JP7385296B2 - 生体試料中のβ-D-グルカンの免疫学的分析方法、及びβ-D-グルカン分析用キット - Google Patents

生体試料中のβ-D-グルカンの免疫学的分析方法、及びβ-D-グルカン分析用キット Download PDF

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Description

本発明は、生体試料中のβ-D-グルカン(以下、BGと称することがある)の免疫学的分析方法に関する。また、本発明は、生体試料中のBGを分析するためのβ-D-グルカン分析用キットに関する。また、本発明は、重合度が4の(1→3)-β-D-グルカンに結合するモノクローナル抗体にも関する。
β-D-グルカンは、複数のグルコース分子がβ型結合により結合した、グルコースのポリマーである。グルコースの1位の炭素原子は他のグルコースの5個の炭素である、1位、2位、3位、4位、及び6位の各々の炭素と結合可能である。自然界のβ-D-グルカンには、1位と3位(1→3)、1位と4位(1→4)、又は1位と6位(1→6)の結合の組み合わせが多いことが報告されている。
β-D-グルカンは真菌の細胞壁構成成分であり、細菌等の他の微生物に見られない特徴的な物質である。この特徴により、β-D-グルカン分析は、深在性真菌症の検査に用いられている。深在性真菌症は、抵抗力が弱り免疫不全状態になった患者が罹患する日和見感染症の一種であり、患者は極めて重篤な状態に陥る。代表的な深在性真菌症の原因菌として、Candida属とAspergillus属が挙げられる。これらの原因菌の細胞壁にはBGが共通して存在することから、体液中のBGの測定が、深在性真菌症感染の補助診断のために使用されている。臨床検体中のβグルカンの構造は、深在性真菌症の原因菌により異なると考えられるが、これらの原因菌には、(1→3)-β-D-グルカン(以下、(1→3)BGと称することがある)及び(1→3)(1→6)-β-D-グルカン(以下、(1→3)(1→6)BGと称することがある)から成る細胞壁を有するものが特に多いとされている。
現在、カブトガニが持つBGへの防御反応を利用したリムルス試薬が、深在性真菌症の検査に使用されている(特許文献1及び2)。このリムルス試薬は、体外診断用医薬品として認可されている。しかしながら、このリムルス試薬を使用する方法は、天然資源であるカブトガニの血液を必要としており、資源の枯渇が懸念されることに加え、一定の品質を保つことにコストがかかる。また、複数工程を必要とする用手法であるためバラつきが出やすいこともこの方法の欠点として挙げられる。
近年、リムルス試薬が有する欠点を解消し、BGをより迅速にかつ簡易的に測定するために、BGを認識する抗体を用いてBGを測定することが試みられている(特許文献3、非特許文献1~2)。しかしながら、これらの方法に用いられている抗体は、測定感度が悪いものや、測定対象の抗原を2種類の抗体(固定化抗体と標識抗体)でサンドイッチする、いわゆるサンドイッチアッセイに使用するには困難なものであった。また、リムルス試薬と同等の感度及び同様の反応性を有する、BGを認識する抗体を用いた測定系に関しても検討されておらず、リムルス試薬と代替できる可能性のある、BGを測定するための免疫学的分析方法は未だ存在しない状況であった。
特許第5089375号公報 特許第3553656号公報 特開平4-346791号公報
Use of beta-1,3-glucan-specific antibody to study the cyst wall of Pneumocystis carinii and effects of pneumocandin B0 analog L-733,560.Antimicrobial Agents and Chemotherapy 1994 Oct;38(10):2258-2265。 Development of a two-site enzyme immunoassay based on monoclonal antibodies to measure airborne exposure to (1-3)-beta-D-glucan.Journal of Immunological Methods 2008 Aug 20;337(1):55-62
上記のように、BGを認識する抗体を用いてBGを測定する従来の技術に関しては、多くの課題が存在した。したがって、検出感度がリムルス試薬と同等であり、リムルス試薬と同様の反応性を示し、高感度であるサンドイッチアッセイを行うことも可能である、抗体を利用したBG分析法が望まれていた。
発明者らは、リムルス試薬の様々なBGに対する反応性を詳細に解析した。その結果、リムルス試薬は、BGの中で、(1→3)BG及び(1→3)(1→6)BGに反応することを確認した。
前述のように、深在性真菌症の原因菌種によって、生体試料中のBGの構造は異なると考えられ、特に、(1→3)BG及び(1→3)(1→6)BGが多く存在する。(1→3)(1→6)BGの構造では、β(1→3)結合中にβ(1→6)結合が一定数存在していると考えられる。発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討し、長いβ(1→3)重合をエピトープとして認識する抗体では、β(1→6)結合が障害となり、(1→3)(1→6)BGは認識できないのではないかという可能性に気付いた。そして、リムルス試薬と同様の反応性を有し且つ深在性真菌症の原因菌を高感度で検出するためには、(1→3)BGと、(1→3)(1→6)BGの両方を認識することができる可能性を有する、短いβ(1→3)重合をエピトープとして認識する抗体を作出することが効果的であると考えた。また、短いβ(1→3)重合をエピトープとして認識することで、高感度なサンドイッチアッセイを構築することも可能であると考えた。
そこで、短いβ(1→3)重合をエピトープとして認識する抗体を複数作出した。そして、これらの抗体を用いてサンドイッチアッセイを構築することで、リムルス試薬と同等の感度及び同様の反応性を有するBGの測定系を構築することに成功し、本発明を完成するに至った。
具体的に、本発明は以下のとおりである。
<1>重合度が4の(1→3)-β-D-グルカンに結合するモノクローナル抗体を用いて、生体試料中のβ-D-グルカンを分析すること
を含む、生体試料中のβ-D-グルカンの免疫学的分析方法。
<2>前記生体試料が、血液、血漿、又は血清である、<1>に記載の免疫学的分析方法。
<3>前記β-D-グルカンが、(1→3)-β-D-グルカン及び(1→3)(1→6)-β-D-グルカンである、<1>又は<2>に記載の免疫学的分析方法。
<4>前記β-D-グルカンの濃度が1μg/mL以下である、<1>~<3>のいずれかに記載の免疫学的分析方法。
<5>ELISAを用いる、<1>~<4>のいずれかに記載の免疫学的分析方法。
<6>重合度が4の(1→3)-β-D-グルカンに結合するモノクローナル抗体を二種類使用する、<1>~<5>のいずれかに記載の免疫学的分析方法。
