JP5807300B2 - 試料中のc反応性蛋白質の測定方法及び測定試薬 - Google Patents

試料中のc反応性蛋白質の測定方法及び測定試薬 Download PDF

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Description

本発明は、試料中のC反応性蛋白質の測定方法及び測定試薬に関するものである。
本発明は、特に、化学、生命科学、分析化学及び臨床検査等の分野において有用なものである。
抗原と抗体、糖とレクチン、ヌクレオチド鎖とそれに相補的なヌクレオチド鎖、リガンドとレセプター等の特異的な親和性を有する物質間の反応を利用した試料中に含まれる微量の被検物質の測定方法又は測定試薬は種々のものが知られている。
中でも、抗原と抗体の間の抗原抗体反応(免疫反応)を利用した免疫学的測定方法は広く実施されている。
例えば、C反応性蛋白質;C−reactive protein(以下CRPと略すこともある)は、肺炎球菌菌体のC多糖体と沈降反応を示す蛋白であり、血中CRP濃度の上昇は、感染症に罹患していること、又は体内に炎症が生じていること等の証拠となる。
このためCRPは各種炎症のマーカーとして、感染症又は炎症等の疾患の診断のためにその測定が行われてきた。
このCRPの測定法としては、C多糖体との特異的反応をみる方法、及びCRPに結合する抗体(抗CRP抗体)を試薬に用い、試料中のCRPと試薬中の抗CRP抗体との抗原抗体反応により、抗原抗体複合体を生成させる方法等を挙げることができる。
現在では、抗CRP抗体との抗原抗体複合体を生成させる方法である、免疫比ろう法、免疫比濁法、ラテックス免疫比濁法等が日常検査に広く利用されている。
また、このCRPは、カルシウム結合蛋白質と呼ばれ、その立体構造中にカルシウムイオンとの結合部位を有しており、カルシウムイオンと結合したCRP(カルシウム結合型CRP)はその立体構造(抗原性)の一部を変化させることが分かっている。〔なお、CRPにEDTA等のキレート剤を共存させると、CRPに結合していたカルシウムイオンはこのキレート剤と結合する等して、「カルシウム非結合型CRP」となる。〕
例えば、CRPに対する抗血清を得るために、動物にCRPを接種すると、CRPは動物の血液中のカルシウムイオンと結合しカルシウム結合型CRPとなり、CRPを接種された動物は、カルシウム結合型CRPの持つ様々な抗原決定基に対する抗体を産生する。
また、この産生された抗体には、「カルシウム結合型CRPとは結合するが、カルシウム非結合型CRPとはその結合活性が著しく低下する抗体」、及び「カルシウム結合型CRPともカルシウム非結合型CRPとも同等に結合する抗体」の2種類の抗体があることが知られている(例えば、非特許文献1参照。)。
「臨床病理」,第32巻,第2号,第223頁〜第224頁,1984年発行
健常人の血清中(又は血漿中)のCRP濃度は一般に0.3mg/dL以下であるが、炎症や細菌感染に対して短時間に鋭敏に反応して上昇し2,000〜4,000倍にも達する。
CRP濃度は、炎症の大きさや程度、又はその改善と相関するため、その測定の臨床的意義は大きい。
また、CRP濃度が正常域(0.3mg/dL以下)であっても、比較的高濃度の場合、冠動脈疾患を発症する可能性が高いことが報告され注目されている。
このため、試料中のCRP測定においては、低濃度から高濃度までの広範囲の濃度のCRPを正確に測定することが要求されてきている。
なお、この試料中のCRP測定において、低濃度から高濃度までの広範囲の濃度のCRPを正確に測定する方法としては、例えば、平均粒径の異なる2種以上のラテックス粒子を混合し用いる方法(例えば、特許文献1参照)、測定試薬に界面活性剤を添加する方法(例えば、特許文献2参照)、ポリクローナル抗体とモノクローナル抗体を組み合わせて使用する方法(例えば、特許文献3参照)等が提案されている。
特開昭63−65369号公報 特開2001−318099号公報 特開2006−17745号公報
従って、本発明の課題は、CRPと、担体に固定化したCRPに結合する特異的結合物質との、特異的結合反応により生じた複合体凝集物を測定することにより、試料中のCRPを測定する方法及び測定試薬において、低濃度から高濃度までその測定範囲を拡げ、低濃度から高濃度までの広範囲の濃度のCRPを正確に測定することができる、新たな測定方法及び測定試薬を提供することである。
本発明者らは、上記の課題の解決を目指して鋭意検討を行った結果、CRPと、担体に固定化したCRPに結合する特異的結合物質との、特異的結合反応により生じた複合体凝集物を測定することにより、試料中のCRPを測定する方法及び測定試薬において、カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質を固定化した担体を使用して、試料中のCRPの測定を行った場合には、CRPが低濃度域にあるときはCRPとの反応性は低く測定の感度は低いものの、中濃度域から高濃度域までCRPとの反応性は高く、CRP濃度の増加に応じて複合体凝集物も増加してゆくこと、すなわち中濃度域から高濃度域まで測定の定量性を有することに気付いた。
また、カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質を固定化した担体を使用して、試料中のCRPの測定を行った場合には、CRPが低濃度域にあるときはCRPとの反応性は高く測定の感度は高いものの、中濃度域から高濃度域に掛けては、CRPとの反応性は低下し、CRP濃度が増加しても複合体凝集物は増加しないか又は低下し、中濃度域から高濃度域に掛けては測定の定量性を有しないことに気付いた。
そして、本発明者らは、カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質、及びカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質の2種類の特異的結合物質を組み合わせて使用することにより、CRPの測定において低濃度から高濃度まで測定範囲を拡げ、低濃度から高濃度までの広範囲の濃度のCRPを正確に測定できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の発明を提供する。
(1) カルシウムイオン依存的にC反応性蛋白質に結合する特異的結合物質、及びカルシウムイオン非依存的にC反応性蛋白質に結合する特異的結合物質を各々担体に固定化し、当該担体固定化特異的結合物質と試料中に含まれていたC反応性蛋白質との当該特異的結合反応により生成した当該特異的結合物質とC反応性蛋白質との複合体凝集物を測定することにより、試料中のC反応性蛋白質を測定する方法。
(2) カルシウムイオン依存的にC反応性蛋白質に結合する特異的結合物質が、カルシウムイオン依存的にC反応性蛋白質に結合する抗体である、前記(1)記載の試料中のC反応性蛋白質を測定する方法。
(3) カルシウムイオン依存的にC反応性蛋白質に結合する抗体がモノクローナル抗体である、前記(1)又は(2)記載の試料中のC反応性蛋白質を測定する方法。
(4) カルシウムイオン非依存的にC反応性蛋白質に結合する特異的結合物質が、カルシウムイオン非依存的にC反応性蛋白質に結合する抗体である、前記(1)〜(3)のいずれか1項記載の試料中のC反応性蛋白質を測定する方法。
(5) カルシウムイオン非依存的にC反応性蛋白質に結合する抗体がモノクローナル抗体である、前記(1)〜(4)のいずれか1項記載の試料中のC反応性蛋白質を測定する方法。
(6) 担体がラテックス粒子である、前記(1)〜(5)のいずれか1項記載の試料中のC反応性蛋白質を測定する方法。
(7) カルシウムイオン依存的にC反応性蛋白質に結合する特異的結合物質、及びカルシウムイオン非依存的にC反応性蛋白質に結合する特異的結合物質を固定化した担体を含有することを特徴とする、試料中のC反応性蛋白質の測定試薬。
(8) カルシウムイオン依存的にC反応性蛋白質に結合する特異的結合物質が、カルシウムイオン依存的にC反応性蛋白質に結合する抗体である、前記(7)記載の試料中のC反応性蛋白質の測定試薬。
(9) カルシウムイオン依存的にC反応性蛋白質に結合する抗体がモノクローナル抗体である、前記(7)又は(8)記載の試料中のC反応性蛋白質の測定試薬。
(10) カルシウムイオン非依存的にC反応性蛋白質に結合する特異的結合物質が、カルシウムイオン非依存的にC反応性蛋白質に結合する抗体である、前記(7)〜(9)のいずれか1項記載の試料中のC反応性蛋白質の測定試薬。
(11) カルシウムイオン非依存的にC反応性蛋白質に結合する抗体がモノクローナル抗体である、前記(7)〜(10)のいずれか1項記載の試料中のC反応性蛋白質の測定試薬。
(12) 担体がラテックス粒子である、前記(7)〜(11)のいずれか1項記載の試料中のC反応性蛋白質の測定試薬。
本発明によれば、CRPと、担体に固定化したCRPに結合する特異的結合物質との、特異的結合反応により生じた複合体凝集物を測定することにより、試料中のCRPを測定する方法及び測定試薬において、カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質、及びカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質の2種類の特異的結合物質を組み合わせて使用することにより、CRPの測定において低濃度から高濃度まで測定範囲を拡げることができるものであり、そして、低濃度から高濃度までの広範囲の濃度のCRPを正確に測定することができるものである。
図1は、抗CRP抗体のカルシウム結合型CRP、カルシウム非結合型CRPそれぞれとの結合性を見た図である。
図2は、抗CRP抗体のカルシウム結合型CRP、カルシウム非結合型CRPそれぞれとの結合性を見た図である。
図3は、抗CRP抗体のカルシウム結合型CRP、カルシウム非結合型CRPそれぞれとの結合性を見た図である。
図4は、抗CRP抗体のカルシウム結合型CRP、カルシウム非結合型CRPそれぞれとの結合性を見た図である。
図5は、各抗CRP抗体を固定化したラテックス粒子を含有する測定試薬を用いて試料中のCRPの測定を行い得られた吸光度差を示した図である。
図6は、カルシウムイオン依存的にCRPに結合する抗体(抗体−1)を固定化したラテックス粒子、及びカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する抗体(抗体−4)を固定化したラテックス粒子を含有する測定試薬を用いて試料中のCRPの測定を行い得られた吸光度差を示した図である。
図7は、カルシウムイオン依存的にCRPに結合する抗体(抗体−2)を固定化したラテックス粒子、及びカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する抗体(抗体−4)を固定化したラテックス粒子を含有する測定試薬を用いて試料中のCRPの測定を行い得られた吸光度差を示した図である。
図8は、カルシウムイオン依存的にCRPに結合する抗体(抗体−3)を固定化したラテックス粒子、及びカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する抗体(抗体−4)を固定化したラテックス粒子を含有する測定試薬を用いて試料中のCRPの測定を行い得られた吸光度差を示した図である。
図9は、抗CRP抗体のカルシウム結合型CRP、カルシウム非結合型CRPそれぞれとの結合性を見た図である。
図10は、抗CRP抗体を固定化したラテックス粒子を含有する測定試薬を用いて試料中のCRPの測定を行い得られた吸光度差を示した図である。
図11は、カルシウムイオン依存的にCRPに結合する抗体(抗体−1)を固定化したラテックス粒子、及びカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する抗体(抗体−4)を固定化したラテックス粒子を含有する測定試薬を用いて試料中のCRPの測定を行い得られた吸光度差を示した図である。
図12は、カルシウムイオン依存的にCRPに結合する抗体(抗体−2)を固定化したラテックス粒子、及びカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する抗体(抗体−4)を固定化したラテックス粒子を含有する測定試薬を用いて試料中のCRPの測定を行い得られた吸光度差を示した図である。
図13は、カルシウムイオン依存的にCRPに結合する抗体(抗体−3)を固定化したラテックス粒子、及びカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する抗体(抗体−4)を固定化したラテックス粒子を含有する測定試薬を用いて試料中のCRPの測定を行い得られた吸光度差を示した図である。
図14は、カルシウムイオン依存的にCRPに結合する抗体(抗体−1)を固定化したラテックス粒子、及びカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する抗体(抗体−5)を固定化したラテックス粒子を含有する測定試薬を用いて試料中のCRPの測定を行い得られた吸光度差を示した図である。
図15は、カルシウムイオン依存的にCRPに結合する抗体(抗体−2)を固定化したラテックス粒子、及びカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する抗体(抗体−5)を固定化したラテックス粒子を含有する測定試薬を用いて試料中のCRPの測定を行い得られた吸光度差を示した図である。
図16は、カルシウムイオン依存的にCRPに結合する抗体(抗体−3)を固定化したラテックス粒子、及びカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する抗体(抗体−5)を固定化したラテックス粒子を含有する測定試薬を用いて試料中のCRPの測定を行い得られた吸光度差を示した図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
〔1〕C反応性蛋白質に結合する特異的結合物質
本発明において、C反応性蛋白質に結合する特異的結合物質は、CRPに特異的に結合することができる物質であり、このようにCRPに特異的に結合することができる物質であれば特に限定はない。
このCRPに結合する特異的結合物質としては、例えば、CRPに結合することができる抗体(抗CRP抗体)、アプタマー(核酸アプタマー若しくはペプチドアプタマー)、アフィボディー、又はレセプター等を挙げることができる。
なお、CRPに結合することができる抗体(抗CRP抗体)としては、例えば、CRPに結合することができるモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、抗血清、抗体の断片〔Fab及びF(ab’)など〕、又は一本鎖抗体(scFv)等を挙げることができる。
そして、CRPに結合する特異的結合物質としては、CRPに結合することができる抗体(抗CRP抗体)が好ましく、当該抗体がモノクローナル抗体であることがより好ましい。
〔2〕カルシウムイオン依存的にC反応性蛋白質に結合する特異的結合物質
本発明において、カルシウムイオン依存的にC反応性蛋白質に結合する特異的結合物質(以下「Ca依存性CRP特異的結合物質」と略すこともある)は、カルシウム結合型CRPと結合するが、カルシウム非結合型CRPとはその結合活性が著しく低下する特異的結合物質のことをいう。
例えば、先に述べたように、カルシウムイオンの共存下、カルシウムイオンと結合したCRPはその立体構造の一部を変化させる。そして、試料中にEDTAなどのキレート剤が存在している等の場合、CRPに結合していたカルシウムイオンはこのキレート剤と結合する等して、CRPの立体構造(抗原性)が変化してしまう。
この場合、カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質は、キレート剤を存在させること等によって立体構造が変化したCRP(カルシウム非結合型CRP)とは、その結合活性が著しく低下する。
このことから、カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質は、CRPがカルシウムイオンと結合することによってその立体構造が変化する部分(特異的結合物質が抗体の場合、この変化する部分は抗原決定基である)を認識する特異的結合物質であると推測される。
なお、カルシウムイオン依存的にC反応性蛋白質に結合する特異的結合物質は、カルシウムイオン依存的にCRPに特異的に結合することができる物質であれば特に限定はない。
このカルシウムイオン依存的にCRPに特異的に結合することができる物質としては、例えば、カルシウムイオン依存的にCRPに結合することができる抗体、アプタマー(核酸アプタマー若しくはペプチドアプタマー)、アフィボディー、又はレセプター等を挙げることができる。
なお、カルシウムイオン依存的にCRPに結合することができる抗体としては、例えば、カルシウムイオン依存的にCRPに結合することができるモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、抗血清、抗体の断片〔Fab若しくはF(ab’)など〕、又は一本鎖抗体(scFv)等を挙げることができる。
また、このカルシウムイオン依存的にCRPに結合することができる抗体は、遺伝子組み換え技術等により免疫原(CRP)を免疫する動物とは異なる動物種のアミノ酸配列に変化させた抗体(キメラ抗体、ヒト化抗体、又は完全ヒト化抗体等)であっても良い。
そして、カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質としては、カルシウムイオン依存的にCRPに結合することができる抗体が好ましく、当該抗体がモノクローナル抗体であることがより好ましい。
なお、本発明においては、2種以上の、カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質を用いても良い。
そして、カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質は、公知の方法等により、適宜調製することができる。
〔3〕カルシウムイオン非依存的にC反応性蛋白質に結合する特異的結合物質
本発明において、カルシウムイオン非依存的にC反応性蛋白質に結合する特異的結合物質(以下「Ca非依存性CRP特異的結合物質」と略すこともある)は、カルシウム結合型CRPとも、カルシウム非結合型CRPとも、ほぼ同程度に結合する特異的結合物質のことをいう。
すなわち、例えば、前述の通り、カルシウムイオンの共存下、カルシウムイオンと結合したCRPはその立体構造の一部を変化させる。そして、試料中にEDTAなどのキレート剤が存在している等の場合、CRPに結合していたカルシウムイオンはこのキレート剤と結合する等して、CRPの立体構造(抗原性)が変化してしまう。
この場合、カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質は、キレート剤を存在させること等によって立体構造が変化したCRP(カルシウム非結合型CRP)とも、カルシウムイオンが結合しているCRP(カルシウム結合型CRP)とも、ほぼ同程度に結合することができるものである。
カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質は、CRPがカルシウムイオンと結合することによってその立体構造が変化する部分以外の箇所(特異的結合物質が抗体の場合、この箇所は抗原決定基である)を認識する特異的結合物質であると推測される。
なお、カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質は、カルシウムイオン非依存的にCRPに特異的に結合することができる物質であれば特に限定はない。
このカルシウムイオン非依存的にCRPに特異的に結合することができる物質としては、例えば、カルシウムイオン非依存的にCRPに結合することができる抗体、アプタマー(核酸アプタマー若しくはペプチドアプタマー)、アフィボディー、又はレセプター等を挙げることができる。
