JP5059927B2 - 織物壁紙、及び織物壁紙接着ボード - Google Patents

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Description

本発明は、織物に裏打ち材として不織布が接着された織物壁紙、及びこの織物壁紙が石膏ボードに接着された織物壁紙接着ボードに関する。
従来、織物の裏面に接着剤を介して裏紙が貼着された織物壁紙が知られている。例えば、特許文献1には、経糸および緯糸からなる織物の裏面に裏紙(裏打ち材)が接着され、織物の表面にポリ乳酸フィルムが接着された織物壁紙が開示されている。この織物壁紙において、織物と裏紙とは、接着剤により接着されている。また、織物の緯糸にのみ、高融点のポリ乳酸と低融点のポリ乳酸とからなるポリ乳酸繊維が含まれており、このポリ乳酸繊維の熱融着により、ポリ乳酸フィルムが織物に接着されている。
このような織物壁紙は、裏紙と壁との間に接着剤を介することにより、壁に接着される。
特開2008−174882号公報
ところで、建物の壁は、一般に石膏ボードから構成される。この石膏ボードから構成された建物の壁には、地震等の災害又は建物の老朽化に伴って生じる建物の躯体の歪みにより、クラックが発生する。
このようなクラックが建物の壁に発生すると、その建物の壁を構成する石膏ボードの交換、及び壁紙の張替えが必要となる。このため、石膏ボードのクラック発生を抑制することができる壁紙が望まれている。
しかし、特許文献1に開示の織物壁紙は、強度が弱く、石膏ボードのクラック発生を十分に抑制できるものではなかった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであって、石膏ボードのクラック発生を抑制することができる織物壁紙、及びこの織物壁紙が接着された織物壁紙接着ボードを提供することを目的とする。
本発明に係る織物壁紙は、交差する2つ以上の織方向の糸で構成された織物の一主面に、裏打ち材として不織布が接着された織物壁紙であって、前記織物を構成する前記織方向の各糸と前記不織布には、高融点繊維とこの高融点繊維よりも融点の低い熱融着ポリマーとが含有されており、前記熱融着ポリマーの熱融着により、前記織物を構成する糸同士、及び前記織物と前記不織布とが接着されており、当該織物壁紙の長さ方向に対し45度の斜め方向に沿って長辺を有する長さ90mm幅20mmの長方形状に当該織物壁紙を切断して試験片を得て、得られた試験片をこの試験片の長さ方向に、クランプ間隔30mmで150Nの引張荷重をかけて引っ張った時の伸長率が、0〜5%(測定誤差範囲として±0.5%)であることを特徴とする。なお、本発明でいう「高融点」とは、熱融着ポリマーの融点と比較して融点が高いことを意味し、具体的な数値にてその融点を限定するものではない。
この本発明に係る織物壁紙では、織物を構成する各糸に含まれる熱融着ポリマーの熱融着により、織物を構成する糸同士がそれらの糸が交差する交差部で接着されて織物の織り目が固定され、それらの織物を構成する各糸が不織布に強固に接着される。つまり、本発明に係る織物壁紙では、当該織物壁紙を構成する織物の織り目の歪みが抑制される。加えて、不織布を構成する繊維同士が、その不織布に含まれる熱融着ポリマーの熱融着により接着され、当該織物壁紙を構成する不織布の強度及び寸法安定性が確保される。このため、本発明に係る織物壁紙には、特に、斜め方向の引張りに対して高い強度と寸法安定性(伸長率が0〜5%)が備えられる。よって、本発明に係る織物壁紙を石膏ボードに貼り付けることで、その石膏ボードにおけるクラックの発生を抑制することができる。
また、本発明に係る織物壁紙において、前記織物を構成する前記織方向の各糸と前記不織布には、前記高融点繊維としての高融点ポリマーと前記熱融着ポリマーとを含んでなる複合繊維が含有されていてもよく、前記複合繊維は、外側の表面に熱融着ポリマーが配された芯鞘構造又はサイドバイサイド構造を有していてもよい。
この場合には、複合繊維を構成する熱溶融ポリマーの熱融着により、織物の各糸を構成する繊維同士、及び不織布を構成する繊維同士を確実に接着させることができるとともに、溶融せずに残った高融点ポリマーを補強材として機能させることができるので、織物壁紙の強度及び寸法安定性をさらに向上させることが可能となる。
また、本発明に係る織物壁紙において、前記織方向の各糸における前記複合繊維の含有率は、15〜70質量%であることが好ましく、30〜60質量%であることが特に好ましい。織方向の各糸における複合繊維の含有率を15〜70質量%とすると、複合繊維に含有された熱溶融着ポリマーにより、織物の糸同士、及び織物と不織布とを確実に接着させて、当該織物壁紙に十分な強度と寸法安定性を確実に備えさせることが可能となる上、当該織物壁紙に施工性のよい適度な硬さを備えさせることが可能となる。
また、本発明に係る織物壁紙において、前記不織布における前記複合繊維の含有率は、15〜70質量%であることが好ましく、30〜60質量%であることが特に好ましい。
不織布における複合繊維の含有率を15〜70質量%とすると、複合繊維に含有された熱溶融着ポリマーにより、不織布を構成する繊維同士、及び織物と不織布とを確実に接着させて、当該織物壁紙に十分な強度と寸法安定性を確実に備えさせることが可能となる上、当該織物壁紙に施工性のよい適度な硬さを備えさせることが可能となる。
また、本発明に係る織物壁紙において、当該織物壁紙における前記熱融着ポリマーの含有率は、10〜50質量%であることが好ましく、15〜35質量%であることがより好ましい。前記熱融着ポリマーの含有率が10〜50質量%の織物壁紙は、織物を構成する糸同士、及び織物と不織布とが確実に接着されている上に、施工性のよい適度な硬さを有する。
また、本発明に係る織物壁紙において、前記織物は、交差する3つ以上の織方向の糸からなる多軸織物であることが好ましい。
この本発明に係る織物壁紙では、交差する3本以上の糸により、強度が高められている。つまり、3つ以上の複数の方向の糸により、引っ張りの方向に依存しない安定した引張強度が備えられている。このため、石膏ボードに貼り付けられることで、その石膏ボードにおけるクラック発生を確実に抑制することができる。
本発明に係る織物壁紙接着ボードは、上記した本発明に係る織物壁紙が石膏ボードに、前記不織布と前記石膏ボードとの間に介在する接着剤により接着されていることを特徴とする。
この本発明に係る織物壁紙接着ボードでは、石膏ボードに上記した本発明に係る織物壁紙が接着されているので、石膏ボードにおけるクラック発生が抑制される。
