JP3793573B2 - (1→3)−β−D−グルカン結合性タンパク質、それを認識する抗体及びその利用 - Google Patents
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Description
本発明は、ガブトガニの血球から得られる(1→3)−β−D−グルカン結合性タンパク質およびその変異体およびその抗体に関する。
さらに本発明は、これらのタンパク質からなる(1→3)−β−D−グルカンの測定剤、これらのタンパク質と該測定剤とからなるキット、これらのタンパク質と該抗体とからなるキットおよびこれらのタンパク質を使用する(1→3)−β−D−グルカンの測定法に関する。
また、さらに本発明は、これらのタンパク質またはそれを結合した担体からなる(1→3)−β−D−グルカンの除去剤および該除去剤を使用する(1→3)−β−D−グルカンの除去法に関する。
またさらに本発明は、これらのタンパク質を使用するカブトガニ・アメボサイト・ライセート中に存在することがあるG因子の活性化を阻害する方法に関する。
またさらに本発明は、これらのタンパク質を使用するエンドトキシンの測定法に関する。
背景技術
1964年にカブトガニ血球抽出液(アメボサイト・ライセート、以下LALということがある)が極微量のグラム陰性菌内毒素(以下、エンドトキシン(Et)またはリポポリサッカライド(LPS)ということもある)によって凝固(ゲル化)することが発見され、現在までEt(LPS)感受性因子(C因子)を初めとするゲル化に関与する複数の因子(セリンプロテアーゼ前駆体)が明らかにされてきた。この反応は、哺乳類の血液凝固系と類似したカスケード機構よりなり、他の無脊椎動物でも同様のメカニズムが存在することが報告されている。
一方、LALはEt以外にも極微量の(1→3)−β−D−グルカン(以下β−グルカンということもある)とも反応し、ゲル化を引き起こすことが知られており、β−グルカンを認識する感受性因子(G因子)の存在も見出されている。そして、C因子を介する経路(C因子系)とは全く別経路(G因子系)の凝固カスケードにより、Et同様のゲル化が誘導されることも明らかにされてきている。さらに。β−グルカンは真菌細胞壁の構成多糖でもあることから、この経路はC因子系同様、生体防御に密接な関わりを有していると推測される。
従来、β−グルカン結合性タンパク質としては、カブトガニの血液凝固G因子[FEBS Lett., 129, 318-321(1981)]、カイコのβ−グルカン認識タンパク(プロフェノールオキシダーゼ)[J. Biol. Chem., 263, 12056-12062(1988)]、ヒト単球のβ−グルカンレセプター[J. Exp. Med., 173, 1511-1520(1991)]、局所的オプソニン化に伴う補体受容体[J. Immunol., 124, 3307-3315(1985)]、植物細胞に対するβ−グルカンエリシター[J. Cell Biol., 78, 627(1978)]、ストレプトコッカス・ソブリヌス(Streptococcus sobrinus)由来のグルカン結合性タンパク質[Infect. Immun., 60 (12) 5291-5293(1992)]、ツヅリガ由来のβ−グルカン特異的レクチン[Matha V., 64, 35-42(1990)]などが報告されている。
発明の開示
本発明者らは、LAL中のゲル化因子について研究を進めていたところ、LAL中にβ−グルカンと特異的に結合し、β−グルカンによるG因子の活性化を阻害するタンパク質が存在することを見出し、このタンパク質を単離した。さらに、本発明者らは、このタンパク質を選択的に認識する抗体を見出した。
そして、これらのタンパク質あるいは抗体の性質を検討し、その用途を見出した。
すなわち、本発明の課題は、このようなβ−グルカンに特異的に結合する新規なタンパク質およびその抗体を提供し、これをβ−グルカンやエンドトキシンの検出、β−グルカンの除去あるいは真菌感染治療薬に応用しようとするものである。
すなわち本発明は、カブトガニの血球から得られ、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)で単一バンドを示すように精製された、次の理化学的性質を示すβ−グルカン結合性タンパク質である。
また、N末端アミノ酸配列は次に示す通りである。
(式中、Xaaは自然界に存在するアミノ酸のいずれかを示す)。
また、本発明では前記タンパク質の変異体をも包含する。
本発明における変異体は、前記タンパク質と機能的に同等な物質であって、この機能に実質的に影響を与えない該タンパク質のアミノ酸を置換、欠失または追加させたものをいう。
さらに、好ましくは、本発明における変異体とは、アミノ酸配列が高度の相同性を有し、目的とする効果が該タンパク質と実質的に同等であるタンパク質を意味する(以下、これらの変異体をも含めてタンパク質という)。
さらに本発明は、次のとおりの抗体、これらを使用するグルカン測定剤、測定キット及びグルカン測定法に関する。
(1) 上記タンパク質を選択的に認識する抗体。
(2) 上記タンパク質または標識された上記タンパク質からなる(1→3)−β−D−グルカンの測定剤。
(3) 上記タンパク質と上記抗体又は標識された上記抗体とからなる(1→3)−β−D−グルカンの測定キット。
(4) 上記タンパク質と上記測定剤とからなる(1→3)−β−D−グルカンの測定キット。
(5) 上記タンパク質と検体中の(1→3)−β−D−グルカンとを反応させて複合体を形成させ、該複合体を検出することを特徴とする、(1→3)−β−D−グルカンの測定法。
(6) 上記複合体の検出が上記抗体または標識されているかもしくは標識されうる抗体を用いて行なう方法である上記(5)記載の測定法。
(7) 検体中の(1→3)−β−D−グルカンを、固相に固着しているかあるいは固相しうる上記タンパク質と該標識されたタンパク質とで挟んだ、サンドイッチ状複合体を形成させ、上記タンパク質が固相に固着しうるものであるときは、該複合体を固相に固着させ、固相と液相とを分離した後、いずれかの相の標識物質を測定することを特徴とする(1→3)−β−D−グルカンを測定する方法。
またさらに、本発明は、このようなグルカンを含有する試料からそれを除去するグルカン除去剤及び除去法に関する。
(8) 上記タンパク質あるいはそれを固着した担体からなる(1→3)−β−D−グルカンの除去剤。
(9) 上記タンパク質又は担体に固着された上記タンパク質と試料中の(1→3)−β−D−グルカンとを反応させて複合体を形成させ、試料から該複合体を分離除去することを特徴とする、(1→3)−β−D−グルカンの除去法。
またさらに、本発明はG因子の活性化阻害方法に関する。
(10) 上記タンパク質とカブトガニ・アメボサイト・ライセートとを混合するか、または試料と上記タンパク質とを混合してから、該試料とカブトガニ・アメボサイト・ライセートとを混合することからなる該カブトガニ・アメボサイト・ライセート中に存在することがあるG因子の活性化を阻害する方法。
またさらに、本発明は、エンドトキシンの測定法に関する。
