JP3794961B2 - 採光性と難燃性を有する工事用防音シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は防音シートに関するものであり、更に詳しく述べるならば、本発明は防音性に優れ、かつ実用上十分な採光性を有し、工事現場の周囲に張設される工事用シートとして有用な防音シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
建築工事現場等にあっては、騒音公害や粉塵公害を周囲の環境に及ぼす影響を最小限にするために、建物等の全部又は一部を囲う防音シートが広く使用されている。この防音シートは、従来は、ポリエステル、ビニロン、又はナイロンなどのフィラメントを用いた織編布に、高い比重を有する塩化ビニル系樹脂フィルムを貼着して得られるシートに高い面密度を付与し、それによって質量則に従う遮音性能を向上させた防音シートが用いられていた。
これら従来防音シートにおいては、塩化ビニル系樹脂フィルムの比重を高めるために、塩化ビニル系樹脂フィルムに無機充填剤を高い充填率で充填する必要があり、このため塩化ビニル系樹脂フィルムの光隠蔽性が高くなり、得られる防音シートも光隠蔽性が高いものであった。従って、建築現場等の実際の作業現場で従来の防音シートを使用した場合、その防音シートで包囲された空間は、日中でも暗く、このため作業性が悪く、また防音シートの外側からその内側の作業現場の作業状況を透視できない等の問題があった。
【0003】
そこで、採光性がある防音シートが望まれてはいるが、従来の防音シートにおいて貼着する樹脂フィルムを透明にするためには、高比重無機充填剤の添加量を低くしなければならず、そうすると、得られる防音シートの面密度が低くなり防音性が不十分となる。また、樹脂フィルムを透明にして、しかも得られる防音シートの高い面密度を維持しようとすると、防音シートの厚さを厚くしなければならず、そうすると、得られる防音シートの取扱い性が悪く実用しにくいという問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の防音シートとほゞ同様の防音性、取扱い性、耐もみ性及び引張強さを有し、さらに実用上十分な採光性及び透視性を有し、かつ実用上十分な難燃性を付与することのできる防音シートを提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の採光性と難燃性を有する工事用防音シートは、(1)繊維糸条から構成され、かつ前記繊維糸条間に空隙が形成されている粗目編織物からなる基布と、この基布の前記繊維糸条の露出表面の全面上に形成され、可撓性高分子材料を含む比重1.5〜4.0の高比重樹脂層とを含み、かつ10〜40%の空隙率を有するメッシュシート基材、並びに
(2)前記メッシュシート基材の少なくとも1面上に形成されて、その空隙を塞ぎ、かつ、りん酸エステル系可塑剤及び/又は塩素系可塑剤を含むポリ塩化ビニル樹脂からなる透明性樹脂層を有する防音シートであって、
前記防音シートは、0.8〜3.5kg/m2の面密度と、10%以上の光線透過率とを有し、
前記防音シートの面密度の40〜90質量%が、前記メッシュシート基材によって占められている
ことを特徴とするものである。
本発明の採光性と難燃性を有する工事用防音シートにおいて、前記透明性樹脂層が25〜95%の光線透過率を有することが好ましい。
本発明の採光性と難燃性を有する工事用防音シートにおいて、前記高比重樹脂層が2.0以上の比重を有する無機系充填剤をさらに含むことが好ましい。
本発明の採光性と難燃性を有する工事用防音シートにおいて、前記高比重樹脂層用無機充填剤が酸化鉛、三酸化アンチモン、チタン酸バリウム、酸化ジルコン、酸化亜鉛、酸化鉄、炭酸バリウム、硫酸バリウム、酸化チタン、アルミナ、チタン酸カリ、酸化マグネシウム、マイカ、タルク、炭酸カルシウム、ガラス、アスベスト、水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウムの粉末、繊維、フレーク及びビーズから選ばれた少なくとも1種を含むことが好ましい。
本発明の採光性と難燃性を有する工事用防音シートにおいて、前記高比重樹脂層において、前記無機充填剤が、前記可撓性高分子材料100質量部に対し、50〜400質量部の割合で含まれていてもよい。
本発明の採光性と難燃性を有する工事用防音シートにおいて、前記高比重樹脂層用可撓性高分子材料が、塩化ビニル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ふっ素系樹脂、及び塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂、クロルスルホン化ポリエチレンゴム、ポリニトリルゴム、SBR、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴム、ポリブタジエンゴム、EPT、アクリルゴム、ポリウレタンゴム、及びふっ素ゴム、シリコーンゴムから選ばれた少なくとも1種を含むことが好ましい。
