JP3581160B2 - 抗粘液糖タンパク質モノクローナル抗体 - Google Patents

抗粘液糖タンパク質モノクローナル抗体 Download PDF

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    • G01N2474/20Immunohistochemistry assay

Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、ヒトの胃粘膜の腺上皮粘液細胞、すなわち、噴門腺細胞、副細胞(粘液頸細胞)、幽門腺細胞およびヒトの胃粘膜の腺上皮型粘液を産生する粘液細胞、例えば、十二指腸のBrunner腺、胃腺上皮型化生細胞、胃腺上皮型腫瘍細胞の染色に有用なモノクローナル抗体に関する。更に本発明は、上記の胃の腺上皮型粘液細胞が分泌する粘液糖タンパク質の測定に有用なモノクローナル抗体に関する。詳しくは、本発明のモノクローナル抗体または本発明のモノクローナル抗体の標識誘導体を用いて免疫組織染色を行うことにより、ヒトの胃の腺上皮型粘液細胞およびそれら細胞の分泌粘液を特異的に染色することができ、また、ELISA(enzyme−linked immunosorbent assay)を行なうことにより、ヒトの体液、例えば、胃液、膵液、血液、喀痰中に含まれる胃の腺上皮型粘液細胞由来の粘液糖タンパク質を質的、量的に分析することができる。本発明のモノクローナル抗体は癌の検診または診断に利用できる。
【0002】
【背景技術】
胃を含む消化管粘膜の上皮に存在する粘液産生細胞は粘液を合成、分泌することで消化管の機能維持に寄与していると考えられる。とくに胃粘液は胃酸やペプシンなどの攻撃因子から胃の粘膜を保護するための重要な防御因子の一つとして位置づけられている。
【0003】
ヒトの胃の粘液産生は胃粘膜表層上皮に存在する表層粘液細胞(被蓋上皮細胞)と胃腺の底部に存在する腺上皮粘液細胞で行なわれているが、近年、これらの粘液細胞が産生する粘液を個々に識別する試みがなされている。組織化学的には表層粘液細胞と腺上皮粘液細胞それぞれの粘液に固有の糖成分に対して特異的な染色法が開発され、両者を識別することが可能となっている。すなわち、表層粘液細胞はガラクトースオキシダーゼ・コールドチオニン・シッフ(GOCTS)反応で特異的に染色される粘液をもち、腺上皮粘液細胞にはコンキャナバリンAパラドキシカル染色法(Katsuyama,T.and Spicer,S.S.(1978)J.Histochem. Cytochem.26,233−250)によりIII型に分類される粘液(III型粘液)が特異的に存在することが認められている(Ota,H.et al.(1991)Histochemical J.23,22−28)。また、胃粘膜表層上皮を覆っている粘液ゲル層はGOCTS反応陽性粘液とIII型粘液が交互に積み重なった層状構造をとっていることが証明され、粘液ゲル層には表層粘液細胞と腺上皮粘液細胞から産生された粘液が含まれていることが認められている(Ota,H.etal.(1991)Histochemical J.23,22−28)。
【0004】
一方、勝山らはIII型粘液が正常組織では食道噴門腺から胃の噴門腺、副細胞、幽門腺、十二指腸のBrunner腺、Vater乳頭部の粘液腺、膵頭部膵管の粘液腺におよぶ消化管の限られた範囲の腺上皮にだけしか見いだされないのに対して、胆嚢腺腫、胆嚢癌、膵管癌等の腫瘍組織では高頻度に証明されることを明らかにした(勝山ら(1989)病理と臨床7、1217−1224)。また、Matsuzawaらは胃粘膜に認められるような組織形態、すなわち、粘膜の表層上皮にGOCTS反応に強陽性な粘液が存在し、深層部にIII型粘液が局在するといった形態は正常な膵管組織では見られないが、化生や癌化した膵管組織の中にこのような胃粘膜型の形態を呈するものが多いことを見いだし、化生と癌との関係について言及している(Matsuzawa,K.et al.(1992)Human Pathology 23,925−933)。これらの研究成果は、体液中に分泌された胃型の粘液、特に胃の腺上皮型の粘液(胃腺上皮型粘液)を測定することにより、癌疾患、もしくは、癌になる可能性についての診断のためのデータの提供が可能となることを示している。
【0005】
従来、ヒトの胃腺上皮型粘液を特異的に検出するための方法としては前記のコンキャナバリンAパラドキシカル染色法以外には知られていない。しかし、その検出法は、試料が固定標本に限られるため、分泌粘液または可溶化した粘液の測定に対しては適用することができず、また、染色の再現性を期待することができないという欠点があるため、これまで胃腺上皮型粘液を定量的に測定することはできなかった。
