JP2014055773A - 抗pskポリクローナル抗体並びにそれを用いたpskの免疫学的分析方法およびpskの免疫学的分析用キット - Google Patents

抗pskポリクローナル抗体並びにそれを用いたpskの免疫学的分析方法およびpskの免疫学的分析用キット Download PDF

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Abstract

【課題】PSKに特異的に反応するポリクローナル抗体、及びPSKを特異的に検出することのできるPSKの免疫学的分析方法を提供する。
【解決手段】前記課題は、PSKに特異的に結合する抗PSKポリクローナル抗体又はその抗原結合性断片を用いることを特徴とするPSKの免疫学的分析方法、並びにPSKに特異的に結合する抗PSKポリクローナル抗体又はその抗原結合性断片により解決することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、抗PSKポリクローナル抗体及びそれを用いたPSKの免疫学的分析方法に関する。
カワラタケから抽出される蛋白多糖体は、抗腫瘍活性などを示し、前記蛋白多糖体を有効成分とする抗腫瘍剤などが、例えば、特開昭60−45533号公報(特許文献1)などに記載されている。このような蛋白多糖体のなかで、カワラタケ由来の前記蛋白多糖体の一種であるPSK(登録商標)〔商品名「クレスチン」(登録商標)〕は、皮内投与や静脈内投与だけでなく、経口投与によっても抗腫瘍活性を示すことが特長であり、臨床的にも経口投与製剤として用いられている。
PSKは、約18〜38%の蛋白質を含む蛋白多糖体であり、5000以上(ゲル濾過法)の分子量、例えば5000〜300000(ゲル濾過法)の分子量を有するものである。主要画分の糖部分はβ−D−グルカンで、このグルカン部分の構造は、1→3、1→4及び1→6結合を含む分枝構造である。
このPSKに対する抗体としては、非特許文献1に、PSKに対するウサギポリクローナル抗体が開示されており、このポリクローナル抗体を用いた蛍光抗体法により、PSKを検出できることが記載されている。しかしながら、このポリクローナル抗体は、PSKを免疫原として用いたものであるが、PSK以外の多糖類にも結合する抗体であり、PSKに特異的な抗体ではなかった。
特開昭60−45533号公報 特開平8−208704号公報
「インターナショナル・ジャーナル・オブ・イミュノファ−マコロジー(International Journal of Immunopharmacology)」(オランダ)1988年、第10巻、p.103−109
従来のPSKは、後述のように熱水又はアルカリ溶液(例えば、アルカリ金属の水酸化物、特には水酸化ナトリウムの水溶液)で抽出し、精製した後に乾燥して得られていた。具体的には、例えば特許文献2の実施例2に記載のように、カワラタケ菌CM101株を培養し、得られた乾燥菌糸体から、0.1M水酸化ナトリウムで抽出することにより得られていた。このような方法で製造されたPSKは、医薬品としては十分な効果を有するものであったが、このPSKを、抗体を取得するための免疫原として用いた場合、非特許文献1に記載のように、PSK以外の多糖類に結合するポリクローナル抗体しか得られず、PSKを特異的に測定することができなかった。
従って、本発明の目的は、PSKに特異的に反応するポリクローナル抗体を提供すること、及びPSKを特異的に検出することのできるPSKの免疫学的分析方法を提供することである。
本発明者は、PSKに特異的に反応するポリクローナル抗体について、鋭意研究した結果、驚くべきことに、カワラタケの熱水・アルカリ抽出物を免疫することによって、セルロースのβ1,4グルカンのグルカン構造、並びにラミナリンのβ1,3グルカン及びβ1,6グルカンのグルカン構造に反応せず、PSKに特異的に反応するポリクローナル抗体を得ることができることを見出した。
従って、本発明は、PSKに特異的に結合する抗PSKポリクローナル抗体又はその抗原結合性断片を用いることを特徴とするPSKの免疫学的分析方法に関する。本発明のPSKの免疫学的分析方法によって、PSKの特異的な検出が可能である。
本発明のPSKの免疫学的分析方法の好ましい態様においては、前記抗PSKポリクローナル抗体が、PSKのタンパク部分およびPSKに特異的なグルカン構造の少なくともいずれかを認識する抗PSKポリクローナル抗体である。
本発明のPSKの免疫学的分析方法の好ましい態様においては、前記抗PSKポリクローナル抗体が、PSKに反応し、そしてセルロースのβ1,4グルカンのグルカン構造、並びにラミナリンのβ1,3グルカン及びβ1,6グルカンのグルカン構造に反応しない抗PSKポリクローナル抗体である。特には、前記抗PSKポリクローナル抗体のPSKに対する結合力を100とした場合の、セルロースのβ1,4グルカンのグルカン構造、又はラミナリンのβ1,3グルカン、及びβ1,6グルカンのグルカン構造に対する結合力が30%以下である。
本発明のPSKの免疫学的分析方法の別の好ましい態様においては、酵素免疫測定法、免疫組織染色法、表面プラズモン共鳴法、ラテックス凝集免疫測定法、化学発光免疫測定法、蛍光抗体法、放射免疫測定法、免疫沈降法、ウエスタンブロット法、イムノクロマトグラフ法、磁気ビーズ凝集法、又は磁気ビーズ酵素免疫法を用いる。これらの分析方法を用いることにより、多様なPSKの測定を行うことができる。
更に、本発明のPSKの免疫学的分析方法の好ましい態様においては、前記PSKに特異的に結合する抗PSKポリクローナル抗体又はその抗原結合性断片と、PSKと反応する第2の抗体又はその抗原結合性断片と、を使用する。
本発明のPSKの免疫学的分析方法の更に好ましい態様においては、前記抗PSKポリクローナル抗体若しくはその抗原結合性断片、又は前記第2の抗体若しくはその抗原結合性断片のいずれか一方の抗体若しくはその抗原結合性断片を固定化した固定化抗体を有する不溶性担体、PSKを含む可能性のある被検試料、残る一方の抗体若しくはその抗原結合性断片に標識を付した標識抗体を接触させ、前記不溶性担体上に固定化抗体とPSKと標識抗体との複合体を形成する複合体形成工程と、前記複合体における標識からの信号を分析する分析工程と、を含む。
更に好ましくは、前記複合体形成工程が、第2の抗体として抗PSKモノクローナル抗体若しくはその抗原結合性断片を固定化した不溶性担体と、PSKを含む可能性のある被検試料とを接触させ、そして前記抗PSKポリクローナル抗体若しくはその抗原結合性断片に標識を付した標識抗体を接触させる工程である。本態様における、具体的な態様の1つはサンドイッチ法である。本発明のPSKの免疫学的分析方法として、サンドイッチ法を用いることにより、PSKのダイナミックレンジの広い測定が可能である。
また、本発明のPSKの免疫学的分析方法の好ましい態様においては、前記第2の抗体が、抗PSKモノクローナル抗体である。抗PSKモノクローナル抗体を用いることにより、更に特異性の高いPSKの測定を行うことができる。
加えて、本発明のPSKの免疫学的分析方法の好ましい態様においては、血中濃度の測定を行うものである。血中濃度の測定を行うことにより、PSKの薬効の予測およびPSKの投与至適濃度の測定を行うことができる。
また、本発明は、PSKに特異的に結合する抗PSKポリクローナル抗体又はその抗原結合性断片に関する。本発明の抗PSKポリクローナル抗体又はその抗原結合性断片は、前記PSKの免疫学的分析方法に用いた場合、PSKの特異的な測定をすることができる。
本発明の抗PSKポリクローナル抗体又はその抗原結合性断片の好ましい態様においては、前記抗PSKポリクローナル抗体が、PSKのタンパク部分およびPSKに特異的なグルカン構造の少なくともいずれかを認識する。
また、本発明の抗PSKポリクローナル抗体又はその抗原結合性断片の別の好ましい態様においては、前記抗PSKポリクローナル抗体が、PSKに反応し、そしてセルロースのβ1,4グルカンのグルカン構造、並びにラミナリンのβ1,3グルカン、及びβ1,6グルカンのグルカン構造に反応しない。
また、本発明の抗PSKポリクローナル抗体の抗原結合性断片の好ましい態様においては、前記抗原結合性断片が、Fab、Fab’、F(ab’)、Fv断片、ディアボディー、単一鎖抗体分子、及びマルチ特異性抗体からなる群から選択される。このような抗原結合性断片をもちいることにより、Fc断片によって起こる非特異反応を除くことができる。