本発明の採光性を有する工事用防音シートにおいて前記透明性樹脂層が、ハロゲン系難燃剤、りん系難燃剤及び無機系難燃剤から選ばれた少なくとも1種をさらに含むことが好ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の採光性と難燃性を有する工事用防音シート(以下これを単に防音シートと記す)は、繊維糸条から構成され糸条間に空隙が形成されている粗目編織物からなる基布と、この基布の構成糸条の露出周面の全面上に可撓性高分子材料を含む高比重樹脂層が形成されたメッシュシート基材と、前記メッシュシート基材の少なくとも1面上に形成されて、その空隙を塞ぎ、かつ、りん酸エステル系可塑剤及び/又は塩素系可塑剤を含むポリ塩化ビニル樹脂からなる透明性樹脂層を有するものであって、前記メッシュシート基材の空隙率を10〜40%にコントロールし、防音シートの面密度を0.8〜3.5kg/m2 にコントロールし、かつ光線透過率を10%以上にコントロールすることにより、従来の防音シートと同等な防音性を維持し、且つ採光性及び透視性と難燃性の付与が可能となったものである。
【0007】
本発明の防音シートの透光性において、JIS K 7105による光線透過率が10%以上、好ましくは15%以上、より好ましくは20〜50%である。光線透過率が10%未満の場合は、得られる防音シートに実質的に採光性がなく、防音シートで囲まれた空間は、作業性が改善される程の明るさを有することができず、透視性も実用上不十分になる。
【0008】
本発明の防音シートの基布用粗目編織物を構成する繊維糸条に用いられる繊維材料は、天然繊維、例えば木綿、麻など、無機繊維、例えばガラス繊維など、再生繊維、例えばビスコースレーヨン、キュプラなど、半合成繊維、例えば、ジ−及びトリ−アセテート繊維など、及び合成繊維、例えば、ナイロン6、及びナイロン66などのポリアミド繊維、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート等)繊維、ポリ乳酸繊維、芳香族ポリアミド繊維、アクリル繊維、及びポリオレフィン繊維、その他公知の繊維から選ぶことができる。前記基布中の繊維糸条は、短繊維紡績糸条、マルチフィラメント糸条、モノフィラメント糸条、スプリットヤーン、テープヤーンなどのいずれであってもよい。合成繊維の場合、芯層/鞘層構造を有する複層繊維であってもよい。
【0009】
前記基布用粗目編織物には、これに難燃性を付与する目的をもって、例えば、基布用粗目編織物に予じめ難燃性付与剤及び樹脂バインダーを含むエマルジョン又は溶液などを、噴霧する方法、又はその中に浸漬する方法により、難燃前処理を施しておいてもよい。難燃性付与剤には格別な制限はなく、例えば臭素系化合物、塩素系化合物、有機りん系化合物、赤りん、アンチモン化合物、水酸化アルミニウムなどの少なくとも1種を適宜に使用できる。また、合成繊維の場合、繊維又は糸条を製造する段階において、繊維原料(ポリマー)に難燃性付与剤を予め添加してもよい。
【0010】
また基布用粗目編織物の組織は織物及び編物のいずれであってもよい。更に基布の編織組織にも格別の制限はないが、例えば、少なくとも、それぞれ、糸間間隙をおいて平行に配置された経糸及び緯糸を含む糸条により構成された粗目布状の編織物が好適に用いられる。このとき、編織物の編織組織は、それから得られるメッシュシート基材の空隙率が10〜40%になるように設定すればよい。前記基布用粗目編織物の目付は50〜400g/m2 であることが好ましく、100〜300g/m2 であることがより好ましい。
【0011】
本発明の防音シートのメッシュシート基材の高比重樹脂層に用いられる可撓性高分子材料は、一般の合成樹脂、例えば塩化ビニル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ふっ素系樹脂、及び塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂など、或いは、天然ゴム又は合成ゴム、例えば、クロルスルホン化ポリエチレンゴム、ポリニトリルゴム、SBR、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴム、ポリブタジエンゴム、EPT、アクリルゴム、ポリウレタンゴム、ふっ素ゴム、シリコーンゴムなどから選ばれた1種以上を含むものであることが好ましい。これらの樹脂及びゴムのなかで、樹脂の強力、被膜の柔軟性、及び汎用性を考慮すると、塩化ビニル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂、又はポリウレタン系樹脂を用いることが好ましい。
【0012】
