JPH06335396A - 抗粘液糖タンパク質モノクローナル抗体 - Google Patents

抗粘液糖タンパク質モノクローナル抗体

Info

Publication number
JPH06335396A
JPH06335396A JP5159891A JP15989193A JPH06335396A JP H06335396 A JPH06335396 A JP H06335396A JP 5159891 A JP5159891 A JP 5159891A JP 15989193 A JP15989193 A JP 15989193A JP H06335396 A JPH06335396 A JP H06335396A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mucus
monoclonal antibody
cells
pbs
added
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP5159891A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3581160B2 (ja
Inventor
Makoto Kurihara
誠 栗原
Kazuhiko Ishihara
和彦 石原
Kyoko Hotta
恭子 堀田
Hiromi Tanaka
宏美 田中
Shiro Shimauchi
四郎 島内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanto Chemical Co Inc
Original Assignee
Kanto Chemical Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanto Chemical Co Inc filed Critical Kanto Chemical Co Inc
Priority to JP15989193A priority Critical patent/JP3581160B2/ja
Priority to EP94916400A priority patent/EP0654532B1/en
Priority to US08/373,220 priority patent/US5576182A/en
Priority to CA002141025A priority patent/CA2141025C/en
Priority to PCT/JP1994/000838 priority patent/WO1994028158A1/ja
Priority to DE69427850T priority patent/DE69427850T2/de
Publication of JPH06335396A publication Critical patent/JPH06335396A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3581160B2 publication Critical patent/JP3581160B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • C07K16/18Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2474/00Immunochemical assays or immunoassays characterised by detection mode or means of detection
    • G01N2474/20Immunohistochemistry assay

