JP3269401B2 - 免疫測定方法及びその測定試薬 - Google Patents
免疫測定方法及びその測定試薬Info
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Description
測定方法及び測定試薬に関する。更に詳しくはモノクロ
ーナル抗体と固相とが結合した感作固相と、前記抗体の
抗原決定基とは異なる抗原決定基と反応するモノクロー
ナル抗体と標識物とが結合した標識抗体と、検体とを混
合して免疫複合体を形成し、固相に結合した標識物又は
未結合の標識物を測定するサンドイッチ免疫測定法にお
いて、感作固相の抗体にそれぞれ異なる抗原決定基と反
応する2種以上の抗体を使用し、標識抗体には感作固相
の抗体と抗原性物質との結合によってその抗原決定基に
影響を受け反応性が向上する抗体を使用する検体中の前
記抗原決定基を有する抗原性物質の該測定法、及びそれ
ぞれ異なる抗原決定基と反応する2種以上のモノクロー
ナル抗体と固相とが結合した感作固相と、前記抗原決定
基とは異なる抗原決定基と反応し、かつ感作固相の抗体
と抗原性物質との結合によってその抗原決定基に影響を
受け反応性が向上するモノクローナル抗体と標識物とが
結合した標識抗体とからなる抗原決定基を有する抗原性
物質のサンドイッチ免疫測定試薬に関する。
抗原に対する1種又は2種の固相化されたモノクローナ
ル抗体(a)及び該抗原に対して前記抗体(a)とは異
なる標識モノクローナル抗体(b)とを反応させ、標識
物を測定する方法が知られている(特開平6−2583
25号参照)。この測定法は、固相に結合したモノクロ
ーナル抗体と標識モノクローナル抗体とにより測定対象
物の抗原をサンドイッチ法で測定する方法であり、広く
免疫測定に用いられている。しかしながら、1種の固相
化されたモノクローナル抗体を用いて検体中のプロラク
チンをサンドイッチ法で測定する方法の記載はあるもの
の、2種の固相化されたモノクローナル抗体を用いるサ
インドイッチ法については具体的記載がなく、いかなる
抗体を用いて測定を行うか全く示されていない。
時に誘導される抗原、抗体等が同定され、これらの物質
を特異的に免疫測定するために前記サンドイッチ法が用
いられている。
等の早期診断、治療のモニター等を実施するために検体
中の低濃度の抗原、抗体等の測定対象物を測定する方法
が求められている。しかしながら従来のサンドイッチ法
の測定では、できるかぎり測定対象物と特異的に結合
し、親和力の高い抗体を選択して使用することが試みら
れたが、低濃度の測定対象物の測定では満足できるもの
ではなかった。
た結果、それぞれ異なる抗原決定基と反応する2種以上
のモノクローナル抗体と固相とが結合した感作固相と、
前記抗原決定基とは異なる抗原決定基と反応し、かつ感
作固相の抗体と抗原性物質との結合によってその抗原決
定基に影響を受け反応性が向上するモノクローナル抗体
と標識物とが結合した標識抗体を用いることにより検体
中に含まれる抗原決定基を有する抗原性物質をサンドイ
ッチ免疫測定する方法を見出し本発明を完成するに至っ
た。
物質に存在する異なる抗原決定基と反応する2種以上の
抗体と免疫測定用の固相とを結合させて製造する。この
抗体は、2種以上の抗体を使用することができるが、通
常2種類の抗体を用いることが経済的にも、効率よく製
造するためにも好ましい。この2種類の抗体は、モノク
ローナル抗体であって、測定対象物の抗原性物質のそれ
ぞれ異なった抗原決定基と反応する。ポリペプチド等の
抗原性物質の場合には、例えばこの抗体がポリペプチド
のC末端部と反応する抗体とポリペプチドのN末端部と
反応する抗体の組み合わせ等から選択することができ
る。固相に結合される抗体は、抗原性物質、この抗原性
物質を構成するペプチドフラグメント、化学合成した抗
原性物質を構成する化合物、遺伝子組換え法により作成
した前記化合物等を免疫原として用い、公知のモノクロ
ーナル抗体の製造法に従い製造することができる(例え
ば「モノクローナル抗体とがん」(株)サイエンスフォ
ーラム(1985年)参照)。これらの抗体の組み合わ
せは、抗原性物質のそれぞれの部位と結合するものであ