<7>対象が深在性真菌症に罹患しているかどうかを判定することをさらに含み、前記判定のカットオフ値が、20pg/mLである<1>~<6>のいずれかに記載の免疫学的分析方法。
<8>前記モノクローナル抗体が、リムルス試薬におけるβ-D-グルカンの分析において競合阻害作用を有する、<1>~<7>のいずれかに記載の免疫学的分析方法。
<9>(a)重合度が4の(1→3)-β-D-グルカンに結合する第1のモノクローナル抗体を固定化した固相
を含む、生体試料中のβ-D-グルカン分析用キット。
<10>(b)標識物質で標識された、重合度が4の(1→3)-β-D-グルカンに結合する第2のモノクローナル抗体
をさらに含む、<9>に記載のキット。
<11>前記生体試料が、血液、血漿、又は血清である、<9>又は<10>に記載のキット。
<12>前記β-D-グルカンが、(1→3)-β-D-グルカン及び(1→3)(1→6)-β-D-グルカンである、<10>~<12>のいずれかに記載のキット。
<13>前記β-D-グルカンの濃度が1μg/mL以下である、<9>~<12>のいずれかに記載のキット。
<14>対象が深在性真菌症に罹患しているかどうかの判定に用いられ、前記判定のカットオフ値が、20pg/mLである、<9>~<13>のいずれかに記載のキット。
<15>重合度が4の(1→3)-β-D-グルカンに結合するモノクローナル抗体。
本発明によれば、リムルス試薬と同等の感度及び同様の反応性を有する、生体試料中のBGの免疫学的分析方法を行うことが可能である。本発明によれば、リムルス試薬と同等の感度及び同様の反応性を有する生体試料中のBGの免疫学的分析用キットを提供することができる。
臨床検体を検出する上での、短いβ(1→3)重合をエピトープとして認識する抗体のメリットを示す模式図である。 短いβ(1→3)重合をエピトープとして認識する抗体をスクリーニングするための競合ELISAの結果を示すグラフである。 86202R抗体のエピトープ解析結果を示すグラフである。 86207抗体のエピトープ解析結果を示すグラフである。 86202R抗体及び86207抗体を用いて、様々なBGを用いてサンドイッチELISAを行った結果を示すグラフである。 市販試薬1を用いて、様々なBGを分析した結果を示すグラフである。 市販試薬2を用いて、様々なBGを分析した結果を示すグラフである。 本発明のBGの免疫学的分析方法の検出下限の検討結果を表すグラフである。 本発明のBGの免疫学的分析方法と市販試薬1との相関を示すグラフである。 本発明のBGの免疫学的分析方法と市販試薬2との相関を示すグラフである。 本発明のBGの免疫学的分析方法に使用する抗体を用いた市販試薬2による測定の競合実験の結果を示すグラフである。 リムルス試薬のカットオフ値(20pg/mL)を用いた健常人血漿試料の真菌感染の有無の判定結果を示すグラフである。
[1]生体試料中のβ-D-グルカンの免疫学的分析方法
(生体試料)
本発明における「生体試料」としては、主に生体(生物)由来の固形組織及び体液を挙げることができ、体液を用いることが好ましい。本発明における生体試料は、より好ましくは、血液、血清、血漿、尿、唾液、喀痰、涙液、耳漏、又は前立腺液であり、さらに好ましくは血液、血清又は血漿であり、さらに好ましくは深在性真菌症に罹患している疑いのある対象の血液、血清又は血漿であり、最も好ましくはCandida属及び/又はAspergillus属を原因菌とする深在性真菌症に罹患している疑いのある対象の血液、血清又は血漿である。生体又は対象は、ヒト又は動物(例えば、サル、イヌ、ネコ、マウス、モルモット、ラット、ハムスター、ウマ、ウシ、ブタ、鳥類、及び魚類)を含み、好ましくはヒトである。
本発明の免疫学的分析方法では、必要に応じて、生体試料の前処理を行う。前処理としては、例えば、アルカリ処理及び熱処理を挙げることができ、又はこれらの処理を組み合わせることもできる。処理時間、アルカリ溶液のpH、アルカリ試薬の種類、処理温度等は、生体試料の種類等に応じて、適宜設定すればよい。
(β-D-グルカン)
本明細書において、「β-D-グルカン」及び「BG」は、複数のグルコース分子がβ型結合により結合した、グルコースのポリマーを意味する。BGは真菌の細胞壁構成成分であり、体液中のBGの測定が、深在性真菌症感染の補助診断のために使用されている。BGとしては、(1→3)-β-D-グルカン、(1→3)(1→6)-β-D-グルカン、(1→3)(1→4)-β-D-グルカン(オオムギ由来βグルカン、リケナン等)等が例示できる。本発明の免疫学的分析方法において、検出対象の生体試料中のβ-D-グルカンは、好ましくは(1→3)-β-D-グルカン及び/又は(1→3)(1→6)-β-D-グルカンである。
((1→3)-β-D-グルカン)
本明細書において、「(1→3)-β-D-グルカン」及び「(1→3)BG」は、グルコースの1位の炭素と他のグルコースの3位の炭素とがβ型の結合様式により結合したグルカンを意味する。(1→3)BGは、3重らせん構造という独特の構造を有する。
(1→3)BGとしては、パキマン、カードラン、ラミナリテトラオース、パラミロン、カルボキシメチルパキマン、カルボキシメチルカードラン、Aspergillus属真菌の細胞壁に存在する(1→3)BG、及びCandida属真菌の細胞壁に存在する(1→3)BGが例示できる。
本明細書では、(1→3)BGの構造において、3重らせん構造の外側の側鎖に(1→6)様式でグルコースが結合したものを、(1→3)(1→6)-β-D-グルカン、又は(1→3)(1→6)BGと称する。(1→3)(1→6)BGとしては、ラミナリン、ジゾフィラン、Aspergillus属真菌の細胞壁に存在する(1→3)(1→6)BG、及びCandida属真菌の細胞壁に存在する(1→3)(1→6)BGが例示できる。(1→3)(1→6)BGは、3重らせん構造の外側の側鎖に(1→6)様式でグルコースが結合した構造を有しており、長いβ(1→3)重合をエピトープとして認識する抗体では、3重らせん構造の外側の側鎖にある(1→6)様式で結合したグルコースが前記抗体の結合を阻害し、(1→3)(1→6)BGを認識できないと考えられる(図1)。
本発明において使用されるモノクローナル抗体は、好ましくは、(1→4)-β-D-グルカン、(1→6)-β-D-グルカン、(1→6)-α-D-グルカン、(1→4)(1→6)-α-D-グルカン、(1→6)(1→6)-α-D-グルカン、並びに(1→4)-α-D-グルカンのいずれの構造とも反応しない。
具体的には、本発明において使用されるモノクローナル抗体は、好ましくは、(1→4)-β-D-グルカンであるマンナン及びカルボキシメチルセルロース;(1→6)-β-D-グルカンであるパルスタン;(1→6)-α-D-グルカンであるデキストラン;(1→4)(1→6)-α-D-グルカンであるグリコーゲン及びアミロペクチン;(1→6)(1→6)-α-D-グルカンであるプルラン;並びに(1→4)-α-D-グルカンであるアミロースのいずれとも反応しない。
