製造方法及び繊維材料を染色又は捺染するためのその用途に関する。
【0002】
近年の反応性染料による染色の実務は、得られる染色物の品質に対する更に厳しい要求をもたらし、染色工程の効率化をもたらした。その結果、特に応用面で向上した性質を有する新規な反応性染料を提供することの必要性が、引き続いて存在している。
【0003】
現在、染色する基材に対する充分な直染性を有し、かつ同時に非固着染料を容易に洗い去ることができる性質を有する反応性染料が要求されている。更に、これらは、良好な着色収量を与え、特に染色物に高い固着度を与える高反応性を有することが要求される。公知の染料は、全ての面でこれらの要求を満たしてはいない。
【0004】
したがって、本発明の目的は、上記の品質を高度に有する、繊維材料の染色及び捺染のための、新規な改良された反応性染料を提供することである。これらの新規な染料は、特に、高い固着収量及び高い繊維−結合安定性により特徴づけられ、更にまた、繊維上の非固着染料を容易に洗い去ることが可能である。これらの新規な染料は、また、全般的な堅牢性、好適には光及び湿気に対する堅牢性を有する染色物を調製するものである。
【0005】
本明細書に後述する新規な反応性染料は、これらの要求を実質的に満たすことが見い出された。
【0006】
したがって、本発明は、式(1):
【0007】
【化7】
Figure 0003798833
【0008】
[式中、
1 、R2 及びR3 は、それぞれ他と独立に、水素、又は非置換若しくは置換C1 −C12アルキルであり;
1 は、クロロ又はフルオロであり;
1 は、メチレン−フェニレン−メチレン(これは、非置換であるか又はフェニレン環がC1 −C4 アルキル、C1 −C4 アルコキシ、C2 −C4 アルカノイルアミノ、ハロゲン、カルボキシ若しくはスルホで置換されている)であるか、又は式−(CH23 −CH(CH3 )−CH2 −、−CH2 −CH2 −CH(C25 )−、−CH2 −CH(OH)−CH2 −若しくは−CH2 −C(CH32 −CH2 −の基であり;
Yは、水素、非置換若しくは置換C1 −C12アルキル、又はフェニル若しくはナフチル(これらは、それぞれ、非置換であるか又はC1 −C4 アルキル、C1 −C4 アルコキシ、C2 −C4 アルカノイルアミノ、ハロゲン、カルボキシ、スルホ若しくは式−SO2 −Z基(ここで、Zは、式−CH=CH2 又は−CH2 −CH2 −U1 の基であり、そしてU1 は、脱離基である)で置換されている)である]で示されるアントラキノン染料に関する。
【0009】
適切なC1 −C12アルキル基:R1 、R2 、R3 及びYは、好適には、C1 −C10アルキル基であり、特にC1 −C8 アルキル基である。これらのメチルを除くアルキル基は、酸素、好適には1、2又は3個の−O−、特に1又は2個の−O−で中断されていてもよい。これらのアルキル基は、非置換であっても置換されていてもよく、可能な置換基は、ヒドロキシル、スルホ又はスルファトであり、好適にはヒドロキシル又はスルホであり、最も好適にはヒドロキシルである。アルキルとして定義される置換基Yは、更にアントラキノン染料の基、典型的には、4位のアミノ基を介して結合している1,4−ジアミノアントラキノン−2−スルホン酸の基で置換されていてもよい。
【0010】
メチレン−フェニレン−メチレンの意味のB1 基は、非置換であってもよく、或はフェニレン環が、C1 −C4 アルキル、典型的にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル又はイソブチル、好適にはメチル又はC1 −C4 アルコキシ、典型的にはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ若しくはイソブトキシ、好適にはメトキシ、アセチルアミノ若しくはプロピオニルアミノのようなC2 −C4 アルカノイルアミノ、フルオロ、クロロ若しくはブロモのようなハロゲン、好適にはクロロ又はスルホ若しくはカルボキシで置換されていてもよい。メチレン−フェニレン−メチレン基は、好適には非置換であるか又はフェニレン基がC1 −C4 アルキル、C1 −C4 アルコキシ、ハロゲン若しくはスルホで置換されている。対応する非置換基は、特に興味深い。
【0011】