本発明によれば、その石膏ボードのクラック発生を抑制することができる織物壁紙、及びこの織物壁紙が接着された織物壁紙接着ボードを提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る織物壁紙接着ボードの概略構成を示す部分拡大断面図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る織物壁紙の織物の構成の一例を示す部分拡大平面図である。 図3は、本発明の一実施形態に係る織物壁紙の織物の構成の他の例を示す部分拡大平面図である。 図4は、本発明の一実施形態に係る織物壁紙に含有され得る複合繊維の構成の一例を示す部分拡大図である。 図5は、本発明の一実施形態に係る織物壁紙に含有され得る複合繊維の構成の他の例を示す部分拡大図である。 図6は、本発明の実施例3に係る織物壁紙が接着された石膏ボードの斜め方向の引張特性を石膏ボード単体での引張特性と比較して示す図である。 図7は、本発明に係る織物壁紙の引張試験に使用する試験片を説明するための説明図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明の一実施形態に係る織物壁紙1は、図1に示すように、織物2の一主面に不織布3が裏打ち材として接着されてなる。この織物壁紙1において、織物2を構成する織方向の各糸21〜25及び不織布3には、高融点ポリマー61(高融点繊維)と熱融着ポリマー62とを含んでなる複合繊維6が含有されており、この複合繊維6に含まれる熱融着ポリマー62の熱融着により、織物2に不織布3が接着されている。
また、本実施形態に係る織物壁紙1は、当該織物壁紙1を、当該織物壁紙1の斜め方向に沿って長辺を有する長さ90mm幅20mmの長方形状に切断して試験片(後述する図7のP3参照)を得て、得られた試験片P3をこの試験片P3の長さ方向に、クランプ間隔30mmで150Nの引張荷重をかけて引っ張った時の伸長率が、0〜5%であり、高い強度と寸法安定性を備えている。だだし、上記した伸長率0〜5%において、±0.5%の範囲内の誤差は、測定誤差の範囲内とする。また、本明細書中において、斜め方向とは、織物壁紙1の長さ方向(後述する図7の矢符Y参照)に対して45度の方向をいうものとする。
そして、本実施形態の織物壁紙接着ボードは、上記した織物壁紙1が石膏ボード5に、接着剤4により接着されることにより構成されている。
次に、本実施形態の織物壁紙1の各構成について、詳述する。
本実施形態の織物壁紙1において、織物2は、交差する2つ以上の織方向の糸から構成されている。
例えば、織物2は、図1及び図2に示すような交差する2つの織方向の糸21,22、即ち、経糸21と緯糸22とからなる平織物、綾織物、又は朱子織物等の2軸織物であってよい。或いは、図3に示すような交差する3つの織方向の糸、即ち、経糸23と、右上斜め方向に傾斜した右上斜め糸24及び右下斜め方向に傾斜した右下斜め糸25とからなる3軸織物であってもよいし、交差する4つ以上の織方向の糸からなる4軸以上の織物であってもよい。交差する3つ以上の織方向の糸からなる3軸以上の多軸織物では、3つ以上の複数の方向に糸23,24,25が存在する。このため、織物壁紙1の織物2に、3軸以上の多軸織物が適用されると、2軸織物が適用された場合と比べて、引っ張りの方向に依存しない安定した引張強度と寸法安定性が織物壁紙1に備えられ、織物壁紙1による石膏ボードのクラック発生の抑制効果をさらに向上させることが可能となる。
また、織物2を構成する織方向の各糸21〜25には、高融点ポリマー61と熱融着ポリマー62とを含む複合繊維6が含有されている。そして、この複合繊維6に含まれる熱融着ポリマー62の熱融着により、糸21〜25を構成する単繊維同士が接着されているとともに、糸21〜25同士が、それらの糸21〜25が交差する交差部P1〜P4で接着されている。具体的には、図2に示す2軸の織物2では、経糸21と緯糸22とが交差部P1で接着されている。また、図3に示す3軸の織物2では、経糸23と右上斜め糸24とが交差部P2で接着され、経糸23と右下斜め糸25とが交差部P3で接着され、右上斜め糸24と右下斜め糸25とが交差部P4で接着されている。このように、織物2では、糸同士21〜25が、それらの糸21〜25が交差する交差部P1〜P4で熱融着ポリマー62の熱融着により接着され、織物2の織り目が固定されている。さらに、各糸21〜25は、熱融着ポリマー62の熱融着により不織布3に接着されている。このため、織物2は、高い強度と寸法安定性を備える。
また、織物2を構成する織方向の各糸21〜25における複合繊維6の含有率は、特に限定されないが、15〜70質量%であることが好ましく、30〜60質量%であることがより好ましい。織方向の各糸21〜25における複合繊維6の含有率を15〜70質量%とすると、複合繊維6に含有された熱溶融着ポリマー62により、織物2の糸同士、及び織物2と不織布3とを確実に接着させて、当該織物壁紙1に十分な強度と寸法安定性を確実に備えさせることが可能となる上、当該織物壁紙1に施工性のよい適度な硬さを備えさせることができる。
また、織物2を構成する各糸21〜25には、上記した複合繊維6以外の他の繊維(熱融着ポリマー62よりも融点の高い高融点繊維)が含まれていてもよい。織物2を構成する各糸21〜25に含まれる複合繊維6以外の他の繊維は、特に限定されず、綿、麻、ウール等の天然繊維、ビスコースレーヨン、キュプロアンモニウムレーヨン等の再生繊維、アセテート等の半合成繊維、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリアクリロニトリル系等の合成繊維、リヨセル等の精製セルロース繊維、カーボン繊維、アラミド繊維(芳香族ポリアミド繊維)、又はガラス繊維等の繊維であってよい。また、これらの繊維は、フィラメント糸、或いは、スパン糸のいずれの形態であってもよい。
さらに、織物2を構成する各糸21〜25には、織物壁紙1に消臭性、防カビ性、抗菌性、難燃性等を備えさせる目的で、消臭繊維、防カビ繊維、抗菌繊維、及び難燃繊維のうちの1つ以上が含有されていてもよい。
複合繊維6からなる糸は、複合繊維6のフィラメント糸又はスパン糸を、交撚、エアー混繊、混紡、又は引き揃えすることにより得ることができる。また、複合繊維6とその他の繊維とを混合した糸は、複合繊維6及び他の繊維のフィラメント糸又はスパン糸を交撚、エアー混繊、混紡、又は引き揃えすることにより得ることができる。
なお、上記した織物2の各糸21〜25には、複合繊維6が含有されているが、高融点繊維と熱融着ポリマー62が含有されていれば、複合繊維6は含有されていなくてもよい。つまり、織物2を構成する各糸21〜25は、例えば、高融点繊維のフィラメントと熱融着ポリマーからなる熱融着繊維のフィラメントとを交撚、エアー混繊、又は引き揃えすることにより得られたものであってもよい。
不織布3は、高融点ポリマー61と熱融着ポリマー62とを含む複合繊維6が含有されたものである。この不織布3に含まれる熱融着ポリマー62の熱融着により、不織布3を構成する繊維同士が接着されているとともに、不織布3が織物2に接着されている。
