JPH08208698A - モノクローナル抗体 - Google Patents

モノクローナル抗体

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JPH08208698A
JPH08208698A JP7032874A JP3287495A JPH08208698A JP H08208698 A JPH08208698 A JP H08208698A JP 7032874 A JP7032874 A JP 7032874A JP 3287495 A JP3287495 A JP 3287495A JP H08208698 A JPH08208698 A JP H08208698A
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JP
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monoclonal antibody
human
malignant tumor
cells
cancer
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Application number
JP7032874A
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English (en)
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Haruhiko Inufusa
春彦 犬房
Motoyuki Suzuki
基之 鈴木
Osamu Ando
理 安藤
Masashi Kurimoto
雅司 栗本
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Hayashibara Seibutsu Kagaku Kenkyujo KK
Original Assignee
Hayashibara Biochemical Laboratories Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 悪性腫瘍に対する特異性高く、発生早期の悪
性腫瘍にも高い感受性を示すモノクローナル抗体並びに
その製造方法及び用途を提供する。 【構成】 血液凝固を阻害するとともに中性糖脂質を認
識するモノクローナル抗体と、そのモノクローナル抗体
を産生し得るハイブリドーマと、そのハイブリドーマを
培養し、培養物からモノクローナル抗体を採取してなる
モノクローナル抗体の製造方法と、上記モノクローナル
抗体を含んでなる悪性腫瘍検出剤と、被検者の血液、尿
及び/又は組織に上記モノクローナル抗体を作用せし
め、免疫反応により悪性腫瘍を検出する悪性腫瘍検査方
法を要旨とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は新規なモノクローナル
抗体に関するものであり、詳細には、血液凝固を阻害す
るとともに中性糖脂質を認識するモノクローナル抗体に
関する。
【0002】
【従来の技術】現代の医療現場においては、主としてX
線検査、超音波検査及び組織検査の結果を総合的に判断
して悪性腫瘍の診断がなされている。医療施設に依って
は、これらの検査と並行して、補助的にモノクローナル
抗体による免疫学的検査の行なわれることがある。
【0003】斯かる免疫学的検査においては、AFP、
CEA、CA125、CA19−9及びフェリチンなど
の腫瘍マーカに対するモノクローナル抗体が頻用される
が、いずれも悪性腫瘍に対する特異性が低いうえに、発
生早期の悪性腫瘍に対する感受性が充分でない欠点があ
る。すなわち、クリストフ・ワゲナーらは『ザ・ジャー
ナル・オブ・イムノロジー』、第130巻、第2,30
8乃至2,315頁(1983年)において、CEAに
対するモノクローナル抗体が腫瘍組織以外に正常な組織
や白血球にも反応したと報告している。一方、バーバラ
・エフ・アトキンソンらは『キャンサー・リサーチ』、
第42巻、第4,820乃至4,823頁(1982
年)において、CA19−9に対するモノクローナル抗
体が複数の健常人の肝臓から採取した組織のほぼ70%
に反応したと報告している。
【0004】斯くして、モノクローナル抗体を用いる免
疫学的検査は、未だ、悪性腫瘍診断の決手たり得ないの
が現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】斯かる状況に鑑み、こ
の発明の目的は悪性腫瘍に対する特異性高く、発生早期
の悪性腫瘍に対しても高い感受性を示すモノクローナル
抗体を提供することにある。
【0006】この発明の別の目的は、斯かるモノクロー
ナル抗体を産生し得るハイブリドーマを提供することに
ある。
【0007】この発明のさらに別の目的は、斯かるハイ
ブリドーマを用いるモノクローナル抗体の製造方法を提
供することにある。
【0008】この発明のさらに別の目的は、上記モノク
ローナル抗体を含んでなる悪性腫瘍検査剤を提供するこ