Yで表されるフェニル及びナフチル基は、非置換であってもよく、或はC1 −C4 アルキル、典型的には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル若しくはイソブチル、好適にはメチル又はC1 −C4 アルコキシ、典型的には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ若しくはイソブトキシ、好適にはメトキシ又はアセチルアミノ若しくはプロピオニルアミノのようなC2 −C4 アルカノイルアミノ、フルオロ、クロロ若しくはブロモのようなハロゲン、好適にはクロロ又はスルホ、カルボキシ若しくは式−SO4 −Z基で置換されていてもよい。
【0012】
適切な脱離基U1 は、典型的には、−Cl、−Br、−F、−OSO3 H、−SSO3 H、−OCO−CH3 、−OPO32 、−OCO−CCl3 、−OCO−CHCl2 、−OCO−CH2 Cl、−OSO2 −C1 −C4 アルキル、−OSO2 −N(C1 −C4 アルキル)2 又は−OCO−C65 である。
【0013】
好適には、U1 は、式−Cl、−OSO3 H、−SSO3 H、−OCO−CH3 、−OCO−C65 又は−OPO32 、好適には−Cl又は−OSO3 H、好適には−OSO3 Hである。
【0014】
1 及びR2 は、好適には、水素又はC1 −C4 アルキル、特に水素である。
【0015】
3 は、好適には、水素又はC1 −C8 アルキル(これは、非置換であるか又はヒドロキシル、スルホ若しくはスルファトで置換されており、かつメチルを除き酸素で中断されていてもよい)であり、特に、水素又は非置換若しくはヒドロキシル置換C1 −C4 アルキルである。最も好適なものは、水素である。
【0016】
1 及びR2 は、特に、水素又はC1 −C4 アルキル、最も好適には水素であり、そしてR3 は、水素又はC1 −C8 アルキル(これは、非置換であるか又はヒドロキシル、スルホ若しくはスルファトで置換されており、かつメチルを除き酸素で中断されていてもよい)である。特に、R3 は、水素又は非置換若しくはヒドロキシル置換C1 −C4 アルキルであり、最も好適には水素である。
【0017】
1 、R2 及びR3 は、最も好適には水素である。
【0018】
メチレン−フェニレン−メチレンの意味でのB1 は、好適には式(2):
【0019】
【化8】
Figure 0003798833
【0020】
(式中、R4 及びR5 は、それぞれ他と独立に、水素、C1 −C4 アルキル、C1 −C4 アルコキシ、C2 −C4 アルカノイルアミノ、ハロゲン、カルボキシ又はスルホ、好適には水素、C1 −C4 アルキル、C1 −C4 アルコキシ、ハロゲン又はスルホであり、そして最も好適には水素である)で示される基である。
【0021】
上記の適切なアルキレン結合基B1 は、好適には式−(CH23 −CH(CH3 )−CH2 −、−CH2 −CH(OH)−CH2 −又は−CH2 −C(CH32 −CH2 の基であり、特に式−(CH23 −CH(CH3 )−CH2 −又は−CH2 −C(CH32 −CH2 の基である。式−CH2 −C(CH32 −CH2 の基は、特に好適である。
【0022】
好適には、B1 は、非置換若しくは上記のように置換されているメチレン−フェニレン−メチレン基であるか、又は式−CH2 −CH(CH3 )−CH2 若しくは好適には−CH2 −C(CH32 −CH2 の基であり、このメチレン−フェニレン−メチレン基は、上記と同義であり、好適なものも同義である。
【0023】
特に、B1 は、メチレン−フェニレン−メチレン又は式−CH2 −C(CH32 −CH2 の基である。
【0024】
最も好適には、B1 は、式−CH2 −C(CH32 −CH2 の基である。
【0025】
Yは、好適には、水素若しくはC1 −C12アルキル(これは、非置換であるか又はヒドロキシル、スルホ若しくはスルファトで置換されており、かつメチルを除き酸素で中断されていてもよい)であるか;又はフェニル若しくはナフチル(これらは、それぞれ、非置換であるか又はC1 −C4 アルキル、C1 −C4 アルコキシ、C2 −C4 アルカノイルアミノ、ハロゲン、カルボキシ、スルホ若しくは式−SO2 −Z基(ここで、Zは、式−CH=CH2 又は−CH2 −CH2 −U1 であり、そしてU1 は、好適には、クロロ若しくはスルファトである)で置換されている)であるか;又は式(3):
【0026】
【化9】
Figure 0003798833
【0027】