不織布3における複合繊維6の含有率は、特に限定されないが、15〜70質量%であることが好ましく、30〜60質量%であることがより好ましい。不織布3における複合繊維6の含有率を15〜70質量%とすると、複合繊維6に含有された熱溶融着ポリマー62により、不織布3を構成する繊維同士、及び織物2と不織布3とを確実に接着させて、当該織物壁紙1に十分な強度と寸法安定性を確実に備えさせることが可能となる上、当該織物壁紙1に施工性のよい適度な硬さを備えさせることが可能となる。
また、不織布3は、上記した複合繊維6以外の他の繊維(熱融着ポリマー62よりも融点の高い高融点繊維)、例えば、パルプ、綿、麻、ウール等の天然繊維、ビスコースレーヨン、キュプロアンモニウムレーヨン等の再生繊維、アセテート等の半合成繊維、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリアクリロニトリル系等の合成繊維、リヨセル等の精製セルロース繊維、カーボン繊維、アラミド繊維(芳香族ポリアミド繊維)、又はガラス繊維等を含有するものであってもよい。なお、不織布3の繊維は、フィラメント糸、或いは、スパン糸のいずれの形態であってもよい。
複合繊維6からなる不織布3は、例えば、複合繊維6をウェブ状にして熱接着処理により繊維間を熱接着させる方法等により得ることができる。また、複合繊維6とその他の繊維(熱融着ポリマー62よりも融点の高い高融点繊維)からなる不織布3は、複合繊維6の単繊維とその他の繊維の単繊維とを混繊してから、ウェブ状にする方法、複合繊維6のみでなるウェブとその他の繊維からなるウェブとを積層する方法、及び複合繊維6のみからなるウェブとその他の繊維からなるウェブとをニードルパンチ等で混合する方法等により得ることができる。これらの方法の中でも、複合繊維6の単繊維とその他の繊維の単繊維とを混繊してからウェブ状にする方法が、不織布3を構成する複合繊維6の単繊維とその他の繊維とが接触し易く、複合繊維6の熱融着ポリマー62の熱融着により、不織布3を構成する単繊維同士が接着され易いため、特に好ましい。
なお、上記した不織布3には、複合繊維6が含有されているが、高融点繊維と熱融着ポリマーが含有されていれば、複合繊維6は含有されていなくてもよい。つまり、不織布3は、高融点繊維と、熱融着ポリマーからなる熱融着繊維とを混合して得られたもの、例えば、高融点繊維の単繊維と、熱融着繊維の単繊維とを混繊してから、ウェブ状にする方法、高融点繊維のみでなるウェブと熱融着繊維からなるウェブとを積層する方法、及び高融点繊維のみからなるウェブと熱融着繊維からなるウェブとをニードルパンチ等で混合する方法等により得られたものであってもよい。
また、織物2の各糸21〜25及び不織布3に含まれる複合繊維6は、高融点ポリマー61とこの高融点ポリマー61よりも融点の低い熱融着ポリマー62とを含んでなる。この複合繊維6に、熱融着ポリマー62の融点以上で、高融点ポリマー61の融点未満の熱を加えると、熱融着ポリマー62で構成された部分が溶融し、高融点ポリマー61で構成された部分が溶融せずに残る。ここで、溶融した熱融着ポリマー62は、織物2の糸21〜25同士、織物2の糸21〜25を構成する繊維同士、不織布3を構成する繊維同士、及び織物2と不織布3とを接着する接着剤として機能し、さらに、溶融せずに残った高融点ポリマー61は、織物2及び不織布3の強度を補強する補強材として機能する。
このような複合繊維6は、フィラメント糸、或いは、スパン糸のいずれの形態であってもよいが、外側の表面に、熱融着ポリマー62が露出した構造を有するものが好ましい。このような複合繊維6の構造の具体例としては、図4に示す芯鞘構造、及び図5に示すサイドバイサイド構造が挙げられる。図4に示す芯鞘構造の複合繊維6は、芯部分が高融点ポリマー61からなり、この高融点ポリマー61の外側の鞘部分が熱融着ポリマー62からなる。このような芯鞘構造の複合繊維6は、溶融紡糸法により製造され得る。また、図5に示すサイドバイサイド構造の複合繊維6は、内層部分が高融点ポリマー61からなり、外層部分が熱融着ポリマー62からなる。このようなサイドバイサイド構造の複合繊維6は、インフレーション法、又はTダイ法により2種類のポリマー、即ち、高融点ポリマー61と熱融着ポリマー62とを同時に積層した形でフィルム状に押し出した後、スリットして繊維状にすることにより製造され得る。
複合繊維6中に含まれる熱融着ポリマー62の含有率は、特に限定されないが、10〜50質量%であることが好ましく、20〜40質量%であることがより好ましい。複合繊維6中の熱融着ポリマー62の含有率が10質量%未満の複合繊維6は、良質なものを大量に生産することが難しく、また、熱融着ポリマー62の熱融着により、織物2の糸21〜25同士、織物2の糸21〜25を構成する繊維同士、不織布3を構成する繊維同士、及び織物2と不織布3とを強固に接着させる効果に劣るおそれがある。また、熱融着ポリマー62の含有率が50質量%を超える複合繊維は、熱融着ポリマー62の溶融前後において、十分な強度を備えていないおそれがあり、織物壁紙1に十分な強度を備えさせることができないおそれがある。
また、熱融着ポリマー62は、高融点ポリマー61よりも融点が低いものであれば、特に限定されないが、高融点ポリマー61よりも10℃以上、より好ましくは20℃以上融点が低いことが好ましい。熱融着ポリマー62と高融点ポリマー61との融点の差が10℃未満であると、熱を加える際に、熱の温度管理を厳密に行わないと、熱融着ポリマー62だけでなく、高融点ポリマー61までもが溶融してしまうこととなり、最終的に得られる織物壁紙1に、石膏ボード5のクラック発生を抑えることができる十分な強度が備えられなくおそれがある。
また、熱融着ポリマー62の融点は、具体的には、90〜130℃、より好ましくは、100〜120℃であることが好ましい。織物2に染色加工(顔料又は染料等による色づけ又は柄付け等)を施す場合、熱融着ポリマー62の融点が90℃未満であると、染色加工時の熱処理(例えば、80℃〜95℃で加熱)により、熱融着ポリマー62が溶融してしまい、色むら等の原因となるおそれがある。また、一般的な裏打ち機(織物に不織布等の裏打ち材を接着する機械)の熱処理可能な温度の上限が120〜130℃程度あることを考慮すると、熱融着ポリマー62の融点が130℃より大きいと、裏打ち機を用いて織物2に不織布3を接着させる際に、熱融着ポリマー62が十分に溶融せず、十分な寸法安定性、強度が得られなくなるおそれがある。