本発明の防音シートのメッシュシート基材の高比重樹脂層には、可撓性高分子材料とともに無機系充填剤を含んでいることが好ましく、この無機系充填剤は、2.0以上の高い比重を有する充填剤から選ばれることが好ましく、特に3.0以上の高比重を有する無機系充填剤を用いることがより好ましく、例えば酸化鉛(PbO比重9.35)、三酸化アンチモン、(Sb2 O3 比重5.7)、チタン酸バリウム(BaTiO2 比重5.6)、酸化ジルコン(ZrO2 比重5.5)、酸化亜鉛(ZrO2 比重5.4)、酸化鉄(Fe2 O3 比重5.2)、炭酸バリウム(BaCO3 比重4.4)、硫酸バリウム(BaSO4 比重4.4)、酸化チタン(TiO2 比重4.0)、アルミナ(Al2 O3 比重3.8)、チタン酸カリ(K2 O・TiO2 比重3.3)、酸化マグネシウム(MgO比重3.3)、マイカ(比重3.0)、タルク(比重2.8)、炭酸カルシウム(CaCO3 比重2.6)、ガラス(比重2.5)、アスベスト(比重2.5)、水酸化アルミニウム(Al2 O3 ・3H2 O比重2.4)、及び水酸化マグネシウム(Mg(OH)2 比重2.4)の粉末、繊維、フレーク、及びビーズから選ばれた少なくとも1種を含むことが好ましい。また、無機系充填剤の含有量は可撓性高分子材料100質量部に対し50〜400質量部であることが好ましく、100〜300質量部であることがより好ましい。その含有量が50質量部未満の場合は、メッシュシート基材の面密度が不十分になり、防音シートとしての防音性が不十分になることがある。また、その含有量が400質量部を越える場合は、高比重樹脂層の樹脂強度が不十分になり、また得られる防音シートの透明被覆層とメッシュシート基材との接着強度が不十分になり、このため防音シートとしての耐久性が不十分になることがある。
前記メッシュシート基材の高比重樹脂層は、1.5〜4.0の比重(見掛比重)を有することが好ましく、より好ましくは1.8〜3.0である。この比重が1.5未満では、得られる防音シートの防音性が不十分になることがあり、またそれが4.0をこえると防音シート自体の質量が重くなり過ぎ取扱いが困難になり、また高比重樹脂層の樹脂強度が低くなり、防音シートとしての耐久性が不十分になることがある。
【0013】
前記メッシュシート基材の空隙率は10〜40%であり、15〜35%であることが好ましい。こゝで「空隙率」とは下記式により定義される値である
空隙率(%)=(A/A0 )×100
但し、上記式中、A0 は、メッシュシート基材の、多数の高比重樹脂層被覆糸条を含む供試部分の表面積を表し、Aは、この供試部分内の、前記高比重樹脂層被覆糸条の間に形成されている空隙部の合計表面積を表す。空隙率が10%未満の場合は、防音シートの採光性及び透視性が不十分となる場合がある。また空隙率が40%を越える場合は、防音シートの防音性が不十分となる場合がある。本発明の防音シートのメッシュシート基材の空隙部は透明性樹脂フィルムにより塞がれており、一般に、透明性樹脂フィルムの比重は、粗目編織物からなる基布に形成されている高比重樹脂層の比重より低く、従って、防音シートの透明性樹脂フィルム被覆空隙部の面密度は、高比重樹脂層被覆糸条部の面密度より低く、このため、透明性樹脂フィルム被覆空隙部の防音性(遮音性)は、高比重樹脂層被覆糸条部よりも低いのが通常である。このような防音性に対する空隙部の影響は、メッシュシート基材の空隙率が40%を越える場合に顕著に現れてくる。
【0014】
前記メッシュシート基材の面密度(質量)は、防音シートの全体の面密度(質量)の40〜90質量%を占め、好ましくは50〜80質量%を占めている。この面密度(質量)比が40質量%未満の場合は、この防音シートに所望の面密度(質量)を付与するためには、メッシュシート基材に貼着する透明被覆層の厚さ(すなわち透明性樹脂フィルムの厚さ)を厚くすることが必要となり、そうすると、防音シートの厚さが過大になり、シートの取扱い性が悪くなる。また、前記面密度(質量)比が90質量%を越えると、所望面密度を有する防音シートを得るためには、メッシュシート基材に貼着する透明性樹脂フィルムの厚さを薄くすることが必要になり、このためメッシュシート基体の空隙部を透明性樹脂フィルムで塞ぎきれない。
【0015】
前記メッシュシート基材の前記高比重樹脂層は、粗目編織物からなる基布の構成糸条の露出周面の全面上に形成される。このために、可撓性高分子材料のペーストゾル又は溶剤溶液又は乳化エマルジョンあるいはディスパージョンに、必要により無機系充填剤を分散して加工液を調製する。前記メッシュシート基材の高比重樹脂層の形成には、従来の被覆方法を用いて行うことができ、例えば、ディップニップ法、ディップコート法、スプレー吹き付け法、キスコート法、グラビヤコート法などを用いることができる。
【0016】
本発明の防音シートにおいて、透明性樹脂層は、りん酸エステル系可塑剤及び/又は塩素系可塑剤を含むポリ塩化ビニル樹脂からなる。
【0017】