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 ヒトの胃腺上皮型粘液の測定に使用可能な新
規なモノクローナル抗体の提供。 【構成】 ヒトの胃の腺上皮型粘液細胞が産生する粘液
糖タンパク質と特異的に反応するIgMクラスモノクロ
ーナル抗体および該モノクローナル抗体を産生するハイ
ブリドーマ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、ヒトの胃粘膜の腺上皮粘液細
胞、すなわち、噴門腺細胞、副細胞(粘液頸細胞)、幽
門腺細胞およびヒトの胃粘膜の腺上皮型粘液を産生する
粘液細胞、例えば、十二指腸のBrunner腺、胃腺
上皮型化生細胞、胃腺上皮型腫瘍細胞の染色に有用なモ
ノクローナル抗体に関する。更に本発明は、上記の胃の
腺上皮型粘液細胞が分泌する粘液糖タンパク質の測定に
有用なモノクローナル抗体に関する。詳しくは、本発明
のモノクローナル抗体または本発明のモノクローナル抗
体の標識誘導体を用いて免疫組織染色を行うことによ
り、ヒトの胃の腺上皮型粘液細胞およびそれら細胞の分
泌粘液を特異的に染色することができ、また、ELIS
A(enzyme−linked immunosor
bent assay)を行なうことにより、ヒトの体
液、例えば、胃液、膵液、血液、喀痰中に含まれる胃の
腺上皮型粘液細胞由来の粘液糖タンパク質を質的、量的
に分析することができる。本発明のモノクローナル抗体
は癌の検診または診断に利用できる。
【0002】
【背景技術】胃を含む消化管粘膜の上皮に存在する粘液
産生細胞は粘液を合成、分泌することで消化管の機能維
持に寄与していると考えられる。とくに胃粘液は胃酸や
ペプシンなどの攻撃因子から胃の粘膜を保護するための
重要な防御因子の一つとして位置づけられている。
【0003】ヒトの胃の粘液産生は胃粘膜表層上皮に存
在する表層粘液細胞(被蓋上皮細胞)と胃腺の底部に存
在する腺上皮粘液細胞で行なわれているが、近年、これ
らの粘液細胞が産生する粘液を個々に識別する試みがな
されている。組織化学的には表層粘液細胞と腺上皮粘液
細胞それぞれの粘液に固有の糖成分に対して特異的な染
色法が開発され、両者を識別することが可能となってい
る。すなわち、表層粘液細胞はガラクトースオキシダー
ゼ・コールドチオニン・シッフ(GOCTS)反応で特
異的に染色される粘液をもち、腺上皮粘液細胞にはコン
キャナバリンAパラドキシカル染色法(Katsuya
ma,T.and Spicer,S.S.(197
8)J.Histochem. Cytochem.2
6,233−250)によりIII型に分類される粘液
(III型粘液)が特異的に存在することが認められて
いる(Ota,H.et al.(1991)Hist
ochemical J.23,22−28)。また、
胃粘膜表層上皮を覆っている粘液ゲル層はGOCTS反
応陽性粘液とIII型粘液が交互に積み重なった層状構
造をとっていることが証明され、粘液ゲル層には表層粘
液細胞と腺上皮粘液細胞から産生された粘液が含まれて
いることが認められている(Ota,H.etal.
(1991)Histochemical J.23,
22−28)。
【0004】一方、勝山らはIII型粘液が正常組織で
は食道噴門腺から胃の噴門腺、副細胞、幽門腺、十二指
腸のBrunner腺、Vater乳頭部の粘液腺、膵
頭部膵管の粘液腺におよぶ消化管の限られた範囲の腺上
皮にだけしか見いだされないのに対して、胆嚢腺腫、胆
嚢癌、膵管癌等の腫瘍組織では高頻度に証明されること
を明らかにした(勝山ら(1989)病理と臨床7、1
217−1224)。また、Matsuzawaらは胃
粘膜に認められるような組織形態、すなわち、粘膜の表
層上皮にGOCTS反応に強陽性な粘液が存在し、深層
部にIII型粘液が局在するといった形態は正常な膵管
組織では見られないが、化生や癌化した膵管組織の中に
このような胃粘膜型の形態を呈するものが多いことを見
いだし、化生と癌との関係について言及している(Ma
tsuzawa,K.et al.(1992)Hum
an Pathology 23,925−933)。
これらの研究成果は、体液中に分泌された胃型の粘液、
特に胃の腺上皮型の粘液(胃腺上皮型粘液)を測定する
ことにより、癌疾患、もしくは、癌になる可能性につい
ての診断のためのデータの提供が可能となることを示し
ている。
【0005】従来、ヒトの胃腺上皮型粘液を特異的に検
出するための方法としては前記のコンキャナバリンAパ
ラドキシカル染色法以外には知られていない。しかし、
その検出法は、試料が固定標本に限られるため、分泌粘
液または可溶化した粘液の測定に対しては適用すること
ができず、また、染色の再現性を期待することができな
いという欠点があるため、これまで胃腺上皮型粘液を定
量的に測定することはできなかった。
【0006】
【発明の開示】本発明は、ヒトの胃腺上皮型粘液の測定
に使用可能な新規なモノクローナル抗体を提供するもの
である。すなわち、本発明は、胃の腺上皮粘液細胞およ
びその分泌粘液と強い親和性を有し、かつ、表層粘液細
胞およびその分泌粘液と交差性を有しない新規なモノク
ローナル抗体を提供するものである。
【0007】本発明者らはヒトの胃腺上皮型粘液を認識
するモノクローナル抗体について鋭意研究を重ねた結
果、粘液の主要成分である粘液糖タンパク質(ムチン)
を免疫抗原に用いることにより、ヒトの胃の腺上皮型粘
液細胞およびその分泌粘液に対して高い特異性をもつ新
規なモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマなら
びにそのモノクローナル抗体を得ることに成功した。
【0008】本発明に係るモノクローナル抗体を産生す
るハイブリドーマは以下に述べるとおり、ケラーとミル
シュタインの方法(Koehler,G.and Mi
lstein,C.(1975)Nature 25
6,495−497)によって得られる。すなわち、好
適な方法で調製された粘液糖タンパク質を用いて、マウ
スを免疫した後、このマウスの膵臓細胞をマウスミエロ
ーマ細胞と融合させ、得られたハイブリドーマから目的
とする抗体を産生し分泌するハイブリドーマを選別し、
単離することができる。以下に本発明に係る上記のハイ
ブリドーマならびにモノクローナル抗体の調製法および
同モノクローナル抗体の特性について詳述する。
【0009】A.抗原の単離、精製:免疫抗原としては
ヒトあるいはヒト以外の哺乳動物の胃粘膜またはBru
nner腺からの抽出物を用いることができる。好適に
はそれら抽出物から得られる粘液糖タンパク質を精製し