なお、カルシウムイオン非依存的にCRPに結合することができる抗体としては、例えば、カルシウムイオン非依存的にCRPに結合することができるモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、抗血清、抗体の断片〔Fab若しくはF(ab’)など〕、又は一本鎖抗体(scFv)等を挙げることができる。
また、このカルシウムイオン非依存的にCRPに結合することができる抗体は、遺伝子組み換え技術等により免疫原(CRP)を免疫する動物とは異なる動物種のアミノ酸配列に変化させた抗体(キメラ抗体、ヒト化抗体、又は完全ヒト化抗体等)であっても良い。
そして、カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質としては、カルシウムイオン非依存的にCRPに結合することができる抗体が好ましく、当該抗体がモノクローナル抗体であることがより好ましい。
なお、本発明においては、2種以上の、カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質を用いても良い。
そして、カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質は、公知の方法等により、適宜調製することができる。
〔4〕カルシウムイオン依存的にCRPに結合するポリクローナル抗体、又はカルシウムイオン非依存的にCRPに結合するポリクローナル抗体の調製方法
カルシウムイオン依存的にCRPに結合するポリクローナル抗体、又はカルシウムイオン非依存的にCRPに結合するポリクローナル抗体は、以下の操作により調製することができる。
抗体産生用の免疫原としては、天然のCRP、遺伝子組み換え操作により得たCRP又はCRP由来ペプチド等のCRPの全部又は一部を用いることができる。
前記の免疫原、又は前記の免疫原と担体の結合物を哺乳動物(マウス、ヌードマウス、ウサギ、ラット、ヒツジ、ヤギ、ウシ、ウマ、若しくはラクダなど)又は鳥類(ニワトリ若しくはダチョウなど)等に免疫する。
この前記の免疫原、又は前記の免疫原と担体の結合物の免疫量は、免疫動物の種類、免疫注射部位等により決められるものであるが、マウスの場合には約5〜10週齢のマウス一匹当り一回につき0.1μg〜5mg、好ましくは50μg〜2mgの前記免疫原、又は前記免疫原と担体の結合物を免疫注射する。
また、ウサギの場合はウサギ一匹当り一回につき10μg〜500mgの前記免疫原、又は前記免疫原と担体の結合物を免疫注射する。
なお、この前記の免疫原、又は前記の免疫原と担体の結合物は、アジュバントと添加混合して免疫注射することが好ましい。アジュバントとしては、フロイント完全アジュバント、フロイント不完全アジュバント、水酸化アルミニウムアジュバント又は百日咳菌アジュバント等の公知のものを用いることができる。
免疫注射は、皮下、静脈内、腹腔内又は背部等の部位に行えばよい。
初回免疫後、2〜3週間間隔で皮下、静脈内、腹腔内又は背部等の部位に、前記の免疫原、又は前記の免疫原と担体の結合物を追加免疫注射する。この場合も、前記の免疫原、又は前記の免疫原と担体の結合物は、アジュバントを添加混合して追加免疫注射することが好ましい。
初回免疫の後、免疫動物の血清中の抗体価の測定をELISA法等により繰り返し行い、抗体価がプラトーに達したら全採血を行い、血清を分離して抗体を含む抗血清を得る。
この抗血清を、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム等による塩析法、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過法又はアフィニティークロマトグラフィー等の方法、あるいはこれらの方法を組み合わせて抗体の精製を行い、ポリクローナル抗体を得る。
ここで得られたポリクローナル抗体は、カルシウムイオン依存的にCRPに結合するポリクローナル抗体と、カルシウムイオン非依存的にCRPに結合するポリクローナル抗体の両方を含むものであるので、更に、これをカルシウム非結合型CRPをリガンドとして固相に固定化したアフィニティークロマトグラフィーのカラムに、キレート剤共存下で通して接触させる。
カルシウムイオン非依存的にCRPに結合するポリクローナル抗体は、このカラムのリガンド(カルシウム非結合型CRP)を介して固相に結合し、捕集される。
これに対して、カルシウムイオン依存的にCRPに結合するポリクローナル抗体は、このカラムのリガンド(カルシウム非結合型CRP)に結合することなく、このカラムを素通りするので、素通りした画分を得ることにより、カルシウムイオン依存的にCRPに結合するポリクローナル抗体を取得することができる。
また、カルシウムイオン依存的にCRPに結合するポリクローナル抗体が素通りした後、このカラムのリガンド(カルシウム非結合型CRP)に結合したカルシウムイオン非依存的にCRPに結合するポリクローナル抗体を、低いpHの溶液又は塩を含む溶液をカラムに流すこと等の常法により前記リガンドより遊離させ、この画分を得ることにより、カルシウムイオン非依存的にCRPに結合するポリクローナル抗体を取得することができる。
なお、免疫原と担体の結合物を用いて動物等に免疫した場合には、得られたポリクローナル抗体中に、この担体に対する抗体が存在するので、このような担体に対する抗体の除去処理を行うことが好ましい。
この除去処理方法としては、担体を、得られたポリクローナル抗体の溶液中に添加して生成した凝集物を取り除くか、担体を不溶化固相に固定化してアフィニティークロマトグラフィーにより除去する方法等を用いることができる。
〔5〕カルシウムイオン依存的にCRPに結合するモノクローナル抗体、又はカルシウムイオン非依存的にCRPに結合するモノクローナル抗体の調製方法
カルシウムイオン依存的にCRPに結合するモノクローナル抗体、又はカルシウムイオン非依存的にCRPに結合するモノクローナル抗体は、以下の操作により調製することができる。
モノクローナル抗体は、ケラーらの細胞融合法(G.Koehlerら,Nature,256巻,495〜497頁,1975年発行)によるハイブリドーマ、リンパ腫を引き起こすエプスタン−バーウイルス(EBウイルス)を用いて特定のBリンパ球を増やす方法、又はマウス骨髄由来の培養細胞や酵母などの微生物を遺伝子操作する方法等により得ることができる。
細胞融合法によるモノクローナル抗体の調製は、以下の操作により行うことができる。
抗体産生用の免疫原としては、天然のCRP、遺伝子組み換え操作により得たCRP又はCRP由来ペプチド等のCRPの全部又は一部を用いることができる。
前記の免疫原、又は前記の免疫原と担体の結合物を、哺乳動物(マウス、ヌードマウス、ウサギ、ラット、ヒツジ、ヤギ、ウシ、ウマ、若しくはラクダなど、例えば近交系マウスのBALB/c)又は鳥類(ニワトリ若しくはダチョウなど)等に免疫する。
この前記の免疫原、又は前記の免疫原と担体の結合物の免疫量は、免疫動物の種類、免疫注射部位等により適宜決められるものであるが、例えば、マウスの場合には一匹当り一回につき0.1μg〜5mg、好ましくは50μg〜2mgの前記の免疫原、又は前記の免疫原と担体の結合物を免疫注射するのが好ましい。
なお、前記の免疫原、又は前記の免疫原と担体の結合物は、アジュバントを添加混合して免疫注射することが好ましい。
アジュバントとしては、フロイント完全アジュバント、フロイント不完全アジュバント、水酸化アルミニウムアジュバント又は百日咳菌アジュバント等の公知なものを用いることができる。
免疫注射は、皮下、静脈内、腹腔内又は背部等の部位に行えばよい。
初回免疫後、1〜2週間間隔で皮下、静脈内、腹腔内又は背部等の部位に、前記の免疫原、又は前記の免疫原と担体の結合物を追加免疫注射する。
この追加免疫注射の回数としては、2〜6回が一般的である。
この場合も前記の免疫原、又は前記の免疫原と担体の結合物は、アジュバントを添加混合して追加免疫注射することが好ましい。
初回免疫の後、免疫動物の血清中の抗体価の測定をELISA法(酵素免疫測定法)等により繰り返し行い、抗体価がプラトーに達したら、前記の免疫原、又は前記の免疫原と担体の結合物を生理食塩水(0.9%塩化ナトリウム水溶液)に溶解したものを静脈内又は腹腔内に注射し、最終免疫とする。この最終免疫の3〜5日後に、免疫動物の脾細胞、リンパ節細胞又は末梢リンパ球等の抗体産生能を有する細胞を取得する。
この免疫動物より得られた抗体産生能を有する細胞と哺乳動物等(マウス、ヌードマウス、ラットなど)の骨髄腫細胞(ミエローマ細胞)とを細胞融合させるのであるが、ミエローマ細胞としてはヒポキサンチン・グアニン・ホスホリボシル・トランスフェラーゼ(HGPRT)又はチミジンキナーゼ(TK)等の酵素を欠損した細胞株のものが好ましく、例えば、BALB/cマウス由来のHGPRT欠損細胞株である、P3−X63−Ag8株(ATCC TIB9)、P3−X63−Ag8−U1株(癌研究リサーチソースバンク(JCRB)9085)、P3−NS1−1−Ag4−1株(JCRB 0009)、P3−X63−Ag8・653株(JCRB 0028)又はSP2/O−Ag−14株(JCRB 0029)等を用いることができる。
細胞融合は、各種分子量のポリエチレングリコール(PEG)、リポソームもしくはセンダイウイルス(HVJ)等の融合促進剤を用いて行うか、又は電気融合法により行うことができる。
ミエローマ細胞がHGPRT欠損株又はTK欠損株のものである場合には、ヒポキサンチン・アミノプテリン・チミジンを含む選別用培地(HAT培地)を用いることにより、抗体産生能を有する細胞とミエローマ細胞の融合細胞(ハイブリドーマ)のみを選択的に培養し、増殖させることができる。
このようにして得られたハイブリドーマの培養上清を、後述のようにELISA法等により、カルシウム結合型CRP、カルシウム非結合型CRPとの結合性を測定し、そのハイブリドーマから産生されるモノクローナル抗体がカルシウムイオン依存的にCRPに結合するモノクローナル抗体であるか、カルシウムイオン非依存的にCRPに結合するモノクローナル抗体であるかの判定を行なうことにより、カルシウムイオン依存的にCRPに結合するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ、カルシウムイオン非依存的にCRPに結合するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマをそれぞれ選択することができる。
このハイブリドーマ選択方法と限界希釈法等の公知のクローニングの方法を組み合わせて行うことにより、カルシウムイオン依存的にCRPに結合するモノクローナル抗体の産生細胞株、又はカルシウムイオン非依存的にCRPに結合するモノクローナル抗体の産生細胞株をそれぞれ単離して得ることができる。
このモノクローナル抗体産生細胞株を適当な培地で培養して、その培養上清からカルシウムイオン依存的にCRPに結合するモノクローナル抗体、又はカルシウムイオン非依存的にCRPに結合するモノクローナル抗体を得ることができるが、培地としては無血清培地又は低濃度血清培地等を用いてもよく、この場合は抗体の精製が容易となる点で好ましく、DMEM培地、RPMI1640培地又はASF培地103等の培地を用いることができる。
また、モノクローナル抗体産生細胞株を、これに適合性がありプリスタン等であらかじめ刺激した哺乳動物の腹腔内に注入し、一定期間の後、腹腔にたまった腹水より前記のモノクローナル抗体を得ることもできる。
このようにして得られたモノクローナル抗体は、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウムなどによる塩析法、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過法又はアフィニティークロマトグラフィーなどの方法、あるいはこれらの方法を組み合わせること等により、精製されたモノクローナル抗体として得ることができる。
〔6〕カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質、又はカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質の判定
(1)判定について
CRPに結合する特異的結合物質が、カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質であるか、又はカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質であるかは、そのCRPに結合する特異的結合物質のカルシウム結合型CRPとの結合性、及びカルシウム非結合型CRPとの結合性をそれぞれ測定し、判定を行う。
カルシウム結合型CRPと結合するが、カルシウム非結合型CRPとはその結合活性が著しく低下する「CRPに結合する特異的結合物質」は、カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質である。
また、カルシウム結合型CRPとも、カルシウム非結合型CRPとも、ほぼ同程度に結合する「CRPに結合する特異的結合物質」は、カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質である。
(2)判定の具体例
以下、より具体的に例を挙げて、この判定について説明する。
(イ)試薬の調製
(a)CRP固定化マイクロプレートの調製
CRPを96穴マイクロタイタープレートの各ウェルに接触させ、吸着させて、固定化し、CRP固定化マイクロプレートを調製する。
(b)酵素標識抗体の調製
判定を行おうとする「CRPに結合する特異的結合物質」に、特異的に結合することができる抗体に酵素を標識させた「酵素標識抗体」を調製する。〔例えば、CRPに結合する特異的結合物質が抗CRPマウス抗体の場合、この酵素標識抗体として酵素標識抗マウスIgG抗体等を挙げることができる。〕
(c)洗浄液の調製
界面活性剤を純水に溶解し、洗浄液を調製する。
(d)発色液の調製
前記の酵素標識抗体の標識酵素の触媒としての働きにより、発色が起こる反応に係わる物質を含有する発色液を調製する。
(ロ)試料
(a)希釈液Aの調製
カルシウム塩を純水に溶解し、カルシウムイオン含有水溶液を調製し、これを希釈液Aとする。
(b)希釈液Bの調製
キレート剤を純水に溶解し、キレート剤含有水溶液を調製し、これを希釈液Bとする。
(c)カルシウムイオン含有・CRPに結合する特異的結合物質の試料
判定を行おうとする「CRPに結合する特異的結合物質」を含有する溶液を、前記(a)の希釈液Aで希釈し、「カルシウムイオン含有・CRPに結合する特異的結合物質の試料」を調製する。
また、前記(a)の希釈液Aを、「CRPに結合する特異的結合物質」を全く含有しない試料、すなわち陰性試料とする。
(d)キレート剤含有・CRPに結合する特異的結合物質の試料
判定を行おうとする「CRPに結合する特異的結合物質」を含有する溶液を、前記(b)の希釈液Bで希釈し、「キレート剤含有・CRPに結合する特異的結合物質の試料」を調製する。
また、前記(b)の希釈液Bを、「CRPに結合する特異的結合物質」を全く含有しない試料、すなわち陰性試料とする。
(ハ)測定
(a) 前記(イ)の(a)のCRP固定化マイクロプレートのウェルに、前記の(ロ)の(c)の「カルシウムイオン含有・CRPに結合する特異的結合物質の試料」を添加する。
これにより、このウェルに固定化されているCRPは、カルシウムイオンと結合したカルシウム結合型CRPとなる。
そして、一定時間静置して、試料に含まれるCRPに結合する特異的結合物質と、ウェルに固定化されたカルシウム結合型CRPとの特異的結合反応を行わせる。
(b) 前記(イ)の(a)のCRP固定化マイクロプレートの他のウェルに、前記の(ロ)の(d)の「キレート剤含有・CRPに結合する特異的結合物質の試料」を添加する。
これにより、このウェルに固定化されているCRPは、カルシウム非結合型CRPとなる。
そして、一定時間静置して、試料に含まれるCRPに結合する特異的結合物質と、ウェルに固定化されたカルシウム非結合型CRPとの特異的結合反応を行わせる。
(c) 前記の各ウェル内の液を吸引し除去した後、各ウェルに前記の(イ)の(c)の洗浄液を添加し、そしてこれを吸引除去し、洗浄を行う。この洗浄操作を数回繰り返し行う。
(d) 前記の各ウェルに、前記の(イ)の(b)の酵素標識抗体を添加し、一定時間静置する。
これにより、カルシウム結合型CRP、又はカルシウム非結合型CRPを介して前記のCRP固定化マイクロプレートのウェルに結合した「CRPに結合する特異的結合物質」に、酵素標識抗体を結合させる。
(e) 前記の各ウェル内の液を吸引し除去した後、各ウェルに前記の洗浄液を添加し、そしてこれを吸引除去し、洗浄を行う。この洗浄操作を数回繰り返し行う。
(f) 次に、前記の各ウェルに、前記の(イ)の(d)の発色液を添加し、一定時間静置する。
これにより、「CRPに結合する特異的結合物質」及び「カルシウム結合型CRP又はカルシウム非結合型CRP」を介して前記のCRP固定化マイクロプレートのウェルに結合した「酵素標識抗体」の標識酵素と、発色液に含有させた物質との反応により、発色反応を行わせる。
(g) 前記の各ウェル内の液の吸光度を、その発色の測定に適した波長において、マイクロプレートリーダー等を用いて測定する。
(h) 前記の試料に替えて、前記の陰性試料を用いる以外は、前記(a)〜(g)の通りに操作を行い、吸光度を測定する。
(i) カルシウム結合型CRPを固定化したウェルにおける前記(g)において測定された吸光度から前記(h)において測定された吸光度を差し引き算出した吸光度差の値を得る。
本測定系において、この吸光度差の値が、「CRPに結合する特異的結合物質」の「カルシウム結合型CRP」との結合性を反映した値であり、この吸光度差の値が高い程、「CRPに結合する特異的結合物質」の「カルシウム結合型CRP」との結合性が高いことを示す。
そして、この吸光度差の値が低い程、「CRPに結合する特異的結合物質」の「カルシウム結合型CRP」との結合性が低いことを示す。
(j) また、カルシウム非結合型CRPを固定化したウェルにおける前記(g)において測定された吸光度から前記(h)において測定された吸光度を差し引き算出した吸光度差の値を得る。
本測定系において、この吸光度差の値が、「CRPに結合する特異的結合物質」の「カルシウム非結合型CRP」との結合性を反映した値であり、この吸光度差の値が高い程、「CRPに結合する特異的結合物質」の「カルシウム非結合型CRP」との結合性が高いことを示す。
そして、この吸光度差の値が低い程、「CRPに結合する特異的結合物質」の「カルシウム非結合型CRP」との結合性が低いことを示す。
(k) CRPに結合する特異的結合物質が、カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質であるか、又はカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質であるかの判定は、前記の通り、カルシウム結合型CRPと結合するが、カルシウム非結合型CRPとはその結合活性が著しく低下する「CRPに結合する特異的結合物質」については、「カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質」であると判定する。
また、カルシウム結合型CRPとも、カルシウム非結合型CRPとも、ほぼ同程度に結合する「CRPに結合する特異的結合物質」については、「カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質」であると判定する。
(l) なお、前記の(a)〜(h)の測定操作において、測定に用いるカルシウム結合型CRPを固定化したウェルと、カルシウム非結合型CRPを固定化したウェルとは、同一のマイクロタイタープレートのウェルであることが好ましい。
また、前記の(a)〜(h)の測定操作は、それぞれ時間を置かずに連続して行うことが好ましい。
なお、この判定は、具体的には次のようにして行なうこともできる。
(3)複数試料を測定することによる判定