【0006】
【発明の開示】
本発明は、ヒトの胃腺上皮型粘液の測定に使用可能な新規なモノクローナル抗体を提供するものである。すなわち、本発明は、胃の腺上皮粘液細胞およびその分泌粘液と強い親和性を有し、かつ、表層粘液細胞およびその分泌粘液と交差性を有しない新規なモノクローナル抗体を提供するものである。
【0007】
本発明者らはヒトの胃腺上皮型粘液を認識するモノクローナル抗体について鋭意研究を重ねた結果、粘液の主要成分である粘液糖タンパク質(ムチン)を免疫抗原に用いることにより、ヒトの胃の腺上皮型粘液細胞およびその分泌粘液に対して高い特異性をもつ新規なモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマならびにそのモノクローナル抗体を得ることに成功した。
【0008】
本発明に係るモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマは以下に述べるとおり、ケラーとミルシュタインの方法(Koehler, G. and Milstein, C.(1975)Nature 256, 495-497)によって得られる。すなわち、好適な方法で調製された粘液糖タンパク質を用いて、マウスを免疫した後、このマウスの臓細胞をマウス骨髄腫細胞と融合させ、得られたハイブリドーマから目的とする抗体を産生し分泌するハイブリドーマを選別し、単離することができる。以下に本発明に係る上記のハイブリドーマならびにモノクローナル抗体の調製法および同モノクローナル抗体の特性について詳述する。
【0009】
A.抗原の単離、精製:
免疫抗原としてはヒトあるいはヒト以外の哺乳動物の胃粘膜またはBrunner腺からの抽出物を用いることができる。好適にはそれら抽出物から得られる粘液糖タンパク質を精製して用いる。例えば、ラットの胃粘膜から小原らの方法(Ohara,S.et al.(1986)Comp.Biochem.Physiol.83B,273−275)により抽出、精製した粘液糖タンパク質が用いられる。後記の実施例では、ラット胃粘膜抽出物からゲルろ過によって分子量1500000以上の画分を得、この画分からセシウムクロライド密度勾配遠心法によって糖タンパク質画分(粘液糖タンパク質含有画分)を得た。このようにして得られた粘液糖タンパク質を免疫抗原として使用した。
【0010】
B.マウスの免疫:
免疫動物として、好適には4〜8週齢のBALB/cマウスを用いることができるが、他の系のマウスも使用することができる。免疫スケジュールおよび抗原濃度は、十分な量の抗原刺激を受けたリンパ球が形成されるよう選ばれる。例えば、マウスの腹腔内に好適なアジュバンドと共に前記の粘液糖タンパク質100μg/匹を投与する。以後数日〜数週間おきに、初回免疫に使用したものと同じ抗原を数回投与する。2回目の免疫以後、眼底静脈より採血し、血液中の抗体価について検討する。抗体価の測定はELISA法により好適に行うことができる。
【0011】
C.細胞融合
免疫したマウスより脾臓を摘出し、これから脾臓単細胞懸濁液を調製する。これを適当なマウス骨髄腫細胞と適当な融合促進剤を使用して細胞融合させる。骨髄腫細胞は脾臓細胞を得た動物と同種の動物のものを用いるのが好ましく、また、抗体を産生しないものが好ましい。後記実施例においては8−アザグアニン耐性マウス骨髄腫細胞Sp2/O−Ag14(Shulman,M.et al.(1978)Nature 276,269−270)が使用された。脾臓細胞と骨髄腫細胞の使用割合は細胞数比で約20:1〜約5:1とするのが好ましい。好ましい融合促進剤としては例えば平均分子量が1000〜4000のポリエチレングリコールを有利に使用することができるが、この分野で知られている融合促進剤を使用することができる。
【0012】
D.融合した細胞の選択:
別の容器内で前記Cで得られた混合物すなわち、未融合の脾臓細胞、未融合の骨髄腫細胞および融合した細胞の混合物を、未融合の細胞を支持しない選択培地で適当な時間培養し、未融合の細胞を死滅させる。培地は薬物抵抗性(例えば8−アザグアニン抵抗性)で未融合の骨髄腫細胞を支持しないもの、例えば、HAT培地が使用される。未融合の脾臓細胞は非腫瘍性細胞なので、この選択培地中では未融合の脾臓細胞と未融合の骨髄腫細胞は、ある時間後、死滅する。融合した細胞は骨髄腫の親細胞の腫瘍性と脾臓細胞の性質とを合わせ持つため、選択培地中で生存する。
【0013】
E.各容器中のハイブリドーマの産生する抗体の確認(スクリーニング):