(11) (1→3)−β−D−グルカンを含む試料中に含まれるエンドトキシンを、カブトガニ・アメボサイト・ライセートを用いたリムルス反応によって測定する際に、リムルス反応に先立って、試料と上記タンパク質とを混合するか、または該ライセートと上記タンパク質とを混合することを特徴とするエンドトキシンの測定法。
本発明のこれらのβ−グルカン結合性タンパク質(以下、GBPともいう)は、カブトガニ(タキプレウス・トリデンタツス(Tachypleus tridentatus)、タキプレウス・ギガス(Tachypleus gigas)、リムルス・ポリフェムス(Limulus polyphemus)、カルシノスコルピウス・ロツンディカウダ(Carcinoscorpius rotundicauda)等)の血球(アメボサイト)から、通常のカブトガニ・アメボサイト・ライセートの調製に用いられる低張液抽出法[例えば、J. Biochem., 80, 1101-1021(1976)参照]を応用して抽出することができる。
具体的には、カブトガニの血球に、0〜4℃に冷却した0.02Mトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)を加え、0〜4℃で攪拌し、抽出する。抽出液を冷却遠心し、上澄液(ライセート)を得る。このライセート中には、プロクロッティングエンザイム、コアギュローゲン、G因子、B因子、C因子、GBP、抗LPS因子等種々の凝固系因子が含有されている。このライセートを0.02〜0.05Mトリス−塩酸緩衝液、pH7.0〜8.5(0〜0.2M NaCl含有)で平衡化したデキストラン硫酸−セファロースCL-6Bアフィニティーカラム(デキストラン硫酸、セファロースCL-6B(Pharmacia製)を用いて、既知の方法(Anal. Biochem. 60, 149-152 (1974))で調製)にかけ、0.2〜0.5M NaCl含有の前記緩衝液で溶出させる。この溶出画分のうちGBP活性を示す画分を採取する。このようにするとB因子、C因子およびGBPとが混在した画分を得る。この画分を凍結乾燥し、この凍結乾燥物をゲルろ過クロマトグラフィーを用いて精製する。
ゲルろ過クロマトグラフィーは、0.02〜0.08Mトリス−塩酸緩衝液、pH6.5〜8.5(0.4〜1M NaCl含有)で平衡化したセファクリルS-300 HR(High Resolution)カラム(Pharmacia製)あるいはセルロファインGCL−2000mカラム(生化学工業(株)販売)などで行う。溶出は平衡化に用いた緩衝液で行い、好ましくは同様のクロマトグラフィーを少なくとも2回繰り返して行う。
ゲルろ過クロマトグラフィーの溶出画分を分画し、それぞれの画分についてGBP活性を測定し、この活性を示す画分を採取する。第1回のクロマトグラフィーでB因子およびC因子とGBPとはほぼ完全に分離され、さらに同様のカラムによるリクロマトグラフィーによって精製されたGBPを得る。この画分を集め凍結乾燥することによって、本発明のGBPを得る。これは白色粉末で水に易溶性を示す。このGBPはポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)で単一のバンドを示し、前記した理化学的性質を示す。
また本発明のGBPは、N末端アミノ酸配列が判っているので公知の遺伝子工学的衆法(例えば該配列からDNAプライマーを作成し、これを用いてカブトガニ血球より得られるcDNAライブラリーからGBPをコードするDNAを得、このDNAをベクターに組み込んで組換え体を作成し、これを常法によって発現させる方法等)によって得ることができる。
本発明におけるGBP活性は、β−グルカン(ブクリョウ菌よりSaitoらの方法(Agri. Biol. Chem., 32, 1261-1269(1968))で調製したパキマン(Pachyman)の50pg/mL 0.01M NaOH水溶液)(0.05mL)に上記クロマトグラフィーの各フラクション0.05mLを加え、37℃、10分間加温し、タキプレウス・トリデンタツスのアメボサイト・ライセートよりObayashiらの方法(Clin. Chim. Acta, 149, 55-65(1985))で調製したG因子(0.04mL)およびプロクロッティングエンザイム(0.02mL),さらに1M MgSO4(0.01mL),2Mトリス−塩酸緩衝液、pH8.0(0.01mL)及びクロッティングエンザイムの基質として5mM t-ブトキシカルボニル−L−ロイシル−グリシル−L−アルギニン−p−ニトロアニリド(Boc-Leu-Gly-Arg-pNA)(0.02mL)を加え、37℃、20分間反応させ、遊離したp−ニトロアニリンをジアゾカップリングによって発色させた後、545nmの吸光度を測定することによって行なわれる。そして、試料の代わりに水を用いたときのG因子活性化能(コントロール)を100%とした場合の相対活性により阻害活性を測定する。G因子活性化能の阻害は、GBPとβ−グルカンとの結合によるものである(後の実施例参照)。よってこのG因子阻害活性をGBP活性とする。
また、本発明のGBP純度の検定は、ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)(pH7.0〜8.0、5〜7.5%ゲルまたはpH4〜5、5〜7.5%ゲル)、SDS-PAGE(pH7.0〜8.0、6〜7.5%ゲル、0.1〜0.2%SDS)あるいは等電点電気泳動(IEF)を用いて行うことができる。
GBPの分子量測定は、SDS-PAGE、セファクリルS−300 HRあるいはセルロファインGCL-2000mなどによるゲルろ過、干渉光学系による沈降平衡、超遠心による沈降測定、粘度、光散乱、コロジオン膜等を用いる浸透圧測定、アミノ酸分析、レーザーイオン化質量分析等により行うことができる。
ただし、本発明のGBPは、特定の構造を有するβ−グルカンに親和性を有する物質であり、さらに通常のタンパクに比べ分子量も非常に大きいことからグルコシド結合を有する不溶性担体によるゲルろ過や質量分析等の物理的測定の場合、真の値を得ることが困難である場合がある。そのため、このような干渉作用のない担体および条件を選択する必要がある。
また、本発明のGBPの紫外部吸収スペクトルを第7図に示す。図に示されるように280nmに吸収極大を示した。
また、本発明のGBPのN末端アミノ酸配列は配列表配列番号1に示されるとおりである。
さらに、本発明は、前記したような変異体をも包含する。
本発明のGBPは、(1→3)−β−D−ポリグルコシド構造を有するβ−グルカンに特異的に結合し、カブトガニG因子の活性化能も含めたβ−グルカンの生物化学的性質および免疫薬理学的性質を中和する。さらに、直鎖の(1→3)−β−D−グルカン以外に(1→6)−β−D−あるいは(1→4)−β−D−等の分子内側鎖を有する分岐(1→3)−β−D−グルカンをも同様に中和する。
(抗体)
本発明のGBPを選択的に認識する抗体(以下、抗GBP抗体ということがある)は、精製したGBPを抗原として得られる、この抗原に対する抗血清、ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体である。