更に、本発明は、PSKに特異的に結合する抗PSKポリクローナル抗体又はその抗原結合性断片、を含むことを特徴とする、PSKの免疫学的分析用キットに関する。本発明のPSKの免疫学的分析用キットによれば、PSKの特異的な測定を、より簡便に行うことが可能である。
本発明のPSKの免疫学的分析用キットの好ましい態様においては、前記抗PSKポリクローナル抗体が、PSKのタンパク部分およびPSKに特異的なグルカン構造の少なくともいずれかを認識する。
また、本発明のPSKの免疫学的分析用キットの別の好ましい態様においては、前記抗PSKポリクローナル抗体が、PSKに反応し、そしてセルロースのβ1,4グルカンのグルカン構造、並びにラミナリンのβ1,3グルカン、及びβ1,6グルカンのグルカン構造に反応しない。
また、本発明のPSKの免疫学的分析用キットの別の好ましい態様においては、抗PSKモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片を更に含む。
本発明に係るPSKの免疫学的分析方法では、PSKに特異的な抗PSKポリクローナル抗体を用いる。特には、PSKのタンパク部分およびPSKに特異的なグルカン構造の少なくともいずれかを認識する抗PSKポリクローナル抗体又はその抗原結合性断片を用いる。又は、PSKに反応し、そしてセルロースのβ1,4グルカンのグルカン構造、並びにラミナリンのβ1,3グルカン及びβ1,6グルカンのグルカン構造に反応しない抗PSKポリクローナル抗体を用いることもできる。また、本発明の抗PSKポリクローナル抗体はPSKに対する特異性が高いため、本発明のポリクローナル抗体を用いることによって、PSKの特異的な検出が可能である。更には、分析方法における測定感度の上昇、及び使用する抗PSKポリクローナル抗体量を減らすことも可能である。また、抗PSKポリクローナル抗体をサンドイッチ法に用いた場合には、PSKのダイナミックレンジの広い測定が可能である。
すなわち、本発明に係るPSKの免疫学的分析方法は、医薬に含まれるPSKの量を正確に測定し、医薬の品質管理に用いることができる効果を奏する。また、生体に投与されたPSKを測定することが可能であり、PSKの体内動態を調べることができる効果を奏する。
なお、本発明に係るPSKの免疫学的分析方法では、PSKの体内動態を調べることができるため、PSKの薬効の予測およびPSKの投与至適濃度を把握するためのデータ測定にも利用することができる。
本発明の抗PSKポリクローナル抗体の力価を示したグラフである。 本発明の抗PSKウサギポリクローナル抗体の特異性をBiacoreにより評価した結果を示すグラフである。 Balb/cマウスにPSKを免疫し、血清中の抗体価を測定したグラフである。 精製された抗PSKモノクローナル抗体の抗体価を示すグラフである。 抗PSKマウスモノクローナル抗体の特異性を競合ELISAにより評価(したグラフである。 本発明の抗PSKモノクローナル抗体と、2G9抗体又は5G5抗体とを用いたサンドイッチELISAによるPSKの検出を示したグラフである。 2G9抗体の重鎖可変領域ドメインのヌクレオチドの塩基配列及びアミノ酸配列を示す図である。 2G9抗体の軽鎖可変領ドメインのヌクレオチドの塩基配列及びアミノ酸配列を示す図である。 5G5抗体の重鎖可変領域ドメインのヌクレオチドの塩基配列及びアミノ酸配列を示す図である。 5G5抗体の軽鎖可変領ドメインのヌクレオチドの塩基配列及びアミノ酸配列を示す図である。
[1]抗PSKポリクローナル抗体
本発明の抗PSKポリクローナル抗体は、PSKに特異的に結合する抗PSKポリクローナル抗体である。また、PSKのタンパク部分およびPSKに特異的なグルカン構造の少なくともいずれかを認識する抗PSKポリクローナル抗体であってもよく、PSKに反応し、そしてセルロースのβ1,4グルカンのグルカン構造、並びにラミナリンのβ1,3グルカン及びβ1,6グルカンのグルカン構造に反応しない抗PSKポリクローナル抗体であってもよい。
抗PSKポリクローナル抗体は、PSKを認識する。PSKは、カワラタケ菌CM101株〔FERM−P2412(ATCC20547)〕の菌糸体を水系溶媒、例えば、熱水又はアルカリ溶液(例えば、アルカリ金属の水酸化物、特には水酸化ナトリウムの水溶液)で抽出し、精製した後に乾燥して得ることができる。主要画分の糖部分はβ−D−グルカンで、このグルカン部分の構造はβ1→3、β1→4及びβ1→6結合を含む分枝構造であり、主な構成単糖はグルコースやマンノースであり、約18〜38%のタンパク質を含む。タンパク質の構成アミノ酸は、アスパラギン酸やグルタミン酸等の酸性アミノ酸と、バリンやロイシン等の中性アミノ酸が多く、リジンやアルギニン等の塩基性アミノ酸は少ない。水に可溶であるが、メタノール、ピリジン、クロロホルム、ベンゼン又はヘキサンには殆ど溶けない。
本発明の抗PSKポリクローナル抗体は、ラミナリンのβ1,3グルカンを認識しない。β1,3グルカンは、グルコースがβ1−3型の結合で連なった多糖である。植物や菌類、細菌など自然界に広く分布する。例えば、β1,3グルカンは、ラミナリン又はイーストグルカンなどに存在するグルカンであるが、本発明の抗PSKポリクローナル抗体は、ラミナリンに結合せず、従ってラミナリンのβ1,3グルカンを認識しないポリクローナル抗体である。
本発明の抗PSKポリクローナル抗体は、セルロースのβ1,4グルカンのグルカン構造を認識しない。β1,4グルカンは、セルロース、又はグリコーゲンに存在する。セルロースは、分子式(C10で表される多糖類であり、植物細胞の細胞壁および繊維の主成分である。本発明の抗PSKポリクローナル抗体は、セルロースに結合せず、従ってセルロースのβ1,4グルカンのグルカン構造を認識しないポリクローナル抗体である。
本発明の抗PSKポリクローナル抗体は、ラミナリンのβ1,6グルカンを認識しない。β1,6グルカンは、ラミナリン又はデキストランに存在する。デキストランは、グルコースのみからなる多糖類の一種である。本発明の抗PSKポリクローナル抗体は、ラミナリンに結合せず、従ってラミナリンのβ1,6グルカンを認識しないポリクローナル抗体である。
本明細書において、「PSKに特異的に結合する」とは、PSKに結合し、少なくともラミナリン及びセルロースのグルカンに実質的に結合しないことを意味する。また、ラミナリン及びセルロースのグルカンに実質的に結合しないとは、PSKの分析方法に本発明の抗体を用いた場合、実用的なレベルで非特異的な反応が生じないことを意味する。具体的には、例えば、Biacoreを用い、固相化した抗PSKポリクローナル抗体と、PSK又はラミナリン若しくはセルロースとの結合を調べることによって、判定することができる。より具体的には、抗PSKポリクローナル抗体のPSKに対する結合力を100とした場合の、セルロースのβ1,4グルカンのグルカン構造、又はラミナリンのβ1,3グルカン、及びβ1,6グルカンのグルカン構造に対する結合力が30%以下であることが好ましく、20%以下であることが好ましく、10%以下であることが最も好ましい。
(PSKのタンパク部分)
本発明の抗ポリクローナル抗体が認識してもよいPSKのタンパク部分は、PSKの約18〜38%のタンパク質を占め、タンパク質の構成アミノ酸は、アスパラギン酸やグルタミン酸等の酸性アミノ酸と、バリンやロイシン等の中性アミノ酸が多く、リジンやアルギニン等の塩基性アミノ酸は少ない。
(PSKに特異的なグルカン構造)
本発明抗ポリクローナル抗体が認識してもよいPSKに特異的なグルカン構造は、β1→3、β1→4及びβ1→6結合を含む分枝構造であり、主な構成単糖はグルコースやマンノースである。前記PSKに特異的なグルカン構造は、セルロースのβ1,4グルカンのグルカン構造、又はラミナリンのβ1,3グルカン及びβ1,6グルカンのグルカン構造とは異なるものである。
(カワラタケの熱水・アルカリ抽出物)
従来の、PSKを免疫して得られる従来のポリクローナル抗体は、ラミナリンのβ1,3グルカン及びβ1,6グルカンのグルカン構造、並びにセルロースのβ1,4グルカンのグルカン構造に結合する抗体を含んでいた。この理由は、従来免疫に用いられていたPSKが、ラミナリンのβ1,3グルカン及びβ1,6グルカン、並びにセルロースのβ1,4グルカンと同一又は構造の類似したグルカンを含んでいたためと考えられる。このようなグルカン構造を含むことは、特異性の高い抗体を取得するための免疫原としては、好ましくない。