上記Dの培養により、ハイブリドーマの産生が確認されたウエルの培養上清を採取し、胃粘液糖タンパク質に対する免疫反応性の有無を調べる。このスクリーニングは、例えば、ELISA法により好適に行なうことができる。この免疫反応がプラスのものについて、さらに、腺上皮粘液細胞およびその分泌粘液を特異的に認識するか否かをスクリーニングする。このスクリーニングは、例えば、胃粘膜固定標本切片の免疫組織染色法により好適に行なうことができる。
【0014】
F.目的の抗体を産生するハイブリドーマのクローン化と抗体の産生:
前項Eで得られた免疫反応プラスの細胞懸濁液を適当な方法、例えば、限界希釈法でクローン化した後、所望の抗体を得るには2つの方法を用い得る。1つはハイブリドーマを一定時間、適当な培地で培養する方法であり、その培養上清からハイブリドーマの産生するモノクローナル抗体を得ることができる。第2の方法は、ハイブリドーマを同質遺伝子、または半同質遺伝子を持つマウスの腹腔に接種することである。一定時間後、接種されたマウスの血液中および腹水中より、ハイブリドーマの産生する所望のモノクローナル抗体を得ることができる。
【0015】
G.モノクローナル抗体の精製:
本発明に係るモノクローナル抗体は、ハイブリドーマ培養上清、あるいはマウスの血液中および腹水中より、広く用いられている生化学的精製法によって精製することができる。例えば、硫安塩析、イオン交換カラムクロマトグラフィー、分子ふるいカラムクロマトグラフィー、あるいはアフィニティーカラムクロマトグラフィーなどから選ばれる種々の精製法を組み合せることによって好適に行なうことができる。
【0016】
H.モノクローナル抗体の標識および標識モノクローナル抗体の利用:
上記の方法により精製したモノクローナル抗体は、広く用いられている生化学的手法によりペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、ビオチンなどを用いて、標識することができる。標識法としては、例えば、酵素の過ヨウ素酸酸化生成物を抗体と結合させる方法、グルタルアルデヒドを架橋剤に用いて酵素と抗体とを結合させる方法が用いられる。このようにして得られた標識モノクローナル抗体は免疫組織染色法、あるいは、ELISA法におけるサンドイッチアッセイ法に好適に使用できる。ELISA法については、例えば、一次抗体として本発明に係るモノクローナル抗体をELISAプレートの各ウエルに吸着させ、さらに、ウエルの未吸着部位に反応に関与しない物質(例えばスキムミルク)を吸着させた後、同ウエルに試料溶液を添加し、洗浄した後、適当な濃度の標識モノクローナル抗体溶液を添加、洗浄し、次に酵素の基質溶液を添加することにより、試料中に含まれる胃の腺上皮型粘液細胞由来の粘液糖タンパク質の定量分析を行うことが可能である。
【0017】
I.モノクローナル抗体と抗原との反応性:
本発明に係るモノクローナル抗体の抗原認識部位は、このモノクローナル抗体について構造既知の化合物に対する反応性を検討することにより調査することができるが、本発明者らは交差反応性が認められたブタの胃粘液糖タンパク質(Sigma社製)を常用の生化学的方法によって分解処理し、分解生成物から抗原活性をもつ成分を分離し、精製し、その成分を常用の物理化学的方法により分析した。抗原活性の測定は阻止試験法をELISA法に応用したCompetitive ELISA法により、好適に行なうことができる。
【0018】
以下、本発明を実施例によって説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0019】
【実施例】
実施例1
(1) 免疫用抗原の調製
SDラットより摘出した胃から胃粘膜を擦過剥離した後、Triton X−100を2%含有させた50mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.2)で抽出した。抽出物をBio−Gel A 1.5m(Bio−Rad社製)カラムを用いたゲル濾過にかけ、カラムの排除限界容量付近に溶出した画分を分取し、さらに、セシウムクロライド密度勾配遠心を行ない、比重1.4±0.4g/mlの糖タンパク質画分(粘液糖タンパク質画分)をフラクションコレクターによって採取した。
【0020】
(2) 免疫マウス脾臓細胞の調製
4週齢のBALB/c雌マウスに対し、フロイント完全アジュバンド50μl(Difco社製)および上述の方法で得られた粘液糖タンパク質抗原100μg/匹を腹腔内投与し、免疫した。以後、3週間おきにフロイント不完全アジュバンド50μl(Difco社製)および初回免疫したものと同じ粘液糖タンパク質抗原100μg/匹を腹腔内投与し、2回以降の免疫とした。2回目の免疫以後、免疫の3〜4日後に眼底静脈より採血し、血清中の抗粘液糖タンパク質抗体を、以下のELISA法にて確認した。
【0021】
