JPH04346791A - 単クローン抗体 - Google Patents

単クローン抗体

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JPH04346791A
JPH04346791A JP3116336A JP11633691A JPH04346791A JP H04346791 A JPH04346791 A JP H04346791A JP 3116336 A JP3116336 A JP 3116336A JP 11633691 A JP11633691 A JP 11633691A JP H04346791 A JPH04346791 A JP H04346791A
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JP
Japan
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cells
monoclonal antibody
mouse
schizophyllan
beta
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Application number
JP3116336A
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English (en)
Inventor
Akio Hirata
昭夫 平田
Isamu Sugawara
菅原 勇
Kengo Tabata
田畑 ▲けん▼吾
Wataru Ito
渡 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taito Co Ltd
Original Assignee
Taito Co Ltd
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Publication date
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オリゴ糖または多糖に
含まれるβ−1,3−グリコシド結合と特異的に反応す
る単クローン抗体、及び該単クローン抗体を産生するハ
イブリドーマに関する。
【0002】
【従来の技術】純粋な多糖は高分子物質であるにもかか
わらずその免疫原性は低いので、生体に投与された場合
、抗体産生能力は同じ高分子物質である蛋白質に比較し
て非常に弱く、抗多糖抗体はできにくい。そのためか、
糖ペプチド、糖蛋白、リポ多糖等の複合糖質を抗原とし
て用いた免疫学的研究は従来より広範囲に行なわれてお
りそれらに対する抗体も数多く報告されているのに対し
、純粋な多糖に対する抗体の存在は殆ど知られていない
【0003】殊にグルコースだけからなる純粋なグルカ
ンについては、古くから代用血漿として臨床で使用され
ているデキストランに関し、デキストランを投与された
患者の中に割合は少ないものの抗デキストラン抗体の存
在が確認されているのと(kawasaki Medi
cal Journal, Vol. 8. No.2
, 77〜 81, 1982)、また近年のβ−1,
3−グルカン(β−1,3−グリコシド結合を主結合と
する糖鎖を主鎖とするグルカン)に関する免疫化学的研
究の進展において、フクロタケのアルカリ抽出多糖(A
gricultural Biological Ch
emistry,Vol. 53, No.7, 18
49〜1859, 1989)や、スエヒロタケの産生
する多糖シゾフィラン(Agricultural B
iological Chemistry, Vol.
 54, No.8, 1953〜1859, 199
0)等に反応する抗体の存在が報告されている程度にす
ぎない。
【0004】しかも多糖のような高分子抗原は多くの抗
原決定基を含んでいるのが常であり、多糖をそのまま生
体投与して得られる抗体は通例多クローン抗体である。 前述のβ−1,3−グルカンに対する抗体も全て多クロ
ーン抗体であることから、現在のところβ−1,3−グ
ルカンに対する単クローン抗体作製の報告は皆無である
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、β−1,3−グ