とにある。
【0009】この発明のさらに別の目的は、上記モノク
ローナル抗体を用いる悪性腫瘍検査方法を提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、前記第一の
目的を、血液凝固を阻害するとともに中性糖脂質を認識
するモノクローナル抗体により解決するものである。
【0011】この発明は、前記第二の目的を、斯かるモ
ノクローナル抗体を産生し得るハイブリドーマにより解
決するものである。
【0012】この発明は、前記第三の目的を、前記モノ
クローナル抗体を産生し得るハイブリドーマを培養し、
培養物からモノクローナル抗体を採取するモノクローナ
ル抗体の製造方法により解決するものである。
【0013】この発明は、前記第四の目的を、前記モノ
クローナル抗体を含んでなる悪性腫瘍検査剤により解決
するものである。
【0014】この発明は、前記第五の目的を、被検者の
血液、尿及び/又は組織に前記モノクローナル抗体を反
応せしめ、陽性反応により悪性腫瘍を検出する悪性腫瘍
検査方法により解決するものである。
【0015】
【作用】この発明のモノクローナル抗体は血液凝固を阻
害するとともに、中性糖脂質を認識する。この発明のモ
ノクローナル抗体は悪性腫瘍に対する特異性高く、発生
早期の悪性腫瘍にも高い感受性を示す。
【0016】この発明のハイブリドーマは、培養する
と、斯かるモノクローナル抗体を産生する。
【0017】この発明の製造方法により、前記モノクロ
ーナル抗体の所望量が容易に得られる。
【0018】被検者から採取した血液、尿及び/組織を
この発明の検査剤により試験すると、前記モノクローナ
ル抗体が悪性腫瘍に特異的に作用し、免疫反応を呈す
る。
【0019】被検者から採取した血液、尿及び/又は組
織をこの発明の検査方法にしたがって試験すると、前記
モノクローナル抗体が悪性腫瘍に特異的に作用し、免疫
反応を呈する。
【0020】以下、実施例等を参照しながらこの発明を
説明するに、この発明のモノクローナル抗体は血液凝固
を阻害するとともに、中性糖脂質を認識するという、従
来公知のモノクローナル抗体には見られない独特の性質
を具備している。この発明はIgMのクラスに属する後
述のモノクローナル抗体FS−02mAbを始めとし
て、斯かる性質を具備するモノクローナル抗体全般を包
含するものとし、そのクラス、出所、由来は問わない。
なお、血液凝固を阻害する性質の有無は、後述のよう
に、例えば、ヒト扁平上皮癌やヒト結腸腺癌由来の細胞
を培養し、その培養細胞又は培養上清に健常人から採取
した血漿とともにモノクローナル抗体を加えるか、加え
ることなく作用させたときに、血漿が凝固するに要する
時間を測定する。細胞の種類やモノクローナル抗体の量
に依っても変わるが、この発明のモノクローナル抗体が
共存すると、血漿の凝固に要する時間が約1.1倍以
上、通常、1.5倍以上に延長される。一方、この発明
のモノクローナル抗体が認識する中性糖脂質は本質的に
糖質と脂質が共有結合してなり、一般に、ジエチルアミ
ノエチル基などの陰イオン性解離基を有するイオン交換
体に親和性を示さない。そして、その糖質部分は、通
常、フコース、ガラクトース、N−アセチルグルコサミ
ン及びグルコースを含んでなる。
【0021】この発明のモノクローナル抗体は、例え
ば、次のようにして得ることができる。すなわち、ま
ず、中性糖脂質を含む抗原により哺乳動物を免疫感作
し、その哺乳動物から脾細胞を採取する。哺乳動物に
は、通常、マウスが使用されるが、この発明のモノクロ
ーナルを産生し得るハイブリドーマが得られるかぎり、
マウスに限定されない。抗原には中性糖脂質又はその中
性糖脂質を含む細胞若しくは細胞破砕物を使用し得る
が、通常、細胞そのもの、望ましくは、ヒト扁平上皮癌
又はヒト結腸腺癌由来の細胞、さらに望ましくは、犬房
らが『ヒューマン・セル』、第5巻、第3号、第287
乃至291頁(1992年)に報告しているヒト扁平上
皮癌由来のLK−52細胞やヒト結腸腺癌由来の、例え
ば、DLD−1細胞(ATCC CCL221)やCO
LO201細胞(ATCC CCL224)が好適であ
る。哺乳動物の種類に依っても変わるが、通常、斯かる
細胞を約105乃至108個/匹/回の接種量で、2日乃
至5週間の間隔を置いて2乃至7回接種すれば所期の免
疫感作が得られる。
【0022】つぎに、斯くして得られた抗体産生細胞と
しての脾細胞と自立増殖能を有する細胞を細胞融合さ
せ、生成するハイブリドーマからこの発明のモノクロー
ナル抗体を産生するクローンを選択する。自立増殖能を
有する細胞とは、培養培地又はヒト以外の温血動物体内
で半永久的に増殖し続ける哺乳動物由来の細胞を意味
し、通常、P3−NS1−Ag4−1細胞(ATCC
TIB18)、P3−X63−Ag8細胞(ATCC
TIB9)及びSP2/O−Ag14細胞(ATCC
CRL1581)などのマウス骨髄腫由来の細胞株又は
その変異株が使用される。この発明のモノクローナル抗
体を産生するクローンは、斯くして得られるハイブリド
ーマを、必要に応じて、例えば、限界希釈法などにより