ELISA法:精製粘液糖タンパク質抗原を、0.05M炭酸ナトリウム−炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH9.6)に、2μg/mlの濃度になるように溶解した後、同じ緩衝液を用いて倍数希釈系列を作製した。これらの希釈液をELISA用マイクロプレート(Corning社製)の各ウエルに100μlずつ分注し、4℃で一夜放置した。各ウエルをTween20を0.05%含有させたPBS(PBS−Tween)で3回洗浄した後、各ウエルにスキムミルクを2%含有させたPBSを満たし、1時間放置した。PBS−Tweenで3回洗浄した後、次に試料としてマウス血清の1000倍希釈液を各ウエルあたり100μl分注し、1時間反応させた。PBS−Tweenで3回洗浄した後、次に、二次抗体としてペルオキシダーゼで標識したヤギ抗マウスイムノグロブリン抗体(Tago社製)をPBSで10000倍に希釈した溶液を各ウエルに100μl加え、1時間放置した。PBS−Tweenで3回洗浄した後、次に、ABTS−Hペルオキシダーゼ基質液(Kirkegaard & Perry Laboratories社製)を各ウエルに100μl添加し、室温で30分間反応させた後、マイクロプレートリーダーで415nmの吸光度を測定した。粘液糖タンパク質の用量に依存して発色性を示すマウス血清を抗体陽性と判定した。
【0022】
粘液糖タンパク質抗原に対する抗体の確認されたマウスより脾臓を摘出した後、脾臓単細胞懸濁液を調製し、細胞融合に用いた。
【0023】
(3) マウス骨髄腫細胞の調製
8−アザグアニン耐性マウス骨髄腫細胞Sp2/O−Ag 14を正常培地〔RPMI 1640(日水製薬社製)(10.2g/リットル)に、炭酸水素ナトリウム(2.2g/リットル)、L−グルタミン(0.3g/リットル)、ゲンタマイシン(40mg/リットル)および牛胎児血清(10%V/V)を加えた培地〕を用いて37℃で、炭酸ガスインキュベーター中で培養した。
【0024】
(4) 細胞融合およびハイブリドーマの培養
脾臓細胞をマウス骨髄腫細胞Sp2/O−Ag14と細胞数比で10:1の割合で混合し、緩やかに撹拌しながら融合促進剤〔ポリエチレングリコール4000(0.5g)、ジメチルスルホキシド(0.05ml)、PBS(0.5ml)〕を加えて融合させた。37℃で90秒間インキュベートした後、培地〔RPMI 1640(日水製薬社製)(10.2g/リットル)に、炭酸水素ナトリウム(2.2g/リットル)、L−グルタミン(0.3g/リットル)およびゲンタマイシン(40mg/リットル)を加えた培地〕を液の全量が40mlになるまで徐々に加えた。遠心分離(1100rpm/10分)した後、上清を除き、HAT培地〔RPMI 1640(日水製薬社製)(10.2g/リットル)に、炭酸水素ナトリウム(2.2g/リットル)、L−グルタミン(0.3g/リットル)、ゲンタマイシン(40mg/リットル)、牛胎児血清(20%V/V)、ヒポキサンチン(100μmol/リットル)、アミノプテリン(0.4μmol/リットル)およびチミジン(16μmol/リットル)を加えた培地〕を加え、緩やかに細胞を懸濁した。この懸濁液を96穴培養プレートに分注し、5%の炭酸ガスを含む培養器中で培養した。
【0025】
(5) スクリーニングおよびクローニング
上記の96穴培養プレートにおいて、コロニー状に生育した融合細胞の認められたウエルから培養上清を一部採取し、後述のELISA法によりスクリーニングを行ない、粘液糖タンパク質抗原と反応する抗体を産生するハイブリドーマ、HIK−22とHIK−108を選別した。HIK−22とHIK−108それぞれが産生する抗体について、さらに、後述の免疫組織染色法によってスクリーニングを行ない、腺上皮粘液細胞およびその分泌粘液と反応する抗体を産生するハイブリドーマとしてHIK−108を選択した。次に、HIK−108をHT培地〔RPMI 1640(日水製薬社製)(10.2g/リットル)に、炭酸水素ナトリウム(2.2g/リットル)、L−グルタミン(0.3g/リットル)、ゲンタマイシン(40mg/リットル)、牛胎児血清(15%V/V)、ヒポキサンチン(100μmol/リットル)およびチミジン(16μmol/リットル)を加えた培地〕で1週間、次いで、正常培地〔RPMI 1640(日水製薬社製)(10.2g/リットル)に、炭酸水素ナトリウム(2.2g/リットル)、L−グルタミン(0.3g/リットル)、ゲンタマイシン(40mg/リットル)および牛胎児血清(10%V/V)を加えた培地〕で1週間継代培養した後、限界希釈法によるクローニングを2回繰り返し、HIK−1081、HIK−1082、HIK−1083の3種のハイブリドーマを得た。これらのハイブリドーマを個々に4週間、正常培地を用いて継代培養した後、各ハイブリドーマの培養上清液を後述のELISA法で分析し、最も高い発色性を示す培養上清液のハイブリドーマ、HIK−1083(工業技術院生命工学工業技術研究所:受託番号P−13622)を選択した。