一方、本発明の抗PSKポリクローナル抗体は、ラミナリンのβ1,3グルカン及びβ1,6グルカンのグルカン構造、並びにセルロースのβ1,4グルカンのグルカン構造に結合する抗体を実質的に含まない。この理由は、免疫に用いたカワラタケの熱水・アルカリ抽出物が、ラミナリンのβ1,3グルカン及びβ1,6グルカン、並びにセルロースのβ1,4グルカンと同一又は構造の類似したグルカンを実質的に含まないためであると考えられる。
本発明の抗PSKポリクローナル抗体を取得するために用いられるカワラタケの熱水・アルカリ抽出物は、例えば、以下のように製造することができる。
カワラタケ菌を常法に従って、培地に接種し、培養する。得られた菌苔をホモジェナイズし、種菌を調整する。前記種菌を常法に従って培養し、培養後に乾燥させ、乾燥菌糸体を得る。この乾燥菌糸体から、熱水及びアルカリ溶液を用いて抽出を行う。得られた熱水抽出液とアルカリ抽出液とを混合し、希塩酸で中和し、更に濃縮する。塩析を行い、沈殿を回収する。得られた沈殿から、凍結乾燥体として、熱水・アルカリ抽出物を得ることができる。
熱水及びアルカリ溶液による抽出は、まず熱水による抽出を行い、遠心して得られた残渣からアルカリ水溶液による抽出を行う。得られた熱水抽出液とアルカリ水溶液抽出液とを混合し、塩析及び沈殿等の工程を経て熱水・アルカリ抽出物とする。
熱水の温度は、50℃以上であれば、特に限定されないが、70℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましく、95〜99℃が最も好ましい。また、熱水による抽出時間も、特に限定されるものではないが、10分〜6時間が好ましく、1時間〜3時間がより好ましく、30分〜90分が最も好ましい。
アルカリ溶液は、特に限定されるものではないが、例えばアルカリ金属の水酸化物を用いることが可能であり、水酸化ナトリウム水溶液が好ましい。例えば水酸化ナトリウム水溶液を用いる場合、その濃度は、0.2M以上であれば特に限定されるものではないが、0.3M〜3Mが好ましく、0.5M〜1.5Mがより好ましく、0.7M〜1.3Mが最も好ましい。前記アルカリ溶液の温度は、4℃以上であれば、特に限定されないが、25℃以上が好ましく、50℃以上がより好ましく、95〜99℃が最も好ましい。また、アルカリ溶液による抽出時間も、特に限定されるものではないが、10分〜6時間が好ましく、1時間〜3時間がより好ましく、30分〜90分が最も好ましい。
従来のPSKの抽出方法は、例えば特許文献2の実施例に記載のように、0.1M水酸化ナトリウム水溶液のみで抽出するものである。このような抽出法において得られたPSKは、ラミナリンのβ1,3グルカン及びβ1,6グルカン、並びにセルロースのβ1,4グルカンと同一又は構造の類似したグルカンを含むものと考えられる。一方、本発明の抗ポリクローナル抗体を取得するために用いる熱水・アルカリ抽出物のように、水抽出及びアルカリ抽出を組み合わせることにより、ラミナリンのβ1,3グルカン及びβ1,6グルカン、並びにセルロースのβ1,4グルカンと同一又は構造の類似したグルカンを含まないものを得ることができると考えられる。
(抗原結合性断片)
本発明の抗原結合性断片は、本発明の抗PSKポリクローナル抗体の抗原結合部位を含み、PSKへの結合性を有する限り、特に限定されるものではないが、例えばFab、Fab’、F(ab’)、Fv断片、ディアボディー、単一鎖抗体分子、及びマルチ特異性抗体を挙げることができる。これらの抗原結合性断片は、例えば、抗体を常法によりタンパク質分解酵素(例えば、ペプシン又はパパイン等)によって消化し、続いて、常法のタンパク質の分離精製の方法により精製することにより、得ることができる。また、ディアボディー、単一鎖抗体分子、及び抗体断片から形成されたマルチ特異性抗体は、遺伝子組換えにより調製することができる。
[2]PSKの免疫学的分析方法
本発明のPSKの免疫学的分析方法は、PSKに特異的に結合する抗PSKポリクローナル抗体又はその抗原結合性断片を用いることを特徴とするものである。PSKに特異的に結合する抗PSKポリクローナル抗体又はその抗原結合性断片としては、前記の「[1]抗PSKポリクローナル抗体」の項目に記載の抗体を用いることができる。例えば、PSKのタンパク部分およびPSKに特異的なグルカン構造の少なくともいずれかを認識する抗PSKポリクローナル抗体を用いてもよく、PSKに反応し、そしてセルロースのβ1,4グルカンのグルカン構造、並びにラミナリンのβ1,3グルカン及びβ1,6グルカンのグルカン構造に反応しない抗PSKポリクローナル抗体を用いてもよい。PSKの免疫学的分析方法を用いることにより、PSKを正確に分析することができる。
PSKを免疫学的に分析する方法としては、本発明の抗PSKポリクローナル抗体又はその抗原結合性断片を用いて、PSKを定量的又は半定量的に決定することができるか、あるいは、PSKの存在の有無を判定することができる限り、特に限定されるものではない。例えば、酵素免疫測定法、免疫組織染色法、表面プラズモン共鳴法(SPR法:Biacore法)、ラテックス凝集免疫測定法、化学発光免疫測定法、蛍光抗体法、放射免疫測定法、免疫沈降法、ウエスタンブロット法、イムノクロマトグラフ法、磁気ビーズ凝集法、又は磁気ビーズ酵素免疫法を挙げることができる。
なお、本明細書における「分析」には、分析対象物質の量を定量的又は半定量的に決定する「測定」と、分析対象物質の存在の有無を判定する「検出」との両方の意味が含まれる。
(被検試料)
PSKの免疫学的分析方法に用いることのできる被検試料としては、PSKを含有する可能性のある試料であれば特に限定されるものではないが、特には生理活性を有するPSKを含有する可能性のある医薬品若しくは飲食物、又はPSKが投与された患者の生体試料又は生体由来試料を挙げることができる。医薬品又は飲食物としては、具体的には、医薬組成物、若しくは医薬製剤、又はそれらの原料となる菌類由来の熱水・アルカリ抽出物、あるいは健康食品、若しくは機能性食品、又はそれらの原料となる菌類由来の熱水・アルカリ抽出物を挙げることができる。また、生体試料又は生体由来試料としては、例えば、尿、血液、血清、血漿、便、髄液、唾液、細胞、組織、若しくは器官、又はそれらの調整物(例えば、生検標本)等を挙げることができる。
PSKの免疫学的分析方法を用いることにより、医薬品や飲食物並びにPSKを服用後の血液や組織などから、特定の熱水・アルカリ抽出物を定性的・定量的に検出できる。従って、生理活性を有するPSKの摂取量(投与量)を把握できるために大変有用である。例えば、PSK投与後の血中濃度や腫瘍へのPSKの到達度合を簡易かつ高精度に判別できるため、体内動態や薬効を簡易かつ高精度に評価できる。
更に、本発明のPSKの免疫学的分析方法により、血中濃度の測定を行うことにより、PSKの薬効の予測およびPSKの投与至適濃度を把握するためのデータ測定にも利用することができる。例えば、PSKの薬効の予測を行う場合、PSK投与の一定時間後に、PSKが投与された患者のPSKの血中濃度を測定する。得られた血中濃度から、ある一定以上の血中濃度であれば、PSKの薬効が高いことを予測可能であり、一定以下の血中濃度であれば、PSKの薬効が低いことを予測可能である。また、患者によって、PSKの投与至適濃度が異なることがある。
従って、PSKの投与至適濃度を把握することは、患者の治療において重要である。PSKの投与至適濃度を把握するためには、PSKの投与の一定時間後に、PSKが投与された患者のPSKの血中濃度を測定する。得られた血中濃度が低く薬効が期待できない場合は、PSKの投与量を増加させ、逆に血中濃度が高い場合は、PSKの投与量を減少させることができる。
本発明のPSKの免疫学的分析方法の好ましい1つの実施態様においては、PSKに特異的に結合する抗PSKポリクローナル抗体又はその抗原結合性断片の1種類を用いて、PSKを分析することができる。例えばこのような実施態様としては、免疫組織染色法、表面プラズモン共鳴法(SPR法:Biacore法)、ラテックス凝集免疫測定法、蛍光抗体法、放射免疫測定法、免疫沈降法、又はウエスタンブロット法を挙げることができる。