て用いる。例えば、ラットの胃粘膜から小原らの方法
(Ohara,S.et al.(1986)Com
p.Biochem.Physiol.83B,273
−275)により抽出、精製した粘液糖タンパク質が用
いられる。後記の実施例では、ラット胃粘膜抽出物から
ゲルろ過によって分子量1500000以上の画分を
得、この画分からセシウムクロライド密度勾配遠心法に
よって糖タンパク質画分(粘液糖タンパク質含有画分)
を得た。このようにして得られた粘液糖タンパク質を免
疫抗原として使用した。
【0010】B.マウスの免疫:免疫動物として、好適
には4〜8週齢のBALB/cマウスを用いることがで
きるが、他の系のマウスも使用することができる。免疫
スケジュールおよび抗原濃度は、十分な量の抗原刺激を
受けたリンパ球が形成されるよう選ばれる。例えば、マ
ウスの腹腔内に好適なアジュバンドと共に前記の粘液糖
タンパク質100μg/匹を投与する。以後数日〜数週
間おきに、初回免疫に使用したものと同じ抗原を数回投
与する。2回目の免疫以後、眼底静脈より採血し、血液
中の抗体価について検討する。抗体価の測定はELIS
A法により好適に行うことができる。
【0011】C.細胞融合 免疫したマウスより脾臓を摘出し、これから脾臓単細胞
懸濁液を調製する。これを適当なマウス骨髄腫細胞と適
当な融合促進剤を使用して細胞融合させる。骨髄腫細胞
は脾臓細胞を得た動物と同種の動物のものを用いるのが
好ましく、また、抗体を産生しないものが好ましい。後
記実施例においては8−アザグアニン耐性マウス骨髄腫
細胞Sp2/O−Ag14(Shulman,M.et
al.(1978)Nature 276,269−
270)が使用された。脾臓細胞と骨髄腫細胞の使用割
合は細胞数比で約20:1〜約5:1とするのが好まし
い。好ましい融合促進剤としては例えば平均分子量が1
000〜4000のポリエチレングリコールを有利に使
用することができるが、この分野で知られている融合促
進剤を使用することができる。
【0012】D.融合した細胞の選択:別の容器内で前
記Cで得られた混合物すなわち、未融合の脾臓細胞、未
融合の骨髄腫細胞および融合した細胞の混合物を、未融
合の細胞を支持しない選択培地で適当な時間培養し、未
融合の細胞を死滅させる。培地は薬物抵抗性(例えば8
−アザグアニン抵抗性)で未融合の骨髄腫細胞を支持し
ないもの、例えば、HAT培地が使用される。未融合の
脾臓細胞は非腫瘍性細胞なので、この選択培地中では未
融合の脾臓細胞と未融合の骨髄腫細胞は、ある時間後、
死滅する。融合した細胞は骨髄腫の親細胞の腫瘍性と脾
臓細胞の性質とを合わせ持つため、選択培地中で生存す
る。
【0013】E.各容器中のハイブリドーマの産生する
抗体の確認(スクリーニング):上記Dの培養により、
ハイブリドーマの産生が確認されたウエルの培養上清を
採取し、胃粘液糖タンパク質に対する免疫反応性の有無
を調べる。このスクリーニングは、例えば、ELISA
法により好適に行なうことができる。この免疫反応がプ
ラスのものについて、さらに、腺上皮粘液細胞およびそ
の分泌粘液を特異的に認識するか否かをスクリーニング
する。このスクリーニングは、例えば、胃粘膜固定標本
切片の免疫組織染色法により好適に行なうことができ
る。
【0014】F.目的の抗体を産生するハイブリドーマ
のクローン化と抗体の産生:前項Eで得られた免疫反応
プラスの細胞懸濁液を適当な方法、例えば、限界希釈法
でクローン化した後、所望の抗体を得るには2つの方法
を用い得る。1つはハイブリドーマを一定時間、適当な
培地で培養する方法であり、その培養上清からハイブリ
ドーマの産生するモノクローナル抗体を得ることができ
る。第2の方法は、ハイブリドーマを同質遺伝子、また
は半同質遺伝子を持つマウスの腹腔に接種することであ
る。一定時間後、接種されたマウスの血液中および腹水
中より、ハイブリドーマの産生する所望のモノクローナ
ル抗体を得ることができる。
【0015】G.モノクローナル抗体の精製:本発明に
係るモノクローナル抗体は、ハイブリドーマ培養上清、
あるいはマウスの血液中および腹水中より、広く用いら
れている生化学的精製法によって精製することができ
る。例えば、硫安塩析、イオン交換カラムクロマトグラ
フィー、分子ふるいカラムクロマトグラフィー、あるい
はアフィニティーカラムクロマトグラフィーなどから選
ばれる種々の精製法を組み合せることによって好適に行
なうことができる。
【0016】H.モノクローナル抗体の標識および標識
モノクローナル抗体の利用:上記の方法により精製した
モノクローナル抗体は、広く用いられている生化学的手
法によりペルオキシダーゼ、アルカリフォスファター
ゼ、ビオチンなどを用いて、標識することができる。標
識法としては、例えば、酵素の過ヨウ素酸酸化生成物を
抗体と結合させる方法、グルタルアルデヒドを架橋剤に
用いて酵素と抗体とを結合させる方法が用いられる。こ
のようにして得られた標識モノクローナル抗体は免疫組
織染色法、あるいは、ELISA法におけるサンドイッ
チアッセイ法に好適に使用できる。ELISA法につい
ては、例えば、一次抗体として本発明に係るモノクロー
ナル抗体をELISAプレートの各ウエルに吸着させ、
さらに、ウエルの未吸着部位に反応に関与しない物質
(例えばスキムミルク)を吸着させた後、同ウエルに試
料溶液を添加し、洗浄した後、適当な濃度の標識モノク
ローナル抗体溶液を添加、洗浄し、次に酵素の基質溶液
を添加することにより、試料中の粘液糖タンパク質の定
量分析を行うことが可能である。
【0017】I.モノクローナル抗体と抗原との反応
性:本発明に係るモノクローナル抗体の抗原認識部位
は、このモノクローナル抗体について構造既知の化合物
に対する反応性を検討することにより調査することがで
きるが、本発明者らは交差反応性が認められたブタの胃
粘液糖タンパク質(Sigma社製)を常用の生化学的
方法によって分解処理し、分解生成物から抗原活性をも
つ成分を分離し、精製し、その成分を常用の物理化学的
方法により分析した。抗原活性の測定は阻止試験法をE
LISA法に応用したCompetitive ELI
SA法により、好適に行なうことができる。
【0018】以下、本発明を実施例によって説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0019】
【実施例】
実施例1 (1) 免疫用抗原の調製 SDラットより摘出した胃から胃粘膜を擦過剥離した
後、Triton X−100を2%含有させた50m
Mトリス−塩酸緩衝液(pH7.2)で抽出した。抽出
