JPH09500965A - 膀胱癌の浸潤性の測定方法 - Google Patents

膀胱癌の浸潤性の測定方法

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JPH09500965A JP7505340A JP50534095A JPH09500965A JP H09500965 A JPH09500965 A JP H09500965A JP 7505340 A JP7505340 A JP 7505340A JP 50534095 A JP50534095 A JP 50534095A JP H09500965 A JPH09500965 A JP H09500965A
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urine
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エル. フートン,レイモンド
アッケン,モーガン バン
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バード ダイアグノスティック サイエンシズ,インコーポレイティド
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Abstract

(57)【要約】 (基底膜成分を含む)複合体及びそれらのポリペプチド成分が膀胱癌の浸潤性に関係することが発見された。免疫学的又は非免疫学的方法による尿サンプル中のこのような複合体又は構成成分の検出は膀胱癌の浸潤性の測定を可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】 膀胱癌の浸潤性の測定方法 技術分野 本発明は、一般に、基底膜成分を含む複合体の放出をもたらす膀胱癌(bladder tumor)の浸潤性(invasiveness)の測定に関する。本発明は、より特に、免疫 学的及び非免疫学的手段を含むさまざまな方法による上記複合体又はそのポリペ プチド成分の検出により膀胱癌を測定することに関する。 発明の背景 医療への挑戦は、その開始以来、疾患の迅速かつ正確な検出を可能にする方法 の開発であった。長年にわたる診断技術における進歩にも拘らず、多くの疾患の 診断のための最近の技術は、広い規模の利用のためには不適当又はコスト限定的 なもののいずれかである。1のこのような疾患は膀胱癌である。 全世界的な問題として、西欧諸国においては毎年、50,900の、日本国において は3,700、そして北米においては34,000の新たなケースの膀胱癌が存在し(WHO 1 984)、この数の少なくとも3〜4倍の患者が、病後又は治療のために病院に係 わっている。膀胱癌は女性よりも約3倍多く男性が患らっている。それは米国に おいては、男性において4番目に多い癌の形態であり、そして女性においては9 番目に多いものである。90%を上廻る膀胱癌は、移行性細胞型(transitional ce ll type)(移行性細胞癌腫(transitional cell carcinoma)又は“TCC”)の内にあ る。 膀胱癌は、発見された時の段階に従って、いくつかの方法で存在 することができる。膀胱又は尿導構造の TCCの診断は、生検又は外科的試料の結 果に基づき、以下のシステムに従って、段階又は等級を付けられる。 この腫瘍等級は、退形成(anaplasia)、又は細胞分化の欠失に基づく。 膀胱癌は2つの主要な形態:表在性(Tis,Ta,Tl)及び浸潤性(≧T2)で生 じる。表在性腫瘍は可変性等級をもつことができ、より高い等級の表在性腫瘍は より乏しい予知をもつ。表在性腫瘍の約70%は5年間の追跡調査期間の間に1以 上の再発に発達するであろう。この主要なリスクは、その腫瘍が浸潤性になるで あろうという ことである。最も浸潤性の腫瘍はその後高い等級(grade)及び段階(stage)として 明示される。 膀胱癌の浸潤性形態は、全膀胱癌の約20%〜30%の原因である。浸潤性膀胱癌 は、その膀胱をライニングする粘膜内に始まり、その基底膜を通して浸潤して筋 壁に達し、そして最終的に局所的リンパ節を含む骨盤組織及び周囲の臓器に達す る。その外観はその段階と等級に依存し、11%〜60%が5年間生存する。この治 療は放射線療法、化学療法及び外科手術による。 浸潤性膀胱腫瘍をもつ患者は尿道細胞学(urine cytology)及び膀胱鏡検査(ch eck cystoscopy)によりモニターされる。細胞学は非浸潤性であり、そしてそれ 程困難ではない手順であるけれども、それは、誤り又は不確実である傾向をもつ ことができる。例えば、細胞学による陽性結果は役立つことができるが、陰性結 果は腫瘍の非存在の証拠としては採用されることができない。さらに、この報告 は細胞学者の経験によってかなりばらついている。膀胱鏡は、侵入性、高価かつ 場合により危険な手順である。なぜならそれはしばしば麻酔下で行われるからで ある。膀胱鏡検査に関係する不確実性にも拘らず、しかしながら、それらは、よ りよいテストの非存在のために選ばれた診断ツールとして多くの医療従事者によ り未だに考えられている。 低い段階をもつ悪性腫瘍…表在又は非浸潤性(Ta,Tis,TI)…は、内視鏡療法 に応答する。未だ、上述のように、膀胱内の同一又は別の部位における再発は比 較的一般的である。この表在腫瘍の段階と等級に依存して、浸潤性(≧2)腫瘍 への進行が生じることができる。浸潤性病変は内視鏡療法に僅かに応答し、そし て選ばれた療法は膀胱切開術であるので、それ故、疾患の再発及び/又は進行を 検出するために膀胱癌の確固たる診断を伴う全ての患者をモニター することができることは、臨床的に重要である。 従って、膀胱癌の浸潤性を測定する方法についての必要性が本分野に存在する 。本発明は、これらの必要性を満たし、そしてさらに他の関連した利点をも提供 する。 発明の要約 簡単に言えば、本発明は、1の態様において、膀胱癌の浸潤性の測定方法を提 供する。1の態様においては、本法は、以下の段階: (a)膀胱癌をもつ疑いのある温血動物から尿サンプルを単離し; (b)基底膜成分を含む複合体のポリペプチド成分を、上記サンプル中で検出し 、ここでこの複合体は、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミド・ゲル電 気泳動により測定されるような、凡そ245,000;190,000;165,000;140,000;12 5,000;98,000;82,000;74,000;55,000;43,000;35,000;26,000;及び16,00 0の分子量をもつ1群のポリペプチドから選ばれたポリペプチドを含んで成り; そして(c)その複合体のポリペプチド組成に基づき膀胱癌の浸潤性を測定する 、を含んで成る。 他の態様においては、膀胱癌の浸潤性の測定方法は、以下の段階:(a)膀胱 癌をもつ疑いのある温血動物からの尿サンプルを単離し;(b)基底膜成分を含 む複合体の第1ポリペプチドの量を上記サンプル中で測定し、ここで、その第1 ポリペプチドがドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミド・ゲル電気泳動に より測定されるような、凡そ165,000;140,000;又は125,000の分子量をもち; (c)上記複合体の第2ポリペプチドの量を上記サンプル中で測定し、ここで、 その第2ポリペプチドがドデシル硫酸ナトリウム−アクリルアミド・ゲル電気泳 動により測定されるような、凡そ98,000;82,000;74,000;55,000;43,000;35 ,000;26,000;又 は16,000の分子量をもち;そして(d)上記第1ポリペプチド量対上記第2ポリ ペプチド量の比を計算し、そしてそれから、膀胱癌の浸潤性を測定する、を含ん で成る。 他の態様においては、膀胱癌の浸潤性を測定する方法は、以下の段階:(a) 膀胱癌をもつ疑いのある温血動物から尿サンプルを単離し;(b)基底膜成分を 含む複合体のポリペプチドを、上記サンプル中で測定し、ここで、その複合体が ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミド・ゲル電気泳動により測定される ような凡そ165,000;140,000;125,000;98,000;82,000;74,000;55,000;43, 000;35,000;26,000;及び16,000の分子量をもつ1群のポリペプチドから選ば れたポリペプチドを含んで成り;そして(c)それから、膀胱癌の浸潤性を測定 する、を含んで成る。 さらに他の態様においては、膀胱癌の浸潤性の測定方法は、以下の段階:(a )膀胱癌をもつ疑いのある温血動物から尿サンプルを単離し;(b)基底膜成分 を含む複合体の量を上記サンプル中で測定し、ここで、この複合体がドデシル硫 酸ナトリウム−ポリアクリルアミド・ゲル電気泳動により測定されるような、凡 そ、245,000;190,000;165,000;140,000;125,000;98,000;82,000;74,000 ;55,000;43,000;35,000;26,000;及び16,000の分子量をもつ1群のポリペプ チドから選ばれたポリペプチドを含んで成り;そして膀胱癌の浸潤性をそれから 測定する、を含んで成る。 本発明の他の態様は、ATCC No.11389により命名されたような、セルライン 1B 4、及びそのセルラインにより産生されるモノクローナル抗体を提供する。 本発明の他の態様は、以下の詳細な説明と添付図面を参照して明らかになるで あろう。 図面の簡単な説明 図1は、膀胱癌患者の尿からの膀胱癌被分析物(“BTA”)複合体の精製のため のフロー・チャートである。 図2は、移行性細胞癌腫(“TCC”)陽性(パネルA)と陰性尿(パネルB)の A1.5Mアガロース・ゲル濾過を図示する。 図3は、 TCCの異なる段階と等級(パネルA−D)をもつ膀胱癌患者からの尿 のA15アガロース・ゲル濾過を図示する。 図4は、異なる段階と等級(パネルA−E)の TCC患者の分画された尿のSDS- PAGE特性を図示する。 図5は、膀胱癌患者と正常人の24時間尿からのA15アガロース精製画分につい ての、BTA ディップ・スティック活性対腫瘍等級(パネルA)及び腫瘍段階(パ ネルB)を図示する。 図6は、リン酸塩バッファー系を使用した、ヘパリン・アガロース上でのゲル 濾過精製 BTA複合体の分画を図示する。 図7は、DEAE-Biogel A上でのヘパリン・アガロース精製複合体の分画を図示 する。 図8は、Tris−バッファー系を使用したヘパリン・アガロース上でのゲル濾過 精製 BTA複合体の分画を図示する。 図9は、TCC患者からのヘパリン・アガロース精製 BTA複合体のSDS-PAGEを図 示する。 図10は、Ta Grade 1患者の尿から直接的な複合体のヘパリン・アガロース精製 からの画分と免疫反応性である 1B4を図示する。 図11は、 1B4抗体と、TCC患者及び正常人からのA15精製複合体を使用するヘ パリン捕獲 ELISA系を図示する。