複合繊維6を構成する高融点ポリマー61と熱融着ポリマー62との組み合わせは、融点が異なる2種のポリマーの組み合わせであれば、特に限定されるものではないが、好適な具体例としては、融点が255〜260℃のポリエステルと融点が100〜115℃のポリエチレンとの組み合わせ、融点が255〜260℃のポリエステルと融点が160〜170℃のポリプロピレンとの組み合わせ、融点が255〜260℃のポリエステルと融点が220〜230℃の低密度ポリエステルとの組み合わせ、融点が220〜225℃の6ナイロンと融点が100〜115℃のポリエチレンとの組み合わせ、融点が250〜260℃の66ナイロンと融点が100〜115℃のポリエチレンとの組み合わせ、融点が250〜260℃の66ナイロンと融点が220〜225℃の6ナイロンとの組み合わせ、融点が160〜170℃のポリプロピレンと融点が100〜115℃のポリエチレンとの組み合わせ、融点が160〜170℃のポリプロピレンと融点が110〜120℃のエチレンー酢酸ビニル系共重合体との組み合わせを挙げることができる。
また、複合繊維6を構成する高融点ポリマー61には、上記したものの他に、目的に応じて、適宜、艶消し剤、難燃剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、消臭剤、無機系着色剤、有機系着色剤、又は帯電防止剤等の添加剤が含まれていてもよい。
また、上記した複合繊維6の引張強度、破断伸度、及び熱収縮率は、特に限定されないが、本実施形態では、引張強度が5.0CN/dtex以上で、破断伸度が20%以下で、熱収縮率(120℃で10分間熱処理時)が5%以下の複合繊維6が使用されている。なお、ここでいう複合繊維6の引張強度とは、引張試験機(島津製作所社製オートグラフAGS−1KNJ)のクランプにクランプ間隔300mmで複合繊維6を取り付け、この複合繊維6を、引張速度30mm/分の定速伸長にて長さ方向に引っ張った時の単位デシテックス当りに換算した引張強度(CN/dtex)をいうものとする。また、複合繊維6の破断伸度とは、引張試験機(島津製作所社製オートグラフAGS−1KNJ)のクランプにクランプ間隔300mmで複合繊維6を取り付け、この複合繊維6を引張速度30mm/分の定速伸長にて長さ方向に引張り、複合繊維6が破断した時の複合繊維6の長さと引っ張る前の複合繊維6の長さとの差を、引っ張る前の複合繊維6の長さで除し、百分率(%)で示したものをいう。また、複合繊維6の熱収縮率とは、熱乾燥前の複合繊維6の長さと熱乾燥後の複合繊維6との差を、熱乾燥前の複合繊維6の長さで除し、百分率(%)で示したものをいう。
そして、上記した織物2と不織布3とからなる織物壁紙1は、例えば、加熱ロールプレス機の加熱された金属ローラとゴムローラとの間に、上記した織物2と不織布3とを重ね合わせたものを一定の圧力をかけながら通過させる熱圧着処理、上記した織物2と不織布3とを重ね合わせたものをチャンバー式乾燥機の中に一定時間入れる熱処理、或いは、これら熱圧着処理と熱処理の組み合わせにより、織物2と不織布3とを接着させることで得ることができる。これらの熱圧着処理及び熱処理に際し、織物2及び不織布3に含有された複合繊維6の熱融着ポリマー62は、熱により溶融し、この溶融した熱融着ポリマー62により、織物2の糸21〜25同士、織物2の糸21〜25を構成する繊維同士、不織布3を構成する繊維同士、及び織物2と不織布3とが接着される。特に、チャンバー式乾燥機による熱処理後、熱圧着処理を行うと、織物2に不織布3を均一に溶融接着させることができる。なお、熱圧着処理及び熱処理における熱の温度は、熱融着ポリマー62が溶融する一方で高融点ポリマー61が溶融しないように、熱融着ポリマー62の融点以上で、且つ高融点ポリマー61の融点未満の温度とされている。また、熱圧着処理及び熱処理の時間は、高融点ポリマー61及び熱融着ポリマー62の融点、織物2及び不織布3に含まれる複合繊維の量、並びに製造する織物壁紙1の形態(織物壁紙1の厚み及び織物壁紙1の表面の凹凸状態等)等を考慮して設定される。
また、本実施形態の織物壁紙1は、染色加工が施されたものであってもよい。本実施形態の織物壁紙1の染色加工法としては、例えば、生成りの糸で製織した織物2に不織布3を接着した後で染色する後染め法、あらかじめ染色された糸を用いて製織した織物2に不織布3を接着する先染め法、或いは先染め法と後染め法の組み合わせた方法等を挙げることができる。
なお、上記した本実施形態の織物壁紙1の強度は、織物2を構成する各糸の種類によっても異なるが、一般的には、太い糸を高密度に織ってなる織物2を使用することにより向上する。すなわち、織物2の糸の素材が同一であれば、織物2の質量が大きいほど、織物壁紙1の強度が高くなる。但し、織物壁紙1の質量が大きすぎると、燃焼時の発熱エネルギーが大きすぎて、国土交通省の法律で定められた壁紙の防火基準を逸脱してしまうおそれがある。このため、本実施形態に係る織物壁紙1の質量は、180g/m2以下であることが好ましく、150g/m2以下であることがより好ましい。なお、国土交通省で定められた壁紙の防火基準では、コーンカロリーメータ(燃焼試験機)を用いて、規定の下地材(石膏ボード、珪酸カルシウム板等)に壁紙を貼り付けた試験体を一定時間燃やした時の必要酸素量を測定し、測定した必要酸素量に基づいて算出した燃焼エネルギーが8Mj/m2以下であることを要する。具体的には、壁紙の燃焼性は、「不燃」、「準不燃」、及び「難燃」の3区分に分類され、上記試験体を20分間燃やした時の燃焼エネルギーが8Mj/m2以下の時に「不燃」、10分間燃やした時の燃焼エネルギーが8Mj/m2以下の時に「準不燃」、5分間燃やした時の燃焼エネルギーが8Mj/m2以下の時に「難燃」とされる。そして、「不燃」、「準不燃」、及び「難燃」のいずれの防火基準も満たさない壁紙が、「非防火」とされる。
また、本実施形態に係る織物壁紙接着ボードは、図1に示すように、上記した本実施形態に係る織物壁紙1を石膏ボード5に接着することにより構成される。この織物壁紙接着ボードにおいて、織物壁紙1と石膏ボード5とは、不織布3と石膏ボード5との間に介在する接着剤4により接着されている。
接着剤4は、石膏ボード5と織物壁紙1を接着することが可能なものであれば、特に限定されないが、具体例としては、澱粉系接着剤、澱粉系接着剤とエチレン酢酸ビニル系樹脂とを混合した接着剤、及びメチルセルロース系接着剤等を挙げることができる。特に、接着剤4として、メチルセルロース系接着剤を用いると、張替え時に、織物壁紙1の不織布3と石膏ボード5とを完全に剥離させることが可能となる。
また、織物壁紙接着ボードにおいて、織物壁紙1は、一主面全体が石膏ボード5に接着されていてもよいし、一主面の一部のみが石膏ボード5に接着されていてもよい。このため、織物壁紙1において、石膏ボード5との接着面を構成する不織布3は、織物2の一主面全体に接着されていてもよいし、織物2の一主面の一部のみに接着されていてもよい。
また、上記した織物2及び不織布3とにより構成される織物壁紙1において、当該織物壁紙1全体に含まれる熱融着ポリマー62の含有率は、10〜50質量%であることが好ましく、15〜35質量%であることが特に好ましい。織物壁紙1全体に含まれる熱融着ポリマー62の含有率を10〜50質量%とすると、織物2を構成する糸21〜25同士、及び織物2と不織布3とを確実に接着させることができる上に、当該織物壁紙1に施工性のよい適度な硬さを備えさせることができる。
