JPH09250086A - 防炎性樹脂加工布 - Google Patents

防炎性樹脂加工布

Info

Publication number
JPH09250086A
JPH09250086A JP5454296A JP5454296A JPH09250086A JP H09250086 A JPH09250086 A JP H09250086A JP 5454296 A JP5454296 A JP 5454296A JP 5454296 A JP5454296 A JP 5454296A JP H09250086 A JPH09250086 A JP H09250086A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
flame
polyester
cloth
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5454296A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiaki Kobayashi
利章 小林
Hiroshi Sawanoi
博史 澤ノ井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP5454296A priority Critical patent/JPH09250086A/ja
Publication of JPH09250086A publication Critical patent/JPH09250086A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量で防汚性、耐候性、防炎性に優れた樹脂
加工布を提供する。 【解決手段】 ポリエステル系繊維布帛に樹脂組成物が
2重量%以上60重量%以下付着した樹脂加工布であっ
て、かつ残炎時間3秒以下、接炎回数3回以上であるこ
とを特徴とする防炎性樹脂加工布。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂加工布、特に
建築工事用、帆布、テント等に適した樹脂加工布に関す
る。さらに詳しくは、軽量で耐候性及び防汚性等に優
れ、かつ防炎性に優れた樹脂加工布に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、建築工事用等の樹脂加工布とし
て、有機繊維又は無機繊維からなるメッシュ状布帛に塩
化ビニル系樹脂をコ−ティングしたものが広く使用され
ている。塩化ビニル系樹脂は防炎性、耐候性に優れてい
るため好適に使用されているものの、被覆量が少ない場
合には防炎性が不十分となる。従って、大量の樹脂(布
帛重量と同等もしくはそれ以上の樹脂)を布帛にコ−テ
ィングする必要があるため、必然的に目付が大きく取扱
性が低くなり、さらに、焼却時に大量の塩化水素ガスが
発生する問題がある。以上のことから、樹脂加工を行わ
ず、絡み織等の網織構造により目ずれ防止を行うことが
検討されている。けれども、この場合、繊維が直接暴露
されるため、繊維性能(特に機械的強度)が次第に低下
し、耐候性、防汚性の点で問題が生じる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】また、少量の樹脂を布
帛に付着させれば、軽量で耐候性に優れた樹脂加工布が
得られるが、従来、少量の樹脂を付着した樹脂加工布の
防炎性を高めることは極めて困難であった。すなわち、
樹脂が少量付着していると、ポリエステル系繊維が有す
る熱収縮性とメルトドロップ性が阻害されて着炎しやす
くなるため燃焼試験A法に不合格となりやすく、さらに
着炎した炎により繊維が熱収縮して燃焼距離が増大する
ため、結果的に接炎回数が減少して燃焼試験D法に不合
格となりやすくなる。一般に使用されている防炎剤を多
量に使用すれば防炎性は向上するものの、樹脂と布帛の
接着性が低下して目ずれの原因となる。本発明は、以上
の問題を鑑み、樹脂付着量が少ないにもかかわらず防炎
性に優れた樹脂加工布を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリエステル
系繊維布帛に樹脂が2重量%以上60重量%以下付着し
た樹脂加工布であって、かつ残炎時間3秒以下、接炎回
数3回以上であることを特徴とする防炎性樹脂加工布に
関する。
【0005】