【0026】
ELISA法:精製粘液糖タンパク質抗原を、0.05M炭酸ナトリウム−炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH9.6)に、1μg/mlの濃度になるように溶解した後、ELISA用マイクロプレート(Corning社製)の各ウエルに100μlずつ分注し、4℃で一夜放置した。各ウエルをTween20を0.05%含有させたPBS(PBS−Tween)で3回洗浄した後、各ウエルにスキムミルクを2%含有させたPBSを満たし、1時間放置した。PBS−Tweenで3回洗浄した後、次に試料としてハイブリドーマの培養上清液を各ウエルあたり100μl分注し、1時間反応させた。PBS−Tweenで3回洗浄した後、次に、二次抗体としてペルオキシダーゼで標識したヤギ抗マウスイムノグロブリン抗体(Tago社製)をPBSで10000倍に希釈したものを各ウエルに100μl加え、1時間放置した。PBS−Tweenで3回洗浄した後、次に、ABTS−Hペルオキシダーゼ基質液(Kirkgaard &Perry Laboratories社製)を各ウエルに100μl添加し、室温で30分間反応させた後、マイクロプレートリーダーで415nmの吸光度を測定した。ハイブリドーマの培養上清液の代りにミエローマ細胞の培養上清液を加えた以外は同様に処理したウエルに対して強く発色するウエルを選択し、発色したウエルに対応する試料を陽性と判定した。
【0027】
免疫組織染色法:ヒト胃粘膜をホルマリンで固定した後、パラフィンで包埋し、ミクロトームで切片(厚さ4μm)を作製し、スライドガラス上に固定した。同スライドガラスをキシレンに浸して脱パラフィンした後、過酸化水素を0.3%含有させたメタノールに30分間浸し、次いで、PBSに30分間浸して洗浄した。次に、この洗浄後のスライドガラス上の切片に10%ウサギ正常血清(ニチレイ社製)を付着せしめ、1時間インキュベートした後、PBSで洗浄した。次に、この洗浄後の切片に試料としてハイブリドーマの培養上清液を付着せしめ、1時間インキュベートした後、PBSで洗浄した。次に、この洗浄後の切片にビオチン標識したウサギ抗マウスIgG+IgA+IgM(H+L)(ニチレイ社製)を付着せしめ、1時間インキュベートした後、PBSで洗浄した。次に、この洗浄後の切片にペルオキシダーゼ標識ストレプトアビジン(ニチレイ社製)を付着せしめ、1時間インキュベートした後、PBSで洗浄した。次に、この洗浄後の切片をジアミノベンジジン(同仁化学研究所社製)(0.02%)、過酸化水素水(0.005%)を含有させた0.05Mトリス−塩酸緩衝液(pH7.6)中に約4分間浸し、発色させた。
【0028】
(6) アイソタイプの確認
本発明に係るモノクローナル抗体のグロブリンクラスをアイソタイピングキット(PharMingen社製)を用いたELISA法で調べた。すなわち、monoclonal rat anti−mouse IgG、monoclonal rat anti−mouse IgG2a、monoclonalrat anti−mouse IgG2b、monoclonal ratanti−mouse IgG、monoclonal rat anti−mouse IgM、monoclonal rat anti−mouseIgA、monoclonal rat anti−mouse IgL(κ)およびmonoclonal rat anti−mouse IgL(λ)の各試薬をcoating bufferを用いて5倍希釈した後、ELISA用マイクロプレート(Corning社製)の各ウエルにそれぞれ50μlずつ分注し、4℃で一夜放置した。各ウエルをTween20を0.05%含有させたPBS(PBS−Tween)で3回洗浄後、各ウエルにスキムミルクを2%含有させたPBSを満たし、1時間放置した。PBS−Tweenで3回洗浄した後、次に、各ウエルにHIK−1083(寄託番号P−13622)を正常培地〔RPMI 1640(日水製楽社製)(10.2g/リットル)に、炭酸水素ナトリウム(2.2g/リットル)、L−グルタミン(0.3g/リットル)、ゲンタマイシン(40mg/リットル)および牛胎児血清(10%V/V)を加えた培地〕で3日間培養した後の培養上清液を50μl分注し、1時間反応させた。PBS−Tweenで3回洗浄した後、次に、各ウエルにアルカリフォスファターゼで標識したpolyclonal rat anti−mouse Igs試薬を50μl加え、1時間放置した。PBS−Tweenで3回洗浄した後、次に、各ウエルにpNPP錠剤1個を基質溶解液5mlに溶解して調製した基質溶液を50μl添加し、室温で30分間反応させた。プレートを肉眼で観察した結果、monoclonal rat anti−mouse IgM試薬とmonoclonal rat anti−mouse IgL(κ)試薬で前処理した両ウエルにだけ強い黄色い発色が認められ、他のウエルは無色透明であった。これらの結果から、本発明のモノクローナル抗体はIgM抗体であり、軽鎖はκ鎖であることが確認された。