以下、本実施形態を実施例を挙げて詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
−実施例1−
ポリエステルを芯成分としポリエチレンを鞘成分とする芯鞘構造を有する150dtex48フィラメントの複合繊維6(ポリエステル:ポリエチレンの質量比=60:40、引張強度:5.1CN/dtex、破断伸度:20%、熱収縮率:5%)のフィラメント糸(以下PET/PE糸と称す)1本と、924dtex495フィラメントのキュプロアンモニウムレーヨン(セルロースマルチフィラメント、引張強度:2.0CN/dtex、破断伸度:14%、熱収縮率:2%)繊維との交撚糸を経糸及び緯糸に用いて、経糸と緯糸とで構成された2軸の平織物2(経糸密度:12本/2.54cm、緯糸密度:11本/2.54cm、織物幅:101.6cm、目付け量:125g/m2)を作製した。さらに、パルプを全体の60質量%含み、ポリエステルを芯成分としポリエチレンを鞘成分とする芯鞘構造を有する複合繊維6(ポリエステル:ポリエチレンの質量比=60:40、引張強度:4.5CN/dtex、破断伸度:20%、熱収縮率:5%)を全体の40質量%含む不織布3(複合繊維6の単繊維繊度:2.0dtex、繊維長:51mm、不織布3の目付け量:80g/m2)を作製した。そして、作製した平織物2の一主面全体に不織布3を重ね合わせ、これを、チャンバー式乾燥機を用いて120℃で10秒間熱処理し、さらに、加熱プレスロール機を用いて120℃で0.5秒間熱圧着処理することにより織物2に不織布3を接着させた後、後染めによる染色加工を行って0.7mmの厚さの実施例1に係る織物壁紙1を完成させた。
−実施例2−
上記したPET/PE糸2本と、672dtex360フィラメントのキュプロアンモニウムレーヨン(セルロースマルチフィラメント)繊維との交撚糸を経糸及び緯糸に用いて、経糸と緯糸とで構成された2軸の平織物2(経糸密度:12本/2.54cm、緯糸密度:11本/2.54cm、織物幅:101.6cm、目付け量:125g/m2)を作製した。さらに、実施例1で作製した不織布3と同様の不織布3を作製した。そして、作製した平織物2と不織布3とを重ね合わせたものを、チャンバー式乾燥機を用いて120℃で10秒間熱処理し、さらに、加熱プレスロール機を用いて120℃で0.5秒間熱圧着処理することにより織物2に不織布3を接着させた後、後染めによる染色加工を行って0.7mmの厚さの実施例2に係る織物壁紙1を完成させた。
−実施例3−
上記したPET/PE糸3本と、672dtex360フィラメントのキュプロアンモニウムレーヨン(セルロースマルチフィラメント)繊維との交撚糸を経糸及び緯糸に用いて、経糸と緯糸とで構成された2軸の平織物2(経糸密度:12本/2.54cm、緯糸密度:11本/2.54cm、織物幅:101.6cm、目付け量:125g/m2)を作製した。さらに、実施例1で作製した不織布3と同様の不織布3を作製した。そして、作製した平織物2と不織布3とを重ね合わせたものを、チャンバー式乾燥機を用いて120℃で10秒間熱処理し、さらに、加熱プレスロール機を用いて120℃で0.5秒間熱圧着処理することにより織物2に不織布3を接着させた後、後染めによる染色加工を行って0.7mmの厚さの実施例3に係る織物壁紙1を完成させた。
−実施例4−
上記したPET/PE糸4本と、420dtex225フィラメントのキュプロアンモニウムレーヨン(セルロースマルチフィラメント)繊維との交撚糸を経糸及び緯糸に用いて、経糸と緯糸とで構成された2軸の平織物2(経糸密度:12本/2.54cm、緯糸密度:11本/2.54cm、織物幅:101.6cm、目付け量:125g/m2)を作製した。さらに、実施例1で作製した不織布3と同様の不織布3を作製した。そして、作製した平織物2と不織布3とを重ね合わせたものを、チャンバー式乾燥機を用いて120℃で10秒間熱処理し、さらに、加熱プレスロール機を用いて120℃で0.5秒間熱圧着処理することにより織物2に不織布3を接着させた後、後染めによる染色加工を行って0.7mmの厚さの実施例4に係る織物壁紙1を完成させた。
−実施例5−
上記したPET/PE糸5本と、336dtex180フィラメントのキュプロアンモニウムレーヨン(セルロースマルチフィラメント)繊維との交撚糸を経糸及び緯糸に用いて、経糸と緯糸とで構成された2軸の平織物2(経糸密度:12本/2.54cm、緯糸密度:11本/2.54cm、織物幅:101.6cm、目付け量:125g/m2)を作製した。さらに、実施例1で作製した不織布3と同様の不織布3を作製した。そして、作製した平織物2と不織布3とを重ね合わせたものを、チャンバー式乾燥機を用いて120℃で10秒間熱処理し、さらに、加熱プレスロール機を用いて120℃で0.5秒間熱圧着処理することにより、織物2に不織布3を接着させた後、後染めによる染色加工を行って0.7mmの厚さの実施例5に係る織物壁紙1を完成させた。
−実施例6−
上記したPET/PE糸3本と、672dtx360フィラメントのキュプロアンモニウムレーヨン(セルロースマルチフィラメント)繊維との交撚糸を交差する3つの織方向の各糸に用いて、3軸織物2(経糸密度:12本/2.54cm、右上斜め糸密度:11本/2.54cm、右下斜め糸密度:11本/2.54cm、織物幅:101.6cm、目付け量:140g/m2)を作製した。さらに、実施例1で作製した不織布3と同様の不織布3を作製した。そして、作製した平織物2と不織布3とを重ね合わせたものを、チャンバー式乾燥機を用いて120℃で10秒間熱処理し、さらに、加熱プレスロール機を用いて120℃で0.5秒間熱圧着処理することにより織物2に不織布3を接着させた後、後染めによる染色加工を行って0.7mmの厚さの実施例6に係る織物壁紙1を完成させた。
−実施例7−
実施例3で作製した平織物2と同様の平織物2を作製した。さらに、ポリエステルを芯成分としポリエチレンを鞘成分とする芯鞘構造を有する複合繊維6(ポリエステル:ポリエチレンの重量比=60:40)を全体の15質量%含み、パルプを全体の85質量%含む不織布3(単繊維繊度:2.0dtex、繊維長:51mm、目付け量:80g/m2)を作製した。そして、作製した平織物2と不織布3とを重ね合わせたものを、チャンバー式乾燥機を用いて120℃で10秒間熱処理し、さらに、加熱プレスロール機を用いて120℃で0.5秒間熱圧着処理することにより織物2に不織布3を接着させた後、後染めによる染色加工を行って0.7mmの厚さの実施例7に係る織物壁紙1を完成させた。
−実施例8−