本発明の防音シートの高比重樹脂層及び透明性樹脂層の可撓性高分子材料に用いられるポリ塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニル単独重合体、及び塩化ビニルと他のモノマーとの共重合体から選ばれた1種以上からなるものである。塩化ビニルと共重合可能なモノマーとして、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、エチレン、アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸エステル類などを用いることができる。ポリ塩化ビニル系樹脂は、これらの塩化ビニル系樹脂に、可塑剤、安定剤、フィラー、着色剤、難燃剤、紫外線吸収剤、光安定剤、防黴剤、帯電防止剤、架橋剤などの添加剤の1種以上を混合したものであってもよい。
【0018】
ポリ塩化ビニル系樹脂に使用できる可塑剤としては、フタル酸エステル系可塑剤、アジピン酸エステル系可塑剤、フマル酸エステル系可塑剤、マレイン酸エステル系可塑剤、アゼライン酸エステル系可塑剤、セバシン酸エステル系可塑剤、クエン酸エステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、ピロメリット酸エステル系可塑剤、りん酸エステル系可塑剤、エポキシ系可塑剤などを用いることができる。とくに、フタル酸エステル系可塑剤やアジピン酸エステル系可塑剤などの汎用可塑剤はコスト面で有利であり、好適に用いることができる。フタル酸エステル系可塑剤としては、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ブチルベンジルなどを使用することができる。アジピン酸エステル系可塑剤としては、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジイソデシルなどを使用することができる。
【0019】
また、上記可塑剤のほか、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素三元共重合体、エチレン−アクリル酸エステル−一酸化炭素三元共重合体及びメタクリル酸エステル−一酸化炭素三元共重合体、エステル系ウレタン重合体、及びポリエステル系可塑剤などの高分子可塑剤を用いてもよい。また、ポリ塩化ビニル系樹脂層の透明性を維持しつゝ、これに難燃性を付与するには、りん酸エステル系可塑剤として、クレジルジフェニルフォスフェート、及びトリクレジルフォスフェート、並びに含塩素系可塑剤として、塩素化パラフィンなどの使用が効果的である。上記の可塑剤は、単独に、あるいは2種以上を混合して用いてもよい。
【0020】
本発明の防音シートの高比重樹脂層の可撓性高分子材料に用いられるエチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂としては、高圧法のラジカル共重合方式で製造され、かつ酢酸ビニル成分含有率が比較的低い共重合体樹脂、及び低圧溶液重合法で製造され、かつ酢酸ビニル成分含有率の比較的高い共重合体樹脂のいずれを用いてもよい。エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂中に占める酢酸ビニル成分含有率は、50〜95質量%であることが好ましく、更に好ましくは70〜90質量%である。酢酸ビニル成分含有率が50質量%未満では、得られる樹脂の柔軟性が不十分になることがあり、酢酸ビニル成分含有率が95質量%を超えると、得られる樹脂の耐熱強度が低下し、また樹脂表面に粘着性が生じ加工性に影響する場合がある。
【0021】
本発明の防音シートの高比重樹脂層に用いられるポリウレタン系樹脂としては、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られた樹脂を用いることができる。このようなウレタン系樹脂の製造に用いられるポリオールは、分子鎖の両末端にヒドロキシル基を有するポリエステル系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール、ポリエステルアミド系ポリオール、あるいはアクリレート系ポリオールなどから選ぶことができる。親水性を付与する目的で、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール成分を共重合してもよい。また、カチオン基を導入したウレタン系樹脂であってもよい。カチオン基を導入する方法としては、ポリオールとポリイソシアネートから得られるウレタンポリマーをN−メチルジエタノールアミン等の3級アミノ基をもった鎖延長剤で高分子化し、ポリマーの主鎖に導入された3級アミノ基を有機または無機酸で中和する方法、ジエチレントリアミンなどのポリアルキレンポリアミンで鎖延長し、エピクロルヒドリンを反応させた後に残存するアミノ基を酸で中和する方法などを例示できる。3級アミノ基をもつウレタン系樹脂は、ヨウ化メチルやジメチル硫酸など4級化剤で4級化されていてもよい。
