JPH0690784A - モノクローナル抗体及びその利用 - Google Patents

モノクローナル抗体及びその利用

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JPH0690784A
JPH0690784A JP4240690A JP24069092A JPH0690784A JP H0690784 A JPH0690784 A JP H0690784A JP 4240690 A JP4240690 A JP 4240690A JP 24069092 A JP24069092 A JP 24069092A JP H0690784 A JPH0690784 A JP H0690784A
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JP
Japan
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ncs
apo
monoclonal antibody
neocarzinostatin
antibody
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JP4240690A
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Michinao Mizugaki
道直 水柿
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Pola Chemical Industries Inc
Original Assignee
Pola Chemical Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 NCS及びNCS−Apoを認識し得るモノ
クローナル抗体、NCS−Apoを免疫原として用いて
得た当該モノクローナル抗体産生能を有する免疫細胞と
形質細胞腫細胞とを融合して得られるハイブリドーマ、
当該モノクローナル抗体を利用するNCS及びNCS−
Apoの測定法及び単離・精製法。 【効果】 本発明のNCS及びNCS−Apoを特異的
に認識するモノクローナル抗体を使用すれば、検体中の
NCS及びNCS−Apoを定量的に測定できると共
に、培養液等の中からNCS及びNCS−Apoを有利
に単離・精製することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なモノクローナル抗
体、更に詳細には、ネオカルチノスタチン(NCSと称
する)及びネオカルチノスタチン−アポプロテイン(N
CS−Apoと称する)を特異的に認識するモノクロー
ナル抗体、このモノクローナル抗体を産生するハイブリ
ドーマ、並びにこのモノクローナル抗体を利用するNC
S及びNCS−Apoの免疫学的測定法並びにこれらの
単離・精製法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ネオカ
ルチノスタチン(NCS)は放線菌Streptomy
ces carzinostaticus var.F
−41株の培養ろ液から発見された抗腫瘍性抗生物質で
あり、現在、急性白血病、膵臓がん、胃がん、膀胱がん
等に広く臨床応用されている。しかしながら、培養ろ液
あるいは生体内中のNCS及びNCS−Apoの定量的
解析に必要な、十分な感度や定量性を併せ持つ検討手段
は報告されていない。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に鑑み、NCS及びNCS−Apoの定量的解析法を確
立すべく、鋭意検討を行った結果、NCS−Apoに対
するモノクローナル抗体を調製し、これを用いることに
より、菌体の産生するNCS及びNCS−Apoを定量
的に解析し得ることを見い出した。
【0004】すなわち、本願は以下の発明を提供するも
のである。 (1)NCS及びNCS−Apoを特異的に認識し得る
モノクローナル抗体。 (2)NCS−Apoを免疫原として用いて得られた、
NCS及びNCS−Apoを特異的に認識し得るモノク
ローナル抗体の産生能を有する免疫細胞と形質細胞腫細
胞とを融合して得られるハイブリドーマ。 (3)免疫学的測定法により検体中のNCS及びNCS
−Apoを検出する方法において、NCS及びNCS−
Apoを特異的に認識し得るモノクローナル抗体を用い
ることを特徴とするNCS及びNCS−Apoの検出方
法。 (4)NCS及びNCS−Apoを特異的に認識し得る
モノクローナル抗体及び/又は当該モノクローナル抗体
の標識体を含むことを特徴とするNCS及びNCS−A
poの測定キット。 (5)NCS及びNCS−Apoを特異的に認識し得る
モノクローナル抗体を抗原抗体反応により検体組織の一
部に結合せしめることを特徴とする検体組織中における
NCS及びNCS−Apoの検索方法。 (6)NCS及びNCS−Apoを含む菌体培養液中か
らNCS及びNCS−Apoを単離・精製する方法にお
いて、NCS及びNCS−Apoを特異的に認識し得る