本発明のPSKの免疫学的分析方法の別の好ましい1つの実施態様においては、PSKに特異的に結合する抗PSKポリクローナル抗体又はその抗原結合性断片と、PSKと反応する第2の抗体又はその抗原結合性断片とを使用して、PSKを分析することができる。本実施態様で用いる抗PSKポリクローナル抗体は、本発明の抗PSKポリクローナル抗体である。本実施態様としては、具体的には、例えば抗PSKポリクローナル抗体及び第2の抗体を用いたサンドイッチ法を挙げることができる。更に、抗PSKポリクローナル抗体及び第2の抗体を混合して用いる免疫組織染色法、表面プラズモン共鳴法(SPR法:Biacore法)、ラテックス凝集免疫測定法、蛍光抗体法、放射免疫測定法、免疫沈降法、又はウエスタンブロット法を挙げることができる。また、本実施態様においては、2種類以上の第2の抗体を用いることもできる。
第2の抗体は、PSKに結合することのできるものであれば、特に限定されないが、例えば、PSKを認識し、且つ他の多糖類のβ1,3グルカン、β1,4グルカン、及びβ1,6グルカンを認識する非特許文献1に記載のポリクローナル抗体、又はPSKに特異的に結合する抗PSK抗体を挙げることができるが、PSK特異的抗体が好ましい。
PSK特異的な抗体としては、例えば、本発明のPSKに特異的に結合する抗PSKポリクローナル抗体(例えば、PSKのタンパク部分およびPSKに特異的なグルカン構造の少なくともいずれかを認識する抗PSKポリクローナル抗体、又はPSKに反応し、そしてセルロースのβ1,4グルカンのグルカン構造、並びにラミナリンのβ1,3グルカン及びβ1,6グルカンのグルカン構造に反応しない抗PSKポリクローナル抗体);PSKを認識し、且つデキストラン、グリコーゲン、ラミナリン、及びセルロースのβ1,3グルカン、β1,4グルカン、及びβ1,6グルカンを認識しないモノクローナル抗体;又はPSKの生理活性部位を認識するモノクローナル抗体を挙げることができるが、最も好ましくは、PSKの生理活性部位を認識するモノクローナル抗体である。活性を有するPSKを正確に測定することができるからである。
第2の抗体は、本発明の抗PSKポリクローナル抗体を除いては、常法に従って調製することができる。例えば、モノクローナル抗体は、KoehlerとMilsteinの方法(Nature 256:495−497,1975)に従って、作製することができる。抗PSK抗体を取得するための免疫抗原は、カワラタケ菌CM101株〔FERM−P2412(ATCC20547)〕の菌糸体を水系溶媒、例えば、熱水又はアルカリ溶液(例えば、アルカリ金属の水酸化物、特には水酸化ナトリウムの水溶液)で抽出し、精製した後に乾燥して得たものであり、抗腫瘍活性を有するものであれば、特に限定せずに用いることができる。すなわち、免疫原として、PSKを用いること以外は、通常のモノクローナル抗体調製法に従って、調製することができる。しかしながら、第2の抗体を得る場合にも、免疫原として、前記のカワラタケの熱水・アルカリ抽出物を用いることが好ましい。
PSKの生理活性部位を認識するモノクローナル抗体としては、例えば以下の抗体を挙げることができる。
(モノクローナル抗体(A))
モノクローナル抗体(A)は、後述の参考例に記載の2G9抗体に代表されるものである。その重鎖可変領域ドメインは、好ましくは配列番号6で表されるアミノ酸配列(SYGMS)からなるH−CDR1のポリペプチド、配列番号10で表されるアミノ酸配列(TISSGGSYTYYPDSVKG)からなるH−CDR2のポリペプチド、配列番号14で表されるアミノ酸配列(RITTVVARSFYFDY)からなるH−CDR3のポリペプチドを含む。また、この抗体の軽鎖可変領域ドメインは、好ましくは配列番号22で表されるアミノ酸配列(RASKSVSTSGYSYMH)からなるL−CDR1のポリペプチド、配列番号26で表されるアミノ酸配列(LVSNLES)からなるL−CDR2のポリペプチド、配列番号30で表されるアミノ酸配列(QHIRELTRS)からなるL−CDR3のポリペプチドを含む。
更に、モノクローナル抗体(A)の重鎖可変領域ドメインは、より好ましくは、配列番号6で表されるアミノ酸配列からなるH−CDR1のポリペプチド、配列番号10で表されるアミノ酸配列からなるH−CDR2のポリペプチド、配列番号14で表されるアミノ酸配列からなるH−CDR3のポリペプチド、並びに重鎖可変領域フレームワークのポリペプチドを含み、最も好ましくは、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなる重鎖可変領域ドメインのポリペプチドである。また、この抗体の軽鎖可変領域ドメインは、より好ましくは配列番号22で表されるアミノ酸配列からなるL−CDR1のポリペプチド、配列番号26で表されるアミノ酸配列からなるL−CDR2のポリペプチド、配列番号30で表されるアミノ酸配列からなるL−CDR3のポリペプチド、並びに軽鎖可変領域フレームワークのポリペプチドを含み、最も好ましくは、配列番号18で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域ドメインのポリペプチドである。
モノクローナル抗体(A)は、例えば2G9抗体とエピトープへの結合が競合する抗体を含み、特には、2G9抗体が結合するPSKのエピトープと同一のエピトープに結合する抗体を挙げることができる。
2G9抗体が結合するPSKのエピトープは、PSKの細胞障害活性を示す生理活性部位に存在するエピトープであるか、あるいはその近傍のエピトープである可能性が高く、2G9抗体がそのエピトープに結合することにより、PSKの細胞障害活性を示す生理活性部位の活性を抑制させることができるエピトープである。また、2G9抗体が結合するPSKのエピトープは、PSKのTGF−β1阻害活性を示す生理活性部位に存在するエピトープであるか、あるいはその近傍のエピトープである可能性が高く、2G9抗体がそのエピトープに結合することにより、PSKのTGF−β1阻害活性を示す生理活性部位の活性を抑制させることができるエピトープである。
本明細書において、「エピトープへの結合が競合する抗体」とは、2つの抗体を用いたエピトープの競合試験において、競合作用を示したすべての抗体を含む。2つの抗体を用いたエピトープの競合試験において、競合率を計算することができ、「エピトープへの結合が競合する抗体」は、1%〜100%の競合率を示すことがあり、具体的には10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上又は90%以上の競合率を示す抗体を含む。
また、「同一のエピトープに結合する」とは、抗体の抗原結合部位が結合するエピトープが同一であることを意味し、この抗体は2つの抗体を用いたエピトープの競合試験において、競合作用を示す。「同一のエピトープに結合する」抗体のエピトープの競合試験における競合率は特に限定されるものではない。これは、エピトープの競合試験における競合率は、2つの抗体の力価、結合定数、解離定数、及び親和定数等により決定されるためである。従って、「同一のエピトープに結合する」抗体は、1%〜100%の競合率を示すことがあり、具体的には10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上又は90%以上の競合率を示す抗体を含むことができる。
エピトープの競合試験は、以下の方法により行うことができる。PSKを1μg/wellの濃度で、96ウェルプレートに4℃で一晩コート後、1%BSAでブロッキングしてPSKを固相化したプレートを作製する。例えば、0.1μg/mL、0.5μg/mL、1μg/mL、又は5μg/mLの第一の抗体を添加して、25℃で3時間インキュベートする。TBSTで各ウェルを3回洗浄した後、0.5μg/mL濃度に調製したHRP標識した第二の抗体溶液を添加して、25℃で1時間インキュベートする。TBSTで各ウェルを3回洗浄した後、基質であるABSTを加え、15分間程度発色させた。Peroxidase Stop Solutionで発色反応を停止させた後、プレートリーダーを用いて、405nmの吸光度を測定し、競合率を計算する。
(モノクローナル抗体(B))
モノクローナル抗体(B)は、後述の参考例に記載の5G5抗体に代表されるものである。その重鎖可変領域ドメインは、好ましくは配列番号38で表されるアミノ酸配列(GYTMN)からなるH−CDR1のポリペプチド、配列番号42で表されるアミノ酸配列(LINPYNGGTSYNQKFKG)からなるH−CDR2のポリペプチド、配列番号46で表されるアミノ酸配列(GGKFATGTSY)からなるH−CDR3のポリペプチドを含む。また、この抗体の軽鎖可変領域ドメインは、好ましくは配列番号54で表されるアミノ酸配列(RSSTGAVTTSNYAN)からなるL−CDR1のポリペプチド、配列番号58で表されるアミノ酸配列(GTNNRAP)からなるL−CDR2のポリペプチド、配列番号62で表されるアミノ酸配列(ALWYSNHWV)からなるL−CDR3のポリペプチドを含む。