本発明で使用するポリクローナル抗体の製造方法としては、該抗原をウサギ、ヤギ等の被免疫動物に投与し、得られた抗血清を、さらに精製する方法等を挙げることができる。被免疫動物に投与する際に、補助剤(アジュバント)を併用することは抗体産生細胞を賦活するので望ましい。
本発明で使用するモノクローナル抗体の製造方法としては、該抗原をマウスまたはラットの腹腔内に投与した後に脾臓などを摘出し、該脾臓などから採取した細胞と腫瘍細胞株であるミエローマ細胞とを細胞融合させて、ハイブリドーマを樹立し、得られたハイブリドーマを試験管内にて連続増殖させ、さらに得られたハイブリドーマから上記抗原に対する特異抗体を継続的に産生する細胞株を選別し、この選別株を試験管内培養またはマウスの腹腔などの生体内にて培養することによって、モノクローナル抗体を大量に製造する方法等を挙げることができる。細胞融合で用いる細胞としては、脾細胞以外にリンパ節細胞および末梢血中のリンパ細胞等を用いることができる。また、ミエローマ細胞株は、異種細胞種由来のものに比べ同種細胞株由来のものが望ましく、安定な抗体産生ハイブリドーマを得ることができる。
得られたポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体の精製法としては、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム等の中性塩による塩析、低温アルコール沈澱およびポリエチレングリコールまたは等電点による選択的沈澱分別法、ないしは電気泳動、DEAE−担体、CM−担体等のイオン交換体やプロテインAならびにハイドロキシアパタイト吸着体による脱吸着法、ゲルろ過および超遠心法等を挙げることができる。
(測定法)
本発明のGBPは、(1→3)−β−D−ポリグルコシド構造を有するβ−グルカン(以下、(1→3)−β−D−グルカンということがある)に特異的に結合することから、該GBPと検体中の(1→3)−β−D−グルカンとを反応させて複合体を形成させ、該複合体を検出することで(1→3)−β−D−グルカンを測定することができる。
本発明の(1→3)−β−D−グルカンの測定法として、例えば以下の方法を挙げることができる。
検体中の(1→3)−β−D−グルカンを、固相に固着しているかあるいは固着しうるGBPと標識されたGBPとで挟んだサンドイッチ状複合体を形成させ、タンパク質またはその変異体が固相に固着しうるものであるときは、該複合体を固相に固着させ、固相と液相とを分離した後、いずれかの相の標識物質を該標識物質に応じた方法で測定することで(1→3)−β−D−グルカンを測定する方法が挙げられる。
この(1→3)−β−D−グルカンを測定する方法としては、例えば、固相に固着されたGBPに、(1→3)−β−D−グルカンを含む検体を添加して、該GBPと(1→3)−β−D−グルカンとを結合させ、同時または次いで予め標識物質で標識されたGBPを添加して、該(1→3)−β−D−グルカンを、該GBPと標識されたGBPとで挟み、サンドイッチ状複合体を形成させるか又は予め標識物質で標識されたGBPと(1→3)−β−D−グルカンを含む検体とを混合して、該標識されたGBPと(1→3)−β−D−グルカンとを結合させて結合体を形成し、この結合体を、固相に固着されたGBPに添加して、上記のサンドイッチ状複合体を形成させるかした後、該複合体が固着した固相と液相とを分離し、いずれかの相の標識物質(例えば固相に固着した該複合体の標識物質)を該標識物質に適した方法で検出して測定する方法等を挙げることができる。
本発明で使用する標識されたGBPは、GBPを既知法に従い標識物質(酵素(ペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼなど)、放射性同位元素(125I,131I,3Hなど)、蛍光物質(フルオレセインイソチオシアネート、ウンベリフェロンなど)、化学発光物質(ルミノールなど)、または他の物質(ビオチン、アビジン(好ましくはストレプトアビジン)など)等の標識物質で直接標識して得ることができる。
GBPの標識方法は、標識物質に適した公知の方法、例えば、酵素を標識する際にはグルタルアルデヒド法、過ヨウ素酸架橋法、マレイミド架橋法、カルボジイミド法など、放射性同位元素で標識する際にはクロラミンT法、ラクトペルオキシダーゼ法など(続生化学実験講座 5 免疫生化学研究法、東京化学同人、1986年発行、欧州特許第0163041号明細書参照)から適宜選択できる。
本発明のGBPをマイクロプレート、ビーズ、チューブ、メンブレン、ラテックス、試験管、濾紙ならびにアガロース、ポリアクリルアミド、セルロース及びデキストランなどの不溶性担体等の固相に固着する方法としては、物理的吸着法、共有結合法、包括法など固定化酵素の調製法として一般的な方法(固定化酵素、1975年、講談社発行、第9〜75頁参照)を応用することができる。特に物理的吸着法は簡便な点で好ましい。なお、GBPが結合していない部分は、血清アルブミン、ゼラチン、乳タンパクなどによってブロッキングすることが好ましい。
本発明の測定法をさらに詳細に説明する。
先ず、固相にGBPを固着する。固着方法としては、例えばGBPをpH9〜10のリン酸緩衝液又は炭酸緩衝液に溶解して固相に加え、4℃で6〜14時間保存して固着させる方法等を挙げることができる。上記固着後、ブロック体を添加して、該GBPが固着していない部分をあらかじめ被覆しておく必要がある。ブロック体としては、例えば牛等から採取できる、血清アルブミン、血清又はミルク蛋白等が挙げられる。
次いで、上記GBPが固着した固相に、(1→3)−β−D−グルカンを含む検体を添加し、上記GBPに(1→3)−β−D−グルカンを結合させる。(1→3)−β−D−グルカンを含む検体としては、人、牛、ラット、マウス等の血液や体液の他、後述の検体をそのまま試料として使用することができる。(1→3)−β−D−グルカンを結合させた後、一般的には固相をツイーン(Tween)系界面活性剤等を添加したリン酸緩衝液等で洗浄することが推奨される。
さらに、上記の(1→3)−β−D−グルカンが結合した固相に、標識されたGBPを添加して、(1→3)−β−D−グルカンに標識されたGBPを結合させる。この操作によって、(1→3)−β−D−グルカンを上記GBPと該標識されたGBPとで挟みサンドイッチ状複合体を形成させる。
次に、該サンドイッチ状複合体の標識物質を測定して(1→3)−β−D−グルカンを定量する。標識物質の測定方法としては、標識物質により異なるが、例えば標識物質にビオチンを使用する場合は、例えばアビジンまたはストレプトアビジンを結合させた酵素を、上記サンドイッチ状複合体を形成させた固相または不溶性担体に添加し、酵素をアジビンを介して複合体に結合させ、該酵素の酵素反応による基質の変化を測定する方法を挙げることができる。
次いで、(1→3)−β−D−グルカン濃度と標識物質の測定結果との関係について検量線を作成し、未知試料についての測定結果と該検量線とを用いて、未知検体中の(1→3)−β−D−グルカンを定量する。
また、本発明の測定法としては、固定された(1→3)−β−D−グルカン(例えば細胞や組織中に存在する(1→3)−β−D−グルカン、物理的または化学的に不溶性担体等に結合された(1→3)−β−D−グルカンなど)に標識物質で標識されたGBPを添加して、該(1→3)−β−D−グルカンと該GBPとの複合体を形成させて、複合体の標識物質により(1→3)−β−D−グルカンを検出あるいは定量する方法を挙げることができる。