(イ) 前記(2)の「判定の具体例」の記載に従い判定を行う場合、複数の試料について測定を行うこと、すなわち、CRPに結合する特異的結合物質の濃度を変えた複数の試料について測定を行うことが好ましい。
(ロ) この具体的な例は、後述の〔実施例1〕に記載された通りであるが、複数の濃度の「CRPに結合する特異的結合物質」の試料を前記の「判定の具体例」の記載に従い測定して得られた吸光度差の値を縦軸に、測定を行った試料の「CRPに結合する特異的結合物質」の濃度を横軸にとり、カルシウム結合型CRPを固定化したウェルにおける測定値(吸光度差)、及びカルシウム非結合型CRPを固定化したウェルにおける測定値(吸光度差)をそれぞれプロットしたグラフ(図)を作成する。
(ハ) このグラフにおける、「カルシウム結合型CRP」を固定化したウェルにおける測定値(吸光度差)を結んだ曲線、すなわち試料中の「CRPに結合する特異的結合物質」の「カルシウム結合型CRP」との結合性を示す曲線と、「カルシウム非結合型CRP」を固定化したウェルにおける測定値(吸光度差)を結んだ曲線、すなわち試料中の「CRPに結合する特異的結合物質」の「カルシウム非結合型CRP」との結合性を示す曲線とを比較する。
(ニ) ここで、このグラフにおいて、上記の「カルシウム結合型CRPとの結合性を示す曲線」と、上記の「カルシウム非結合型CRPとの結合性を示す曲線」とが、大きくかい離している場合は、試料中の「CRPに結合する特異的結合物質」は、「カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質」であると判定する。
(ホ) また、このグラフにおいて、上記の「カルシウム結合型CRPとの結合性を示す曲線」と、上記の「カルシウム非結合型CRPとの結合性を示す曲線」とが、かい離していないか又は僅かしかかい離していない場合は、試料中の「CRPに結合する特異的結合物質」は、「カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質」であると判定する。
(4)更なる判定方法
前記の通りで判定が難しいときには、次のようにして、CRPに結合する特異的結合物質が、「カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質」であるか、又は「カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質」であるかを判定することができる。
(イ) まず、前記(3)の「複数試料を測定することによる判定」の記載に従い、試料中の「CRPに結合する特異的結合物質」の「カルシウム結合型CRPとの結合性を示す曲線」(カルシウム結合型CRPを固定化したウェルにおける測定値〔吸光度差〕を結んだ曲線)と、「カルシウム非結合型CRPとの結合性を示す曲線」(カルシウム非結合型CRPを固定化したウェルにおける測定値〔吸光度差〕を結んだ曲線)が示されたグラフ(図)を作成する。
(ロ) 次に、このグラフにおける「カルシウム結合型CRPとの結合性を示す曲線」が試料中の「CRPに結合する特異的結合物質」の濃度が増すにつれ増加し、プラトー又は極大に達するときの吸光度差の値(A)を求める。
(ハ) 次に、このグラフの「カルシウム結合型CRPとの結合性を示す曲線」において、吸光度差の値が、前記のプラトー又は極大に達するときの吸光度差の値(A)の1/2の値(A/2)となるときの「CRPに結合する特異的結合物質」の濃度の値(C1)を求める。
(ニ) また、このグラフの「カルシウム非結合型CRPとの結合性を示す曲線」において、吸光度差の値が、前記(ハ)の「A/2」の値となるときの「CRPに結合する特異的結合物質」の濃度の値(C2)を求める。
(ホ) 次に、前記の「C1」の値と「C2」の値とを対比し、「C2/C1」の値を求める。
(ヘ) そして、「C2/C1」の値が、3以上のときは、試料中の「CRPに結合する特異的結合物質」は、「カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質」であると判定する。
また、「C2/C1」の値が、3未満のときは、試料中の「CRPに結合する特異的結合物質」は、「カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質」であると判定する。
(ト) なお、このグラフの「カルシウム非結合型CRPとの結合性を示す曲線」で、横軸の試料中の「CRPに結合する特異的結合物質」の濃度が、前記(ハ)で求めた「C1」の値を3倍した「3*C1」の値までの範囲において、前記「カルシウム非結合型CRPとの結合性を示す曲線」が前記(ハ)の「A/2」の値に達しないものであるときは、それは「C2/C1」の値が3以上であることに等しいので、試料中の「CRPに結合する特異的結合物質」は、「カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質」であると判定する。
〔7〕カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質、及びカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質を固定化した担体
本発明における、カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質、及びカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質を固定化した担体は、前記のカルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質、及びカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質を、担体に固定化したものである。
この、カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質、及びカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質を固定化した担体は、カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質を固定化した担体と、カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質を固定化した担体との混合物であってもよい。
この場合のカルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質を固定化した担体と、カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質を固定化した担体との混合比率は、用いる各々の特異的結合物質や使用する担体の種類などの条件等により異なるため一概に言うことは出来ないが、例えば、両方の担体が同一濃度となるよう混合して用いること等を挙げることができる。
また、カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質、及びカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質を固定化した担体は、カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質と、カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質とが、同一の担体に固定化されたものであってもよい。
この場合のカルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質と、カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質との比率は、用いる各々の特異的結合物質や使用する担体の種類などの条件等により異なるため一概に言うことは出来ないが、例えば、両方の特異的結合物質が同一比率となるよう担体に固定化すること等を挙げることができる。
そして、カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質、及びカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質を固定化した担体は、「カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質を固定化した担体」と、「カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質を固定化した担体」と、「カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質と、カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質とが、同一の担体に固定化されたもの」との混合物であってもよい。
この担体の材質は、特に限定はなく、例えば、ポリスチレン、スチレン−スチレンスルホン酸塩共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、ポリアクロレイン、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−グリシジル(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、メタクリル酸重合体、アクリル酸重合体、ゼラチン、シリカ、アルミナ、カーボンブラック、金属化合物、金属、セラミックス又は磁性体等を挙げることができる。
そして、この担体は、ラテックス粒子、リポソーム、マイクロカプセル、又は赤血球等の粒子であって良い。
本発明における担体としては、粒子であることが好ましく、ラテックス粒子であることが特に好ましい。
カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質、及びカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質を担体に固定化することは、物理的吸着法、化学的結合法又はこれらの併用等の公知の方法により行なうことができる。
物理的吸着法による場合は、公知の方法に従い、カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質及び/又はカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質と、担体とを、緩衝液等の溶液中で混合し接触させたり、或いは緩衝液等に溶解したカルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質及び/又はカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質を、担体に接触させること等により行うことができる。
また、化学的結合法により行う場合は、日本臨床病理学会編「臨床病理臨時増刊特集第53号 臨床検査のためのイムノアッセイ−技術と応用−」,臨床病理刊行会,1983年発行;日本生化学会編「新生化学実験講座1 タンパク質IV」,東京化学同人,1991年発行等に記載の公知の方法に従い、カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質及び/又はカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質と、担体とを、グルタルアルデヒド、カルボジイミド、イミドエステル又はマレイミド等の二価性の架橋試薬と混合、接触させ、カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質及び/又はカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質と、担体の、それぞれのアミノ基、カルボキシル基、チオール基、アルデヒド基又は水酸基等と前記の二価性の架橋試薬とを反応させること等により行うことができる。
なお、カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質、及びカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質を固定化した担体が、カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質を固定化した担体と、カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質を固定化した担体との混合物である場合は、前記の方法等により、カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質を担体に固定化し、また、カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質を担体に固定化し、これらの2種類の担体を混合する方法等を挙げることができる。
また、カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質、及びカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質を固定化した担体が、カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質と、カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質とが、同一の担体に固定化されたものである場合には、カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質、及びカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質の両方を含む溶液を調製し、前記の方法等により、この溶液を担体に接触させ、カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質と、カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質とを、同一の担体に固定化する方法等を挙げることができる。
更に、カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質、及びカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質を固定化した担体の自然凝集や、非特異的反応等を抑制するために処理を行う必要があれば、カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質、及びカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質を固定化した担体の表面に、ウシ血清アルブミン(BSA)、カゼイン、ゼラチン、卵白アルブミン若しくはその塩などのタンパク質、界面活性剤又は脱脂粉乳等を接触させ被覆させること等の公知の方法により処理して、担体のブロッキング処理(マスキング処理)を行ってもよい。
なお、本発明における試料中のCRPの測定を、ラテックス比濁法等の比濁法により測定を行う場合、ラテックス粒子等の担体の大きさ(粒径)については、特に制限はない。
しかし、カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質、及びカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質を固定化した担体が、試料中に含まれていたCRPとの複合体凝集物(凝集塊)を生成する程度、及びこの生成した複合体凝集物の測定の容易さ等の理由より、担体の大きさ(粒径)は、その平均径(平均粒径)が、0.01μm〜10μmであることが好ましく、0.04μm〜1μmであることがより好ましい。
また、本発明の試料中のCRPの測定方法及び測定試薬において、担体は、その大きさ(粒径)、材質、又は形状等が異なる2種類以上の担体を使用してもよい。
なお、本発明における試料中のCRPの測定を、ラテックス比濁法等の比濁法により測定を行う場合、カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質、及びカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質を固定化した担体の測定反応時における濃度は、前記の特異的結合物質の担体表面上での分布密度、担体の大きさ(粒径)、試料と測定試薬の混合比率等の各種条件により最適な濃度は異なるので一概に言うことはできない。
しかし、通常は、試料と測定試薬が混合され、担体に固定化されたカルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質、及びカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質と、試料に含まれていたCRPとの、特異的結合反応が行われる測定反応時に、カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質、及びカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質を固定化した担体の濃度が、この測定反応時の反応混合液中において0.005〜1%(w/v)となるようにするのが一般的であり、この場合、反応混合液中においてこのような濃度になるような濃度のカルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質、及びカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質を固定化した担体を測定試薬に含有させることが好ましい。
本発明の測定方法及び測定試薬においては、カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質、及びカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質を固定化した担体を、ウシ血清アルブミン(BSA)、ヒト血清アルブミン(HSA)、カゼイン若しくはその塩などのタンパク質;カルシウムイオンなどの各種金属イオン;カルシウム塩などの各種塩類;各種糖類;脱脂粉乳;正常ウサギ血清などの各種動物血清;アジ化ナトリウム若しくは抗生物質などの各種防腐剤;活性化物質;反応促進物質;ポリエチレングリコールなどの感度増加物質;非特異的反応抑制物質;又は、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤もしくは陰イオン性界面活性剤などの各種界面活性剤等の1種又は2種以上と共存させてもよい。
なお、本発明の測定方法及び測定試薬においては、カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質、及びカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質を固定化した担体を、カルシウムイオン又はカルシウム塩と共存させることが好ましい。
そして、上記の各物質を共存させる際の濃度は特に限定されるものではないが、0.001〜10%(W/V)が好ましく、特に0.01〜5%(W/V)が好ましい。
〔8〕試料
本発明において、試料とは、CRPが存在する可能性があり、かつCRPの存在の有無、又は含有量(濃度)の測定を行おうとするものをいう。
このような試料としては、例えば、ヒト又は動物の血液、血清、血漿、髄液若しくは腹水などの体液、又は臓器、組織若しくは細胞などの抽出液等、CRPが含まれる可能性のあるものを挙げることができる。
〔9〕容器
本発明の試料中のCRPの測定方法に用いる容器は、特に限定はなく、適した物を用いることができる。
〔10〕測定試薬