8 TCC陰性と16 TCC陽性ゲル濾過単離複合体の 全てについて検査した。 図12は、 1B4抗体と、固相抗原としてのA15精製複合体を使用した直接 ELISA 系を図示する。 図13は、 1B4関連クローンと、 TCC陽性及び陰性患者のA15精製複合体との反 応性を図示する。 図14は、泌尿器科患者からの尿を用いた、 1B4 ELISA反応性の分布を図示する 。26患者の全てについて検査し、15が TCC陽性であり、そして11が TCC陰性であ り、その中の3人が段階B1,C3とC1の前立腺癌であった。 図15は、固相抗原として TCC陽性尿から単離された複合体による、 1B4抗体( パネルA)と関連クローン(例えば3D6,12F3,及び8H2、これらはパネルBであ る)のウェスタン・ブロット分析を図示する。 発明の詳細な説明 上述のように、本発明は、基底膜成分、又はそのポリペプチド構成成分を含む 複合体を測定することに基づく膀胱癌の浸潤性の測定方法を提供する。基底膜(b asement membranes)(basal laminaともいわれる)は、結合組織間葉(connective tissue mesenchyme)から臓器実質細胞(organ parenchymal cells)を分ける細胞 外マトリックスである。通常、実質細胞と支質細胞(stroma cells)は、臓器の 発達及び組織修復の間でさえ、その基底膜のそれらの対応側上で配向して残る。 多くの疾患は、明らかに基底膜を中断することができる。この基底膜は、いくつ かの特定タイプのコラーゲン(例えば、IV型及びV型)、ラミニン(laminin)、 各種タイプの細胞接着分子(CAMs)、プロテログリカン(proteoglycans)、及び フィブロネクチン(fibronectin)を含む、少なくともいくつかの同定されたタン パク質及びペプチド誘導体から成る。 基底膜成分を含む複合体が、上皮組織を破壊する疾患を有するヒトを含む温血 動物の生物学的サンプル中の検出可能な濃度において 生き残ることが発見された。これらの複合体中の基底膜成分は、無傷の分子、そ れらの断片、又は断片と無傷の分子の組合せであることができる。これらの複合 体は各種疾患の指標であり、そしてこのような複合体の精製を伴って又は伴わず に、各種サンプル中で検出可能である。例えば、これらの複合体は、浸潤性癌、 例えば膀胱癌と関係する。これらの複合体は、上皮炎症、コラーゲン変性疾患、 及び肝炎を含む、上皮失調(すなわち、非浸潤性又は浸潤前癌及び癌に無関係な 失調)とも関係する。上皮炎症は生検から生じるもの又は沈着(例えば、膀胱内 での“石(stone)”)を含む。 生物学的サンプルの代表的なタイプは、尿、子宮頸分泌物、気管支吸引物(気 管支洗液を含む)、痰、唾液、便、血清、滑液及び脳脊・髄液を含む。その中に 複合体が蓄積する生物学的サンプルのタイプは、特定の疾患の場所に主に依存す る。尿は浸潤性尿生殖器の癌及び尿生殖器の上皮失調の検出にとって好ましい。 尿サンプルからの複合体は、実質的に純粋な形態で単離されることができる。要 するに、例えば、サンプルは、ゲル濾過により分画され、そしてヘパリン・アガ ロース又は他のアニオン又はカチオン交換媒質上であるいはポリアクリルアミド ・ゲルからの特定ポリペプチドの電気溶出により精製されることができる。複合 体の精製の代表的な例は、図1中に要約するような、尿サンプルからの単離であ る。 本明細書中に開示するように、複合体のポリペプチド組成は、その疾患が(表 在性癌を含む)上皮膀胱失調又は浸潤性膀胱癌であるかどうかに関係する。特定 の複合体の存在又は非存在を検出することにより、特定の膀胱疾患の存在又は非 存在を測定することができる。膀胱上皮失調(例えば表在性癌)の存在は、約 2 45kと 190kの分子量をもつポリペプチドを含む複合体の尿中の存在により示さ れる。同様に、約 165k, 140kと 125kの分子量をもつポリペプ チドを含む複合体が尿中で検出される場合、浸潤性膀胱癌の存在が示される。こ れらのポリペプチドは正常な個体においては存在しない。サンプル中の複合体は 、以下に記載するように、さまざまな非免疫学的又は免疫学的手段により検出さ れることができる。 本発明中に開示するように、膀胱癌の浸潤性は上記のような複合体に基づき測 定されることができる。1の態様においては、膀胱癌の浸潤性は上記複合体の量 から測定されることができる。他の態様においては、膀胱癌の浸潤性は上記複合 体のポリペプチド組成から決定される。他の態様においては、膀胱癌の浸潤性は 、上記複合体からの2つのポリペプチドの量の比から決定されることができる。 さらに他の態様においては、膀胱癌の浸潤性は上記複合体の単一のポリペプチド から測定されることができる。膀胱癌の浸潤性を測定するためのいずれかの態様 においては、複合体の存在又は量、そのポリペプチド組成、及び/又は1以上の 個々のポリペプチドがさまざまな非免疫学的及び免疫学的手段により検出される ことができる。 例えば、基底膜成分を含む複合体は物理化学的方法により検出されることがで きる。この方法は、尿中に膀胱癌により放出される複合体が微粒子の懸濁液を凝 集させる能力に基づく。この物理化学的方法は、一般的に、基底膜成分を含む複 合体の存在中で凝集する微粒子の懸濁液と尿サンプルを接触させることを含んで 成る。その後、微粒子の懸濁液の凝集の存在が検出され、それにより、複合体の 存在の決定が可能となる。 本法における使用に好適な微粒子は、プラスチック・ラテックス、例えばラテ ックス・ビーズを含む。このような微小なプラスチック粒子の懸濁液は一般的に ポリスチレン及びそれらの誘導体から調製される。このプラスチックは、非誘導 体化形態又は誘導体、例え ばカルキシル化又はアミノ化形態において存在することができる。典型的には、 微粒子は約0.01〜5ミクロンの直径をもち、約0.25ミクロンが好ましい。1以上 の剤、例えばウシ血清アルブミンにより微粒子の懸濁液を処理して、非特異的相 互作用のために利用可能であるそれらの粒子の表面上の部位をブロックすること が有利である。 微粒子の懸濁液は、基底膜成分を含む複合体の放出をもたらす膀胱癌をもつ患 者からの尿サンプルの存在中で凝集する。この凝集反応は、テストされる生物学 的液体中に存在する比較的多量の外因性タンパク質の存在中での少量の複合体の 検出を許容する。従って、テストに先立つ尿サンプルの前処理は必要とされない ことができる。粒状汚染物質を含む尿サンプル、例えばバクテリア、細胞、結晶 、又は他の沈殿物の場合においては、この粒状汚染物質を除去するのに十分低い 速度における短時間の遠心分離が、バッファーによりそのpHを中和するときに、 望ましくあることができる。 微粒子の懸濁液の凝集の存在を検出するさまざまな方法が本発明内で使用され ることができるということが当業者に自明であるであろう。例えば、単純なスラ イド凝集技術、例えば小さな粒子凝集技術により広く使用されるものが好適であ る。この技術においては、微粒子の懸濁液のアリコートを、ガラス・スライドの 表面上でテストされている試料のアリコートと混合する。これらの反応体は、そ のスライドを手で又は機械的回転装置上で回転させることにより混合される。一 定時間間隔において、その混合された反応体の外観をポジティブ・コントロール 及びネガティブ・コントロールであって、それぞれ、公知の複合体含有と非複合 体含有試料材料から成るものに対して判断される。肉眼又は顕微鏡のいずれかに より観察されるとき、テストされている未知の試料が上記ネガティブ・コントロ ールにおいてはっきり見えるものの過剰において微粒子の凝集を引き起こした場 合には、未知の複合体の存在が確立される。 懸濁液の凝集の程度の他の測定方法も、(例えば、Cohen & Benedek ,米国特 許第4,080,264号;Kraemer,Am.J.Med.Tech.,Vol.48,No.8,1982;Looney ,J.Clin.Immun.7:90-95,1984;及びGrange et al.,J.Immun.Meth.18:3 65-375,1977により記載されたように)使用されることができる。簡単に言えば 、これらは、凝集による粒子の沈降速度における増加を検出するシステムを含む 。沈降は肉眼により、又は懸濁液の光学的又は他の特性により増加した沈降速度 を記載するであろう機器の助けにより、判断されることができる。凝集体対非凝 集微粒子の明確な光散乱特性は、これらの特性における変化を計測することがで きるいずれかの波長、例えば350,360又は 700nmにおいてセットされた分光光度 計又は比濁計(nephelometer)により計測されることができる。 上述のように、膀胱癌の90%以上が移行性細胞型(移行性細胞癌腫又は“TCC” )の内にある。主要な危険は、その腫瘍が浸潤性になることである。腫瘍の段階 と等級は、その浸潤能力の尺度である。本発明において開示されるように、尿サ ンプル中で複合体の量を測定するために使用される特定の方法にも拘らず、複合 体の全量は低浸潤性から高浸潤性に増加する。 複合体のポリペプチド構成成分が同定されることができる。典型的には、ポリ ペプチドは、変性条件(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム)下での分離により( 例えば、ゲル電気泳動により)分割されることができる。ポリペプチドの凡の分 子量は、既知の分子量のポリペプチドとの比較により指定される。本明細書中に 開示するように、膀胱癌の浸潤性は、サンプル中の複合体のポリペプチド組成に 関係付けられる。例えば、膀胱の低等級の非浸潤性 TCCをもつ患者 の尿からの複合体は、約 245,000(“245k”)と190,000(“190k”)の分子量を もつ主に2つの高分子量ポリペプチドを含む。低等級の浸潤性 TCCをもつ患者か らの複合体については、優位なポリペプチドは、約 245kと 190kの分子量から 約 165k,140k及び 125kの分子量にシフトする。高等級の浸潤性 TCCをもつ 患者からの複合体については、そのポリペプチド特性は、約 165k,140k及び 125kの分子量をもつ優位なポリペプチドから、約98k,82k,74k,55k,43 k,35k,26k及び16kの分子量をもつものにシフトした。以上の凡の重量の全 ては、既知の分子量をもつポリペプチド標準の電気泳動との比較により、ドデシ ル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミド・ゲル電気泳動(“SDS-PAGE”)上で測 定された。 同様に本明細書中に開示するように、膀胱癌の浸潤性は、他のポリペプチドの 量に対して1のポリペプチドの量を比較することにより測定されることができる 。例えば、約 165k,140k,又は125kのいずれかの分子量をもつ第1ポリペプ チドの量を、約98k,82k,74k,55k,43k,35k,26k、又は16kのいずれか の分子量をもつ第2ポリペプチドの量と比較する。