【0029】
(7) モノクローナル抗体の調製
2,6,10,14−テトラメチルペンタデカン0.5ml/匹を6週齢のBALB/c雌マウスの腹腔内に投与(プリスタン処理)し、10〜14日間飼育した。その後、同マウスの腹腔内に上述のハイブリドーマ株、HIK−1083(寄託番号P−13622)を5×10個細胞/匹、注入した。10〜21日後に貯留した腹水を採取し、遠心分離(12000rpm/20分/4℃)後、上清液を分取した。得られた上清液に40%飽和硫安濃度となるように硫安を添加して塩析した後、遠心分離(12000rpm/20分/4℃)し、沈殿物を分取した。得られた沈殿物をPBSで溶解し、4℃で2日間PBSに対して透析した後、透析内液を次のアフィニティーカラムに付した。ブタ胃粘液糖タンパク質(Sigma社製)をNaClを0.5M含有させた0.1M燐酸緩衝液(pH7.8)に溶解させた後、同緩衝液にて膨潤させたCNBr−Activated Sepharose 4B(Pharmacia社製)と混和し、カラムに充填した。カラムを同緩衝液で洗浄後、同カラムに上記の透析内液の成分を吸着させた。カラムに吸着した成分をNaClを0.5M含有させた0.2Mグリシン−塩酸緩衝液(pH2.0)で溶出した後、溶出液に3M トリス−塩酸緩衝液(pH8.5)を加え、下記の西洋ワサビペルオキシダーゼ標識反応に用いた。
【0030】
(8) モノクローナル抗体の標識
西洋ワサビペルオキシダーゼ(天野製薬社製)を蒸留水に溶解後、0.1Mメタ過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を添加し、10分間反応させた。反応液にエチレングリコールを添加した後、反応液をSephadex G−25カム(Pharmacia社製)を用いて脱塩し、過ヨウ素酸処理ペルオキシダーゼ溶液を調製した。この過ヨウ素酸処理したペルオキシダーゼ溶液とマウス腹水からアフィニティーカラムを用いて精製した上記モノクローナル抗体を混合し、室温で2時間反応させた後、0.1M水素化ホウ素ナトリウム水溶液を添加して、さらに、2時間反応させた。この反応液をSephacryl S−200HR(Pharmacia社製)カラムを用いて35の画分に分画した後、各画分を下記のELISA法で分析し、発色が認められた4画分を合一し、凍結保存した。
【0031】
ELISA法:精製粘液糖タンパク質抗原を、0.05M炭酸ナトリウム−炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH9.6)に、1μg/mlの濃度になるように溶解した後、ELISA用マイクロプレート(Corning社製)の各ウエルに100μlずつ分注し、4℃で一夜放置した。各ウエルをTween20を0.05%含有させたPBS(PBS−Tween)で3回洗浄した後、各ウエルにスキムミルクを2%含有させたPBSを満たし、1時間放置した。PBS−Tweenrで3回洗浄した後、次に、試料としてカラム溶出液(各画分)を各ウエルあたり100μl分注し、1時間反応させた。PBS−Tweenで3回洗浄した後、次に、ABTS−Hペルオキシダーゼ基質液(Kirkegaard & Perry Laboratories社製)を各ウエルに100μl添加し、室温で30分間反応させた後、マイクロプレートリーダーで415nmの吸光度を測定した。
【0032】
実施例2
モノクローナル抗体の抗原特異性
(1) 免疫組織染色法による抗原特異性の確認