また、ポリイソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、及びイソホロンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート及び脂環式ポリイソシアネートを用いることができる。とくにポリイソシアネート成分として脂肪族ポリイソシアネート及び/又は脂環式ポリイソシアネートを用いたウレタン樹脂は、紫外線曝露によって黄変することがなく耐候性が良好なため好適である。
【0022】
また、防音シートは難燃性が必要とされる。前記透明性樹脂層に難燃性を付与するため、透明性樹脂層の透明性を低下させない範囲で、前記ポリ塩化ビニル樹脂をマトリックスとし、難燃剤としてハロゲン系難燃剤(臭素系難燃剤、塩素系難燃剤)、りん系難燃剤、及び無機系難燃剤などを適量添加し難燃性を高めればよい。これらの難燃剤のなかで、透明性樹脂フィルムの透明性を低下させないことを考慮すると、ハロゲン系難燃剤(臭素系難燃剤、塩素系難燃剤)及びりん系難燃剤を用いることが好ましい。
【0023】
臭素系難燃剤としては、テトラブロモビスフェノールA、デカブロモジフェニルオキサイド、ヘキサブロモシクロドデカン、トリブロモフェノールなどが用いられる。塩素系難燃剤としては、塩素化パラフィン、パークロロシクロペンタデカンなどが用いられる。またりん系難燃剤としては、トリフェニルフォスフェート、トリアリルフォスフェート、クレジルジフェニルフォスフェート、トリクレジルフォスフェート、ポリりん酸アンモン、などが用いられる。
無機系難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ほう酸亜鉛、モリブデン化合物、アンチモン化合物などが透明性樹脂層の透明性を低下させない範囲で用いられ、これらをハロゲン系難燃剤、及びりん系難燃剤と併用してもよい。
【0024】
本発明の防音シートにおいて、透明性樹脂層は、前記メッシュシート基材の少なくとも1面上に、メッシュシート基材の空隙部を塞ぐように形成される。透明性樹脂層の厚さは、前記メッシュシート基材の面密度(質量)、及び防音シートの目標面密度(質量)に応じて設定することができるが、得られる防音シートの防水性及び空隙部のフィルム強度を考慮すれば、透明性樹脂層の厚さは、0.01〜2.0mmに調整することが好ましく、0.05〜1.0mmに調整することがより好ましい。また、透明性樹脂層は、前記メッシュシート基材上に、同一組成からなる1層以上に形成されてもよく、あるいは、異なる組成からなる2層以上に形成されていてもよく、基布の表裏に異なる組成の透明性樹脂層が形成されていてもよい。
【0025】
本発明の防音シートにおいて、透明性樹脂層は、前記ポリ塩化ビニル樹脂を含むフィルム、溶液、エマルジョン、ペーストゾルなどを用い、例えば、トッピング、カレンダリング、コーティング、ディッピングなどの方法によって、メッシュシート基体上に形成することができる。
【0026】
本発明の防音シートの面密度(質量)は0.8〜3.5kg/m2 であり、1.0〜3.0kg/m2 であることが好ましい。面密度(質量)が0.8kg/m2 未満の場合は、防音性が不十分となる。また面密度(質量)は3.5kg/m2 を越える場合は、得られる防音シートの防音性は優れているが、その重量が重くなり取扱い性が悪くなる。また、3.5kg/m2 を越える面密度を得るためには、メッシュシート基材の自体の面密度を上げる必要があり、このためにはメッシュシート基材の高比重樹脂層の形成に使用される樹脂をさらに高比重のものにする必要があり、このために高比重樹脂層に含まれる無機系充填剤の含有量も必然的に多くなり、つまり、可撓性高分子材料100質量部に対する無機系充填剤の含有量が400質量部を越えるようになる。そうすると、高比重樹脂層の樹脂強度が低くなり、防音シートの透明性樹脂層とメッシュシート基材の接着力が低くなり、得られた防音シートに屈曲力が付与された場合に透明性樹脂層がメッシュシート基材から剥離するなどの耐久性低下を生ずる場合がある。
【0027】
【実施例】
本発明を下記実施例によりさらに説明する。
【0028】
試験方法の説明
本発明の実施例及び比較例に用いた試験方法は下記の通りである。
(1)面密度(質量)
供試試料の面密度(質量)の測定において、日本工業規格JIS L 1096に従って供試試料の「単位面積(m2 )当たりの質量(kg)」を測定し、それによって面密度を表した。
(2)厚さ
供試試料の厚さを日本工業規格JIS L 1096に従って測定した。
(3)取扱い性
供試試料の取扱い性を前項の面密度(質量)及び厚さより判定した。
取扱い性が良い:面密度(質量)が3.5kg/m2 以下で厚さが2.0mm以下の場合
取扱い性が悪い:面密度(質量)が3.5kg/m2 を越える場合、
又は厚さが2.0mmを越える場合
(4)光線透過率