本明細書において「深在性真菌症」とは、真菌が肺、肝臓、腎臓、又は脳などの体の深部に入り込んで感染を起こす状態を意味する。深在性真菌症は、臓器移植を受けた患者及び免疫抑制薬を投与されている患者において主に発生する。深在性真菌症の原因菌としては、Aspergillus属真菌及びCandida属真菌が例示でき、本発明の免疫学的分析方法では、これらの真菌の細胞壁に存在するBGを効果的に分析することができる。
(重合度が4の(1→3)-β-D-グルカンに結合するモノクローナル抗体)
本発明において使用されるモノクローナル抗体は、重合度が4の(1→3)-β-D-グルカンに結合するモノクローナル抗体である。「重合度が4の(1→3)-β-D-グルカンに結合する」とは、重合度が4のβ(1→3)結合をエピトープとして認識することを意味する。なお、本明細書において「重合度が4の(1→3)-β-D-グルカンに結合するモノクローナル抗体を用いて、生体試料中のβ-D-グルカンを分析すること」は、生体試料と当該モノクローナル抗体とを接触させること、及び、得られた測定値をカットオフ値と比較することを意味する。
重合度が「4」とは、グルコースが4個重合していることを意味する。
本発明において使用される抗(1→3)BG抗体は、好ましくは遊離抗原濃度が1μg/mL以下において、より好ましくは遊離抗原濃度が100ng/mL以下において、BGと、好ましくは(1→3)BG及び/又は(1→3)(1→6)BGと反応する。
本発明において使用されるモノクローナル抗体の具体例としては、NITE BP-02723であるハイブリドーマから産生されるモノクローナル抗体の86202R抗体、NITE BP-02724であるハイブリドーマから産生されるモノクローナル抗体の86207抗体が挙げられる。
本明細書において、重合度が4の(1→3)-β-D-グルカンと「反応する」、重合度が4の(1→3)-β-D-グルカンを「認識する」、重合度が4の(1→3)-β-D-グルカンと「結合する」は、同義で用いられるが、これらの例示に限定されることはなく、最も広義に解釈する必要がある。抗体が抗原(化合物)と「反応する」か否かの確認は、抗原固相化ELISA法、競合ELISA法、サンドイッチELISA法などにより行うことができるほか、表面プラズモン共鳴(surface plasmon resonance)の原理を利用した方法(SPR法)などにより行うことができる。SPR法は、Biacore(登録商標)の名称で市販されている、装置、センサー、試薬類を使用して行うことができる。
本発明に使用される抗体と、ある化合物が「反応しない」とは、本発明に使用される抗体がある化合物と実質的に反応しないことをいい、「実質的に反応しない」とは、例えば、上記SPR法に基づき、Biacore(登録商標)T100やT200を使用し、本発明の抗体を固定化して測定を行った場合に、本発明に使用される抗体の反応性の増強が認められないことをいう。詳細には、抗体と化合物との反応性が、コントロール(化合物非添加)の反応性と比べて有意な差がないことをいう。上記SPR法以外の当業者に周知の方法又は手段によっても「実質的に反応しない」ことを確認できるのはいうまでもない。
本発明の免疫学的分析方法において使用されるモノクローナル抗体は、本発明の効果が得られる限りにおいて、該モノクローナル抗体の機能を有する断片を含む。例えば、モノクローナル抗体の酵素的消化により得られる該モノクローナル抗体のFab部分を含む機能性断片、遺伝子組換えによって作製される該モノクローナル抗体のFab部分を含む機能性断片、及びファージディスプレイ法で作製されたscFvを含む機能性断片等が挙げられる。
本発明の免疫学的分析方法において使用される抗体は、抗原(免疫原)としてラミナリテトラオースなどの重合度が4の(1→3)BGをリン酸緩衝生理食塩水などの溶媒に溶解し、この溶液を動物に投与して免疫することにより製造できる。抗原(免疫原)としてラミナリヘプタオースなどの重合度が5以上の(1→3)BGを用いて、重合度が4の(1→3)BGに結合する抗体を産生するハイブリドーマをスクリーニングしてもよい。必要に応じて前記溶液に適宜のアジュバントを添加した後、エマルジョンを用いて免疫を行ってもよい。アジュバントとしては、油中水型乳剤、水中油中水型乳剤、水中油型乳剤、リポソーム、水酸化アルミニウムゲルなどの汎用されるアジュバントのほか、生体成分由来のタンパク質やペプチド性物質などを用いてもよい。例えば、フロイントの不完全アジュバント又はフロイントの完全アジュバントなどを好適に用いることができる。アジュバントの投与経路、投与量、投与時期は特に限定されないが、抗原を免疫する動物において所望の免疫応答を増強できるように適宜選択することが望ましい。
免疫に用いる動物の種類も特に限定されないが、哺乳動物が好ましく、例えばマウス、ラット、ウシ、ウサギ、ヤギ、ヒツジ、アルパカなどを用いることができ、より好ましくはマウス又はラットを用いることができる。動物の免疫は、一般的な手法に従って行えばよく、例えば、抗原の溶液、好ましくはアジュバントとの混合物を動物の皮下、皮内、静脈、又は腹腔内に注射することにより免疫を行うことができる。免疫応答は、一般的に免疫される動物の種類及び系統によって異なるので、免疫スケジュールは使用される動物に応じて適宜設定することが望ましい。抗原投与は最初の免疫後に何回か繰り返し行うことが好ましい。
モノクローナル抗体を得るために、引き続き以下の操作が行われるがそれに限定されることはなく、モノクローナル抗体それ自体の製造方法については当業界で周知されており、かつ汎用されているので当業者は前記の抗原を用いることによって本発明の免疫学的分析方法において使用される抗体を容易に製造することが可能である(例えばAntibodies,A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Laboratory Press,(1988) 第6章などを参照のこと)。
最終免疫後、免疫した動物から抗体産生細胞である脾臓細胞あるいはリンパ節細胞を摘出し、高い増殖能を有する骨髄腫由来の細胞株と細胞融合することによりハイブリドーマを作製することができる。細胞融合には抗体産生能(質・量)が高い細胞を用いることが好ましく、また骨髄腫由来の細胞株は融合する抗体産生細胞の由来する動物と適合性があることが好ましい。細胞融合は、当該分野で公知の方法に従って行うことができるが、例えば、ポリエチレングリコール法、センダイウイルスを用いた方法、電流を利用する方法などを採用することができる。得られたハイブリドーマは当業界で汎用の条件に従って増殖させることができ、産生される抗体の性質を確認しつつ所望のハイブリドーマを選択することができる。ハイブリドーマのクローニングは、例えば限界希釈法や軟寒天法などの周知の方法により行うことが可能である。