物をBio−Gel A 1.5m(Bio−Rad社
製)カラムを用いたゲル濾過にかけ、カラムの排除限界
容量付近に溶出した画分を分取し、さらに、セシウムク
ロライド密度勾配遠心を行ない、比重1.4±0.4g
/mlの糖タンパク質画分(粘液糖タンパク質画分)を
フラクションコレクターによって採取した。
【0020】(2) 免疫マウス脾臓細胞の調製 4週齢のBALB/c雌マウスに対し、フロイント完全
アジュバンド50μl(Difco社製)および上述の
方法で得られた粘液糖タンパク質抗原100μg/匹を
腹腔内投与し、免疫した。以後、3週間おきにフロイン
ト不完全アジュバンド50μl(Difco社製)およ
び初回免疫したものと同じ粘液糖タンパク質抗原100
μg/匹を腹腔内投与し、2回以降の免疫とした。2回
目の免疫以後、免疫の3〜4日後に眼底静脈より採血
し、血清中の抗粘液糖タンパク質抗体を、以下のELI
SA法にて確認した。
【0021】ELISA法:精製粘液糖タンパク質抗原
を、0.05M炭酸ナトリウム−炭酸水素ナトリウム緩
衝液(pH9.6)に、2μg/mlの濃度になるよう
に溶解した後、同じ緩衝液を用いて倍数希釈系列を作製
した。これらの希釈液をELISA用マイクロプレート
(Corning社製)の各ウエルに100μlずつ分
注し、4℃で一夜放置した。各ウエルをTween20
を0.05%含有させたPBS(PBS−Tween)
で3回洗浄した後、各ウエルにスキムミルクを2%含有
させたPBSを満たし、1時間放置した。PBS−Tw
eenで3回洗浄した後、次に試料としてマウス血清の
1000倍希釈液を各ウエルあたり100μl分注し、
1時間反応させた。PBS−Tweenで3回洗浄した
後、次に、二次抗体としてペルオキシダーゼで標識した
ヤギ抗マウスイムノグロブリン抗体(Tago社製)を
PBSで10000倍に希釈した溶液を各ウエルに10
0μl加え、1時間放置した。PBS−Tweenで3
回洗浄した後、次に、ABTS−Hペルオキシダ
ーゼ基質液(Kirkegaard & Perry
Laboratories社製)を各ウエルに100μ
l添加し、室温で30分間反応させた後、マイクロプレ
ートリーダーで415nmの吸光度を測定した。粘液糖
タンパク質の用量に依存して発色性を示すマウス血清を
抗体陽性と判定した。
【0022】粘液糖タンパク質抗原に対する抗体の確認
されたマウスより脾臓を摘出した後、脾臓単細胞懸濁液
を調製し、細胞融合に用いた。
【0023】(3) マウス骨髄腫細胞の調製 8−アザグアニン耐性マウス骨髄腫細胞Sp2/O−A
g 14を正常培地〔RPMI 1640(日水製薬社
製)(10.2g/リットル)に、炭酸水素ナトリウム
(2.2g/リットル)、L−グルタミン(0.3g/
リットル)、ゲンタマイシン(40mg/リットル)お
よび牛胎児血清(10%V/V)を加えた培地〕を用い
て37℃で、炭酸ガスインキュベーター中で培養した。
【0024】(4) 細胞融合およびハイブリドーマの
培養 脾臓細胞をマウス骨髄腫細胞Sp2/O−Ag14と細
胞数比で10:1の割合で混合し、緩やかに撹拌しなが
ら融合補助剤〔ポリエチレングリコール4000(0.
5g)、ジメチルスホキシド(0.05ml)、PBS
(0.5ml)〕を加えて融合させた。37℃で90秒
間インキュベートした後、培地〔RPMI 1640
(日水製薬社製)(10.2g/リットル)に、炭酸水
素ナトリウム(2.2g/リットル)、L−グルタミン
(0.3g/リットル)およびゲンタマイシン(40m
g/リットル)を加えた培地〕を液の全量が40mlに
なるまで徐々に加えた。遠心分離(1100rpm/1
0分)した後、上清を除き、HAT培地〔RPMI 1
640(日水製薬社製)(10.2g/リットル)に、
炭酸水素ナトリウム(2.2g/リットル)、L−グル
タミン(0.3g/リットル)、ゲンタマイシン(40
mg/リットル)、牛胎児血清(20%V/V)、ヒポ
キサンチン(100μmol/リットル)、アミノプテ
リン(0.4μmol/リットル)およびチミジン(1
6μmol/リットル)を加えた培地〕を加え、緩やか
に細胞を懸濁した。この懸濁液を96穴培養プレートに
分注し、5%の炭酸ガスを含む培養器中で培養した。
【0025】(5) スクリーニングおよびクローニン
グ 上記の96穴培養プレートにおいて、コロニー状に生育
した融合細胞の認められたウエルから培養上清を一部採
取し、後述のELISA法によりスクリーニングを行な
い、粘液糖タンパク質抗原と反応する抗体を産生するハ
イブリドーマ、HIK−22とHIK−108を選別し
た。HIK−22とHIK−108それぞれが産生する
抗体について、さらに、後述の免疫組織染色法によって
スクリーニングを行ない、腺上皮粘液細胞およびその分
泌粘液と反応する抗体を産生するハイブリドーマとして
HIK−108を選択した。次に、HIK−108をH
T培地〔RPMI 1640(日水製薬社製)(10.
2g/リットル)に、炭酸水素ナトリウム(2.2g/
リットル)、L−グルタミン(0.3g/リットル)、
ゲンタマイシン(40mg/リットル)、牛胎児血清
(15%V/V)、ヒポキサンチン(100μmol/
リットル)およびチミジン(16μmol/リットル)
を加えた培地〕で1週間、次いで、正常培地〔RPMI
1640(日水製薬社製)(10.2g/リットル)
に、炭酸水素ナトリウム(2.2g/リットル)、L−
グルタミン(0.3g/リットル)、ゲンタマイシン
(40mg/リットル)および牛胎児血清(10%V/
V)を加えた培地〕で1週間継代培養した後、限界希釈
法によるクローニングを2回繰り返し、HIK−108
1、HIK−1082、HIK−1083の3種のハイ
ブリドーマを得た。これらのハイブリドーマを個々に4
週間、正常培地を用いて継代培養した後、各ハイブリド
ーマの培養上清液を後述のELISA法で分析し、最も
高い発色性を示す培養上清液のハイブリドーマ、HIK
−1083(工業技術院生命工学工業技術研究所:受託
番号P−13622)を選択した。
【0026】ELISA法:精製粘液糖タンパク質抗原
を、0.05M炭酸ナトリウム−炭酸水素ナトリウム緩
衝液(pH9.6)に、1μg/mlの濃度になるよう
に溶解した後、ELISA用マイクロプレート(Cor
ning社製)の各ウエルに100μlずつ分注し、4
℃で一夜放置した。各ウエルをTween20を0.0
5%含有させたPBS(PBS−Tween)で3回洗
浄した後、各ウエルにスキムミルクを2%含有させたP
BSを満たし、1時間放置した。PBS−Tweenで
3回洗浄した後、次に試料としてハイブリドーマの培養