実施例1で得たモノクローナル抗体のヒト胃粘膜に対する反応性を免疫組織染色法で検討した。すなわち、ヒトの胃および十二指腸の粘膜をホルマリンで固定した後、パラフィンで包埋し、ミクロトームで切片(厚さ4μm)を作製し、スライドガラス上に固定した。同スライドガラスをキシレンに浸して脱パラフィンした後、過酸化水素を0.3%含有させたメタノールに30分間浸し、次いでPBSに30分間浸して洗浄した。次に、この洗浄後のスライドガラス上の切片に10%ウサギ正常血清(ニチレイ社製)を付着せしめ、1時間インキュベートした後、PBSで洗浄した。次に、この洗浄後の切片にハイブリドーマHIK−1083(寄託番号P−13622)を正常培地〔RPMI 1640(日水製薬社製)(10.2g/リットル)に、炭酸水素ナトリウム(2.2g/リットル)、L−グルタミン(0.3g/リットル)、ゲンタマイシン(40mg/リットル)および牛胎児血清(10%V/V)を加えた培地〕で3日間培養して得た培養上清液を付着せしめ、1時間インキュベートした後、PBSで洗浄した。次に、この洗浄後の切片にビオチン標識したウサギ抗マウスIgG+IgA+IgM(H+L)(ニチレイ社製)を付着せしめ、1時間インキュベートした後、PBSで洗浄した。次に、この洗浄後の切片にペルオキシダーゼ標識ストレプトアビジン(ニチレイ社製)を付着せしめ、1時間インキュベートした後、PBSで洗浄した。次に、この洗浄後の切片をジアミノベンジジン(同仁化学研究所社製)(0.02%)、過酸化水素水(0.005%)を含有させた0.05Mトリス−塩酸緩衝液(pH7.6)中に約4分間浸し、発色させた。結果は表−1に示すごとくであった。
【0033】
【表1】
Figure 0003581160
【0034】
(2) 抗原活性成分の分析
実施例1で得たモノクローナル抗体が特異的に反応する粘液糖タンパク質抗原の分析を行った。
(a) 粘液糖タンパク質分解物の調製
Carlson,Don M.(1968)J.Biol.Chem.243,616−626に記載の方法に準拠して、ブタ胃粘液糖タンパク質(Sigma社製)を水素化ホウ素ナトリウム1Mを含む0.05M水酸化ナトリウム水溶液中で50℃、24時間加熱処理した。
【0035】
(b) 上記分解物の分離、精製
上記(a)で得られた反応液を室温まで冷却後、0.1N酢酸で平衡化したToyopearl HW−50S(東ソー社製)カラムに付し、0.5N酢酸で溶出、溶出液を40の画分に分画した。得られた各画分の抗原活性を後述のCompetitive ELISA法で検討した後、抗原活性を有し、かつ、カラムから最も遅れて溶出した画分を選定した。選定した画分を、さらに、TSKgel NH−60カラム(東ソー社製)を用いたHPLCにて70の画分に分画し、各画分の抗原活性を後述のCompetitive ELISA法で検討した。得られた70画分の中から強い抗原活性を有する3画分を選択し、これら3画分を合一して、減圧乾固した。
【0036】
Competitive ELISA法:精製粘液糖タンパク質抗原を、0.05M炭酸ナトリウム−炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH9.6)に、2μg/mlの濃度になるように溶解した後、ELISA用マイクロプレート(Corning社製)の各ウエルに100μlずつ分注し、4℃で一夜放置した。各ウエルをTween20を0.05%含有させたPBS(PBS−Tween)で3回洗浄した後、各ウエルにスキムミルクを2%含有させたPBSを満たし、1時間放置した。PBS−Tweenで3回洗浄した後、洗浄した各ウエルに、別の容器内で試料として上述の粘液糖タンパク質抗原分解物のカラム溶出液50μl、ハイブリドーマHIK−1083(寄託番号P−13622)を正常培地〔RPMI 1640(日水製薬社製)(10.2g/リットル)に、炭酸水素ナトリウム(2.2g/リットル)、L−グルタミン(0.3g/リットル)、ゲンタマイシン(40mg/リットル)および牛胎児血清(10%V/V)を加えた培地〕で3日間培養して得た培養上清液25μlおよびPBSの4倍濃縮液25μlを混合後2時間放置したものを添加し、1時間反応した。PBS−Tweenで3回洗浄した後、次に、二次抗体としてペルオキシダーゼで標識したヤギ抗マウスイムノグロブリン抗体(Tago社製)をPBSで1000倍に希釈したものを各ウエルに100μl加え、1時間放置した。PBS−Tweenで3回洗浄した後、次に、ABTS−Hペルオキシダーゼ基質液(Kirkegaard & Perry Laboratories社製)を各ウエルに100μl添加し、室温で30分間反応させた後、マイクロプレートリーダーで415nmの吸光度を測定した。試料の代わりに蒸留水を加えて上記操作を行なったウエルの反応液の吸光度に対して、より低値を示す試料について抗原活性を有する試料と判定した。
【0037】
(c) 減圧乾固物の分析