この 165kポリペプチドが、 好ましい第1ポリペプチドであり、そしてこの98k又は43kポリペプチドが好ま しい第2ポリペプチドである。第1と第2ポリペプチドの特に好ましい組合せは 、 165kと43kポリペプチドである。第1ポリペプチドの量の比が第2ポリペプ チドの量の比を超える場合、その膀胱癌の浸潤性は低い。逆に、第2ポリペプチ ドの量の比が第1ポリペプチドの量の比を超える場合、その膀胱癌の浸潤性は高 い。 あるいは、本発明においては、膀胱癌の浸潤性は複合体の単一ポリペプチドを 計測することにより測定されることができる。例えば、約 245k又は 190kの分 子量をもつポリペプチドの存在は低等級 の非浸潤性癌を示す。逆に、例えば、約43k又は98kの分子量をもつポリペプチ ドの存在は高等級の浸潤性癌を示す。本明細書中の開示に基づき、本明細書中に 開示する他の個々のポリペプチドを類似のやり方で使用されることができること は当業者に理解されるであろう(すなわち、より高い分子量種は低い浸潤性に関 係し、そしてより低い分子量種は高い浸潤性に関係する。) 単離された複合体又は個々のポリペプチド構成成分が、単離された複合体、個 々のポリペプチド、又は両方に特異的に結合する抗体を製造するために使用され る。特異的に結合する抗体は、約106リッター/モル以上のアフィニティーをも つものである。ポリクローナル又はモノクローナル抗体のいずれかを作り出すこ とができる。ポリクローナル抗体は、動物の免疫感作及びその後のその血清の採 取により製造されることができる。最初の免疫感作に1以上のブースター免疫感 作を血清採取前に追従させることが一般的には好ましい。モノクローナル抗体は 、一般的には、Kohler and Milstein(Nature 256:495-497,1975;Eur.J.Immu nol.6:511-519,1976)の方法により製造される。簡単に言えば、複合体又は成 分を注射された動物のリンパ節及び/又は脾臓をミエローマ細胞と融合させてハ イブリッド・セルライン(“ハイブリドーマ”又は“クローン”)を形成する。 各ハイブリドーマは、上記複合体又は成分に特異的な免疫グロブリンの単一タイ プを分泌し、そして上記ミエローマ細胞と同様に、無限の細胞分裂のための潜在 能力をもつ。 それから精製された複合体又はポリペプチド(“免疫原(immunogen)”)が上 記免疫感作のために使用される。好ましくは、動物は、少なくとも 100ngの各免 疫原、最も好ましくは 500ng以上の各々により免疫感作される。免疫感作のため に、上記免疫原は固相マトリックスに、好ましくはニトロセルロース紙に吸着さ れることがで きる。次にこの紙は上記動物に導入される。この吸着された抗原調製物の導入技 術は、その固相の移植(米国特許第4,689,220号)又は不溶化並びにその可溶化 物質の注射(Knudsen,Anal.Biochem.147:285-288,1985)を含む。この固相マ トリックスは適当な有機溶媒(例えば、DMSO)中で可溶化され、そしてアジュバ ント又は生理食塩水と混合されるか、又は直接的に注射されるかのいずれかであ ることができる。 あるいは、この免疫原は、固体マトリックス及び/又はアジュバントの非存在 中で注射されることができる。注射又は移植は、腹腔内、足内パッド、皮下、筋 中又は静脈内であることができるが、好ましくは、腹腔内であることができる。 動物は、アジュバント、例えばFreund'sアジュバントと複合体化された抗原によ り注射されてもよい。単一又は多のブースター免疫感作が使用される。上記融合 日の1〜7日前の間、好ましくは1〜4日目に、適当な免疫原の静脈内注射が毎 日与えられることができる。 最後のブースター免疫感作の投与後の1〜7日後の間、好ましくは4日目に、 脾臓又はその部分をその免疫感作動物から収獲される。この時、そのリンパ節も 収獲され、そしてその細胞調製物中に含まれることができる。この収獲臓器は、 その臓器の構造を破壊するがそのリンパ球に対しては有害でない技術を使用して 細かくされてもよい。これらの臓器は好ましくは、ハサミにより細かく刻まれ、 メッシュ・スクリーンを通され、そして成長培地と混合されてリンパ球について その調製物が濃縮される。この細かくされ、そして漉された組織は、遠心分離に より収獲され、次に成長培地と混合されて細胞懸濁液を形成される。この赤血球 は低張又は高張溶液をその細胞懸濁液に添加することにより溶解されることがで きる。細胞溶解に好ましい方法は、蒸留水を上記懸濁液に添加し、そして高張性 の塩化ナトリウム溶液によりその懸濁液を等張状態に迅速に戻すことである。残 った組織のいずれをもガーゼを通しての濾過により除去することができる。 収獲された細胞懸濁液を次にミエローマ・セルライン、好ましくは免疫感作動 物と同系であるものと混合する。さまざまな種からのミエローマ・セルラインは 例えば、American Type Culture Collection,Rockville,Marylandを通じて広 く入手可能である。一般的に使用されるミエローマ・セルラインはP3X63Ag8(AT CC TIB 9)、SP2/0-Ag 14(ATCC CRL 1581)、FO(ATCC CRL 1646)及び210-RCY -Agl(Galfre et al.,Nature 277:131,1979)を含む。好ましいセルラインは P3/NS1/1-Ag4-1であって本明細書中NS-1(ATCC TIB 18)といわれるものである。 このNS-1細胞は、好ましくは、その株のクローニング効率を測定するためにテス トされる。これは、限界希釈によりNS-1株をクローニングし、そして個々のNS-1 クローンとのテスト融合を行って最高の融合効率をもつ候補を見つけ出すことに より達成されることができる。 このミエローマ細胞は、適当な哺乳類細胞成長培地中で培養され、さまざまな 培地が本分野において一般に知られ、そして商業源から入手可能である。哺乳類 セルラインは 6.0と 8.0の間の最適pH、好ましくは約 pH7.2を維持する条件下で 36℃〜40℃の間で定常的に培養される。pHは本分野に公知のさまざまなバッファ ー系の使用を通じて維持されることができる。好ましいバッファー系はCO2、好 ましくは約7%のCO2を含む加湿インキュベーター内での重炭酸塩バッファー中 での細胞の培養を含む。 免疫感作動物からのリンパ球とミエローマ細胞の間の融合は、上記文献中に記 載されたさまざまな方法により行われることができる。これらの方法は、ポリエ チレン・グリコール(PEG)(Brown et al. ,J.Biol.Chem.255:4980-4983,1980)と電気融合(electrofusion)(Zimmerman and Vienken,J.Membrane Biol.67:165-182,1982)の使用を含む。電気融合 ジェネレーターは、Biotechnologiesand Experimental Research,Inc.,San Di ego,Californiaから商業的に入手可能である。 この融合後、これらの細胞を多−ウェル培養プレート、好ましくは96−ウェル ・プレート上にプレートする。非融合細胞を上廻る融合ミエローマ細胞の成長を 選択的に許容する試薬をその培養基に添加する。好ましい選択技術は HAT(ヒポ キサンチン、アミノプテリン、チミジン)選択を使用する。他の選択技術も選ば れたミエローマ・セルラインに依存して使用されることができる。 モノクローナル抗体の他の製造方法はインビトロにおける免疫感作技術を使用 する。リンパ球はリンパ様臓器、例えば脾臓又はリンパ節から、又は末梢血液リ ンパ球として全血から、収穫されることができる。これらのリンパ球は、適当な 免疫原の存在中、培養に入れられる。しばしば、免疫刺激性ポリペプチドがその 培養基に同時に添加されるであろう。インビトロにおけるリンパ球の培養後の各 種時間において、それらのリンパ球を、上記のように、収獲し、そしてミエロー マ・セルラインと融合する。 培養において抗体分泌リンパ球セルラインを作出し、そして維持する他の技術 は、そのリンパ球のウイルス・トランスフェクションであって培養において増殖 し続ける形質転換セルラインを作出することを含む。エプスタイン・バール・ウ イルス(Epstein-Barr Virus(EBV))がこの技術のために使用された。EBV形質転 換細胞は、培養における連続成長を許容するためのミエローマ細胞との融合を必 要としない。 リンパ球は、その融合細胞のための培地を馴らすために支持細胞 層(feeder layer)として使用されることができる。あるいは、腹膜マクロファ ージ又は非免疫性脾臓細胞を支持細胞層として使用することができる。別法は、 胸腺細胞又はマクロファージからのならし培地を使用することである。胸腺細胞 は8週齢未満の幼ないマウスから調製されることができる。これらの胸腺を収獲 し、そしてその胸腺を破壊するがそれらの胸腺細胞に有害ではない技術を使用し て細かく刻まれる。この手順は、好ましくは、その組織を細かく刻むためのハサ ミを使用して行われ、その後、メッシュ・スクリーンを通してその組織が通過さ れる。次にこの細かくされ漉された細胞材料を遠心分離により収獲する。細胞懸 濁液を成長培地を使用して作る。残った結合組織のいずれをもガーゼを通しての 濾過により除去することができる。 細胞が融合された後の適当な時に、融合細胞(ハイブリドーマ)を選ばれた抗 原に対する抗体の産生について分析する。この“スクリーニング”は、ウェスタ ン・ブロット、ELISA、免疫沈降、生物学的活性検定に対する影響、及び免疫細 胞化学染色を含む多種多様な技術により行われることができる。これらの技術及 び他のものは、文献中によく記載されている。(例えば、J.G.R.Hurrell (ed.) ,Monoclonal Hybridoma Antibodies:Techniques and Applications,CRC Pres s Inc.,Boca Raton,Fla,1982.を参照のこと)。スクリーニング手順の導入 は、有用な反応性を有する抗体のさらなる定義を可能にする。例えば、膀胱癌を もつ患者の生物学的サンプルから精製された複合体を、例えば、疾患をもつ患者 に共通である抗原決定基と反応する抗体を定義するために上述の技術のいずれか において使用されることができる。 着目の抗体を分泌するハイブリドーマは培養において維持される。これらの細 胞は培養において増殖し、そして同時に、単一細胞に 起源をもつクローンを得るようなやり方でクローン化されることができる。これ は、そのハイブリドーマから得られた抗体のモノクローナルな性質を提供する。 限界希釈、柔寒天クローニング及び蛍光活性セル・ソーティングを含む多種多様 な技術が存在する。 一旦、細胞のクローンが得られれば、それらは着目の抗体の産生について再検 定される。これらの細胞は次に培養において増殖されて多量の抗体の産生が可能 となる。これらの細胞の増大法は、培養において細胞を維持し、バイオリアクタ ー又は他タイプの大規模細胞培養環境における細胞を置き、又は各種寒天又はゼ ラチン担体マトリックスを使用して細胞を培養することを含む。