ればよく、同一若しくは異なるクラス又はサブクラスで
あってもよい。
た2種以上の抗体と固相とを公知の共有結合又は非共有
結合を作る方法を利用して固相に結合させて行うことが
できる。これらの抗体は、前記モノクローナル抗体の
他、これらの抗体を還元及び/又は酵素処理して製造し
たFab、Fab'、F(ab')2 等の抗体フラグメン
トであってもよい。また固相としては免疫測定用の各種
固相を挙げることができ、例えばプラスチック製の試験
管内壁、マイクロタイタープレート、ガラスビーズ、ポ
リスチレン等から製造されたプラスチックビーズ、セル
ロース、ニトロセルロース等のメンブレン、フェライト
粒子(例えば特開平3−115862号参照)等を挙げ
ることができる。またさらに前記抗体と固相とを結合す
る方法としては、例えばグルタールアルデヒド法、過ヨ
ウ素酸法、マレイミド法、ピリジル・ジスルフィド法、
公知の各種架橋剤を用いる方法等を挙げることができる
(例えば「蛋白質核酸酵素」別冊31号、37〜45頁
(1985)参照)。共有結合による方法では、抗体に
存在する官能基を利用できるほか、抗体に例えばチオー
ル基、アミノ基、カルボキシル基、水酸基等の基を導入
した後、前記共有結合法に従い反応を行うことができ
る。また同様に固相に官能基を導入するための処理を行
ったのち反応に用いることもできる。非共有結合による
方法としては前記した少なくとも2種の抗体と固相とを
混合して行う物理吸着法等を挙げることができる。
体とは異なる抗原決定基と反応する抗体と標識物とを結
合させて製造することができる。この抗体は固相に結合
した2種以上の抗原性物質に対する前記抗体との反応部
位とは異なる部位を認識する抗体である。更にこの抗体
としては、感作固相の抗体と抗原性物質とが反応し結合
することにより標識抗体が結合する抗原決定基に影響を
与え、反応性が向上する抗体を選択して用いる。この抗
体は前記固相試薬の抗体と同様に製造されるモノクロー
ナル抗体であり、更に前記固相試薬の抗体と同様に抗体
を還元及び/又は酵素処理して得た抗体のフラグメント
であってもよい。
疫測定に用いられる標識物であり例えば酵素、放射性同
位元素、蛍光物質、発光物質、着色粒子、金属コロイド
粒子等を挙げることができる。この標識抗体は前記感作
固相の製造法に従い、共有結合又は非共有結合を作る方
法を利用して製造することができる。
なく各種の抗原性物質を挙げることができるが、例えば
ヒトの他各種動物由来のカルシトニン、カルシトニン遺
伝子関連ペプチド(CGRP)、ナトリウム利尿ペプチ
ド(ANP、BNP等)等のポリペプチドであることが
好ましい。これらのポリペプチドと反応する抗体として
は容易に入手可能な抗体であり、例えばヒトカルシトニ
ンと反応する抗体としては特開平5−103689号に
開示されている。
記感作固相及び標識抗体を用いて周知の1ステップ法、
ディレイ1ステップ法、2ステップ法等のサンドイッチ
法を組み合わせて行い、免疫反応により固相上に形成さ
れる免疫複合体の標識物を測定すること又は未結合の溶
液中の標識物を測定することにより実施することができ
る。例えば2ステップ法では固相試薬とポリペプチドを
含む検体とを緩衝液中でインキュベーション(例えば5
〜50℃、5分〜1日)した後、固相を洗浄する。次に
標識抗体を含む緩衝液中に固相を移し、さらにインキュ
ベーション(例えば5〜50℃、5分〜1日)した後、
固相を再び洗浄する。このようにして固相上に形成され
た免疫複合体から標識物の測定を行う方法である。
線測定装置で測定する他、発光、蛍光、発色等を目視又
は比色計、蛍光光度計、フォトンカウンター、感光フィ
ルム等の測定機器により測定を行うこともできる。さら
に標識物がパーオキシダーゼ、アルカリホスファター
ゼ、β−ガラクトシダーゼ等の酵素の場合にはその酵素
活性を発光基質、蛍光基質、発色基質等を加えて反応を
行い前記測定機器により測定を行うことができる(例え
ば石川栄治著「酵素免疫測定法」医学書院発行参照)。
本発明の免疫測定法に用いられる検体としては、例えば
全血、血清、血漿、尿、リンパ液等の体液を挙げること
ができる。