上記(b)で得られた減圧乾固物をSweeleyらの方法(Sweeley,C.C.(1963)J.Am.Chem.Soc.85,2497−2507)に従ってトリメチルシリル化した後、ガスクロマトグラフィーにより分析した。すなわち、上記減圧乾固物をHClを3%含有させたメタノール中で加熱処理した後、反応液に炭酸銀を加えてpHを5とし、次いで、この反応液に無水酢酸を加えて室温で一夜放置した。一夜放置後の反応液を遠心分離(2000rpm/5分)し、上清液を分取し、減圧乾固した。得られた濃縮残渣にTri−Sil試薬(Pierce社製)を加えて溶解、反応後、その反応液の一部をOV−1キャピラリーカラム(GLサイエンス社製)(長さ2.5m、内径0.25mm)を備えたモデルGC7Aガスクロマトグラフ(島津製作所社製)に導入し、FID(flame−ionization detector)で検出した。検出されたピークは同一分析条件で測定した標準物質のクロマトグラムと比較することにより同定した。標準物質はフコース、ガラクトース、グルコース、マンノース、N−アセチルガラクトサミン、N−アセチルグルコサミンを用い、Tri−Sil試薬(Pierce社製)と反応させることにより調製した。また、N−アセチルガラクトサミニトールはN−アセチルガラクトサミンを水素化ホウ素ナトリウムを含有させた0.2Mホウ酸緩衝液(pH9)中で還元処理した後、Tri−Sil試薬(Pierce社製)と反応させることにより調製した。その結果、上記の抗原活性画分の濃縮残渣からN−アセチルガラクトサミニトール、N−アセチルグルコサミン、フコースおよびガラクトースが検出された。
【0038】
実施例3
糖との反応性
Methyl 2−acetamido−2−deoxy−α−D−glucopyranoside(Sigma社製)とMethyl 2−acetamido−2−deoxy−β−D−glucopyranoside(Sigma社製)をそれぞれ1mg/mlの濃度になるように蒸留水を用いて溶解した後、蒸留水を用いて倍数希釈系列を作製した。これらの水溶液と実施例1で得たモノクローナル抗体との反応性を下記のCompetitive ELISA法で検討した。その結果、Methyl 2−acetamido−2−deoxy−α−D−glucopyranosideは濃度依存的に吸光度を低下させ、反応性が認められたが、Methyl 2−acetamido−2−deoxy−β−D−glucopyranosideで濃度依存的な吸光度の変化は認められなかった。
【0039】
Competitive ELISA法:精製粘液糖タンパク質抗原を、0.05M炭酸−ナトリウム−炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH9.6)に、2μg/mlの濃度になるように溶解した後、ELISA用マイクロプレート(Corning社製)の各ウエルに100μlずつ分注し、4℃で一夜放置した。各ウエルをTweeB20を0.05%含有させたPBS(PBS−Tween)で3回洗浄した後、各ウエルにスキムミルクを2%含有させたPBSを満たし、1時間放置した。PBS−Tweenで3回洗浄した後、洗浄した各ウエルに、別の容器内で試料として上記の水溶液50μl、ハイブリドーマHIK−1083(寄託番号P−13622)を正常培地〔RPMI 1640(日水製薬社製)(10.2g/リットル)に、炭酸水素ナトリウム(2.2g/リットル)、L−グルタミン(0.3g/リットル)、ゲンタマイシン(40mg/リットル)および牛胎児血清(10%V/V)を加えた培地〕で3日間培養して得た培養上清液25μlおよびPBSの4倍濃縮液25μlを混合後2時間放置したものを添加し、1時間反応した。PBS−Tweenで3回洗浄した後、次に、二次抗体としてペルオキシダーゼで標識したヤギ抗マウスイムノグロブリン抗体(Tago社製)をPBSで10000倍に希釈したものを各ウエルに100μl加え、1時間放置した。PBS−Tweenで3回洗浄した後、次に、ABTS−Hペルオキシダーゼ基質液(Kirkegaard & Perry Laboratories社製)を各ウエルに100μl添加し、室温で30分間反応させた後、マイクロプレートリーダーで415nmの吸光度を測定した。

Claims (3)

  1. ヒトの胃の腺上皮型粘液細胞が産生する粘液糖タンパク質と特異的に反応するIgMクラスモノクローナル抗体であって、 methyl 2-acetamido-2-deoxy- α -D-glucopyranoside とは反応するが、 methyl 2-acetamido-2-deoxy- β -D-glucopyranoside とは反応しない、前記抗体
  2. ヒトの胃の腺上皮型粘液細胞が産生する粘液糖タンパク質と特異的に反応するIgMクラスモノクローナル抗体であって、工業技術院生命工学工業技術研究所に受託番号P−13622として寄託されたハイブリドーマHIK−1083が産生するモノクローナル抗体と同一の抗原認識部位を有する、前記抗体。
  3. 請求項1または2に記載の抗体を産生するハイブリドーマ。
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