本発明における試料中のCRPの測定試薬は、カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質、及びカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質を固定化した担体を含有することを特徴とするものである。
これにより、試料中のCRPの測定において低濃度から高濃度まで測定範囲を拡げることができ、そして、低濃度から高濃度までの広範囲の濃度のCRPを正確に測定することができるのである。
本発明の測定試薬は、一つの測定試薬よりなるものであってよい。
この場合、カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質、及びカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質を固定化した担体は、その一つの測定試薬に含有される。
また、本発明の測定試薬は、二つ以上の測定試薬より構成されるものであってよい。
この場合、カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質、及びカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質を固定化した担体は、二つ以上の測定試薬の内の一つの測定試薬に含有されるものであってもよく、また、二つ以上の測定試薬に含有されるものであってもよい。
例えば、本発明の測定試薬が、第1試薬及び第2試薬の二つの測定試薬より構成されるものである場合、カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質、及びカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質を固定化した担体は、第1試薬にのみ含有させてもよく、また、第2試薬にのみ含有させてもよく、更には、第1試薬と第2試薬の両方に含有させてもよい。
本発明の測定試薬が二つの測定試薬より構成される場合、カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質、及びカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質を固定化した担体は、第2試薬にのみ含有させることが好ましい。
また、本発明の測定試薬が二つ以上の測定試薬より構成されるものである場合、カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質、及びカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質を固定化した担体を含有さる試薬以外の試薬、すなわち、カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質、及びカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質を固定化した担体を含有しない試薬は、例えば緩衝液等であってよい。
なお、本発明の測定試薬の溶媒としては、各種の水系溶媒を用いることができる。
この水系溶媒としては、例えば、精製水、生理食塩水、又は、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝液、リン酸緩衝液、若しくはリン酸緩衝生理食塩水などの各種緩衝液等を挙げることができる。
この緩衝液のpHについては、適宜適当なpHを選択して用いればよく、特に制限はないものの、通常は、pH5〜pH10の範囲内のpHを選択して用いることが一般的である。
また、本発明の試料中のCRPの測定試薬には、前記のカルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質、及びカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質を固定化した担体の他に、ウシ血清アルブミン(BSA)、ヒト血清アルブミン(HSA)、カゼイン若しくはその塩などのタンパク質;カルシウムイオンなどの各種金属イオン;カルシウム塩などの各種塩類;各種糖類;脱脂粉乳;正常ウサギ血清などの各種動物血清;アジ化ナトリウム若しくは抗生物質などの各種防腐剤;活性化物質;反応促進物質;ポリエチレングリコールなどの感度増加物質;非特異的反応抑制物質;又は、非イオン性界面活性剤、両イオン性界面活性剤若しくは陰イオン性界面活性剤などの各種界面活性剤等の1種又は2種以上を適宜含有させてもよい。
なお、本発明の測定試薬には、カルシウムイオン又はカルシウム塩を含有させることが好ましい。
そして、これらを本発明の測定試薬に含有させる際の濃度は特に限定されるものではないが、0.001〜10%(W/V)が好ましく、特に0.01〜5%(W/V)が好ましい。
なお、前記の界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、デカグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロール、フィトスタノール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、硬化ヒマシ油若しくはポリオキシエチレンラノリンなどの非イオン性界面活性剤;酢酸ベタインなどの両性界面活性剤;又は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩若しくはポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩などの陰イオン性界面活性剤等を挙げることができる。
なお、本発明の試料中のCRPの測定試薬は、そのもの単独にて、販売し、又は試料中のCRPの測定に使用することができる。
また、本発明の試料中のCRPの測定試薬は、他の試薬と組み合わせて、販売し、又は試料中のCRPの測定に使用することもできる。
前記の他の試薬としては、例えば、緩衝液、試料希釈液、試薬希釈液、標識物質を含有する試薬、発色などのシグナルを生成する物質を含有する試薬、又は校正(キャリブレーション)を行うための物質を含有する試薬等を挙げることができる。
〔11〕測定方法
本発明における試料中のCRPの測定方法は、カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質、及びカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質を各々担体に固定化し、当該担体に固定化した特異的結合物質と試料中に含まれていたCRPとの当該特異的結合反応により生成した当該特異的結合物質とCRPとの複合体凝集物を測定することにより、試料中のCRPを測定する方法である。
本発明の試料中のCRPの測定方法における測定操作は、公知の測定操作に従って行うことができる。
例えば、まず、カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質、及びカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質を固定化した担体〔例えば、「カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質を固定化した担体と、カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質を固定化した担体との混合物」、又は「カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質と、カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質とが、同一の担体に固定化されたもの」等〕を含有する測定試薬を調製し、準備する。
次に、試料と、カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質、及びカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質を固定化した担体を含有する測定試薬とを混合し、接触させる。
これにより、担体に固定化したカルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質、及びカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質と、試料中に含まれていたCRPとの、特異的結合反応を行わせる。
なお、この特異的結合反応を行わせる際には、カルシウムイオン又はカルシウム塩を存在させることが好ましい。
次に、この特異的結合反応により生成した、担体に固定化したカルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質、及びカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質と、CRPとの複合体凝集物を測定する。
この生成した複合体凝集物の測定は、この複合体凝集物が存在する測定反応時の反応混合液の透過光又は散乱光などの吸光度等の測定を、エンドポイント法又はレート法等により行うことにより、実施する。
そして、試料を測定して得た吸光度等の測定値を、標準物質(CRP濃度が既知の試料)を測定して得た吸光度等の測定値と比較して、試料中に含まれていたCRPの濃度(定量値)を算出する。
なお、透過光又は散乱光などの吸光度等の測定は、透過光を測定しても、又は散乱光を測定してもよく、そして、1波長測定であっても、又は2波長測定(2つの波長による差または比)であってもよい。
なお、測定波長は、340nmから1,000nmの中から選ばれるのが一般的である。
なお、本発明の試料中のCRPの測定は、用手法により行ってもよいし、又は測定装置等の装置を用いて行ってもよい。
測定装置は、汎用自動分析装置であっても、専用の測定装置(専用機)であってもよい。
また、この測定は、1ステップ法(1試薬法)により行ってもよいし、又は2ステップ法(2試薬法)等の複数の操作ステップにより行う方法によって実施してもよい。
以下、ラテックス比濁法を測定原理とする試料中のCRPの測定試薬を用いて、試料中のCRPの測定を行う場合を例にとって、具体的に説明を行う。
(1) まず、試料中のCRPの測定試薬として、以下のものを調製し、準備する。
第1試薬: 緩衝剤を含有させpHを一定の値に調整した緩衝液
第2試薬: カルシウムイオン依存的にCRPに結合する抗体と、カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する抗体とが、同一のラテックス粒子に固定化されたものを含有する緩衝液
(2) 血清等の試料の一定量と前記の第1試薬の一定量を混合し、一定温度下で一定時間静置する。
なお、試料と第1試薬の混合比率(量比)は、適宜選択すればよい。
また、前記の静置時の温度は、室温(1℃〜30℃)又は微温(30℃〜40℃)の範囲内の一定温度であることが好ましい。(例えば、37℃等)
(3) 一定時間後、前記の試料と第1試薬との混合液に、前記の第2試薬の一定量を添加、混合し、反応混合液として、一定温度下で一定時間静置する。
なお、第2試薬の添加量は、適宜選択すればよい。
また、前記の静置時の温度は、室温(1℃〜30℃)又は微温(30℃〜40℃)の範囲内の一定温度であることが好ましい。(例えば、37℃等)
そして、前記の静置の時間は、1分以上、10分以下の一定時間であることが好ましく、3分以上、5分以下の一定時間であることがより好ましい。
試料と第1試薬との混合液への第2試薬の添加、混合により、ラテックス粒子に固定化したカルシウムイオン依存的にCRPに結合する抗体、及びカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する抗体と、試料中に含まれていたCRPとの抗原抗体反応(測定反応)を行わせる。
そして、この抗原抗体反応(測定反応)により、「…〔カルシウムイオン依存的にCRPに結合する抗体=ラテックス粒子=カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する抗体〕−〔CRP〕−〔カルシウムイオン依存的にCRPに結合する抗体=ラテックス粒子=カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する抗体〕…」等の架橋が形成され、CRPを介した、「カルシウムイオン依存的にCRPに結合する抗体、及びカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する抗体を固定化したラテックス粒子」同士の複合体凝集物が生成する。
(4) そして、分析装置又は分光光度計等において、反応混合液に光を照射して、生成したラテックス粒子同士の複合体凝集物により生じるシグナルである適当な波長の透過光強度の減少(吸光度の増加)又は散乱光強度の増加を測定することにより、生成した前記複合体凝集物の量、すなわち、試料中に含まれていたCRPの量を求める。
(5) そして、「試料の測定を行って得た測定値(透過光強度の減少(吸光度の増加)又は散乱光強度の増加の値)」と、「標準液又は標準血清等の標準物質(濃度既知のCRPを含む試料)の測定を行って得た測定値(透過光強度の減少(吸光度の増加)又は散乱光強度の増加の値)」とを比較することにより、測定を行った試料中に含まれるCRPの量(濃度)の算出を行う。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(抗CRP抗体の確認)
ペルオキシダーゼ標識抗体及びCRP固定化プレートを使用し、ELISA法(酵素免疫測定法)のサンドイッチ法により、4種類の抗CRP抗体のそれぞれについて、カルシウムイオン依存的にCRPに結合する抗体であるか、又はカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する抗体であるかの判定を行った。
1.試薬の調製
(1)ペルオキシダーゼ標識抗体の調製
ペルオキシダーゼ標識ヤギ抗マウスIgG抗体溶液(Jacson ImmunoResearch LABORATORIES社)を、0.5%カゼイン溶液で2000倍に希釈し調製し、ペルオキシダーゼ標識抗体とした。
(2)洗浄液の調製
0.05%ツイーン20(Tween20)を含むリン酸緩衝生理食塩水〔pH7.2(20℃)〕を調製し、洗浄液とした。
(3)CRP固定化プレートの調製
遺伝子組換えCRP(オリエンタル酵母工業社)を、10mMリン酸緩衝生理食塩水〔pH7.4(20℃)〕で5μg/mLの濃度になるように希釈し、96穴マイクロタイタープレート(ヌンク社)に1ウェル当たり50μLずつ加え、37℃で2時間静置して、前記CRPを前記マイクロプレートの各ウェルに吸着させ、固定化した。
このCRPが固定化されたマイクロタイタープレートを前記(2)の洗浄液を1ウェル当たり300μLずつ加えて洗浄し、この洗浄を計5回行った後、0.05%アジ化ナトリウムを含む0.5%カゼイン溶液を1ウェル当たり200μLずつ加えて、4℃で一晩静置してブロッキング処理を行い、CRP固定化プレートを調製した。
(4)発色液の調製
0.1Mクエン酸緩衝液〔pH4.0(20℃)〕の100mLに、ABTS(2,2’−アジノビス[3−エチル−2,3−ジヒドロベンゾチアゾール−6−スルホン酸])(ロシュ・ダイアグノスティックス社)50mg及び30%過酸化水素水10μLを使用の直前に添加し、調製し、発色液とした。
2.抗体試料の調製
(1)希釈液Aの調製
0.5%カゼイン水溶液に、塩化カルシウムを2mMとなるように溶解して調製し、これを希釈液Aとした。
(2)希釈液Bの調製
0.5%カゼイン水溶液に、キレート剤であるEDTA・2ナトリウム塩(同仁化学研究所社)を10mMとなるように溶解して調製し、これを希釈液Bとした。
(3)抗CRP抗体
抗CRP抗体として、次の4種類の市販の抗体を用意した。
(イ) 抗体−1: マウス抗ヒトCRPモノクローナル抗体〔クローン:CRB−018〕(日本バイオテスト研究所社)
(ロ) 抗体−2: マウス抗ヒトCRPモノクローナル抗体〔クローン:CRB−023〕(日本バイオテスト研究所社)
(ハ) 抗体−3: マウス抗ヒトCRPモノクローナル抗体〔クローン:CRB−031〕(日本バイオテスト研究所社)
(ニ) 抗体−4: マウス抗ヒトCRPモノクローナル抗体〔クローン:CRB−032〕(日本バイオテスト研究所社)
(4)抗体試料の調製
(イ)カルシウムイオン含有・抗CRP抗体試料
前記(3)の抗体−1から抗体−4までの4種類の抗CRP抗体を、前記(1)で調製した希釈液Aで各々希釈し、抗CRP抗体の濃度がそれぞれ0.010μg/mL、0.10μg/mL、1.0μg/mL、10.0μg/mL、又は100.0μg/mLであるカルシウムイオン含有・抗CRP抗体試料をそれぞれ調製した。
また、前記(1)で調製した希釈液Aを、抗CRP抗体の濃度が0μg/mLのカルシウムイオン含有・抗CRP抗体試料とした。
(ロ)EDTA含有・抗CRP抗体試料
前記(3)の抗体−1から抗体−4までの4種類の抗CRP抗体を、前記(2)で調製した希釈液Bで各々希釈し、抗CRP抗体の濃度がそれぞれ0.010μg/mL、0.10μg/mL、1.0μg/mL、10.0μg/mL、又は100.0μg/mLであるEDTA含有・抗CRP抗体試料をそれぞれ調製した。
また、前記(2)で調製した希釈液Bを、抗CRP抗体の濃度が0μg/mLのEDTA含有・抗CRP抗体試料とした。
3.ELISA法による測定
(1)測定
(イ) 前記1の(3)で調製したCRP固定化プレートの各ウェルに、前記1の(2)で調製した洗浄液を1ウェル当たり400μLずつ加えて洗浄し、この洗浄を計5回行った。
(ロ) その後、前記2の(4)の(イ)で調製した、抗体−1から抗体−4までの4種類の抗CRP抗体各々について、抗CRP抗体の濃度がそれぞれ0μg/mL、0.010μg/mL、0.10μg/mL、1.0μg/mL、10.0μg/mL、又は100.0μg/mLであるカルシウムイオン含有・抗CRP抗体試料〔抗CRP抗体4種類×6濃度=計24種類)の50μLを、それぞれ前記(イ)で洗浄したCRP固定化プレートの各ウェルに添加し、37℃で2時間静置して、CRP固定化プレートの各ウェルに固定化したCRPと、前記の各抗CRP抗体との抗原抗体反応を行わせた。
なお、このとき、CRP固定化プレートの各ウェルに固定化されたCRPは、カルシウムイオン含有・抗CRP抗体試料の添加、接触により、カルシウム結合型CRPとなっている。
よって、このとき、各ウェルに固定化されたカルシウム結合型CRPに対する、前記の各抗CRP抗体の結合性が試験される。
(ハ) その後、このCRP固定化プレートの各ウェル内のカルシウムイオン含有・抗CRP抗体試料を吸引して除去し、前記1の(2)で調製した洗浄液を1ウェル当たり400μLずつ各ウェルに加えて洗浄し、この洗浄を計5回行った。
(ニ) 次に、前記1の(1)で調製したペルオキシダーゼ標識抗体をCRP固定化プレートの各ウェルに50μLずつ添加し、37℃で1時間反応させた。
(ホ) 次いで、CRP固定化プレートの各ウェルを前記1の(2)で調製した洗浄液を1ウェル当たり400μLずつ加えて洗浄し、この洗浄を計5回行った。
(ヘ) この後、前記1の(4)で調製した発色液100μLをCRP固定化プレートの各ウェルに添加し、室温で30分間反応させた。
(ト) その後、CRP固定化プレートの各ウェル内の反応液の415nmにおける吸光度を、マイクロプレートリーダー(バイオラッド社製;3550型)を用いて測定した。
(チ) 抗体−1から抗体−4までの4種類の抗CRP抗体毎に、抗CRP抗体濃度がそれぞれ0.010μg/mL、0.10μg/mL、1.0μg/mL、10.0μg/mL、又は100.0μg/mLのカルシウムイオン含有・抗CRP抗体試料の測定値(吸光度)から、抗CRP抗体濃度が0μg/mLのカルシウムイオン含有・抗CRP抗体試料の測定値(吸光度)を差し引いて、吸光度差の値を求めた。
(リ) 前記(ロ)における、カルシウムイオン含有・抗CRP抗体試料〔抗CRP抗体4種類×6濃度=計24種類)に替えて、EDTA含有・抗CRP抗体試料〔抗CRP抗体4種類×6濃度=計24種類)の50μLを、それぞれCRP固定化プレートの各ウェルに添加すること以外は、前記(イ)〜(チ)の記載の通りに操作を行って、吸光度差の値を求めた。
なお、このEDTA含有・抗CRP抗体試料の測定においては、EDTA含有・抗CRP抗体試料の添加、接触により、CRP固定化プレートの各ウェルに固定化されたCRPに結合していたカルシウムイオンは、EDTA・2Naと結合する等により、前記の各ウェルに固定化されたCRPは、カルシウム非結合型CRPとなっている。
よって、このとき、各ウェルに固定化されたカルシウム非結合型CRPに対する、前記の各抗CRP抗体の結合性が試験される。
(2)測定結果
前記(1)において、カルシウムイオン含有・抗CRP抗体試料〔抗CRP抗体4種類×6濃度=計24種類)、及びEDTA含有・抗CRP抗体試料〔抗CRP抗体4種類×6濃度=計24種類)について測定を行い、各抗CRP抗体のカルシウム結合型CRP、及びカルシウム非結合型CRPとの結合性を見た試験において得られた吸光度差の値を、表1(抗体−1〜抗体−4)、並びに図1(抗体−1)、図2(抗体−2)、図3(抗体−3)及び図4(抗体−4)に示した。
Figure 0005807300
なお、この図1、図2、図3及び図4において、横軸はCRP固定化プレートのウェルに添加した抗体試料中の抗CRP抗体の濃度(μg/mL)を、縦軸は測定により得られた吸光度差の値(415nm)を表す。
また、この図1、図2、図3及び図4において、「●」は各々のカルシウムイオン含有・抗CRP抗体試料を測定したときの測定結果(吸光度差)を示し、「▲」は各々のEDTA含有・抗CRP抗体試料を測定したときの測定結果(吸光度差)を示す。
4.考察
(イ) 上記の検討結果より、抗体−1(図1)、抗体−2(図2)、及び抗体−3(図3)においてはそれぞれ、各抗CRP抗体のカルシウム結合型CRPとの結合性を示す測定結果(カルシウムイオン含有・抗CRP抗体試料)の曲線と、各抗CRP抗体のカルシウム非結合型CRPとの結合性を示す測定結果(EDTA含有・抗CRP抗体試料)の曲線が、大きくかい離していることが分かる。
すなわち、抗体−1、抗体−2、及び抗体−3では、カルシウム結合型CRPとの結合に比べ、カルシウム非結合型CRPとの結合が著しく低いことが分かる。
このことより、抗体−1、抗体−2、及び抗体−3はそれぞれ、「カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質(抗体)」であると、判定することができる。
(ロ) また、抗体−4(図4)においては、抗CRP抗体のカルシウム結合型CRPとの結合性を示す測定結果(カルシウムイオン含有・抗CRP抗体試料)の曲線と、抗CRP抗体のカルシウム非結合型CRPとの結合性を示す測定結果(EDTA含有・抗CRP抗体試料)の曲線が、ほとんどかい離していないことが分かる。
すなわち、抗体−4は、カルシウム結合型CRPとも、カルシウム非結合型CRPとも、ほぼ同程度に結合することが分かる。
このことより、抗体−4は、「カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質(抗体)」であると、判定することができる。
(抗CRP抗体固定化ラテックス粒子の確認)
カルシウムイオン依存的にCRPに結合する抗体を固定化したラテックス粒子、又はカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する抗体を固定化したラテックス粒子について、試料中のCRPとの反応性を確認した。
1.測定試薬
(1)第1試薬
1%(w/v)BSA、2M塩化ナトリウム、0.2mM塩化カルシウム・2水和物及び0.05%アジ化ナトリウムを含有する100mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン−塩酸緩衝液〔pH8.0(20℃)〕を調製し、第1試薬とした。
(2)第2試薬
(イ)第2試薬〔抗体−1〕
平均粒径0.1μmのラテックス粒子の10%懸濁液0.094mLに、実施例1の2の(3)の抗体−1〔カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質(抗体)〕を0.1g/dLの濃度で6.7mM MES緩衝液〔pH5.0(20℃)〕に混和した液0.5098mLを加え、5℃にて一晩撹拌した。これにより、前記の抗体−1をラテックス粒子に固定化した。
次に、遠心分離により上清を除去した後、沈殿部に1.0%ウシ血清アルブミン(BSA)を含む100mMグリシン緩衝液〔pH9.5(20℃)〕を加え懸濁し、室温下で30分間撹拌し、ブロッキング処理を行った。
次に、遠心分離により沈殿部を回収した後、これを0.05%アジ化ナトリウム水溶液で波長585nmにおける吸光度が9.5ODとなるように懸濁した。
そして、これを0.05%アジ化ナトリウム水溶液により希釈して、抗体−1を固定化したラテックス粒子の0.060%懸濁液を調製した。
これを第2試薬〔抗体−1〕とした。
(ロ)第2試薬〔抗体−2〕
前記(イ)における抗体−1を、実施例1の2の(3)の抗体−2〔カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質(抗体)〕に変えること以外は、前記(イ)の記載の通りに操作を行い、抗体−2を固定化したラテックス粒子の0.060%懸濁液を調製した。
これを第2試薬〔抗体−2〕とした。
(ハ)第2試薬〔抗体−3〕
前記(イ)における抗体−1を、実施例1の2の(3)の抗体−3〔カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質(抗体)〕に変えること以外は、前記(イ)の記載の通りに操作を行い、抗体−3を固定化したラテックス粒子の0.060%懸濁液を調製した。
これを第2試薬〔抗体−3〕とした。
(ニ)第2試薬〔抗体−4〕
前記(イ)における抗体−1を、実施例1の2の(3)の抗体−4〔カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質(抗体)〕に変えること以外は、前記(イ)の記載の通りに操作を行い、抗体−4を固定化したラテックス粒子の0.060%懸濁液を調製した。
これを第2試薬〔抗体−4〕とした。
2.試料
(1)試料希釈液の調製
4%(w/v)BSA、0.2mM塩化カルシウム・2水和物、100mM塩化ナトリウム及び15mMアジ化ナトリウムを含有する50mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン−塩酸緩衝液〔pH7.6〕を調製して、試料希釈液とした。
(2)試料の調製
遺伝子組み換え体CRP(オリエンタル酵母工業社製)を、前記(1)の試料希釈液で希釈することにより、次のCRP濃度の試料をそれぞれ調製した。
また、生理食塩水(0.9%塩化ナトリウム水溶液)を、CRP濃度0mg/dLの試料とした。
(イ)試料1: 0mg/dL
(ロ)試料2: 0.5mg/dL
(ハ)試料3: 2.0mg/dL
(ニ)試料4: 6.0mg/dL
(ホ)試料5: 18.0mg/dL
(ヘ)試料6: 30.0mg/dL
3.試料中のCRPの測定
(1)測定手順
(イ) 測定は、日立−7180形自動分析装置(日立製作所社製)を使用して行った。
まず、測定用セル(キュベット)に、前記2の(2)の試料1、試料2、試料3、試料4、試料5、又は試料6の3μLを添加した。
次に、これらの測定用セル(キュベット)に、前記1の(1)の第1試薬の100μLを添加し、混合した。
そして、これらの測定用セル(キュベット)を、37℃で静置した。
(ロ) 前記の第1試薬の添加後4分34秒目(16ポイント目)に、これらの測定用セル(キュベット)内の混合液に、更に、前記1の(2)の(イ)の第2試薬〔抗体−1〕の100μLを添加し、混合した。
(ハ) 前記の第1試薬の添加後5分09秒目(18ポイント目)に、これらの測定用セル(キュベット)内の混合液の吸光度(主波長570nm、副波長800nm)を試料盲検として測定した。
そして、これらの測定用セル(キュベット)を、37℃で静置して、反応を行わせた。
これにより、前記のラテックス粒子に固定化された抗CRP抗体と、前記の試料に含まれていたCRPとの抗原抗体反応を行わせ、ラテックス粒子の凝集塊を生成させた。
(ニ) 前記の第1試薬の添加後9分54秒目(34ポイント目)に、この測定用セル(キュベット)内の反応混合液の吸光度(主波長570nm、副波長800nm)を、前記試料の測定値として測定した。
(ホ) 前記(ニ)において測定した吸光度(測定値)から前記(ロ)において測定した吸光度(試料盲検)を差し引き、吸光度差を得た。
なお、この吸光度差は試料に含まれるCRPの量(濃度)に比例したものである。
(ヘ) なお、前記(ロ)において、第2試薬〔抗体−1〕に替えて、前記1の(2)の(ロ)の第2試薬〔抗体−2〕を用いること以外は、前記(イ)〜(ホ)の通りに操作を行い、第2試薬として第2試薬〔抗体−2〕を用いた場合の各試料の吸光度差を得た。
(ト) また、前記(ロ)において、第2試薬〔抗体−1〕に替えて、前記1の(2)の(ハ)の第2試薬〔抗体−3〕を用いること以外は、前記(イ)〜(ホ)の通りに操作を行い、第2試薬として第2試薬〔抗体−3〕を用いた場合の各試料の吸光度差を得た。
(チ) そして、前記(ロ)において、第2試薬〔抗体−1〕に替えて、前記1の(2)の(ニ)の第2試薬〔抗体−4〕を用いること以外は、前記(イ)〜(ホ)の通りに操作を行い、第2試薬として第2試薬〔抗体−4〕を用いた場合の各試料の吸光度差を得た。
(2)測定結果
前記(1)において、試料中のCRPの測定を行って得られた吸光度差を、表2及び図5に示した。
なお、この図5において、横軸は試料中のCRP濃度(mg/dL)を、縦軸は測定により得られた吸光度差の値〔吸光度差×10,000〕(主波長570nm、副波長800nm)を表す。
また、この図5において、「□」は第2試薬として「第2試薬〔抗体−1〕」を用いたときの測定結果(吸光度差の値)を示し、「○」は第2試薬として「第2試薬〔抗体−2〕」を用いたときの測定結果(吸光度差の値)を示し、「△」は第2試薬として「第2試薬〔抗体−3〕」を用いたときの測定結果(吸光度差の値)を示し、「◇」は第2試薬として「第2試薬〔抗体−4〕」を用いたときの測定結果(吸光度差の値)を示す。
Figure 0005807300
4.考察
(イ) この表2及び図5より、試料中のCRPの測定試薬に含有させる「抗CRP抗体を固定化した担体(ラテックス粒子)」の抗CRP抗体として、「カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質(抗体)」である前記の「抗体−1」、「抗体−2」、そして「抗体−3」を用いた場合にはそれぞれ、試料中のCRPが低濃度域にあるときはCRPとの反応性は低く測定の感度は高くないものの、中濃度域から高濃度域までCRPとの反応性は高く、試料中のCRP濃度の増加に応じて吸光度差の値が増加してゆき、すなわち試料中のCRP濃度の増加に応じて複合体凝集物の生成量が増加してゆくことが分かる。
よって、前記の「抗体−1」、「抗体−2」、そして「抗体−3」を用いた場合、すなわち「カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質(抗体)」を用いた場合には、低濃度域では低感度であるものの、中濃度域から高濃度域に渡っては感度高く測定の定量性を有するものであることが確かめられた。
(ロ) また、この表2及び図5より、試料中のCRPの測定試薬に含有させる「抗CRP抗体を固定化した担体(ラテックス粒子)」の抗CRP抗体として、「カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質(抗体)」である前記の「抗体−4」を用いた場合には、試料中のCRPが低濃度域にあるときはCRPとの反応性は高く測定の感度は高いものの、中濃度域から高濃度域に掛けては、試料中のCRP濃度が増加しても吸光度差の値は増加しないか又は低下し、すなわち試料中のCRP濃度が増加しても複合体凝集物の生成量は増加しないか又は低下することが分かる。
よって、前記の「抗体−4」を用いた場合、すなわち「カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質(抗体)」を用いた場合には、低濃度域では高感度であるものの、中濃度域から高濃度域に掛けては測定の定量性を有しないものであることが確かめられた。
(本願発明の試料中のCRPの測定方法及び測定試薬の効果の確認−1)
カルシウムイオン依存的にCRPに結合する抗体(抗体−1)を固定化したラテックス粒子、及びカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する抗体(抗体−4)を固定化したラテックス粒子を含有する本願発明のCRPの測定試薬を用いて試料中のCRPの測定を行い、その効果を確かめた。
1.測定試薬
(1)第1試薬
1%(w/v)BSA、2M塩化ナトリウム、0.2mM塩化カルシウム・2水和物及び0.05%アジ化ナトリウムを含有する100mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン−塩酸緩衝液〔pH8.0(20℃)〕を調製し、第1試薬とした。
(2)第2試薬
(イ)抗体−1固定化ラテックス粒子懸濁液の調製
平均粒径0.1μmのラテックス粒子の10%懸濁液0.094mLに、実施例1の2の(3)の抗体−1〔カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質(抗体)〕を0.1g/dLの濃度で6.7mM MES緩衝液〔pH5.0(20℃)〕に混和した液0.5098mLを加え、5℃にて一晩撹拌した。
次に、遠心分離により上清を除去した後、沈殿部に1.0%BSAを含む100mMグリシン緩衝液〔pH9.5(20℃)〕を加え懸濁し、室温下で30分間撹拌し、ブロッキング処理を行った。
次に、遠心分離により沈殿部を回収した後、これを0.05%アジ化ナトリウム水溶液で波長585nmにおける吸光度が9.5ODとなるように懸濁した。
そして、これを0.05%アジ化ナトリウム水溶液により希釈して、抗体−1(カルシウムイオン依存的にCRPに結合する抗体)を固定化したラテックス粒子の0.120%懸濁液を調製した。
これを抗体−1固定化ラテックス粒子懸濁液とした。
(ロ)抗体−4固定化ラテックス粒子懸濁液の調製
平均粒径0.1μmのラテックス粒子の10%懸濁液0.094mLに、実施例1の2の(3)の抗体−4〔カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質(抗体)〕を0.1g/dLの濃度で6.7mM MES緩衝液〔pH5.0(20℃)〕に混和した液0.5098mLを加え、5℃にて一晩撹拌した。
次に、遠心分離により上清を除去した後、沈殿部に1.0%BSAを含む100mMグリシン緩衝液〔pH9.5(20℃)〕を加え懸濁し、室温下で30分間撹拌し、ブロッキング処理を行った。
次に、遠心分離により沈殿部を回収した後、これを0.05%アジ化ナトリウム水溶液で波長585nmにおける吸光度が9.5ODとなるように懸濁した。
そして、これを0.05%アジ化ナトリウム水溶液により希釈して、抗体−4(カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する抗体)を固定化したラテックス粒子の0.036%懸濁液を調製した。
これを抗体−4固定化ラテックス粒子懸濁液とした。
(ハ)第2試薬〔抗体−1〕の調製
前記(イ)で調製した抗体−1固定化ラテックス粒子懸濁液の5mLと、0.05%アジ化ナトリウム水溶液の5mLとを混合し、0.060%の「抗体−1(カルシウムイオン依存的にCRPに結合する抗体)を固定化したラテックス粒子」を含有する縣濁液を調製した。
これを第2試薬〔抗体−1〕とした。
(ニ)第2試薬〔抗体−4〕の調製
前記(ロ)で調製した抗体−4固定化ラテックス粒子懸濁液の5mLと、0.05%アジ化ナトリウム水溶液の5mLとを混合し、0.018%の「抗体−4(カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する抗体)を固定化したラテックス粒子」を含有する縣濁液を調製した。
これを第2試薬〔抗体−4〕とした。
(ホ)第2試薬〔抗体−1・抗体−4〕の調製
前記(イ)で調製した抗体−1固定化ラテックス粒子懸濁液の5mLと、前記(ロ)で調製した抗体−4固定化ラテックス粒子懸濁液の5mLとを混合し、0.060%の「抗体−1(カルシウムイオン依存的にCRPに結合する抗体)を固定化したラテックス粒子」、及び0.018%の「抗体−4(カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する抗体)を固定化したラテックス粒子」を含有する縣濁液を調製した。
これを第2試薬〔抗体−1・抗体−4〕とした。
2.試料
(1)試料希釈液の調製
4%(w/v)BSA、0.2mM塩化カルシウム・2水和物、100mM塩化ナトリウム及び15mMアジ化ナトリウムを含有する50mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン−塩酸緩衝液〔pH7.6〕を調製して、試料希釈液とした。
(2)試料の調製
遺伝子組み換え体CRP(オリエンタル酵母工業社製)を、前記(1)の試料希釈液で希釈することにより、次のCRP濃度の試料をそれぞれ調製した。
また、生理食塩水(0.9%塩化ナトリウム水溶液)を、CRP濃度0mg/dLの試料とした。
(イ)試料1: 0mg/dL
(ロ)試料2: 0.5mg/dL
(ハ)試料3: 2.0mg/dL
(ニ)試料4: 6.0mg/dL
(ホ)試料5: 18.0mg/dL
(ヘ)試料6: 30.0mg/dL
3.試料中のCRPの測定
(1)測定手順
(イ) 測定は、日立−7180形自動分析装置(日立製作所社製)を使用して行った。
まず、測定用セル(キュベット)に、前記2の(2)の試料1、試料2、試料3、試料4、試料5、又は試料6の3μLを添加した。
次に、これらの測定用セル(キュベット)に、前記1の(1)の第1試薬の100μLを添加し、混合した。
そして、これらの測定用セル(キュベット)を、37℃で静置した。
(ロ) 前記の第1試薬の添加後4分34秒目(16ポイント目)に、これらの測定用セル(キュベット)内の混合液に、更に、前記1の(2)の(ハ)の第2試薬〔抗体−1〕の100μLを添加し、混合した。
(ハ) 前記の第1試薬の添加後5分09秒目(18ポイント目)に、これらの測定用セル(キュベット)内の混合液の吸光度(主波長570nm、副波長800nm)を試料盲検として測定した。
そして、これらの測定用セル(キュベット)を、37℃で静置して、反応を行わせた。
これにより、前記のラテックス粒子に固定化された抗CRP抗体と、前記の試料に含まれていたCRPとの抗原抗体反応を行わせ、ラテックス粒子の凝集塊を生成させた。
(ニ) 前記の第1試薬の添加後9分54秒目(34ポイント目)に、この測定用セル(キュベット)内の反応混合液の吸光度(主波長570nm、副波長800nm)を、前記試料の測定値として測定した。
(ホ) 前記(ニ)において測定した吸光度(測定値)から前記(ハ)において測定した吸光度(試料盲検)を差し引き、吸光度差を得た。
なお、この吸光度差は試料に含まれるCRPの量(濃度)に比例したものである。
(ヘ) なお、前記(ロ)において、前記の第2試薬〔抗体−1〕に替えて、前記1の(2)の(ニ)の第2試薬〔抗体−4〕を用いること以外は、前記(イ)〜(ホ)の通りに操作を行い、第2試薬として第2試薬〔抗体−4〕を用いた場合の各試料の吸光度差を得た。
(ト) また、前記(ロ)において、前記の第2試薬〔抗体−1〕に替えて、前記1の(2)の(ホ)の第2試薬〔抗体−1・抗体−4〕を用いること以外は、前記(イ)〜(ホ)の通りに操作を行い、第2試薬として第2試薬〔抗体−1・抗体−4〕を用いた場合の各試料の吸光度差を得た。
(2)測定結果
前記(1)において、試料中のCRPの測定を行って得られた吸光度差を、表3及び図6に示した。
なお、この図6において、横軸は試料中のCRP濃度(mg/dL)を、縦軸は測定により得られた吸光度差の値〔吸光度差×10,000〕(主波長570nm、副波長800nm)を表す。
また、この図6において、「△」は第2試薬として「第2試薬〔抗体−1〕」を用いたときの測定結果(吸光度差の値)を示し、「○」は第2試薬として「第2試薬〔抗体−4〕」を用いたときの測定結果(吸光度差の値)を示し、「■」は第2試薬として「第2試薬〔抗体−1・抗体−4〕」を用いたときの測定結果(吸光度差の値)を示す。
Figure 0005807300
4.考察
(イ) この表3及び図6より、試料中のCRPの測定試薬に含有させる「抗CRP抗体を固定化した担体(ラテックス粒子)」の抗CRP抗体として、「カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質(抗体)」である前記の「抗体−1」を用いた場合には(第2試薬が「第2試薬〔抗体−1〕」である場合には)、試料中のCRPが低濃度域にあるときには低感度であるものの、中濃度域から高濃度域に渡っては感度高く測定の定量性を有するものであることが分かる。
(ロ) また、この表3及び図6より、前記の抗CRP抗体として、「カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質(抗体)」である前記の「抗体−4」を用いた場合には(第2試薬が「第2試薬〔抗体−4〕」である場合には)、試料中のCRPが低濃度域にあるときには高感度であるものの、中濃度域から高濃度域に掛けては測定の定量性を有しないものであることが分かる。
(ハ) これに対して、この表3及び図6より、試料中のCRPの測定試薬に含有させる「抗CRP抗体を固定化した担体(ラテックス粒子)」の抗CRP抗体として、「カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質(抗体)」である前記の「抗体−1」と、「カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質(抗体)」である前記の「抗体−4」とを組み合わせて使用した場合には(第2試薬が「第2試薬〔抗体−1・抗体−4〕」である場合には)、試料中のCRPの測定において低濃度から高濃度まで測定範囲が拡がっていることが分かる。
すなわち、低濃度から高濃度までの広範囲の濃度のCRPを正確に測定することができる測定方法及び測定試薬であることが確かめられた。
(本願発明の試料中のCRPの測定方法及び測定試薬の効果の確認−2)
カルシウムイオン依存的にCRPに結合する抗体(抗体−2)を固定化したラテックス粒子、及びカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する抗体(抗体−4)を固定化したラテックス粒子を含有する本願発明のCRPの測定試薬を用いて試料中のCRPの測定を行い、その効果を確かめた。
1.測定試薬
(1)第1試薬
1%(w/v)BSA、2M塩化ナトリウム、0.2mM塩化カルシウム・2水和物及び0.05%アジ化ナトリウムを含有する100mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン−塩酸緩衝液〔pH8.0(20℃)〕を調製し、第1試薬とした。
(2)第2試薬
(イ)抗体−2固定化ラテックス粒子懸濁液の調製
平均粒径0.1μmのラテックス粒子の10%懸濁液0.094mLに、実施例1の2の(3)の抗体−2〔カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質(抗体)〕を0.1g/dLの濃度で6.7mM MES緩衝液〔pH5.0(20℃)〕に混和した液0.5098mLを加え、5℃にて一晩撹拌した。
次に、遠心分離により上清を除去した後、沈殿部に1.0%BSAを含む100mMグリシン緩衝液〔pH9.5(20℃)〕を加え懸濁し、室温下で30分間撹拌し、ブロッキング処理を行った。
次に、遠心分離により沈殿部を回収した後、これを0.05%アジ化ナトリウム水溶液で波長585nmにおける吸光度が9.5ODとなるように懸濁した。
そして、これを0.05%アジ化ナトリウム水溶液により希釈して、抗体−2(カルシウムイオン依存的にCRPに結合する抗体)を固定化したラテックス粒子の0.120%懸濁液を調製した。
これを抗体−2固定化ラテックス粒子懸濁液とした。
(ロ)抗体−4固定化ラテックス粒子懸濁液の調製
前記の実施例3の1の(2)の(ロ)の記載の通りに行い、抗体−4(カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する抗体)を固定化したラテックス粒子の0.036%懸濁液を調製し、これを抗体−4固定化ラテックス粒子懸濁液とした。
(ハ)第2試薬〔抗体−2〕の調製
前記(イ)で調製した抗体−2固定化ラテックス粒子懸濁液の5mLと、0.05%アジ化ナトリウム水溶液の5mLとを混合し、0.060%の「抗体−2(カルシウムイオン依存的にCRPに結合する抗体)を固定化したラテックス粒子」を含有する縣濁液を調製した。
これを第2試薬〔抗体−2〕とした。
(ニ)第2試薬〔抗体−4〕の調製
前記(ロ)で調製した抗体−4固定化ラテックス粒子懸濁液の5mLと、0.05%アジ化ナトリウム水溶液の5mLとを混合し、0.018%の「抗体−4(カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する抗体)を固定化したラテックス粒子」を含有する縣濁液を調製した。
これを第2試薬〔抗体−4〕とした。
(ホ)第2試薬〔抗体−2・抗体−4〕の調製
前記(イ)で調製した抗体−2固定化ラテックス粒子懸濁液の5mLと、前記(ロ)で調製した抗体−4固定化ラテックス粒子懸濁液の5mLとを混合し、0.060%の「抗体−2(カルシウムイオン依存的にCRPに結合する抗体)を固定化したラテックス粒子」、及び0.018%の「抗体−4(カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する抗体)を固定化したラテックス粒子」を含有する縣濁液を調製した。
これを第2試薬〔抗体−2・抗体−4〕とした。
2.試料
前記の実施例3の2の(1)及び(2)の記載の通りに行い、次のCRP濃度の試料をそれぞれ調製した。
(イ)試料1: 0mg/dL
(ロ)試料2: 0.5mg/dL
(ハ)試料3: 2.0mg/dL
(ニ)試料4: 6.0mg/dL
(ホ)試料5: 18.0mg/dL
(ヘ)試料6: 30.0mg/dL
3.試料中のCRPの測定
(1)測定手順
第2試薬として、前記1の(2)の(ハ)の第2試薬〔抗体−2〕、(ニ)の第2試薬〔抗体−4〕、及び(ホ)の第2試薬〔抗体−2・抗体−4〕をそれぞれ用いる他は、前記の実施例3の3の(1)の記載の通りに試料中のCRPの測定を行い、各試料における測定値(吸光度差)を得た。
(2)測定結果
前記(1)において、試料中のCRPの測定を行って得られた吸光度差を、表4及び図7に示した。
なお、この図7において、横軸は試料中のCRP濃度(mg/dL)を、縦軸は測定により得られた吸光度差の値〔吸光度差×10,000〕(主波長570nm、副波長800nm)を表す。
また、この図7において、「△」は第2試薬として「第2試薬〔抗体−2〕」を用いたときの測定結果(吸光度差の値)を示し、「○」は第2試薬として「第2試薬〔抗体−4〕」を用いたときの測定結果(吸光度差の値)を示し、「■」は第2試薬として「第2試薬〔抗体−2・抗体−4〕」を用いたときの測定結果(吸光度差の値)を示す。
Figure 0005807300
4.考察
(イ) この表4及び図7より、試料中のCRPの測定試薬に含有させる「抗CRP抗体を固定化した担体(ラテックス粒子)」の抗CRP抗体として、「カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質(抗体)」である前記の「抗体−2」を用いた場合には(第2試薬が「第2試薬〔抗体−2〕」である場合には)、試料中のCRPが低濃度域にあるときには低感度であるものの、中濃度域から高濃度域に渡っては感度高く測定の定量性を有するものであることが分かる。
(ロ) また、この表4及び図7より、前記の抗CRP抗体として、「カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質(抗体)」である前記の「抗体−4」を用いた場合には(第2試薬が「第2試薬〔抗体−4〕」である場合には)、試料中のCRPが低濃度域にあるときには高感度であるものの、中濃度域から高濃度域に掛けては測定の定量性を有しないものであることが分かる。
(ハ) これに対して、この表4及び図7より、試料中のCRPの測定試薬に含有させる「抗CRP抗体を固定化した担体(ラテックス粒子)」の抗CRP抗体として、「カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質(抗体)」である前記の「抗体−2」と、「カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質(抗体)」である前記の「抗体−4」とを組み合わせて使用した場合には(第2試薬が「第2試薬〔抗体−2・抗体−4〕」である場合には)、試料中のCRPの測定において低濃度から高濃度まで測定範囲が拡がっていることが分かる。
すなわち、低濃度から高濃度までの広範囲の濃度のCRPを正確に測定することができる測定方法及び測定試薬であることが確かめられた。
(本願発明の試料中のCRPの測定方法及び測定試薬の効果の確認−3)
カルシウムイオン依存的にCRPに結合する抗体(抗体−3)を固定化したラテックス粒子、及びカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する抗体(抗体−4)を固定化したラテックス粒子を含有する本願発明のCRPの測定試薬を用いて試料中のCRPの測定を行い、その効果を確かめた。
1.測定試薬
(1)第1試薬
1%(w/v)BSA、2M塩化ナトリウム、0.2mM塩化カルシウム・2水和物及び0.05%アジ化ナトリウムを含有する100mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン−塩酸緩衝液〔pH8.0(20℃)〕を調製し、第1試薬とした。
(2)第2試薬
(イ)抗体−3固定化ラテックス粒子懸濁液の調製
平均粒径0.1μmのラテックス粒子の10%懸濁液0.094mLに、実施例1の2の(3)の抗体−3〔カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質(抗体)〕を0.1g/dLの濃度で6.7mM MES緩衝液〔pH5.0(20℃)〕に混和した液0.5098mLを加え、5℃にて一晩撹拌した。
次に、遠心分離により上清を除去した後、沈殿部に1.0%BSAを含む100mMグリシン緩衝液〔pH9.5(20℃)〕を加え懸濁し、室温下で30分間撹拌し、ブロッキング処理を行った。
次に、遠心分離により沈殿部を回収した後、これを0.05%アジ化ナトリウム水溶液で波長585nmにおける吸光度が9.5ODとなるように懸濁した。
そして、これを0.05%アジ化ナトリウム水溶液により希釈して、抗体−3(カルシウムイオン依存的にCRPに結合する抗体)を固定化したラテックス粒子の0.120%懸濁液を調製した。
これを抗体−3固定化ラテックス粒子懸濁液とした。
(ロ)抗体−4固定化ラテックス粒子懸濁液の調製
前記の実施例3の1の(2)の(ロ)の記載の通りに行い、抗体−4(カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する抗体)を固定化したラテックス粒子の0.036%懸濁液を調製し、これを抗体−4固定化ラテックス粒子懸濁液とした。
(ハ)第2試薬〔抗体−3〕の調製
前記(イ)で調製した抗体−3固定化ラテックス粒子懸濁液の5mLと、0.05%アジ化ナトリウム水溶液の5mLとを混合し、0.060%の「抗体−3(カルシウムイオン依存的にCRPに結合する抗体)を固定化したラテックス粒子」を含有する縣濁液を調製した。
これを第2試薬〔抗体−3〕とした。
(ニ)第2試薬〔抗体−4〕の調製
前記(ロ)で調製した抗体−4固定化ラテックス粒子懸濁液の5mLと、0.05%アジ化ナトリウム水溶液の5mLとを混合し、0.018%の「抗体−4(カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する抗体)を固定化したラテックス粒子」を含有する縣濁液を調製した。
これを第2試薬〔抗体−4〕とした。
(ホ)第2試薬〔抗体−3・抗体−4〕の調製
前記(イ)で調製した抗体−3固定化ラテックス粒子懸濁液の5mLと、前記(ロ)で調製した抗体−4固定化ラテックス粒子懸濁液の5mLとを混合し、0.060%の「抗体−3(カルシウムイオン依存的にCRPに結合する抗体)を固定化したラテックス粒子」、及び0.018%の「抗体−4(カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する抗体)を固定化したラテックス粒子」を含有する縣濁液を調製した。
これを第2試薬〔抗体−3・抗体−4〕とした。
2.試料
前記の実施例3の2の(1)及び(2)の記載の通りに行い、次のCRP濃度の試料をそれぞれ調製した。
(イ)試料1: 0mg/dL
(ロ)試料2: 0.5mg/dL
(ハ)試料3: 2.0mg/dL
(ニ)試料4: 6.0mg/dL
(ホ)試料5: 18.0mg/dL
(ヘ)試料6: 30.0mg/dL
3.試料中のCRPの測定
(1)測定手順
第2試薬として、前記1の(2)の(ハ)の第2試薬〔抗体−3〕、(ニ)の第2試薬〔抗体−4〕、及び(ホ)の第2試薬〔抗体−3・抗体−4〕をそれぞれ用いる他は、前記の実施例3の3の(1)の記載の通りに試料中のCRPの測定を行い、各試料における測定値(吸光度差)を得た。
(2)測定結果
前記(1)において、試料中のCRPの測定を行って得られた吸光度差を、表5及び図8に示した。
なお、この図8において、横軸は試料中のCRP濃度(mg/dL)を、縦軸は測定により得られた吸光度差の値〔吸光度差×10,000〕(主波長570nm、副波長800nm)を表す。
また、この図8において、「△」は第2試薬として「第2試薬〔抗体−3〕」を用いたときの測定結果(吸光度差の値)を示し、「○」は第2試薬として「第2試薬〔抗体−4〕」を用いたときの測定結果(吸光度差の値)を示し、「■」は第2試薬として「第2試薬〔抗体−3・抗体−4〕」を用いたときの測定結果(吸光度差の値)を示す。
Figure 0005807300
4.考察
(イ) この表5及び図8より、試料中のCRPの測定試薬に含有させる「抗CRP抗体を固定化した担体(ラテックス粒子)」の抗CRP抗体として、「カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質(抗体)」である前記の「抗体−3」を用いた場合には(第2試薬が「第2試薬〔抗体−3〕」である場合には)、試料中のCRPが低濃度域にあるときには低感度であるものの、中濃度域から高濃度域にわたっては感度高く測定の定量性を有するものであることが分かる。
(ロ) また、この表5及び図8より、前記の抗CRP抗体として、「カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質(抗体)」である前記の「抗体−4」を用いた場合には(第2試薬が「第2試薬〔抗体−4〕」である場合には)、試料中のCRPが低濃度域にあるときには高感度であるものの、中濃度域から高濃度域にかけては測定の定量性を有しないものであることが分かる。
(ハ) これに対して、この表5及び図8より、試料中のCRPの測定試薬に含有させる「抗CRP抗体を固定化した担体(ラテックス粒子)」の抗CRP抗体として、「カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質(抗体)」である前記の「抗体−3」と、「カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質(抗体)」である前記の「抗体−4」とを組み合わせて使用した場合には(第2試薬が「第2試薬〔抗体−3・抗体−4〕」である場合には)、試料中のCRPの測定において低濃度から高濃度まで測定範囲が拡がっていることが分かる。
すなわち、低濃度から高濃度までの広範囲の濃度のCRPを正確に測定することができる測定方法及び測定試薬であることが確かめられた。
(抗CRP抗体の確認−2)
ペルオキシダーゼ標識抗体及びCRP固定化プレートを使用し、ELISA法(酵素免疫測定法)のサンドイッチ法により、抗CRP抗体について、カルシウムイオン依存的にCRPに結合する抗体であるか、又はカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する抗体であるかの判定を行った。
1.試薬の調製
(1)ペルオキシダーゼ標識抗体の調製
前記実施例1の1の(1)の記載の通りに、ペルオキシダーゼ標識抗体を調製した。
(2)洗浄液の調製
前記実施例1の1の(2)の記載の通りに、洗浄液を調製した。
(3)CRP固定化プレートの調製
前記実施例1の1の(3)の記載の通りに、CRP固定化プレートを調製した。
(4)発色液の調製
前記実施例1の1の(4)の記載の通りに、発色液を調製した。
2.抗体試料の調製
(1)希釈液Aの調製
前記実施例1の2の(1)の記載の通りに、希釈液Aを調製した。
(2)希釈液Bの調製
前記実施例1の2の(2)の記載の通りに、希釈液Bを調製した。
(3)抗CRP抗体
抗CRP抗体として、次の市販の抗体を用意した。
抗体−5: マウス抗ヒトCRPモノクローナル抗体〔クローン:CRB−028〕(日本バイオテスト研究所社)
(4)抗体試料の調製
(イ)カルシウムイオン含有・抗CRP抗体試料
前記(3)の抗体−5(抗CRP抗体)を、前記(1)で調製した希釈液Aで希釈し、抗CRP抗体の濃度が0.010μg/mL、0.10μg/mL、1.0μg/mL、10.0μg/mL、又は100.0μg/mLであるカルシウムイオン含有・抗CRP抗体試料を調製した。
また、前記(1)で調製した希釈液Aを、抗CRP抗体の濃度が0μg/mLのカルシウムイオン含有・抗CRP抗体試料とした。
(ロ)EDTA含有・抗CRP抗体試料
前記(3)の抗体−5(抗CRP抗体)を、前記(2)で調製した希釈液Bで希釈し、抗CRP抗体の濃度が0.010μg/mL、0.10μg/mL、1.0μg/mL、10.0μg/mL、又は100.0μg/mLであるEDTA含有・抗CRP抗体試料を調製した。
また、前記(2)で調製した希釈液Bを、抗CRP抗体の濃度が0μg/mLのEDTA含有・抗CRP抗体試料とした。
3.ELISA法による測定
(1)測定
(イ) 前記1の(3)で調製したCRP固定化プレートの各ウェルに、前記1の(2)で調製した洗浄液を1ウェル当たり400μLずつ加えて洗浄し、この洗浄を計5回行った。
(ロ) その後、前記2の(4)の(イ)で調製した、抗体−5(抗CRP抗体)について、抗CRP抗体の濃度が0μg/mL、0.010μg/mL、0.10μg/mL、1.0μg/mL、10.0μg/mL、又は100.0μg/mLであるカルシウムイオン含有・抗CRP抗体試料〔抗CRP抗体1種類×6濃度=計6種類)の50μLを、それぞれ前記(イ)で洗浄したCRP固定化プレートの各ウェルに添加し、37℃で2時間静置して、CRP固定化プレートの各ウェルに固定化したCRPと、前記の抗CRP抗体との抗原抗体反応を行わせた。
なお、このとき、CRP固定化プレートの各ウェルに固定化されたCRPは、カルシウムイオン含有・抗CRP抗体試料の添加、接触により、カルシウム結合型CRPとなっている。
よって、このとき、各ウェルに固定化されたカルシウム結合型CRPに対する、前記の抗CRP抗体の結合性が試験される。
(ハ) その後、このCRP固定化プレートの各ウェル内のカルシウムイオン含有・抗CRP抗体試料を吸引して除去し、前記1の(2)で調製した洗浄液を1ウェル当たり400μLずつ各ウェルに加えて洗浄し、この洗浄を計5回行った。
(ニ) 次に、前記1の(1)で調製したペルオキシダーゼ標識抗体をCRP固定化プレートの各ウェルに50μLずつ添加し、37℃で1時間反応させた。
(ホ) 次いで、CRP固定化プレートの各ウェルを前記1の(2)で調製した洗浄液を1ウェル当たり400μLずつ加えて洗浄し、この洗浄を計5回行った。
(ヘ) この後、前記1の(4)で調製した発色液100μLをCRP固定化プレートの各ウェルに添加し、室温で30分間反応させた。
(ト) その後、CRP固定化プレートの各ウェル内の反応液の415nmにおける吸光度を、マイクロプレートリーダー(バイオラッド社製;3550型)を用いて測定した。
(チ) 抗体−5の抗CRP抗体濃度が0.010μg/mL、0.10μg/mL、1.0μg/mL、10.0μg/mL、又は100.0μg/mLのカルシウムイオン含有・抗CRP抗体試料の測定値(吸光度)から、抗CRP抗体濃度が0μg/mLのカルシウムイオン含有・抗CRP抗体試料の測定値(吸光度)を差し引いて、吸光度差の値を求めた。
(リ) 前記(ロ)における、カルシウムイオン含有・抗CRP抗体試料〔抗CRP抗体1種類×6濃度=計6種類)に替えて、EDTA含有・抗CRP抗体試料〔抗CRP抗体1種類×6濃度=計6種類)の50μLを、それぞれCRP固定化プレートの各ウェルに添加すること以外は、前記(イ)〜(チ)の記載の通りに操作を行って、吸光度差の値を求めた。
なお、このEDTA含有・抗CRP抗体試料の測定においては、EDTA含有・抗CRP抗体試料の添加、接触により、CRP固定化プレートの各ウェルに固定化されたCRPに結合していたカルシウムイオンは、EDTA・2Naと結合する等により、前記の各ウェルに固定化されたCRPは、カルシウム非結合型CRPとなっている。
よって、このとき、各ウェルに固定化されたカルシウム非結合型CRPに対する、前記の抗CRP抗体の結合性が試験される。
(2)測定結果
前記(1)において、カルシウムイオン含有・抗CRP抗体試料〔抗CRP抗体1種類×6濃度=計6種類)、及びEDTA含有・抗CRP抗体試料〔抗CRP抗体1種類×6濃度=計6種類)について測定を行い、抗CRP抗体(抗体−5)のカルシウム結合型CRP、及びカルシウム非結合型CRPとの結合性を見た試験において得られた吸光度差の値を、表6、及び図9に示した。
Figure 0005807300
なお、この図9において、横軸はCRP固定化プレートのウェルに添加した抗体試料中の抗CRP抗体の濃度(μg/mL)を、縦軸は測定により得られた吸光度差の値(415nm)を表す。
また、この図9において、「●」は各々のカルシウムイオン含有・抗CRP抗体試料を測定したときの測定結果(吸光度差)を示し、「▲」は各々のEDTA含有・抗CRP抗体試料を測定したときの測定結果(吸光度差)を示す。
4.考察
上記の検討結果より、抗体−5においては、抗CRP抗体のカルシウム結合型CRPとの結合性を示す測定結果(カルシウムイオン含有・抗CRP抗体試料)の曲線と、抗CRP抗体のカルシウム非結合型CRPとの結合性を示す測定結果(EDTA含有・抗CRP抗体試料)の曲線が、ほとんどかい離していないことが分かる。
すなわち、抗体−5は、カルシウム結合型CRPとも、カルシウム非結合型CRPとも、ほぼ同程度に結合することが分かる。
このことより、抗体−5は、「カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質(抗体)」であると、判定することができる。
(抗CRP抗体固定化ラテックス粒子の確認−2)
カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する抗体である、前記の抗体−5を固定化したラテックス粒子について、試料中のCRPとの反応性を確認した。
1.測定試薬
(1)第1試薬
前記実施例2の1の(1)の記載の通りに、第1試薬を調製した。
(2)第2試薬
・第2試薬〔抗体−5〕
前記実施例2の1の(2)の(イ)における抗体−1を、実施例6の2の(3)の抗体−5〔カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質(抗体)〕に変えること以外は、前記実施例2の1の(2)の(イ)の記載の通りに操作を行い、抗体−5を固定化したラテックス粒子の0.060%懸濁液を調製した。
これを第2試薬〔抗体−5〕とした。
2.試料
(1)試料希釈液の調製
前記実施例2の2の(1)の記載の通りに、試料希釈液を調製した。
(2)試料の調製
前記実施例2の2の(2)の記載の通りに、次の各試料を調製した。
(イ)試料1: 0mg/dL
(ロ)試料2: 0.5mg/dL
(ハ)試料3: 2.0mg/dL
(ニ)試料4: 6.0mg/dL
(ホ)試料5: 18.0mg/dL
(ヘ)試料6: 30.0mg/dL
3.試料中のCRPの測定
(1)測定手順
(イ) 測定は、日立−7180形自動分析装置(日立製作所社製)を使用して行った。
まず、測定用セル(キュベット)に、前記2の(2)の試料1、試料2、試料3、試料4、試料5、又は試料6の3μLを添加した。
次に、これらの測定用セル(キュベット)に、前記1の(1)の第1試薬の100μLを添加し、混合した。
そして、これらの測定用セル(キュベット)を、37℃で静置した。
(ロ) 前記の第1試薬の添加後4分34秒目(16ポイント目)に、これらの測定用セル(キュベット)内の混合液に、更に、前記1の(2)の第2試薬〔抗体−5〕の100μLを添加し、混合した。
(ハ) 前記の第1試薬の添加後5分09秒目(18ポイント目)に、これらの測定用セル(キュベット)内の混合液の吸光度(主波長570nm、副波長800nm)を試料盲検として測定した。
そして、これらの測定用セル(キュベット)を、37℃で静置して、反応を行わせた。
これにより、前記のラテックス粒子に固定化された抗CRP抗体と、前記の試料に含まれていたCRPとの抗原抗体反応を行わせ、ラテックス粒子の凝集塊を生成させた。
(ニ) 前記の第1試薬の添加後9分54秒目(34ポイント目)に、この測定用セル(キュベット)内の反応混合液の吸光度(主波長570nm、副波長800nm)を、前記試料の測定値として測定した。
(ホ) 前記(ニ)において測定した吸光度(測定値)から前記(ロ)において測定した吸光度(試料盲検)を差し引き、吸光度差を得た。
なお、この吸光度差は試料に含まれるCRPの量(濃度)に比例したものである。
(2)測定結果
前記(1)において、試料中のCRPの測定を行って得られた吸光度差を、表7及び図10に示した。
なお、この図10において、横軸は試料中のCRP濃度(mg/dL)を、縦軸は測定により得られた吸光度差の値〔吸光度差×10,000〕(主波長570nm、副波長800nm)を表す。
また、この図10において、「▲」は第2試薬として「第2試薬〔抗体−5〕」を用いたときの測定結果(吸光度差の値)を示す。
Figure 0005807300
4.考察
この表7及び図10より、試料中のCRPの測定試薬に含有させる「抗CRP抗体を固定化した担体(ラテックス粒子)」の抗CRP抗体として、「カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質(抗体)」である前記の「抗体−5」を用いた場合には、試料中のCRPが低濃度域にあるときはCRPとの反応性は高く測定の感度は高いものの、中濃度域から高濃度域に掛けては、試料中のCRP濃度が増加しても吸光度差の値は増加しないか又は低下し、すなわち試料中のCRP濃度が増加しても複合体凝集物の生成量は増加しないか又は低下することが分かる。
よって、前記の「抗体−5」を用いた場合、すなわち「カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質(抗体)」を用いた場合には、低濃度域では高感度であるものの、中濃度域から高濃度域に掛けては測定の定量性を有しないものであることが確かめられた。
(本願発明の試料中のCRPの測定方法及び測定試薬の効果の確認−4)
カルシウムイオン依存的にCRPに結合する抗体(抗体−1)を固定化したラテックス粒子、及びカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する抗体(抗体−4)を固定化したラテックス粒子を含有する本願発明のCRPの測定試薬を用いて試料中のCRPの測定を行い、その効果を確かめた。
1.測定試薬
(1)第1試薬
前記実施例3の1の(1)の記載の通りに、第1試薬を調製した。
(2)第2試薬
(イ)抗体−1固定化ラテックス粒子懸濁液の調製
前記実施例3の1の(2)の(イ)の記載の通りに、抗体−1固定化ラテックス粒子懸濁液を調製した。
(ロ)抗体−4固定化ラテックス粒子懸濁液の調製
前記実施例3の1の(2)の(ロ)の記載の通りに、抗体−4固定化ラテックス粒子懸濁液を調製した。
(ハ)第2試薬〔抗体−1〕の調製
前記実施例3の1の(2)の(ハ)の記載の通りに、第2試薬〔抗体−1〕を調製した。
(ニ)第2試薬〔抗体−4〕の調製
前記実施例3の1の(2)の(ニ)の記載の通りに、第2試薬〔抗体−4〕を調製した。
(ホ)第2試薬〔抗体−1・抗体−4〕の調製
前記実施例3の1の(2)の(ホ)の記載の通りに、第2試薬〔抗体−1・抗体−4〕を調製した。
2.試料
前記実施例3の2の(1)及び(2)の記載の通りに行い、次のCRP濃度の試料をそれぞれ調製した。
(イ)試料1: 0mg/dL
(ロ)試料2: 0.5mg/dL
(ハ)試料3: 2.0mg/dL
(ニ)試料4: 6.0mg/dL
(ホ)試料5: 18.0mg/dL
(ヘ)試料6: 30.0mg/dL
3.試料中のCRPの測定
(1)測定手順
第2試薬として、前記1の(2)の(ハ)の第2試薬〔抗体−1〕、(ニ)の第2試薬〔抗体−4〕、及び(ホ)の第2試薬〔抗体−1・抗体−4〕をそれぞれ用い、前記実施例3の3の(1)の記載の通りに試料中のCRPの測定を行い、各試料における測定値(吸光度差)を得た。
(2)測定結果
前記(1)において、試料中のCRPの測定を行って得られた吸光度差を、表8及び図11に示した。
なお、この図11において、横軸は試料中のCRP濃度(mg/dL)を、縦軸は測定により得られた吸光度差の値〔吸光度差×10,000〕(主波長570nm、副波長800nm)を表す。
また、この図11において、「△」は第2試薬として「第2試薬〔抗体−1〕」を用いたときの測定結果(吸光度差の値)を示し、「○」は第2試薬として「第2試薬〔抗体−4〕」を用いたときの測定結果(吸光度差の値)を示し、「■」は第2試薬として「第2試薬〔抗体−1・抗体−4〕」を用いたときの測定結果(吸光度差の値)を示す。
Figure 0005807300
4.考察
(イ) 前記実施例2の実験結果からも分かるように、試料中のCRPの測定試薬に含有させる「抗CRP抗体を固定化した担体(ラテックス粒子)」の抗CRP抗体として、「カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質(抗体)」である前記の「抗体−1」を用いた場合には(第2試薬が「第2試薬〔抗体−1〕」である場合には)、試料中のCRPが低濃度域にあるときには低感度であるものの、中濃度域から高濃度域にわたっては感度高く測定の定量性を有するものである。
(ロ) また、前記実施例2の実験結果からも分かるように、前記の抗CRP抗体として、「カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質(抗体)」である前記の「抗体−4」を用いた場合には(第2試薬が「第2試薬〔抗体−4〕」である場合には)、試料中のCRPが低濃度域にあるときには高感度であるものの、中濃度域から高濃度域にかけては測定の定量性を有しないものである。
(ハ) これに対して、試料中のCRPの測定試薬に含有させる「抗CRP抗体を固定化した担体(ラテックス粒子)」の抗CRP抗体として、「カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質(抗体)」である前記の「抗体−1」と、「カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質(抗体)」である前記の「抗体−4」とを組み合わせて使用した場合には(第2試薬が「第2試薬〔抗体−1・抗体−4〕」である場合には)、試料中のCRPの測定において低濃度から高濃度まで測定範囲が拡がっていることが分かる。
すなわち、低濃度から高濃度までの広範囲の濃度のCRPを正確に測定することができる測定方法及び測定試薬であることが確かめられた。
(本願発明の試料中のCRPの測定方法及び測定試薬の効果の確認−5)
カルシウムイオン依存的にCRPに結合する抗体(抗体−2)を固定化したラテックス粒子、及びカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する抗体(抗体−4)を固定化したラテックス粒子を含有する本願発明のCRPの測定試薬を用いて試料中のCRPの測定を行い、その効果を確かめた。
1.測定試薬
(1)第1試薬
前記実施例4の1の(1)の記載の通りに、第1試薬を調製した。
(2)第2試薬
(イ)抗体−2固定化ラテックス粒子懸濁液の調製
前記実施例4の1の(2)の(イ)の記載の通りに、抗体−2固定化ラテックス粒子懸濁液を調製した。
(ロ)抗体−4固定化ラテックス粒子懸濁液の調製
前記実施例4の1の(2)の(ロ)の記載の通りに、抗体−4固定化ラテックス粒子懸濁液を調製した。
(ハ)第2試薬〔抗体−2〕の調製
前記実施例4の1の(2)の(ハ)の記載の通りに、第2試薬〔抗体−2〕を調製した。
(ニ)第2試薬〔抗体−4〕の調製
前記実施例4の1の(2)の(ニ)の記載の通りに、第2試薬〔抗体−4〕を調製した。
(ホ)第2試薬〔抗体−2・抗体−4〕の調製
前記実施例4の1の(2)の(ホ)の記載の通りに、第2試薬〔抗体−2・抗体−4〕を調製した。
2.試料
前記実施例3の2の(1)及び(2)の記載の通りに行い、次のCRP濃度の試料をそれぞれ調製した。
(イ)試料1: 0mg/dL
(ロ)試料2: 0.5mg/dL
(ハ)試料3: 2.0mg/dL
(ニ)試料4: 6.0mg/dL
(ホ)試料5: 18.0mg/dL
(ヘ)試料6: 30.0mg/dL
3.試料中のCRPの測定
(1)測定手順
第2試薬として、前記1の(2)の(ハ)の第2試薬〔抗体−2〕、(ニ)の第2試薬〔抗体−4〕、及び(ホ)の第2試薬〔抗体−2・抗体−4〕をそれぞれ用い、前記実施例3の3の(1)の記載の通りに試料中のCRPの測定を行い、各試料における測定値(吸光度差)を得た。
(2)測定結果
前記(1)において、試料中のCRPの測定を行って得られた吸光度差を、表9及び図12に示した。
なお、この図12において、横軸は試料中のCRP濃度(mg/dL)を、縦軸は測定により得られた吸光度差の値〔吸光度差×10,000〕(主波長570nm、副波長800nm)を表す。
また、この図12において、「△」は第2試薬として「第2試薬〔抗体−2〕」を用いたときの測定結果(吸光度差の値)を示し、「○」は第2試薬として「第2試薬〔抗体−4〕」を用いたときの測定結果(吸光度差の値)を示し、「■」は第2試薬として「第2試薬〔抗体−2・抗体−4〕」を用いたときの測定結果(吸光度差の値)を示す。
Figure 0005807300
4.考察
(イ) 前記実施例2の実験結果からも分かるように、試料中のCRPの測定試薬に含有させる「抗CRP抗体を固定化した担体(ラテックス粒子)」の抗CRP抗体として、「カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質(抗体)」である前記の「抗体−2」を用いた場合には(第2試薬が「第2試薬〔抗体−2〕」である場合には)、試料中のCRPが低濃度域にあるときには低感度であるものの、中濃度域から高濃度域にわたっては感度高く測定の定量性を有するものである。
(ロ) また、前記実施例2の実験結果からも分かるように、前記の抗CRP抗体として、「カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質(抗体)」である前記の「抗体−4」を用いた場合には(第2試薬が「第2試薬〔抗体−4〕」である場合には)、試料中のCRPが低濃度域にあるときには高感度であるものの、中濃度域から高濃度域にかけては測定の定量性を有しないものである。
(ハ) これに対して、試料中のCRPの測定試薬に含有させる「抗CRP抗体を固定化した担体(ラテックス粒子)」の抗CRP抗体として、「カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質(抗体)」である前記の「抗体−2」と、「カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質(抗体)」である前記の「抗体−4」とを組み合わせて使用した場合には(第2試薬が「第2試薬〔抗体−2・抗体−4〕」である場合には)、試料中のCRPの測定において低濃度から高濃度まで測定範囲が拡がっていることが分かる。
すなわち、低濃度から高濃度までの広範囲の濃度のCRPを正確に測定することができる測定方法及び測定試薬であることが確かめられた。
(本願発明の試料中のCRPの測定方法及び測定試薬の効果の確認−6)
カルシウムイオン依存的にCRPに結合する抗体(抗体−3)を固定化したラテックス粒子、及びカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する抗体(抗体−4)を固定化したラテックス粒子を含有する本願発明のCRPの測定試薬を用いて試料中のCRPの測定を行い、その効果を確かめた。
1.測定試薬
(1)第1試薬
前記実施例5の1の(1)の記載の通りに、第1試薬を調製した。
(2)第2試薬
(イ)抗体−3固定化ラテックス粒子懸濁液の調製
前記実施例5の1の(2)の(イ)の記載の通りに、抗体−3固定化ラテックス粒子懸濁液を調製した。
(ロ)抗体−4固定化ラテックス粒子懸濁液の調製
前記実施例5の1の(2)の(ロ)の記載の通りに、抗体−4固定化ラテックス粒子懸濁液を調製した。
(ハ)第2試薬〔抗体−3〕の調製
前記実施例5の1の(2)の(ハ)の記載の通りに、第2試薬〔抗体−3〕を調製した。
(ニ)第2試薬〔抗体−4〕の調製
前記実施例5の1の(2)の(ニ)の記載の通りに、第2試薬〔抗体−4〕を調製した。
(ホ)第2試薬〔抗体−3・抗体−4〕の調製
前記実施例5の1の(2)の(ホ)の記載の通りに、第2試薬〔抗体−3・抗体−4〕を調製した。
2.試料
前記実施例3の2の(1)及び(2)の記載の通りに行い、次のCRP濃度の試料をそれぞれ調製した。
(イ)試料1: 0mg/dL
(ロ)試料2: 0.5mg/dL
(ハ)試料3: 2.0mg/dL
(ニ)試料4: 6.0mg/dL
(ホ)試料5: 18.0mg/dL
(ヘ)試料6: 30.0mg/dL
3.試料中のCRPの測定
(1)測定手順
第2試薬として、前記1の(2)の(ハ)の第2試薬〔抗体−3〕、(ニ)の第2試薬〔抗体−4〕、及び(ホ)の第2試薬〔抗体−3・抗体−4〕をそれぞれ用い、前記実施例3の3の(1)の記載の通りに試料中のCRPの測定を行い、各試料における測定値(吸光度差)を得た。
(2)測定結果
前記(1)において、試料中のCRPの測定を行って得られた吸光度差を、表10及び図13に示した。
なお、この図13において、横軸は試料中のCRP濃度(mg/dL)を、縦軸は測定により得られた吸光度差の値〔吸光度差×10,000〕(主波長570nm、副波長800nm)を表す。
また、この図13において、「△」は第2試薬として「第2試薬〔抗体−3〕」を用いたときの測定結果(吸光度差の値)を示し、「○」は第2試薬として「第2試薬〔抗体−4〕」を用いたときの測定結果(吸光度差の値)を示し、「■」は第2試薬として「第2試薬〔抗体−3・抗体−4〕」を用いたときの測定結果(吸光度差の値)を示す。
Figure 0005807300
4.考察
(イ) 前記実施例2の実験結果からも分かるように、試料中のCRPの測定試薬に含有させる「抗CRP抗体を固定化した担体(ラテックス粒子)」の抗CRP抗体として、「カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質(抗体)」である前記の「抗体−3」を用いた場合には(第2試薬が「第2試薬〔抗体−3〕」である場合には)、試料中のCRPが低濃度域にあるときには低感度であるものの、中濃度域から高濃度域にわたっては感度高く測定の定量性を有するものである。
(ロ) また、前記実施例2の実験結果からも分かるように、前記の抗CRP抗体として、「カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質(抗体)」である前記の「抗体−4」を用いた場合には(第2試薬が「第2試薬〔抗体−4〕」である場合には)、試料中のCRPが低濃度域にあるときには高感度であるものの、中濃度域から高濃度域にかけては測定の定量性を有しないものである。
(ハ) これに対して、試料中のCRPの測定試薬に含有させる「抗CRP抗体を固定化した担体(ラテックス粒子)」の抗CRP抗体として、「カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質(抗体)」である前記の「抗体−3」と、「カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質(抗体)」である前記の「抗体−4」とを組み合わせて使用した場合には(第2試薬が「第2試薬〔抗体−3・抗体−4〕」である場合には)、試料中のCRPの測定において低濃度から高濃度まで測定範囲が拡がっていることが分かる。
すなわち、低濃度から高濃度までの広範囲の濃度のCRPを正確に測定することができる測定方法及び測定試薬であることが確かめられた。
(本願発明の試料中のCRPの測定方法及び測定試薬の効果の確認−7)
カルシウムイオン依存的にCRPに結合する抗体(抗体−1)を固定化したラテックス粒子、及びカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する抗体(抗体−5)を固定化したラテックス粒子を含有する本願発明のCRPの測定試薬を用いて試料中のCRPの測定を行い、その効果を確かめた。
1.測定試薬
(1)第1試薬
前記実施例3の1の(1)の記載の通りに、第1試薬を調製した。
(2)第2試薬
(イ)抗体−1固定化ラテックス粒子懸濁液の調製
前記実施例3の1の(2)の(イ)の記載の通りに、抗体−1固定化ラテックス粒子懸濁液を調製した。
(ロ)抗体−5固定化ラテックス粒子懸濁液の調製
抗体−4に替え、前記実施例6の2の(3)の抗体−5(カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する抗体)を用いる他は、前記実施例3の1の(2)の(ロ)の記載の通りに、抗体−5固定化ラテックス粒子懸濁液を調製した。
(ハ)第2試薬〔抗体−1〕の調製
前記実施例3の1の(2)の(ハ)の記載の通りに、第2試薬〔抗体−1〕を調製した。
(ニ)第2試薬〔抗体−5〕の調製
抗体−4固定化ラテックス粒子懸濁液に替え、前記(ロ)の抗体−5固定化ラテックス粒子懸濁液を用いる他は、前記実施例3の1の(2)の(ニ)の記載の通りに、第2試薬〔抗体−5〕を調製した。
(ホ)第2試薬〔抗体−1・抗体−5〕の調製
抗体−4固定化ラテックス粒子懸濁液に替え、前記(ロ)の抗体−5固定化ラテックス粒子懸濁液を用いる他は、前記実施例3の1の(2)の(ホ)の記載の通りに、第2試薬〔抗体−1・抗体−5〕を調製した。
2.試料
前記実施例3の2の(1)及び(2)の記載の通りに行い、次のCRP濃度の試料をそれぞれ調製した。
(イ)試料1: 0mg/dL
(ロ)試料2: 0.5mg/dL
(ハ)試料3: 2.0mg/dL
(ニ)試料4: 6.0mg/dL
(ホ)試料5: 18.0mg/dL
(ヘ)試料6: 30.0mg/dL
3.試料中のCRPの測定
(1)測定手順
第2試薬として、前記1の(2)の(ハ)の第2試薬〔抗体−1〕、(ニ)の第2試薬〔抗体−5〕、及び(ホ)の第2試薬〔抗体−1・抗体−5〕をそれぞれ用い、前記実施例3の3の(1)の記載の通りに試料中のCRPの測定を行い、各試料における測定値(吸光度差)を得た。
(2)測定結果
前記(1)において、試料中のCRPの測定を行って得られた吸光度差を、表11及び図14に示した。
なお、この図14において、横軸は試料中のCRP濃度(mg/dL)を、縦軸は測定により得られた吸光度差の値〔吸光度差×10,000〕(主波長570nm、副波長800nm)を表す。
また、この図14において、「△」は第2試薬として「第2試薬〔抗体−1〕」を用いたときの測定結果(吸光度差の値)を示し、「○」は第2試薬として「第2試薬〔抗体−5〕」を用いたときの測定結果(吸光度差の値)を示し、「■」は第2試薬として「第2試薬〔抗体−1・抗体−5〕」を用いたときの測定結果(吸光度差の値)を示す。
Figure 0005807300
4.考察
(イ) 前記実施例2の実験結果からも分かるように、試料中のCRPの測定試薬に含有させる「抗CRP抗体を固定化した担体(ラテックス粒子)」の抗CRP抗体として、「カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質(抗体)」である前記の「抗体−1」を用いた場合には(第2試薬が「第2試薬〔抗体−1〕」である場合には)、試料中のCRPが低濃度域にあるときには低感度であるものの、中濃度域から高濃度域にわたっては感度高く測定の定量性を有するものである。
(ロ) また、前記実施例7の実験結果からも分かるように、前記の抗CRP抗体として、「カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質(抗体)」である前記の「抗体−5」を用いた場合には(第2試薬が「第2試薬〔抗体−5〕」である場合には)、試料中のCRPが低濃度域にあるときには高感度であるものの、中濃度域から高濃度域にかけては測定の定量性を有しないものである。
(ハ) これに対して、試料中のCRPの測定試薬に含有させる「抗CRP抗体を固定化した担体(ラテックス粒子)」の抗CRP抗体として、「カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質(抗体)」である前記の「抗体−1」と、「カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質(抗体)」である前記の「抗体−5」とを組み合わせて使用した場合には(第2試薬が「第2試薬〔抗体−1・抗体−5〕」である場合には)、試料中のCRPの測定において低濃度から高濃度まで測定範囲が拡がっていることが分かる。
すなわち、低濃度から高濃度までの広範囲の濃度のCRPを正確に測定することができる測定方法及び測定試薬であることが確かめられた。
(本願発明の試料中のCRPの測定方法及び測定試薬の効果の確認−8)
カルシウムイオン依存的にCRPに結合する抗体(抗体−2)を固定化したラテックス粒子、及びカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する抗体(抗体−5)を固定化したラテックス粒子を含有する本願発明のCRPの測定試薬を用いて試料中のCRPの測定を行い、その効果を確かめた。
1.測定試薬
(1)第1試薬
前記実施例3の1の(1)の記載の通りに、第1試薬を調製した。
(2)第2試薬
(イ)抗体−2固定化ラテックス粒子懸濁液の調製
抗体−1に替え、前記実施例1の2の(3)の(ロ)の抗体−2(カルシウムイオン依存的にCRPに結合する抗体)を用いる他は、前記実施例3の1の(2)の(イ)の記載の通りに、抗体−2固定化ラテックス粒子懸濁液を調製した。
(ロ)抗体−5固定化ラテックス粒子懸濁液の調製
抗体−4に替え、前記実施例6の2の(3)の抗体−5(カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する抗体)を用いる他は、前記実施例3の1の(2)の(ロ)の記載の通りに、抗体−5固定化ラテックス粒子懸濁液を調製した。
(ハ)第2試薬〔抗体−2〕の調製
抗体−1固定化ラテックス粒子懸濁液に替え、前記(イ)の抗体−2固定化ラテックス粒子懸濁液を用いる他は、前記実施例3の1の(2)の(ハ)の記載の通りに、第2試薬〔抗体−2〕を調製した。
(ニ)第2試薬〔抗体−5〕の調製
抗体−4固定化ラテックス粒子懸濁液に替え、前記(ロ)の抗体−5固定化ラテックス粒子懸濁液を用いる他は、前記実施例3の1の(2)の(ニ)の記載の通りに、第2試薬〔抗体−5〕を調製した。
(ホ)第2試薬〔抗体−2・抗体−5〕の調製
抗体−1固定化ラテックス粒子懸濁液に替え、前記(イ)の抗体−2固定化ラテックス粒子懸濁液を用い、及び、抗体−4固定化ラテックス粒子懸濁液に替え、前記(ロ)の抗体−5固定化ラテックス粒子懸濁液を用いる他は、前記実施例3の1の(2)の(ホ)の記載の通りに、第2試薬〔抗体−2・抗体−5〕を調製した。
2.試料
前記実施例3の2の(1)及び(2)の記載の通りに行い、次のCRP濃度の試料をそれぞれ調製した。
(イ)試料1: 0mg/dL
(ロ)試料2: 0.5mg/dL
(ハ)試料3: 2.0mg/dL
(ニ)試料4: 6.0mg/dL
(ホ)試料5: 18.0mg/dL
(ヘ)試料6: 30.0mg/dL
3.試料中のCRPの測定
(1)測定手順
第2試薬として、前記1の(2)の(ハ)の第2試薬〔抗体−2〕、(ニ)の第2試薬〔抗体−5〕、及び(ホ)の第2試薬〔抗体−2・抗体−5〕をそれぞれ用い、前記実施例3の3の(1)の記載の通りに試料中のCRPの測定を行い、各試料における測定値(吸光度差)を得た。
(2)測定結果
前記(1)において、試料中のCRPの測定を行って得られた吸光度差を、表12及び図15に示した。
なお、この図15において、横軸は試料中のCRP濃度(mg/dL)を、縦軸は測定により得られた吸光度差の値〔吸光度差×10,000〕(主波長570nm、副波長800nm)を表す。
また、この図15において、「△」は第2試薬として「第2試薬〔抗体−2〕」を用いたときの測定結果(吸光度差の値)を示し、「○」は第2試薬として「第2試薬〔抗体−5〕」を用いたときの測定結果(吸光度差の値)を示し、「■」は第2試薬として「第2試薬〔抗体−2・抗体−5〕」を用いたときの測定結果(吸光度差の値)を示す。
Figure 0005807300
4.考察
(イ) 前記実施例2の実験結果からも分かるように、試料中のCRPの測定試薬に含有させる「抗CRP抗体を固定化した担体(ラテックス粒子)」の抗CRP抗体として、「カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質(抗体)」である前記の「抗体−2」を用いた場合には(第2試薬が「第2試薬〔抗体−2〕」である場合には)、試料中のCRPが低濃度域にあるときには低感度であるものの、中濃度域から高濃度域にわたっては感度高く測定の定量性を有するものである。
(ロ) また、前記実施例7の実験結果からも分かるように、前記の抗CRP抗体として、「カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質(抗体)」である前記の「抗体−5」を用いた場合には(第2試薬が「第2試薬〔抗体−5〕」である場合には)、試料中のCRPが低濃度域にあるときには高感度であるものの、中濃度域から高濃度域にかけては測定の定量性を有しないものである。
(ハ) これに対して、試料中のCRPの測定試薬に含有させる「抗CRP抗体を固定化した担体(ラテックス粒子)」の抗CRP抗体として、「カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質(抗体)」である前記の「抗体−2」と、「カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質(抗体)」である前記の「抗体−5」とを組み合わせて使用した場合には(第2試薬が「第2試薬〔抗体−2・抗体−5〕」である場合には)、試料中のCRPの測定において低濃度から高濃度まで測定範囲が拡がっていることが分かる。
すなわち、低濃度から高濃度までの広範囲の濃度のCRPを正確に測定することができる測定方法及び測定試薬であることが確かめられた。
(本願発明の試料中のCRPの測定方法及び測定試薬の効果の確認−9)
カルシウムイオン依存的にCRPに結合する抗体(抗体−3)を固定化したラテックス粒子、及びカルシウムイオン非依存的にCRPに結合する抗体(抗体−5)を固定化したラテックス粒子を含有する本願発明のCRPの測定試薬を用いて試料中のCRPの測定を行い、その効果を確かめた。
1.測定試薬
(1)第1試薬
前記実施例3の1の(1)の記載の通りに、第1試薬を調製した。
(2)第2試薬
(イ)抗体−3固定化ラテックス粒子懸濁液の調製
抗体−1に替え、前記実施例1の2の(3)の(ハ)の抗体−3(カルシウムイオン依存的にCRPに結合する抗体)を用いる他は、前記実施例3の1の(2)の(イ)の記載の通りに、抗体−3固定化ラテックス粒子懸濁液を調製した。
(ロ)抗体−5固定化ラテックス粒子懸濁液の調製
抗体−4に替え、前記実施例6の2の(3)の抗体−5(カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する抗体)を用いる他は、前記実施例3の1の(2)の(ロ)の記載の通りに、抗体−5固定化ラテックス粒子懸濁液を調製した。
(ハ)第2試薬〔抗体−3〕の調製
抗体−1固定化ラテックス粒子懸濁液に替え、前記(イ)の抗体−3固定化ラテックス粒子懸濁液を用いる他は、前記実施例3の1の(2)の(ハ)の記載の通りに、第2試薬〔抗体−3〕を調製した。
(ニ)第2試薬〔抗体−5〕の調製
抗体−4固定化ラテックス粒子懸濁液に替え、前記(ロ)の抗体−5固定化ラテックス粒子懸濁液を用いる他は、前記実施例3の1の(2)の(ニ)の記載の通りに、第2試薬〔抗体−5〕を調製した。
(ホ)第2試薬〔抗体−3・抗体−5〕の調製
抗体−1固定化ラテックス粒子懸濁液に替え、前記(イ)の抗体−3固定化ラテックス粒子懸濁液を用い、及び、抗体−4固定化ラテックス粒子懸濁液に替え、前記(ロ)の抗体−5固定化ラテックス粒子懸濁液を用いる他は、前記実施例3の1の(2)の(ホ)の記載の通りに、第2試薬〔抗体−3・抗体−5〕を調製した。
2.試料
前記実施例3の2の(1)及び(2)の記載の通りに行い、次のCRP濃度の試料をそれぞれ調製した。
(イ)試料1: 0mg/dL
(ロ)試料2: 0.5mg/dL
(ハ)試料3: 2.0mg/dL
(ニ)試料4: 6.0mg/dL
(ホ)試料5: 18.0mg/dL
(ヘ)試料6: 30.0mg/dL
3.試料中のCRPの測定
(1)測定手順
第2試薬として、前記1の(2)の(ハ)の第2試薬〔抗体−3〕、(ニ)の第2試薬〔抗体−5〕、及び(ホ)の第2試薬〔抗体−3・抗体−5〕をそれぞれ用い、前記実施例3の3の(1)の記載の通りに試料中のCRPの測定を行い、各試料における測定値(吸光度差)を得た。
(2)測定結果
前記(1)において、試料中のCRPの測定を行って得られた吸光度差を、表13及び図16に示した。
なお、この図16において、横軸は試料中のCRP濃度(mg/dL)を、縦軸は測定により得られた吸光度差の値〔吸光度差×10,000〕(主波長570nm、副波長800nm)を表す。
また、この図16において、「△」は第2試薬として「第2試薬〔抗体−3〕」を用いたときの測定結果(吸光度差の値)を示し、「○」は第2試薬として「第2試薬〔抗体−5〕」を用いたときの測定結果(吸光度差の値)を示し、「■」は第2試薬として「第2試薬〔抗体−3・抗体−5〕」を用いたときの測定結果(吸光度差の値)を示す。
Figure 0005807300
4.考察
(イ) 前記実施例2の実験結果からも分かるように、試料中のCRPの測定試薬に含有させる「抗CRP抗体を固定化した担体(ラテックス粒子)」の抗CRP抗体として、「カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質(抗体)」である前記の「抗体−3」を用いた場合には(第2試薬が「第2試薬〔抗体−3〕」である場合には)、試料中のCRPが低濃度域にあるときには低感度であるものの、中濃度域から高濃度域にわたっては感度高く測定の定量性を有するものである。
(ロ) また、前記実施例7の実験結果からも分かるように、前記の抗CRP抗体として、「カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質(抗体)」である前記の「抗体−5」を用いた場合には(第2試薬が「第2試薬〔抗体−5〕」である場合には)、試料中のCRPが低濃度域にあるときには高感度であるものの、中濃度域から高濃度域にかけては測定の定量性を有しないものである。
(ハ) これに対して、試料中のCRPの測定試薬に含有させる「抗CRP抗体を固定化した担体(ラテックス粒子)」の抗CRP抗体として、「カルシウムイオン依存的にCRPに結合する特異的結合物質(抗体)」である前記の「抗体−3」と、「カルシウムイオン非依存的にCRPに結合する特異的結合物質(抗体)」である前記の「抗体−5」とを組み合わせて使用した場合には(第2試薬が「第2試薬〔抗体−3・抗体−5〕」である場合には)、試料中のCRPの測定において低濃度から高濃度まで測定範囲が拡がっていることが分かる。
すなわち、低濃度から高濃度までの広範囲の濃度のCRPを正確に測定することができる測定方法及び測定試薬であることが確かめられた。

Claims (12)

  1. カルシウムイオン依存的にC反応性蛋白質に結合する特異的結合物質、及びカルシウムイオン非依存的にC反応性蛋白質に結合する特異的結合物質を各々担体に固定化し、当該担体固定化特異的結合物質と試料中に含まれていたC反応性蛋白質との当該特異的結合反応により生成した当該特異的結合物質とC反応性蛋白質との複合体凝集物を測定することにより、試料中のC反応性蛋白質を測定する方法。
  2. カルシウムイオン依存的にC反応性蛋白質に結合する特異的結合物質が、カルシウムイオン依存的にC反応性蛋白質に結合する抗体である、請求の範囲第1項記載の試料中のC反応性蛋白質を測定する方法。
  3. カルシウムイオン依存的にC反応性蛋白質に結合する抗体がモノクローナル抗体である、請求の範囲第1項又は第2項記載の試料中のC反応性蛋白質を測定する方法。
  4. カルシウムイオン非依存的にC反応性蛋白質に結合する特異的結合物質が、カルシウムイオン非依存的にC反応性蛋白質に結合する抗体である、請求の範囲第1項〜第3項のいずれか1項記載の試料中のC反応性蛋白質を測定する方法。
  5. カルシウムイオン非依存的にC反応性蛋白質に結合する抗体がモノクローナル抗体である、請求の範囲第1項〜第4項のいずれか1項記載の試料中のC反応性蛋白質を測定する方法。
  6. 担体がラテックス粒子である、請求の範囲第1項〜第5項のいずれか1項記載の試料中のC反応性蛋白質を測定する方法。
  7. カルシウムイオン依存的にC反応性蛋白質に結合する特異的結合物質、及びカルシウムイオン非依存的にC反応性蛋白質に結合する特異的結合物質を固定化した担体を含有することを特徴とする、試料中のC反応性蛋白質の測定試薬。
  8. カルシウムイオン依存的にC反応性蛋白質に結合する特異的結合物質が、カルシウムイオン依存的にC反応性蛋白質に結合する抗体である、請求の範囲第7項記載の試料中のC反応性蛋白質の測定試薬。
  9. カルシウムイオン依存的にC反応性蛋白質に結合する抗体がモノクローナル抗体である、請求の範囲第7項又は第8項記載の試料中のC反応性蛋白質の測定試薬。
  10. カルシウムイオン非依存的にC反応性蛋白質に結合する特異的結合物質が、カルシウムイオン非依存的にC反応性蛋白質に結合する抗体である、請求の範囲第7項〜第9項のいずれか1項記載の試料中のC反応性蛋白質の測定試薬。
  11. カルシウムイオン非依存的にC反応性蛋白質に結合する抗体がモノクローナル抗体である、請求の範囲第7項〜第10項のいずれか1項記載の試料中のC反応性蛋白質の測定試薬。
  12. 担体がラテックス粒子である、請求の範囲第7項〜第11項のいずれか1項記載の試料中のC反応性蛋白質の測定試薬。
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