適宜希釈した後、培養し、その培養物中のモノクローナ
ル抗体を血液凝固の阻害及び中性糖脂質の認識を指標に
してクローニングすることにより得ることができる。
【0023】斯くして得られたハイブリドーマは、生体
内外で培養すると、この発明のモノクローナル抗体を産
生する。培養には、斯界において慣用の方法が用いら
れ、例えば、生体外の培養培地で培養したときには、そ
の培養物からモノクローナル抗体を採取すればよく、一
方、ヒト以外の温血動物を利用して培養したときには、
その腹水及び/又は血液からモノクローナル抗体を採取
すればよい。後述のハイブリドーマFS−02(FER
M P−14681)は生体内外で容易に培養でき、し
かも、モノクローナル抗体の産生能も高いので、この発
明によるモノクローナル抗体の製造に有利に用い得る。
培養物又は腹水若しくは血液からモノクローナル抗体を
採取するには、モノクローナル抗体一般を精製するため
の斯界における慣用の方法が用いられる。個々の方法と
しては、例えば、塩析、透析、濾過、濃縮、ゲル濾過ク
ロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、ア
フィニティークロマトグラフィー、吸着クロマトグラフ
ィー、逆相クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラ
フィー、ゲル電気泳動及び等電点電気泳動を挙げること
ができ、これらは必要に応じて組合せて適用される。精
製したモノクローナル抗体は、その後、濃縮・乾燥し、
用途に応じて液状又は固状とする。
【0024】この発明のモノクローナル抗体は、悪性腫
瘍の検査を必要とする諸分野に広範な用途を有する。す
なわち、適宜の放射性同位元素、酵素及び/又は蛍光物
質により標識したこの発明のモノクローナル抗体は、公
知の方法、例えば、競合法、非競合法によるラジオイム
ノアッセイ、エンザイムイムノアッセイ又は蛍光イムノ
アッセイなどの標識イムノアッセイによる悪性腫瘍の検
査剤として有用である。斯かる検査剤は、イーディー・
ハーロー、デビット・レインら編、『アンタイボディズ
・ア・ラボラトリー・マニュアル』、1988年、コー
ルド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー発行に記載
された方法に準じて得ることができる。
【0025】前述のとおり、この発明のモノクローナル
抗体は従来公知のものと比較して悪性腫瘍に対する特異
性高く、しかも、発生早期の悪性腫瘍にも高い感受性を
示す。したがって、この発明による悪性腫瘍の検査剤及
び検査方法は、医療現場等における悪性腫瘍の検査にき
わめて有用である。検査そのものはモノクローナル抗体
を用いる通常一般の免疫学的検査と同様であり、通常、
被検者から採取した血液、尿及び/又は組織にこの発明
による検査剤を作用させた後、染色、放射能及び/又は
蛍光により免疫反応を検出して悪性腫瘍の有無を判定す
る。
【0026】この発明のモノクローナル抗体は、いわゆ
る、悪性腫瘍のミサイル療法にも有用である。すなわ
ち、この発明のモノクローナル抗体に、必要に応じて、
血清アルブミン、ポリ−L−グルタミン酸、デキストラ
ン、プルラン又はエルシナンなどの中間支持体を介し
て、例えば、ブレオマイシン、マイトマイシンC、シク
ロフォスファミド、アクラルビシン、アドリマイシン、
メトトレキセート、ダウノマイシン、植物由来のリシ
ン、ジフテリア毒素などの抗腫瘍剤や毒素を結合させて
悪性腫瘍に罹患した患者に投与するときには、これら抗
腫瘍剤又は毒素単独では容易に達成し得ない顕著な治療
効果が達成される。
【0027】以下に、実施例に基づきこの発明を説明す
るが、斯界において、斯かる実施例は多種多様に改変可
能である。斯かる状況に鑑み、この発明が下記の実施例
のみに限定されないことは言うまでもない。
【0028】
【実施例1 ハイブリドーマFS−02の調製】
【0029】
【実施例1−1 細胞融合】8週齢の雌BALB/cマ
ウスの腹腔内に、ヒト扁平上皮癌由来のLK−52細胞
を約1×107個/匹/回の接種量で2週間ごとに4回
注射した。最後の注射から3日目にマウスから脾臓を摘
出し、血清無含有のRPMI1640培地(pH7.
4)により分散・洗浄した。
【0030】別途、マウス骨髄腫由来のSp2/O−A
g14細胞(ATCC CRL1581)を血清無含有
のRPMI1640培地(pH7.4)20mlに細胞
密度約1.5×106個/mlになるように浮遊させ、
浮遊液に上記で調製したマウス脾細胞を約8×106
/ml含む血清無含有のRPMI1640培地(pH
7.4)を20ml加え、暫時静置した後、遠心分離し
た。沈澱した細胞を採取し、よくほぐした後、50%
(w/v)ポリエチレングリコール5000を含むRP
MI1640培地(pH7.4)を1ml加え、37℃
で2分間インキュベートした。1分後、反応物の全量が
40mlになるまで血清無含有のRPMI1640培地
(pH7.4)を滴々加え、細胞融合を完了した。
【0031】反応物を遠心分離して採取したハイブリド