ハイブリドーマの選択は、産生される抗体が実際の測定に用いられる条件を考慮し、選択の段階で効率的に行うこともできる。例えば、動物に免疫して得られた抗体を、交差反応性を確認したい化合物の存在下、固相に固定化した重合度が4の(1→3)BGと反応させ、交差反応性を確認したい化合物の非存在下での反応性と比較することにより所望の抗体を産生するハイブリドーマをより効率よく選抜することができる。また、動物に免疫して得られた抗体を、生物試料由来成分の存在下、固相に固定化した重合度が4の(1→3)BGと反応させ、生物試料由来成分の非存在下での反応性と比較することにより所望の抗体を産生するハイブリドーマをより効率よく選択することもできる。
クローニング工程後、産生される抗体と重合度が4の(1→3)BGとの結合能をELISA法、RIA法、蛍光抗体法などの方法を用いてアッセイすることにより、選択されたハイブリドーマが所望の性質を有するモノクローナル抗体を産生するか否かを確認することができる。
前記のようにして選別されたハイブリドーマを大量培養することにより、所望の特性を有するモノクローナル抗体を製造することができる。大量培養の方法は特に限定されないが、例えば、ハイブリドーマを適宜の培地中で培養してモノクローナル抗体を培地中に産生させる方法や、哺乳動物の腹腔内にハイブリドーマを注射して増殖させ、腹水中に抗体を産生させる方法などを挙げることができる。モノクローナル抗体の精製は、先述した抗血清からの抗体の精製法、例えばDEAE陰イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、硫安分画法、PEG分画法、エタノール分画法などを適宜組み合わせて行うことができる。
本発明の免疫学的分析方法において使用される抗体としては、抗体分子全体のほかに抗原抗体反応活性を有する抗体のフラグメントを使用することも可能であり、前記のように動物への免疫工程を経て得られたもののほか、遺伝子組み換え技術を使用して得られるものやキメラ抗体を用いることも可能である。抗体の断片としては機能性の断片であることが好ましく、例えば、F(ab')2、Fab'、scFvなどが挙げられ、これらのフラグメントは前記のようにして得られる抗体をタンパク質分解酵素(例えば、ペプシンやパパインなど)で処理すること、あるいは該抗体のDNAをクローニングして大腸菌や酵母を用いた培養系で発現させることにより製造できる。
また、本発明の免疫学的分析方法において抗体は、不溶性担体上に固定された固定(固相)化抗体として使用したり、後述する当業者に周知慣用の標識物質で標識した標識抗体として使用することができる。例えば、不溶性担体にモノクローナル抗体を物理的に吸着させ、あるいは化学的に結合(適当なスペーサーを介してよい)させることにより固定化抗体を製造することができる。不溶性担体としては、ポリスチレン樹脂などの高分子基材、ガラスなどの無機基材、セルロースやアガロースなどの多糖類基材などからなる不溶性担体を用いることができ、その形状は特に限定されず、板状(例えば、マイクロプレートやメンブレン)、ビーズあるいは粒子状(例えば、ラテックス粒子、磁性粒子)、筒状(例えば、試験管)など任意の形状を選択できる。
本発明の免疫学的分析方法において使用される抗体と結合可能な標識抗体(二次抗体)を用いることにより、BGに結合した抗体の量を測定することができ、それにより生体試料中のBGを検出することができる。生体試料中のBGは、好ましくは、(1→3)BG及び/又は(1→3)(1→6)BGである。標識抗体を製造するための標識物質としては、例えば酵素、蛍光物質、化学発光物質、ビオチン、アビジン、又は放射性同位体、金コロイド粒子、着色ラテックスなどが挙げられる。標識物質と抗体との結合法としては、当業者に利用可能なグルタルアルデヒド法、マレイミド法、ピリジルジスルフィド法、又は過ヨウ素酸法などの方法を用いることができるが、固定化抗体や標識抗体の種類、及びそれらの製造方法は前記の例に限定されることはない。例えば、ホースラディッシュ・ペルオキシダーゼ(HRP)やアルカリホスファターゼ(ALP)などの酵素を標識物質として用いる場合にはその酵素の特異的基質(酵素がHRPの場合には、例えばO-フェニレンジアミン(OPD)あるいは3,3',5,5'-テトラメチルベンジジン(TMB)、ALPの場合にはp-ニトロフェニル・ホスフェートなど)を用いて酵素活性を測定することができ、ビオチンを標識物質として用いる場合には少なくともアビジンあるいは酵素修飾アビジンを反応させるのが一般的である。本発明の免疫学的分析方法においては、標識物質としてビオチン又はHRPを使用することが好ましい。
本明細書において、「不溶性担体」を「固相」、抗原や抗体を不溶性担体に物理的あるいは化学的に担持させることあるいは担持させた状態を「固定」、「固定化」、「固相化」と表現することがある。また、「分析」、「検出」、又は「測定」という用語は、BGの存在の証明及び/又は定量などを含めて最も広義に解釈する必要があり、いかなる意味においても限定的に解釈してはならない。
(免疫学的分析方法)
本発明の免疫学的分析方法としては、ELISA、酵素免疫測定法、免疫組織染色法、表面プラズモン共鳴法、ラテックス凝集免疫測定法、化学発光免疫測定法、電気化学発光免疫測定法、蛍光抗体法、放射免疫測定法、免疫沈降法、ウエスタンブロット法、イムノクロマトグラフ法、及び高速液体クロマトグラフィー法(HPLC法)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。本発明の免疫学的分析方法としては、ELISAを用いることが好ましい。ELISAの中でも、固相に固定した第1のモノクローナル抗体と標識した第2のモノクローナル抗体とを使用するサンドイッチELISAが好ましい。
この場合、第1のモノクローナル抗体として、86207抗体を用い、第2のモノクローナル抗体として、86202R抗体を用いることができる。なお、第1のモノクローナル抗体と第2のモノクローナル抗体は同一の抗体を用いてもよい。さらに固相に固相化する抗体、あるいは標識抗体は、それぞれ複数の抗体を混合してもよい。標識抗体に対する標識物質としては、ビオチン又はHRPを使用することが好ましい。
(深在性真菌症の診断、診断補助、及び治療)
本発明の免疫学的分析方法の分析結果に基づき、対象が深在性真菌症に罹患しているか否かを診断することができ、又は診断の補助とすることができる。従来の抗体を利用した免疫学的分析方法では感度が不足しており、罹患早期の深在性真菌症患者では、陰性と判断されてしまう恐れがあった。深在性真菌症は早期発見及び早期治療が重要となる。本発明の高感度な免疫学的分析方法を使用すれば、深在性真菌症の早期発見及び早期治療を実現できるものである。
また、本発明の免疫学的分析方法を行った後、必要に応じて、生体試料中のBGを分析する工程の結果に基づき、他の深在性真菌症分析方法の患者への実施、及び/又は深在性真菌症治療薬の患者への投与を実施してもよい。