モノクローナル抗体を使用することを特徴とするNCS
及びNCS−Apoの単離・精製法。
【0005】本発明のNCS及びNCS−Apoを特異
的に認識できるモノクローナル抗体はNCS−Apoを
抗原決定基として利用して製造することができる。ここ
で用いられるNCS−Apoとしては、菌体培養液から
単離・精製したもの、合成したもの、あるいは市販され
ている標準品等を用いることができる。
【0006】このNCS−Apoを免疫抗原として免疫
した哺乳動物の免疫細胞と哺乳動物の形質細胞腫細胞と
のハイブリドーマを作成し、これによりNCS及びNC
S−Apoを認識する所望抗体を産生するクローンを選
択し、当該クローンを培養することにより所望のモノク
ローナル抗体を製造することができる。
【0007】免疫される哺乳動物の種類は、特に限定さ
れず、マウス、ラット等が挙げられるが、細胞融合に使
用する形質細胞腫細胞との適合性を考慮して選択するの
が好ましく、かかる点よりマウスが実用上有利に用いら
れる。
【0008】免疫は一般的方法により、例えば上記免疫
抗原として用いるNCS−Apoを哺乳動物に静脈内、
皮内、皮下、腹腔内注射等により投与することにより行
われる。より具体的には、上記免疫抗原を、必要に応じ
て通常のアジュバントと併用して、供試動物に2〜14
日毎に数回投与し、例えばマウスの場合には、上記免疫
抗原の投与量が20μg/マウス程度となるように投与
するのが好ましい。免疫細胞としては上記最終投与の3
日程度後に摘出した脾細胞を使用するのが望ましい。
【0009】次に得られた免疫細胞を形質細胞腫細胞と
融合し、ハイブリドーマを得る。細胞融合においては、
公知のポリエチレングリコールを用いる方法〔Marc
Shulman,C.D.Wide&G.Kohle
r,Nature,276,269−270(197
8)〕、Sendai Virusにより融合する方法
〔G.Kohler&C.Milstein,Natu
re,256,495−497(1975)又はBu
r.J.Immunol.,6,511−519(19
76)〕、あるいは電気パルスによる方法〔J.Vie
nken&U.Zimmermann,FEBS Le
tters,137,11−13(1982)〕のいず
れを用いてもよい。
【0010】この様にハイブリドーマを経由して本発明
のモノクローナル抗体を製造する際の、形質細胞腫細胞
は、免疫細胞と同一種の動物からのものが好ましく、免
疫細胞としてマウス脾細胞を用いる場合にはマウス由来
ミエローマ細胞を用いるのが好ましい。
【0011】免疫細胞と形質細胞腫細胞との使用比は、
通常形質細胞腫細胞1に対して、免疫細胞1〜10程度
である。融合反応時の培地としては、形質細胞腫細胞の
増殖に通常使用される各種のもの、例えばRPMI−1
640培地、MEM培地、その他この種の細胞培養に一
般的に利用されるものを例示でき、通常これらの培地に
は、牛胎児血清(FCS)等の血液補液は添加しないの
が好ましい。
【0012】融合法として前出のポリエチレングリコー
ルを用いる方法を採用する場合には、上記免疫細胞と形
質細胞腫細胞の所定量を上記培地内でよく混合し、予め
37℃程度に加温したポリエチレングリコール溶液、例
えば平均分子量が1000〜6000程度のものを、通
常培地に30〜60v/v %程度の濃度で加えて混ぜ合わ
せることにより行われる。以後、培地を逐次添加して遠
心し、上清を除去する操作を繰り返すことにより所望の
ハイブリドーマが形成される。
【0013】得られた所望のハイブリドーマの分離は、
通常の選別培地、例えばHAT培地(ヒポキサンチン、
アミノプテリン及びチミジンを含む培地)で培養するこ
とにより行われる。当該HAT培地での培養は、目的と
するハイブリドーマ以外の細胞が死滅するのに十分な時
間、具体的には数日〜数週間程度行われる。かくして得
られるハイブリドーマは、通常、限界希釈法により目的
とする抗体の検索及び単一クローン化に供される。
【0014】目的の抗体産生株の検索は、例えばELI
SA法〔Engvall.E.,Meth.Enzym
ol.,70,419−439(1980)〕、プラー
ク法、スポット法、凝集反応法、オクテロニー(Ouc
htoelony)法、ラジオイムノアッセイ(RI
A)法等の一般に抗体の検出に用いられている種々の方
法(「ハイブリドーマ法とモノクローナル抗体」、株式
会社R&Dプランニング発行、第30−53頁、昭和5
7年3月5日)に従って行うことができる。
【0015】上記により得られるNCS及びNCS−A
poを認識する所望のモノクローナル抗体を産生するハ
イブリドーマは、通常公知の培地で継代培養することが
可能であり、また液体窒素中で長期間保存することがで
きる。
【0016】上記ハイブリドーマから本発明のモノクロ
ーナル抗体を採取するには、上記ハイブリドーマを常法
に従って培養し、その培養上清として得る方法、あるい
はハイブリドーマをこれと適合性のある哺乳動物に投与
して増殖させ、その腹水として得る方法等を採用するこ
とができる。また、免疫された動物の細胞より調製され
る抗体産生に関る遺伝子を試験管内に発現させ〔V.