【発明の実施の形態】メッシュ状布帛に樹脂をコ−ティ
ングする目的として、目止め効果を施すことが挙げられ
るが、繊維を露出させないすなわち耐候性、防汚性を付
与することも極めて重要である。すなわち繊維が露出す
ると日光等の暴露、他成分との化学反応等により著しく
繊維性能が劣化して長期使用が困難になる。従って、繊
維が直接露出することのないように、耐候性等に優れた
樹脂で被覆することが必要となる。本発明においては、
ポリエステル系繊維布帛に樹脂を2重量%以上60重量
%以下、好ましくは5重量%以上30重量%以下付着さ
せる。樹脂付着量が小さすぎると耐候性及び目止め効果
等が不十分になる場合があり、逆に付着量が多すぎると
軽量性の点で問題が生じる。目付は500g/m2 以下、特に
400g/m2 以下とするのが好ましく、目止め力は3kg以
上、特に5kg以上のものが好ましい。
【0006】本発明で使用される樹脂は特に限定されな
いが、具体的には、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン
系樹脂、ポリビニルアルコ−ル系樹脂、ポリアミド系樹
脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、エポキシ
系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂等が挙げられる。燃焼時
に多量の塩化水素ガスが発生する問題があるため、塩化
ビニル系樹脂以外のものを使用するのが好ましい。さら
に、ポリエステル系繊維との接着性の点からは、ポリエ
ステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂を採用するのが好ま
しく、なかでもポリエステル系ウレタン樹脂は、白化現
象(チョ−クマ−ク)が発生しにくく、風合変化が生じ
にくい点からより好ましい。耐候性は、サンシャインウ
エザ−メ−タ−で500時間後の風合を測定した際に風
合に変化のないものが好ましい。
【0007】樹脂被覆布の平面部分においては、布帛を
樹脂で被覆することは比較的容易であるものの、布帛の
折り畳み部分においてその状態を保つことは極めて困難
である。保存時または使用時に樹脂被覆布を折り畳むこ
とがしばしば行われるが、この折り畳み部において繊維
が露出しやすくなる(白化現象:チョ−クマ−ク)。ポ
リエステル系ウレタン樹脂を用いた場合には、白化現象
を顕著に抑制できるため、耐候性、防汚性等を一層改善
できる。
【0008】本発明にいうポリエステル系ポリウレタン
とは、脂肪族ポリイソシアネ−ト及び/又は脂環族ポリ
イソシアネ−ト(a)と、ジカルボン酸およびジオ−ル
成分から合成されたあるいはラクトン環を開環して得ら
れる高分子ジオ−ル(b)からなるポリウレタンをい
う。ポリイソシアネ−ト(a)の具体例としては、ヘキ
サメチレンジイソシアネ−ト、メチルシクロヘキサンジ
イソシアネ−ト(水素添加TDI)、4,4´−ジシク
ロヘキシルメタンジイソシアネ−ト(水素添加MD
I)、イソプロピリデンビス(4−シクロヘキシルイソ
シアネ−ト)、イソホロンジイソシアネ−ト、リジンジ
イソシアネ−ト、水素添加キシリレンジイソシアネ−
ト、シクロヘキサンジイソシアネ−ト等が挙げられる。
【0009】また、高分子ジオ−ル(b)としては、平
均分子量500〜5000のポリエステルジオ−ルが好
ましい。具体的には、エチレングリコ−ル、プロピレン
グリコ−ル、1,4−ブタンジオ−ル、1,5−ペンタ
ンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ−ル、ネオペンチル
グリコ−ル、2−メチルプロパンジオ−ルあるいはその
他の低分子ジオ−ルとグルタン酸、アジピン酸、ピメリ
ン酸、スベリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフ
タル酸などの低分子ジカルボン酸との縮合重合物や、ラ
クトンの開環重合で得たポリラクトンジオ−ル、例えば
ポリカプロラクトングリコ−ル、ポリプロピオラクトン
グリコ−ル、ポリバレロラクトンジオ−ル等が挙げられ
る。
【0010】また、(a)及び(b)と鎖伸長剤(c)
からなるポリエステル系ポリウレタンも好適に使用でき
る。鎖伸張剤としてはジオ−ル、ジアミンなどが挙げら
れる。具体的には、エチレングリコ−ル、1,4−ブタ