ーマを10%(v/v)牛胎児血清を含むRPMI16
40培地(pH7.4)40mlに浮遊させ、5%CO
2インキュベータ中、37℃で24時間培養後、常法に
したがってハイブリドーマをHAT培地に移し、96ウ
ェルマイクロプレートに0.2ml/ウェルずつ分注
し、5%CO2インキュベータ中、37℃で培養した。
この状態で10日間培養したところ、ほとんど全てのウ
ェルにおいてハイブリドーマの生育が観察された。
【0032】
【実施例1−2 中性糖脂質の調製】常法にしたがっ
て、ヒト扁平上皮癌由来のLK−52細胞を5%(v/
v)牛胎児血清を補足したRPMI1640培地(pH
7.4)を使用し、5%CO2インキュベータ中、37
℃で10日間単層培養した。培養物をEDTA−トリプ
シンで処理した後、遠心分離して細胞を採取し、5倍容
のイソプロパノール/ヘキサン/水混液(混合比55:
25:20で混和して得られる下層部)に浮遊させ、常
法にしたがってホモゲナイザ及び超音波破砕機により破
砕した後、遠心分離して上清と沈澱部を分離した。分離
した沈澱部を5倍容のイソプロパノール/ヘキサン/水
混液(混合比55:25:20で混和して得られる下層
部)に浸漬し、室温下で一晩静置して抽出後、遠心分離
し、上清を採取する一方、新たに生じた沈澱部を5倍容
のクロロホルム/メタノール混液(混合比2:1)に移
し、上記と同様に抽出後、遠心分離した。得られた上清
を採取するとともに、沈澱部を5倍容のクロロホルム/
メタノール混液(混合比1:1)でさらに抽出し、遠心
分離して上清を採取した。
【0033】以上のようにして得られた4種類の上清を
プールし、エバポレータにより乾固した後、クロロホル
ム/メタノール/水混液(混合比1:2:0.8)に溶
解し、溶液を分液ロートにとり、0.9%(w/v)塩
化ナトリウム水溶液及びクロロホルムをそれぞれ等量ず
つ加え、暫時静置した後、有機層を採取した。この有機
層に除去した水層と等量のクロロホルム/メタノール/
水混液(混合比1:50:49)を加え、上記と同様に
処理した後、新たに生じた有機層を回収した。この有機
層をエバポレータにより乾固し、得られた糖脂質を含む
固状物をクロロホルム/メタノール/水混液(混合比3
0:60:8)に溶解し、溶液を予め新鮮な同一混液で
平衡化しておいた東ソー製イオン交換クロマトグラフィ
ー用ゲル『DEAE−トヨパール』150mlのカラム
に負荷した。カラムに5倍量の新鮮な同一混液を通液
し、溶出液を回収し、エバポレータで乾固させたとこ
ろ、粗中性糖脂質が細胞湿重量1g当たり約0.06g
の収率で得られた。
【0034】粗中性糖脂質の一部をとり、少量のクロロ
ホルム/メタノール混液(混合比1:1)に溶解し、溶
液をワットマン製薄層クロマトグラフィー用プレート
『ダイアモンドK6Fプレート』にスポットし、クロロ
ホルム/メタノール/0.2%(w/v)塩化カルシウ
ム水溶液(混合比60:35:8)により展開した。プ
レートを乾燥し、Rf0.15乃至0.25に相当する
部分のゲルを掻取り、クロロホルム/メタノール混液
(混合比1:1)に暫時浸漬した後、上清を採取した。
残渣をメタノール/水混液(混合比95:1)により同
様に抽出し、上清を採取する一方、残渣を水で2回抽出
した。すべての上清をプールし、エバポレータにより乾
固し、クロロホルム/メタノール混液(混合比2:1)
に溶解し、溶液をダイアヤトロン製クロマトグラフィー
用ゲル『イアトロビーズ』により夾雑シリカゲルを除去
したところ、精製中性糖脂質約0.1mgを含む溶液が
得られた。
【0035】精製中性糖脂質の一部をとり、常法にした
がってエンドグリコセラミダーゼにより糖質部分と脂質
部分とを切断した後、その糖質部分につき、ヒロシ・タ
ケモトらが『アナリティカル・バイオケミストリー』、
第145巻、第245乃至250頁(1985年)に報
告している方法に準じて分析したところ、フコース、ガ
ラクトース、N−アセチルガラクトサミン及びグルコー
スを含んでなることが判明した。
【0036】
【実施例1−3 ハイブリドーマFS−02のクローニ
ング】実施例1−2で調製した粗中性糖脂質を適量と
り、エチルアルコールに0.5μg/mlになるように
溶解した。溶液を96ウェルマイクロプレートに100
μl/ウェルずつ分注し、減圧乾固し、0.3M蔗糖水
溶液を100μl/ウェルずつ加え、室温下にて10分
間静置した後、吸引により蔗糖水溶液を除去した。マイ
クロプレートに実施例1−1で調製したハイブリドーマ
の培養上清を100μl/ウェルずつとり、室温下で6
0分間静置し、吸引によりウェル内の溶液を除去した
後、0.05%(v/v)ツイーン20を含むPBSに
よりウェル内を繰返し洗浄した。
【0037】つぎに、マイクロプレートに西洋ワサビ由
来のパーオキシダーゼで標識した濃度2μg/mlのウ
サギ由来の抗マウスイムノグロブリン抗体を50μl/
ウェル加え、室温下で3時間振盪し、吸引によりウェル
内の溶液を除去し、0.05%(v/v)ツイーン20
を含むPBSによりウェル内を繰返し洗浄した後、0.