(式中、B2 は、C1 −C12アルキル(これは、非置換であるか又はヒドロキシル、スルホ若しくはスルファトで置換されており、かつ酸素で中断されていてもよい)又はメチレン−フェニレン−メチレン(これは、非置換であるか又はフェニレン環が、C1 −C4 アルキル、C1 −C4 アルコキシ、C2 −C4 アルカノイルアミノ、ハロゲン、カルボキシ若しくはスルホで置換されている)である)で示されるアントラキノン基である。
【0028】
2 基は、好適には、上記のB1 と同義であり、好適なものも同義である。
【0029】
特に好適な置換基Yは、上述のフェニル及びナフチル基である。
【0030】
特に、Yは、フェニル又はナフチル(これらは、それぞれ、非置換であるか又はC1 −C4 アルキル、C1 −C4 アルコキシ、ハロゲン、スルホ若しくは式−SO2 −Z基(ここで、Zは、好適には、式−CH=CH2 又は−CH2 −CH2 −U1 であり、そしてU1 は、クロロ又はスルファトである)で置換されている)である。
【0031】
最も好適には、Yは、スルホ置換ナフチル、又は特に、C1 −C4 アルキル、C1 −C4 アルコキシ、ハロゲン、スルホ若しくは式−SO2 −Z、好適にはスルホ置換のフェニルである。ここで、Zは、好適には、式−CH=CH2 若しくは−CH2 −CH2 −U1 の基であり、そしてU1 は、クロロ又はスルファトである。
【0032】
式(1)の好適なアントラキノン染料は、式(4)及び(5):
【0033】
【化10】
Figure 0003798833
【0034】
[式中、R6 、R7 及びR8 は、それぞれ他と独立に、水素、C1 −C4 アルキル、C1 −C4 アルコキシ、ハロゲン、スルホ又は式−SO2 −Z基(ここで、Zは、上記と同義で好適なものも同義である)である]で示されるものである。好適には、Zは、式−CH=CH2 又は−CH2 −CH2 −U1 (ここで、U1 は、クロロ又はスルファトである)の基である。
【0035】
式(1)の好適なアントラキノン染料の更なる群は、式(6)及び(7):
【0036】
【化11】
Figure 0003798833
【0037】
[式中、R9 、R10及びR11は、それぞれ他と独立に、水素、C1 −C4 アルキル、C1 −C4 アルコキシ、ハロゲン、スルホ又は式−SO2 −Z基(ここで、Zは、上記と同義で好適なものも同義である)である]で示される染料よりなる。好適には、Zは、式−CH=CH2 又は−CH2 −CH2 −U1 (ここで、U1 は、クロロ又はスルファトである)の基である。
【0038】
6 、R7 、R8 、R9 、R10及びR11は、好適には、それぞれ他と独立に、水素又はスルホである。最も好適にはR6 、R7 、R9 及びR10は、スルホであり、かつR8 及びR11は、水素である。
【0039】
式(5)及び(7)の染料は、特に興味深く、とりわけ、R6 、R7 、R8 、R9 、R10及びR11が、上記と同義であり、好適なものも同義である式(5)の染料が興味深い。
【0040】
本発明は、更に、式(1)のアントラキノン染料を製造する方法であって、
式(8):
【0041】
【化12】
Figure 0003798833
【0042】
で示されるアントラキノン染料を、式(9):
【0043】
【化13】
Figure 0003798833
【0044】
(式中、X2 は、クロロ又はフルオロであり、そしてR1 、R2 、R3 、X1 、B1 及びYは、上記と同義であり、好適なものも同義である)で示される化合物と縮合させ、続いて場合による変換反応を行うことを特徴とする方法に関する。
【0045】
合成後に行われる変換反応は、脱離反応であってよい。例えば、スルファトエチルスルホニル基を含有する式(1)のアントラキノン染料を、塩基、好都合には、水酸化ナトリウムで処理して、スルファトエチルスルホニル基をビニルスルホニル基に変換してもよい。
【0046】
原理的に、式(1)のアントラキノン染料は、繊維−反応性基を含有する染料の前駆体若しくは中間体から出発してもよく、又はその繊維−反応性基をこの目的に適した染料特性を有する中間体に導入することにより調製してもよい。
【0047】
式(8)及び(9)の化合物は、公知であるか、又は公知の方法と同様の方法で得ることができる。
【0048】
個々の縮合反応は、それ自体公知の方法で、通常、水溶液中で、0〜50℃、好適には0〜10℃の温度範囲で、そして典型的には4〜10のpH範囲で行われる。
【0049】