T.Oi,S.L.Morrison,L.A.Her
zenberg&P.Berg,Proc.Natl.
Acad.Sci.USA,80,825−829(1
983)〕、かかるモノクローナル抗体を製造すること
もできる。
【0017】上記のごとくして得られたモノクローナル
抗体は、更に塩析、ゲルろ過法、アフィニティークロマ
トグラフィー等の通常の手段により精製することができ
る。
【0018】かくして得られる本発明のモノクローナル
抗体は、NCS及びNCS−Apoに対して特異的な反
応性を有するものである。なお、本発明のモノクローナ
ル抗体のクラスとしては、IgGが好ましく、そのなか
でもIgG1 やIgG2aが好適であり、殊にIgG1
クラスのモノクローナル抗体がNCS及びNCS−Ap
oの認識における反応特異性が高く、かつ抗体価が高い
ことから有利である。
【0019】次に、本発明のモノクローナル抗体を用い
るNCS及びNCS−Apoの免疫学的測定法について
説明する。本発明の免疫学的測定法においては、直接
法、拮抗阻害法、サンドウィッチ法、サンドウィッチに
よる拮抗阻害法などが用いられる。検体もしくはモノク
ローナル抗体は単体に固定化しておくのが好ましい。固
定化の方法は公知の方法を採用でき、担体としては各種
の固相担体、例えば、ポリスチレン、ポリエチレン、ポ
リアクリレート、テフロン、ポリアセタール等を用い
た、ボール又はビーズ、ギヤ、マイクロプレート等が好
ましく使用される。
【0020】また、モノクローナル抗体の標識化の方法
や手段、それの検出方法や手段は何ら限定されるもので
はなく、公知の方法や手段、例えば、放射性物質又は酵
素もしくは蛍光物質で標識された抗免疫グロブリン抗体
又はプロテインAとの2次反応により測定することがで
きる。標識剤としては、酵素を用いる方法(EIA)で
は西洋わさびパーオキシダーゼ、β−D−ガラクトシダ
ーゼ、アルカリフォスファターゼ等の酵素が、放射性物
質を用いる方法(RIA)では 125I、 3H等が、蛍光
物質を用いる方法(FIA)ではフルオレセインイソチ
オサイアネート等が通常使用されるが、その標識剤の活
性が可能であれば、その他のものであってもよい。
【0021】標識剤が酵素である場合には、その活性を
測定するために基質が用いられる。その基質としては、
例えば西洋わさびパーオキシダーゼの基質としての2,
2′−アジノジ−[3−エチルベンズチアゾリンスルホ
ン酸]アンモニウム酸(ABTS)−H22、5−アミ
ノサリチル酸−H22、o−フェニレンジアミン−H 2
2、4−アミノアンチピリン−H22などを、またβ
−D−ガラクトシダーゼの基質としてのフルオレセイン
−ジ−(β−ガラクトピラノシド)、o−ニトロフェノ
ール−β−D−ガラクトピラノシドなどを挙げることが
できる。測定のためには、これらの試薬以外にも溶解
剤、洗浄剤、反応停止剤等の公知の試薬が使用される。
また抗原−抗体複合体の偏光を利用する方法を用いるこ
ともできる。
【0022】本発明の免疫学的測定法に用いられる検体
としては、例えば菌体培養液、ヒト若しくはヒト以外の
動物の体液自体又はこれに処理を施したものを例示する
ことができるが、体液自体を用いる方法が簡便かつ有利
である。
【0023】また、本発明は、NCS及びNCS−Ap
oを特異的に認識し得るモノクローナル抗体及び/又は
当該モノクローナル抗体の標識体を含むNCS及びNC
S−Apoの測定用キットをも提供するものである。こ
の測定用キットにおけるNCS及びNCS−Apoを特
異的に認識し得るモノクローナル抗体及び当該モノクロ
ーナル抗体の標識体は前述と同様であるが、これらの他
に必要に応じ標識体や標識化抗体の検出試薬を含んでい
てもよい。
【0024】更に、本発明においては、当該モノクロー
ナル抗体を抗原抗体反応により検体組織の一部に結合せ
しめることによって検体組織中のNCS及びNCS−A