更に、モノクローナル抗体(B)の重鎖可変領域ドメインは、より好ましくは、配列番号38で表されるアミノ酸配列からなるH−CDR1のポリペプチド、配列番号42で表されるアミノ酸配列からなるH−CDR2のポリペプチド、配列番号46で表されるアミノ酸配列からなるH−CDR3のポリペプチド、並びに重鎖可変領域フレームワークのポリペプチドを含み、最も好ましくは、配列番号34で表されるアミノ酸配列からなる重鎖可変領域ドメインのポリペプチドである。また、この抗体の軽鎖可変領域ドメインは、より好ましくは配列番号54で表されるアミノ酸配列からなるL−CDR1のポリペプチド、配列番号58で表されるアミノ酸配列からなるL−CDR2のポリペプチド、配列番号62で表されるアミノ酸配列からなるL−CDR3のポリペプチド、並びに軽鎖可変領域フレームワークのポリペプチドを含み、最も好ましくは、配列番号50で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域ドメインのポリペプチドである。
モノクローナル抗体(B)は、例えば5G5抗体とエピトープへの結合が競合する抗体を含み、特には、5G5抗体が、結合するPSKのエピトープと同一のエピトープに結合する抗体を挙げることができる。
5G5抗体が結合するPSKのエピトープは、PSKの細胞障害活性を示す生理活性部位に存在するエピトープであるか、あるいはその近傍のエピトープである可能性が高く、5G5抗体がそのエピトープに結合することにより、PSKの細胞障害活性を示す生理活性部位の活性を抑制させることができるエピトープである。また、5G5抗体が結合するPSKのエピトープは、PSKのTGF−β1阻害活性を示す生理活性部位に存在するエピトープであるか、あるいはその近傍のエピトープである可能性が高く、5G5抗体がそのエピトープに結合することにより、PSKのTGF−β1阻害活性を示す生理活性部位の活性を抑制させることができるエピトープである。
モノクローナル抗体(A)及びモノクローナル抗体(B)の、H−CDR1のポリペプチド、H−CDR2のポリペプチド、H−CDR3のポリペプチド、L−CDR1のポリペプチド、L−CDR2のポリペプチド、及びL−CDR3のポリペプチドは、それぞれ1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されてもよい。それらの欠失、置換、挿入又は付加されたポリペプチドを含む重鎖可変領域ドメイン及び軽鎖可変領域ドメインから形成される抗原結合部位が結合するエピトープは、2G9抗体又は5G5抗体が結合するエピトープと同一であり、その結合によりPSKの細胞障害活性を抑制することができる。
また、モノクローナル抗体(A)及びモノクローナル抗体(B)の、重鎖可変領域ドメイン又は軽鎖可変領域ドメインのポリペプチドも、それぞれ1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されてもよい。それらの欠失、置換、挿入又は付加されたポリペプチドを含む重鎖可変領域ドメイン及び軽鎖可変領域ドメインから形成される抗原結合部位が結合するエピトープは、2G9抗体又は5G5抗体が結合するエピトープと同一であり、その結合によりPSKの細胞障害活性を抑制することができる。
より具体的には、アミノ酸の欠失、置換、挿入、又は付加は、それぞれのポリペプチドにおいて3個以下が好ましく、2個以下がより好ましく、1個が最も好ましい。またアミノ酸の置換の場合、限定されるものではないが、親水性のアミノ酸は親水性のアミノ酸と、疎水性のアミン酸は親水性のアミノ酸と、塩基性のアミノ酸は塩基性のアミノ酸と、酸性アミノ酸は酸性のアミノ酸と、置換されることが好ましい。このような性質の似たアミノ酸の置換の場合、タンパク質の立体構造が維持されることが多く、従って抗PSK抗体の抗原結合部位の立体構造も維持され、抗PSK抗体は、PSKと結合することができる。
本発明のPSKの免疫学的分析方法の好ましい実施態様として、サンドイッチ法を利用する場合、例えば、サンドイッチ法は、抗PSKポリクローナル抗体若しくはその抗原結合性断片又は第2の抗体若しくはその抗原結合性断片のいずれか一方の抗体若しくはその抗原結合性断片を固定化した不溶性担体、PSKを含む可能性のある被検試料、残る一方の抗体若しくはその抗原結合性断片に標識を付した標識抗体を接触させ、不溶性担体上に固定化抗体とPSKと標識抗体との複合体を形成する工程(以下、複合体形成工程と称する)と、複合体における標識からの信号を分析する工程と、を含む。複合体形成工程において、抗体等が固相化された不溶性担体、PSKを含む可能性のある被検試料、及び標識抗体の接触の順番は、特に限定されるものではなく、不溶性担体及び被検試料を先に接触させ、次に標識抗体を接触させてもよく、標識抗体及び被検試料を接触させ、次に不溶性担体を接触させてもよく、不溶性担体、被検試料、及び標識抗体を一緒に接触させてもよい。
本明細書等における「第2の抗体」とは、PSKに結合することのできるものであれば、特に限定されないが、例えば、PSKを認識し、且つ他の多糖類のβ1,3グルカン、β1,4グルカン、及びβ1,6グルカンを認識する非特許文献1に記載のポリクローナル抗体、又はPSKに特異的に結合する抗PSK抗体を挙げることができるが、PSKに特異的に結合する抗PSK抗体が好ましい。
より具体的には、本発明のPSKに特異的に結合する抗PSKポリクローナル抗体(例えば、PSKのタンパク部分およびPSKに特異的なグルカン構造の少なくともいずれかを認識する抗PSKポリクローナル抗体、又はPSKに反応し、そしてセルロースのβ1,4グルカンのグルカン構造、並びにラミナリンのβ1,3グルカン及びβ1,6グルカンのグルカン構造に反応しない抗PSKポリクローナル抗体);PSKを認識し、且つデキストラン、グリコーゲン、ラミナリン、及びセルロースのβ1,3グルカン、β1,4グルカン、及びβ1,6グルカンを認識しないモノクローナル抗体;又はPSKの生理活性部位を認識するモノクローナル抗体を挙げることができるが、最も好ましくは、PSKの生理活性部位を認識するモノクローナル抗体である。
サンドイッチ法を利用する本発明の免疫学的分析方法は、第2の抗体又はその抗原結合性断片を不溶性担体に固定化した後、PSKを含む可能性のある被検試料と接触させ、続いて、抗PSKポリクローナル抗体若しくはその抗原結合性断片に標識を付した標識抗体と接触させ、不溶性担体上に、固定化抗体とPSKと標識抗体とからなるサンドイッチ状複合体を形成させ、抗PSKポリクローナル抗体の標識からの信号を検出することができる。
なお、抗PSKポリクローナル抗体若しくはその抗原結合性断片を不溶性担体に固定化し、この抗体固定化不溶性担体とPSKを含む可能性のある被検試料とを接触させ、続いて、第2の抗体又はその抗原結合性断片に標識を付した標識抗体と接触させ、不溶性担体上に、固定化抗体とPSKと標識抗体とからなるサンドイッチ状複合体を形成させ、第2の抗体の標識の信号を検出してもよい。
複合体形成工程は、抗PSKモノクローナル抗体若しくはその抗原結合性断片を固定化した不溶性担体と、PSKを含む可能性のある被検試料とを接触させ、そして抗PSKポリクローナル抗体若しくはその抗原結合性断片に標識を付した標識抗体を接触させる工程であることが好ましい。このとき、第2の抗体は抗PSKモノクローナル抗体である。
すなわち、抗PSKモノクローナル抗体とPSKと標識抗体(抗PSKポリクローナル抗体)とからなるサンドイッチ状複合体を形成させ、抗PSKポリクローナル抗体の標識の信号を検出することが最も好ましい。
なお、標識した第2の抗体又は抗PSKポリクローナル抗体に代えて、未標識の第2の抗体又は抗PSKポリクローナル抗体を用いてもよい。この場合、未標識の第2の抗体又は抗PSKポリクローナル抗体に結合する標識抗体を用いて信号を検出する。また、標識した第2の抗体又は抗PSKポリクローナル抗体に代えて、ビオチン標識した第2の抗体又は抗PSKポリクローナル抗体を用い、標識アビジンを用いて信号を検出することも可能である。