式(1)の新規な染料は、遊離の酸又は好適にはその塩の形で得られる。適切な塩は、典型的には、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩若しくはアンモニウム塩、又は有機アミンの塩である。例としては、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩若しくはアンモニウム塩又はモノ−、ジ−若しくはトリエタノールアミンの塩である。
【0050】
この新規染料は、ヒドロキシル基−含有又は窒素−含有繊維材料のような、広範囲の材料を染色及び捺染するために適している。このような材料は、典型的には、絹、皮革、羊毛、ポリアミド及びポリウレタンであり、そして好適には、全ての種類のセルロース性繊維材料である。このようなセルロース性材料は、典型的には、木綿、麻及び大麻のような天然セルロース繊維、並びにセルロース及び再生セルロースを含む。この新規染料は、また、配合織物、適切には、木綿/ポリエステル又は木綿/ポリアミド配合物の成分であるヒドロキシル基−含有繊維を染色又は捺染するために適している。この新規染料は、セルロース性繊維材料を染色又は捺染するために、特に適している。更に、これらは、天然又は合成ポリアミド繊維材料、好適には、羊毛又は合成ポリアミド繊維材料を染色又は捺染するために使用することができる。
【0051】
本発明の染料は、種々の方法で、好適には染料水溶液及び捺染糊料の形で繊維材料に適用することができる。これらは、吸尽法及びパジング法による染色、ここでは、材料を塩を含むか又は含まない染料水溶液に浸漬し、アルカリの処理後又はアルカリの存在下で、加熱するか又は加熱せずに染料を固着させる方法による染色に適している。この新規なアントラキノン染料は、また、染料をアルカリと一緒にパッド上に適用し、続いて織物を室温で数時間静置することにより固着させる、冷パッド−バッチ法にも適している。固着後、染色物又は捺染物を、分散剤として作用し、未固着染料の拡散を促進する試薬を添加するか又は添加せずに、冷水及び温水で完全に洗浄する。
【0052】
本発明の染料は、高反応性、良好な固着及び非常に良好な付着性により特徴付けられる。したがって、これらは、低い染色温度で吸尽染色法により使用することができ、パジング−蒸気工程では短い蒸気時間しか必要としない。固着度は高く、非固着染料は容易に洗い去ることができ、吸尽の程度と固着度の差が著しく小さく、即ち洗濯損失が最小である。この新規染料は、また、特に木綿の捺染及び窒素−含有繊維、典型的には絹又は羊毛若しくは絹を含有する配合繊維を捺染するために特に適している。
【0053】
本発明の染料により得られた染色物及び捺染物は、高い着色強度、及び酸のみならずアルカリ性の範囲においても優れた繊維−染料結合安定性を有する。更に、これらは、また、光に対する高い堅牢性、並びに洗濯、水、海水、交差染色及び汗に対する堅牢性を含む湿気に対する非常に高い堅牢性、並びにプリーツ、アイロン(ironing )及び摩擦に対する高い堅牢性を有する。
【0054】
本発明は、他に記載がなければ、部及び百分率が重量による下記の実施例により説明される。重量部と容量部の関係は、キログラムとリットルの間の関係と同一である。
【0055】
【実施例】
実施例1: 湿潤剤とリン酸水素二ナトリウム5部を添加しながら、塩化シアヌール酸19部を、0℃で水50部中で激しく撹拌した。次に、水酸化ナトリウム溶液の添加によりpHを4.5の一定値に維持しながら、この混合物に、水170部中の2−アミノベンゼンスルホン酸17部の中性溶液を滴下により添加した。反応が完了した後に、水380部及び水酸化リチウム一水和物4部に溶解した式(101):
【0056】
【化14】
Figure 0003798833
【0057】
で示されるアントラキノン化合物38部の溶液を、pHが10を超えないように滴下により添加した。次いで、反応が完了するまでpHを9.5に維持した。塩化ナトリウムの添加により染料を塩析し、濾過により単離し、塩化ナトリウムの水溶液で洗浄し、乾燥し、式(102):
【0058】
【化15】
Figure 0003798833
【0059】
で示される染料を遊離の酸の形で得た。式(102)の染料は、木綿及び羊毛を青色の色調に染色した。
【0060】
実施例2〜81: 2−アミノベンゼンスルホン酸17部を、等モル量の式H−V1 のアミンに代え、かつ式(101)のアントラキノン38部を等モル量の式(103):
【0061】
【化16】
Figure 0003798833
【0062】
で示されるアントラキノンに代えて実施例1の方法を繰り返し、一般式(104):
【0063】
【化17】
Figure 0003798833
【0064】