poを検索することができる。かかる検索方法における
検体組織とは、ヒト以外の動物又はヒトの細胞又は組織
切片を意味するが、ヒトの組織等を用いるのが実用上好
適である。なお、かかる細胞又は組織切片は通常アセト
ン、ホルマリン、パラホルムアルデヒド等で固定して用
いられる。
【0025】本発明の検索法は、更に具体的には、組織
に当該モノクローナル抗体を作用させることにより免疫
反応を生じさせて、組織におけるNCS、NCS−Ap
o及びその代謝体の存在部位にそのモノクローナル抗体
を結合せしめることを特徴としている。更にその後、例
えば当該モノクローナル抗体を認識するビオチン化抗体
で処理し、更に酵素標識アビジンを作用させる等の方法
によって組織における当該NCS及びNCS−Apo類
の存在部位を金コロイド等による染色や発色色素による
発色等で標識化せしめてNCS及びNCS−Apoの体
内動態の解析を可能にする。
【0026】更にまた、当該モノクローナル抗体を用い
れば、NCS及びNCS−Apoを含む菌体培養液か
ら、有利にNCS及びNCS−Apoを単離・精製する
ことができる。
【0027】この単離・精製法には、当該モノクローナ
ル抗体を固定化したアフィニティカラムが好適に使用さ
れる。このアフィニィカラムの被結合担体としてはアガ
ロース、セファロース、ポリ塩化ビニル、ナイロン又は
ポリスチレン等の本発明モノクローナル抗体と結合し得
る素材であれば特に限定されないが、その中でも結合体
の安定性、分離の再現性及び各種スペーサーとの反応性
等の点で、アガロース及びセファロースが好ましい。モ
ノクローナル抗体の担体への結合方法も、酸無水物法、
N−ヒドロキシサクシイミド法及びグルタルアルデヒド
法等の通常公知の方法を用いることができ、NBS[N
−(m−マレイミドベンゾイルオキシ)サクシイミド]
等のスペーサーを介して結合させることもできる。すな
わち、本発明の単離・精製法は、例えば菌体培養液中の
NCS及びNCS−Apoを上記アフィニティカラムに
結合・溶出させ、これをHPLC等により単離・精製す
ることにより実施できる。
【0028】
【発明の効果】本発明のNCS及びNCS−Apoを特
異的に認識するモノクローナル抗体を使用すれば、検体
中のNCS及びNCS−Apoを定量的に測定できると
共に、培養液等の中からNCS及びNCS−Apoを有
利に単離・精製することができる。
【0029】
【実施例】以下に実施例を挙げ、本発明を説明するが、
本発明はこれらに限定されるものではない。
【0030】(1)免疫原の調製 NCS粉末10gを0.1N塩酸:メタノール(1:1
0)500ml中で4℃にて攪拌し、不溶性画分を得た。
これを脱イオン水に懸濁し1N水酸化ナトリウム溶液で
pHを6.0〜7.0に修正後、透析した後、凍結乾燥
し、8.4gのNCS−Apoを得た。
【0031】(2)モノクローナル抗体の調製 (1)で得た免疫原20μgを滅菌生理食塩水0.2ml
に溶解し、同量のフロイントの完全アジュバント(Fr
eund′s Complete Adjuvant)
と混合しエマルジョンとした後、BALB/cマウスの
皮下内に投与した。2回目以降は滅菌生理食塩水0.2
mlに溶解したNCS−Apo20μgを、同量のフロイ
ントの不完全アジュバント(Freund′s Com
plete Adjuvant)に懸濁後10日間隔で
3回腹腔内投与した。最終免疫はNCS−Apo20μ
gを含む0.2mlの滅菌生理食塩水を静脈内投与するこ
とにより行った。
【0032】最終免疫の3日後に過免疫マウスから摘出
した脾細胞とBALB/cマウス由来ミエローマ細胞株
SP2/O−Ag14をポリエチレングリコール(PE
G)4000を用いて融合した。細胞は96穴マイクロ
プレートに100μl/ウエルずつ加え、24時間後に
培地の半量をHAT培地に交換し2日おきに培地交換し
た。7〜10日後にHAT耐性のハイブリドーマの成長