本発明のサンドイッチ法による免疫学的分析方法に使用することのできる不溶性担体は特に限定されるものでなく、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、フッ素樹脂、架橋デキストラン、ポリサッカライド等の高分子、その他ニトロセルロース、紙、アガロース及びこれらの組み合わせ等を例示することができる。
標識物質としては、酵素、蛍光物質、又は発光物質を使用するのが有利である。酵素としては、例えば、アルカリホスファターゼ、ペルオキシダーゼ、β−D−ガラクトシダーゼ等、また、蛍光物質としては、例えば、フルオレセインイソチオシアネート等、また、発光物質としては、例えば、アクリジニウムエステル、ルシフェリン等を使用することができる。
[3]PSKの免疫学的分析用キット
本発明のPSKの免疫学的分析用キットは、PSKに特異的に結合する抗PSKポリクローナル抗体又はその抗原結合性断片を含む。PSKに特異的に結合する抗PSKポリクローナル抗体は、PSKのタンパク部分およびPSKに特異的なグルカン構造の少なくともいずれかを認識する抗PSKポリクローナル抗体であってもよく、また、PSKに反応し、そしてセルロースのβ1,4グルカンのグルカン構造、並びにラミナリンのβ1,3グルカン及びβ1,6グルカンのグルカン構造に反応しない抗PSKポリクローナル抗体であってもよい。
本発明のPSKの免疫学的分析用キットは、更に、PSKと反応する第2の抗体又はその抗原結合性断片を含んでもよい。
本実施形態のPSKの分析キットは、本発明の抗PSKポリクローナル抗体又はその抗体の抗原結合性断片を含むPSKの免疫学的分析用キットである。PSKの免疫学的分析用キットは、本発明のPSKの免疫学的分析方法に用いることができる。従って、本発明のPSKの免疫学的分析用キットは、酵素免疫測定法、免疫組織染色法、表面プラズモン共鳴法(SPR法:Biacore法)、ラテックス凝集免疫測定法、化学発光免疫測定法、蛍光抗体法、放射免疫測定法、免疫沈降法、ウエスタンブロット法、イムノクロマトグラフ法、磁気ビーズ凝集法、又は磁気ビーズ酵素免疫法等に用いるキットを含む。
PSKの免疫学的分析用キットが、酵素免疫測定法、例えばサンドイッチ法のキットの場合、抗PSKポリクローナル抗体若しくは第2の抗体、又はそれらの抗原結合性断片が表面に固相化された担体(ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、フッ素樹脂、架橋デキストラン、ポリサッカライド等の高分子、その他ニトロセルロース、紙、アガロース及びこれらの組み合わせ等)、標識された第1抗PSKポリクローナル抗体若しくは第2の抗体、又はそれらの抗原結合性断片、酵素、その発色基質、及びその他のELISA試薬(例えば、洗浄液)などを適宜組み合わせた構成にすることができる。
PSKの分析キットが、免疫組織染色法のキットの場合、例えばビオチン化標識した本発明の抗PSKポリクローナル抗体、(HRP)標識したストレプトアビジン、DAB基質、あるいは、未標識の抗PSKポリクローナル抗体、HRP標識した抗マウスIgG抗体、基質などを含むことができる。
PSKの分析キットが、SPR分析法のキットの場合、本発明の抗PSKポリクローナル抗体が固定化されたセンサーチップなどを含む。
従って、PSKの分析キットは、用いる免疫学的手法に応じて、所望の形態で抗PSKポリクローナル抗体、あるいはその抗原結合性断片を含む。例えば、標識物質の具体例としては、酵素としてペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、又はグルコースオキシダーゼ等を、蛍光物質としてフルオレセインイソチアネート又は希土類金属キレート等を、放射性同位体としてH、14C、又は125I等を、その他、ビオチン、アビジン、又は化学発光物質等を挙げることができる。酵素又は化学発光物質等の場合には、それ自体単独では測定可能なシグナルをもたらすことはできないことから、それぞれ対応する適当な基質等を選択して含むことが好ましい。
PSKの免疫学的分析用キットは、PSKを特異的に分析することができるものであり、そのことが記載された使用説明書などを含む。また、キットの包装などにPSKを特異的に分析することができることが記載されていてもよい。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
《製造例1:カワラタケの熱水・アルカリ抽出物の製造》
カワラタケ菌CM101株〔FERM−P2412(ATCC20547)〕を、グルコース5%、ペプトン0.2%、酵母エキス0.3%、KHPO 0.1%及びMgSO・7HOの0.1%(いずれも重量%)からなる培地に接種し、10日間培養し、培地表面に発育した菌苔を生理食塩水とともにホモジェナイズしたものを種菌とした。この種菌を上記と同一組成の培地200mLの入った1リットル容の培養用フラスコ100本にそれぞれ接種し、25〜27℃で25日間培養した後、乾燥器中で乾燥し、乾燥菌糸体を得た。乾燥菌糸体収量は培養器一本当たり2.0〜4.5gであった。この菌糸体100gに蒸留水1リットルを加え、97℃で1時間、撹拌しながら抽出した。次に、遠心残渣に対して、1規定の水酸化ナトリウム水溶液1リットルを加え、97℃で1時間、撹拌しながら抽出した。塩酸で中和後、両抽出液を混合した。混合液を室温にまで冷却し、濾紙濾過により、抽出液を回収した。次いで、希塩酸で中和し、エバポレーターで液を濃縮した。濃縮液1リットルに対し飽和溶液となるように硫酸アンモニウムを加え、塩析を行い、生じた沈殿を遠心分離により分取した。分取した沈殿は蒸留水に再溶解し、透析及び限外濾過処理し、分子量5000以下の低分子物質を除去した。次いで、凍結乾燥して、カワラタケの熱水・アルカリ抽出物粉末15gを得た。
《実施例1:抗PSKウサギポリクローナル抗体の作製》
製造例1で得られたカワラタケの熱水・アルカリ抽出物粉末のPBS溶解液とFreund’s Complete Adjuvant(Sigma−Aldrich、Tokyo)とを等量混合し、超音波発生器を用いて高粘性のエマルジョン液を作成した。前記エマルジョン液を雌性ニュージーランドホワイト・ウサギの後背部にPSKの量として、0.5mg/羽になるように皮下注射した。2週後に、PSK溶液とFreund’s Incomplete Adjuvant(Sigma−Aldrich)とのエマルジョン液を、PSKの量として、0.5mg/羽になるように、ウサギ後背部に皮下注射した。この注射を2週間隔で8回繰り返した。最終免疫後1週間経過した時点で、ケタミン・キシラジン麻酔下、頚動脈より全採血を行った。採取した血液は室温にて1時間静置後、4℃で一昼夜保存し、3000rpm、10分間遠心分離し血清を得た。
免疫血清の抗体価測定はELISA法によって測定した。すなわち、PSKを50ng/ウェルの濃度でコートさせた96ウェルのプレートに、得られた血清の1000〜2187000倍希釈液を100μg/L分注し、室温で3時間反応させた後、0.05%Tween 80添加TBS(以下、「TBS−T」とする)で3回洗浄した。次に、プレートの各ウェルにHRP標識抗ウサギIgG抗体溶液を加え、室温で1時間反応させた後、TBS−Tで3回洗浄した。ABTS基質溶液を加えて5−15分間発色させた後、プレートリーダーを用いて405−630nmの吸光度を測定した。抗体価測定結果を図1に示す。以降の実験には、3個体中で最も力価が高かった個体No.2の抗血清を用いた。
次に、PSK固相化カラムを用いたアフィニティークロマトにより、抗PSKポリクローナル抗体を精製した。定法に従い、ペプシン処理および還元処理を行い、その後にホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)標識を行った。得られたFab’−HRPが抗原認識能を維持していることは、前記のELISA法で確認した(表1)。
Figure 2014055773
《比較製造例1:従来のPSKの製造》
従来のPSKの製造は、特許文献2の実施例2の方法に準じて行った。
