JP6558568B2 - 細菌由来成分の免疫学的検出方法 - Google Patents
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Description
[1]生物学的サンプル中に存在する細菌由来成分の免疫学的検出方法であって、
上記サンプルを低pH条件で処理するステップと、
低pH条件で処理したサンプルを50℃〜100℃の温度範囲に加熱するステップと、
加熱後のサンプルを細菌由来成分に対するモノクローナル抗体と共にインキュベートするステップと、
上記モノクローナル抗体と結合した細菌由来成分を検出するステップと、
を含む、上記方法。
[2]既知量の細菌由来成分を含む標準サンプルを上記生物学的サンプルと同様に処理し、上記生物学的サンプルの検出結果を該標準サンプルの検出結果と比較するステップを更に含む、上記[1]に記載の方法。
[3]加熱時間が10秒間〜10分間の範囲である、上記[1]または[2]に記載の方法。
[4]免疫学的検出が、酵素結合免疫吸着法(Enzyme-Linked Immunosorbent Assay, ELISA)を用いた検出である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の方法。
[5]上記細菌由来成分が細菌細胞壁由来のものである、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の方法。
[6]上記細菌がグラム陽性菌である、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の方法。
[7]上記細菌由来成分がリポテイコ酸である、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の方法。
[8]上記細菌がアクネ菌(Propionibacterium acnes)である、上記[1]〜[7]のいずれかに記載の方法。
[9]被験者におけるサルコイドーシスの発症または発症の危険性を診断するためのデータを取得する方法であって、
被験者から採取した血漿サンプルを低pH条件で処理するステップと、
低pH条件で処理したサンプルを50℃〜100℃の温度範囲に加熱するステップと、
加熱後のサンプルをアクネ菌リポテイコ酸に対するモノクローナル抗体と共にインキュベートするステップと、
上記モノクローナル抗体と結合したリポテイコ酸を検出するステップと
を含む、上記方法。
[10]上記[9]に記載の方法に使用するためのキットであって、
アクネ菌リポテイコ酸に対するモノクローナル抗体と、
上記モノクローナル抗体とアクネ菌リポテイコ酸とからなる免疫複合体に結合する二次抗体と、
上記結合を検出するための試薬と、
を含む、上記キット。
上記サンプルを低pH条件で処理するステップと、
低pH条件で処理したサンプルを50℃〜100℃の温度範囲に加熱するステップと、
加熱後のサンプルを細菌由来成分に対するモノクローナル抗体と共にインキュベートするステップと、
上記モノクローナル抗体と結合した細菌由来成分を検出するステップと、
を含む、上記方法を提供する。
被験者から採取した血漿サンプルを低pH条件で処理するステップと、
低pH条件で処理したサンプルを50℃〜100℃の温度範囲に加熱するステップと、
加熱後のサンプルをアクネ菌リポテイコ酸に対するモノクローナル抗体と共にインキュベートするステップと、
上記モノクローナル抗体と結合したリポテイコ酸を検出するステップと、
を含む、上記方法を提供する。
アクネ菌リポテイコ酸に対するモノクローナル抗体と、
上記モノクローナル抗体とアクネ菌リポテイコ酸とからなる免疫複合体に結合する二次抗体と、
上記結合を検出するための試薬と、
を含む、被験者におけるサルコイドーシスの発症または発症の危険性を検出するためのキットを提供する。
血漿中のアクネ菌菌体成分の検出
アクネ菌菌体成分(リポテイコ酸)に対する特異的なマウスモノクローナル抗体を捕獲抗体とし、アクネ菌破砕液を免疫抗原として作成したウサギポリクローナル抗体を検出抗体とするサンドイッチ ELISAによりリポテイコ酸の検出を行った。
モノクローナル抗体の作製は、当技術分野における技術常識に基づき、Negi M. et al., Modern Pathology, 25: 1284-1297 (2012)、Yuan Bae et al., PLOS ONE, 9(2), e90324, February (2014)等に記載した手順で行った。
アクネ菌リポテイコ酸の抽出には、血清型I型であるATCC6919株、及びII型であるATCC 11828株を用いた。菌をGAM培地で6日間嫌気培養し、1gを滅菌PBS 15m1に懸濁し、ロイペプチンを最終濃度1μg/mlになるよう添加した後、超音波破砕を1時間行った。菌破砕液を3000回転20分遠心し、上清を回収後、等容のフェノールを加え、4℃で1時間振盪した。5000回転10分遠心し、分離した2層のうち上清を回収し、透析膜を用いてMQ透析を一晩行った。翌日、透析膜からサンプルを回収して凍結乾燥を行い、クロロホルムとメタノールを2:1の割合で混合し、凍結乾燥前のサンプルと等量加え、4℃で1時間振盪させた。5000回転10分で遠心後、沈殿成分を10mlの0.05M Tris-HC1(pH 8.0)に10 mM MgCl2を加えた溶液に再浮遊させた。次いで、DNase、RNaseをそれぞれ最終濃度が0.02 mg/mlになるよう加え、37℃で16時間インキュベートした。等容のフェノールを加え、4℃で1時間振盪させた後に5000回転10分遠心し、上清に対しMQ透析、凍結乾燥を行った。凍結乾燥後、クロロホルム、メタノール混合液を等量加え、4℃、1時間で振盪し、5000回転で10分遠心した。上清を捨て1mlの滅菌MQ水に溶解して凍結乾燥し、抽出したリポテイコ酸の乾燥重量を計測し、解析に利用した。