さらに、本発明の測定法として、上記の固定された(1→3)−β−D−グルカンにGBPを添加して、該(1→3)−β−D−グルカンと該GBPとの複合体を形成させて、ついでGBPを選択的に認識する抗体を添加して、さらに該抗体を特異的に認識する物質で標識して、該物質により(1→3)−β−D−グルカンを検出あるいは定量する方法、又は該複合体を形成させた後、予め標識物質で標識した該抗体を添加して、該標識物質により(1→3)−β−D−グルカンを検出あるいは定量する方法等を挙げることができる。
該抗体を特異的に認識する物質としては、例えば抗免疫グロブリン抗体を既知法に従い標識物質(たとえばビオチン、アビジン、酵素、アイソトープ、蛍光色素、化学発光物質等)で標識した化合物等を挙げることができる。
本発明のキットは、GBPと標識されたGBPとで構成される。本発明のキットを使用するに当り、該GBPを固相に固着させる工程が必要となるが、あらかじめ該GBPを固相に固着させておくことにより、該工程を省略することができる。
また本発明のキットは、GBPとGBPを選択的に認識する抗体とから構成されるが、さらに標識された抗免疫グロブリン抗体を加えてもよい。
さらにまた本発明のキットは、GBPと標識された抗GBP抗体とから構成される。
本発明の上記キットに、さらに上記固相、標識物質を検知するための試薬、緩衝液、標準物質などを加えてキットとしてもよい。
(除去)
本発明のGBPと試料中の(1→3)−β−D−グルカンとを反応させて複合体を形成させ、試料から該複合体を分離除去することで、(1→3)−β−D−グルカンを除去することができる。該複合体の分離除去法としては、公知のタンパク質分離法を使用できる。しかし好ましくは、GBPを固着した担体、さらに好ましくは不溶性担体に、検体中の(1→3)−β−D−グルカンを接触させて、該GBPと(1→3)−β−D−グルカンとで複合体を形成させ、該複合体を分離除去する方法が好ましい。
このとき使用する担体の形状としては、膜状(フィルター形、中空糸形、チューブ形、平膜形等)、粒状、ラテックス、チップ状、粉末形、マイクロプレート状等の形態を有するものを挙げることができる。担体は(1→3)−β−D−グルカンフリーであることが好ましい。
担体にGBPを結合させるには、ポリスチレン系およびポリプロピレン系等の担体に物理的にGBPを結合させるかあるいは、ポリアミド系、セルロース系、アガロース系、ポリアクリルアミド系、デキストラン系、ビニルポリマー系(グリシジルメタクリレートとエチレングリコールジメタクリレートとの多孔性共重合体)等の担体にGBPを化学的に結合させることができる。化学的な結合法としては、担体の芳香族アミノ基を利用してジアゾカップリングさせるジアゾ化法、担体の水酸基をCNBrで活性化してペプチド結合させるCNBr法、担体のヒドラジン誘導体等を用いてペプチド結合させる酸アジド法、ハロゲン等の反応性に富む担体の官能基を利用して蛋白質をアルキル化するアルキル化法、グルタルアルデヒドのような遊離のアミノ基と反応する架橋試薬によって担体と蛋白質の遊離のアミノ基の間を架橋する方法、カルボジイミド法、エポキシ活性化法、さらにこれらの方法を用いてスペーサーを介して結合させる方法等の公知の結合法から担体の種類に応じて適宜に選択してGBPの結合に利用することができる。
GBPを結合した担体と(1→3)−β−D−グルカンを含む試料との接触方法は、公知の固液接触手段によればよく、例えば、フィルター状の担体に試料を通液させる方法;粒状の担体を充填したカラムに試料を通液させる方法;マイクロプレート状の担体のウェルに試料を入れ、一定時間放置した後、試料を分離する方法;任意の形状の担体を試料に添加し、一定時間振盪するか、静置し、通常の固液分離手段(濾過、遠心分離、吸引、デカンテーション等)によって(1→3)−β−D−グルカンの除去された試料を得る方法等を一例として挙げることができる。
さらにカブトガニ・アメボサイト・ライセートを用いたリムルス反応によるEt測定において、LALまたは試料に該GBPを加えることによって、β−グルカンに該GBPが結合して複合体を形成し、これによりβ−グルカン感受性因子(G因子)の活性化を阻害することを利用して、LAL中のC因子系反応によりβ−グルカンを含む試料中のEtを、β−グルカンの影響を受けることなく特異的に測定することができる。
このようにして本発明のGBPはβ−グルカンやEtの検出及び測定試薬として用いることができるが、さらに、β−グルカンは真菌細胞壁の構成多糖であり、GBPはこの多糖と結合し、真菌等の増殖に影響を与える可能性があるため、医薬、特に抗真菌剤としての開発が期待される。
本発明の(1→3)−β−D−グルカンの測定あるいは除去法は、血清、血漿、尿、髄液等の体液、非経口医薬品、輸液、注射用水、生物学的製剤等の検体試料中に含有される(1→3)−β−D−グルカンの検出あるいは除去に用いることができる。
また本発明のエンドトキシンの測定については、上記と同じ試料中に含有されるエンドトキシンの検出に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例1によるカブトガニ血球抽出物のデキストラン硫酸−セファロースCL-6Bカラムクロマトグラフィーの溶出パターンを示す。
第2図は、第1図のGBP活性画分のセファクリルS-300 HRクロマトグラフィーパターンを示す。
第3図は、第2図のGBP活性画分のセファクリルS-300 HRによるリクロマトグラムを示す。
第4図は、セファクリルS-300 HRを用いたゲル濾過性による本発明のGBPの推定分子量を示す。
第5図は、SDS-PAGEによる本発明のGBPの推定分子量を示す。
レーンAは、分子量マーカーを、レーンBは、還元条件下におけるGBPの分子量をそれぞれ示す。
第6図は、等電点電気泳動分析法による本発明のGBPの等電点を示す。
レーンAは、GBPの等電点を、レーンBは、マーカーの等電点をそれぞれ示す。
第7図は、本発明のGBPの紫外部吸収スペクトルを示す。
第8図は、本発明のGBPのG因子活性化阻害能とGBP用量を示す。
第9図は、本発明の測定法による(1→3)−β−D−グルカンの濃度と吸光度との関係を示す検量線である。
発明を実施するための最良の形態
次に、実施例を挙げて本発明を実施するための最良の形態を示す。
なお、本実施例において用いる全てのガラス器具類は、乾熱滅菌(250℃、2時間)等によりβ−グルカンフリーにして使用した。また試薬類の一部は、活性炭処理後、121℃で20〜90分間オートクレーブ処理することによりβ−グルカンフリーとした。以下の操作はすべてβ−グルカンフリーで行った。
実施例1
GBPの精製および理化学的性質
〈1〉GBPの精製
日本産のカブトガニ(タキプレウス・トリデンタツス)血リンパ液2.5Lを4℃、1,500rpmで10分間遠心し、その沈澱部分(血球;アメボサイト)約50gに0.02Mトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)500mLを加えホモゲナイザー(ポリトロンR RT 10(商品名)、Kinematica社製)にて均一に破砕および抽出し、4℃、10,000×Gで30分間冷却遠心し、上澄液(ライセート)450mLを得た。