本発明の免疫学的分析方法は、生体試料(例えば、血液、血清又は血漿、好ましくは血漿)中に含まれる4pg/mL以上のBGを検出する工程、及び/又は前記検出工程の結果に基づき生体試料を採取した対象が深在性真菌症に罹患している又は罹患している疑いがあると診断する工程、又は診断を補助する工程を含むことができる。カットオフ値は生体試料の種類または免疫学的分析方法の種類に応じて適宜設定することができる。例えば、本発明の免疫学的分析方法は、生体試料(例えば、血液、血清又は血漿、好ましくは血漿)中に含まれる、6pg/mL以上、7pg/mL以上、8pg/mL以上、9pg/mL以上、10pg/mL以上、11pg/mL以上、20pg/mL以上、50pg/mL以上、80pg/mL以上、100pg/mL、150pg/mL以上、200pg/mL以上、250pg/mL以上、300pg/mL以上、400pg/mL以上、500pg/mL以上、1ng/mL以上、5ng/mL以上、又は10ng/mL以上のBGを検出する工程、及び/又は前記検出工程の結果に基づき生体試料を採取した対象が深在性真菌症に罹患している又は罹患している疑いがあると診断する工程又は診断を補助する工程を含むことができる。
市販のリムルス試薬では、試料中の(1→3)BG及び/又は(1→3)(1→6)BGがG因子と結合する。この結合により、カスケードが開始され、(1→3)BG及び/又は(1→3)(1→6)BGの分析が行われる。本発明の免疫学的分析方法において使用されるモノクローナル抗体は、(1→3)BG及び/又は(1→3)(1→6)BGにおけるG因子結合部位を認識することが好ましい。
本発明の免疫学的分析方法において使用されるモノクローナル抗体は、リムルス試薬におけるβ-D-グルカン、好ましくは(1→3)BG及び/又は(1→3)(1→6)BGの分析において、競合阻害作用を有することが好ましい。この場合、競合阻害作用とは、具体的には、モノクローナル抗体がβ-D-グルカンに結合することにより、β-D-グルカンとG因子との結合が阻害され、結果的にリムルス試薬の反応カスケードの進行を阻害されることを意味する。
発明の免疫学的分析方法において使用されるモノクローナル抗体が、リムルス試薬におけるβ-D-グルカンの分析において、競合阻害作用を有する場合、モノクローナル抗体の反応系における濃度は、0.1μg/mL~1000μg/mLであり、好ましくは、1μg/mL~100μg/mLである。
[2]生体試料中のβ-D-グルカン分析用キット
本発明により提供されるキットは、(a)重合度が4の(1→3)-β-D-グルカンに結合する第1のモノクローナル抗体を固定化した固相を含み、好ましくは(b)標識物質で標識された、重合度が4の(1→3)-β-D-グルカンに結合する第2のモノクローナル抗体を含む。第1のモノクローナル抗体を固定化した固相は、生体試料中のBGを捕捉して、BG-抗体複合体を形成する。標識物質で標識された第2の抗BGモノクローナル抗体は、このBG-抗体複合体に反応してサンドイッチを形成する。標識物質に応じた方法により標識物質の量を測定することにより、試料中のBGを測定することができる。第1のモノクローナル抗体の固相への固定化の方法、第2のモノクローナル抗体の標識物質での標識の方法など、キットを構成する上での具体的な方法は本明細書中に記載された方法のほか、当業者に周知の方法を制限なく使用することができる。
第1のモノクローナル抗体及び第2のモノクローナル抗体としては、重合度が4の(1→3)-β-D-グルカンに結合するモノクローナル抗体であれば特に限定されない。例えば、第1のモノクローナル抗体として、86207抗体を用い、第2のモノクローナル抗体として、86202R抗体を用いることができる。
標識物質としては、例えば、蛍光物質、化学発光物質、ビオチン、アビジンなどの当業者に公知の標識物質を使用することができる。標識物質と抗体との結合法としては、使用する標識物質及び抗体に応じて公知の結合法の中から適宜選択することができ、例えば、グルタルアルデヒド法、マレイミド法、ピリジルジスルフィド法、又は過ヨウ素酸法などの方法を用いることができる。標識物質として、ビオチン又はHRPを使用することが好ましい。
本発明のキットには、他に使用説明書などを含むこともできる。キットは、任意の構成要素、例えば緩衝剤、安定化剤、反応容器等を含んでいてもよい。
本発明のキットは、生体試料(例えば、血液、血清又は血漿、好ましくは血漿)中に含まれる4pg/mL以上のBGを検出することができ、この結果をもとに生体試料を採取した対象が深在性真菌症に罹患している又は罹患している疑いがあると診断することができる。カットオフ値は生体試料の種類等に応じて適宜設定することができる。例えば、本発明のキットは、生体試料(例えば、血液、血清又は血漿、好ましくは血漿)中に含まれる、6pg/mL以上、7pg/mL以上、8pg/mL以上、9pg/mL以上、10pg/mL以上、11pg/mL以上、15pg/mL以上、20pg/mL以上、24.9pg/mL以上、25pg/mL以上、30pg/mL以上、50pg/mL以上、80pg/mL以上、100pg/mL、150pg/mL以上、200pg/mL以上、250pg/mL以上、300pg/mL以上、400pg/mL以上、500pg/mL以上、1ng/mL以上、5ng/mL以上、又は10ng/mL以上のBGを検出することができ、この結果を基に、生体試料を採取した対象が深在性真菌症に罹患している又は罹患している疑いがあると診断することができる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
〔実施例1〕本発明に使用するモノクローナル抗体の製造方法
1.免疫用抗原の調製
グルコース7個が直鎖状に重合した構造を有する(1→3)BGであるラミナリヘプタオース(生化学バイオビジネス社製)を免疫用抗原として使用した。ラミナリヘプタオース-トランスフェリンコンジュゲートを非特許文献1に記載の調製方法と同様の方法で調製し、免疫用抗原として使用した。
2.ハイブリドーマの作製及び抗体の採取
調製したラミナリヘプタオース-トランスフェリンコンジュゲートの溶液(1mg/mL)100μL、0.1MPBS(pH7.2)0.25mL及びフロイントのアジュバント(完全アジュバントまたは不完全アジュバント)0.25mLからなる懸濁液の全量をBALB/cマウス(雌)及びF344/Jc1ラット(雌)の背部皮下又は腹腔にそれぞれ計3-6回投与した。投与間隔は2週間で、最初の投与はフロイントの完全アジュバントを、後の4回はフロイントの不完全アジュバントを用いた。5回目の投与の1週間後にマウス及びラットを開腹してそれらの脾臓をとり、ピペッティングにより単細胞を得た。
これらの脾細胞を血清無添加のPRMI1640培地で2回洗浄し、脾細胞5×107個に対し、別に培養を行ない洗浄したマウスミエローマ細胞(X-63-Ag8-6.5.3)1×107個の割合で混合して遠心分離を行ない、上清を除去した。沈渣をよく溶かし、融合促進剤であるポリエチレングリコール1540(1mL)を37℃で1分間かけてゆっくりと添加し、さらに1分間撹拌して融合を行なった。これらの融合細胞(ハイブリドーマ)を牛胎児血清添加RPMI1640培地10mLで懸濁して遠心分離した後、その残渣を96穴培養用プレート一枚にまき、37℃、5%CO2インキュベーターで1週間培養した。HAT培地で1週間、37℃で培養した後、ハイブリドーマだけを選択的に採取した。