抗体は次にその 細胞培養基から単離される。 多量の抗体を製造する好ましい方法は、同系マウスの腹腔内で上記ハイブリド ーマ細胞を成長させ、それにより腹水液を作り出すことを含む。これらのハイブ リドーマを好ましくは遠心分離により培養基から単離し、そして等浸透圧溶液、 好ましくはリン酸塩バッファー生理食塩水により洗浄する。次にこれらの細胞を 等浸透圧溶液に再懸濁し、そして適当な宿主動物、好ましくはマウスの腹膜内に 注射し、そして宿主動物内で成長せしめる。この宿主動物は、ハイブリドーマ細 胞の注射に先立って、好ましくはハイブリドーマの導入の7〜30日前に、プリス タン(pristane)(2,6,10,14−テトラメチルペンタデカン)の前注射を受ける ことができる。腹腔内での細胞の成長に従って、着目の抗体を含む腹水を採取す る。 抗体を、本分野に公知のさまざまな方法によりならし培地又は腹水液から精製 することができる。これらの方法は、硫酸アンモニウム沈降、イオン交換クロマ トグラフィー(Hurrell前掲参照)及びヒドロキシルアパタイト支持体を使用す る高圧液体クロマトグラフィー(Stanker et al.,J.Immunol.Methods 76:157 ,1985)を含む 。ならし培地又は腹水液から抗体を精製するための好ましい方法は、商業的に入 手可能なProtein A-Sepharose CL-413カラム又はProtein G Sepharose(Pharmaci a,Piscataway,N.J.;Sigma,St.Louis,Mo.)又は ABX混合イオン交換樹脂(J T Baker,Phillipsburg,N,J,)を使用する。抗体を、製造者により示唆される ような条件を使用してこれらのカラムにより精製することができる。典型的には 、ならし培地又は腹水液をリン酸塩バッファー生理食塩水中に透析して7.5−8の pHを与え、これをプロテイン−Aセファロース・カラムに適用する。これらの抗 体を、それぞれ、pH7,6,4.5と3.5の100mMクエン酸ナトリウム・バッファーを 用いて段階的にそのpHを低下させることにより溶出する。抗体含有要素は、好ま しくは飽和リン酸3ナトリウム溶液又は濃縮Trisバッファーを使用してpH7.4に 直ちに調整される。あるいは、 ABX、混合モードのイオン交換基を、25mM MESバ ッファー、pH5.6(2−(n−モルフォリノ)エタン・スルホン酸)(Sigma Chem .Co.,St.Louis,Mo.)により平衡にする。濃縮ならし培地又は腹水を100mM ME Sバッファー、pH5.5中で1:3に希釈し、そしてそのpHを、そのカラム平衡バッ ファーのものに調整する。サンプルをカラムに適用し、そして平衡バッファー中 で溶出する。結合抗体を、 500mM硫酸アンモニウム、pH5.6、バッファーを含む2 5mMリン酸カリウム10(v/v)%を含む25mM MESバッファー、pH5.6により溶出 し、この後に、 500mM硫酸アンモニウム、pH5.6を含む25mMリン酸カリウム・バ ッファー10から100(v/v)%までの線形グラジエントを行う。 複合体又は複合体の1以上のポリペプチドの存在又は量を非免疫学及び免疫学 を含むさまざまな方法において測定することができる。非免疫学的方法論は、タ ンパク質染色、例えばCoomassieブルー又は銀染色の使用を含む。好ましい態様 においては、複合体を含む 疑いのあるサンプルをSDS-PAGEに供し、そしてタンパク質染色を用いて同定する 。他の非免疫学的方法論は、リポーター基としてラジオアイソトープその他の使 用を含む。このような方法は、その量を測定することが望ましい場合には定量を 受けることができる。 あるいは、複合体又はポリペプチド成分の存在又は量を免疫学的手段により検 出されることができる。本明細書中に使用するとき、用語“抗体”は、ポリクロ ーナルとモノクローナル抗体の両方を含み;そして無傷の分子、その断片、又は その画分等価物であることができ;そして遺伝子操作されることができる。抗体 断片の例はF(ab′)2, Fab′,Fab及びFvを含む。検出は、例えば、複合体又は その複合体の個々の成分に対して特異的な抗体と共に、ニトロセルロース、又は Immobilon又は類似のマトリックス上に固定された複合体又はそれらの成分を使 用するウェスタン・ブロット分析によることができる。検出は、免疫検定により 達成されることもできる。1の態様においては、複合体又はポリペプチドをサン プルから単離し、そして適当な検出抗体と接触させる。複合体を、固体支持体( 例えば、ヘパリン・アガロース又はポリスチレン又はポリスチレン上にコートさ れたヘパリン)上の捕獲により又は“検出(detection)”抗体に先立つ又は同時 の“捕獲(capture)”抗体により単離することができる。他の態様においては、 免疫複合体が、その複合体の事前精製を伴わずに、抗体と複合体との間に形成さ れる。抗体とのサンプルのインキュベーションは、免疫複合体の形成を許容する のに十分な条件下にあり、そして時間にわたる。免疫学的手段による複合体又は ポリペプチド構成成分の検出は、特定の複合体又はポリペプチド構成成分の量を 測定することが望ましい場合に、定量を受けることもできる。 複合体又はポリペプチド成分とその複合体又はポリペプチドに特 異的な抗体との間に形成される1以上の免疫複合体の検出は、ラジオイムノアッ セイ(RIA)及び酵素結合イムノソルベント検定(ELISA)を含むさまざまな公知技術 により達成されることができる。 本分野において公知のイムノアッセイは、David et al.(米国特許第 4,376, 110号)の2モノクローナル抗体サンドイッチ・イムノソルベント技術;モノク ローナル−ポリクローナル抗体サンドイッチ検定(Wide et al.,in Kirkham an d Hunter(eds.),Radioimmunoassay Me th.ds,E.and S.Livingstone,Edinb urgh,1970);Gorden et al.(米国特許第4,452,901号)の“ウェスタン・ブロッ ト法;標識リガンドの免疫沈降(Brown et al.,J.Biol.Chem.255:4980-4983 ,1980);例えば、Raines and Ross(J.Biol.chem.257:5154-5160,1982) により記載されたような酵素結合イムノソルベント検定;蛍光団の使用を含む免 疫細胞化学技術(Brooks et al.,clin.Exp.Immunol.39:477,1980);及び活 性の中和(Browen-Pope et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA81:2396-2400,1 984)を含み、これらの全てを引用により本明細書中に取り込む。上記のイムノ アッセイに加えて、米国特許第 3,817,827号;第 3,850,752号;第 3,901,654号 ;第 3,935,074号;第 3,984,533号;第 3,996,345号;第 4,034,074号;及び第 4,098,876号(これらの全てを引用により本明細書中に取り込む。)を含む多数 の他のイムノアッセイを利用することができる。 検出目的のためには、これらの抗体は、標識されるか又は標識されないかのい ずれかであることができる。標識されないとき、これらの抗体は、凝集検定にお ける使用がある。さらに、非標識抗体は、その抗体と反応性である他の標識抗体 (第2抗体)、例えば免疫グロブリンに特異的な抗体との組合せにおいて使用さ れることができる。あるいは、これらの抗体は、直接的に標識されることができ る。それらが標識される場合、そのリポーター基は、ラジオアイソトープ、蛍光 団、酵素、発光団(luminescers)、又は染料粒子を含むことができる。これらの 及び他の標識は本分野においてよく知られており、そして例えば、以下の米国特 許:第 3,766,162号;第 3,791,932号;第 3,817,837号;第 3,996,345号;及び 第 4,233,402号中に記載されている。 ELISA 検定において典型的には、標的抗原又は固定化捕獲抗体がマイクロタイ ター・ウェルの表面に吸着される。その表面上の残りのタンパク質−結合性部位 は次に適当な剤、例えばウシ血清アルブミン(BSA)、熱失活正常ヤギ血清(NGS)、 又はBLOTTO(保存料、塩、及び消泡剤をも含む脱脂乾燥乳のバッファー溶液)に よりブロックされる。このウェルは次に、特異的抗体を含む疑いのあるサンプル とインキュベートされる。このサンプルは、生で、又はより多くは、通常、少量 (0.1−5.0重量%)のタンパク質、例えば BSA、 NGS、又はBLOTTO中に希釈される ことができる。特異的結合を生じせしめるのに十分な長さの時間にわたるインキ ュベーションの後、このウェルを非結合タンパク質を除去するために洗浄し、そ して次にリポーター基により標識された抗−マウス免疫グロブリン抗体とインキ ュベートする。このリポーター基は、西洋ワサビ・ペルオキシダーゼ、ベーター ガラクトシダーゼ、アルカリ性ホスファターゼ、及びグルコース・オキシダーゼ を含むさまざまな酵素から選ばれることができる。十分な時間は、特異的結合を 生ぜしめ、そのウェルは非結合結合体を除去するために再び洗浄され、そしてそ の酵素のための基質が添加される。色を顕色せしめ、そしてそのウェルの内容物 の吸光度を肉眼又は機器により測定する。 本発明の1の好ましい態様においては、リポーター基が抗体に結合される。免 疫複合体を検出するための段階は、実質的にいずれの 非結合抗体をも除去し、そして次にそのリポーター基の存在又は非存在を検出す ることを含む。 他の好ましい態様においては、リポーター基が、1以上の基底膜成分の複合体 に特異的な抗体に結合することができる第2抗体に結合される。免疫複合体を検 出する段階は、(a)実質的にいずれの非結合抗体をも除去し、(b)その第2 抗体を添加し、(c)実質的にいずれの非結合第2抗体をも除去し、そして次に (d)そのリポーター基の存在又は非存在を検出する、を含む。断片に特異的な 抗体がマウスから得られる場合、その第2抗体は、抗−ネズミ抗体である。 免疫複合体を検出するための第3の好ましい態様は、免疫複合体に結合するこ とができる分子に結合される。この検出段階は、(a)この分子を添加し、(b )実質的にいずれの非結合分子をも除去し、そして次に(c)そのリポーター基 の存在又は非存在を検出する、を含む。この免疫複合体に結合することができる 分子の例は、プロテインAである。 免疫複合体を検出のためのさまざまな方法を本発明において使用することがで きることは当業者に自明であろう。本法のいずれかにおける使用に好適なリポー ター基は、ラジオアイソトープ、蛍光団、酵素、発光団、及び染料粒子を含む。 以下の実施例を限定ではなく説明のために掲示する。 