上清液を各ウエルあたり100μl分注し、1時間反応
させた。PBS−Tweenで3回洗浄した後、次に、
二次抗体としてペルオキシダーゼで標識したヤギ抗マウ
スイムノグロブリン抗体(Tago社製)をPBSで1
0000倍に希釈したものを各ウエルに100μl加
え、1時間放置した。PBS−Tweenで3回洗浄し
た後、次に、ABTS−Hペルオキシダーゼ基質
液(Kirkgaard &Perry Labora
tories社製)を各ウエルに100μl添加し、室
温で30分間反応させた後、マイクロプレートリーダー
で415nmの吸光度を測定した。ハイブリドーマの培
養上清液の代りにミエローマ細胞の培養上清液を加えた
以外は同様に処理したウエルに対して強く発色するウエ
ルを選択し、発色したウエルに対応する試料を陽性と判
定した。
【0027】免疫組織染色法:ヒト胃粘膜をホルマリン
で固定した後、パラフィンで包埋し、ミクロトームで切
片(厚さ4μm)を作製し、スライドガラス上に固定し
た。同スライドガラスをキシレンに浸して脱パラフィン
した後、過酸化水素を0.3%含有させたメタノールに
30分間浸し、次いで、PBSに30分間浸して洗浄し
た。次に、この洗浄後のスライドガラス上の切片に10
%ウサギ正常血清(ニチレイ社製)を付着せしめ、1時
間インキュベートした後、PBSで洗浄した。次に、こ
の洗浄後の切片に試料としてハイブリドーマの培養上清
液を付着せしめ、1時間インキュベートした後、PBS
で洗浄した。次に、この洗浄後の切片にビオチン標識し
たウサギ抗マウスIgG+IgA+IgM(H+L)
(ニチレイ社製)を付着せしめ、1時間インキュベート
した後、PBSで洗浄した。次に、この洗浄後の切片に
ペルオキシダーゼ標識ストレプトアビジン(ニチレイ社
製)を付着せしめ、1時間インキュベートした後、PB
Sで洗浄した。次に、この洗浄後の切片をジアミノベン
ジジン(同仁化学研究所社製)(0.02%)、過酸化
水素水(0.005%)を含有させた0.05Mトリス
−塩酸緩衝液(pH7.6)中に約4分間浸し、発色さ
せた。
【0028】(6) アイソタイプの確認 本発明に係るモノクローナル抗体のグロブリンクラスを
アイソタイピングキット(PharMingen社製)
を用いたELISA法で調べた。すなわち、monoc
lonal rat anti−mouse Ig
、monoclonal rat anti−mo
use IgG2a、monoclonalrat a
nti−mouse IgG2b、monoclona
l ratanti−mouse IgG、mono
clonal rat anti−mouse Ig
M、monoclonal rat anti−mou
seIgA、monoclonal rat anti
−mouse IgL(κ)およびmonoclona
l rat anti−mouse IgL(λ)の各
試薬をcoating bufferを用いて5倍希釈
した後、ELISA用マイクロプレート(Cornin
g社製)の各ウエルにそれぞれ50μlずつ分注し、4
℃で一夜放置した。各ウエルをTween20を0.0
5%含有させたPBS(PBS−Tween)で3回洗
浄後、各ウエルにスキムミルクを2%含有させたPBS
を満たし、1時間放置した。PBS−Tweenで3回
洗浄した後、次に、各ウエルにHIK−1083(寄託
番号P−13622)を正常培地〔RPMI 1640
(日水製楽社製)(10.2g/リットル)に、炭酸水
素ナトリウム(2.2g/リットル)、L−グルタミン
(0.3g/リットル)、ゲンタマイシン(40mg/
リットル)および牛胎児血清(10%V/V)を加えた
培地〕で3日間培養した後の培養上清液を50μl分注
し、1時間反応させた。PBS−Tweenで3回洗浄
した後、次に、各ウエルにアルカリフォスファターゼで
標識したpolyclonal rat anti−m
ouseIgs試薬を50μl加え、1時間放置した。
PBS−Tweenで3回洗浄した後、次に、各ウエル
にpNPP錠剤1個を基質溶解液5mlに溶解して調製
した基質溶液を50μl添加し、室温で30分間反応さ
せた。プレートを肉眼で観察した結果、monoclo
nal rat anti−mouse IgM試薬と
monoclonal rat anti−mouse
IgL(κ)試薬で前処理した両ウエルにだけ強い黄
色い発色が認められ、他のウエルは無色透明であった。
これらの結果から、本発明のモノクローナル抗体はIg
M抗体であり、軽鎖はκ鎖であることが確認された。
【0029】(7) モノクローナル抗体の調製 2,6,10,14−テトラメチルペンタデカン0.5
ml/匹を6週齢のBALB/c雌マウスの腹腔内に投
与(プリスタン処理)し、10〜14日間飼育した。そ
の後、同マウスの腹腔内に上述のハイブリドーマ株、H
IK−1083(寄託番号P−13622)を5×10
個細胞/匹、注入した。10〜21日後に貯留した腹
水を採取し、遠心分離(12000rpm/20分/4
℃)後、上清液を分取した。得られた上清液に40%飽
和硫安濃度となるように硫安を添加して塩析した後、遠
心分離(12000rpm/20分/4℃)し、沈殿物
を分取した。得られた沈殿物をPBSで溶解し、4℃で
2日間PBSに対して透析した後、透析内液を次のアフ
ィニティーカラムに付した。ブタ胃粘液糖タンパク質
(Sigma社製)をNaClを0.5M含有させた
0.1M燐酸緩衝液(pH7.8)に溶解させた後、同
緩衝液にて膨潤させたCNBr−Activated
Sepharose 4B(Pharmacia社製)
と混和し、カラムに充填した。カラムを同緩衝液で洗浄
後、同カラムに上記の透析内液の成分を吸着させた。カ
ラムに吸着した成分をNaClを0.5M含有させた
0.2Mグリシン−塩酸緩衝液(pH2.0)で溶出し
た後、溶出液に3M トリス−塩酸緩衝液(pH8.
5)を加え、下記の西洋ワサビペルオキシダーゼ標識反
応に用いた。
【0030】(8) モノクローナル抗体の標識 西洋ワサビペルオキシダーゼ(天野製薬社製)を蒸留水
に溶解後、0.1Mメタ過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を
添加し、10分間反応させた。反応液にエチレングリコ
ールを添加した後、反応液をSephadex G−2
5カム(Pharmacia社製)を用いて脱塩し、過
ヨウ素酸処理ペルオキシダーゼ溶液を調製した。この過
ヨウ素酸処理したペルオキシダーゼ溶液とマウス腹水か
らアフィニティーカラムを用いて精製した上記モノクロ
ーナル抗体を混合し、室温で2時間反応させた後、0.