3.抗原固相化ELISA(一次スクリーニング)
以下に示す方法でハイブリドーマの1次スクリーニングを行った。抗原としてはラミナリンを用いた。ラミナリンは(1→3)(1→6)BGであり、3重らせん構造の外側の側鎖に(1→6)様式でグルコースが結合した構造を有している。ラミナリンを認識する抗体は、(1→6)様式で結合したグルコースの間の短いβ(1→3)結合を認識している可能性があると考えた。
1)ラミナリン溶液をplateに分注し(50μL/well)、室温で2時間または4℃で一夜静置した。
2)3回洗浄後(400μL/well)、ブロッキング液を分注し(100μL/well)、室温で1時間静置した。
3)3回洗浄後(400μL/well)、培養上清の希釈系列を分注し(50μL/well)、室温で1時間静置した。
4)3回洗浄後(400μL/well)、HRP標識ヤギ抗マウスIgGポリクローナル抗体を分注し(50μL/well)、室温で1時間静置した。
5)3回洗浄後(400μL/well)、OPD発色液を分注(50μL/well)し、室温で10分間反応させた。
6)停止液を分注し(50μL/well)、反応を停止し、プレートリーダーで測定した。
7)ラミナリンとの反応性が高かった抗体を産生するハイブリドーマ50種を選別し、以下の競合ELISAに用いた。
4.競合ELISA(二次スクリーニング)
以下に示す方法でハイブリドーマの2次スクリーニング(樹立候補株の反応性確認)を行った。
1)ラミナリン溶液をELISA用プレートに分注し(50μL/well)、室温で2時間または4℃で一夜静置した。
2)3回洗浄後(400μL/well)、ブロッキング液を分注し(100μL/well)、室温で1時間静置した。
3)3回洗浄後(400μL/well)、糖鎖(デキストラン、ラミナリン、又はラミナリヘプタオース)を分注した(25μL/well)。続いて培養上清を分注して(25μL/well)室温で1時間静置した。
4)3回洗浄後(400μL/well)、HRP標識ヤギ抗マウスIgGポリクローナル抗体を分注し(50μl/well)、室温で1時間静置した。
5)3回洗浄後(400μL/well)、OPD発色液を分注(50μL/well)し、室温で10分間反応させた。
6)停止液を分注し(50μL/well)、反応を停止し、プレートリーダーで測定した。
7)結果を図2に示す。ラミナリン及びラミナリヘプタオースを遊離抗原として用いた場合にいずれも競合が生じた、86207(マウス由来)及び86202R(ラット由来)を選抜した。
5.抗体精製手順
得られたハイブリドーマ2種を用いてモノクローナル抗体の精製を行った。各ハイブリドーマ細胞を腹腔注射したマウスから腹水を抽出し、-80℃で凍結保存した。腹水に腹水溶解液を添加し、ウォーターバスで融解後に遠心し、上清を回収した。
回収した上清に50%硫酸アンモニウムを添加した。再度遠心を行い、沈殿画分に再溶解液を添加し、沈殿を溶解させた。溶解させた液を遠心し、上清を回収した。上清を100倍量の透析液(20mM NaPi pH7.5, 100mM NaCl, 1mM EDTA 2Na)を用いて4℃で一晩透析した。透析には、Slide-A-Lyzer Dialysis cassette 10k(Thermo Fisher Scientific社製)を使用した。
翌日、低圧クロマトグラフィーシステムAKTA Prime plus(GEヘルスケア社製)にプロテインGカラムHi Trap Protein G HP 5mL(GEヘルスケア社製)を接続し、透析したサンプル溶液を分離・精製した。プロテインGカラムはカラム平衡化液であらかじめ平衡化した。サンプル溶液をカラムに添加した後、pH4の溶出液でカラムに結合した抗体を溶出させた。pH4溶出の後、pH3の溶出液でさらに溶出を行った。pH4の溶出液及びpH3の溶出液で溶出させたサンプル溶液をそれぞれ抗体保存液(PBS)で透析した。透析は4℃、100倍量で2回行った。透析後、最終濃度0.09%となるようにアジ化ナトリウムを添加し、400μLに小分けした後に-80℃で保存した。上記の手順により2種の抗体(86202R抗体及び86207抗体)を得た。以下の測定にはpH4で溶出させた抗体サンプルを使用した。
〔実施例2〕複数の重合度の(1→3)BGに対する抗体の反応性の検証
重合度が1~7の(1→3)BGを用いて競合ELISAを行い、各重合度の(1→3)BGに対する86202R抗体及び86207抗体の反応性を検証した。重合度が1~7の(1→3)BGとしては、グルコース(重合度1)、ラミナリジオース(重合度2)、ラミナリトリオース(重合度3)、ラミナリテトラオース(重合度4)、ラミナリペンタオース(重合度5)、及びラミナリヘプタオース(重合度7)を用いた。ラミナリヘキサオース(重合度6)については原料確保が困難であったため、検証に用いなかった。グルコースは富士フィルム和光純薬社より購入し、その他の(1→3)BGは、Santa Cruz Biotechnology社から購入したものを用いた。
1)ラミナリンをELISA用プレートに分注し(PBS中1μg/ml, 50μL/well)、4℃で一夜静置した。
2)3回洗浄後(400μL/well)、ブロッキング液を分注し(100μL/well)、室温で1時間静置した。
3)3回洗浄後(400μL/well)、各々の(1→3)BGを分注した(25μL/well、各々の(1→3)BGの濃度は100μg/ml)。続いて86202R抗体液あるいは86207抗体液を分注して(25μL/well)室温で1時間静置した。
4)3回洗浄後(400μL/well)、HRP標識ヤギ抗ラットIgGポリクローナル抗体あるいはHRP標識ヤギ抗マウスIgGポリクローナル抗体を分注し(50μl/well)、室温で1時間静置した。
5)3回洗浄後(400μL/well)、OPD発色液を分注(50μL/well)し、室温で10分間反応させた。
6)停止液を分注し(50μL/well)、反応を停止し、プレートリーダーで測定した。
7)86202R抗体の結果を図3に示し、86207抗体の結果を図4に示す。
86202R抗体は、重合度4~7の(1→3)BGを認識した。したがって、重合度4のβ(1→3)結合を認識する抗体であると考えられた。
86207抗体については、重合度4~7の(1→3)BGを認識した。したがって、重合度4のβ(1→3)結合を認識する抗体であると考えられた。また、両抗体の反応性の違いを考慮すると、両抗体は認識部位が若干異なると考えられる。
〔実施例3〕結合様式の異なるBGに対する反応性確認