5mg/ml o−フェニレンジアミンと0.03%
(w/v)過酸化水素を含む0.1Mクエン酸−燐酸緩
衝液(pH5.0)を100μl/ウェルずつ加え、室
温下で15分間反応させた。マイクロプレートに2N硫
酸を100μl/ウェルずつ加えて反応を停止させた
後、490nmにおける反応物の吸光度を測定し、吸光
度約0.3以上の培養上清を与えたハイブリドーマを選
別した。
【0038】このようにして一次スクリーニングして得
た96株のハイブリドーマをそれぞれ別個に10%(v
/v)牛胎児血清を補足したRPMI1640培地(p
H7.4)に接種し、5%CO2インキュベータ中、3
7℃で24時間培養後、遠心分離により上清を採取し
た。得られた96種類の培養上清につき、粗中性糖脂質
に代えて上記で調製した精製中性糖脂質を濃度0.1μ
g/mlにして用いた以外、上記と同様に二次スクリー
ニングしたところ、ハイブリドーマFS−02が、後述
のとおり、血液凝固を阻害するとともにLK−52細胞
由来の中性糖脂質を認識するモノクローナル抗体を産生
することが判明した。なお、ハイブリドーマFS−02
は、平成6年12月1日より、寄託番号FERM P−
14681で茨城県つくば市東1丁目1番3号にある通
商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所、特許微生
物寄託センターに寄託されている。
【0039】
【実施例2 モノクローナル抗体FS−02mAbの調
製】実施例1で調製したハイブリドーマFS−02を1
0%(v/v)牛胎児血清を補足したRPMI1640
培地(pH7.4)に接種し、逐次スケールアップしな
がら5%CO2インキュベータ中、37℃で培養した。
所期の細胞密度に達した時点で、ハイブリドーマFS−
02を予めプリスタンを投与しておいた10週齢のBA
LB/cマウスの腹腔内に約1×107個/匹接種し、
7日間、通常の方法で飼育した。
【0040】その後、マウスの腹腔内から腹水を採取
し、50%飽和硫酸アンモニウムにより塩析し、生成し
た沈澱を採取し、0.15M塩化ナトリウムを含む20
mM燐酸緩衝液(pH6.8)に溶解し、溶液を新鮮な
同一緩衝液に対して4℃で一晩透析した後、透析内液を
採取した。これを予め0.15M塩化ナトリウムを含む
100mM燐酸緩衝液(pH6.8)により平衡化して
おいた生化学工業製吸着クロマトグラフィー用ゲル『ギ
ガパイト』のカラムに負荷し、カラムを新鮮な同一緩衝
液で洗浄した後、0.15M塩化ナトリウムを含む15
0mM燐酸緩衝液(pH6.8)を通液した。溶出液か
らモノクローナル抗体を含む画分を採取し、PBSに対
して4℃で一晩透析して精製モノクローナル抗体FS−
02mAbを含む水溶液を得た。収量は、マウス1匹当
たり5mgであった。なお、オクタロニー法により試験
したところ、モノクローナル抗体FS−02mAbはI
gMのクラスに属していた。
【0041】
【実施例3 モノクローナル抗体FS−02mAbの理
化学的性質】
【0042】
【実施例3−1 血液凝固の阻害】実施例2の方法によ
り得たモノクローナル抗体FS−02mAbを適量と
り、PBSに濃度200μg/mlになるように溶解し
た。別途、常法にしたがってヒト扁平上皮癌由来のLK
−52細胞を単層培養し、培養後、傾瀉により上清を採
取した。この上清をプラスチック容器に25μlずつと
り、上記モノクローナル抗体溶液を25μlずつ加え、
37℃で10分間インキュベートした。その後、正常ヒ
ト血漿を50μlずつ加え、37℃でさらに1分間イン
キュベートし、25mM塩化カルシウム水溶液を50μ
lずつ加え、血漿が凝固するに要する時間を血液凝固自
動測定装置により測定した。
【0043】別途、ヒト結腸腺癌由来のDLD−1細胞
(ATCC CCL221)及びCOLO201細胞
(ATCC CCL224)を単層培養し、50mM
EDTAにより培養物から細胞を採取し、ハンクス液に
細胞密度約2×105個/25μlになるように浮遊さ
せた。LK−52細胞の培養上清に代えてこれらの細胞
浮遊液を用いた以外、上記と同様にして血漿が凝固する
に要する時間を測定した。合わせて、モノクローナル抗
体FS−02mAbを加えない系をそれぞれ設け、上記
と同様に処置して対照とした。結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】表1の結果に見られるように、モノクロー
ナル抗体FS−02mAbが共存しないときの血漿凝固
時間が、LK−52細胞の場合約30秒、DLD−1細
胞の場合約25秒、COLO201細胞の場合約40秒
であったところ、モノクローナル抗体FS−02mAb
を共存せしめると、血漿凝固に要する時間が、それぞ
れ、約70秒、約80秒又は約70秒に延長された。こ
のことは、特定の癌細胞又はその培養上清の存在下にお
いて、この発明のモノクローナル抗体に健常人の血漿が
凝固するのを阻害する作用、すなわち、血液凝固を阻害
する作用のあることを示している。