この全量を0.02Mトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)で平衡化したデキストラン硫酸−セファロースCL-6Bカラム(5×23cm)に添加し、同一の緩衝液1.0Lで洗浄後、0.2M NaClを含む0.02Mトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)1.5Lで溶出させ、次いで0.45M NaClを含む0.02Mトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)、1.5Lを用いて溶出させた。これらの溶出液は10mLずつの分画として採取した。このようにして溶出された画分の活性を、Obayashiらの方法(Clin, Chim. Acta, 149, 55-65(1985))に従って測定した。すなわち、プロクロッティングエンザイム、B因子、C因子およびG因子の活性測定は405nmの吸光度、コアギュローゲンの活性測定は360nmの吸光度で行なった。また、GBP活性は後述の方法(実施例2-(4)実験3参照、なおコントロールはGBPの代わりに水を用いた)で測定した。結果を第1図に示した。GBPは、0.45M NaCl溶出画分に存在し、β−グルカンによるG因子の活性化を強く阻害した。この画分310mLをナス型フラスコに集め凍結乾燥した。
この凍結乾燥物を水25mLに溶解し、その全量を、0.05Mトリス−塩酸緩衝液、pH8.0(0.5M NaCl、4mM CaCl2含有)で平衡化したセファクリルS-300 HRカラム(2.2×95cm)に添加し、18mL/hrの流速で溶出させ、2.5mMずつ分画した。GBP活性は、上述の方法で測定し、G因子活性化能の50%阻害量を100単位とした。なお、以下GBP活性の単位はunitsあるいは単にuで表す。また、B因子とC因子活性はObayashiらの方法(Clin. Chim. Acta, 149, 55-65(1985))に従い、545nmの吸光度を測定して求めた。この結果を第2図に示す。第2図に示すようにGBP活性がフラクション70〜88(47.5mL)にみられた。
この画分を凍結乾燥し、水8mLで溶解し、前記と同様の緩衝液で平衡化したセファクリルS-300 HRカラム(1.4×95cm)に再度添加し、4.5mL/hrの流速で0.93mlずつ分画し、GBP活性を測定した。その結果を第3図に示す。第3図に示すようにフラクション81〜84にGBP活性がみられた。
このようにGBPは、デキストラン硫酸−セファロースによるアフィニティークロマトグラフィー(第1図)の後、セファクリルS-300 HRによるゲルろ過により、B因子及びC因子とほぼ完全に分離することが可能であり(第2図)、さらに同様の担体によるリクロマトグラフィーによって高純度の精製品を得ることができる。この精製工程の比活性を第1表に示した。なお、ライセート(粗抽出液)中では大量のG因子が存在しているため、GBP活性を測定することが不可能で、このようなクロマトグラフィーを行ない、G因子と相互分離したことにより、はじめてGBP活性およびGBPの存在を知り得たものである。なお、該GBPは他の種のカブトガニ(例えばリムルス・ポリフェムス、タキプレウス・ギガス、カルシノスコルピオス・ロツンディカウダ等)のライセートからも同様にして調製することができる。
〈2〉GBPの理化学的性質
(1)分子量の測定
前記のセファクリルS-300 HRカラム(1.4×95cm、ベッド体積(Vt)=146.2mL)によるクロマトグラフィーで、GBP活性のみられる画分の溶出位置(Ve)を算出し、High Molecular Weight Gel Filtration Kit(Pharmacia製)の各タンパク質における見かけの分配係数((Ve-V0/Vt-V0)、Kavと表す)を分子量の対数に対してプロットした検量線により、GBPの分子量を推定した。その結果、第4図にみられるように、このGBP活性画分におけるGBPの分子量は約580kダルトンであった。
また、前記方法により精製したGBP(1.9×103units/mL、タンパク質濃度:245.2μg/mL)0.3mLを、分子量5,000カットの遠心濾過チューブ(0.3mL容量、ウルトラフリーC3LCC、ミリポア製)に入れ、4℃下で遠心(4,500×g,50分)後、濃縮液(0.03mL)に水を加え、0.3mLとした後、再度同様の条件で0.03mLになるまで遠心濾過濃縮を行った。このサンプルを、Laemmliの方法〔Nature, 227, 680-685 (1970) 〕に従い、2−メルカプトエタノールによる還元条件下でSDS-PAGEを行ない、クマシー・ブリリアント・ブルー R−250によって染色し、分子量を測定したところ、第5図にみられるように約170kダルトンを示した。
なお、マーカーとして次の6種類のタンパク(Boehringer Mannheim GmbH製)を使用した。
α2−マクログロブリン(170k)、β−ガラクトシダーゼ(116.4k)、フルクトース−6−リン酸キナーゼ(85.2k)、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ(55.6k)、アルドラーゼ(39.2k)、トリオースリン酸イソメラーゼ(26.6k)。
(2)等電点の測定
さらに、PhastGel IEF gradient 3-9(Pharmacia製)を使用し、常法(In Gel Electrophoresis and Isoelectric Focusing of Proteins 236-240(1984))に従い、PhastSystem TM(Pharmacia製)を用いて等電点電気泳動を行った。泳動後のゲルは、クマシー・ブリリアント・ブルー R−250で染色した。その結果を第6図に示した。第6図に示されるように単一のバンドで、等電点(pI)は、約9.2であった。
なお、マーカーとして次に示す10種のタンパク(Pharmacia製)を用いた。トリプシノーゲン(pI 9.30)、レンズ豆レクチン−塩基性側バンド(pI 8.65)、レンズ豆レクチン−中間バンド(pI 8.45)、レンズ豆レクチン−酸性側バンド(pI 8.15)、ミオグロビン−塩基性側バンド(pI 7.35)、ミオグロビン−酸性側バンド(pI 6.85)、ウシカーボニックアンヒドラーゼB(pI 5.85)、β−ラクトグロブリン(pI 5.20)、大豆トリプシンインヒビター(pI 4.55)及びアミノグルコシダーゼ(pI 3.50)。
(3)GBPのN末端アミノ酸部分配列の決定