固相抗体として86207抗体を用い、そしてHRP標識抗体(液相抗体)として86202R抗体を用いてサンドイッチELISAを行い、様々なBGに対する反応性をリムルス試薬と比較した。リムルス試薬に関しては、β-グルカンテストワコー(富士フィルム和光純薬株式会社)(以下「市販試薬1」)及びファンギテック(登録商標)Gテスト ES「ニッスイ」(日水製薬株式会社)(以下「市販試薬2」)を使用し、添付のプロトコルにしたがって実験を行った。なお、使用した抗原は以下の通りである。
Figure 0007385296000001
以下にサンドイッチELISAの手順を示す。
1)96穴プレート(nuncイムノプレート,品番442404,Thermo Fisher Scientific)の各ウェルに固相用抗体(5μg/mL,100μL,PBSで希釈)を分注し、室温で2時間、あるいは4℃で一晩静置した。
2)各ウェルの液を除いた後、8連ピペットマンを用いて、各プレートウェルにPBST 200μLを2回分注した(合計400μL)。添加したPBSTを除き、洗浄操作1回分とした。上記操作を3回行った(=PBST 400μLで3回洗浄,以下の操作においても洗浄は同様の手順で行った)。
3)洗浄後、各ウェルにブロッキング液200μLを分注し、室温で1時間以上静置した。
4)ブロッキング液を捨てた後、段階希釈した各々のBGを添加し、60分反応させた。
5)反応後、各ウェルの液を除き、PBST 400μLで3回洗浄した。
6)HRP標識抗体(0.5μg/mL,100μL,ブロッキング液で希釈)を分注し、60分反応させた。
7)反応後、各ウェルの液を除き、PBST 400μLで3回洗浄した。
8)発色液100μLを各ウェルに分注し、室温で10分間反応させた。
9)反応停止液100μLを各ウェルに添加した。
10)マイクロプレートリーダー(Multiskan FC, thermo scientific)で492nmの吸光度を測定した。
結果を図5~7に示す。BGを認識する抗体を用いたサンドイッチELISAでは(1→3)BGを抗原として用いた場合、抗原濃度が0.1ng/mL程度から反応が見られた。また、(1→3)(1→6)BGを抗原として用いた場合にも、抗原濃度が10ng/mL程度から反応が見られた(図5)。それ以外のBGとは反応しなかった。
市販試薬1では、(1→3)BGを抗原として用いた場合、抗原濃度が0.1ng/mL程度から反応が見られた。また、(1→3)(1→6)BGを抗原として用いた場合にも、抗原濃度が10ng/mL程度から反応が見られた(図6)。それ以外のBGとは反応しなかった。
市販試薬2では、(1→3)BGを抗原として用いた場合、抗原濃度が0.01ng/mL程度から反応が見られた。また、(1→3)(1→6)BGを抗原として用いた場合にも、抗原濃度が1ng/mL程度から反応が見られた(図7)。それ以外のBGとは反応しなかった。
したがって、BGを認識する抗体を用いたサンドイッチELISAは、(1→3)BG及び(1→3)(1→6)BGに対して、和光純薬工業社製のリムルス試薬(市販試薬1)及び日水製薬社製のリムルス試薬(市販試薬2)と同様の反応性を有することが示された。
〔実施例4〕生体試料中のBGの検出下限の検討
実施例4では、生体試料を用いて、サンドイッチELISAの検出下限を検討した。固相用抗体として86207抗体を使用し、液相抗体として、HRP標識86202R抗体を使用した。
4-1.アルカリによる前処理
生体試料(真菌由来のBGを24pg/mL含むヒト血漿、BGは市販試薬2により測定)を、PBSTを用いて段階的に希釈し、希釈系列を調製した。当該検体176μLにアルカリ処理液309.6μL(150mM KOH:水酸化カリウム)を添加し、37℃で15分間インキュベートした。その後、1M Tris/HCl(pH7.5)を394.4μLずつ添加し、アルカリ処理液を中和した(合計880μL, 検体5倍希釈,8測定分)。これらをアルカリ前処理検体とした。
4-2.抗体のHRP標識
HRP標識キット(同人化学社製, Peroxidase Labeling Kit-SH, LK09)を使用して86202R抗体のHRP標識を行った。標識後のタンパク質定量は、BCA法により行った(キット名:Micro BCA protein assay kit, Thermo Scientific社製, 品番:23235)。
4-3.サンドイッチELISA
96穴プレート(nuncイムノプレート, 品番442404, Thermo Fisher Scientific社製)の各ウェルに固相用の86207抗体(5μg/mL, 100μL, PBSで希釈)を分注し、4℃で一晩静置した。
各ウェルの液を除いた後、8連ピペットマンを用いて、各プレートウェルにPBST 200μLを2回分注した(合計400μL)。添加したPBSTを除き、これらの操作を洗浄操作1回分とした。上記操作を3回行った(PBST400μLで3回洗浄, 以下の操作においても洗浄は同様の手順で行った)。
洗浄後、各ウェルにブロッキング液200μLを分注し、室温で1時間以上静置した。
ブロッキング液を捨てた後、各前処理を行った検体100μLを各ウェルに添加し、90分反応させた。
反応後、各ウェルの液を除き、PBST400μLで3回洗浄した。
3-2で作製したHRP標識86202R抗体(0.5μg/mL, 100μL, ブロッキング液で希釈)を各ウェルに分注し、30分間反応させた。
反応後、各ウェルの液を除き、PBST400μLで3回洗浄した。
発色液100μLを各ウェルに分注し、室温で10分間反応させた。
反応停止液100μLを各ウェルに添加した。
マイクロプレートリーダー(Multiskan FC, thermo scientific社製を使用)で492nmの吸光度を測定した。各試料はn=8測定を行った。
4-4.結果
結果を下記の表2及び図8に示す。表2の吸光度はn=8測定の平均値を表し、SDは標準偏差を示す。
Figure 0007385296000002
実濃度0.0pg/mLの試料の吸光度の平均値に該試料の2.6SDを加算した値(0.1142)は、4.0pg/mLの試料の吸光度平均に該試料の2.6SDを減算した値(0.1217)よりも小さく、生体試料中に含まれる真菌由来のBGが4.0pg/mL(市販試薬2による測定値)である場合であっても、本発明の免疫学的分析方法の一実施形態であるELISAにおいてBGを検出できることが分かった。市販試薬2のカットオフ値は20pg/mLであり、本発明の免疫学的分析方法の一実施形態であるELISAがリムルス試薬と同等の感度を有することが、この結果により示された。
〔実施例5〕リムルス試薬との相関の検討
実施例5では、サンドイッチELISAによる測定値と市販試薬1及び2による測定値との相関を、ヒト血漿試料(n=39)を用いて検討した。固相用抗体として86207抗体を使用し、液相抗体として、HRP標識86202R抗体を使用した。
5-1.アルカリによる前処理
市販試薬1との相関比較では、検体に以下の前処理を行った。ヒト血漿検体14.7μLとPBST29.3μLを添加した後、アルカリ前処理液77.4μL(150mM KOH:水酸化カリウム)を添加し、37℃で15分間インキュベートした。その後、アルカリ前処理液に1M Tris/HCl(pH7.5)を98.6μL添加し、アルカリ前処理液を中和した(合計220μL, 検体15倍希釈, 中和後のpHは7.9未満)。