【0046】
【実施例3−2 中性糖脂質の認識】実施例1−2の方
法により得た精製中性糖脂質を適量とり、実施例1−2
と同様にしてシリカゲルプレート上に展開した。プレー
トを乾燥し、0.4%(w/v)ポリイソブチルメタク
リル酸を含むクロロホルム/ヘキサン混液(混合比2
1:4)50mlに室温下で1分間浸漬し、乾燥後、実
施例2の方法により得た10μg/mlモノクローナル
抗体FS−02mAb、大日本製薬製ブロッキング剤
『ブロックエース』0.4%(w/v)、0.05%
(v/v)ツイーン20及び0.2M塩化ナトリウムを
含む50mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.5)に室温
下で1.5時間浸漬した。滅菌蒸留水を噴霧して洗浄
し、西洋ワサビパーオキシダーゼで標識したウサギ由来
の抗マウスイムノグロブリン抗体2μg/mlを含む溶
液に室温下で2時間浸漬し、滅菌蒸留水を噴霧して洗浄
した後、15mgジメチルアミノベンチジン、8μl過
酸化水素水及び0.2M塩化ナトリウムを含む50mM
トリス−塩酸緩衝液(pH7.5)に室温下で1分間浸
漬して染色した。
【0047】その結果、実施例1−2で得た精製中性糖
脂質に相当するRf0.20±0.05のバンドのみが
顕著に染色された。このことは、モノクローナル抗体F
S−02mAbが糖質部分にフコース、ガラクトース、
N−アセチルグルコサミン及びグルコースを含んでなる
中性糖脂質を認識することを裏付けている。
【0048】
【実施例3−3 悪性腫瘍由来の細胞株に対する反応
性】実施例2の方法により得たモノクローナル抗体FS
−02mAbにつき、谷口克編集『実験医学』、第6
巻、第10号、第89乃至98頁(1988年)に報告
されている間接蛍光抗体法及びフローサイトメトリー法
により、表2に示す16種類の悪性腫瘍由来のヒト細胞
株と4種類の正常ヒト線維芽細胞又は正常ヒト細胞株に
対する反応性を試験した。結果を表2に示す。
【0049】
【表2】
【0050】表2の結果に見られるように、モノクロー
ナル抗体FS−02mAbは試験に供した悪性腫瘍細胞
株16株すべてに顕著な反応性を示しながらも、正常な
ヒト線維芽細胞乃至ヒト細胞株にはまったく反応しなか
った。このことは、この発明のモノクローナル抗体が悪
性腫瘍のみに特異的に反応することを示唆している。
【0051】
【実施例3−4 悪性腫瘍組織に対する反応性】実施例
2の方法により得たモノクローナル抗体FS−02mA
bにつき、スー−ミン・スーらが『ザ・ジャーナル・オ
ブ・ヒストケミストリー・アンド・サイトケミストリ
ー』、第29巻、第577乃至580頁(1981年)
に報告しているアビジン/ビオチン/パーオキシダーゼ
法により、肺癌、乳癌、食道癌、胃癌、膵臓癌、大腸癌
又は膀胱癌に罹患した患者から採取した腫瘍組織に対す
る反応性を試験した。胃癌、膀胱癌、大腸癌及び乳癌に
ついては、進行度の相違する腫瘍組織をそれぞれ4種類
ずつ準備し、上記と同様に試験した。結果を表3に示
す。結果は陽性率(%)をもって判定することとし、そ
の陽性率は個々の検査系に参加した被検者数に対する陽
性者数の百分率とする。
【0052】
【表3】
【0053】表3に見られるように、モノクローナル抗
体FS−02mAbは悪性腫瘍患者から採取した腫瘍組
織のみに顕著に反応しつつ、その周囲の正常組織には実
質的に反応しなかった。また、モノクローナル抗体FS
−02mAbは、従来、モノクローナル抗体による検出
が難しいとされてきた発生早期の悪性腫瘍にも顕著に反
応した。
【0054】これらの事実は、この発明のモノクローナ
ル抗体が悪性腫瘍に対する特異性高く、発生早期の悪性
腫瘍に対しても高い感受性を示すことを裏付けている。
なお、モノクローナル抗体FS−02mAbは、弱いな
がら、胃又は十二指腸の粘膜基底部及び気管支粘液腺の
細胞の一部に反応したが、これは、悪性腫瘍の検査を妨
げるようなものではなかった。
【0055】
【実施例4 悪性腫瘍検査剤】実施例2の方法により得
たモノクローナル抗体FS−02mAbを適量とり、P
BSに20μg/mlになるように溶解した。溶液をエ
ンザイムイムノアッセイ用マイクロプレートに100μ
l/ウェルずつ分注し、室温下で3時間静置した。ウェ
ルから溶液を除去し、0.05%(v/v)ツイーン2
0を含むPBSで洗浄し、1%(v/v)牛胎児アルブ
ミンを含むPBSを100μl/ウェル加え、4℃で一
晩静置してモノクローナル抗体をブロッキングした後、
PBSを除去して固相抗体を得た。
【0056】別途、ウサギの静脈にヒト扁平上皮癌由来
のLK−52細胞を約1×106個/匹/回、2週間お
きに4回注射投与した。最後の注射から1週間後に採血
し、血清を採取した。血清を予め0.1m燐酸緩衝液
(pH8.0)により平衡化しておいたファルマシア製
アフィニティークロマトグラフィー用カラム『プロテイ
ンAセファロース4ファーストフローカラム』に負荷
し、カラムに0.1Mグリシン−塩酸緩衝液(pH3.