ンジオ−ル、プロピレングリコ−ル、1,6−ヘキサン
ジオ−ル、3−メチル−1,5−ペンタンジオ−ル、
1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、
1,4−シクロヘキサンジオ−ル、キシレングリコ−ル
などのジオ−ル類やN−(2−ヒドロキシエチル)エチ
レンジアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)プロピレ
ンジアミン、N−(2−ヒドロキシプロピル)エチレン
ジアミン、N−(2−ヒドロキシプロピル)プロピレン
ジアミン、N−(2−ヒドロキシプロピル)ブチレンジ
アミン、N,N´−ビス(2−ヒドロキシエチル)エチ
レンジアミン、N,N´−ビス(2−ヒドロキシエチ
ル)プロピレンジアミン、N,N´−ビス(2−ヒドロ
キシプロピル)エチレンジアミン、N,N´−ビス(2
−ヒドロキシプロピル)プロピレンジアミン、N,N´
−ビス(2−ヒドロキシプロピル)ヘキサメチレンジア
ミン、N−メチル−N´−(2−ヒドロキシエチル)エ
チレンジアミン、N−プロピル−N´−(2−ヒドロキ
シプロピル)プロピレンジアミン、N−ヘキシル−N´
−(2−ヒドロキシプロピル)ヘキサメジレンジアミン
等が挙げられる。もちろん、ポリエステル系ポリウレタ
ン樹脂と他の樹脂を併用してもかまわない。
【0011】使用する樹脂としては、100%モジュラ
スが15kg/cm2 以下、破断伸度1000%以上、
特に100%モジュラスが10kg/cm2 以下、破断
伸度1500%以上のものがより好ましい。かかる樹脂
を用いることにより白化現象を一層顕著に抑制すること
ができる。一般に、モジュラスが低く破断伸度の高い樹
脂は、産業資材としては好ましいものではなく、織物の
コ−テイング等衣料用に好適とされている。すなわち、
産業資材の分野では通常「高強度」を有していることが
要求されるため、上記のように柔軟性が高い反面強力の
低い樹脂は、産業資材用としてはほとんど使用されてい
ない。当然のことながら、養生メッシュ等の土木建築の
分野でも、剛直で強度の高い樹脂(高モジュラス・低破
断伸度の樹脂)が現在コ−テイング剤として使用されて
いる。しかしながら、本発明においては、産業資材用と
してこれまでほとんど使用されていなかった低モジュラ
ス、高破断伸度の樹脂を使用した場合に、より優れた効
果(白化現象の抑制)を得ることができる。
【0012】また、少量の樹脂を付着させるとポリエス
テル系繊維が有するメルトドロップ性が阻害されて防炎
性能が不良となることが多いため、他の手段により防炎
性を高めることが必要となる。その好適な手段として
は、樹脂(A)、ハロゲン化リン酸エステル(B)、ア
ンチモン化合物(C)を含有する樹脂組成物2〜60重
量%を付着させる方法が挙げられる。
【0013】防炎効果、樹脂接着性の点からは、(A)
と(B)の重量比は100:30〜150、特に10
0:50〜120とするのが好ましく、(A):(C)
の重量比は100:0.5〜15、特に100:0.8
〜10とするのが好ましい。特に(C)の配合割合が高
くなりすぎると残炎時間が大きくなる場合があるので、
かかる割合で配合させた場合に顕著な効果を得ることが
できる。ハロゲン化リン酸エステルとアンチモン化合物
を併用すると、かかる防炎剤の配合割合を多量にするこ
となく優れた防炎効果が得られ、残炎時間3秒以下、接
炎回数3回以上、好ましくは残炎時間1秒以下、接炎回
数4回以上の樹脂加工布を得ることができる。防炎剤等
の添加剤が存在すると樹脂の接着性が阻害されて目止め
力等に問題が生じる場合があるが、かかる方法によれば
樹脂の接着性を実質的に損なうことなく少量配合するこ
とで優れた防炎効果が得られる。
【0014】具体的なアンチモン化合物としては、三酸
化アンチモン、五酸化アンチモン等、ハロゲン化リン酸
エステルとしては、臭素化リン酸エステル、塩素化リン
酸エステル等が挙げられる。
【0015】勿論、他の配合剤を併用してもよく、他の
配合剤の含有率は樹脂重量に対して30重量%以下、特
に10重量%以下とするのがより好ましい。具体的な防
炎剤としては、たとえば水酸化アルミニウム、水酸化マ
グネシウム、窒素化グアニジン、デカブロモジフェニル
オキサイド、オクタブロモジフェニルオキサイド、テト
ラブロモジフェニルオキサイド、ヘキサブロモシクロド
デカン、テトラブロモビスフェノ−ルA、臭素化ポリス