GBPのN末端アミノ酸配列の決定を、Matsudairaの方法[J. Biol. Chem.,262, 10035〜10038 (1987)]によって行なった。7.5%のスラブゲルにGBP(1.7×104units/mL)を、1レーンあたり0.01mL負荷し、30mAの定電流で泳動した。泳動後のゲルを切り出し、水で5分間洗浄後、トランスファー・バッファー〔0.01M 3-(シクロヘキシルアミノ)-1-プロパンスルホン酸(CAPS)/10%メタノール〕に15分間浸した。その後トランスブロッティングサンドイッチ装置を用いて、ゲルからポリビニリデンジフルオリド(PVDF)膜(Bio-Rad Laboratories.製)に、4℃,18時間(20V、定電圧)でタンパク質を転写した、PVDF膜を取り出し、5分間水洗し、0.1%クマシーブリリアントブルーR-250/50%メタノールで5分間染色後、水洗を3度繰り返し、クリーンルームで1時間乾燥させた後−35℃で保存した。目的のバンドを滅菌カッターナイフで切り取り、常法に従って、気相アミノ酸シークエンサー(島津製作所,PPSQ-10)により分析した。
その結果、次のN末端のアミノ酸配列が得られた。
(式中、Xaaは自然界に存在するアミノ酸のいずれかを示す)
(4)GBPの紫外部吸収スペクトルおよび物質の性状
この画分の紫外部吸収スペクトルを測定したところ、第7図に示すとおり280nmに最大吸収をもつ固有のスペクトルが得られた。また、この画分を凍結乾燥したところ白色粉末が得られた。この白色粉末は水に易溶であった。
実施例2
GBPの作用の検討
(1)G因子に対する阻害活性
実施例1で得られた精製GBP(10,20,40,60,80μg/mL)をそれぞれ0.05mLとり、前記の方法に従ってG因子に対する阻害活性(GBP活性)を求めた。その結果を第8図に示す。第8図に示す通り、GBP活性は用量依存性であることが明らかになった。
(2)GBPの加熱処理による活性変化
実施例1で得られた精製GBPを、100℃で3分間処理した後の遠心(1,000×g,15分間)上清を、水で10倍に希釈し、その0.05mLを取り、前記の方法に従って、処理前後におけるG因子に対する阻害活性を比較した。その結果を第2表に示す。
第2表からGBPは易熱性(熱不安定性)タンパク質であることが判明した。
(3)GBPの結合特異性
GBP(1.6×104units/mL)0.05mLに、直鎖(1→3)−β−D−グルカンおよび分岐(1→3)−β−D−グルカンを加え、前記した方法でGBP活性を測定し、残存活性を測定し阻害率を算出した。その結果を第3表に示す。なお、ここで用いた直鎖(1→3)−β−D−グルカンおよび分岐(1→3)−β−D−グルカンの入手先を以下に示す。
直鎖(1→3)−β−Dグルカン:
パキマン(Pachyman)(Agric. Biol. Chem., 32, 1261-1269(1968)に従い調製)
カードラン(Curdlan)(Alcaligenes faecalis var.myxogenes由来、和光純薬工業(株)販売)
カルボキシメチルカードラン(Carboxymethylated Curdlan;CMPS)(Phytochemistry, 1, 175-188(1962)に従い調製。置換度0.63)
パラミロン(Paramylon)(Euglena gracillis由来、Biochim. Biophys. Acta,44,161-163(1960)に従い調製)
分岐(1→3)−β−D−グルカン:
(1→6),(1-3)−β−D−グルカン:ジゾフィラン(Shizophylla)(Sonifilan;科研製薬(株)販売)、レンチナン(Lentinan)(味の素(株)販売)、ラミナラン(Laminaran)(Laminaria digitata由来、シグマ社販売)、ラミナラン(Laminaran)(Eiseniaaraborea由来、ナカライテスク(株)販売)
(1→4),(1→3)−β−D−グルカン:リケナン(Lichenan)(Cetraria islandica由来、シグマ社販売)、大麦β−D−グルカン(Barley β-D-glucan)(シグマ社製)
ラミナラン、カルボキシメチルカードラン、シゾフィラン(2×10-6g/mLのもの)、レンチナン(2×10-8g/mLのもの)、リケナン、大麦β−D−グルカンは蒸留水、パキマン、カードランは0.1M NaOH水溶液、パラミロン、シゾフィラン(1×10-9g/mLのもの)、レンチナン(2×10-10g/mLのもの)は0.3MNaOH水溶液にそれぞれ溶解し、蒸留水あるいは0.01M NaOH水溶液で適宜希釈して使用した。
また、GBP(1.6×102units/mL)0.025mLに、β−グルカン以外の各種多糖の試料0.025mLを添加し37℃、10分間加温後、100pg/mLのパキマン0.025mLを加え、さらに37℃で10分間放置した。その後、G因子(0.04mL)、プロクロッテイングエンザイム(Pro CE)(0.02mL)、1M MgSO4(0.01mL)、2Mトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)(0.01mL)、5mM Boc-Leu-Gly-Arg-pNA(0.02mL)を加え、37℃で20分間反応させ、残存活性を測定し、阻害率を算出した。その結果を第4表に示した。なお、ここで用いた多糖の入手先を以下に示す。
(1→4)−β−D−グルカン:カルボキシメチルセルロース(Carboxymethyl cellulose)(ナトリウム塩、ナラカイテスク(株)販売)
(1→6)−β−D−グルカン:ジロフォラン(Gyrophoran)(Gyrophora esculentaよりJ. Ferment. Technol., 50, 388-396(1971)に従い調製)
(1→6)−α−D−グルカン:デキストラン(Dextran)(Leuconostoc sp.由来、分子量〜40,000、生化学工業(株)販売)
(1→4),(1→6)−α−D−グルカン:プルラン(Pullulan)(Pullularia pullulans由来、林原生物化学研究販売)
(1→2),(1→3),(1→6)−α−D−マンナン:酵母α−D−マンナン(シグマ社販売)
(1→3)−β−D−キシラン(Xylan):(キシロースのポリグリコシド。Caulerpa brachypus由来、Nature, 187, 82-83(1960)の方法に従い調製)
カルボキシメチルセルロース、デキストランおよびプルランは蒸留水で溶解、ジロフォランは0.1M NaOH水溶液で溶解、α-D-マンナンおよびβ-D-キシランは0.3M NaOH水溶液で溶解し、それぞれ蒸留水で適宜希釈して使用した。
第3表に示すように、直鎖(1→3)−β−D−グルカン以外にも、(1→6),(1→3)−β−D−及び(1→4),(1→3)−β−D−グルカンのような分枝(1→3)−β−D−グルカンならびにカルボキシメチル化(1→3)−β−D−グルカンに対する阻害活性が認められた。
また、(1→3)−β−D−グルカン以外の構造を有する多糖の場合、上記したようにあらかじめGBPと混合加温後、さらに(1→3)−β−D−グルカンを添加し、どの程度(1→3)−β−D−グルカン結合能、すなわちG因子に対する阻害活性が抑制されるかによって判定した。第4表から明らかなように、カルボキシメチルセルロース((1→4)−β−D−)、ジロフォラン((1-→6)−β−D−)、デキストラン((1→6)−α−D−)、プルラン、((1→4),(1→6)−α−D−)、酵母α−マンナン((1→2),(1→3),(1→6)−α−D−)、キシラン(キシロースのポリグリコシド。(1→3)−β−D−)には全く阻害活性の抑制が認められなかった。