がみられてくる。この時期に培地をHTに変え、約10
日間培養した後にハイブリドーマ生育培地に変えた。
【0033】抗体産生細胞のスクリーニングは、NCS
−Apoを抗原として用いたELISA法を行うことに
より、抗原と強く反応するハイブリドーマを選択でき、
またNCS−Apoを抗原とし、ハイブリドーマ培養上
清添加時に種々濃度のNCS−Apoを加え、その用量
依存的な阻害効果を受ける抗体を産生するハイブリドー
マを選択することにより、NCS及びNCS−Apoに
対する特異性を有する抗体が選択された。ここで選択さ
れた細胞株を限界希釈法によりクローン化し、モノクロ
ーナル抗体産生ハイブリドーマを樹立した。なお、NC
S及びNCS−Apoの測定には、ハイブリドーマをプ
リスタン前投与のBALB/cマウスに移植して10〜
15日目に腹水を採取し、50%飽和硫安塩析法により
精製したモノクローナル抗体を用いた。
【0034】なお、ここで得られたハイブリドーマ(A
POIC7D4)は微工研菌寄第13076号(FER
M P−13076)として工業技術院微生物工業技術
研究所に寄託されている。
【0035】(3)モノクローナル抗体の性質 NCS及びNCS−Apoに対するモノクローナル抗体
のクラス(サブクラス)はIgG1 であった。抗体価は
5000倍(マウス腹水から精製した抗体を2段階希釈
し、それぞれと精製NCS及びNCS−Apoを反応さ
せるELISA法を行ったとき、最も高い吸光度の持続
する希釈倍数を抗体価とした。)であった。得られたモ
ノクローナル抗体のSDS−PAGE上の見かけの分子
量は約150k、他の菌体成分との交差反応性はいずれ
も認められず、高いNCS及びNCS−Apo特異性が
示された。
【0036】実施例2 免疫測定法 実施例1で得られたモノクローナル抗体(20μg/m
l)溶液を96穴マイクロプレートへ50μlずつ添加
し、4℃で12〜24時間放置し、抗体の固相化を行っ
た。次に各ウエルに1%PSAを含むPBSを200μ
lずつ添加し、37℃で1時間放置した。次に、PBS
を用いて調整した各濃度の精製NCS及びNCS−Ap
oを50μlずつ加え、37℃で1時間放置した。プレ
ートを0.05%Tween20を含むPBSとPBS
とで洗浄した後に、抗NCS−Apoウサギポリクロー
ナル抗体(500倍)を50μl加え、37℃で1時間
放置した。プレートを0.05%Tween20を含む
PBSとPBSとで洗浄した後に、アルカリフォスファ
ターゼ標識ヤギ抗ウサギIg(2000倍)を50μl
ずつ添加し、37℃で1時間放置した。プレートを0.
05%Tween20を含むPBSとPBSとで洗浄し
た後に、パラにとりフェニルリン酸を基質として405
nmの吸光度をイムノリーダーを用いて測定した。この結
果、添加した精製NCS及びNCS−Apoの容量に依
存して吸光度の減少が見られた。本モノクローナル抗体
を用いた時の定量可能範囲はNCSでは0.5pg〜5ng
/ml、NCS−Apoでは0.2pg〜20ng/mlであ
り、血清中のNCS及びNCS−Apoの測定が可能に
なった。
【0037】実施例3 検体組織中のNCS及びNC
S−Apoの検索方法 ヒト肝等の細胞又は組織切片をアセトン、ホルマリン、
パラホルムアルデヒドなどで固定した後、1%BSAを
含むPBSでタンパク質の非特異的吸着を防ぐ。次に、
100μg/mlに調整した本発明モノクローナル抗体を
反応させ、室温30分放置する。PBSでよく洗った
後、過酸化水素水0.01%を含むPBSに約5分浸
し、内在性のパーオキシダーゼ活性を失活させる。PB
Sでよく洗った後ビオチン化抗マウスIgG抗体(VE
CTASTAIN社製)を反応させ室温30分放置す
る。PBSでよく洗った後、アビジン−ビオチン化ペル
オキシダーゼ複合体(ABC;BECTASTAIN社
製)溶液を反応させ室温で30分間放置後PBSでよく
洗浄する。次に、基質溶液(ジアミノベンチジンを0.