に詳細に説明する。
フェライト粒子 ヒトカルシトニンのN末端と反応する抗ヒトカルシトニ
ン抗体OCT1及びヒトカルシトニンのC末端と反応す
る抗ヒトカルシトニン抗体CT−08(株式会社関西新
技術研究所)を固相結合用の抗体として用いた。20m
Mリン酸緩衝液(pH3.0)5mlに特開平3−11
5862号実施例4に記載の方法に従い製造した5%カ
ルボキシル化フェライト粒子50mgを分散させ、これ
に水溶性カルボジイミド50mgを加えた。室温で20
分間反応させた後、上清を除去し、抗ヒトカルシトニン
抗体OCT1(1mg/ml,20mMリン酸緩衝液,
pH3.0)2.5mlと抗ヒトカルシトニン抗体CT
−08(1mg/ml,20mMリン酸緩衝液,pH
3.0)2.5mlの混合溶液を加え、エンドオーバー
エンドミキサーで攪拌した。2時間後、この粒子を2%
BSA溶液(0.1Mトリス−塩酸,1mM塩化マグネ
シウム,0.1mM塩化亜鉛,pH7.5)で5回洗浄
し、これを同じBSA溶液に分散させ2種抗カルシトニ
ン抗体(OCT1/CT−08)結合フェライト粒子
(以下OCT1/CT−08結合粒子という)を得た。
体結合フェライト粒子 20mMリン酸緩衝液(pH3.0)5mlに前記特開
平3−115852号実施例4に記載の方法に従い製造
した5%カルボキシル化フェライト粒子50mgを分散
させ、これに水溶性カルボジイミド50mgを加えた。
室温で20分間反応させた後、上清を除去し、前記抗カ
ルシトニン抗体OCT1(1mg/ml,20mMリン
酸緩衝液,pH3.0)5mlを加え、エンドオーバー
エンドミキサーで攪拌した。2時間後、この粒子を2%
BSA溶液(0.1Mトリス−塩酸,1mM塩化マグネ
シウム,0.1mM塩化亜鉛,pH7.5)で5回洗浄
し、これを同じBSA溶液に分散させモノメリック抗カ
ルシトニン抗体(OCT1)結合フェライト粒子(以下
OCT1結合粒子という)を得た。
いて同じ方法によってモノメリック抗カルシトニン抗体
(CT−08)結合フェライト粒子(以下CT−08結
合粒子という)を得た。
子、OCT1結合粒子又はCT−08結合粒子を用いた
ヒトカルシトニンの測定 実施例1で製造したOCT1/CT−08結合粒子及び
比較例1で製造したOCT1結合粒子又はCT−08結
合粒子250μlにヒトカルシトニン500pg/ml
を含むサンプル50μlを混合し、カートリッジ中37
℃で10分間反応させた。このカートリッジに磁石に接
して粒子を集磁させ、上清を廃液し洗浄を行った。
部と反応する特開平5−103689号に記載の抗ヒト
カルシトニン抗体(CT−02,Fab’)とアルカリ
性ホスファターゼとをマレイミド・ヒンジ法(酵素標識
法18頁(石川栄治著;学会出版センター))に従い反
応させてアルカリ性ホスファターゼ標識抗カルシトニン
抗体(以下酵素標識抗体という)を得た。この酵素標識
抗体250μl(0.5μg/ml,0.1Mトリス−
塩酸,1mM塩化マグネシウム,0.1mM塩化亜鉛,
pH7.5)を混合し、37℃で10分間反応させた。
このカートリッジを前記方法で洗浄した。この粒子を含
むカートリッジに発光基質である3−(2’−スピロア
ダマンタン)−4−メトキシ−4−(3”−ホスフォリ
ルオキシ)フェニル−1,2−ジオキセタン・2ナトリ
ウム塩(AMPPD、200μg/mlを含む基質液
(0.1M DEA−塩酸,1mM塩化マグネシウム,
pH10.0))を200μl加え37℃、5分間反応
させ、フォトンカウンターで測定した。この測定は、全
自動化学発光酵素免疫測定システム(ルミパルス120
0;富士レビオ社製)で行った。その各粒子の測定結果
として、図1にシグナル値、図2にブランク値及び図3
にシグナル/ノイズ(S/N)を示す。
8結合粒子はOCT1結合粒子の30.6倍のシグナル
値、CT−08結合粒子の2.5倍のシグナル値であっ
た。ブランク値はほぼ同程度であり、S/NではOCT
1結合粒子の28倍、CT−08結合粒子の2.7倍で
あった。図3よりOCT1/CT−08結合粒子では2
S/N=2.4pg/mlであった。
法に比べ検体に含まれる低濃度(2pg/ml程度)の