(4)GBPによるG因子阻害作用の詳細な検討
実験1:G因子0.04mL、プロクロッティングエンザイム(ProCE)0.02mL、1M MgSO4 0.01mL、2Mトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)0.01mL、50pg/mLパキマン(以下BGということもある)0.05mLを混合し、37℃で20分間加温後、GBP(1.6×104units/mL)を0.05mL、5mM基質(Boc-Leu-Gly-Arg-pNA;以下Subとよぶこともある)を0.02mLそれぞれ加え、37℃で3分間反応させ、遊離p−ニトロアニリンを既知の方法(Tamura,H.ら,Thromb. Res. 27, 51-57(1982))に従い、ジアゾカップリングによって発色させた後、545nmの吸光度を測定した。
実験2:G因子0.04mlにGBPを0.05mL加え、37℃10分間加温後、50pg/mL BG 0.05mL、ProCE 0.02mL、1M MgSO4 0.01mL、2Mトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)0.01mL、5mM Subを0.02mLそれぞれ加え、37℃で20分間反応させ、(1)と同様にジアゾカップリングによって発色させた後、545nmの吸光度を測定した。
実験3:BG 0.05mlに、GBPを0.05ml加え、37℃10分間加温後、G因子0.04mL、ProCE 0.02mL、1M MgSO4 0.01mL、2Mトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)0.01mL、5mM Subを0.02mLそれぞれ加え、37℃で20分間反応させ、(1)と同様に、ジアゾカップリングによって発色させた後、545nmの吸光度を測定した。
実験4:G因子0.04mLに、ProCE 0.02mL、50pg/mL BG 0.05mL、1M MgSO4 0.01ml、2Mトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)0.01mL、5mM Sub 0.02mLの混合液に、GBPを0.05mL加え、37℃で20分間反応させ、遊離p−ニトロアニリンを(1)と同様にジアゾカップリングによって発色させた後、545nmの吸光度を測定した。(1)〜(4)のそれぞれについて、GBPの代わりに水を用いたものをコントロールとして、G因子活性化阻害率(%)を算出した。結果を第5表に示す。
第5表より、本発明のタンパク質(GBP)を、あらかじめ(1→3)−β−D−グルカンと混合し、加温(37℃)することにより、著しくG因子活性化阻害能が高められることが示された。従って、これは従来より知られている低分子の水溶性ポリグルコシド(G因子活性化阻害剤;国際公開WO90/02951参照)、例えばラミナランオリゴ糖やカードランのギ酸水解物に認められるような、G因子活性化阻害剤が直接G因子と結合することにより(1→3)−β−D−グルカン(BG)との拮抗阻害ではなく、(1→3)−β−D−グルカンとGBPとの直接結合、すなわちレクチン様相互作用によるG因子の活性化阻害と考えられ、本発明のタンパク質(GBP)の(1→3)−β−D−グルカンへの直接結合が支持された。
これらのことより、GBPは、(1→3)−β−D−グルカンを引き金とするG因子系の制御及び調節、生体内における(1→3)−β−D−グルカンの輸送、真菌増殖の抑制等に重要な役割を担っていると考えられる。
実施例3
GBPに対する抗血清の調製及び精製
400μg/mlの精製GBP水溶液500μlと等容量のフロイソトの完全アジュバント(ヤトロン(株))と混合した。これをウサギ(JW、雄、体重1.8kg)2匹に皮下注射した。2週間毎に4回同様の感作を行った後、追加免疫として100μg/mlのGBP水溶液0.2mlを静脈注射した。最後の注射から1週間後、該ウサギから全採血した。ひきつづき室温で1時間、4℃で一晩放置後、2000rpmで、5分間遠心分離を行い、得られた血清60mlを56℃で30分間加熱処理を行い非働化した後、防腐剤として0.06gのアジ化ナトリウムを添加し(0.1%(W/V))、抗血清を得た。抗血清の抗体価はオクタロニー二重拡散法で調べた。
さらに、該抗血清を硫酸アンモニウムにより塩析とプロテインAによるアフィニティークロマトグラフィーとによって常法に準じて精製し、精製免疫グロブリンを得た。
実施例4
GBPを用いた(1→3)−β−D−グルカンの定量
精製GBP水溶液(400μg/ml)を0.1M炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH9.6)で103倍希釈した溶液50μlをβ−グルカンフリー96穴マイクロプレート(トキシペットプレート、生化学工業(株)販売)に分注し、4℃で12時間放置することにより、該GBPをプレート固相に吸着(固着)させた。該溶液を吸い取り、PBS緩衝液(以下、PBS)で3回洗浄した後、全てのウエルを5%ウシ血清アルブミン(BSA)をふくむPBSでブロッキングし、37℃で2時間加温した。引き続き、0.1%ツイーン−20(Tween-20)を含むPBS(以下、PBS−TW)で3回洗浄し、(1→3)−β−D−グルカン溶液(0.1,1,10,100,1000ng/ml)100μlを加え、37℃で2時間反応させた。次にPBS−TWで3回洗浄し、ビオチン標識GBP水溶液(0.2μg/ml)100μlを添加し、37℃、2時間反応させた後、ペルオキシダーゼ(HRP)標識ストレプトアビジン(1μg/ml)100μlを添加し、37℃、2時間放置した。さらに、発色基質溶液[(テトラメチルベンジジン10mgおよび30% H2O2 2μlを含む50mM酢酸緩衝液、pH5.0(10ml)]100μlを加え、室温で10分間加温後、2M硫酸50μlを加えて反応を止め、450nmの吸光度(対照:630nm)をマイクロプレートリーダー(ウエルリーダーSK601、生化学工業(株)販売)で測定した。
(1→3)−β−D−グルカンの用量依存性(GBPとの反応性、検量線)を第9図に示す。
実施例5
GBPを用いた(1→3)−β−D−グルカンの検出