実施例 実施例1 異なる段階及び等級をもつ膀胱癌患者の尿中の基底膜複合体(膀胱癌被分析物、B TA)についてのラテックス凝集検定 膀胱癌被分析物(bladder tumor analyte(“BTA”))の検出のため のラテックス凝集検定を、2つの異なる形式、スライド凝集検定及び着色ディッ プスティック凝集形式において行った。両検定は、同一原理を使用して、膀胱の 移行性細胞癌腫により形成され、そして尿中に分泌される尿中 BTAの存在を計測 する。 上記スライド凝集検定における使用のためのラテックス試薬を以下のように調 製する。直径0.25ミクロンのカルボキシル化ポリスチレン・ラテックス(Morton Thiokol,Morton Thiokol International,Chicago,III.)の49%懸濁液 750ml に、0.85%生理食塩中で1:10に希釈された健康な非免疫化ヤギからのヤギ血清 2mlを添加する。この混合物を60分間56℃の水浴中に入れ、そして室温において 18−24時間、マグネチック・スターラー、又は類似の装置を使用して撹拌する。 75mlのこの保存ラテックス懸濁液を、4gのウシ血清アルブミン(BSA)を含む292 5mlの 0.013M Glycine Buffer(0.1%アジ化ナトリウムを含むpH8.5)により1: 40に希釈する。このラテックス懸濁液をマグネチック・スターラー又は類似の装 置を使用して2時間混合する。この懸濁液を次に、“ラテックス試薬”を作るた めに、分光光度計上で、ブランクとして蒸留水を使用して、 700nmにおいて0.31 OD(吸光度標準)の吸光度に調整する。56℃熱処理段階前の(20mlの0.85%生理 食塩水中)のヒト・ガンマ・グロブリン12mgの添加は凝集活性を改善する。 ラテックス凝集検定を、黒い血清学又は類似のスライド上のサークル又はウェ ル内に50μlの尿を入れることにより行った。この混合物をきれいなプラスチッ ク・スターラーを使用して上記サークルの外端まで撹拌し、そして2分間ゆるく ロックした。このスライドをラテックス粒子の凝集について肉眼により検査した 。改良された検定性能が、ラテックス試薬の添加に先立って、10μlの1M Hep esバッファー、 pH7.8により尿サンプルを中和することにより得ら れた。 ディップスティック検定における使用のためのラテックス試薬を以下に記載する ように調製する。保存ラテックスを20mlの生理食塩水溶液に12mgのヒト IgGを添 加し、そして次にこの溶液を0.25ミクロン粒子の48%溶液 750mlに添加すること により調製した。2mlのヤギ血清を18mlの正常生理食塩水と混合し、そして上記 ラテックス懸濁液に添加した。保存ラテックス懸濁液を1時間56℃において加熱 し、そして緩かに混合した。このラテックス懸濁液を放置して30℃に冷却し、そ して1.88gのBrilliant Blue R染料を添加し、そして室温において18時間混合し た。 作用ラテックスを、3リッターの蒸留水に1gのアジ化ナトリウム、1gのグ リシン、1.5gのウシ血清アルブミン、30mlの水溶性黄色染料及び 105mlの保存 ラテックス懸濁液を添加することにより調製した。この試薬を pH8.5に調整し、 そして2時間混合した。 尿サンプル中の BTA検出のためのラテックス凝集ディップスティック検定を以 下の手順により行った。尿サンプル(0.5ml)を1滴の1M Hepesバッファー、 pH 7.8の添加により中和した。35マイクロリッターのサンプルを、プラスチック・ ウェル内の35μlの上記作用ラテックス試薬と混合し、そして約30秒間反応に供 した。制御された小孔サイズのガラスをもつガラス繊維ディップスティックを今 度は注意して上記ウェルに添加し、そしてその反応混合物をそのディップスティ ックに移行させた。尿サンプルは、青色の上に明確な黄色が観察される場合に B TAについて陽性であると考えられた。広がった青の上の徐々に明るくなる緑又は 緑は陰性と考えられる。カラム画分に対する BTAディップスティック検定は Hep es中和を使用しない。 膀胱癌再発についてモニターされている患者からの尿サンプルを 上記手順のいずれかを使用してテストし、そして個体の臨床場所において行われ た排尿細胞学(voided urine cytology(“VUC”))と比較した。 VUCは膀胱癌患者 のモニタリングにおいて一般的に使用されるが、低等級腫瘍の検出においては低 い感度を欠点としてもつ。 VUCと上記ラテックス凝集検定が一定時間期間にわた り移行性細胞癌腫(“TCC”)モニタリング状況において比較されたいくつかの例 を、その生検データ及び膀胱鏡ファインディングを一緒に表1に示す。このデー タにおいて、最初の試験を上記検定のスライド形態を用いて行った。その後の全 データは上記ディップスティック検定を用いて行った。 上記データは、上記凝集検定が、 VUC前のモニター TCC患者の尿中の複合体を 検出することができ、そしていくつかのケースにおいては膀胱鏡による診断を上 廻ること示している。さらに尿中の反応 性はその腫瘍の進行に伴って増加し、そして腫癌負荷を代表する被分析物につい て予測されるであろう治療の間に減少する。 腫瘍の異なる段階と等級の尿中の複合体を検出する、上記 BTAスライド凝集検 定の能力を表2と3に示す。このデータは、本検定が低い等級の腫瘍並びに高い 等級の腫瘍を検出するが、その検出速度がその腫瘍の組織学的等級と共に増加す るということを示す。 膀胱癌は典型的には:乳頭である場合、表在性(段階Ta)、又は表面腫瘍(段 階CIS)、又は基底膜を、そして最終的に筋及び周囲組織を貫通する場合、浸潤性 (段階T1−T3)と名付けた。膀胱癌の治療において使用した手順は、しばしば腫 瘍の浸潤性に基づき、そしてそれ故腫瘍のタイプをモニターすることができるた めに重要である。 TCC再発についてモニターされている患者の集団における VUC に比較してこれらの異なるタイプを検出する、 BTAディップスティック・テスト の能力を表3に示す。 上記データは、 VCCに比較して低い等級の表在性腫瘍の検出における BTA検定 の優位性を示し、そして腫瘍再発のモニタリングにおける補助テストとしてのそ の使用をサポートする。 実施例2 TCCの異なる段階及び等級をもつ患者からの24時間尿のゲル濾過 膀胱の移行性細胞癌腫(TCC)をもち、そして表在性及び浸潤性腫瘍を代表する 異なる段階及び等級における患者から採集された24時間排尿、並びに正常尿プー ルを図1に示すフロー・ダイアグラム中に記載したように分画した。 容器(receipt)上の24時間尿(通常 500−3500ml)を、 BTAディップスティッ ク凝集検定におけるテストに先立って、pH、タンパク質、微量血尿(microhemat uria)、及び他の尿被分析物について、尿ディップスティック(Chemistrip,Boe hringer Mannheim)を使用して最初にテストした。テスト後、これらの尿を、プ ロテアーゼ阻害剤〔PMSF(5mM)、ヨードアセトアミド(5mM)、ベンズアミジ ン(2mM)及びEDTA(25mM)〕により処理し、アジド(0.1w/v%)により保存 し、そしてそのpHを、さらなるタンパク質分解に対して安定化させるためにTris バッファーにより pH7.4に調整した。次に尿を遠心分離し、そしてAmicon PM 30 膜上で50−100倍に濃縮した。次にこの尿濃縮物を、Agarose Al.5Mカラム(初期 の試験において 2.5×50cmカラム、そしてその後 2.5×100cm)に適用し、そして EDTA(25mM)とベンズアミジン(2mM)を含む20mM Trisバッファー生理食塩水(0 .13M)により溶出した。 BTAディップスティック凝集活性を、それが存在する 場合に、実施例1における検定手順において記載したように尿の代わりの35μl のカラム画分を使用して計測した。活性は、 TCC陽性患者については図2a中に 見られるようにその空隙容量において又はその付近で溶出された。全ケース において、その凝集活性はその空隙容量に局在化された。図2bは、その空隙容 量画分にほとんど又は全くタンパク質を示さず、そして BTA活性を全く示さない TCC陰性患者についての典型的な溶出特性を示す。 最初の観察は、分画された膀胱癌尿の A1.5Mアガロース・カラムの空隙容量内 の陽性凝集反応性が、生来の基底膜タンパク質、例えばコラーゲンIV及びフィブ ロネクチンに対するいくつかの抗体に、弱くではあるが反応する画分にも一致し 、そしてこれらの画分中に存在する基底膜から成る高分子量複合体の指標である 、という事実を指摘した。 これらの複合体をさらに精製した。A1.5Mカラムからの活性画分をプールし、A micon PM 30膜上に濃縮し、そしてAgarose A15Mカラム(2.5×45cm)に適用し、そ して同一−Trisバッファー中で溶出した。いくつかのタンパク質が空隙容量内で 溶出したが、本質的に全ての凝集活性が、異なる段階及び等級の多数の TCC陽性 尿について図3に示すように、そのカラムの内包容量内にある。正比例相関が尿 中の BTA反応性物質の量と腫瘍の段階/等級との間に存在し、すなわち、腫瘍が 進行すればする程、尿中に存在する BTA反応性物質の量が多くなる。これは以下 の実施例3においてさらに討議する。実施例3は、多数のゲル濾過精製複合体を 、腫瘍の段階及び等級に、そしてその複合体の生成の間に生じる分子事件に、関 する。 実施例3 アガロースA15画分の BTAディップスティック凝集活性及びSDS PAGE特性と、腫 瘍の段階及び等級との関係 さまざまな尿についてのA15アガロース・ゲル濾過力、らの BTA活性画分をプ ールし、そして1以上のカラム運転を行う場合、個々の患者についての全カラム の活性画分を、特定の尿についての全単離 活性を表わすように併合した。次に個々の尿の各々についてのプールを PM 30膜 上で濃縮し、そして存在するタンパク質バンドの特性を分析するためにSDS-PAGE 分析に供した。簡単に言えば、 TCCの異なる段階及び等級をもつ患者の尿から単 離されたアガロースA15精製複合体を、5.6%スタッキング・ゲルと共に10%−1 2%ポリアクリルアミド溶解ゲルを使用してSDS-PAGEに供した。サンプルを4倍 解離バッファー(1mlの 1.5M Tris 、 pH6.8、4.8mlの10% SDS、36mのグリセ ロール、0.1mlの1%ブロモチモール・ブルー及び 2.4mlの蒸留水のバッファー ・ミックス中の5% 2−メルカプトエタノール)中で3:1に希釈し、そして 5分間沸騰水中で加熱した。サンプルを、分子量標準(205kd−18.5kd)を含むウ ェルと一緒に2−10μg/ウェルにおいてゲル上にロードした。サンプルを〜45 分間200V一定において走らせ、その後、ゲルを取り出し、そして0.1% Coomass ie又はBioRad銀染色による染色に先立って40%メタノール/10%氷酢酸中で固定 した。酢酸メタノール・ミックス中で染色した後、バンドを濃度計上で走査した 。次に分子量を、ゲル中に含まれる既知の分子量標準に基づき指定した。染色前 分子量標準をBioRad(Richmond,Ca)から得た。