市販試薬2との相関比較では、検体に以下の前処理を行った。ヒト血漿検体44μLにアルカリ前処理液77.4μL(150mM KOH:水酸化カリウム)を添加し、37℃で15分間インキュベートした。その後、アルカリ前処理液に1M Tris/HCl(pH7.5)を98.6μL添加し、アルカリ前処理液を中和した(合計220μL, 検体5倍希釈, 中和後のpHは7.9未満)。これをアルカリ前処理検体とした。
5-2.抗体のHRP標識
実施例3と同様の手順で抗体のHRP標識を行った。
5-3.サンドイッチELISA
実施例3と同様の手順でサンドイッチELISAを行った。各試料はn=2測定を行い、平均値を測定値とした。
5-4.リムルス試薬
市販試薬1及び2の各々の添付文書に記載のプロトコルに従ってBGの測定を行った。
5-5.結果
市販試薬1の測定値とELISAによる吸光度との相関を図9に示す。市販試薬2の測定値とELISAによる吸光度との相関を図10に示す。
本発明の免疫学的分析方法の一実施形態のサンドイッチELISAによる吸光度測定値は、市販試薬1及び2のリムルス試薬による測定値のいずれとも相関を示した。
〔実施例6〕リムルス試薬との競合試験
実施例5において使用した86207抗体及び86202R抗体が、市販試薬2のリムルス試薬のカスケード反応を阻害するかどうかを調べるために、これら2種類のモノクローナル抗体と市販試薬2との競合アッセイを実施した。
市販試薬2の添付プロトコルに若干の変更を加えて実験を行った。測定試料は、CM-パキマンを溶解した、1%BSAを含むPBS-Tweenを使用した。10μg/mLの抗体の存在下あるいは非存在下で、測定試料を25℃で60分間インキュベートした。その後、50μLの測定試料に200μLの蒸留水を加えた(抗体の変性を防ぐため、市販試薬2の前処理液は使用しなかった)。37℃で10分間インキュベートした後、測定試料50μLを市販試薬2 300μLに加えた。ESアナライザー(日水製薬社製)を用いて、市販試薬2のカスケード反応を37℃で30分間測定した。
マウスIgG抗体の対照実験として、抗サーファクタントプロテインD抗体(Abcam社製)を使用した。実験は各3回行い、平均値を計算した。
結果を図11に示す。86207抗体及び86202R抗体はいずれも、市販試薬2の活性をそれぞれ80.0%と95.5%抑制した。対照IgG抗体は、抗体の非存在下と比較して、市販試薬2の活性を阻害しなかった。この結果は、86207抗体及び86202R抗体はいずれも、市販試薬2における反応カスケードにおいて、G因子を活性化するBG中の構造を認識することを示している。
〔実施例7〕リムルス試薬のカットオフ値(20pg/mL)を用いた健常人血漿試料の測定
86207抗体及び86202R抗体を用いたELISAを用いて、リムルス試薬と同様に真菌感染の診断が行えるかどうかを確認するために、健常人の血漿試料32検体を用いて実験を行った。実験の手順は実施例5(市販試薬2との相関比較)と同じである。結果を図12に示す。
検体の測定値は、いずれもリムルス試薬のカットオフ値20pg/mL未満、中心値は3.6pg/mLであった。したがって、86207抗体及び86202R抗体を用いたELISAを用いて、リムルス試薬と同様に真菌感染の診断を行うことができることが示された。
本発明によれば、リムルス試薬と同等の感度及び同様の反応性を有する、生体試料中のBGの免疫学的分析方法を行うことが可能である。本発明によれば、リムルス試薬と同等の感度及び同様の反応性を有する生体試料中のBGの免疫学的分析用キットを提供することができる。
[寄託生物材料への言及]
(1)抗体番号86202Rを産生するハイブリドーマ86202R
イ 当該生物材料を寄託した寄託機関の名称及び住所
独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センター
日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8(郵便番号292-0818)
ロ イの寄託機関に生物材料を寄託した日付
平成30年5月17日
ハ イの寄託機関が寄託について付した受託番号
NITE BP-02723
(2)抗体番号86207を産生するハイブリドーマ86207
イ 当該生物材料を寄託した寄託機関の名称及び住所
独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センター
日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8(郵便番号292-0818)
ロ イの寄託機関に生物材料を寄託した日付
平成30年5月17日
ハ イの寄託機関が寄託について付した受託番号
NITE BP-02724

Claims (12)

  1. 重合度が4の(1→3)-β-D-グルカンに結合するモノクローナル抗体を二種類使用して、生体試料中のβ-D-グルカンを分析することを含む、生体試料中のβ-D-グルカンの免疫学的分析方法。
  2. 前記生体試料が、血液、血漿、又は血清である、請求項1に記載の免疫学的分析方法。
  3. 前記β-D-グルカンが、(1→3)-β-D-グルカン及び(1→3)(1→6)-β-D-グルカンである、請求項1又は2に記載の免疫学的分析方法。
  4. 前記β-D-グルカンの濃度が1μg/mL以下である、請求項1~3のいずれかに記載の免疫学的分析方法。
  5. ELISAを用いる、請求項1~4のいずれかに記載の免疫学的分析方法。
  6. 対象が深在性真菌症に罹患しているかどうかを判定することをさらに含み、前記判定のカットオフ値が、20pg/mLである、請求項1~のいずれかに記載の免疫学的分析方法。
  7. 前記モノクローナル抗体が、リムルス試薬におけるβ-D-グルカンの分析において競合阻害作用を有する、請求項1~のいずれかに記載の免疫学的分析方法。
  8. (a)重合度が4の(1→3)-β-D-グルカンに結合する第1のモノクローナル抗体を固定化した固相を含み、(b)標識物質で標識された、重合度が4の(1→3)-β-D-グルカンに結合する第2のモノクローナル抗体をさらに含む、生体試料中のβ-D-グルカン分析用キット。
  9. 前記生体試料が、血液、血漿、又は血清である、請求項に記載のキット。
  10. 前記β-D-グルカンが、(1→3)-β-D-グルカン及び(1→3)(1→6)-β-D-グルカンである、請求項8又は9に記載のキット。
  11. 前記β-D-グルカンの濃度が1μg/mL以下である、請求項8~10のいずれかに記載のキット。
  12. 深在性真菌症に罹患しているかどうかの判定に用いられ、前記判定のカットオフ値が、20pg/mLである、請求項8~11のいずれかに記載のキット。
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