供試試料の光線透過率を日本工業規格JIS K 7105に従って測定した。
【0029】
(5)防音性(音響透過損失)
供試試料の音響透過損失を日本工業規格JIS A 1416に従って、中心周波数125,500,1000,4000Hzの音響透過損失を測定し、下記の既存の防音シート(面密度1.0kg/m2 )の音響透過損失を基準にして、供試試料の防音性を、前記基準に対して「劣る」・「同等」・「優れる」と判定した。
【0030】
(6)引張強さ
供試試料からたて方向及びよこ方向について糸目に沿って長さ30cm、巾3cmの引張試験用試料を切り出し、JIS L 1096ストリップ法に従い引張強さを測定した。
(7)耐もみ性
供試試料について日本工業規格JIS K 6328に従って「もみ試験(スコット型法)」を行い、異常の有無を確認し、耐もみ性を評価した。
もみ条件:1kgf ×1000回
(8)防炎性
供試試料の防炎性を日本工業規格JIS A 8952試験し評価した。
【0031】
実施例1
(1)メッシュシート基材の作製
基布用粗目織物として、下記組織のポリエステルフィラメント粗目状織物を用いた。
この粗目状織物を、高比重樹脂としてポリ塩化ビニル系樹脂を含む下記組成1の高比重ポリ塩化ビニル系樹脂組成物のペーストゾルに浸漬し、マングルで絞った後140℃で乾燥し、更に180℃で熱処理して、400g/m2 の高比重樹脂層を形成し、基布の糸条間に空隙が残っている合計質量600g/m2 のメッシュシート基材を作製した。得られたメッシュシート基材の空隙率は30%であり、高比重樹脂層の比重は2.0であった。
<組成1>高比重ポリ塩化ビニル系樹脂組成
ペースト塩化ビニル樹脂 100質量部
フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(可塑剤) 60質量部
三酸化アンチモン(防炎剤) 10質量部
Ba−Zn系安定剤 2質量部
硫酸バリウム(比重4.4) 150質量部
トルエン(溶剤) 50質量部
【0032】
(2)透明性樹脂層の形成
透明性樹脂としてポリ塩化ビニル系樹脂を含む下記組成2の透明性ポリ塩化ビニル系樹脂組成物からなるフィルム(0.15mm厚)をカレンダーを用いて作製し、これを前記メッシュシート基材の両面に貼着して、片面当たり200g/m2 の透明性ポリ塩化ビニル系樹脂層を形成し、合計質量1000g/m2 (面密度1.0kg/m2 )の防音シートを作製した。前記透明性樹脂フィルムの光線透過率は90%であった。
<組成2>透明性ポリ塩化ビニル系樹脂組成
ストレート塩化ビニル樹脂 100質量部
フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(可塑剤) 25質量部
トリクレジルフォスフェート(りん系防炎可塑剤) 25質量部
Ba−Zn系安定剤 4質量部
この防音シートを前記試験に供した。試験結果を表1に示す。
【0033】
実施例2
実施例1と同様にして防音シートを作製した。但し、実施例1のメッシュシート基材の作製及び透明性樹脂層の形成を下記のように変更した。
(1)メッシュシート基材の作製
基布用粗目織物として、下記組織のポリエステルフィラメント粗目状織物を用いた。
この粗目状織物を、高比重樹脂としてポリ塩化ビニル系樹脂を含む下記組成3の高比重ポリ塩化ビニル系樹脂組成物のペーストゾルに浸漬し、マングルで絞った後140℃で乾燥し、更に180℃で熱処理して、770g/m2 の高比重樹脂層を形成し、基布の糸条間に空隙が残っている合計重量1000g/m2 のメッシュシート基材を作製した。得られたメッシュシート基材の空隙率は28%であった。また高比重樹脂層の比重は2.3であった。
<組成3>高比重ポリ塩化ビニル系樹脂組成
ペースト塩化ビニル樹脂 100質量部
フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(可塑剤) 60質量部
Ba−Zn系安定剤 2質量部
三酸化アンチモン(比重5.7) 200質量部
トルエン(溶剤) 60質量部
(2)透明性樹脂層の形成
透明性樹脂としてポリ塩化ビニル系樹脂を含む前記組成2の透明性ポリ塩化ビニル系樹脂組成物からなるフィルム(0.38mm厚)をカレンダーで作製し、これを前記メッシュシート基材の両面に貼着して、片面当たり500g/m2 の透明性ポリ塩化ビニル系樹脂層を形成し、合計質量2000g/m2 (面密度2.0kg/m2 )の防音シートを作製した。前記透明性樹脂フィルムの光線透過率は86%であった。
【0034】
実施例3
実施例1と同様にして防音シートを作製した。但し、実施例1のメッシュシート基材の作製及び透明性樹脂層の形成を下記のように変更した。
(1)メッシュシート基材の作製
基布用粗目織物として、下記組織のポリエステルフィラメント粗目状織物を用いた。