血中リポテイコ酸の検出系の開発にあたり、健常人血漿に、精製した血清型I型及びII型アクネ菌リポテイコ酸を最終濃度0、0.1、1、10μg/mlになるように加えたものをサンプルとし、サンプル処理条件の検討を行った。
平底の96穴プレートをELISA用プレートとして用いた。まず、捕獲抗体として血清型I型アクネ菌リポテイコ酸に特異的なマウスモノクローナル抗体(PAL抗体)、及び血清型II型アクネ菌リポテイコ酸に特異的なマウスモノクローナル抗体(PAC2抗体)をクエン酸緩衝液(pH 9.6)で1000倍希釈し、1ウェル当たり50μl分注して、37℃で1時間静置して固相化した。
血漿中に存在するアクネ菌菌体を検出するために通常のサンドイッチ ELISA法を用いた場合、血中にアクネ菌菌体が多量に存在すると想定されるサルコイドーシス患者及び健常者のいずれにおいても、ほとんど検出は不可能であった(図1)。
煮沸処理によるリポテイコ酸への影響
本発明の方法、特に煮沸処理が、検出対象のリポテイコ酸に与える影響の有無を確認した。アクネ菌ATCC6919株破砕液の320μg/m1からの希釈系列を作成して滅菌PBS中に添加したサンプルを用い、実施例1と同様の処理を行ってリポテイコ酸の検出を行った。
サンプル中の内在性抗体量による検出結果への影響
リポテイコ酸に対する抗体価が低い健常人血漿、及び高い健常人血漿に対し、アクネ菌ATCC6919株の破砕液を過剰量添加したものをサンプルとして用い、本発明の方法によって測定を行い、サンプル処理の有無による比較を行った。
標準曲線の作成
実施例2の結果より、本発明の方法でサンプル処理を行った場合、リポテイコ酸の検出値が予測値よりも若干低くなるため、異なる濃度の規定量のリポテイコ酸を含む標準サンプルを準備し、同様のサンプル処理を行うことで標準曲線を作成した。
サルコイドーシス患者血漿及び健常人血漿の比較
本発明の方法を用いて、サルコイドーシス患者58名の血漿、及び対照サンプルとして健常人35名の血漿を用い、リポテイコ酸の検出を実施した。血清型I型、及びII型アクネ菌のリポテイコ酸を定量したところ、血清型II型リポテイコ酸は患者、健常人ともに低値であった。一方、血清型I型リポテイコ酸においては、サルコイドーシス患者で有意に高く(p<0.0001)検出された(図6)。
煮沸時間の検討
本発明の方法におけるサンプルの加熱時間を、煮沸条件下で検討した。
加熱温度の検討
本発明の方法におけるサンプルの加熱温度を、加熱時間30秒間で検討した。
サルコイドーシス患者血漿及び健常人血漿のアッセイ
実施例6及び7の結果から最も良いと考えられた処理条件を用い、血清型I型アクネ菌リポテイコ酸について実施例5と同様のアッセイを再度行った。サルコイドーシス患者58名の血漿と健常人35名の血漿を使用した。
また、実施例4と同様にして標準サンプルも同様に処理した。
Claims (9)
- 生物学的サンプル中に存在する細菌由来成分の免疫学的検出方法であって、
上記サンプルを低pH条件で処理するステップと、
低pH条件で処理したサンプルを50℃〜100℃の温度範囲に加熱するステップと、
加熱後のサンプルを細菌由来成分に対するモノクローナル抗体と共にインキュベートするステップと、
上記モノクローナル抗体と結合した細菌由来成分を検出するステップと、
を含み、
上記細菌由来成分がリポテイコ酸である、上記方法。 - 既知量の細菌由来成分を含む標準サンプルを上記生物学的サンプルと同様に処理し、上記生物学的サンプルの検出結果を該標準サンプルの検出結果と比較するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
- 加熱時間が10秒間〜10分間の範囲である、請求項1または2に記載の方法。
- 免疫学的検出が、酵素結合免疫吸着法(Enzyme-Linked Immunosorbent Assay, ELISA)を用いた検出である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- 上記細菌由来成分が細菌細胞壁由来のものである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
- 上記細菌がグラム陽性菌である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
- 上記細菌がアクネ菌(Propionibacterium acnes)である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
- 被験者におけるサルコイドーシスの発症または発症の危険性を診断するためのデータを取得する方法であって、
被験者から採取した血漿サンプルを低pH条件で処理するステップと、
低pH条件で処理したサンプルを50℃〜100℃の温度範囲に加熱するステップと、
加熱後のサンプルをアクネ菌リポテイコ酸に対するモノクローナル抗体と共にインキュベートするステップと、
上記モノクローナル抗体と結合したリポテイコ酸を検出するステップと、
を含む、上記方法。 - 請求項8に記載の方法に使用するためのキットであって、
アクネ菌リポテイコ酸に対するモノクローナル抗体と、
上記モノクローナル抗体とアクネ菌リポテイコ酸とからなる免疫複合体に結合する二次抗体と、
上記結合を検出するための試薬と、
を含む、上記キット。
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