ルカンの生理活性に関する研究が広範囲に行なわれるよ
うになり、種々のβ−1,3−グルカンに宿主介在性の
免疫賦活作用が認められている。殊にβ−1,3−グル
カンの一つであるシゾフィランやレンチナン等は宿主の
免疫賦活作用に基づいた癌の治療薬として臨床で使用さ
れており、これら多糖の体内分布や体内濃度の正確な把
握がその作用の解明のために必要とされている。更にま
た、β−1,3−グルカンの免疫賦活作用を利用する研
究が、制癌剤だけでなく他の分野で活発に展開されるよ
うになってきており、複雑な夾雑物と共存するβ−1,
3−グルカンを特異的に認識する方法の開発が望まれて
いる。
【0006】従って本発明は、β−1,3−グルカンの
特異的な認識、検出を可能とする手段を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記のよう
な事情に鑑み、β−1,3−グルカンの特異的且つ精度
の高い検出法を確立すべく鋭意研究を重ね本発明を完成
するに至った。即ち、本発明は、オリゴ糖または多糖に
含まれるβ−1,3−グリコシド結合と特異的に反応す
る単クローン抗体、及び該単クローン抗体を産生するハ
イブリドーマを提供するものである。
【0008】本発明の単クローン抗体は、オリゴ糖また
は多糖に含まれるβ−1,3−グリコシド結合と特異的
に反応し、従ってβ−1,3−グリコシド結合を有する
オリゴ糖あるいは多糖と特異的に反応する。尚、本発明
にいうオリゴ糖とは、糖単位二以上から数十個位までの
天然及び合成された糖類を示すものであり、多糖とはそ
れ以上の糖単位からなる糖類をいい、直鎖状及び分枝状
のもののいずれも含む。さらにこれ等の糖類は、糖タン
パク等の複合糖類に含まれるものも包含する。
【0009】以下に本発明を詳細に説明する。本発明の
単クローン抗体は、β−1,3−グリコシド結合を含む
オリゴ糖またはβ−1,3−グリコシド結合を主結合と
する糖鎖を主鎖とするグルカン、例えばシゾフィラン等
を抗原物質として使用することにより従来の単クローン
抗体の製造、選択方法を使用することにより得ることが
できる。
【0010】即ち、上記抗原物質により免疫化した動物
から免疫細胞を採取し、該免疫細胞をミエローマ細胞と
融合させてハイブリドーマを得、所期の単クローン抗体
を産生するハイブリドーマを選択し、該ハイブリドーマ
の産生した単クローン抗体を回収することにより製造す
ることができる。抗原物質として使用するβ−1,3−
グリコシド結合を含む糖類としては、特にβ−1,3−
グルカンが好ましい。β−1,3−グルカンは自然界に
広く分布しておりその起源もまちまちであるが、殊に担
子菌であるキノコ由来のβ−1,3−グルカンが数多く
報告され、また研究も活発に行なわれている。カードラ
ンやラミナランのように直鎖状のβ−1,3−グルカン
も存在するが、シゾフィランやレンチナン等側鎖にβ−
1,6−グリコシド結合を有するβ−1,3−グルカン
が一般的であり、その分岐の頻度や分岐の長さ等も様々
で、従って薬理活性や物性、特に水に対する溶解性など
が異っている。
【0011】本発明の単クローン抗体を産生するための
抗原として望ましい条件は、まず純度が高いことと、物
質としての特性が明確にされていることである。数多く
のβ−1,3−グルカンの中でもシゾフィランが最も高
度に純化され且つ物質としての特性がよく知られている
ことから、本発明の単クローン抗体の産生用抗原として
最も好ましいものである。
【0012】上記抗原物質は被免疫動物に投与される抗
原懸濁液中、0.1 〜10mg/ml 、特に0.1
〜1mg/ml 程度の濃度で使用するのが好ましい。 被免疫動物としては、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ
、ウマ、ウシ等を使用することができる。一般的に高分
子物質は生体内に投与されたとき抗体を投与生体に産生
させる能力、即ち免疫原性を有している。しかしながら
その免疫原性は高分子物質の種類により大きな差があり
、免疫原性の低い物質に対しては免疫原性を高めるため
に種々の工夫がなされている。アミノ酸、ペプチドある
いは蛋白質の付加又はフロイントのアジュバントとの併