この粗目状織物を、高比重樹脂としてポリ塩化ビニル系樹脂を含む下記組成4の高比重ポリ塩化ビニル系樹脂組成物のペーストゾルに浸漬し、マングルで絞った後140℃で乾燥し、更に180℃で熱処理して、950g/m2 の高比重樹脂層を形成し、基布の糸条間に空隙が残っている合計質量1200g/m2 のメッシュシート基材を作製した。得られたメッシュシート基材の空隙率は12%であった。また高比重樹脂層の比重は2.7であった。
<組成4>高比重ポリ塩化ビニル系樹脂組成
ペースト塩化ビニル樹脂 100質量部
フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(可塑剤) 60質量部
Ba−Zn系安定剤 2質量部
酸化鉛(PbO比重9.35) 250質量部
トルエン(溶剤) 100質量部
(2)透明性樹脂層の形成
透明性樹脂としてポリ塩化ビニル系樹脂を含む前記組成2の透明性ポリ塩化ビニル系樹脂組成物からなるフィルム(0.62mm厚)をカレンダーで作製し、これを前記メッシュシート基材の両面に貼着して、片面当たり800g/m2 の透明性ポリ塩化ビニル系樹脂層を形成し、合計質量2800g/m2 (面密度2.8kg/m2 )の防音シートを作製した。前記透明性樹脂フィルムの光線透過率は80%であった。
【0037】
【表1】
表1から明らかなように実施例1〜3で得られた本発明の防音シートは、既存の同面密度の防音シートと同等の防音性、取扱い性、引張強さ、耐もみ性、難燃性を示し、更に10%以上の光線透過率を示し、有用な採光性と難燃性を有する防音シートであった。
【0038】
比較例1
既存の防音シートを作製した。
基布用織物として、下記組織のポリエステルフィラメント織物(空隙率5%)を用いた。
ポリ塩化ビニル系樹脂を含む下記組成9の高比重ポリ塩化ビニル系樹脂組成物(比重1.5)からなるフィルム(0.27mm厚)をカレンダーで作製し、これを前記基布の両面に直接貼着して、片面当たり400g/m2 のポリ塩化ビニル系樹脂層を形成し、合計質量1000g/m2 (面密度1.0kg/m2 )の防音シートを作製した。前記フィルムの光線透過率は0.1%であった。
<組成9>ポリ塩化ビニル系樹脂組成
ストレート塩化ビニル樹脂 100質量部
フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(可塑剤) 40質量部
トリクレジルフォスフェート(りん系防炎可塑剤) 15質量部
三酸化アンチモン(比重5.7) 10質量部
硫酸バリウム(比重4.4) 20質量部
Ba−Zn系安定剤 4質量部
顔料 5質量部
この防音シートを前記試験に供した。試験結果を表2に示す。
得られたシートは、既存の防音シートと同タイプであり、実施例1で得られた防音シートに比べ、防音性は同レベルであったが、光線透過率は殆どゼロであった。
【0039】
比較例2
実施例1と同様にして防音シートを作製した。但し、実施例1の透明性樹脂層の形成工程省き、防音シートを作製した。この防音シートを前記試験に供した。試験結果を表2に示す。
得られたシートは、メッシュシートであり光線透過率は高いが、防音性は実施例1で得られた防音シートに比べ劣り、また透明性樹脂層がないため、耐もみ性が悪く、実用に適さないものであった。
【0040】
比較例3
実施例2と同様にして防音シートを作製した。但し、実施例2の透明性樹脂層の形成工程省き、防音シートを作製した。この防音シートを前記試験に供した。試験結果を表2に示す。
得られた防音シートは、透明性樹脂層を有していないメッシュシートであり、光線透過率は高いが、防音性は実施例2で得られた防音シートに比べ劣り、また面密度が同じである実施例1で得られた防音シートに比べても防音性は劣っており、また透明性樹脂層がないため耐もみ性が悪く、実用に適さないものであった。
【0041】
比較例4
実施例1と同様にして防音シートを作製した。但し、実施例1の基布用粗目織物を下記組織のポリエステルフィラメント織物に変更した。
得られたメッシュシート基材の空隙率は5%であった。この防音シートを前記試験に供した。試験結果を表3に示す。
得られたシートは、実施例1で得られた防音シートに比べ、防音性は同レベルであったが、光線透過率は低く、採光性は不十分であった。
【0042】
比較例5
実施例1と同様にして防音シートを作製した。但し、実施例1の基布用粗目織物を下記組織のポリエステルフィラメント織物に変更した。
得られたメッシュシート基材の空隙率は55%であった。この防音シートを前記試験に供した。試験結果を表3に示す。
得られた防音シートは、実施例1で得られた防音シートと同様に光線透過率は優れていたが、防音性は劣り、実用に適さないものであった。
【0043】
比較例6
実施例1と同様にして防音シートを作製した。但し、実施例1の基布用粗目織物を下記組織のポリエステルフィラメント織物に変更した。
得られたメッシュシート基材の空隙率は65%であった。この防音シートを前記試験に供した。試験結果を表3に示す。