1M水素化ホウ素ナトリウム水溶液を添加して、さら
に、2時間反応させた。この反応液をSephacry
l S−200HR(Pharmacia社製)カラム
を用いて35の画分に分画した後、各画分を下記のEL
ISA法で分析し、発色が認められた4画分を合一し、
凍結保存した。
【0031】ELISA法:精製粘液糖タンパク質抗原
を、0.05M炭酸ナトリウム−炭酸水素ナトリウム緩
衝液(pH9.6)に、1μg/mlの濃度になるよう
に溶解した後、ELISA用マイクロプレート(Cor
ning社製)の各ウエルに100μlずつ分注し、4
℃で一夜放置した。各ウエルをTween20を0.0
5%含有させたPBS(PBS−Tween)で3回洗
浄した後、各ウエルにスキムミルクを2%含有させたP
BSを満たし、1時間放置した。PBS−Tweenr
で3回洗浄した後、次に、試料としてカラム溶出液(各
画分)を各ウエルあたり100μl分注し、1時間反応
させた。PBS−Tweenで3回洗浄した後、次に、
ABTS−Hペルオキシダーゼ基質液(Kirk
egaard & Perry Laboratori
es社製)を各ウエルに100μl添加し、室温で30
分間反応させた後、マイクロプレートリーダーで415
nmの吸光度を測定した。
【0032】実施例2 モノクローナル抗体の抗原特異性 (1) 免疫組織染色法による抗原特異性の確認 実施例1で得たモノクローナル抗体のヒト胃粘膜に対す
る反応性を免疫組織染色法で検討した。すなわち、ヒト
の胃および十二指腸の粘膜をホルマリンで固定した後、
パラフィンで包埋し、ミクロトームで切片(厚さ4μ
m)を作製し、スライドガラス上に固定した。同スライ
ドガラスをキシレンに浸して脱パラフィンした後、過酸
化水素を0.3%含有させたメタノールに30分間浸
し、次いでPBSに30分間浸して洗浄した。次に、こ
の洗浄後のスライドガラス上の切片に10%ウサギ正常
血清(ニチレイ社製)を付着せしめ、1時間インキュベ
ートした後、PBSで洗浄した。次に、この洗浄後の切
片にハイブリドーマHIK−1083(寄託番号P−1
3622)を正常培地〔RPMI 1640(日水製薬
社製)(10.2g/リットル)に、炭酸水素ナトリウ
ム(2.2g/リットル)、L−グルタミン(0.3g
/リットル)、ゲンタマイシン(40mg/リットル)
および牛胎児血清(10%V/V)を加えた培地〕で3
日間培養して得た培養上清液を付着せしめ、1時間イン
キュベートした後、PBSで洗浄した。次に、この洗浄
後の切片にビオチン標識したウサギ抗マウスIgG+I
gA+IgM(H+L)(ニチレイ社製)を付着せし
め、1時間インキュベートした後、PBSで洗浄した。
次に、この洗浄後の切片にペルオキシダーゼ標識ストレ
プトアビジン(ニチレイ社製)を付着せしめ、1時間イ
ンキュベートした後、PBSで洗浄した。次に、この洗
浄後の切片をジアミノベンジジン(同仁化学研究所社
製)(0.02%)、過酸化水素水(0.005%)を
含有させた0.05Mトリス−塩酸緩衝液(pH7.
6)中に約4分間浸し、発色させた。結果は表−1に示
すごとくであった。
【0033】
【表1】
【0034】(2) 抗原活性成分の分析 実施例1で得たモノクローナル抗体が特異的に反応する
粘液糖タンパク質抗原の分析を行った。 (a) 粘液糖タンパク質分解物の調製 Carlson,Don M.(1968)J.Bio
l.Chem.243,616−626に記載の方法に
準拠して、ブタ胃粘液糖タンパク質(Sigma社製)
を水素化ホウ素ナトリウム1Mを含む0.05M水酸化
ナトリウム水溶液中で50℃、24時間加熱処理した。
【0035】(b) 上記分解物の分離、精製 上記(a)で得られた反応液を室温まで冷却後、0.1
N酢酸で平衡化したToyopearl HW−50S
(東ソー社製)カラムに付し、0.5N酢酸で溶出、溶
出液を40の画分に分画した。得られた各画分の抗原活
性を後述のCompetitive ELISA法で検
討した後、抗原活性を有し、かつ、カラムから最も遅れ
て溶出した画分を選定した。選定した画分を、さらに、
TSKgel NH−60カラム(東ソー社製)を用
いたHPLCにて70の画分に分画し、各画分の抗原活
性を後述のCompetitive ELISA法で検
討した。得られた70画分の中から強い抗原活性を有す
る3画分を選択し、これら3画分を合一して、減圧乾固
した。
【0036】Competitive ELISA法:
精製粘液糖タンパク質抗原を、0.05M炭酸ナトリウ
ム−炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH9.6)に、2μ
g/mlの濃度になるように溶解した後、ELISA用
マイクロプレート(Corning社製)の各ウエルに
100μlずつ分注し、4℃で一夜放置した。各ウエル
をTween20を0.05%含有させたPBS(PB
S−Tween)で3回洗浄した後、各ウエルにスキム
ミルクを2%含有させたPBSを満たし、1時間放置し
た。PBS−Tweenで3回洗浄した後、洗浄した各
ウエルに、別の容器内で試料として上述の粘液糖タンパ
ク質抗原分解物のカラム溶出液50μl、ハイブリドー
マHIK−1083(寄託番号P−13622)を正常
培地〔RPMI 1640(日水製薬社製)(10.2
g/リットル)に、炭酸水素ナトリウム(2.2g/リ
ットル)、L−グルタミン(0.3g/リットル)、ゲ
ンタマイシン(40mg/リットル)および牛胎児血清
(10%V/V)を加えた培地〕で3日間培養して得た
培養上清液25μlおよびPBSの4倍濃縮液25μl
を混合後2時間放置したものを添加し、1時間反応し
た。PBS−Tweenで3回洗浄した後、次に、二次
抗体としてペルオキシダーゼで標識したヤギ抗マウスイ
ムノグロブリン抗体(Tago社製)をPBSで100
0倍に希釈したものを各ウエルに100μl加え、1時
間放置した。PBS−Tweenで3回洗浄した後、次
に、ABTS−Hペルオキシダーゼ基質液(Ki
rkegaard & Perry Laborato
ries社製)を各ウエルに100μl添加し、室温で
30分間反応させた後、マイクロプレートリーダーで4
15nmの吸光度を測定した。試料の代わりに蒸留水を
加えて上記操作を行なったウエルの反応液の吸光度に対
して、より低値を示す試料について抗原活性を有する試
料と判定した。
【0037】(c) 減圧乾固物の分析 上記(b)で得られた減圧乾固物をSweeleyらの
方法(Sweeley,C.C.(1963)J.A
m.Chem.Soc.85,2497−2507)に