カワラタケ菌CM101株〔FERM−P2412(ATCC20547)〕を、グルコース5%、ペプトン0.2%、酵母エキス0.3%、KHPO 0.1%及びMgSO・7HOの0.1%(いずれも重量%)からなる培地に接種し、10日間培養し、培地表面に発育した菌苔を生理食塩水とともにホモジェナイズしたものを種菌とした。この種菌を上記と同一組成の培地200mLの入った1リットル容の培養用フラスコ100本にそれぞれ接種し、25〜27℃で25日間培養した後、乾燥器中で乾燥し、乾燥菌糸体を得た。乾燥菌糸体収量は培養器一本当たり2.0〜4.5gであった。この菌糸体100gに0.1規定の水酸化ナトリウム水溶液3リットルを加え、97℃で1時間、撹拌しながら抽出した。抽出終了後、室温にまで冷却し、濾紙濾過により、抽出液を回収した。次いで、希塩酸で中和し、エバポレーターで液を濃縮した。濃縮液1リットルに対し飽和溶液となるように硫酸アンモニウムを加え、塩析を行い、生じた沈殿を遠心分離により分取した。分取した沈殿は蒸留水に再溶解し、透析及び限外濾過処理し、分子量5000以下の低分子物質を除去した。次いで、凍結乾燥して、タンパク多糖体粉末15gを得た。
《比較例1:従来の抗PSKウサギポリクローナル抗体の作製》
製造例1で得られたカワラタケの熱水・アルカリ抽出物粉末に代えて、比較製造例1で得られたタンパク多糖体を用いたことを除いては、実施例1の操作を繰り返し、従来の抗PSKウサギポリクローナル抗体を得た。
《実施例2:抗PSKウサギポリクローナル抗体の特異性評価》
抗PSKウサギポリクローナル抗体のPSKに対する特異性評価は、Biacoreを用いて行った。まず、Sensor Chip CM5センサー表面に抗ウサギIgG抗体をアミノカップリング法で固相化した。次に、センサーチップに対して、比較例1で作成した従来の抗PSKウサギポリクローナル抗体(old rabbit anti−PSK pAb)又は実施例1で作製した抗PSKウサギポリクローナル抗体(new rabbit anti−PSK pAb)を一定量補足させた。これらのセンサーチップに対して1μg/mLに調整したPSK、β1−4glucan、又はβ1−3,1−6glucanをアナライトに用いて結合解析を行った。なお、β1−4glucanとしてはセルロースを用い、β1−3,1−6glucanとしては、ラミナリンを用いた。
その結果、図2に示すように、従来のold rabbit anti−PSK pAbは、PSK以外のグルカン類にも結合するのに対して、本発明のnew rabbit anti−PSK pAbは、PSKに含まれる以外のβ1,3グルカン、β1,4グルカン、及びβ1,6グルカン構造に結合せず、PSKに特異的に結合することが分かった。
《参考例1:抗PSKモノクローナル抗体の作製》
抗体の作製は、(1)抗原の免疫、(2)抗血清の抗体価の測定、(3)抗PSKモノクローナル抗体の作製の順に行った。以下、順に手順の概要を説明する。
(1)抗原の免疫:第1回免疫として、PSKのリン酸緩衝化生理食塩水(phosphate buffered saline;以下、「PBS」とする。)溶液とFreund’s Complete Adjuvant(シグマ−アルドリッチ社製)とを等量混合し、超音波発生器を用いて高粘性のエマルジョン液を調製した。6週齢の雌性Balb/cマウス(オリエンタル酵母株式会社)に、このエマルジョン液をPSK量が0.1mg/匹となるように、皮下注射した。1週間後に第2回目の免疫を行った。PSKのPBS溶液とFreund’s Incomplete Adjuvant(シグマ−アルドリッチ社製)とを混合してエマルジョン液を調製した。PSK量が0.1mg/匹となるように腹腔内注射した。1週間ごとに同じ手順で免疫を行い、第8回目の免疫後、尾静脈より採血して力価の測定を行った。抗体価の上昇が認められた個体について、PSKを腹腔内注射することによりブーストを行った後に、ハイブリドーマ取得のために細胞融合を行った。
(2)抗血清の抗体価の測定:前記8回目の免疫後に、Balb/cマウスから得られたそれぞれの血清(抗血清)の抗体価測定を、ELISA法により行った。手順を以下に示す。96ウェルプレートに、PSK溶液を1μg/ウェルずつ分注し、4℃、一晩反応させてPSKを固相化した。1%BSAでブロッキング後、得られた血清の1,000倍希釈液を各ウェルに50μLずつ分注し、25℃で3時間反応させた。次に、TBS−Tで、各ウェルを3回洗浄した後、1μg/mL濃度に調製したホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)標識抗マウスIgM抗体溶液を50μL各ウェルに分注し、25℃で1時間反応させた。TBS−Tで各ウェルを3回洗浄した後、基質であるABST(KPL社)を加え、15分間発色させた。50μLのPeroxidase Stop Solution(KPL社)で発色反応を停止させた後、プレートリーダーを用いて、405nmの吸光度を測定した。図3に、ELISA法による抗体価測定の結果を示しており、グラフの横軸には血清の希釈倍率、縦軸には吸光度(力価)を表す。
(3)抗PSKモノクローナル抗体の作製:PSKの免疫により、抗体の力価の上昇が認められた個体については、定法にてモノクローナル抗体作製を進めた。すなわち、ブーストの7日後、マウスの脾臓を摘出し脾細胞をマウスミエローマ細胞株P3U1と細胞融合させた。HAT選択培養液の中で2〜3週間培養し、ハイブリドーマコロニーを得た。これらの培養上清を回収して、前記(2)に記載のELISA法を用いて、ハイブリドーマのスクリーニングを行った。得られたPSK抗体を産生している陽性ハイブリドーマについては、同様のスクリーニングを2回繰り返し、抗体産生能や増殖性に優れたハイブリドーマを選抜した。その結果、約100個の陽性ハイブリドーマから、2G9抗体及び5G5抗体を産生する2つのハイブリドーマを選択した。なお、2G9抗体及び5G5抗体はIgM抗体であることを確認した。
抗体の大量調製はマウス腹水で行った。具体的には500μLのプリスタンを雌性Balb/cマウスの腹腔内に投与して、7〜10日後、マウス一匹あたり約10個のハイブリドーマを移植した。1〜2週間後、腹水が溜まってきたら随時回収し、精製まで−80℃で保存した。腹水からの抗体精製は以下のように行った。回収した腹水に最終濃度が25mMになるようにリン酸バッファー(pH7.5)を加え、0.45μmのフィルターに通過させた。これをProteinGカラムにアプライしてフロースルーを回収した。その後、定法によりHiTrap IgMカラム(アマシャム)あるいはSepharose HPカラム(アマシャム)でIgM画分を回収した。更にそのIgM画分をSepharose 200pgカラムで分画し、5量体のIgMを精製した。得られた2G9抗体及び5G5抗体の力価を図4に示す。
《参考例2:抗PSKマウスモノクローナル抗体の特異性評価》
抗PSKマウスモノクローナル抗体(2G9mAb、5G5mAb)のPSKに対する特異性評価は、以下の競合ELISA法で行った。炭酸緩衝液に溶解したPSKを1μg/g/ウェルで96ウェルプレートに固相化した。1μg/mLの抗PSK抗体と10μg/mLの各種グルカン類(PSK、cellulose、laminarin、glycogen、dextran)とを混和後、96ウェルプレートに添加して室温で1時間インキュベートした。検出は、HRP標識抗マウスIgMで行った。
なお、PSKはβ1,3グルカン、β1,4グルカン、及びβ1,6グルカンを有しており、celluloseはβ1,4グルカンを有しており、laminarinはβ1,3グルカン及びβ1,6グルカンを有しており、glycogenはβ1,4グルカンを有しており、dextranはβ1,6グルカンを有している。
その結果、図5に示すように、2G9mAbと5G5mAbはPSKを特異的に認識し、他の類似構造を持つグルカン類には結合しないことが分かった。
《参考例3:2G9抗体及び5G5抗体の可変領域の配列決定》
2G9抗体又は5G5抗体を産生するハイブリドーマから、定法によりtotal RNAを抽出し、オリゴdTプライマーを用いて逆転写反を行い、cDNAを作製した。得られたcDNAから、可変領域遺伝子を増幅するためにmouse Ig primer set(Novagen社)を用いて、添付のプロトコールに従いPCRを行った。得られた抗体可変領域遺伝子はpCR2.1ベクターにTAクローニングしてシーケンスの決定を行った。2G9抗体の重鎖可変領域ドメイン、及び軽鎖可変領域ドメインのヌクレオチドの塩基配列、及び5G5抗体の重鎖可変領域ドメイン、及び軽鎖可変領域ドメインのヌクレオチドの塩基配列を、それぞれ図7〜図10に示す。また、それぞれの抗体のH−FR1、H−CDR1、H−FR2、H−CDR2、H−FR3、H−CDR3、及びH−FR4、並びにL−FR1、L−CDR1、L−FR2、L−CDR2、L−FR3、L−CDR3、及びL−FR4のアミノ酸配列を以下に示す。