得られた防音シートは、実施例1で得られた防音シートと同様に光線透過率は優れていたが、防音性は劣り、引張強さも低く、実用に適さないものであった。
【0044】
比較例7
実施例1と同様にして防音シートを作製した。但し、実施例1の高比重樹脂層及び透明性樹脂層の付着量を少なくし、防音シートの面密度(質量)を0.6kg/m2 に減じた。
得られたメッシュシート基材の空隙率は31%であった。この防音シートを前記試験に供した。試験結果を表3に示す。
得られた防音シートは、実施例1で得られた防音シートと同様に光線透過率は優れていたが、防音性は劣り、実用に適さないものであった。
【0045】
比較例8
実施例3と同様にして防音シートを作製した。但し、実施例3の高比重樹脂層及び透明性樹脂層の付着量を増加させ、防音シートの面密度(質量)を4.0kg/m2 に増やした。
得られたメッシュシート基材の空隙率は12%であった。この防音シートを前記試験に供した。試験結果を表3に示す。
得られた防音シートは、実施例3で得られた防音シートと同等な光線透過率を示し、面密度(質量)が高く防音性は優れていたが、質量が重すぎ、厚さも厚すぎるため取扱い性が悪く、またもみ試験において高比重樹脂層の強度不足による透明性樹脂層の剥離があり、耐もみ性が悪く、実用に適さないものであった。
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】
【発明の効果】
本発明の採光性と難燃性を有する防音シートは、従来の防音シートと同等な防音性、引張強さ、取扱い性、耐もみ性、難燃性を示し、更に実用上十分な透光性があり、このため建築現場等の実際の作業現場で使用した際には、その防音空間には十分な採光性があり、明るく作業性がよく、また防音空間の外側から内側の作業状況を透視確認できるという利点を有するものである。
Claims (7)
- (1)繊維糸条から構成され、かつ前記繊維糸条間に空隙が形成されている粗目編織物からなる基布と、この基布の前記繊維糸条の露出表面の全面上に形成され、可撓性高分子材料を含む比重1.5〜4.0の高比重樹脂層とを含み、かつ10〜40%の空隙率を有するメッシュシート基材、並びに
(2)前記メッシュシート基材の少なくとも1面上に形成されて、その空隙を塞ぎ、かつ、りん酸エステル系可塑剤及び/又は塩素系可塑剤を含むポリ塩化ビニル樹脂からなる透明性樹脂層を有する防音シートであって、
前記防音シートは、0.8〜3.5kg/m2の面密度と、10%以上の光線透過率とを有し、
前記防音シートの面密度の40〜90質量%が、前記メッシュシート基材によって占められている
ことを特徴とする採光性と難燃性を有する工事用防音シート。 - 前記透明性樹脂層が25〜95%の光線透過率を有する、請求項1に記載の採光性と難燃性を有する工事用防音シート。
- 前記高比重樹脂層が2.0以上の比重を有する無機系充填剤をさらに含む、請求項1又は2に記載の採光性と難燃性を有する工事用防音シート。
- 前記高比重樹脂層用無機充填剤が酸化鉛、三酸化アンチモン、チタン酸バリウム、酸化ジルコン、酸化亜鉛、酸化鉄、炭酸バリウム、硫酸バリウム、酸化チタン、アルミナ、チタン酸カリ、酸化マグネシウム、マイカ、タルク、炭酸カルシウム、ガラス、アスベスト、水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウムの粉末、繊維、フレーク及びビーズから選ばれた少なくとも1種を含む、請求項3に記載の採光性と難燃性を有する工事用防音シート。
- 前記高比重樹脂層において、前記無機充填剤が、前記可撓性高分子材料100質量部に対し、50〜400質量部の割合で含まれている、請求項3又は4に記載の採光性と難燃性を有する工事用防音シート。
- 前記高比重樹脂層用可撓性高分子材料が、塩化ビニル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ふっ素系樹脂、及び塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂、クロルスルホン化ポリエチレンゴム、ポリニトリルゴム、SBR、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴム、ポリブタジエンゴム、EPT、アクリルゴム、ポリウレタンゴム、及びふっ素ゴム、シリコーンゴムから選ばれた少なくとも1種を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の採光性と難燃性を有する工事用防音シート。
- 前記透明性樹脂層が、ハロゲン系難燃剤、りん系難燃剤及び無機系難燃剤から選ばれた少なくとも1種をさらに含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の採光性と難燃性を有する工事用防音シート。
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