ゲルの細孔度に依存して、高分 子量標準(ミオシン−205,000;β−ガラクトシダーゼ−116,500;ウシ血清アル ブミン−80,000;及び卵白アルブミン−49,500)又は低分子量標準(ホスホリラ ーゼB−106,000;ウシ血清アルブミン−80,000;卵白アルブミン−49,500;カ ルボニック・アンヒドラーゼ−32,500;大豆トリプシン・インヒビター−27,500 ;及びリゾチーム−18,500)のいずれかを製造者の推奨に従って使用した。染色 前標準はそれらの非染色相手よりも、より高い分子量において走った。 また、濃縮物を、A15Mカラム・バッファー中でプールされた画分 を2倍希釈を行い、そして陽性反応性についてのラテックス凝集ディップスティ ック検定においてテストすることにより、上記 BTAディップスティック検定にお いて力価測定した。タンパク質濃縮物を BCAタンパク質検定(BioRad)を使用し て行った。次にさまざまな濃縮物についての比活性(BTA陽性検定タイター/ BCA タンパク質濃度(mg/ml))を計算して、(被分析物の尺度である)両 BTA比活性 をもつ SDSバンドの外観のパターンと腫瘍発達の段階又は等級の間に相関関係が 存在するか否かを決定した。さらに、SDS-PAGEゲルと正常尿、又は非− TCC尿の ものとの比較は、正常尿からの類似の画分中に存在したSDS-PAGEの除去を可能に し、そしてそれ故、 BTA凝集活性に寄与しなかった。 正常尿プールからのA15サンプル中、 100kd過剰の分子量をもつSDS-PAGEバン ドは、本質的に全く見られなかった。しかしながら、 TCC患者のケースにおいて は、高及び低分子量バンドのパターンが存在し、これは疾患の進行及び程度と相 関する。これらのパターンの要約を表4に与え、そして異なる段階及び等級をも つA15画分のゲルの濃度計走査を図4に示す。 浸潤能力が膀胱鏡により測定されるとき確立されず又ははっきり明らかでなか った初期の段階の表在性腫瘍においては、高分子量ペプチド(≧190kd)は現われ ない。特に、いくつかの非浸潤性腫瘍(Ta)及び慣性上皮炎症のケースにおいて は、約245と 190kdにおける2つのバンドは現われない。これらの腫瘍のいくつ かは、 BTAディップスティック検定においては弱く検出可能である。本疾患の浸 潤期へのさらなる進行及び転移の間、これらのバンドは徐々に消失し、そして約 165kdの分子量の主バンドが 140kdにおける1の及び 125kdにおける他のより小 さなバンドと一緒に現われ、そしてより低分子量においていくつかの僅かな変化 がある。高 BTAディップス ティック活性の存在は、上記タンパク質、特に 165kdペプチドの出現に対応する 。腫瘍がより侵略的かつ浸潤性になればなる程、これらのペプチドは、ウェスタ ン・ブロット及びより高いパーセンテージのポリアクリルアミド・ゲルにおいて 証明されるように、約98,82,74,55,43,35及び26kdにおけるより低分子量の 種の出現と伴にさらに分解し、そして16kdのレンジ内の低MWバンドを示す。165k dタンパク質は、上記移行(transition)が生じる時に完全には消失しない。 BTA比活性のデータ対腫瘍の段階又は等級の分析は、腫瘍の段階、特に等級と の高程度の相関を示し、そして膀胱の転移性の移行性細胞癌腫(metastatic tra nsitional cell carcinoma)の予後及びモニタリングにおける BTA凝集検定の、 そして、それ故 BTA被分析物の使用をサポートする。図5aと5bは、いくつか の24時間尿からのゲル濾過精製複合体中の活性に対する段階及び等級の関係を示 し、そして尿についての情報とその平均比活性対段階及び等級を表5と6に与え る。 実施例4 ヘパリン・アガロース分画及び複合体の SDS特性 BTA活性に寄与するペプチドをさらに正確に示すために、アガロースA15M後の 陽性サンプルを、フィブロネクチンとラミニンに結合することが知られ、そして 高アフィニティーをもつ BTA反応性複合体に結合することが示されているヘパリ ン・アガロース上でさらに分画した。これらの活性画分を再び SDSゲル電気泳動 により分析した。これらの試験から、タンパク質バンドは、そのコア凝集活性に 寄与するものとしてはっきりと同定された。 最初に、1×20cmの Heparinアガロース・カラムを20mMホスフェート・バッフ ァー、 pH7.4により平衡とした。アガロースA15画分を上記バッファーに対して 一夜透析し、そして次に上記ヘパリン・アガロース・カラムに適用した。2−5 mlのサンプルをこのカラムに適用し、そしてこのカラムを平衡バッファーで洗浄 して BTA活性を欠いた非結合性材料を溶出させた。このカラムを平衡バッファー 中のNaClの0−500mM の段階的グラジエント(0,50,150と500mM)により溶出し た。この BTA活性は 100−150mM 塩中で溶出した。活性の第2ピークも、 500mM 洗浄を使用したときに見られた。リン酸塩バッファー系を使用するときの Hepar inアガロースからの典型的な溶出特性を図6に示す。これは、高い段階及び等級 (T3等級III)腫瘍の分画を示す。 サイトケラチン(Cytokeratin)(先に記載した膀胱癌についての有効なマー カー)が、サイトケラチン抗体クローン8.13を使用した上記カラムの通過物中に 検出されることができ、 BTA反応性画分中には検出されることができなかった。 凝集性画分の両方を次にAmicon PM 10膜上で濃縮し、そして20mMリン酸ナトリウ ム・バッファー、 pH7.4に対して再透析し、そして1×20cm DEAE-Biogel Aカラ ム(BioRad,Richmond,CA)に別々に適用した。画分を再び、0,50, 150及び 500mM塩化ナトリウムを含む20mMリン酸塩バッファー、 pH7.4により溶出した。 画分を BTA活性について、そして抗−IV型コラーゲン及び抗−フィブロネクチン 抗体を用いた ELISA検定においてテストした。ヘパリン・アガロースからの 150 mM画分中の凝集活性の大部分は、DEAE-Biogel Aからの 150mM画分中にも現われ 、その活性の小部分は 500mM画分中にあった。その敵対物は、 DEAE-Biogel A上 の分離後の 500mMヘパリン・アガロース画分と伴に見られた(図7)。 150と50 0mM DEAE画分の両方がスライド凝集検定において反応性を示し、そしてIV型コラ ーゲンとフィブロネクチンに対する抗体に弱くではあるが反応性であった。これ は、この2つのタンパク質は複合体として精製されていることを示している。 その後の試験において、5−10mlヘパリン・アガロース・カラムを 25mM Tris 、 pH7.4により平衡とした。アガロースA15画分をこの平衡バッファーに対して 一夜透析し、そしてヘパリン・アガロー ス・カラムに適用した。2−5mlのサンプルをこのカラムに適用し、そしてこの カラムを平衡バッファーで洗浄して BTA活性を欠く非特異的物質を溶出させた。 次に、このカラムを平衡バッファー中0−500mM のNaClの線形グラジエントによ り溶出した。 BTA活性は100−150mM 塩中に溶出した。活性の第2ピークも、500 mM NaCl/25mMリン酸塩バッファー、 pH7.4、溶出バッファーが使用されたとき に見られた。Trisバッファー系を使用するときのヘパリン・アガロースからの典 型的な溶出特性を図8に示す。これらは、高及び低等級 TCCを代表する2つの尿 の画分と陰性尿のものを表す。塩グラジエントの適用は、100−150mM の塩濃度 における主要タンパク質ピークに対する減衰肩(trailing shoulder)として現わ れる活性をもたらす。100−150mM 画分中の活性の上記肩は BTA陰性尿中及びTa 尿患者、HBであって BTA活性をほとんど又は全くもたない者のケースにおいては 存在しなかった。初期の研究は、 BTA活性を欠いた通過物中に溶出するピークが 、サイトケラチン、膀胱癌マーカーとして使用されてきた他のマーカーについて 濃縮されたことを示した。しかしながら、膀胱癌患者から得られた複合体は、ヘ パリン・アガロースについての先の研究において概説したようにコラーゲンIV及 びフィブロネクチンに対する抗体と僅かにしか反応しない(上記参照)。 Trisバッファー溶出ヘパリン・アガロース・カラムからの BTA活性をもつヘパ リン・アガロース画分の SDSポリアクリルアミド分析の例を図9に示す。 SDSバ ンドは正常な尿プールからは存在せず、複合体のコア成分を表すようである。こ れらの分子量は、実施例3において記載された同一群のポリペプチドを示す。 実施例5 複合体に対する抗体(1B4)の顕出及び特徴付け BALB/cマウスを、Freund's完全アジュバントと、T2等級 III腫瘍をもつ T CC患者からのA15アガロース精製材料との1:1混合物 100μlにより免疫感作 した。同一患者からの SDS/PAGE電気溶出により単離された 165kd材料による1 月毎の2回の第2免疫感作を、Freund's不完全アジュバント中の1:1混合物中 で行った。Freund's不完全アジュバント中の電気溶出材料の最終ブーストを、3 週間後及びそのマウスを殺す1週間前に投与した。 脾臓細胞を無血清 RPMI 1640培地中で調製し、そして25mlの全量中5:1の脾 臓細胞/NS-1細胞比においてP3/NS-1/1-Ag4-1 セルラインと混合した。この細 胞混合物を室温において10分間1200gにおいて遠心分離した。上清を除去し、そ してそれらの細胞を無血清培地に再懸濁し、そして再び遠心分離した。細胞をこ のやり方で3回洗浄した。最後の上清を除去した後、その細胞ペレットをそのチ ューブを緩やかにたたき、そして1分間37℃水浴内で温めることにより、その残 存培地中に緩やかに再懸濁した。融合手順を、緩やかに撹乱しながら45秒間の期 間にわたり37℃で300μlの45(w/v)%ポリエチレン・グリコール(Boehring er Mannheim)の添加により開始した。細胞を90秒間の期間にわたり15mlの無血清 培地を添加することにより徐々に希釈した。細胞を緩やかに遠心分離し、そして その上清を除去した。次に細胞を緩やかに70mlの HAT培地(撹拌なし)中に再懸 濁し、そして100μl/ウェルにおいて96ウェル・プレート内に小分けした。次 にプレートを7−10分間37℃においてインキュベートし、その後ハイブリドーマ 含有ウェルからの上清を、元のA15アガロース単離免疫原からの異なる分子量の 電気溶出抗原のパネル及び商業的に入手可能な基底膜タンパク質に対する ELISA によりテストした。ウェルを、A15抗原とのそれらの反応性及び無傷の基底膜タ ンパク質との非反応性に基づいて選択した。 選ばれたウェルを、20%胎児ウシ血清を含むRPMI 1640培地中で成長させ、単 一クローン化し、そして基底膜タンパク質並びにいくつかの TCC陽性及び陰性患 者からのA15抗原のパネルからの高分子量複合体に対する活性についてスクリー ニングした。