チレン、塩素化パラフィン、パ−クロロシクロペンタデ
カン、クロレンド酸、リン酸エステル系化合物、ポリリ
ン酸塩系化合物、赤リン系化合物等が挙げられる。ま
た、防炎剤以外の添加物を配合していてもよく、防汚
剤、撥水剤、撥油剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安
定剤、顔料等が使用できる。
【0016】本発明で用いるポリエステル系繊維として
は、ポリエチレンテレフタレ−ト系繊維、ポリブチレン
テレフタレ−ト系繊維、ポリエチレンナフタレ−ト系繊
維等のあらゆるポリエステル系繊維(全芳香族ポリエス
テル系繊維を含む)を使用することができる。適宜、酸
化チタン、カオリン、シリカ、硫酸バリウム、カ−ボン
ブラック、顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤
等を含んでいても良い。また、本発明の効果を損なわな
い範囲で、ポリエステル系繊維以外の繊維を併用するこ
とも可能である。ポリエステル系繊維以外の繊維は、3
0重量%以下/全繊維重量、特に10重量%/全繊維重
量とするのが好ましい。布帛を構成する糸の形態はフィ
ラメント、紡績糸等のいずれでもよいが、特にフィラメ
ント糸が好ましい。フィラメント糸は、紡績糸に比して
強力が高く、さらに表面に繊維毛羽を有しないために防
汚性の点からも好ましい。また、フィラメント糸を用い
た場合には目ずれを起こしやすいため、本発明の効果を
一層発揮することができる。
【0017】糸の太さは特に限定されるものではない
が、500〜2000dr相当程度が好ましい。繊度が
小さいものを使用すると、高い強力が必要とされる場合
(養生メッシュ等)に織物の密度を高くする必要がある
ため、通気性、風抜け性等が要求される用途には好まし
くない。逆に、繊度が大き過ぎると、目付が大きくなっ
て取扱性が損なわれる場合や、開口面積が大きくなり、
日除け効果を阻害されたり空気中に浮遊するゴミが加工
布に付着しやすく、用途によっては問題が生じる場合が
ある。布帛の目合いは特に限定されるものではないが、
開口部面積が各0.1〜100mm2 程度のメッシュ布
帛が好適に使用できる。布帛は、平織、絡み織、模紗織
等の織物、挿入ラッセル編等の編物のいずれであっても
よく特に制限されるものではない。
【0018】また、防炎性の点では、難燃ポリエステル
系繊維を交織編することが好ましく、布帛を構成する繊
維の30重量%以上、さらに60重量%以上、特に80
重量%以上を難燃ポリエステル系繊維とするのが好まし
い。難燃ポリエステル系繊維としては、リン系モノマ−
(ホスフェネ−ト化合物)を共重合したポリエステルか
らなる繊維を使用するのが好ましい。例えば、特開昭5
3−56250号公報、特開昭63−15823号公
報、特開平1−266219号公報、特開平5−302
024号公報等に記載されている難燃ポリエステル系繊
維が挙げられる。特に、特開平5−302024号公報
に開示されているようなカルボキシホスフィン酸モノマ
−、特に2,5−ジオキソ−1,2−オキサホスホラン
類を共重合したポリエステルからなる繊維が好ましい。
【0019】このような難燃共重合ポリエステル系繊維
は、接炎した場合容易に溶融し、いわゆるメルトドロッ
プするため燃え広がりにくい。リン系モノマ−(リン原
子に換算)の含有率は1000〜10000ppmとす
るのが好ましい。一般に、難燃共重合ポリエステル繊維
を用いた布帛を樹脂加工した場合には、繊維自身が有す
る防炎効果が損なわれることが多いが、本発明において
は優れた難燃効果が得られる。また、難燃化剤を練り込
んだ難燃ポリエステル繊維を使用することも可能である
が、十分な難燃性を得るためには練り込み量を多くしな
ければならず、ポリエステル系繊維の強度が低下するた
め、共重合タイプの難燃ポリエステル系繊維を使用する
ことが好ましい場合が多い。
【0020】また、ハロゲン系化合物や水酸化アルミニ
ウム等の難燃化剤を練り込んだポリエステル系繊維を使
用した場合は、燃え広がりはしないものの、繊維自身が
分解炭化して樹脂の燃焼を助けるため、リン系難燃剤を
使用することが好ましい場合が多い。
【0021】樹脂は、布帛に溶液或いは分散液の形で付
与されるが、より少ない付着量でヤ−ンの表面を被覆す
るためには、有機溶剤でなく水系の分散液を使用するこ
とが好ましい。水分散液を使用した場合には、乾燥時に
樹脂が繊維間からヤ−ンの表面や織物の組織点付近にマ