2G9抗体の重鎖可変領域ドメインのアミノ酸配列
H−FR1 :GVQCEVQLVESGGDLVKPGGSLKLSCAASGFTFS(配列番号4)
H−CDR1:SYGMS(配列番号6)
H−FR2 :WVRQTPDKRLEWVA(配列番号8)
H−CDR2:TISSGGSYTYYPDSVKG(配列番号10)
H−FR3 :RFTISRDNAKNTLYLQMSSLKSEDTAMYYCAR(配列番号12)
H−CDR3:RITTVVARSFYFDY(配列番号14)
H−FR4 :WGQG(配列番号16)
2G9抗体の軽鎖可変領域ドメインのアミノ酸配列
L−FR1 :GSTGDIVLTQSPASLAVSLGQRATISY(配列番号20)
L−CDR1:RASKSVSTSGYSYMH(配列番号22)
L−FR2 :WNQQKPGQPPRLLIY(配列番号24)
L−CDR2:LVSNLES(配列番号26)
L−FR3 :GVPARFSGSGSGTDFTLNIHPVEEEDAATYYC(配列番号28)
L−CDR3:QHIRELTRS(配列番号30)
L−FR4 :EGGP(配列番号32)
5G5抗体の重鎖可変領域ドメインのアミノ酸配列
H−FR1 :GVHSEVQLQQSGPELVKPGASMKISCKASGYSFT(配列番号36)
H−CDR1:GYTMN(配列番号38)
H−FR2 :WVKQSHGKNLEWIG(配列番号40)
H−CDR2:LINPYNGGTSYNQKFKG(配列番号42)
H−FR3 :KATLTVDKSSSTAYMELLSLTSEDSAVYYCAR(配列番号44)
H−CDR3:GGKFATGTSY(配列番号46)
H−FR4 :WGQG(配列番号48)
5G5抗体の軽鎖可変領域ドメインのアミノ酸配列
L−FR1 :GAISQAVVTQESALTTSPGETVTLTC(配列番号52)
L−CDR1:RSSTGAVTTSNYAN(配列番号54)
L−FR2 :WVQEKPDHLFTGLIG(配列番号56)
L−CDR2:GTNNRAP(配列番号58)
L−FR3 :GVPARFSGSLIGDKAALTITGAQTEDEAIYFC(配列番号60)
L−CDR3:ALWYSNHWV(配列番号62)
L−FR4 :FGGG(配列番号64)
《実施例3:サンドイッチELISA系の構築》
PSKの検出系はサンドイッチELISA法で行った。炭酸緩衝液に溶解した抗PSKモノクローナル抗体(2G9抗体及び5G5抗体)を500ng/ウェルで96ウェルプレートにコートした。1%BSA含有PBSでブロッキング後、62.5−500ng/mLのPSK溶液を添加して、1時間、室温でインキュベートした。TBS−Tでプレートを洗浄後、HRP標識抗PSK Fab’抗体を添加して、更に30分間、室温でインキュベートした。TBS−Tでプレートを洗浄後、ABTS基質溶液を加えて5−15分間発色させた後、プレートリーダーを用いて405−630nmの吸光度を測定した。その結果、図6に示すように構築したELISA系は、感度良く、更に高い特異性をもってPSKを検出することができた。
《実施例4:サンドイッチELISAによるPSKのマウス血中濃度の測定》
Balb/cマウス(雌、6週齢)にPSK(50mg/kg)を単回、腹腔内投与した後、8時間後に採血を行い、上記サンドイッチELISA法で血中濃度を測定した。その結果、血中に取り込まれたPSKを検出することが可能であった(表2)。
Figure 2014055773
本発明のPSKの免疫学的分析方法は、医薬の品質管理に用いることができる。また、本発明のPSKの免疫学的分析方法は、PSKの体内動態の検査に用いることができる。

Claims (18)

  1. PSKに特異的に結合する抗PSKポリクローナル抗体又はその抗原結合性断片を用いることを特徴とするPSKの免疫学的分析方法。
  2. 前記抗PSKポリクローナル抗体が、PSKのタンパク部分およびPSKに特異的なグルカン構造の少なくともいずれかを認識する抗PSKポリクローナル抗体である、請求項1に記載のPSKの免疫学的分析方法。
  3. 前記抗PSKポリクローナル抗体が、PSKに反応し、そしてセルロースのβ1,4グルカンのグルカン構造、並びにラミナリンのβ1,3グルカン及びβ1,6グルカンのグルカン構造に反応しない抗PSKポリクローナル抗体である、請求項1に記載のPSKの免疫学的分析方法。
  4. 前記抗PSKポリクローナル抗体のPSKに対する結合力を100とした場合の、セルロースのβ1,4グルカンのグルカン構造、又はラミナリンのβ1,3グルカン、及びβ1,6グルカンのグルカン構造に対する結合力が30%以下である、請求項3に記載のPSKの免疫学的分析方法。
  5. 酵素免疫測定法、免疫組織染色法、表面プラズモン共鳴法、ラテックス凝集免疫測定法、化学発光免疫測定法、蛍光抗体法、放射免疫測定法、免疫沈降法、ウエスタンブロット法、イムノクロマトグラフ法、磁気ビーズ凝集法、又は磁気ビーズ酵素免疫法を用いる、請求項1〜4のいずれか一項に記載のPSKの免疫学的分析方法。
  6. 前記PSKに特異的に結合する抗PSKポリクローナル抗体又はその抗原結合性断片と、PSKと反応する第2の抗体又はその抗原結合性断片と、を使用する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のPSKの免疫学的分析方法。
  7. 前記抗PSKポリクローナル抗体若しくはその抗原結合性断片、又は前記第2の抗体若しくはその抗原結合性断片のいずれか一方の抗体若しくはその抗原結合性断片を固定化した固定化抗体を有する不溶性担体、PSKを含む可能性のある被検試料、残る一方の抗体若しくはその抗原結合性断片に標識を付した標識抗体を接触させ、前記不溶性担体上に固定化抗体とPSKと標識抗体との複合体を形成する複合体形成工程と、前記複合体における標識からの信号を分析する分析工程と、
    を含む、請求項6に記載のPSKの免疫学的分析方法。
  8. 前記複合体形成工程が、第2の抗体として抗PSKモノクローナル抗体若しくはその抗原結合性断片を固定化した不溶性担体と、PSKを含む可能性のある被検試料とを接触させ、そして前記抗PSKポリクローナル抗体若しくはその抗原結合性断片に標識を付した標識抗体を接触させる工程である、請求項7に記載のPSKの免疫学的分析方法。
  9. 前記第2の抗体が、抗PSKモノクローナル抗体である、請求項6〜8のいずれか一項に記載のPSKの免疫学的分析方法。
  10. 血中濃度の測定を行う、請求項1〜9のいずれか一項に記載のPSKの免疫学的分析方法。
  11. PSKに特異的に結合する抗PSKポリクローナル抗体又はその抗原結合性断片。
  12. 前記抗PSKポリクローナル抗体が、PSKのタンパク部分およびPSKに特異的なグルカン構造の少なくともいずれかを認識する請求項11に記載の抗PSKポリクローナル抗体又はその抗原結合性断片。
  13. 前記抗PSKポリクローナル抗体が、PSKに反応し、そしてセルロースのβ1,4グルカンのグルカン構造、並びにラミナリンのβ1,3グルカン、及びβ1,6グルカンのグルカン構造に反応しない、請求項11に記載の抗PSKポリクローナル抗体又はその抗原結合性断片。
  14. 前記抗原結合性断片が、Fab、Fab’、F(ab’)、Fv断片、ディアボディー、単一鎖抗体分子、及びマルチ特異性抗体からなる群から選択される、請求項11〜13のいずれか一項に記載の抗原結合性断片。
  15. PSKに特異的に結合する抗PSKポリクローナル抗体又はその抗原結合性断片、
    を含むことを特徴とする、PSKの免疫学的分析用キット。
  16. 前記抗PSKポリクローナル抗体が、PSKのタンパク部分およびPSKに特異的なグルカン構造の少なくともいずれかを認識する、請求項15に記載のPSKの免疫学的分析用キット。
  17. 前記抗PSKポリクローナル抗体が、PSKに反応し、そしてセルロースのβ1,4グルカンのグルカン構造、並びにラミナリンのβ1,3グルカン、及びβ1,6グルカンのグルカン構造に反応しない、請求項15に記載のPSKの免疫学的分析用キット。
  18. 抗PSKモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片を更に含む、請求項15〜17のいずれか一項に記載のPSKの免疫学的分析用キット。
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