用等は免疫原性を高めるための汎用手段としてよく知ら
れており、本発明の単クローン抗体の製造においても使
用することができる。
【0013】フロイントのアジュバントは完全アジュバ
ント及び不完全アジュバントのいずれも使用することが
できる。フロイントのアジュバントは、抗原懸濁液中、
50〜90容量%程度の量で使用することが好ましい。 抗原懸濁液中の抗原濃度、アジュバントの容量比等は生
理食塩水を用いて調整すればよい。
【0014】上記に従って作製した抗原懸濁液を被免疫
動物に接種することにより、β−1,3−グルカン等を
抗原として免疫された動物が得られる。例えばマウスを
免疫する場合には、抗原懸濁液を1〜5回、好ましくは
3〜5回程度、1〜2週間間隔で腹腔内投与、皮下投与
等により投与して効率良くマウスを免疫することができ
る。
【0015】上記のようにして得られた免疫動物から、
脾細胞、胸腺細胞、末梢血細胞等の抗体産生細胞を分離
することにより抗体産生細胞を得ることができる。例え
ば脾細胞を抗体産生細胞として使用する場合には、脾臓
を摘出した後に脾臓を切断し、培地中での遠心洗浄、ピ
ペッティング等の操作により抗体産生細胞を得ることが
できる。
【0016】細胞融合に使用するミエローマ細胞として
はマウス、ラット、ウサギ、ヒトなどの種々の動物の細
胞株を使用することができ、例えばヒポキサンチン・グ
アニン・ホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPR
T)を欠損するミエローマを使用することが好適である
。このようなミエローマは未融合の状態ではHGPRT
を欠くためにヒポキサンチン・アミノプテリン・チミジ
ン(HAT)培地で核酸の合成ができずに死滅するが、
免疫細胞と融合しHGPRT活性を回復したハイブリド
ーマはアミノプテリンで核酸の生合成を阻害されてもヒ
ポキサンチンを利用して生育することができるのでハイ
ブリドーマのみが生育する。また、これらのミエローマ
細胞は非分泌型の細胞株であることが好ましい。この様
なミエローマ細胞としてはマウスミエローマP3 /X
63−Ag8U1(P3 U1 )、P3 /NS1−
1−Ag4−1(NS−1)、P3 /X63−Ag8
−6・5・3(X63・6・5・3)、SP2/0−A
g14(SP2)、ラットミエローマ210・RCY3
・Ag1・2・3(Y3・Ag1・2・3)、ヒトミエ
ローマSKO−007、GM1500TG−A12等を
挙げることができる。
【0017】細胞融合はRPMI  1640等の動物
細胞培養培地中で107 〜108 個のミエローマ細
胞に5〜10倍の数の上記抗体産生細胞を混合して行う
。細胞融合促進物質としては平均分子量1000〜60
00のポリエチレングリコール(PEG)やポリビニル
アルコール、センダイウィルス等が使用でき、通常25
℃で数分〜20分間、好ましくは2〜5分間程度の融合
を行えばよい。特にPEGを用いることが好ましい。
【0018】細胞融合処理後の細胞からハイブリドーマ
を選別するには選択培地における選択的増殖を行えばよ
い。例えば、細胞をNS−1培地等の培地で5×106
 個/mlとなるように稀釈した後に、マイクロタイタ
ープレート上に105 〜106 細胞数/ウェルとな
る様に各ウェルに細胞を入れ、各ウェルに例えばHAT
培地等の選択培地を加えて、以後適当な間隔、例えば3
日間隔で選択培地を交換して培養すればよい。例えばミ
エローマ細胞としてP3 /X63−Ag8−6・5・
3を使用した場合にはHAT培地で1〜2週間程度培養
することによりハイブリドーマのみを選別することがで
きる。
【0019】β−1,3−グリコシド結合に特異的なモ
ノクローナル抗体を産生するハイブリドーマの選択は、
例えば酵素免疫測定法(ELISA)により以下のよう
にして行うことができる。予めβ−1,3−グリコシド
結合を含む糖類を含有する検体をリン酸緩衝生理食塩水
(PBS)、炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH8.0)
等の緩衝液に溶解し、ポリスチレン、ポリカーボネート
、ポリプロピレン、ポリアクリルアミド、シリコーン、
デキストラン、セルロース等のソフトプレートやガラス