イグレ−ションを起し易く、比較的少ない付着量でヤ−
ン表面の凹凸が埋められ、防汚性、目止め強度が得られ
やすい。布帛への樹脂加工法は特に限定されるものでは
ないが、ロ−ルコ−タ−法、ナイフコ−タ−法、ディッ
ピング法等が適用できる。特に、単繊維間の樹脂への含
浸性が良好なディッピング法が好ましい。含浸後に搾液
・乾燥し、さらに必要に応じてキュアリングを行うこと
により、本発明の樹脂加工布を得ることができる。
【0022】本発明の樹脂加工布はあらゆる用途に使用
できるが、軽量で耐光性、耐燃性に優れていることか
ら、特に養生メッシュ等の土木建築用に好適に使用する
ことができる。この場合、苛酷な条件下で放置される可
能性があるため、耐温水性試験後の樹脂保持率が80%
以上、特に98%以上であるものが好ましい。樹脂保持
率が低いものは配合された防炎剤等を流出して所望の防
炎効果が得られない場合がある。樹脂加工布を様々な用
途に使用する場合には、2枚以上のシ−トの端部を継い
で用いたり、破損部分等を補修する必要が生じる。従来
のように、多量に塩化ビニル等の樹脂が付着した加工布
の場合は、付着樹脂を熱融着または高周波ウエルダ−接
着させることで接続、補修等の加工を行うことができる
が、本発明のように少量の樹脂しか用いていない場合に
は、融点180℃以下のホットメルト接着剤を用いるこ
とにより効率的にシ−ト加工(継ぎ、補修等)を行うこ
とができる。この場合、規定長さに未達のためこれまで
廃棄されていた加工布、破損布等を有効利用でき、さら
に破損の生じやすい箇所に樹脂を塗布したり、加工布を
貼り合わせて破損を予防することができる。
【0023】接着剤の融点は、繊維の形態変化(収縮
等)が生じないように、180℃以下、特に150℃以
下とするのが好ましい。具体的には、エチレン・酢酸ビ
ニル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ブチラ−ル
系、セルロ−ス誘導体系、ポリメチルメタクリレ−ト
系、ポリビニルエ−テル系、ポリウレタン系、ポリカ−
ボネ−ト系等の接着剤が挙げられる。接着剤の量は適宜
設定すればよいが、取扱性の点からは多量に使用するこ
とは好ましくなく、厚み1mm以下、付着量0.2g/
cm2 以下とすることが好ましく、特に厚み0.5mm
以下とするのが好ましい。接着後の剥離強力は3kg/
3cm以上、剪断強力は100kg/9cm2 以上とす
るのが好ましい。接着方法は、ホットメルト接着フィル
ムを樹脂加工布の間に挟み、ライスタ−、高周波ウエル
ダ−等で接着させる方法、ホットメルトガン(ホットメ
ルトタイプ塗付器)でホットメルト樹脂を溶融接着させ
る方法等が挙げられる。
【0024】以下、実施例により本発明をより具体的に
説明するが、本発明はこれにより何等限定されるもので
はない。
【実施例】
[燃焼性試験]JIS L 1091の繊維製品の燃焼
試験法に準じ、A法(燃焼試験)に基づいて燃焼の広が
り程度(残炎時間 秒)を測定し、さらにD法(接炎回
数試験)に基づいて加熱によって溶融し、燃焼しつくま
での接炎回数を測定した。 [目止め力(kg)]図2に示すように、メッシュ構造
を形成する繊維束10本分の幅で約300mm長さの短
冊状の試料を準備し、中央部の30mmの長さにおいて
一方は幅の外側より各4本と他方は内側の2本を切断し
て引張試験機で両側に引張ったとき、繊維束導糸がずれ
始めるときの強度(最高値)をいい、タテ、ヨコの平均
値で示す。なお、メッシュ構造を形成する繊維束とは、
例えば、図1に示す模紗織り組織の場合についていえ
ば、経糸、緯糸が各3本合わさった繊維束を意味する。
【0025】[チョ−クマ−ク]A4判程度のメッシュ
状シ−トを中央部で4ツ折りに折り曲げ、白化が生じな
かったものを○、僅かに白化が生じたものを△、白化が
生じたものを×として評価した。 [耐候性]サンシャインウエザ−メ−タ−で500時間
後の風合変化を測定し、変化のなかったものを○、僅か
に劣化もしくは退色したものを△、硬化もしくは退色し
たものを×として評価した。 [耐温水性試験]試料(樹脂組成物重量w)を50℃の
温水中に60分間浸漬して乾燥した後の樹脂組成物の重
量をw1とするとき、樹脂保持率(w1/w×100)
が98%以上であれば○、80%以上であれば△、80
%未満であれば×として評価した。
【0026】[破断伸度(%)]引張速度300mm/