実施例3で作製した平織物2と同様の平織物2を作製した。さらに、ポリエステルを芯成分としポリエチレンを鞘成分とする芯鞘構造を有する複合繊維6(ポリエステル:ポリエチレンの質量比=60:40)を全体の30質量%含み、パルプを全体の70質量%含む不織布3(単繊維繊度:2.0dtex、繊維長:51mm、目付け量:80g/m2)を作製した。そして、作製した平織物2と不織布3とを重ね合わせたものを、チャンバー式乾燥機を用いて120℃で10秒間熱処理し、さらに、加熱プレスロール機を用いて120℃で0.5秒間熱圧着処理することにより織物2に不織布3を接着させた後、後染めによる染色加工を行って0.7mmの厚さの実施例8に係る織物壁紙1を完成させた。
−実施例9−
実施例3で作製した平織物2と同様の平織物2を作製した。さらに、ポリエステルを芯成分としポリエチレンを鞘成分とする芯鞘構造を有する複合繊維6(ポリエステル:ポリエチレンの質量比=60:40)を全体の60質量%含み、パルプを全体の40質量%含む不織布3(単繊維繊度:2.0dtex、繊維長:51mm、目付け量:80g/m2)を作製した。そして、作製した平織物2と不織布3とを重ね合わせたものを、チャンバー式乾燥機を用いて120℃で10秒間熱処理し、さらに、加熱プレスロール機を用いて120℃で0.5秒間熱圧着処理することにより織物2に不織布3を接着させた後、後染めによる染色加工を行って0.7mmの厚さの実施例9に係る織物壁紙1を完成させた。
−実施例10−
実施例3で作製した平織物2と同様の平織物2を作製した。さらに、ポリエステルを芯成分としポリエチレンを鞘成分とする芯鞘構造を有する複合繊維6(ポリエステル:ポリエチレンの質量比=60:40)を全体の70質量%含み、パルプを全体の30質量%含む不織布3(単繊維繊度:2.0dtex、繊維長:51mm、目付け量:80g/m2)を作製した。そして、作製した平織物2と不織布3とを重ね合わせたものを、チャンバー式乾燥機を用いて120℃で10秒間熱処理し、さらに、加熱プレスロール機を用いて120℃で0.5秒間熱圧着処理することにより織物2に不織布3を接着させた後、後染めによる染色加工を行って0.7mmの厚さの実施例10に係る織物壁紙1を完成させた。
−比較例1−
1092dtex585フィラメントのキュプロアンモニウムレーヨン(セルロースマルチフィラメント、引張強度:2.0CN/dtex、破断伸度:14%、熱収縮率:2%)繊維を経糸として用い、上記したPET/PE糸3本と、672dtex360フィラメントのキュプロアンモニウムレーヨン(セルロースマルチフィラメント、引張強度:2.0CN/dtex、破断伸度:14%、熱収縮率:2%)繊維との交撚糸を緯糸として用いて、経糸と緯糸とで構成された2軸の平織物(経糸密度:12本/2.54cm、緯糸密度:11本/2.54cm、織物幅:101.6cm、目付け量:125g/m2)を作製した。さらに、パルプ100%(目付け量:80g/m2)の不織布を作製した。そして、作製した平織物と不織布とを重ね合わせたものを、チャンバー式乾燥機を用いて120℃で10秒間熱処理し、さらに、加熱プレスロール機を用いて120℃で0.5秒間熱圧着処理することにより、織物に不織布を接着させた後、後染めによる染色加工を行って0.7mmの厚さの比較例1に係る織物壁紙を完成させた。
−比較例2−
実施例3で作製した平織物と同様の平織物を作製した。さらに、実施例3で作製した不織布と同様の不織布を作製した。そして、作製した平織物と不織布とをエチレン酢酸ビニル系接着剤(付着量20g/m2)で接着した後、後染めによる染色加工を行って0.7mmの厚さの比較例2の織物壁紙を完成させた。
−引張試験及び圧縮試験−
上記した実施例1〜10、並びに比較例1及び2の織物壁紙のそれぞれについて、引張試験及び圧縮試験を実施した。また、実施例1〜10、並びに比較例1及び2の織物壁紙のそれぞれを、石膏ボード(JISA6901のせっこうボードGB−R、厚さ9.5mm)の一主面全体に貼り付け、織物壁紙が貼り付けられた各石膏ボード(織物壁紙接着ボード)について、引張試験及び圧縮試験を実施した。
なお、織物壁紙1に対する引張試験は、織物壁紙1の長さ方向(経方向)、幅方向(緯方向)、及び斜め方向のそれぞれについて、実施した。長さ方向の引張りに対する引張試験では、図7のP1に示すような、織物壁紙1の長さ方向Yに沿う長辺と、織物壁紙1の幅方向Xに沿う短辺とにより構成される長方形状に織物壁紙1を切断して得られる試験片(以下、長さ方向の試験片P1と称す。)を使用した。また、幅方向の引張りに対する引張り試験では、図7のP2に示すような、織物壁紙1の幅方向Xに沿う長辺と、織物壁紙
1の長さ方向Yに沿う短辺とにより構成される長方形状に織物壁紙1を切断して得られる試験片(以下、幅方向の試験片P2と称す。)を使用した。さらに、斜め方向の引張りに対する引張り試験では、図7のP3に示すような、織物壁紙1の長さ方向に対して45度の斜め方向に沿う長辺と、この長辺と90度の角度をなす短辺とにより構成される長方形状に織物壁紙1を切断して得られる試験片(以下、斜め方向の試験片P3と称す)を使用した。これら各試験片P1〜P3は、いずれも、長辺の長さが90mmで、短辺の長さ(幅)が20mmとされている。
この織物壁紙1に対する引張試験は、試験片を引張試験機(島津製作所社製オートグラフAGS−1KNJ)のクランプにクランプ間隔30mmで取り付けて、試験片をこの試験片の長辺方向に引張速度3mm/分の定速伸長で引張り、試験片が破断した時の引張荷重(N)を測定することにより行った。なお、本引張試験は、長さ方向(経方向)の試験片P1、幅方向(緯方向)の試験片P2、及び斜め方向の試験片P3のそれぞれに対して実施した。また、斜め方向の試験片P3に対する引張試験に際しては、引張荷重150N時の変位量(mm)を読み取った。そして、読み取った変位量をクランプ間隔30mmで除し、百分率(%)に換算した値を伸長率(%)とした。
また、織物壁紙1が貼り付けられた石膏ボード(織物壁紙接着ボード)に対する引張試験では、長さ方向(経方向)の試験片P1、幅方向(緯方向)の試験片P2、及び斜め方向の試験片P3を、それぞれ、幅が20mmで、長さが90mmで、厚さが9.5mmの大きさの石膏ボード(JISA6901のせっこうボードGB−R、厚さ9.5mm)の一主面全体に貼り合わせて、試験体としたものを使用した。また、石膏ボードと織物壁紙1の不織布3との接着には澱粉系接着剤を用い、この澱粉系接着剤が十分に乾燥した後に、引張試験を実施した。
この織物壁紙接着ボードに対する引張試験は、試験体を引張試験機(島津製作所社製オートグラフAGS−1KNJ)のクランプにクランプ間隔30mmで取り付けて、試験体をこの試験体の長辺方向に引張速度3mm/分の定速伸長で引張り、試験体にクラックが発生した時の引張荷重(N)を測定することにより行った。なお、本引張試験は、長さ方向(経方向)の試験片P1が貼られた試験体、幅方向(緯方向)の試験片P2が貼られた試験体、及び斜め方向の試験片P3が貼られた試験体のそれぞれに対して実施した。