(式中、B1 及びV1 は、それぞれ第1表に示した意味を有する)で示される下記の第1表に記載した染料を得た。第1表の染料は、木綿及び羊毛を青色の色調に染色した。
【0065】
【表1】
Figure 0003798833
【0066】
【表2】
Figure 0003798833
【0067】
【表3】
Figure 0003798833
【0068】
【表4】
Figure 0003798833
【0069】
【表5】
Figure 0003798833
【0070】
【表6】
Figure 0003798833
【0071】
【表7】
Figure 0003798833
【0072】
【表8】
Figure 0003798833
【0073】
【表9】
Figure 0003798833
【0074】
【表10】
Figure 0003798833
【0075】
【表11】
Figure 0003798833
【0076】
【表12】
Figure 0003798833
【0077】
【表13】
Figure 0003798833
【0078】
【表14】
Figure 0003798833
【0079】
実施例82: 水酸化ナトリウムで中和し、リン酸水素二ナトリウム5部で緩衝化した水150部中の2−アミノベンゼンスルホン酸17部の溶液に、水酸化ナトリウム溶液の添加によりpHを7の一定値に維持しながら、塩化シアヌール酸13部を滴下により添加した。反応が完了した後に、水380部及び水酸化リチウム一水和物4部に溶解した式(101):
【0080】
【化18】
Figure 0003798833
【0081】
で示されるアントラキノン38部の溶液を、pHが10を超えないように滴下により添加した。次いで、反応が完了するまでpHを9.5に維持した。塩化ナトリウムの添加により染料を塩析し、濾過により単離し、塩化ナトリウムの水溶液で洗浄し、乾燥し、式(105):
【0082】
【化19】
Figure 0003798833
【0083】
で示される染料を遊離の酸の形で得た。式(105)の染料は、木綿及び羊毛を青色の色調に染色した。
【0084】
2−アミノベンゼンスルホン酸17部を、等モル量の式H−V1 のアミンに代え、かつ式(101)のアントラキノン38部を等モル量の式(103):
【0085】
【化20】
Figure 0003798833
【0086】
(式中、B1 及びV1 は、実施例2〜81と同義である)で示されるアントラキノンに代えて本実施例の方法を繰り返し、一般式(106):
【0087】
【化21】
Figure 0003798833
【0088】
(式中、B1 及びV1 は、実施例2〜81と同義である)で示される染料を得た。これらは、木綿及び羊毛を青色の色調に染色した。
【0089】
β−スルファトエチルスルホニル基を含有する生成物をアントラキノンと反応させる実施例では、この反応をより希釈した媒体中で約8.5のpHで行った。
【0090】
上記に得た染料のλmax の値を第2表に示した。
【0091】
【表15】
Figure 0003798833
【0092】
染色処方I
実施例1で得られた反応性染料2部を水400部に溶解した。この溶液に塩化ナトリウム53g /リットルを含有する溶液1500部を加えた。その後、綿布100部をこの40℃の染浴に入れ、45分後に水酸化ナトリウム16g /リットルと無水Na2 CO3 20g /リットルを含有する溶液を加えた。染浴の温度をさらに45分間40℃に維持した。染色された布地を水洗し、非イオン性洗剤によるソーピングを沸騰下15分間行い、更にもう一度水洗してから、乾燥した。
【0093】
捺染処方
激しく攪拌しながら、実施例1で得られた染料3部を5%アルギン酸ナトリウム増粘剤50部、水27.8部、尿素20部、m−ニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム1部及び炭化水素ナトリウム1.2部を含有する市販増粘剤100部に散布した。こうして得られた捺染糊料で、綿布を捺染し、乾燥した。その後、捺染布を、飽和蒸気中102℃で2分間蒸気処理した。その後、捺染布を水洗し、必要により、沸騰下ソーピングを行い、更にもう一度水洗してから、乾燥した。

Claims (10)

  1. 式(1):
    Figure 0003798833
    〔式中、
    1、R2及びR3は、それぞれ他と独立に、水素、又は非置換若しくは置換C1−C12アルキル(これは、非置換であるか又はヒドロキシル、スルホ若しくはスルファトで置換されており、かつメチルを除き酸素で中断されていてもよい)であり;