プレート、ビーズ、シート、ウェル、チューブ等の固相
に添加し室温で放置して吸着させる。次に抗原液体を捨
てPBSで洗浄した後に、2%ウシ血清アルブミン(B
SA)含有PBSを加えて室温で放置し、抗原の結合し
ていない部位をBSAでブロックする。その後に、ハイ
ブリドーマの培養上清を加えた後室温で1〜1.5時間
放置し、PBSで洗浄する。次にペルオキシダーゼ等で
標識した抗マウスイムノグロブリン抗血清(第2抗体)
を加えて室温で放置する。PBSで洗浄した後に、酵素
基質を加えて発色させ吸光光度計等でその発色の程度を
測定すれば抗原と結合力のある抗体を産生しているハイ
ブリドーマが検索される。
【0020】上記のようにして抗体産生細胞を選別した
後、限界希釈法等によりクローニングを行うことにより
単一のハイブリドーマを起源とする抗体産生細胞を得る
ことができる。上記のモノクローナル抗体産生ハイブリ
ドーマによる抗体は、培養フラスコや培養瓶を用いて1
0〜15%ウシ胎児血清含有RPMI  1640培地
、又は無血清培地等の動物細胞培養用培地で培養して、
その培養上清液から得ることができ、培養方法及び条件
は通常の動物細胞培養方法に準じて選択すればよい。
【0021】さらに大量の抗体を産生する方法としては
、例えばハイブリドーマの親ミエローマ細胞の由来動物
と同系動物にプリスタン(2、6、10、14−テトラ
メチルペンタデカン)等の鉱物油を腹腔内に投与した後
、ハイブリドーマを腹腔内投与して大量に増殖させる方
法を採用することができる。該方法によれば、ハイブリ
ドーマは10〜18日程で腹水腫瘍を形成し、血清及び
腹水中に高濃度(約1〜20mg/ml )の抗体が産
生される。
【0022】さらに単クローン抗体の精製が必要な場合
には、該腹水を硫安分画した後に、DEAEセルロース
イオン交換クロマトグラフィー、β−1,3−グリコシ
ド結合を含む糖類を結合させたセファロース4B等を用
いたアフィニティーカラムクロマトグラフィー、分子ふ
るいカラムクロマトグラフィー等によって精製すること
が可能である。
【0023】上記のようにしてβ−1,3−グリコシド
結合に特異的に反応するモノクローナル抗体が得られる
。これらのモノクローナル抗体は他のグリコシド結合、
例えばβ−1,4−結合、β−1,6−結合、α−1,
2−結合、α−1,4−結合等とは反応性を有しないも
のである。
【0024】
【発明の効果】現在β−1,3−グルカンの微量定量法
としてはエンドトキシンの検出法として頻用されている
リムルステストが用いられているが、リムルステストで
はβ−1,3−グルカン以外の因子、例えばある種の核
酸やペプチドグリカン等にも反応するといわれており、
血中や臓器等の生体組織中に存在するβ−1,3−グル
カンの検出には種々の問題が指摘されている。一方、本
発明により得られる単クローン抗体はβ−1,3−グリ
コシド結合を主結合として含む種々のβ−1,3−グル
カンに特異的に反応するため、血中や臓器中の夾雑物質
に無関係にβ−1,3−グルカンだけを選択的に定量で
き、リムルステストより優れた定量法を提供する。
【0025】β−1,3−グルカンの検出の必要性につ
いては、前述の通り癌治療の分野のみならず種々の分野
において高いものがある。例えば、最近居住環境の変化
に伴う種々の疾患としてのハウスダスト症候群が注目さ
れるようになってきたが、その原因物質の一つとして大
気中に微量に存在するβ−1,3−グルカンが指摘され
ており、ハウスダスト中のβ−1,3−グルカンの有用
な検出法が求められている。また、免疫抑制剤の使用頻
度の増加やエイズ患者の二次感染等真菌症に対する医学
的関心も高まり、抗真菌薬の研究も盛んに行なわれるよ
うになってきたが、真菌の細胞壁にはβ−1,3−グル
カンが存在しているので真菌症の診断にもβ−1,3−
グルカンの検出が利用できる。
【0026】本発明による単クローン抗体は、このよう
な各種の分野において極めて有用なβ−1,3−グルカ
ンの検出手段となるものである。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。 実施例1 シゾフィラン(台糖株式会社製の平均分子量44.5万
のもの)の溶液(1mg/ml )100μl 、0.