また、織物壁紙接着ボードに対する圧縮試験では、引張試験と同様に、長さ方向(経方向)の試験片、幅方向(緯方向)の試験片、及び斜め方向の試験片を使用して試験を行った。ただし、本圧縮試験においては、長さ方向(経方向)、幅方向(緯方向)、及び斜め方向の各試験片に、長辺の長さが400mmで、短辺の長さ(幅)300mmのものを使用した。そして、これら試験片を、それぞれ、幅が300mmで、長さが400mmで、厚さが9.5mmの大きさの石膏ボード(JISA6901のせっこうボードGB−R、厚さ9.5mm)の一主面全体に貼り合わせて試験体とし、この試験体を使用して、JISA6901石膏ボード曲げ破壊荷重の測定法に準ずる圧縮試験を実施した。つまり、定速型万能試験機(インストロンジャパンカンパニーリミテド社製)を用いて、試験体の表面(試験片が貼られている側の面)に、この表面に対して垂直に直径20mmの鋼鉄製丸棒を押し込んで250N/分で加圧し、試験体にクラックが発生した時の圧縮荷重(N)を測定した。この圧縮試験は、長さ方向(経方向)の試験片が貼られた試験体、幅方向(緯方向)の試験片が貼られた試験体、及び斜め方向の試験片が貼られた試験体のそれぞれに対して実施した。
これら引張試験及び圧縮試験の結果を下記表1及び2に示す。なお、表1及び2には、比較対象として、上記した大きさの石膏ボード単体のクラック発生時の引張荷重及び圧縮荷重を示す。さらに、図6に、実施例3の織物壁紙1が接着された石膏ボードの斜め方向における引張特性L1を石膏ボード単体の斜め方向における引張特性L2と比較して示す。なお、図6において、横軸は変位量(%)を、縦軸は引張荷重(N)を示している。
Figure 0005059927
Figure 0005059927
また、上記実施例1〜10、並びに比較例1及び2の各織物壁紙1について、「耐クラック性」、「目開き」、「ホツレ」、及び「柔らかさ」を評価した。この評価結果を上記表1及び2に示す。なお、「耐クラック性」、「目開き」、「ホツレ」、及び「柔らかさ」の各評価項目の評価基準は、以下に記載の通りである。
−耐クラック性−
織物壁紙が貼り付けられた石膏ボード(織物壁紙接着ボード)の圧縮試験で測定された斜め方向の圧縮荷重を、石膏ボード単体の圧縮試験で測定された斜め方向の圧縮荷重に対する比率で以下の評価基準により評価した。
◎:石膏ボード単体の圧縮荷重の2倍以上。
○:石膏ボード単体の圧縮荷重の1.5倍以上〜2倍未満。
△:石膏ボード単体の圧縮荷重の1.2倍以上〜1.5倍未満。
×:石膏ボード単体の圧縮荷重の1.2倍未満。
−目開き−
織物壁紙を石膏ボードに貼り付けた後、目盛り付きの拡大鏡で目開きの大きさを測定し、この測定結果を以下の評価基準により評価した。
◎:目開きが60μm以下である。
○:目開きが60μm超〜100μm以下である。
△:目開きが100μm超〜140μm以下である。
×:目開きが140μm超である。
−ホツレ−
織物壁紙を澱粉系接着剤で石膏ボードに貼り付けて乾燥させた後、織物壁紙の貼り合わせ部を指で軽くこすって、織物を構成する糸のホツレ具合を以下の評価基準により評価した。
◎:ホツレの発生はなし。
○:ホツレの発生はあるが目立たず。
△:ホツレの発生が有り目立つ。
×:ホツレが発生してかなり目立つ。
−硬さ−
下地である石膏ボードが直角に組み合わさっている部分(出隅及び入り隅)に織物壁紙を貼り付けた時、織物壁紙が硬すぎると、石膏ボードに織物壁紙が十分に接着されず、織物壁紙が浮いた状態になる。そこで出隅及び入り隅に織物壁紙を貼り付けた時に、織物壁紙が出隅及び入り隅部の石膏ボードに追従して接着されているか否かを下記評価基準により視覚判定することにより、硬さを評価した。
◎:出隅及び入り隅の浮きはなし。
○:出隅及び入り隅の浮きは発生しているが目立たず。
△:出隅及び入り隅の浮きが発生して目立つ。
×:出隅及び入り隅の浮きが発生してかなり目立つ。
表1及び2に示す結果より、実施例1〜10の織物壁紙1の伸長率は0〜5%(具体的には、2.6〜4.7%)であることが認められ、実施例1〜10に係る織物壁紙1は、比較例1及び2に係る織物壁紙と比べて、伸長率が極めて小さく、寸法安定性に優れるものであることが認められた。また、実施例1〜10の織物壁紙1は、比較例1及び2に係る織物壁紙と比べて、耐クラック性に優れ、且つ、目開きが小さく、ホツレ難いものであることが認められた。
さらに、実施例1〜10及び比較例1〜2の織物壁紙における引張試験の結果(即ち、表1及び2の織物壁紙における引張荷重)から、実施例1〜10の織物壁紙1は、比較例1〜2に係る織物壁紙と比べ、経方向、緯方向、及び斜め方向の引張りに対して高い引張強度(破断時の引張荷重:経方向200〜280N、緯方向:240〜290N、斜め方向:170〜330N)を有することが認められた。
そして、実施例1〜10の織物壁紙1が接着された石膏ボード及び石膏ボード単体での引張試験の結果(即ち、表1及び2の織物壁紙接着ボードにおける引張荷重)から、実施例1〜10の織物壁紙1が接着された石膏ボードは、石膏ボード単体と比べ、経方向、緯方向、及び斜め方向の引張りに対して高い引張強度(クラック発生時の引張荷重:経方向500〜690N、緯方向:450〜640N、斜め方向:460〜600N)を有することが認められた。また、実施例1〜10の織物壁紙1が接着された石膏ボード及び石膏ボード単体での圧縮試験の結果(即ち、表1及び2の織物壁紙接着ボードにおける圧縮荷重)から、実施例1〜10の織物壁紙1が接着された石膏ボードは、石膏ボード単体と比べ、経方向、緯方向、及び斜め方向の圧縮に対して高い圧縮強度(クラック発生時の圧縮荷重:経方向480〜720N、緯方向:410〜590N、斜め方向:420〜680N)を有することが認められた。つまり、実施例1〜10に係る織物壁紙1は、石膏ボードのクラック発生を抑制することができるものであることが認められた。このことは、図6の実施例3に係る織物壁紙1が接着された石膏ボードの引張特性L1と、石膏ボード単体の引張特性L2との比較からも認められる。つまり、図6によれば、実施例3に係る織物壁紙1が接着された石膏ボードを斜め方向に引張り、クラックが発生した時の引張荷重及び変位量が、石膏ボード単体にクラックが発生する時の引張荷重及び変位量と比べて極めて大きいことが認められる。
また、実施例1〜10及び比較例1〜2の織物壁紙が接着された石膏ボードの引張試験及び圧縮試験の結果(即ち、表1及び2の織物壁紙接着ボードにおける引張荷重)、並びに耐クラック性の評価結果から、実施例1〜10の織物壁紙1が接着された石膏ボードは、比較例1及び2の織物壁紙が接着された石膏ボードと比べて、経方向、緯方向、及び斜め方向における引張強度及び圧縮強度が大きく、実施例1〜10の織物壁紙1は、比較例1及び2に係る織物壁紙1と比べて、石膏ボードのクラック発生の抑制効果、即ち、耐クラック性に優れるものであることが認められた。