0)を通液して得られる溶出液をPBSに対して透析し
てポリクローナル抗体を得た。このポリクローナル抗体
を佐内豊『実験医学』、第6巻、第925乃至931頁
(1988年)に報告されている過沃素酸酸化方法によ
り西洋ワサビ由来のパーオキシダーゼで標識し、予めP
BSで平衡化させておいたファルマシア製『セファクリ
ルS−300HR』を用いるゲル濾過クロマトグラフィ
ーにより精製して標識抗体とした。
【0057】このようにして得た固相抗体及び標識抗体
を組合せてなる検出剤は、悪性腫瘍に罹患した患者の血
液、尿及び組織に作用させると、染色剤としてのo−フ
ェニレンジアミンの存在下で顕著な染色を呈する。した
がって、本例の検査剤は、肺癌、乳癌、食道癌、胃癌、
膵臓癌、大腸癌、膀胱癌及び肝臓癌を含む悪性腫瘍一般
の免疫学的検査にきわめて有用である。
【0058】
【実施例5 悪性腫瘍検査剤】実施例2の方法により得
たモノクローナル抗体FS−02mAbを適量とり、P
BSに10μg/mlになるように溶解した。溶液に住
友ベークライト製ラジオイムノアッセイ用ポリスチレン
ビーズを約5個/mlの割合で加え、室温下で2時間静
置してポリスチレンビーズにモノクローナル抗体を結合
させた後、ポリスチレンビーズを1%(v/v)牛血清
アルブミンを含むPBSで繰返し洗浄してラジオイムノ
アッセイ用固相抗体を得た。別途、実施例4の方法によ
り得たポリクローナル抗体をボルトン−ハンター法によ
り放射性同位元素125Iで標識して標識抗体とした。
【0059】このようにして得た固相抗体及び標識抗体
を組合せてなる検出剤は、悪性腫瘍に罹患した患者の血
液、尿及び組織に作用させると、ポリスチレンビーズに
顕著な放射能を呈する。したがって、本例の検査剤は、
肺癌、乳癌、食道癌、胃癌、膵臓癌、大腸癌、膀胱癌及
び肝臓癌を含む悪性腫瘍一般の免疫学的検査にきわめて
有用である。
【0060】つぎに、実施例4乃至5による悪性腫瘍検
査剤を用いて行った悪性腫瘍検査について述べる。
【0061】
【検査例1 血液を被検体とする悪性腫瘍検査】健常人
4名、胃癌患者10名及び大腸癌患者6名からそれぞれ
採血し、血清を分離した。通常のエンザイムイムノアッ
セイに準じてこれら血清に実施例4の方法により得た悪
性腫瘍検査剤を作用させた後、o−フェニレンジアミン
で染色した。
【0062】その結果、実施例4による悪性腫瘍検査剤
は、健常人の血清にまったく反応することなく、胃癌患
者及び大腸癌患者から採取した血清に対して、それぞ
れ、60%又は50%の陽性率を示した。
【0063】
【検査例2 尿を被検体とする悪性腫瘍検査】健常人2
0名、胃癌患者20名、大腸癌患者17名、乳癌患者6
名及び肺癌患者6名から尿を採取した。通常のライジオ
イムノアッセイに準じてこれら尿に実施例5の方法によ
り得た悪性腫瘍検査剤を作用させた後、ガンマカウンタ
によりポリスチレンビーズの放射能を測定した。
【0064】その結果、実施例5による悪性腫瘍検査剤
は、健常人、胃癌患者、大腸癌患者、乳癌患者及び肺癌
患者の尿に対して、それぞれ、10%、75%、59
%、50%又は67%の陽性率を示した。
【0065】
【発明の効果】叙上のように、この発明のモノクローナ
ル抗体は悪性腫瘍に対する特異性高く、発生早期の悪性
腫瘍に対しても高い感受性を示す。これにより、この発
明のモノクローナル抗体は、医療現場等において、悪性
腫瘍の検査やミサイル療法による悪性腫瘍の治療に格別
な効果を発揮する。斯くも有用なるモノクローナル抗体
は、ハイブリドーマを用いるこの発明の製造方法によ
り、所望量を容易に得ることができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年2月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】つぎに、斯くして得られた抗体産生細胞と
しての脾細胞と自己増殖能を有する細胞を細胞融合さ
せ、生成するハイブリドーマからこの発明のモノクロー
ナル抗体を産生するクローンを選択する。自己増殖能を
有する細胞とは、培養培地又はヒト以外の温血動物体内
で半永久的に増殖し続ける哺乳動物由来の細胞を意味
し、通常、P3−NS1−Ag4−1細胞(ATCC
TIB18)、P3−X63−Ag8細胞(ATCC
TIB9)及びSP2/O−Ag14細胞(ATCC
CRL1581)などのマウス骨髄腫由来の細胞株又は
その変異株が使用される。この発明のモノクローナル抗
体を産生するクローンは、斯くして得られるハイブリド
ーマを、必要に応じて、例えば、限界希釈法などにより
適宜希釈した後、培養し、その培養物中のモノクローナ
ル抗体を血液凝固の阻害及び中性糖脂質の認識を指標に
してクローニングすることにより得ることができる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】以下、実施例に基づきこの発明を説明する
が、斯界において、斯かる実施例は多種多様に改変可能
である。斯かる状況に鑑み、この発明が下記の実施例の
みに限定されないことは言うまでもない。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】反応物を遠心分離して採取したハイブリド
ーマを10%(v/v)牛胎児血清を含むRPMI16
40培地(pH7.4)40mlに浮遊させ、5%CO
2 インキュベータ中、37℃で24時間培養後、常法に
したがってハイブリドーマをHAT培地に移し、96ウ
ェルマイクロプレートに0.2ml/ウェルずつ分注
し、5%CO2 インキュベータ中、37℃で培養した。
この状態で10日間培養したところ、ほとんど全てのウ
ェルにおいてハイブリドーマの生育が観察された。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0056
【補正方法】変更
【補正内容】
【0056】別途、ウサギの静脈にヒト扁平上皮癌由来
のLK−52細胞を約1×106 個/匹/回、2週間お
きに4回注射投与した。最後の注射から1週間後に採血
し、血清を採取した。血清を予め0.1mM燐酸緩衝液
(pH8.0)により平衡化しておいたファルマシア製
アフィニティークロマトグラフィー用カラム『プロテイ
ンAセファロース4ファーストフローカラム』に負荷
し、カラムに0.1Mグリシン−塩酸緩衝液(pH3.