    1は、クロロ又はフルオロであり;
    1は、メチレン−フェニレン−メチレン(これは、非置換であるか又はフェニレン環がC1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、C2−C4アルカノイルアミノ、ハロゲン、カルボキシ若しくはスルホで置換されている)であるか、又は式:−CH2−CH(OH)−CH2−若しくは−CH2−C(CH32−CH2−の基であり;
    Yは、水素若しくはC 1 −C 12 アルキル(これは、非置換であるか又はヒドロキシル、スルホ若しくはスルファトで置換されており、かつメチルを除き酸素で中断されていてもよい)であるか;又はフェニル若しくはナフチル(これらは、それぞれ、非置換であるか又はC 1 −C 4 アルキル、C 1 −C 4 アルコキシ、C 2 −C 4 アルカノイルアミノ、ハロゲン、カルボキシ、スルホ若しくは式:−SO 2 −Z基(ここで、Zは、式:−CH=CH 2 又は−CH 2 −CH 2 −U 1 の基であり、そしてU 1 は、クロロ又はスルファトである)で置換されている)であるか;又は式(3):
    Figure 0003798833
    〔式中、B 2 は、C 1 −C 12 アルキレン(これは、非置換であるか又はヒドロキシル、スルホ若しくはスルファトで置換されており、かつ酸素で中断されていてもよい)又はメチレン−フェニレン−メチレン(これは、非置換であるか又はフェニレン環がC 1 −C 4 アルキル、C 1 −C 4 アルコキシ、C 2 −C 4 アルカノイルアミノ、ハロゲン、カルボキシ若しくはスルホで置換されている)である〕
    で示されるアントラキノン染料。
  2. 1及びR2が、水素又はC1−C4アルキルであり、そしてR3が、水素又はC1−C8アルキル(これは、非置換であるか又はヒドロキシル、スルホ若しくはスルファトで置換されており、かつメチルを除き酸素で中断されていてもよい)である、請求項1記載のアントラキノン染料。
  3. 1、R2及びR3が、水素である、請求項1又は2記載のアントラキノン染料。
  4. Yが、フェニル又はナフチル(これらは、それぞれ、非置換であるか又はC1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、ハロゲン、スルホ若しくは式:−SO2−Z基(ここで、Zは、式:−CH=CH2又は−CH2−CH2−U1の基であり、そしてU1は、クロロ又はスルファトである)で置換されている)である、請求項1〜のいずれか1項記載のアントラキノン染料。
  5. 1が、式:−CH2−C(CH32−CH2−の基である、請求項1〜のいずれか1項記載のアントラキノン染料。
  6. 式(4)又は(5):
    Figure 0003798833
    〔式中、R6、R7及びR8は、それぞれ他と独立に、水素、C1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、ハロゲン、スルホ又は式:−SO2−Z基(ここで、Zは、式:−CH=CH2又は−CH2−CH2−U1であり、そしてU1は、クロロ又はスルファトである)である〕
    で示される、請求項1記載のアントラキノン染料。
  7. 6、R7及びR8が、それぞれ他と独立に、水素又はスルホである、請求項記載の式(5)のアントラキノン染料。
  8. 請求項1記載のアントラキノン染料を製造する方法であって、
    式(8):
    Figure 0003798833
    で示されるアントラキノン染料を、式(9):
    Figure 0003798833
    (式中、X2は、クロロ又はフルオロであり、そしてR1、R2、R3、X1、B1及びYは、請求項1と同義である)で示される化合物と縮合させ、続いて場合により変換反応を行うことを特徴とする方法。
  9. ヒドロキシル基−含有又は窒素−含有繊維材料を染色又は捺染するた めの、請求項1〜7のいずれか1項記載のアントラキノン染料又は請求項8の方法により得られたアントラキノン染料の使用。
  10. セルロース性繊維材料又は天然若しくは合成ポリアミド繊維材料を染色又は捺染するための、請求項1〜7のいずれか1項記載のアントラキノン染料又は請求項8の方法により得られたアントラキノン染料の使用。
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