抗原として(1→3)−β−D−グルカンとウシ血清アルブミン(BSA)とのコンジュゲート(Agric. Biol. Chem., 54, 1953-1959(1990)によって調製した)1.5μgを含む抗原溶液100μlを96穴のβ−グルカンフリーマイクロプレート(トキシペットプレート96F、生化学工業(株)販売)のウエルに加え、4℃で12時間放置して抗原をプレートにコートした。抗原溶液を吸い取り、リン酸緩衝溶液(PBS)で3回洗浄後、すべてのウエルを5%BSAを含むPBS(以下、ブロッキング溶液)で満たし、37℃で2時間加温した。ウエル中のブロッキング溶液を除き、0.1%ツイーン−20(Tween-20)を含むPBS(以下、PBS-Tween-20と略す)で3回洗浄した。次いで、1μg/mlのGBP水溶液100μlをウエルに加え、37℃で2時間インキュベートした。ウエルをPBS-Tween-20で洗浄後、1:5000、1:10000および1:50000の割合でPBSで希釈した抗GBP血清または正常ウサギ血清をウエルに加え、37℃で2時間加温した。PBS-Tween-20で洗浄後、1:1000の割合でPBSで希釈したペルオキシダーゼ標識ヒツジ抗ウサギIgG血清を加え、37℃で2時間インキュベートした。ウエルをPBS-Tween-20で洗浄後、発色基質溶液(テトラメチルベンジジン10mgおよび30%H2O22μlを含む50mmol/l酢酸緩衝液、pH5.0(10ml))100μlを加え、室温で10分間インキュベートした。2M硫酸50μlを加えて反応を止め、660nmを対照として450nmの吸光度をマイクロプレートリーダー(ウエルリーダーSK601、生化学工業(株)販売)で測定した。
抗GBP血清を用いて上記のようにして、GBPと(1→3)−β−D−グルカンとが直接結合することが実験的に証明された。
(1→3)−β−D−グルカンとGBPの複合体に対するウサギ抗GBP血清の反応性の結果を第6表に示す。
実施例6
GBPを用いた(1→3)−β−D−グルカンの除去
β−D−グルカンフリーのSepharose 4B(ファルマシア製)100mlをガラスフィルター(#2)に移し、2リットルの注射用蒸留水(以下、DW)で吸引洗浄した後、1リットル容量のビーカーに入れ、DW200mlを加えた。マグネチックスターラーで攪拌しながら、10N NaOHによってpH11〜12に調整し、次にDW500mlに溶解した臭化シアン(CNBr)25gを徐々に添加し、pHが変化しなくなった時点で反応を終了させた。該CNBr活性化Sepharose 4Bをガラスフィルターで濾過し、冷水2リットル,0.1M NaHCO31リットルで洗浄した。この活性化Sepharose 4B 10mlに0.2mg/mlになるように凍結粉末GBP 2mgを加え、ローテーターで攪拌しながら4℃で、24時間処理した。反応後、残存する不純物(イミドカーボネート体)を不活化するために、0.2Mトリス−塩酸緩衝液pH8.0中で5時間放置した。GBP固定化Sepharose 4B 0.5gに(1→3)−β−D−グルカン溶液(0.1,1.0,10,100μg/ml)を加え、マルチシェイカーで8時間連続攪拌した。引き続き、3000rpm、10分間の遠心後、上清50μlに(1→3)−β−D−グルカン特異的合成基質試薬(グルスペシー、生化学工業(株)販売)50μlを加え、溶液に残存する(1→3)−β−D−グルカン量を測定した。担体フリーで同様の操作を行った場合を100%として、本担体による(1→3)−β−D−グルカン除去率を算出した。GBP固定化担体による(1→3)−β−D−グルカン除去試験として、結果を第7表に示す。
産業上の利用可能性
以上、述べたとおり、本発明の(1→3)−β−D−グルカン結合性タンパク質及びそれを認識する抗体は、検体中のエンドトキシン、(1→3)−β−D−グルカン等を特異的に検出したりあるいは試料中の(1→3)−β−D−グルカンを効率的に除去したりすることができるのでこれらの物質の検出試薬あるいは除去剤として用いることができる。従って、検体や試料中のこれらの物質を検出し、それを無毒化するのに用いることができる。
さらに、本発明の(1→3)−β−D−グルカン結合性タンパク質は、真菌細胞壁の主要構成多糖である(1→3)−β−D−グルカンと結合し、真菌の増殖を抑制する可能性があり、医薬、特に抗真菌剤として開発が期待される。
配列表
配列番号:1
配列の長さ:44
配列の型:アミノ酸
トポロジー:直鎖状
配列の種類:タンパク
起源:カブトガニ血球
Claims (17)
- 下記特徴を有する、カブトガニの血球に由来する(1→3)−β−D−グルカン結合性タンパク質:
(1)カブトガニの血球抽出液からゲル濾過法によって得られ、その際の非還元条件下におけるゲル濾過法による分子量が580kDaであり、
(2)SDS−PAGE法で単一バンドを示し、その際の還元条件下におけるSDS−PAGE法による分子量が170kDaであり、
(3)N末端アミノ酸配列が次の配列を含み、
(式中、Xaaは自然界に存在するアミノ酸のいずれかを示す)
(4)(1→3)−β−D−グルカンに特異的に結合し、
(5)カブトガニG因子の活性化を阻害し、
(6)等電点が9.2であり、
(7)紫外部吸収スペクトルにおいて280nmに吸収極大を持ち、
(8)水に易溶であり、そして
(9)白色を示すこと。 - 請求の範囲第1項記載のタンパク質を特異的に認識する抗体。
- 請求の範囲第1項記載のタンパク質を含んで成る(1→3)−β−D−グルカンの測定剤。
- タンパク質が標識物質で標識されたものである請求の範囲第3項記載の測定剤。
- 請求の範囲第1項記載のタンパク質と請求の範囲第2項記載の抗体とを含んで成る(1→3)−β−D−グルカンの測定キット。
- 抗体が標識物質で標識されたものである請求の範囲第5項記載の測定キット。
- 請求の範囲第1項記載のタンパク質と請求の範囲第4項記載の測定剤とを含んで成る(1→3)−β−D−グルカンの測定キット。
- 請求の範囲第1項記載のタンパク質と検体中の(1→3)−β−D−グルカンとを反応させて複合体を形成させ、該複合体を検出することを特徴とする、(1→3)−β−D−グルカンの測定法。
- 複合体の検出が請求の範囲第2項記載の抗体を用いて行なう方法である請求の範囲第8項記載の測定法。
- 抗体が標識されているものである請求の範囲第9項記載の測定法。
- 検体中の(1→3)−β−D−グルカンを、固相に固着しているか、または固着していない請求の範囲第1項記載のタンパク質と標識物質で標識された請求の範囲第1項記載のタンパク質とで挟んだ、サンドイッチ状複合体を形成させ、タンパク質が固相に固着していないものであるときは、該複合体を固相に固着させ、固相と液相とを分離した後、いずれかの相の標識物質を測定することを特徴とする、(1→3)−β−D−グルカンの測定法。
- 請求の範囲第1項記載のタンパク質を含んで成る(1→3)−β−D−グルカンの除去剤。
- タンパク質が担体に固着したものである請求の範囲第12項記載の除去剤。
- 請求の範囲第1項記載のタンパク質と試料中の(1→3)−β−D−グルカンとを反応させて複合体を形成させ、試料から該複合体を分離除去することを特徴とする、(1→3)−β−D−グルカンの除去法。
- タンパク質が担体に固着されたものである請求の範囲第14項記載の除去法。
- 請求の範囲第1項記載のタンパク質とカブトガニ血球抽出液とを混合するか、または試料と該タンパク質とを混合してから該試料とカブトガニ血球抽出液とを混合することを特徴とする、該カブトガニ血球抽出液中に存在するG因子の活性化を阻害する方法。
- (1→3)−β−D−グルカンを含む試料中に含まれるエンドトキシンを、カブトガニ血球抽出液を用いたリムルス反応によって測定する際に、リムルス反応に先立って、試料と請求の範囲第1項記載のタンパク質とを混合するか、または該血液抽出液と該タンパク質とを混合することを特徴とする、エンドトキシンの測定法。
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