1MPBS(pH7.2)0.25ml及びフロイント
のアジュバント(完全アジュバントまたは完全アジュバ
ント)0.25mlからなる懸濁液の全量をBALB/
cマウス(6週齢、雌)の腹腔に計5回投与した。投与
間隔は2週間で、最初の投与はフロイントの完全アジュ
バントを、後の4回はフロイントの不完全アジュバント
を用いた。5回目の投与の1週間後にマウスを開腹して
その脾臓をとり、ピペッティングにより単細胞を得た。 これ等の脾細胞を血清無添加のPRMI  1640培
地で2回洗浄し、脾細胞5×107 個に対し、別に培
養を行ない洗浄したマウスミエローマ細胞(X−63−
Ag8−6.5.3)1×107 個の割合で混合して
遠心分離を行ない、上清を除去した。沈渣をよく溶かし
、融合促進剤であるポリエチレングリコール1540(
1ml)を37℃で1分間かけてゆっくりと添加し、さ
らに1分間撹拌して融合を行なった。この融合細胞(ハ
イブリドーマ)を牛胎児血清添加RPMI  1640
培地10mlで懸濁して遠心分離した後、その残渣を9
6穴培養用プレート一枚にまき、37℃、5%CO2 
インキュベーターで1週間培養した。HAT培地で1週
間、37℃で培養した後、ハイブリドーマだけを選択的
に採取した。それらの培養上清液を採取し、以下の手順
によりELISAでシゾフィランとの反応性が最も高い
ハイブリドーマを選択した。
【0028】シゾフィラン(上記と同じもの。以下「S
PG」と略す。)と牛血清アルブミン(以下「BSA」
と略す。)との共役体(以下「SPG−BSAコンジュ
ゲート」と略す。BSA;2mg/ml )を20倍希
釈した水溶液を96穴ELISA用プレートの各ウェル
に50μlずつ添加して室温で30分放置して吸着させ
た。次に抗原液体を捨てPBSで洗浄した後に、2%B
SA含有PBS100μlを各ウェルに加えて室温で3
0分間放置し、抗原の結合していない部位をBSAでブ
ロックした。その後に、上記各ハイブリドーマの培養上
清を1ウェル当たり100μl加えた後室温で1時間放
置した。陰性対照としては、再蒸留水、PBS、正常マ
ウス血清(以下「NMS」と略す。1:1000希釈)
を使用した。その後PBSで洗浄し、ペルオキシダーゼ
で標識した抗マウスイムノグロブリン抗体(1:150
0希釈)を加えて室温で放置した。PBSで洗浄した後
に、o−フェニレンジアミン20mgを20mlのクエ
ン酸緩衝液に溶解し、これに30%H2 O2 50μ
lを2.5mlのクエン酸緩衝液に溶解したもの200
μlを加え、これを各ウェルに100μlずつ加え室温
で15分間放置した。その後各ウェルに2MH2 SO
4 を50μl添加して反応を停止させた。前述の陰性
対照をブランクとして反応液の490nmの吸光度を測
定し、最も高い吸光度を示したもののハイブリドーマS
PG1−HSを選択した。クローニングを行なってこの
ハイブリドーマが単一のクローン由来であることを確認
した。このハイブリドーマSPG1−HSは、平成3年
5月17日付で工業技術院微生物工業技術研究所に受託
番号微工研菌寄12262号(FERM  P−122
62)として受託された。
【0029】10%牛胎児血清添加RPMI  164
0培地で選択したハイブリドーマを培養用フラスコにて
増殖させた後、約1×107 個の細胞をBALB/c
ヌードマウスの腹腔に投与して2週間後に貯留した腹水
を採取した。この腹水の遠心分離後の上清から単クロー
ン抗体を精製した。尚、抗体の精製はDEAE−Sep
hadex A−50(ファルマシア)を用いて以下の
ように行なった。
【0030】再蒸留水で膨潤させたDEAE−Seph
adex A−50の5gを再蒸留水(1l×5)、0
.2NHCl(500ml)、水(1l)、0.2NN
aOH(500ml)、水(1l)で順次洗浄してpH
を7とした後、0.03Mリン酸緩衝液(pH8.0,
500ml×3)でさらに洗浄し、その後0.5Nリン
酸でpHを8とした。その後30分間超音波脱気してエ
コノカラム(日本バイオラッドラボラトリーズ)に充填
し、平衡化させた。上記腹水上清2mlを試料として添
加し、0.03Mトリス−HCl緩衝液150mlで溶
出し、その後0.1、0.2、0.3及び0.4MのN
aClを添加した0.03Mトリス−HCl緩衝液の各
30mlで順次溶出し3mlのフラクションを集めた。 各フラクションのタンパクを定量してタンパクピークの
所在を確認し、該ピークの各フラクションのシゾフィラ
ンに対する反応特異性を上記と同様のELISAにより
確認し、反応特異性を有する画分を合わせてPBSに対
して2日間透析した。この反応特異性を有する画分の抗
IgG抗体と抗IgM抗体に対する反応性を調べたとこ