セルラインを全部で3回単一クローン化し、そして各ケースにおい て上述のようにスクリーニングした。 スクリーニング目的のために、96ウェル・プレートを、基底膜タンパク質、ヒ ト・フィブロネクチン、ラミニン及びコラーゲンIV、さらにフィブリノーゲン及 び TCC陽性及び陰性尿からのA15精製複合体並びに TCC陽性尿からの電気溶出物 質によりコートした。各ケースにおけるコーティングを、100μl/ウェノレの 抗原を用いて炭酸塩/重炭酸塩バッファー、 pH9.6中4μg/mlにおいて行い、 そしてそれらのプレートを一夜インキュベーションした後、1%ウシ血清アルブ ミンを含む PBS中でブロックした。クローンを、 TCC陽性尿からのA15材料との 陽性反応性についてを除き、基底膜タンパク質、フィブリノーゲン及び TCC陰性 患者のA15精製尿に対する反応性の欠如について選択した。上清をスクリーニン グしながら、50μlのハイブリドーマ上清を適当な抗原を含むウェルに添加し、 そして室温において1時間インキュベートした。次にウェルを吸引し、そして P BS-Tweenバッファー中で3回洗浄し、その後ヤギ抗−マウス IgG西洋ワサビ・ペ ルオキシダーゼ結合体をそれらのウェルに添加し、そしてそれらのプレートを室 温においてさらに1時間インキュベートした。次にプレートを PBS-Tween中で3 回洗浄し、そして結合した西洋ワサビ・ペルオキシダーゼ結合体の存在を TMB基 質を用いて検出した。反応を100μlの1N H2SO4の添加により停止させた。最 後にこれらのプレートを ELISAリーダー内で 450nmにおいて読んだ。基底膜タン パク質に対する抗体を含む対照ウェルを適宜 使用した。表7に示すように、抗体 1B4及び類似のクローン3D6,1A3及び 8H2は 全て上記複合体の電気溶出 165kd成分と反応性であったが、ヒト・コラーゲンIV 、ラミニン、フィブロネクチン及びフィブリノーゲンとは、非反応性であった。 尿からの精製複合体及びそれらの尿自体との抗体の反応性を実施例8において 説明する。 1B4抗体も、尿サンプル中で直接的に、ディップスティック及びスライド凝集 活性の両方を阻害することが示された。 1B4抗体も、反応性が BTA反応性画分中にあるかどうかを決定するために、 TC Cをもつ患者の尿のヘパリン・アガロース画分からの画分に対する反応性につい てテストされた。データ(図10)は、1B4反応性が実施例4に見られるのと同一 の塩画分中にあることを示し、これはさらに、上記複合体と 1B4抗体の反応性を 立証している。 1B4抗体はMabcheck(Sterogene,CA,USA)を使用してイソタイプに分けられ 、そしてIgG1(K)タイプに属することが示された。抗体 1B4を産生するセルライ ンをAmerican Type Culture Collection(Rockville,Maryland,USA)に寄託し 、そしてATCC No.11389と 命名された。 複合体に対する抗体を顕出するための先に記載した手順は、個々の成分に対す る抗体の顕出にも利用することができる。これらのタンパク質は、複合体から電 気溶出により単離され、そして免疫原として使用されることができ、膀胱癌患者 からの、尿又は尿の単離画分に対する活性によらず基底膜タンパク質に対する反 応性の欠如についてスクリーニングが行われる。 実施例6 癌の異なる段階及び等級をもつ患者のA15精製画分との 1B4の ELISA反応性 A.ヘパリン捕獲 ELISA 複合体がヘパリンについて高いアフィニティーをもつという事実に基づいて、 尿サンプル又はゲル濾過精製複合体からの複合体を捕獲するために固相としてヘ パリンを使用する検定を行った。 96ウェル ELISAプレートを50mM炭酸塩/重炭酸塩バッファー、 pH9.6中のヘパ リン(4μg/ml)100μlにより一夜コートし、そして吸引乾燥した。 TCCの異 なる段階及び等級をもつ患者の尿からのゲル濾過精製(アガロースA15)サンプ ルを25mM Tris-HCl、 pH7.8で4μl/mlに希釈した。 100マイクロリッターの この希釈液を上記ヘパリン・コート・プレートに添加し、そして37℃において2 時間インキュベートした。次にプレートを吸引し、そして 100μlの 1B4抗体( 1−2μg/ml)を各ウェルに添加し、そしてプレートを室温において2時間イ ンキュベートした。次にプレートを、0.1% Tween 20 及び 0.1%ウシ血清アル ブミンを含むリン酸塩バッファー生理食塩水中のヤギ抗−マウスIgG−西洋ワサ ビ・ペルオキシダーゼ(HRP)結合体の1/2000希釈物 100μlの添加に先立って 0.1% Tween 20を含むリン酸塩バッファー生理食塩水中で3回洗 浄した。次にプレートを室温において1時間インキュベートし、次に PBS-Tween 中で3回洗浄した。ウェル中の HRP−標識免疫複合体の検出をウェルに 100μl のTMB基質を添加し、室温において30分間インキュベートし、次に100μlの1N H2SO4を添加することによりその反応を停止させることにより達成した。ウェル を ELISAリーダー内で 450nmにおいて読んだ。 図11は、24の異なるA15精製複合体(16の TCC陽性と8の TCC陰性)の反応性 を示す。16陽性の中では、全てが、上記ヘパリン捕獲 EIAにより検出された。陰 性の中では、たった1つが、前立腺を超えて転移した段階Dの前立腺癌であるこ とが示されたいくらかの反応性を示した。図11は、全 ELISA反応性が、先の実施 例におけるデータから予想されることができたであろうに、その等級が増加する ときに増加する傾向をもつことをも示す。典型的に高い等級腫瘍をもつ CIS患者 からのサンプルも高く反応性であった。 B.非ヘパリン ELISA A15精製画分を、50mM炭酸塩/重炭酸塩コーティング・バッファー、 pH9.6に より4μg/mlに希釈し、そして96ウェル・マイクロタイター・プレートのウェ ル上にコートし、そして4℃において一夜インキュベートした。次にプレートを 吸引し、そして 100μlのブロッキング・バッファー(2% BSAを含む、リン酸 塩バッファー生理食塩水、pH7.4)を添加し、そしてプレートを90分間インキュベ ートした。次にこれらのウェルを吸引し、そして0.1(v/v)%Tween 20と0.1 (w/v)%ウシ血清アルブミンを含むリン酸塩バッファー生理食塩水、 pH7.4 中 1B4抗体(1−2μg/ml)100μlを各ウェルに添加し、そしてプレートを 室温においてさらに2時間インキュベートした。0.1% Tweenを含むリン酸塩バ ッファー生理食塩水中でプレートを3回洗浄した後、0.1%ウシ血清アルブミ ンと 0.1% Tween 20 を含むリン酸塩バッファー生理食塩水、 pH7.4中のヤギ抗 −マウス IgG−西洋ワサビ・ペルオキシダーゼ結合体(1/2000希釈)100μlを 各ウェルに添加し、そしてプレートを1時間室温においてインキュベートした。 プレートを再び、前回と同様に、各ウェルに TMB基質を添加する前に3回洗浄し た。色を30分間顕色せしめ、この時に100 μlの1N H2SO4の添加によりその反 応を停止させ、そして 450nmにおいてELISAリーダー上で読んだ。 図12は、 1B4抗体との、いくつかの TCC陽性及び陰性尿の反応性を示し、ここ で、A15物質はこれらの尿から単離され、そして先の手順において記載したよう にポリプロピレン・プレートのウェル上に直接的にコートされる。再び、 TCC陽 性及び陰性尿の識別が可能であった。但し、そのシグナルは、尿を直接的に使用 するとき、上記ヘパリン捕獲 ELISAに比べて減少された。 実施例7 基底膜複合体との、 1B4関連サブクローンの ELISA反応性 1B4クローンが得ら れたのと同一の融合から、いくつかの他のクローン又はシスター・クローンを顕 出し、そして、A15精製物質に対して及びまた直接的に尿に対して、先に記載し たように ELISA検定においてテストした。特に注意すべきことは、 1B4と同一ウ ェルから単離されたシスター・クロー 1A3と 3D6である。他のクローン 8H2も 1 B4と同一の融合から得られた。クローン12F3を、免疫感作された他のマウスから 単離し、そして 1B4クローンがそこから誘導されたものに、類似の方法で融合し た。クローン12F3と 8H2は 1B4への類似の ELISA反応性をもちながら、ウェスタ ン・ブロット分析におけるそれらの反応性における差異をもち、このことは、そ れらが異なるエピトープに結合し、そしてそれ故、サンドイッチ ELISA検定にお いて有用であるということを示している。図13は 1B4と比較した これらのクローンの ELISA活性を示す。ウェスタン・ブロット分析における差異 についての情報を以下の実施例10に与える。 実施例8 膀胱癌患者からの尿との 1B4の ELISA反応性ヘパリン捕獲 ELISA 96ウェル ELISAプレートを50mM炭酸塩/重炭酸塩バッファー、 pH9.6中のヘパ リン(4μg/ml)100μlにより一夜コートし、そして吸引乾燥した。尿を、最 終濃度100mM Trisバッファーのために、1部の500mM Tris-HClバッファー、 pH7 .4を、4部の尿に添加することにより緩衝化した。 100マイクロリッターのこの 希釈物をヘパリン・コート・プレートに添加した。プレートを2時間37℃におい てインキュベートした。次にプレートを吸引し、そして0.1% Tween 20 と 0.1 %ウシ血清アルブミンを含むリン酸塩バッファー生理食塩水中の 100μl 1B4抗 体(1−2μg/ml)を各ウェルに添加し、そして室温において2時間インキュ ベートした。次にプレートを、0.1% Tween 20 と0.1%ウシ血清アルブミンを含 むリン酸塩バッファー生理食塩水中のヤギ抗−マウス IgG−西洋ワサビ・ペルオ キシダーゼ(HRP)結合体の1/2000希釈物 100μlの添加に先立って 0.1% Twee n 20 を含むリン酸塩バッファー生理食塩水中で3回洗浄した。次にプレートを 室温において1時間インキュベートし、次に PBS Tween中で3回洗浄した。ウェ ル内の HRP−認識免疫複合体の検出をそのウェルに100μlの TMB基質を添加し 、室温において30分間インキュベートし次に 100μlの1N H2SO4の添加により その反応を停止させることにより達成した。ウェルを ELISAリーダー内で 450nm において読んだ。 図14は、上記検定形式においてテストしたときの陽性及び陰性尿の ELISA反応 性を示し、そして TCC陽性尿の検出における 1B4抗体 の使用をサポートする。 実施例9 膀胱癌患者からの尿との 1A3ディップスティック反応性 クローン 1A3は同一特性をもつ 1B4に対するシスター・クローンである。この 抗体はプロテインAセファロース上で精製され、そして以下に記載するようにラ テックス粒子に受動的に結合された。 