抗原性物質を測定することができる。その結果、本測定
法は各種癌疾患、感染症等の早期診断、治療のモニター
等に利用することができる。
粒子又はCT−08結合粒子を用いてヒトカルシトニン
を測定した結果のシグナル値を示す図である。
粒子又はCT−08結合粒子を用いて測定した結果のブ
ランク値を示す図である。
粒子又はCT−08結合粒子を用いてヒトカルシトニン
を測定した結果のS/N値を示す図である。
Claims (6)
- 【請求項1】モノクローナル抗体と固相とが結合した感
作固相と、前記抗体の抗原決定基とは異なる抗原決定基
と反応するモノクローナル抗体と標識物とが結合した標
識抗体と、検体とを混合して免疫複合体を形成し、固相
に結合した標識物又は未結合の標識物を測定するサンド
イッチ免疫測定法において、感作固相の抗体にそれぞれ
異なる抗原決定基と反応する2種以上の抗体を使用し、
標識抗体には感作固相の抗体と抗原性物質との結合によ
ってその抗原決定基に影響を受け反応性が向上する抗体
を使用する検体中の前記抗原決定基を有する抗原性物質
の該測定法。 - 【請求項2】抗原性物質が少なくとも3つの抗原決定基
を有する抗原性物質である請求項1記載の測定方法。 - 【請求項3】抗原性物質がカルシトニンである請求項2
記載の測定方法。 - 【請求項4】それぞれ異なる抗原決定基と反応する2種
以上のモノクローナル抗体と固相とが結合した感作固相
と、前記抗原決定基とは異なる抗原決定基と反応し、か
つ感作固相の抗体と抗原性物質との結合によってその抗
原決定基に影響を受け反応性が向上するモノクローナル
抗体と標識物とが結合した標識抗体とからなる抗原決定
基を有する抗原性物質のサンドイッチ免疫測定試薬。 - 【請求項5】抗原性物質が少なくとも3つの抗原決定基
を有する抗原性物質である請求項4記載の測定試薬。 - 【請求項6】抗原性物質がカルシトニンである請求項5
記載の測定試薬。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25538796A JP3269401B2 (ja) | 1996-09-06 | 1996-09-06 | 免疫測定方法及びその測定試薬 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25538796A JP3269401B2 (ja) | 1996-09-06 | 1996-09-06 | 免疫測定方法及びその測定試薬 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1082786A JPH1082786A (ja) | 1998-03-31 |
JP3269401B2 true JP3269401B2 (ja) | 2002-03-25 |
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ID=17278060
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25538796A Expired - Lifetime JP3269401B2 (ja) | 1996-09-06 | 1996-09-06 | 免疫測定方法及びその測定試薬 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3269401B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7313659B2 (ja) * | 2019-03-12 | 2023-07-25 | 株式会社シノテスト | 試料中のhmgb1の測定方法及び測定試薬 |
-
1996
- 1996-09-06 JP JP25538796A patent/JP3269401B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1082786A (ja) | 1998-03-31 |
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