ろ、抗IgG抗体とは殆ど反応しなかったが、抗IgM
抗体とは高い反応性を示し、本発明の単クローン抗体は
IgM抗体であることが確認された。
【0031】上記のようにして得られた単クローン抗体
の反応性を以下のようにして調べた。ニトロセルロース
膜にSPG−BSAコンジュゲート(BSA;2mg/
ml )をBSA換算で4μg (2μl)スポットし
て乾燥させた。次に、4%BSA/PBSでブロッキン
グを行なって抗体の非特異的な結合を抑えた後これを除
去し、一次抗体として上記で作製した抗体を添加して室
温で60分間反応させた。対照として正常マウス血清(
NMS)を使用した。PBSで洗浄して未反応の抗体を
除去後、二次抗体としてペルオキシダーゼ標識ウサギ抗
マウスイムノグロブリン抗体(DAKOPATTS、1
:200希釈)を添加して室温で30分間反応させた。 再びPBSで洗浄後、PBS20mlに溶解したジアミ
ノベンジジン(Sigma 社)3mg及び30%過酸
化水素水10μl を添加した溶液で発色させた。作製
した抗体を一次抗体に使用したニトロセルロース膜上の
スポットは茶色に呈色した。
【0032】シゾフィラン以外の糖類についても同様に
してその反応性を調べた。その結果を表1に要約する。 表1.ドットブロット法による本発明の単クローン抗体
と糖類−BSAコンジュゲートとの反応性     *
  反応性:  ++;強い陽性、  +;陽性、  
−;陰性    **  カードランのヒドロキシル基
をカルボキシメチル化したもの   ***  本発明
者が合成したもの上記の結果の通り、本発明の単クロー
ン抗体は、シゾフィラン以外のカードランやスクレログ
ルカン等のβ−1,3−結合を含む多糖類のみならず、
ラミナリテトラオースのようなβ−1,3−結合を含む
オリゴ糖のBSAコンジュゲートとも反応するが、マン
ナン、プルラン、キシラン等のβ−1,3−結合を含ま
ない糖類とは反応せず、β−1,3−結合を特異的に認
識し反応するものであることが判る。
【0033】実施例2 ウサギの腹腔にシゾフィラン含有PBS溶液を一定量投
与し、4日後に貯留した腹水を採取した。この腹水中に
はシゾフィランを貪食したマクロファージ等が存在した
。これらを集めてPBSで洗浄後、サイトスピン(15
00rpm 、5分)でスライドグラスに張り付けた。 PLP(periodate−lysine−para
formaldehyde)固定を行ない、1%馬血清
/PBSでブロッキングを行なった後、一次抗体として
作製した抗体あるいは対照として非免疫マウス血清を使
用してABC−GO法(avidin biotin 
complex−glucose oxidase m
ethod)で免疫染色した。染色にはキット(Vec
tastain ABC−GO kit)を使用した。 その結果、抗体を使用したスライドグラスではシゾフィ
ランを貪食したマクロファージは黒青色に染色されたが
、陰性対照は染色されなかった。また、シゾフィラン以
外にカードランやスクレログルカンを貪食したマクロフ
ァージも染色されたが、プルランでは染色されなかった
【0034】実施例3 シゾフィランを産生する菌体、すなわち  Schiz
ophyllum   commune   Frie
sを水で洗浄して菌体の周囲にある遊離のシゾフィラン
を除去した。これをスライドグラス上にて乾燥させた。 一方、真菌の一種であるAspergillus 属の
菌に感染したヒトの組織切片をスライドグラスに張り付
けた。これらをPLP固定後、実施例3で行なった方法
と同様の方法で免疫学的な染色を行なった。その結果、
両者共非免疫血清を使用した対照と比較して有意に染色
されていた。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  オリゴ糖または多糖に含まれるβ−1
    ,3−グリコシド結合と特異的に反応する単クローン抗
    体。
  2. 【請求項2】  β−1,3−グリコシド結合を含むオ
    リゴ糖または多糖と特異的に反応する請求項1記載の単
    クローン抗体。
  3. 【請求項3】  シゾフィラン、カードラン、レンチナ
    ン、スクレログルカン、カルボキシメチル化したカード
    ラン及びラミナリテトラオースと特異的に反応する請求
    項1又は2記載の単クローン抗体。
  4. 【請求項4】  請求項1〜3のいずれかに記載の単ク
    ローン抗体を産生するハイブリドーマ。
JP3116336A 1991-05-21 1991-05-21 単クローン抗体 Pending JPH04346791A (ja)

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