従ってトリメチルシリル化した後、ガスクロマトグラフ
ィーにより分析した。すなわち、上記減圧乾固物をHC
lを3%含有させたメタノール中で加熱処理した後、反
応液に炭酸銀を加えてpHを5とし、次いで、この反応
液に無水酢酸を加えて室温で一夜放置した。一夜放置後
の反応液を遠心分離(2000rpm/5分)し、上清
液を分取し、減圧乾固した。得られた濃縮残渣にTri
−Sil試薬(Pierce社製)を加えて溶解、反応
後、その反応液の一部をOV−1キャピラリーカラム
(GLサイエンス社製)(長さ2.5m、内径0.25
mm)を備えたモデルGC7Aガスクロマトグラフ(島
津製作所社製)に導入し、FID(flame−ion
ization detector)で検出した。検出
されたピークは同一分析条件で測定した標準物質のクロ
マトグラムと比較することにより同定した。標準物質は
フコース、ガラクトース、グルコース、マンノース、N
−アセチルガラクトサミン、N−アセチルグルコサミン
を用い、Tri−Sil試薬(Pierce社製)と反
応させることにより調製した。また、N−アセチルガラ
クトサミニトールはN−アセチルガラクトサミンを水素
化ホウ素ナトリウムを含有させた0.2Mホウ酸緩衝液
(pH9)中で還元処理した後、Tri−Sil試薬
(Pierce社製)と反応させることにより調製し
た。その結果、上記の抗原活性画分の濃縮残渣からN−
アセチルガラクトサミニトール、N−アセチルグルコサ
ミン、フコースおよびガラクトースが検出された。
【0038】実施例3 糖との反応性 Methyl 2−acetamido−2−deox
y−α−D−glucopyranoside(Sig
ma社製)とMethyl 2−acetamido−
2−deoxy−β−D−glucopyranosi
de(Sigma社製)をそれぞれ1mg/mlの濃度
になるように蒸留水を用いて溶解した後、蒸留水を用い
て倍数希釈系列を作製した。これらの水溶液と実施例1
で得たモノクローナル抗体との反応性を下記のComp
etitive ELISA法で検討した。その結果、
Methyl 2−acetamido−2−deox
y−α−D−glucopyranosideは濃度依
存的に吸光度を低下させ、反応性が認められたが、Me
thyl 2−acetamido−2−deoxy−
β−D−glucopyranosideで濃度依存的
な吸光度の変化は認められなかった。
【0039】Competitive ELISA法:
精製粘液糖タンパク質抗原を、0.05M炭酸−ナトリ
ウム−炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH9.6)に、2
μg/mlの濃度になるように溶解した後、ELISA
用マイクロプレート(Corning社製)の各ウエル
に100μlずつ分注し、4℃で一夜放置した。各ウエ
ルをTweeB20を0.05%含有させたPBS(P
BS−Tween)で3回洗浄した後、各ウエルにスキ
ムミルクを2%含有させたPBSを満たし、1時間放置
した。PBS−Tweenで3回洗浄した後、洗浄した
各ウエルに、別の容器内で試料として上記の水溶液50
μl、ハイブリドーマHIK−1083(寄託番号P−
13622)を正常培地〔RPMI 1640(日水製
薬社製)(10.2g/リットル)に、炭酸水素ナトリ
ウム(2.2g/リットル)、L−グルタミン(0.3
g/リットル)、ゲンタマイシン(40mg/リット
ル)および牛胎児血清(10%V/V)を加えた培地〕
で3日間培養して得た培養上清液25μlおよびPBS
の4倍濃縮液25μlを混合後2時間放置したものを添
加し、1時間反応した。PBS−Tweenで3回洗浄
した後、次に、二次抗体としてペルオキシダーゼで標識
したヤギ抗マウスイムノグロブリン抗体(Tago社
製)をPBSで10000倍に希釈したものを各ウエル
に100μl加え、1時間放置した。PBS−Twee
nで3回洗浄した後、次に、ABTS−Hペルオ
キシダーゼ基質液(Kirkegaard & Per
ry Laboratories社製)を各ウエルに1
00μl添加し、室温で30分間反応させた後、マイク
ロプレートリーダーで415nmの吸光度を測定した。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12P 21/08 C12R 1:91) (72)発明者 田中 宏美 神奈川県伊勢原市鈴川21番地 関東化学株 式会社伊勢原工場内 (72)発明者 島内 四郎 神奈川県伊勢原市鈴川21番地 関東化学株 式会社伊勢原工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒトの胃の腺上皮型粘液細胞が産生する
    粘液糖タンパク質と特異的に反応するIgMクラスモノ
    クローナル抗体。
  2. 【請求項2】 ヒトの胃の腺上皮型粘液細胞が産生する
    粘液糖タンパク質と特異的に反応するIgMクラスモノ
    クローナル抗体を産生するハイブリドーマ。
JP15989193A 1993-05-26 1993-05-26 抗粘液糖タンパク質モノクローナル抗体 Expired - Fee Related JP3581160B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15989193A JP3581160B2 (ja) 1993-05-26 1993-05-26 抗粘液糖タンパク質モノクローナル抗体
EP94916400A EP0654532B1 (en) 1993-05-26 1994-05-26 Antimucoglycoprotein monoclonal antibody
US08/373,220 US5576182A (en) 1993-05-26 1994-05-26 Anti-mucus glycoprotein monoclonal antibody
CA002141025A CA2141025C (en) 1993-05-26 1994-05-26 Anti-mucus glycoprotein monoclonal antibody
PCT/JP1994/000838 WO1994028158A1 (fr) 1993-05-26 1994-05-26 Anticorps monoclonal antimucoglycoproteine
DE69427850T DE69427850T2 (de) 1993-05-26 1994-05-26 Monoklonaler antikörper gegen mucoglykoprotein