また、織物2の各糸21〜25における複合繊維6の含有率が15〜70質量%の範囲内で異なり、織物壁紙1における熱融着ポリマー62の含有率が15〜35質量%の範囲内で異なる実施例1〜5の比較から、織物2の糸における複合繊維6の含有量、即ち、熱融着ポリマー62の含有量が多いほど、伸長率が低く、伸長率が低いほど、織物壁紙1の引張強度、並びに織物壁紙接着ボードの引張強度及び圧縮強度が高いことが認められた。また、実施例1〜5の織物壁紙1は、いずれも、耐クラック性に優れ、目開き及びホツレが少なく、施工性のよい適度な硬さを有していた。
また、織物2の軸数の異なる実施例3と実施例6との比較から、実施例6の3軸織物2を使用してなる織物壁紙1は、実施例3の2軸織物2を使用してなる織物壁紙1と比べて、伸長率が低く、寸法安定性に優れることが認められた。また、実施例6の織物壁紙1及び織物壁紙接着ボードは、実施例3の織物壁紙1及び織物壁紙接着ボードと比べ、引張強度及び圧縮強度に優れ、実施例6の織物壁紙1は、実施例3の織物壁紙1と比べ、石膏ボードのクラック発生を抑制する効果に優れていることが認められた。つまり、織物壁紙1に用いられる織物2の軸数が多いほど、織物壁紙1の寸法安定性及び引張強度が高くなって、石膏ボードのクラック発生を抑制する効果に優れたものとなることが認められた。
さらに、不織布3における複合繊維6の含有率が15〜70質量%の範囲内で異なり、織物壁紙1における熱融着ポリマー62の含有率が18〜31質量%の範囲内で異なる実施例7〜10の比較から、不織布3における複合繊維6の含有量が多いほど、即ち、熱融着ポリマー62の含有量が多いほど、伸長率が低く、伸長率が低いほど、織物壁紙1の引張強度、並びに織物壁紙接着ボードの引張強度及び圧縮強度が高いことが認められた。また、実施例7〜10の織物壁紙1は、いずれも、耐クラック性に優れ、目開き及びホツレが少なく、施工性のよい適度な硬さを有していた。
なお、上記した実施例1〜10に係る織物壁紙1では、複合繊維6が織物2の各糸21〜25及び不織布3に含有されているが、織物2の各糸21〜25及び不織布3に複合繊維6を含有させる代わりに、織物2の各糸21〜25及び不織布3に高融点繊維と熱融着ポリマーからなる熱融着繊維とを含有させた織物壁紙においても、実施例1〜10に係る織物壁紙1と同様の効果を奏することができる。つまり、高融点繊維のフィラメントと熱融着ポリマーからなる熱融着繊維のフィラメントとを交撚、エアー混繊、又は引き揃えすることにより得られた糸により構成された織物と、高融点繊維と、熱融着ポリマーからなる熱融着繊維とを混合して得られた不織布、例えば、高融点繊維の単繊維と、熱融着繊維の単繊維とを混繊してから、ウェブ状にする方法、高融点繊維のみでなるウェブと熱融着繊維からなるウェブとを積層する方法、及び高融点繊維のみからなるウェブと熱融着繊維からなるウェブとをニードルパンチ等で混合する方法等により得られた不織布とからなる織物壁紙においても、実施例1〜10に係る織物壁紙1と同様の効果を奏することができる。
また、上記した実施例1〜10に係る織物壁紙1おいて、当該織物壁紙1における熱融着ポリマー62の含有率は15〜35質量%であるが、熱融着ポリマー62の含有率が10〜50質量%の織物壁紙1においても、実施例1〜10に係る織物壁紙1と同様の物性(耐クラック性、目開き、ホツレ、硬さ)が備えられる。
また、織物壁紙1を構成する織物2の各糸21〜25及び不織布3に、高融点繊維として、カーボン繊維、アラミド繊維、又はガラス繊維のような強度の強い繊維を含有させると、斜め方向における伸長率を、上記した実施例1〜10に係る織物壁紙1の伸長率2.6〜4.7%よりもさらに小さく、即ち、0%に近づけることができる。なお、伸長率において、±0.5%の誤差は測定誤差の範囲内とする。
また、本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施例はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
1 織物壁紙
2 織物
21 経糸
22 緯糸
23 経糸
24 右上斜め糸
25 右下斜め糸
3 不織布
4 接着剤
5 石膏ボード
6 複合繊維
61 高融点ポリマー
62 熱融着ポリマー

Claims (7)

  1. 交差する2つ以上の織方向の糸で構成された織物の一主面に、裏打ち材として不織布が接着された織物壁紙であって、
    前記織物を構成する前記織方向の各糸と前記不織布には、高融点繊維とこの高融点繊維よりも融点の低い熱融着ポリマーとが含有されており、
    前記熱融着ポリマーの熱融着により、前記織物を構成する糸同士、及び前記織物と前記不織布とが接着されており、
    当該織物壁紙の長さ方向に対し45度の斜め方向に沿って長辺を有する長さ90mm幅20mmの長方形状に当該織物壁紙を切断して試験片を得て、得られた試験片をこの試験片の長さ方向に、クランプ間隔30mmで150Nの引張荷重をかけて引っ張った時の伸長率が、0〜5%(測定誤差範囲として±0.5%)であることを特徴とする織物壁紙。
  2. 請求項1に記載の織物壁紙であって、
    前記織物を構成する前記織方向の各糸と前記不織布に、前記高融点繊維としての高融点ポリマーと前記熱融着ポリマーとを含んでなる複合繊維が含有されており、
    前記複合繊維は、外側の表面に熱融着ポリマーが配された芯鞘構造又はサイドバイサイド構造を有することを特徴とする織物壁紙。
  3. 請求項2に記載の織物壁紙であって、
    前記織方向の各糸における前記複合繊維の含有率が15〜70質量%であることを特徴とする織物壁紙。
  4. 請求項2又は3に記載の織物壁紙であって、
    前記不織布における前記複合繊維の含有率が15〜70質量%であることを特徴とする
    織物壁紙。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1つに記載の織物壁紙であって、
    当該織物壁紙における前記熱融着ポリマーの含有率が10〜50質量%であることを特徴とする織物壁紙。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1つに記載の織物壁紙であって、
    前記織物は、交差する3つ以上の織方向の糸からなる多軸織物であることを特徴とする織物壁紙。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1つに記載の織物壁紙が石膏ボードに、前記不織布と前記石膏ボードとの間に介在する接着剤により接着されていることを特徴とする織物壁紙接着ボード。
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