150mlの脱イオン水を50mlの48% Lytron 5450ラテックス懸濁液(Morton Thiok ol,International)に添加し、そして 8000rpmにおいて2時間遠心分離した。こ の洗浄段階を2回繰り返した。次にラテックスを10mMリン酸塩バッファー生理食 塩水、 pH7.4中で10(w/v)%に再懸濁した。65マイクロリッターの、10mlリ ン酸塩バッファー生理食塩中の精製 1A3モノクローナル抗体(300μg/ml)を次 に最初に10mlの10% Lytron 5450粒子に、その後ブロッキング剤としての 100mg のウシ血清アルブミンに添加した。このラテックス懸濁液を回転器上で室温にお いて6時間混合した。ブリリアント・ブルーR(Brilliant blue R)(Sigma Chemi cal Co.,5mg)を次にその混合物に添加し、そしてその懸濁液をさらに1時間混 合した。これは保存ラテックス試薬を構成した。 インキュベーション及び BSAによるブロッキング後、1mlの保存ラテックスを 、0.075%のウシ血清アルブミン及び1ml/リッターの黄色食品着色料(Crescen t)を含む9mlの 0.1Mグリシン・バッファー、 pH8.2と混合した。これは、作 業ラテックス試薬(working latex reagent)を構成した。 抗体コート・ラテックスの反応性をテストするために、20μlの患者の尿を80 μlの作業ラテックスと混合し、そして実施例1における BTA検定のために使用 されたものに匹敵するウェル内で混合した。室温において20秒間試薬をそのまま にした後、制御された小孔 サイズのガラス繊維ディップスティックをその反応ミックスに添加した。このデ ィップスティックを、実施例1に記載したディップスティック検定と同一のやり 方で陽性又は陰性として解釈する。尿サンプルも実施例1において記載したよう な緩衝化尿 BTAディップスティック検定においてテストした。 BTAディップステ ィックにおいてボーダーライン陽性又は偽陰性であったサンプルを選んだ。 1A3抗体コート・ラテックスは、テストされたサンプルの小さな群に対してか なりの特異性をもつ正常 BTAを上廻る改良された感度を提供し、そして複合体の 免疫学的検出の例を提供する。 実施例10 膀胱癌患者の尿から単離された複合体との、 1B4及び他のクローンの、ウェスタ ン・ブロット反応性 サンプルを〜10μg/ウェルのタンパク質を使用して、実施例3に従ってSDS- PAGEゲル内で走らせた。 Immobilon-P膜を、SDS-PAGEゲルの除去に先立ってSDS- PAGEランニング・バッファー(25mM TRIS、0.1% SDSを含む 192mMグリシン)中 で平衡とした。次にゲルを BioRad Mini-Transブロット系を使用して上記 Immob ilon-P膜上にブロットした。電気泳動転移を2時間 250mA一定において行った。 次にこの膜を取り出し、そして室温において少なくとも2時間ブロッキング剤と して2% BSAを含むリン酸塩バッファー生理食塩水中に入れた。次にこのブロッ トを 0.1% Tween 20(PBS-Tween)を含むリン酸塩バッファー生理食塩水により 濯いだ。抗体 1B4又は他のクローン(〜2μg/ml)を PBS-Tween中に添加し、 そして膜を、回転ロッカー(rotating rocker)上で緩やかに叩きながら室温にお いて2時間インキュベートした。次にブロットを10分間 PBS-Tweenにより洗浄し た。次にアルカリ性フォスファターゼ標識ヤギ抗−マウス抗体を室温において60 分間PBS-Tween中に添加した。次にブロットを PBS-Tweenで10−15分間3回洗浄 し、次に 50mM TRIS、5mM MgCl2、 pH9.0中で2回洗浄した。ブロットを50mM T RIS、5mM MgCl2、 pH9.0中に、100μg BCIP/ml、200μg NBT/mlを含むBCIP /NBT基質/発色団溶液を使用して顕出した。バンド着色をピンク様の背景が現 われるまで進行させ、その時ブロットを PBS-Tween中で洗浄し、そして暗所内で 乾燥に供した。ブロットを濃度計上で 走査した。 TCC陽性画分に対する12% SDS-PAGE ゲル上の 1B4抗体及び11% SDS-PAGE ゲ ル上の関連クローンについてのウェスタン・ブロットを、それぞれ図15、パネル AとBに示す。実施例5において記載されたように単離された BTA複合体に対す る一連のモノクローナル抗体を、標的抗原として活性TCCをもつ患者からのヘパ リン・アガロース画分を使用して、先に記載されたようにウェスタン・ブロット 分析において使用した。抗原の負荷に依存して、使用されるクローンに依存して 、 BTAモノクローナル抗体によりヒットされる傾向をもつ6つのバンドが典型的 には存在する。モノクローナル抗体 1B4と 3D6は、82,26、及び18kdにおけるバ ンドにヒットし、より高い抗原負荷については、98kd,32kd、及び 165kdにおい てより小さなバンドがある。モノクローナル抗体 8H2及び12F3は 1B4と同じ6つ の主バンドにヒットしたが、それらは、 1B4よりもより強く98kd及び32kdにヒッ トした。場合により、16kd領域内に非特異的バンドの証拠がある。全 BTAモノク ローナル抗体が、より高い抗原負荷について複合体の高分子量(165kd)成分をヒ ットする傾向がある。このデータは、記載した4つの抗体の全てが同一の複合体 であるが異なる部位においてヒットし、そしてタンパク質分解複合体の相関成分 上に存在するエピトープと反応性であることを示している。 これまで、本発明の特定の態様を説明の目的をもって本明細書中に記載してき たけれどもさまざまな修正を本発明の本質及び範囲から逸脱せずに行うことがで きると解されるであろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI G01N 33/574 0276−2J G01N 33/483 F // G01N 27/447 0276−2J 33/493 A 33/483 0276−2J 33/577 B 33/493 9162−4B C12N 15/00 C 33/577 0275−2J G01N 27/26 315Z (72)発明者 バン アッケン,モーガン アメリカ合衆国,ワシントン 98110,ベ インブリッジ アイランド,ウエスト ポ ート マディソン ロード 8180 (72)発明者 ジョーンズ,トビン ケー. アメリカ合衆国,ワシントン 98110,ベ インブリッジ アイランド,ビュークレス ト アベニュ ノース イースト 9503

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.膀胱癌の浸潤性の測定方法であって、以下の段階: (a)膀胱癌をもつ疑いのある温血動物から尿サンプルを単離し; (b)基底膜成分を含む複合体であって、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリ ルアミド・ゲル電気泳動により測定されるような、約245,000;190,000;165,00 0;140,000;125,000;98,000;82,000;74,000;55,000;43,000;35,000;26, 000;及び16,000の分子量をもつポリペプチド群から選ばれたポリペプチドを含 んで成る複合体のポリペプチド成分を、上記サンプル中で検出し;及び (c)上記複合体のポリペプチド組成に基づきその膀胱癌の浸潤性を測定する、 を含んで成る方法。 2.膀胱癌の浸潤性の測定方法であって、以下の段階: (a)膀胱癌を有する疑いのある温血動物から尿サンプルを単離し; (b)基底膜成分を含む複合体の第1ポリペプチドであって、ドデシル硫酸ナト リウム−ポリアクリルアミド・ゲル電気泳動により測定されるような、約165,00 0;140,000;又は 125,000の分子量をもつ第1ポリペプチドの量を、上記サンプ ル中で測定し; (c)上記複合体の第2ポリペプチドであって、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリ アクリルアミド・ゲル電気泳動により測定されるような、約98,000;82,000;74 ,000;55,000;43,000;35,000;26,000;又は16,000の分子量をもつ第2ポリペ プチドの量を、上記サンプル中で測定し;及び (d)上記第1ポリペプチドの量対上記第2ポリペプチドの量の比 を計算して、そしてそれから、その膀胱癌の浸潤性を測定する、 を含んで成る方法。 3.第1ポリペプチドが、約 165,000の分子量をもつポリペプチドである、請 求項2に記載の方法。 4.第2ポリペプチドが、約43,000の分子量をもつポリペプチドである、請求 項2に記載の方法。 5.第2ポリペプチドが、約98,000の分子量をもつポリペプチドである、請求 項2に記載の方法。 6.第1ポリペプチドが約 165,000の分子量をもつポリペプチドであり、かつ 、第2ポリペプチドが約43,000の分子量をもつポリペプチドである、請求項2に 記載の方法。 7.第1ポリペプチドが約 165,000の分子量をもつポリペプチドであり、かつ 、第2ポリペプチドが約98,000の分子量をもつポリペプチドである、請求項2に 記載の方法。 8.膀胱癌の浸潤性の測定方法であって、以下の段階: (a)膀胱癌をもつ疑いのある温血動物から尿サンプルを単離し; (b)基底膜成分を含む複合体であって、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリ ルアミド・ゲル電気泳動により測定されるような、約165,000;140,000;125,00 0;98,000;82,000;74,000;55,000;43,000;35,000;26,000;及び16,000の 分子量をもつポリペプチド群から選ばれたポリペプチドを含んで成る複合体のポ リペプチドを、上記サンプル中で測定し;及び (c)それから、その膀胱癌の浸潤性を測定する、 を含んで成る方法。 9.膀胱癌の浸潤性の測定方法であって、以下の段階: (a)膀胱癌をもつ疑いのある温血動物から尿サンプルを単離し; (b)基底膜成分を含む複合体であって、ドデシル硫酸ナトリウム −ポリアクリルアミド・ゲル電気泳動により測定されるような、約245,000;190 ,000;165,000;140,000;125,000;98,000;82,000;74,000;55,000;43,000 ;35,000;26,000;及び16,000の分子量をもつポリペプチド群から選ばれたポリ ペプチドを含んで成る複合体の量を、上記サンプル中で検出し;及び (c)それから、その膀胱癌の浸潤性を測定する、 を含んで成る方法。 10. ATCC No.11389により命名されるような、セルライン 1B4。 11.請求項10に記載のセルラインにより産生されたモノクローナル抗体。
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