分にて測定し、フィルムが破断したときの伸度を測定し
た。 [100%モジュラス(kg/cm2 )]0.2mm厚の樹
脂フィルムを作成し、100%伸長時の引張応力を測定
した。 [剥離強力(kg/3cm)]JIS K−6301に
準じ、巾3cm、引張速度50mm/分の条件で測定し
た。 [剪断強力(kg/9cm2 )]JIS L−1096
に準じ、3cm×3cm(接着面積9cm2 )、引張速
度200mm/分の条件で測定した。
【0027】[実施例1、2、比較例1〜6]1200
dr/96fの難燃ポリエステル系繊維(ナンネックス
株式会社クラレ製)を用いて図1に示すメッシュ状布
帛(模紗織 目付け300g/m2目開き0.7mm2
を製造し、ポリエステル系ウレタン樹脂(破断伸度22
500%、100%モジュラス8kg/cm2 :ハイド
ランAP−70 大日本インキ製)とハロゲン化リン酸
エステル(ノンネンR−602−1 C1は14.5重
量% 丸菱油化学製)と五酸化アンチモン(日産化学
製)の水エマルジョンを種々の組成比で配合し、水で希
釈して樹脂組成物の付着率が10重量%となるようにデ
イッピング処理した。次いで160℃で2分間乾燥した
後、180℃で1分間キュアリングした。結果を表1に
示す。
【0028】[実施例3〜5、比較例7、8]樹脂組成
物の付着率を変更した以外は実施例1と同様に行った。
結果を表2に示す。 [比較例9〜14]防炎剤の種類及び配合率を変更した
以外は実施例1と同様に行った。結果を表3に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、軽量で防汚性、耐候
性、防炎性に優れた樹脂加工布を得ることができる。本
発明の樹脂加工布はあらゆる分野用途に使用することが
できるが、特に養生メッシュとして好適であり、使用中
においても再塗装可能で、損傷の補修、継ぎ等が容易で
メインテナンスに優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いるメッシュ織物(模沙織)の組織
図の1例を示した模式図。
【図2】実施例で樹脂加工布の目止め力評価用試料を示
した模式図である。
【符号の説明】
1,1´ :繊維束の切断部(4本切断) 2 :繊維束の切断部(3本切断)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル系繊維布帛に樹脂組成物が
    2重量%以上60重量%以下付着した樹脂加工布であっ
    て、かつ残炎時間3秒以下、接炎回数3回以上であるこ
    とを特徴とする防炎性樹脂加工布。
  2. 【請求項2】 ポリエステル系繊維布帛に樹脂(A),
    ハロゲン化リン酸エステル(B)及びアンチモン化合物
    (C)を含有する樹脂組成物が2重量%以上60重量%
    以下付着した樹脂加工布であって、残炎時間3秒以下、
    接炎回数3回以上であることを特徴とする防炎性樹脂加
    工布。 【0001】
JP5454296A 1996-03-12 1996-03-12 防炎性樹脂加工布 Pending JPH09250086A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5454296A JPH09250086A (ja) 1996-03-12 1996-03-12 防炎性樹脂加工布

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5454296A JPH09250086A (ja) 1996-03-12 1996-03-12 防炎性樹脂加工布

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09250086A true JPH09250086A (ja) 1997-09-22

Family

ID=12973572

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5454296A Pending JPH09250086A (ja) 1996-03-12 1996-03-12 防炎性樹脂加工布

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09250086A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100955341B1 (ko) * 2009-11-09 2010-04-29 주식회사 에스앤비 부직포 대용 합성섬유 제조방법