5mg/ml、過酸化水素水を0.01%の濃度で含むPB
S)を添加し、発色させる。各組織中のNCS及びNC
S−Apoの細胞内局在が光学顕微鏡にて検討可能とな
った。
【0038】実施例4 NCS及びNCS−Apoに
対する特異性を有するモノクローナル抗体のイムノアフ
ィニティカラムを用いたNCS及びNCS−Apoの単
離・濃縮と定量 (1)イムノアフィニティカラムの作製 アフィゲル−10(Bio−Rad社製)のカラム担体
約1gを、腹水より精製した本発明モノクローナル抗体
約10mgと室温にて約5時間反応させ、未反応の活性基
をグリシンにてブロックし、イムノアフィニティカラム
を作製した。用いた担体、活性化法は公知のいかなる方
法を用いても可能である。この抗体結合担体をカラム容
器に充填して、本発明イムノアフィニティカラムを作製
した。
【0039】(2)NCS及びNCS−Apoの単離・
濃縮 NCSのヒトへの投与時において、その治療効果のモニ
タリング等を目的とした血液、尿等の生体試料中のNC
S濃度の測定は、それらのNCS含量が少ないことから
困難であった。そこで(1)で作製したイムノアフィニ
ティカラムに試料を添加するとNCS及びNCS−Ap
oはカラム内の抗体と結合し、更に公知の溶液をカラム
に添加し、抗体とNCS及びNCS−Apoの結合を分
離した。(1)で作製したイムノアフィニティカラムを
10mlのPBSにて平衡化し、十unitのNCSを添
加したヒト血清約20mlをカラムに添加する。検体中の
NCS及びNCS−Apoはカラム内の抗体と結合する
ため、20mlのPBSにて洗浄後、5mlのりん酸緩衝液
(pH3.0)を添加すると、検体とNCS及びNCS−
Apoとの結合は分離して、NCS及びNCS−Apo
は溶出された。溶出画分は濃縮後、公知の方法によりタ
ンパク定量、M.Iuteusを用いた寒天平板法によ
る抗菌活性の検討を行った結果、95%以上の回収率が
得られた。この方法によりNCS及びNCS−Apoを
回収し、公知の方法により特異的な定量が可能であり、
生体試料中はもとより、菌体培養液中のNCS及びNC
S−Apoの濃縮、分離・精製が可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 5/20 C12P 21/00 B 8214−4B A 8214−4B G01N 33/53 G 8310−2J 33/577 B 9015−2J // A61K 39/395 T 9284−4C M 9284−4C ADU N 9284−4C C12N 15/06 (C12P 21/08 C12R 1:91) (C12P 21/00 C12R 1:465)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ネオカルチノスタチン(NCS)及びネ
    オカルチノスタチン−アポプロテイン(NCS−Ap
    o)を認識し得るモノクローナル抗体。
  2. 【請求項2】 NCS−Apoを免疫原として用いて得
    られた、NCS及びNCS−Apoを特異的に認識し得
    るモノクローナル抗体の産生能を有する免疫細胞と形質
    細胞腫細胞とを融合して得られるハイブリドーマ。
  3. 【請求項3】 免疫学的測定法により検体中のNCS及
    びNCS−Apoを検出する方法において、請求項1記
    載のモノクローナル抗体を用いることを特徴とするNC
    S及びNCS−Apoの検出方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のモノクローナル抗体及び
    /又は当該モノクローナル抗体の標識体を含むことを特
    徴とするNCS及びNCS−Apoの測定キット。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のモノクローナル抗体を、
    抗原抗体反応により検体組織の一部に結合せしめること
    を特徴とする検体組織中におけるNCS及びNCS−A
    poの検索方法。
  6. 【請求項6】 NCS及びNCS−Apoを含む菌体培
    養液中からNCS及びNCS−Apoを単離・精製する
    方法において、請求項1記載のモノクローナル抗体を使
    用することを特徴とするNCS及びNCS−Apoの単
    離・精製法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のモノクローナル抗体を固
    定化したアフィニティカラムを使用する請求項6記載の
    単離・精製法。
JP4240690A 1992-09-09 1992-09-09 モノクローナル抗体及びその利用 Pending JPH0690784A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111521813A (zh) * 2020-03-20 2020-08-11 天德瑞(北京)生物科技有限公司 绿色荧光蛋白融合蛋白免疫亲和柱的制备方法、免疫亲和柱及其运用

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CN111521813A (zh) * 2020-03-20 2020-08-11 天德瑞(北京)生物科技有限公司 绿色荧光蛋白融合蛋白免疫亲和柱的制备方法、免疫亲和柱及其运用

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