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15989193A JP3581160B2 (ja) 1993-05-26 1993-05-26 抗粘液糖タンパク質モノクローナル抗体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06335396A true JPH06335396A (ja) 1994-12-06
JP3581160B2 JP3581160B2 (ja) 2004-10-27

Family

ID=15703440

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15989193A Expired - Fee Related JP3581160B2 (ja) 1993-05-26 1993-05-26 抗粘液糖タンパク質モノクローナル抗体

Country Status (6)

Country Link
US (1) US5576182A (ja)
EP (1) EP0654532B1 (ja)
JP (1) JP3581160B2 (ja)
CA (1) CA2141025C (ja)
DE (1) DE69427850T2 (ja)
WO (1) WO1994028158A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5928433A (en) * 1997-10-14 1999-07-27 The Lubrizol Corporation Surfactant-assisted soil remediation
US20150231077A1 (en) 2014-02-17 2015-08-20 The Cleveland Clinic Foundation Amine passivated nanoparticles for cancer treatment and imaging
CN113899896A (zh) * 2021-08-16 2022-01-07 南京理工大学 用于识别硒糖的微芯片和硒糖的定性分析方法及应用

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5183756A (en) * 1988-08-19 1993-02-02 The United States Of America As Represented By The Department Of Health And Human Services Monoclonal antibody (D612) having selective reactivity for gastrointestinal caricinomas and method for employing the same

Also Published As

Publication number Publication date
EP0654532B1 (en) 2001-08-01
EP0654532A4 (en) 1996-04-24
EP0654532A1 (en) 1995-05-24
CA2141025C (en) 2005-08-16
JP3581160B2 (ja) 2004-10-27
DE69427850T2 (de) 2001-12-06
CA2141025A1 (en) 1994-12-08
DE69427850D1 (de) 2001-09-06
US5576182A (en) 1996-11-19
WO1994028158A1 (fr) 1994-12-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2597372B2 (ja) 新ムチンエピトープに対する単クローン性抗体を生成するハイブリドーマ
US4814275A (en) Monoclonal hybridoma antibody specific for a human epithelial antigen
JPH08507209A (ja) 抗ガングリオシド抗体を産生するヒトのbリンパ芽腫細胞系
IE60286B1 (en) Monoclonal antibodies and antigen for human non-small cell lung carcinoma and certain other human carcinomas
JP3581160B2 (ja) 抗粘液糖タンパク質モノクローナル抗体
EP0287397B1 (en) Monoclonal antibody specific to human pancreatic phospholipase A2
EP0218257B1 (en) Anti-human pulmonary adenocarcinoma specific monoclonal antibody
US6004761A (en) Method for detecting cancer using monoclonal antibodies to new mucin epitopes
EP0601859B1 (en) Pharmaceutic composition comprising cancer-related antibodies
KR100493932B1 (ko) 레지스틴에 대한 단클론 항체, 이의 제조 방법, 및 용도
US5552291A (en) Anti-human pulmonary adenocarcinoma specific monoclonal antibody
EP0369425A1 (en) Monoclonal antibody specifically recognizing N-glycolyl type GM2, hybridoma producing the antibody and method for preparing the hybridoma
JP2946216B2 (ja) 新規ハイブリドーマ,モノクローナル抗体および用途
JPH11313669A (ja) 抗ヒト胃ムチンモノクローナル抗体
EP0348973B1 (en) Anti-human pulmonary adenocarcinome monoclonal antibody
CA1294905C (en) Anti-lafora body monoclonal antibody
KR0140365B1 (ko) 콜레스테롤 에스터라제를 특이적으로 인지하는 단세포군 항체와 이를 분비하는 융합세포주
WO1986004092A1 (en) Process for preparing human cancer-specific monoclonal antibody
EP0287012A2 (en) Anti-R-binder monoclonal antibody, process for preparing the same and application of the same
JPH05304983A (ja) ヒト尿中蛋白質分解酵素阻害蛋白質の定量のための物質および定量方法
JPH08208698A (ja) モノクローナル抗体
KR20110009604A (ko) Psa를 인지하는 단클론 항체 및 이의 용도
JPH02238893A (ja) 甲状腺癌特異抗原に対するモノクローナル抗体
JPH08333399A (ja) ヌクレオシド二燐酸キナーゼに対するモノクローナル抗体
KR20040039597A (ko) 인간 hccr-1 단백질 검출 방법 및 이를 이용한 간암진단키트

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040309

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040507

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040706

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040722

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080730

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080730

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090730

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090730

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100730

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110730

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees