JP7313659B2 - 試料中のhmgb1の測定方法及び測定試薬 - Google Patents
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Description
本発明は、臨床検査、臨床病理学及び医学などの生命科学分野、並びに分析化学などの化学分野等において有用なものである。
また、核内ばかりではなく、細胞質内にも豊富に存在することが分かっている。
生理作用ははっきりとは分かっていないが、HMGB1はDNAと結合する際に二重螺旋構造を緩めることから、転写反応の際にDNAの高次構造を最適構造に変化させて転写活性を高めるという、極めて広範囲の転写促進因子及びヌクレオソーム弛緩因子として機能すると考えられている。
その結果、ワングらは、HMGB1が敗血症のマーカーとなりうることを示した。
そして、敗血症の患者において、生き残る患者と、死に至る患者を判別することが、精密に血液中のHMGB1を測定することによって可能であることを示した。
この抗体を用いてレップらはHMGB1に関して固相酵素免疫測定法(Solid-phase Enzyme Immunoassay)が可能であることを述べている。(なお、この固相酵素免疫測定法は、精製したHMGB1をマイクロプレート(マイクロタイタープレート)のウェルに固相化し、これに酵素標識したHMGB1に結合する抗体を接触させ、作用させて、HMGB1に結合する抗体が精製したHMGB1に結合することを確かめたものである。)
また、ルーヒアイネンらは2000年に、遺伝子工学によって組換えDNAより調製したラットのHMGB1自体を免疫原として調製したポリクローナル抗体と、HMGB1のアミノ酸配列の一部「Lys Phe Lys Asp Pro Asn Ala Pro Lys Arg Pro Pro Ser Ala」よりなるペプチドを免疫原として調製したポリクローナル抗体を各々使用して、ELISA法のサンドイッチ法により、ヒト血液中のHMGB1を測定した(非特許文献4参照)。
この測定方法及び測定試薬により測定の感度を高めることができるものである。
この鳥類由来抗ヒトHMGB1ポリクローナル抗体は、ヒトHMGB1との結合能力が高い高力価の抗体を高い確率で取得し得る、その生産性が高いものである。
特に、モノクローナル抗体を用いる試料中のHMGB1の測定方法及び測定試薬は、測定の特異性に優れるものの、測定の感度は必ずしも十分なものではなかった。
このように測定の感度が不十分なものについては、測定により得られるシグナルの量が極めて小さいため、再現性が悪く、低濃度域の正確性に欠け、満足に測定できるものではなかった。よって、更なる高感度化が求められていた。
(1) 抗HMGB1抗体を固定化した担体を用いる試料中のHMGB1の測定方法において、受託番号がNITE P-02843であるハイブリドーマ181208 2H6株より産生される抗HMGB1モノクローナル抗体と受託番号がNITE P-02842であるハイブリドーマ181212 2D4株より産生される抗HMGB1モノクローナル抗体とを同じ担体に固定化したことを特徴とする、試料中のHMGB1の測定方法。
(2) ELISA法によるものである、前記(1)に記載の試料中のHMGB1の測定方法。
(3) ラテックス比濁法によるものである、前記(1)に記載の試料中のHMGB1の測定方法。
(4) 抗HMGB1抗体を固定化した担体を用いる試料中のHMGB1の測定試薬において、受託番号がNITE P-02843であるハイブリドーマ181208 2H6株より産生される抗HMGB1モノクローナル抗体と受託番号がNITE P-02842であるハイブリドーマ181212 2D4株より産生される抗HMGB1モノクローナル抗体とを同じ担体に固定化したことを特徴とする、試料中のHMGB1の測定試薬。
(5) ELISA法によるものである、前記(4)に記載の試料中のHMGB1の測定試薬。
(6) ラテックス比濁法によるものである、前記(4)に記載の試料中のHMGB1の測定試薬。
(7) 測定試薬キットである、前記(4)~(6)のいずれか1項に記載の試料中のHMGB1の測定試薬。
その結果として、再現性よく、そして、低濃度域も正確に測定することができるものである。
1.総論
本発明の試料中のHMGB1の測定方法及び測定試薬は、抗HMGB1抗体を固定化した担体を用いる試料中のHMGB1の測定方法及び測定試薬において、受託番号がNITE P-02843であるハイブリドーマ181208 2H6株より産生される抗HMGB1モノクローナル抗体と受託番号がNITE P-02842であるハイブリドーマ181212 2D4株より産生される抗HMGB1モノクローナル抗体とを同じ担体に固定化したことを特徴とするものである。
(1)ハイブリドーマ2H6株より産生されるモノクローナル抗体
[1]総論
本発明においては、受託番号がNITE P-02843であるハイブリドーマ181208 2H6株より産生される抗HMGB1モノクローナル抗体(以下、「抗体(2H6)」と記載することがある。)を用いる。
この抗体(2H6)を使用する際には、抗体そのものでもよいが、この抗体(2H6)のフラグメント(Fab、F(ab’)2又はFab’等)又は一本鎖抗体(scFv)であってもよい。
抗体(2H6)を調製する際の免疫原であるが、HMGB1のアミノ酸配列の全部又は一部を含むタンパク質又はペプチドを免疫原として用いることができる。
なお、本発明において、HMGB1のアミノ酸配列の全部若しくは一部のアミノ酸配列を含むペプチド又はタンパク質を取得する方法としては特に限定はなく、如何なる方法によるものでもよく、例えば、公知の方法により取得することができる。
また、非天然型アミノ酸の導入、各アミノ酸残基の化学修飾やシステイン残基を導入することにより分子内を環化させて構造を安定化させる等の修飾を施してもよい。
また、ニトロセルロース粒子、ポリビニルピロリドン又はリポソーム等の担体に免疫原を吸着させたものを免疫原とすることもできる。
細胞融合法によるモノクローナル抗体の調製は、以下の操作により行うことができる。
免疫注射は、皮下、静脈内、腹腔内又は背部等の部位に行えばよい。
ミエローマ細胞がHGPRT欠損株又はTK欠損株のものである場合には、ヒポキサンチン・アミノプテリン・チミジンを含む選別用培地(HAT培地)を用いることにより、抗体産生能を有する細胞とミエローマ細胞の融合細胞(ハイブリドーマ)のみを選択的に培養し、増殖させることができる。
また、モノクローナル抗体産生細胞株を、これに適合性がありプリスタン等であらかじめ刺激した哺乳動物の腹腔内に注入し、一定期間の後、腹腔にたまった腹水より抗体(2H6)を得ることもできる。
[1]総論
本発明においては、受託番号がNITE P-02842であるハイブリドーマ181212 2D4株より産生される抗HMGB1モノクローナル抗体(以下、「抗体(2D4)」と記載することがある。)を用いる。
この抗体(2D4)を使用する際には、抗体そのものでもよいが、この抗体(2D4)のフラグメント(Fab、F(ab’)2又はFab’等)又は一本鎖抗体(scFv)であってもよい。
前記(1)の[2]の記載と同様に操作を行うことにより、本発明における抗体(2D4)を得ることができる。
[1]抗体固定化担体
本発明においては、抗体(2H6)と抗体(2D4)とは、同じ担体に固定化する。
本発明の試料中のHMGB1の測定方法における測定を、酵素免疫測定法、蛍光免疫測定法、放射免疫測定法又は発光免疫測定法等の標識抗体を用いた免疫学的測定方法、すなわち標識抗体を用いる抗原抗体反応を利用した測定方法により実施する場合には、サンドイッチ法又は競合法等により行うことができる。
本発明のHMGB1の測定方法における測定を、ラテックス比濁法、ラテックス凝集反応法、赤血球凝集反応法又は粒子凝集反応法等の免疫複合体凝集物の生成を、その透過光や散乱光を光学的方法により測るか、又は目視的に測る測定方法により実施する場合には、すなわち、抗原抗体反応による複合体の凝集物の生成を測る測定方法(凝集反応法)により実施する場合には、担体として、例えば、ポリスチレン、スチレン-スチレンスルホン酸塩共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体、塩化ビニル-アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル-アクリル酸共重合体、ポリアクロレイン、スチレン-メタクリル酸共重合体、スチレン-グリシジル(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、メタクリル酸重合体、アクリル酸重合体、ラテックス、ゼラチン、リポソーム、マイクロカプセル、赤血球、シリカ、アルミナ、カーボンブラック、金属化合物、金属、セラミックス又は磁性体等の材質よりなる粒子等を使用することができる。
(1)試料中のHMGB1の測定方法
本発明の試料中のHMGB1の測定方法は、抗HMGB1抗体を固定化した担体を用いる試料中のHMGB1の測定方法において、抗体(2H6)と抗体(2D4)とを同じ担体に固定化したことを特徴とするものである。
また、本発明の測定方法における測定は、用手法により行ってもよいし、又は分析装置等の装置を用いて行ってもよい。
本発明の測定方法における試料としては、血液、血清、血漿、尿、髄液、唾液、汗、涙、腹水もしくは羊水などの体液;大便;血管もしくは肝臓などの臓器;組織;細胞;又は大便、臓器、組織もしくは細胞などの抽出液等、HMGB1が含まれる可能性のある生体試料であれば対象となる。
本発明の測定方法を酵素免疫測定法、蛍光免疫測定法、放射免疫測定法又は発光免疫測定法等の標識抗体を用いた免疫学的測定方法により実施する場合には、サンドイッチ法又は競合法等により行うことができるが、抗体固定化担体が抗体(2H6)と抗体(2D4)とを同じ担体に固定化したものである必要がある。
また、蛍光免疫測定法の場合には、フルオレセインイソチオシアネート、テトラメチルローダミンイソチオシアネート、置換ローダミンイソチオシアネート又はジクロロトリアジンイソチオシアネート等を用いることができる。
そして、放射免疫測定法の場合には、トリチウム、ヨウ素125又はヨウ素131等を用いることができる。
また、発光免疫測定法においては、NADH-FMNH2-ルシフェラーゼ系、ルミノール-過酸化水素-POD系、アクリジニウムエステル系又はジオキセタン化合物系等を用いることができる。
そして、未結合の標識抗体を洗浄分離して、「固定化抗体=HMGB1」を介して担体に結合した標識抗体の量又は未結合の標識抗体の量より試料中に含まれていたHMGB1の量(濃度)のみを測定することができる。
本発明の測定方法を、ラテックス比濁法、ラテックス凝集反応法、赤血球凝集反応法又は粒子凝集反応法等の免疫複合体凝集物の生成を、その透過光や散乱光を光学的方法により測るか、又は目視的に測る測定法により実施する場合には、溶媒としてリン酸緩衝液、グリシン緩衝液、トリス緩衝液又はグッド緩衝液等を用いることができ、更にポリエチレングリコール等の反応促進剤や非特異的反応抑制剤を含ませてもよい。
また、目視的に測定する場合には、プレートやマイクロプレート等の前記容器中で、試料と担体に固定化させた抗体[抗体(2H6)及び抗体(2D4)]を反応させ、凝集の状態を目視的に判定する。なお、この目視的に測定する代わりにマイクロプレートリーダー等の機器を用いて測定を行ってもよい。
例えば、まず、「抗体(2H6)及び抗体(2D4)を固定化した担体」を含有する測定試薬、又は「抗体(2H6)及び抗体(2D4)を固定化した担体」を含有する測定試薬及び「水系溶媒」を含有する測定試薬等を調製し、準備する。
そして、これより生成した、「抗体(2H6)及び抗体(2D4)を固定化した担体」と「HMGB1」との複合体凝集物(・・・〔HMGB1〕-〔抗体(2H6)及び抗体(2D4)を固定化した担体〕-〔HMGB1〕-〔抗体(2H6)及び抗体(2D4)を固定化した担体〕-〔HMGB1〕・・・)を測定する。
第1試薬:
緩衝液(水系溶媒)
第2試薬:
「抗体(2H6)及び抗体(2D4)を固定化したラテックス粒子」を含有する緩衝液
なお、試料と第1試薬の混合比率(量比)は、適宜選択すればよい。
また、前記の静置時の温度は、室温(1℃~30℃)又は微温(30℃~40℃)の範囲内の一定温度であることが好ましい。(例えば、37℃等)
これにより、「抗体(2H6)及び抗体(2D4)を固定化したラテックス粒子」と試料とを接触させる。
なお、第2試薬の添加量は、適宜選択すればよい。
また、前記の静置時の温度は、室温(1℃~30℃)又は微温(30℃~40℃)の範囲内の一定温度であることが好ましい。(例えば、37℃等)
そして、前記の静置の時間は、1分以上、かつ10分以下の一定時間であることが好ましく、3分以上、かつ5分以下の一定時間であることがより好ましい。
本発明の試料中のHMGB1の測定方法においては、溶媒として、各種の水系溶媒を用いることができる。
この水系溶媒としては、例えば、精製水、生理食塩水、又は、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝液〔Tris緩衝液〕、リン酸緩衝液若しくはリン酸緩衝生理食塩水などの各種緩衝液等を挙げることができる。
この緩衝液のpHについては、適宜適当なpHを選択して用いればよく、特に制限はないものの、通常は、pH3~pH12の範囲内のpHを選択して用いることが一般的である。
そして、これらを測定に用いる際の濃度は特に限定されるものではないが、0.001~10%(w/v)が好ましく、特に、0.01~5%(w/v)が好ましい。
(1)試料中のHMGB1の測定試薬
本発明の試料中のHMGB1の測定試薬は、抗HMGB1抗体を固定化した担体を用いる試料中のHMGB1の測定試薬において、抗体(2H6)と抗体(2D4)とを同じ担体に固定化したことを特徴とするものである。
また、本発明の測定試薬における測定は、用手法により行ってもよいし、又は分析装置等の装置を用いて行ってもよい。
本発明の測定試薬における試料としては、血液、血清、血漿、尿、髄液、唾液、汗、涙、腹水もしくは羊水などの体液;大便;血管もしくは肝臓などの臓器;組織;細胞;又は大便、臓器、組織もしくは細胞などの抽出液等、HMGB1が含まれる可能性のある生体試料であれば対象となる。
本発明の測定試薬を酵素免疫測定法、蛍光免疫測定法、放射免疫測定法又は発光免疫測定法等の標識抗体を用いた免疫学的測定方法を測定原理として実施する場合には、サンドイッチ法又は競合法等により行うことができるが、サンドイッチ法により実施する時には、抗体固定化担体が抗体(2H6)と抗体(2D4)とを同じ担体に固定化したものである必要がある。
また、蛍光免疫測定法を測定原理とする場合には、フルオレセインイソチオシアネート、テトラメチルローダミンイソチオシアネート、置換ローダミンイソチオシアネート又はジクロロトリアジンイソチオシアネート等を用いることができる。
そして、放射免疫測定法を測定原理とする場合には、トリチウム、ヨウ素125又はヨウ素131等を用いることができる。
また、発光免疫測定法を測定原理とする場合においては、NADH-FMNH2-ルシフェラーゼ系、ルミノール-過酸化水素-POD系、アクリジニウムエステル系又はジオキセタン化合物系等を用いることができる。
本発明の測定試薬を、ラテックス比濁法、ラテックス凝集反応法、赤血球凝集反応法又は粒子凝集反応法等の免疫複合体凝集物の生成を、その透過光や散乱光を光学的方法により測るか、又は目視的に測る測定法を測定原理とする場合には、溶媒としてリン酸緩衝液、グリシン緩衝液、トリス緩衝液又はグッド緩衝液等を用いることができ、更にポリエチレングリコール等の反応促進剤や非特異的反応抑制剤を含ませてもよい。
本発明の測定試薬において、溶媒としては、各種の水系溶媒を用いることができる。この水系溶媒としては、例えば、精製水、生理食塩水、又は、トリス緩衝液、リン酸緩衝液若しくはリン酸緩衝生理食塩水などの各種緩衝液等を挙げることができる。この緩衝液のpHについては、適宜適当なpHを選択して用いればよく、特に制限はないものの、通常は、pH3~12の範囲内のpHを選択して用いることが一般的である。
本発明の測定試薬は、そのもの単独にて、試料中のHMGB1の測定に使用することができる。そして、そのもの単独にて、販売することができる。また、本発明の測定試薬は、他の試薬と組み合わせて、試料中のHMGB1の測定に使用することもできる。そして、他の試薬と組み合わせて、販売することもできる。前記の他の試薬としては、例えば、緩衝液、試料希釈液、試薬希釈液、標識物質を含有する試薬、発色などのシグナルを生成する物質を含有する試薬、発色などのシグナルの生成に関与する物質を含有する試薬、校正(キャリブレーション)を行うための物質を含有する試薬、又は精度管理を行うための物質を含有する試薬等を挙げることができる。そして、前記の他の試薬を第1試薬とし、本発明の測定試薬を第2試薬としたり、又は本発明の測定試薬を第1試薬とし、前記の他の試薬を第2試薬としたりして、適宜様々な組合せにて使用、及び販売を行うことができる。
ウシHMGB1及びウシHMGB2を調製した。
(1) まず、ウシの胸腺500gを、140mMの塩化ナトリウム及び0.5mMのPMSFを含む600mLの緩衝液中で破砕を行った。
この洗浄操作を2回繰り返して行った。
そして、遠心分離機で遠心分離した後、上澄み液を分取した。
残った沈殿物に0.75Mの過塩素酸の400mLを加えた。
これについても、遠心分離機で遠心分離した後、上澄み液を分取した。
この上澄み液と先に分取した上澄み液とを合わせた。
なお、沈殿物は廃棄した。
次に、遠心分離機で遠心分離した後、上澄み液をグラスフィルター(グレード4)で濾過した。
濁りが生じてくるので、遠心分離機で遠心分離して、上澄み液を分取した。
この上澄み液に、アセトン2,500mLを加えた。
そして、再度、濁りが生じてくるので、これを遠心分離機で遠心分離して、上澄み液を分離し、残った沈殿物を集めた。
以上の操作により、ウシHMGB1及びウシHMGB2を含むタンパク質画分が、およそ200mg得られた。
そしてその後、200mM塩化ナトリウムを含む7.5mMホウ酸ナトリウム緩衝液(pH9.0)により溶出させて、陽イオン交換クロマトグラフィーを行った。
以上の操作により、ウシHMGB1及びウシHMGB2それぞれを分取した。
(1) 前記参考例1により調製したウシHMGB1(全体長のもの)を免疫原として用いた。
混合した前記脾臓細胞とミエローマ細胞(P3U1)を遠心して上清を除き、室温でポリエチレングリコール〔PEG1500;Roche社(スイス国)〕1mLに1分間かけて懸濁した後、37℃で1分間撹拌した。
(i) 前記の参考例1で調製したウシHMGB1、及びウシHMGB2(ヒトHMGB2とのアミノ酸配列の相同性100.0%)のそれぞれをリン酸緩衝生理食塩水(0.9%塩化ナトリウム水溶液)により1μg/mLの濃度となるように調製したもの、又は対照としてのリン酸緩衝生理食塩水(0.9%塩化ナトリウム水溶液)を、各々96穴マイクロタイタープレート〔Thermo Fisher Scientific Inc社(米国・イリノイ州)〕のウェルに100μL注入し、5℃、16~24時間(又は37℃2時間)静置し、前記のHMGB1、及びHMGB2のそれぞれを、前記マイクロタイタープレートのウェルに固相化し、更に1%BSAを含むリン酸緩衝生理食塩水にて5℃で16~24時間(又は37℃2時間)静置し、ブロッキングした。
前記実施例1とは別の時に、前記実施例1の(1)~(4)の記載の通りに操作を行い、再度、抗HMGB1モノクローナル抗体の調製を行った。
前記実施例1及び実施例2とは別の時に、前記実施例1の(1)~(4)の記載の通りに操作を行い、HMGB1及びHMGB2に結合するモノクローナル抗体の調製を行った。
ELISA法により、本発明の効果の確認を行った。
より詳細には、サンドイッチELISA法により、試料中のHMGB1の測定を行い、測定可能な試料中のHMGB1の値を比較して、本発明の効果の確認を行った。
i)抗HMGB1抗体固定化プレート
前記実施例1で取得した抗体(2H6)、前記実施例2で取得した抗体(2D4)、及び前記実施例1で取得した抗体(2H6)と前記実施例2で取得した抗体(2D4)の等量混合物のそれぞれを、緩衝液を加え5~10μg/mLに希釈した。
これを抗HMGB1抗体固定化プレートとした。
前記実施例3で取得した抗体(5D1)をラベル化キット(Peroxidase Labeling Kit・SH;LK09〔同仁化学研究所社(日本国)〕を用いてPOD標識した抗体(5D1)を用いた。
0.05%Tween20を含むリン酸緩衝生理食塩水を洗浄液とした。
市販のHMGB1測定試薬「HMGB1 ELISA Kit II」〔シノテスト社(日本国)〕の「検体希釈液」を希釈液として用いた。
0.2mMのEDTA・2ナトリウムを含む0.045%の3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジン塩酸塩水溶液(pH2.0)を発色液とした。
5mM過酸化水素、41mMクエン酸、及び0.2mMのEDTA・2ナトリウムを含む60mMリン酸二ナトリウム水溶液(pH4.3)を基質液とした。
前記v)の発色液と前記vi)の基質液を使用前に室温に戻した上で、使用時に等量混合し、発色基質とした。
0.7N硫酸を反応停止液とした。
市販のHMGB1測定試薬「HMGB1 ELISA Kit II」〔シノテスト社(日本国)〕の「標識抗体溶解液」を標識抗体希釈液として用いた。
精製ブタHMGB1(胸腺由来)[ヒトHMGB1とのアミノ酸配列の相同性99.1%]を、それぞれ1.25ng/mL、2.5ng/mL、5ng/mL、10ng/mL、20ng/mL、及び40ng/mLになるように前記1のiv)希釈液にて希釈して試料とした。
(1) 前記1のi)の抗HMGB1抗体固定化プレートの各ウェルを前記1のiii)洗浄液の400μLにて3回洗浄した。
37℃で1時間静置し、抗HMGB1モノクローナル抗体を介して抗HMGB1抗体固定化プレートに結合したHMGB1と、POD標識抗HMGB1,2モノクローナル抗体との抗原抗体反応を行わせた。
前記3における測定の結果を、表1に示した。
ラテックス比濁法により、本発明の効果の確認を行った。
より詳細には、ラテックス比濁法により、試料中のHMGB1の測定を行い、測定可能な試料中のHMGB1の値を比較して、本発明の効果の確認を行った。
i)第1試薬
200mM PIPES緩衝液(pH8.0)を第1試薬とした。
(I)第2試薬-1
(a) 前記実施例1で取得した抗体(2H6)と前記実施例2で取得した抗体(2D4)の等量混合物を、緩衝液を加えて、2000μg/mLに希釈した。
このようにして抗体(2H6)及び抗体(2D4)を固定化させたラテックス粒子液(40μg/mL)を調製した。
このようにして抗体(5D1)を固定化させたラテックス粒子液(20μg/mL)を調製した。
(a) 前記実施例1で取得した抗体(2H6)に緩衝液を加えて、1000μg/mLに希釈した。
このようにして抗体(2H6)を固定化させたラテックス粒子液(20μg/mL)を調製した。
このようにして抗体(2D4)を固定化させたラテックス粒子液(20μg/mL)を調製した。
このようにして抗体(5D1)を固定化させたラテックス粒子液(20μg/mL)を調製した。
(a) 前記実施例1で取得した抗体(2H6)に緩衝液を加えて、1000μg/mLに希釈した。
このようにして抗体(2H6)を固定化させたラテックス粒子液(20μg/mL)を調製した。
このようにして抗体(5D1)を固定化させたラテックス粒子液(20μg/mL)を調製した。
(a) 前記実施例2で取得した抗体(2D4)に緩衝液を加えて、1000μg/mLに希釈した。
このようにして抗体(2D4)を固定化させたラテックス粒子液(20μg/mL)を調製した。
このようにして抗体(5D1)を固定化させたラテックス粒子液(20μg/mL)を調製した。
精製ブタHMGB1(胸腺由来)[ヒトHMGB1とのアミノ酸配列の相同性99.1%]を、80ng/mLになるように前記実施例4の1のiv)希釈液にて希釈して試料とした。
i) 測定は日立7170s形自動分析装置〔日立ハイテクノロジーズ社(日本国)〕を使用して行った。
そして、反応のタイムコース[試薬盲検(試薬ブランク)を差し引いたもの]の測定を行った。
そして、反応のタイムコース[試薬盲検(試薬ブランク)を差し引いたもの]の測定を行った。
そして、反応のタイムコース[試薬盲検(試薬ブランク)を差し引いたもの]の測定を行った。
そして、反応のタイムコース[試薬盲検(試薬ブランク)を差し引いたもの]の測定を行った。
前記3における測定の結果を、図1に示した。
ラテックスを用いた抗原吸収試験により、本発明の効果の確認を行った。
より詳細には、抗体を固定化させたラテックス粒子に結合するHMGB1の値を比較して、本発明の効果の確認を行った。
i)抗体固定化ラテックス-1
(a) 前記実施例1で取得した抗体(2H6)に緩衝液を加えて、1000μg/mLに希釈した。
(a) 前記実施例2で取得した抗体(2D4)に緩衝液を加えて、1000μg/mLに希釈した。
(a) 前記実施例1で取得した抗体(2H6)に緩衝液を加えて、1000μg/mLに希釈した。
このようにして抗体(2H6)を固定化させたラテックス粒子液(20μg/mL)を調製した。
このようにして抗体(2D4)を固定化させたラテックス粒子液(20μg/mL)を調製した。
(a) 前記実施例1で取得した抗体(2H6)と前記実施例2で取得した抗体(2D4)の等量混合物を、緩衝液を加えて、2000μg/mLに希釈した。
i) マイクロテストチューブを用いて、市販のHMGB1測定試薬「HMGB1 ELISA Kit II」〔シノテスト社(日本国)〕の「標準品」(精製ブタHMGB1)に同梱の「検体希釈液」を添加混合し、HMGB1濃度80ng/mLの標準液を調製し、これを前記の「検体希釈液」で11倍希釈し、この希釈物の20μLずつを180μLの前記の抗体固定化ラテックス-1、抗体固定化ラテックス-2、抗体固定化ラテックス-3及び抗体固定化ラテックス-4のそれぞれに添加して、混合した。
v) 前記のコントロール(ラテックス分散液)の場合の定量値を総HMGB1量とし、下の計算式により、各抗体固定化ラテックスに吸収されたHMGB1の吸収率を求めた。
前記2における測定の結果を、図2に示した。
すなわち、添加したHMGB1のほとんどがラテックスに固定化させた抗体と反応できていないことが分かる。
すなわち、各抗体を単独で固定化させたラテックス粒子を混合しても、前記の各抗体を単独でラテックス粒子に固定化させた場合とHMGB1の吸収率は変わらずラテックスに固定化させた抗体が反応できるHMGB1量に変化がなかったことが分かる。
Claims (7)
- 抗HMGB1抗体を固定化した担体を用いる試料中のHMGB1の測定方法において、受託番号がNITE P-02843であるハイブリドーマ181208 2H6株より産生される抗HMGB1モノクローナル抗体と受託番号がNITE P-02842であるハイブリドーマ181212 2D4株より産生される抗HMGB1モノクローナル抗体とを同じ担体に固定化したことを特徴とする、試料中のHMGB1の測定方法。
- ELISA法によるものである、請求項1に記載の試料中のHMGB1の測定方法。
- ラテックス比濁法によるものである、請求項1に記載の試料中のHMGB1の測定方法。
- 抗HMGB1抗体を固定化した担体を用いる試料中のHMGB1の測定試薬において、受託番号がNITE P-02843であるハイブリドーマ181208 2H6株より産生される抗HMGB1モノクローナル抗体と受託番号がNITE P-02842であるハイブリドーマ181212 2D4株より産生される抗HMGB1モノクローナル抗体とを同じ担体に固定化したことを特徴とする、試料中のHMGB1の測定試薬。
- ELISA法によるものである、請求項4に記載の試料中のHMGB1の測定試薬。
- ラテックス比濁法によるものである、請求項4に記載の試料中のHMGB1の測定試薬。
- 測定試薬キットである、請求項4~6のいずれか1項に記載の試料中のHMGB1の測定試薬。
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