0)を通液して得られる溶出液をPBSに対して透析し
てポリクローナル抗体を得た。このポリクローナル抗体
を佐内豊『実験医学』、第6巻、第925乃至931頁
(1988年)に報告されている過沃素酸酸化法により
西洋ワサビ由来のパーオキシダーゼで標識し、予めPB
Sで平衡化させておいたファルマシア製『セファクリル
S−300HR』を用いるゲル濾過クロマトグラフィー
により精製して標識抗体とした。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12P 21/08 G01N 33/534 33/535 33/574 B 33/577 B // A61K 39/395 T (C12P 21/08 C12R 1:91)

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 血液凝固を阻害するとともに中性糖脂質
    を認識するモノクローナル抗体。
  2. 【請求項2】 中性糖脂質における糖質部分がフコー
    ス、ガラクトース、N−アセチルグルコサミン及びグル
    コースを含んでなる請求項1に記載のモノクローナル抗
    体。
  3. 【請求項3】 下記の性質を有する請求項1又は2に記
    載のモノクローナル抗体。 (1) ヒト結腸癌由来のWiDr細胞(ATCC C
    CL218)、COLO201細胞(ATCC CCL
    224)及びDLD−1細胞(ATCC CCL22
    1)、ヒト胃癌由来のKATOIII細胞(ATCC
    HTB103)並びにヒト乳癌由来のSK−BR−3細
    胞(ATCC HTB30)及びMCF7細胞(ATC
    C HTB22)に反応する。 (2) ヒト胃癌、ヒト大腸癌、ヒト乳癌、ヒト肺癌、
    ヒト食道癌、ヒト膵臓癌及びヒト膀胱癌に反応する。 (3) 正常なヒト胃及びヒト十二指腸の粘膜基底部の
    粘液腺並びにヒト気管支の粘液腺と弱いながら反応す
    る。 (4) 正常なヒト肺及びヒト大腸の線維芽細胞に反応
    しない。
  4. 【請求項4】 IgMのクラスに属する請求項1、2又
    は3に記載のモノクローナル抗体。
  5. 【請求項5】 モノクローナル抗体がFS−02mAb
    である請求項1、2、3又は4に記載のモノクローナル
    抗体。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5に記載のモノクローナル
    抗体を産生し得るハイブリドーマ。
  7. 【請求項7】 ハイブリドーマがFS−02(FERM
    P−14681)である請求項6に記載のハイブリド
    ーマ。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至5に記載のモノクローナル
    抗体を産生し得るハイブリドーマを培養し、培養物から
    モノクローナル抗体を採取するモノクローナル抗体の製
    造方法。
  9. 【請求項9】 培養物から塩析、透析、濾過、濃縮、ゲ
    ル濾過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフ
    ィー、アフィニティークロマトグラフィー、吸着クロマ
    トグラフィー、逆相クロマトグラフィー、高速液体クロ
    マトグラフィー、ゲル電気泳動及び/又は等電点電気泳
    動によりモノクローナル抗体を採取する請求項8に記載
    のモノクローナル抗体の製造方法。
  10. 【請求項10】 ハイブリドーマがFS−02(FER
    M P−14681)である請求項8又は9に記載のモ
    ノクローナル抗体の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至5に記載のモノクローナ
    ル抗体を含んでなる悪性腫瘍検査剤。
  12. 【請求項12】 モノクローナル抗体が放射性同位元
    素、酵素及び/又は蛍光物質で標識されている請求項1
    1に記載の悪性腫瘍検査剤。
  13. 【請求項13】 被検者の血液、尿及び/又は組織に請
    求項1乃至5に記載のモノクローナル抗体を作用せし
    め、免疫反応により悪性腫瘍を検出する悪性腫瘍検査方
    法。
  14. 【請求項14】 モノクローナル抗体が放射性同位元
    素、酵素及び/又は蛍光物質で標識されている請求項1
    3に記載の悪性腫瘍検査方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007114634A1 (en) * 2006-04-03 2007-10-11 Korea Research Instititute Of Bioscience And Biotechnology Monoclonal specific to human neural precursor cell and its use
KR101133244B1 (ko) * 2008-08-01 2012-04-05 한국생명공학연구원 인간 신경전구체세포 및 뇌종양 세포에서 과발현되는당사슬 항원결정기

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