KR100955340B1 (ko) * 2009-11-09 2010-04-29 주식회사 에스앤비 광목지 대용 합성섬유 제조방법
WO2014045577A1 (ja) 2012-09-21 2014-03-27 株式会社Adeka ポリウレタン樹脂水分散液、それを用いた難燃性ポリエステル系繊維、及び、その繊維の製造方法
JP2015034366A (ja) * 2013-08-09 2015-02-19 セーレン株式会社 消臭性繊維布帛
WO2016190208A1 (ja) * 2015-05-28 2016-12-01 Dic株式会社 顔料捺染剤及びそれを用いた布帛
CN114673010A (zh) * 2022-04-28 2022-06-28 天津工业大学 一种阻燃拒水防寒多功能涤纶篷布的制备方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100955341B1 (ko) * 2009-11-09 2010-04-29 주식회사 에스앤비 부직포 대용 합성섬유 제조방법
KR100955340B1 (ko) * 2009-11-09 2010-04-29 주식회사 에스앤비 광목지 대용 합성섬유 제조방법
WO2014045577A1 (ja) 2012-09-21 2014-03-27 株式会社Adeka ポリウレタン樹脂水分散液、それを用いた難燃性ポリエステル系繊維、及び、その繊維の製造方法
KR20150058198A (ko) 2012-09-21 2015-05-28 가부시키가이샤 아데카 폴리우레탄 수지 수분산액, 그것을 이용한 난연성 폴리에스테르계 섬유, 및, 그 섬유의 제조 방법
JP2015034366A (ja) * 2013-08-09 2015-02-19 セーレン株式会社 消臭性繊維布帛
WO2016190208A1 (ja) * 2015-05-28 2016-12-01 Dic株式会社 顔料捺染剤及びそれを用いた布帛
JPWO2016190208A1 (ja) * 2015-05-28 2017-10-05 Dic株式会社 顔料捺染剤及びそれを用いた布帛
CN114673010A (zh) * 2022-04-28 2022-06-28 天津工业大学 一种阻燃拒水防寒多功能涤纶篷布的制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100523719B1 (ko) 난연성 피혁양 시트 기체 및 그 제조방법
JP4143925B2 (ja) 経緯方向のクリープバランスに優れたテント構造物用防水性積層膜材
JPH09250086A (ja) 防炎性樹脂加工布
JPH08291474A (ja) 樹脂加工布及び加工方法
JP5059927B2 (ja) 織物壁紙、及び織物壁紙接着ボード
JP2022055610A (ja) 高強度ターポリン及びその製造方法
JPH11323015A (ja) 難燃性樹脂組成物および難燃性繊維構造物
JP2001322208A (ja) 難燃性ポリオレフィン系樹脂被覆シート及び、その製造方法
JPH02196643A (ja) 可撓性積層体
JP2021020415A (ja) ターポリン及びその製造方法
JP2008174882A (ja) 織物壁紙
JP2005163476A (ja) 生分解性建設工事用シート及びその製造方法
JPH06240883A (ja) メッシュシート
JP2007231466A (ja) 粘着テープ用織物およびその製造方法
JPS593589B2 (ja) 積層加工布
JP3865729B2 (ja) 防菌・防黴剤を有する生分解性建設工事用シート
JP4541502B2 (ja) 生分解性建設工事用メッシュシート
JP3380296B2 (ja) 土木用シート
JP4368017B2 (ja) メッシュシート
JP4751550B2 (ja) 粘着テープ基布
JPH08325941A (ja) メッシュシート
JP2001001452A (ja) テント・幌用防水シート
JP2006022436A (ja) 繊維製品
JP2004131875A (ja) 難燃性皮革様シート基体およびその製造方法
JPH0377060B2 (ja)